(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記希土類が、スカンジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウム、およびランタンであることを特徴とする、請求項5に記載の使用。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、スルホン化され、アミノメチル化された新規なキレート樹脂を提供することを目的にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
驚くべきことに、顕著に大量のSO
3を使用しても、フタルイミドメチル基の触媒的導入が可能であるばかりでなく、それと同時に、樹脂の構造を実質的に損なうことなく樹脂をスルホン化することも可能となることが今や見出された。
【0006】
したがって、本発明は、構造要素(I)
【化1】
(式中、
【化2】
はポリマー骨格を表し、かつR
1およびR
2は互いに独立して、−CH
2COOX、−CH
2PO(OX
1)
2、−CH
2PO(OH)OX
2、−(CS)NH
2、−CH
2−ピリジルまたは水素を表し、ここで、R
1およびR
2の両方が同時に水素であることはできず、かつX、X
1、X
2、およびYは互いに独立して、水素、ナトリウム、またはカリウムを表す)
の官能基を含むキレート樹脂を提供する。
【0007】
R
1およびR
2が互いに独立して、−CH
2PO(OX
1)
2、−CH
2PO(OH)OX
2、CH
2COOX、または水素であるのが好ましく、ここで、R
1およびR
2の両方が同時に水素であることはできない。R
1が、水素、−CH
2PO(OX
1)
2、または−CH
2PO(OH)OX
2であり、かつR
2が、−CH
2PO(OX
2)
2、または−CH
2PO(OH)OX
2であれば特に好ましい。R
1が水素であり、かつR
2が、−CH
2PO(OX
2)
2または−CH
2PO(OH)OX
2であれば極めて特に好ましい。X、X
1、X
2、およびYは互いに独立して、水素、ナトリウム、またはカリウムを表す。X、X
1、およびX
2が互いに独立して、水素を表しているのが好ましい。X
1およびX
2が同一であれば好ましい。Yは、好ましくは水素を表す。
【0008】
構造式(I)におけるフェニル環が、メチレン基に対してオルトの位置においてスルホン酸基で置換されていれば好ましい。
【0009】
本発明にはさらに、構造要素(I)
【化3】
(式中、
【化4】
はポリマー骨格を表し、かつR
1およびR
2は互いに独立して、−CH
2COOX、−CH
2PO(OX
1)
2、−CH
2PO(OH)OX
2、−(CS)NH
2、−CH
2−ピリジルまたは水素を表し、ここで、R
1およびR
2の両方が同時に水素であることはできず、かつX、X
1、X
2、およびYは互いに独立して、水素、ナトリウム、またはカリウムを表す)
の官能基を含むキレート樹脂を調製するためのプロセスにおいて、
a)少なくとも1種のモノビニル芳香族化合物と、少なくとも1種のポリビニル芳香族化合物と、少なくとも1種の重合開始剤または重合開始剤の組合せとからなるモノマー液滴を転化させて、粒状ポリマーとする工程、
b)発煙硫酸の存在下でフタルイミドを用いて粒状ポリマーをフタルイミドメチル化およびスルホン化する工程であって、遊離SO
3の量は、1molのフタルイミドを基準にして少なくとも0.69molである、工程、
c)フタルイミドメチル化され、スルホン化された粒状ポリマーを転化させて、アミノメチル化され、スルホン化された粒状ポリマーとする工程、および
d)アミノメチル化され、スルホン化された粒状ポリマーを反応させて、構造要素(I)の官能基を含むキレート樹脂を得る工程
を含むことを特徴とするプロセスを含む。
【0010】
構造要素(I)の官能基を含むキレート樹脂は、調製するためのプロセス自体によって特徴付けることができれば好ましい。
【0011】
したがって、本発明はさらに、構造要素(I)
【化5】
(式中、
【化6】
はポリマー骨格を表し、かつR
1およびR
2は互いに独立して、−CH
2COOX、−CH
2PO(OX
1)
2、−CH
2PO(OH)OX
2、−(CS)NH
2、−CH
2−ピリジルまたは水素を表し、ここで、R
1およびR
2の両方が同時に水素であることはできず、かつX、X
1、X
2、およびYは互いに独立して、水素、ナトリウム、またはカリウムを表す)
の官能基を含むキレート樹脂であって、
a)少なくとも1種のモノビニル芳香族化合物と、少なくとも1種のポリビニル芳香族化合物と、少なくとも1種の重合開始剤または重合開始剤の組合せとからなるモノマー液滴を転化させて、粒状ポリマーとする工程、
b)発煙硫酸の存在下でフタルイミドを用いて粒状ポリマーをフタルイミドメチル化およびスルホン化する工程であって、遊離SO
3の量は、1molのフタルイミドを基準にして少なくとも0.69molである、工程、
