【文献】
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine,2012年,Vol.186,No.1,pp.48-55
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
乾燥粉末吸入器が、約100mcg/回の量のフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む第1の乾燥粉末組成物、並びに、その遊離カチオンの量として計算して約62.5mcg/回若しくは125mcg/回の量のウメクリジニウム臭化物、及び/又は、その遊離塩基の量として計算して約25mcg/回の量のビランテロールトリフェニル酢酸塩を含む第2の乾燥粉末組成物の2種の乾燥粉末組成物を含む、請求項7に記載の使用のための乾燥粉末吸入器。
【背景技術】
【0002】
世界中の罹患率及び死亡率の主要な原因である慢性閉塞性肺疾患(COPD:Chronic Obstructive Pulmonary Disease)は、一般に進行性であり、有害粒子又は有害ガスに対する気道における慢性炎症応答の増強と関連する持続的な気流制限を特徴とする。COPDの症状としては呼吸困難、慢性咳嗽又は喀痰の産生が挙げられ、診断を確認するためには一般に肺活量測定分析が必要とされる。気管支拡張薬投与後にFEV
1/FVC<0.70であれば、気流制限が存在し、したがってCOPDが確認される。COPDの発症及び進行に影響を及ぼすいくつかの要因が同定されており、その中で最も研究されているものはタバコの喫煙である。その他の要因としては、例えば感染、遺伝並びに粒子への曝露、例えば職業的な塵埃、化学物質及び加熱燃料による汚染が挙げられる。
【0003】
COPDは、軽度のものから非常に重度のものもあり、症状を制御及び/又は緩和するのに適した薬剤の投与のためには疾患の評価が必要である。患者の症状の評価としては、例えば、COPD評価試験(CAT:COPD Assessment Test)、COPD対照質問票(CCQ:COPD Control Questionnaire)、セントジョージ呼吸器質問票(SGRQ:St. George's Respiratory Questionnaire)試験、努力呼気量(FEV
1:Forced Expiratory Volume)分析、及びそれらの増悪リスクの評価を挙げることができる。
【0004】
いくつかの薬剤がCOPDの治療のために利用可能であり、これらは症状を減少させ、増悪の頻度及び重症度を減少させるために主に使用され、例として、気管支拡張薬、例えばβ
2作動薬及び抗コリン薬、コルチコステロイド(経口及び吸入)、PDE-4阻害薬、メチルキサンチン並びに上記のいくつかの併用を挙げることができる。気管支拡張薬剤は、COPDの症状管理に不可欠であり、β
2作動薬、抗コリン薬若しくはテオフィリンの単独療法、又は併用療法の間の選択は、薬剤が患者の症状の制御にどの程度効果的であるかに依存している。
【0005】
2014年の慢性閉塞性肺疾患のためのグローバルイニシアティブ(GOLD:Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)戦略によれば、症状がほとんどない場合から重大な場合もあるが増悪のリスクが低い患者には、気管支拡張薬が推奨される初期治療である(患者の症状がほとんどない場合は短時間作用し、患者の症状がより顕著である場合は長時間作用する)。増悪のリスクが高いCOPD患者には、吸入コルチコステロイドをβ
2作動薬又は抗コリン薬と併用することが推奨されている。
【0006】
WO2011/067212 / US2012-309725に、ムスカリン拮抗薬のウメクリジニウム臭化物とβ
2作動薬のビランテロールトリフェニル酢酸塩との併用が記載されており、これは最近、COPDの治療として米国で承認された。WO2011/067212には更に、COPDの治療に使用するための、ウメクリジニウム臭化物、ビランテロールトリフェニル酢酸塩及びフルチカゾンフランカルボン酸エステルの三剤併用療法も記載されている。
【0007】
薬理学的治療が最も有益であろうCOPD患者の特定の集団を選択するために使用することができるバイオマーカーの同定を通して、COPDにおける個別化医療にも興味がもたれている。例えば、複数の研究で、誘発喀痰及び血液中において異なるレベルの好酸球を有するCOPD患者らは、ある特定のコルチコステロイドに対して異なる応答を示し得ると示されている(Brightlingら、Lancet 2000、356、1480〜85、Pizzichiniら、Am J Respir Crit Care Med、158巻、1511〜1517ページ、1998、Kitaguchiら、International Journal of COPD 2012、7、283〜289)。より多い好酸球数を有する患者は、より少ない数の患者と比較して、より大きく改善することが観察された。
【0008】
更に、COPDにおける増悪のコルチコステロイド治療を進めるために、喀痰及び血中好酸球数を使用することができるかどうかを調査した研究もある(Bafadhelら、Am J Respir Crit Care Med、186巻、1号、48〜55ページ、2012年7月1日、Sivaら、Eur Respir J 2007、29、906〜913)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
定義
本明細書で使用する場合、用語「フルチカゾンフランカルボン酸エステル」は、6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルであり、喘息及びCOPDの治療において良好な耐容性を示し、1日1回の投与に適していることが臨床研究で示されている吸入コルチコステロイドを意味する。フルチカゾンフランカルボン酸エステルとビランテロールトリフェニル酢酸塩との併用は、最近、米国ではCOPD、欧州では喘息及びCOPDの1日1回の治療として承認された。フルチカゾンフランカルボン酸エステルは、参照により本明細書に組み込まれているWO02/12265 / US7,101,866に記載されている。フルチカゾンフランカルボン酸エステルは、「FF」と省略してよい。
【0016】
本明細書で使用する場合、用語「肺機能」は、COPD患者の1秒間の努力呼気量(FEV
1:forced expiratory volume in 1 second)を意味する。FEV
1は、最大限に吸気した状態から始めた最大の努力呼気の最初の1秒間に吐き出した空気の量である。健康な人は、自然な老化プロセスの結果として肺機能が低下する。COPD患者では、肺機能は加速度的に低下する。肺機能の低下は、1年あたりのミリリットル数(ml/年)として測定することができる。フルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む本発明の医薬製品は、フルチカゾンフランカルボン酸エステルを含まない同じ製品と比較した場合、COPD患者における肺機能の低下速度を減少させることを目的としている。本明細書において、フルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む本発明の医薬製品に関連して「肺機能の低下速度を減少させる」という語句の使用は、一定期間、例えば1年間にわたるFEV
1の低下が、フルチカゾンフランカルボン酸エステル(すなわち、吸入コルチコステロイド構成成分)を除いた同じ製品よりも小さくなる製品を意味する。例えば、フルチカゾンフランカルボン酸エステルからなる医薬製品の投与によりFEV
