(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成における車輪支持構造は、走行路面に凹凸があってもリンク機構を屈伸させながら車両本体を適正な姿勢に維持して走行することを可能にしたものである。そこで、このような車輪支持構造を、走行路面に凹凸がある作業地で走行する農用の作業車に適用することが考えられる。
【0005】
しかし、上記従来構成を農用の作業車に適用することを想定した場合、次のような問題がある。すなわち、農用の作業車では、作業車の近傍において、走行に伴って発生する土埃や収穫作業に伴って作物から発生する浮遊塵等の細かな塵埃が多く発生することがあり、雨水や朝露等が原因で水分が付着することもある。上記従来構成では、走行車輪を支持するためのリンク機構が電動モータにより屈伸駆動されるものであるから、細かな塵埃や水分等がリンク機構の内部に侵入すると、電動モータや電気回路系統等に不具合が生じるおそれがある。
【0006】
そこで、細かな塵埃や水分等が侵入するおそれが大きい作業環境において、凹凸の多い作業地であっても車両本体が適正な姿勢を維持することが可能な作業車が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る作業車の特徴構成は、
車両本体と、
前記車両本体の左右両側において前後夫々に位置する複数の走行装置と、
複数のリンクが枢支連結され、且つ、前記走行装置を各別に昇降自在に前記車両本体に支持する複数の多関節リンク機構と、
前記多関節リンク機構の複数の前記リンクの夫々の姿勢を変更可能な複数の油圧シリンダと、が備えられ、
前記多関節リンク機構に、一端部が前記車両本体に横軸芯周りで揺動自在に支持された第一リンクと、一端部が前記第一リンクの他端部に横軸芯周りで揺動自在に枢支連結され且つ他端部に前記走行装置が支持された第二リンクと、が備えられ、
前記複数の油圧シリンダとして、前記車両本体に対する前記第一リンクの揺動姿勢を変更可能な第一油圧シリンダと、前記第一リンクに対する前記第二リンクの揺動姿勢を変更可能な第二油圧シリンダと、が備えられ、
前記第一油圧シリンダは、シリンダチューブ側が前記車両本体側の被連結部に枢支連結され、ピストンロッド側が前記第一リンク側の他端部に設けられた他端側の被連結部に枢支連結され、
前記第二油圧シリンダは、シリンダチューブ側が前記第一リンクの前記車両本体側の被連結部に枢支連結され、ピストンロッド側が前記第一リンクの前記車両本体とは反対側の被連結部に枢支連結されている点にある。
【0008】
本発明によれば、車両本体に対して複数の走行装置が屈折リンク機構によって各別に昇降自在に支持される。複数の油圧シリンダによって屈折リンク機構が姿勢を変更することにより、複数の走行装置夫々の車両本体に対する高さ(相対高さ)を変更することができる。つまり、車両本体の左右両側における前後夫々に備えられる走行装置の相対高さを変更することができる。その結果、凹凸のある地面を走行するときであっても、複数の走行装置により安定的に接地支持しながら、車両本体を適正な姿勢に維持した状態で走行することが可能となる。又、油圧シリンダは、細かな塵埃や水分等が侵入することがあっても、そのことによって悪影響を受けて動作不良等を起すおそれは少ない。
【0009】
そして、最車両本体側に位置する第一リンクを操作する第一油圧シリンダが、シリンダチューブが車両本体側の被連結部に枢支連結され、ピストンロッドが第一リンク側の被連結部に枢支連結されている。そして、油圧供給源から送り出される作動油が油圧ホース等の作動油供給管を通して供給され、第一油圧シリンダが伸縮操作すると、第一リンクは、本体側連結箇所を支点として揺動操作される。
【0010】
第一油圧シリンダに対する作動油の給排は、シリンダチューブに接続された油圧ホースを通して行われ、作動油の給排によってピストンロッドがスライド移動して伸縮操作する。シリンダチューブが車両本体側の被連結部に枢支連結されているので、伸縮操作してもシリンダチューブは移動量は少ない。その結果、シリンダチューブに接続される油圧ホース等の作動油供給管が、例えば屈折リンク機構に巻き込まれて損傷するなどのおそれが少ないものになる。
