(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、MUC1*受容体を認識した二価抗体はどのように成長を刺激するかを示し、それらの抗体の一価のFabはその同系統のリガンド、二量体NM23との相互作用の遮断により、成長を阻害するということを図式化する。二価抗体は、リガンドMN23を模倣し、がん細胞或は幹細胞を成長させ、一価のFabはそれらの成長をブロックする。
【
図2】
図2は、ELISA実験からのグラフであり、N-末端10アミノ酸(Nデルタ10: SEQ ID NO: 3)を欠くPSMGFRペプチド、あるいはC-末端10アミノ酸(Cデルタ10: SEQ ID NO: 4)を欠くPSMGFRペプチドのいずれかへの、様々な抗体クローンの結合性を示す。
図2は、ペプチドSEQ ID NO:3((Nデルタ10)及びSEQ ID NO:4(Cデルタ10)のMUC1*およびMUC1*のサブクローンのタイターを示す。
【
図3】
図3は、癌細胞特異抗体C2(MIN-C2)あるいは幹細胞特異抗体C3(2D6C3)に対するMUC1陽性のT47D乳癌細胞の反応を示すFACSと図式化したデータを示す。
図3は、生のMUC1*(+)乳癌細胞(T47D細胞)のFACSの要約を示し、癌細胞抗体(C2) だけが、癌細胞を認識し;幹細胞抗体(C3)は認識しない。
【
図4】
図4は、癌細胞特異抗体C2(MIN-C2)あるいは幹細胞特異抗体C3(2D6C3)に対するMUC1陽性のZR-75-1乳癌細胞の反応を示すFACSと図式化したデータを示す。
図4は、生のMUC1*(+)乳癌細胞(1500(ZR-75-1細胞))のFACSの要約を示し;モノクローナル抗体C2(MIN-C2)は癌細胞に結合するが、C3(2D6C3)は、乳癌細胞へ結合しない。
【
図5】
図5は、癌細胞特異抗体C2(MIN-C2)あるいは幹細胞特異抗体C3(2D6C3)に対するMUC1陽性のDU145前立腺癌細胞の反応を示すFACSと図式化したデータを示す。
図5は、MUC1*(+)前立腺癌細胞(DU145細胞)のFACSの要約を示し:癌細胞抗体C2(MIN-C2)およびE6(MIN-E6)がMUC1陽性の前立腺癌細胞DU145に結合するが;幹細胞抗体C3(2D6C3)は結合しない。
【
図6】
図6は、MUC1陽性の胚性BGO1V/hOGヒトの幹細胞、MUC1陽性のT47D乳癌細胞あるいはMUC1陽性のDU145前立腺癌細胞の、幹細胞特異抗体C3(2D6C3)に対する反応を示すFACSと図式化したデータを示す。
図6は、幹細胞抗体(C3)が癌細胞ではなく幹細胞を認識することを示す。
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図7】
図7は、コントロール8nM NM23(二量体)、200μg/mlの二価のC3(2D6C3)幹細胞の特異モノクローナル抗体、或は200μg/mlの二価のC8(2D6C8)幹細胞の特異モノクローナル抗体の存在下で、プレートで成長するBGO1V/hOG胚性幹細胞の写真を示す。結果細胞は72時間の成長期の後に測定され、Vialight分析で測定され、図示した。
図7は、二価の幹細胞抗体C3(2D6C3)およびC8(2D6C8)が、天然リガンドNM23よりよい幹細胞成長を刺激することを示した。
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図8】
図8は、示された濃度で、コントロール8nM NM23(二量体)か、二価のC3(2D6C3)幹細胞特異モノクローナル抗体が存在する状態で、プレートで成長するBGO1V/hOG胚性幹細胞の写真を示す。結果細胞は72時間の成長期の後に測定され、Vialight分析で測定され、図示した。細胞数はvialight分析を使用して測定された。
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図9】
図9は、示された濃度で、コントロール8nM NM23(二量体)か、C8(2D6C8)幹細胞特異モノクローナル抗体が存在する状態で、プレートで成長するBGO1V/hOG胚性幹細胞の写真を示す。結果細胞は72時間の成長期の後に測定され、Vialight分析で測定され、図示した。細胞数はvialight分析を使用して測定した。
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図10】
図10は、示された濃度で、コントロール8nM NM23(二量体)か、又は癌細胞特異モノクローナル抗体C2(MIN-C2)のFab若しくは幹細胞特異モノクローナル抗体C3(2D6C3)のFabの存在状態でプレートで成長するBGO1V/hOG胚性幹細胞の写真を示し、100μg/mlのC3Fabのみが幹細胞の成長を著しく阻害したことを示す。
【
図11】
図11は、コントロール8nM NM23(二量体)あるいは癌特異モノクローナル抗体C2(MIN-C2)およびE6(MIN-E6)のFabの存在状態でプレートで成長するBGO1V/hOG胚性幹細胞の写真を示し、どちらの癌特異抗体も、幹細胞の成長を阻害したことを示す。
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図12】
図12は、幹細胞が、コントロール(Ctrl)8nM NM23(二量体)、又は幹細胞特異モノクローナル抗体C3(2D6C3)およびC8(2D6C8)若しくは癌特異モノクローナル抗体E6(MIN-E6)のFabで処置された後、未分化の幹細胞マーカー、Tra 1-60の測定されたグラフを示す。結果は別の測定手段によって、癌特異抗体が幹細胞の成長を阻害しなかったことを示した。
図12は、幹細胞抗体のFabが幹細胞成長を阻害し、多分化能マーカーTra 1-60の損失を引き起こすことを示した;ここで、本発明者は、幹細胞モノクローナル抗体C3およびC8のFabが、幹細胞マーカーTra 1-60の発現を減少させることを示した;癌細胞抗体E6のFabはBG01V細胞増殖の阻害に効果がなかった:Fabの影響は、t=72時間測定された。
【
図13】
図13は、癌特異抗体C2(CA-C2Fab(MIN-C2))のFab、E6(CA-E6Fab(MIN-E6))のFab、あるいは幹細胞特異抗体C3(STEM-C3Fab(2D6C3))あるいはC8(STEM-C8Fab(2D6C8))のFabで処置後のMUC1陽性のDU145前立腺癌細胞の写真を示し、癌特異抗体のFabだけが、癌細胞の成長を阻害したことを示す。
図13は、幹細胞特異モノクローナル抗体 (C3とC8)がDU145前立腺癌細胞に結合せず、癌細胞成長を阻害しないことを示す;癌特異モノクローナル抗体のFab(C2とE6)は阻害した。Fabは、結合し、MUC1*のリガンド誘導二量化をブロックする。
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図14】
図14は、癌特異抗体C2(CA-C2Fab(MIN-C2))のFab、E6(CA-E6Fab(MIN-E6))のFab、あるいは幹細胞特異抗体C3(STEM-C3-FAB(2D6C3))若しくはC8(STEM-C8Fab(2D6C8))のFabでの処置後のMUC1陽性のT47D乳癌細胞の細胞数の写真およびグラフを示し、癌特異抗体のFabのみが癌細胞の成長を阻害したことを示す。
図14は、幹細胞特異モノクローナル抗体 (C3とC8)が癌細胞に結合せず、癌細胞成長を阻害しないことを示す;癌特異モノクローナル抗体 (C2とE6)のFabsは阻害する。
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図15】
図15は、癌特異抗体C2(C2Fab(MIN-C2))のFab、E6(E6Fab(MIN-E6))のFab、あるいは幹細胞特異抗体C3(C3Fab(2D6C3))若しくはC8(C8Fab(2D6C8))のFabで治療後のMUC1陽性のDU145前立腺癌細胞の細胞数の写真およびグラフを示し、癌特異抗体のFabのみが癌細胞の成長を阻害したことを示す。
