(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両、自転車、オートバイ、または、スポーツ器具用のサドルを含む人体用の支持部材(1)であって、当該人体用の支持部材は、少なくとも1つのパッド部(3)および本体としての基底部(2)を備え、
前記基底部(2)は、使用時の上面(2a)となる一表面と、使用時の下面(2b)となる一表面を含み、
前記少なくとも1つのパッド部(3)は、使用時の上面(3a)となる一表面と、前記基底部(2)の使用時の上面(2a)を係合するための、使用時の下面(3b)となる一表面を含み、
前記人体用の支持部材は、前記基底部(2)の前記少なくとも1つのパッド部(3)に対する脱着固定手段(7、8、9、10)を備え、
前記少なくとも1つのパッド部(3)は、使用時に下面となる少なくとも1つの第1の剛性支持層(24a)を含んでなる、人体用の支持部材(1)において、
前記パッド部(3)の前記少なくとも1つの第1の剛性支持層(24a)は、前記基底部(2)の使用時の上面(2a)よりも大きく、且つ当該上面(2a)よりも延出することで、前記パッド部(3)は、前記基底部(2)に対して横方向および/または後部および/または前部において突出しており、
前記基底部(2)は、前記第1の剛性支持層(24a)に配置される凹部(27)に、少なくとも一部分が嵌着収納または位置決め可能に構成されており、
前記脱着固定手段(7、8、9、10)が、前記少なくとも1つのパッド部(3)のほぼ中央または中間の領域に設けられていることで、前記少なくとも1つのパッド部(3)を、前記パッド部(3)よりも幅が狭小な前記基底部(2)に取外し可能に固定できる、ことを特徴とする人体用の支持部材。
前記基底部(2)は、形状および/または寸法および/または剛性が互いに異なる複数のパッド部(3)と合わせて使用可能、かつ、前記複数のパッド部(3)、または、少なくとも1つのパッド部(3)の形状および/または寸法および/または剛性が異なる複数の部位に拘束可能な構造および構成をもつことで、同じ前記基底部(2)から異なる種類の支持部材が得られる、請求項1に記載の支持部材。
前記少なくとも1つのパッド部(3)は、ユーザに接触し且つ前記第1の剛性支持層(24a)に接続されるよう設計された第2の柔軟層(24b)を備える、請求項1に記載の支持部材。
前記接続手段は、前記基底部(2)または前記パッド部(3)のいずれか一方の縁部または側壁から延出する少なくとも1つのボス部または突起部(28)と、前記パッド部(3)または前記基底部(2)の他方に形成した少なくとも1つの溝を備え、前記少なくとも1つのボス部または突起部(28)は、対応する溝に嵌入される、請求項4に記載の支持部材。
前記基底部(2)と前記パッド部(3)の間に配置される少なくとも1つの中間層を備え、前記少なくとも1つの中間層は、前記基底部(2)および/または前記パッド部(3)の対向自由縁部の周囲に少なくとも部分的に延出することで、前記基底部(2)の上面(2a)の縁部と前記パッド部(3)の下面(3b)の縁部の間の空間または間隙を包囲または隠蔽することが可能である、請求項1から5のいずれか1項に記載の支持部材。
少なくとも1つの付属品(5または50)を前記基底部(2)または前記パッド部(3)に係合するための係合手段(4a、4b、4c、4d)を備え、前記係合手段(4a、4b、4c、4d)は、前記基底部(2)の上面(2a)と前記パッド部(3)の下面(3b)の間の領域で作用または動作させる、請求項1から6のいずれか1項に記載の支持部材。
前記可動部(7)は、前記固定用開口(8)の対称軸(x−x)周りに回転可能に前記固定用開口(8)に取り付けられ、および/または、前記脱着固定手段は差し込み固定手段を備え、および/または、前記脱着固定手段は即時取付け構造を備える、および/または、前記要部(7)は即時取付け構造を備える、請求項8に記載の支持部材。
前記第1の拘束手段は、周方向に互いから離間する複数のタブ(9a)が延出形成されたタング(9)を備え、前記第2の拘束手段はスリーブ部材(10)を備え、前記スリーブ部材(10)には、各前記タブ(9a)と係合させるため、歯部または隆起部が突出形成される、または、溝が形成される、請求項8に記載の支持部材。
前記要部(7)は主板部(7b)を備え、前記主板部(7b)は、その使用時の内面となる一表面から前記第1の拘束手段(9)が上方に突出し、その使用時の外面となる一表面から前記把持部(7a)が突出し、前記把持部(7a)は、即時取付け構造の雌部として機能する貫通開口(11)を画定するブリッジ部材を備え、および/または、前記要部(7)の主板部(7b)は、接続手段(13、14)によって前記固定用開口(8)に位置固定が可能である、請求項9に記載の支持部材。
前記パッド部(3)の下面(3b)または前記基底部(2)の上面(2a)から前記支持部材(1)の前部(F)または後部(R)に向かって突出する、少なくとも1つの舌片(21)を備え、前記舌片(21)は、前記基底部(2)と前記パッド部(3)の間で相対的に摺動させることで、前記基底部(2)の上面(2a)と前記パッド部(3)の下面(3b)の他方に形成した受け部(22)に係合可能であり、および/または、前記脱着固定手段をロック/ロック解除する手段(31)を備える、請求項1から12のいずれか1項に記載の支持部材。