1の低下が20ml/年となり、プラセボの投与によりFEV
1の低下が45ml/年となった場合、吸入コルチコステロイド(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)を含む医薬製品は、低下速度を25ml/年減少させるであろう。更なる例では、フルチカゾンフランカルボン酸エステル及びウメクリジニウム臭化物を含む医薬製品の投与によりFEV
1の低下が30ml/年となり、ウメクリジニウム臭化物(すなわち、同じ医薬製品であるがコルチコステロイド構成成分を含まない)からなる医薬製品の投与によりFEV
1の低下が65ml/年となった場合、吸入コルチコステロイド(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)を含む医薬製品は、低下速度を35ml/年減少させるであろう。
【0017】
一実施形態では、本発明の医薬製品は、肺機能の低下速度を10から19ml/年、20から29ml/年、30から39ml/年、40から49ml/年、50から59ml/年、60から69ml/年、70から79ml/年、80から89ml/年、90から99ml/年、100から109ml/年、110から119ml/年、120から129ml/年、130から139ml/年、140から149ml/年、150から159ml/年、160から169ml/年、170から179ml/年、180から189ml/年又は190から199ml/年の間で減少させる。一実施形態では、本発明の医薬製品は、肺機能の低下速度を約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、70、80、90、100、125、150、175又は200ml/年より大きく減少させる。
【0018】
本明細書で使用する場合、用語「血中好酸球数」は、血液1マイクロリットルあたりの好酸球の数(個/μl)を意味し得る。一実施形態では、本発明の医薬製品で治療したCOPD患者の血中好酸球数は、好酸球150個/μlより多く、例えば175個/μl、200個/μl、225個/μl、250個/μl、275個/μl、300個/μl、350個/μl、450個/μl、500個/μl、750個/μl又は1000個/μlより多い。例えば75、100、125個/μlより多い血中好酸球数を有するCOPD患者はまた、選択されたレベルよりも低い血中好酸球数を有する患者と比較して、本発明の医薬製品での治療が有益であり得る。血中好酸球数はまた、好酸球である、血液サンプル中の白血球(leukocyte)としても知られる白血球(white blood cell)の百分率として表すこともできる。血中好酸球数は、例えば、2%、2.5%、3%、3.5%又は4%より多くてよい。一実施形態では、本発明の医薬製品で治療したCOPD患者の血中好酸球数は2%より多い。血中好酸球数は、当該技術分野において周知の方法によって手動又は自動で計算することができる。一般に、血液サンプルは、末梢静脈から採取し、白血球の総数を提供する機器(例えば自動分析装置)によって分析する。全ての白血球型は、1リットルあたりの絶対数又は百分率として示すことができる。白血球百分率(differential count)による全血球計算値(complete blood count)はまた、どのくらいの細胞が好酸球であるかを絶対値(個/L血液、若しくは個/μl血液)又は総白血球数に対する百分率として示す。
【0019】
百分率として計算した血中好酸球数は、好酸球数/μlの値に変換することができ、その逆にも同様に変換することができることは、当業者には理解されるであろう。更に、好酸球数のいずれの表現も、本発明の使用及び方法の一部として計算及び/又は参照することができる。
【0020】
一態様では、COPD患者の血中好酸球数は、単一の血液サンプルの分析から計算される。別の態様では、COPD患者の血中好酸球数は、ある期間(例えば、1週間又は1か月)にわたり採取された複数の血液サンプル(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9又は10)の分析から計算された平均値である。
【0021】
本明細書で使用する場合、用語「医薬製品」は、COPDの治療のために患者によって使用される医薬品を意味する。この用語は、有効治療薬を含む、内部に含有される1種以上の組成物の送達に必要とされる、吸入器などの任意又は複数の装置を含む。フルチカゾンフランカルボン酸エステル及び任意選択で1種以上の治療薬を含む本発明の医薬製品は、吸入経路によって治療薬(複数可)を送達することができるいかなる製品であってもよい。更に、医薬製品は、例えば医薬製品が2種以上の治療薬を含み、これらの治療薬が異なる吸入器内で別々の組成物として提供されるが、COPDの治療のために併用して使用することを目的とする、2種以上の吸入器であってよい。しかしながら、2種以上の治療薬を含有する医薬製品は、2種以上の治療薬が同じ組成物として配合されるか、又は同じ吸入器内の別々の組成物として提供される、単一の吸入器であってよい。
【0022】
本明細書で使用する場合、用語「応答者」は、分析を通して本発明の医薬製品での治療が有益であろう患者として同定されたCOPD患者を意味する。応答者はまた、「非応答者」として同定されたCOPD患者よりも、治療に対する応答が大きく、治療が有益であろう。本発明の文脈では、応答者は、末梢血サンプルの分析によって決定される血中好酸球数≧150個/μl又は>2%を有するCOPD患者である。
【0023】
本明細書で使用する場合、用語「ウメクリジニウム臭化物」は、4-[ヒドロキシ(ジフェニル)メチル]-1-{2-[(フェニルメチル)オキシ]エチル}-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミドであり、1日1回の投与の可能性を有する長時間作用性高親和性汎活性ムスカリン受容体拮抗薬を意味する。ウメクリジニウム臭化物とビランテロールトリフェニル酢酸塩との併用は、COPDの治療として米国で承認された。ウメクリジニウム臭化物は、参照により本明細書に組み込まれているWO2005/104745 / US7,488,827(実施例84)又はWO2014/027045に記載されているようにして調製してよい。ウメクリジニウム臭化物は、「UMEC」と省略してよい。
【0024】
本明細書で使用する場合、用語「ビランテロールトリフェニル酢酸塩」は、4-{(1R)-2-[(6-{2-[(2,6-ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-(ヒドロキシメチル)フェノールトリフェニル酢酸塩であり、24時間以上にわたる持続的な気管支拡張作用を提供し、1日1回の投与に適した長時間作用性β
2作動薬を意味する。ビランテロールトリフェニル酢酸塩は、参照により本明細書に組み込まれているWO2003/024439(実施例78(i)) / USRE44874に記載の通り調製してよい。ビランテロールトリフェニル酢酸塩は、「VI」と省略してよい。
【0025】
本発明は、COPD患者のサブグループの治療に使用するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品を対象とする。本発明の対象となるCOPD患者のサブグループは、血中好酸球数≧150個/μlを有する患者であり、その理由は、これらの患者は、血中好酸球数<150個/μlを有する患者と比較して、本発明の医薬製品での治療に対して改善された臨床応答を示すことができるためである。
【0026】