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図16】
図16は、癌特異抗体C2(C2Fab(MIN-C2))のFab、E6(E6Fab(MIN-E6))のFab、あるいは幹細胞特異抗体C3(C3Fab(2D6C3))若しくはC8(C8Fab(2D6C8))のFabで治療後の、MUC1陰性PC3前立腺癌細胞(それらはMUC1陰性である)の細胞数のグラフを示し、FabのどれもMUC1陰性癌細胞にどんな効果もなかったことを示す。
【
図17】
図17は、ヌードマウスが、ヒトのT47D胸腫瘍を異種移植され、ついで、1週当たり2度のビークル(コントロール)あるいは80mg/kg E6(MIN-E6)Fabのいずれかで処置された実験の結果をグラフ表示した。処置は、移植後14日目で開始され、ついで、15日間中断され、その後再開した。
図17は、ヒトの乳癌腫瘍(T47D)で雌のNu/Nuマウスへエストロゲンペレットで注入されたことを示し;抗MUC1*Fabは腫瘍成長を阻害した、ことを示す。
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図18】
図18は、抗MUC1*Fab腫瘍をシュリンクさせ、MUC1*成長因子受容体の発現を減少させる。
図18は、その実験からのマウスの2つの写真を示す。
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図19】
図19は、ヒトの前立腺腫瘍株DU145を異種移植されたNOD/SCIDマウスの腫瘍ボリュームのグラフを示す。マウスの半分は48時間ごとに160mg/kgでE6 Fabで処置され、他方の半分はビークルだけで処置した。
図19は、抗MUC1*FabがオスのNOD/SCIDマウスへ移植されたDU145腫瘍の成長を阻害することを示す。V8を除いてmiR-145、Fab5を除いてlow miR=高い腫瘍ボリューム、High miR-145=低い腫瘍ボリューム。
【
図20】
図20は、実験用マウスから切除された腫瘍からの、microRNA145のウェスタンブロットおよびグラフを示す。一般的に、E6 Fabで処置された腫瘍は、コントロール群より少ないMUC1*成長因子受容体を持ち、細胞に分化の信号を送るより多くのmicroRNA145を持つように変更された。
図20は、抗MUC1*Fabで処置された動物が、処置後、より少ないMUC1*成長因子受容体を発現し、より分化され(miR-145増加)ることを示す。
【
図21】
図21は、ヒトの前立腺腫瘍株DU145を異種移植されたNOD/SCIDマウス用の腫瘍ボリュームのグラフを示す。腫瘍が400mm
3以上の平均に達した時、マウスの半分は処置を始め、また、腫瘍が175mm
3と300mm
3の間にあった時、他方の半分の処置を始めた。大きな腫瘍の半分はE6 Fabで処置され、他方の半分はビークルだけで処置された。同様に、第2のグループは分割され、48時間ごと160mg/kgのE6 Fabで処置され、他方の半分は、ビークルだけで処置された。結果は、両方のグループで、Fabは、腫瘍成長割合を減少させ、しかし、より小さな腫瘍から始まったグループは、マッチベターをもたらした。
図21は、NOD/SCIDのオスのマウスでの、DU145ヒト前立腺癌の標準化された腫瘍成長を示す。グループ1と2の腫瘍は27日の成長の後において非常に大きかった:処置の最初で350-550mm
3。グループ3と4の腫瘍は治療の最初で175-300mm
3であった。サイズ差にかかわらず、両方のビークルグループは、速やかに、同じ成長率とサイズにマージした;より小さな腫瘍は、予想通りに、非常に大きな腫瘍よりよりよく応答した;48時間ごとに160mg/kg。
【
図22】
図22は、モックの処置を受けたヒト前立腺腫瘍を担持するマウスの写真を示す。
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図23】
図23は、癌特異E6(MIN-E6)Fabの処置を受けたヒトの前立腺腫瘍を担持するマウスの写真を示す。
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図24】
図24は、抗MUC1* IgGモノクローナル抗体軽鎖可変領域の配列を示す。
【
図25】
図25は、抗MUC1* IgGモノクローナル抗体重鎖可変領域の配列を示す。
【
図26】
図26は、MIN-C2(モノ一鎖断片可変)デザイン(重鎖可変−リンカー−軽鎖可変)のアミノ酸配列を示す。scFv構築物が、バクテリアで発現され、C-末端のポリ・ヒスチジン(HHHHHH)タグを使用して精製した。
【
図27】
図27は、MIN-E6 scFv(単鎖断片可変)デザイン〔重鎖可変(MIN-E6 VH7)−リンカー−軽鎖可変〕のアミノ酸配列を示す。scFvの構築物が、バクテリアで発現され、C-末端のポリ・ヒスチジン(HHHHHH)タグを使用して精製した。
【
図28】
図28は、2D6C3カッパ鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。CDR1: RSSQTIVHSNGNTYLE;(SEQ ID、NO:70)CDR2: KVSNRFS;(SEQ ID、NO:71)またCDR3: FQGSHVPFT(SEQ ID、NO:72)
【
図29】
図29は、2D6C3重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。CDR1: GYAMS;(SEQ ID、NO:73)CDR2: TISSGGTYIYYPDSVKG;(SEQ ID、NO:74)またCDR3: LGGDNYYEY(SEQ ID、NO:75)
【
図30】
図30は、2D6C8カッパ鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。CDR1: RASKSVSTSGYSYMH;(SEQ ID、NO:76)CDR2: LVSNLES;(SEQ ID、NO:77)またCDR3: QHIRELTRSE(SEQ ID、NO:78)
【
図31】
図31は、2D6C8重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。CDR1: GYAMS;(SEQ ID、NO:79)CDR2: TISSGGTYIYYPDSVKG;(SEQ ID、NO:80)またCDR3: LGGDNYYEY(SEQ ID、NO:81)
【
図32】
図32は、3C2B1カッパ鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。CDR1: RASKSISTSDYNYIH;(SEQ ID、NO:82)CDR2: LASNLES;(SEQ ID、NO:83)またCDR3: QHSRELPLTF(SEQ ID、NO:84)
【
図33】
図33は、3C2B1重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。CDR1: TYTMS;(SEQ ID、NO:85)CDR2: TISTGGDKTYYSDSVKG;(SEQ ID、NO:86)またCDR3: GTTAMYYYAM(SEQ ID、NO:87)
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、MUC1*に関するパスウェイを調整する抗体および抗体バリアント関し、抗体の一のセットは、優先的に、幹細胞に存在するMUC1*に結合するが、癌細胞のMUC1*を認識しない、及び、抗体の別のセットは、優先的に、癌細胞に存在するMUC1*に結合するが、幹細胞のMUC1*を認識しない。本発明は、これらのカテゴリーに分類される他の抗体を同定する方法をさらに示す。本発明は、以下「幹細胞抗体」と呼ぶ、インビボ及びインビトロで幹細胞成長の刺激のための抗体の第一のセットを使用する方法をさらに示す。本発明は、さらに、以下「癌細胞抗体」と呼ぶ、インビボ及びインビトロで癌細胞成長を阻害するための抗体の第二のセットを使用する方法を示す。
