(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記決定部は、前記ユーザから許可されていることを条件として、前記重量変化時刻が含まれるが、前記受信時刻及び前記送信時刻が含まれない時間帯を前記配送時間帯候補に決定する、
請求項1又は2に記載の配送予定管理装置。
前記在宅時間帯推定部は、前記配送予定日と同一の属性を有する過去の一以上の日のうち所定の割合以上の日に関連付けて前記記憶部に記憶されている重量変化時刻が含まれる時間帯を前記在宅時間帯と推定する、
請求項4又は5に記載の配送予定管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[配送予定管理システムSの概要]
図1は、配送予定管理システムSの概要を示す図である。配送予定管理システムSは、ウォーターサーバー1と、測定装置2と、通信端末3と、配送予定管理装置4と、コンピュータ5とを備える。配送予定管理システムSは、測定装置2が設置されているユーザ宅への商品の配送予定時間帯を管理するためのシステムである。
【0021】
配送予定管理システムSは、ユーザが定期的に購入している水の重量を測定装置2が測定した結果に基づいて、ユーザの在宅時間帯を推定し、推定した在宅時間帯に基づいて配送予定時間帯の候補を決定する。詳細については後述するが、配送予定管理システムSは、測定装置2が測定した重量が変化した時刻、測定装置2が測定した結果を含む測定情報を通信端末3が受信した時刻(以下、端末受信時刻という場合がある)、又は通信端末3が測定情報を配送予定管理装置4に送信した時刻(以下、端末送信時刻という場合がある)の少なくとも1つに基づいて在宅時間帯を推定する。
【0022】
ウォーターサーバー1は、ユーザが水を消費する際に使用する装置である。
図1に示す破線領域Pに水が入ったタンクが設けられており、ユーザは、水を飲んだり水を料理に使ったりする際にウォーターサーバー1を操作することにより、水を使用することができる。
【0023】
測定装置2は、水が入った状態でウォーターサーバー1の重量を測定する重量測定装置である。測定装置2は、無線チャネルW1を介して通信端末3との間でデータを送受信することができる。無線チャネルW1は、例えばBluetooth(登録商標)である。測定装置2は、通信端末3から、重量を測定するタイミング又は時間間隔を指示する指示データを受信する。また、測定装置2は、測定した重量を示す測定情報を通信端末3に送信する。なお、測定装置2は、ウォーターサーバー1の本体の重量を差し引いた、水の重量を示す測定情報を送信するものとする。
【0024】
測定装置2は、例えば電池により動作する。測定装置2が電池により動作する場合であっても、必要な電力が小さいBluetoothを用いて通信端末3との間でデータを送受信することで、測定装置2は、ユーザが電池を交換することなく、長時間にわたって動作を計測することができる。
【0025】
通信端末3は、例えばスマートフォン又はタブレットである。通信端末3は、無線チャネルW1を介して測定装置2との間でデータを送受信することができる。また、通信端末3は、携帯電話網の無線通信回線W2及びネットワークNを介して配送予定管理装置4との間でデータを送受信することができる。ネットワークNは、携帯電話網及びインターネットを含む。
【0026】
配送予定管理装置4は、例えば、商品を配送する会社(以下、配送者という)のコンピュータ5からアクセス可能なサーバである。配送予定管理装置4は、通信端末3を介して測定装置2から受信した水の重量が変化した時刻(以下、重量変化時刻という場合がある)に基づいて、ユーザ又はユーザの家族が在宅の時間帯を推定し、推定した結果に基づいて、商品を配送する時間帯の候補(以下、配送時間帯候補という)を決定する。配送予定管理装置4は、配送時間帯候補を通信端末3に通知し、通信端末3は、通知された配送時間帯候補を表示する。
【0027】
通信端末3は、通知された配送時間帯候補から所望の時間帯を選択する操作をユーザから受け付けると、選択された配送希望時間帯を配送予定管理装置4に送信する。配送予定管理装置4は、選択された配送希望時間帯を受信すると、ユーザの識別情報(以下、ユーザIDという)に関連付けて配送希望時間帯をコンピュータ5に通知する。このようにすることで、配送者は、ユーザが在宅している可能性が高い時間帯に商品を配送することができる。
【0028】
図2及び
図3は、ユーザの在宅状況について説明するための図である。
図2(a)は、通信端末3を使用する第1ユーザU1、及び通信端末3を使用しない第2ユーザU2が在宅している状況を示している。ユーザU1及びユーザU2が在宅中である場合、ユーザU1及びユーザU2のいずれかが水を消費するので、測定装置2が測定した水の重量が、前回の測定時に測定した重量から変化し得る。
