(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記トナー樹脂が、プロポキシル化ビスフェノールAフマレート樹脂、ポリ(プロポキシル化ビスフェノール コ−フマレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノール コ−フマレート)、ポリ(ブチロキシル化ビスフェノール コ−フマレート)、ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノール コ−エトキシル化ビスフェノール コ−フマレート)、ポリ(1,2−プロピレンフマレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノール コ−マレエート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノール コ−マレエート)、ポリ(ブチロキシル化ビスフェノール コ−マレエート)、ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノール コ−エトキシル化ビスフェノール コ−マレエート)、ポリ(1,2−プロピレンマレエート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノール コ−イタコネート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノール コ−イタコネート)、ポリ(ブチロキシル化ビスフェノール コ−イタコネート)、ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノール コ−エトキシル化ビスフェノール コ−イタコネート)、ポリ(1,2−プロピレンイタコネート)、コポリ(プロポキシル化ビスフェノールA コ−フマレート)−コポリ(プロポキシル化ビスフェノールA コ−テレフタレート)、ターポリ(プロポキシル化ビスフェノールA コ−フマレート)−ターポリ(プロポキシル化ビスフェノールA コ−テレフタレート)−ターポリ−(プロポキシル化ビスフェノールA コ−ドデシルサクシネート)、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるアモルファスポリエステル樹脂である、請求項1に記載のトナー組成物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、ある表面を有するトナー粒子と、前記トナー粒子の前記表面に結合した金属顔料と、前記金属顔料の上に配置された絶縁性表面添加剤とを含む、トナー組成物を提供する。
【0010】
トナーは、機械的な粉砕プロセスによって調製される従来のトナー、乳化凝集および懸濁重合のような化学プロセスによって調製される化学トナーを含め、任意の適切なトナーまたは望ましいトナーであってもよい。いくつかの実施形態において、トナーは、粉砕し、分級する方法によって調製される従来のトナーである。
【0011】
一部の実施形態において、本開示は、トナー表面に結合したアルミニウムフレーク金属顔料を含み、安定な帯電を可能にするために、絶縁性シリコーン油表面添加剤をさらに含む従来の(微粉化)トナー配合物を提供する。このトナーは、透明な従来の親粒子をまず製造し、その後、この粒子表面に金属アルミニウムフレークを結合することによって調製することができる。トナー表面へのアルミニウムフレークの結合は、任意の適切なプロセスまたは望ましいプロセスによって行うことができる。いくつかの実施形態において、アルミニウム顔料とトナー粒子をミキサーで機械的に、場合により高温で混合することによって、金属顔料は、トナー樹脂粒子の表面に結合する。
【0012】
トナーへのアルミニウム金属フレークの組み込みには、安全性の問題が存在する可能性がある。いくつかの実施形態において、アルミニウムフレークの結合は、SUN(登録商標)Chemicalによって行われるBlitz(登録商標)Bondingプロセスを用いて行うことができ、それによって、金属フレークをトナー表面に結合することに関連する安全性の問題と、金属トナーをさらに処理することに関連する安全性の問題が低減するか、または完全になくなる。
【0013】
いくつかの実施形態において、トナー組成物は、高いフロップインデックスによって特徴付けられる並外れた金属銀色相を有する印刷物を提供する。異なるトナー設計の色特徴をベンチで評価するために、湿式堆積法が何年も使用されてきた。並外れた金属色相を有する従来のトナーを得ることは、フレークを、光を反射するほど大きくし、適切に配向させる必要があるため、非常に困難である。本発明の実施形態のトナー組成物は、これらの課題に対処する。
【0014】
いくつかの実施形態において、添加剤混合中にシリコーン油添加剤がフレークをコーティングし、導電性アルミニウムフレークを絶縁するため、ベンチの帯電測定は、安定な帯電特徴を示す。トナー表面に結合したアルミニウムフレークを含む従来の金属銀色トナーの設計は問題が多く、安全性の問題を含め、多くの課題が存在していた。粒子表面に露出したアルミニウム顔料によって、トナー表面の導電性が高くなる場合があり、フレークを包み込むポリマーシェルを有する化学トナーと同等に良好な電荷を保持することができない。本明細書のいくつかの実施形態において、トナー組成物は、絶縁性表面添加剤、いくつかの実施形態において、絶縁性シリコーン油表面添加剤を含み、トナーの帯電特徴を安定化させる。いくつかの実施形態において、本明細書のトナー組成物は、金属顔料を含み、金属顔料は、トナー粒子の表面に結合した金属アルミニウム顔料である。これは、顔料がトナー粒子の表面ではなく、内部に分散している、以前から入手可能な金属トナーとは対照的である。
【0015】
例えば、選択したゾーン(例えば、A、B、Jゾーン)でトナーまたは現像サンプルを一晩かけて平衡状態にし、次いで、Turbulaミキサーを用い、約60分間かけて帯電させることによって、トナーサンプルを評価することができる。Aゾーンは、約80°F、相対湿度(RH)80%の高湿ゾーンであり、Jゾーンは、約70°F、RH約10%の低湿ゾーンである。Bゾーンは、RH約50%、約70°Fの周囲条件ゾーンである。トナー電荷量(Q/d)は、100V/cmの電場での帯電スペクトログラフを用いて測定することができ、トナー電荷分布の中点として視覚的に測定することができる。トナーの質量あたりの電荷量(Q/m)は、すべての電荷を吹き飛ばす方法によって決定することができ、空気流で吹き飛ばすことによってトナーを除去した後、現像剤を含むファラデーケージ上の電荷量を測定する。ケージに集められた全電荷を、吹き飛ばす前後のケージを計量することによって、吹き飛ばすことによって除去されたトナーの質量で割り算し、Q/m比を得る。
【0016】
いくつかの実施形態において、本発明のトナー組成物は、トナー電荷量が、Aゾーンで約9〜約30マイクロクーロン/グラムであり、Bゾーンで約15〜約40マイクロクーロン/グラムであり、Jゾーンで約20〜約60マイクロクーロンである。
【0017】
いくつかの実施形態において、本発明のトナー組成物は、少なくとも1種類のトナー樹脂を含むトナー粒子と、前記トナー粒子の表面に結合した金属顔料と、前記金属顔料の上に配置された絶縁性表面添加剤とを含む。
【0018】
トナー樹脂