前記支持部材(1)は二輪車のサドルであり、一端に接続した1対の棒または尖部によって形成したU字状部、または、環状部材を設けた分岐部またはレール部(RA)を備え、前記分岐部またはレール部(RA)は、使用時に、前記基底部(2)と二輪車フレームの支柱との間に間挿される、または、前記基底部(2)は前記支柱に対する接続分岐部がなく、使用時に、二輪車フレームの前記支柱に直接接続可能な剛性体である、または、前記基底部(2)は支柱が一体化された本体である、または、前記基底部(2)は、分岐部またはレール部(RA)に対する接続手段と、カップ状または螺旋状のばね、または、エラストマーを含む緩衝固定部材を備えることが可能な、請求項1から13のいずれか1項に記載の支持部材。
前記基底部(2)の形状は、前記支持部材(1)の前部(F)に配置されるその前部が細長またはテーパ形状であり、前記支持部材(1)の後部(R)に配置されるその後部が拡大形状であることで、略三角形である、請求項1から14のいずれか1項に記載の支持部材。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して、図示の人体用支持部材1は、例えば、自転車、オートバイ、スポーツ器具全般、または、エアロバイク(登録商標)等のスポーツ器具等の車両に用いるサドルである。
【0017】
支持部材1は、例えば、自転車やオートバイ等の車両のフレームに対して拘束可能な基底部または本体2と、少なくとも1つのパッド部3を備える。
【0018】
支持部材1が二輪車用のサドルである場合、従来知られているように、いわゆる分岐部を基底部2とフレームの間に介在させてもよい。この分岐部は、一般に、一端に接続した1対の棒または尖部によって形成したU字状部を含む。
【0019】
または、後述にあるように、基底部2は、例えば、サドル支柱に対する接続分岐部がなく、サドル支柱、または、支柱が一体化された本体、または、例えば、「メビウス」という商品名の環状分岐部を備える本体に、直接接続可能な剛性体であってもよい。
【0020】
基底部2には、好ましくはその下面2bに、分岐部またはレール部RAの取付け手段(
図6および
図25等を参照)を設けることができる。この取付け手段は、例えば、基底部2の後部Rに設けられ、それぞれ分岐部RAの部位に対する各開口を画定する逃げ部2cの両ブロック部と、基底部2の前部Fに設けられ、分岐部RAの1つまたは複数の先端を挿入するための受け部2dである。
【0021】
一般に、支持部材1が二輪車のサドルである場合、基底部2は、二輪車に取り付けた支柱とパッド部3を接続する部材である。
【0022】
支持部材1の前部Fに配置される基底部2の前部は細長またはテーパ形状であり、支持部材1の後部Rに配置されるその後部は拡大形状である。これにより、基底部2は、その形状が略三角形である。
【0023】
基底部2は、支持部材1による支持を確実に実現可能な範囲の最小寸法とされている。実際、基底部の寸法は、分岐部RAがある場合、該分岐部の前方の取付け領域と、該分岐部自体の1つまたは2つの後部支持領域の間の距離、すなわち、分岐開始領域からスポークの基部までの距離に略一致する。
【0024】
後述から分かるように、支持部材2は、使用時の下面または外面3bによる支持や、パッド部3の剛性材料から成る基部または第1の剛性支持層24aがある場合はこれによる支持をさらに受けることで、パッド部3がどのような形状や寸法でも支持可能となる。
【0025】
本発明の一態様では、パッド部3の剛性材料から成る基部または第1の剛性支持層24aは、基底部2と同じ材料で構成される、または、基底部2と略同様の剛性をもつ。
【0026】
この場合、後述から分かるように、基底部2の使用時の上面または内面2aは、その支持領域が制限される、または、パッド部3の使用時の下面または外面3bよりも小さくなる。または、パッド部3に剛性材料から成る基部または第1の剛性支持層24aがある場合は、該支持領域はこの基部または支持層よりも小さくなる。
【0027】
したがって、パッド部3の使用時の下面または外面3b、または、パッド部3に剛性材料から成る基部または第1の剛性支持層24aがある場合は、この基部または支持層は、基底部2に対して少なくとも部分的にオーバーハングしている。
【0028】
上記の態様では、剛性材料から成る基部または第1の剛性支持層24aの、少なくとも基底部2に対してオーバーハングまたは突出している領域に関しては、基底部2の上方領域以外でもユーザの体重を支持するという意味では、自立可能である。
【0029】
本発明の一態様では、パッド部3がオーバーハングしていることで、ユーザが二輪車の利用者であり、支持部材1がサドルである場合、オーバーハング状態で基底部2と直接接触しないパッド部3の縁部は支持部材1の中央部に対して可撓性、または、少なくとも簡単に変形可能であるため、ペダルを踏む動作が容易になる。
【0030】
しかし、上記縁部に可撓性または変形性があっても、二輪車の利用者またはユーザが必要とする支持部材1の表面全体または領域からの支持は、域毎の違いはあるかもしれないが、確保できないわけではない。
【0031】
基底部2とパッド部3の周辺縁部の間に生じるオーバーハング領域は、基底部2とパッド部3の重畳領域に対して剛性が異なる領域を構成するため、上記オーバーハング領域は、ユーザにとって快適性が増す。
【0032】