【0029】
図2(a)に示す状態においては、通信端末3が、測定装置2が送信する近距離無線通信用の電波が届く範囲に存在する。したがって、通信端末3は、重量を測定した直後に測定装置2が無線回線W1を介して送信した測定情報を受信することができる。通信端末3は、測定装置2から測定情報を受信すると、無線回線W2を介して、測定情報を速やかに配送予定管理装置4に送信する。したがって、配送予定管理装置4は、通信端末3が測定情報を受信した端末受信時刻又は通信端末3が測定情報を送信した端末送信時刻と、測定装置2が重量を測定した時刻との時間間隔が、測定装置2が重量を測定してから通信端末3が測定情報を配送予定管理装置4に転送できるまでの遅延時間以内である場合に、
図2(a)のように、通信端末3のユーザであるユーザU1が在宅していると推定する。
【0030】
図2(b)に示す状態においては、通信端末3が、測定装置2が送信する近距離無線通信用の電波が届かない範囲に存在する。したがって、通信端末3は、重量を測定した直後に測定装置2が無線回線W1を介して送信した測定情報を受信することができない。この場合、測定装置2は、測定情報を自身のメモリに格納し、通信端末3と通信できる状態になった時点で、一以上の測定情報を通信端末3に送信する。通信端末3は、その時点で、受信した一以上の測定情報を配送予定管理装置4に送信する。
【0031】
測定装置2が、重量を測定した直後に通信端末3に測定情報を送信できず、その後に通信端末3と通信できる状態になった時点で測定情報を通信端末3に送信した場合、端末受信時刻又は端末送信時刻が、測定装置2が重量を測定した時刻と異なっている。したがって、配送予定管理装置4は、水の重量が変化していることを測定情報が示している時刻と、端末受信時刻又は端末送信時刻との差が上記の遅延時間より大きい場合、
図2(b)のように、通信端末3のユーザであるユーザU1が不在であり、かつ通信端末3のユーザU1の家族であるユーザU2が在宅していると推定する。
【0032】
図3に示す状態においては、ユーザU1及びユーザU2を含めて、家族全員が在宅していない。前回の測定時刻から
図3の状態が継続している場合、測定装置2が測定した水の重量は変化していないと考えられる。また、測定装置2は、重量を測定した直後に測定情報を通信端末3に送信することができない。したがって、配送予定管理装置4は、水の重量が変化していないことを測定情報が示している時間帯に、通信端末3から測定情報が送信されてきていない場合、
図3のように、通信端末3のユーザU1の家に誰もいないと推定する。
【0033】
以上のとおり、配送予定管理装置4は、測定装置2が測定した水の重量が変化した重量変化時刻、通信端末3が測定情報を受信した時刻、又は通信端末3が測定情報を送信した時刻の少なくともいずれかに基づいて、時間帯ごとに、測定装置2が設置された家の在宅状況を推定する。配送予定管理装置4は、時間帯ごとに推定した在宅状況に基づいて、商品の配送時間帯候補を決定する。
【0034】
なお、配送予定管理装置4が配送時間帯候補を決定する対象となる配送商品の種別は任意である。配送商品が、測定装置2が重量を測定する対象である被測定商品と同一であってもよく、配送商品が被測定商品と異なる商品であってもよい。例えば、測定装置2が重量を測定した結果に基づいて、水の残量が少ないことが検出された時点で新たな水が配送される場合、配送予定管理装置4は、水の配送時間帯候補を決定する。配送予定管理装置4は、水の重量を測定した結果に基づいて、水以外の商品の配送時間帯候補を決定してもよい。
以下、測定装置2、通信端末3及び配送予定管理装置4の構成及び動作の詳細について説明する。
【0035】
[測定装置2の構成]
図4は、測定装置2の構成を示す図である。測定装置2は、重量センサ21と、計時部22と、通信部23と、記憶部24と、制御部25とを有する。重量センサ21は、商品の重量を測定するためのセンサである。重量センサ21は、測定した重量を制御部25に通知する。計時部22は、時刻をカウントする時計IC(Integrated Circuit)を有する。計時部22は、時刻を制御部25に通知する。
【0036】
通信部23は、通信端末3との間でデータを送受信するための通信インターフェースである。通信部23は、例えばBluetooth用の通信モジュールである。通信部23は、重量センサ21による測定情報を通信端末3に送信する。通信部23は、通信端末3との間で通信コネクションを確立できない間は測定情報を送信しない。通信部23は、通信端末3に送信できない測定情報があった後に通信端末3との通信コネクションを確立できた場合、通信コネクションを確立できなかった間の測定情報を記憶部24から読み出して、読み出した測定情報を通信端末3に送信する。
