特許第6758159号(P6758159)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6758159
(24)【登録日】2020年9月3日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】水素製造装置
(51)【国際特許分類】
   C01B 3/38 20060101AFI20200910BHJP
【FI】
   C01B3/38
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-219145(P2016-219145)
(22)【出願日】2016年11月9日
(65)【公開番号】特開2017-88489(P2017-88489A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2019年5月30日
(31)【優先権主張番号】特願2015-219485(P2015-219485)
(32)【優先日】2015年11月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大橋 雅史
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 信
(72)【発明者】
【氏名】倉橋 香那子
【審査官】 宮崎 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−066876(JP,A)
【文献】 特開平09−110401(JP,A)
【文献】 特開2012−188298(JP,A)
【文献】 特開2005−158713(JP,A)
【文献】 特開2006−225210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B3/00−3/58
H01M8/00−8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された炭化水素原料を使用して水素を生成し供給する水素製造部と、
該水素製造部で使用される前記炭化水素原料の使用量を測定する使用量測定部と、
前記水素製造部が供給する水素の供給量を測定する供給量測定部と、
前記供給量測定部での測定値より求めた供給量を前記使用量測定部での測定値より求めた使用量で除算し、この除算値に基づいて水素加工費を演算する加工費演算手段と、
を備える水素製造装置。
【請求項2】
前記使用量測定部での測定値に基づいて算出した炭化水素原料の原料費に、前記加工費演算手段で算出された前記水素加工費に前記水素の供給量を乗算して求めた水素費を加算して水素製造費を算出する製造費算出手段をさらに備えた請求項1に記載の水素製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水素を得るための水素製造装置としては、炭化水素原料を改質して水素を主成分とする改質ガスを生成する改質器と、改質器にて生成された改質ガスを不純物と水素とに分離して水素を精製する水素精製器とを備えるものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
これらの水素製造装置は、大規模な水素製造能力の水素製造装置専用に改質器を設計しているため、水素製造能力の向上に対して有効である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−261306号公報
【特許文献2】特開2003−335502号公報
【特許文献3】特開2000−285948号公報
【特許文献4】特許第5371013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、水素製造装置においては、水素供給量によって水素製造費を算出するため、水素製造費の算出が必ずしも適切に行われているとはいえなかった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、より適切な水素製造費の算出が可能な水素製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一態様では、供給された炭化水素原料を使用して水素を生成し供給する水素製造部と、該水素製造部で使用される前記炭化水素原料の使用量を測定する使用量測定部と、前記水素製造部が供給する水素の供給量を測定する供給量測定部と、を備えている。
【0008】
すなわち、使用量測定部から測定値を得ることで、水素製造部で使用した炭化水素原料の使用量を取得することができ、供給量測定部から測定値を得ることで、水素製造部からの水素の供給量を取得することができる。また、取得した供給量と使用量とを用いることによって、使用した炭化水素原料と供給した水素との関係から水素加工費を算出することができる。
【0009】
そして、使用量から求めた原料費に、算出した水素加工費を加えれば、水素製造費を求めることができる。このようにして求めた水素製造費では、炭化水素原料から水素を製造する際の運転効率が良かったときに、より多くの水素製造費を徴収できる。また、運転効率が悪かったときは、運用者へのペナルティとして、水素製造費が安くなる。
【0010】
このため、運用者に対しては、運転効率が低下した際の調整作業や不具合の修正を促すことができる。また、利用者にあっては、運転効率に興味を持たせることができる。よって、両者の環境意識が高まり、地球環境保全に有効である。