基底部2は、使用時の上面または内面2aとなる一表面と、使用時の下面または外面2bとなる一表面を含む。一方、パッド部3は、使用時の上面または外面3aとなる一表面と、例えば表面自体の重畳または接触により、基底部または本体2の使用時の上面2aと係合する、使用時の下面または内面3bとなる一表面を含む。
【0033】
基底部2の表面2aと2bとパッド部3の表面3aと3bは、互いと一致する形状、および/または、互いを捕捉し合う形状をしている。基底部2の上面2aは、パッド部3の下面3bと略同様に構成されていることが好ましい。この構成により、該上面と下面は、支持部材1が組み立てられると、その全長、または、少なくとも基底部2の上面2aの略全長において、互いに係合または当接可能となる。
【0034】
本発明の一態様では、基底部2の使用時の上面または内面2aは、パッド部3の使用時の下面または内面3bと接触する。
【0035】
支持部材1がサドルである場合、パッド部3の上面3aは自由面であり、ユーザの座面を構成することが好ましい。この点において、パッド部3は、その全体または一部を、皮革製または別の天然皮革または合成皮革等から成るカバーで被覆することもできる。
【0036】
パッド部3は、軟性素材、特に基底部2よりも軟質な素材で構成することが好ましい。例えば、パッド部は、ポリウレタンフォームやエラストマー系材料等で構成できる。
【0037】
さらに、パッド部3に、パッド部3とは異なる柔軟性、弾性、および/または、色、および/または、物性または粘弾性をもつ、1つまたは複数のインサートを設けることができる。
【0038】
パッド部3、または、パッド部の少なくとも一部に、少なくとも1つの第1の剛性支持層、または、プラスチック等の剛性材料24aで構成した基部を設けることができる。
【0039】
さらに、本発明の一態様では、パッド部3は、柔軟性、弾性、色、物性、粘弾性、寸法、または、形状が互いに異なる複数の個別部位により、構成可能である。この場合、上記個別部位が組み立てられると、パッド部3の全長を構成する。同様に、本発明の一態様では、複数のパッド部を設けてもよく、上記複数のパッド部が組み立てられると、パッド部3の全長を構成する。
【0040】
これにより、購入者が支持部材1の構成を自身のニーズや好みに合わせる場合や、摩耗または破損した支持部材1の部品を交換のみを行う場合も、その可能性が大きく広がる。
【0041】
パッド部3を複数の部位で構成する、または、複数のパッド部3を設ける場合も、各々は、当然、支持部材1の単一のパッド部3に関して説明した特徴のすべてまたは一部を備えることができる。
【0042】
例えば、パッド部3に中央部と少なくとも一方側の部位がある場合、これらの部位は、少なくとも1つの使用時の下面3bを含む。この下面3bは、少なくとも1つの基底部2の使用時の上面2bと少なくとも部分的に係合し、さらに、以降に詳述するものと同様または異なる脱着固定手段によって上面2bに拘束可能に構成されている。
【0043】
本発明のさらに別の態様では、第1の剛性支持層24aを設けることができる。この支持層24aは、基底部2の使用時の上面2aと係合可能に構成され、この支持層には少なくとも1つのパッド部3の1つまたは複数のインサートまたは部位を拘束可能である。
【0044】
本明細書で、1つのパッド部3、または、少なくとも1つのパッド部3と記載されている場合、パッド部3の1つまたは複数の部位も指すものとする。
【0045】
少なくとも1つの第1の剛性支持層、または、剛性材料から成る少なくとも1つの基部24aには、フォーム材または軟性材料24bが用いられ、後者は、パッド部3の緩衝部材、および/または、クッション材を構成する。
【0046】
第1の剛性支持層、または、剛性材料から成る基部24aの材料は、第2の層24bの材料よりも剛性および支持性が高い。
【0047】
パッド部3の第1の剛性支持層、または、剛性材料から成る基部24aは、パッド部3の使用時の下面または内面3bに対応する。
【0048】
支持部材1は、基底部2をパッド部3に取外し可能に固定するための脱着固定手段を備える。これにより、基底部2とパッド部3を、簡単かつ迅速に組立て、または分解可能である。
【0049】
本発明による支持部材1は、ハンドル5(特に、
図7を参照)や、保護部材50等の付属品を係合するための手段4a、4b、4eを備えることが好ましい。
【0050】
係合手段4a、4b、4eは、基底部または本体2とパッド部3の間、好ましくは、基底部2の上面2aとパッド部3の下面3bの間の領域で作用または動作させるためのものである。
【0051】
上述したように、付属品には、ユーザにとって役立つ、ハンドル、保護部材、テールライト、バッグ、水筒ホルダ、または他の部材が含まれる。係合手段は、例えば、基底部2に形成した1つまたは複数の第1の貫通または非貫通係合穴または開口4a(
図3に示す)と、さらに、各第1の係合穴または開口4aにそれぞれ係合可能な1つまたは複数のネジ、ボルト、または、装着部材4b(
図2に示す)を含む。これにより、係合手段は、付属品5または50を基底部2に固定する。また、付属品の固定には、第1の係合穴または開口4aに係合可能なねじ込みネジを用いることもできる。
【0052】
さらに、基底部2に設けた第1の係合開口4aに挿入されるネジまたはボルト4bの頭部4cに対して、ハウジング受け部6をパッド部3に設けることができる。一方、ネジまたはボルト4bのネジ抜き本体(図示省略)は、各穴または開口4aに、例えば、ねじ込むことで取外し可能に挿入できる。
