特許第6757683号(P6757683)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6757683
(24)【登録日】2020年9月2日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】キャッパ
(51)【国際特許分類】
   B67B 3/20 20060101AFI20200910BHJP
【FI】
   B67B3/20
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-35187(P2017-35187)
(22)【出願日】2017年2月27日
(65)【公開番号】特開2018-140789(P2018-140789A)
(43)【公開日】2018年9月13日
【審査請求日】2019年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】白井 論雄
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 達明
【審査官】 種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5315731(JP,B2)
【文献】 特許第4232425(JP,B2)
【文献】 特開2005−271096(JP,A)
【文献】 特許第4108982(JP,B2)
【文献】 登録実用新案第3091718(JP,U)
【文献】 特開2005−132436(JP,A)
【文献】 特開2009−281529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67B 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持部において保持した樹脂製容器にキャップを巻き締めるキャッパであって、
前記保持部は、前記樹脂製容器の首部を挟持する挟持部と、前記キャップを巻き締める際の前記樹脂製容器の回転を抑止する回転抑止部とを有し、
前記回転抑止部は、前記挟持部の間に配置された基部の前記首部に対向する側面に、水平方向に所定距離だけ互いに離間した位置において、前記挟持部に挟持された前記首部に向けて突出配置され、前記キャップを巻き締める際の前記樹脂製容器の回転を抑止する一対の爪部を備え、
前記一対の爪部はそれぞれ、平面視における形状が、頂角が60度以上であって180度未満の二等辺三角形であり、側面視における形状が、前記首部に接触する側の辺のほうが短い等脚台形であり、正面視における形状が長方形であることを特徴とするキャッパ。
【請求項2】
前記一対の爪部は、前記等脚台形のうち前記首部に接触する側の辺の長さが2.45〜4.95mmの範囲内である請求項1に記載のキャッパ。
【請求項3】
前記一対の爪部は、前記等脚台形のうち前記基部側の底辺の内角が40〜50度の範囲内である請求項1又は2に記載のキャッパ。
【請求項4】
前記一対の爪部は、前記等脚台形の高さが0.4〜0.6mmの範囲内である請求項1から3のいずれか一項に記載のキャッパ。
【請求項5】
前記一対の爪部は、平面視において互いの頂点間の距離が1.4〜1.6mmの範囲内である請求項1から4のいずれか一項に記載のキャッパ。
【請求項6】
前記一対の爪部は、炭化硬質クロムめっき加工が施されている請求項1から5のいずれか一項に記載のキャッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持部において保持した樹脂製容器にキャップを巻き締めるキャッパに関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂製、たとえばPET(ポリエチレンテレフタレート)製のボトル入り飲料製造工場には、飲料が充填されたPETボトルにキャップを巻き締めするキャッパが備えられている。
【0003】
特許文献1には、キャッパの一例として、PETボトルを保持する保持部と、保持部に保持されたPETボトルの口部にキャップを供給する供給部と、供給部によって配置されたキャップを押下して、口部に打ち込む打込部とを備えたキャッパが開示されている。
【0004】
保持部は、PETボトル等の、変形しやすい樹脂製ボトルは胴部を挟持することが困難であることから、PETボトルの口部の下方に備えられたフランジ部を懸吊する態様によってPETボトルを保持するように構成されている。
【0005】
このようなキャッパにおいて、打込部に代えて、口部に向けて付勢しながら回転させることによって巻き締めるように構成された巻締部を備えて、キャップを打ち込みではなく巻き締めによって取り付けようとすると、巻締部によってキャップを巻き締める際に、巻き締め力が保持部による挟持力に勝り、PETボトルが回転してしまうという問題があった。
【0006】
