特許第6757761号(P6757761)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6757761副鼻腔状態を処置するためのシステム、デバイスおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6757761
(24)【登録日】2020年9月2日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】副鼻腔状態を処置するためのシステム、デバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/04 20130101AFI20200910BHJP
【FI】
   A61F2/04
【請求項の数】25
【外国語出願】
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2018-54123(P2018-54123)
(22)【出願日】2018年3月22日
(62)【分割の表示】特願2016-502231(P2016-502231)の分割
【原出願日】2014年3月13日
(65)【公開番号】特開2018-114313(P2018-114313A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2018年3月22日
(31)【優先権主張番号】61/785,939
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515246351
【氏名又は名称】インターセクト エント, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー ジェイ. アバーテ
【審査官】 細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0076585(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0043197(US,A1)
【文献】 特開平11−309217(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0125091(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0034952(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02520251(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/04
A61F 2/18
A61F 2/844
A61F 2/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラントを圧着するためのデバイスであって、該デバイスは、該インプラントを受容するように構成されたハウジングを備え、該ハウジングが、近位開口、傾斜した第一のセグメント、第二のセグメント、遠位の第のセグメント、および該第のセグメントから、該第一のセグメントに少なくとも部分的に沿って半径方向に伸展した複数のチャネルを有し、該インプラントが、ハブおよび該ハブから伸展した複数の脚部を有し、該ハブの該第のセグメントへの移動により、該インプラントの長軸に向けて該脚部が半径方向に圧縮され、該インプラントを薄型の形状へと構成し、前記ハブが、前記ハブを通じて伸展する複数の開口部を備え、前記複数の脚部が、該開口部の対応する開口部に各々配置された複数のフィラメントを備え、該フィラメントが、前記ハブを通って伸展して、前記ハブの第一の側面上の第一の脚部と、前記ハブの第二の側面上の第二の脚部とを規定する、デバイス。
【請求項2】
前記傾斜した第一のセグメントが、前記第二のセグメントに隣接する前記第一のセグメントの遠位端で6〜8mmの直径、および前記近位開口に隣接する前記第一のセグメントの近位端で25〜30mmの直径を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第二のセグメントが、6mmの直径を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記遠位の第のセグメントが、前記ハブの外径と等しい直径から前記ハブの外径より1mm未満大きい直径までを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記複数のチャネルが、前記第のセグメントから、前記第二のセグメントに沿って、かつ前記第一のセグメントに少なくとも部分的に沿って半径方向に伸展する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ハウジングが、前記第のセグメントから、前記第一のセグメントに少なくとも部分的に沿って半径方向に伸展する複数のリブをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記複数のリブが、前記第のセグメントから、前記第二のセグメントに沿って、かつ前記第一のセグメントに少なくとも部分的に沿って半径方向に伸展する、請求項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記複数のリブが、前記複数のチャネルを規定する、請求項に記載のデバイス。
【請求項9】
各々の脚部が、別々のチャネルに配置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
2つまたはそれ以上の脚部が、1つのチャネルに配置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ハウジングが、ポリカーボネート、ポリプロピレン、またはポリウレタンから形成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記近位開口の外周に適合するキャップをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
システムであって、
請求項1〜12のいずれか一項に記載のインプラントを圧着するためのデバイスと、
副鼻腔または鼻腔に配置するためのインプラントであって、該インプラントがハブを備えており、該ハブが、該ハブを通って伸展する複数の開口部を有し、該複数の開口部の各々が、該ハブの中空内側によって隔てられる第一の開口部セグメントおよび第二の開口部セグメントと、複数のフィラメントとを備え、該フィラメントの一部が、該第一の開口部セグメント、該第二の開口部セグメント、および該ハブの該中空内側の各々を通って伸展して、該ハブの第一側面上の第一の脚部および該ハブの第二の側面の第二の脚部を規定するように、該複数のフィラメントの各々のフィラメントが、該複数の開口部の対応する開口部に配置されている、インプラントと
を備える、システム。
【請求項14】
各々のフィラメントが、第一の直線状セグメント、第二の直線状セグメント、および該第一の直線状セグメントと該第二の直線状セグメントとの間に位置する湾曲したセグメントを備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
各々のフィラメントの前記湾曲したセグメントが、前記ハブの前記第一の側面上に前記第一の直線状セグメントを、前記ハブの前記第二の側面上に前記第二の直線状セグメントを配置するように、前記対応する開口部に配置されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
各々のフィラメントが、押出成形されたポリマーフィラメントである、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数のフィラメントが、1つまたはそれ以上の生分解性物質で形成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
薬物放出性コーティングをさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
前記薬物放出性コーティングが、フランカルボン酸モメタゾンを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記複数のフィラメントが、第一の長さおよび第二の長さを有する複数の脚部を形成し、該第一の長さが、該第二の長さと異なる、請求項13に記載のシステム。
【請求項21】
前記第一の長さが約20mmであり、前記第二の長さが約25mmである、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記複数のフィラメントのうちの少なくとも1つが、長方形の断面形状を有する、請求項13に記載のシステム。
【請求項23】
前記複数のフィラメントのうちの少なくとも1つが、楕円の断面形状を有する、請求項13に記載のシステム。
【請求項24】
前記複数のフィラメントのうちの少なくとも1つが、円形の断面形状を有する、請求項13に記載のシステム。
【請求項25】
前記ハブが、射出成型されたハブである、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、その内容がその全体として本明細書に援用される、2013年3月14日に出願され、かつ「副鼻腔状態を処置するためのシステム、デバイスおよび方法(SYSTEMS, DEVICES, AND METHOD FOR TREATING A SINUS CONDITION)」というタイトルの米国特許仮出願第61/785,939号に対して優先権を主張する。
【0002】
本発明は一般には、拡張可能なインプラント、インプラントを送達および/または圧着するためのデバイス、ならびにそれらを用いる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
経鼻通路、副鼻腔などのような体の構造に関連する状態または疾患を処置するための最小侵襲のアプローチを用いようとする動向がある。例えば、鼻ポリープに罹っている個体は、気道または副鼻腔口が閉塞している場合があり、呼吸困難、頭痛、くしゃみ、いびきおよび全般的な不調などの症状を経験し得る。拡張可能なインプラントは、経鼻通路、副鼻腔などのような体の構造を維持、開口、または拡張するのに有用であり得る。これらのデバイスがもたらし得る種々の利点を考慮すれば、追加の拡張可能なデバイスが望ましい場合があり、同様にこのようなインプラントを圧着および/または送達するためのシステムも所望され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に記載されるのは、1つ以上の副鼻腔または鼻腔の状態を処置するためのデバイス、システムおよび方法である。また本明細書には、インプラントを圧着するためのデバイスおよび方法も記載される。いくつかのバリエーションでは、このデバイスは、ハブと複数のフィラメントとを備える拡張可能なインプラントを備えてもよい。このハブは、このハブを通じて伸展する複数の開口部を備えてもよく、複数のフィラメントの各々のフィラメントは、対応する開口部に配置されて、ハブを通じて伸展してもよい。これらのバリエーションでは、対応する開口部中のフィラメントの配置は、そのハブの第一の側の第一の脚部と、そのハブの第二の側面の第二の脚部とを規定し得る。いくつかのバリエーションでは、そのフィラメントは、第一の直線状セグメントと、第二の直線状セグメントと、この第一の直線状セグメントと第二の直線状セグメントとの間に位置する湾曲したセグメントとを備えてもよい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、各々のフィラメントのこの湾曲したセグメントは、対応する開口部中に配置されて、上記ハブの第一の側面上に第一の直線状セグメント、および上記ハブの第二の側面上に上記第二の直線状セグメントを位置してもよい。いくつかのバリエーションでは、各々のフィラメントは、押し出しのポリマーフィラメントであってもよい。いくつかのバリエーションでは、上記ハブおよび上記複数のフィラメントは、1つ以上の生分解性物質から形成されてもよい。いくつかのバリエーションでは、上記インプラントは、薬物放出性コーティングを備えてもよい。本明細書に記載されるインプラントは、副鼻腔または鼻腔のような任意の適切な位置に送達されてもよい。いくつかのバリエーションでは、本明細書に記載される方法は、インプラントを副鼻腔、副鼻腔口または経鼻通路内の位置に前進させることと、このインプラントを送達することと、そのインプラントを薄型の形状から拡張型の形状に拡張させることと、を包含し得る。
【0005】
本明細書に記載されるのは、インプラントを圧着するための方法である。いくつかのバリエーションでは、このデバイスはハウジングおよび圧着部材を備えてもよい。この圧着部材は、ステム部分から半径方向に伸展する複数のアームを備えてもよく、かつこのハウジングは、凹部を備えてもよく、その結果、この凹部へのこのステム部分の移動は、この複数のアームをステム部分に対して回転し得る。いくつかのバリエーションでは、この凹部は、中央の凹部と、この中央の凹部から半径方向に伸展している複数のチャネルとを備えてもよい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、複数のアームの各々のアームは、この複数のチャネルの対応するチャネル内に少なくとも部分的に配置されてもよい。いくつかのバリエーションでは、このデバイスはさらに、ステム部分と凹部との間に位置するバネを備えてもよい。さらに、または代わりに、複数のアームの各々のアームは、チャネルを有する少なくとも1つのホルダーを備えてもよい。いくつかのバリエーションでは、このステム部分は、インプラントの一部を受容するように構成された凹部を備えてもよい。
【0006】
また本明細書に記載されるのは、インプラントと圧着デバイスとを含んでいる患者を処置するためのシステムである。そのインプラントは、複数の脚部を備えてもよく、いくつかの場合には、その複数の脚部に結合しているハブをさらに備えてもよい。その圧着デバイスは、複数の脚部を係合し、かつインプラントを薄型の形状まで動かすように構成され得る圧着部材を備えてもよい。いくつかの場合には、インプラントの各々の脚部は、その圧着デバイスの圧着部材の対応アームによって係合されてもよい。その圧着部材は、その圧着部材のハウジングの凹部中に移動されて、複数のアームを圧着デバイスのステム部分に対して回転させ得る。アームのこの回転は、インプラントの対応する脚部を回転させて、そのインプラントを薄型の形状まで移動し得る。いくつかのバリエーションでは、送達デバイスを用いて、圧着部材をハウジングの凹部中に押し込んでもよい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、送達デバイスの一部が前進されて、インプラントを薄型の形状に保持し得る。
【0007】
いくつかのバリエーションでは、圧着デバイスは、ハウジングを備えてもよく、このハウジングは、近位端と遠位端とを有する圧着チャンバを規定し、この圧着チャンバは、この圧着チャンバの近位端に近位開口を有する。圧着デバイスはさらに、その圧着チャンバ中に位置する複数のリブを備えてもよく、その複数のリブが、複数のリブのうち隣接するリブの間で複数のチャネルを規定する。圧着チャンバは、第一のセグメントと第二のセグメントとを備えてもよく、ここでこの第一のセグメントは、第二のセグメントの近位開口から近位端まで伸展する。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、この第一のセグメントは、この第一のセグメントの近位端の第一の直径から、この第一のセグメントの遠位端の第二の直径まで傾斜する外径を有してもよく、ここでこの第一の直径が、第二の直径より大きい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、この第二のセグメントは、この第二の直径に等しい外径を有してもよい。