【0053】
付属品5、50がある場合、この付属品は、係合手段4a、4bによって基底部2に係合可能な第1の端部または部位を含み、さらに、外側へ延出、または、少なくとも基底部2の上面2aとパッド部3の下面3bの間の領域から離間する方向に延出する、第2の端部または部位を含む。
【0054】
本発明の一態様では、板部4dを付属品5、50の第1の端部または部位に固定可能である(例えば、接着または溶接によって付属品5、50と一体化する)。上記板部4dには、1つまたは複数の第2の係合開口4f(特に、
図7を参照)が設けられ、それぞれ、基底部2の各係合穴または開口4aと位置合わせ可能である。1つまたは複数の第2の係合開口4fを位置合わせした後、ボルトまたはネジ4bを、位置合わせ状態のまま開口(4aと4f)に挿入することで、各板部4dが固定され、付属品5または50は基底部2に固定される。
【0055】
各図にあくまで一例として示す具体的な実施形態を参照して、支持部材1は、その一方側と反対側に各々配置した2つの保護部材50を備える。
【0056】
図7を参照して、図示の支持部材1は、上述したように固定したハンドル5と保護部材50等の、多数の付属品を備える。既に述べたように、上記付属品は、当然のことながら、本発明の保護範囲を逸脱することなく省略される場合もあり、また、異なるタイプのものであってもよい。
【0057】
各板部4dを基底部2に正確かつ迅速に位置決めするために、基底部2にスロットまたは溝を設けることができる。このスロットまたは溝には、板部4dの逃げ部4eを、例えば、嵌入可能である。または、板部4dには、基底部2またはパッド部3の対応部位に位置合わせ可能な開口4g(特に、
図7を参照)を設けることができる。
【0058】
図3から分かるように、パッド部3には、底部2とパッド部3を組み立てる際の形状合わせと各板部4dの受けのために、1つまたは複数の下部領域3cを設けることができる。上述したように、少なくとも1つの板部4dが逃げ部4eまたは凹部を備える場合、パッド部3から突出するブロック部3dを設けることができる。このブロック部は、パッド部が組み立てられる際、各板部4dの凹部または下部4e、または、基底部2またはパッド部3の各凹部に対して、挿入または係合させるためのものである。
【0059】
さらに、ブロック部3dを設ける場合、パッド部3を基底部2と芯合わせする機能を果たし、これにより、支持部材の組立てをさらに安定化させ、基底部2とパッド部3が互いに対して長軸方向に変位することを防ぐ。
【0060】
上述や以降の説明から分かるように、付属品5、または50をパッド部3に拘束するために、第1の係合開口4aをパッド部3に形成可能である。この場合、上述の領域および部材は、パッド部3と基底部2に対して、上述とは反対の部に配置される。
【0061】
このように、1つの付属品を、基底部2とパッド部3の間で作用する係合手段、好ましくは、各部の上面2aと下面3bの間で作用する係合手段を用いて、基底部2またはパッド部3に拘束してもよい。または、例えば、付属品の一端(基底部2および/またはパッド部3の各部位に係合可能な形状)を基底部2とパッド部3の間に配置した上で、各部2と3を互いに対して閉じることで、付属品5、50の位置を固定できる。付属品のないサドルは、一旦組み立てられると、明らかに美観を損なうであろうスリットは(付属品があれば、固定または配置されたであろう地点で)、見えなくなる。
【0062】
さらに、支持部材は、
図1と8に示すように、付属品とこれに対する係合手段を省略してもよい。
【0063】
また、支持部材(特に、
図7と8を参照)には、例えば、剛性プラスチックまたは同様の材料から成り、使用時に分岐部と基底部2の一部を包囲および被覆するための、被覆部またはフレーム部材12を設けることができる。
【0064】
これにより、例えば
図5と6に示す、基底部2をパッド部3に取外し可能に固定する手段は、基底部2の外部に延びる把持部、または、捕捉部7aを備えることが好ましい。
【0065】
把持部7aは、基底部2とパッド部3の間の領域の外部から係合可能である。
【0066】
把持部、または、捕捉部7aは、例えば、基底部2の下面2bに配置されることで、固定手段を手動で変位させることが可能になる。
【0067】
把持部または捕捉部7aは、基底部2とパッド部3を取り外す、または、取外し可能な少なくとも1つの静止位置(例えば、
図6を参照)と、基底部2とパッド部3が互いに対してしっかりと固定される少なくとも1つの作業位置(例えば、
図3を参照)との間を、移動可能である。把持部、または、捕捉部7aを設けることで、二輪車の利用者またはユーザは、ねじ回し等の工具を必要とすることなく、脱着固定手段を取り扱うことができる。
【0068】
さらに、脱着固定手段に、以降に詳述するように、1つまたは複数の即時取付け構造、または、I.C.S.を備えることができる。
【0069】
好ましくは、脱着固定手段は以下の部材を備える。
― 基底部2またはパッド部3に形成された固定用開口8に、例えば、この開口8の対称軸(x−x)周りに回転可能に取り付けることができる可動部、または、要部7(要部7には、基底部2とパッド部3の間の領域内に向かって上方に突出する第1の拘束手段9を設けることが可能)、および
― パッド部3または基底部2の他方に設けられ、要部7が各固定用開口8に挿入され、基底部2がパッド部3と係合すると、第1の拘束手段9と係合する第2の拘束手段10。
