特許第6758082号(P6758082)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧 ▶ 東芝テック株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6758082
(24)【登録日】2020年9月3日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】シート後処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/34 20060101AFI20200910BHJP
【FI】
   B65H31/34
【請求項の数】2
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-92039(P2016-92039)
(22)【出願日】2016年4月28日
(65)【公開番号】特開2017-197378(P2017-197378A)
(43)【公開日】2017年11月2日
【審査請求日】2019年4月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165261
【弁理士】
【氏名又は名称】登原 究
(74)【代理人】
【識別番号】100194076
【弁理士】
【氏名又は名称】中本 篤志
(72)【発明者】
【氏名】瀧 裕之
【審査官】 佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−096869(JP,A)
【文献】 特開2000−219418(JP,A)
【文献】 特開2008−189470(JP,A)
【文献】 特開2008−214102(JP,A)
【文献】 特開2015−124069(JP,A)
【文献】 特開2013−095533(JP,A)
【文献】 特開2013−160797(JP,A)
【文献】 特開昭64−017765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/00
B65H 9/00
B65H 13/00−15/02
B65H 37/00
B65H 41/00
B65H 45/00−47/00
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを積載する処理トレイと
前記処理トレイのシートを第1整合板と第2整合板とで挟み込むことにより前記シート搬送方向と直交する方向に整合する横整合部と、
前記処理トレイに積載されたシートが排出される排出トレイと、
画像形成装置から送信された印刷ジョブを受信する通信部と、
前記処理トレイのシートにステイプル処理を実行するステイプラと、
前記処理トレイに搬送された第1のシートに対して、前記横整合部による横整合処理を行い、前記第1のシートが最終シートでない場合、後続の第2のシートを前記処理トレイに受け入れる制御を行い、前記第1のシートが最終シートであり、かつ前記通信部が受信した印刷ジョブが前記ステイプル処理を実行する旨の情報が付された印刷ジョブである場合、前記横整合処理を行った後に再び前記横整合処理を行い、前記ステイプル処理を実行した上で前記処理トレイ上のシートを前記排出トレイに排出する制御を行い、前記第1のシートが最終シートであり、かつ前記通信部が受信した印刷ジョブが前記ステイプル処理を実行する旨の情報が付されていない印刷ジョブである場合、再び前記横整合処理を行うことなく、前記処理トレイ上のシートを前記排出トレイに排出する制御を行う制御部と、を備えるシート後処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記処理トレイに積載されたシートの枚数が所定枚数以上か否かを判断し、前記所定枚数以上である場合は再び前記横整合制御を行った上で前記シートを前記排出トレイに排出し、前記所定枚数未満である場合は再び前記横整合処理を行うことなく前記シートを前記排出トレイに排出するよう制御する、
請求項1記載のシート後処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像が形成されたシートに後処理を行うシート後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、処理トレイに積載されたシートにステイプル処理などの後処理を実行するシート後処理装置が知られている。このシート後処理装置は、処理トレイに積載された後処理を実行する前の複数のシートのずれを整えるために、シートの幅方向におけるずれを整える(横整合する)横整合部材とシートの幅方向と直交する方向におけるずれを整える(縦整合する)縦整合部材を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−214102号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したシート後処理装置において、処理トレイのシートを縦整合する縦整合部材は、シート後処理装置に対して固定的に配置されている。