【実施例】
【0101】
以下の実施例は、本開示の主題の代表的な実施の形態を実施するための当業者への指針を提供するために含まれている。本発明及び当業者の一般的なレベルに照らして、当業者であれば、以下の実施例は単なる例示であり、多くの変更、変形及び改変が本開示の主題の範囲から逸脱することなく実施することができることを理解することができる。
【0102】
実施例1
配列分析によるバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)としての細菌分離株の同定
ここにおいてRTI477と示される植物関連細菌株は、ノースカロライナ州で栽培されたモリンタ・オレイフェラの根から単離された。RTI477株の16S rRNA及びrpoB遺伝子を配列決定し、続いてBLASTを用いてNCBI及びRDPデータベース中の他の既知の細菌株と比較した。RTI477の16S RNA部分配列(配列番号1)は、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)BSn5株(CP002468)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)NS6株(KF177175)及びバチルス・サブチリス亜種サブチリス(Bacillus subtilis subsp. subtilis)DSM 10株(NR_027552)の16S rRNA遺伝子部分配列と同一であることが同定された。更に、RTI477のrpoB配列は、既知であるバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)PY79株(CP006881)、バチルス・サブチリス亜種サブチリス(Bacillus subtilis subsp. subtilis)6051−HGW株(CP003329)(99%配列同一性;9bpの差異)、及びバチルス・サブチリス亜種サブチリス(Bacillus subtilis subsp. subtilis)BAB−1a株(CP004405)(99%配列同一性;10bpの差異)に対して99%の配列同一性を有することが決定された。RTI477株はバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)の株として同定された。DNAレベルでのrpoB遺伝子の配列の相違は、RTI477がバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)の新しい株であることを示している。バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477株は、米国バージニア州マナッサスのアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)における特許手続きのための微生物寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の条件の下、2014年4月17日に寄託され、特許受託番号PTA−121167を有する。
【0103】
実施例2
配列分析によるバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)としての細菌分離株の同定
ここにおいてRTI301と示される植物関連細菌株は、ニューヨークのブドウ園で生育するブドウのつるの根圏土壌から単離された。RTI301株の16S rRNA及びrpoB遺伝子を配列決定し、続いてBLASTを用いてNCBI及びRDPデータベース中の他の既知の細菌株と比較した。RTI301の16S RNA部分配列(配列番号3)は、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)NS6株(KF177175)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FZB42株(NR_075005)、及びバチルス・サブチリス亜種サブチリス(Bacillus subtilis subsp. subtilis)DSM 10株(NR_027552)の16S rRNA遺伝子配列と同一であることが同定された。RTI301のrpoB遺伝子配列(配列番号4)は、バチルス・アミロリケファシエンス亜種プランタルム(Bacillus amyloliquefaciens subsp. plantarum)TrigoCor1448(CP007244)(99%配列同一性;3塩基対の差異)、バチルス・アミロリケファシエンス亜種プランタルム(Bacillus amyloliquefaciens subsp. plantarum)AS43.3(CP003838)(99%配列同一性;7塩基対の差異)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)CC178(CP006845)(99%配列同一性;8塩基対の差異)、及びバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FZB42(CP000560)(99%配列同一性;8塩基対の差異)における同一遺伝子と配列類似性を有することも決定された。RTI301株はバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)として同定された。DNAレベルでのrpoB遺伝子の配列の相違は、RTI301がバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の新しい株であることを示している。バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)RTI301株は、米国バージニア州マナッサスのアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)における特許手続きのための微生物寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の条件の下、2014年4月17日に寄託され、特許受託番号PTA−121165を有する。
【0104】
実施例3
バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301及びバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477における抗菌化合物の生合成関連遺伝子
バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301株のゲノムの更なる配列分析では、この株が抗菌特性を有する分子の産生のための多数の生合成経路に関連する遺伝子を有することが明らかになった。これらには、サブチロシン、サーファクチン、イツリン、フェンギシン、アミロサイクリシン、ジフィシジン、バシリシン、バシロマイシン及びバシラエンについての生合成経路が含まれる。更に、RTI301株においてランチビオティック生合成に関連する遺伝子が発見されたが、これは他の密接に関連したバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)株に同族体は存在しない。これについては、
図1に示され、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301株に見られるランチビオティック生合成オペロンを取り囲む及び含むゲノム機構の模式図を示す。
図1では、一番上の組の矢印は、示された転写の相対的な方向を有するRTI301株のタンパク質コード領域を表す。比較のために、2つのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)参照株であるFZB42及びTrigoCor1448についての対応領域を、RTI301株の下に示す。RTI301株におけるランチビオティック合成オペロンの遺伝子は、RASTを用いて最初に同定され、次いでそれらの同定はBLASTpを用いて精査された。2つの参照株と比較したRTI301株の遺伝子によってコードされるタンパク質のアミノ酸同一性の程度は、代表的な矢印の陰影の程度及び矢印内に示される同一性パーセントの両方によって示される。ランチビオティック合成オペロンを囲む領域の3つの異なる株由来の遺伝子には高い程度の配列同一性があるが、ランチビオティック合成オペロン内では低い程度の配列同一性しかない(即ち、ランチビオティック合成オペロン内では40%未満であるが、周辺領域では99%より大きい)ということが
図1から観察され得る。NCBIにおいて非重複(nr)ヌクレオチドデータベースに対するこのクラスターのBLASTn分析を行うと、B.アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)株について5’及び3’フランキング領域中で高い程度の相同性(
図1の高%相同性と類似)を示した。しかし、ランチペプチド生合成クラスターはRTI301に独特であり、NCBInrデータベースにおいて従来に配列決定された任意のDNAに対して有意な相同性は観察されなかった。従って、このランチビオティック合成オペロンは、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301株の独特な特徴である。
【0105】
広範囲の抗菌生合成経路を有するRTI301株とは対照的に、RTI477株の更なる配列分析では、この株が抗菌特性を有する更に限定された分子群についての生合成経路に関連する遺伝子を有することが明らかになった。RTI477株は、サブチロシン、フェンギシン、サーファクチン、ジフィシジン、バシラエン、バシリシン及びバシロマイシンについての生合成経路を有するが、イツリン、ランチビオティック及びアミロサイクリシンについての完全な生合成経路は観察されなかった。
【0106】
実施例4
バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477分離株及びバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301分離株の抗菌特性
主要な植物病原体に対するバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477分離株及びバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301分離株の拮抗能力をプレートアッセイで測定した。植物真菌病原体に対する拮抗作用の評価のためのプレートアッセイは、4cmの距離で869寒天プレート上に細菌分離株及び病原性真菌を並べて培養することによって実施した。プレートを室温でインキュベートし、増殖阻害、ニッチ占有又は効果無し等の増殖挙動について、2週間まで定期的にチェックした。細菌性病原体に対する拮抗特性をスクリーニングする時、病原体は最初に869寒天プレート上に成育箇所として広げられた。続いて、分離株の各々の培養物の20μlアリコートをプレート上にスポットした。プレートを室温でインキュベートし、RTI477及びRTI301が適用された位置の周りの成育箇所の阻害領域について、2週間まで定期的にチェックした。拮抗活性の概要を、それぞれRTI477株及びRTI301株の各々について、以下の表I及びIIに示す。RTI301株は、RTI477株と比較して、広い範囲の植物病原性微生物に対する優れた拮抗特性を示した。
