(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弾性支持片は、基端部が前記ケース本体の裏面に一体的に取り付けられ、本体部は前記ケース本体の裏面から一旦垂下させられた後に前記ケース本体の裏面側に立ち上がるように中途部分が折曲形成され、先端部が前記ケース本体に貫通形成された片挿入孔を介して外部に突出し、前記操作ノブ内に突入するように設けられている請求項1に記載の入力装置。
前記弾性支持片の先端部にはフック部が形成されるとともに、前記操作ノブの内壁には前記フック部に係止される係止溝部が形成され、該係止溝部が前記フック部に係止されることにより、前記操作ノブが前記弾性支持片によって弾性的に支持されている請求項1または請求項2に記載の入力装置。
前記操作軸は、第1操作軸と第2操作軸であり、前記操作ノブは、前記第1操作軸を支点に回転自在に支持されるとともに前記2操作軸に沿って直線移動自在に支持されている請求項1〜5のいずれかに記載の入力装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一般的に車両用パワーシートスイッチ装置は、座席の側面に取り付けられており、操作つまみを操作するときは、操作つまみを目視することなく、操作つまみの位置を手探りで探して操作を行うことが多い。
【0006】
このように、操作つまみを手探りで探して操作した場合、操作者は操作つまみの一部を強く握り、操作つまみに偏った力を加えることがある。そうすると、操作つまみが駆動軸から抜け落ちてしまう場合がある。
【0007】
そこで、操作つまみの抜け落ちを防ぐために、操作つまみを強く駆動軸に嵌合させて取り付ける方法が考えられるが、その場合、操作つまみの動きに負荷が加わり、操作つまみを駆動軸に対してスムーズに動かすことができなくなる。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、操作ノブを操作軸に対してスムーズに動かすことができるとともに、操作ノブの操作軸からの抜け落ちを防ぐことができる入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の入力装置は、ケース本体に貫通形成された軸挿入孔から先端が外部に突出し、該ケース本体に沿って移動自在な少なくとも一つの操作軸と、前記操作軸の先端に可動自在に取り付けられ前記操作軸を駆動操作する操作ノブとを有し、前記操作ノブの内部に設けられた軸受部が前記操作軸に凹凸嵌合された入力装置であって、前記ケース本体に、前記操作ノブの操作の動きに追随して変形して前記操作ノブを弾性支持する少なくとも一つの弾性支持片が設けられていることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、操作ノブの移動操作時に操作ノブの操作軸からの抜け落ちを防ぐことができる。
【0011】
好適には、前記弾性支持片は、基端部が前記ケース本体の裏面に一体的に取り付けられ、本体部は前記ケース本体の裏面から一旦垂下させられた後に前記ケース本体の裏面側に立ち上がるように中途部分が折曲形成され、先端部が前記ケース本体に貫通形成された片挿入孔を介して外部に突出し前記操作ノブ内に突入するように設けられている。
この構成によれば、弾性支持片のたわみ量を大きく取ることができ、操作ノブの移動操作の操作感触を良くすることができる。
【0012】
好適には、前記弾性支持片の先端部にはフック部が形成されるとともに、前記操作ノブの内壁には前記フック部に係止される係止溝部が形成され、該係止溝部が前記フック部に係止されることにより、前記操作ノブが前記弾性支持片によって弾性的に支持されている。
この構成によれば、係止溝部がフック部に係止されるので、操作ノブの操作軸からの抜け落ちを確実に防ぐことができる。
【0013】
好適には、前記弾性支持片は、前記操作ノブの操作時に操作方向と反対方向に付勢力が働く。