【0037】
なお、通信部23が測定情報を送信するタイミングは任意であり、通信部23は、通信端末3との通信コネクションが確立された状態で測定を実施したタイミング、又は測定した重量に変化があったタイミングで測定情報を送信してもよい。また、通信部23は、所定の時間間隔で測定情報を送信してもよい。
【0038】
記憶部24は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含む。記憶部24は、制御部25が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部24は、重量センサ21が商品の重量を測定するタイミング又は測定時間間隔の設定値を記憶している。設定値は、例えばコンピュータ5を用いて設定され、通信端末3を介して配送予定管理装置4から送信される。測定装置2に操作部が設けられており、測定装置2が設置されたユーザ宅のユーザが測定タイミングや測定時間間隔を設定するようにしてもよい。
【0039】
また、記憶部24は、重量センサ21が測定した重量を、重量が測定された日時に関連付けて一時的に記憶する。記憶部24は、測定装置2が通信できる距離に通信端末3が存在しない間に測定した重量の測定データを消失しないように、例えば1週間分の測定データを記憶できる容量のRAMを有している。
【0040】
制御部25は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部25は、記憶部24に記憶されたプログラムを実行することにより重量センサ21を制御して、所定の時間間隔で重量センサ21に重量を測定させるように制御する。また、制御部25は、通信部23を制御して、重量センサ21が測定した重量を通信端末3に送信させる。制御部25は、例えば、重量センサ21が測定した重量を含む測定情報を通信端末3に送信するタイミングを制御する。なお、所定の時間間隔は、例えば1時間、半日又は1日であり、通信端末3を用いてユーザが設定したり、コンピュータ5を用いて設定したりすることができる。
【0041】
[通信端末3の構成]
図5は、通信端末3の構成を示す図である。通信端末3は、第1通信部31と、第2通信部32と、表示部33と、記憶部34と、制御部35と、を有する。
【0042】
第1通信部31は、例えばBluetooth用の通信モジュールであり、測定装置2との間でデータを送受信する。第1通信部31は、測定装置2が測定した重量のデータを受信する。また、第1通信部31は、測定装置2の測定タイミングを制御するために用いられる測定時間間隔の設定値を測定装置2に送信する。第1通信部31は、測定装置2が測定した重量のデータを通信端末3に送信するタイミングの設定値を測定装置2に送信してもよい。
【0043】
第2通信部32は、例えばLTE(Long Term Evolution)用の通信モジュールであり、配送予定管理装置4との間でデータを送受信する。第2通信部32は、第1通信部31が測定装置2から受信した重量の測定データを、通信端末3の識別情報に関連付けて配送予定管理装置4に送信する。第2通信部32は、通信端末3の識別情報の代わりに、ユーザ宅で商品を使用する複数のユーザに割り当てられたユーザIDを送信してもよい。また、第2通信部32は、配送予定管理装置4が送信した指示データを受信する。
【0044】
表示部33は、ディスプレイである。表示部33は、例えば、第2通信部32が配送予定管理装置4から受信した、発注を推奨するメッセージを表示する。表示部33の表面にはタッチパネルが設けられており、ユーザは、タッチパネルを用いて商品を発注したり、配送希望日や配送希望時間帯を入力したりすることができる。
【0045】
記憶部34は、ROM及びRAMを含む。記憶部34は、制御部35が実行するプログラムを記憶している。制御部35は、例えばCPUである。制御部35は、記憶部34に記憶されたプログラムを実行することにより、第1通信部31が測定装置2から受信した重量のデータを、第2通信部32を介して配送予定管理装置4に送信する。
【0046】
[配送予定管理装置4の構成]
図6は、配送予定管理装置4の構成を示す図である。配送予定管理装置4は、通信部41と、記憶部42と、制御部43とを有する。通信部41は、ネットワークNを介して通信端末3と通信するための通信インターフェースであり、例えばLAN(Local Area Network)を有する。
【0047】