【0070】
このために、脱着固定手段は、差し込み固定手段を備えることができる。
【0071】
後述から分かるように、要部7は、また、開口8の長軸(x−x)に沿って挿入可能であり、軸(x−x)周りに回転不可としてもよい。この場合、要部7は、把持手段等の制御手段を備えてもよい。この制御手段は、基底部2またはパッド部3に形成された固定用開口8に挿入可能な部位内へ突出する第1の拘束手段の変位を制御し、パッド部3と基底部2の他方に対応して設けた第2の拘束手段と係合するためのものである。
【0072】
第1の拘束手段には、例えば、複数のタブ9aが突出形成されたタングまたはブッシュ9を設けることができる。該タブ9aは、周方向に互いから離間し、タング9の一端から他端まで螺旋状に形成されている。第2の拘束手段には、スリーブ部材10を設けることができる。このスリーブ部材には、必要に応じて差し込み口として、各タブ9aとに係合させる歯部または隆起部が突出形成される、または、溝が形成される。タブ9aと歯部または隆起部は、弾性かつ可撓性であることが好ましい。
【0073】
タング9とスリーブ部材10はともに、支持部材が組み立てられると、その長軸が軸(x−x)に一致する筒状部材を備えることが好ましい。
【0074】
要部7は、また、即時取付け構造、または、I.C.S.を備えることが可能であり、そのため、要部7には主板部7bを設けることができる。主板部7bは、必要に応じて略平坦な形状をしており、その(主板部7bの)使用時の内面となる一表面から第1の拘束手段9が突出し、使用時の外面となる一表面から把持部7aが延出し、把持部7aは、I.C.S.の雌部として機能する開口、好ましくは、貫通開口11を画定するブリッジ部材を備えることができる。
【0075】
要部7の主板部7bは、例えば、接続手段13、14によって、基底部2またはパッド部3の固定用開口8に位置固定が可能である。
【0076】
接続手段13、14は、例えば、スナップ式接続手段である。
【0077】
接続手段は、要部7の外壁または縁部から延出し、開口8に画定した各凹部または受け台14(図示では4つ)に係合するために設けた、1つまたは複数の(図示では2つ)突起部13を備えることができる。
【0078】
より詳しくは、4つの凹部14を、例えば90°の角度で互いから離間させ、2つの突起部13を、例えば180°の角度で互いから離間するよう、設けることが可能である。また、突起部13は、多数の操作位置、例えば、作業位置と静止位置で、要部が基底部2またはパッド部3に固定可能となるように、各凹部14に係合するために設けられている。
【0079】
可動部7の主板部7bは、例えば、組立て位置では、軸(x−x)と略一致する対称軸周りの回転体として構成可能である。この場合、主板部7bは、使用時の外方である一方側から、使用時の内方である他方側に向かって、例えば、環状の基壁部7cを備えることもできる。この基壁部は、第1の拘束手段9が延出するブロック部9bを挿入するための穴または開口を画定する。主板部7bは、さらに、基壁部7cの外端からフランジ部7eまで延出し、その外縁部から突起部13が延出する、略円筒状壁部7dを備えることができる。
【0080】
上述したように、基壁部7cは、ブロック部9bの1つの雄ねじ部との係合用に雌ねじ形成した穴または開口を画定可能である。ブロック部9bは主板部7bと一体形成してもよい。または、別の方法、例えば、スナップ式連結手段または嵌着等により、主板部7bに固定してもよい。
【0081】
把持部7aを設ける場合、基壁部7cの使用時の外面となる一表面から、円筒状壁部7dと反対方向に延出させることができる。
【0082】
本発明の一態様では、要部7の位置決め用に開口8が形成または画定された基底部2の上面2aまたはパッド部3の下面3bから、好ましくは固定用開口8の周囲に、筒状壁部15が突出形成されている。この筒状壁部15は、例えば、やや切頭円錐形状であり、パッド部3と基底部2の他方に形成した凹部16と係合させるためのものである。
【0083】
さらに、要部7の位置決め用に開口8が形成または画定された基底部2の上面またはパッド部3の下面から、複数の止め歯17が基底部2とパッド部3の間の領域内部に向かって延出している。角度的に離間させた上記複数の止め歯17は、可動部7を係合するために設けられ、可動部7を軸(x−x)周りに回転可能とする一方、可動部が基底部2またはパッド部3から離脱することを妨げている。
【0084】
さらに詳しくは、固定用開口8は、基底部2またはパッド部3の内側から外側に向かって、略円筒状部18を備える。円筒状部18は、必要に応じて筒状壁部15によって画定され、凹部または受け台14は、この円筒状部に画定可能である。横断壁部19は、軸(x−x)に対して若干傾斜しており、止め歯17はこの横断壁部19から延出可能である。このため、上記止め歯は、例えば、横断壁部19に拘束される軸(x−x)から離間した一端と、軸(x−x)に近接する自由端をもつ。止め歯17の自由端は、軸(x−x)を横断する平面、またはこれに直交する平面において、凹部14と同じ高さにある、または、凹部14に対して位置合わせされる。さらに、凹部14は、2つの径方向に拡大した部位14aの間に、各略円筒状部18に対して画定可能である。
【0085】
