【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年3月11日に、帝国繊維株式会社が、東京消防庁本部にて本願発明に係る消防ホース結合金具の緊締及び解除構造について公開した。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
結合金具本体の周方向に沿って互いに軸方向に向った嵌合突部と嵌合凹部を交互に形成し、嵌合突部の外周面頭部に係合突部を形成すると共に、結合金具本体の接合面に嵌合凹部と連通し、かつ楔機能を有する半円弧状の係止溝を形成して構成した左右一対の結合金具において、
該結合金具本体外周面に一対の左右レバーの基部を近接状態で枢支して構成した回動ハンドリングレバーユニットを設けると共に、略同じ構造の回動ハンドリングレバーユニットを該結合金具本体外周の略対向方向にも設け、
回動ハンドリングレバーユニットを構成する左右レバーは、結合金具本体の外周面に沿った湾曲状に形成して結合金具本体の外周面に折畳自在に収納可能とすると共に、回動ハンドリング作業時に左右レバー起立状態で背中面同士が当接して一体ハンドル構造となるように構成し、
しかも、結合金具本体外周面において、左右レバー基部近傍の大径段部の段面に折曲バネを設け、左右レバーの結合金具本体外周面への折畳収納時に折曲バネの上面に左右レバーの基部側面が摺動当接して折曲バネの反発力付勢により左右レバーが基部の枢支軸から不用意に回動しないように左右レバーを固定可能とした収納ストッパー機構を構成したことを特徴とする消防ホース結合金具の緊締及び解除構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような回動動作により係合着脱を行う結合金具(以下、単にねじり式結合金具とも言う。)は、一般的な消防用ホースの接続は勿論のこと、例えばコンビナート等の大規模火災や震災時の長距離送水時等、大きな管径を有する大容量泡放水放用の消防用ホースの接続に用いられる。
【0007】
従って、このようなねじり式結合金具は、放水作業時の高水圧で不意に外れることがないように、特に嵌合突部と楔機能の嵌合凹部との緊密なねじり結合が可能となるように構成されている。
【0008】
そのために、消火作業の現場で結合金具のねじり結合やねじり解除等のホース処理作業を行うに際しては、レンチ等の着脱専用工具を用いて各ねじり式結合金具の周面に二個の着脱専用工具をそれぞれ係合して左右のねじり式結合金具を一人で、或いは二人がかりで反対方向に回動することにより行っている。
【0009】
すなわち、支軸を介した一対の開閉自在のアームから構成したレンチ様の着脱専用工具を用い、その先端部に形成したローレット等の係合部をそれぞれの結合金具本体の外周面に設けた複数の係合凸部にそれぞれ係合し、着脱専用工具を操作して二個の結合金具本体を逆周方向である閉方向に回動すれば互いに嵌合突部が楔機能の嵌合凹部中で緊締されて結合金具同士を強固に結合することができ、他方、逆の開方向に回動すれば結合金具同士の離脱を行うことができる。
【0010】
このように、ねじり式結合金具の着脱操作には必ず着脱専用工具を要し、しかも、着脱専用工具を用いるに際し一対の開閉自在のアームの先端部に形成したローレット等の係合部を結合金具本体の外周面の係合凸部に係合して操作するものであるために、左右二個のねじり式結合金具における嵌合突部と嵌合凹部の緊締が過剰になされているとレンチ様の着脱専用工具が結合金具本体外周面の係合凸部を滑り結合金具本体が回動しない恐れがあった。
【0011】
また、長い距離にわたって一定規格の多数の消防ホースを連結敷設する作業を行う場合は、多数のホースの連結部分に設けた多数の結合金具毎に着脱専用工具数を使用しなければならず、工具の携行数には限界があるため結合金具を複数人で同時に連結するという作業が困難となり消火作業に手間取り大火災事故の原因となる恐れもあった。
【0012】
更には、着脱専用工具は、結合金具が大型化するに伴いその管径に合わせて大型化し各種の規格工具を準備しなければならず各種の工具を常時携帯する不便とその保管に不便となっていた。