この問題を解決するために、挟持部の間において、首部の周方向に沿って所定距離をもって互いに離間した位置において、挟持部に挟持された首部に向けて突出配置され、キャップを巻き締める際のPETボトルの回転を阻止する一対の爪部を備えたキャッパが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007‐314235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、一対の爪部はそれぞれ、平面視における形状が、頂角がたとえば30度くらいの鋭い二等辺三角形をしており、この爪部の先端が首部の表面に接触する態様によってPETボトルの回転を抑止している構成であったため、爪部による回転の抑止力が、キャップを巻き締める力に負けると、PETボトルが回転し、その際PETボトルには円周方向に沿った爪跡が形成されてしまう。このような現象はPETボトルが耐圧用の硬いものである場合に顕著に現れる。
【0009】
爪跡は首部の見栄えを悪化させてしまうことから、PETボトルに大きな爪跡が形成されることを防止する対策が求められていた。
【0010】
また、挟持部はステンレス鋼を加工することによって製造され、ある程度の耐久性を有しているものの、数万回から数十万回もキャップの巻き締めが行われる間に、爪部はPETボトルとの接触によって欠けたり、次第に磨耗され鈍ってしまい、PETボトルに対する食い込みが弱くなってしまう。
【0011】
挟持部の爪部に鈍りが生じると、もはやPETボトルの回転を抑止することができなくなるため、製造ラインを停止させて、挟持部の交換作業を行う必要があった。挟持部の交換頻度が製品の歩留まりに影響し、さらに挟持部は専用品であることから高価であるため、これらの観点から挟持部の耐久性の向上が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、耐久性が向上するとともに、樹脂性ボトルに爪跡を残しにくい爪部を有するキャッパを提供することを目的とする。
【0013】
上述の目的を達成するための、本発明に係るキャッパの特徴構成は、保持部において保持した樹脂製容器にキャップを巻き締めるキャッパであって、前記保持部は、前記樹脂製容器の首部を挟持する挟持部と、前記キャップを巻き締める際の前記樹脂製容器の回転を抑止する回転抑止部とを有し、前記回転抑止部は、前記挟持部の間に配置された基部の前記首部に対向する側面に、水平方向に所定距離だけ互いに離間した位置において、前記挟持部に挟持された前記首部に向けて突出配置され、前記キャップを巻き締める際の前記樹脂製容器の回転を抑止する一対の爪部を備え、前記一対の爪部はそれぞれ、平面視における形状が、頂角が60度以上であって180度未満の二等辺三角形であり、側面視における形状が、前記首部に接触する側の辺のほうが短い等脚台形であり、正面視における形状が長方形である点にある。
【0014】
発明者らは、鋭意研究の結果、一対の爪部がそれぞれ、平面視における形状が、頂角が60度以上であって180度未満、好ましくは70度以上であって150度未満、より好ましくは80度以上であって120度未満、さらに好ましくは90度の二等辺三角形であり、側面視における形状が、首部に接触する側の辺のほうが短い等脚台形であり、正面視における形状が長方形である場合に、爪部の耐久性が向上するとともに、樹脂性ボトルに爪跡を残しにくいことを見出した。
【0015】
本発明においては、前記一対の爪部は、前記等脚台形のうち前記首部に接触する側の辺の長さが2.45〜4.95mmの範囲内であると好適である。
【0016】
爪部は首部に接触する側の辺の長さが長いほど、爪部による回転の抑止力が高まる。しかし、爪部の長さが長すぎると、たとえば4.95mmを超えるほど長いとフランジ部に当接する虞が生じたり、爪部の長さが短すぎると回転を抑止する力が不十分であるという問題を生じる。発明者らは、鋭意研究の結果、一対の爪部の等脚台形の首部に接触する側の辺の長さが2.45〜4.95mmの範囲内、好ましくは2.70〜4.95mmの範囲内、より好ましくは2.80〜4.95mmの範囲内、さらに好ましくは2.95〜4.95mmの範囲内である場合に、爪部による回転の抑止力を確保できながらも、樹脂製容器の首部に残る爪跡が商品の見栄えを損ねないことを見出した。なお、従来の爪部は首部に接触する側の辺の長さが2mm未満、たとえば1.95mmと短かく、回転を抑止する力が不十分である場合があった。
【0017】
本発明においては、前記一対の爪部は、前記等脚台形のうち前記基部側の底辺の内角が40〜50度の範囲内であると好適である。
【0018】
発明者らは、鋭意研究の結果、前記一対の爪部は、前記等脚台形のうち前記基部側の底辺の内角が40〜50度の範囲内、好ましくは45度である場合に、爪部の耐久性が向上するとともに、樹脂性ボトルに爪跡を残しにくいことを見出した。
【0019】
本発明においては、前記一対の爪部は、前記等脚台形の高さが0.4〜0.6mmの範囲内であると好適である。
【0020】
発明者らは、鋭意研究の結果、前記一対の爪部は、前記等脚台形の高さが0.4〜0.6mmの範囲内、好ましくは0.5mmである場合に、爪部の耐久性が向上するとともに、樹脂性ボトルに爪跡を残しにくいことを見出した。
【0021】
本発明においては、前記一対の爪部は、平面視において互いの頂点間の距離が1.4〜1.6mmの範囲内であると好適である。
【0022】