少なくとも1つの周方向部位を、止め歯のない軸(x−x)周辺に設けることが好ましい。上記少なくとも1つの部位は、可動部が、基底部2とパッド部3がしっかり固定される作業位置にある時、1つまたは複数の突起部13を受けるための凹部14のネジ抜き部に対応する。
【0086】
止め歯17、好ましくはその各自由端は、フランジ部7eの直径、必要に応じて、その半径が突起部13の間の距離またはその自由端13aの間の距離より小さい円周に沿って並ぶ。この構成により、可動部7が基底部2またはパッド部3に対して組み立てられると、止め歯17は、可動部7の回転を許容する一方、可動部7を開口8から離脱させない。
【0087】
基底部2またはパッド部3により画定され、要部7を収納、または、要部7に係合するために設けられる開口8は、支持部材1の後方領域に画定可能であるが、特に支持部材がサドルを含む場合は、かなり広がった支持部材1の後方領域に画定される。
【0088】
また、支持部材は、パッド部3の下面3bまたは基底部2の上面2aから支持部材の前部Fまたは後部Rに向かって突出する、少なくとも1つの舌片21を備えることができる。この舌片21は、基底部2とパッド部3の間で相対的に摺動させることで、基底部2の上面2aまたはパッド部3の下面3bの他方に形成された受け部22に係合可能である。支持部材がサドルを含む場合、上記少なくとも1つの舌片21と少なくとも1つの受け部22は、基底部2とパッド部3のテーパ状の前部に設けられる。
【0089】
基底部2の中間部では、長手方向の貫通溝23をも設けることができる。
【0090】
必要に応じて、支持部材には、脱着固定手段を作業位置で安全にロック/ロック解除するための手段を設けることができる。このロック/ロック解除手段は、例えば、即時取付け構造、または、支持部材の構成部の1つに挿入可能な、ピンまたはガジオンを備えてもよい。
【0091】
各
図17〜24にあくまで一例として示す実施形態を特に参照して、ロック/ロック解除手段31は、礎板31aを備える。礎板31aからは、要部7に形成された受け部7fに連結可能なピン31bが延出しており、該ピン31bは、要部7の薄片部7gを、ロック位置からロック解除位置に移動させるために設けられる。薄片部7gは、例えば弾性体であり、必要に応じて、屈曲形状に形成される。また、薄片部7gは、略円筒状壁部7dから延出可能であり、この部に設けた窓部に摺動可能に取り付けられる先端部または、末端部をもつ。基本的には、ロック・ロック解除手段31が一旦装着または接続されると、薄片部7gを押圧または移動し、止め歯17の間にある、または、少なくとも開口8の壁部に対して係合した先端または末端の自由端を、止め歯17の間の中間領域から、略円筒状壁部7dに形成した各窓部の内部に向かわせる。これにより、要部7を作業位置から静止位置まで回転させることができる。ロック/ロック解除手段を取り外すと、薄片部7gは停止位置に嵌まり込み、各先端部は止め歯17の間に挿入される、または、少なくとも開口8の壁部に当接・係合される。この位置では、要部7は作業位置から静止位置まで回転不可となり、基底部2とパッド部3を互いから取り外すことができない。もちろん、ロック/ロック解除手段を接続または挿入しなくとも、基底部2とパッド部3を固定又は互いに接続可能である。
【0092】
また、ロック手段31は把持部31cも備えることができる。把持部31は、礎板31aの一面から延出し、この反対側から、ピンまたはガジオン31bが延出している。
【0093】
本発明によるサドル等の支持部材1の組立てには、基底部2の上面2aとパッド部3の下面3bを、互いに略平行に当接または接触させて位置合わせし、脱着固定手段を作動させて、基底部2とパッド部3を取外し可能に固定する。脱着固定手段は手動による操作が好ましい。
【0094】
1つまたは複数の付属品5または50がある場合は、該付属品は、基底部2とパッド部3の間で作用または動作する係合手段を用いて、上述のように固定可能である。この場合、基底部2とパッド部3の当接または接触による位置合わせの前に、例えば、少なくとも1つの板部4dを、必要に応じて、ボルトまたはネジ4bまたは他の手段をねじ込むことで、基底部2またはパッド部3に対して固定する。
【0095】
脱着固定手段について、可動部7を設ける場合、基底部2とパッド部3を接触させる、または、作業位置まで移動させると、可動部7を、例えば、軸(x−x)周りに回転または把持部7a上で手動操作することで、駆動する。または、要部7を、軸(x−x)に沿って、開口8に長手方向に挿入してもよい。
【0096】
さらに、基底部2とパッド部3を当接させる前に、要部7を固定用開口8に取り付けることができる。このために、要部7は、基底部2またはパッド部3の外側から、必要に応じて、基底部2の下面2bまたはパッド部3の上面3aから、他方の面である基底部2の上面2aまたはパッド部3の下面3bによって突出または係合可能となる前に、開口8に挿入してもよい。
【0097】
上記工程の間、要部7と固定用開口8を上述のように構成する場合、先ず、要部7を、(1つまたは複数の)突起部が受け台14に対して角度オフセットした状態で、開口8に挿入する。この時点で、基底部2とパッド部3を、その面2aと3bを当接させて組み立てると、二輪車の利用者またはユーザは、各部2と3を取外し可能に固定するために、可動部7、例えば、把持部7aを外側から操作し、受け台14に到達・挿入されるまで、可動部7の回転と、第1と第2の拘束手段9、10間の係合と、(1つまたは複数の)突起部13の角変位を、制御する。