【0021】
本願発明がプライオリティを請求する出願のすべてと同様に本願発明では、本願発明と同様にプライオリティ出願でも示される抗体に与えられる名前は維持する。例えば、癌特異抗体MIN-C2(本願発明が「C2」としてプライオリティを請求する出願と同様にここに引用する)あるいはMIN-E6(本願発明が「E6」としてプライオリティを請求する出願と同様にここに引用する)は、本願発明がプライオリティを請求する出願と同様に本願発明で引用されるように構造上及び配列的に同じ抗体である。同様に、幹特異抗体2D6C3(本願発明が「C3」としてプライオリティを請求する出願と同様にここに引用する)あるいは2D6C8(本願発明が「C8」としてプライオリティを請求する出願と同様にここに引用する)は、本願発明がプライオリティを請求する出願と同様に本願発明で引用されるように構造上及び配列的に同じ抗体である。
【0022】
好ましい実施態様では、幹細胞抗体のセットから選ばれた二価抗体は、患者の幹細胞か先祖細胞の成長を刺激するために患者に投与される。好ましい実施態様では、先祖細胞は造血幹細胞である。別の実施態様では、幹細胞抗体のセットから選ばれた二価抗体は、CSFのような別の薬剤を使用して動員された患者の幹か先祖細胞の成長の刺激のためにインビボで使用される。別の実施態様では、幹細胞抗体のセットから選ばれた二価抗体は、後の移植のため自己由来用に、あるいは別の同種へ移植されるドナー細胞として、ホストから抽出された、ヒトの動員された幹細胞の成長の刺激のために生体外で使用される。さらに、別の実施態様では、幹細胞抗体のセットから選ばれた二価抗体は、幹細胞の成長をインビボで刺激するために使用される。別の実施態様では、幹細胞抗体のセットから選ばれた二価抗体は、多分化能を引き起こすか細胞のあるセットにおいてより少ない分化状態を引き起こすために使用される。別の実施態様では、幹細胞抗体のセットから選ばれた抗体は、幹あるいは先祖細胞を同定する、選択する、分離する、あるいは成長表面上での捕獲を含む捕獲のために使われる。好ましい実施態様では、上記幹および/または先祖細胞が、ヒト起源である。幹細胞抗体は、放射線の被爆、骨髄移植の後に使用される、末梢血へ移植される幹細胞移植の前又は後に使用される、毒素又は化学療法の影響から血液細胞の回復を加速するために使用することができ、あるいは、造血幹細胞または血液細胞又はそれらの先祖細胞の増加した生産から利益を得ることができる患者を治療するために使用することができる。
【0023】
1つの実施態様では、癌細胞抗体のセットから選ばれた抗体は、癌患者を治療するために使用される。好ましい実施態様では、癌細胞抗体のセットから選ばれた抗体は、ほとんどのPSMGFR配列 N-末端GTINVHDVETQFNQYKTEAASRYNLTISDVSVSDVPFPFSAQSGA―C末端(SEQ ID NO: 1)によって例証されたMUC1タンパク質のMUC1*部分の二量化を阻害する。もっと好ましい実施態様では、癌患者を治療するために使用される癌細胞抗体のセットから選ばれた抗体は、PSMGFR配列の一部に結合し、そのリガンドに引き起こされた二量化を防ぐ作成された抗体様薬剤を含む他の抗体と同様に、単鎖構築物Fabを含む一価である。
【0024】
MUC1*は、その自己会合領域GFLGLSNIKFRPGSVVVQLTLAFREG(SEQID NO: 2)のいくらか又はすべてが欠けているMUC1タンパク質か代替的にスプライスアイソフォームを指す。MUC1*は、直列反復ユニットを欠くMUC1バリアントを特に指す。最も多くの場合、MUC1*は、主として、その細胞外ドメインがPSMGFR配列の重要な部分から成る膜貫通型の開裂産物である。多くの位置でMUC1は、開裂できるので、その開裂の正確なサイトは、細胞タイプ毎に変わりうる。
【0025】
一般に、「癌細胞抗体」としてここに名付けたグループに属する抗体は、PSMGFR配列:QFNQYKTEAASRYNLTISDVSVSDVPFPFSAQSGA (SEQ ID NO:3、さらにいくつかの図で「Nデルタ10」と呼ぶ)のC-末端にある35のアミノ酸に結合する。
【0026】
一般に、「幹細胞抗体」としてここに名付けたグループに属する抗体は、PSMGFR配列:GTINVHDVETQFNQYKTEAASRYNLTISDVSVSDV(SEQ ID NO:4、さらにいくつかの図で「Cデルタ10」と呼ぶ)のN-末端にある35のアミノ酸に結合し、さらにSEQ ID NO:4のペプチドからN-末端側に伸びたペプチド〔SEQ ID NO:4に10のアミノ酸(それはVVQLTLAFRE(SEQ ID NO: 5)であるN-末端を含んでいる〕にも結合できる。あるいは、幹細胞抗体のグループに属する抗体は、配列VVQLTLAFREGTINVHDVETQFNQYKTEAASRYNLTISDVSVSDV(SEQ ID NO: 6)のペプチドに結合するそれらの能力に基づいて選択される。好ましい実施態様では、幹細胞抗体はペプチドSEQ ID NO:3には結合しない。
【0027】
癌細胞抗体のセットに属する抗体は、SEQ ID NO:3のペプチドの連続6-35のアミノ酸を含んでいるペプチドに結合し、そのペプチドはさらに4つまでのアミノ酸置換を含むことができる。
【0028】
幹細胞抗体のセットに属する抗体は、SEQ ID NO:4 、SEQ ID NO:5、あるいはSEQ ID NO:6のペプチドの6-35の連続するアミノ酸配列を含んでいるペプチドに結合し、そのペプチドはさらに、4つまでのアミノ酸置換を含むことができる。
【0029】
癌細胞抗体を生成するために、使用される免疫原若しくは抗原ペプチドは、SEQ ID NO:3のペプチドの6-35の連続するアミノ酸配列を含み、そのペプチドはさらに4つまでのアミノ酸置換を含んでいることができる。好ましい実施態様では、よりC-末端側であるペプチドの部分が、癌細胞抗体を生成するために使用される。例えば、アミノ酸ASRYNLTISDVSVSDVPFPFSAQSGA(SEQ ID NO: 7)あるいはDVSVSDVPFPFSAQSGA(SEQ ID NO: 8)を含んでいるペプチドが、癌細胞抗体を生成するために使われる。本発明の癌細胞抗体の生成のために、本発明は、さらに、ヒト化抗体を生成するか、ヒト抗体を選択するか、抗体様蛋白質を生成する方法を含み、該ペプチドは動物を免疫にするためには使用されないが、SEQ ID NO:7あるいはSEQ ID NO:8のペプチドのような、SEQ ID NO:3のペプチドからすくなくとも少なくとも連続6つのアミノ酸を認識する抗体か抗体様のタンパク質を選択するために、使われるか、又はそれをコードする核酸が使われる。さらにSEQ ID NO:3、SEQ ID NO:7およびSEQ ID NO:8のペプチド(SEQ ID NO:8が特に好適)は、SEQ ID NO:7のペプチドのように、よりC-末端側の部分に結合する抗体であって、癌細胞の成長を特異的に調整するが幹細胞では作用しない抗体を選択するために使用することができる。ファージディスプレー技術は、それを癌特異抗体であると同定するペプチドに結合する抗体或いは抗体様のタンパク質を選択するために使用できる。あるいは、抗体はPSMGFRペプチド全体を使用して生成され、また、癌細胞抗体は、SEQ ID NO:3あるいはSEQ ID NO:7あるいはSEQ ID NO:8ペプチドの6-35の連続するアミノ酸配列を含んでいるペプチドに結合するそれらの能力に基づいて選択され、ペプチドはさらに、4つまでのアミノ酸置換を含むことができる。
【0030】
幹細胞抗体を生成するために、使用される免疫原又は抗原ペプチドは、SEQ ID NO:4あるいはSEQ ID NO:5、あるいはSEQ ID NO:6のように両方からの配列があるペプチドの6-35の連続するアミノ酸配列を含み、ペプチドは、さらに、4つまでのアミノ酸置換を含むことができる。好ましい実施態様では、よりN-末端側であるペプチドの部分が幹細胞抗体を生成するために使用される。例えば、アミノ酸VVQLTLAFREGTINVHDVETQFNQYKTEAASRYNL(SEQ ID NO: 9)を含むペプチドは、幹細胞抗体の生成に好適である。より好適には、当該ペプチドからの連続するアミノ酸を含んでいるペプチドである。あるいは、抗体はPSMGFRペプチド全体を使用して、生成され、また、幹細胞抗体はSEQ ID NO4あるいはSEQ ID NO:5あるいはSEQ ID NO:6のペプチドの6-35の連続するアミノ酸配列を含んでいるペプチドに結合するそれらの能力に基づいて選択され、ペプチドはさらに、4つまでのアミノ酸置換を含むことができる。