【0013】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、従来の着脱専用工具を用いることもができる一方、予め結合金具本体に回動ハンドリングレバーユニットを一体に設けておき着脱専用工具によらずとも結合金具同士の接合操作と解除操作を容易にすることができ、消火活動等の緊急時に迅速且つ確実に消防用ホース同士の連結による敷設と消火作業終了後のホース解体による回収作業が容易に行える消防ホース結合金具の緊締及び解除構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記従来の課題を解決するために、この発明は、結合金具本体の周方向に沿って互いに軸方向に向った嵌合突部と嵌合凹部を交互に形成し、嵌合突部の外周面頭部に係合突部を形成すると共に、結合金具本体の接合面に嵌合凹部と連通し、かつ楔機能を有する半円弧状の係止溝を形成して構成した左右一対の結合金具において、該結合金具本体外周面に一対の左右レバーの基部を近接状態で枢支して構成した回動ハンドリングレバーユニットを設けると共に、略同じ構造の回動ハンドリングレバーユニットを該結合金具本体外周の略対向方向にも設け
、回動ハンドリングレバーユニットを構成する左右レバーは、結合金具本体の外周面に沿った湾曲状に形成して結合金具本体の外周面に折畳自在に収納可能とすると共に、回動ハンドリング作業時に左右レバー起立状態で背中面同士が当接して一体ハンドル構造となるように構成し、しかも、結合金具本体外周面において、、左右レバー基部近傍の大径段部の段面に折曲バネを設け、左右レバーの結合金具本体外周面への折畳収納時に折曲バネの上面に左右レバーの基部側面が摺動当接して折曲バネの反発力付勢により左右レバーが基部の枢支軸から不用意に回動しないように左右レバーを固定可能とした収納ストッパー機構を構成したことを特徴とする消防ホース結合金具の緊締及び解除構造を提供するものである。
【0015】
また、本発明に係る消防ホース結合金具の緊締及び解除構造では、以下の点に特徴を有する。
【0017】
回動ハンドリング作業時に起立状態で当接する前記左右レバーの外周側面には、背中面同士の滑動防止のためのローレット溝を刻設したこと。
【0018】
略同じ構造の回動ハンドリングレバーユニットを結合金具本体外周の略対向方向に複数個設けたこと。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、結合金具本体の周方向に沿って互いに軸方向に向った嵌合突部と嵌合凹部を交互に形成し、嵌合突部の外周面頭部に係合突部を形成すると共に、結合金具本体の接合面に嵌合凹部と連通し、かつ楔機能を有する半円弧状の係止溝を形成して構成した左右一対の結合金具において、該結合金具本体外周面に一対の左右レバーの基部を近接状態で枢支して構成した回動ハンドリングレバーユニットを設けると共に、略同じ構造の回動ハンドリングレバーユニットを該結合金具本体外周の略対向方向にも設け
、回動ハンドリングレバーユニットを構成する左右レバーは、結合金具本体の外周面に沿った湾曲状に形成して結合金具本体の外周面に折畳自在に収納可能とすると共に、回動ハンドリング作業時に左右レバー起立状態で背中面同士が当接して一体ハンドル構造となるように構成し、しかも、結合金具本体外周面において、、左右レバー基部近傍の大径段部の段面に折曲バネを設け、左右レバーの結合金具本体外周面への折畳収納時に折曲バネの上面に左右レバーの基部側面が摺動当接して折曲バネの反発力付勢により左右レバーが基部の枢支軸から不用意に回動しないように左右レバーを固定可能とした収納ストッパー機構を構成したため、二つの結合金具本体の回動ハンドリングレバーユニットが一体に左右一対の結合金具に付設されており、常時必要な時に該回動ハンドリングレバーユニットを組立ててレバー構造に変形して操作することができることになり、わざわざ従来の着脱専用工具を携行しておく必要がなく消火作業現場での規格消防ホースの連結敷設作業容易となり、かつ迅速に消火作業に着手できることになるため消火作業現場での安全性の向上に貢献することができる効果がある。