【0011】
従って、細かな塵埃や水分等が車体内部に侵入するおそれが大きい作業環境において、凹凸の多い作業地であっても、部材の損傷のおそれを少なくした状態で、車両本体を適正な姿勢に維持して走行することが可能な作業車を得ることが可能となった。
【0012】
本発明においては、複数の前記多関節リンク機構の夫々を縦軸芯周りで向き変更可能に前記車両本体に支持する複数の旋回機構が備えられていると好適である。
【0013】
本構成によれば、車体を左右いずれかに旋回走行させるときは、多関節リンク機構を縦軸芯周りで向き変更することにより、走行装置の車両本体に対する左右向きを変更することができる。その結果、走行装置に横向きの無理な力が加わることがない状態で旋回走行することができる。
【0014】
本発明においては、
前記多関節リンク機構が、前記車両本体の横外端部よりも横外方側に位置する状態で設けられ、
平面視において、前記旋回機構が、前記車両本体と前記多関節リンク機構との間に位置する状態で設けられ、
前記旋回機構の近傍に、前記油圧源から複数の前記油圧シリンダに作動油を供給する作動油供給管を位置保持する供給管保持部が備えられていると好適である。
【0015】
本構成によれば、多関節リンク機構により支持される走行装置が、車両本体の横外端部よりも横外方側に位置することになり、横方向に幅広の接地間隔で安定した状態で支持することができる。そして、平面視で、旋回機構が車両本体と多関節リンク機構との間に位置するので、旋回操作によって走行装置をさらに横外側方に向けて広げた姿勢にすることができ、接地姿勢の更なる安定化を図ることができる。
【0016】
このように旋回機構を介して多関節リンク機構を縦軸芯周りで向き変更可能に構成されるものでは、旋回操作に伴って、油圧源と複数の油圧シリンダとを接続する油圧ホース等の作動油供給管が揺れ動くことがあるが、供給管保持部によって油圧ホース等の作動油供給管の途中箇所が位置保持されるので、作動油供給管が屈折リンク機構に巻き込まれて損傷する等のおそれが少ないものになる。
本発明に係る作業車の特徴構成は、
車両本体と、
走行駆動する複数の走行装置と、
少なくとも2個以上の関節を有するように複数のリンクが枢支連結され、且つ、前記走行装置を各別に昇降自在に前記車両本体に支持する複数の多関節リンク機構と、
前記多関節リンク機構の複数の前記リンクの夫々の姿勢を変更可能な複数の油圧シリンダと、が備えられ、
複数の前記リンクのうちの最も前記車両本体に近い箇所に位置する第一リンクが、本体側連結箇所を支点として揺動自在に支持され、
複数の前記油圧シリンダのうち前記第一リンクを操作する第一油圧シリンダが、前記車両本体に備えられた油圧源からの作動油供給に伴う伸縮操作に伴って、前記第一リンクを揺動操作するように構成され、
前記第一油圧シリンダは、シリンダチューブ側が前記車両本体側の被連結部に枢支連結され、ピストンロッド側が前記第一リンク側の被連結部に枢支連結され、
複数の前記多関節リンク機構の夫々を縦軸芯周りで向き変更可能に前記車両本体に支持する複数の旋回機構が備えられている点にある。
本構成によれば、車両本体に対して複数の走行装置が屈折リンク機構によって各別に昇降自在に支持される。複数の油圧シリンダによって屈折リンク機構が姿勢を変更することにより、複数の走行装置夫々の車両本体に対する高さ(相対高さ)を変更することができる。つまり、車両本体の左右両側における前後夫々に備えられる走行装置の相対高さを変更することができる。その結果、凹凸のある地面を走行するときであっても、複数の走行装置により安定的に接地支持しながら、車両本体を適正な姿勢に維持した状態で走行することが可能となる。又、油圧シリンダは、細かな塵埃や水分等が侵入することがあっても、そのことによって悪影響を受けて動作不良等を起すおそれは少ない。そして、最車両本体側に位置する第一リンクを操作する第一油圧シリンダが、シリンダチューブが車両本体側の被連結部に枢支連結され、ピストンロッドが第一リンク側の被連結部に枢支連結されている。