【0008】
いくつかのバリエーションでは、圧着チャンバはさらに、第三のセグメントを備えてもよく、ここでこの第二のセグメントは、この第二のセグメントの遠位端から遠位に伸展する。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、この第三のセグメントは、この第二のセグメントの外径に等しい外径を有してもよい。さらにまたは代わりに、この第二のセグメントの内径は、この第二のセグメントの外径に等しい。さらに、または代わりに、この第三のセグメントは、この第二のセグメントの内径より小さい内径を有する。いくつかのバリエーションでは、このシステムはさらに、内部シャフトと外側シースとを有する送達デバイスを備えてもよい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、外側シースの遠位端の外径は、第二のセグメントの内径以下であって、かつこの第三のセグメントの内径より大きくてもよい。
【0009】
いくつかのバリエーションでは、複数のリブおよび複数のチャネルは、この第一の、第二の、および第三のセグメントの各々を少なくとも部分的に通じて伸展する。他のバリエーションでは、この複数のリブおよび複数のチャネルは、第一の複数のリブおよび第一の複数のチャネル(第一のセグメントを少なくとも部分的に通じて伸展する)、ならびに第二の複数のリブおよび第二の複数のチャネル(第三のセグメントに少なくとも部分的にそって伸展する)を備えてもよい。いくつかのバリエーションでは、このシステムはさらに、インプラントを備えてもよく、ここでこのインプラントは、ハブと、このハブから伸展する複数の脚部とを備え、ここでこのインプラントは、拡張型の形状から薄型の形状まで移動可能である。この第一のセグメントおよび第二のセグメントは、第一のセグメントから第二のセグメントへのハブの前進が、インプラントを拡張型の形状から薄型の形状へ圧着するようにサイズ決めされてもよい。いくつかのバリエーションでは、圧着デバイスは、ハウジングに対して取り外し可能に接続されたキャップをさらに備えてもよい。いくつかのバリエーションでは、そのハウジングはさらに、ベースを備えてもよい。
本明細書は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
副鼻腔または鼻腔に配置するための拡張可能なインプラントであって:
ハブであって、上記ハブを通って伸展する複数の開口部を備えているハブと;
複数のフィラメントであって、上記複数のフィラメントの各々のフィラメントが、上記複数の開口部の対応する開口部に配置されて、上記ハブを通って伸展して、上記ハブの第一の側面上に第一脚部、および上記ハブの第二の側面上に第二の脚部を規定する、複数のフィラメントと、
を備える、拡張可能なインプラント。
(項目2)
各々のフィラメントが、第一の直線状セグメントと、第二の直線状セグメントと、上記第一の直線状セグメントと第二の直線状セグメントとの間に位置する湾曲したセグメントとを備える、項目1に記載のインプラント。
(項目3)
各々のフィラメントの上記湾曲したセグメントが、対応する開口部中に配置されて、上記ハブの第一の側面上に第一の直線状セグメント、および上記ハブの第二の側面上に上記第二の直線状セグメントを配置する、項目2に記載のインプラント。
(項目4)
各々のフィラメントが、押し出しのポリマーフィラメントである、項目1に記載のインプラント。
(項目5)
上記ハブおよび上記複数のフィラメントが1つ以上の生分解性物質から形成される、項目1に記載のインプラント。
(項目6)
薬物放出性コーティングをさらに備える、項目1に記載のインプラント。
(項目7)
インプラントを圧着するためのデバイスであって:
凹部を備えているハウジングと;
ステム部分から半径方向に伸展する複数のアームを備える圧着部材と、
を備え、上記凹部への上記ステム部分の移動が、上記複数のアームを上記ステム部分に対して回転させる、
デバイス。
(項目8)
上記凹部が中央の凹部と、上記中央の凹部から半径方向に伸展している複数のチャネルとを備え、上記複数のアームのうち各々のアームが、上記複数のチャネルの対応するチャネル内に少なくとも部分的に配置されている、項目7に記載のデバイス。
(項目9)
上記ステム部分と上記凹部との間に配置されているバネをさらに備える、項目7に記載のデバイス。
(項目10)
上記複数のアームのうち各々のアームが、チャネルを有する少なくとも1つのホルダーを備える、項目7に記載のデバイス。
(項目11)
上記ステム部分が、上記インプラントの一部を受容するように構成された凹部を備える、項目7に記載のデバイス。
(項目12)
1つ以上の状態を処置するためのシステムであって:
複数の脚部を備えるインプラントと;
ハウジングおよび圧着部材を備える圧着デバイスと、
を備え、上記ハウジングが、凹部およびステム部分から半径方向に伸展する複数のアームを備える圧着部材を備え、かつ上記凹部への上記ステム部分の移動が、上記ステム部分に対して上記複数のアームを回転させる、
システム。
(項目13)
上記インプラントがさらにハブを備え、ここで上記複数の脚部の各々の脚部が、上記ハブに結合される、項目12に記載のシステム。
(項目14)
上記ステム部分が、上記ハブの一部を受容するように構成された凹部を備える、項目13に記載のシステム。
(項目15)
上記凹部が、中央の凹部と上記中央の凹部から半径方向に伸展している複数のチャネルとを備え、上記複数のアームの各々のアームが上記複数のチャネルのうち対応するチャネル内に少なくとも部分的に配置されている、項目12に記載のシステム。
(項目16)
上記インプラントに対して解放可能に連結するように構成された送達デバイスをさらに備える、項目12に記載のデバイス。
(項目17)
複数の脚部を備えるインプラントを圧着するための方法であって、凹部を有するハウジングとステム部分から半径方向に伸展する複数のアームを備える圧着部材とを備える、圧着デバイスを用いることを包含し、
上記インプラントの各々の脚部と上記圧着部材の対応するアームとを係合することと、
上記圧着部材を上記ハウジングの上記凹部中に移動して、上記ステム部分に対して各々のアームを回転させ、各々のアームの回転が、上記インプラントの対応する脚部を回転させて、上記インプラントを薄型の形状に移動させることを包含する、方法。
(項目18)
上記凹部への上記圧着部材の移動が、上記インプラントを上記ステム部分に対して押圧して、上記圧着部材を移動することを包含する、項目17に記載の方法。
(項目19)
上記複数の脚部に対して上記送達デバイスの遠位カップを前進させて、上記インプラントを上記薄型の形状に保持することをさらに包含する、項目18に記載の方法。
(項目20)
1つ以上の副鼻腔状態を処置するための方法であって:
インプラントを副鼻腔、副鼻腔口または経鼻通路内の位置に前進させることであって、上記インプラントがハブおよび複数のフィラメントを備えており、上記ハブが上記ハブを通じて伸展する複数の開口部を備え、かつ上記複数のフィラメントのうち各々のフィラメントが上記複数の開口部の対応する開口部に配置されて、上記ハブを通じて伸展して、上記ハブの第一の側に第一の脚部、および上記ハブの第二の側に第二の脚部を規定することと;
上記インプラントを送達することと;
上記インプラントを薄型の形状から拡張型の形状に拡張させることと、
を包含する、方法。
(項目21)
システムであって:
インプラントを圧着するためのデバイスを備え:上記インプラントが:
ハウジングであって、近位端と遠位端とを有する圧着チャンバを規定し、上記圧着チャンバが、上記圧着チャンバの近位端で開口する近位開口を有するハウジングと;
上記圧着チャンバ内に位置する複数のリブであって、ここで上記複数のリブが、上記複数のリブの隣接するリブの間に複数のチャネルを規定する複数のリブと、
を備える、
システム。
(項目22)
上記圧着チャンバが第一のセグメントと第二のセグメントとを備え、上記第一のセグメントが、上記近位開口から上記第二のセグメントの近位端へ伸展する、項目21に記載のシステム。
(項目23)
上記第一のセグメントが、上記第一のセグメントの近位端の第一の直径から、上記第一のセグメントの遠位端の第二の直径まで傾斜する外径を有し、上記第一の直径が、上記第二の直径より大きい、項目22に記載のシステム。
(項目24)
上記第二のセグメントが、上記第二の直径に等しい外径を有する、項目23に記載のシステム。
(項目25)
上記圧着チャンバがさらに、第三のセグメントを備え、上記第二のセグメントが、上記第二のセグメントの遠位端から遠位に伸展する、項目22に記載のシステム。
(項目26)
上記第三のセグメントが、上記第二のセグメントの外径に等しい外径を有する、項目25に記載のシステム。
(項目27)
上記第三のセグメントが、上記第二のセグメントの内径よりも小さい内径を有する、項目25に記載のシステム。
(項目28)
内部シャフトと外側シースを有する送達デバイスをさらに備える、項目27に記載のシステム。
(項目29)
上記外側シースの遠位端の外径が、上記第二のセグメントの内径以下であって、かつ上記第三のセグメントの内径より大きい、項目27に記載のシステム。
(項目30)
上記第二のセグメントの上記内径が、上記第二のセグメントの外径に等しい、項目25に記載のシステム。
(項目31)
上記複数のリブおよび複数のチャネルが、上記第一の、第二の、および第三のセグメントの各々を少なくとも部分的に通じて伸展する、項目25に記載のシステム。
(項目32)
上記複数のリブおよび上記複数のチャネルが、第一のセグメントを少なくとも部分的に通じて延びる第一の複数のリブおよび第一の複数のチャネルおよび伸展する第二の複数のリブ、ならびに上記第三のセグメントに少なくとも部分的にそって伸展する第二の複数のチャネルを備える、項目25に記載のシステム。
(項目33)
あるインプラントをさらに含んでおり、上記インプラントが、ハブと上記ハブから伸展している複数の脚部とを備え、上記インプラントは、拡張型の形状から薄型の形状へ移動可能である、項目22に記載のシステム。
(項目34)
上記第一のセグメントおよび第二のセグメントは、上記第一のセグメントから上記第二のセグメントへの上記ハブの前進が、上記インプラントを上記拡張型の形状から上記薄型の形状へ圧着するようにサイズ決めされる、項目33に記載のシステム。
(項目35)
上記圧着デバイスが、上記ハウジングに対して取り外し可能に接続されたキャップを備える、項目21に記載のシステム。
(項目36)
上記ハウジングがさらにベースを備える、項目21に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本明細書に記載されるシステムの例示的なバリエーションを示す。
図2A図2Aおよび図2Bは、本明細書に記載されるインプラントのバリエーションの側面図を示す。
図2B図2Aおよび図2Bは、本明細書に記載されるインプラントのバリエーションの側面図を示す。
図2C図2Cおよび図2Dは、図2Aおよび図2Bのインプラントのそれぞれ、ハブおよびフィラメントの側面図を示す。
図2D図2Cおよび図2Dは、図2Aおよび図2Bのインプラントのそれぞれ、ハブおよびフィラメントの側面図を示す。
図2E図2Eおよび図2Fは、図2Aおよび図2Bのインプラントの断面の側面図を示す。
図2F図2Eおよび図2Fは、図2Aおよび図2Bのインプラントの断面の側面図を示す。
図3A図3Aおよび図3Bは、本明細書に記載される送達デバイスの遠位部分の側面図を示す。
図3B図3Aおよび図3Bは、本明細書に記載される送達デバイスの遠位部分の側面図を示す。
図4A図4Aは、本明細書に記載される圧着デバイスのバリエーションの一部の斜視図を示す。
図4B図4Bは、断面の側面図を示し、かつ図4Cおよび図4Dは、図4Aの圧着デバイスの斜視図を示す。
図4C図4Bは、断面の側面図を示し、かつ図4Cおよび図4Dは、図4Aの圧着デバイスの斜視図を示す。
図4D図4Bは、断面の側面図を示し、かつ図4Cおよび図4Dは、図4Aの圧着デバイスの斜視図を示す。
図4E図4Eおよび図4Fは、作動中の図4Aの圧着デバイスの断面の側面図を示す。
図4F図4Eおよび図4Fは、作動中の図4Aの圧着デバイスの断面の側面図を示す。
図5A図5A図5Dは、本明細書に記載される圧着デバイスの、それぞれ、斜視図、上面図、側面図および切り取り側面図を示す。
図5B図5A図5Dは、本明細書に記載される圧着デバイスの、それぞれ、斜視図、上面図、側面図および切り取り側面図を示す。
図5C図5A図5Dは、本明細書に記載される圧着デバイスの、それぞれ、斜視図、上面図、側面図および切り取り側面図を示す。
図5D図5A図5Dは、本明細書に記載される圧着デバイスの、それぞれ、斜視図、上面図、側面図および切り取り側面図を示す。
図6A図6A図6Cは、作動中の図5A図5Dの圧着デバイスの断面の側面図を示す。
図6B図6A図6Cは、作動中の図5A図5Dの圧着デバイスの断面の側面図を示す。
図6C図6A図6Cは、作動中の図5A図5Dの圧着デバイスの断面の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に記載されるのは、インプラントを用いて1つ以上の副鼻腔または鼻腔の状態を処置するためのデバイス、システムおよび方法である。また本明細書では、インプラントを圧着するためのデバイスおよび方法も記載される。一般には、このシステムは、副鼻腔または鼻腔の1つ以上の部分に配置するためにサイズ決めされ構成されたインプラントを含む。このインプラントは、薄型の形状で送達されてもよく、副鼻腔または鼻腔中で拡張させられて、組織に対して拡張されても、分離されてもそうでなければ組織に対して押圧されてもよく、これがいくつかの場合には、患者の気道を開くことを補助し得る。このインプラントは、1つ以上の薬物を(例えば、周囲の組織に対して)送達または放出するように構成されてもよい。いくつかのバリエーションでは、このシステムは、インプラントを身体に送達するための送達デバイスを備えてもよい。さらに、または代わりに、このシステムは、インプラントを薄型の形状で配置するように構成された圧着デバイスを備えてもよい。
【0012】
図1は、本明細書に記載のシステムの例示的なバリエーションを示す。そこで示されるとおり、このシステムは、インプラント(100)、送達デバイス(200)、および圧着デバイス(300)を備えてもよい。このインプラント(100)は一般には、薄型の形状と拡張型の形状との間で移動可能であり、その圧着デバイス(300)は、インプラント(100)を拡張型の形状から薄型の形状まで動かすように構成されてもよい。そのインプラント(100)は、送達デバイス(200)に対して解放可能に連結されてもよく、このデバイスを用いて、インプラント(100)を薄型の形状で身体内に前進させてもよい。送達デバイス(200)は、身体の標的位置(例えば、副鼻腔、鼻腔など)でインプラント(100)を放出し得、そしてインプラント(100)は、拡張されて周囲の組織と接触させられ得る。いくつかのバリエーションでは、インプラント(100)は、送達される場合、自己拡張されてもよい。さらに、または代わりに、別々のデバイス(例えば、バルーン)を用いて、インプラント(100)を拡張してもよい(または、自己拡張性のインプラントの場合には、そのインプラントの拡張を補助してもよい)。このシステムは、インプラント(100)、送達デバイス(200)、および圧着デバイス(300)を備えると図1に示されているが、このシステムは、インプラントだけを備えてもよく、インプラントおよび送達デバイスを備えてもよく、インプラントおよび圧着デバイスを備えてもよいことなどが理解されるべきである。インプラント(100)、送達デバイス(200)、および圧着デバイス(300)の各々は、下にさらに詳細に記載される。
【0013】
