特許第6757721号(P6757721)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6757721
(24)【登録日】2020年9月2日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】鞄又は革製品のような入れ物用締め具
(51)【国際特許分類】
   A45C 13/00 20060101AFI20200910BHJP
【FI】
   A45C13/00 G
   A45C13/00 Z
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-523328(P2017-523328)
(86)(22)【出願日】2015年10月27日
(65)【公表番号】特表2017-533028(P2017-533028A)
(43)【公表日】2017年11月9日
(86)【国際出願番号】IB2015058273
(87)【国際公開番号】WO2016067196
(87)【国際公開日】20160506
【審査請求日】2018年8月27日
(31)【優先権主張番号】TO2014A000880
(32)【優先日】2014年10月29日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】506033115
【氏名又は名称】ロロ ピアーナ ソシエタ ペル アテオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
(74)【代理人】
【識別番号】100186060
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100145458
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 正哉
(72)【発明者】
【氏名】ビアンコーニ,ルドヴィツァ
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0021684(US,A1)
【文献】 特開昭52−021948(JP,A)
【文献】 仏国特許発明第01028370(FR,B1)
【文献】 特開2010−042092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 13/00−13/14
A44B 5/00−5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞄(40)又は革製品を含む入れ物用締め具であって、
前記入れ物のフラップ部又はウォール部に固定されるためのアンカー部(10)と、
前記入れ物の他のフラップ部又はウォール部に備わるボタン穴から締め具(1)が離脱することを防ぐための幅広部(12)と、
一対のヒンジ部(21、22)を介して、前記アンカー部(10)及び幅広部(12)の各々に回転式に接続される中間接続部(14)と、
を備え、
前記幅広部(12)と前記アンカー部(10)は、前記中間接続部(14)に対して回転するよう構成され、
その結果、前記締め具(1)は、
前記幅広部(12)と前記アンカー部(10)とが、互いに近づき、前記中間接続部(14)に対して向い合う側に並置されるコンパクト状態と、
前記幅広部(12)が前記中間接続部(14)に対して実質的に平行に並び、それゆえ、前記締め具(1)が前記ボタン穴を通って移動することを許容する拡張状態と、
前記幅広部(12)と前記アンカー部(10)とが、互いから距離を置いて配置され、前記幅広部(12)が、実質的に前記中間接続部14に対し垂直方向に配置され、それゆえ、前記締め具1が前記ボタン穴から外へ移動することを防ぐ終状態と、
を担うことが可能にな
前記幅広部(12)に対して向かい側に配置され、締め具(1)が前記入れ物に備わる追加的ボタン穴から離脱することを防ぐための追加的幅広部(32)と、
一対の追加的ヒンジ部(23、24)を介して、前記アンカー部(10)及び前記追加的幅広部(32)の各々に枢着される追加的中間接続部(34)と、
を更に備える、
入れ物用締め具(1)。
【請求項2】
前記ヒンジ部(21、22)の少なくとも一つが、平坦ヒンジである、
請求項1に記載の締め具(1)。
【請求項3】
前記ヒンジ部(21、22)の双方が、平坦ヒンジである、
請求項2に記載の締め具(1)。
【請求項4】
前記平坦ヒンジ(21、22)のヒンジ軸が、互いに平行である、
請求項3に記載の締め具(1)。