或いは、血液サンプルではなく誘発喀痰サンプルの分析によって、患者の好酸球数を計算又は決定してもよいことは、当業者には理解されるであろう。したがって、本発明はまた、血中好酸球数の計算を対象とするステップを含む代わりに、喀痰好酸球数の計算を対象とするステップを含む、COPDの治療方法を対象とする。更に、本発明はまた、COPDの治療のためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品の使用であって、血中好酸球数ではなく、喀痰好酸球数、例えば>2%を有する患者を意味する使用を対象とする。
【0027】
例えば、≧150個/μl又は>2%の血中好酸球数を有するCOPD患者は、それよりも低いレベルの好酸球を有するCOPD患者よりも、吸入コルチコステロイドでの治療が有益であり得る。フルチカゾンフランカルボン酸エステルで治療したこれらのより高いレベルの好酸球を有するCOPD患者は、プラセボと比較した場合、FEV
1が改善し、CRQ若しくはSGRQによって決定される生活の質(QoL:Quality of Life)若しくは健康状態が改善し、呼吸困難が改善し、又は増悪の頻度及び重症度を減少させることができる。
【0028】
安定したCOPDにおける好酸球レベル、例えば血中好酸球数は、中等度及び/又は重度のCOPD増悪の速度を減少させることにおいて、フルチカゾンフランカルボン酸エステルなどの吸入コルチコステロイド療法が有益である可能性の大きさを予測することができる。血中好酸球が上昇したCOPD患者はまた、より高い増悪のリスクを有する可能性がある。フルチカゾンフランカルボン酸エステルで治療したこれらのより高いレベルの好酸球を有するCOPD患者は、プラセボ又は吸入コルチコステロイド構成成分が存在しない同じ製品と比較した場合、COPD増悪の頻度及び/又は重症度の減少を経験する可能性がある。
【0029】
第1の態様では、本発明は、患者のCOPDの治療に使用するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品であって、患者は血中好酸球数≧150個/μlを有する、医薬製品を対象とする。
【0030】
別の態様では、本発明は、患者のCOPDの治療方法に使用するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品であって、患者は血中好酸球数≧150個/μlを有し、方法は、該患者から採取した血液サンプルの分析によって患者が血中好酸球数≧150個/μlを有すると同定するステップ、及び次に、患者にフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品を投与するステップを含む、医薬製品を対象とする。
【0031】
更なる態様では、本発明は、
a.COPD患者から採取した血液サンプル中の血液1マイクロリットルあたりの好酸球の数を計算するステップ、
b.血液サンプル中の好酸球の数が≧150個/μlである場合、患者が応答者であると決定するステップ
を含む方法を使用して応答者として分類された患者のCOPDの治療に使用するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品を対象とする。
【0032】
更なる態様では、本発明は、
a.COPD患者から採取した血液サンプル中の血液1マイクロリットル(μl)あたりの好酸球を計算するステップ、
b.血液サンプル中の好酸球の数が≧150個/μlである場合、患者が応答者であると決定するステップ、
c.応答者として同定された該患者にフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む治療有効量の医薬製品を投与するステップ
を含む、患者のCOPDの治療方法を対象とする。
【0033】
更なる態様では、本発明は、患者のCOPDの治療のための医薬製品を製造するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルの使用であって、患者は血中好酸球数≧150個/μlを有する、使用を対象とする。
【0034】
更なる態様では、本発明は、患者のCOPDの治療方法に使用するための医薬製品を製造するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルの使用であって、患者は血中好酸球数≧150個/μlを有し、方法は、該患者から採取した血液サンプルの分析によって患者が血中好酸球数≧150個/μlを有すると同定するステップ、及び次に、患者にフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品を投与するステップを含む、使用を対象とする。
【0035】
第1の態様では、本発明は、患者のCOPDの治療に使用するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品であって、患者は血中好酸球数>2%を有する、医薬製品を対象とする。
【0036】
別の態様では、本発明は、患者のCOPDの治療方法に使用するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品であって、患者は血中好酸球数>2%を有し、方法は、該患者から採取した血液サンプルの分析によって患者が血中好酸球数>2%を有すると同定するステップ、及び次に、患者にフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品を投与するステップを含む、医薬製品を対象とする。
【0037】
更なる態様では、本発明は、
a.COPD患者から採取した血液サンプル中の好酸球の百分率(%)を計算するステップ、
b.血液サンプル中の好酸球の百分率が>2%である場合、患者が応答者であると決定するステップ
を含む方法を使用して応答者として分類された患者のCOPDの治療に使用するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品を対象とする。
【0038】
更なる態様では、本発明は、
a.COPD患者から採取した血液サンプル中の好酸球の百分率(%)を計算するステップ、
b.血液サンプル中の好酸球の百分率が>2%である場合、患者が応答者であると決定するステップ、
c.応答者として同定された該患者にフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む治療有効量の医薬製品を投与するステップ
を含む、患者のCOPDの治療方法を対象とする。
【0039】
更なる態様では、本発明は、患者のCOPDの治療のための医薬製品を製造するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルの使用であって、患者は血中好酸球数>2%を有する、使用を対象とする。
【0040】
更なる態様では、本発明は、患者のCOPDの治療方法に使用するための医薬製品を製造するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルの使用であって、患者は血中好酸球数>2%を有し、方法は、該患者から採取した血液サンプルの分析によって患者が血中好酸球数>2%を有すると同定するステップ、及び次に、患者にフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品を投与するステップを含む、使用を対象とする。
【0041】