この構成によれば、操作ノブを移動操作させたあと、操作ノブを元の位置に自動的に復帰させることができる。
【0014】
好適には、前記弾性支持片は、前記ケース本体に、互いに対向して設けられた第1弾性支持片と第2弾性支持片である。
この構成によれば、操作ノブを往復移動操作させたときも、弾性支持片が操作ノブの移動操作に追随して変形して操作ノブを弾性支持することができる。
【0015】
好適には、前記操作軸は、第1操作軸と第2操作軸であり、前記操作ノブは、前記第1操作軸を支点に回転自在に支持されるとともに前記2操作軸に沿って直線移動自在に支持されている。
この構成によれば、二つの操作軸の駆動操作を一つの操作ノブの回転操作または直線移動操作により行うことができる。この操作ノブの移動操作においても操作ノブをケース本体に弾性的に支持することができ、操作ノブの操作軸からの抜け落ちを防ぐことができる。
【0016】
好適には、前記弾性支持片は、前記ケース本体において、前記第1操作軸と前記第2操作軸の間の位置に設けられている。
この構成によれば、弾性支持片は操作ノブに操作荷重が加わる位置に設けられているので、操作ノブは弾性支持片により安定して支持され、操作軸からの抜け落ちを確実に防ぐことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、操作ノブを操作軸に対してスムーズに動かすことができるとともに、操作ノブの操作軸からの抜け落ちを防ぐことができる入力装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るシートスイッチについて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るシートスイッチの平面図である。
図2は、シートスイッチの側面図である。
図3は、シートスイッチのケース本体内に設けられている背もたれシートのスイッチ部の取り付け部分を示す拡大斜視図である。
図4は、操作軸の先端部の部分を示す拡大斜視図であり、ケース本体の上板部より操作軸の先端部が突出している状態を示す図である。
図5は、操作ノブの内部の構造を示す拡大斜視図である。
【0020】
(シートスイッチ)
図1および
図2に示すように、シートスイッチ1は、車両の座席の側面に取り付けられ、座席シートの位置/高さ等を調節するための座席シートスイッチ2と、背もたれシートの姿勢を調節するための背もたれシートスイッチ3を備えている。
【0021】
座席シートスイッチ2には入力装置を構成する中空状の座席シート用操作ノブ4が備えられており、背もたれシートスイッチ3にも入力装置を構成する中空状の背もたれシート用操作ノブ5が備えられている。
【0022】
例えば、座席シート用操作ノブ4を
図1中矢印A1方向に操作することにより、座席シートの前方への移動を調節できる。また、座席シート用操作ノブ4を
図1中矢印A2方向に操作することにより、座席シートの後方への移動を調節できる。
【0023】
また、背もたれシート用操作ノブを
図1中矢印B1方向に操作することにより、背もたれシートの上部に設けられているヘッドレストの高さを高く調節できる。また、背もたれシート用操作ノブ5を
図1中矢印B2方向に操作することにより、ヘッドレストの高さを低く調節できる。
【0024】
また、背もたれシート用操作ノブ5を
図1中矢印C1方向に回転操作することにより、背もたれシートを寝かす方向に背もたれシートの角度を調節できる。また、背もたれシート用操作ノブ5を
図1中C2方向に回転させることにより、背もたれシートを起こす方向に角度調節をできる。
本実施形態においては、背もたれシートスイッチ3の詳細について説明し、座席シートスイッチ2についての説明は省略する。なお、以下の説明において、背もたれシート用操作ノブ5は単に操作ノブ5と略して説明する。
【0025】
(背もたれシートスイッチ)
図2および