【請求項5】
前記平坦ヒンジ(21、22)が、前記中間接続部(14)と、前記アンカー部(10)と前記幅広部(12)との間の少なくとも一つとの間の所定の相互角度配置を保持するよう設計されるカム輪郭を有する、
請求項2に記載の締め具(1)。
【請求項6】
前記追加的ヒンジ部(23、24)が、平坦である、
請求項1からのいずれか一項に記載の締め具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞄又は革製品のような入れ物用締め具に関する。
【背景技術】
【0002】
鞄又は革製品のような入れ物に属する二つのフラップ部(蓋部:flap)又はウォール部(壁部:wall)が、互いに締め続ける又は重なるよう設計された様々な型の締め具が、知られている。
【0003】
例えば、前述のフラップ部又はウォール部が締まるよう、又はとにかく互いに接近するよう、前記フラップ部又はウォール部の一つに固定され、前記フラップ部又はウォール部の他の一つに備わるボタン穴に導入されるよう設計された締め具が存在する。締め具の導入は、締め具の一部分を用いる。
【0004】
上記した型の締め具は、例えば、欧州特許第0821894号公報で開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第0821894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術から知られる前記締め具は、様々な欠点(drawbacks)によって影響を受ける。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の目的は、従来技術の欠点を解決し、同時に、シンプル且つ経済的な方法(fashion)で生産される締め具を提供することである。
【0008】
特に、本発明によって解決される技術的課題の一つは、信頼性があり、使用が容易で、あまり大きくない締め具を提供することに関する。
【0009】
本発明によれば、これと他の課題は、付加される独立請求項で説明される特徴を持つ締め具の手段によって解決される。
【0010】
付加される請求項は、本発明に関係する下記の詳細な説明で提供される技術的教示に欠くことのできない部分である。特に、付加される従属請求項は、本発明の幾つかの好ましい実施形態を規定し、任意の技術的特徴を記述する。
【0011】
本発明の更なる特徴と利点は、下記の詳細な説明の熟読に基づき良く理解され得る。下記の詳細な説明は、例を用いて提供され、特に、添付図面に関連して制限されず、以下簡潔に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施形態による締め具の斜視図である。
図2図2a−2cは、図1で示される締め具によって担われる一連の動作状態を示す側面図である。
図3図3は、本発明の更なる実施形態による締め具の斜視図である。
図4図4は、図1、2a−2cで示される一対の締め具を含む、鞄を例とする入れ物の斜視図である。
図5図5a、5b、5cは、図4で示される鞄の側断面における概略図であり、ここで、締め具により担われる一連の動作状態と鞄を確認できる。
図6図6は、図3に示される型の締め具を含む鞄の部分斜視図である。
図7図7は、図6に示される鞄の部分斜視図であり、別の動作状態でここに描かれる。
図8図8は、鞄の変形例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
特に、図1、2a−cに関して、全体として番号1は、本発明を説明するための実施形態による、製造された締め具(又は封緘具(closing device))を示す。
【0014】
例として図に示される形態によれば、入れ物は、鞄又は革製品である。しかしながら、本特許発明の本質が、物や品物を収容可能な他の製品にも同様に適用されるため、この態様は、本特許発明に指定される保護の範囲を限定するよう考えられるべきではない。
【0015】
締め具1は、入れ物のフラップ部又はウォール部に固定されるためのアンカー部10(anchoring portion 10)を備える。更に、締め具1は、例として、入れ物の他の(もう一方の)フラップ部又はフォール部に備わるボタン穴からの締め具1の離脱を防ぐよう設計された飾り板12(plaque 12)のような幅広部を備える。更に、締め具1は、単に例として、第一ヒンジ部21を介するアンカー部10と、第二ヒンジ部12を介する飾り板12の各々とに回転式に接続される棒部材14(rod14)のような中間接続部を備える。