発明者らは、鋭意研究の結果、前記一対の爪部は、平面視において互いの頂点間の距離が1.4〜1.6mmの範囲内、好ましくは1.5mmである場合に、爪部の耐久性が向上するとともに、樹脂性ボトルに爪跡を残しにくいことを見出した。
【0023】
本発明においては、前記一対の爪部は、炭化硬質クロムめっき加工が施されていると好適である。
【0024】
発明者らは、鋭意研究の結果、前記一対の爪部は、炭化硬質クロムめっき加工が施されている場合に、爪部の耐久性が向上するとともに、樹脂性ボトルに爪跡を残しにくいことを見出した。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明に係るキャッパを備えた充填設備の概略図
図2】本発明に係るキャッパの平面図
図3】本発明に係るキャッパの側面図
図4】爪部の斜視図
図5】爪部の要部の平面図
図6】爪部の要部の側面図
図7】実験サンプル1の経時変化の説明図
図8】実験サンプル2の経時変化の説明図
図9】実験サンプル3の経時変化の説明図
図10】実験サンプル4の経時変化の説明図
図11】実験サンプル5の経時変化の説明図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に本発明の実施形態について図面を参照しながら説明をする。図1に示すように、PETボトル入り飲料の製造工場において、所定の入味量の飲料が充填されたPETボトルBは、搬入コンベヤ1から入口スターホイール2を介してキャッパ3に搬送され、キャッパ3において樹脂製のキャップCを巻き締められたあと出口スターホイール4から搬出コンベヤ5へと搬送される。
【0027】
図3に示すように、PETボトルBは、ねじ山が備えられた口部Mと、口部Mに連なるフランジ部Fと、フランジ部Fに連なる首部Nと、首部Nに連なる肩部Sと、肩部Sに連なる胴部Dとを有している。
【0028】
キャッパ3は、入口スターホイール2からPETボトルBを受け取り保持する保持部10と、保持部10に保持されたPETボトルBの口部Mに被せたキャップCを押下しながら回転させて巻き締める巻締部(図示せず)等を備えている。
【0029】
前記巻締部は、キャップCを保持するキャッピングヘッドと、前記キャッピングヘッドを保持部10に対して昇降させる昇降手段と、前記キャッピングヘッドを回転させる回転駆動機構と、この回転駆動機構の作動を制御する制御装置等を備えており、制御装置は、回転駆動機構を所定回転角度分だけ回転させたら、又は巻き締めトルクが所定値になると停止させるように構成されている。
【0030】
図2及び図3に示すように、保持部10は、PETボトルBの首部Nを挟持する挟持部11,11と、前記巻締部によってキャップを巻き締める際に、挟持部11,11に挟持されたPETボトルBが回転することを防止する回転抑止部20とを有している。
【0031】
挟持部11,11は、キャッパ3の本体に設けられた回転軸12を中心に回動し、PETボトルBの挟持と開放とが可能に構成されている。挟持部11,11の先端は鉤状に形成され、PETボトルBをキャッパ3側に引き寄せるように挟持する。回転抑止部20は、キャッパ3の本体に取り付けられたステー13にボルト14により固定されている。
【0032】
回転抑止部20は、挟持部11,11の間に配置された基部21の首部Nに対向する側面に、水平方向に所定距離だけ互いに離間した位置において、挟持部11,11に挟持された首部Nに向けて突出配置され、先端が首部Nに接触、たとえば食い込む態様によって、キャップCを巻き締める際のPETボトルBの回転を抑止する一対の爪部22,22を備えている。
【0033】
図4から図6に示すように、一対の爪部22,22はそれぞれ、平面視における形状が、頂角が本実施形態においては90度の二等辺三角形であり、側面視における形状が、首部Nに食い込む側の辺のほうが短い等脚台形であり、正面視における形状が長方形となっている。なお、前記頂角は、60度以上であって180度未満、好ましくは70度以上であって150度未満、より好ましくは80度以上であって120度未満であればよい。
【0034】
一対の爪部22,22は、等脚台形のうち首部Nに食い込む側の辺の長さLが2.45〜4.95mmの範囲内、好ましくは2.70〜4.95mmの範囲内、より好ましくは2.80〜4.95mmの範囲内、さらに好ましくは2.95〜4.95mmの範囲内、本実施形態においては2.95mmであり、等脚台形のうち基部21側の底辺の内角θが40〜50度の範囲内、本実施形態においては45度であり、等脚台形の高さHが0.4〜0.6mmの範囲内、本実施形態においては0.5mmに構成されている。一対の爪部22,22は、平面視において互いの頂点間の距離Rが1.4〜1.6mmの範囲内、本実施形態においては1.5mmである。回転抑止部20は、ステンレス鋼から形成され、少なくとも一対の爪部22,22に、炭化硬質クロムめっき加工が施されている。
【0035】
仮に、一対の爪部22,22が首部Nに対して0.3mm食い込むとすると、上述のように一対の爪部22,22の先端形状が、特に平面視における二等辺三角形の頂角が90度であると、その断面積は、1.775mmである。これに対して、爪部22,22の先端形状が、特に平面視における二等辺三角形の頂角が30度であると、その断面積は、0.204mmにすぎない。巻締部によるキャップCの巻き締めにより生じるトルクが一定である場合、頂角が90度である爪部のほうが、頂角が30度である爪部よりも、爪部に係るせん断応力がはるかに小さいため、耐久性が大きく向上する。
