【実施例】
【0028】
図1〜
図3は、本発明の実施例を示す。
【0029】
図1に示した事例についての説明は、
図4の構造と異なっている部分だけを説明している。
【0030】
本実施例における供給ヘッド11は、
図4に示した供給ヘッド11の構成および作動と同じなので、図中に同じ符号を記載して各部の構造説明は省略してある。
【0031】
供給ロッド6を進退させる駆動手段としては、例えば、エアシリンダ、回転出力式の電動モータを使用したものや、固定電磁石と可動電磁石を組み合わせたリニアモータなどがある。
図1に示した事例は、駆動手段をエアシリンダ10で構成したものである。
【0032】
最初に、駆動手段をエアシリンダで構成したものを説明する。
【0033】
エアシリンダ10、部品供給管5、供給ヘッド11、調整支持部材52などは、
図4に示したものと同じなので、
図1には
図4と同じ符号を記載して、詳細な説明は省略してある。
【0034】
つぎに、ガイド管について説明する。
【0035】
ガイド管7は、エアシリンダ10と同軸状態でエアシリンダ10に一体化されている第1ガイド管7Aと、供給ヘッド11の一部を構成するとともに、調整支持部材52で固定されている第2ガイド管7Bに分離されている。このような分離構造によって、第2ガイド管7Bは駆動手段であるエアシリンダ10から分離している。第1ガイド管7Aと第2ガイド管7Bは、分離箇所29において分離してある。この分離箇所29において、図示のように狭い空隙が設けられたり、図示していないが、両ガイド管7A、7Bの端面が摺動可能な状態で密着したりした構造となっている。
【0036】
調整支持部材52の構造は、
図4(B)に示したものと同じである。つまり、
図1のB−B断面、C−C断面に示された構造は、
図4(B)の断面構造と同じ構造である。
【0037】
主ロッド14の先端部分が第2ガイド管7Bに挿入されている部分が、差し込み部分57である。このような差し込み部分57と、第2ガイド管7B側の調整支持部材52の支持孔53が、供給ロッド6の中心線と同軸になっている。このような構成により、分離されたガイド管(第2ガイド管7B)を、供給ロッド6の中心線を中心にして回動するようになっている。
【0038】
つぎに、調整動作を説明する。
【0039】
供給ロッド6の中心線を中心にして部品供給管5を揺動させて部品供給管5の位置調整を行うときには、締め付けボルト56を緩めて第2ガイド管7Bを所定位置まで回動し、すなわち供給ヘッド11全体を回動させて、再び締め付けボルト56を締め付けて、調整作業が完了する。
【0040】
逆に、供給ヘッド11を静止状態にしておき、エアシリンダ10の位置調整を行うときには、第1ガイド管7A側の調整支持部材52の締め付けボルト56を緩めて位置調整を行い、エアシリンダ10に結合された空気ホースの位置調整を行う。
【0041】
つぎに、電動式進退駆動ユニットの場合について説明する。
【0042】
駆動手段である電動式進退駆動ユニットとしては種々なタイプものがあり、例えば、回転出力式の電動モータを使用したものや、固定電磁石と可動電磁石を組み合わせたリニアモータなどがある。ここでは、前者の回転出力式電動モータを用いて進退出力を得るものを示してある。
【0043】
駆動ユニット全体は、
図2および
図3に示すように、符号30で示してあり、長尺で細長いケース31の端部に、回転出力式の電動モータ32が結合され、その進退出力の方向は、出力軸線O−Oで示されている。厚板などで作られた進退駆動片33が、駆動ユニット30の進退出力方向、すなわち出力軸線O−Oに対して、直交する向きに突出させてある。この進退駆動片33はケース31に設けた細長い通過孔34を経てケース外に突き出ている。なお、ケース31の断面形状は、四角い形状になっている。
【0044】
駆動ユニット30は、厚板など作られた基部材35に固定ボルト36で固定してある。この基部材35は、装置の機枠などの静止部材13に、ボルト付けなどで結合してある。基部材35は、実質的に静止部材13と同じである。
【0045】
つぎに、駆動機構について説明する。
【0046】
駆動機構は、回転運動を直進運動に変換するもので、ラックピニオン機構、回転式ねじ軸を回転させてねじ孔付き部材を進退させるものなど、種々な構造が採用できるが、ここでは後者の部類であるボウルスクリュー形式のものを例示している。