【0098】
さらに、1つまたは複数の舌片21を基底部2またはパッド部3に設ける場合、上記工程の前に、基底部2またはパッド部3の他方に形成した受け部22と摺動可能に係合する舌片21の各々は、先ず、各受け部22に挿入され、その後、基底部2の上面2aの残りの部位(例えば、後部R)を、パッド部3の下面3bに当接させる。
【0099】
図25〜27に図示するように、本発明による支持部材は、特に寸法および/または形状および/または剛性が互いに異なる複数のパッド部3と合わせて使用可能、かつ、この複数のパッド部3にパッド部3に拘束可能な構造および構成をもつ基底部2を備える。
【0100】
このように、あらゆる種類または数多くのパッド部を拘束可能な標準仕様の基底部2を設けることが可能になり、これにより、同じ基底部2を発端として、所望のパッド部を用いて、サドルに代表される、様々な種類の支持部材を得ることができる。
【0101】
このような基底部2は、上述した各部材、部位、および特徴のすべてまたは一部を備えることができる。
【0102】
本発明によれば、上述した支持部材を得るためのキットが提案される。このキットは、少なくとも1つの基底部2と、互いに形状または寸法が異なる2つ以上のパッド部3を備える。各パッド部は、基底部2に取外し可能に固定するための手段が設けられている。
【0103】
このために、パッド部3は、基底部2に対して、横方向および/または後部および/または前部において突出形成可能であり、パッド部3の使用時の下面3bは、基底部2の使用時の上面2aよりも大きく、かつ、該面2aよりも延出している。この場合、係合手段をパッド部3の中央または中間の領域に設けることが有利である。これにより、基底部2と、この基底部よりも幅寸法が大きくかつ基底部に対して突出しているパッド部3を、取外し可能に固定できる。
【0104】
図25〜27に図示する実施形態によると、パッド部3の使用時の下面3bは、基底部2の使用時の上面2aよりも大きく、これにより、基底部2の使用時の上面2aよりも、パッド部3の側方の部位3f1、3f2、および/または、後方側の部位3g、および/または、前方側の部位において、延出している。パッド部3の下面3bは、必要に応じて、特に、使用時に基底部2に対して突出している部位3f1、3f2、3gの1つ以上または前方側の部位において断面C字形状とすることで、自立が可能となる。
【0105】
さらに、上述したように、パッド部3は、剛性材料から成る基部、または、パッド部3の下面3bを画定する使用時の下面側の第1の剛性支持層24aと、この第1の層24aに接続され、その自由面でパッド部3の上面3aを画定し、使用時にユーザと接触する第2の柔軟層24bを備えることができる。第2の柔軟層24bは、必要に応じて、フォームで構成され、例えば、射出、鋳造、または、第1の剛性層24a上に接着することで成形可能であるが、その逆も可能である。
【0106】
第1の剛性層24aは、熱可塑性ポリマーと熱硬化性ポリマーから成る群から選択される材料で構成可能であり、第2の柔軟層24bは、熱可塑性ゴムと発泡ポリウレタンとゲルから成る群から選択される材料で構成可能である。
【0107】
本発明の第1の態様では、第1の剛性支持層24aは、特に、パッド部3の部位3f1、3f2、3gで基底部2を強化または堅固にするよう機能する、複数のリブ25を備えることができる。
【0108】
これにより、基底部2は、パッド部3に画定され、必要に応じて内向きテーパ状とされた凹部27に、少なくとも部分的に、また、好ましくは補完的に、嵌着収納または位置決め可能に構成される。
【0109】
さらに、基底部2とパッド部3を接続するために、凹部27とこれに収納された基底部2の1つまたは複数の側壁上に、必要に応じて、(必要に応じて、摺動)接続手段を形成可能である。該接続手段は、基底部2またはパッド部3の縁部または側壁から延出し、例えば、部分的に円錐または切頭円錐形状である1つまたは複数のボス部または突起部28と、パッド部3または基底部2の他方、好ましくは、その凹部27に形成された1つまたは複数の溝を備えることができる。該溝は、その各々に、(1つまたは複数の)突起部28を嵌着するために形成されている。この接続手段は、基底部2とパッド部3との間の基準器として作用し、また、確実に支持または接触を実現するためのものである。
【0110】
本発明の別の態様では、基底部2は、摺動可能に互いに係合されて離間または接近移動可能となることで、基底部2の幅を増大または狭小させる、1つまたは複数の部材を備える。基底部2の摺動可能に互いに係合する該部材は、使用時の水平面である一平面内を摺動可能であり、これにより、支持部材および/または垂直部材の幅を増大/狭小させ、支持部材の厚みを大きくしたり、小さくしたりする。特にこの構成により、基底部2は、寸法および/または形状および/または剛性が異なるパッド部3を、支持可能となる。
【0111】
本発明の一態様では、支持部材は、基底部2とパッド部3の間に、必要に応じて、ゴムまたは同様の材料から成る、少なくとも1つの中間層を備えることができる。
【0112】
