特許第6758135号(P6758135)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6758135
(24)【登録日】2020年9月3日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】打継面の処理方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/02 20060101AFI20200910BHJP
【FI】
   E04G21/02 103A
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-177754(P2016-177754)
(22)【出願日】2016年9月12日
(65)【公開番号】特開2018-44297(P2018-44297A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2019年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122781
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100167597
【弁理士】
【氏名又は名称】福山 尚志
(72)【発明者】
【氏名】田中 真弓
(72)【発明者】
【氏名】松本 修治
(72)【発明者】
【氏名】柳井 修司
(72)【発明者】
【氏名】横関 康祐
(72)【発明者】
【氏名】曽我部 直樹
(72)【発明者】
【氏名】今井 道男
【審査官】 五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−319853(JP,A)
【文献】 特開平04−055378(JP,A)
【文献】 特開2000−141328(JP,A)
【文献】 特開2000−336931(JP,A)
【文献】 特開平07−091057(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向に打継されるコンクリート構造物の打継面の処理方法であって、
打設したコンクリートの打継面を、前記コンクリート由来の粒子を吸着する吸水性シートで覆う覆い工程と、
前記吸水性シートを前記打継面から剥がす剥がし工程と、を含み、
前記覆い工程において、前記打継面は前記吸水性シートの吸水面に接触しており、
前記覆い工程は、前記コンクリートからブリージング水が生じる時期に行い、かつ、前記打継面及び前記吸水性シートが凹凸形状となるように行い、
前記吸水性シートは、前記凹凸形状をなす型板と、前記型板の片面に設けられ前記吸水面を有するシート本体と、を備える、打継面の処理方法。
【請求項2】
前記型板は、前記覆い工程において前記凹凸形状の底部となる部分以外の部分に貫通孔を有する、請求項1記載の打継面の処理方法。
【請求項3】
前記剥がし工程は、前記コンクリートの養生を開始する前に行う、請求項1又は2記載の打継面の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打継面の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、規模の大きなコンクリート構造物を構築する場合に、コンクリートを打設する領域を複数の領域に分割し、順次打継面を介してコンクリートを打継ぐことでコンクリート構造物全体を構築することが行われている。
【0003】
ここで、打継面の表面に凹凸を形成することで、既設コンクリートと新設コンクリートとの密着性を強固にすることが行われている。その例として、打継面に硬化遅延剤を塗布し、その後高圧水を吹付けることでレイタンスを除去するとともに凹凸表面を露出させることが挙げられる(例えば特許文献1参照)。ここで凹凸表面とは、コンクリートの粗骨材の大きさに従った数mm程度の大きさの凹凸を有する表面をいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭61−92261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、高圧水を用いてレイタンスを除去する方法では、アルカリ性の水が大量に発生し、これによって周辺の河川やダムが汚染されることが懸念される。従って、廃棄する水の発生量を少なく抑えることが望まれる。また、コンクリートの打設直後に生じるブリージング水についても同様に、効率的に除去することが望まれる。
【0006】
そこで本発明は、水平打継面を介するコンクリートの打継において、ブリージング水やレイタンスを効率的に除去することができる、打継面の処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、鉛直方向に打継されるコンクリート構造物の打継面の処理方法であって、打設したコンクリートの打継面を、コンクリート由来の粒子を吸着する吸水性シートで覆う覆い工程と、吸水性シートを打継面から剥がす剥がし工程と、を含み、覆い工程において、打継面は吸水性シートの吸水面に接触しており、覆い工程は、コンクリートからブリージング水が生じる時期に行う、打継面の処理方法を提供する。