このため、シートの整合位置によっては、縦整合部材の整合動作に起因してシートの乱れを生じさせてしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本実施形態は、シートを積載する処理トレイと前記処理トレイのシートを第1整合板と第2整合板とで挟み込むことにより前記シート搬送方向と直交する方向に整合する横整合部と、前記処理トレイに積載されたシートが排出される排出トレイと、画像形成装置から送信された印刷ジョブを受信する通信部と、前記処理トレイのシートにステイプル処理を実行するステイプラと、前記処理トレイに搬送された第1のシートに対して、前記横整合部による横整合処理を行い、前記第1のシートが最終シートでない場合、後続の第2のシートを前記処理トレイに受け入れる制御を行い、前記第1のシートが最終シートであり、かつ前記通信部が受信した印刷ジョブが前記ステイプル処理を実行する旨の情報が付された印刷ジョブである場合、前記横整合処理を行った後に再び前記横整合処理を行い、前記ステイプル処理を実行した上で前記処理トレイ上のシートを前記排出トレイに排出する制御を行い、前記第1のシートが最終シートであり、かつ前記通信部が受信した印刷ジョブが前記ステイプル処理を実行する旨の情報が付されていない印刷ジョブである場合、再び前記横整合処理を行うことなく、前記処理トレイ上のシートを前記排出トレイに排出する制御を行う制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】画像形成システムの全体構成を示す図。
図2】画像形成装置とシート後処理装置の電気ブロック図。
図3】シート後処理装置の各部構成の詳細を模式的に示す図。
図4】待機トレイ、処理トレイおよびパドル部との関係を模式的に示す図。
図5】パドル部と処理トレイの関係を示す上面図。
図6】第1パドル、第2パドルのホームポジションを示す図。
図7】第1パドルによる縦整合処理を示す図。
図8】第2パドルによる縦整合処理を示す図。
図9】第1の実施形態における後処理制御部が実行する制御を示す図。
図10】待機トレイから処理トレイにシートが移動した状態を示す図。
図11】第1パドルで縦整合処理を実行した後の処理トレイを示す図。
図12】第2整合位置で横整合処理を実行した時の処理トレイを示す図。
図13】第2パドルで縦整合処理を実行した後の処理トレイを示す図。
図14】第1整合板を第2整合位置から第1整合位置に移動させたことを示す図。
図15】第2整合板を第2整合位置から第1整合位置に移動させたことを示す図。
図16】第2整合板を第1整合位置から待機位置に移動させたことを示す図。
図17】後続のシートが処理トレイに搬送されたことを示す図。
図18】第1、2パドルで縦整合処理を実行した後の処理トレイを示す図。
図19】第1整合位置で縦整合処理を実行したことによりシートが乱れる現象を説明する図。
図20】第2整合板を待機位置から第1整合位置に移動させたことを示す図。
図21】第2整合板を第1整合位置から第2整合位置に移動させたことを示す図。
図22】第2整合板を第2整合位置から第1整合位置に移動させたことを示す図。
図23】第2の実施形態における後処理制御部が実行する制御を示す図。
図24】第3の実施形態における後処理制御部が実行する制御を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態のシート後処理装置について図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付して説明する。また、これらの構成について重複する説明に関しては省略する場合が有る。
【0008】
図1は、画像形成システムの全体構成を示した図である。図2は、画像形成装置およびシート後処理装置の電気ブロック図を示す図である。画像形成システムは、画像形成装置1、シート後処理装置2を含む。画像形成装置1は、用紙などのシート状の媒体(以下、「シート」と称する。)に画像を形成する。シート後処理装置2は、画像形成装置1から搬送されるシートに後処理を行う。
【0009】
図1に示す画像形成装置1は、コントロールパネル11、スキャナ部12、プリンタ部13、給紙部14、排紙部15、画像形成制御部16、および通信インターフェース17を備える。
【0010】
コントロールパネル11は、ユーザの操作を受け付ける各種キーを備える。例えば、コントロールパネル11は、シートの後処理の種類に関する入力を受け付ける。コントロールパネル11は、入力された後処理の種類に関する情報を、シート後処理装置2に送る。
【0011】
スキャナ部12は、複写対象物の画像情報を読み取る読取部を備える。スキャナ部12は、読み取った画像情報を、プリンタ部13に送る。
【0012】
プリンタ部13は、スキャナ部12または外部機器から送信された画像情報に基づき、トナーなどの現像剤によって出力画像(以下、「トナー像」と称する。)を形成する。プリンタ部13は、トナー像をシートの表面上に転写する。プリンタ部13は、シートに転写したトナー像に熱と圧力をかけて、トナー像をシートに定着させる。
【0013】
給紙部14は、プリンタ部13がトナー像を形成するタイミングに合わせて、シートを1枚ずつプリンタ部13に供給する。排紙部15は、プリンタ部13から排紙されるシートを、後処理装置2へ搬送する。