【0016】
図2a-2cに示されるように、アンカー部10及び飾り板12は、使用者により、棒部材14に対して回転されるよう構成され、それゆえ、複数の異なる動作状態で締め具1を動かす。
【0017】
特に、締め具1は、以下の状態を担える。
すなわち、締め具1は、
飾り板12及びアンカー部10が、互いに接近し、棒部材14に関して向かい側に並置されるコンパクト状態(図2a)と、
飾り板12が、実質的に棒部材14に対して直線状に並び、それゆえ、締め具1のボタン穴を通って移動することを許容する拡張状態(図2b)と、
アンカー部10及び飾り板12が、互いから距離を置いて配置され、すなわち、飾り板12が、実質的に棒部材14を横断する方向に配置され、それゆえ、締め具1がボタン穴から外へ移動することを防ぐ終状態(図2c)と、を担う。
【0018】
従って、飾り板12は、円盤状又は主に二次元状要素であることが好ましい。
【0019】
前記ヒンジ部21、22の少なくとも一つは、接続部品がヒンジ軸(hinging axis)の周りを回転できるヒンジ制約(hinge constraint)を作り出す平坦ヒンジである。
【0020】
好ましくは、ヒンジ部21、22は、双方とも平坦ヒンジである。
【0021】
図1に示される好ましい実施形態に関して、前記平坦ヒンジ21、22のヒンジ軸は、互いに平行である。代わりに、例えばそれらが傾斜される場合、前記平坦ヒンジ21、22のヒンジ軸は、互いに平行でない。
【0022】
図示しない本発明の更なる実施形態によれば、前記ヒンジ部の少なくとも一つは、球形ヒンジである。‘球形ヒンジ’なる用語は、接続部品が三次元式に点の周りの空間で回転できるヒンジ制約を示す。
【0023】
図1に示される実施形態において、アンカー部10は、主として二次元のプレート部16を備える。特に、プレート部16は、実質的に飾り板12の一つと相似する(類似する)断面を有する。
【0024】
好ましくは、単純な理由で図1にのみ示されるように、プレート16は、多角形構造を形成するために互いに接続される複数の薄板18に結びつく。プレート10及び薄板18は、道具1をカバー付属物に束縛するのに有益なオープニング部19(opening 19)を形成する。
【0025】
示される実施形態において、第一ヒンジ部21は、棒部材14の軸端に配置される。
【0026】
示される実施形態において、第二ヒンジ部22は、棒部材14の他の軸端に配置される。
【0027】
好ましくは、ヒンジ部22は、例えばプレート16のように、アンカー部の中間又は中央部に配置される。特に、終状態において、飾り板12は、棒部材14に対して向かい側で横に拡張される。
【0028】
図2a−cに関して、下文で道具1の動作の説明を理解するであろう。
【0029】
図2aにおいて、締め具1は、コンパクト状態、又はプレート12がアンカー部10から最小距離にある停止状態(rest condition)にある。飾り板12及びプレート16は、互いに平行であり、棒部材14とも平行である。道具が鞄のフラップ部又はウォール部に備わるボタン穴に係合されない際、この配置は、道具の小型化(コンパクト化)を許容する。
【0030】
図で示されるように、中間接続部は棒部材14であることが好ましく、又は特に直線形状において、とにかく長手方向に発展する(develop)。
【0031】
アンカー部10に対する棒部材14の回転によって(例では90°)、締め具1は、拡張状態、又は図2bに示される、飾り板12及び接続要素14が互いに平行にある差込状態(insertion condition)に到達する。この配置における締め具1は、鞄に備わるボタン穴に容易に導入され得る、又はボタン穴から容易に取り外され得る。
【0032】
飾り板12(及び棒部材14の一部)が、ボタン穴に差し込まれた後、使用者は、棒部材14に対して飾り板12を回転させ(例では90°)、それゆえ、道具が図2cに示される終状態に到達することを引き起こす。この配置において、締め具1が鞄に備わるボタン穴から離脱することを防止するため、飾り板12は、棒部材14に対して回転される(例では、それらは実質的に垂直である。)。
【0033】
好ましくは、平坦ヒンジ21及び/又は22の少なくとも一つは、棒部材14、及びアンカー部10と飾り板12の少なくとも一つとの各々の間で、所定の相互角度配置(predefined mutual angular position)を保つため、カム輪郭(cam profile)を有する。前記ヒンジ部によって接続される要素が、所定の相互角度配置にある際、カムは、ヒンジ部21、22周りの回転に大きな抵抗を提供するよう構成され、その結果、これらの要素が、前記所定の配置により堅く保持され得る。更に、カムは、接続要素の様々な相互角度配置で大きな抵抗を提供するよう作成され得る。