そして、油圧供給源から送り出される作動油が油圧ホース等の作動油供給管を通して供給され、第一油圧シリンダが伸縮操作すると、第一リンクは、本体側連結箇所を支点として揺動操作される。第一油圧シリンダに対する作動油の給排は、シリンダチューブに接続された油圧ホースを通して行われ、作動油の給排によってピストンロッドがスライド移動して伸縮操作する。シリンダチューブが車両本体側の被連結部に枢支連結されているので、伸縮操作してもシリンダチューブは移動量は少ない。その結果、シリンダチューブに接続される油圧ホース等の作動油供給管が、例えば屈折リンク機構に巻き込まれて損傷するなどのおそれが少ないものになる。従って、細かな塵埃や水分等が車体内部に侵入するおそれが大きい作業環境において、凹凸の多い作業地であっても、部材の損傷のおそれを少なくした状態で、車両本体を適正な姿勢に維持して走行することが可能な作業車を得ることが可能となった。
さらに、本構成によれば、車体を左右いずれかに旋回走行させるときは、多関節リンク機構を縦軸芯周りで向き変更することにより、走行装置の車両本体に対する左右向きを変更することができる。その結果、走行装置に横向きの無理な力が加わることがない状態で旋回走行することができる。
本発明においては、
前記多関節リンク機構が、前記車両本体の横外端部よりも横外方側に位置する状態で設けられ、
平面視において、前記旋回機構が、前記車両本体と前記多関節リンク機構との間に位置する状態で設けられ、
前記旋回機構の近傍に、前記油圧源から複数の前記油圧シリンダに作動油を供給する作動油供給管を位置保持する供給管保持部が備えられていると好適である。
本構成によれば、多関節リンク機構により支持される走行装置が、車両本体の横外端部よりも横外方側に位置することになり、横方向に幅広の接地間隔で安定した状態で支持することができる。そして、平面視で、旋回機構が車両本体と多関節リンク機構との間に位置するので、旋回操作によって走行装置をさらに横外側方に向けて広げた姿勢にすることができ、接地姿勢の更なる安定化を図ることができる。
このように旋回機構を介して多関節リンク機構を縦軸芯周りで向き変更可能に構成されるものでは、旋回操作に伴って、油圧源と複数の油圧シリンダとを接続する油圧ホース等の作動油供給管が揺れ動くことがあるが、供給管保持部によって油圧ホース等の作動油供給管の途中箇所が位置保持されるので、作動油供給管が屈折リンク機構に巻き込まれて損傷する等のおそれが少ないものになる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る作業車の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1,2に示すように、作業車には、車両全体を支持する略矩形枠状の車両本体1と、複数(具体的には4個)の走行装置2と、複数の走行装置2の夫々に対応して設けられた複数の補助輪3と、複数の走行装置2を各別に位置変更自在に車両本体1に支持する車体支持部としての屈折リンク機構4と、屈折リンク機構4を変更操作可能な複数の油圧シリンダ5,6と、複数の油圧シリンダ5,6に作動油を供給する油圧源としての作動油供給装置7とが備えられている。
【0020】
複数の走行装置2は夫々、横軸芯周りで回転可能に支持された駆動輪8と、駆動輪8の軸支部に内装された油圧モータ9とを備えている。各走行装置2は、油圧モータ9を作動させることにより、各別に駆動輪8を回転駆動することができる。
【0021】
この実施形態で、車体の前後方向を定義するときは、車体進行方向に沿って定義し、車体の左右方向を定義するときは、機体進行方向視で見た状態で左右を定義する。すなわち、
図1に符号(A)で示す方向が車体前後方向であり、
図2に符号(B)で示す方向が車体左右方向である。
【0022】
車両本体1は、車両本体1の全周を囲うとともに、全体を支持する矩形枠状の支持フレーム10を備えている。作動油供給装置7は車両本体1の内部に収納して支持されている。詳述はしないが、作動油供給装置7には、車両に搭載されるエンジンにて駆動されるとともに複数の油圧シリンダ5及び複数の油圧モータ9に向けて作動油を送り出す油圧ポンプ、油圧ポンプから供給される作動油を制御する油圧制御ユニット、作動油タンク等が備えられ、作動油の給排あるいは流量の調節等を行う。