【0014】
図2に示すように画像形成制御部16は、画像形成装置1の全体の動作を制御する。すなわち、画像形成制御部16は、コントロールパネル11、スキャナ部12、プリンタ部13、給紙部14、および排紙部15を制御する。画像形成制御部16は、図示しないCPU、ROM、およびRAMを含む制御回路で形成される。また、通信インターフェース17は、シート後処理装置2に対して、コントロールパネル11またはクライアントPC等の外部機器から受信した印刷ジョブ等の情報を送信する。または、シート後処理装置2から送信された情報を受信する。
【0015】
次に、シート後処理装置2について説明する。図1図2を用いてシート後処理装置2の構成を説明する。図1に示すように、シート後処理装置2は、画像形成装置1に隣接して配置される。シート後処理装置2は、画像形成装置1から搬送されるシートに、コントロールパネル11またはクライアントPC等の外部機器を通じて指定された後処理を実行する。例えば、後処理は、ステイプル処理またはソート処理である。
【0016】
シート後処理装置2は、待機部21、処理部22、排出部23、後処理制御部24、および通信インターフェース40を備える。待機部21は、画像形成装置2から搬送されるシートS(図3参照)を一時的に滞留(バッファ)させる。例えば、待機部21は、先行するシートSの後処理が処理部22で行われる間、後続の複数枚のシートSを重ねて待機させる。待機部21は、処理部22の上方に設けられる。待機部21は、処理部22のシートが排出部23に排出されると、滞留させていた複数枚のシートSを処理部22に向けて落下させる。
【0017】
処理部22は、シートSに後処理を行う。例えば、処理部22は、複数枚のシートSを整合する。処理部22は、整合した複数枚のシートSにステイプル処理を行う。これにより、複数枚のシートSがステイプル針により綴じ合わされる。処理部22は、後処理を行ったシートSを排出部23へ排出する。
【0018】
排出部23は、固定トレイ23aと可動トレイ23bとを備える。固定トレイ23aは、シート後処理装置2の上部に設けられる。可動トレイ23bは、シート後処理装置2の側部に設けられる。可動トレイ23bには、ステイプル処理またはソート処理されたシートSが排出される。
【0019】
図2に示すように後処理制御部24は、シート後処理装置2の全体の動作を制御する。すなわち、後処理制御部24は、待機部21、処理部22、および排出部23を制御する。また図2に示すように、後処理制御部24は、入口ローラ32a、出口ローラ33a、パドル部25、パドルモータ28、第1横整合モータ29aおよび第2横整合モータ29b、第1整合板51a、第2整合板51bを制御する。後処理制御部24は、CPU241、ROM242、およびRAM243を含む制御回路で形成される。なお、本実施形態では、第1横整合モータ29a、第2横整合モータ29bの二つのモータを用いているが、一つのモータによって各整合板51a、51bを移動させるように構成してもよい。また、通信インターフェース40は、画像形成装置2から送信された例えば印刷ジョブ等の情報を受信する。または、画像形成装置1に対して、シート後処理装置2で生じたエラー情報を送信する。
【0020】
図3は、シート後処理装置2の各部構成の詳細を模式的に示した図である。なお、本実施形態で記載する「シート搬送方向」とは、待機部21の待機トレイ211におけるシートSの搬送方向D(待機トレイ211へのシートSの進入方向)または、シートSが処理トレイ221から可動トレイ23bに搬送される方向を意味する。
【0021】
また本実施形態で記載する「上流側」および「下流側」とは、シート搬送方向Dにおける上流側および下流側をそれぞれ意味する。また本実施形態で記載する「先端部」および「後端部」とは、シート搬送方向Dにおける「下流側の端部」および「上流側の端部」をそれぞれ意味する。さらに本実施形態では、シート搬送方向Dと直交する方向を、シート幅方向Wと称する。
【0022】
搬送路31は、シート供給口31pからシート排出口31dに至る搬送路である。シート供給口31pは、画像形成装置1に面した位置に配置される。シート供給口31pには、画像形成装置1からシートSが供給される。一方で、シート排出口31dは、待機部21の近傍に位置する。画像形成装置1から排出されたシートSは、搬送路31を経由して待機部21に排出される。
【0023】
入口ローラ32a,32bは、シート供給口31pの近傍に設けられる。入口ローラ32a,32bは、シート供給口31pに供給されたシートSを搬送路31の下流側に向けて搬送する。例えば、入口ローラ32a,32bは、シート供給口31pに供給されたシートSを出口ローラ33a,33bまで搬送する。
【0024】
出口ローラ33a,33bは、シート排出口31dの近傍に設けられる。出口ローラ33a,33bは、入口ローラ32a,32bによって搬送されたシートSを受け取る。出口ローラ33a,33bは、シートSをシート排出口31dから待機部21に搬送する。
【0025】
待機部21は、待機トレイ(バッファトレイ)211、搬送ガイド212、および排出ローラ213a,213b、開閉駆動部(図示しない)を有する。
【0026】