【0031】
幹細胞特異抗体の生成か選択ためのGTINVHDVETQFNQYKTEAASRYNL(SEQ ID NO: 10)。さらに好適には、GTINVHDVETQFNQY(SEQ ID NO: 11)からの連続するアミノ酸を含んでいるペプチドである。本発明の幹細胞抗体の生成において、本発明は、さらに、ヒト化抗体を生成するか、ヒト抗体を選択するか、抗体様蛋白質を生成する方法を含み、該ペプチドは動物を免疫にするためには使用されないが、SEQ ID NO 4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11(そこで、SEQ ID NO:10が特に好適)のペプチドから少なくとも連続する6つのアミノ酸を認識する抗体か抗体様のタンパク質を選択するために使われるか、又はそれをコードする核酸が使われる。ファージディスプレー技術は、幹細胞特異抗体であると同定するペプチドに結合する抗体あるいは抗体様のタンパク質を選択するために使用されうる。
【0032】
好ましい実施態様では、癌細胞抗体のセットに属する抗体は、ICC、FACS 、或いはID NO:3のアミノ酸のうちのいくつかあるいはすべてを含んでいるペプチドに結合する。ELISAおよびファージディスプレーを含む他の同様の分析によって決定されるようなMUC1陽性の癌細胞に結合する好ましい実施態様では、抗体は、SEQ ID NO:3のC末端で最後20のアミノ酸を含んでいるペプチドに結合する。もっと好ましい実施態様では、抗体は、SEQID NO:3のペプチドのC末端で最後10アミノ酸のみを含んでいるペプチドに結合する。まだもっと好適な実施態様では、癌細胞抗体のセットに属する抗体は、幹または先祖細胞ではなくMUC1陽性の癌細胞に結合する。さらに、癌細胞抗体セットに属する抗体は、それらが二価の場合に、癌細胞成長を刺激し、かつ一価の場合、例えばFab、癌細胞成長を阻害しうるそれらの能力によって選択される。まだもっと好適な実施態様では、抗体の二価型も一価型も、幹細胞の成長に影響しない。
【0033】
好ましい実施態様では、幹細胞抗体のセットに属する抗体は、ICC、FACS 、或いはID NO:4のアミノ酸のうちのいくつかあるいはすべてを含んでいるペプチドに結合する。ELISAおよびファージディスプレーを含む他の同様の分析によって、決定されるような幹および/または先祖細胞に結合する好ましい実施態様では、幹および/または先祖細胞の起源はヒトである。別の好ましい実施態様では、抗体は、SEQ ID NO:4のN-末端20のアミノ酸だけを含んでいるペプチドに結合するもっと好ましい実施態様では、抗体は、SEQ ID NO:4のペプチドのN-末端10アミノ酸だけを含んでいるペプチドに結合する。
あるいは、抗体は、SEQ ID NO:5のペプチド、SEQ ID NO:6のペプチド、又は結合したSEQ ID NOS:4と5からの連続するアミノ酸を含んでいるペプチドに結合する。さらにより好適な実施態様では、幹細胞抗体のセットに属する抗体は、MUC1陽性の癌細胞にではなくヒトの幹および/または先祖細胞に結合する。さらに、幹細胞抗体セットに属する抗体は、それらが二価の場合に幹および/または先祖細胞増殖を刺激し、かつ一価の場合(例えば、Fab)に、幹および/または先祖細胞増殖を阻害しうるそれらの能力によって選択される。まだもっと好適な実施態様では、二価型の抗体も一価型の抗体も癌細胞の成長に影響しない。
【0034】
モノクローナル抗体は標準的な方法によって生成され、また、抗体を生産するハイブリドーマは、以下に記述の選択基準に基づいて選択された。モノクローナル抗体2D6C3および2D6C8(それぞれC3とC8とも呼ぶ)は、幹細胞抗体であることが確認された。それらの配列は
図28〜33に示した。モノクローナル抗体C2およびE6は、癌細胞特異抗体であると確認された。モノクローナル抗体C2(MIN-C2)およびE6(MIN-E6)の配列は、
図24〜27に示した。
【0035】
gaggtccagctggaggagtcagggggaggcttagtgaagcctggagggtccctgaaactctcctgtgcagcctctggattcactttcagtggctatgccatgtcttgggttcgccagactccggagaagaggctggagtgggtcgcaaccattagtagtggtggtacttatatctactatccagacagtgtgaaggggcgattcaccatctccagagacaatgccaagaacaccctgtacctgcaaatgagcagtctgaggtctgaggacacggccatgtattactgtgcaagacttgggggggataattactacgaatacttcgatgtctggggcgcagggaccacggtcaccgtctcctccgccaaaacgacacccccatctgtctat
(SEQ ID NO: 12) MIN-C2重鎖可変領域。
【0036】
EVQLEESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFTFSGYAMSWVRQTPEKRLEWVATISSGGTYIYYPDSVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRSEDTAMYYCARLGGDNYYEYFDVWGAGTTVTVSSAKTTPPSVY
(SEQ ID NO: 13) MIN-C2重鎖可変領域。
【0037】
gacattgtgatcacacagtctacagcttccttaggtgtatctctggggcagagggccaccatctcatgcagggccagcaaaagtgtcagtacatctggctatagttatatgcactggtaccaacagagaccaggacagccacccaaactcctcatctatcttgcatccaacctagaatctggggtccctgccaggttcagtggcagtgggtctgggacagacttcaccctcaacatccatcctgtggaggaggaggatgctgcaacctattactgtcagcacagtagggagcttccgttcacgttcggaggggggaccaagctggagataaaacgggctgatgctgcaccaactgtatcc
(SEQ ID NO: 14) MIN-C2カッパ鎖可変領域。
【0038】
DIVITQSTASLGVSLGQRATISCRASKSVSTSGYSYMHWYQQRPGQPPKLLIYLASNLESGVPARFSGSGSGTDFTLNIHPVEEEDAATYYCQHSRELPFTFGGGTKLEIKRADAAPTVS
(SEQ ID NO: 15) MIN-C2カッパ鎖可変領域。
【0039】
gaggttaagctggaggagtctgggggagacttagtgaagcctggagggtccctgaaactctcctgtgcagcctctggattcactttcagtagatatggcatgtcttgggttcgccagactccagacaagaggctggagtgggtcgcaaccattagtagtggtggtacttacatctactatccagacagtgtgaaggggcgattcaccatctccagagacaatgccaagaacaccctgtacctgcaaatgagcagtctgaagtctgaggacacagccatgtattactgtgcaagggataactacggtagtagctacgactatgctatggactactggggtcaaggaacctcagtcaccgtctcctcagccaaaacaacagccccatcggtctat