c)フタルイミドメチル化され、スルホン化された粒状ポリマーを転化させて、アミノメチル化され、スルホン化された粒状ポリマーとする工程、および
d)アミノメチル化され、スルホン化された粒状ポリマーを反応させて、構造要素(I)の官能基を含むキレート樹脂を得る工程
によって調整されるキレート樹脂も提供する。
【0012】
本発明の目的において、キレート樹脂は、少なくとも1種のモノビニル芳香族化合物および少なくとも1種のポリビニル芳香族化合物をベースとするポリマーである。本発明の目的のためのキレート樹脂が、スチレン、ジビニルベンゼン、およびエチルスチレンからなるポリマーであれば好ましい。
【0013】
本発明の範囲は、一般的なまたは好ましい範囲、基の定義、パラメーターおよび説明において、すなわち、特に一般的な範囲から好ましい範囲までを含む相互の任意の所望の組合せで上記および下記をすべて包含する。
【0014】
プロセス工程a)では、少なくとも1種のモノビニル芳香族化合物および少なくとも1種のポリビニル芳香族化合物が採用される。しかしながら、2種以上のモノビニル芳香族化合物の混合物、または2種以上のポリビニル芳香族化合物の混合物を使用することも可能である。
【0015】
本発明の目的のためには、プロセス工程a)で使用されるモノビニル芳香族化合物は、好ましくは、スチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、アクリル酸アルキル、またはメタクリル酸アルキルである。
【0016】
スチレンまたはスチレンと上述のモノマーとの混合物、好ましくはエチルスチレンとの混合物を使用するのが特に好ましい。
【0017】
本発明の目的のためには、プロセス工程a)のための好ましいポリビニル芳香族化合物は、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、トリビニルナフタレン、1,7−オクタジエン、1,5−ヘキサジエン、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、およびメタクリル酸アリル、特に好ましくはジビニルベンゼンである。
【0018】
ポリビニル芳香族化合物の使用量は、モノマーまたはそれと他のモノマーとの混合物を基準にして、好ましくは1重量%〜20重量%、より好ましくは2重量%〜12重量%、特に好ましくは4重量%〜10重量%の量である。ポリビニル芳香族化合物(架橋剤)のタイプは、その粒状ポリマーの以後の用途を考慮に入れて選択する。ジビニルベンゼンを使用する場合、エチルビニルベンゼン、さらにはジビニルベンゼンの異性体も含んでいる市販グレードのジビニルベンゼンで十分である。
【0019】
本発明の目的のためには、「粒状ポリマー(bead polymer)」という用語は、粒子形態の架橋されたポリマーである。
【0020】
「ミクロポーラス」または「ゲル形態」または「マクロポーラス」という用語は、既に専門文献に詳しく記載されている。
【0021】
マクロポーラスな粒状ポリマーは、重合時に粒状ポリマー中にマクロポーラスな構造を作らせる目的で、モノマー混合物に対して不活性物質、好ましくは少なくとも1種のポロゲンを添加することによって形成される。好適なポロゲンとしては、形成される粒状ポリマーにとって貧溶媒および/または膨潤剤である有機溶媒が挙げられる。特に好ましいポロゲンは、ヘキサン、オクタン、イソオクタン、イソドデカン、メチルエチルケトン、ブタノール、またはオクタノール、およびそれらの異性体である。特に好適な物質は、たとえば脂肪族炭化水素など、モノマーは溶解させるが、粒状ポリマーはほとんど溶解しないか、または膨潤させる有機物質(ポリマーにとっての沈降剤)である(Farbenfabriken Bayer、独国特許第1045102号明細書(1957);独国特許第1113570号明細書(1957))。
【0022】
米国特許第4 382 124号明細書では、4〜10個の炭素原子を有するポロゲンアルコールを使用しているが、これは、本発明に関連しても同様に、スチレン/ジビニルベンゼンをベースとする単分散でマクロポーラスな粒状ポリマーを調製するために好適に使用することができる。それに加えて、マクロポーラスな粒状ポリマーのための調製法が概説されている。
【0023】
プロセス工程a)において、少なくとも1種のポロゲンを添加するのが好ましい。構造要素(I)の官能基を含む粒状ポリマーおよびキレート樹脂が、マクロポーラスな構造を有しているのが好ましい。
【0024】
プロセス工程a)によって調製された粒状ポリマーは、ヘテロ分散(heterodisperse)または単分散形態で調製することができる。
【0025】
ヘテロ分散性粒状ポリマーの調製は、当業者に公知の一般的なプロセス、たとえば懸濁重合を用いて実施される。
【0026】
プロセス工程a)において、単分散粒状ポリマーを調製するのが好ましい。
【0027】
本出願において、単分散物質とは、その粒子の少なくとも90(容積または質量)%が、最多直径(most common diameter)から±10%の範囲に入る直径を有するものである。
【0028】