待機トレイ211の後端部は、出口ローラ33a,33bの近傍に位置する。待機トレイ211の後端部は、搬送路31のシート排出口31dよりもわずかに下方に位置する。待機トレイ211は、シート搬送方向Dの下流側に進むに従い徐々に高くなるように、水平方向に対して傾いている。待機トレイ211は、処理部22で後処理が行われる間、複数枚のシートSを重ねて待機させる。
【0027】
図4は、待機トレイ211、処理トレイ221および後述するパドル部25との関係を模式的に示した図である。待機トレイ211は、第1トレイ部材211a、第2トレイ部材211bを有する。第1トレイ部材211aおよび第2トレイ部材211bは、シート幅方向Wに互いに離間している。第1トレイ部材211aおよび第2トレイ部材211bは、開閉駆動部からの動力を受けて互いに近付く方向と、互いに離れる方向とに移動する。
【0028】
第1トレイ部材211aと第2トレイ部材211bは、互いに近付いた状態において出口ローラ33a、33bから搬送されたシートSを支持する。一方、第1トレイ部材211aと第2トレイ部材211bは、シート幅方向Wにおいて互いに離れる方向に離間することで待機トレイ211から処理トレイ221に向けてシートSを移動させる。これにより、待機トレイ211で支持されていたシートSは、第1トレイ部材211aと第2トレイ部材211bとの間の空間から処理トレイ221に向けて落下する。すなわち、シートSは、待機トレイ211から処理トレイ221に移動する。
【0029】
図3の説明に戻る。
【0030】
図3に示すアシストアーム41は、待機トレイ211の上方に設けられる。例えば、アシストアーム41は、シート搬送方向Dにおいて、待機トレイ211の略半分以上の長さを有する。アシストアーム41と待機トレイ211との間の空間には、出口ローラ33a,33bから排出されたシートSが進入する。
【0031】
図3に示す処理部22は、処理トレイ221、ステイプラ222、搬送ローラ223a,223b、および搬送ベルト224、ストッパ225、横整合部51(第1整合板51a、第2整合板51b)を有する。
【0032】
処理トレイ221は、待機トレイ211の下方に設けられる。処理トレイ221は、シート搬送方向Dの下流側に進むに従い徐々に高くなるように、水平方向に対して傾いている。処理トレイ221は、待機トレイ211と略平行に傾いている。処理トレイ221に移動した複数枚のシートSは、第1整合板51a、第2整合板51bによってシート幅方向Wにおけるシート間のずれを整合される。
【0033】
ステイプラ222は、処理トレイ221の後端部に設けられる。ステイプラ222は、処理トレイ221に位置する複数枚のシートSの束にステイプル(綴じ合わせ)処理を行う。
【0034】
搬送ローラ223a,223bは、シート搬送方向Dにおいて所定の間隔を空けて配置される。搬送ベルト224は、搬送ローラ223a,223bに掛け渡される。搬送ベルト224は、搬送ローラ223a,223bと同期して回転される。搬送ベルト224は、ステイプラ222と排出部23との間でシートSを搬送する。
【0035】
ストッパ225は、搬送路ローラ223bからみてシート搬送方向上流に配置される。ストッパ225は、待機トレイ211から処理トレイ221に移動したシートSを当該部材に突き当てることによりシート搬送方向において整合するための部材である。言い換えると、ストッパ225は、シート搬送方向におけるシートの整合処理を行う時の突き当て基準となる部材である。すなわち、シートSは、後述する第1パドル25a、第2パドル25bによりシート搬送方向上流に向けて移動されてストッパ225に突き当てられることによりシート搬送方向に整合される。以降、シートをシート搬送方向に整合することを縦整合処理と称する場合もある。また、本実施形態の「整合処理」とは、シートの端部を整合する動作(揃える動作)と同義である。
【0036】
横整合部51は、一対の第1、第2整合板51a、51bを有する。第1整合板51aは、後処理装置2のフロント側(手前側)に位置する整合板である。第2整合板51bは、後処理装置2のリア側(奥側)に位置する整合板である。第1整合板51a、第2整合板51bは、第1横整合モータ29a,第2横整合モータ29bによってシート幅方向Wに同期または各々独立して移動可能である。これにより、シートSの位置をシフトさせることができるので、第1整合板51a、第2整合板51bは、シートSをソートする場合にも使用する。
【0037】
第1整合板51aおよび第2整合板51bは、所定の空間(間隔)を有して配置されている。この所定の空間に、待機トレイ211から移動したシートSが積載される。シートSは、第1整合板51a、第2整合板51bにより挟み込まれることによりシートの搬送方向と直交する方向に整合される。なお、第1整合板51aには、ダンパーが設けられている。なお、ダンパーはバネ式であってもよいし、樹脂などの柔軟な素材により成型された部材で形成されていてもよい。
【0038】
図3に示すパドル部25は、第1パドル25a、第2パドル25b、回転軸26、回転体27を有する。
【0039】
回転軸26は、第1パドル25a、第2パドル25bの回転中心である。回転軸26は、待機トレイ211よりも下方に位置し、その位置が固定されている。回転軸26は、シート幅方向Wに延びている。回転軸26は、パドルモータ28から駆動力を受けて図3中の矢印A方向(反時計回りの方向)に回転する。