本発明は、COPDの治療のための医薬製品を対象とする。COPDは、呼吸困難、慢性咳嗽、及び日常生活を行う患者の能力の制限などの日々の症状として現れる持続的な気流制限を特徴とする慢性疾患である。慢性気流制限は、末梢気道病変(閉塞性細気管支炎)及び実質破壊(肺気腫)の組合せによって引き起こされる。更に、呼吸器症状の増悪は、細菌、ウイルス及び環境汚染物質などのいくつかの要因によって誘発され、COPD患者においてしばしば起こる。COPDの診断、管理及び予防のためのGOLD戦略(2014年)では、患者がCOPDであると診断されると、患者の治療を支える2つの目標があると述べている。第1の目標は、患者の症状を減少させること、すなわち症状を緩和し、健康状態を改善し、運動耐性を改善することである。第2の目標は、患者のリスクを減少させることであり、疾患の進行を変化させ、増悪の予防及び増悪の重症度を減少させ、又は死亡率を減少させることを意味する。GOLD戦略では、症状を減少させ、増悪の頻度及び重症度を減少させ、健康状態及び運動耐性を改善するために処方薬を使用するが、臨床研究において、疾患の特徴である肺機能の長期的な低下を修正することを決定的に示す既存の治療は存在しないと述べている。例えば、利用可能な既存の医薬品の1つは吸入コルチコステロイドであり、GOLD戦略では、COPDの治療における吸入コルチコステロイドの使用を調査している様々な研究は、「吸入コルチコステロイドでの定期的治療は、FEV
1の長期的な低下もCOPD患者の死亡率も修正しない」ことを示していると述べている。
【0042】
したがって、COPD患者又はCOPD患者のサブグループに見られる肺機能の長期的な低下を修正することができ、したがってそれらの疾患の進行を遅らせることができる更なる薬理学的療法が必要とされている。
【0043】
本発明は、そのような療法を提供する。一実施形態では、本発明は、患者のCOPDの治療に使用するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品であって、患者は血中好酸球数≧150個/μlを有し、医薬製品はCOPD患者の肺機能の低下速度を減少させる、医薬製品を対象とする。
【0044】
更なる実施形態では、本発明は、COPD患者の肺機能の低下速度を減少させるための方法に使用するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品であって、患者は血中好酸球数≧150個/μlを有し、方法は、該患者から採取した血液サンプルの分析によって患者が血中好酸球数≧150個/μlを有すると同定するステップ、及び次に、患者にフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品を投与するステップを含む、医薬製品を対象とする。
【0045】
更なる実施形態では、本発明は、
a.COPD患者から採取した血液サンプル中の血液1マイクロリットル(μl)あたりの好酸球の数を計算するステップ、
b.血液サンプル中の好酸球の数が≧150個/μlである場合、患者が応答者であると決定するステップ
を含む方法を使用して応答者として分類されたCOPD患者の肺機能の低下速度を減少させることに使用するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品を対象とする。
【0046】
更なる実施形態では、本発明は、
a.COPD患者から採取した血液サンプル中の血液1マイクロリットル(μl)あたりの好酸球の数を計算するステップ、
b.血液サンプル中の好酸球の数が≧150個/μlである場合、患者が応答者であると決定するステップ、
c.応答者として同定された該患者にフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む治療有効量の医薬製品を投与するステップ
を含む、COPD患者の肺機能の低下速度を減少させる方法を対象とする。
【0047】
更なる実施形態では、本発明は、COPD患者の肺機能の低下速度を減少させるための医薬製品を製造するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルの使用であって、患者は血中好酸球数≧150個/μlを有する、使用を対象とする。
【0048】
更なる実施形態では、本発明は、COPD患者の肺機能の低下速度を減少させるための医薬製品を製造するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルの使用であって、患者は血中好酸球数≧150個/μlを有し、方法は、該患者から採取した血液サンプルの分析によって患者が血中好酸球数>150個/μlを有すると同定するステップ、及び次に、患者にフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品を投与するステップを含む、使用を対象とする。
【0049】
一実施形態では、本発明は、患者のCOPDの治療に使用するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品であって、患者は血中好酸球数>2%を有し、医薬製品はCOPD患者の肺機能の低下速度を減少させる、医薬製品を対象とする。
【0050】
更なる実施形態では、本発明は、COPD患者の肺機能の低下速度を減少させるための方法に使用するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品であって、患者は血中好酸球数>2%を有し、方法は、該患者から採取した血液サンプルの分析によって患者が血中好酸球数>2%を有すると同定するステップ、及び次に、患者にフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品を投与するステップを含む、医薬製品を対象とする。
【0051】
更なる実施形態では、本発明は、
a.COPD患者から採取した血液サンプル中の好酸球の百分率(%)を計算するステップ、
b.血液サンプル中の好酸球の百分率が>2%である場合、患者が応答者であると決定するステップ
を含む方法を使用して応答者として分類されたCOPD患者の肺機能の低下速度を減少させることに使用するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品を対象とする。
【0052】
更なる実施形態では、本発明は、
a.COPD患者から採取した血液サンプル中の好酸球の百分率(%)を計算するステップ、
b.血液サンプル中の好酸球の百分率が>2%である場合、患者が応答者であると決定するステップ、
c.応答者として同定された該患者にフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む治療有効量の医薬製品を投与するステップ
を含む、COPD患者の肺機能の低下速度を減少させる方法を対象とする。
【0053】
更なる実施形態では、本発明は、COPD患者の肺機能の低下速度を減少させるための医薬製品を製造するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルの使用であって、患者は血中好酸球数>2%を有する、使用を対象とする。
【0054】
更なる実施形態では、本発明は、COPD患者の肺機能の低下速度を減少させるための医薬製品を製造するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルの使用であって、患者は血中好酸球数>2%を有し、方法は、該患者から採取した血液サンプルの分析によって患者が血中好酸球数>2%を有すると同定するステップ、及び次に、患者にフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品を投与するステップを含む、使用を対象とする。
【0055】