【0107】
表I.主要な植物病原体に対するバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477分離株の拮抗特性
【表1】
+++非常に強い活性有り、++強い活性有り、+活性有り、+−弱い活性有り、−活性観察されず
【0108】
表II.主要な植物病原体に対するバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301分離株の拮抗特性
【表2】
+++非常に強い活性有り、++強い活性有り、+活性有り、+−弱い活性有り、−活性観察されず
【0109】
実施例5
バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477分離株及びバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301分離株の表現型形質
拮抗特性に加えて、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477株及びバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301株についての様々な表現型形質も測定し、そのデータを以下の表III及びIVにそれぞれの菌株の各々について示す。分析は、表の下の文章に記載された手順に従って実施された。注目すべきことに、RTI477はRTI301と比較してより速く増殖し、強力なスウォーミング表現型を有する。
【0110】
表III.表現型分析:バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477分離株のアセトイン及びインドール酢酸(IAA)の植物ホルモン生成、並びに栄養サイクル
【表3】
+++非常に強い、++強い、+多少、+−弱い、−観察されず
【0111】
表IV.表現型分析:バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301分離株のアセトイン及びインドール酢酸(IAA)の植物ホルモン生成、並びに栄養サイクル
【表4】
+++非常に強い、++強い、+多少、+−弱い、−観察されず
【0112】
アセトイン試験。869富培地中のスターター培養物20μlを、1mlのMethy Red−Voges Proskauer培地(Sigma Aldrich 39484)に移した。培養物を30℃、200rpmで2日間インキュベートした。0.5mlの培養物を移し、0.2g/lのメチルレッド50μlを添加した。赤色は酸生成を示す。残りの0.5mlの培養物を5%α−ナフトール(Sigma Aldrich N1000)0.3ml、次いで40%KOH0.1mlと混合した。30分のインキュベーション後にサンプルを解析した。赤色の進展はアセトイン生成を示す。酸性及びアセトイン試験の両方について、非接種培地をネガティブコントロールとして使用した(Sokolら、1979年、Journal of Clinical Microbiology. 9: 538-540頁)。
【0113】
インドール−3−酢酸。869富培地中のスターター培養物20μlを、0.5g/lトリプトファン(Sigma Aldrich T0254)が添加された1/10の869培地1mlに移した。培養物を30℃、200RPMで4−5日間暗所でインキュベートした。サンプルを遠心分離し、0.1mlの上清を0.2mlのSalkowski試薬(35%過塩素酸、10mM FeCl
3)と混合した。暗所で30分間インキュベートした後、ピンク色を呈するサンプルはIAA合成について陽性と記録された。IAA(Sigma Aldrich I5148)の希釈液を陽性比較として使用し、非接種培地をネガティブコントロールとして使用した(Taghaviら、2009年、Applied and Environmental Microbiology 75: 748-757頁)。
【0114】
リン酸塩可溶化試験。細菌を、グルコース10g、三リン酸カルシウム5g、塩化カリウム0.2g、硫酸アンモニウム0.5g、塩化ナトリウム0.2g、硫酸マグネシウム七水和物0.1g、酵母抽出物0.5g、硫酸マンガン2mg、硫酸鉄2mg及びリットル当たり15gの寒天からなり、pH7であり、オートクレーブ処理されたPikovskaya(PVK)寒天培地上に播種した。透明となる領域を、リン酸塩可溶化細菌の指標とした(Sharmaら、2011年、Journal of Microbiology and Biotechnology Research 1: 90-95頁)。
【0115】
キチナーゼ活性。10%湿重量のコロイド状キチンを、変性PVK寒天培地(グルコース10g、塩化カリウム0.2g、硫酸アンモニウム0.5g、塩化ナトリウム0.2g、硫酸マグネシウム七水和物0.1g、酵母抽出物0.5g、硫酸マンガン2mg、硫酸鉄2mg及びリットル当たり15gの寒天、pH7、オートクレーブ処理)に添加した。細菌をこれらのキチンプレート上に播種し、透明となる領域はキチナーゼ活性を示す(N. K. S. Murthy & Bleakley.、2012年、“Simplified Method of Preparing Colloidal Chitin Used for Screening of Chitinase Producing Microorganisms”、The Internet Journal of Microbiology. 10(2))。
【0116】
プロテアーゼ活性。細菌を10%ミルクを補充した869寒天培地に播種した。透明な領域がプロテアーゼ活性を示唆するタンパク質を分解する能力を示す(Sokolら、1979年、Journal of Clinical Microbiology. 9: 538-540頁)。
【0117】
実施例6
小麦におけるバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477分離株の成長効果
小麦における早期植物成長及び活力についての細菌分離株RTI477の適用の効果を測定した。実験は、表面滅菌した発芽小麦の種子を、室温で暗所において曝気下で、約2×10
7CFU/mlの細菌懸濁液中において2日間接種することによって行った(コントロールも細菌無しで行った)。続いて、接種された種子及びコントロール種子を、砂で満たされた6インチのポットに植え付けた。1ポット毎に10の種子及び1つの処理当たり1つのポットで植え、必要に応じて水及び改変した(Modified)Hoagland溶液を交互に摂取させた。ポットを実験室用窓枠内で約21℃で自然の明/暗サイクルを提供して13日間インキュベートして、その時点で植物を回収し、パラメーターを測定した。9つの植物当たりの総重量として乾燥重量は測定され、総平均乾燥植物重量で、非接種のコントロールでは33.38mgに等しい重量になったのに対し、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477株を接種した植物では35.41mgに等しい重量になり、非接種のコントロールよりも乾燥重量で6%増加している。13日成長させた後の抽出した植物の写真を
図2に示す。
図2Aはコントロール植物を示し、
図2BはRTI477を接種した植物を示す。
【0118】
実施例7
バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301及びバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477の増殖調和性
バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301株と他のバチルス(Bacillus)分離株との調和性は、様々な他の株の成育箇所にRTI301株をスポットすることによって試験した。この実験の結果は、
図3A−3Bに示される。
図3A−3Bは、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301株とバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477株との間の増殖調和性、及びRTI301株と別のバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)株であるアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)でPTA−121166として寄託されているバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)RTI472株との間の調和性の欠如を示す画像である。RTI301株をRTI472株の成育箇所にスポットした場合(
図3A)、RTI472株の増殖について一掃された阻害領域が観察された。対照的に、RTI301株をRTI477株の成育箇所にスポットした場合(
図3B)、RTI477株について、最小限の阻害のみであり細胞成育箇所の一掃は観察されなかった。従って、RTI301及びRTI477の増殖は調和性があると結論付けられた。
【0119】
いかなる特定の作用機序に限定されるものではないが、観察される菌株調和性の差異を説明するために、次のような1つの作用様式が提案される。試験した3つの菌株(即ち、RTI301、RTI472及びRTI477)のゲノム配列に基づき、これらの株は全て、拮抗化合物であるバシリシン、バシラエン、ジフィシジン及びバシロマイシンを産生することが予測された。しかしながら、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301及びバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477の両方はサブチロシンの合成のための遺伝子を有するが、この遺伝子はバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)RTI472のゲノムには存在しない。サブチロシンは、類似又は密接に関連する細菌株の増殖を阻害するために細菌によって産生されるタンパク質性毒素の1種であるバクテリオシンである。従って、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301により合成されたサブチロシンは、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)RTI472の増殖の阻害剤であり得ると仮定された。対照的に、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477株は、RTI477株が自身でサブチロシンを産生し、従って化合物に対して耐性であるため、RTI301によって阻害されない。