【0034】
ヒンジ部21、22の双方が、カム輪郭を有すると都合が良い。好ましくは、ヒンジ部21、22のカム輪郭は、図2a−cに示される三つの動作状態で締め具1をより堅く保持するため製造される。
【0035】
図3は、締め具1の更なる実施形態を示す。ここで、同じ数字上の参照は、先の図で示される実施形態に関して説明された要素や部品と同様のものに対応する。なぜなら、これら要素や部品の参照が、上記説明でされているからである。
【0036】
この実施形態において、締め具1は、単に例で示す、前述された幅広部に対して向かい側に配置される追加的飾り板32のような追加的幅広部を備える。従って、追加的飾り板32は、前記道具が入れ物に備わる他のボタン穴から離脱することを防ぐよう設計される。更に、締め具1は、単に例で示す、第三ヒンジ部23を介するアンカー部10及び第四ヒンジ部24を介するアンカー部10の各々に枢着される(hinged to)追加的棒部材34のような追加的中間接続部を備える。
【0037】
アンカー部10、第二飾り板32、及び第二棒部材34は、アンカー部10、飾り板12、及び棒部材14の前述した同じ動作状態(ただし、向かい側(反対側)で)に移動できる。
【0038】
好ましくは、ヒンジ部23、24は、平坦である。より好ましくは、全てのヒンジ部21、22、23、24は、平坦ヒンジである。特に図3に関連して、平坦ヒンジ21、22、23、24の全ての回転軸は、互いに平行である。
【0039】
従って、特に、鞄のウォール部の隣接する三つのフラップ部を互いに近づくよう移動させる必要がある際、この締め具1に関する第二実施形態は、便利な状態となる。より詳しくは、アンカー部10がウォール部の中央フラップに固定される際、飾り板12及び32の各々が、ウォール部の中央フラップに対して向かい側に配置されるフラップ部又はウォール部を備えるそれぞれのボタン穴に接近できる。この方法において、唯一の締め具1は、二つの相対する側(on opposite sides)で二重の閉鎖(double closing)を保証し、それゆえ、一対のフラップ部又はウォール部がより近づく(閉じる)ことをもたらす。
【0040】
図4は、鞄40のような入れ物の例を示す。下記により詳しく説明するように、鞄40は、図1及び図2a−cによる、製造された一対の締め具を備える。
【0041】
この例において、鞄40は、背方フラップ部又はウォール部42、中央フラップ部又はウォール部44(‘パーティション’とも呼ばれる。)、及び前方フラップ部又はウォール部50を有する。特に、背方フラップ部又はウォール部42及び前方フラップ部又はウォール部50は、その底部で鞄の底に接合され、及びその側部で一対の側方ウォール部に接合される(これらの詳細は、図で番号付けされない。)。更に、示される例において、中央フラップ部又はウォール部44に固定される取っ手56が存在する。
【0042】
好ましくは、中央フラップ部又はウォール部44は、鞄40の内部を、背方フラップ部又はウォール部42付近の一方側と前方フラップ部又はウォール部50付近の他方側とに互いを仕切り境界を定められた二つの区画に分割する。
【0043】
特に、鞄40は、鞄40の背方フラップ部又はウォール部42に結びつく一の締め具1r、中央フラップ部又はウォール部44(セパレータ又は‘パーティション’とも呼ばれる。)に同様にして結びつく追加的締め具1sを備える。締め具1rは、中央フラップ部又はウォール部44に備わる第一ボタン穴46への係合に適する。これに対して一方で、締め具1sは、前方ウォール部又はフラップ部50に備わる第二ボタン穴への係合に適する。
【0044】
言い換えれば、特に示される例に関して、
鞄40は、
一対の端フラップ部又はウォール部(42、50)、
中間フラップ部(44)、
前記中間フラップ部(44)に備わる穴(46)を通って移動するために、前記アンカー部10は、端フラップ部又はウォール部(42)と、前記中間フラップ部(44)に向かい合う前記幅広部(12)とに固定される請求項1から5のいずれかによる第一締め具(1r)、
及び
他の端フラップ部又はウォール部(50)に備わる穴(48)を通って移動するために、前記アンカー部(10)は、前記中間フラップ部(44)と、他の端フラップ部又はウォール部(50)に向かい合う前記幅広部(12)とに固定される請求項1から5のいずれかによる第二締め具(1s)、