【0008】
この処理方法によれば、吸水性シートがブリージング水を吸水して保持するとともに、レイタンス又はレイタンスの基になる粒子を吸着することができるので、これをコンクリートからブリージング水が生じる時期に適用することで、ブリージング水とレイタンスを同時に除去することができる。ゆえに、水平打継面を介するコンクリートの打継において、廃棄する水の発生量を少なく抑えることができるとともに、ブリージング水やレイタンスを効率的に除去することができる。
【0009】
この処理方法において、覆い工程は、打継面及び吸水性シートが凹凸形状となるように行うことが好ましい。この場合、打継面に凹凸ができることで、コンクリート構造物の剪断強度を大幅に向上させることができる。
【0010】
吸水性シートは、凹凸形状をなす型板と、型板の片面に設けられ上記吸水面を有するシート本体と、を備えていてもよい。この場合、吸水性シートをコンクリートに押し付けることで、コンクリート表面に容易に凹凸形状を形成することができるので、作業性が高くなる。
【0011】
このとき、型板は、覆い工程において凹凸形状の底部となる部分以外の部分に、貫通孔を有することが好ましい。吸水性シートがブリージング水を吸水しきれない場合には、溢れた水が貫通孔を通って型板表面を流れ、底部に溜まることになる。剥がし工程において、当該ブリージング水は吸水性シートとともに除去される。従って、この型板を有する吸水性シートは、ブリージング水が多い場合に特に好ましい。
【0012】
剥がし工程は、コンクリートの養生を開始する前に行うことが好ましい。吸水性シートを剥がした後、養生期間には別の養生用シートを使用することもできる。また、剥がし工程を養生の開始前に行うことで、コンクリートが吸水性シートを噛み込んで硬化することが防止される。
【0013】
また、本発明は、鉛直方向に打継されるコンクリート構造物の打継面の処理方法であって、打設したコンクリートの打継面を不透水性シートで覆う覆い工程と、不透水性シートを打継面から剥がす剥がし工程と、を含み、覆い工程は、打継面が不透水性シートに接触するように、且つ、打継面及び不透水性シートが凹凸形状となるように行い、覆い工程は、コンクリートからブリージング水が生じる時期に行い、不透水性シートは、覆い工程において凹凸形状の底部となる部分以外の部分に貫通孔を有する、打継面の処理方法を提供する。
【0014】
この処理方法によれば、ブリージング水や、ブリージング水に含まれるレイタンス又はレイタンスの基になる粒子が、不透水性シートの貫通孔を通って不透水性シートの表面に溢れ出し、不透水性シートの凹凸形状の底部に溜まることになる。剥がし工程において、これらは不透水性シートとともに除去される。従って、不透水性シートをコンクリートからブリージング水が生じる時期に適用することで、ブリージング水とレイタンスを同時に除去することができる。ゆえに、水平打継面を介するコンクリートの打継において、廃棄する水の発生量を少なく抑えることができるとともに、ブリージング水やレイタンスを効率的に除去することができる。
【0015】
この処理方法の場合も、剥がし工程は、コンクリートの養生を開始する前に行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
水平打継面を介するコンクリートの打継において、ブリージング水やレイタンスを効率的に除去することができる、打継面の処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(A)は第1の実施形態に係る吸水性シートの断面図である。(B)は第1の実施形態に係る処理方法を示す図である。
図2】第2の実施形態に係る処理方法を示す図である。
図3】第3の実施形態に係る吸水性シートの断面図である。
図4】(A)は第4の実施形態に係る吸水性シートの斜視図である。(B)は第4の実施形態に係る吸水性シートの断面図である。
図5】第4の実施形態に係る吸水性シートの作用を示す図である。
図6】(A)は第5の実施形態に係る吸水性シートの斜視図である。(B)は第5の実施形態に係る吸水性シートの断面図である。
図7】第5の実施形態に係る吸水性シートの作用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0019】
<第1の実施形態>
第1の実施形態として、吸水性シートを用いる打継面の処理方法について説明する。図1(A)に示されている吸水性シート1Aは、不織布からなるシートである。吸水性シート1Aは、吸水性を有するとともに、コンクリート由来の粒子、特にレイタンスを吸着することができるものを用いる。吸水性シート1Aは、負電荷を帯びたレイタンスを静電的に引きつけやすい正電荷を有する有機系不織布であることが好ましい。
【0020】
図1(B)に示されているとおり、型枠2内にコンクリート3を打設した後、コンクリート3の表面を吸水性シート1Aで覆う(覆い工程)。吸水性シート1Aで覆う面は、コンクリートの打継が予定されている面である。この覆い工程は、コンクリート3からブリージング水が生じる時期に行う。