本発明の医薬製品は、単独の有効治療薬としてフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含有してよい。或いは、本発明の医薬製品は、吸入コルチコステロイドであるフルチカゾンフランカルボン酸エステルに加えて、1種以上の更なる治療薬を含んでよい。更なる治療薬としては、気管支拡張薬、例えばビランテロールトリフェニル酢酸塩などのβ
2作動薬、及びウメクリジニウム臭化物などのムスカリン拮抗薬が挙げられる。一実施形態では、本発明の医薬製品は、ウメクリジニウム臭化物を更に含む。別の実施形態では、医薬製品は、ビランテロールトリフェニル酢酸塩を更に含む。また更なる実施形態では、医薬製品は、ビランテロールトリフェニル酢酸塩及びウメクリジニウム臭化物を更に含む。
【0056】
更なる実施形態では、本発明は、患者のCOPDの治療に使用するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステル、ウメクリジニウム臭化物及びビランテロールトリフェニル酢酸塩を含む医薬製品であって、患者は血中好酸球数≧150個/μlを有し、医薬製品はCOPD患者の肺機能の低下速度を減少させる、医薬製品を対象とする。
【0057】
更なる実施形態では、本発明は、COPD患者の肺機能の低下速度を減少させるための方法に使用するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステル、ウメクリジニウム臭化物及びビランテロールトリフェニル酢酸塩を含む医薬製品であって、患者は血中好酸球数≧150個/μlを有し、方法は、該患者から採取した血液サンプルの分析によって患者が血中好酸球数≧150個/μlを有すると同定するステップ、及び次に、患者に医薬製品を投与するステップを含む、医薬製品を対象とする。
【0058】
更なる実施形態では、本発明は、
a.COPD患者から採取した血液サンプル中の血液1マイクロリットルあたりの好酸球の数を計算するステップ、
b.血液サンプル中の血液1マイクロリットルあたりの好酸球の数が≧150個/μlである場合、患者が応答者であると決定するステップ、
を含む方法を使用して応答者として分類されたCOPD患者の肺機能の低下速度を減少させることに使用するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステル、ウメクリジニウム臭化物及びビランテロールトリフェニル酢酸塩を含む医薬製品を対象とする。
【0059】
更なる実施形態では、本発明は、
a.COPD患者から採取した血液サンプル中の血液1マイクロリットルあたりの好酸球の数を計算するステップ、
b.血液サンプル中の血液1マイクロリットルあたりの好酸球の数が≧150個/μlである場合、患者が応答者であると決定するステップ、
c.応答者として同定された該患者にフルチカゾンフランカルボン酸エステル、ウメクリジニウム臭化物及びビランテロールトリフェニル酢酸塩を含む治療有効量の医薬製品を投与するステップ
を含む、COPD患者の肺機能の低下速度を減少させる方法を対象とする。
【0060】
フルチカゾンフランカルボン酸エステル及び任意選択で1種以上の治療薬を含む本発明の医薬製品は、吸入経路によって治療薬(複数可)を送達可能ないかなる製品であってもよい。例えば、医薬製品は、リザーバ乾燥粉末吸入器、単位用量乾燥粉末吸入器、前計量多回用量乾燥粉末吸入器、加圧噴霧式定量吸入器又はネブライザーであってよい。更に、医薬製品は、例えば医薬製品が2種以上の治療薬を含み、これらが異なる吸入器内で別々の組成物として提供されるが、COPDの治療のために併用して使用することを目的とする、2種以上の吸入器であってよい。しかしながら、2種以上の治療薬を含有する医薬製品は、2種以上の治療薬が同じ組成物として配合されるか、又は同じ吸入器内で別々の組成物として提供される、単一の吸入器であってよい。同じ吸入器内で別々に提供されることにより、逐次又は同時に投与する療法が可能となる。
【0061】
フルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む本発明の医薬製品が、更にウメクリジニウム臭化物を含む場合、この更なる薬剤は、フルチカゾンフランカルボン酸エステルとは別々に配合して逐次投与若しくは同時投与のいずれかで提供されてよく、又はフルチカゾンフランカルボン酸エステルと混合して同じ組成物として提供されてよい。同じことがビランテロールトリフェニル酢酸塩にも当てはまる。
【0062】
本発明の医薬製品が、フルチカゾンフランカルボン酸エステル、ウメクリジニウム臭化物及びビランテロールトリフェニル酢酸塩を含む場合、これらの3つの治療薬は、別々に配合して逐次投与若しくは同時投与のいずれかで提供されてよく、又はそれらを混合して同じ組成物として提供されてよい。別の選択肢では、2つの治療薬を混合して同じ組成物とし、第3の治療薬を第2の組成物として提供してもよい。例えば、ウメクリジニウム臭化物及びビランテロールトリフェニル酢酸塩を同じ組成物中に一緒に混合し、フルチカゾンフランカルボン酸エステルを別の組成物として提供してもよい。
【0063】
一実施形態では、医薬製品は、乾燥粉末吸入器である。
【0064】
乾燥粉末吸入器は、1種以上、例えば2種の乾燥粉末組成物を含んでよい。乾燥粉末組成物は、一般に、1種以上の担体及び/又は賦形剤を配合した治療薬(複数可)を含むが、治療薬(複数可)のみからなる組成物も本発明の範囲内である。
【0065】
本明細書に記載されている乾燥粉末組成物は、リザーバ型吸入装置のリザーバ内にバルクで提供してよい。そのようなリザーバ装置は、リザーバ内のバルクから組成物の用量を計量し、計量した用量を吸入チャネル内に曝すための計量機構を備え、吸入チャネルで、患者が装置のマウスピースで吸入することによって、計量した用量を吸入することができる。この型の代表的に市販されている装置は、AstraZenecaのTURBUHALER(商標)、ScheringのTWISTHALER(商標)及びInnovataのCLICKHALER(商標)である。
【0066】
更なる実施形態では、吸入投与に適した乾燥粉末組成物は、適した吸入装置の内側に取り付けられた医薬品パック(複数可)に備えられた複数の密閉用量容器内に組み入れてよい。当技術分野において既知の通り、容器は、破裂可能、剥離可能又は別の方法で1つずつ開放可能であり、吸入装置のマウスピースで吸入することによって、乾燥粉末組成物の用量を投与してよい。医薬品パックは、いくつかの異なる形態、例えば円板形状又は細長いストリップ(elongate strip)をとってよい。代表的な吸入装置は、GSKから市販されているDISKHALER(商標)、DISKUS(商標)及びELLIPTA(商標)装置である。DISKUS(商標)吸入装置は、例えばGB 2242134A / US 5,873,360に記載されている。
【0067】
乾燥粉末を吸入可能な組成物のための更なる送達方法は、組成物の計量した用量をカプセル中に供給し(1カプセルあたり1用量)、次に、一般に必要に応じて、患者によってそれを吸入装置内に充填する。患者の肺に用量を同伴することができるように、患者が装置のマウスピースで吸入するとき、装置はカプセルを破裂、穿孔又は別の方法で開放する手段を有する。GSKのROTAHALER(商標)及びBoehringer IngelheimのHANDIHALER(商標)は、そのような装置の例である。
【0068】