図2A図2Fは、図1に示されるインプラント(100)のバリエーションを示す。具体的には、図2Aおよび図2Bは、インプラント(100)の側面図を示す。そこで示すとおり、インプラントは、ハブ(102)と、そのハブ(102)から伸展する複数の脚部(103)とを備えてもよい。脚部(103)は、図2Aに示される拡張型の形状と、図2Bの側面図で示される薄型の(例えば、非拡張型の)形状との間で移動可能であり得る。具体的には、脚部(103)は、インプラント(100)の縦軸(101)に向かって回転して、そのインプラントを薄型の形状に向かって動かす場合があり、そして縦軸(101)から離れて回転して、インプラントを拡張型の形状に動かしてもよい。いくつかのバリエーションでは、このインプラントを薄型の形状から拡張型の形状まで自己拡張するように構成してもよい。他のバリエーションでは、このインプラントを、拡張して(例えば、バルーンまたは他のデバイスを用いる)、そのインプラントを薄型の形状から拡張型の形状まで動かしてもよい。拡張型の形状で配置される場合、インプラントの脚部(103)は、薄型の形状へ向かう移動に抵抗し得、これによって脚部(103)が組織を支持するか、そうでなければ組織に対して押圧することが可能になる場合がある。
【0014】
一般には、ハブ(102)は、複数の脚部(103)を連結するための接合部として機能し得る。いくつかの場合には、このハブ(102)は、組織を通じてインプラント(100)の前進を容易にすることを補助してもよいし(例えば、ハブ(102)がそれを通じて前進するにつれて、組織を分離することによって)、および/または下にさらに詳細に考察されるように、組織を貫通するか、および/または組織に対して少なくとも部分的にインプラント(100)を固定するように構成されてもよい。図2Cは、ハブ(102)のバリエーションの側面を示す。示したとおり、ハブ(102)は、このハブ(102)を通って伸展する複数の開口部(112)を備えてもよい。この開口部(112)は、下にさらに詳細に考察されるように、脚部(103)をハブ(102)に接続するように構成されてもよい。ここで示すとおり、ハブ(102)は、このハブ(102)の遠位端で円柱状部分(114)とドーム状部分(116)とを備えてもよい。このドーム状部分(116)は、下にさらに詳細に記載されるとおり、圧着デバイスの1つ以上の部分を係合して、インプラント(100)と圧着デバイスとを整列させるように構成されてもよい。図2Cには、円柱状部分(114)とドーム状部分(116)とを両方有するように示しているが、ハブ(102)は、ドーム状部分(116)を備える必要はないか、またはそのドーム状部分(116)とは異なる形状を有する傾斜した部分を備えてもよいことが理解されるべきである。いくつかのバリエーションでは、ハブ(102)は、尖った遠位端を有する傾斜した部分を備えてもよく、この尖った遠位端は、これが組織に押圧される場合、組織を貫通するように構成されてもよい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、ハブ(102)の1つ以上の部分は、組織に対してハブ(102)を固定することを補助し得る、1つ以上のフックまたはバーブを備えてもよい。他のバリエーションでは、このハブ(102)は、傾斜した部分を備えなくてもよい。例えば、いくつかのバリエーションでは、円柱状部分(114)は、ハブ(102)の近位端からハブ(102)の遠位端まで伸展してもよい。
【0015】
さらに、ハブ(102)は、図2A図2Fでは、環状の断面形状を有すると示されているが、ハブ(102)は、任意の適切な断面形状(例えば、円、楕円、長方形、多角形、三角など)を有してもよいことが理解されるべきである。ハブ(102)が円柱状部分(114)とドーム状部分(116)とを備える場合、その円柱状部分(114)およびドーム状部分(116)は、同じ断面形状を有してもよいし、または異なる断面形状を有してもよい。いくつかのバリエーションでは、ハブ(102)の1つ以上の部分は、中空であってもよい。例えば、図2A図2Fに示されるハブ(102)のバリエーションでは、各々の円柱状部分(114)およびドーム状部分(116)が中空であってもよい。開口部(112)が、ハブ(102)の中空部分を通じて伸展する場合、その開口部(112)は、そのハブ(102)の中空内側で隔てられ得る第一の部分と第二の部分とを備えてもよい。例えば、図2Eで断面の側面図で示すとおり、開口部(112)は、ハブ(102)の中空内側(113)の第一の側にハブ(102)を通じて伸展する第一の開口部セグメント(112a)と、その中空内側(113)の第二の側にハブ(102)を通じて伸展する第二の開口部セグメント(112b)とを備えてもよく、その結果、その第一および第二の開口部セグメントは、ハブ(102)の中空内側(113)によって隔てられる。従って、この第一の開口部セグメント(112a)および第二の開口部セグメント(112b)は、下にさらに詳細に考察されるように、インプラントの組み立てを補助し得る、ハブ(102)を通じた開口経路を提供し得る。
【0016】
一般的には、インプラントの複数の脚部(103)は、ハブ(102)に結合されている複数のフィラメント(104)から形成されてもよい。図2Dは、本明細書に記載されるインプラント(100)での使用に適切なフィラメント(104)のバリエーションの側面図を示す。そこに示すとおり、フィラメント(104)は、第一の直線状セグメント(106)、第二の直線状セグメント(108)、および第一の直線状セグメント(106)と第二の直線状セグメント(108)との間に配置される湾曲したセグメント(110)を備えてもよい。いくつかの場合には、この第一の直線状セグメント(106)は、この湾曲したセグメント(110)の第一端(117)に接続されてもよく、この第二の直線状セグメント(108)は、この湾曲したセグメント(110)の第二端(119)に接続されてもよいが、フィラメントは、この第一のまたは第二のいずれかの直線状セグメントと湾曲したセグメント(110)との間に位置する1つ以上の追加の直線状または湾曲したセグメントを備えてもよいことが理解されるべきである。いくつかの場合には、この第一の直線状セグメント(106)は、湾曲したセグメント(110)の第一端(117)でこの湾曲したセグメント(110)の接線(120)に対してある角度(θ1)でこの湾曲したセグメント(110)から伸展してもよい。同様に、この第二の直線状セグメント(108)は、この湾曲したセグメント(110)の第二端(119)でこの湾曲したセグメント(110)の接線(122)に対してある角度(θ2)でこの湾曲したセグメント(110)から伸展してもよい。この角度(θ1)および(θ2)は、同じであっても、または異なってもよく、任意の適切な値(例えば、約10度〜約60度、約15度〜約45度、10度未満など)であってもよい。いくつかの場合には、この第一の(106)および/または第二の(108)直線状セグメントが、それぞれ、接線(120)および(122)に対して並行に伸展し得るように、角度(θ1)および(θ2)の一方または両方は、約0度であってもよい。
【0017】
ハブ(102)にフィラメント(104)を結合するために、各々のフィラメント(104)を、それぞれの開口部(112)を通じて前進させて、フィラメント(104)の一部がハブ(102)を通って伸展するように配置してもよい。例えば、図2Eおよび図2Fは、ハブ(102)の開口部(112)を通じて配置されたフィラメント(104)を有するインプラント(100)の断面の側面図を示す(図示の目的のために、1つだけフィラメント(104)をそこに示す)。この開口部(112)が、ハブ(102)の中空内側(113)によって隔てられる第一の開口部セグメント(112a)と第二の開口部セグメント(112b)とを備える場合(図2Eおよび図2Fに示されるとおり)、フィラメント(104)は、そのフィラメント(104)の一部が第一の開口部セグメント(112a)、第二の開口部セグメント(112b)、および中空内側(113)の各々を通じて伸展するように配置されてもよい。
【0018】
フィラメント(104)は、フィラメントの任意の適切な部分がハブ(102)を通じて伸展するように配置されてもよい。例えば、図2Eおよび図2Fに示されるバリエーションでは、フィラメント(104)は、湾曲したセグメント(110)が開口部(112)に配置され、かつハブ(102)を通って伸展するように配置されてもよい。これらのバリエーションでは、湾曲したセグメント(110)を、ハブ(102)を通って伸展させるように配置して、ハブ(102)の第一の側にフィラメント(104)の第一の直線状セグメント(106)、およびハブ(102)の反対側に第二の直線状セグメント(108)を配置してもよい。従って、フィラメント(104)を図2Eおよび図2Fに示されるように配置する場合、フィラメント(104)は、2つの脚部、具体的には、ハブ(102)の第一の側にフィラメント(104)の一部によって規定された第一の脚部(103a)(例えば、湾曲したセグメント(110)および第一の直線状セグメント(106)の一部)、およびハブ(102)のもう一方の側にフィラメント(104)の一部によって規定された第二の脚部(103b)(例えば、湾曲したセグメントおよび第二の直線状セグメント(108)の一部)を規定してもよい。各々の脚部は、遠位端(例えば、ここでこの脚部は、ハブ(102)を連結する)および近位端(例えば、インプラント(100)の近位端で)を有してもよい。ハブ(102)を通じて配置されるフィラメント(104)では、第一の(103a)および第二の(103b)脚部は、ハブに対して回転されて、薄型の形状(図2Eに示される)と拡張型の形状(2Fに示される)との間で脚部を動かし得る。いくつかのバリエーションでは、上記で言及されるとおり、フィラメント(104)は、拡張型の形状に向かって付勢されてもよく、この付勢によって、インプラント(100)は、そのインプラントを薄型の形状で保持する力が除かれる場合、自己拡張させられ得る。
【0019】
インプラント(100)は、多数のフィラメント(104)を備えてもよい。フィラメント(104)が、ハブ(102)を通って伸展するように配置される場合、今度はフィラメント(104)は、2倍の脚部(103)と定義し得る。例えば、いくつかのバリエーションでは、インプラント(100)は、2つのフィラメント(104)を備えてもよく、このフィラメントは、このフィラメント(104)がハブ(102)を通じて伸展されるように配置される場合、4つの脚部(103)を規定し得る。他のバリエーションでは、インプラント(100)は、3つのフィラメント(104)を備えてもよく、このフィラメントは、このフィラメント(104)がハブ(102)を通じて伸展されるように配置される場合、6つの脚部(103)を規定し得る。図2Aおよび図2Bに示されるバリエーションのような、さらに他のバリエーションでは、インプラント(100)は、4つのフィラメント(104)を備えてもよく、このフィラメントは、このフィラメント(104)がハブ(102)を通じて伸展されるように配置される場合、8つの脚部(103)を規定し得る。さらに、開口部(112)は、各々のフィラメント(104)がそれぞれの開口部(112)中に配置される場合、複数のフィラメント(104)が異なる回転方向を有するように配置されてもよい。例えば、開口部(112)は、フィラメント(104)がインプラントの縦軸の周囲に均一の空間であるようにハブ(102)中に配置されてもよい。例えば、フィラメントが4つのフィラメント(104)を備えるバリエーションでは、フィラメント(104)は(例えば、インプラントの頂部から脚部を見ている場合)、各々の脚部(103)の間に45度の角度があるように、隣接するフィラメント(104)の間に45度の回転があるように、配置されてもよい。
【0020】
一般的には、インプラント(100)の各々の脚部(103)は、脚部の近位端と遠位端との間で任意の適切な長さを有してもよい。いくつかのバリエーションでは、全ての脚部(103)が同じ長さを有してもよい。この長さは、任意の適切な値、例えば、約15mm〜約30mmであってもよい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、各々の脚部(103)は、約20mm〜約25mmの長さを有してもよい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、各々の脚部(103)は、約20mmの長さを有してもよい。これらのバリエーションのうち他では、各々の脚部(103)は約25mmの長さを有してもよい。他のバリエーションでは、インプラントの異なる脚部(103)は、それぞれの脚部の近位端と遠位端との間で種々の長さを有してもよい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、このインプラントは、第一の複数の脚部の各々の脚部の近位端と遠位端との間の第一の長さを有する第一の複数の脚部と、第二の複数の脚部の各々の脚部の近位端と遠位端との間の第二の長さを有する第二の複数の脚部とを備えてもよく、ここでこの第二の長さは、第一の長さよりも長い。例えば、いくつかのバリエーションでは、この第一の長さは、約20mmであってもよく、この第二の長さは、約25mmであってもよい。インプラント(100)が、第一の長さを有する第一の複数の脚部と、第二の長さを有する第二の複数の脚部とを備えるいくつかのバリエーションでは、この第一および第二の複数の脚部は、回転方向であって、その結果、インプラントの脚部(103)は、第一の複数の脚部と第二の複数の脚部の脚部との間で交互になる(例えば、第一の複数の脚部の各々の脚部は、第二の複数の脚部のうち2つの脚部の間に回転して配置されてもよい)。第一の複数の脚部の脚部の数は、第二の複数の脚部の脚部の数に等しくてもよいが、この第一の複数の脚部は、第二の複数の脚部よりも多くの脚部を有してもよいし、または第二の複数の脚部よりも少ない脚部を有してもよいことが理解されるべきである。
【0021】
一般的には、フィラメント(104)は、任意の適切な断面形状を有してもよい。例えば、図2A図2F示されるバリエーションでは、フィラメント(104)は、長方形の断面形状を有してもよい。他のバリエーションでは、このフィラメント(104)は、卵形の断面形状を有してもよい。さらに他のバリエーションでは、フィラメント(104)は、環状の断面形状を有してもよい。開口部(112)はまた、任意の適切な形状(例えば、長方形、卵形、円形など)を有してもよい。いくつかのバリエーションでは、フィラメント(104)の断面形状は、フィラメント(104)が配置される開口部(112)の形状に適合し得る。例えば、図2A図2Fに示されるバリエーションでは、開口部(112)は、フィラメント(104)の長方形の断面形状に相当する長方形の形状を有してもよい。いくつかのバリエーションでは、フィラメント(104)および開口部(112)を、それらが、環状でない形状を有するように、構成することが所望され得る。これらのバリエーションでは、このフィラメント(104)および開口部(112)の円形でない性質によって、フィラメント(104)と開口部(112)との間の回転は低減されるか、または防止され得る。さらに、インプラント(100)は、複数のフィラメント(104)をそれらのそれぞれの開口部(112)に対して固定するように構成されてもよい。例えば、いくつかのバリエーションでは、フィラメント(104)は、ハブ(102)に対して結合されても(例えば、1つ以上の接着剤または熱結合を介して)、溶接されても(例えば、超音波溶接を介して)、またはハブ(102)に圧入されてもよい。
【0022】
上記のインプラント(100)は、任意の適切な方法で形成されてもよい。一般的には、インプラントを形成することは、ハブであって、それを通じて伸展する複数の開口部を備えるハブを形成することと、複数のフィラメントを形成することと、各々のフィラメントをそれぞれの開口部を通じて前進させることとを包含してもよく、その結果、そのフィラメントの一部は、ハブを通じて伸展する。そのハブおよびフィラメントは、任意の適切な方法(例えば、押出、射出成型、ブロー成形、真空形成、鋳造など)で形成してもよいし、そのハブおよびフィラメントは、同じ処理技術を用いて形成しても、または異なる処理技術を用いて形成してもよい。いくつかのバリエーションでは、複数のフィラメントを形成することは、複数のポリマーフィラメントを押出成形することを包含し得る。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、ハブを形成することは、射出成型を用いてハブを形成することを包含し得る。これらのバリエーションのうち他では、ハブを形成することは、ハブを押出成形することを包含し得る。これらのバリエーションのうち他では、このハブは、レーザー切断チューブから形成されてもよい。