記憶部42は、ROM及びRAMを含んでおり、通信部41が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部42は、制御部43の制御に基づいて、通信端末3から受信した商品の重量、重量が測定された時刻、商品の重量が変化した時刻である重量変化時刻、通信端末3が測定装置2から測定情報を受信した時刻である端末受信時刻、又は通信端末3が測定情報を送信した時刻である端末送信時刻を年月日に関連付けて記憶する。
【0048】
制御部43は、例えばCPUであり、記憶部42に記憶されたプログラムを実行することにより、情報取得部431、在宅時間帯推定部432及び決定部433として機能する。
【0049】
情報取得部431は、ユーザが消費することにより重量が変化する被測定商品である水の重量と、水の重量が測定装置2によって測定された時刻とを示す測定情報を取得する。情報取得部431は、測定情報が示す重量と測定時刻とを関連付けて記憶部42に記憶させる。情報取得部431は、通信端末3が測定情報を受信した端末受信時刻、又は通信端末3が測定情報を送信した端末送信時刻を通信端末3から取得し、端末受信時刻又は端末送信時刻を記憶部42に記憶させてもよい。本実施形態において、情報取得部431は、測定装置2から測定情報を受信した通信端末3から測定情報を取得するものとして説明するが、情報取得部431は、測定情報を測定装置2から直接取得してもよい。
【0050】
情報取得部431は、複数の測定情報が示す複数の重量と、当該複数の重量が測定された複数の時刻とに基づいて、重量変化時刻を推定し、推定した重量変化時刻を記憶部42に記憶させる。情報取得部431は、最新の測定情報が示す重量を、前回情報取得部431が取得していた測定情報が示す重量と比較し、重量が変化したかどうかを判定することにより、重量変化時刻を推定する。情報取得部431は、複数の時刻に測定された複数の重量がそれぞれ異なる場合に、複数の時刻の間の時刻(例えば、複数の時刻の中間の時刻)が重量変化時刻であると推定してもよい。
【0051】
また、情報取得部431は、配送者のコンピュータ5又は通信端末3から送信された配送商品の配送予定日を取得する。また、情報取得部431は、コンピュータ5から送信された配送可能時間帯を取得する。情報取得部431は、記憶部42に予め記憶された配送予定日を取得してもよい。また、情報取得部431は、制御部43の他の処理部が測定情報に基づいて決定した配送予定日を取得してもよい。例えば、情報取得部431は、後述の決定部433が、測定情報に基づいて、ユーザの自宅における被測定商品の在庫量が所定の量以下になったことに基づいて決定した配送予定日を取得してもよい。情報取得部431は、取得した配送予定日及び配送可能時間帯を、在宅時間帯を推定する在宅時間帯推定部432、及び配送時間帯候補を決定する決定部433に通知する。
【0052】
在宅時間帯推定部432は、記憶部42に記憶された重量変化時刻、端末受信時刻及び端末送信時刻の少なくともいずれかを参照することにより、ユーザの在宅時間帯を推定する。そして、決定部433は、情報取得部431から通知された配送可能時間帯と、在宅時間帯推定部432が推定した在宅時間帯とに基づいて、配送時間帯の候補を決定する。決定部433は、通信部41を介して、配送可能時間帯と在宅時間帯とが重なっている時間帯を配送時間帯候補に決定し、決定した配送時間帯候補を外部に出力する。決定部433は、例えば、配送時間帯候補を通信端末3に送信したり、配送者のコンピュータ5に送信したりする。
以下、情報取得部431、在宅時間帯推定部432及び決定部433が連携して、ユーザの在宅時間帯を推定し、推定した在宅時間帯に基づいて配送時間帯候補を決定する方法について詳細に説明する。
【0053】
[重量変化時刻の特定方法]
図7は、第1の日(例えば2017年3月1日)における、測定装置2が被測定商品の重量を測定した時刻と測定した重量との関係を示す図である。
図8は、第2の日(例えば2017年3月2日)における、測定装置2が被測定商品の重量を測定した時刻と測定した重量との関係を示す図である。
図7及び
図8における横軸は時刻を示しており、縦軸は測定情報に含まれている重量を示している。
図7及び
図8においては、測定装置2の測定時間間隔が30分である場合を例示しているが、測定時間間隔は任意である。
【0054】
図7及び
図8における白丸は、情報取得部431が、測定装置2が測定した直後に通信端末3から受信した受信時間帯における測定結果を示している。
図7及び