トナー粒子のために、任意の適切な樹脂または望ましい樹脂を選択することができる。適切な樹脂としては、アモルファス低分子量直鎖ポリエステル、高分子量の分岐し、架橋したポリエステルおよび結晶性ポリエステルが挙げられる。いくつかの実施形態において、樹脂コアを作製するために利用されるポリマーは、米国特許第6,593,049号および第6,756,176号に記載される樹脂を含め、ポリエステル樹脂であってもよい。適切な樹脂は、米国特許第6,830,860号に記載されるように、アモルファスポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂の混合物を含んでいてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態において、樹脂は、任意要素の触媒存在下、ジオールと二酸との反応によって作られるポリエステル樹脂であってもよい。結晶性ポリエステルを作製する場合、適切な有機ジオールとしては、約2〜約36個の炭素原子を含む脂肪族ジオール、例えば、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールなど;アルカリスルホ脂肪族ジオール、例えば、ソジオ 2−スルホ−1,2−エタンジオール、リチオ 2−スルホ−1,2−エタンジオール、ポタシオ 2−スルホ−1,2−エタンジオール、ソジオ 2−スルホ−1,3−プロパンジオール、リチオ 2−スルホ−1,3−プロパンジオール、ポタシオ 2−スルホ−1,3−プロパンジオール、これらの混合物などが挙げられる。脂肪族ジオールは、例えば、樹脂の約40〜約60モル%、いくつかの実施形態において、約42〜約55モル%、いくつかの実施形態において、約45〜53モル%の量になるように選択されてもよく、アルカリスルホ脂肪族ジオールは、樹脂の約0〜約10モル%、いくつかの実施形態において、約1〜約4モル%の量になるように選択されてもよい。
【0020】
結晶性樹脂を調製するために選択される、ビニル二酸またはビニルジエステルを含む有機二酸またはジエステルの例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、フマル酸、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、cis−1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸およびメサコン酸、これらのジエステルまたは酸無水物;アルカリスルホ有機二酸、例えば、ジメチル−5−スルホ−イソフタレート、ジアルキル−5−スルホ−イソフタレート−4−スルホ−1,8−ナフタル酸無水物、4−スルホ−フタル酸、ジメチル−4−スルホ−フタレート、ジアルキル−4−スルホ−フタレート、4−スルホフェニル−3,5−ジカルボメトキシベンゼン、6−スルホ−2−ナフチル−3,5−ジカルボメトキシベンゼン、スルホ−テレフタル酸、ジメチル−スルホ−テレフタレート、5−スルホ−イソフタル酸、ジアルキル−スルホ−テレフタレート、スルホエタンジオール、2−スルホプロパンジオール、2−スルホブタンジオール、3−スルホペンタンジオール、2−スルホヘキサンジオール、3−スルホ−2−メチルペンタンジオール、2−スルホ−3,3−ジメチルペンタンジオール、スルホ−p−ヒドロキシ安息香酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホネートのソジオ塩、リチオ塩またはポタシオ塩、またはこれらの混合物が挙げられる。有機二酸は、例えば、樹脂の約40〜約60モル%、いくつかの実施形態において、約42〜約52モル%、いくつかの実施形態において、約45〜50モル%の量になるように選択されてもよく、アルカリスルホ脂肪族二酸は、樹脂の約1〜約10モル%の量になるように選択されてもよい。
【0021】
結晶性樹脂の例としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリイソブチレート、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、ポリプロピレン、これらの混合物などが挙げられる。具体的な結晶性樹脂は、ポリエステル系であってもよく、例えば、ポリ(エチレン−アジペート)、ポリ(プロピレン−アジペート)、ポリ(ブチレン−アジペート)、ポリ(ペンチレン−アジペート)、ポリ(ヘキシレン−アジペート)、ポリ(オクチレン−アジペート)、ポリ(ノニレン−アジペート)、ポリ(デシレン−アジペート)、ポリ(ウンデシレン−アジペート)、ポリ(ドデシレン−アジペート)、ポリ(エチレン−サクシネート)、ポリ(プロピレン−サクシネート)、ポリ(ブチレン−サクシネート)、ポリ(ペンチレン−サクシネート)、ポリ(ヘキシレン−サクシネート)、ポリ(オクチレン−サクシネート)、ポリ(ノニレン−サクシネート)、ポリ(デシレン−サクシネート)、ポリ(ウンデシレン−サクシネート)、ポリ(ドデシレン−サクシネート)、ポリ(エチレン−セバケート)、ポリ(プロピレン−セバケート)、ポリ(ブチレン−セバケート)、ポリ(ペンチレン−セバケート)、ポリ(ヘキシレン−セバケート)、ポリ(オクチレン−セバケート)、ポリ(ノニレン−セバケート)、ポリ(デシレン−セバケート)、ポリ(ウンデシレン−セバケート)、ポリ(ドデシレン−セバケート)、ポリ(エチレン−ドデカンジオエート)、ポリ(プロピレン−ドデカンジオエート)、ポリ(ブチレン−ドデカンジオエート)、ポリ(ペンチレン−ドデカンジオエート)、ポリ(ヘキシレン−ドデカンジオエート)、ポリ(オクチレン−ドデカンジオエート)、ポリ(ノニレン−ドデカンジオエート)、ポリ(デシレン−ドデカンジオエート)、ポリ(ウンデシレン−ドデカンジオエート)、ポリ(ドデシレン−ドデカンジオエート)、ポリ(エチレン−フマレート)、ポリ(プロピレン−フマレート)、ポリ(ブチレン−フマレート)、ポリ(ペンチレン−フマレート)、ポリ(ヘキシレン−フマレート)、ポリ(オクチレン−フマレート)、ポリ(ノニレン−フマレート)、ポリ(デシレン−フマレート)、コポリマー、例えば、コポリ(エチレン−フマレート)−コポリ(エチレン−ドデカンジオエート)など、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(エチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ブチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(オクチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(エチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ブチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(オクチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(エチレン−サクシネート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(プロピレン−サクシネート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ブチレン−サクシネート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−サクシネート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−サクシネート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(オクチレン−サクシネート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(