【0023】
さらに、いくつかのバリエーションでは、複数のフィラメントを形成することは、このフィラメントが、上記のような、1つ以上の直線状および/または湾曲したセグメントを備えるように、各々のフィラメントを形成することを包含してもよい。例えば、これらのバリエーションのいくつかでは、そのフィラメントが第一の直線状部分、第二の直線状部分、およびこの第一の直線状部分と第二の直線状部分との間の湾曲したセグメントを有するように、そのフィラメントのいくつかまたは全てが、形成されてもよい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、ハブ中のそれぞれの開口部を通じて各々のフィラメントを前進させることは、湾曲したセグメントがそのハブを通じて伸展するように、その開口部中にフィラメントを配置することを包含し得る。いくつかのバリエーションでは、一旦、フィラメントがハブを通って前進されれば、そのフィラメントは、ハブに対してフィラメントがスライドすることを防ぐためにそのハブに対して固定されてもよい。これは、例えば、ハブに対してフィラメントを結合すること(例えば、熱結合、接着結合)、または溶接すること(例えば、超音波溶接)によって行われてもよい。
【0024】
一般的には、インプラントは、任意の適切な材料から形成されても、または材料の組み合わせから形成されてもよい。いくつかのバリエーションでは、ハブおよび/またはフィラメントは、生分解性、生体内分解性、またはそれ以外の浸食性の1つ以上の材料から形成されてもよい。いくつかのバリエーションでは、複数のフィラメントは、生分解性であってもよいが、ハブは、生分解性でなくてもよい(逆もまた同様)。他のバリエーションでは、ハブおよびフィラメントの両方とも生分解性であってもよい。さらに他のバリエーションでは、ハブもフィラメントも生分解性でなくてもよい。いくつかの場合にはこのハブおよび複数のフィラメントは、同じ材料(単数または複数)から形成されてもよいが、他のバリエーションでは、そのハブは、複数のフィラメントの材料(単数または複数)とは異なる材料(単数または複数)から形成されてもよい。
【0025】
いくつかのバリエーションでは、このハブおよび/または複数のフィラメントは、1つ以上のポリマーから形成されてもよい。このハブおよび複数のフィラメントの両方が1つ以上のポリマーから形成される場合、このハブは、このフィラメントと同じポリマー(単数または複数)から形成されてもよく、またはこのフィラメントとは異なるポリマーから形成されてもよい。このポリマーは、生分解性であってもよいが、そうである必要はない。本明細書に記載されるインプラントとの使用に適切であり得る生分解性ポリマーの例としては限定するものではないが、アルギン酸塩、セルロースおよびエステル、デキストラン、エラスチン、フィブリン、ヒアルロン酸、ポリアセタール類、ポリアリレート(L−チロシン−由来または遊離の酸)、ポリ(α−ヒドロキシ−エステル類)、ポリ(β−ヒドロキシ−エステル類)、ポリアミド類、ポリ(アミノ酸)、ポリアルカノエート類、ポリアルキレンアルキレート類、ポリアルキレンオキシレート類、ポリアルキレンスクシナート類、ポリ無水物類、ポリ無水物エステル類、ポリアスパラギン酸(polyaspartimic acid)、ポリブチレンジグリコレート、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(カプロラクトン)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー類、ポリ(カーボネート)、L−チロシン−由来ポリカーボネート類、ポリシアノアクリレート類、ポリジヒドロピラン類、ポリ(ジオキサノン)、ポリ−p−ジオキサノン、ポリ(イプシロン−カプロラクトン)、ポリ(イプシロン−カプロラクトン−ジメチルトリメチレンカーボネート)、ポリ(エステルアミド)、ポリ(エステル類)、脂肪族ポリエステル類、ポリ(エーテルエステル)、ポリ(エチレングリコール)/ポリ(オルトエステル)コポリマー類、ポリ(グルタル酸(glutarunic acid))、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド)、ポリ(グリコリド)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー類、ポリ(グリコリド−トリメチレンカーボネート)、ポリ(ヒドロキシアルカノエート類)、ポリ(ヒドロキシ酪酸塩)、ポリ(ヒドロキシ酪酸塩−コ−吉草酸塩)、ポリ(イミノカーボネート類)、ポリケタール類、ポリ(乳酸)、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー類、ポリ(ラクチド)、ポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、ポリ(DL−ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー類、ポリ(ラクチド)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー類、ポリ(ラクチド)/ポリ(グリコリド)コポリマー類、ポリオルトエステル類、ポリ(オキシエチレン)/ポリ(オキシプロピレン)コポリマー類、ポリペプチド類、ポリホスファゼン類、ポリホスホエステル類、ポリホスホエステルウレタン類、ポリ(プロピレンフマレート−コ−エチレングリコール)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリチロシンカーボネート、ポリウレタン、PorLastinまたはシルク−エラスチン(ealastin)ポリマー類、クモの糸、テファフレックス(tephaflex)、ターポリマー(グリコリド、ラクチドまたはジメチルトリメチレンカーボネートのコポリマー類)、およびそれらの組み合わせ、混合物またはコポリマーが挙げられる。本明細書に記載される方法およびデバイスでの使用に適切な非生分解性ポリマー類の例としては、限定するものではないが、ポリ(エチレン酢酸ビニル)、ポリ(酢酸ビニル)、シリコーンポリマー類、ポリウレタン類、多糖類、例えば、セルロース系ポリマー類およびセルロース誘導体、アシル置換酢酸セルロース類およびそれらの誘導体、ポリ(エチレングリコール)およびポリ(ブチレンテレフタラート)、ポリスチレン類、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ(ビニルイミダゾール)、クロロスルホン化ポリオレフィン類、ポリエチレンオキシド、ならびにそれらのコポリマー類および混合物が挙げられる。インプラントがポリ(乳酸−コ−グリコール酸)を含むバリエーションでは、ラクチドのモルパーセントまたはグリコリドのモルパーセントは、任意の適切な量、例えば、約0%〜約100%、約30%〜約100%、約50%〜約100%、約70%〜約100%、約0%〜約70%、約30%〜約70%、約50%〜約70%、約0%〜約50%、約30%〜約50%、約0%〜約50%、などであってもよい。いくつかのバリエーションでは、ラクチド対グリコリドのモル比は、約10:90、約85:15、約15:85、などである。インプラントがポリ(乳酸−コ−グリコール酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマーを含むバリエーションでは、コポリマーは、任意の適切な量のポリ(乳酸−コ−グリコール酸)およびポリ(エチレングリコール)を含んでもよい。例えば、いくつかのバリエーションでは、コポリマーは、約90%のポリ(乳酸−コ−グリコール酸)および約10%のポリ(エチレングリコール)を含んでもよい。ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)は、上記のように、ラクチドおよびグリコリドの任意の適切なモル百分率を有してもよいことがさらに理解されるべきである。他の適切な材料の例は、2010年5月13日出願で、「拡張可能型装置およびその方法(Expandable Devices and Methods Therefor)」というタイトルの米国特許出願第12/779、240号(全体が参照によって本明細書に援用される)に見出し得る。
【0026】
いくつかのバリエーションでは、インプラントは、それから1つ以上の薬物を放出するように構成されてもよい。このインプラントは、任意の適切な薬物または薬剤、例えば、参照によって以前に援用された、米国特許出願第12/779,240号に記載のものを放出するように構成されてもよい。例えば、いくつかのバリエーションでは、このインプラントは、フランカルボン酸モメタゾン(mometasone furoate)のような1つ以上のステロイド類を放出するように構成されてもよい。このインプラントは、1つ以上の薬物を任意の適切な方式で放出するように構成されてもよい。いくつかのバリエーションでは、このインプラントは、1つ以上の薬物放出性コーティング、例えば、参照によって以前に援用された米国特許出願第12/779,240号に記載されるものを含んでもよい。他のバリエーションでは、このハブおよび/または1つ以上のフィラメントは、それから1つ以上の薬物を溶出するか、そうでなければ放出するように構成されてもよい。薬物の選択、送達のタイミング、および放出される薬物(単数または複数)の全体的な量は、意図する処置計画によって決定されてもよく、さらに個々の患者の特定の必要性を満たすようにさらに微調整されてもよい。
【0027】
本明細書に記載されるインプラントは、例えば、図1に示される送達デバイス(200)のような任意の適切な送達デバイスを用いて送達されてもよい。ここで示すとおり、送達デバイス(200)は、ハンドル(202)、内部シャフト(204)、および外側シース(206)を備えてもよい。図3Aおよび図3Bは、送達デバイス(200)の遠位部の側面図を示す。そこに示すとおり、内部シャフト(204)は、ボール先端部(207)および内部シャフト(204)の一部をカバーする係合スリーブ(208)を備えてもよい。外側シース(206)は、下に詳細に記載される、遠位カップ(210)を備えてもよい。
【0028】
一般的には、内部シャフト(204)は、少なくとも部分的に外側シース(206)内に位置してもよく、そして内部シャフト(204)は、外側シース(206)に対して移動可能であってもよい。ハンドル(202)は、内部シャフト(204)を外側シース(206)に対して動かすように構成されてもよい。例えば、図1に示される送達デバイス(100)のバリエーションでは、ハンドル(202)は、1つ以上の近位のグリップ(212)および1つ以上の遠位のグリップ(214)を備えてもよい。近位のグリップ(212)は、遠位グリップ(214)に対して移動可能であって、内部シャフト(204)を外側シース(206)に対して動かしてもよい。例えば、ハンドル(202)は、遠位グリップ(214)への近位のグリップ(212)の前進が、外側シース(206)に対して内部シャフト(204)を前進させ(図3Aに示されるとおり)かつ遠位グリップ(214)から離れる近位のグリップ(212)の引き戻しが、外側シース(206)に対して内部シャフト(204)を引き戻すように構成されてもよい(図3Bに示すとおり)。
【0029】
送達デバイス(200)にインプラント(例えば、図1に示されるインプラント(100))をロードするために、内部シャフト(204)を外側シース(206)に対して前進させてもよく(図3Aに示されるとおり)、かつ内部シャフト(204)の先端部を、インプラント(100)のハブ(102)中に、それに対して、またはその付近に配置してもよい。インプラントの脚部(103)は、内部シャフト(204)の周囲で薄型の形状(例えば、下にさらに詳細に記載されるとおり、圧着デバイスを用いる)に動かされてもよい。薄型の形状のインプラント(100)の脚部(103)では、外側シース(206)は、内部シャフト(204)に対して前進されて、インプラントの脚部(103)の一部をカバーする遠位カップ(210)を前進してもよい。遠位カップ(210)は、インプラント(100)の送達まで脚部(103)を薄型の形状で保持し得る。インプラント(100)を送達するために、外側シース(206)を、内部シャフト(204)に対して引き戻して、次には脚部(103)を露出し得る、遠位カップ(210)を引き戻してもよい。露出された場合、脚部(103)は、イプラント(100)を拡張してもよいし、または送達するために拡張されてもよい。送達デバイス(200)のロードおよびインプラント(100)の送達は、下にさらに詳細に記載される。
【0030】
内部シャフト(204)を図3Aおよび図3Bにはボール先端部(207)および係合スリーブ(208)を有すると示しているが、いくつかのバリエーションでは、送達デバイス(200)は、これらの機構のうちの1つだけを備えてもよいし(例えば、ボール先端部(207)または係合スリーブ(208)のいずれか)、またはこれらの機構のいずれも含まなくてもよいことが理解されるべきである。送達デバイス(200)がボール先端部(207)を備えるバリエーションでは、ボール先端部(207)は、インプラントと送達デバイス(200)との係合を容易にし得る。具体的には、内部シャフト(204)を用いて、インプラントのハブに対して押圧する場合(例えば、下にさらに詳細に考察されるように、本明細書に記載される圧着デバイスのうちの1つを用いてインプラントを圧着するため)、ボール先端部(207)の丸められた性質によって、ボール先端部(207)は、少なくとも部分的にハブの中空部分中にスライドされてもよく、これが、インプラントのハブに対してボール先端部(207)を中心にするかそうでなければ位置させるように機能し得る。
【0031】
内部シャフト(204)が係合スリーブ(208)を備える、本明細書に記載の送達デバイス(200)のバリエーションでは、係合スリーブ(208)は、内部シャフト(204)と、インプラント(100)の1つ以上の脚部(103)との間を把持するか、そうでなければ摩擦力を増大するように構成されてもよい。具体的には、インプラントの脚部(103)が、内部シャフト(204)の周囲で薄型の形状まで動かされる場合、脚部(103)の1つ以上の部分(例えば、その脚部の直線状セグメント)は、係合スリーブ(208)と接触し得る。いくつかのバリエーションでは、係合スリーブ(208)は、脚部(103)と係合スリーブ(208)との間の接触が、一時的に係合スリーブ(208)中でくぼみを形成し、これが脚部(103)を係合スリーブ(208)に対して保持することを補助し得るように可塑性の材料(例えば、発泡体、シリコーンなど)を備えてもよい。さらに、または代わりに、係合スリーブ(208)は、粗面化されても、パターン化されても、そうでなければ内部シャフト(204)よりも高い摩擦効率を有してもよく、これによってこの脚部(103)が係合スリーブ(208)(したがって、送達デバイス(200))に対してスリップする能力を低減してもよい。本明細書に記載されるインプラントは、参照によって以前に援用された、米国特許出願第12/779,240に記載されるもののような、任意の適切なインプラントを用いて送達されてもよいことが理解されるべきである。
【0032】
また本明細書に記載されるのは、拡張可能なデバイスを圧着するためのデバイスである。一般には、本明細書に記載される圧着デバイスは、複数の脚部を有しているインプラントを圧着するために構成されてもよい。圧着デバイスは、図1および図2A図2Fに関して上記されたインプラント(100)を圧着するために用いられていると本明細書に記載されているが、参照によって以前に援用された、米国特許出願第12/779,240号に記載されるもののような、圧着デバイスを任意に用いて、任意の適切な多脚のインプラントを圧着してもよい。