図8における黒丸は、情報取得部431が、測定装置2が測定した直後に通信端末3から受信せず、測定装置2と通信端末3とが通信できる状態になってから通信端末3が受信した非受信時間帯における測定結果を示している。測定装置2が黒丸に示す測定結果を取得した時点で、通信端末3の電源がオフ状態であったり、通信端末3が、測定装置2が送信する電波が届かないエリアにいる状態だったりしたために、測定装置2が通信端末3との間で通信コネクションを確立できなかったということを想定している。
【0055】
情報取得部431は、
図7に示す測定結果に基づいて、第1の日において、例えば、0:30〜1:00の間、6:00〜6:30の間、7:00〜8:00の間等において重量が変化したことを特定する。
図7に示す例において、1:00〜5:00、及び9:00〜17:00の間は、測定装置2が測定した直後に通信端末3が測定情報を配送予定管理装置4に送信できなかった非受信時間帯となっている。
【0056】
また、情報取得部431は、
図8に示す測定結果に基づいて、第2の日において、例えば0:00〜0:30の間、5:00〜5:30の間、6:00〜6:30の間、7:30〜8:00の間等において重量が変化したことを特定する。
図8に示す例において、1:00〜5:30、及び9:00〜18:00の間は、測定装置2が測定した直後に通信端末3が測定情報を配送予定管理装置4に送信できなかった非受信時間帯となっている。
図8に示す例においては、非受信時間帯である17:00と17:30の間に重量が変化している。この時間帯は、例えばユーザ宅に通信端末3を使用するユーザは不在であるが、家族が在宅していたと考えられる。
【0057】
情報取得部431は、日付及び時間帯ごとに、重量が変化した時刻を重量変化時刻情報として記憶部42に記憶させる。
図9は、記憶部42に記憶された重量変化時刻情報の一例を示す図である。
図9においては、2017年3月1日から3月4日までに被測定商品の重量が変化した時間帯を「1」で示し、重量が変化しなかった時間帯を「0」で示している。
図9において「1」となっている時間帯においては、商品の重量が変化しているので、この時間帯は、商品を消費するユーザが在宅していた時間帯であると考えられる。
【0058】
[在宅時間帯の推定方法]
在宅時間帯推定部432は、重量変化時刻、端末受信時刻及び端末送信時刻の少なくともいずれかが含まれる時間帯を在宅時間帯として推定する。
図6、
図7及び
図8は、在宅時間帯推定部432の動作について説明するための図である。
【0059】
在宅時間帯推定部432は、例えば以下の方法により、ユーザが連続して在宅している時間帯を推定する。まず、決定部433は、それぞれの日において、重量が変化していない時間が所定の長さ以上にわたって継続した後に重量が変化した時刻を、ユーザが起床したと推定される時刻(以下、推定起床時刻という)又は帰宅したと推定される時刻(以下、推定帰宅時刻という)であると推定する。決定部433は、複数の日のそれぞれの推定起床時刻及び推定帰宅時刻を推定する。
【0060】
また、在宅時間帯推定部432は、それぞれの日において、推定起床時刻の後に重量が変化してから所定の長さ以上にわたって重量が変化していない時間が続いた場合、直前に重量が変化した時刻を、ユーザが出勤等のために外出したと推定される時刻(以下、推定外出時刻という)であると推定する。在宅時間帯推定部432は、推定帰宅時刻の後に重量が変化してから所定の長さ以上にわたって重量が変化していない時間が続いた場合、直前に重量が変化した時刻を、ユーザが就寝したと推定される時刻(以下、推定就寝時刻という)であると推定する。在宅時間帯推定部432は、複数の日に対して推定外出時刻及び推定就寝時刻を推定する。
【0061】
在宅時間帯推定部432は、複数の日の推定起床時刻のうち最も遅い時刻から、複数の日の推定外出時刻のうち最も早い時刻までが在宅時間帯であると推定する。また、在宅時間帯推定部432は、複数の日の推定帰宅時刻のうち最も遅い時刻から、複数の日の推定就寝時刻のうち最も早い時刻までが在宅時間帯であると推定する。
【0062】
在宅時間帯推定部432は、情報取得部431から通知された配送予定日と同一の属性を有する過去の一以上の日付に関連付けて記憶部42に記憶された重量変化時刻に基づいて在宅時間帯を推定してもよい。在宅時間帯推定部432は、例えば配送予定日と同じ曜日又は日にちに関連付けて記憶部42に記憶された重量変化時刻に基づいて在宅時間帯を推定する。例えば、在宅時間帯推定部432は、同じ曜日の複数の日の重量変化時刻に基づいて、その曜日における推定起床時刻、推定外出時刻、推定帰宅時刻及び推定就寝時刻を推定した結果に基づいて在宅時間帯を推定する。このようにすることで、ユーザが曜日ごとに生活パターンが異なる場合に、在宅時間帯推定部432は、曜日ごとに異なる在宅時間帯を推定することができる。
【0063】