図3に示すように、背もたれシートスイッチ3は、横長のケース本体6と、ケース本体6内の底部に設けられた基板7上に搭載された第1スイッチ部8と第2スイッチ部9を備えている。第1スイッチ部8は背もたれシートの上部に設けられているヘッドレストの高さを調節するためのものである。第2スイッチ部9は背もたれシートの角度を調節するためのものである。
【0026】
第1スイッチ部8の上部には、入力装置を構成する第1操作軸10が設けられている。第1操作軸10は第1スイッチ部8の上部に設けられたレール部11、11に沿ってスライド自在に取り付けられた第1基台12上の中央部分に一体的に取り付けられている。第1スイッチ部8の内部には第1基台12の背面の中央部分に形成された図示しない取り付け穴に嵌合される図示しないステム部が配置されている。
【0027】
第1操作軸10が
図3中矢印D1方向または矢印D2方向に駆動操作されると第1基台12は第1スイッチ部8のレール部11、11に沿って第1操作軸10と同方向にスライドされる。そうすると、第1基台12に取り付けられたステム部も第1操作軸10と同方向にスライドされる。
【0028】
そして、第1操作軸10が
図3中矢印D1方向に駆動操作され、ステム部も同方向に駆動操作されると、図示しないヘッドレスト駆動部には、ヘッドレストを上方向に駆動する信号が送られる。また、第1操作軸10が
図3中矢印D2方向に駆動操作され、ステム部も同方向に駆動操作されると、ヘッドレスト駆動部には、ヘッドレストを下方向に駆動する信号が送られる。
【0029】
なお、
図3中矢印D1方向は
図1中矢印B1方向と同方向であり、
図3中矢印D2方向は
図1中矢印B2方向と同方向である。
【0030】
第2スイッチ部9の上部には、入力装置を構成する第2操作軸13が設けられている。第2操作軸13は第2スイッチ部9の上部に設けられたレール部14、14に沿ってスライド自在に取り付けられた第2基台15上の中央部分に一体的に取り付けられている。第2スイッチ部9の内部には第2基台15の背面の中央部分に形成された図示しない取り付け穴に嵌合される図示しないステム部が配置されている。
【0031】
第2操作軸13が
図3中矢印E1方向または矢印E2方向に駆動操作されると第2基台15は第2スイッチ部9のレール部14、14に沿って第2操作軸13と同方向にスライドされる。そうすると、第2基台15に取り付けられたステム部も第2操作軸13と同方向にスライドされる。
【0032】
そして、第2操作軸13が
図3中矢印E1方向に駆動操作され、ステム部も同方向に駆動操作されると、図示しない背もたれシート駆動部には、背もたれシートを寝かせる方向に回転駆動する信号が送られる。また、第2操作軸13が
図3中矢印E2方向に駆動され、ステム部も同方向に駆動操作されると、背もたれシート駆動部には、背もたれシートを起こす方向に回転駆動する信号が送られる。
【0033】
図4に示すように、第1操作軸10の先端はケース本体6の上板部16に貫通形成された第1軸挿入孔である第1長孔17を介してケース本体6の上板部16の上方から外部に突出されている。第1長孔17の長手方向は第1操作軸10の駆動操作方向となっている。第1操作軸10は第1長孔17の長手方向の範囲内で移動自在である。
【0034】
第2操作軸13の先端はケース本体6の上板部16に貫通形成された第2軸挿入孔である第2長孔18を介してケース本体6の上板部16から外部に突出されている。第2長孔18の長手方向は第2操作軸13の駆動操作方向となっている。第2操作軸13は第2長孔18の長手方向の範囲内で移動自在である。
【0035】
このような構成により、第1操作軸10と第2操作軸13はケース本体6の上板部16に沿って移動自在となっている。
【0036】
ケース本体6の上板部16の表面において、第1長孔17と第2長孔18の間には、操作ノブ5の移動範囲を規制する柱部19が突設されている。
【0037】
第1操作軸10の先端と第2操作軸13の先端には、各操作軸10、13を駆動操作するための操作ノブ5が可動自在に取り付けられている。