【0120】
バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301株とバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477株との間の菌株形態の差異も分析した。これらの菌株の各々の形態を示す画像を、
図4において、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301(
図4A)及びバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477(
図4B)として示す。
図4A−
図4Bにおいて示されるバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301株及びバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477株のコロニー形態は、運動性となる場合の菌株の挙動における潜在的差異を示す。運動性は、植物関連細菌による根圏コロニー形成にとって重要な形質である。バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301は、輪郭のはっきりした円形のコロニーとして増殖する。対照的に、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477は、ふんわりとしたコロニーとして増殖し、スウォーミング及び運動性を示す形態である。スウォーミング及び運動性は、根圏及び植物根の表面の急速なコロニー形成について潜在的に重要な表現型である。また、いかなる特定の作用機序に限定されるものではないが、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477株の形態に示唆される強いスウォーミングの表現型は、この株がバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301よりも根圏のより効率的なコロニーとなり得ることが仮定された。
【0121】
増殖調和性及び表現型に観察される差異に照らして、RTI301株及びRTI477株の組み合わせを、植物の成長及び健康を促進する活性について更に試験した。
【0122】
実施例8
相乗的植物成長促進特性をもたらすバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477及びバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301の組み合わせ
バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477株の栄養細胞を接種又は胞子を被覆した様々な植物種子について、種子の発芽並びに根の発達及び構造におけるプラスの効果を観察した。これは、例えばここでは上記の実施例6での小麦において記載されている。更に、大豆種子に対する発芽、根の発達及び構造、並びに早期植物成長及び/又は植物健康において、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477株及びバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301株の適用の効果を決定するために、実験を行った。RTI301及びRTI477の胞子を用いて次に記載するように実験を行った。実験では、菌株を14L発酵槽中の2XSG中に胞子形成させた。胞子は洗浄されずに回収され、その後、1.0×10
8CFU/mLの濃度とされた。実験において胞子濃度を10倍又はそれより大きく希釈した。滅菌濾紙を個々の滅菌プラスチック成長チャンバーの底に置き、6つの種子を各容器内に置いた。RTI301又はRTI477の胞子の各希釈液3mLを成長チャンバーに加え、これを密封し、19℃で8日間インキュベートし、その後の苗木を画像化した。更に、1:3、1:1及び3:1の比率において添加されたRTI301及びRTI477の胞子の組み合わせも試験した。データを以下の表Vに示す。単独で適用した時、2つの菌株のいずれについても非接種のコントロールと比較して種子の発芽を阻害しなかった。
【0123】
1×10
6、1×10
7及び1×10
8の濃度におけるバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301での大豆種子の接種は、根の発達及び構造に影響を与えなかった。同様の濃度におけるバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477での大豆種子の接種は、最も低い濃度で根の発達及び構造においてほんのわずかな改善をもたらした。予想外に、RTI301及びRTI477の両方の組み合わせ(比率1:3)での大豆種子の接種は、試験された全ての濃度において、根の発達に改善が生じた。RTI301及びRTI477の組み合わせ(比率1:1)での大豆種子の接種は、1×10
6CFU/ml及び1×10
7CFU/mlの濃度で根の発達に改善をもたらし、1×10
6CFU/mlの濃度で最も一貫した結果が観察された。根の発達における最良の結果は、RTI301及びRTI477を3:1の比率において1×10
6CFU/mlの濃度で適用した時に観察された。
【0124】
更に、RTI301+RTI477の胞子(比率3:1)での種子の接種のプラスの効果の画像を、
図5A及び
図5Bに示す(A−コントロール植物;B−10
6cfu/mlにおいてRTI301+RTI477(比率3:1)で接種した植物)。
図5A−5Bに示すように、効果は根の形成及び構造に関して特にプラスとなっていた。細根は、水、栄養分の摂取及び根圏の他の微生物との植物相互作用において重要である。これらの結果は、個々の株の適用はコントロール植物と比較して全く又はほとんど効果を示さなかった一方で、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477株及びバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301株の組み合わせの適用での種子処理は、大豆の早期成長及び樹立について有意な利益を有し得ることを示す。
【0125】
表V.RTI301及びRTI477の胞子での処理についての大豆種子発芽分析
【表5】
+++非常に顕著な成長有益性有り、++強い成長有益性有り、+成長有益性有り、+−弱い成長有益性有り、=影響は観察されず、−弱い阻害有り、−−強い阻害有り、n.d.測定せず
【0126】
RTI301株及びRTI477株の組み合わせでの植物種子の接種後の植物成長及び発達における効果を調べるために、更なる実験を行った。具体的には、大豆における実験は次のように設定した。1)未処理の種子。2)典型的な大豆種子処理であるCRUISERMAXX(チアメトキサム、フルジオキソニル+メタラキシル−Mを含む殺虫剤+殺真菌剤;SYNGENTA CROP PROTECTION,INC)及びチオファネートメチル殺真菌剤の組み合わせで処理した種子(CRUISERMAXX及びチオファネートメチルの組み合わせは“CHEMコントロール”として示す)。3)CHEMコントロールで処理し、5.0×10
+5cfu/種子でRTI301株を接種した種子。4)CHEMコントロールで処理し、5.0×10
+5cfu/種子でRTI477株を接種した種子。5)CHEMコントロールで処理し、5.0×10
+5cfu/種子で両方の株の組み合わせを接種した種子。1回の試験毎の1回の処理当たり4又は5回反復して10回の試験を実施した。ウィスコンシン州(2)、インディアナ州(2)、イリノイ州(3)及びアイオワ州(3)に位置する試験野外箇所での、10回の野外試験についての平均大豆収量結果(エーカー当たりのブッシェル)を下記表VIに示す。4つの試験でリゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)を接種し、3つの試験でフザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)又はF.ビルグリフォルメ(F. virguliforme)のいずれかを接種し、1つの試験でフィトフトラ・ソジェ(Phytophthora sojae)を接種し、2つの試験を非接種とした。各病原体は、オートクレーブ処理され湿らせた穀物種子に別々に増殖させ、次いで空気乾燥させた。選択した試験で使用される乾燥させた接種材料を、種子が成長し始めた時に感染がなされるように所定の割合で種子と混合して植え付けた。
【0127】
表VIの結果は、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301又はバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477のいずれか単独の接種は、CHEMコントロール単独で処理した種子と比較した時、大豆の全体の平均収量に影響を及ぼさなかったことを示す。先の実験で観察されたように、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301及びバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477の組み合わせでの接種は相乗効果をもたらし、10回の野外試験での平均において、大豆収量の5%増加の結果となった(エーカー当たり58.2から61.1ブッシェル、表VI参照)。特に、非接種野外試験(N=2試験)の野外についてRTI301及びRTI477の組み合わせ+化学コントロールでは化学コントロールよりもエーカー当たり3.7ブッシェルの収量利益が観察され、リゾクトニア(Rhizoctonia)を接種した試験(N=4試験)について2つの菌株+化学コントロールでは化学コントロールよりもエーカー当たり4.3ブッシェル増加しており、フザリウム(Fusarium)を接種した試験(N=3試験)について2つの菌株+化学コントロールでは化学コントロールよりもエーカー当たり1.5ブッシェル増加しており、フィトフトラ(Phytophthora)を接種した試験(N=1試験)について2つの菌株+化学コントロールでは化学コントロールよりもエーカー当たり1.0ブッシェル増加しており、このように、病害接種及び化学的殺真菌剤での種子処理とは無関係に収量応答が起こった。
【0128】
表VI.バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477及び両方の株の組み合わせでの大豆種子の接種の平均結果
【表6】
【0129】