(SEQ ID NO: 16) MIN-E6重鎖-7可変領域。
【0040】
EVKLEESGGDLVKPGGSLKLSCAASGFTFSRYGMSWVRQTPDKRLEWVATISSGGTYIYYPDSVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLKSEDTAMYYCARDNYGSSYDYAMDYWGQGTSVTVSSAKTTAPSVY
(SEQ ID NO: 17) MIN-E6重鎖-7可変領域。
【0041】
gaggtaaagctggaggagtctgggggagacttagtgaagcctggagggtccctgaaactctcctgtgtagtctctggattcactttcagtagatatggcatgtcttgggttcgccagactccaggcaagaggctggagtgggtcgcaaccattagtggtggcggtacttacatctactatccagacagtgtgaaggggcgattcaccatctccagagacaatgccaagaacaccctgtacctgcaaatgagcagtctgaagtctgaggacacagccatgtatcactgtacaagggataactacggtaggaactacgactacggtatggactactggggtcaaggaacctcagtcaccgtctcctcagccaaaacaacagccccatcggtctatccactggcccctgtgtgtggagatacaactggctcctcggtgactctaggatgcctggtcaag
(SEQ ID NO: 18) MIN-E6重鎖-8可変領域。
【0042】
EVKLEESGGDLVKPGGSLKLSCVVSGFTFSRYGMSWVRQTPGKRLEWVATISGGGTYIYYPDSVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLKSEDTAMYHCTRDNYGRNYDYGMDYWGQGTSVTVSSAKTTAPSVYPLAPVCGDTTGSSVTLGCLVK
(SEQ ID NO: 19) MIN-E6重鎖-8可変領域。
【0043】
gatattgtgatcacccagactacagcaatcatgtctgcatctccaggggaggaggtcaccctaacctgcagtgccacctcaagtgtaagttacatacactggttccagcagaggccaggcacttctcccaaactctggatttatagcacatccaacctggcttctggagtccctgttcgcttcagtggcagtggatatgggacctcttactctctcacaatcagccgaatggaggctgaagatgctgccacttattactgccagcaaaggagtagttccccattcacgttcggctcggggacaaagttggaaataaaacgggctgatgctgcaccaactgtatcc
(SEQ ID NO: 20) MIN-E6カッパ鎖可変領域。
【0044】
DIVITQTTAIMSASPGEEVTLTCSATSSVSYIHWFQQRPGTSPKLWIYSTSNLASGVPVRFSGSGYGTSYSLTISRMEAEDAATYYCQQRSSSPFTFGSGTKLEIKRADAAPTVS
(SEQ ID NO: 21) MIN-E6カッパ鎖可変領域。
【0045】
Gaggtccagctggaggagtctgggggaggcttagtgaagcctggagggtccctgaaactctcctgtgcagcctctggattcactttcagtggctatgccatgtcttgggttcgccagactccggagaagaggctggagtgggtcgcaaccattagtagtggtggtacttatatctactatccagacagtgtgaaggggcgattcaccatctccagagacaatgccaagaacaccctgtacctgcaaatgagcagtctgaggtctgaggacacggccatgtattactgtgcaagacttgggggggataattactacgaatacttcgatgtctggggcgcagggaccacggtcaccgtctcctccgccaaaacgacacccccatctgtctatccactggcccctggatctgctgcccaaactaactccatggtgaccctgggatgcctggtcaagggctatttccctgagccagtgacagtgacctggaactctggatccctgtccagcggtgtgcacaccttcccagctgtcctgcagtctgacctctacactctgagcagctcagtgactgtcccctccagcacctggcccagcgagaccgtcacctgcaacgttgcccacccagccagcaggaccgcg
(SEQ ID NO: 22) MIN-C2Fab重鎖。
【0046】
gacattgtgatcacacagtctacagcttccttaggtgtatctctggggcagagggccaccatctcatgcagggccagcaaaagtgtcagtacatctggctatagttatatgcactggtaccaacagagaccaggacagccacccaaactcctcatctatcttgcatccaacctagaatctggggtccctgccaggttcagtggcagtgggtctgggacagacttcaccctcaacatccatcctgtggaggaggaggatgctgcaacctattactgtcagcacagtagggagcttccgttcacgttcggaggggggaccaagctggagataaaacgggctgatgctgcaccaactgtatccatcttcccaccatccagtgagcagttaacatctggaggtgcctcagtcgtgtgcttcttgaacaacttctaccccaaagacatcaatgtcaagtggaagattgatggcagtgaacgacaaaatggcgtcctgaacagttggactgatcaggacagcaaagacagcacctacagcatgagcagcaccctcacgttgaccaaggacgagtatgaacgacataacagctatacctgtgaggccactcacaagacatcaacttcacccattgtcaagagcttcaacaggaatgagtgt
(SEQ IDNO: 23) MIN-C2Fabカッパ鎖。
【0047】
EVQLEESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFTFSGYAMSWVRQTPEKRLEWVATISSGGTYIYYPDSVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRSEDTAMYYCARLGGDNYYEYFDVWGAGTTVTVSSAKTTPPSVYPLAPGSAAQTNSMVTLGCLVKGYFPEPVTVTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVPSSTWPSETVTCNVAHPASRTA
(SEQ ID NO: 24) MIN-C2Fab重鎖。
【0048】
DIVITQSTASLGVSLGQRATISCRASKSVSTSGYSYMHWYQQRPGQPPKLLIYLASNLESGVPARFSGSGSGTDFTLNIHPVEEEDAATYYCQHSRELPFTFGGGTKLEIKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC
(SEQ IDNO: 25) MIN-C2Fabカッパ鎖。
【0049】
RADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC
(SEQ IDNO: 26) MIN-C2軽CL領域アミノ酸配列。
【0050】