【0023】
車両本体1の内部には、作動油供給装置7の動作を制御する制御装置11が備えられている。制御装置11の制御動作については詳述はしないが、図示しない手動入力装置(例えば、リモコン装置等)にて入力される指令情報、あるいは、予め設定して記憶されている指令情報に基づいて、油圧シリンダ5及び油圧モータ9に対する作動油の供給状態を制御する。
【0024】
次に、走行装置2を車両本体1に支持するための支持構造について説明する。
4個の走行装置2は、屈折リンク機構4を介して車両本体1に対して各別に昇降自在に支持されている。屈折リンク機構4は旋回機構12により縦軸芯周りで向き変更可能に車両本体1に支持されている。
【0025】
図2に示すように、屈折リンク機構4は、旋回機構12を介して縦軸芯Y周りで揺動自在に支持フレーム10に支持されている。旋回機構12は、支持フレーム10に連結されるとともに、屈折リンク機構4を揺動自在に支持する車体側支持部13(
図3、
図4参照)と、屈折リンク機構4を旋回操作させる旋回用油圧シリンダ14(以下、旋回シリンダと称する)18とを備えている。
【0026】
図3〜
図6に示すように、車体側支持部13は、支持フレーム10における横側箇所に備えられた上下一対の角筒状の前後向きフレーム体15に対して、横側外方から挟み込む状態で嵌め合い係合するとともに、取外し可能にボルト連結される連結部材16と、連結部材16の車体前後方向外方側箇所に位置する外方側枢支ブラケット17と、連結部材16の車体前後方向の内方側箇所に位置する内方側枢支ブラケット18と、外方側枢支ブラケット17に支持される縦向きの回動支軸19とを備え、回動支軸19の軸芯Y周りで回動自在に屈折リンク機構4を支持している。
【0027】
屈折リンク機構4は、上下方向の位置が固定された状態で且つ縦軸芯Y周りで回動自在に車体側支持部13に支持される基端部20と、一端部が基端部20の下部に横軸芯X1周りで揺動自在に支持された第一リンク21と、一端部が第一リンク21の他端部に横軸芯X2周りで揺動自在に支持され且つ他端部に走行装置2が支持された第二リンク22とを備えている。つまり、屈折リンク機構4における2個のリンクのうちの最車両本体側に位置する第一リンク21は、本体側連結箇所(基端部20の下部)を支点として揺動自在に支持されている。
【0028】
説明を加えると、基端部20は、平面視で矩形枠状に設けられ、車体横幅方向内方側に偏倚した箇所において、回動支軸19を介して縦軸芯Y周りで回動自在に、車体側支持部13の外方側枢支ブラケット17に支持されている。旋回シリンダ14は、一端部が、内方側枢支ブラケット18に回動自在に連結され、他端部が、基端部20における回動支軸19に対して横方向に位置ずれした箇所に回動自在に連結されている。
【0029】
基端部20の左右両側部に亘って第一リンク21の一端側に備えられた支持軸25が回動自在に架設支持され、第一リンク21は基端部20の下部に対して支持軸25の軸芯周りで回動自在に連結されている。
【0030】
図4に示すように、第一リンク21は、基端側アーム部21bと他端側アーム部21aとを有している。第一リンク21の一端側箇所には、斜め上外方に向けて延びる基端側アーム部21bが一体的に形成されている。第一リンク21の他端側箇所には、斜め上外方に向けて延びる他端側アーム部21aが一体的に形成されている。
【0031】
図3に示すように、第二リンク22は、左右一対の帯板状の板体22a,22bを備えて平面視で二股状に形成されている。第二リンク22の第一リンク21に対する連結箇所は一対の板体22a,22bが間隔をあけている。一対の板体22a,22bで挟まれた領域に、第一リンク21と連結するための連結支軸31が回動自在に支持されている。第二リンク22の第一リンク21に対する連結箇所とは反対側の揺動側端部には走行装置2が支持されている。
図4に示すように、第二リンク22の揺動側端部は車両本体1から離れる方向に略L字状に延びるL字状延設部22Aが形成され、L字状延設部22Aの延設側端部に走行装置2が支持されている。
【0032】