いかなる特定の作用機序に限定されるものではないが、大豆収量における2つの菌株の組み合わせで観察される相乗的結果の1つの説明は次の通りである。バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301は、密接に関連するバチルス(Bacillus)種を含む真菌及び細菌の両方の競合する菌株の増殖及び発育を阻害することができるサブチロシン等の広範な拮抗代謝物を産生する。そうすることによって、植物に単独で適用された時のRTI301株は、根圏においてその確立のためのニッチ/スペースを開くことができる。しかし、データは、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301について強い植物成長促進特性を支持していない。従って、RTI301株が導入され根圏においてニッチを開いた後、定着され得るが、植物の成長及び/又は植物の健康を有意に促進することはできない。これは、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301単独での種子処理後の大豆について収量増加が観察されないことによって確認される。
【0130】
対照的に、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477は、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301よりも狭い範囲の拮抗作用を有するように見え、従って、植物種子に単独で適用された時に定着するようにニッチを開くことにおいて低効率と予想され得る。結果として、その株はより簡単には大豆の根圏において確立され得ず、植物の成長に有益な効果をもたらし得ないことになる。これは、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477単独での種子処理後の大豆について収量増加が観察されないことによって確認される。
【0131】
バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477株の増殖は、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301と調和性を有することが実験により示されている。更に、RTI477の表現型はこの株が強力なスウォーミング表現型であり得ることを示し、そのため、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301よりも根圏でのより効率的なコロニー形成種となることが仮説される。従って、両株の組み合わせは大豆における有益な効果を有することが期待できる。具体的には、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301が大豆の根圏内に確立のためのニッチを開いた後、そのスウォーミング表現型のためにバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477によって、菌株が外へと競合され(outcompeted)得る。RTI477株は、その後、その植物宿主に有益な効果を提供することができる大豆の根圏内に自身を確立し得る。これは、両方の菌株の組み合わせでの植物種子の接種後に観察された大豆の収量増加によって確認された。
【0132】
実施例9
バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477及びバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301の胞子の組み合わせでの種子処理のコーンの収量増加
RTI301株及びRTI477株の組み合わせでの植物種子接種後の植物の成長、発達及び収量における効果を調べるために、更なる実験を行った。
【0133】
具体的には、コーンにおける実験は次のように設定し、データを以下の表IXに要約する。1)未処理の種子(“UTC”)。2)典型的なコーン種子処理であるMAXIM(その有効成分として広域スペクトル種子処理殺真菌剤フルジオキソニル0.0625mg/種子;SYNGENTA CROP PROTECTION,INC)、APRON XL(活性成分メタラキシル−M0.0625mg/種子;SYNGENTA CROP PROTECTION,INC)及びPONCHO(クロチアニジン殺虫剤0.25mg/種子;BAYER CROPSCIENCE,INC)の組み合わせで処理した種子(MAXIM、APRON XL及びPONCHOの組み合わせを“CHEMコントロール”又は“CC”として示す)。3)CHEMコントロール+RTI301株及びRTI477株を各々5.0×10
+5cfu/種子で組み合わせて処理した種子(“CC+RTI301/477 1:1”)。自然の病気圧力又はリゾクトニア(Rhizoctonia)での土壌の接種の各々の条件下において、1回の試験毎の1回の処理当たり5回反復して2回の試験を実施した。接種試験では、リゾクトニア(Rhizoctonia)はオートクレーブ処理され湿らせた穀物種子に別々に増殖させ、次いで空気乾燥させた。乾燥させた接種材料を、種子が成長し始めた時に感染がなされるように所定の割合で種子と混合して植え付けた。野外試験での平均コーン収量結果(エーカー当たりのブッシェル)は下記の表IXに示され、試験野外箇所はイリノイ州ショーネタウンに位置する。
【0134】
表VIIの結果は、CHEMコントロール単独で処理した種子と比較した場合、CHEMコントロール+バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301及びバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477の1対1の組み合わせを接種すると、平均コーン収量を有意に増加させたことを示している。特に、RTI301及びRTI477の1:1の組み合わせ+化学コントロールは、化学コントロール単独よりも、自然病原体圧力及びリゾクトニア(Rhizoctonia)接種野外試験の各々について、エーカー当たり10.7ブッシェル及びエーカー当たり59.8ブッシェルの収量増加が観察された。これらのデータは、これらの株の組み合わせでの種子の処理が、コーン収量を有意に増強することを示す。
【0135】
表VII.自然の病気圧力及びリゾクトニア(Rhizoctonia)の人工接種の両方における条件下での、未処理のコーン種子(UTC)、化学コントロールでの処理のコーン種子(CC)及びCC+バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301及びバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477の組み合わせでの処理のコーン種子についての収量増加。統計的関連性(文字としての)は、P=0.1に基づく。
【表7】
【0136】
実施例10
リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)を人工的に接種した大豆におけるバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477及びバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301の組み合わせでの種子処理による収量増加
病原体防除のために化学活性剤に加えてRTI301株及びRTI477株の組み合わせで種子を処理した場合の大豆における出芽及び収量の効果を調べるために、実験を行った。具体的には、大豆における実験は次のように設定した。1)未処理の種子(UTC)。2)典型的な大豆種子処理であるCRUISERMAXX(チアメトキサム、フルジオキソニル+メタラキシル−Mを含む殺虫剤+殺真菌剤;SYNGENTA CROP PROTECTION,INC)及びチオファネートメチル殺真菌剤の組み合わせで処理した種子(CRUISERMAXX及びチオファネートメチルの組み合わせは“CHEMコントロール”として示す)。3)VIBRANCE(活性成分セダキサン;SYNGENTA CROP PROTECTION,INC)で処理した種子。4)CHEMコントロール+RTI301株及びRTI477株を各々5.0×10
+5cfu/種子で処理した種子。1回の試験毎の1回の処理当たり4回反復して、ホワイトウォーター、WIにおいて、2回の試験を実施した。試験は、オートクレーブ処理され湿らせた穀物種子に別々に病原体を最初に増殖させることによりリゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)を接種し、続いて乾燥させた接種材料を、種子が成長し始めた時に感染がなされるように所定の割合で植え付け時において種子と混合した。試験での平均大豆出芽及び収量の結果を、以下の表VIIIに示す。表VIIIの結果は、CHEMコントロールに加えてバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301及びバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477の組み合わせで処理すると、化学活性剤単独の収量よりも、エーカー当たり13.3ブッシェルの収量における平均増加をもたらすことを示す(エーカー当たり59.4から72.7ブッシェル)。従って、RTI301及びRTI477の組み合わせでの種子処理は、重大な病原体圧力の条件下でさえも、大豆の収量において有意な改善をもたらすことができる。
【0137】
表VIII.大豆種子用化学活性剤に加えてB.
ベレゼンシス(B.
velezensis)RTI301及びB.サブチリス(B. subtilis)RTI477の組み合わせでの大豆種子処理による、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)を人工的に接種した植物での野外試験の大豆出芽及び収量における平均結果
【表8】
【0138】
実施例11
果実及び野菜におけるバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301分離株+バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477分離株での点滴灌漑の効果
スカッシュ、トマト及びペッパーにおけるバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301+バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477の胞子での点滴灌漑の効果を調べるために、野外試験実験を行った。土壌菌によって引き起こされる病害圧は、いずれの試験でも記録されなかった。植物収量における効果は、下記の実験に従って決定した。
【0139】
ペッパー植物(ジャラペノペッパー)では、植え付け時における根域のドレンチを介して、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301及びバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477の両方の株毎に1.25×10