FDVWGAGTTVTVSSAKTTPPSVYPLAPGSAAQTNSMVTLGCLVKGYFPEPVTVTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVPSSTWPSETVTCNVAHPASRTA
(SEQ IDNO: 27) MIN-C2重鎖CH1領域アミノ酸配列。
【0051】
DIVITQSTASLGVSLGQRATISC
(SEQ ID NO: 28) MIN-C2軽鎖可変フレームワーク領域1(FWR1)アミノ酸配列。
【0052】
DIVITQTTAIMSASPGEEVTLTC
(SEQ ID NO: 29) MIN-E6軽鎖可変フレームワーク領域1(FWR1)アミノ酸配列。
【0053】
RASKSVSTSGYSYMH
(SEQ ID NO: 30) MIN-C2軽鎖可変相補性決定領域1(CDR1)アミノ酸配列。
【0054】
SATSSVSYIH
(SEQ ID NO: 31) MIN-E6軽鎖可変相補性決定領域1(CDR1)。
【0055】
WYQQRPGQPPKLLIY
(SEQ ID NO: 32) MIN-C2軽鎖可変フレームワーク領域2(FWR2)アミノ酸配列。
【0056】
WFQQRPGTSPKLWIY
(SEQ ID NO: 33) MIN-E6軽鎖可変フレームワーク領域2(FWR2)アミノ酸配列。
【0057】
LASNLES
(SEQ ID NO: 34) MIN-C2軽鎖可変相補性決定領域2(CDR2)アミノ酸配列。
【0058】
STSNLAS
(SEQ ID NO: 35) MIN-E6軽鎖可変相補性決定領域2(CDR2)アミノ酸配列。
【0059】
GVPARFSGSGSGTDFTLNIHPVEEEDAATYYC
(SEQ ID NO: 36) MIN-C2軽鎖可変フレームワーク領域3(FWR3)アミノ酸配列。
【0060】
GVPVRFSGSGYGTSYSLTISRMEAEDAATYYC
(SEQ ID NO: 37) MIN-E6軽鎖可変フレームワーク領域3(FWR3)アミノ酸配列。
【0061】
QHSRELPFT
(SEQ ID NO: 38) MIN-C2軽鎖可変相補性決定領域3(CDR3)アミノ酸配列。
【0062】
QQRSSSPFT
(SEQ ID NO: 39) MIN-E6軽鎖可変相補性決定領域3(CDR3)アミノ酸配列。
【0063】
EVQLEESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFTFS
(SEQ ID NO: 40) MIN-C2重鎖可変フレームワーク領域1(FWR1)アミノ酸配列。
【0064】
EVKLEESGGDLVKPGGSLKLSCAASGFTFS
(SEQ ID NO: 41) MIN-E6-7重鎖可変フレームワーク領域1(FWR1)アミノ酸配列。
【0065】
EVKLEESGGDLVKPGGSLKLSCVVSGFTFS
(SEQ ID NO: 42) MIN-E6-8重鎖可変フレームワーク領域1(FWR1)アミノ酸配列。
【0066】
GYAMS
(SEQ ID NO: 43) MIN-C2重鎖可変相補性決定領域1(CDR1)アミノ酸配列。
【0067】
RYGMS
(SEQ ID NO: 44) MIN-E6-7重鎖可変相補性決定領域1(CDR1)アミノ酸配列。
【0068】
RYGMS
(SEQ ID NO: 45) MIN-E6-8重鎖可変相補性決定領域1(CDR1)アミノ酸配列。
【0069】
WVRQTPEKRLEWVA
(SEQ ID NO: 46) MIN-C2重鎖可変フレームワーク領域2(FWR2)アミノ酸配列。
【0070】
WVRQTPDKRLEWVA
(SEQ ID NO: 47) MIN-E6-7重鎖可変フレームワーク領域2(FWR2)アミノ酸配列。
【0071】
WVRQTPGKRLEWVA
(SEQ ID NO: 48) MIN-E6-8重鎖可変フレームワーク領域2(FWR2)アミノ酸配列。
【0072】
TISSGGTYIYYPDSVKG
(SEQ ID NO: 49) MIN-C2重鎖可変相補性決定領域2(CDR2)アミノ酸配列。
【0073】
TISSGGTYIYYPDSVKG
(SEQ ID NO: 50) MIN-E6-7重鎖可変相補性決定領域2(CDR2)アミノ酸配列。
【0074】
TISGGGTYIYYPDSVKG
(SEQ ID NO: 51) MIN-E6-8重鎖可変相補性決定領域2(CDR2)アミノ酸配列。
【0075】
RFTISRDNAKNTLYLQMSSLRSEDTAMYYCAR
(SEQ ID NO: 52) MIN-C2重鎖可変フレームワーク領域3(FWR3)アミノ酸配列。
【0076】
RFTISRDNAKNTLYLQMSSLKSEDTAMYYCAR
(SEQ ID NO: 53) MIN-E6-7重鎖可変フレームワーク領域3(FWR3)アミノ酸配列。
【0077】
RFTISRDNAKNTLYLQMSSLKSEDTAMYHCTR
(SEQ ID NO: 54) MIN-E6-8重鎖可変フレームワーク領域3(FWR3)アミノ酸配列。
【0078】
LGGDNYYEY
(SEQ ID NO: 55) MIN-C2重鎖可変相補性決定領域3(CDR3)アミノ酸配列。
【0079】
DNYGSSYDYA
(SEQ ID NO: 56) MIN-E6-7重鎖可変相補性決定領域3(CDR3)アミノ酸配列。
【0080】
DNYGRNYDYG
(SEQ ID NO: 57) MIN-E6-8重鎖可変相補性決定領域3(CDR3)アミノ酸配列。
【0081】
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCA ASGFTFS
(SEQ ID NO: 58) IGHV3(Igblastからの名前)。:
FWR1: MIN-C2の可変重鎖領域への84.7%相同性(249/294)を備えたヒトのIgG抗体フレームワーク領域配列。
【0082】
WVRQAPGKGLEWVS
(SEQ ID NO: 59) IGHV3(Igblastからの名前)。:
FWR2: MIN-C2の可変重鎖領域への84.7%相同性(249/294)を備えたヒトのIgG抗体フレームワーク領域配列。
【0083】
RFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAV
(SEQ ID NO: 60) IGHV3(Igblastからの名前)。:
FWR3: MIN-C2の可変重鎖領域への84.7%相同性(249/294)を備えたヒトのIgG抗体フレームワーク領域配列。
【0084】
DIVLTQSPASLAVSPGQRATITC
(SEQ ID NO: 61) IGkV7(Igblastからの名前)。:
FWR1: MIN-C2の可変軽鎖領域への76.4%相同性(226/296)を備えたヒトのIgG抗体フレームワーク領域配列。
【0085】
WYQQKPGQPPKLLIY
(SEQ ID NO: 62) IGkV7(Igblastからの名前)。:
FWR2: MIN-C2の可変軽鎖領域への76.4%相同性(226/296)を備えたヒトのIgG抗体フレームワーク領域配列。
【0086】
GVPARFSGSGSGTDFTLTINPVEANDTANYY
(SEQ ID NO: 63) IGkV7(Igblastからの名前)。:
FWR 3: MIN-C2の可変軽鎖領域への76.4%相同性(226/296)を備えたヒトのIgG抗体フレームワーク領域配列。
【0087】
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFS
(SEQ ID NO: 64) IGHV3(Igblastからの名前)。:
FWR1: MIN-E6の可変重鎖領域への84.1%相同性(249/296)を備えたヒトのIgG抗体フレームワーク領域配列。
【0088】
WVRQAPGKGLEWVS
(SEQ ID NO: 65) IGHV3(Igblastからの名前)。:
FWR2: MIN-E6の可変重鎖領域への84.1%相同性(249/296)を備えたヒトのIgG抗体フレームワーク領域配列。