【0036】
一対の爪部22,22の先端形状、特に平面視における二等辺三角形の頂角の角度の違いによる耐久力の相違について調べるために実験を行った。以下の実験サンプル1から5に係る爪部をキャッパに設置し実際にPETボトルのキャッピングを行った際の実験開始時からの所定本数経過時の写真を図7から図11に示す。なお、図7から図11において、最上段は、キャッピングの本数であり、上から二段目は各実験サンプルに係る爪部を一側方から撮影した写真であり、上から三段目は各実験サンプルに係る爪部を正面から撮影した写真であり、最下段は各実験サンプルに係る爪部を他側方から撮影した写真である。
【0037】
実験サンプル1は、爪部の頂角の角度が50度に設定されている。
実験サンプル2は、爪部の頂角の角度が60度に設定されている。
実験サンプル3は、爪部の頂角の角度が70度に設定されている。
実験サンプル4は、爪部の頂角の角度が80度に設定されている。
実験サンプル5は、爪部の頂角の角度が90度に設定されている。
【0038】
図7に示すように、実験サンプル1は、637747本のキャッピングを行った時点で目視により欠けが確認され、1500501本のキャッピングを行った時点では、PETボトルの首部に爪跡が大きく残る本数が増え、もはや回転を十分に抑止することができなかった。
【0039】
図8に示すように、実験サンプル2は、598253本のキャッピングを行った時点では目視による欠けは確認されなかったが先端が鈍り始め、999635本、2027348本のキャッピングを行った時点では目視により欠けが確認された。2944813本のキャッピングを行った時点では目視により大きな欠けが確認された。しかしながら、実験サンプル1よりも耐久性が向上していることが確認できる。
【0040】
図9に示すように、実験サンプル3は、598253本のキャッピングを行った時点では目視による欠けは確認されなかったが先端が鈍り始め、999635本、2027348本のキャッピングを行った時点では目視により欠けが確認された。2944813本のキャッピングを行った時点では目視により大きな欠けが確認された。4392819本のキャッピングを行った時点では、実験サンプル2よりは少ないものの、大きな欠けが確認された。しかしながら、実験サンプル1よりも耐久性が向上していることが確認できる。
【0041】
図10に示すように、実験サンプル4は、598253本、999635本のキャッピングを行った時点では目視による欠けは確認されなかったが先端が鈍り始め、2027348本のキャッピングを行った時点では目視により欠けが確認された。2944813本のキャッピングを行った時点では目視により大きな欠けが確認された。4392819本のキャッピングを行った時点では、実験サンプル3より大きな欠けが確認された。しかしながら、実験サンプル1よりも耐久性が向上していることが確認できる。
【0042】
図11に示すように、実験サンプル5は、990635本のキャッピングを行った時点でも先端の鈍りはほとんど確認されず、4392819本のキャッピングを行った時点でも目視により欠けは確認されなかった。
【0043】
すなわち、一対の爪部22,22はそれぞれ、平面視における形状が、頂角が60度以上であって180度未満、好ましくは70度以上であって150度未満、より好ましくは80度以上であって120度未満、さらに好ましくは90度の二等辺三角形であると、耐久性が大きく向上することが確認された。
【0044】
以上の結果をふまえ平面視における形状が、頂角が60度以上であって180度未満の二等辺三角形であり、さらに、側面視における形状が、首部Nに食い込む側の辺のほうが短い等脚台形であり、正面視における形状が長方形であり、等脚台形のうち首部Nに食い込む側の辺の長さLが2.45〜4.95mmの範囲内であり、等脚台形のうち基部21側の底辺の内角θが40〜50度の範囲内であり、等脚台形の高さHが0.4〜0.6mmの範囲内に構成され、平面視において互いの頂点間の距離Rが1.4〜1.6mmの範囲内であり、炭化硬質クロムめっき加工が施された一対の爪部22,22を用いて、上述と同じ実験をしたところ、912801本のキャッピングの時点でもほとんど鈍りが確認されず、十分に実用に耐える知見が得られた。なお、4974149本のキャッピングを行った時点でも目視により欠けは確認されなかった。
【0045】
上述した実施形態は、いずれも本発明の一例であり、当該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明の作用効果が奏される範囲において適宜変更設計可能である。
【符号の説明】
【0046】
3 :キャッパ
10 :保持部
11 :挟持部
20 :回転抑止部
21 :基部
22 :爪部
B :PETボトル(樹脂製容器)
C :キャップ
D :胴部
F :フランジ部
H :高さ
M :口部
N :首部
R :距離
S :肩部
θ :内角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11