乾燥粉末組成物はまた、任意選択で1種以上の担体及び/又は賦形剤との混合物である治療薬を別々に格納することを可能にする吸入送達装置内に提供されてよい。したがって、例えば、本発明の医薬製品の個々の治療薬は、同時に投与可能であるが、例えば別々の医薬組成物、例えばWO2003/061743A1 / US2007-0062525、WO2007/012871A1 / US2008-0196718及び/又はWO2007/068896 / US8,534,281に記載されているように、別々に保存される。一実施形態では、治療薬を別々に格納することを可能にする送達装置は、剥離可能なブリスターストリップ(blister strip)形態の2つの医薬品パックを有し、各パックは、その長さに沿って配置されたブリスターポケット(blister pocket)内に前計量した用量を含有する。該装置は、装置が作動する度に、剥離により各ストリップのポケットを開放してパックを配置させる内部インデックス機構を有し、これにより、各パックの新たに曝された各用量が、装置のマウスピースと連通するマニホールドに隣接する。患者がマウスピースで吸入するとき、各用量はその連結したポケットからマニホールド中に同時に吸い込まれ、マウスピースを介して患者の気道中に同伴される。したがって、装置が使用される度に、患者は、各医薬品パック由来の用量からなる併用療法が施される。InnovataのDUOHALER(商標)及びGSKのELLIPTA(商標)は、複数の治療薬を同じ吸入器装置内に別々に格納することを可能にする。
【0069】
更なる実施形態では、医薬製品は、フルチカゾンフランカルボン酸エステル及び薬学的に許容される担体を含む乾燥粉末組成物を含む乾燥粉末吸入器である。
【0070】
更なる実施形態では、医薬製品は、フルチカゾンフランカルボン酸エステル及び任意選択で1種以上の薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む第1の乾燥粉末組成物と、ウメクリジニウム臭化物並びに任意選択で1種以上の薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む第2の乾燥粉末組成物とを含む乾燥粉末吸入器である。
【0071】
更なる実施形態では、医薬製品は、フルチカゾンフランカルボン酸エステル及び任意選択で1種以上の薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む第1の乾燥粉末組成物と、ビランテロールトリフェニル酢酸塩並びに任意選択で1種以上の薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む第2の乾燥粉末組成物とを含む乾燥粉末吸入器である。
【0072】
更なる実施形態では、医薬製品は、フルチカゾンフランカルボン酸エステル及び任意選択で1種以上の薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む第1の乾燥粉末組成物と、ウメクリジニウム臭化物、ビランテロールトリフェニル酢酸塩並びに任意選択で1種以上の薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む第2の乾燥粉末組成物とを含む乾燥粉末吸入器である。
【0073】
乾燥粉末吸入器を介して送達するための乾燥粉末組成物は、例えば積層アルミニウム箔から製造される単位剤形、例えばカプセル、カートリッジ又はブリスターで提示してよい。更なる実施形態では、各単位用量は、例えば、50、100、200、250mcgのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含有してよい。更なる実施形態では、各単位用量は、100mcgのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含有してよい。
【0074】
本発明の医薬製品は、ウメクリジニウム臭化物を更に含み、各単位用量は、例えば、15.625mcg、31.25mcg、62.5mcg又は125mcgの遊離カチオンを含有してよい。更なる実施形態では、各単位用量は、塩ではなく遊離カチオンの量として計算した、62.5mcgのウメクリジニウム臭化物を含有してよい。
【0075】
本発明の医薬製品は、ビランテロールトリフェニル酢酸塩を更に含み、各単位用量は、例えば、3mcg、6.25mcg、12.5mcg、25mcg、50mcg又は100mcgの遊離塩基を含有してよい。更なる実施形態では、各単位用量は、トリフェニル酢酸塩ではなく遊離塩基の量として計算した、25mcgのビランテロールトリフェニル酢酸塩を含有してよい。
【0076】
更なる実施形態では、本発明は、患者のCOPDの治療に使用するための、約100mcg/回の量のフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む第1の乾燥粉末組成物、並びに、約62.5mcg/回若しくは125mcg/回の量のウメクリジニウム臭化物及び/又は約25mcg/回の量のビランテロールトリフェニル酢酸塩を含む第2の乾燥粉末組成物の2種の乾燥粉末組成物を含む乾燥粉末吸入器であって、患者は血中好酸球数≧150個/μlを有し、乾燥粉末吸入器はCOPD患者の肺機能の低下速度を減少させる、乾燥粉末吸入器を対象とする。
【0077】
更なる実施形態では、本発明は、COPD患者の肺機能の低下速度を減少させるための方法に使用するための、約100mcg/回の量のフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む第1の乾燥粉末組成物、並びに約62.5mcg/回若しくは125mcg/回の量のウメクリジニウム臭化物及び/又は約25mcg/回の量のビランテロールトリフェニル酢酸塩を含む第2の乾燥粉末組成物の2種の乾燥粉末組成物を含む乾燥粉末吸入器を含む乾燥粉末吸入器であって、患者は血中好酸球数≧150個/μlを有し、方法は、該患者から採取した血液サンプルの分析によって患者が血中好酸球数≧150個/μlを有すると同定するステップ、及び次に、患者に乾燥粉末吸入器を投与するステップを含む、乾燥粉末吸入器を対象とする。
【0078】
更なる実施形態では、本発明は、
a.COPD患者から採取した血液サンプル中の血液1マイクロリットルあたりの好酸球の数を計算するステップ、
b.血液サンプル中の好酸球の数が≧150個/μlである場合、患者が応答者であると決定するステップ
を含む方法を使用して応答者として分類されたCOPD患者の肺機能の低下速度を減少させることに使用するための約100mcg/回の量のフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む第1の乾燥粉末組成物、並びに約62.5mcg/回若しくは125mcg/回の量のウメクリジニウム臭化物及び/又は約25mcg/回の量のビランテロールトリフェニル酢酸塩を含む第2の乾燥粉末組成物の2種の乾燥粉末組成物を含む乾燥粉末吸入器を対象とする。
【0079】
更なる実施形態では、本発明は、
a.COPD患者から採取した血液サンプル中の血液1マイクロリットルあたりの好酸球の数を計算するステップ、
b.血液サンプル中の好酸球の数が≧150個/μlである場合、患者が応答者であると決定するステップ、
応答者として同定された該患者に、約100mcg/回の量のフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む第1の乾燥粉末組成物、並びに、約62.5mcg/回若しくは125mcg/回の量のウメクリジニウム臭化物及び/又は約25mcg/回の量のビランテロールトリフェニル酢酸塩を含む第2の乾燥粉末組成物の2種の乾燥粉末組成物を含む治療有効量の乾燥粉末吸入器を投与するステップ
を含む、COPD患者の肺機能の低下速度を減少させる方法を対象とする。
【0080】