12CFU/ヘクタールの割合で胞子を適用し、続いて移植後17日及び35日において同じ割合で2回滴下適用して、野外試験を実施した。ACCOMPLISH LM(LOVELAND PRODUCTS)を商業用コントロールとして使用して、RTI301+RTI477の組み合わせについて記載したのと同じ方法で2340ml/Haの割合で適用した。この製品は、アシドボラックス・ファシリス(Acidovorax facilis)(1×10
3cfu/ml)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)(1×10
3cfu/ml)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)(1×10
3cfu/ml)、バチルス・オレロニウス(Bacillus oleronius)(1×10
3cfu/ml)、バチルス・マリヌス(Bacillus marinus)(1×10
3cfu/ml)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)(1×10
3cfu/ml)及びロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)(1×10
3cfu/ml)の混合を含有する。
【0140】
RTI301+RTI477胞子の添加は、細菌胞子が適用されていない未処理のコントロール植物と比較して、並びに商業用コントロール植物と比較して、ジャラペノペッパーについての収量の増加をもたらした。具体的には、RTI301+RTI477で処理した植物は合計4154kg/Haの市場性のあるジャラペノペッパーをもたらし、未処理のコントロール植物及びACCOMPLISHで処理した植物について、各々の3455kg/Ha及び3930kg/Haで比較すると、市場性のあるペッパーの重量において各々20%及び5.7%の増加を示す。未処理コントロール植物及び商業的基準で処理された植物に対する、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301+バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477胞子で処理した植物の市場性のあるペッパーの重量の実質的な増加は、この処理によりもたらされるプラスの成長効果を示している。
【0141】
トマト植物では、植え付け時における根域のドレンチを介して、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301については0.625×10
12CFU/ヘクタール、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477については3.75×10
12CFU/ヘクタールの割合で胞子を適用して、続いて移植後17日及び35日において同じ割合で2回滴下適用して、同様の野外試験を実施した。ACCOMPLISH LMを商業用コントロールとして使用して、2340ml/Haの割合でRTI301+RTI477の組み合わせについて記載したのと同じ方法で適用した。
【0142】
RTI301+RTI477胞子の添加は、細菌胞子がドレンチ及び灌漑に含まれていない未処理のコントロール植物と比較して、並びに商業用コントロール植物と比較して、トマトについての総収量及び市場性収量の両方において増加をもたらした。具体的には、RTI301+RTI477で処理した植物は合計21824kg/Haの市場性のあるトマトをもたらし、未処理のコントロール植物及びACCOMPLISHで処理した植物について、各々の16765kg/Ha及び21420kg/Haで比較すると、市場性のあるトマトの重量において各々30.2%及び1.9%の増加を示す。バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301+バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477胞子で処理した植物の市場性のあるトマト重量の実質的な増加は、特に未処理のコントロール植物と比較して、この処理によりもたらされるプラスの成長効果を示している。
【0143】
スカッシュ植物では、植え付け時に根域のドレンチを介して、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301については3.75×10
12CFU/ヘクタール、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477については0.625×10
12CFU/ヘクタールの割合で胞子を適用して、点滴灌漑による更なる適用をすることなく、同様の野外試験を実施した。ACCOMPLISH LMを商業用コントロールとして使用して、RTI301+RTI477の組み合わせについて記載したのと同じ方法で2340ml/Haの割合で適用した。
【0144】
RTI301+RTI477胞子の添加は、細菌胞子がドレンチに含まれていない未処理のコントロール植物と比較して、並びに商業用コントロール植物と比較して、スカッシュについての総収量及び市場性収量の両方において増加をもたらした。具体的には、RTI301+RTI477で処理した植物は合計873.4kg/Haのスカッシュをもたらし、未処理のコントロール植物及びACCOMPLISHで処理した植物について、各々の838.3kg/Ha及び836.1kg/Haで比較すると、総スカッシュの重量において各々4.2%及び4.5%の増加を示す。未処理コントロール植物及び商業的基準で処理された植物に対する、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301+バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477胞子で処理した植物の総スカッシュ重量の増加は、この処理によってもたらされるプラスの成長効果を示している。
【0145】
実施例12
バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477分離株及びバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301分離株により産生される新しい代謝物の同定
バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)及びバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)を含む微生物種によって5種類のフェンギシン型代謝物及びデヒドロキシフェンギシン型代謝物が産生されることがこれまでに報告されている(例えば、Li, Xing-Yuら、2013年、J. Microbiol. Biotechnol. 23(3), 313-321頁;Pecci Yら、2010年、Mass Spectrom., 45(7):772-77頁参照)。これらの代謝物は、脂肪酸基も含む環状ペプチド分子である。5種類のフェンギシン型及びデヒドロキシフェンギシン型代謝物は、A、B、C、D及びSと示される。これらの代謝物の骨格構造並びに5種類のそれぞれについての特定のアミノ酸配列を
図6に示す。バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)において、フェンギシン型化合物はプリパスタチンと示される。プリパスタチンA及びBは分子量がフェンギシンA及びBと同様であり、ペプチド環の3位のチロシン残基がフェンギシンではD体及びプリパスタチンではL体であり、ペプチド環の9位のチロシン残基がフェンギシンではL体及びプリパスタチンではD体であるという側面が異なるのみである(Marc Ongena and Philippe Jacques、2007年、Trends in Microbiology Vol.16, No.3: 115-125頁)。本明細書及び特許請求の範囲では、用語“フェンギシン”は、プリパスタチン代謝物及びフェンギシン代謝物の両方を指すように使用される。同様に、本明細書及び特許請求の範囲の目的のために、用語“デヒドロキシフェンギシン”は、デヒドロキシプリパスタチン代謝物及びデヒドロキシフェンギシン代謝物の両方を指すように使用される。
【0146】
バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477及びバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301により産生されるフェンギシン型及びデヒドロキシフェンギシン型代謝物を、UHPLC−TOF MSを用いて分析した。30℃で869培地又は2×SG培地で6日間増殖させた後のこれらの株により産生されるこれらの代謝物の分子量を、フェンギシン型及びデヒドロキシフェンギシン型代謝物について予想される理論的分子量と比較した。更に、これらの株により産生される種々のフェンギシン型代謝物のアミノ酸組成を決定するために、UHPLC−TOF MSを介して従来に同定されたフェンギシン型代謝物の各々について、LC−MS−MSを用いたペプチド配列決定を行った。このようにして、これらの株がフェンギシンA、B、C、D及びS、並びにデヒドロキシフェンギシンA、B、C、D及びSを産生することが決定された。驚くべきことに、これらの既知の化合物に加えて、これらの株は従来に同定されていないこれらの化合物の誘導体を産生することも決定された。
【0147】
例えば、バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301株は、環状ペプチド鎖の8位のL−イソロイシン(
図6においてX
3として示す)がL−メチオニンで置換されたフェンギシン様及びデヒドロキシフェンギシン様化合物を産生することが判明した。新しい種類のフェンギシン及びデヒドロキシフェンギシンは、ここではMA、MB及びMCとして示され、
図6のX
3のL−イソロイシンがL−メチオニンで置換されたA、B及びCの種類の誘導体で示される。新たに同定された分子を、
図6及び以下の表IXに示す。新しく同定されたフェンギシンMA、MB及びMC化合物はRTI477株でも観察されたが、対応するデヒドロキシフェンギシンMA、MB及びMC化合物はRTI477株では観察されなかった(表IX)。
【0148】
RTI301株は、従来に同定されていない更なる種類のフェンギシン及びデヒドロキシフェンギシンを産生することが更に決定された。この種類では、フェンギシンB及びデヒドロキシフェンギシンBのL−イソロイシン(
図6の位置X
3)がL−ホモ−システイン(Hcy)で置換されている。これらの従来に同定されていないフェンギシン及びデヒドロキシフェンギシンの代謝物は、ここではフェンギシンH及びデヒドロキシフェンギシンHとして示され、
図6及び表IXに示されている。新しく同定されたフェンギシンH化合物はRTI477株でも観察されたが、対応するデヒドロキシフェンギシンH化合物はRTI477株では観察されなかった(表IX)。