を備える。
【0045】
図5aは、図4に示される鞄40の側断面を示す。この図において、締め具1r及び1sは、各々コンパクト状態又は停止状態にある。従って、中央フラップ部又はウォール部44の側面で規定される二つの区画は、開いており、結果として鞄40に物を導入する又は鞄40から物を取り出す使用者によって利用可能となっている。
【0046】
図5bは、図4に示される鞄40の側断面を示す。この図において、締め具1r及び1sは、拡張状態又は差込状態にあり、それゆえ、それらは、各々ボタン穴46、48にいつでも差し込まれる状態となっている。
【0047】
図5cは、図4に示される鞄40の側断面を示し、ここで、飾り板12及び棒部材14の各々が、ボタン穴46、48の各々に差し込まれた後、締め具1r及び1sは、終状態にある。従って、鞄の区画は、前記締め具1r、1sの手段によって、より近づくよう引き付けられて閉じた状態を保持する、又は並置される。
【0048】
図6及び7は、図3に示される締め具のように設計された締め具1を備えた追加的説明用の実施形態を示す。
【0049】
この実施形態において、やはり、鞄40の構造は、前方フラップ部又はウォール部51、及び前方フラップ部又はウォール部51に重なり得るか(図6)又は後者(背方フラップ部又はウォール部)から上昇され得る(図7)ウィング部52(wing)と一体となって終端する背方フラップ部又はウォール部(番号付されていない)を備える。
【0050】
この実施形態において、取っ手は、鞄40の側壁に固定される(番号付されない細部)。
【0051】
締め具1は、前方フラップ部又はウォール部51に結びつき、その結果、飾り板12及び棒部材14が、鞄40の外側を向くと共に、飾り板32及び棒部材34が、ウィング部52を支える背方フラップ部又はウォール部を向く。より詳細には、後者(ウィング部52)が前方フラップ部又はウォール部51に重なった後、飾り板12及び棒部材14は、ウィング部52に備わるボタン穴54への係合に適する。一方で、飾り板32及び棒部材34は、ウィング部52に対して近接(proximal position)するフラップ部又はウォール部に配置されたボタン穴(番号付されず)への係合に適する。
【0052】
この実施形態は、‘両面(double face)’又はリバーシブル鞄の使用に適合する。実際のところ、仮に使用者が鞄40をひっくり返した場合(裏返した場合)、飾り板32及び棒部材34は、このとき、ボタン穴54への差し込みに適する。
【0053】
当業者は、‘両面’鞄の使用に関し、図3に示される締め具がウィング部52のない鞄にも適用され、必要であれば、例えば、鞄から取り外し可能な中央フラップ部又はウォール部を有する鞄(この場合において、アンカー部は、中央フラップ部又はウォール部に固定され、ボタン穴は他のフラップ部又はウォール部に備えられる。)、又は前方フラップ部又はウォール部及び背方フラップ部又はウォール部のみを有する鞄(この場合において、前記二つのフラップ部又はウォール部の一つは、アンカー部を支える一方で、他のフラップ部又はウォール部は、締め具によって一方の側から他方の側へ掛け渡されるのに適する単一のボタン穴を支える。これは鞄の向き方(how the bag is turned)に依存する。)でさえ、容易に理解することができる。
【0054】
図8は、図1及び図2a−cに従って設計される締め具1を備える鞄40の追加的説明用の実施形態を示す。
【0055】
この実施形態において、鞄40は、締め具1によって係合されるのに適する一つ以上のボタン穴60を有するベルト58を支える背方フラップ部又はウォール部42を備える。特に、締め具1は、鞄40の前方フラップ部又はウォール部50に固定され、棒部材14及び飾り板12を伴ない鞄40の外側に向かって突出する。好都合なことに、ベルト58は、背方フラップ部又はウォール部42の外側又は内側表面に縫い付けられる。任意には、ベルト58は、締め具1により係合され得る前の前方フラップ部又はウォール部に設置されたオープニング部66を通過する。
【0056】
もちろん、説明された本発明の原理、実施形態及び詳細な実装は、添付のクレームによって提供される保護範囲を超えることなく、単に非制限例の方法のように上記で説明され、図に示されたことに関して幅広く変更可能である。
図1
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6
図7
図8