【0040】
第1パドル25aおよび第2パドル25bは、ゴムや樹脂のような弾性材で形成される。第1パドル25aは、回転体27の径方向に突出して回転体27に取り付けられている。
【0041】
図3に示す通り、第2パドル25bは、第1パドル25aに対して所定の角度を有して配置される。言い換えると、第2パドル25bは矢印A方向において第1パドル25aの後方に所定の距離を有して設けられる。第2パドル25bは、回転体27の径方向に突出して回転体27に取り付けられている。第2パドル25bの長さは、回転体27の径方向において、第1パドル25aの長さよりも短い長さを有する。
【0042】
図5は、パドル部25と処理トレイ221の関係を示す上面図である。
【0043】
パドル部25は、シート幅方向Wに延びる回転軸26に複数設けられている。パドル部25は、処理トレイ221の中心部を挟んで、左右対称に所定の間隔を有して配置されている。また、第1パドル25a、第2パドル25bは、回転すると処理トレイ221と接触する関係にある。パドル部25は、回転軸26に取り付けられているため、回転軸26に同期して回転する。
【0044】
横整合部51(第1整合部51a、第2整合部51b)は、第1横整合モータ29a,第2横整合モータ29bにより、処理トレイ221において、「待機位置」、「第1整合位置」、「第2整合位置」に位置づけられる。
【0045】
「待機位置」とは、出口ローラ33a、33bから排出されるシートS又は待機トレイ211から移動するシートSを受け入れる時の位置である。なお、図5における第1整合部51a、第2整合部51bの位置が待機位置である。
【0046】
「第1整合位置」は、処理トレイ221のシート幅方向Wにおいて、処理トレイ221の中央部から所定距離だけ一方の端部側にずれた位置である。この位置において、シートSは、第1整合板51a、第2整合板51bによりシート幅方向Wに整合される。また、「第1整合位置」に位置した時の第1整合板51aと第2整合板51bとの互いの間隔は、整合対象のシートSの幅方向の長さと同一もしくは若干狭い距離となるように予め設定されている。なお、図5では、「第1整合位置」を、ステイプラ222が配置されている右側(フロント側)の領域にずれた位置で示しているが、左側(リア側)の領域にずれた位置であってもよい。なお、処理トレイ221の中央部とは、図5を例示として説明するとX座標の値が0となる位置である
「第2整合位置」は、第1整合板51a、第2整合板51bが処理トレイ221の中央部を基準に、シートの搬送方向と直交する方向にシートSを整合する位置である。また、「第2整合位置」に第1整合板51aと第2整合板51bが位置した時の互いの間隔は、整合対象のシートSの幅方向の長さよりも若干広い距離となるように予め設定されている。
【0047】
図5の下部に、第1整合板51a、第2整合板51bの各々の位置を説明するため、処理トレイ221の中央部を基準(X座標で0とする)として、−X4、−X2、−X1、X2、X3、X4の値を表記する。また、表1に、第1整合板51a、第2整合板51bが各動作位置に位置づけられた時のX座標の値を示す。なお、処理トレイ221の中央部のX座標の値を0とする。また、X1、X2、X3、X4は、X1<X2<X3<X4の関係である。
【表1】
【0048】
具体的には、横整合部51が「待機位置」に位置する場合、第1整合板51aはX座標の値がX4、第2整合板51bはX座標の値が−X4の地点、に位置する。「待機位置」は、第1整合部51aおよび第2整合部51bが処理トレイ221の中央部を挟んで左右対称となる位置である。
【0049】
横整合部51が「第1整合位置」に位置する場合、第1整合板51aはX座標の値がX3、第2整合板51bはX座標の値が−X1の地点、に位置する。「第1整合位置」は、処理トレイ221の中央部から一方向の端部側に変位した位置である。
【0050】
横整合部51が「第2整合位置」に位置する場合、第1整合板51aはX座標の値がX2、第2整合板51bはX座標の値が−X2、にそれぞれ位置する。「第2整合位置」は、第1整合部51aおよび第2整合部51bが処理トレイ221の中央部を挟んで左右対称となる位置であり、「待機位置」より処理トレイ221の中央部に接近した位置である。
【0051】
次に、図6から図8を用いて、第1パドル25aおよび第2パドル25bが実行する縦整合処理について説明する。
【0052】
図6は、第1パドル25aおよび第2パドル25bが回転駆動する前のホームポジションを示す図である。「ホームポジション」とは、シートSを出口ローラ33a、33bから待機トレイ211に向けて滞留させる時又はシートSを出口ローラ33a、33bから処理トレイ221に直接送る時に、第1パドル25a、第2パドル25bが待機する位置である。
【0053】
図6において、第1パドル25aは、出口ローラ33bの軸から視て出口ローラ33bの外周面よりもシート搬送方向Dの下流側に突出しない位置に配置される。別の観点で見ると、第1パドル25aは、待機トレイ211から視て待機トレイ211近傍に位置する出口ローラ33bの外周面よりも搬送方向上流側に位置し、出口ローラ33bから待機トレイ211に搬送されるシートSの搬送を妨げない位置に配置される。また、第2パドル25bは、その先端部が処理トレイ221のシートSから所定距離だけ離れた位置に配置される。