【0149】
RTI301株は、従来に同定されていない更なる種類のフェンギシン及びデヒドロキシフェンギシン代謝物を産生することが更に決定された。この種類では、環状ペプチド主鎖構造の4位のアミノ酸(
図6の位置X
1)がL−イソロイシンで置換されている。これらの従来に同定されていない代謝物は、ここではフェンギシンI及びデヒドロキシフフェンギシンIとして示され、
図6及び表IXに示されている。新しく同定されたフェンギシンI及びデヒドロキシフフェンギシンI化合物の両方は、RTI477株でも観察された(表IX)。
【0150】
従来に報告されたフェンギシン型及びデヒドロキシフェンギシン型代謝物と新たに同定された代謝物についてのアミノ酸配列の要約を以下の表IXに示す。
表IX.バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477分離株及びバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301分離株のフェンギシン型代謝物のMS/MS同定の概要
【表9】
【0151】
参考文献
ここで引用した全ての刊行物、特許出願、特許及び他の参考文献は、その全体が参照によりここに組み込まれる。
【0152】
前述の主題は、理解を明確にする目的で例示及び実施例によってある程度詳細に記載されているが、当業者であれば特許請求の範囲内で特定の変更及び変形を実施できることは理解されるだろう。
【0153】
(付記)
(付記1)
植物の成長及び/又は植物の健康に利益をもたらすための組成物であって、
ATCC番号PTA−121165として寄託されたバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物、及び、
ATCC番号PTA−121167として寄託されたバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物、を含み、
前記植物の種子、前記植物の根又は前記植物の周囲の土壌への当該組成物の適用は、植物の成長及び/又は植物の健康に利益をもたらす、
組成物。
【0154】
(付記2)
植物の成長及び/又は植物の健康に有益な特性は、収量の増加、苗木の活力の改善、根の発達の改善、植物の成長の改善、植物の健康の改善、外観の改善、植物病原体に対する抵抗性の改善、病原体感染の減少又はそれらの組み合わせを含む、付記1に記載の組成物。
【0155】
(付記3)
前記組成物は、液体、油分散体、粉剤、乾燥水和性粉末剤、展延性粒剤又は乾燥水和性粒剤の形態である、付記1に記載の組成物。
【0156】
(付記4)
前記組成物は、液体の形態であり、
前記バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477及び前記バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301の各々は、約1.0×10
8CFU/mlから約1.0×10
12CFU/mlの濃度で存在する、
付記1に記載の組成物。
【0157】
(付記5)
前記組成物は、粉剤、乾燥水和性粉末剤、展延性粒剤又は乾燥水和性粒剤の形態であり、
前記バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477及び前記バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301の各々は、約1.0×10
8CFU/gから約1.0×10
12CFU/gの量で存在する、
付記1に記載の組成物。
【0158】
(付記6)
前記組成物は、油分散体の形態であり、
前記バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477及び前記バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301の各々は、約1.0×10
8CFU/mlから約1.0×10
12CFU/mlの濃度で存在する、
付記1に記載の組成物。
【0159】
(付記7)
前記バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477及び前記バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301の各々は、胞子又は栄養細胞の形態で存在する、付記1に記載の組成物。
【0160】
(付記8)
担体、分散剤又は酵母抽出物のうちの1つ又は組み合わせを更に含む、付記1に記載の組成物。
【0161】
(付記9)
植物の成長に利益をもたらす及び/又は植物における病原体感染に対する保護を与えるのに適切な量で存在する、微生物学的、生物学的又は化学的な、殺虫剤、殺真菌剤、殺線虫剤、殺細菌剤、除草剤、植物抽出物、植物成長調整剤又は肥料のうちの1つ又は組み合わせを更に含む、付記1に記載の組成物。
【0162】
(付記10)
前記殺虫剤は、ビフェントリンを含む、付記9に記載の組成物。
【0163】
(付記11)
前記組成物は、液体肥料と相溶性を有する製剤中にある、付記10に記載の組成物。
【0164】
(付記12)
前記組成物は、水和ケイ酸アルミニウム−マグネシウム及び少なくとも1つの分散剤を更に含む、付記10に記載の組成物。
【0165】
(付記13)
前記ビフェントリン殺虫剤は、0.1g/mlから0.2g/mlの範囲の濃度で存在する、付記10に記載の組成物。
【0166】
(付記14)
前記ビフェントリン殺虫剤は、約0.1715g/mlの濃度で存在する、付記10に記載の組成物。
【0167】
(付記15)
前記組成物は、植え付け用の基盤(matrix)の形態である、付記1に記載の組成物。
【0168】
(付記16)
前記植え付け用の基盤は、鉢植え用の土の形態である、付記15に記載の組成物。
【0169】
(付記17)
植物の成長及び/又は植物の健康に利益をもたらすための組成物で被覆された植物種子であって、
前記組成物は、ATCC番号PTA−121165として寄託されたバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物の胞子、及び、ATCC番号PTA−121167として寄託されたバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物の胞子、を含む、
植物種子。
【0170】
(付記18)
植物の成長及び/又は植物の健康への前記利益は、収量の増加、苗木の活力の改善、根の発達の改善、植物の成長の改善、植物の健康の改善、外観の改善、植物病原体に対する抵抗性の改善又は病原体感染の減少のうちの1以上を含む、付記17に記載の植物種子。
【0171】
(付記19)
前記植物病原体は、昆虫、線虫、植物病原性真菌又は植物病原性細菌のうちの1つ又は組み合わせを含む、付記17に記載の植物種子。
【0172】
(付記20)
前記植物病原体は、植物真菌病原体、植物細菌病原体、さび病菌、ボトリチス属種(Botrytis spp.)、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)、ボトリチス・スクアモサ(Botrytis squamosa)、エルウィニア属種(Erwinia spp.)、エルウィニア・カロトボラ(Erwinia carotovora)、エルウィニア・アミロボラ(Erwinia amylovora)、フザリウム属種(Fusarium spp.)、フザリウム・コルモラム(Fusarium colmorum)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・オキシスポラムf属種キューベンセ(Fusarium oxysporum f. sp. Cubense)、フザリウム・オキシスポラムf属種リコペルシシ(Fusarium oxysporum f. sp. Lycopersici)、フザリウム・ビルグリフォルメ(Fusarium virguliforme)、キサントモナス属種(Xanthomonas spp.)、キサントモナス・アクソノポディス(Xanthomonas axonopodis)、キサントモナス・カンペストリス・パソバー・カロテ(Xanthomonas campestris pv. carotae)、キサントモナス・プルニ(Xanthomonas pruni)、キサントモナス・アルボリコラ(Xanthomonas arboricola)、キサントモナス・オリゼ・パソバー・オリゼ(Xanthomonas oryzae pv. oryzae)、シュードモナス属種(Pseudomonas spp.)、シュードモナス・シリンゲ・パソバー・トマト(Pseudomonas syringae pv. Tomato)、フィトフトラ属種(Phytophthora spp.)、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)、フィトフトラ・パラシチカ(Phytophthora parasitica)、フィトフトラ・ソジェ(Phytophthora sojae)、フィトフトラ・カプシシ(Phytophthora capsici)、フィトフトラ・シナモン(Phytophthora cinnamon)、フィトフトラ・フラガリエ(Phytophthora fragariae)、フィトフトラ属種(Phytophthora spp.)、フィトフトラ・ラモラム(Phytophthora ramorum)、フィトフトラ・パルミバラ(Phytophthora palmivara)、フィトフトラ・ニコチアネ(Phytophthora nicotianae)、リゾクトニア属種(Rhizoctonia spp.)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、リゾクトニア・ゼエ(Rhizoctonia zeae)、リゾクトニア・オリゼ(Rhizoctonia oryzae)、リゾクトニア・カリテ(Rhizoctonia caritae)、リゾクトニア・セレアリス(Rhizoctonia cerealis)、リゾクトニア・クロコラム(Rhizoctonia crocorum)、リゾクトニア・フラガリエ(Rhizoctonia fragariae)、リゾクトニア・ラミコラ(Rhizoctonia ramicola)、リゾクトニア・ルビ(Rhizoctonia rubi)、リゾクトニア・レグミニコラ(Rhizoctonia leguminicola)、マクロフォミナ・ファソリナ(Macrophomina phaseolina)、マグナオルテ・オリゼ(Magnaorthe oryzae)、ピチウム属種(Pythium spp.)、ピチウム・ウルチマム(Pythium ultimum)、ピチウム・アファニデルマタム(Pythium aphanidermatum)、ピチウム・イレギュラウム(Pythium irregularum)、ピチウム・ウロサム(Pythium ulosum)、ピチウム・ルトリアリウム(Pythium lutriarium)、ピチウム・シルバチウム(Pythium sylvatium)、ウスチラゴ属種(Ustilago spp.)、ウスチラゴ・ヌーダ(Ustilago nuda)、ウスチラゴ・マイディス(Ustilago maydis)、ウスチラゴ・サイタミネア(Ustilago scitaminea)、クラビセプス属種(Claviceps spp.)、クラビセプス・ププレア(Claviceps puprrea)、ティレチア属種(Tilletia spp.)、ティレチア・トリチシ(Tilletia tritici)、ティレチア・ラエビス(Tilletia laevis)、ティレチア・ホリド(Tilletia horrid)、ティレチア・コントロベルサ(Tilletia controversa)、フォーマ属種(Phoma spp.)、フォーマ・グリシニコラ(Phoma glycinicola)、フォーマ・エキシグア(Phoma exigua)、フォーマ・リンガム(Phoma lingam)、コクリオボラス・サチバス(Cocliobolus sativus)、ガエウマノマイセス・ガミニス(Gaeumanomyces gaminis)又はコレトトリカム属種(Colleototricum spp.)のうちの1以上を含む、付記17に記載の植物種子。