【0020】
更には、回動ハンドリングレバーユニットを組立ててレバ―構造に変形する構造としては結合金具本体外周面での左右レバーの基部枢支構造であるため、簡単で安価な構造とすることができ、かつ左右レバーの起立操作という簡単な操作で回動ハンドリングレバーユニットの組立てが完了することから結合金具の連結解除が容易に行えるため消火現場でのホースの連結解除作業を効率的に安全かつ迅速に行える効果がある。
【0021】
特に操作に際しては、作業者が回動ハンドリングレバーユニットの左右レバーを把持して逆周方向の閉方向に回動するように操作すれば互いに嵌合突部が嵌合凹部中でねじり緊締されて結合金具同士を強固に接合することができ、他方、開方向に回動すれば結合金具同士の離脱を行うことができるため操作は簡単で特に大きな熟練を必要とせず消火作業に従事する作業者が誰でもいつでも容易にホース連結解除作業を遂行できる効果がある。
【0022】
また、従来の着脱専用工具を用いることもできる一方、着脱専用工具によらずとも結合金具同士の接合操作と解除操作を精確且つ容易にすることができるため現場の状況に応じて作業者が選択的に従来の着脱専用工具や本発明の消防ホース結合金具の緊締及び解除構造である回動ハンドリングレバーユニットを使用できることになり、消火活動等の緊急時に迅速且つ確実に消防用ホース同士の連結による敷設と消火作業終了後のホース解体による回収作業等の消火作業現場での状況を判断しながら最適なホース連結に関連する作業を選択的に安全確実に行うことができる効果がある。
【0023】
また、請求項1の発明によれば、回動ハンドリングレバーユニットを構成する左右レバーは、結合金具本体の外周面に沿った湾曲状に形成して結合金具本体の外周面に折畳自在に収納可能としたことにより、左右レバーを折畳自在に収納した状態では結合金具の周面に一体に折畳み状態となり、他方消防ホースに連結された結合金具が連結作業時や消火活動時に地面を摺動しても座屈等の損傷を生起することを防止でき、またホース解体後には消防ホースに一体の結合金具が嵩張ることなく収納保管ができる効果がある。
【0024】
更には、回動ハンドリング作業時に左右レバー起立状態で背中面同士が当接して一体ハンドル構造となるように構成したために、回動ハンドリング作業時に左右レバーの起立状態で背中面同士が当接した一体ハンドル構造となり、作業者は左右レバーを把持しやすく、特に左右レバーは結合金具の周面に沿った半円弧状であり起立状態で左右レバーが背中合わせで半反り状態となるため手で把持する際のグリップ力が半反りの中心底部位置に集中しやすくなりグリップ力を結合金具の回動に必要な回転応力に有効に伝達できる効果がある。
【0025】
請求項3の発明によれば、回動ハンドリング作業時に起立状態に当接する前記左右レバーの外周側面に背中面同士の滑動防止のためのローレット溝を刻設したため、回動ハンドリングレバーユニットの左右レバーの外周側面同士の当接した際に互いのローレット溝の凹部と凸部が係合して左右レバーの当接状態を係止保持することができ、しかも左右レバーの外周側面同士の当接係止位置を調節することで回動ハンドリングレバーユニットを作業者が回動ハンドリングしやすい所望の角度に変位させることができる効果がある。
【0026】
請求項4の発明によれば、略同じ構造の回動ハンドリングレバーユニットを該結合金具本体外周の略対向方向にも設けたため、二人の作業者は向き合った二個の結合金具におけるそれぞれの回動ハンドリングレバーユニットの左右レバーを起立させて両手で各左右レバーを一体として把持し管中心軸線を中心に回動すれば嵌合突起が嵌合凹部から離脱し、或いは緊締結合して結合金具の着脱作業が容易に行える効果があると共に、現場での状況に応じて一人でのホース連結解除作業でも上述した操作と略同様操作で同じような効果を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、従来の着脱専用工具を用いることもできる一方、予め結合金具本体に回動ハンドリングレバーユニットを設けておき、着脱専用工具によらずとも結合金具同士の接合操作と解除操作を容易にすることができ、消火活動等の緊急時に迅速且つ確実に消防用ホース同士の連結による敷設と消火作業終了後のホース解体による回収作業が容易に行えるものである。