4個の屈折リンク機構4の夫々に、車両本体1に対する第一リンク21の揺動姿勢を変更可能な第一油圧シリンダ5と、第一リンク21に対する第二リンク22の揺動姿勢を変更可能な第二油圧シリンダ6とが備えられている。第一油圧シリンダ5及び第二油圧シリンダ6は、夫々、第一リンク21の近傍に集約して配置されている。
【0033】
第一リンク21、第一油圧シリンダ5及び第二油圧シリンダ6が、平面視において、第二リンク22の一対の板体22a,22bの間に位置する状態で配備されている。
図3,4に示すように、第一油圧シリンダ5は、第一リンク21に対して車体前後方向内方側に位置して、第一リンク21の長手方向に沿うように設けられている。
【0034】
図4に示すように、第一油圧シリンダ5は、シリンダチューブ5Aの上部側端部が円弧状の第一連動部材26を介して基端部20の下部に連動連結されている。シリンダチューブ5Aの上部側端部は、別の第二連動部材27を介して第一リンク21の基端側箇所に連動連結されている。従って、第一油圧シリンダ5は、シリンダチューブ5A側が車両本体側の被連結部としての基端部20に連結されている。第一連動部材26及び第二連動部材27は、両側端部が夫々、相対回動可能に枢支連結されている。第一油圧シリンダ5のピストンロッド5Bの下部側端部(先端部)は、第一リンク21に一体的に形成された他端側アーム部21aに枢支連結されている。従って、第一油圧シリンダ5のピストンロッド5B側が第一リンク側の被連結部としての他端側アーム部21aに枢支連結されている。
【0035】
第二油圧シリンダ6は、第一油圧シリンダ5とは反対側、すなわち、第一リンク21に対して車体前後方向外方側に位置して、第一リンク21の長手方向に略沿うように設けられている。第二油圧シリンダ6は、シリンダチューブ6Aの上部側端部が第一リンク21の基端側に一体的に形成された基端側アーム部21bに連動連結されている。第二油圧シリンダ6の他端部としてのピストンロッド6Bの下部側端部(先端部)が、円弧状の第3連動部材28を介して、第二リンク22の基端側箇所に一体的に形成されたアーム部29に連動連結されている。第二油圧シリンダ6のピストンロッド6Bの下部側端部は、別の第4連動部材30を介して第一リンク21の揺動端側箇所にも連動連結されている。第3連動部材28及び第4連動部材30は、両側端部が夫々、相対回動可能に枢支連結されている。
【0036】
第二油圧シリンダ6の作動を停止した状態で第一油圧シリンダ5を伸縮操作すると、第一リンク21、第二リンク22及び走行装置2の夫々が、相対姿勢を一定に維持したまま一体的に、基端部20に対する枢支連結箇所の横軸芯X1周りで揺動する。従って、第一リンク21を操作する第一油圧シリンダ5が、車両本体1に備えられた作動油供給装置7からの作動油供給に伴う伸縮操作に伴って、第一リンク21を揺動操作するように構成されている。
【0037】
第一油圧シリンダ5の作動を停止した状態で第二油圧シリンダ6を伸縮操作すると、第一リンク21の車両本体1に対する姿勢が一定に維持されたまま、第二リンク22及び走行装置2が、一体的に、第一リンク21と第二リンク22との連結箇所の横軸芯X2周りで揺動する。
【0038】
4個の屈折リンク機構4夫々の中間屈折部に自由回転自在に補助輪3が支持されている。
図1,2に示すように、補助輪3は走行装置2の駆動輪8と略同じ外径の車輪にて構成されている。
図3に示すように、第一リンク21と第二リンク22とを枢支連結する連結支軸31が、第二リンク22よりも車体横幅方向外方側に突出するように延長形成されている。連結支軸31の延長突出箇所に補助輪3が回動自在に支持されている。つまり、第一リンク21と第二リンク22とを枢支連結する連結支軸31が、補助輪3の回動支軸を兼用する構成となっており、部材の兼用により構成の簡素化を図っている。
【0039】
図7,8に示すように、屈折リンク機構4、走行装置2、補助輪3、第一油圧シリンダ5、第二油圧シリンダ6の夫々が、一体的に、回動支軸19の軸芯Y周りで回動自在に外方側枢支ブラケット17に支持されている。そして、旋回シリンダ14を伸縮させることにより、それらが一体的に回動操作される。走行装置2が前後方向に向く直進状態から左旋回方向及び右旋回方向に夫々、約45度ずつ旋回操作させることができる。