【0054】
後処理制御部24は、待機トレイ211に予め定められた枚数のシートSが滞留されると、一対の待機トレイ部材211a、211bをシート幅方向Wにおいて互いに離れる方向に駆動させ、滞留したシートSを処理トレイ221に移動させる。
【0055】
後処理制御部24は、パドルモータ28を駆動させることにより回転軸26を回転させる。第1パドル25aは、回転軸26の回転に付随して回転することで待機トレイ211から落下するシートSに接触し、処理トレイ221に向けて移動する力を加える。
【0056】
図7は、第1パドル25aが、さらに矢印A方向(反時計回り)に回転することで処理トレイ221に移動したシートSに縦整合処理を実行することを示す図である。
【0057】
第1パドル25aは、図6の状態から矢印A方向に回転することで処理トレイ221にシートSを導き、シートSを介して処理トレイ221に接触し、湾曲した状態となる。第1パドル25aは、矢印A方向に回転することで湾曲した状態を維持しながら、処理トレイ221よりもシート搬送方向上流に位置するストッパ225に向けてシートSを移動させる。すなわち、第1パドル25aは、シートSを処理トレイ221と共に挟み込んでストッパ225に向けて引き込むことで、縦整合処理を行う。
【0058】
図8は、第2パドル25bが処理トレイ221のシートSに縦整合処理を実行することを示す図である。後処理制御部24は、パドルモータ28の駆動を制御して、第1パドル25aおよび第2パドル25bを、図7の状態からさらに矢印A方向に回転させる。第1パドル25aおよび第2パドル25bは、パドルモータ28の駆動を得て反時計周りに回転する。第2パドル25bは、第1パドル25aで十分に縦整合処理が出来なかったシートSに対して再度縦整合処理を実行する。
【0059】
その後、後処理制御部24は、パドルモータ29を駆動して、第1パドル25aおよび第2パドル25bをホームポジション(図6参照)に位置づける。
【0060】
第1パドル25aおよび第2パドル25bは、ホームポジションに位置した状態で後続のシートの待機トレイ211への受け入れを待機する。以上が第1パドル25aおよび第2パドル25bが実行する縦整合処理である。
【0061】
次に、横整合部51(第1整合板51a、第2整合板51b)とパドル部25による処理トレイ221のシートに対する横整合処理および縦整合処理の流れを説明する。
【0062】
図9は、後処理制御部24が横整合部51とパドル部25を制御して実行する縦整合処理と横整合処理のフローチャートである。
【0063】
まず、出口ローラ33a、33bからシートSが排出され、複数枚のシートS(例えば、3枚のシート)が待機トレイ211にバッファされる。後処理制御部24は、待機トレイ211をシートSの幅方向Wにおいて離間するように駆動させ、処理トレイ221にシートを供給する(Act101)。これにより、複数枚のシートSは、待機トレイ211から処理トレイ221へと移動する。第1整合板51aおよび第2整合板51bは、「待機位置」で複数枚のシートSの受け入れを待機する(図10参照)。
【0064】
後処理制御部24は、パドル部25を回転駆動させる。後処理制御部24は、複数枚のシートSに対して第1パドル25aで縦整合処理(図7参照)を実行させる(Act102)。
【0065】
シートSは、第1パドル25aで搬送方向Dにおいて上流側に移動し、縦整合処理が実行される。第1パドル25aによる縦整合処理を実行する時、第1整合板51aおよび第2整合板51bは、「待機位置」で次の処理を待機する(図11参照)。
【0066】
後処理制御部24は、第1整合板51aおよび第2整合板51bを待機位置から第2整合位置へと移動させ、横整合処理を実行させる(Act103)。Act102で縦整合処理された後の複数枚のシートSは、第2整合位置で第1整合板51aおよび第2整合板51bにより、シート幅方向の端部の乱れが整合される(図12参照)。
【0067】
後処理制御部24は、第2整合位置で整合処理された複数枚のシートSに対して第2パドル25bで縦整合処理(図8参照)を実行させる(Act104)。これにより、複数枚のシートSは、シート搬送方向において整合する。このとき、第1整合板51aおよび第2整合板51bは、「第2整合位置」に位置しているため、第2整合板51bが縦整合処理した時に生じるシートの移動を規制することが出来る(図13参照)。
【0068】
後処理制御部24は、第1整合板51aを第2整合位置から第1整合位置に移動させる(Act105)。この時、第2整合板51bは、第2整合位置で次の処理を待機する(図14参照)。
【0069】
後処理制御部24は、第2整合板51bを第2整合位置から第1整合位置に移動させる(Act106)。これにより、第2整合板51bは、シートSを第2整合位置から第1整合位置にシフトさせる。また、第1整合板51aは、第1整合位置に停止しているため、第1整合位置で第1整合板51aと第2整合板51bとでシートSを挟み込んで、横整合処理が実行される(図15参照)。なお、この時、後処理制御部24は、ダンパー機構を有していない第2整合板51bを整合基準としてシートSに横整合処理を実行する。すなわち、シートSは、第1整合位置で第2整合板51b側のシートの端部を基準に整合される。