【0021】
生じるブリージング水は吸水性シート1Aに吸収されて保持される。過剰なブリージング水は吸水性シート1Aの表面上に溜まる。また同時に、生じるレイタンスやレイタンスの基になる粒子は吸水性シート1Aに吸着される。ここで「吸着」とは、粒子が吸水性シート1Aに物理的に絡め取られることや、静電的に引きつけられること等を含む概念である。
【0022】
ブリージング水が十分に出終わった頃合いをみて、吸水性シート1Aを打継面から剥がす(剥がし工程)。その後、コンクリートの養生期間に入る。養生期間では、別の養生用シートを用いて保水性を高めながら養生することが好ましい。
【0023】
ここで、ブリージングが終わる時期の判断としては、例えば、N式貫入試験で求められるN式貫入抵抗値と凝結試験で求められる凝結特性との相関を事前に調査しておき、コンクリート3のN式貫入抵抗値から凝結始発を確認することにより行うことができる。
【0024】
この打継面の処理方法によれば、吸水性シート1Aがブリージング水を吸水して保持するとともに、レイタンス又はレイタンスの基になる粒子を吸着することができるので、ブリージング水とレイタンスを同時に除去することができる。ゆえに、水平打継面を介するコンクリートの打継において、廃棄する水の発生量を少なく抑えることができるとともに、ブリージング水やレイタンスを効率的に除去することができる。
【0025】
また、従来はレイタンスを除去するために硬化遅延剤を使用する場合があったが、本実施形態の処理方法によれば、レイタンスをブリージング水とともに除去できるので、硬化遅延剤を使用する必要は必ずしもない。
【0026】
また、剥がし工程を養生の開始前に行うことで、コンクリート3が吸水性シート1Aを噛み込んで硬化することが防止される。
【0027】
<第2の実施形態>
第2の実施形態として、他の吸水性シートを用いる打継面の処理方法について説明する。第1の実施形態と異なる点は、図2に示されているとおり、吸水性シート1Bでコンクリート3を覆う際に、打継面及び吸水性シート1Bが断面視凹凸形状となるように覆うことである。
【0028】
コンクリート3を打設した後、打継面となるコンクリート3の表面に、レーキやコテ等を使用して、互いに平行な溝を複数並走させて掘り、断面視ジグザグとなるように凹凸をつける。溝の深さは2〜3cm程度とする。このとき、溝が延びる方向は、完成後のコンクリート構造物に浸入する水の水みちに直交する方向とすることが好ましい。図2では、図示左右方向に水が浸入しうることを想定している。そして、その凹凸形状に倣うようにして吸水性シート1Bを密着させる。
【0029】
別の方法として、先に吸水性シート1Bでコンクリート3の表面を覆い、その上からコテ等で押さえつけるようにして、吸水性シート1B及びコンクリート3の表面の凹凸形状を同時に形成してもよい。
【0030】
この処理方法によれば、第1の実施形態と同様の効果が奏されるほか、打継面にセンチメートル単位の凹凸形状が形成されていることで、当該コンクリート3とこの上に打継がれるコンクリートとの密着性が向上し、完成後のコンクリート構造物の剪断強度を大幅に向上させることができる。また、溝が延びる方向を、コンクリート構造物に浸入する水の水みちに直交する方向とした場合は、止水性も向上する。
【0031】
また、剥がし工程のみではレイタンスを十分に除去することができなかった場合においても、打継面に形成した凸部は構造上の弱部となっているので、当該部分に残っているレイタンスは小さなエネルギーで除去することができ、省力化に資する。
【0032】
<第3の実施形態>
第3の実施形態として、他の吸水性シートを用いる打継面の処理方法について説明する。第2の実施形態と異なる点は、図3に示されているとおり、吸水性シート1Cが吸水性を有するシート本体11a(1A)と、凹凸形状をなす型板11bとを備えている点である。
【0033】
型板11bは剛性を有する金属又は樹脂製の屏風状の板であり、断面視でジグザグを有する形状をなしている。型板11bを裏打ちするように、シート本体11aが設けられている。
【0034】
吸水面となるシート本体11aがコンクリート3に接触するように下向きにして、コンクリート3を覆う。このとき、型板11bが剛性を有しているので、事前にコンクリート表面に溝を形成しておく必要はなく、吸水性シート1Cをコンクリート3に押し付けることで、コンクリート表面に容易に凹凸形状を形成することができる。従って、この処理方法によれば、作業性が高くなる。
【0035】
<第4の実施形態>
第4の実施形態として、他の吸水性シートを用いる打継面の処理方法について説明する。第3の実施形態と異なる点は、図4(A)及び(B)に示されているとおり、吸水性シート1Dにおける型板11cが多数の貫通孔11dを有している点である。
【0036】
型板11cは、吸水性シート1Dの型板11c側からみて凸部となる部分の頂部に、複数の貫通孔11dを有している。図4(A)に示されているとおり、各凸部においては、凸部が延びる方向に亘って複数の貫通孔11dが等間隔をおいて設けられている。