【0033】
図1を振り返れば、圧着デバイス(300)は、ハウジング(302)と圧着部材(304)とを備えてもよい。一般的には、ハウジング(302)は、外側ハウジング(306)および内側ハウジング(308)を備えてもよい。外側ハウジング(306)は、ユーザーによって保持されるようにサイズ決めされて成形されてもよく、内側ハウジング(308)は、下にさらに詳細に考察されるように、圧着部材(304)と相互作用して、インプラントを薄型の形状に圧着するように構成されてもよい。内側ハウジング(308)および外側ハウジング(306)は、単一の部材として形成されてもよいし、または別々に形成されて、一緒に連結されてもよい。このハウジングの構成要素は、任意の適切な材料、例えば、1つ以上の金属(例えば、ステンレス鋼)、プラスチック(例えば、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリプロピレンなど)、それらの組み合わせなどから形成されてもよい。
【0034】
上述のとおり、圧着部材(304)は、内側ハウジング(308)と相互作用して、インプラントを圧着してもよい。これを例示するために、図4Aおよび図4Bは、内側ハウジング(308)および圧着部材(304)のそれぞれ、分解斜視図および断面の側面図を示す(外側ハウジング(306)は、図4A図Fには示されていない)。そこに示すとおり、圧着部材(304)は、ステム部分(310)と、そのステム部分(310)から半径方向に伸展している複数のアーム(312)とを備えてもよい。各々のアーム(312)は、アーム(312)が圧着部材(304)の縦軸(316)へまたはそれから離れて回転されるように、ジョイント(314)でステム部分(310)と回転可能に接続されてもよい。ステム部分(310)に対してアーム(312)を回転させるために、圧着部材(304)は、内側ハウジング(308)の凹部(320)内に引き戻されてもよい。
【0035】
具体的には、凹部(320)は、中央の凹部(322)と、この中央の凹部(322)から半径方向に伸展している複数のチャネル(324)とを備えてもよい。圧着部材(304)は、少なくとも部分的に凹部(320)に配置されて、ステム部分(310)を少なくとも部分的に中央の凹部(322)内に配置させてもよく、および開口形状(図4Cに示されるとおり)と圧着形状(図4Dに示すとおり)との間で移動されてもよい。一般的には、ステム部分(310)の中心と各々のアーム(312)の遠位端との間の長さは、中央の凹部(322)の中心から各々のチャネル(324)の外側端(326)までの距離よりも大きくてもよい。圧着部材が開口形状中に配置される場合、各々のアーム(312)は、対応するチャネル(324)中に配置されてもよく、その結果、各々のアーム(312)の遠位端は、対応するチャネル(324)の外側端(326)を超えて伸展する。圧着部材(304)を圧着形状に対して動かすために、ステム部分(310)を押しても、引いても、そうでなければさらに中央の凹部(322)中に移動してもよい(例えば、中央の凹部(322)の底部表面(328)に向かって)。ステム部分(310)が底部表面(328)に向かって動かされるにつれて、圧着部材の各々のアーム(312)は、引っ張られて対応するチャネル(324)の外側端(326)と接触されてもよく、およびこの外側端(326)は、ステム部分(310)に対して各々のアーム(312)を回転する支点として機能してもよい。これは、各々のアーム(312)を、圧着部材(304)の縦軸(316)に向かって回転し得る。さらに、アーム(312)がステム部分(310)に対して回転するにつれて、このアームは、図4Dに示されるように、それらのそれぞれのチャネル(324)中に少なくとも部分的に引き込まれて、圧着部材(304)を圧着位置に配置し得る。アーム(312)の回転の間に、アーム(312)は、下にさらに詳細に記載されるように、インプラントの脚部を係合して移動させて、そのインプラントを薄型の形状に圧着し得る。圧着部材(304)を開口形状に戻すために(図4Cに示すとおり)、ステム部分(310)を、アーム(312)を少なくとも部分的にチャネル(324)の外に前進し得る、中央の凹部(322)の底部表面(328)から遠くに動かしてもよい。アーム(312)がチャネル(324)を出るにつれて、それらは、圧着部材(304)の縦軸(316)から離れて回転するように構成され得る。
【0036】
いくつかのバリエーションでは、圧着デバイス(300)は、圧着部材(304)のステム部分(310)と、中央の凹部(322)の底部表面(328)との間に配置されたバネ(330)を備えてもよい。このバネ(330)は、図4Cに示される開口形状にむかって圧着部材(304)を付勢し得る。圧着部材(304)が凹部(320)中に移動されて、インプラントを圧着するにつれて、この圧着部材(304)は、バネ(330)に対して押圧する場合もあり、およびバネ(330)を圧縮する場合もある。圧着部材(304)を凹部(320)に移動させた力(単数または複数)が除かれた場合、そのバネは、減圧されて、圧着部材(304)を開口形状に戻す場合がある。
【0037】
いくつかのバリエーションでは、圧着デバイス(300)は、圧着部材(304)が内側ハウジング(308)の凹部(320)から完全に開放されない場合があるように構成されてもよい。例えば、いくつかのバリエーションでは(図4Bに示す)、圧着部材(304)は、1つ以上のラッチ(332)を備えてもよく、これは、圧着部材(304)が圧着形状から開口形状に移動される場合、内側ハウジング(308)の一部を捕まえるか、そうでなければ係合するように構成されてもよい。このラッチ(332)と内側ハウジングとの間のこの係合は、内側ハウジング(308)から離れる圧着部材(304)のさらなる動きを妨げ得る。他のバリエーションでは、圧着部材(304)は、中央の凹部(322)の底部表面(328)中の開口(334)を通じて伸展するピン(示さず)を備えてもよい。このピンは、底部表面(328)に対してスライド可能であってもよいし、および圧着部材(304)の残りとして底部表面(328)の反対側の下に位置する止め具(例えば、開口(334)の直径よりも大きい直径を有する、それに結合されたピンまたは部材の一部)を備えてもよい。圧着部材(304)が、圧着形状から開口形状まで動かされるとき、その止め具は、開口(334)を通過することを妨げられる場合があり、および凹部(320)から離れる圧着部材(304)のさらなる動きを妨げる場合もある。
【0038】
アーム(312)は、ステム部分(310)に対して任意の適切な方法で回転するように構成されてもよい。いくつかのバリエーションでは、ジョイント(314)は、ステム部分(310)に対してアーム(312)を接続するピンジョイントを備えてもよい。他のバリエーションでは、アーム(312)は、アームの一部の変形を介して回転するように構成されてもよい。例えば、図4A図4Fに示されるバリエーションなどのいくつかのバリエーションでは、ジョイント(314)は、リビングヒンジを備えてもよい。これらのバリエーションでは、ステム部分(310)に対してアーム(312)を接続するリビングヒンジの材料は、圧着部材(304)の縦軸(316)から離れて付勢されてもよく、その結果、圧着部材(304)が圧着形状から開口形状へ移動されるとき、アーム(302)は、圧着部材(304)の縦軸(316)から離れて回転するように構成されてもよい。さらに、または代わりに、このアーム(312)は、圧着部材(304)が圧着形状から開口形状へ動かされるにつれて、圧着部材(314)の縦軸(316)から離れてアーム(312)を回転するように構成された1つ以上のバネ部材(示さず)を備えてもよい。
【0039】
インプラントの各々の脚部は、圧着部材(304)のそれぞれのアーム(312)によって係合されてもよく、その結果、圧着部材(304)の縦軸(316)に向かうアーム(312)の回転はまた、インプラントの脚部を薄型の形状に対して回転し得る。インプラントの脚部を係合するために、圧着部材(304)のアーム(312)は、1つ以上のホルダー(317)を備えてもよい。一般的には、ホルダー(317)は、対応するアーム(312)から伸展してもよく、インプラントの脚部の一部を受容するようにサイズ決めされ、かつ構成されたチャネル(318)を備えてもよい。このインプラントが最初に圧着部材(304)に対して配置されている場合、各々の脚部は、対応するアーム(312)の1つ以上のホルダー(317)のチャネル(318)中に配置されてもよい。1つ以上のホルダー(317)のチャネル(318)中に配置される場合、各々の脚部は、対応するアーム(312)とともに動かされ得る。なぜならそのアーム(312)は、ステム部分(310)に対して回転するからである。圧着部材(304)の各々のアーム(312)は、任意の適切な数のホルダー(例えば、1、2、3、または4つ以上のホルダー)を備えてもよい。例えば、このアーム(312)は、図4Aには、各々が3つのホルダー(317)を有していると示しており、および図4B図4Fには、各々が2つのホルダー(317)を有していると示している。他のバリエーションでは、アーム(312)は、なんらホルダー(317)を備えなくてもよい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、このアームは、アーム(312)の長さの一部にそって伸展するチャネルを備えてもよく、そのチャネルは、前に考察されたようにアーム自体がホルダーとして機能することを可能にし得る、インプラントの脚部の一部を受容するようにサイズ決めされ、かつ構成されてもよい。
【0040】
いくつかのバリエーションでは、圧着部材(304)の1つ以上のアーム(312)の高さは、そのアームの長さにそって変化し得る。例えば、図4A図4Fに示される圧着デバイスのバリエーションでは、アーム(312)は各々が、羽部分(336)を備えてもよく、ここでは、羽の高さは、羽部分(336)の近位端(338)から羽部分(336)の遠位端(340)まで羽部分に沿って増大する。アーム(312)が、内側ハウジング(308)の凹部(320)のチャネル(324)中に引き込まれるとき、羽部分(336)の高さの増大によって、各々のアーム(312)の上面は、ステム部分(310)の縦軸(316)に接近され得る。アーム(312)が1つ以上のホルダー(317)を備えるか、そうでなければインプラントの脚部を係合するように構成されている場合、羽部分(336)の高さの増大によって、アーム(312)が脚部をインプラントの縦軸に接近することが可能になり得、それによってそのインプラントの圧着の程度が増大する。
【0041】
いくつかのバリエーションでは、またステム部分(310)は、インプラントの一部を係合するように構成された1つ以上の構造を備えてもよい。例えば、図4E図4Fに示される圧着デバイス(300)のバリエーションでは、ステム部分(310)は、インプラントのハブの一部を受容するようにサイズ決めされたくぼみ(319)を備えてもよい。これらのバリエーションでは、インプラントのハブは、そのハブの少なくとも一部が、ステム部分(310)のくぼみ(319)内に残るように配置されてもよい。これによって、圧着部材(304)に対するインプラントの反復可能な配置が可能になり得、そしてまた圧着の間の圧着部材(304)に対するインプラントのシフトまたはスリップを低下してもまたは妨げてもよい。例えば、いくつかのバリエーションでは、くぼみ(319)は、半球状部分を備えてもよい。インプラントのハブがドーム状部分(例えば、上記でさらに詳細に記載される)を備える場合、そのハブのドーム状部分は、くぼみ(319)の半球状部分で中心あってもよく、これが、圧着部材(304)に対してインプラントを整列させることを補助し得る。さらに、いくつかのバリエーション(図4Aおよび4Cに示される)では、ステム部分(310)はさらに、くぼみ(319)から半径方向に伸展する1つ以上のスロット(329)を備えてもよい。各々のスロット(329)は、圧着部材(304)のアーム(312)と整列されてもよく、かつインプラントのハブがくぼみ(329)中に位置する場合、インプラントの脚部の一部を受容するようにサイズ決めされてもよい。従って、脚部がスロット(329)中に少なくとも部分的に配置されている場合、スロット(329)は圧着部材(304)に対するインプラントの回転を防止または制限し得る鍵穴スロットとして機能し得る。図4Aおよび図4Cでは、4つのスロット(329)を有していると示されているが、圧着部材(304)のステム部分(310)は、任意の適切な数のスロット(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、または5つ以上のスロット)を有してもよい。いくつかのバリエーションでは、ステム部分(310)は、少なくとも圧着部材(304)がアーム(312)を有するのと同じくらい多くのスロット(329)を備えてもよい。これらのバリエーションでは、スロット(329)は、圧着部材の各々のアーム(312)と整列されてもよい。ステム部分(310)が、インプラントの1つ以上の部分を受容するように構成されたくぼみおよび/または1つ以上のスロットを備えるいくつかのバリエーションでは、そのくぼみおよび/またはスロットは、インプラントとの圧入を形成して、ステム部分(310)に対してインプラントを一時的に保持するようにサイズ決めおよび構成され得る。これらのバリエーションでは、このインプラントは、ステム部分(310)から離れて引っ張られて(例えば、送達デバイスを用いて)、ステム部分(310)からインプラントを解放し得る。
【0042】
図4Eおよび4Fは、圧着部材(304)を用いて、インプラント(100)(図1および図2A〜2Fに対して上記される)を薄型の形状へ圧着する方式を示す。しかし、圧着デバイスを用いて、上記で考察されるような、任意の適切なデバイスを圧着してもよいことが理解されるべきである。図4Eに示されるとおり、インプラント(100)は、インプラント(100)の各々の脚部(103)が、圧着部材(304)の対応するアーム(312)によって係合されるように配置されてもよい。アーム(312)が1つ以上のホルダー(317)を備えているバリエーションでは、1つ以上の脚部(103)は、対応するアーム(312)の1つ以上のホルダー(317)のチャネル(318)内に配置されてもよい(脚部(103)を係合する所定のアーム(312)のホルダー(317)の数は圧着の間に増大し得ることが理解されるべきである)。さらに、インプラントのハブ(102)は、圧着部材(312)のステム部分(310)を係合するように配置されてもよい。例えば、図4Eに示されるとおり、ハブ(102)の少なくとも一部が、ステム部分(310)中のくぼみ(319)内に配置されてもよい。いくつかの場合には、これは、圧着部材(304)に対してインプラント(100)を配列するように機能し得る。いくつかのバリエーションでは、1つ以上の脚部(102)が、ステム部分(310)の対応するスロット(329)を配置されてもよく、これはさらに、インプラント(100)を圧着部材(304)に対して整列させ得る。いくつかのバリエーションでは、くぼみ(319)および/またはスロット(329)は一時的に、インプラント(100)をステム部分(310)に対して適所に保持し得る。
【0043】
圧着部材(304)の対応するアーム(312)によって係合されるインプラントの各々の脚部(103)では、圧着部材を内側ハウジング(308)の凹部(320)(図4Eおよび図4Fには示されない)に移動して、圧着部材(304)を開口形状から圧着形状まで移動させてもよい。上記で考察されるとおり、これによってアーム(312)が、ジョイント(314)でステム部分(310)の縦軸に向かって回転するようにさせてもよく、圧着部材(304)の脚部(102)とそれぞれのアーム(312)との間の係合によって、図4Fに図示されるとおり、アーム(312)を、脚部(102)が薄型の形状に向かって回転するようにさせてもよい。圧着されたインプラント(100)はまた、下にさらに詳細に記載されるように、送達デバイスに連結されて、身体に送達されてもよい。