たとえば、0.5mmの最多直径を有する物質の場合、少なくとも90(容積または質量)%が0.45mm〜0.55mmの範囲のサイズであり;0.7mmの最多直径を有する物質の場合、少なくとも90(容積または質量)%が0.77mm〜0.63mmの範囲のサイズである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の好ましい実施形態では、プロセス工程a)の単分散粒状ポリマーの調製において、マイクロカプセル化されたモノマーの液滴が使用される。
【0030】
モノマーの液滴のマイクロカプセル化に有用な物質は、複合コアセルベートとしての使用が公知のもの、特にポリエステル、天然および合成のポリアミド、ポリウレタン、またはポリウレアである。
【0031】
ゼラチンは、好適に使用できる天然のポリアミドである。ゼラチンは、特にコアセルベートおよび複合コアセルベートの形態で採用される。本発明の目的のためには、ゼラチン含有複合コアセルベートが、特に、ゼラチンと合成高分子電解質との組合せである。好適な合成高分子電解質は、たとえば、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミドおよびメタクリルアミドの単位を組み込んだコポリマーである。アクリル酸およびアクリルアミドを使用するのが特に好ましい。ゼラチン含有カプセルは、慣用される硬化剤、たとえばホルムアルデヒドまたはグルタルジアルデヒドを使用して硬化させることができる。ゼラチン、ゼラチン含有コアセルベートおよびゼラチン含有複合コアセルベートを用いたモノマー微小液滴のカプセル化については、欧州特許出願公開第A0 046 535号明細書に詳しい記述がある。合成ポリマーを使用してカプセル化するための方法は公知である。好ましいのは相界面縮合であり、その場合、モノマーの液滴中に溶解されている反応性成分(特にイソシアネートまたは酸塩化物)が、水相中に溶解されている第二の反応性成分(特にアミン)と反応する。
【0032】
任意選択的にマイクロカプセル化された単分散モノマー液滴には、重合を引き起こす少なくとも1種の重合開始剤または重合開始剤の混合物(重合開始剤の組合せ)が含まれる。本発明によるプロセスに好適な重合開始剤は、ペルオキシ化合物、特に好ましくは、ジベンゾイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ビス(p−クロロベンゾイル)ペルオキシド、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、tert−ブチルペルオクトエート、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、またはtert−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサン、ならびにアゾ化合物、たとえば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)または2,2’−アゾビス(2−メチルイソブチロニトリル)である。
【0033】
重合開始剤は、モノマー混合物を基準にして、好ましくは0.05重量%〜2.5重量%、より好ましくは0.1重量%〜1.5重量%の量で使用する。
【0034】
任意選択的に単分散のマイクロカプセル化されたモノマーの微小液滴には、任意選択的に、さらに(モノマーを基準にして)30重量%までの架橋または非架橋ポリマーが含まれていてもよい。好ましいポリマーは、上述のモノマーから、より好ましくはスチレンから誘導されたものである。
【0035】
プロセス工程a)で単分散粒状ポリマーを調製する場合、さらに好ましい実施形態において、その水相には溶解させた重合禁止剤が含まれていてもよい。この場合、有用な禁止剤は、無機物質、有機物質のいずれであってもよい。好ましい無機禁止剤は、窒素化合物、特に好ましくはヒドロキシルアミン、ヒドラジン、亜硝酸ナトリウムおよび亜硝酸カリウム、亜リン酸の塩、たとえば亜リン酸水素ナトリウム、および硫黄化合物、たとえば亜ジチオン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、ならびにチオシアン酸アンモニウムである。有機重合禁止剤の例は、フェノール系化合物、たとえば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、レソルシノール、ピロカテコール、tert−ブチルピロカテコール、ピロガロール、およびフェノールとアルデヒドとの縮合反応生成物である。さらなる好適な有機重合禁止剤は、窒素化合物である。特に好ましいのは、ヒドロキシルアミン誘導体、たとえば、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N−イソプロピルヒドロキシルアミンおよびスルホン化もしくはカルボキシル化N−アルキルヒドロキシルアミンもしくはN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン誘導体、ヒドラジン誘導体、たとえばN,N−ヒドラジノ二酢酸、ニトロソ化合物、たとえば、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩もしくはN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩である。重合禁止剤の濃度は、(水相を基準にして)5〜1000ppm、好ましくは10〜500ppm、より好ましくは10〜250ppmである。