【0037】
この吸水性シート1Dを用いる場合も、打設したコンクリート3に対して吸水性シート1Dを押し付けることで、コンクリート表面に容易に凹凸形状を形成することができる。
【0038】
貫通孔11dは、シート本体11aがブリージング水を吸水しきれないほど多い場合に役立つ。すなわち、図5に示されているとおり、ブリージング水Wが吸水性シート1Dの吸水限度を超えて生じた場合、ブリージング水Wが貫通孔11dから湧き上がって型板11cの表面を流れ、型板11cの凹凸の底部11eに溜まることになる。剥がし工程において、ブリージング水Wは吸水性シート1Dとともに除去される。従って、この型板11cを有する吸水性シート1Dは、ブリージング水が多い場合に特に好ましい。
【0039】
なお、図4では型板11cの凸部の頂部に貫通孔11dが設けられている態様を示したが、貫通孔11dは必ずしも頂部に設けられている必要はなく、底部11eとなる部分以外の部分に設けられていればよい。
【0040】
<第5の実施形態>
第5の実施形態として、不透水性シートを用いる打継面の処理方法について説明する。図6(A)及び(B)に示されているとおり、不透水性シート1Eは、剛性を有する金属や樹脂からなる屏風状の板であって、断面視でジグザグを有する形状をなしている。ジグザグの頂部と底部との高低差は2〜3cm程度である。
【0041】
不透水性シート1Eは、一方の面側からみて凸部となる部分の頂部に、複数の貫通孔11dを有している。同じ側から見て底部となる部分には貫通孔は設けられていない。図6(A)に示されているとおり、各凸部においては、凸部が延びる方向に亘って複数の貫通孔11dが等間隔をおいて設けられている。
【0042】
使用時には、打設したコンクリート3の表面に、貫通孔11dが設けられた凸部の部分が高い位置となるようにして、コンクリート3を覆う(覆い工程)。このとき、不透水性シート1Eが剛性を有しているので、事前にコンクリート表面に溝を形成しておく必要はなく、不透水性シート1Eをコンクリート3に押し付けることで、コンクリート表面に容易に凹凸形状を形成することができる。不透水性シート1Eで覆う面は、コンクリートの打継が予定されている面である。この覆い工程は、コンクリートからブリージング水が生じる時期に行う。
【0043】
生じるブリージング水Wやレイタンス又はレイタンスの基になる粒子は、図7に示されているとおり、貫通孔11dを通って不透水性シート1Eの表面に溢れ、不透水性シート1Eの底部11eに溜まる。
【0044】
ブリージング水Wが十分に出終わった頃合いをみて、不透水性シート1Eを打継面から剥がす(剥がし工程)。その後、コンクリートの養生期間に入る。養生期間では、別の養生用シートを用いて保水性を高めながら養生することが好ましい。
【0045】
この処理方法によれば、ブリージング水Wや、ブリージング水Wに含まれるレイタンス又はレイタンスの基になる粒子が、不透水性シート1Eの貫通孔11dを通って不透水性シートの表面に溢れ出し、不透水性シート1Eの凹凸形状の底部11eに溜まることになる。剥がし工程において、これらは不透水性シート1Eとともに除去される。従って、ブリージング水Wとレイタンスを同時に除去することができる。ゆえに、水平打継面を介するコンクリートの打継において、廃棄する水の発生量を少なく抑えることができるとともに、ブリージング水やレイタンスを効率的に除去することができる。
【0046】
なお、上記実施形態では、不透水性シートが剛性を有する態様を示したが、剛性を有しない可撓性シートであってもよい。この場合、コンクリートの表面に、レーキやコテ等を使用して、互いに平行な溝を複数並走させて掘り、断面視ジグザグとなるように凹凸をつけた後に、不透水シートで覆ってもよい。また、別の方法として、可撓性を有する不透水性シートで先にコンクリートの表面を覆い、その上からコテ等で押さえつけるようにして凹凸形状を形成してもよい。
【0047】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、第5の実施形態では不透水性シートが剛性を有する単独の素材で構成されている例を示したが、不透水性シートとしては、上記不透水性シート1Eを可撓性のある素材で構成し、これを第4の実施形態で使用した型板11cに貼り付けた構成としてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では養生期間に入る前に吸水性シート又は不透水性シートを剥がす態様を示したが、場合によっては養生期間においても吸水性シート又は不透水性シートを敷いたままにしておいてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1A,1B,1C,1D…吸水性シート、1E…不透水性シート、2…コンクリート型枠、3…コンクリート、11a…シート本体、11b,11c…型板、11d…貫通孔、11e…底部、W…ブリージング水。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7