乾燥粉末組成物は担体を含んでよい。担体は、ラクトース、例えばα-ラクトース一水和物である場合、製剤の約91から約99重量%、例えば97.7〜99.0重量%又は91.0〜99.2重量%を形成してよい。通常は、担体、例えばラクトースの粒径は、乾燥粉末組成物中の吸入治療薬(複数可)よりはるかに大きいであろう。担体がラクトースである場合、一般に質量中央径(MMD:mass median diameter)60〜90μmを有する粉砕ラクトースとして存在するであろう。吸入によって投与するための有効成分、例えばフルチカゾンフランカルボン酸エステルは、調整された粒径を有することが望ましい。気管支系内に吸入するために最適な粒径は、通常は1〜10μm、好ましくは2〜5μmである。小気道に到達するように吸入する場合、20μm超のサイズを有する粒子は、通常は大きすぎる。これらの粒径を得るために、生成された有効成分の粒子は、従来の手段、例えば微粒子化によってサイズを縮小してよい。所望の画分は、空気分級又は空気ふるい分けによって分離してよい。粒子は結晶体であることが好ましい。
【0081】
ラクトース構成成分は、微細ラクトース(fine lactose)画分を含んでよい。「微細」ラクトース画分は、7μm未満、例えば6μm未満、5μm未満などの粒径を有するラクトースの画分として定義される。「微細」ラクトース画分の粒径は、4.5μm未満であってよい。微細ラクトース画分は、存在する場合、全ラクトース構成成分の2から10重量%を構成し、例えば微細ラクトース3から6重量%、例えば微細ラクトース4.5重量%であってよい。
【0082】
乾燥粉末組成物はまた、有効成分及び担体に加えて、更なる賦形剤(例えば第3の薬剤)、例えば糖エステル、ステアリン酸カルシウム又はステアリン酸マグネシウムを含んでよい。ステアリン酸マグネシウムは、組成物中に存在する場合、通常は組成物の総重量に基づいて約0.2から2%、例えば0.6から2%、又は0.5から1.75%、例えば0.6%、0.75%、1%、1.25%又は1.5%w/wの量で使用される。ステアリン酸マグネシウムは、一般に1から50μm、より詳細には1〜20μm、例えば1〜10μmの範囲の粒径を有するであろう。ステアリン酸マグネシウムの販売元としては、Peter Greven、Covidien/Mallinckodt及びFACIが挙げられる。
【0083】
更なる実施形態では、本発明は、患者のCOPDの治療に使用するための、
a.約100mcg/回の量のフルチカゾンフランカルボン酸エステル、及び
b.ラクトース
を含む、第1の乾燥粉末組成物、並びに
a.約62.5mcg/回の量のウメクリジニウム臭化物、
b.約25mcg/回の量のビランテロールトリフェニル酢酸塩、
c.ラクトース、及び
d.約0.6%w/wの量のステアリン酸マグネシウム
を含む、第2の乾燥粉末組成物の2種の乾燥粉末組成物を含む乾燥粉末吸入器であって、患者は血中好酸球数≧150個/μlを有し、乾燥粉末吸入器はCOPD患者の肺機能の低下速度を減少させる、乾燥粉末吸入器を対象とする。
【0084】
更なる実施形態では、本発明は、COPD患者の肺機能の低下速度を減少させるための方法に使用するための、
a.約100mcg/回の量のフルチカゾンフランカルボン酸エステル、及び
b.ラクトース
を含む、第1の乾燥粉末組成物、並びに、
a.約62.5mcg/回の量のウメクリジニウム臭化物、
b.約25mcg/回の量のビランテロールトリフェニル酢酸塩、
c.ラクトース、及び
d.約0.6%w/wの量のステアリン酸マグネシウム
を含む、第2の乾燥粉末組成物の2種の乾燥粉末組成物を含む乾燥粉末吸入器であって、患者は血中好酸球数≧150個/μlを有し、方法は、該患者から採取した血液サンプルの分析によって患者が血中好酸球数≧150個/μlを有すると同定するステップ、及び次に、患者に乾燥粉末吸入器を投与するステップを含む、乾燥粉末吸入器を対象とする。
【0085】
更なる実施形態では、本発明は、
a.COPD患者から採取した血液サンプル中の血液1マイクロリットルあたりの好酸球の数を計算するステップ、
b.血液サンプル中の好酸球の数が≧150個/μlである場合、患者が応答者であると決定するステップ
を含む方法を使用して応答者として分類されたCOPD患者の肺機能の低下速度を減少させることに使用するための
a.約100mcg/回の量のフルチカゾンフランカルボン酸エステル、及び
b.ラクトース
を含む、第1の乾燥粉末組成物、並びに、
a.約62.5mcg/回の量のウメクリジニウム臭化物、
b.約25mcg/回の量のビランテロールトリフェニル酢酸塩、
c.ラクトース、及び
d.約0.6%w/wの量のステアリン酸マグネシウム
を含む、第2の乾燥粉末組成物の2種の乾燥粉末組成物を含む乾燥粉末吸入器を対象とする。
【0086】
更なる実施形態では、本発明は、
a.COPD患者から採取した血液サンプル中の血液1マイクロリットルあたりの好酸球の数を計算するステップ、
b.血液サンプル中の好酸球の数が≧150個/μlである場合、患者が応答者であると決定するステップ、
応答者として同定された該患者に
a.約100mcg/回の量のフルチカゾンフランカルボン酸エステル、及び
b.ラクトース
を含む、第1の乾燥粉末組成物、並びに、
a.約62.5mcg/回の量のウメクリジニウム臭化物、
b.約25mcg/回の量のビランテロールトリフェニル酢酸塩、
c.ラクトース、及び
d.約0.6%w/wの量のステアリン酸マグネシウム
を含む、第2の乾燥粉末組成物の2種の乾燥粉末組成物を含む乾燥粉末吸入器の治療有効量を投与するステップ
を含む、COPD患者の肺機能の低下速度を減少させる方法を対象とする。
【0087】
[実施例1]
臨床研究データの再分析
方法:ISOLDEの結果(Burge PSら、BMJ 2000、320、1297〜303)である、1日2回、500mcgのフルチカゾンプロピオン酸エステル(FP:Fluticasone Propionate)が、十分に特徴付けされたCOPD患者におけるFEV
1の低下速度に及ぼす効果の3年間の研究について、ベースライン血中好酸球数(≧2%、<2%)によって再分析した。
結果:ISOLDEの事前に特定された分析では、FP対プラセボについてFEV
1の低下速度にFPの効果を示さなかった。患者の68%は好酸球数<2%であり、これらの患者の肺活量測定の特徴は好酸球数≧2%を有する患者と同様であった。好酸球数<2%を有する患者では、FP対プラセボでのFEV
1の低下速度に差を示さなかった(図)。好酸球数≧2%を有する患者では、FP 500mcgは、プラセボと比較して肺機能の低下速度を1年あたり38mL遅くさせた(p=0.001)。
結論:ベースライン血中好酸球数≧2%は、吸入コルチコステロイドで治療した場合、より遅いFEV
1低下速度を示すCOPD患者のグループを同定する。
【0088】
[実施例2]
臨床研究
52週間、無作為化、二重盲検、三群並行群間臨床研究は、FF/UMEC/VIの固定用量三剤併用とFF/VI及びUMEC/VIの固定用量二剤併用との有効性、安全性及び忍容性を比較するために実施され、全て1日1回午前中に、乾燥粉末吸入器を介してCOPD被験者に投与される。
治療グループ:
・FF/UMEC/VI 100mcg/62.5mcg/25mcg
・FF/VI 100mcg/25mcg
・UMEC/VI 62.5mcg/25mcg
【0089】
第1の目的は、COPD被験者におけるFF/VI又はUMEC/VIの二剤療法と比較して、中等度及び重度の増悪の年間割合を減少させることに対するFF/UMEC/VIの有効性評価である。第2の目的は、血中好酸球数≧150個/μlの被験者のサブセットにおけるUMEC/VIと比較して、増悪を減少させることに対するFF/UMEC/VIの有効性評価である。上記研究の延長は、高好酸球グループ(≧150個/μl)におけるFF/UMEC/VI対UMEC/VIについてFEV