【0036】
単分散粒状ポリマーを得るための、任意選択的にマイクロカプセル化された単分散モノマー液滴の重合は、既に上で述べたように、任意選択的にまたは好ましくは、水相中に1種または複数の保護コロイドを存在させて実施される。好適な保護コロイドは、天然もしくは合成の水溶性ポリマー、好ましくはゼラチン、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、または(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステルのコポリマーである。好ましいものとしてはさらに、セルロース誘導体、特にセルロースエステルおよびセルロースエーテル、たとえば、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。ゼラチンが特に好ましい。使用される保護コロイドの量は、水相を基準にして、通常は0.05重量%〜1重量%、好ましくは0.05重量%〜0.5重量%である。
【0037】
また別の好ましい実施形態では、単分散粒状ポリマーを得るための重合を緩衝系の存在下で実施することができる。重合の開始時の水相のpHを、14〜6、好ましくは12〜8の値に設定できる緩衝系が好ましい。それらの条件下では、カルボン酸基を有する保護コロイドは、全面的または部分的に塩として存在する。このことが、保護コロイドの作用に好ましい効果を与える。特に好適な緩衝系には、リン酸またはホウ酸の塩が含まれる。本発明に関連して、「リン酸塩」および「ホウ酸塩」という用語には、対応する塩および酸のオルトの形態の縮合反応生成物も包含される。水相中のリン酸塩またはホウ酸塩の濃度は、0.5〜500mmol/L、好ましくは2.5〜100mmol/Lである。
【0038】
単分散粒状ポリマーを得るための重合における撹拌速度はあまり重要ではなく、慣用される粒状重合の場合とは対照的に、粒径に影響をおよぼさない。低い攪拌機速度が採用され、懸濁液中に懸濁されたモノマー微小液滴を保持し、重合熱の除去を促進するにはこれで十分である。この作業のために各種の撹拌タイプを使用することができる。特に好適な攪拌機は、軸方向作用(axial action)を有するゲート攪拌機(gate stirrer)である。
【0039】
カプセル化されたモノマー液滴対水相の容積比は、1:0.75〜1:20、好ましくは1:1〜1:6である。
【0040】
単分散粒状ポリマーを得るための重合温度は、使用した重合開始剤の分解温度で決まる。それは、一般的には50〜180℃、好ましくは55〜130℃である。重合には0.5時間〜約20時間かかる。重合を低温、たとえば60℃で開始させ、重合転化率が上がるにつれて反応温度も上げていくという温度プログラムを採用するのが有用であることが見出された。このようにすると、たとえば信頼性のある反応の進行および高い重合転化率に関する要件を極めて効果的に達成することが可能となる。重合反応後、慣用される方法、たとえば濾過またはデカント法によって単分散粒状ポリマーを単離し、任意選択的に洗浄する。
【0041】
ジェット法またはシード−フィード法を使用して単分散粒状ポリマーを調製することは、従来技術からも公知であり、たとえば米国特許第A4 444 961号明細書、欧州特許出願公開第A0 046 535号明細書、米国特許第4 419 245号明細書、または国際公開第93/12167号パンフレットなどに記載されている(それらの内容はすべて、本出願の単分散粒状ポリマーの調製に関して本出願に組み入れられるものとする)。
【0042】
ジェット法またはシード−フィード法を使用して単分散粒状ポリマーを調製するのが好ましい。
【0043】
プロセス工程b)では、最初に、アミドメチル化剤を調製する。この目的のために、フタルイミドを溶媒中に溶解させ、ホルマリンと混合する。次いで、混合物から水を除去して、ビス(フタルイミド)エーテルを形成させる。そのビス(フタルイミド)エーテルは、任意選択的に、フタルイミドエステルに転換させてもよい。プロセス工程b)で使用する溶媒は、ポリマーを膨潤させるのに適した不活性溶媒、好ましくは塩素化された炭化水素、より好ましくはジクロロエタンまたは塩化メチレンである。
【0044】
プロセス工程b)では、粒状ポリマーをフタルイミドと縮合させる。ここで採用される触媒兼スルホン化剤は発煙硫酸である。発煙硫酸の使用によって、不活性溶媒中でフタルイミドのSO
3アダクトが生成し、スルホン化が進行する。
【0045】
一般的には、ビス(フタルイミド)エーテルが生成した後に発煙硫酸を添加し、その後に粒状ポリマーを導入する。しかしながら、それらの添加を、順序を変えて実施してもよい。ビス(フタルイミド)エーテルの生成後に発煙硫酸を添加し、その後に粒状ポリマーを導入するのが好ましい。