【0044】
いくつかのバリエーションでは、送達デバイスは、圧着デバイスの操作を補助し得る。例えば、図4Eおよび図4Fは、図1図3A、および図3Bに関して上記される送達デバイス(200)を圧着デバイス(300)とともに用いて、インプラント(100)を圧着する方法を示す。圧着デバイス(300)は任意の適切な送達デバイスと組み合わされて用いられてもよいし、または送達デバイスとは独立して操作されてもよいことが認識されるべきである。図4Eに対して上記されるように、圧着部材(304)が開口形状に位置され、圧着部材(304)のそれぞれのアーム(312)によって、インプラントの各々の脚部(103)が係合されるようにインプラント(100)が配置される場合、送達デバイス(200)は、インプラント(100)の一部を係合するように構成されてもよい。具体的には、図4Eに示されるとおり、内部シャフト(204)の遠位先端部(例えば、ボール先端部(207))を、インプラント(100)のハブ(102)と接触して配置して、ハブ(102)を圧着部材(304)のステム部分(310)に対して押圧してもよい。ハブ(102)が少なくとも部分的に中空である場合、内部シャフト(204)の先端部の少なくとも一部が、ハブ(102)の中空内側に少なくとも部分的に伸展し得る。ハブ(102)の一部が、ステム部分(310)のくぼみ(319)内に配置される場合、内部シャフト(204)によってハブ(102)に加えられる力は、くぼみ(319)に対してハブ(102)を保持することを補助し得る。これによって、インプラント(100)が、圧着の間に、圧着部材(304)に対してシフトする確率が低下され得る。
【0045】
ハブ(102)に対して押圧された内部シャフト(204)では、送達デバイス(200)は、圧着部材(304)を、内側ハウジング(308)の凹部(320)中に押圧するように前進させられてもよい。いくつかのバリエーションでは、外側シース(206)および遠位カップ(210)を、凹部(320)への圧着部材(304)の移動の前または間に内部シャフト(204)に対して引っ込められてもよい。圧着部材(304)が、凹部(320)中に押圧されるにつれ、圧着部材(304)は、開口形状から圧着形状まで移動し得、これが上記で考察されるように、脚部(103)をハブ(102)に対して薄型の形状へ回転し得る。脚部(103)の薄型の形状への回転は、脚部(103)を、図4Fに示されるように、送達デバイスの内部シャフト(204)と接触するか、または実質的に平行に配置し得る。いくつかのバリエーションでは、インプラント(100)の脚部(103)は、内部シャフト(204)の係合スリーブ(208)と接触してもよいし、そうでなければ係合してもよい。脚部を薄型の形状に保持する圧着部材(304)のアーム(312)では、送達デバイス(200)の外側スリーブ(206)を、内部シャフト(204)に対して前進させて、遠位カップ(210)を前進させ、脚部(103)の少なくとも一部をカバーしてもよい。これは、送達デバイス(200)の遠位カップ(210)と内部シャフト(204)との間にインプラント(100)の脚部(103)を保持するように機能し得、それによって、送達デバイスに対してインプラント(100)を連結し得る。
【0046】
インプラント(100)に連結された送達デバイス(200)では、次に送達デバイス(200)を、圧着部材(304)に対して引っ込めてもよい。これによって、圧着部材(304)は、開口形状に戻され得(例えば、上記で考察されるようなバネ(330)によって提供される付勢力に起因する)、これが、圧着部材(304)とインプラント(100)との間の係合を解放し得る。次いで、送達デバイス(200)を用いて、そのインプラントを患者の身体内の標的位置まで送達してもよい。インプラント(100)を送達するために、遠位カップ(210)を引っ込めて(例えば、内部シャフト(204)に対して外側シース(206)を引っ込めることによる)、インプラント(100)の脚部(103)を露出してもよい。次いで、インプラント(100)は、患者における組織に対して押圧するか、組織を拡張するか、そうでなければ保持するために、その患者において拡張されてもよい(自己拡張によって、またはバルーンのようなデバイスを介してのいずれかで)。
【0047】
図5A図5Dは、本明細書で記載される圧着デバイス(500)の別のバリエーションを示す。具体的には、図5A図5Dは、圧着デバイス(500)のそれぞれ、斜視図、上面図、側面図および断面の側面図を示す。そこで示されるとおり、圧着デバイスは、ハウジング(502)中の近位開口(512)からハウジング(502)中へ少なくとも部分的に伸展する圧着チャンバ(504)を規定するハウジング(502)を備えてもよい。図5Dに示されるとおり、圧着チャンバ(504)は、第一のセグメント(506)、第二のセグメント(508)、および第三のセグメント(510)を備えてもよい。圧着チャンバ(504)の第一のセグメント(506)は、ハウジング(502)中の近位開口(512)から、この第二のセグメント(508)の近位端まで伸展し得る。この第二のセグメント(508)は、次に、第一のセグメント(506)の遠位端から第三のセグメント(510)の近位端まで伸展してもよく、一方で第三のセグメント(510)は、第二のセグメント(508)の遠位端から圧着チャンバ(504)の遠位端(514)まで伸展し得る。いくつかのバリエーションでは、ハウジング(502)は、圧着チャンバ(504)の遠位端(514)で遠位開口を備えてもよい。
【0048】
ハウジング(502)は、圧着チャンバ(504)中に位置する複数のリブ(516)を備えてもよい。複数のリブ(516)は、圧着チャンバ(504)中で複数のチャネル(518)を規定し得、ここで各々のチャネル(518)は、隣接するリブ(516)の間で規定される。リブ(516)は、圧着チャンバ(504)のセグメントのいくつかまたはすべてを通じて伸展し得る。例えば、図5A図5Dに示されるバリエーションでは、複数のリブ(516)および複数のチャネル(518)は、第一のセグメント(506)、第二のセグメント(508)、および第三のセグメント(510)の各々を通じて伸展してもよい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、複数のリブ(516)および複数のチャネル(518)は、圧着チャンバの近位端からチャンバの遠位端まで伸展してもよい。これらのバリエーションのうち他では、複数のリブ(516)および複数のチャネル(518)は、第一のセグメントおよび/または第三のセグメント(510)を通じてごく部分的に伸展してもよい。例えば、図5A図5Dに示されるバリエーションでは、複数のリブ(516)および複数のチャネル(518)が、第三のセグメント(510)の遠位端から、第二のセグメント(508)にそって、および部分的には第一のセグメント(506)にそって伸展してもよい(例えば、リブ(516)は、ハウジング(502)の近位開口(512)の遠位で終わってもよい)。さらに、または代わりに、リブ(516)およびチャネル(518)は、第三の(510)セグメントの一部のみにそって伸展してもよい。
【0049】
いくつかのバリエーションでは、第一のセグメント(506)、第二のセグメント(508)、および第三のセグメント(510)のうちの1つ以上は、そのセグメントに位置する任意のリブ(516)を有さない場合がある。例えば、いくつかのバリエーションでは、第一のセグメント(506)は、なんらリブ(516)を備えなくてもよい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、ハウジング(502)は、複数のリブ(516)を備えてもよく、これは、第二のセグメント(508)を通じて少なくとも部分的に、および第三のセグメント(510)を通じて少なくとも部分的に伸展してもよい。他のバリエーションでは、この第二のセグメント(508)は、なんらリブ(516)を備えなくてもよい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、この第一のセグメント(506)は、第一の複数のリブ(516)を備えてもよく、そしてこの第三のセグメント(510)は、第二の複数のリブを備えてもよい。いくつかのバリエーションでは、この第一の複数のリブ(516)は、第二の複数のリブ(516)と同じ数のリブ(516)を有してもよく、そしてこれらのバリエーションのいくつかでは、この第一の複数のリブ(516)の各々のリブは、この第二の複数のリブ(516)の対応するリブと整列されてもよい。
【0050】
いくつかの場合には、複数のリブ(516)のうち異なるリブ(516)は、圧着チャンバ(504)の異なるセグメントが、その中に位置する異なる数のリブ(したがって、異なる数のチャネル)を有し得るように、異なるセグメントまたはセグメントの組み合わせを通じて伸展してもよいことが認識されるべきである。例えば、いくつかのバリエーションでは、圧着チャンバ(504)中に位置する複数のリブ(516)は、第一のセグメント、第二のセグメント、および第三のセグメントの各々に少なくとも部分的にそって伸展し得る、第一の複数のリブ(516)と、この第一のセグメントに少なくとも部分的にそって伸展し得る第二の複数のリブ(516)とを備えてもよい。これらのバリエーションでは、この第一のセグメント(506)は、第一の数のリブを備えてもよく、そして第二のセグメント(508)および第三のセグメント(510)は、リブの第一の数未満の第二の数のリブを備えてもよい。
【0051】
一般的には、圧着チャンバ(504)の各々のセグメントは、ある内径とある外径とを有してもよい。一般には、この外径は、圧着チャンバ(504)の最も外側の輪郭に相当してもよいが、その内径は、圧着チャンバ(504)内の閉塞していない空間に相当する圧着チャンバ(504)の輪郭に相当してもよい。ハウジング(502)の壁は、圧着チャンバ(504)の外径を規定し得る。リブ(516)を含まない圧着チャンバ(504)の部分では、内径は、外径に等しくてもよい。ハウジング(502)の壁から内向きに伸展している複数のリブ(516)を含む圧着チャンバの部分では、リブ(516)の先端部は、圧着チャンバ(504)の内径を規定し得る。これらのバリエーションでは、隣接するリブ(516)の間に規定されるチャネル(518)は、内径から外径に伸展し得る。従って、各々のチャネル(518)の深さは、隣接するリブ(516)の高さによって規定され得る。
【0052】
圧着チャンバ(504)の各々のセグメントは、任意の適切な内径および外径を有してもよい。例えば、圧着チャンバ(504)を用いて、薄型の形状と拡張型の形状との間で移動可能な複数の脚部を有するインプラントを圧着する場合(例えば、上記のインプラント100)、第一のセグメント(506)は、インプラントをその拡張型の(例えば、圧着されていない)形状で収容するように構成されてもよい。これらのバリエーションでは、第一のセグメント(506)の少なくとも一部は、インプラントの最大外径以上の外径を有してもよい。例えば、圧着デバイス(500)が、図2A図2Dに対して上記のインプラント(100)のあるバリエーションを圧着するように構成されているバリエーションでは、この第一のセグメント(506)の少なくとも一部は、その脚部(103)の近位端で規定される直径以上の外径を有してもよい。
【0053】
図5A図5Dに示されるような、いくつかのバリエーションでは、第一のセグメント(506)の外径は、第一のセグメント(506)の近位端の第一の直径と、この第一のセグメント(506)の遠位端の第二の直径との間で傾斜されてもよい。例えば、いくつかのバリエーションでは、この第一のセグメント(506)の外径は、第一のセグメント(506)の近位端の約30mmと、第一のセグメント(506)の遠位端の約8mmとの間で傾斜してもよい。本明細書において用いる場合、「約」は±5%を意味する。他のバリエーションでは、第一のセグメント(506)の外径は、第一のセグメント(506)の近位端の約25mmと、第一のセグメント(506)の遠位端の約8mmとの間で傾斜してもよい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、第一のセグメント(506)の内径は、第一のセグメント(506)の近位端と、第一のセグメント(506)の遠位端の間で傾斜してもよい。この第一のセグメント(506)の傾斜している外径は、下にさらに詳細に記載されるように、インプラントの圧着を補助し得る。第一のセグメント(506)全体は、図5A図5Dにおいて、傾斜した外径を有していると示されていることが理解されるべきであるが、いくつかの場合にはこの第一のセグメント(506)の1つ以上の部分が、均一な外径を有し得ることが理解されるべきである。例えば、いくつかのバリエーションでは、この第一のセグメント(506)は、第一の直径と第一の直径よりも小さい第二の直径との間で傾斜する外径を有する遠位部分と、その第一の直径以上であり得る、均一な外径を有する近位部分とを備えてもよい。
【0054】
第一のセグメント(506)が、その第一のセグメント(506)に少なくとも部分的にそって伸展する複数のリブ(516)およびチャネル(518)を備えるバリエーションでは、インプラントの脚部は、そのインプラントが第一のセグメント(506)中に配置される場合、複数のチャネル(518)内に少なくとも部分的に配置され得、これが圧着チャンバ(504)に対してインプラントを整列し得る。いくつかのバリエーションでは、各々の脚部は、別々のチャネル(518)に配置されてもよい。これらのバリエーションでは、圧着チャンバ(504)の第一のセグメント(506)は、インプラントの脚部と少なくとも同じ数のチャネル(518)を有してもよい。他のバリエーションでは、多数の脚部(例えば、2つ、3つ、またはそれ以上の脚部)が、第一のセグメント(506)の個々のチャネル(518)に配置されてもよい。これらのバリエーションでは、この第一のセグメント(506)は、インプラントの脚部数よりも少ないチャネル(518)を有してもよい。第一のセグメント(506)は、図5A図5Dでは、8つのチャネル(518)を規定する8つのリブ(516)を有していると示されているが、この第一のセグメント(506)が、任意の適切な数のリブおよびチャネル(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つ以上のリブおよびチャネル)を備えてもよいことが認識されるべきである。
【0055】
いくつかのバリエーションでは、ハウジング(502)は、圧着チャンバの近位端(504)に位置するリップ(520)を備えてもよい。このリップ(520)は、ハウジング(502)から内向きに伸展して、第一のセグメント(506)の近位端の外径よりも小さくてもよい開口を規定し得る。リップ(520)の開口は、圧着チャンバ(504)の近位開口(512)を規定し得る。従って、近位開口(512)の直径は、第一のセグメント(506)の近位端の外径よりも小さくてもよい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、第一のセグメント(506)の近位端の外径よりも小さい外径を有する近位開口(512)があれば、圧着チャンバ(504)内で一時的にインプラントを保持することを補助し得る。例えば、リップ(520)の開口の直径は、拡張型の形状である場合、インプラントの最大の外径(例えば、拡張型の形状におけるインプラント(100)の脚部(103)の近位端で規定される直径)よりも小さくてもよい。従って、インプラントが、第一のセグメント(506)中で拡張型の形状で配置されている場合、インプラントは、近位開口(512)を通じて圧着チャンバ(504)から出ていくことを一時的に妨げられ得る。圧着チャンバ(504)からインプラントを取り除くために、インプラントは、下にさらに詳細に考察されるように、拡張型の形状から薄型の形状まで動かされてもよい。