【0029】
特に、本発明の消防ホース結合金具の緊締及び解除構造に特徴的には、結合金具本体の周方向に沿って互いに軸方向に向った嵌合突部と嵌合凹部を交互に形成し、嵌合突部の外周面頭部に係合突部を形成すると共に、結合金具本体の接合面に嵌合凹部と連通し、かつ楔機能を有する半円弧状の係止溝を形成して構成した左右一対の結合金具において、該結合金具本体外周面に一対の左右レバーの基部を近接状態で枢支して構成した回動ハンドリングレバーユニットを設けると共に、略同じ構造の回動ハンドリングレバーユニットを該結合金具本体外周の略対向方向にも設けたことに特徴を有する。
【0030】
図1は、回動ハンドリングレバーを用いて接合状態の一対の結合金具F、F’の緊締や解除を試みている状態を示した説明図である。すなわち、
図1に示すように、それぞれ消防ホース30、30’が接続された結合金具F、F’は、同一の構造の一対の結合金具本体10、10’から構成されており、消防ホース結合金具の緊締及び解除構造としてのそれぞれの結合金具本体10、10’に備えられた回動ハンドリングレバーユニット20、20’を作業者が把持して接合操作または解除操作を行うことで結合金具本体10、10’の緊締や解除を行うものである。以下、本実施形態に係る緊締及び解除構造を有する結合金具F、F’の構成について、図面を参照しながら説明する。
【0031】
〔1.ねじり式結合金具〕
まず、本実施形態に係るねじり式結合金具F、F’の構成について説明する。
図2(a)は、接合前の一対の結合金具F、F’の構成を示し、
図2(b)は、係止溝と係合突部との嵌合楔機能を示す説明図である。また、
図3は、軸方向視における結合金具の接合面の構成を示す説明図である。また、
図4は、側面視における接合前の結合金具F、F’の構成を示す。また、
図5(a)は、側面視における互いの結合金具F、F’を遊嵌した状態を示し、
図5(b)は、互いの結合金具F、F’を接合した状態を示している。また、
図4及び
図5中、一点鎖線は結合金具F、F’の軸線を示し、軸線より上側を側断面とし下側を外側面として示している。
【0032】
図2(a)に示すように、ねじり式結合金具F、F’は、一対の同一構造を有した結合金具本体10、10’とで対をなし、互いに結合対面部分における面接触で結合できるように結合対面部分、すなわち接合面13、13’部分に互いに嵌合突部11、11’と嵌合凹部12、12’を形成して密封接続可能に構成されている。
【0033】
すなわち、一つの結合金具Fは、
図3に示すように、結合金具本体10の周方向に沿って軸方向に嵌合突部11と嵌合凹部12を交互に形成し、これらの嵌合突部11の外周面頭部に係合突部11aを形成すると共に、結合金具本体10の接合面13に嵌合凹部12に連通し、かつ楔機能を有する半円弧状の係止溝12aを形成して構成している。
【0034】
また、
図4に示すように、結合金具本体10、10’の内周面には、回動自在にホース継手リング14、14’が嵌装されている。ホース継手リング14、14’の外端周面には、
図1に示すように、内周面を耐水加工された布製の消防ホース30、30’の端部が外装されて連設固定されており、ホース継手リング14、14’は連結された消防ホース30、30’と共に、結合金具本体10、10’の内装部分を介して回転自在となる。
【0035】
ホース継手リング14、14’の他端の外周面には鋸歯状のホース取付部14a、14aが形成されている。そして、このホース取付部14a、14a’に消防ホース30、30’の端部を挿入し、消防ホース30、30’の外周面からかしめ筒により消防ホース30、30’の内周面をホース取付部14a、14a’に押圧して消防ホース30、30’を取り付ける。
【0036】