エチレン−セバケート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(プロピレン−セバケート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ブチレン−セバケート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−セバケート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−セバケート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(オクチレン−セバケート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(エチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ブチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−アジペート)であってもよく、ここで、アルカリは、ナトリウム、リチウムまたはカリウムのような金属である。ポリアミドの例としては、ポリ(エチレン−アジパミド)、ポリ(プロピレン−アジパミド)、ポリ(ブチレン−アジパミド)、ポリ(ペンチレン−アジパミド)、ポリ(ヘキシレン−アジパミド)、ポリ(オクチレン−アジパミド)、ポリ(エチレン−スクシンアミド)、ポリ(プロピレン−セバカミド)が挙げられる。ポリイミドの例としては、ポリ(エチレン−アジピミド)、ポリ(プロピレン−アジピミド)、ポリ(ブチレン−アジピミド)、ポリ(ペンチレン−アジピミド)、ポリ(ヘキシレン−アジピミド)、ポリ(オクチレン−アジピミド)、ポリ(エチレン−スクシンイミド)、ポリ(プロピレン−スクシンイミド)、ポリ(ブチレン−スクシンイミド)が挙げられる。
【0022】
結晶性樹脂は、例えば、トナー成分の約5〜約50重量%、いくつかの実施形態において、約5〜約35重量%の量で存在していてもよい。結晶性樹脂は、種々の融点を有していてもよく、例えば、約30℃〜約120℃、いくつかの実施形態では、約50℃〜約90℃であってもよい。結晶性樹脂は、数平均分子量(Mn)が、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、例えば、約1,000〜約50,000、いくつかの実施形態では、約2,000〜約25,000であってもよく、重量平均分子量(Mw)が、ポリスチレン標準を用いたゲル透過クロマトグラフィーによって決定した場合、例えば、約2,000〜約100,000、いくつかの実施形態では、約3,000〜約80,000であってもよい。結晶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、例えば、約2〜約6、いくつかの実施形態では、約2〜約4であってもよい。
【0023】
アモルファスポリエステルを調製するために利用される、ビニル二酸またはビニルジエステルを含め、二酸またはジエステルの例としては、ジカルボン酸またはジエステル、例えば、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、フマル酸、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、cis−1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、無水コハク酸、ドデシルコハク酸、無水ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、無水ドデセニルコハク酸、グルタル酸、無水グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、無水フタル酸、フタル酸ジエチル、コハク酸ジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、ドデシルコハク酸ジメチル、およびこれらの組み合わせが挙げられる。有機二酸またはジエステルは、例えば、樹脂の約40〜約60モル%、いくつかの実施形態において、約42〜約52モル%、いくつかの実施形態において、約45〜約50モル%の量で存在していてもよい。
【0024】
アモルファスポリエステルを作製するときに利用可能なジオールとしては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール、2,2,3−トリメチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、ドデカンジオール、ビス(ヒドロキシエチル)−ビスフェノールA、ビス(2−ヒドロキシプロピル)−ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、キシレンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ビス(2−ヒドロキシエチル)オキシド、ジプロピレングリコール、ジブチレン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。選択される有機ジオールの量は、さまざまであってもよく、例えば、樹脂の約40〜約60モル%、いくつかの実施形態において、樹脂の約42〜約55モル%、いくつかの実施形態において、樹脂の約45〜約53モル%の量で存在していてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、縮合重合法によって樹脂を作製してもよい。結晶性ポリエステルまたはアモルファスポリエステルのいずれかのために利用可能な重縮合触媒としては、チタン酸テトラアルキル、ジアルキルスズオキシド(例えば、ジブチルスズオキシド)、テトラアルキルスズ(例えば、ジブチルスズジラウレート)、ジアルキルスズオキシド水酸化物(例えば、酸化ブチルスズ水酸化物)、アルミニウムアルコキシド、アルキル亜鉛、ジアルキル亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一スズ、またはこれらの組み合わせが挙げられる。このような触媒は、ポリエステル樹脂を作製するために用いられる出発物質の二酸またはジエステルを基準として、例えば、約0.01モル%〜約5モル%の量で利用されてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、ポリエステル樹脂は、飽和または不飽和のアモルファスポリエステル樹脂であってもよい。