該少なくとも1つの中間層は、基底部2および/またはパッド部3の対向自由縁部の周囲に、少なくとも部分的に延出するよう形成されており、これにより、基底部2の上面2aの縁部とパッド部3の下面3bの縁部の間の空間または間隙を包囲または隠蔽するとともに、振動を軽減して、各部2、3の相対変位により発生するノイズを減少させることが可能である。実際のところ、基底部2とパッド部3は、通常プラスチックまたは同様の材料で構成され、支持部材が二輪車のサドルである場合、例えば、ペダルを踏む動作の間に、各部2、3が相対的に変位することにより、きしりが大きくなる。上述の少なくとも1つの中間層を設けることは、機能面に加えて、美観の点でも確実に有利である。本発明の一態様では、上記少なくとも1つの中間層は、パッド部3の凹部27の全面を被覆するため、同様にテーパ状の縁部を備えてもよい。
【0113】
さらに別の態様では、基底部2および/またはその使用時の上面または内面は、上記少なくとも1つの中間層により被覆可能である。
【0114】
分岐部RAの1つまたは複数の先端部は、基底部2と、ネジ30を用いてこの基底部に固定される板部29(または同様の部材)の間に固定してもよく、これにより、分岐部RAを挿入した後、支持部材の各構成部が変形することを防ぐことができる。
【0115】
本発明による支持部材は、交換可能なパッド部を、手早く簡単かつ安定して拘束可能であり、1つまたは複数の付属品を取り付けることができる。
【0116】
さらに、本発明による支持部材では、基底部とパッド部を取外し可能に固定でき、ねじ回し等の工具を必要とすることなく、手作業により手早く両部を拘束および解放できると同時に、確実な固定が可能になる。
【0117】
これにより、特に、ユーザはいつでも簡単にパッド部を取外して、基底部のないパッド部のみを持ち歩くことができる。これは、支持部材がサドルである場合、特に有用である。この場合、ユーザ(二輪車の利用者)は、駐輪の度に、パッド部を基底部から、すなわち二輪車から取り外すことができるため、二輪車またはサドルが盗まれる事態を極力低減できる。
【0118】
本発明による支持部材が、複数のパッド部に対して1つまたは2つの標準仕様の基底部を備える場合、ユーザは、(1つまたは複数の)基底部2を購入すると、自身が望む寸法、高さ、構成のパッド部3の使用を判断可能である。さらに、各種パッド部3は、ゲルまたは他の材料から成るインサートまたは部位を備えるもの、手作業または真空技術を用いて複合ポリウレタンまたはポリウレタン被覆できるもの、または、男性用・女性用サイズのもの等、様々なタイプのものを採用可能である。
【0119】
これにより、環境面での恩恵を含む明確なメリットが確実に得られる。パッド部は非常に摩耗しやすく、ユーザは、同じ基底部を引き続き使いながら、最終的に破損して使用できなくなったパッド部を外して新品と交換できるため、廃棄物が低減する。さらに、着脱可能固定手段を設けることで、パッド部を、先行技術よりも簡単かつ低コストで廃棄できる。
【0120】
本発明による基底部を用いることから得られる別のメリットとして、ユーザは、パッド部の快適さや形状等に関して、自身の所望する外観や機能を満たす支持部材を得ることができる。
【0121】
さらに、基底部に関しては、製造ラインが1つで済み、各々異なる基底部または本体を備える各種サドルに対して異なる製造ラインを設ける必要が回避されるため、製造面でのメリットも得られる。
【0122】
さらに、1つ、または、最大でも2つの基底部2から、実際に、例えば、レース用、いわゆる「運動競技」用、ツーリング用、「手頃な一般向け」用といったあらゆるタイプのサドルを製造することが可能になる。
【0123】
図28と29に示すように、上記2つの標準的な基底部は、好ましくは、分岐部またはレール部に対する接続手段を備え、緩衝材が装備されていないもの(例えば、
図28)と、必要に応じて、分岐部またはレール部と各基底部との間に間挿される、カップ状または螺旋状のばねやエラストマー等の緩衝材を好適に固定可能なもの(例えば、
図29)であってよい。
【0124】
こうした基底部は、例えば、
図30〜35から分かるように、あらゆるタイプのパッド部に拘束可能である。
【0125】
図36〜39には、本発明による別の支持部材の基底部2とパッド部3が図示されている。図示の各部は上述したものと同様の構成であるが、パッド部3の下面3bから支持部材の後部Rに向かって突出する舌片21を備え、受け部22が基底部2の上面2aに形成される、または、この面から延出する壁部により画定されている。このような構成では、確実に約1cmの省スペース化が図れるため、より薄型形状の支持部材(例えば、サドル)を実現可能であり、美観や設計が向上する。
【0126】
さらに、舌片21またはその先端部とパッド部3の下面3bの間に、舌片21自体の補強板21aを設けることができる。この場合、切欠き22aは、受け部22を画定し、基底部2の上面2aから離間する壁部に形成され、補強板21aは、使用時に、切欠きに摺動させて取り付けられる。
【0127】
さらに、例えば、
図36〜39を参照して、本発明による支持部材は、具体的にはその中間部に、長手方向の貫通溝23を形成した基底部2を備えることができる。さらに、パッド部3は、例えば、略環状の突起部または隆起部23aを備えることができる。この突起部または隆起部は、下面3bの中間部から突出し、使用時に長手方向の貫通溝23内に嵌入する、または、貫通溝を画定する上面2aの部位に当接する。これにより、パッド部3の支持だけでなく、基底部2とパッド部3の間の係合も向上させることができる。
【0128】
本発明は、特許請求の範囲に記載する保護範囲を逸脱することなく、各種改良や変更が可能である。