【0011】
第二態様では、前記供給量測定部での測定値より求めた供給量と前記使用量測定部での測定値より求めた使用量との関係に基づいて水素加工費を演算する加工費演算手段をさらに備えている。
【0012】
すなわち、水素製造装置は、加工費演算手段を備えており、加工費演算手段は、供給量測定部での測定値より求めた供給量と使用量測定部での測定値より求めた使用量との関係から水素加工費を演算する。
【0013】
このため、人手による水素加工費の計算が不要となり、利便性が向上する。
【0014】
第三態様では、前記加工費演算手段は、前記供給量を前記使用量で除算し、この除算値に基づいて水素加工費を演算する。
【0015】
すなわち、水素加工費は、供給量を使用量で除算した除算値を用いて演算される。このため、炭化水素原料の使用量に対する水素の供給量の比率によって運転効率が示され、この運転効率に基づいて水素加工費を演算することができる。
【0016】
第四態様では、前記使用量測定部での測定値に基づいて算出した炭化水素原料の原料費に、前記加工費演算手段で算出された前記水素加工費に基づく水素費を加算して水素製造費を算出する製造費算出手段をさらに備えている。
【0017】
すなわち、水素製造装置は、製造費算出手段を備えており、製造費算出手段は、使用量測定部での測定値より求めた炭化水素原料の原料費に、算出した水素加工費に基づく水素費を加算して、水素製造費を演算する。
【0018】
このため、人手による水素製造費の計算が不要となり、利便性が向上する。
【発明の効果】
【0019】
本態様では、水素供給量のみによって水素製造費を算出する従来と比較して、より適切な水素製造費の算出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る水素製造装置の全体構成を示す図である。
図2図1に示される多重筒型改質器の詳細を示す図である。
図3】同実施形態の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
【0022】
図1に示されるように、本実施形態に係る水素製造装置10は、複数の多重筒型改質器(FPS)12と、圧縮機14と、水素精製器16とを備え、多重筒型改質器12と圧縮機14と水素精製器16とによって炭化水素原料から水素を製造し供給する水素製造部17が構成される。なお、本実施形態では、炭化水素原料の一例として都市ガスが用いられる場合について説明する。
【0023】
この水素製造装置10は、水素製造部17で使用する都市ガスの使用量を測定する使用量測定部18と、水素製造部17が供給する水素の供給量を測定する供給量測定部20とを備える。使用量測定部18及び供給量測定部20は、通過する気体の流量を計測する流量計によって構成され、測定値を表示する表示機能と送信する通信機能とを有する。
【0024】
複数の多重筒型改質器12は、互いに並列に接続されている。この複数の多重筒型改質器12は、圧縮機14を介して水素精製器16と接続されている。複数の多重筒型改質器12の台数は、要求される水素製造量等に合せて任意に設定可能である。この複数の多重筒型改質器12は、互いに同一の構成とされている。
【0025】
図2に示されるように、各多重筒型改質器12は、多重に配置された複数の筒状壁21〜24を有して構成されている。複数の筒状壁21〜24は、例えば円筒状や楕円筒状に形成される。複数の筒状壁21〜24のうち内側から一番目の筒状壁21の内部には、燃焼室25が形成されており、この燃焼室25の上部には、バーナ26が下向きに配置されている。
【0026】
一番目の筒状壁21と二番目の筒状壁22との間には、燃焼排ガス流路27が形成されている。燃焼排ガス流路27の下端部は、燃焼室25と連通されており、燃焼排ガス流路27の上端部には、ガス排出管28が設けられている。燃焼室25から排出された燃焼排ガスは、燃焼排ガス流路27を下側から上側に流れ、ガス排出管28を通じて外部に排出される。
【0027】
二番目の筒状壁22と三番目の筒状壁23との間には、第一流路31が形成されている。この第一流路31の上部は、予熱流路32として形成されており、この予熱流路32の上端部には、原料供給管33及び改質用水供給管34(図1では図示省略)が接続されている。二番目の筒状壁22と三番目の筒状壁23との間には、螺旋部材35が設けられており、この螺旋部材35により、予熱流路32は、螺旋状に形成されている。
【0028】
この予熱流路32には、原料供給管33から都市ガスが供給されると共に、改質用水供給管34から改質用水が供給される。都市ガス及び改質用水は、予熱流路32を上側から下側に流れると共に、二番目の筒状壁22を介して燃焼排ガスと熱交換され水が気化される。この予熱流路32では、都市ガス及び気相の改質用水(水蒸気)が混合されることにより、混合ガスが生成される。
【0029】
第一流路31における予熱流路32の下側には、改質触媒層36が設けられており、予熱流路32にて生成された混合ガスは、改質触媒層36に供給される。改質触媒層36では、燃焼排ガス流路27を流れる燃焼排ガスからの熱を受けて混合ガスが水蒸気改質され、水素を主成分とする改質ガスが生成される。
【0030】
三番目の筒状壁23と四番目の筒状壁24との間には、第二流路42が形成されている。第二流路42の下端部は、第一流路31の下端部と連通されている。第二流路42の下部は、改質ガス流路43として形成されており、第二流路42の上端部には、改質ガス排出管44が接続されている。