【0046】
発煙硫酸は、極めて広く各種の遊離SO
3濃度で採用することができる。濃硫酸中の遊離SO
3濃度が24重量%、34重量%、および65重量%であるものが市販されている。65重量%の遊離SO
3含量を有する発煙硫酸を採用するのが特に好ましい。
【0047】
65重量%の遊離SO
3量を有する発煙硫酸を採用した場合、プロセス工程b)で採用される発煙硫酸の量は、一般的に、1グラムのフタルイミドに対して0.59グラム〜1.5グラムの発煙硫酸であるが、より少量またはより大量であってもよい。65重量%の遊離SO
3量を有する発煙硫酸を採用した場合、フタルイミドの1グラムあたり0.59グラム〜1.25グラムの発煙硫酸量とするのが好ましい。
【0048】
プロセス工程b)で使用されるフタルイミドの量は、一般的に、1molのフタルイミドあたり0.3〜1.6molであるが、より少量またはより大量であってもよい。1molの粒状ポリマーあたり0.5〜1.1molのフタルイミドを使用するのが好ましい。
【0049】
アミドメチル基の触媒的導入およびスルホン化は、プロセス工程b)において40℃〜80℃の温度、好ましくは50℃〜70℃の温度で実施される。1molのフタルイミドを基準にした遊離SO
3の量は、0.69mol〜1.5molである。プロセス工程b)における遊離SO
3の量は、1molのフタルイミドを基準にして、好ましくは0.69mol〜1.2molである。
【0050】
本出願における置換度は、粒状ポリマーの芳香族基対アミノメチル基のモル比を表している。
【0051】
置換度は、一般的には0.3〜1.5である。しかしながら、置換度は、より小さくてもまたはより大きくてもよい。置換度が0.6〜1.1であるのが好ましい。
【0052】
本出願におけるスルホン化度は、粒状ポリマーの芳香族基対スルホン酸基のモル比を表している。
【0053】
スルホン化度対置換度の比率は、一般的には0.1〜1.0であるが、より大きくてもまたはより小さくてもよい。スルホン化度対置換度の比率が0.3〜0.5であれば好ましい。
【0054】
フタル酸基の除去およびそれに伴うアミノメチル基の出現はプロセス工程c)で実施され、そこでは、フタルイミドメチル化され、スルホン化された粒状ポリマーが、アルカリ金属水酸化物、たとえば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの水性またはアルコール性溶液を用いて、100〜250℃、好ましくは120〜190℃の温度で処理される。水酸化ナトリウム溶液の濃度は、10重量%〜50重量%、好ましくは20重量%〜40重量%の範囲内である。
【0055】
そのようにして得られたアミノメチル化され、スルホン化された粒状ポリマーを最終的に、脱イオン水を用いてアルカリ金属がなくなるまで洗浄する。
【0056】
プロセス工程c)で得られたアミノメチル含有スルホン化粒状ポリマーの、構造要素(I)の官能基を含むキレート樹脂への転化率は、当業者に公知の一般的に使用されるプロセスに影響される。
【0057】
構造要素(I)の官能基(式中、R
1およびR
2は互いに独立して、−CH
2COOXまたはHであるが、R
1およびR
2が同時に水素を表すことはできず、かつXは、水素、ナトリウムまたはカリウムを表す)を含む本発明のキレート樹脂の調製を、水性懸濁液の形態のプロセス工程c)からのアミノメチル含有スルホン化粒状ポリマーのクロロ酢酸またはその誘導体との反応により実施するのが好ましい。特に好ましいクロロ酢酸誘導体は、クロロ酢酸のナトリウム塩である。
【0058】
クロロ酢酸のナトリウム塩は、水溶液として使用するのが好ましい。
【0059】
クロロ酢酸のナトリウム塩の水溶液を、最初に仕込んでおいたアミノメチル含有スルホン化粒状ポリマーの水性懸濁液中に反応温度で0.5〜15時間かけて計量仕込みする。その計量仕込みは、5〜11時間かけて実施するのが好ましい。
【0060】
アミノメチル含有スルホン化粒状ポリマーとクロロ酢酸との反応で放出された塩酸は、水酸化ナトリウム水溶液を添加することによって、部分的または全面的に中和して、この反応における水性懸濁液のpHが、pH5〜10.5の範囲内になるように調節する。この反応は、pH9.5で実施するのが好ましい。
【0061】
アミノメチル含有スルホン化粒状ポリマーとクロロ酢酸との反応は、50℃〜100℃の範囲の温度で実施する。アミノメチル含有スルホン化粒状ポリマーとクロロ酢酸との反応は、好ましくは80℃〜95℃の範囲の温度で実施する。
【0062】
使用される懸濁媒体は、水または塩の水溶液である。考えられる塩としては、アルカリ金属塩、特にNaClおよび硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0063】
構造要素(I)の官能基(式中、R
1およびR
2は互いに独立して、−CH
2PO(OX
1)
2、−CH
2PO(OH)OX
2または水素であるが、R
1およびR