【0070】
後処理制御部24は、今回処理したシートが最終シートか否かを判断する(Act107)。ここで、最終シートではないと判断した場合(Act107のNo)、Act112の処理に進む。
【0071】
後処理制御部24は、後続のシートS´を処理トレイ221に受け入れるため、第2整合板51bを第1整合位置から待機位置に移動させる(Act112)。第1整合板51aは、第1整合位置で次の動作を待機する(図16参照)。
【0072】
後処理制御部24は、出口ローラ33a、33bを制御して後続のシートS´を処理トレイ221に搬送させる(Act113)。後続のシートS´が処理トレイ221に搬送される時、第1整合板51aは、第1整合位置に位置し、第2整合板51bは、待機位置に位置している。(図17参照)。
【0073】
後処理制御部24は、後続のシートS´が処理トレイ221に搬送されるとパドル部25を回転駆動させる。後処理制御部24は、シートSに対して第1パドル25a、第2パドル25bで縦整合処理(図7、8参照)を実行させる(Act114)。
【0074】
後続のシートS´は、第1パドル25a、第2パドル25bで縦整合処理されることで搬送方向Dの上流側に移動する。一方、既に整合処理されている複数枚のシートSは、第1整合位置に位置しているため、パドル部25がシートSに与える搬送力が不均一となり、シートSの整合状態に乱れが生じてしまう(図18参照)。この現象について図19を用いて詳しく説明する。
【0075】
図19は、Act114にて、第1整合位置で既に整合されている複数枚のシートSが乱れる現象の原因について説明する図である。
【0076】
複数枚のシートSは、Act114の処理が実行される前は、処理トレイ221の中央部から一方の端部側に所定距離だけずれた位置で揃えられている。このため、パドル部25で縦整合処理を実行した時に、シートSに接触するパドル部25の数はシートの幅方向において左右不均一となってしまう。詳しくは、図19において、シートSの中心線を挟んで左側の領域は、2つのパドル部25が接触し、搬送力F2で縦整合処理を実行する。
【0077】
一方、シートSの中心線を挟んで右側の領域は、1つのパドル部25のみが接触し、搬送力F1で縦整合処理を実行する。1つのパドル部25がシートSに与える搬送力は同じであるため、パドル部25が少ない状態で接触するシートSの右側の領域は、上述した搬送力F2よりも小さい搬送力F1で縦整合処理が実行されることとなる。このため、パドル部25がシートSに与える搬送力は左右不均一となり、図18に示すように左側の領域においてずれが生じてしまう。
【0078】
再び、図9の説明に戻る。
【0079】
後処理制御部24は、Act114を実行した後、第2整合板51bを待機位置から第1整合位置に移動させる(Act106)。このとき、第1整合板51aは、第1整合位置に位置しているため、第1整合板51aと第2整合板51bとで後続のシートS´と第1整合位置にある複数枚のシートSを挟み込むことにより、横整合処理を実行する(図20参照)。
【0080】
次に、後処理制御部24は、再び、最終シートか否かを判断する(Act107)。ここで、最終シートであると判断した場合(Act107)、Act108の処理に進む。
【0081】
先のAct106の横整合処理のみではシートの整合乱れが改善されていない可能性があるため、後処理制御部24は、第2整合板51bを第1整合位置から第2整合位置に移動させる(Act108)。第1整合板51aは、第1整合位置で次の動作を待機する(図21参照)。なお、ここで、第2整合板51bは、必ずしも第2整合位置まで移動させる必要は無く、第1整合板51aとの間隔を広げる位置(例えば、第1整合位置と第2整合位置との間の位置)へ移動させてもよい。
【0082】
後処理制御部24は、第2整合板51bを第2整合位置から第1整合位置に移動させる(Act109)。シートSは、第2整合板51bと第1整合板51aとで挟み込まれることにより、再び第1整合位置で横整合処理が実行される(図22参照)。
【0083】
このように、第1整合位置におけるパドル部25の縦整合処理後に、第1整合位置において、複数回、横整合処理を繰り返すことでパドル部25の縦整合処理後に起因したシートの整合乱れを改善し、良好な整合状態のシート束を得ることが可能となる。
【0084】
次に、後処理制御部24は、ステイプラ222を駆動させ、第1整合位置において整合された複数枚のシートSに対してステイプル処理を実行させる(Act110)。
【0085】
後処理制御部24は、ステイプル処理が実行されたシートを搬送ローラ223a、223bを制御して可動トレイ23bに排出させる(Act111)。これにより、一連の処理が完了する。
【0086】
このように、本実施形態によれば、第1整合位置におけるパドル部25の縦整合処理後に、第1整合位置において、複数回、横整合処理を繰り返すことで、良好な整合状態のシート束を得ることが可能となる。
【0087】