本開示のプロセスおよび粒子のために選択される飽和および不飽和のアモルファスポリエステル樹脂の具体例としては、種々のアモルファスポリエステルのいずれか、例えば、ポリエチレン−テレフタレート、ポリプロピレン−テレフタレート、ポリブチレン−テレフタレート、ポリペンチレン−テレフタレート、ポリヘキサレン−テレフタレート、ポリヘプタデン−テレフタレート、ポリオクタレン−テレフタレート、ポリエチレン−イソフタレート、ポリプロピレン−イソフタレート、ポリブチレン−イソフタレート、ポリペンチレン−イソフタレート、ポリヘキサレン−イソフタレート、ポリヘプタデン−イソフタレート、ポリオクタレン−イソフタレート、ポリエチレン−セバケート、ポリプロピレンセバケート、ポリブチレン−セバケート、ポリエチレン−アジペート、ポリプロピレン−アジペート、ポリブチレン−アジペート、ポリペンチレン−アジペート、ポリヘキサレン−アジペート、ポリヘプタデン−アジペート、ポリオクタレン−アジペート、ポリエチレン−グルタレート、ポリプロピレン−グルタレート、ポリブチレン−グルタレート、ポリペンチレン−グルタレート、ポリヘキサレン−グルタレート、ポリヘプタデン−グルタレート、ポリオクタレン−グルタレート、ポリエチレン−ピメレート、ポリプロピレン−ピメレート、ポリブチレン−ピメレート、ポリペンチレン−ピメレート、ポリヘキサレン−ピメレート、ポリヘプタデン−ピメレート、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA−フマレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA−サクシネート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA−アジペート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA−グルタレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA−テレフタレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA−イソフタレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA−ドデセニルサクシネート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−フマレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−サクシネート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−アジペート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−グルタレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−テレフタレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−イソフタレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−ドデセニルサクシネート)、SPAR(Dixie Chemicals)、BECKOSOL(Reichhold Inc)、ARAKOTE(Ciba−Geigy Corporation)、HETRON(Ashland Chemical)、PARAPLEX(Rohm & Haas)、POLYLITE(Reichhold Inc)、PLASTHALL(Rohm & Haas)、CYGAL(American Cyanamide)、ARMCO(Armco Composites)、ARPOL(Ashland Chemical)、CELANEX(Celanese Eng)、RYNITE(DuPont)、STYPOL(Freeman Chemical Corporation)およびこれらの組み合わせが挙げられる。樹脂は、官能基化されていてもよく、例えば、カルボキシル化、スルホン化などされていてもよく、特に、所望な場合、ソジオスルホン化されていてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、不飽和ポリエステル樹脂をラテックス樹脂として利用してもよい。このような樹脂の例としては、米国特許第6,063,827号に開示されるものが挙げられる。例示的な不飽和アモルファスポリエステル樹脂としては、限定されないが、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA コ−フマレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA コ−フマレート)、ポリ(ブチロキシル化ビスフェノールA コ−フマレート)、ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノールA コ−エトキシル化ビスフェノールA コ−フマレート)、ポリ(1,2−プロピレンフマレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA コ−マレエート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA コ−マレエート)、ポリ(ブチロキシル化ビスフェノールA コ−マレエート)、ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノールA コ−エトキシル化ビスフェノールA コ−マレエート)、ポリ(1,2−プロピレンマレエート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA コ−イタコネート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA コ−イタコネート)、ポリ(ブチロキシル化ビスフェノールA コ−イタコネート)、ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノールA コ−エトキシル化ビスフェノールA コ−イタコネート)、ポリ(1,2−プロピレンイタコネート)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0028】
いくつかの実施形態において、適切な直鎖アモルファスポリエステル樹脂は、以下の式(I)を有するポリ(プロポキシル化ビスフェノールA コ−フマレート)樹脂であってもよく、
【0030】
式中、mは、約5〜約1000であってもよい。
【0031】
ラテックス樹脂として利用可能な直鎖アモルファスプロポキシル化ビスフェノールAフマレート樹脂の一例は、Resana S/A Industrias Quimicas(サンパウロ、ブラジル)から商標名SPARII(商標)で入手可能である。他の適切な直鎖アモルファス樹脂としては、米国特許第4,533,614号、第4,957,774および第4,533,614号に開示されるものが挙げられ、無水ドデカンコハク酸、テレフタル酸およびアルコキシル化ビスフェノールAを含む直鎖ポリエステル樹脂であってもよい。利用可能であり、市販される他のプロポキシル化ビスフェノールAフマレート樹脂としては、花王株式会社(日本)から市販されるGTU−FC115などが挙げられる。
【0032】
適切な結晶性樹脂としては、米国特許第7,329,476号、米国特許出願公開第2006/0216626号、第2008/0107990号、第2008/0236446号および第2009/0047593号に開示されるものが挙げられる。いくつかの実施形態において、適切な結晶性樹脂としては、以下の式を有する、エチレングリコールとドデカン二酸およびフマル酸コモノマーの混合物とから作られる樹脂を挙げることができ、
【0034】
式中、bは、5〜2000であり、dは、5〜2000である。
【0035】
例えば、いくつかの実施形態において、上述のような式Iのポリ(プロポキシル化ビスフェノールA コ−フマレート)樹脂と、式IIの結晶性樹脂とを合わせ、コアを作製してもよい。
【0036】
いくつかの実施形態において、コアに利用されるアモルファス樹脂またはアモルファス樹脂の組み合わせは、ガラス転移温度が、約30℃〜約80℃、いくつかの実施形態において、約35℃〜約70℃であってもよい。さらなる実施形態において、コアに利用される合わせた樹脂は、約130℃での溶融粘度が、約10〜約1,000,000Pa・S、いくつかの実施形態において、約50〜約100,000Pa・Sであってもよい。