1の低下速度の評価について第1の目的を用いて実施される。
【0090】
[実施例3]
臨床研究データの事後分析
フルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)/ビランテロール(VI)は、VI単独での治療と比較した場合、COPD増悪を減少させる。単一のバイオマーカーの同定は、標的治療を可能にするであろう。臨床研究データのこの事後分析の目的は、中等度から非常に重度のCOPD患者において、FF/VIとVIとの間の増悪割合を比較し、血中好酸球レベルによって層別化することであった。
方法:本発明者らは、2つの無作為化二重盲検プラセボ対照1年試験(Dransfield MTら、Lancet Resp Med 2013、1、210〜23)からの統合データの事後分析を通して、COPD及び前年に増悪の既往歴を有する患者におけるFF/VI(1日1回50/25mcg、100/25mcg又は200/25mcg)とVI(1日1回25mcg)とを比較することで、血中好酸球数の使用を評価した。本発明者らは、好酸球数<2%及び≧2%を有する患者において、FFに関連した増悪割合の減少を評価した。
結果:3177例の患者が研究エントリーで血液サンプルを提供し、2083例(66%)が好酸球>2%を有した。VI単独で治療したサブグループでは、増悪割合がより高かった(1.28対0.91/患者/年)。ベースライン好酸球数は、3用量のFF/VI併用で減少した増悪割合と有意に関連していた。増悪は、好酸球≧2%を有する患者で29%減少(p<0.001)し、好酸球<2%を有する患者で10%減少(p=0.283)した。治療差はFF用量の増加と共に増加した。FF/VIを50/25mcg、100/25mcg及び200/25mcg受け取った好酸球≧2%を有する患者において、増悪の減少はそれぞれ、21%、33%、33%(全てp<0.01)であった。好酸球<2%においては、対応する減少は9%、18%、3%であった。
結論:血中好酸球レベルは、COPD患者における吸入コルチコステロイド(ICS)治療に対する応答の有望なバイオマーカーである。
本発明の実施形態として例えば以下を挙げることができる。
[実施形態1]
患者のCOPDの治療に使用するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品であって、患者は血中好酸球数≧150個/μlを有する、医薬製品。
[実施形態2]
患者のCOPDの治療方法に使用するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品であって、患者は血中好酸球数≧150個/μlを有し、方法は、前記患者から採取した血液サンプルの分析によって患者が血中好酸球数≧150個/μlを有すると同定するステップ、及び次に、患者にフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品を投与するステップを含む、医薬製品。
[実施形態3]
a.COPD患者から採取した血液サンプル中の血液1マイクロリットルあたりの好酸球の数を計算するステップ、
b.血液サンプル中の好酸球の数が≧150個/μlである場合、患者が応答者であると決定するステップ
を含む方法を使用して応答者として分類された患者のCOPDの治療に使用するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品。
[実施形態4]
a.COPD患者から採取した血液サンプル中の血液1マイクロリットルあたりの好酸球の数を計算するステップ、
b.血液サンプル中の好酸球の数が≧150個/μlである場合、患者が応答者であると決定するステップ、
c.応答者として同定された前記患者にフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む治療有効量の医薬製品を投与するステップ
を含む、患者のCOPDの治療方法。
[実施形態5]
患者のCOPDの治療のための医薬組成物を製造するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品の使用であって、患者は血中好酸球数≧150個/μlを有する、医薬製品の使用。
[実施形態6]
患者のCOPDの治療方法に使用するための医薬製品を製造するためのフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品の使用であって、患者は血中好酸球数≧150個/μlを有し、方法は、前記患者から採取した血液サンプルの分析によって患者が血中好酸球数≧150個/μlを有すると同定するステップ、及び次に、患者にフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む医薬製品を投与するステップを含む、医薬製品の使用。
[実施形態7]
医薬製品がCOPD患者の肺機能の低下速度を減少させる、実施形態1から3に記載の使用のための医薬製品、実施形態4に記載の方法、又は実施形態5若しくは6に記載の医薬製品の使用。
[実施形態8]
医薬製品がウメクリジニウム臭化物を更に含む、実施形態1から3及び7に記載の使用のための医薬製品、実施形態4若しくは7に記載の方法、又は実施形態5から7に記載の医薬製品の使用。
[実施形態9]
医薬製品がビランテロールトリフェニル酢酸塩を更に含む、実施形態1から3、7及び8に記載の使用のための医薬製品、実施形態4、7若しくは8に記載の方法、又は実施形態5から8に記載の医薬製品の使用。
[実施形態10]
医薬製品が乾燥粉末吸入器である、実施形態1から3、7から9に記載の使用のための医薬製品、実施形態4、7から9に記載の方法、又は実施形態5から9に記載の医薬製品の使用。
[実施形態11]
乾燥粉末吸入器が1種以上の乾燥粉末組成物を含む、実施形態10に記載の使用のための乾燥粉末吸入器、方法、又は乾燥粉末吸入器の使用。
[実施形態12]
1種以上の乾燥粉末組成物が単位用量の形態で存在する、実施形態11に記載の使用のための乾燥粉末吸入器、方法、又は乾燥粉末吸入器の使用。
[実施形態13]
フルチカゾンフランカルボン酸エステルが、約100mcg/回の量で存在する、実施形態12に記載の使用のための乾燥粉末吸入器、方法、又は乾燥粉末吸入器の使用。
[実施形態14]
ウメクリジニウム臭化物が、約62.5mcg/回又は125mcg/回の量で存在する、実施形態12又は13に記載の使用のための乾燥粉末吸入器、方法、又は乾燥粉末吸入器の使用。
[実施形態15]
ビランテロールトリフェニル酢酸塩が、約25mcg/回の量で存在する、実施形態12から14に記載の使用のための乾燥粉末吸入器、方法、又は乾燥粉末吸入器の使用。
[実施形態16]
乾燥粉末吸入器が、約100mcg/回の量のフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含む第1の乾燥粉末組成物、並びに約62.5mcg/回若しくは125mcg/回の量のウメクリジニウム臭化物及び/又は約25mcg/回の量のビランテロールトリフェニル酢酸塩を含む第2の乾燥粉末組成物の2種の乾燥粉末組成物を含む、実施形態12に記載の使用のための乾燥粉末吸入器、方法、又は乾燥粉末吸入器の使用。
[実施形態17]
乾燥粉末組成物が同時投与で提示される、実施形態16に記載の使用のための乾燥粉末吸入器、方法、又は乾燥粉末吸入器の使用。
[実施形態18]
第1の乾燥粉末組成物がラクトースを更に含み、第2の組成物がラクトース及び0.6%w/wの量のステアリン酸マグネシウムを更に含む、実施形態16又は17に記載の使用のための乾燥粉末吸入器、方法、又は乾燥粉末吸入器の使用。