また、本実施形態によれば、Act106、Act109でシートに対して横整合処理を実行する前に、Act103において第2整合位置で予め横整合動作を実行する。このため、良好な整合状態の複数枚のシートSを一方の端部側にシフトさせることが出来る。これによりAct115で縦整合処理を実行した時に大きな乱れが生じることを抑制することが可能となる。
【0088】
(第2の実施形態)
次に、図23を用いて第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、シート後処理装置2が、処理対象のシートの枚数に基づいて、第1整合位置で縦整合処理された後のシートに横整合処理を実行する回数を変更する実施形態である。
【0089】
図23は、後処理制御部24が実行する制御の流れを示すフローチャートである。なお、第1の実施形態と共通する処理については、説明を省略する。
【0090】
Act201からAct207の処理は第1の実施形態と共通であるため、説明を省略し、主にAct208以降を説明する。
【0091】
後処理制御部24は、最終シートであるか否かを判断し(Act207)、最終シートであると判断した場合(Act207のYes)、処理する対象のシートが所定枚数以上であるか否かを判断する(Act208)。ここで、所定枚数以上であるか否かを判断するのは、処理対象のシート枚数が多くなるほど、第1整合位置で縦整合処理を実行した後のシートの乱れが大きくなるからである。これは、シートの枚数が増えれば増えるほど処理トレイ221に積層されているシートの厚みが厚くなる。したがって、処理トレイ221のシートSと縦整合処理を実行するパドル部25と接触面積が大きくなることとなり、第1整合位置におけるパドル部の搬送力の不均一が助長されてしまうからである。
【0092】
後処理制御部24は、処理する対象のシートが所定枚数以上であると判断した場合(Act208のYes)、Act209、Act210の処理を実行して再び第1整合位置の複数枚のシートSに対して横整合処理を実行する。その後、Act211、Act212の処理を実行して処理を完了する。なお、第1の実施形態と同一であるので処理の詳細についての説明は省略する。
【0093】
一方、後処理制御部24は、処理する対象のシートが所定枚数以上でないと判断した場合(Act208のNo)、Act209、Act210の処理を省略して、Act211、Act212の処理を実行する。
【0094】
これにより、シートの処理枚数に応じて、第1整合位置における整合処理を変更することができるとともにシート後処理装置全体の処理速度を向上させることができる。
【0095】
(第3の実施形態)
次に、図24を用いて第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、後処理制御部24が、画像形成装置1から送信された印刷ジョブにステイプル処理を実行する旨の情報が付されているか否かを判断し、その判断結果に基づいて第1整合位置で縦整合処理された後のシートに横整合処理を実行する回数を変更する実施形態である。
【0096】
図24は、後処理制御部24が実行する制御の流れを示すフローチャートである。なお、第1の実施形態と共通する処理については、説明を省略する。
【0097】
Act301からAct307の処理は第1の実施形態と共通であるため、説明を省略し、主にAct308以降を説明する。後処理制御部24は、最終シートであるか否かを判断し(Act307)、最終シートであると判断した場合(Act307のYes)、画像形成装置1から送信された印刷ジョブにステイプル処理を実行する旨の情報が付されているか否かを判断する(Act308)。ここで、印刷ジョブにステイプル処理を実行する旨の情報が付されているか否かを判断するのは、ステイプル処理を実行する場合は、ステイプル処理を実行しない場合に比べてより良好なシートの整合状態が求められるからである。
【0098】
処理制御部24は、画像形成装置1から送信された印刷ジョブにステイプル処理を実行する旨の情報が付されていると判断した場合(Act308のYes)、Act309、Act310の処理を実行して、再度、複数のシートSに対して横整合処理を実行する。その後、Act311、Act312の処理を実行して処理を完了する。なお、第1の実施形態と同一であるため、処理の詳細についての説明は省略する。
【0099】
一方、後処理制御部24は、ステイプル処理を実行する旨の情報が付されていないと判断した場合(Act308のNo)、Act309〜Act311の処理を省略して、シートSを排出して一連の処理を完了する。
【0100】
これにより、整合状態の良いシートに対して第1整合位置においてステイプル処理を実行することができる。
【0101】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0102】
1…画像形成装置、2…シート後処理装置、21…待機部、22…処理部、23…排出部、24…後処理制御部、25a…第1パドル、25b…第2パドル、211…待機トレイ、221…処理トレイ、51a…第1整合板、51b…第2整合板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24