【0037】
1種類、2種類またはそれより多いトナー樹脂を使用してもよい。2種類以上のトナー樹脂を使用する場合、トナー樹脂は、任意の適切な比率(例えば、重量比)、例えば、約10%(第1の樹脂)/90%(第2の樹脂)〜約90%(第1の樹脂)/10%(第2の樹脂)であってもよい。
【0038】
一実施形態において、アモルファスポリエステル樹脂は、トナーの合計重量を基準として、約50〜約85重量%の量で存在する。
【0039】
いくつかの実施形態において、直鎖アモルファスポリエステルを、高分子量の分岐または架橋したアモルファスポリエステルと合わせ、もっと高いホットオフセット温度、印刷光沢特性の制御のような優れたトナー特性を与えてもよい。この高分子量ポリエステルとしては、いくつかの実施形態において、例えば、分岐した樹脂またはポリマー、架橋した樹脂またはポリマー、またはこれらの混合物、または架橋が行われたが架橋していない樹脂が挙げられるだろう。本開示によれば、約1重量%〜約100重量%の高分子量樹脂は、分岐または架橋していてもよく、いくつかの実施形態において、約2重量%〜約50重量%の高分子量樹脂は、分岐または架橋していてもよい。本明細書で使用される場合、「高分子量樹脂」という用語は、標準ポリスチレン参照樹脂に対するゲル浸透クロマトグラフィーによって測定される場合、樹脂のクロロホルム可溶性部分の重量平均分子量(Mw)が約15,000より大きく、多分散指数(PD)が約4より大きい樹脂を指す。PD指数は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比率である。
【0040】
高分子量アモルファスポリエステル樹脂は、直鎖ポリエステル樹脂を分岐または架橋されることによって調製されてもよい。分岐剤、例えば、三官能または多官能のモノマーを利用してもよく、この薬剤は、通常、ポリエステルの分子量および多分散性を上げる。適切な分岐剤としては、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジグリセロール、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、これらの組み合わせなどを挙げることができる。これらの分岐剤を、樹脂を作製するために用いられる出発物質の二酸またはジエステルを基準として、約0.1モル%〜約20モル%の効果的な量で利用してもよい。
【0041】
高分子量ポリエステルを作製する際に利用可能な、多塩基性カルボン酸で改質されたポリエステル樹脂を含有する組成物としては、米国特許第3,681,106号に開示されるもの、米国特許第4,298,672号;第4,863,825号;第4,863,824号;第4,845,006号;第4,814,249号;第4,693,952号;第4,657,837号;第5,143,809号;第5,057,596号;第4,988,794号;第4,981,939号;第4,980,448号;第4,960,664号;第4,933,252号;第4,931,370号;第4,917,983号、第4,973,539号に示されるような多価酸または多価アルコールから誘導される分岐または架橋したポリエステルが挙げられる。
【0042】
いくつかの実施形態において、架橋したポリエステル樹脂は、遊離ラジカル条件下で反応可能な不飽和部位を含有する直鎖ポリエステル樹脂から作られてもよい。このような樹脂の例としては、米国特許第5,227,460号;第5,376,494号;第5,480,756号;第5,500,324号;第5,601,960号;第5,629,121号;第5,650,484号;第5,750,909号;第6,326,119号;第6,358,657号;第6,359,105号、第6,593,053号に開示されるものが挙げられる。いくつかの実施形態において、適切な不飽和ポリエステル系樹脂は、二酸および/または酸無水物(例えば、無水マレイン酸、フマル酸など、およびこれらの組み合わせ)と、ジオール(例えば、プロポキシル化ビスフェノールA、プロピレングリコールなど、およびこれらの組み合わせ)から調製されてもよい。いくつかの実施形態において、適切なポリエステルは、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールAフマレート)である。
【0043】
いくつかの実施形態において、高分子量の分岐または架橋したポリエステル樹脂は、標準ポリスチレン参照樹脂に対するGPCによって測定される場合、Mwが約15,000より大きく、いくつかの実施形態において、約15,000〜約1,000,000、他の実施形態において、約20,000〜約100,000であり、多分散指数(Mw/Mn)は、約4より大きく、いくつかの実施形態において、約4〜約100、他の実施形態において、約6〜約50である。
【0044】
いくつかの実施形態において、架橋し、分岐したポリエステルを高分子量樹脂として利用してもよい。このようなポリエステル樹脂は、2個以上のヒドロキシル基を含む少なくとも1種類のポリオールまたはそのエステルを含む少なくとも2種類のプレゲル組成物と、少なくとも3個の官能基を含む、少なくとも1種類の脂肪族または芳香族の多官能の酸またはそのエステル、またはこれらの混合物と、場合により、少なくとも1種類の長鎖脂肪族カルボン酸またはそのエステル、または芳香族モノカルボン酸またはそのエステル、またはこれらの混合物とから作られてもよい。この2成分を、別個の反応器中でかなり完結するまで反応させ、第1の反応器で、カルボキシル末端基を有するプレゲルを含む第1の組成物を生成し、第2の反応器で、ヒドロキシル末端基を有するプレゲルを含む第2の組成物を生成する。次いで、この2種類の組成物を混合し、架橋し、分岐したポリエステル高分子量樹脂を作製してもよい。このようなポリエステルおよびその合成方法の例としては、米国特許第6,592,913号に開示されるものが挙げられる。
【0045】
いくつかの実施形態において、分岐したポリエステルとしては、テレフタル酸ジメチル、1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオールおよびペンタエリスリトールの反応から得られるものが挙げられるだろう。
【0046】
適切なポリオールは、約2〜約100個の炭素原子を含んでいてもよく、少なくとも2個以上のヒドロキシ基を有していてもよく、またはそのエステルであってもよい。ポリオールとしては、グリセロール、ペンタエリスリトール、ポリグリコール、ポリグリセロールなど、またはこれらの混合物が挙げられるだろう。ポリオールは、グリセロールを含んでいてもよい。適切なグリセロールエステルとしては、パルミチン酸グリセロール、セバシン酸グリセロール、アジピン酸グリセロール、トリアセチントリプロピオニン等が挙げられる。ポリオールは、反応混合物の約20重量%〜約30重量%、いくつかの実施形態において、約20重量%〜約26重量%の量で存在していてもよい。
【0047】
少なくとも2個の官能基を有する脂肪族多官能酸としては、約2〜約100個の炭素原子を含む飽和および不飽和の酸、またはこれらのエステル、一部の実施形態において、約4〜約20個の炭素原子を含むものが挙げられるだろう。他の脂肪族多官能酸としては、マロン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸など、またはこれらの混合物が挙げられる。利用可能な他の脂肪族多官能酸としては、C
3〜C
6の環状構造を含むジカルボン酸およびその位置異性体が挙げられ、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸またはシクロプロパンジカルボン酸が挙げられる。