【0040】
前後向きフレーム体15に対する連結部材16のボルト連結を解除すると、旋回機構12、屈折リンク機構4、走行装置2、補助輪3、及び、油圧シリンダ5の夫々が、一体的に組付けられた状態で、車両本体1から取り外すことができる。又、前後向きフレーム体15に対して連結部材16をボルト連結することで、上記各装置が一体的に組付けられた状態で、車両本体1に取付けることができる。
【0041】
作動油供給装置7から複数の屈折リンク機構4夫々の第一油圧シリンダ5及び第二油圧シリンダ6に対して作動油の給排が行われて、第一油圧シリンダ5及び第二油圧シリンダ6を伸縮操作させることができる。油圧モータ9に対する作動油の流量調整が行われることで、油圧モータ9すなわち駆動輪8の回転速度を変更することができる。
【0042】
作動油供給装置7から、第一油圧シリンダ5、第二油圧シリンダ6、及び、油圧モータ9の夫々に対して、作動油を供給する作動油供給管としての油圧ホース32が備えられている。そして、
図3,4に示すように、旋回機構12の近傍としての基端部20の上部側箇所に、作動油供給装置7から、第一油圧シリンダ5、第二油圧シリンダ6、及び、油圧モータ9の夫々に作動油を供給する油圧ホース32を位置保持する供給管保持部としての作動油中継器33が備えられている。作動油中継器33は、作動油供給装置7と該当する屈折リンク機構4に備えられる各油圧機器(油圧シリンダ5、油圧モータ9)とを各別に接続する油圧ホース32を中継接続する機能を備えており、基端部20に位置固定状態で取り付け固定されている。従って、油圧ホース32は、作動油中継器33よりも車両本体1側の本体側ホース部分32Aと、油圧機器側の先端側ホース部分32Bとに分離された状態となる。
【0043】
このように作動油中継器33を備えることで、屈折リンク機構4の伸縮作動や旋回機構12の旋回作動が繰り返し行われても、作動油供給装置7と各油圧機器とを接続する複数の油圧ホース32が、屈折リンク機構4に巻き込まれたり、リンク同士の間に挟み込まれる等の不利を少なくして、良好な動作を行うことが可能となる。
【0044】
図1に示すように、この作業車は種々のセンサを備える。具体的には、それぞれの第一油圧シリンダ5に設けられた第一ヘッド側圧力センサS1及び第一キャップ側(反ヘッド側)圧力センサS2、それぞれの第二油圧シリンダ6に設けられた第二キャップ側圧力センサS3及び第二ヘッド側(反キャップ側)圧力センサS4を備える。第一ヘッド側圧力センサS1は、第一油圧シリンダ5のヘッド側室の油圧を検出する。第一キャップ側圧力センサS2は、第一油圧シリンダ5のキャップ側室の油圧を検出する。第二キャップ側圧力センサS3は、第二油圧シリンダ6のキャップ側室の油圧を検出する。第二ヘッド側圧力センサS4は、第二油圧シリンダ6のヘッド側室の油圧を検出する。又、図示はしていないが、上記各油圧シリンダ5,6,14は、伸縮ストローク量を検出可能なストロークセンサを内装しており、操作状態を制御装置11にフィードバックするように構成されている。
【0045】
なお、各圧力センサS1,S2,S3,S4の取り付け位置は上記した位置に限られるものではない。各圧力センサS1,S2,S3,S4は、対応するキャップ側室又はヘッド側室の油圧を検出(推定)可能であればよく、弁機構から対応するキャップ側室又はヘッド側室の間の配管に設けられてもよい。
【0046】
これらのセンサの検出結果に基づいて、車両本体1を支持するために必要な力が算出され、その結果に基づいて、それぞれの第一油圧シリンダ5及び第二油圧シリンダ6への作動油の供給が制御される。具体的には、第一ヘッド側圧力センサS1の検出値と第一キャップ側圧力センサS2の検出値とに基づき、第一油圧シリンダ5のキャップ側室とヘッド側室との差圧から、第一油圧シリンダ5のシリンダ推力が算出される。また、第二キャップ側圧力センサS3の検出値と第二ヘッド側圧力センサS4の検出値とに基づき、第一油圧シリンダ5と同様に、第二油圧シリンダ6のシリンダ推力が算出される。
【0047】