このように、回転自在のホース継手リング14、14’を介して消防ホース30、30’が結合金具本体10、10’に連設されていることで、消火活動現場で結合金具本体10、10’の連結解除を行う際に、結合金具F、F’をねじったり回転させて回動自在なホース継手リング14、14’によって消防ホース30、30’の撚りを生起しないので結合金具本体10、10’同士の連結や解除操作が簡潔に行いやすい。
【0037】
嵌合突部11は、
図2及び
図3に示すように、結合金具本体10の接合面13周方向に沿って所定間隔を隔てて複数(本実施形態では3つ)突出して形成しており、さらにその外周面頭部に係合突部11aが形成されている。
【0038】
嵌合凹部12は、嵌合突部11と同様に結合金具本体10の接合面13周方向に沿って所定間隔を隔てて複数(本実施形態では3つ)刻設して形成しており、
図4及び
図5(a)に示すように、嵌合凹部12と嵌合突部11の形状は相補形に嵌合するように構成されている。
【0039】
そして、結合金具本体10の接合面13の内側には、
図2(b)に示すように、一定幅員、すなわち、嵌合突部11に設けた係合突部11aが摺動できる一定幅員を有する半円弧状の係止溝12aが形成されている。
【0040】
しかも、この係止溝12aの一端開口部は、
図3に示すように、嵌合凹部12と連通しており、従って、一方の結合金具本体10’の係合突部11a’を他方の結合金具本体10の嵌合凹部12に嵌入すると同時に左右の結合金具F、F’を互いに反対方向に回動ねじると嵌合突部11’の係合突部11a’が嵌合凹部12に連通した係止溝12aに侵入していく。
【0041】
この際、係止溝12aは、楔機能を有するように先端から基部に至るに従って溝幅が順次狭窄状に形成されているため、
図4及び
図5(aに示すように、左右の結合金具F、F’を互いに反対方向に回動ねじる程に、
図2(b)に示すように、狭窄状の係止溝12aに嵌合突部11’の係合突部11a’が侵入して行き楔機能により、
図5(b)に示すように、緊密な係止状態を実現することになる。
【0042】
このようにして左右の結合金具F、F’は回動してねじることにより緊密な連結結合状態が完了する。通常、嵌合凹部12、12’と嵌合突部11、11’を有する結合金具F、F’はこのように相補形に嵌合するように構成されており、嵌合凹部12、12’の係止溝12a、12a’に形成した楔機能を介して接続連結されて規定の長さの消防ホース30、30’が一定個数連結されてつながり消火作業に必要な長さに敷設されることになる。
【0043】
〔2.結合金具周面に設けた回動ハンドリングレバーユニット〕
この発明の特徴は、
図1〜
図5に示すように、上記した従来構造の結合金具本体10、10’外周面に一対の左右レバー21L、21Rの基部を近接して枢支することにより構成した回動ハンドリングレバーユニット20、20’を設けたことにあり、しかも、略同じ構造の回動ハンドリングレバーユニット20、20’を該結合金具本体10、10’外周の略対向方向にも設け、消防ホース結合金具の緊締及び解除を着脱専用工具を使用することなく結合金具本体10、10’と一体の回動ハンドリングレバーユニット20、20’を組み立てて簡便容易に行えるように構成したことにある。
【0044】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る回動ハンドリングレバーユニット20、20’の構造について詳説する。
図6(a)は、回動ハンドリングレバーユニット20、20’による結合金具F、F’同士の回動ねじり接合前の状態を示し、
図6(b)は、回動ハンドリングレバーユニット20、20’による回動ねじり接合後の状態を示す。また、
図7(a)は、軸方向視における結合金具Fの左右レバー21L、21Rの収納状態を示し、
図7(b)は、左右レバー21L、21Rの立設状態を示す。
【0045】
すなわち、
図6及び
図7に示すように、結合金具本体10外周面には一対の左右レバー21L、21Rの基部を近接して枢支することにより回動ハンドリングレバーユニット20を形成している。
図2〜
図7中、22は左右レバー21L、21Rの基部の枢支軸を示している。
【0046】
結合金具本体10の外周面において、回動ハンドリングレバーユニット20の略対向方向には略同じ構造の回動ハンドリングレバーユニット20が配設されている。