【0048】
利用可能な少なくとも2個の官能基を有する芳香族多官能酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸およびナフタレン1,4−ジカルボン酸、ナフタレン2,3−ジカルボン酸、ナフタレン2,6−ジカルボン酸が挙げられる。
【0049】
脂肪族多官能酸または芳香族多官能酸は、反応混合物の約40重量%〜約65重量%、いくつかの実施形態において、約44重量%〜約60重量%の量で存在していてもよい。
【0050】
長鎖脂肪族カルボン酸または芳香族モノカルボン酸としては、約12〜約26個の炭素原子を含むもの、またはこれらのエステル、いくつかの実施形態において、約14〜約18個の炭素原子を含むものが挙げられるだろう。長鎖脂肪族カルボン酸は、飽和または不飽和であってもよい。適切な飽和長鎖脂肪族カルボン酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、セロチン酸など、またはこれらの組み合わせが挙げられるだろう。適切な不飽和長鎖脂肪族カルボン酸としては、ドデシレン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸など、またはこれらの組み合わせが挙げられるだろう。芳香族モノカルボン酸としては、安息香酸、ナフトエ酸および置換ナフトエ酸が挙げられるだろう。適切な置換ナフトエ酸としては、約1〜約6個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖のアルキル基で置換されたナフトエ酸、例えば、1−メチル−2−ナフトエ酸および/または2−イソプロピル−1−ナフトエ酸が挙げられるだろう。長鎖脂肪族カルボン酸または芳香族モノカルボン酸は、反応混合物の約0重量%〜約70重量%、いくつかの実施形態において、約15重量%〜約30重量%の量で存在していてもよい。
【0051】
所望な場合、さらなるポリオール、イオン種、オリゴマー、またはこれらの誘導体を使用してもよい。これらのさらなるグリコールまたはポリオールは、反応混合物の約0重量%〜約50重量%の量で存在していてもよい。さらなるポリオールまたはこれらの誘導体としては、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、トリアセチン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、セルロースエーテル、セルロースエステル、例えば、酢酸セルロース、スクロースアセテートイソ−ブチレートなどが挙げられるだろう。
【0052】
本開示のトナー粒子中の高分子量樹脂の量は、コア中、シェル中、またはコアとシェルの両方において、トナーの約1重量%〜約30重量%、いくつかの実施形態において、約2.5重量%〜約20重量%、または約5重量%〜約10重量%であってもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、高分子量樹脂(例えば、分岐したポリエステル)は、本開示のトナー粒子の表面に存在していてもよい。トナー粒子の表面にある高分子量樹脂も、粒状の性質を有していてもよく、高分子量樹脂粒子は、直径が約100ナノメートル〜約300ナノメートル、いくつかの実施形態において、約110ナノメートル〜約150ナノメートルである。高分子量樹脂粒子は、トナー表面の約10%〜約90%、いくつかの実施形態において、トナー表面の約20%〜約50%を覆っていてもよい。
【0054】
トナー
上述の樹脂を利用し、トナー組成物を作製してもよい。このようなトナー組成物は、任意要素の着色剤、任意要素の他の添加剤を含んでいてもよい。トナーは、当業者の常識の範囲内にある任意の方法を利用して作製されてもよい。
【0055】
具体的な実施形態において、本明細書のトナーは、組み合わせ、微粉化し、粉砕し、分級するプロセスによって調製される従来のトナーである。このトナーは、例えば、乳化凝集または懸濁重合のようなプロセスを用いて調製される化学トナーとは区別される。
【0056】
金属顔料
トナー組成物は、金属顔料を含有する。任意の適切な金属顔料または望ましい金属顔料を選択することができる。いくつかの実施形態において、金属顔料は、アルミニウム、亜鉛、銅−亜鉛アロイ、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。具体的な実施形態において、金属顔料は、アルミニウムフレークを含む。
【0057】
いくつかの実施形態において、トナーは、さらなる着色剤を含まず、すなわち、トナーは、金属顔料以外の着色剤を含有しない。
【0058】
金属顔料は、任意の適切な量または望ましい量で存在していてもよい。いくつかの実施形態において、金属顔料は、トナー組成物の合計重量を基準として、約0.1〜約10重量%、または約1〜約8重量%、または約2〜約6重量%の量で存在する。
【0059】
金属顔料は、親トナー粒子の表面に結合する。結合は、任意の適切なプロセスまたは望ましいプロセスによって達成することができる。いくつかの実施形態において、アルミニウム顔料とトナー粒子をミキサーで機械的に混合することによって、金属顔料は、トナー樹脂粒子の表面に結合する。いくつかの実施形態において、この混合プロセスは、トナー粒子表面に対するアルミニウムフレーク顔料の付着を増やすために、高温で(いくつかの実施形態において、約50〜約150°Fの温度で)行うことができる。
【0060】
絶縁性表面添加剤
いくつかの実施形態において、トナーは、絶縁性表面添加剤を含む。絶縁性表面添加剤は、トナーに結合した金属顔料の上に配置されていてもよい。
【0061】
任意の適切な絶縁性表面添加剤または望ましい絶縁性表面添加剤を選択してもよい。いくつかの実施形態において、絶縁性表面添加剤は、鉱物油、長鎖脂肪酸およびシリコーン油からなる群から選択される。具体的な実施形態において、絶縁性表面添加剤は、シリコーン油である。いくつかの実施形態において、長鎖脂肪酸は、約13〜約21個の炭素原子を含む脂肪族炭素尾部または約22個以上の炭素原子を含むもっと長い脂肪族炭素尾部を有する脂肪酸である。
【0062】
絶縁性表面添加剤は、任意の適切な量または望ましい量で与えられてもよい。いくつかの実施形態において、絶縁性表面添加剤は、トナーの合計重量を基準として、約0.1〜約2重量%、または約0.5〜約1.5重量%、または約0.15〜約0.3重量%の量で存在する。
【0063】
表面添加剤
本発明の実施形態のトナー組成物は、絶縁性表面添加剤に加え、1種類以上の表面添加剤を含んでいてもよい。表面添加剤は、トナー粒子の表面にコーティングされており、トナー粒子の約50%〜約99%、約60%〜約90%、または約70%〜約80%の全表面積被覆率を与えてもよい。本発明の実施形態のトナー組成物は、トナーの合計重量を基準として、約2.7%〜約4.0%、約3.0%〜約3.7%、または約3.1%〜約3.5%の表面添加剤を含んでいてもよい。
【0064】
表面添加剤は、シリカ、チタニアおよびステアレートを含んでいてもよい。トナーの帯電特徴および流動特徴は、表面添加剤の選択およびトナー中の表面添加剤の濃度によって影響を受ける。表面添加剤の濃度およびその粒径および形状は、トナー粒子表面での表面添加剤の配置を決定付ける。いくつかの実施形態において、シリカは、2種類のコーティングされたシリカを含む。さらに特定的には、2種類のシリカの片方は負に帯電したシリカであってもよく、他方のシリカは、正に帯電したシリカであってもよい(担体と比較して)。負に帯電するとは、その添加剤が、添加剤を含む場合と含まない場合で、トナーの摩擦電荷量を決定することによって測定される、トナー表面と比較して負に帯電していることを意味する。同様に、正に帯電するとは、その添加剤が、添加剤を含む場合と含まない場合で、トナーの摩擦電荷量を決定することによって測定される、トナー表面と比較して正に帯電していることを意味する。