また、在宅時間帯推定部432は、配送予定日と同一の属性を有する過去の一以上の日のうち所定の割合以上の日に関連付けて記憶部42に記憶されている重量変化時刻が含まれる時間帯を在宅時間帯と推定してもよい。例えば、
図8に示す例の場合、18:00〜18:30の間は、4日のうち過半数の3日において、商品の重量が変化した在宅時間帯である。このように、所定の割合以上の日において在宅していると推定される時間帯には、ユーザが在宅している確率が高いと考えられる。したがって、在宅時間帯推定部432がこのような処理をすることで、推定した在宅時間帯にユーザが在宅している確率が高くなる。
【0064】
[通信端末3が測定情報を受信又は送信した時刻の利用]
在宅時間帯推定部432は、重量変化時刻、及び端末受信時刻又は端末送信時刻を用いて在宅時間帯を推定することにより、ユーザ宅に誰がいるかを時間帯ごとに推定することができる。在宅時間帯推定部432は、配送時間帯を決定する際の最小単位となる各時間帯に、重量変化時刻、端末受信時刻及び端末送信時刻のうちどの時刻が含まれているかによって、以下のように、ユーザ宅の状態を推定することができる。
【0065】
(1)端末受信時刻又は端末送信時刻が含まれている時間帯
この場合、
図2(a)に示したように、通信端末3を使用するユーザ自身が在宅中であると考えられる。通信端末3を使用するユーザは、ユーザ宅における世帯主又はその配偶者(大人)である可能性が高い。そこで、在宅時間帯推定部432は、端末受信時刻又は端末送信時刻が含まれている時間帯は、配送時間帯の候補として最も高い第1優先度の在宅時間帯であるとする。在宅時間帯推定部432は、情報取得部431が端末受信時刻及び端末送信時刻の2つを受信した場合、在宅時間帯の推定に、端末受信時刻が含まれている時間帯を優先的に利用してもよい。決定部433は、第1優先度の在宅時間帯を、優先的に配送時間帯候補とする。
【0066】
通信端末3のユーザが在宅中である時間帯は、日によって変動すると考えられる。そこで、在宅時間帯推定部432は、所定の期間内の複数の日において共通して端末受信時刻及び端末送信時刻が含まれている時間帯を第1優先度の在宅時間帯であるとしてもよい。
【0067】
なお、端末受信時刻及び端末送信時刻が含まれる時間帯であっても、所定の時間以上にわたって商品の重量が変化していない時間帯には、ユーザが活動しておらず就寝している可能性が高いと考えられる。そこで、在宅時間帯推定部432は、端末受信時刻及び端末送信時刻が含まれる時間帯であっても、所定の時間以上にわたって商品の重量が変化していない時間帯を後述の第2優先度よりも低い優先度としてもよい。
【0068】
(2)重量変化時刻が含まれているが、端末受信時刻及び端末送信時刻が含まれていない時間帯
この場合、
図2(b)に示したように、通信端末3を使用するユーザが不在であるが、他の家族が在宅であると考えられる。通信端末3を使用するユーザ以外の家族は、子供である可能性がある。そこで、在宅時間帯推定部432は、重量変化時刻が含まれているが、端末受信時刻及び端末送信時刻が含まれていない時間帯は、第1優先度の次に高い第2優先度の在宅時間帯とする。決定部433は、第2優先度の在宅時間帯を、第1優先度の在宅時間帯がない場合の配送時間帯候補とする。
【0069】
(3)重量変化時刻、端末受信時刻及び端末送信時刻の全てが含まれていない時間帯
この場合、
図3に示したように、通信端末3を使用するユーザもその家族も不在であるか、又は就寝中であるという可能性が高い。そこで、在宅時間帯推定部432は、重量変化時刻、端末受信時刻及び端末送信時刻の全てが含まれていない時間帯を、ユーザが不在の時間帯とする。決定部433は、原則として、この時間帯を配送時間帯候補としないものとする。
【0070】
なお、以上の説明においては、測定装置2から測定情報を受信可能な通信端末3が一台である場合を例示したが、複数の通信端末3が測定装置2から測定情報を受信できてもよい。この場合、在宅時間帯推定部432は、複数の通信端末3のうちのいずれか一方が測定情報を受信した時刻又は測定情報を送信した時刻を、端末受信時刻又は端末送信時刻とすることができる。
【0071】
在宅時間帯推定部432は、このように複数の通信端末3から測定情報を受信した場合、測定情報を送信した通信端末3の識別情報の優先度に基づいて、在宅時間帯の推定に用いる優先度を決定してもよい。例えば、母親、父親、及び子供が通信端末3を持っており、それぞれの通信端末3から測定情報を受信した場合、在宅時間帯推定部432は、端末受信時刻及び端末送信時刻が同一であるとしても、優先度が高い母親の通信端末3から測定情報が送信された時間帯を在宅時間帯と判定する。このようにすることで、例えば、配送される商品の受け取りに適した人が在宅している時間帯に商品が配送される確率を高めることができる。