【0173】
(付記21)
前記バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477及び前記バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301の各々は、約1.0×10
2CFU/種子から約1.0×10
9CFU/種子の範囲の量で存在する、付記17に記載の植物種子。
【0174】
(付記22)
前記植物種子は、単子葉植物、双子葉植物、穀物、コーン、スイートコーン、ポップコーン、シードコーン、サイレージコーン、フィールドコーン、米、小麦、大麦、ソルガム、アブラナ科野菜、ブロッコリー、キャベツ、カリフラワー、芽キャベツ、コラード、ケール、マスタードグリーン、コールラビ、球根野菜、玉ネギ、ニンニク、エシャロット、フルーツ野菜、ペッパー、トマト、ナス、グラウンドチェリー、トマティロ、オクラ、ブドウ、ハーブ/スパイス、ウリ科野菜、キュウリ、カンタロープ、メロン、マスクメロン、スカッシュ、スイカ、カボチャ、ナス、葉野菜、レタス、セロリ、ホウレン草、パセリ、ラディッキオ、マメ科植物/野菜(多肉の乾燥した豆(bean)及び鞘に入った豆(pea))、インゲン豆(又はソラ豆)、サヤインゲン、スナップ豆、シェルビーンズ、大豆、ドライビーンズ、ガルバンゾー豆、リマ豆、エンドウ豆、ヒヨコ豆、スプリットピー、レンズ豆、油糧種子作物、キャノーラ、キャスター、綿、亜麻、ピーナッツ、菜種、ベニバナ、ゴマ、ヒマワリ、大豆、根/塊茎及び球茎野菜、ニンジン、ジャガイモ、サツマイモ、ビーツ、ショウガ、西洋ワサビ、ダイコン、朝鮮人参、カブ、サトウキビ、テンサイ、草(Grass)又は芝草(Turf grass)の種子を含む、付記17に記載の植物種子。
【0175】
(付記23)
前記植物は、大豆又はコーンの種子を含み、
前記植物の成長の利益は、収量の増加により示される、
付記17に記載の植物種子。
【0176】
(付記24)
植物の成長に利益をもたらす及び/又は植物における病原体感染に対する保護を与えるのに適切な量で存在する、微生物学的、生物学的又は化学的な、殺虫剤、殺真菌剤、殺線虫剤、殺細菌剤、除草剤、植物抽出物、植物成長調整剤又は肥料のうちの1つ又は組み合わせを更に含む、付記17に記載の植物種子。
【0177】
(付記25)
前記殺虫剤は、ビフェントリンを含む、付記24に記載の植物種子。
【0178】
(付記26)
植物の成長及び/又は植物の健康に利益をもたらすための方法であって、
当該方法は、
ATCC番号PTA−121165として寄託されたバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物、及び、
ATCC番号PTA−121167として寄託されたバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物、
を含む組成物を、植物の種子、植物の根又は植物の周囲の土壌に送達することを含み、
前記組成物の送達は、植物の成長及び/又は植物の健康に利益をもたらす、
方法。
【0179】
(付記27)
植物の成長及び/又は植物の健康への前記利益は、収量の増加、苗木の活力の改善、根の発達の改善、植物の成長の改善、植物の健康の改善、外観の改善、植物病原体に対する抵抗性の改善、病原体感染の減少又はそれらの組み合わせを含む、付記26に記載の方法。
【0180】
(付記28)
前記植物病原体は、昆虫、線虫、植物病原性真菌又は植物病原性細菌のうちの1つ又は組み合わせを含む、付記27に記載の方法。
【0181】
(付記29)
前記植物病原体は、植物真菌病原体、植物細菌病原体、さび病菌、ボトリチス属種(Botrytis spp.)、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)、ボトリチス・スクアモサ(Botrytis squamosa)、エルウィニア属種(Erwinia spp.)、エルウィニア・カロトボラ(Erwinia carotovora)、エルウィニア・アミロボラ(Erwinia amylovora)、ディケヤ属種(Dickeya spp.)、ディケヤ・ダダンチイ(Dickeya dadantii)、ディケヤ・ソラニ(Dickeya solani)、アグロバクテリウム属種(Agrobacterium spp.)、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、キサントモナス属種(Xanthomonas spp.)、キサントモナス・アクソノポディス(Xanthomonas axonopodis)、キサントモナス・カンペストリス・パソバー・カロテ(Xanthomonas campestris pv. carotae)、キサントモナス・プルニ(Xanthomonas pruni)、キサントモナス・アルボリコラ(Xanthomonas arboricola)、キサントモナス・オリゼ・パソバー・オリゼ(Xanthomonas oryzae pv. oryzae)、キシレラ属種(Xylella spp.)、キシレラ・ファスチディオーサ(Xylella fastidiosa)、カンジダタス属種(Candidatus spp.)、カンジダタス・リベリバクター(Candidatus liberibacter)、フザリウム属種(Fusarium spp.)、フザリウム・コルモラム(Fusarium colmorum)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・オキシスポラムf属種キューベンセ(Fusarium oxysporum f. sp. Cubense)、フザリウム・オキシスポラムf属種リコペルシシ(Fusarium oxysporum f. sp. Lycopersici)、フザリウム・ビルグリフォルメ(Fusarium virguliforme)、スクレロチニア属種(Sclerotinia spp.)、スクレロチニア・スクレロチオラム(Sclerotinia sclerotiorum)、スクレロチニア・マイナー(Sclerotinia minor)、スクレロチニア・ホメオカルパ(Sclerotinia homeocarpa)、セルコスポラ/セルコスポリディウム属種(Cercospora/Cercosporidium spp.)、ウンシヌラ属種(Uncinula spp.)、ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator)(うどんこ病菌)、ポドスフェラ属種(Podosphaera spp.)(うどんこ病菌)、ポドスフェラ・ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha)、ポドスフェラ・クランデスチン(Podosphaera clandestine)、ホモプシス属種(Phomopsis spp.)、ホモプシス・ビチコラ(Phomopsis viticola)、アルテルナリア属種(Alternaria spp.)、アルテルナリア・テヌイッシマ(Alternaria tenuissima)、アルテルナリア・ポーリ(Alternaria porri)、アルテルナリア・アルテルナート(Alternaria alternate)、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)、アルテルナリア・テヌイス(Alternaria tenuis)、シュードモナス属種(Pseudomonas spp.)、シュードモナス・シリンゲ・パソバー・トマト(Pseudomonas syringae pv. Tomato)、フィトフトラ属種(Phytophthora spp.)、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)、フィトフトラ・パラシチカ(Phytophthora parasitica)、フィトフトラ・ソジェ(Phytophthora sojae)、フィトフトラ・カプシシ(Phytophthora capsici)、フィトフトラ・シナモン(Phytophthora cinnamon)、フィトフトラ・フラガリエ(Phytophthora fragariae)、フィトフトラ属種(Phytophthora spp.)、フィトフトラ・ラモラム(Phytophthora ramorum)、フィトフトラ・パルミバラ(Phytophthora palmivara)、フィトフトラ・ニコチアネ(Phytophthora nicotianae)、ファコプソラ属種(Phakopsora spp.)、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)、ファコプソラ・メイボミエ(Phakopsora meibomiae)、アスペルギルス属種(Aspergillus spp.)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、ウロマイセス属種(Uromyces spp.)、ウロマイセス・アペンディキュラタス(Uromyces appendiculatus)、クラドスポリウム属種(Cladosporium spp.)、クラドスポリウム・ヘルバラム(Cladosporium herbarum)、リゾプス属種(Rhizopus spp.)、リゾプス・アリザス(Rhizopus arrhizus)、ペニシリウム属種(Penicillium spp.)、リゾクトニア属種(Rhizoctonia spp.)