【0031】
第二流路42における改質ガス流路43よりも上側には、CO変成触媒層45が設けられており、改質触媒層36にて生成された改質ガスは、改質ガス流路43を通過した後、CO変成触媒層45に供給される。CO変成触媒層45では、改質ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気が反応して、水素と二酸化炭素に変換され、一酸化炭素が低減される。
【0032】
CO変成触媒層45の上側には、酸化剤ガス供給管46が設けられており、第二流路42におけるCO変成触媒層45よりも上側には、CO除去触媒層47が設けられている。酸化剤ガス供給管46を通じて取り入れられた酸化剤ガス、及び、CO変成触媒層45を通過した改質ガスは、CO除去触媒層47に供給される。CO除去触媒層47では、例えば白金やルテニウム等の貴金属触媒上で一酸化炭素が酸素と反応して二酸化炭素に変換され、一酸化炭素が除去される。CO変成触媒層45及びCO除去触媒層47で一酸化炭素が除去された改質ガスは、改質ガス排出管44を通じて排出される。
【0033】
各多重筒型改質器12にて生成された改質ガスは、図1に示される圧縮機14に送られ、圧縮機14で圧縮される。この圧縮機14にて圧縮された改質ガスは、水素精製器16に送られる。
【0034】
水素精製器16には、一例として、PSA(Pressure Swing Adsorption)装置が使用されている。この水素精製器16では、改質ガスが不純物と水素とに分離され、水素が精製される。水素精製器16からのオフガスには、不純物が含まれ、このオフガスは、上述のバーナ26(図2参照)の燃料として利用される。このバーナ26に供給される燃料が足りない場合には、バーナ26に図示しない補給経路から都市ガスが供給される。
【0035】
以上の水素製造装置10は、例えば、燃料電池システムに適用され、水素製造装置10で製造された水素は、供給量測定部20を介して燃料電池システム中の燃料電池に供給され、燃料電池による発電に利用される。
【0036】
この水素製造装置10において、例えば、燃料電池システムのスペック(定格出力)に対応して要求される水素製造量が変わる場合には、多重筒型改質器12の設置台数を調整することにより対応可能である。また、燃料電池の負荷変動に対応して燃料電池への水素の供給量を変えたい場合には、多重筒型改質器12の稼働数を調整することにより対応可能である。
【0037】
そして、この水素製造装置10には、加工費演算手段及び製造費算出手段を実施する制御部60が設けられている。この制御部60には、使用量測定部18、供給量測定部20、水素製造費を表示するための操作スイッチ62、及び液晶ディスプレイからなる表示部64が接続されている。また、制御部60は、ネットワーク66を介して、運用者の管理事務所のコンピュータ68に接続されている。
【0038】
これにより、制御部60は、使用量測定部18及び供給量測定部20から測定値を入力して水素製造費を演算し、その演算結果を表示部64に表示する。また、制御部60は、演算結果をネットワーク66を介して、運用者の管理事務所のコンピュータ68に送信できるように構成されている。
【0039】
この制御部60は、ROM及びRAMを内蔵したマイコンを中心に構成されており、マイコンがROMに記憶されたプログラムに従って動作することで、水素製造費の演算を行う。
【0040】
すなわち、制御部60が動作を開始した後、水素製造装置10に設けられた操作スイッチ62がオン操作されると、メインルーチンより課金処理を呼び出して実行する。あるいは、管理事務所のコンピュータ68からの水素製造費の演算命令を、ネットワーク66を介して受信すると、メインルーチンより課金処理を呼び出して実行する。
【0041】
この課金処理では、水素製造部17で使用した炭化水素原料の一例として都市ガスの使用量を使用量測定部18から入力する(S1)。ここで、使用量測定部18が、通過した都市ガスの累計を積算値として出力する積算流量計で構成された場合を例として説明する。例えば、前回の使用量取得時から現時点までを、水素製造費の演算対象期間とすると、現在入力した積算値から予め記憶しておいた前回の積算値を減算し、この減算値を演算対象期間の都市ガス使用量Axとする。
【0042】
次に、水素製造部17が利用者の燃料電池へ供給した水素の供給量を供給量測定部20から入力する(S2)。供給量測定部20が通過した水素の累計を積算値として出力する積算流量計で構成された場合、現在入力した積算値から予め記憶しておいた前回の積算値を減算し、この減算値を演算対象期間の水素供給量Bxとする。
【0043】
そして、取得した水素供給量Bx〔m〕と都市ガス使用量Ax〔m〕との関係に基づいて水素加工費P〔円/m〕を演算する(S3)。具体的には、水素供給量Bxを都市ガス使用量Axで除算して都市ガス使用量Axに対する水素供給量Bxの比率を求め、この比率に予め定めた単価X〔円/m〕を乗算して水素加工費P((Bx/Ax)×X)を求める。
【0044】
次に、ステップS1において使用量測定部18より入力した測定値から算出した都市ガス使用量Axに都市ガスの単価Y〔円/m〕を乗算して原料費と求めるとともに、この原料費にステップS3で求めた水素加工費Pに水素供給量Bxを乗算して求めた水素費を加算して水素製造費(P×Bx+Ax×Y)〔円〕を算出する(S4)。
【0045】