【0038】
図5に示すように、操作ノブ5の内壁上面5Aには、第1操作軸10の先端に回転自在に取り付けられる円環状の第1軸受部20と、第2操作軸13の先端に直線移動自在に取り付けられるレール状の第2軸受部21が設けられている。
【0039】
図6および
図7に示すように、第1操作軸10の先端には第1軸受部20が
図7中矢印F1方向またはF2方向に回転自在となるように嵌合されている。第1操作軸10の先端外周面において、径方向に対向する位置には、一対の第1突部10a、10aが突設されている。また、第1軸受部20の内周面において、径方向に対向する位置には、一対の扇形状の第1嵌合溝部20a、20aが形成されている。各第1嵌合溝部20a、20aが各第1突部10a、10aに嵌合されることにより、第1軸受部20は第1操作軸10に凹凸嵌合された状態となる。そして、操作ノブ5をスムーズに回転操作できるように、各第1嵌合溝部20a、20aと各第1突部10a、10aは余裕を持って嵌合されている。
【0040】
なお、
図7中矢印F1方向は
図1中矢印C1方向と同方向であり、
図7中矢印F2方向は
図1中矢印C2方向と同方向である。
【0041】
また、第2操作軸13の先端には第2軸受部21が嵌合されている。第2操作軸13の先端外周面において、径方向に対向する位置には、一対の第2突部13a、13aが突設されている。また、第2軸受部21において、対向する面には一対の直線状の第2嵌合溝部21a、21aが形成されている。各第2嵌合溝部21a、21aが各第2突部13a、13aに嵌合されることにより、第2軸受部21は第2操作軸13に凹凸嵌合された状態となる。
【0042】
このように、第2軸受部21が第2操作軸13に嵌合されることにより、操作ノブ5は、
図7中矢印G1方向またはG2方向に移動自在に支持される。そして、操作ノブ5をスムーズに操作できるように、各第2嵌合溝部21a、21aと各第2突部13a、13aは余裕を持って嵌合されている。
【0043】
なお、
図7中矢印G1方向は
図1中矢印B1方向と同方向である。また、
図7中矢印G2向は
図1中矢印B2方向と同方向である。
【0044】
図8に示すように、操作ノブ5の内壁上面5Aにおいて、第1軸受部20と第2軸受部21との間には操作ノブ5の移動範囲を規制するための柱部19が挿入される第1枠部22と第2枠部23が対向して設けられている。
【0045】
ケース本体6の上板部16において、第1操作軸10と第2操作軸13の間の位置には、操作ノブ5の動きに追随して変形して操作ノブ5を弾性支持する第1弾性支持片24と第2弾性支持片25が対向して設けられている。ケース本体6に各弾性支持片24、25を設けることにより、操作ノブ5の操作時に操作ノブ5の操作軸10、13からの抜け落ちを防ぐことができる。
【0046】
ケース本体6の上板部16において、第1長孔17と第2長孔18の間の位置には、第1弾性支持片24が挿入される第1片挿入孔26と、第2弾性支持片25が挿入される第2片挿入孔27が貫通形成されている。
【0047】
図8および
図9に示すように、第1弾性支持片24は、基端部24aがケース本体6の上板部16の裏面に一体的に取り付けられ、本体部24bは前記ケース本体6の上板部16の裏面から一旦垂下させられた後に前記ケース本体6の上板部16側に立ち上がるように中途部分24cが折曲形成され、先端部24dが第1片挿入孔26を介して外部に突出し、操作ノブ5内に突入する構成となっている。そして、第1弾性支持片24の先端部24dには第1フック部28が形成されている。
【0048】
また、第2弾性支持片25も、基端部25aがケース本体6の上板部16の裏面に一体的に取り付けられ、本体部25bは前記ケース本体6の上板部16の裏面から一旦垂下させられた後に前記ケース本体6の上板部16側に立ち上がるように中途部分25cが折曲形成され、先端部25dが第2片挿入孔27を介して外部に突出し、操作ノブ5内に突入する構成となっている。そして、第2弾性支持片25の先端部25dには第2フック部29が形成されている。