【0089】
RFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAR
(SEQ ID NO: 66) IGHV3(Igblastからの名前)。:
FWR3: MIN-E6の可変重鎖領域への84.1%相同性(249/296)を備えたヒトのIgG抗体フレームワーク領域配列。
【0090】
EIVMTQSPATLSVSPGERATLSC
(SEQ ID NO: 67) IGkV3(Igblastからの名前)。:
FWR1: MIN-E6の可変軽鎖領域への69.5%相同性(187/269)を備えたヒトのIgG抗体フレームワーク領域配列。
【0091】
WFQQRPGTSPK LLIY
(SEQ ID NO: 68) IGkV3(Igblastからの名前)。:
FWR2: MIN-E6の可変軽鎖領域への69.5%相同性(187/269)を備えたヒトのIgG抗体フレームワーク領域配列。
【0092】
GIPARFSGSGSGTEFTLTISSLQSEDFAVYYC
(SEQ ID NO: 69) IGkV3(Igblastからの名前)。:
FWR3: MIN-E6の可変軽鎖領域への69.5%相同性(187/269)を備えたヒトのIgG抗体フレームワーク領域配列。
【0093】
様々なクローンによって生産された抗体は、ELISAによって最初にテストされた。理想的には、癌細胞特異抗体は、PSMGFRペプチド(SEQ ID NO:1)の最後の10のN末端のアミノ酸を欠くペプチドSEQ IDNO: 3に結合するが、PSMGFRペプチドのC末端で最後の10アミノ酸を欠くペプチドSEQ ID NO:4には結合しない。理想的には、幹細胞特異抗体は逆の結合パターンを持つ;それらはSEQ ID NO:4のペプチドに結合するが、SEQ IDNO:3のペプチドには結合しない。ELISAによると、モノクローナル抗体2D6C3および2D6C8(それぞれC3とC8と呼ぶ)は、SEQ ID NO:4のペプチドへ結合したが、SEQ ID NO:3のペプチドにはしなかった。反対に、モノクローナル抗体C2およびE6は、SEQ ID NO:3のペプチドへの結合した、しかしSEQ ID NO:4のペプチドにはしなかった。
図2を参照。
【0094】
幹細胞に特異的なモノクローナル抗体を同定する別の方法では、抗体は細胞培養プレートの表面上に被覆された。ヒトの幹細胞は、付着性でないので、もしプレートが幹細胞の表面上の受容体を認識する抗体で被覆されなければ、それらはプレートに付着しない。このように、クローン2D6C3および2D6C8(それぞれC3とC8と呼ぶ)は、幹細胞特異抗体であるとして同定された。好ましい実施態様では、抗体は、その配列が、MUC1*細胞外ドメインに相当するペプチドには結合したが、膜近位部分(SEQ ID NO:3)にはしなかった。もっと好ましい実施態様では、抗体は、PSMGFRペプチドの遠位部分ペプチド(SEQ ID NO: 4、SEQ ID NO: 5、SEQ ID NO: 6)には結合したが、膜近位部分(SEQ ID NO: 3)にはしなかった。
【0095】
モノクローナル抗体は、癌細胞または幹細胞にそれらが結合したかどうか判断するためにFACSによって結合特異性に関してさらにテストされる。
図3-6は、癌特異抗体C2(MIN-C2)およびE6 (MIN-E6) のみが、MUC1陽性癌細胞に結合し、ヒト幹細胞にはしないことを、集合的に示すFACSデータを表示する。反対に、
図3-6は、幹細胞抗体2D6C3および2D6C8のみが、幹細胞に結合し、癌細胞にはしないことを示す。
【0096】
さらに、モノクローナル抗体の特異性を決定する別のテストとして、幹細胞か癌細胞かの成長に対するそれらの効果をテストすることができる。
図1の描画で見ることができるように、二価の抗MUC1*抗体は、MUC1*の細胞外ドメインを二量化させ、成長を刺激し、その一方で一価のFabは、成長を阻害する抗体の二価型が、ヒトの幹細胞の成長を刺激するその能力に関してテストされ、また、一価のFabが、幹細胞の成長を阻害する能力に関してテストされた。
図7-9は、二価の幹細胞抗体2D6C3および2D6C8(C3とC8)が、ヒトの幹細胞成長を刺激することを示す写真およびプロットされたデータを示す。
図10-12は、100μMの幹細胞抗体C3のFabが、幹細胞の成長を阻害するが、癌特異抗体C2(MIN-C2)およびE6(MIN-E6)のFabはしないことを示す。
図13-15は、癌特異抗体C2(MIN-C2)およびE6(MIN-E6)のFabが、MUC1陽性癌細胞の成長を阻害するが、幹細胞特異抗体2D6C3および2D6C8(C3とC8)のFabはしないことを示す。
図16は、癌特異抗体のFabも幹特異抗体のFabも、PC3前立腺癌細胞のようなMUC1陰性細胞に対して何らの効果を示さないことを示す。
【0097】
さらに、結合特異性のテストとして、幹特異的であるために選択された抗体は、インビボでテストすることができ、幹あるいは先祖細胞増殖を刺激する能力のために分析できる。癌特異抗体は、癌細胞成長を阻害するそれらの能力に関して、インビボでテストできる。1例において、本発明の方法を使用して同定された癌細胞抗体のインビボ効果をテストするために、(エストロゲンペレットが注入された)雌のヌードマウスに、ヒトの乳がん細胞(T47D)が異種移植された。癌は、マウスが1週間当たり2度E6Fabの80mg/kgで処置される前、14日間植えつけられた。等しい数のコントロール・マウスは、バッファーだけを注入された。処置は、治療されたマウスが処置に対する抵抗性を発揮するかどうかを判断するために31日目と45日目の14日間に保留された。
図17のグラフは、E6 Fabは、コントロール・マウスにくらべ、有効に、腫瘍成長率およびボリュームが減少をしたことを示す。処置が14日間中断後、マウスがE6Fabに応答することを維持したという事実は、該系は、薬剤抵抗性をもたらさなかったことを示す。
図18は、該実験の、マウスの2つの写真を示す。
【0098】
別のインビボの実験では、オスのNOD/SCIDマウスが、ヒトの前立腺腫瘍(DU-145)を異種移植された。腫瘍は、処置かモックの処置が始められた前に、14日間成長させた。腫瘍注入の60日後に、グループは切り替えられた; その際、E6癌細胞抗体E6 Fabを受けたマウスはバッファー単独で与えられ、また、対照群はFabE6を受け始めた。処置は、160mg/kgのE6 Fabを24時間ごとに与えられた。
図19のグラフは、処置されたグループが対照群より著しく小さな腫瘍を持っていたことを示す。処置グループが交換される前に、対照群中の腫瘍は、処置されたグループより3倍以上おおきかった。さらに、処置が停止された時、治療されたマウスのうちの1つだけには腫瘍成長の増加があった。
図20は、処置のない2週後にさえ、平均上、処置されたグループが対照群より少ないMUC1*を持っていたことを示すMUC1*のウェスタンブロットである。さらに、
図20のグラフは、処置されたグループが、それらが生産したmicroRNA-145(miR-145)の量(それらは、E6Fab処置が、癌細胞に、自己再生するそれらの能力を制限した分化を引き起こしたことを示す)が増加したことを示す。
【0099】
本発明の方法を使用して同定された癌細胞抗体の効能をテストする別の動物実験では、オスのNOD/SCIDマウスはヒトの前立腺腫瘍(DU-145)を異種移植された。腫瘍は、処置かモックの処置が始められた前に、27日間生育させた。動物は、グループ1および2が腫瘍体積350-500mm
3を持っており、グループ3および4に腫瘍体積175-300mm
3をもつ4つのグループに分割された。処置は160mg/kgのE6 Fabが24時間ごとに与えられ(グループ1と3)、また、モックの処置はバッファーだけであった(グループ2と4)。
図21のグラフは、コントロール・マウスの腫瘍が、それらの開始ボリュームにかかわらず、同じ割合で成長したことを示す。両方の処置されたグループは、対照群よりはるかに小さい腫瘍もったが、その腫瘍が175-300mm
3にあったマウスは、処置開始前に腫瘍350-500mm