【0047】
駆動機構全体は符号37で示され、ケース31内に格納されている。ケース31の端部に結合された回転出力式の電動モータ32によって、スクリュー軸38が正転方向および逆転方向に回転する。スクリュー軸38には、鋼球39が転動できる断面円弧型の螺旋溝40が形成してある。スクリュー軸38は、円筒状の進退部材41内を貫通しており、その内面に螺旋溝40に合致する螺旋内溝42が形成してある。進退部材41に循環パイプ43が結合され、鋼球39が、螺旋溝40と螺旋内溝42で形成された螺旋通路と、循環パイプ43内に、ぎっしりと隙開なく詰め込まれている。これにより、鋼球39を介して雄ねじが雌ねじ内にねじ込まれたような状態になっている。
【0048】
進退駆動片33は、進退部材41に溶接またはボルト付けなどで固定してある。
【0049】
電動モータ32により、スクリュー軸38が回転すると、鋼球39が上記螺旋通路や循環パイプ43内をエンドレスな状態で循環し、機械抵抗の少ない状態で、進退部材41が前進または後進を行う。なお、ケース31の下端にエンコーダ44が固定されている。このエンコーダ44は、一般的に採用されている位置検出用パルスエンコーダであり、所定パルスに相当する微小移動量によって、供給ロッド6のストロークを微小調整ができるようになっている。前記微小調整を可とする他の事例として、ACサーボモータを使用したACメカフィードシステムを採用することもできる。
【0050】
上記の構造により、駆動機構37は、スクリュー軸38、進退部材41、螺旋溝40、螺旋内溝42、循環パイプ43、鋼球39などによって形成され、ケース31内に格納されている。
【0051】
つぎに、供給ロッドについて説明する。
【0052】
供給ロッド6は、その進退方向が駆動ユニット30の進退出力方向、すなわち出力軸線O−Oと平行となるように配置されているとともに、その端部が進退駆動片33に結合されている。この結合構造の一例として、
図3に示すように、進退駆動片33に板材45が固定され、その上にL字型のブラケット46が固定してあり、そこに主ロッド14の端部に設けたボルト47を貫通して、固定ナット48で固定してある。
【0053】
つぎに、供給ロッドの支持部材について説明する。
【0054】
静止部材である基部材35に、供給ロッド6の他端部を摺動可能な状態で支持する支持部材50が取り付けられている。支持部材50は、駆動ユニット30にできるだけ近づけて配置してあり、柱状の細長い部材を基部材35に溶接したもので、そこに設けた支持孔51に、供給ロッド6が、隙間がなくて進退可能な状態で差し込んである。こうすることにより、供給ロッド6と出力軸線O−Oとの平行配置が確定し、供給ロッド6の安定した円滑な進退動作えられるようになっている。
【0055】
また、調整支持部材52で位置決めされたガイド管7、すなわち
図1の第2ガイド管7Bに相当するガイド管7に、供給ロッド6が差し込まれているが、この差し込み部分57によって、支持孔51のような支持機能を果たさせて、支持部材50をやめることも可能である。つまり、前記差し込み部分57によって、供給ロッド6と出力軸線O−Oとの平行配置を確定させるのである。
【0056】
つぎに、調整支持部材について説明する。
【0057】
調整支持部材52は、
図4(B)に示したものと同じであり、細長いブロック状の部材を基部材35に溶接したもので、ガイド管7を嵌入する支持孔53(
図2(B)参照)が設けられ、この支持孔53に連なる割り空隙54が形成されている。ガイド管7の軸線方向と90度食い違った方向に締め付け孔55が形成され、ここに締め付けボルト56をねじ込むようになっている。供給ロッド6は、支持孔53と同軸になっていて、供給ロッド6と出力軸線O−Oとの平行配置を確定させている。
【0058】
調整支持部材52をできるだけ駆動ユニット30に近づけて配置するとともに、ガイド管7をできるだけ短くしてある。こうすることにより、供給ヘッド11自体の小型化を図るとともに、供給ヘッド11を含む装置全体の長手方向の寸法を短縮することができ、装置のコンパクト化にとって効果的である。
【0059】
締め付けボルト55を緩めて、ガイド管7を支持孔53内に挿入し、ガイド管7を回しながら供給ヘッド11の向きを調整してから、締め付けボルト56を強固に締め付ける。こうすることにより、ガイド管7が支持孔53内で強く締め付けられて、供給ヘッド11が静止部材である基部材35に取付けられる。