【0056】
いくつかの場合には、リップ(520)は、ハウジング(502)と一体的に形成されてもよい。他のバリエーションでは、図5A図5Dに示されるように、リップ(520)は、ハウジング(502)に接続され得るキャップ(524)の一部として形成されてもよい。いくつかの場合には、このキャップ(524)は、ハウジング(502)から取り外し可能に接続されてもよい。これらのバリエーションでは、キャップ(524)をハウジング(502)から解放して、リップ(520)をハウジング(502)から取り外してもよい。これが次に、圧着チャンバ(504)の近位開口(512)の大きさを増大し得、これがインプラント(例えば、インプラント(100))を圧着チャンバ(504)に配置することを容易にし得る。次いで、キャップ(524)は、ハウジング(502)(例えば、これは、近位開口(512)の大きさを低下し得る)に接続されてもよい。(これは、すぐ上記で考察されるとおり圧着チャンバ(504)中でインプラント(例えば、インプラント(100))を保持し得る。リップ(520)がハウジング(502)の一部として一体的に形成されるか、またはリップ(520)を備えているキャップ(524)がハウジング(502)に対して固定して結合されている場合には、インプラント(例えば、インプラント(100))は、薄型の(例えば、圧着された)形状に向かってそのインプラントを一時的に動かしてそのインプラントの外側輪郭を一時的に収縮させることによって(例えば、インプラント(100)の脚部(103)を薄型形状に向けて屈曲することによって)、およびその圧着チャンバ(504)の近位開口(512)にそのインプラントを挿入することによって、リップ(520)を通過して圧着チャンバ(504)の第一のセグメント(506)中に挿入されてもよい。これらの場合のうちいくつかでは、そのインプラントは、第一のセグメント(506)中へリップ(520)を通過して挿入された後に拡張型の形状に戻ってもよい。
【0057】
あるインプラントが、圧着チャンバ(504)の第一のセグメント(506)中に配置されるとき、そのインプラントは、第一のセグメント(506)から第二のセグメント(508)まで動かされて、そのインプラントを圧着または部分的に圧着してもよい。一般的には、この第二のセグメント(508)は、そのインプラントの所望の外側輪郭に相当する外径を有してもよい。例えば、インプラントを約8mmの直径まで低下することが所望され得るバリエーションでは、第二のセグメント(508)の外径は、約8mmであってもよい。第一のセグメント(506)の外径が、第一のセグメント(506)の近位端の第一の直径から第一のセグメント(506)の遠位端の第二の直径まで傾斜するいくつかのバリエーションでは、この第一のセグメント(506)の第二の直径は、第二のセグメント(508)の外径に等しくてもよいことも理解されるべきである。例えば、第一のセグメント(506)の外径がこの第一のセグメント(506)の近位端の第一の直径からこの第一のセグメント(506)の遠位端の約8mmまで傾斜されているバリエーションでは、この第二のセグメント(508)は、約8mmの外径を有してもよい。
【0058】
インプラントの一部が、圧着チャンバの第二のセグメント(508)中に移動されるにつれ、下にさらに詳細に考察されるとおり、そのインプラントのその部分の外径は、第二のセグメント(508)の外径に圧着されて、インプラントのその部分を第二のセグメント(508)内に適合させることが可能になる。上述のとおり、いくつかのバリエーションでは、この第二のセグメント(508)は、その中になんらリブ(516)が配置されていなくてもよい。複数のチャネル(518)を規定する複数のリブ(516)を備えるバリエーションでは、インプラントの脚部は、そのインプラントが第二のセグメント(508)中に前進させられるにつれて、複数のチャネル(518)中に少なくとも部分的に収容されてもよい。第一のセグメント(506)に関して上記で考察されるとおり、いくつかのバリエーションでは、各々の脚部が、第二のセグメント(508)の別々のチャネル(518)中に配置されてもよい。これらのバリエーションでは、圧着チャンバ(504)の第二のセグメント(508)は、そのインプラントの脚部と少なくとも同じくらい多くのチャネル(518)を有してもよい。他のバリエーションでは、多数の脚部(例えば、2つ、3つ、またはそれ以上の脚部)が第二のセグメント(508)の個々のチャネル(518)に配置されてもよい。これらのバリエーションでは、この第二のセグメント(508)は、インプラントの脚部の数よりも少ないチャネル(518)を有してもよい。第二のセグメント(508)は、図5A図5Dでは、8つのチャネル(518)を規定する8つのリブ(516)を有すると示されているが、第二のセグメント(508)は、任意の適切な数のリブおよびチャネル(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つ以上のリブおよびチャネル)を備えてもよく、これは、第一のセグメントと同じ数のリブおよびチャネルであってもよいし、そうでなくてもよい(第一のセグメントが複数のリブおよび複数のチャネルを含むバリエーションにおいて)ことが理解されるべきである。複数のリブ(516)および複数のチャネル(518)が第一のセグメント(506)から第二のセグメント(508)へ伸展する場合には、そのリブ(516)およびチャネル(518)は、下にさらに詳細に考察されるとおり、インプラントが第一のセグメント(506)から第二のセグメント(508)へ移動されるにつれて、圧着チャンバ(504)に対してインプラントの整列を維持することを補助し得る。
【0059】
さらに、いくつかのバリエーションでは、圧着チャンバの第二のセグメント(508)は、その中で送達デバイスの外側シース(例えば、上記の図3Aおよび3Bに関して上記された送達デバイス(200)の外側シース(206))を受容するようにサイズ決めされてもよい。これらのバリエーションでは、第二のセグメント(508)の内径は、送達デバイスの外側シースの遠位部分の外径以上であってもよい。例えば、送達デバイスの外側シースは、約6mmの直径を有するバリエーションでは、第二のセグメント(508)の内径は、少なくとも約6mm(例えば、約6mm)であってもよい。いくつかのバリエーションでは、この第二のセグメント(508)は、約6mmの内径および約8mmの外径を有してもよい。外側シースは、下にさらに詳細に考察されるように、圧着の間に第二のセグメント(508)に挿入されて、そのインプラントを薄型の形状で保持してもよい。第二のセグメント(508)は、図5Aおよび5Bでは、均一な内径および外径を有することが示されているが、いくつかの場合には、内径、外径、または内径および外径の両方とも、第二のセグメントの長さにそって傾斜されてもよいことが理解されるべきである。
【0060】
第三のセグメント(510)は、インプラントが第二のセグメント(508)から動くにつれて、そのインプラントの一部を受容するように構成されてもよい。いくつかのバリエーションでは、図5A図5Dに示されるように、第三のセグメント(510)の外径は、第二のセグメント(508)の外径に等しくてもよい(例えば、第二のセグメント(508)が約8mmの外径を有するいくつかのバリエーションでは、第三のセグメント(510)は、約8mmの外径を有してもよい)。他のバリエーションでは、第三のセグメント(510)の外径は、第二のセグメント(508)の外径より小さくてもよい。これらのバリエーションでは、このインプラントは、インプラントの一部が第二のセグメント(508)から第三のセグメント(510)へ移動するにつれて、さらに圧着されてもよい(例えば、そのデバイスのその部分の外径は、インプラントの一部が第三のセグメント(510)内に適合することを可能にし得る第三のセグメント(510)の外径に圧着されてもよい)。
【0061】
第二のセグメント(508)が送達デバイスの外側シースを受容するようにサイズ決めされるバリエーションでは(例えば、この第二のセグメント(508)が、外側シースの外径よりも大きい内径を有する場合)、第三のセグメント(510)は、外側シースが第二のセグメント(508)から第三のセグメント(510)に前進されることを妨げるようにサイズ決めされてもよい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、第三のセグメント(510)の内径は、その送達デバイスの外側シースの外径よりも小さくてもよい。例えば、送達デバイスの外側シースが約6mmの外径を有する場合には、その第三のセグメント(510)の内径は、約6mm未満であってもよい(例えば、約3.5mm、約3.5mmと約4mmとの間)。第三のセグメント(510)が複数のリブ(516)を備えるバリエーションでは、複数のリブ(516)は、送達デバイスの外側シースが、その外側シースの前進の間に、第三のセグメント(510)のリブ(516)を捕獲するか、そうでなければ係合するように、内径を規定し得、これによって、下にさらに詳細に考察されるとおり、第三のセグメント(510)中に外側シースが前進することが妨げられ得る。
【0062】
圧着デバイス(500)を用いて、ハブと、そのハブから伸展している複数の脚部とを有するインプラントを圧着するバリエーションでは、第三のセグメント(510)は、インプラントのハブを収容するように構成されてもよい。例えば、第三のセグメント(510)の内径は、ハブの外径以上であってもよい。インプラントのハブが約3.5mmの外径を有するバリエーションでは、第三のセグメント(510)の内径は、少なくとも約3.5mm(例えば、約3.5mm)であってもよい。いくつかの場合には、第三のセグメント(510)の内径を、外径と等しいかまたはそれよりもわずかに大きい(例えば、1mm未満大きい)ようにサイズ決めすることが望ましい場合があり、これが、インプラントの前進の間に第三のセグメント(510)の内径の中でハブを中心にすることを補助し得る。いくつかのバリエーションでは、第三のセグメント(510)の内径は、インプラントのハブの外径以上であってもよく、そして送達デバイスの外側シースの外径未満であってもよい。
【0063】
いくつかのバリエーションでは、第三のセグメント(510)の高さは、インプラントの一部のみがその第三のセグメント(510)に受容され得るようにサイズ決めされてもよい。例えば、これらのバリエーションでは、第三のセグメント(510)の高さは、インプラントが圧着される場合、そのインプラントの高さより低くてもよい。従って、インプラントが第三のセグメント(510)中に前進させられる場合、インプラントの少なくとも一部(例えば、そのインプラントの脚部の近位の部分)は、第三のセグメント(510)の外に(例えば、第二のセグメント(508)中に)伸展し得る。第三のセグメント(510)の内径が外側シースの外径よりも小さいバリエーションでは(例えば、外側シースが第三のセグメント(510)に入ることを妨げ得る)、第三のセグメント(510)の高さは、そのインプラントにそった所定の位置で送達デバイスの外側シースの配置を容易にし得る。
【0064】
上述のとおり、いくつかのバリエーションでは、第三のセグメント(510)は、その中に配置され、複数のチャネル(518)を規定している複数のリブ(516)を備えてもよい。これらのバリエーションでは、インプラントの脚部は、そのインプラントが第三のセグメント(510)中に前進させられるにつれて、複数のチャネル(518)中に少なくとも部分的に収容されてもよい。第二のセグメント(508)に関して上記で考察されるとおり、いくつかのバリエーションでは、各々の脚部が、第三のセグメント(510)の別々のチャネル(518)中に配置されてもよい。これらのバリエーションでは、圧着チャンバ(504)の第三のセグメント(510)は、インプラントの脚部と少なくとも同じ数のチャネル(518)を有してもよい。他のバリエーションでは、多数の脚部(例えば、2つ、3つ、またはそれ以上の脚部)が、第三のセグメント(510)の個々のチャネル(518)中に配置されてもよい。これらのバリエーションでは、第三のセグメント(508)は、インプラントの脚部の数より少ないチャネル(518)を有してもよい。第三のセグメント(510)は、図5A図5Dでは、8つのチャネル(518)を規定する8つのリブ(516)を有すると示されているが、第三のセグメント(510)は、任意の適切な数のリブおよびチャネル(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つ以上のリブおよびチャネル)を備えてもよいことが認識されるべきである。
【0065】
第二のセグメントが、その中に位置する複数のリブ(516)を備えるバリエーションでは、第二のセグメント(508)のリブ(516)のいくつかまたは全てが、第二のセグメント(508)から第三のセグメント(510)中に伸展してもよく、リブ(516)およびチャネル(518)は、インプラントが第三のセグメント(510)中に前進されるにつれて、圧着チャンバ(504)に対するインプラントの整列を維持することを補助し得る。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、第三のセグメント(510)中のリブおよびチャネルの数は、第二のセグメント(508)中のリブおよびチャネルの数に等しくてもよいが、いくつかの場合には、この第三のセグメント(510)は、第二のセグメント(508)よりも多いリブおよびチャネルを有しても、または少ないリブおよびチャネルを有してもよいことが理解されるべきである。上述されるとおり、この第二のセグメント(508)の内径は、第三のセグメント(510)の内径よりも大きくてもよいが、第二のセグメント(508)の外径は、第三のセグメント(510)の外径と同じであってもよい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、第二のおよび第三のセグメントの各々は、複数のチャネルを規定する複数のリブを備えてもよく、チャネル(518)は、第二のセグメント(508)では、第三のセグメント(510)中のチャネル(518)よりも浅くてもよい。
【0066】
図5A図5Dに示されるバリエーションのような、いくつかのバリエーションでは、ハウジングはさらに、ベース(522)を備えてもよい。このベースは、図5Aおよび図5C図5Dに示されるように、ハウジング(502)と一体的に形成されてもよいし、またはハウジング(502)に連結されてもよい。このベース(522)は、圧着チャンバ(504)の第三のセグメント(510)の遠位端に近い、ハウジング(502)の遠位端に配置されてもよい。いくつかのバリエーションでは、このベース(522)は、第三のセグメント(508)を囲むハウジング(502)よりも大きい直径を有してもよく、圧着デバイス(500)が装着され得る表面を提供してもよい。さらに、または代わりに、ベース(522)は、送達デバイスおよびインプラントが、下にさらに詳細に記載されるように、圧着チャンバ(504)中に遠位に押圧されるとき、圧着の間に安定性を提供してもよい。
【0067】
図6A図6Cは、圧着デバイス(500)を用いて、図1および図2A図2Fに関して上記のインプラント(100)を拡張型の形状から薄型の形状まで圧着し得る方法を示す。しかし、任意の適切なインプラントを圧着するために圧着デバイス(500)を用いられてもよいことが理解されるべきである。図6Aに示されるとおり、インプラント(100)は、最初に、圧着チャンバ(504)の第一のセグメント(506)に配置されてもよい。第一のセグメント(506)中にインプラントを配置するために、このインプラント(100)を圧着チャンバ(504)の近位開口(512)を通じて前進させてもよい。いくつかのバリエーションでは、インプラント(100)は、一時的に薄型の形状に向かって動かされて(例えば、インプラント(100)の長軸に向けてインプラントの脚部(103)を一時的に屈曲させることによって)、そのインプラントが近位開口(512)を通じて圧着チャンバ(504)に入ることを可能にし得る。圧着デバイス(500)が取り外し可能なキャップを備えるバリエーションでは、このキャップを、ハウジング(502)から取り外して、一時的に近位開口(512)のサイズを大きくしてもよい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、インプラント(100)を、第一のセグメント(506)中に拡張型の(例えば、圧着されてない)形状で挿入して、次いで、そのキャップをハウジング(502)の近位端に配置してもよい。一般的には、リップ(520)は、インプラント(100)が薄型の形状に圧着されるまで、圧着チャンバ(504)中にインプラント(100)を保持し得る。