【0072】
また、在宅時間帯推定部432は、複数の通信端末3から測定情報を受信した時間帯が複数ある場合、測定情報を送信した通信端末3の数が多いほど、在宅時間の推定に用いる優先度を高くしてもよい。このようにすることで、在宅時間帯推定部432が在宅時間帯として推定した時間帯にユーザの家族の誰かが在宅している確率が高くなる。
【0073】
[配送予定管理システムSにおける通信シーケンス]
図10は、配送予定管理システムSにおける測定装置2、通信端末3及び配送予定管理装置4の間での通信シーケンスを示す図である。
図10に示す通信シーケンスは、測定装置2が測定タイミングであるかどうかを判定する処理(S11)から開始している。
【0074】
測定装置2の制御部25は、ステップS11において、時刻が測定タイミングに一致していると判定した場合(S11においてYES)、重量センサ21に重量を測定させ、重量データを取得する(S12)。制御部25は、取得した重量データを一時的に記憶部24に記憶させる。
【0075】
制御部25は、測定データを取得すると通信部23を制御して、通信端末3との間でBluetoothのコネクションを確立させる。通信部23は、アドバタイズメントを送信し、通信端末3の第1通信部31からアドバタイズメントを受信すると、通信部23に対して接続要求を送信し、コネクションを確立する。
【0076】
制御部25は、通信端末3との間のコネクションが確立すると、記憶部24に記憶させていた重量データを読み出して、通信部23を介して、重量データを含む測定情報を通信端末3に送信する。通信端末3は、第1通信部31が測定装置2から受信した測定情報を第2通信部32により配送予定管理装置4へと送信する(S13)。配送予定管理装置4は、受信した測定情報を記憶部42に記憶させる(S14)。
【0077】
配送予定管理装置4は、測定情報に基づいて配送時間帯候補を決定し(S15)、決定した配送時間帯候補を通信端末3に送信する。通信端末3は、受信した配送時間帯候補を表示させ、ユーザが希望する時間帯の入力を受け付ける(S16)。通信端末3は、受け付けた希望時間帯を配送予定管理装置4に通知する。配送予定管理装置4は、通知された希望時間帯を、例えば、商品の配送者に通知する。
【0078】
[配送予定管理装置4のフローチャート]
図11は、配送予定管理装置4が重量変化時刻を特定する動作のフローチャートである。まず、情報取得部431は、通信端末3から測定情報を取得する(S21)。情報取得部431は、測定情報が示す重量と、通信端末3が測定情報を受信した時刻、又は通信端末3が測定情報を送信した時刻とを関連付けて記憶部42に記憶させる(S22)。
【0079】
続いて、情報取得部431は、測定情報が示す重量を、前回の測定時刻において測定された重量と比較し、重量が変化したかどうかを判定する(S23)。情報取得部431は、重量が変化したと判定すると、最新の測定情報が示す測定時刻を、重量変化時刻として特定し(S24)、特定した重量変化時刻を記憶部42に記憶させる(S25)。
【0080】
図12は、配送予定管理装置4が配送時間帯候補を決定する動作のフローチャートである。
図12に示すフローチャートは、情報取得部431が商品の配送予定日を取得するところから開始している(S31)。
【0081】
在宅時間帯推定部432は、配送予定日と同一の属性の過去の日に関連付けて記憶部42に記憶されている重量変化時刻、端末受信時刻及び端末送信時刻を参照することにより、配送予定日における在宅時間帯を推定する(S32)。在宅時間帯推定部432は、例えば、配送予定日のそれぞれの時間帯が、第1優先度の在宅時間帯であるか、第2優先度の在宅時間帯であるか、不在の時間帯であるかを推定する。在宅時間帯推定部432は、推定した在宅時間帯を決定部433に通知する。
【0082】
決定部433は、在宅時間帯推定部432が推定した在宅時間帯に基づいて、配送時間帯候補を決定する。決定部433は、第1優先度の在宅時間帯があるかどうかを判定する(S33)。決定部433は、第1優先度の在宅時間帯がある場合、第1優先度の在宅時間帯を選択して(S34)、選択した在宅時間帯を配送時間帯候補に決定する(S35)。決定部433は、第1優先度の在宅時間帯がない場合、第2優先度の在宅時間帯を選択して(S36)、選択した在宅時間帯を配送時間帯候補に決定する(S35)。決定部433は、決定した配送時間帯候補を通信端末3に送信する(S37)。
【0083】