【0060】
この実施例では、駆動ユニット30の端部近傍に、供給ヘッド11が配置してあるので、ガイド管7は短くなっている。この短くなったガイド管7の端部に主ロッド14が差し込まれて、差し込み部分57が形成されている。締め付けボルト56を緩めて供給ヘッド11を回すことにより、部品供給管5の配置位置を選定し、近隣の部材を避けて部品供給管5を位置づけることが可能となる。
【0061】
調整支持部材52によって静止部材に結合されているガイド管7は、
図1に示す第2ガイド管7Bや、
図2示す短いガイド管7であるが、これらの長さは、ガイドロッド15の長さと差し込み部分57の長さの合計長さによって設定される。実際には、差し込み部分57の長さが短いので、ガイドロッド15の長さが支配的になって設定される。
【0062】
上記実施例における部品は、プロジェクションナットであるが、これをプロジェクションボルトのような軸状部品に置き換えることも可能である。その場合には、供給ロッドの先端部に永久磁石を取り付けて、プロジェクションボルトを供給ロッドに吸着して送出するような改造を行うことにより、簡単に部品変更ができる。
【0063】
上述の供給ロッドの進退動作は、一般的に採用されている制御手法で容易に行うことが可能である。制御装置またはシーケンス回路からの信号で動作させて、所定の動作を確保することができる。
【0064】
以上に説明した実施例の作用効果は、つぎのとおりである。
【0065】
部品供給管5と、ガイド管7と、仮止室8と、ガイド部材17によって、供給ヘッド11が形成されている。そして、ガイド管7は、第1ガイド管7Aと第2ガイド管7Bに分離されており、第1ガイド管7Aは駆動手段に一体化され、第2ガイド管7Bは、供給ヘッド11の一部を構成している。また、第1ガイド管7Aを貫通する供給ロッド6の主ロッド14の先端部分が第2ガイド管7Bに挿入されて差し込み部分57を構成し、第2ガイド管7Bの差し込み部分57を中心にして回動して
第2ガイド管7Bを供給ヘッド11の向きを変更できるように支持する調整支持部材52が、静止部材13に取り付けられ、調整支持部材52に設けられ第2ガイド管7Bが貫通している支持孔53と、差し込み部分57が同軸とされている。分離されたガイド管7を供給ロッド6の中心線を中心にして回動して供給ヘッド11の向きを変更できるように支持する調整支持部材52が、静止部材13に取り付けられている。
【0066】
上記構成により、供給ヘッド11が
第1ガイド管7Aから分離された状態で回動するので、供給ヘッド11に接続されている部品供給管5の配置箇所を、近隣の部材に干渉しないような箇所に移動するときには、部品供給管5だけが移動し、駆動手段の空気給排ホースや電動モータへの通電結線の配置箇所が不変なものとなり、給排ホースや通電結線への悪影響を防止することができる。
【0067】
静止部材13や基部材35に取り付けられた調整支持部材52は、
第2ガイド管を供給ロッド6の中心線を中心にして回動して、供給ヘッド11の向きを変更できるように支持している。したがって、供給ロッド6の中心線回りに
第2ガイド管の位置調整が可能となり、供給ロッド6と仮止室8に位置決めされた部品間の相対位置に変化がなく、供給ロッド進出時に部品を正確に移行させることができ、装置の動作信頼性が向上する。
【0068】
逆に、供給ヘッド11を固定状態にしておき、エアシリンダ10などの駆動手段だけを回動させることにより、部品供給管5の適正位置を維持したまま、駆動手段への空気ホースや電線の位置適正化が実現する。
【0069】
第2ガイド管7Bが駆動手段から分離しているので、供給ヘッド11の保守整備を行うときには、供給ヘッド11だけを取り外せばよく、整備時の作業が簡素化される。そして、供給ヘッド11は小型化された機構にすることができ、それにより位置調整が行いやすくなる。
【0070】
供給ロッド6の大径とされた主ロッド14が、供給ヘッド11の一部を構成するガイド管7B、7に挿入して、差し込み部分57が形成されている。このような差し込み構造となっているので、ガイド管7B、7は供給ロッド6と同軸状態で確実に回動させることができ、合わせてガイド管7B、7の前記分離構造によるガイド管7B、77B、7の偏心を防止することができる。