【0049】
このような構成の弾性支持片24,25によれば、本体部24b、25bの長さを長く形成することができ、柔軟性を十分に備えた弾性支持片24、25となっている。したがって、弾性支持片24、25のたわみ量を大きく取ることができるので、操作ノブ5の操作感触を良くすることができる。
【0050】
操作ノブ5の一方の内壁側面の長手方向には、第1弾性支持片24の第1フック部28が弾性的に係止される第1係止溝部30が形成されている。また、操作ノブ5の一方の内壁側面と対向する他方の内壁側面には第2弾性支持片25の第2フック部29が弾性的に係止される第2係止溝部31が形成されている。
【0051】
このように、各係止溝部30、31が各フック部28、29に弾性的に係止されるので、操作ノブ5の各操作軸10、13からの抜け落ちを確実に防ぐことができる。
【0052】
図9に示すように、各係止溝部30、31の下端縁には湾曲案内面30A、31Aが形成されている。したがって、操作ノブ5の操作により、各係止溝部30、31が各フック部28、29から離れる方向に移動しても、操作ノブ5が再び元の位置に戻るとき、各係止溝部30、31が各フック部28、29にスムーズに係止されるように構成されている。
【0053】
(動作)
図7を参照して、背もたれシートの姿勢を調節するときの操作ノブ5、第1操作軸10と第2操作軸13および第1弾性支持片24と第2弾性支持片25の動作について説明する。
(ヘッドレストの高さの調節)
背もたれシートの上部に備えられているヘッドレスの高さを調節する場合について説明する。
ヘッドレストの高さを高く調節する場合、操作ノブ5を
図7中矢印G1方向に移動させる。そうすると、操作ノブ5の第2軸受部21の第2嵌合溝部21a、21aが第2操作軸13の第2突部13a、13aに沿って移動する。この操作ノブ5の移動により、第1軸受部20も
図7中矢印G1方向に移動する。この第1軸受部20の移動により、第1操作軸10は第1長孔17に沿って、
図7中矢印G1方向に駆動操作される。この第1操作軸10の駆動操作により、第1操作軸10と一体に取り付けられている第1スイッチ部8のステム部も第1操作軸10と同方向(
図3中矢印D1方向)に駆動操作され、ヘッドレスト駆動部にはヘッドレストを上方向に駆動する信号が送られる。
【0054】
操作ノブ5は、第2軸受部21の第2嵌合溝部21a、21aが第2操作軸13の第2突部13a、13aに嵌合され、そして各フック部28、29が各係止溝部30、31に付勢力を持って係止している。したがって、操作ノブ5の操作時に、第2軸受部21の各嵌合溝部21a、21aが第2操作軸13の各第2突部13a、13aから外れる方向に力が加わっても、各弾性支持片24、25によって、操作ノブ5の第1操作軸10または第2操作軸13からの抜け落ちを防ぐことができる。
【0055】
ヘッドレストの高さを低く調節する場合も、上述したヘッドレストの高さを高く調節する場合と同じように、操作ノブ5を移動させることにより、行うことができる。
【0056】
すなわち、操作ノブ5を
図7中矢印G2方向に移動させる。そうすると、第2軸受部21の各第2嵌合溝部21a、21aが第2操作軸13の各第2突部13a、13aに沿って移動する。この操作ノブ5の移動操作により、第1軸受部20も
図7中矢印G2方向に移動する。この第1軸受部20の移動により、第1操作軸10は第1長孔17に沿って、
図7中矢印G2方向に駆動操作される。この第1操作軸10の駆動操作により、第1操作軸10と一体に取り付けられている第1スイッチ部8のステム部も第1操作軸10と同方向(
図3中矢印D2方向)に駆動操作され、ヘッドレスト駆動部にはヘッドレストを下方向に駆動する信号が送られる。
【0057】