2の両方が同時に水素を表すことはできず、かつX
1およびX
2は互いに独立して、水素、ナトリウムまたはカリウムを表す)を含む本発明のキレート樹脂の調製を、硫酸含有懸濁液中のプロセス工程c)からのアミノメチル含有粒状ポリマーを(修正マンニッヒ反応に従って)P−H−酸性(P−H−acidic)化合物、好ましくは亜リン酸、亜リン酸モノアルキルエステル、または亜リン酸ジアルキルエステルと組み合わせてホルマリンと反応させることにより実施するのが好ましい。
【0064】
ホルマリンをP−H−酸性化合物、たとえば亜リン酸または亜リン酸ジメチルと組み合わせて使用するのが特に好ましい。
【0065】
R
1およびR
2が互いに独立して、−CH
2PO(OX
1)
2、−CH
2PO(OH)OX
2または水素であるが、両方が同時に水素を表すことはできず、かつX
1およびX
2が互いに独立して、水素、ナトリウムまたはカリウムを表す場合、そのアミノメチル含有粒状ポリマーの、構造要素(I)の官能基を含むキレート樹脂への転化は、好ましくは70℃〜120℃の範囲の温度、特に好ましくは90℃〜110℃の範囲の温度で実施される。
【0066】
本発明の構造要素(I)の官能基(式中、R
1およびR
2は互いに独立して、−CH
2−ピリジルまたは水素であるが、両方が同時に水素を表すことはできない)を含むキレート樹脂の調製を、プロセス工程d)において、水性懸濁液中のプロセス工程c)からの粒状ポリマーをクロロメチルピリジン/その塩酸塩、または2−クロロメチルキノリン、または2−クロロメチルピペリジンと反応させることにより実施するのが好ましい。
【0067】
クロロメチルピリジン/その塩酸塩は、2−クロロメチルピリジン、3−クロロメチルピリジン、または4−クロロメチルピリジンの形態で用いることができる。
【0068】
構造要素(I)が−CH
2−ピリジル基を表している場合、プロセス工程d)における反応を、pHを4〜9の範囲に維持しながら、好ましくはアルカリ、特に好ましくは水酸化カリウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液、特に好ましくは水酸化ナトリウム水溶液を添加して実施するのが好ましい。水性懸濁液中のプロセス工程c)からのアミノメチル含有スルホン化粒状ポリマーと、塩化ピコリルまたはその塩酸塩との反応時にアルカリを添加することによって、その反応のpHを4〜9の範囲に維持するのが好ましい。pHを6〜8の範囲に維持すれば特に好ましい。
【0069】
構造要素(I)がピコリルアミン基を表している場合、プロセス工程d)における反応を40℃〜100℃の温度範囲で実施するのが好ましく、50℃〜80℃の温度範囲であれば特に好ましい。
【0070】
構造要素(I)の官能基(式中、R
1およびR
2は互いに独立して、−(CS)NH
2または水素であるが、両方が同時に水素を表すことはできない)を含む本発明のキレート樹脂の調製を、塩酸含有懸濁液中のプロセス工程c)からのアミノメチル含有スルホン化粒状ポリマーをチオ尿素または置換されたチオ尿素またはチオシアン酸の塩と反応させることによって実施するのが好ましい。採用される懸濁媒体は、鉱酸、好ましくは、10重量%〜40重量%、好ましくは20重量%〜35重量%の濃度であるHCl水溶液である。
【0071】
構造要素(I)の官能基を含む本発明のキレート樹脂を調製する際の反応温度は、前記要素が少なくとも1種のチオ尿素酸性基を含んでいる場合、110℃〜170℃、好ましくは135℃〜155℃であり、その反応時間は、4〜20時間、好ましくは8〜15時間である。
【0072】
驚くべきことに、本発明によるプロセスによって構造要素(I)の官能基を含むキレート樹脂を製造することが可能となり、これは、金属に対する改良された吸着性を示す。構造要素(I)の官能基を含むキレート樹脂は、特に重金属、貴金属、希土類、およびそれらの二価、三価または四価のイオンを吸着させるのが好適である。本発明の目的のための重金属および貴金属は、好ましくは、水銀、ガリウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、鉛、インジウム、カドミウム、マンガン、ウラン、バナジウム、白金族の元素および金または銀である。
【0073】
本発明の目的のための希土類は、好ましくは、スカンジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウムおよびランタン、ならびにそれらの二価、三価、または/および四価のイオンである。構造要素(I)の官能基を含む本発明のキレート樹脂は、特に好ましくは、希土類を吸着させるのに適している。構造要素(I)の官能基を含む本発明のキレート樹脂は、極めて特に好ましくは、インジウム、スカンジウム、ネオジム、ランタン、およびプラセオジムを吸着させるのに適している。
【0074】
したがって、構造要素(I)の官能基を含む本発明のキレート樹脂は、金属、好ましくは重金属、貴金属、および希土類の回収および精製に非常に好適であり、かつ希土類およびそれらの化合物を、水溶液および有機液体から吸着させるのに特に好適である。したがって、本発明は、同様に、水溶液および有機液体から金属、好ましくは重金属、貴金属および希土類ならびにそれらの化合物を吸着させるための、構造要素(I)の官能基を含む本発明のキレート樹脂の使用にも関する。