【0065】
負に帯電したシリカの一例としては、DeGussa/Nippon Aerosil Corporationから得られるNA50HSが挙げられ、ヘキサメチルジシラザンとアミノプロピルトリエトキシシランの混合物でコーティングされたフュームドシリカである(一次粒径は約30ナノメートルであり、凝集物の粒径は約350ナノメートルである)。
【0066】
相対的に正に帯電したシリカの一例としては、ポリジメチルシロキサン単位またはセグメントを有し、非常に疎水性が高いフュームドシリカの表面に化学的に結合したアミノ/アンモニウム官能基を有するH2050シリカが挙げられ、コーティングされたシリカは、BET表面積が約110〜約±20m
2/g(Wacker Chemieから得られる)である。
【0067】
負に帯電したシリカは、表面添加剤の約1.6重量%〜約2.4重量%、約1.8重量%〜約2.2重量%、約1.9重量%〜約2.1重量%の量で存在していてもよい。
【0068】
正に帯電したシリカは、表面添加剤の約0.08重量%〜約1.2重量%、約0.09重量%〜約0.11重量%、約0.09重量%〜約0.1重量%の量で存在していてもよい。
【0069】
負に帯電したシリカと正に帯電したシリカの比率は、例えば、重量基準で13:1〜約30:1、または約15:1〜約25:1の範囲である。
【0070】
表面添加剤は、チタニアも含んでいてもよい。チタニアは、表面添加剤の約0.53重量%〜約0.9重量%、約0.68重量%〜約0.83重量%、約0.7重量%〜約0.8重量%の量で存在していてもよい。本発明で使用するのに適したチタニアは、例えば、Tayca Corp.から入手可能なSMT5103であり、デシルシランで処理された約25〜約55nmの粒径を有するチタニアである。
【0071】
負に帯電したシリカとチタニアの重量比は、約1.8:1〜約4.5:1、約2.2:1〜約3.2:1、または約2.5:1〜約3.0:1である。
【0072】
表面添加剤は、潤滑剤または導電性助剤、例えば、脂肪酸の金属塩、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムも含んでいてもよい。適切な例としては、Ferro Corp.製のZinc Stearate L、Ferro Corp.製のステアリン酸カルシウムが挙げられる。このような導電性助剤は、トナーの約0.10重量%〜約1.00重量%の量で存在していてもよい。
【0073】
別の好ましい実施形態において、トナーおよび/または表面添加剤は、導電性助剤、例えば、脂肪酸の金属塩、例えば、ステアリン酸亜鉛も含む。適切な例としては、Ferro Corp.製のZinc Stearate Lが挙げられる。このような導電性助剤は、トナーの約0.10重量%〜約1.00重量%の量で存在していてもよい。
【0074】
本発明の実施形態の透明なトナー組成物は、樹脂粒子をトナー押出成型デバイス(例えば、Werner Pfleidererから入手可能なZSK25)で混合(例えば、溶融混合)し、加熱し、生成したトナー組成物をデバイスから取り出すことによって調製することができる。冷却した後、米国特許第5,716,751号を参照し、トナー組成物を、例えば、Sturtevantマイクロナイザーを利用して粉砕する。その後、微粒子を除去する目的のために、例えば、Donaldson Model B分級機を利用し、トナー組成物を分級してもよく、すなわち、この粒子は、同じ材料の微粒子を非常に少ないレベルで伴う。例えば、微粒子のレベルは、トナーの約0.1重量%〜約3重量%の範囲である。過剰な微粒子内容物を除去した後、透明なトナーは、平均粒径が約6ミクロン〜約8ミクロン、約6.5ミクロン〜約7.5ミクロン、または約7.0ミクロンであってもよい。GSDは、(D84/D50)についての体積による上側幾何標準偏差(GSD)(粗粒子レベル)であり、約1.10〜約1.30、または約1.15〜約1.25、または約1.18〜約1.21であってもよい。(D50/D16)についての数による幾何標準偏差(GSD)(微粒子レベル)は、約1.10〜約1.30、または約1.15〜約1.25、または約1.22〜約1.24であってもよい。累積割合で全トナー粒子の50%に達する粒子直径は、体積D50と定義され、累積割合で全トナー粒子の84%に達する粒子直径は、体積D84と定義される。これらの上述の体積平均粒度分布指数GSDvは、累積的な分布のD50およびD84を用いることによって表すことができ、体積平均粒度分布指数GSDvは、累積分布中の(体積D84/体積D50)として表すことができる。これらの上述の数平均粒度分布指数GSDnは、累積的な分布のD50およびD16を用いて表すことができ、数平均粒度分布指数GSDnは、(数D50/数D16)として表される。GSD値が1.0に近いほど、粒子の中の分散物の大きさが小さい。トナー粒子の上述のGSD値は、このトナー粒子が狭い粒度分布を有するように製造されることを示す。粒子の直径は、Multisizer IIIによって決定される。
【0075】
その後、絶縁性表面添加剤および他の添加剤を、得られたトナーと混合することによって加えてもよい。本明細書で使用される「粒径」という用語、または「粒子」という用語を参照しつつ本明細書で使用される「粒径」という用語は、従来の直径測定デバイス(例えば、Coulter,Inc.から販売されるMultisizer III)によって測定されるような、体積によって計算した直径を意味する。平均体積によって計算した直径は、それぞれの粒子の質量と、同じ質量および密度を有する球形粒子の直径とを掛け算したものを合計し、全粒子質量で割り算する。
【0076】
トナーの粒度分布および添加剤の配合は、基材を十分に被覆しつつ、非常に低い質量目標でオフセットリソグラフィーを与えるシステムでトナーが操作可能なものである。この観点で、この質量目標は、基材の単位面積あたり、基材(すなわち、紙または他の基材)に現像され、または配置されたトナー粒子の濃度を指す。トナーの粒度分布および添加剤の配合は、基材1平方センチメートルあたり、システムが0.3〜0.4mgの質量目標を操作することができるものである。本発明の実施形態のトナーのレオロジーは、光沢を最大限にし、システムで使用されるフューザーロールを供えるフューザーに対するトナーオフセットの危険性を減らすようにも設計される。
【実施例】
【0077】
以下の実施例は、本開示のさまざまな態様をさらに定義するために提示される。これらの実施例は、単なる説明であることを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図していない。また、部および割合は、特に示されていない限り、重量基準である。
【0078】