操作ノブは、第2軸受部21の各第2嵌合溝部21a,21aが第2操作軸13の各第2突部13a、13aに嵌合され、そして各フック部28、29が各係止溝部30、31に付勢力を持って係止している。したがって、ヘッドレストの高さを低く調節するために、操作ノブ5を操作した時に、第2軸受部21の各第2嵌合溝部21a、21aが第2操作軸13の各第2突部13a、13aから外れる方向に力が加わっても、各弾性支持片24、25によって、操作ノブ5の第1操作軸10または第2操作軸13からの抜け落ちを防ぐことができる。
【0058】
(背もたれシートの角度の調節)
次に、背もたれシートの角度を調節する場合について説明する。
背もたれシートを寝かす方向にシートの角度を調節する場合、第1操作軸10を中心として操作ノブ5を
図7中矢印F1方向(
図1中矢印C1方向)に回転させる。この操作ノブ5の回転操作により、第2軸受部21は第1操作軸を中心に
図7中矢印F1方向に回転する。この第2軸受部21の回転により、第2操作軸13は第2長孔18に沿って、
図7中矢印H1方向に駆動操作される。
【0059】
この第2操作軸13の駆動操作により、第2操作軸13と一体に取り付けられている第2スイッチ部9のステム部も第2操作軸13と同方向(
図3中矢印E1方向)に駆動操作され、背もたれシート駆動部には背もたれシートを寝かす方向に回転駆動する信号が送られる。
【0060】
背もたれシートを寝かす方向への操作ノブ5の回転量は、第1枠部22が柱部19に当接することにより制限されている。したがって、操作ノブ5を必要以上に回転させることを防ぐことができる。
【0061】
操作ノブ5を
図7中矢印F1方向に回転させると、第1弾性支持片24の第1フック部28は付勢力に抗して
図9中矢印J1方向に押し込まれ、第1フック部28は操作ノブ5の第1係止溝部30に付勢力を持って継続して係止される。第1弾性支持片24の本体部24bのたわみ量が大きいので、第1弾性支持片24の本体部24bを柔軟に変形させながら第1フック部28を押し込むことができ、操作ノブ5の操作感触は、強くもなく、逆に弱くもなく丁度良い操作感触を得ることができる。
なお、操作ノブ5の第2係止溝部31は第2弾性支持片25の第2フック部29から離れる方向に移動するが、第2フック部29との係止状態は維持されている。
【0062】
操作ノブ5を背もたれシートを寝かす方向に回転させた後、操作者が操作ノブ5から手を離し、操作ノブ5の回転操作を止めると、操作ノブ5は第1弾性支持片24の第1フック部28に蓄えられている付勢力により、
図7中矢印F2方向に回転させられ、操作ノブ5は元の位置に自動的に復帰する。
【0063】
そして、操作ノブの回転操作により、第2弾性支持片25の第2フック部29から離れる方向に移動していた操作ノブ5の第2係止溝部31は、再び第2弾性支持片25の第2フック部29に完全に係止される。操作ノブ5の第2係止溝部31の下端縁には湾曲案内面31Aが形成されているので、第2係止溝部31をスムーズに第2フック部29に係止させることができる。
【0064】
背もたれシートを起こす方向にシートの角度を調節する場合、第1操作軸10を中心として操作ノブ5を
図7中矢印F2方向(
図1中矢印C2方向)に回転させる。この操作ノブ5の回転操作により、第2軸受部21も
図7中矢印F2方向に回転する。この第2軸受部21の回転により、第2操作軸13は第2長孔に沿って、
図7中矢印H2方向に駆動操作される。
【0065】
この第2操作軸13の駆動操作により、第2操作軸13と一体に取り付けられている第2スイッチ部9のステム部も第2操作軸13と同方向(
図3中矢印E2方向)に駆動操作され、背もたれシート駆動部には背もたれシートを起こす方向に回転駆動する信号が送られる。
【0066】
背もたれシートを起こす方向への操作ノブ5の回転量は、第2枠部23が柱部19に当接することにより制限されている。したがって、操作ノブ5を必要以上に回転させることを防ぐことができる。
【0067】
操作ノブ5を
図7中矢印F2方向に回転させると、第2弾性支持片25の第2フック部29は付勢力に抗して