【0075】
さらに、従来技術では、二酸化ケイ素を炭素熱還元反応させることにより太陽電池用シリコン(solar silicon)を調製することが提案されている。これに関して、たとえば国際公開第2007/106860A1号パンフレットでは、高純度シリカゲルを高純度の炭素源と反応させることにより、太陽電池用シリコンに転化させることが提案されている。そのようなプロセスを実施するのに必要な高純度の二酸化ケイ素は、好ましくは、シリケート溶液を酸性化剤(acidifying agent)と反応させることにより調製され、それに関連して、キレート樹脂、好ましくは官能基としてのホスホン酸/ホスホン酸塩基を含むキレート樹脂も採用されている。したがって、本発明においても同様に、構造要素(I)の官能基を含む本発明のキレート樹脂を、シリコン、好ましくは99.99%より高い純度を有するシリコンを調製および精製するためのプロセスにおいて使用することも考えられる。シリコンを調製および精製するためのプロセスには、構造要素(I)の官能基を含むキレート樹脂(ここで、少なくとも1つの基R
1またはR
2が互いに独立して、−CH
2PO(OX
1)
2または−CH
2PO(OH)OX
2であり、かつX
1およびX
2が互いに独立して、水素、ナトリウム、またはカリウムを表す)を採用するのが好ましい。
【0076】
本発明によるプロセスによって、特有の吸着性能を有する、低コストで、新規で、安定なスルホン化キレート樹脂を調製することが初めて可能となった。
【実施例】
【0077】
キレート基および強酸性のスルホン酸基の分析的測定
キレート基の量 − 樹脂の全容量(TC)の測定
フィルターカラム内に100mLの交換体を充填し、3重量%の塩酸を用いて1.5時間かけて溶離させる。次いで、脱イオン水を用いて、溶出液が中性となるまでそのカラムを洗浄する。
【0078】
カラム内の50mLの再生イオン交換体に、0.1N水酸化ナトリウム溶液を流す。その溶出液をそれぞれ250mLのメスシリンダー内に集め、1N塩酸を用いてその全量をメチルオレンジ指示薬で滴定する。
【0079】
250mLの溶出液が24.5〜25mLの1N塩酸を消費するまで仕込みを続ける。試験が終了したところで、Na系にある交換体の容量を測定する。
全容量(TC)=(X・25−ΣV)−3(単位:交換体のmol/L)
X=溶出液の画分の数
ΣV=溶出液の滴定での1N塩酸の全消費量(単位:mL)
【0080】
強酸性の基の量の測定
TC−Na+形
100mLの交換体をタンピング体積計(tamping volumeter)で測定し、DM水を用いてフィルターチューブ内に流し込む。次いで、1000mLの塩化ナトリウムの溶液w(NaCl)=10%を濾過通過させる。
【0081】
次いで、同じ流速でDM水を用いて、中性反応が得られるまで交換体を洗い流す。100mLの洗浄水溶出液で、メチルオレンジを添加して水酸化ナトリウムc(NaOH)=0.1mol/Lの消費が0.1mL以下でなければならない。
【0082】
次いで、50mLの交換体をタンピング体積計で測定し、DM水を用いてフィルターチューブ内に流し込む。次いで、300mLの塩酸w(HCl)=15%を濾過通過させる。
【0083】
次いで、DM水を用いて、中性反応が得られるまで交換体を洗い流す。100mLの洗浄水溶出液で、メチルオレンジを添加して水酸化ナトリウムc(NaOH)=0.1mol/Lの消費が0.1mL以下でなければならない。
【0084】
次いで、950mLの塩化ナトリウム溶液w(NaCl)=2.5%を濾過通過させる。その溶出液を1000mLのメスフラスコ内に集め、DM水を用いて標線までメスを切る。10mLの完全に混合した溶液を、300mLのErlenmeyerフラスコ内で約90mLのDM水を用いて希釈し、水酸化ナトリウム水溶液c(NaOH)=0.1mol/Lを用いて、メチルオレンジを指示薬として、橙赤色から黄色に変化するまで滴定する。1リットルのDM水を用いて交換体を洗浄してから、その容積を求める。
【0085】
TC−H形
H形の交換体について、そのTCを再生ありおよび再生なしで測定する。50mLの供給形を取り付け、100mLの混合床(mixed−bed)水を用いて洗浄する。
【0086】
次いで、950mLの塩化ナトリウム溶液w(NaCl)=2.5%を流す。
【0087】
次いで、1リットルのDM水を用いてその交換体を洗浄し、300mLの塩酸w(HCl)=15%を用いて、手順の最初に記載したように交換体をH形に転化させる。酸を洗い流し、さらなる950mLの塩化ナトリウム溶液w(NaCl)=2.5%を流す。
【0088】
計算
【数1】
【0089】
実施例1
スチレン、ジビニルベンゼンおよびエチルスチレンをベースとする単分散マクロポーラス粒状ポリマーの調製