車両本体1には、例えば、三軸加速度センサ等からなる加速度センサS5が備えられている。加速度センサS5の検出結果に基づき、車両本体1の前後左右の傾きが検知され、その結果に基づいて車両本体1の姿勢が制御される。つまり、車両本体1の姿勢が目標の姿勢となるよう、それぞれの第一油圧シリンダ5及び第二油圧シリンダ6への作動油の供給が制御される。
【0048】
走行装置2には、駆動輪8の回転速度を検出する回転センサS6を備える。回転センサS6にて算出された駆動輪8の回転速度に基づいて、駆動輪8の回転速度が目標の値となるように、油圧モータ9への作動油の供給が制御される。
【0049】
上述したように、本実施形態の作業車は、屈折リンク機構4を介して走行装置2を支持する構成とし、油圧シリンダ5,6により屈折リンク機構4の姿勢を変更操作する構成であり、しかも、走行駆動も油圧モータ9にて行う構成であるから、例えば、電動モータ等のように水分や細かな塵埃等による影響を受け難く、農作業に適したものになる。
【0050】
このような構成の作業車の使用例として、次のような走行形態がある。
〈平坦地での走行形態〉
平坦地を走行する場合、
図9,10,11に示すように、複数種の異なる走行形態のいずれかにて走行することができる。すなわち、
図9に示すように、4個の駆動輪8が全て接地し且つ4個の補助輪3が全て地面から浮上する4輪走行状態と、
図10に示すように、車体前後方向の一方側に位置する駆動輪8が浮上し且つその駆動輪8に対応する補助輪3が接地するとともに、車体前後方向の他方側に位置する駆動輪8が接地し且つその駆動輪8に対応する補助輪3が浮上する2輪走行状態である。
【0051】
2輪走行状態として、駆動輪8と補助輪3との関係が車体前後方向で反対となる状態、すなわち、
図11に示すように、車体前後方向一方側に位置する駆動輪8が接地し且つその駆動輪8に対応する補助輪3が地面から浮上するとともに、車体前後方向他方側に位置する駆動輪8が浮上し且つその駆動輪8に対応する補助輪3が接地する状態もある。
【0052】
説明を加えると、屈折リンク機構4は、4組の屈折リンク機構4の夫々において、駆動輪8が接地し且つそれに対応する補助輪3が地面から浮上する走行状態と、補助輪3が接地し且つそれに対応する駆動輪8が地面から浮上する自由移動状態とに切り換え可能に構成されている。
【0053】
上記4輪走行状態では、4組の駆動輪8が全て走行状態に設定され、上記2輪走行状態では、4個の駆動輪8のうちの車体前後方向一方側の2組の駆動輪8が走行状態に設定され、且つ、他方側の補助輪3が接地して自由移動状態に設定される。
【0054】
又、上記したような4輪走行状態と2輪走行状態以外にも、例えば、4個の駆動輪8のうちの3個の駆動輪8が走行状態となり、他の1個の駆動輪8が浮上する一部走行状態に切り換えることも可能である。これにより、3個の駆動輪8によって安定的に接地しながら、1つの駆動輪8を、例えば、段差の上側にまで延ばす等の操作を行うことができる。
【0055】
上記したような走行形態の他、
図12に示すように、4組全ての駆動輪8を浮上させて全て自由移動状態に切り換えて使用することもできる。この場合には、駆動走行することはできないが、手動で楽に押し移動させることができる。
【0056】
この作業車では、上記したような平坦面での走行の他にも、独特の使用形態として、次のような形態で使用することが可能である。
【0057】
〈2脚直立形態〉
車両本体1を大きく傾斜させて、駆動輪8を高所に乗せることができる。
すなわち、
図13に示すように、車体前後方向一方側の2組の駆動輪8と補助輪3とを全て接地させている状態で、車体前後方向他方側の2組の駆動輪8と補助輪3とを支持する屈折リンク機構4を用いて、他方側が上昇するように車両本体1を大きく傾斜させる。そして、車両本体1の重心位置Wが一方側の2組の駆動輪8と補助輪3との接地幅L内に位置するまで傾斜すると、他方側の2組の屈折リンク機構4を大きく伸長させて、駆動輪8を高い所にある地面に乗せることができる。
【0058】
この2脚直立形態においては、高い所へ乗り上げる形態以外にも、