図9中矢印J2方向に押し込まれ、第2フック部29は操作ノブ5の第2係止溝部31に付勢力を持って継続して係止される。第2弾性支持片25の本体部25bのたわみ量が大きいので、第2弾性支持片25の本体部25bを柔軟に変形させながら第2フック部29を押し込むことができ、操作ノブ5の操作感触は、強くもなく、逆に弱くもなく丁度良い操作感触を得ることができる。
【0068】
なお、操作ノブ5の第1係止溝部30は第1弾性支持片24の第1フック部28から離れる方向に移動するが、第1フック部28との係止状態は維持されている。
【0069】
操作ノブ5を背もたれシートを起こす方向に回転させた後、操作者が操作ノブ5から手を離し、操作ノブ5の回転操作を止めると、操作ノブ5は第2弾性支持片25の第2フック部29に蓄えられている付勢力により、
図7中矢印F1方向に回転させられ、操作ノブ5は元の位置に復帰する。
【0070】
そして、操作ノブ5の回転操作により、第1弾性支持片24の第1フック部28か
ら離れる方向に移動していた操作ノブ5の第1係止溝部30は、再び第1弾性支持片24の第1フック部28に完全に係止される。操作ノブ5の第1係止溝部30の下端縁には湾曲案内面30Aが形成されているので、第1係止溝部30をスムーズに第1フック部28に係止させることができる。
【0071】
各弾性支持片24、25は、操作ノブ5の操作方向に対向して設けられているので、操作ノブ5を往復操作させたときも、各弾性支持片24、25は操作ノブ5の操作に追随して変形して操作ノブ5を弾性支持することができる。
【0072】
また、各弾性支持片24、25は操作ノブ5に操作荷重が加わる位置に設けられているので、操作ノブ5は各弾性支持片24、25により安定して支持され、各操作軸10、13からの抜け落ちを確実に防ぐことができる。
【0073】
このように本実施形態に係るシートスイッチ1によれば、操作ノブ5は各弾性支持片24、25によってケース本体6に弾性的に支持されている。したがって、操作ノブ5を各操作軸10、13に対してスムーズに動かすことができるように、操作ノブ5と各操作軸10、13との嵌合部分に余裕を持たせても、操作ノブ5の各操作軸10、13からの抜け落ちを防ぐことができる。
【0074】
また、各弾性支持片24、25は、基端部24a、25aがケース本体6の上板部16の裏面に一体的に取り付けられ、本体部24b、25bは前記ケース本体6の上板部16の裏面から一旦垂下させられた後にケース本体6の上板部16側に立ち上がるように中途部分24c、25cが折曲形成され、先端部24d、25dが前記ケース本体6の上板部16に貫通形成された第1片挿入孔26および第2片挿入孔27を介して外部に突出し操作ノブ5内に突入する構成となっている。したがって、各弾性支持片24、25の本体部24b、25bのたわみ量を大きく取ることができ、柔軟性を備えた弾性支持片24、25となっているので、操作ノブ5の動きは軽くなり、操作感触が良好なものとなる。
【0075】
また、各弾性支持片24、25は操作ノブ5を操作ノブ5の内部で支持する構成となっており、各弾性支持片24、25はケース本体6の外部に露出することがないので、外観に影響を与えない。
【0076】
本発明は上述した実施形態には限定されない。すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【0077】
上述した実施形態においては、一つの操作ノブで二つの操作軸を駆動操作する例について説明したが、本発明は、一つの操作ノブで一つの操作軸を駆動操作するものにも適用され、操作ノブによって駆動操作される操作軸の数には限定されない。
【0078】
また、上述した実施例においては、異なる二方向に操作される操作ノブの動きに追随するように操作ノブを二つの弾性支持片により弾性支持した例について説明したが、本発明は、操作ノブの操作方向が一方向のみのものであれば、操作ノブを一つの弾性支持片により弾性的に支持すればよく、操作ノブを支持する弾性支持片の数には限定されない。