3を担持するグループよりよく応答した。
図22は、対照群からのマウスの代表的な写真を示し、また、
図23は、処置されたグループからのマウスの代表的な写真を示す。
【0100】
したがって、幹細胞特異抗体2D6C3および2D6C8(C3とC8)は、本発明の方法を使用して同定されたか選択された、抗体のバリアント、他のモノクローナル、ポリクローナル抗体と同様に、化学療法の影響からの血液細胞の回復を加速することを含むEpogenとLeukineのような、ESAおよびCSFが使用されたと同じ方法で多くは使用される、骨髄移植の後に使用される、末梢血へ移植されうる幹細胞移植の前又は後に使用されることができ、あるいは造血幹細胞または血液細胞または先祖細胞の増加した生産から利益を得ることができる患者処置のために使用されることができる。幹細胞特異抗体2D6C3および2D6C8(C3とC8)は、本発明の方法を使用して、同定されたか選択された、抗体のバリアント、他のモノクローナル、ポリクローナル抗体と同様に、ヒト化するいくつかの方法があり、マウスモノクローナル抗体の定常領域は、ホモローガスなヒトの定常領域と取り替えられる、また、可変領域はマウス配列として残され、あるいは、ホモローガスなヒト配列と取り替えられうる。ファージディスプレー技術は、好ましいMUC1*ペプチドに最適に結合する抗体を選択するために本発明のペプチドと共に使用できる。あるいは、完全なヒトの抗体ライブラリーは、幹特異抗体の選択のために使われるペプチドあるいは癌特異抗体の選択のために使われるペプチドへのそれらの結合能をしらべるためにデノボにスクリーンされうる。幹特異抗体が望まれる場合、候補抗体は、脱選別過程で、癌特異ペプチドに結合する能力についてスクリーンされうる。
【0101】
癌細胞特異抗体C2(MIN-C2)およびE6(MIN-E6)は、本発明の方法を使用して、同定されたか選択された、抗体のバリアント、他のモノクローナル、ポリクローナル抗体と同様に、患者の幹細胞か血液細胞前駆体、および先祖細胞を殺す減少されたリスクで癌患者を治療するために使用することができる。癌特異抗体C2(MIN-C2)およびE6(MIN-E6)を、本発明の方法を使用して、同定されたか選択された、抗体のバリアント、他のモノクローナル、ポリクローナル抗体と同様に、ヒト化するいくつかの方法があり、マウスモノクローナル抗体の定常領域は、ホモローガスなヒトの定常領域と取り替えられる、また、可変領域はマウス配列として残され、あるいは、ホモローガスなヒト配列と取り替えられうる。ファージディスプレー技術は、好ましいMUC1*ペプチドに最適に結合する抗体を選択するために本発明のペプチドと共に使用できる。あるいは、完全なヒトの抗体ライブラリーは、幹特異抗体の選択のために使われるペプチドあるいは癌特異抗体の選択のために使われるペプチドへのそれらの結合能をしらべるためにデノボにスクリーンされうる。癌特異抗体が望まれる場合、候補抗体は、脱選別過程で、幹特異ペプチドに結合する能力についてスクリーンされうる。
【0102】
本発明は、抗体様のタンパク質と同様に抗体を含み、これらに限定されずに、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、ヒト化、単鎖、抗体断片などを含む。さらに、本発明は、幹細胞抗体あるいは癌細胞抗体であることから、その結果、癌細胞に存在するMUC1*に特異的に結合又はMUC1*型を発現する幹細胞、先祖細胞或いは調製細胞に存在するMUC1*に結合できるとということが、ここに記述の結合分析及び本発明の方法によって、特徴付けられる蛋白質をえるために、抗体ミミックを生成するための蛋白質スカフォールド(足場)の使用を含む。本発明は、MUC1*細胞外ドメイン(それは異なるタイプの先祖細胞か非腫瘍癌細胞上で発現される)内で、特異的エピトープを認識する抗体を同定するように調整された方法を使用することをさらに含む。
【0103】
一般に、癌の治療用抗体は、MUC1*受容体の二量化を阻害するべきである。したがって、好ましい実施態様では、MUC1陽性癌の治療用抗体は、Fabのような一価単鎖抗体あるいは二重特異性抗体である。多価がMUC1*細胞外ドメインを再クラスターするように作用するので、本発明は、癌の治療用の五価のIgMのような抗体の使用を考慮する。しかしながら、十分に高い濃度の二価抗体は、各々一つの受容体あたり一抗体よりむしろ各受容体に一抗体を結合し、そしてそうすることで、また癌の成長及び発育を阻害する。
【0104】
一般に、幹および先祖細胞増殖を刺激する本発明の抗体は二価であり、MUC1*細胞外ドメインを二量化させることにより、成長、生存および多分化能パスウェイを活性化する幹および先祖細胞特異抗体は、貧血、低白血球細胞、低血小板あるいは何らかの血液細胞あるいは血液先祖細胞欠損を治療するために使われる。さらに、本発明は、老化防止治療用として、全体的な健康を促進する剤として、幹あるいは先祖細胞成長を増強する剤として、あるいは細胞の移植を増強するために、幹細胞と先祖細胞の特異抗体の使用を包含する。ここで記述した幹細胞および先祖細胞の特異抗体は、全身的に、局所的に、注射によって、あるいは局所療法として、眼用剤として、あるいは機械的にアクセス可能な身体の他のエリアのための薬剤として患者に投与できる。
【0105】
二価の幹細胞特異抗体2D6C3および2D6C8(C3とC8)は、本発明の方法を使用して同定されたか選択された他のモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体バリアントと同様に、インビボ又はインビトロで幹細胞成長を刺激するために使用でき、或は、ソースに関係なく、幹細胞移植の生着を増強するために二者択一で使用できる。別の実施態様で、本発明の幹細胞特異二価抗体は、インビボ又はインビトロで造血幹細胞の成長を刺激するために使われる。ある場合には、幹細胞抗体が、貧血か低白血球細胞のある、あるいはそれらのリスクのある患者を治療するために使用される。これらの患者は癌であるかもしれないし、それら癌細胞成長を阻害するために本発明の癌細胞抗体で同時に処置されうる。
【0106】
別の態様では、本発明の抗体およびペプチドは診断に使用される。患者の細胞を、癌特異抗体と接触させ、有意の結合を得ることは、患者が癌にかかっていることを示す。同様に、患者の細胞を、幹特異抗体と接触させ、有意の結合を得ることは、患者が癌にかかっていないことを示し、それらの細胞を幹または先祖細胞であると同定できる。患者の細胞は、癌細胞から幹細胞を区別するために、両方のタイプの抗体と接触させることができる。このような診断は、インビボ又はインビトロで行なうことができる。インビトロで、組織標本、血液サンプルあるいは体液サンプルについて、癌若しくは幹特異抗体を使い分析できる。インビボでは、患者の癌あるいは幹細胞の同定を可能にするために、本発明の抗体に、イメージング剤を結合させることができる。
【実施例】
【0107】
実施例1 -表面への、ヒトの幹細胞の付着を促進するモノクローナル抗体、2D6C8および2D6C3(C3とC8とも呼ぶ)の調製
【0108】
細胞表面からより遠位のMUC1*細胞外ドメインの部分に優先的に結合するMUC1*モノクローナル抗体が同定された。これらのモノクローナルが、表面への、ヒトのESおよびiPS細胞の付着をより促進せしめた。マウスは、PSMGFR配列によって定義されるペプチドで免疫された。ハイブリドーマクローンの上澄みが、生きたMUC1*陽性細胞への結合を決定するために、FACSによって、及びPSMGFRペプチドに結合する能力に関して、ELISAによってテストされた。ハイブリドーマは、それらが、優先的に、10のC末端のアミノ酸を欠くPSMGFRペプチドへの結合するが、10のN末端のペプチドを欠いたペプチドには、結合しないことで選択された。さらに、ハイブリドーマは、プラスチック細胞培養プレートのような表面への幹細胞付着を促進する能力によってスクリーニングされた。これらのクローンの2つ、2D6C8および2D6C3は、表面上に被覆された時、幹細胞を捕らえ、そしてそれらの成長を促進するかで選択された。