【0068】
インプラント(100)が圧着チャンバ(504)の第一のセグメント(506)に配置される場合、インプラント(100)のハブ(102)は、脚部(103)に対して遠位に(すなわち、第三のセグメント(510)に向かって)配置されてもよい。脚部(103)の1つ以上の部分(例えば、その脚部の近位端)は、図6Aに示されるように、インプラント(100)が第一のセグメント(506)中に配置されるとき、第一のセグメント(506)内のハウジング(502)の内面に対しておかれてもよい。いくつかのバリエーションでは、各々の脚部(103)の一部を、複数のチャネル(518)のチャネル(518)中に少なくとも部分的に配置させてもよい。他のバリエーションでは、(例えば、第一のセグメント(506)のいくつかまたは全てがリブ(516)およびチャネル(518)を含まないバリエーションでは)、インプラント(100)は、脚部(103)が、リブ(516)およびチャネル(518)を含まない第一のセグメント(506)の一部対して配置され得るように、第一のセグメント(506)中に配置されてもよい。例えば、いくつかのバリエーションでは、脚部(103)の近位端は、複数のリブ(516)および複数のチャネル(518)の近位にハウジング(502)の壁に対して配置されてもよい。
【0069】
第一のセグメント(506)中に配置されるインプラント(100)では、図1図3A,および図3Bに対して上記される送達デバイス(200)を用いて、インプラント(100)の一部を第二のセグメント(502)中に前進させてもよい。圧着デバイス(500)は、任意の適切な送達デバイスと組み合わせて用いてもよいし、または送達デバイスと独立して操作してもよいことが理解されるべきである。図6Aおよび6Bに示されるとおり、送達デバイス(200)の一部は、インプラント(100)の一部を係合して、インプラント(100)を前進させてもよい。例えば、内部シャフト(204)の遠位先端部(例えば、ボール先端部(207))を、ハブ(102)と接触して配置してもよい(例えば、ハブ(102)の近位端)。内部シャフト(204)は、送達デバイス(200)であってもよく、圧着チャンバ(504)の第二のセグメント(508)に向かってインプラント(100)を押圧するためにこの第二のセグメント(508)に向かって前進されてもよい。ハブ(102)が第二のセグメント(508)中に前進させられるにつれて、インプラントの脚部(103)は、そのインプラント(100)の縦軸に向かって回転されて、そのインプラントを薄型の形状に向かって動かしてもよい。具体的には、第一のセグメント(506)の外径(第一、第二および第三のセグメントの内径のみが図6A図6Cに図示されている)と接触している脚部(103)の部分が第二のセグメント(508)に向かって動かされるにつれて、第一のセグメント(506)の傾斜している外径が、半径方向の力を発揮して、脚部(103)に対して押圧し、脚部(103)をインプラント(100)の縦軸に向かって回転し得る。第一のセグメント(506)が、複数のチャネル(518)を規定する複数のリブ(516)を備えるバリエーションでは、各々の脚部(103)の一部を、チャネル(518)の一方に配置してもよい。これが、インプラント(100)の長軸の周りのインプラント(100)の回転を制限し得、およびインプラント(100)の前進の間、インプラント(100)を中心に維持するか、そうでなければ圧着デバイス(500)と整列させることを維持することを補助し得る。例えば、チャネル(518)内に脚部(103)の一部を配置することで、そのインプラント(100)が、インプラント(100)の前進および圧着の間、圧着デバイス(500)に対してシフトする確率を低下し得る。上述されるとおり、これらのバリエーションのいくつかでは、インプラント(100)の各々の脚部(103)が、異なるチャネル(518)中に位置してもよいが、他のバリエーションでは、多数の脚部(103)が、個々のチャネル(518)中に配置されてもよい。
【0070】
脚部(103)の一部が第二のセグメント(508)に入るにつれて、そのインプラント(100)のその部分の外径は、その第二のセグメント(508)の外径によって限定され得る。この第二のセグメント(508)が、複数のチャネル(518)を規定する複数のリブ(516)を備えるバリエーションでは、各々の脚部(103)の一部が、そのチャネル(518)の1つの中に配置されてもよく(例えば、インプラント(100)の各々の脚部(103)は、異なるチャネル(518)中に配置されてもよいし、または多数の脚部(103)が個々のチャネル(518)中に配置されてもよい)、これによって、このインプラント(100)を導いて整列することが補助され得る。
【0071】
第三のセグメント(510)に向かう内部シャフト(204)のさらなる前進は、図6Bに示されるように、インプラントのハブ(102)を第三のセグメント(510)中に前進させ得る。いくつかのバリエーションでは、この第三のセグメント(510)は、ハブ(102)が第三のセグメント(510)に前進されるとき、脚部(103)のいくつかまたは全ての少なくとも一部が、第二のセグメント(508)中に残るようにサイズ決めされ得る。さらに、または代わりに、第三のセグメント(510)が第二のセグメント(508)の外径よりも小さい外径を有するバリエーションでは、脚部(103)の一部の第三のセグメント(510)への前進は、さらにインプラント(100)を圧着し得る。第三のセグメント(508)が、複数のチャネル(518)を規定する複数のリブ(516)を備えるバリエーションでは、各々の脚部(103)の一部が、チャネル(518)の1つに配置されてもよく(例えば、インプラント(100)の各々の脚部(103)が、異なるチャネル(518)中に配置されてもよいし、または多数の脚部(103)が、個々のチャネル(518)中に配置されてもよく)、これによって、インプラント(100)を導いて整列することが補助され得る。複数のリブ(516)およびチャネル(518)が第一のセグメント(506)から第三のセグメント(510)まで伸展するバリエーションでは、各々の脚部(103)は、第一、第二、および第三のセグメントに沿った前進の間に同じチャネル(518)に沿って前進され得る。いくつかのバリエーションでは、送達デバイス(200)およびインプラント(100)が圧着チャンバ(504)中に完全に前進させられるとき、図6Bに示されるとおり、インプラント(100)のハブ(102)の遠位端は、圧着チャンバ(504)の遠位端(514)に対して押圧し得る。
【0072】
送達デバイス(200)が外側シース(206)を含んでいるバリエーションでは、内部シャフト(204)は、その内部シャフト(204)に対して引っ込められた外側シース(206)を有する第三のセグメント中にハブ(102)を前進させてもよい(すぐ上記で考察されたとおり)。送達デバイス(200)およびインプラント(100)が第三のセグメント(510)に向かって押されるにつれて、インプラント(100)の脚部(103)は、ハブ(102)に対して、薄型の(すなわち、圧着された)形状に回転させ得、これがいくつかの場合には各々の脚部(103)の一部を送達デバイス(200)の内部シャフト(204)と接触するか、またはそれと実質的に平行に配置してもよい(例えば、いくつかの場合には、その脚部は、内部シャフトの係合スリーブと接触し得る)。薄型の形状で配置されたインプラント(100)では、外側シース(206)が、内部シャフト(204)に対して前進させられて、外側シース(206)の一部(例えば、外側シース(206)の遠位カップ(210))で脚部(103)の少なくとも一部をカバーしてもよい。これは、送達デバイス(200)の遠位カップ(210)と内部シャフト(204)との間でインプラント(100)の脚部(103)を保持するように機能し得、それによって、図6Cに示されるように、インプラント(100)をそれに対して連結し得る。第三のセグメント(510)の内径が外側シースの遠位端(例えば、遠位カップ(210)の遠位端)の外径よりも小さいバリエーションでは、外側カップ(210)は、第三のセグメント(510)に入ることを防げられ得る。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、外側シース(206)は、図6Cに示されるように、外側シース(206)の遠位端(例えば、外側カップ(210)の遠位端)が第三のセグメント(510)のリブ(516)と接触するまで前進させられ得る。
【0073】
インプラント(100)に連結された送達デバイス(200)では、送達デバイス(200)およびインプラント(100)を、圧着デバイス(500)に対して撤回してもよい。次いで、この送達デバイス(200)を用いて、インプラント(100)を、患者の身体内の標的位置に送達してもよい。インプラント(100)を送達するために、外側シース(206)を撤回して(例えば、内部シャフト(204)に対して外側シース(206)を撤回することによって)、インプラントの脚部(103)を露出させてもよい。次いで、インプラント(100)を、患者中で組織に対して押圧するか、組織を拡張するか、そうでなければ組織を保持するために患者中で拡張してもよい(自己拡張によって、またはバルーンのようなデバイスを介してのいずれかで)。
【0074】
本明細書に記載されるインプラントは、解剖の任意の適切な部分に対して任意の適切な方式で送達されてもよい。いくつかのバリエーションでは、インプラントは、副鼻腔に送達されても、または副鼻腔口に送達されてもよい。他のバリエーションでは、そのインプラントは鼻腔に送達されてもよい。いくつかのバリエーションでは、そのインプラントは、移植された場合、それから1つ以上の薬物を送達しても、溶出しても、そうでなければ放出してもよい。
【0075】
そのインプラントは、任意の適切な方式で送達および展開されてもよい。いくつかのバリエーションでは、インプラントは、開口の外科手術方式で展開される。他のバリエーションでは、そのインプラントは、侵襲性の低い方式で展開される(例えば、腹腔鏡で、内視鏡で、またはカテーテルの使用によって血管内に)。そのインプラントが一般には最小の侵襲の方式で送達される場合には、そのインプラントは、それらの薄型の形状で送達されてもよい。そのインプラントは、送達デバイス内に、または送達デバイス上に事前装填されてもよいが、そうされなくてもよい。例えば、インプラントが長期間にわたって圧縮状態で維持された後、完全に拡張する能力が限られている(すなわち、インプラントの弛緩が経時的に生じ得、例えば、形状記憶を消失する)場合には、送達および展開の直前に送達デバイス中にまたはその上に、インプラントを圧着および装填することがさらに望ましい場合がある。
【0076】
一般的には、送達デバイスの少なくとも一部は、身体内に導入される。いくつかのバリエーションでは、その送達デバイスは、外耳道または鼻孔などの身体の天然の開口中に導入されてもよい。他のバリエーションでは、送達デバイスを、1つ以上の手順を介して身体中に形成される開口(例えば、外科的に形成される開口)中に導入してもよい。これらのバリエーションのうちのいくつかでは、人工的に創出された開口は、送達デバイスとは別の1つ以上のツールを用いて事前形成されてもよい。いくつかのバリエーションでは、送達デバイスの1つ以上の部分を用いて、開口を創出してもよい。さらに他のバリエーションでは、拡張可能なデバイスの1つ以上の部分を用いて、開口を創出してもよい。
【0077】
送達デバイスが一旦身体内に導入されれば、その送達デバイスの少なくとも一部は、次に標的位置に前進させられ得る。いくつかのバリエーションでは、この前進は直接の可視化のもとで生じる。直接の視覚化は、送達デバイスに対して外側のデバイス、例えば、内視鏡によって達成されてもよいし、または送達デバイスに結合されるか、またはその送達デバイスの1つ以上の部分(すなわち、カニューレの管腔)内に配置されている1つ以上の可視化デバイスによって達成されてもよい。他のバリエーションでは、この前進は、蛍光顕微鏡、超音波、またはコンピューター画像誘導のような間接的可視化のもとで行われる
【0078】
送達デバイスが一旦身体内に導入されれば、次にその送達デバイスの少なくとも一部が、標的位置まで前進され得る。いくつかのバリエーションでは、この前進は、直接の可視化のもとで生じる。この直接の可視化は、送達デバイスに対して外側のデバイス、例えば、内視鏡によって達成されてもよいし、または送達デバイスに結合されるか、またはその送達デバイスの1つ以上の部分(すなわち、カニューレの管腔)内に配置されている1つ以上の可視化デバイスによって達成されてもよい。他のバリエーションでは、この前進は、蛍光顕微鏡、超音波、またはコンピューター画像誘導のような間接的可視化のもとで行われる。
【0079】
送達デバイスが一旦標的位置に到達すれば、拡張可能なインプラントは、送達デバイスから解放されてもよい。インプラントが自己拡張可能であるバリエーションでは、そのインプラントは拡張型の形状へ自己拡張し得る。インプラントが1つ以上の力または刺激に応答して拡張可能であるバリエーションでは、1つ以上の適切な力または刺激が、そのインプラントに加えられて、そのインプラントを拡張型の形状に拡張し得る。いくつかの場合には、そのインプラントの拡張は、組織に対して、または組織中へそのインプラントを固定するように機能し得る。そのインプラントは、任意の適切な時間(例えば、1週、2週、1カ月、2カ月、またはそれ以上)にわたって適所に置かれてもよい。インプラントが生分解性であるバリエーションでは、そのインプラントは、インプラントの完全な分解の前に取り出されてもよいし、またはインプラントが吸収されるか、そうでなければ身体によって排出されるまで適所に置かれていてもよい。インプラントが取り出されるとき、これは把持装置、糸引き(pull−string)構造などを用いて取り外されてもよい。
【0080】
鼻ポリープまたは他のポリープ状浮腫を処置するために用いる場合、本明細書に記載される1つ以上のインプラントは、鼻腔経路または1つ以上の副鼻腔のいずれに送達されてもよい。一旦拡張されれば、インプラントの各々の脚部は、1つ以上の鼻ポリープに位置してもよいし、1つ以上の鼻ポリープを穿刺してもよいし、2つ以上の鼻ポリープの間を押して、1つ以上の鼻ポリープの基部に接触してもよいし、またはそれらの組み合わせを行ってもよい。インプラントが1つ以上の薬物を送達するように構成されるとき、1つ以上の薬物を1つ以上の鼻ポリープの基部に送達することが特に有益であり得る。1つ以上の脚部が、1つ以上の鼻ポリープに対して押圧する場合、1つ以上の脚部は、拡張してもよいし、そうでなければ鼻ポリープを動かしてもよい。これは、次に、1つ以上の閉塞された経鼻通路または副鼻腔口を開放し得る。本明細書に記載されるインプラントは、参照によって以前に援用された米国特許出願第12/779,240号に記載の任意の方法を用いて送達され得ることが理解されるべきである。
【0081】
前述の本発明は、明確にするためおよび理解の目的のために、例示および実施例によっていくぶん詳細に記載してきたが、特定の変化および改変が行われてもよく、および添付の特許請求の範囲内におさまるものであることが理解される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C