【0047】
該回動ハンドリングレバーユニット20の左右レバー21L、21Rは、
図7に示すように、常時必要な時に結合金具本体10の外周面から起立して変形操作することができるように構成されており、わざわざ従来の着脱専用工具を携行しておく必要がない。
【0048】
このように構成することにより、
図6(a)に示すように、回動ハンドリングレバーユニット20、20’を介して左右の結合金具F、F’をそれぞれ互いに逆回動してねじることにより、
図4、
図5及び
図6(b)に示すように、結合金具F、F’同士の緊密な連結結合状態を完了し、消火作業現場での規格消防ホースの連結敷設作業が容易となり、かつ迅速に消火作業に着手できることになり消火作業現場での安全性の向上を図ることができる。
【0049】
また、回動ハンドリングレバーユニット20を構成する左右レバー21L、21Rは、
図2、
図6及び
図7に示すように、結合金具本体10の外周面に沿った湾曲状に形成して結合金具本体10の外周面に折畳自在に収納可能としている。
【0050】
従って、
図7(a)に示すように、左右レバー21L、21Rを折畳自在に収納した状態では結合金具本体10の周面に一体に折畳み状態となる。
【0051】
また、回動ハンドリングレバーユニット20における左右レバー21L、21Rは、
図7及び
図8に示すように、収納時に結合金具本体10の周面に固定可能なように収納ストッパー機構23が設けられている。
図8(a)は、レバー24収納前の収納ストッパー機構23の構成を示し、
図8(b)は、レバー24収納後の収納ストッパー機構23の構成を示す。
【0052】
すなわち、
図8(a)に示すように、結合金具本体10の周面の大径段部の段上面に折曲バネ23aを設けておき、レバー収納時には、
図8(b)に示すように、折曲バネ23aの上面23bに左右レバー21L、21Rの下端面21a、21a’が摺動当接して折曲バネ23aの反発力付勢により左右レバー21L、21Rが基部の枢支軸22から不用意に回動しないように固定可能に構成されている。
【0053】
このような収納形態としたことにより、消防ホース30、30’に連結された結合金具F、F’が連結作業時や消火活動時に左右レバー21L、21Rを不用意に起立突出させることなく地面を摺動しても座屈等の損傷を生起することを防止でき、またホース解体後には消防ホース30、30’に一体の結合金具F、F’が嵩張ることなく収納保管ができる。
【0054】
更には、回動ハンドリング作業時に左右レバー21L、21R起立状態で背中面同士が当接して一体ハンドル構造となるように構成したために、回動ハンドリング作業時に左右レバー21L、21Rの起立状態で背中面同士が当接した一体ハンドル構造となり、作業者に左右レバー21L、21Rを把持しやすくする。
【0055】
特に左右レバー21L、21Rは、結合金具F、F’の周面に沿った半円弧状であり起立状態で左右レバー21L、21Rが背中合わせで半反り状態となるため、
図1に示すように、手で把持する際のグリップ力が半反りの中心底部位置に集中しやすくなりグリップ力を結合金具F、F’の回動に必要な回転応力に有効に伝達できる。
【0056】
更には、
図2〜
図7に示すように、回動ハンドリング作業時に起立状態に当接する前記左右レバー21L、21Rの外周側面背中には左右レバー21L、21Rの背中面同士が滑動することを防止するためにローレット溝24L、24Rを刻設している。
【0057】
このように構成することにより互いのローレット溝24L、24Rの凹部と凸部が係合して左右レバーの当接状態を係止保持することができ、しかも左右レバー21L、21Rの外周側面同士の当接係止位置を調節することで回動ハンドリングレバーユニット20、20’を作業者が回動ハンドリングしやすい所望の角度、例えば、
図7(b)中、二点鎖線で示す角度位置に回動ハンドリングレバーユニット20を変位させることができる。
【0058】
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。