図14,15に示すように、他の物体を持ち上げる動作も行うことが可能である。すなわち、上記したように、車体前後方向一方側の2組の駆動輪8と補助輪3とを接地させている状態で車両本体1を大きく傾斜させ、車両本体1の重心位置Wが一方側の2組の駆動輪8と補助輪3とによる接地幅L内に位置するまで傾斜させる。さらに、車体前後方向他方側の2組の駆動輪8が互いに近づくように旋回作動させる。車体前後方向他方側の2組の駆動輪8によって、搬送対象となる物体Mを把持して持ち上げる。物体Mを把持している状態で、車体前後方向一方側の2組の駆動輪8と補助輪3にて車両本体1の姿勢を維持しながら走行して移動することができ、物体Mの搬送を行える。
【0059】
〈法面走行形態〉
図16に示すように、4組全ての駆動輪8と補助輪3について、屈折リンク機構4の姿勢を、駆動輪8及び補助輪3の夫々が車体前後方向外端部よりも車体前後方向外側に位置する伸展姿勢に変更操作する。駆動輪8と補助輪3とが全て接地している状態で、第一リ
ク21及び第二リンク22をできるだけ水平姿勢に近付けて車両本体1の高さを低い位置に下げる。このような状態で、法面を乗り上がりながら走行する。この走行形態では、車体前後方向に沿う接地幅が広くなり、大きく傾斜している法面であっても、転倒することなく安定した状態で走行することができる。
【0060】
〈段差乗り越え形態〉
3組の駆動輪8と補助輪3とが全て接地して、車両本体1を地面に安定的に接地支持している状態で、残り1組の駆動輪8と補助輪3を支持する屈折リンク機構4を大きく伸長させて、例えば、
図13に示すように、駆動輪8を段差の上部面に乗せる。そして、各組の屈折リンク機構4を伸縮させながら、1組ずつ駆動輪8を段差の上部面に乗り移りながら移動することで、段差を乗り越えることが可能となる。
図13では、段差が高い場合を示しているが、低い段差であれば、車両本体1が乗り上がることができる。
【0061】
〈跨ぎ走行形態〉
図17に示すように、4組の屈折リンク機構4を大きく伸長させて車両本体1を接地面から大きく上昇させる。例えば、畝を跨いだ状態で車両本体1を畝の上方に位置させた状態で作業を行うことができる。畝に植えられている作物が成長しても、作物の上方側から例えば、薬剤散布や収穫作業等を行うことができる。
【0062】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、走行装置2が油圧モータ9により駆動される構成としたが、この構成に代えて、例えば、車両に搭載されたエンジンの動力がチェーン伝動機構等の機械式伝動機構を介して駆動輪8に供給される構成としてもよい。
【0063】
(2)上記実施形態では、走行装置2が1つの駆動輪8を備える構成としたが、この構成に代えて、走行装置2として、複数の輪体にクローラベルトが巻回されたクローラ走行装置を備える構成としてもよい。
【0064】
(3)上記実施形態では、走行装置2が、車両本体1の前後両側部において左右一対ずつ備えられる構成としたが、走行装置2が3個備えられる構成、あるいは、走行装置2が5個以上備えられる構成としてもよい。
【0065】
(4)上記実施形態では、平面視において、旋回機構12が、車両本体1と屈折リンク機構4との間に位置する状態で設けられ、且つ、旋回機構12が、側面視において、屈折リンク機構4よりも上方に位置する状態で設けられる構成としたが、この構成に代えて、旋回機構12が、車両本体1と平面視で重複する構成としたり、屈折リンク機構4と重複する構成としてもよく、側面視において、屈折リンク機構4と同じ位置に設けてもよく、旋回機構12の設置位置は種々変更して実施することができる。又、旋回機構を備えずに、左右の走行装置2の駆動速度差で旋回する構成としてもよい。
【0066】
(5)上記実施形態では、屈折リンク機構4が2個のリンク21,22を備える構成としたが、2個に限らず、3個以上のリンクを備える構成としてもよい。この場合、油圧シリンダも3個以上設けられることになる。
【0067】
(6)上記実施形態では、油圧ホース32を位置保持する供給管保持部としての作動油中継器33が備えられる構成としたが、このような作動油中継器33を備えない構成としてもよい。