なお、決定部433は、ステップS33において第1優先度の在宅時間帯がないと判定した場合、第2優先度の在宅時間帯があるか否かを判定してもよい。決定部433は、第2優先度の在宅時間帯もないと判定した場合、配送予定日以降の日に対してステップS32〜S35の処理を実行し、配送予定日以降の日における配送時間帯候補を決定してもよい。
【0084】
また、決定部433は、予めユーザから、第2優先度の在宅時間帯においても配送してよい旨の通知を受けていることを条件として、ステップS36において第2優先度の在宅時間帯を選択することとしてもよい。このようにすることで、ユーザが、子供が留守番している時間帯に配送されることを望まない場合に、配送予定管理装置4は、子供が留守番している時間帯を配送時間帯候補として選択しないようにすることができる。
【0085】
また、決定部433は、商品の種別に基づいて、第2優先度の在宅時間帯を選択するか否かを決定してもよい。例えば、決定部433は、子供であっても容易に受け取ることができる小型の商品や低額の商品の場合に、第2優先度の在宅時間帯を選択し、大型の商品や高額の商品の場合に、第2優先度の在宅時間帯を選択しないものとする。このようにすることで、決定部433は、配送時間帯候補として選択可能な時間帯を増やすことができる。
【0086】
[変形例1]
情報取得部431は、決定部433が決定した配送時間帯候補に基づいて決定された配送時刻に商品が発送された後に、配送時刻に配送商品が配送できなかったことの通知を取得してもよい。この場合、決定部433は、情報取得部431が上記の通知を取得した後に被測定商品の重量が変化したことを検出した場合に、配送商品の再配送時間帯の候補を通信端末3に送信してもよい。このようにすることで、通信端末3のユーザが自宅にいる間に再配送時間帯の候補を選択してもらえるので、ユーザが自宅にいる間に配送者が商品を再配送できる確率が高まる。
【0087】
[変形例2]
以上の説明においては、配送時間帯候補が、商品を配送するための時間帯である場合を例示したが、配送時間帯は、商品を受け取るための時間帯であってもよい。例えば、決定部433は、配送した水を使い切った後の空タンクを受け取るための時間帯を、配送時間帯候補として決定してもよい。
【0088】
[変形例3]
以上の説明においては、配送予定管理装置4が配送時間帯候補を通信端末3又はコンピュータ5に送信する例を示したが、配送予定管理装置4は他の情報を送信してもよい。例えば、配送予定管理装置4は、配送時間帯候補とともに、商品の配送予定数量及び在庫数量を通知してもよい。また、配送予定管理装置4は、配送日時及び配送予定数量を変更するための画面のリンク先情報を通知してもよい。
【0089】
また、配送予定管理装置4は、在宅時間帯推定部432が推定した在宅時間帯に基づいて、商品を使用することをレコメンドするための情報を送信してもよい。例えば、配送予定管理装置4は、通信端末3から測定情報を受信した後、所定時間が経過するまでの間に時間帯や季節に応じた商品を用いたメニュー情報を通信端末3に送信する。また、配送予定管理装置4は、商品の消費量と在庫量を示すデータを通信端末3に送信し、在庫量が所定量以下である場合に、追加購入を推奨するメッセージを送信してもよい。このようにすることで、通信端末3のユーザが在宅している状態で在庫量を自分自身でも確認してから速やかに追加注文をできる。そして、配送予定管理装置4が、追加注文の内容を移動中の配送業者に通知すれば、迅速に追加注文分の商品がユーザに配送される。
【0090】
[配送予定管理装置4による効果]
以上説明したように、配送予定管理装置4は、ユーザが消費することにより重量が変化する被測定商品の重量が変化した時刻に基づいて、ユーザが在宅の時間帯を推定し、推定した結果に基づいて、商品の配送時間帯候補を決定する。ユーザが消費することにより重量が変化する被測定商品の重量が変化した時刻においては、ユーザの自宅にユーザ自身又は家族がいると考えられるので、配送予定管理装置4は、高い精度で在宅時間帯を特定できる。その結果、配送予定管理装置4は、ユーザが在宅している確率が高い時間帯を配送時間候補とすることができるので、ユーザが在宅している間に配送者が商品を配送できる確率が高まる。
【0091】
さらに、配送予定管理装置4は、ユーザの通信端末3が測定装置2から測定情報を受信した時刻、又は測定装置2が測定情報を配送予定管理装置4に送信した時刻も用いて在宅時間帯を推定する。このようにすることで、配送予定管理装置4は、ユーザ自身が在宅中であるか、ユーザの家族のみが在宅中であるかを推定できるので、ユーザの希望や商品の種類に応じて適切な時間帯を配送時間候補に決定することができる。
【0092】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。