10Lのガラス製反応器に最初に、3000gの脱イオン水、ならびに320gの脱イオン水中に10gのゼラチン、16gのリン酸水素二ナトリウム・十二水和物、および0.73gのレソルシノールを溶解させた溶液を仕込む。その混合物を、25℃で平衡に到達せさる。次いで、撹拌しながら、5重量%のジビニルベンゼンおよび1重量%のエチルスチレン(市販されているジビニルベンゼンおよびエチルスチレン(80%ジビニルベンゼン)の異性体混合物の形態で使用)、0.4重量%のジベンゾイルペルオキシド、56.3重量%のスチレン、および37.5重量%のイソドデカン(ペンタメチルヘプタンの含量が高い工業グレードの異性体混合物)からなる狭い粒径分布を有するマイクロカプセル化されたモノマー液滴の混合物3200gを添加し、ホルムアルデヒドで硬化させた、ゼラチンおよびアクリルアミドとアクリル酸とのコポリマーを含む複合コアセルベートからなるマイクロカプセル、および3200gのpH12を有する水相を添加する。
【0090】
その混合物を撹拌し、25℃から開始して95℃で終了する温度プログラムに従って昇温させることによって重合を完結させる。その混合物を冷却し、32μmの篩の上で洗浄してから、減圧下80℃で乾燥させる。
【0091】
これにより、1893gの滑らかな表面を有する単分散粒状ポリマーが得られる。
【0092】
その単分散粒状ポリマーは、チョークのように白い外観と、約390g/Lの嵩密度とを有している。
【0093】
SO
3H基をさらに含むフタルイミドメチル化樹脂の調製 − フタルイミドメチル化時の遊離SO
3対フタルイミドのモル比は0.7対1である
最初に、419.3gのフタルイミド、1410gの1,2−ジクロロエタン(DCE)、および242.5gの30重量%ホルムアルデヒド溶液をRTで四口フラスコに仕込み、沸点まで加熱する。
【0094】
還流が開始されたところで(約70℃)、水酸化ナトリウム水溶液、ω(NaOH)=50%を使用して、そのpHをpH5.5〜6.0に調節する。その混合物を沸点で30分間沸騰させる。次いで、水を除去する。次いで、約70℃で30.7gの一水和物を添加する。
【0095】
次いで、エーテルが得られるまで水をさらに除去する。次いで、その混合物をRTで最大12時間撹拌してから、245.7gの発煙硫酸、ω(遊離SO
3)=65%を25〜30℃で計量仕込みする。
【0096】
次いで、実施例1からの単分散粒状ポリマー317.1g(1000mLのDCE中)を30〜40℃で添加する。その混合物を65℃で6.5時間撹拌する。
【0097】
吸引濾過パイプを使用して液体のDCEを吸い出し、その濾液(filtrate)を、予熱しておいたDM水(最高70℃)を用いて再スラリー化し、残存しているDCEを蒸留除去する。
【0098】
次いで、DM水を用いて樹脂を洗い流す。
容積収量=1900mLの樹脂
乾燥重量=0.3932g/mL
元素分析:
窒素含量:5.0重量%
硫黄含量:3.1重量%
【0099】
SO
3H基をさらに含むアミノメチル含有樹脂の調製
2100mLの実施例2a)からの樹脂、2520mLの水酸化ナトリウム水溶液(767gの50重量%水酸化ナトリウム水溶液および2140mLの水から調製)をRTで6LのVAオートクレーブ内に仕込む。
【0100】
次いで、そのオートクレーブを200rpmの回転速度で2時間かけて180℃まで加熱する。
【0101】
オートクレーブをこの温度で8時間保持する。
【0102】
冷却してから、その試験製品を中性になるまでDM水で洗浄する。
容積収量=1571mL
HCl数:1.29mol/L
供給形:30mL
Cl形:38mL
OH形:31mL
洗浄水=>0.5L/30mL
置換度=0.63
乾燥重量=0.2696g/mL
【0103】
アミノメチルホスホン酸基を含み、さらにSO
3H基を含む樹脂の調製
最初に、1520mLの実施例2b)からの樹脂を759mLのDM水と共に室温で丸底フラスコに仕込む。次いで、701.6gの亜リン酸ジメチルを滴下しながら15分間かけて添加し、その混合物をさらに15分間撹拌する。次いで、1962gの98重量%硫酸を2時間かけて計量添加する。次いで、その混合物を加熱して95℃とする。次いで、95℃で716gの30重量%ホルムアルデヒド溶液を滴下により添加する。その混合物を95℃でさらに4時間撹拌する。冷却してから、その樹脂を中性になるまでDM水で洗浄する。
容積収量=1870mL
【0104】
水酸化ナトリウム水溶液ω(NaOH)=4%を用いて、その樹脂を遊離塩基形に転化させる。
容積収量=2680mL
NaOH数:2.78mol/L
【0105】
キレート性のアミノメチルホスホン酸基の存在は、NaOH数に反映される。最終製品1リットルあたり2.78molのアミノメチルホスホン酸基が存在している。
NaCl数:0.79
【0106】
強酸性のスルホン酸基の存在は、NaCl数および5.0重量%の硫黄含量に反映されている。
【0107】
最終製品1リットルあたり0.79molのスルホン酸基が存在している。
【0108】
元素分析による最終製品組成物
ω(N)=4.6重量%
ω(P)=8.3重量%
ω(O)=27.0重量%
ω(S)=5.0重量%
【0109】
【表1】