そして、算出した水素製造費を、表示部64の液晶ディスプレイに表示するとともに、水素製造費を示すデータを、当該水素製造装置10を特定可能な識別子と共にネットワーク66を介して管理事務所のコンピュータ68に送信し(S5)、メインルーチンへ戻る。
【0046】
これにより、使用量測定部18及び供給量測定部20の検診を行う検針者は、水素製造装置10に設けられた操作スイッチ62をオン操作して、表示部64の液晶ディスプレイを見ることで水素製造費を知ることができる。また、運用者にあっては、管理事務所のコンピュータ68からネットワーク66を介して対象となる水素製造装置10に対して水素製造費の演算命令を送信することで、管理事務所において水素製造費を知ることができる。
【0047】
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0048】
以上詳述したように、本実施形態に係る水素製造装置10では、使用量測定部18での測定値を目視あるいは通信で得ることにより、水素製造部17で使用した炭化水素原料の一例である都市ガスの使用量を取得することができる。また、供給量測定部20での測定値を目視あるいは通信で得ることで、水素製造部17からの水素の供給量を取得することができる。
【0049】
そして、取得した供給量と使用量とを用いることによって、使用した都市ガスと供給した水素との関係から水素加工費を人手により又はコンピュータ等のハードウェアで算出することができる。また、都市ガスの使用量から原料費を人手により又はコンピュータ等のハードウェアで算出することができ、この原料費に、算出した水素加工費を加えれば、水素製造費を求めることができる。
【0050】
このように、使用した都市ガスと供給した水素との関係より求めた水素加工費を用いて水素製造費を算出できるので、水素供給量のみによって水素製造費を算出する従来と比較して、より適切な水素製造費の算出が可能となる。
【0051】
また、このように水素製造費を算出すれば、原料となる都市ガスから水素を製造する際の運転効率が良かったときには、より多くの水素製造費を徴収できる。また、運転効率が悪かったときは、水素製造費が安くなる。
【0052】
このため、運用者に対しては、運転効率が低下した際の調整作業や不具合の修正を促すことができる。また、利用者にあっては、運転効率に興味を持たせることができる。よって、両者の環境意識が高まり、地球環境保全に対して有効な水素製造装置10となる。
【0053】
そして、本実施形態では、水素製造装置10の制御部60が供給量測定部20での測定値より求めた水素供給量Axと使用量測定部18での測定値より求めた都市ガス使用量Bxとの関係に基づいて水素加工費Pを演算する。
このため、人手による水素加工費Pの計算が不要となり、利便性が向上する。
【0054】
このとき、制御部60は、水素供給量Axを都市ガス使用量Bxで除算し、この除算値に基づいて水素加工費Pを演算する。
【0055】
このため、原料となる都市ガス使用量Bxに対する水素供給量Axの比率によって運転効率が示され、この運転効率に基づいて水素加工費Pを演算することができる。
【0056】
また、制御部60は、使用量測定部18での測定値に基づいて算出した都市ガスの原料費に、算出した水素加工費Pに基づく水素費を加算して水素製造費を算出する。
このため、人手による水素製造費の計算が不要となり、利便性が向上する。
【0057】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0058】
上記実施形態では、炭化水素原料の一例として都市ガスが用いられているが、メタンを主成分とする都市ガス以外の炭化水素原料、すなわち、例えば、プロパンなどの炭化水素を主成分とするガスや、炭化水素系液体が用いられても良い。
【0059】
また、都市ガス以外の炭化水素原料が用いられる場合に、多重筒型改質器12は、上記以外の構造(使用される炭化水素原料に適した構造)に変更されても良い。
【0060】
また、上記実施形態では、水素精製器16として、PSA装置が使用されているが、例えば水素分離膜を有する水素精製装置などが使用されても良い。
【0061】
また、本実施形態に係る水素製造装置10は、燃料電池システムに好適に用いられるが、燃料電池システム以外の機器やシステムに用いられても良い。例えば、工業用の熱処理炉などにおいて、炉内を還元雰囲気を保つための還元ガスとして消費される水素を供給する水素製造装置10として用いても良い。
【0062】
そして、供給量測定部18での測定値より求めた水素供給量Bxと使用量測定部20での測定値より求めた都市ガス使用量Axとの関係に基づいて水素加工費Pを演算する方法は、他の方法であっても良い。すなわち、水素供給量Bxから都市ガス使用量Axを減算して増加量を求め、この増加量に予め定めた単価Z〔円/m〕を乗算して求める方法((Bx−Ax)×Z)が挙げられる。
【0063】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0064】
10…水素製造装置、12…多重筒型改質器、14…圧縮機、16…水素精製器、17…水素製造部、18…使用量測定部、20…供給量測定部、21〜24…筒状壁、25…燃焼室、26…バーナ、27…燃焼排ガス流路、28…ガス排出管、31…第一流路、32…予熱流路、33…原料供給管、34…改質用水供給管、35…螺旋部材、36…改質触媒層、42…第二流路、43…改質ガス流路、44…改質ガス排出管、45…CO変成触媒層、46…酸化剤ガス供給管、47…CO除去触媒層、60…制御部
図1
図2
図3