Werner & Pfleiderer Corporation(ラムジー、NJ)から入手可能なZSK−25押出成型機で原材料を押出成型することによる、透明な親粒子の製造から出発する、金属銀色トナーの製造。トナー組成物は、分子量(Mw)が13000グラム/mol付近であり、商標名Resapol(登録商標)でReicholdから入手可能なさまざまなレベルのプロポキシル化ビスフェノール−A/フマル酸樹脂と、米国特許第6,359,105号に記載されるプロポキシル化ビスフェノール−A/フマル酸樹脂を架橋することによって調製される架橋したゲル樹脂10〜30重量%とからなる混合物を含む。得られた押出成型物は、200 AFG流動床ジェットミルで、標的メジアン径D50である8.5および21ミクロンになるまで微粉化されていた。標的粒径は、過剰な微粒子内容物を除去した後、8.5および21ミクロン付近の平均粒径が可能になるように選択された。0.3%のTS530表面処理されたフュームドシリカ(Cabosil Corporationシリカ)を流動助剤として微粉化プロセス中に加えた。この粒子をMicron Powder Systems製のB18 Tandem Acucut(登録商標)分級システムで分級した。実施例1および実施例2は、上述のように合成されたトナー粒子を用いて作られた銀色のトナー粒子であった。
【0079】
実施例1および実施例2は、それぞれ21ミクロンおよび8.5ミクロンのこれら2種類の透明な親粒子を用いて調製した。アルミニウムフレーク顔料は、実施例1および実施例2の透明な親粒子の表面に結合し(SUN Chemical(Benda−Lutz)のBlitz(登録商標)Bonding方法を用い)、アルミニウムフレーク顔料をコーティングし、顔料が親粒子の表面に結合した。この金属フレークは、樹脂粒子内に包み込まれる代わりに、トナー表面に結合した。このコーティングは分離しない。この方法の利点としては、高い金属効果(塊状の粉末)、コーティングが分離しない、大量のための費用上の利点、必要な顔料が少ない、いくつかの実施形態において、全顔料の約6%、6%まで、アルミニウム粉末の安全な取り扱い、押出成型し、微粉化し、粉末を分級する必要がないことが挙げられる。
【0080】
実施例1
上述のように調製した表面に結合した6%(w/w)のアルミニウムフレークを含む21ミクロン粒子。
【0081】
実施例2
上述のように調製した表面に結合した2%(w/w)のアルミニウムフレークを含む8.5ミクロン粒子。
【0082】
比較例3
Fuji Xerox Co.Ltd.から市販されるFuji Xerox(登録商標)ColorPress機のための銀色トナー。
【0083】
図1は、トナー表面に結合したアルミニウムフレークを含む銀色金属トナーの代表的な走査型電子顕微鏡画像を示す。
【0084】
金属色相の評価
トナー層サンプルを作製するために湿式堆積(Wet Deposition)を用い、金属色相について実施例1および実施例2の2種類の銀色トナー粒子を評価した。トナー粒子を水に分散させ、次いで、異なる濃度のトナー懸濁物をフィルタによって濾過し、フィルタ単位面積あたり、既知の質量のトナー層(mg/cm
2)を得ることによって、湿式堆積サンプルを作製した。これは、電子写真(Xerographic)プロセスのTMAの良好なベンチシミュレーションであり、トナーの広範囲にわたる色分析のために、Xerox(登録商標)によって使用されてきた。次いで、フィルタ上のトナー層を融合させ、金属色相特性のためにBYK Mac−i多角分光計で評価する。
【0085】
フロップインデックス
フロップインデックスは、見る角度範囲全体を回転するにつれて、金属色の反射の変化に関する測定値である。フロップインデックス0は、ソリッドカラーを示し、一方、非常に高いフロップインデックス(例えば、15〜17)は、金属状またはパール状のベースコート/クリアコートを示す。
【0086】
【数1】
【0087】
式中、L
*は、色の光度であり、すなわち、明るさの程度である。明るさは、白色または非常に透過性が高いと思われる同様に照射した面積の輝度に対して判断される、ある面積の輝度を意味する。
【0088】
図2は、本発明の実施形態および比較例のトナー組成物にかかる2種類のトナー組成物のフロップインデックス(y軸)対TMA(mg/cm
2、x軸)を示すグラフである。
図2に示されるように、実施例1の6%のアルミニウムを含む20ミクロン粒子は、比較例3のFX銀粒子と比較して、同等またはさらに良好なフロップインデックスを有する。また、かなり小さな質量目標で飽和する。アルミニウム含有量が少ない実施例2の粒径が小さいほど、低い(2%)フレーク保持量と一致する低いフロップインデックスを有していた。電子写真(Xerographic)印刷機を、TMA0.45を公称設定とし、〜0.3から0.6mg/cm
2のTMA範囲で操作する。
【0089】
表面添加剤の混合
実施例4および実施例5
実施例2の銀親粒子(8.5ミクロン粒径/2%のAlフレーク)を75L Henschel Vertical Mixerで表面添加剤と混合し、トナーブレンドを作製した。
【0090】
実施例4
使用する初期のパッケージ化された添加剤は、3.14%のシリカ、1.29%のチタニア、および0.5%のステアリン酸亜鉛からなる添加剤から構成される。
【0091】
実施例5
さらなる油添加剤であるWacker Chemie製のシリコーン油X82を0.3%含む別のトナーブレンドを製造した。
【0092】
表面に結合したAlフレークを含む金属トナーによって、トナー表面の導電性が高くなる場合があり、フレークを包み込むポリマーシェルを有する化学トナーと同等に良好な電荷を保持することができない。これにより、電荷量が少なくなる場合がある。いくつかの実施形態において、金属フレークの絶縁性油コーティングによって、帯電特徴が向上した。これら2種類のトナーの摩擦帯電は、A、B、Jゾーンの異なる環境条件下、ベンチで測定された。Aゾーンは、約80°F、相対湿度(RH)80%の高湿ゾーンであり、Jゾーンは、約70°F、RH約10%の低湿ゾーンである。Bゾーンは、RH約50%、約70°Fの周囲条件ゾーンである。4%TCでの塗料振とう方法を用い、鋼鉄コア担体に対してトナーを対にすることによってデータを作成した。表1は、ベンチでの摩擦帯電の結果を示す。電荷量は、マイクロクーロン/グラム単位である。
【0093】
【表1】
【0094】
この摩擦帯電データは、この銀色トナーの下側での制御を示すが、このシステムで現時点で操作される他の色について観察された範囲内であった。小さな摩擦電荷量の調節は、システムの操作TC(トナー濃度)を最適化し、添加剤のレベルを最適化することによって行うことができる。それに加え、表面添加剤として0.3%のシリコーン油を加えると、トナーの摩擦電荷量が約4〜5単位増加した。本願発明者らは、コントロールと、0.3%の油を含む銀色トナーの帯電率も比較した。
【0095】
図3は、Jゾーンにおいて、実施例4の銀色トナー(油を含まない)と実施例5の銀色トナー(油添加剤を含む)のマイクロクーロン/グラム単位での摩擦電荷量(μC/g、y軸)対塗料振とう時間(分、x軸)を示すグラフである。三角形で示される線は、油添加剤を含まない実施例4の銀色トナーを示す。四角形で示される線は、0.3%のX82油添加剤を含む実施例5の銀色トナーを示す。
【0096】
明らかにわかるように、少量の0.3%の表面油添加剤を加えると、金属トナーの帯電率がかなり向上した。従って、いくつかの実施形態において、表面添加剤としての油は、金属フレークを含むトナーにおいて、さらに安定な帯電量を与える。このことは、非常に低い電荷量を示す、高パーセントのAlフレークを含むトナーの設計において重要になる場合がある。
【0097】
従って、いくつかの実施形態において、高いフロップインデックスによって示されるような高い金属色相効果を可能にする、従来のトナーが提供される。トナーの表面に結合したアルミニウムフレークによって、製造が容易になり、最大の金属色相のために、トナー上にフレークを適切に配向させたままにすることができる。いくつかの実施形態において、絶縁性シリコーン油表面添加剤によって、導電性アルミニウムフレーク顔料の保持量を高めることができ、トナーの電荷量を増やし、安定化する。