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、リゾクトニア・ゼエ(Rhizoctonia zeae)、リゾクトニア・オリゼ(Rhizoctonia oryzae)、リゾクトニア・カリテ(Rhizoctonia caritae)、リゾクトニア・セレアリス(Rhizoctonia cerealis)、リゾクトニア・クロコラム(Rhizoctonia crocorum)、リゾクトニア・フラガリエ(Rhizoctonia fragariae)、リゾクトニア・ラミコラ(Rhizoctonia ramicola)、リゾクトニア・ルビ(Rhizoctonia rubi)、リゾクトニア・レグミニコラ(Rhizoctonia leguminicola)、マクロフォミナ・ファソリナ(Macrophomina phaseolina)、マグナオルテ・オリゼ(Magnaorthe oryzae)、マイコスフェレラ属種(Mycosphaerella spp.)、マイコスフェレラ・グラミノコラ(Mycosphaerella graminocola)、マイコスフェレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis)(ブラックシガトガ病)、マイコスフェレラ・ポミ(Mycosphaerella pomi)、マイコスフェレラ・シトリ(Mycosphaerella citri)、マグナポルテ属種(Magnaporthe spp.)、マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)、モニリニア属種(Monilinia spp.)、モニリニア・フルチコラ(Monilinia fruticola)、モニリニア・バクシニイコリムボシ(Monilinia vacciniicorymbosi)、モニリニア・ラクサ(Monilinia laxa)、コレトトリカム属種(Colletotrichum spp.)、コレトトリカム・ゴレオスポリオデス(Colletotrichum gloeosporiodes)、コレトトリカム・アクタタム(Colletotrichum acutatum)、コレトトリカム・カンジダム(Colletotrichum Candidum)、ディアポルテ属種(Diaporthe spp.)、ディアポルテ・シトリ(Diaporthe citri)、コリネスポラ属種(Corynespora spp.)、コリネスポラ・カッシイコラ(Corynespora Cassiicola)、ギムノスポランギウム属種(Gymnosporangium spp.)、ギムノスポランギウム・ジュニペリ−バージニアネ(Gymnosporangium juniperi-virginianae)、シゾチリウム属種(Schizothyrium spp.)、シゾチリウム・ポミ(Schizothyrium pomi)、ゴレオデス属種(Gloeodes spp.)、ゴレオデス・ポミゲナ(Gloeodes pomigena)、ボトリオスフェリア属種(Botryosphaeria spp.)、ボトリオスフェリア・ドチデア(Botryosphaeria dothidea)、ネオファブラエア属種(Neofabraea spp.)、ウィルソノマイセス属種(Wilsonomyces spp.)、ウィルソノマイセス・カルポフィラス(Wilsonomyces carpophilus)、スフェロテカ属種(Sphaerotheca spp.)、スフェロテカ・マキュラリス(Sphaerotheca macularis)、スフェロテカ・パンノサ(Sphaerotheca pannosa)、エリシフェ属種(Erysiphe spp.)、スタゴノスポラ属種(Stagonospora spp.)、スタゴノスポラ・ノドラム(Stagonospora nodorum)、ピチウム属種(Pythium spp.)、ピチウム・ウルチマム(Pythium ultimum)、ピチウム・アファニデルマタム(Pythium aphanidermatum)、ピチウム・イレギュラウム(Pythium irregularum)、ピチウム・ウロサム(Pythium ulosum)、ピチウム・ルトリアリウム(Pythium lutriarium)、ピチウム・シルバチウム(Pythium sylvatium)、ベンチュリア属種(Venturia spp.)、ベンチュリア・イネキュアリス(Venturia inaequalis)、バーチシリウム属種(Verticillium spp.)、ウスチラゴ属種(Ustilago spp.)、ウスチラゴ・ヌーダ(Ustilago nuda)、ウスチラゴ・マイディス(Ustilago maydis)、ウスチラゴ・サイタミネア(Ustilago scitaminea)、クラビセプス属種(Claviceps spp.)、クラビセプス・ププレア(Claviceps puprrea)、ティレチア属種(Tilletia spp.)、ティレチア・トリチシ(Tilletia tritici)、ティレチア・ラエビス(Tilletia laevis)、ティレチア・ホリド(Tilletia horrid)、ティレチア・コントロベルサ(Tilletia controversa)、フォーマ属種(Phoma spp.)、フォーマ・グリシニコラ(Phoma glycinicola)、フォーマ・エキシグア(Phoma exigua)、フォーマ・リンガム(Phoma lingam)、コクリオボラス・サチバス(Cocliobolus sativus)、ガエウマノマイセス・ガミニス(Gaeumanomyces gaminis)、コレトトリカム属種(Colleototricum spp.)、リコスポリウム属種(Rhychosporium spp.)、リコスポリウム・セカリス(Rhychosporium secalis)、ビオポラリス属種(Biopolaris spp.)、ヘルミントスポリウム属種(Helminthosporium spp.)、ヘルミントスポリウム・セカリス(Helminthosporium secalis)、ヘルミントスポリウム・マイディス(Helminthosporium maydis)、ヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solai)又はヘルミントスポリウム・トリチシ−レペンチス(Helminthosporium tritici-repentis)のうちの1以上を含む、付記27に記載の方法。
【0182】
(付記30)
前記組成物は、液体、油分散体、粉剤、乾燥水和性粉末剤、展延性粒剤又は乾燥水和性粒剤の形態である、付記26に記載の方法。
【0183】
(付記31)
前記組成物は、液体の形態であり、
前記バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477及び前記バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301の各々は、約1.0×10
8CFU/mlから約1.0×10
12CFU/mlの濃度で存在する、
付記26に記載の方法。
【0184】
(付記32)
前記組成物は、粉剤、乾燥水和性粉末剤、展延性粒剤又は乾燥水和性粒剤の形態であり、
前記バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477及び前記バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301の各々は、約1.0×10
8CFU/gから約1.0×10
12CFU/gの量で存在する、
付記26に記載の方法。
【0185】
(付記33)
前記組成物は、油分散体の形態であり、
前記バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477及び前記バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301の各々は、約1.0×10
8CFU/mlから約1.0×10
12CFU/mlの濃度で存在する、
付記26に記載の方法。
【0186】
(付記34)
前記バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477及び前記バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301は、胞子又は栄養細胞の形態で存在する、付記26に記載の方法。
【0187】
(付記35)
前記組成物は、担体、分散剤又は酵母抽出物のうちの1つ又は組み合わせを更に含む、付記26に記載の方法。
【0188】
(付記36)
前記植物は、単子葉植物、双子葉植物、穀物、コーン、スイートコーン、ポップコーン、シードコーン、サイレージコーン、フィールドコーン、米、小麦、大麦、ソルガム、アスパラガス、ベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、ローガンベリー、ハックルベリー、クランベリー、グーズベリー、エルダーベリー、カラント、カンベリー(Caneberry)、ブッシュベリー、アブラナ科野菜、ブロッコリー、キャベツ、カリフラワー、芽キャベツ、コラード、ケール、マスタードグリーン、コールラビ、ウリ科野菜、キュウリ、カンタロープ、メロン、マスクメロン、スカッシュ、スイカ、カボチャ、ナス、球根野菜、玉ネギ、ニンニク、エシャロット、柑橘類、オレンジ、グレープフルーツ、レモン、タンジェリン、タンジェロ、ブンタン、フルーツ野菜、ペッパー、トマト、グラウンドチェリー、トマティロ、オクラ、ブドウ、ハーブ/スパイス、葉野菜、レタス、セロリ、ホウレン草、パセリ、ラディッキオ、マメ科植物/野菜(多肉の乾燥した豆(bean)及び鞘に入った豆(pea))、インゲン豆(又はソラ豆)、サヤインゲン、スナップ豆、シェルビーンズ、大豆、ドライビーンズ、ガルバンゾー豆、リマ豆、エンドウ豆、ヒヨコ豆、スプリットピー、レンズ豆、油糧種子作物、キャノーラ、キャスター、ココナッツ、綿、亜麻、オイルパーム、オリーブ、ピーナッツ、菜種、ベニバナ、ゴマ、ヒマワリ、大豆、ナシ状果類、リンゴ、クラブアップル、ナシ、マルメロ、サンザシ(Mayhaw)、根/塊茎及び球茎野菜、ニンジン、ジャガイモ、サツマイモ、キャッサバ(Cassave)、ビーツ、ショウガ、西洋ワサビ、ダイコン、朝鮮人参、カブ、核果類、アプリコット、チェリー、ネクタリン、桃、プラム、プルーン、イチゴ、ツリーナッツ、アーモンド、ピスタチオ、ピーカン、クルミ、ハシバミ、クリ(Chestnut)、カシュー、ブナ(Beechnut)、バタグルミ(Butternut)、マカダミア、キウイ、バナナ、(ブルー)アガペ、草(Grass)、芝草(Turf grass)、観葉植物、ポインセチア、広葉樹の伐採片(Hardwood cuttings)、クリ、オーク、カエデ、サトウキビ又はテンサイを含む、付記26に記載の方法。
【0189】
(付記37)
前記植物は、大豆又はコーンを含み、
前記植物の成長の利益は、収量の増加により示される、
付記26に記載の方法。
【0190】
(付記38)
前記組成物は、植物の成長に利益をもたらす及び/又は植物における病原体感染に対する保護を与えるのに適切な量で存在する、微生物学的、生物学的又は化学的な、殺虫剤、殺真菌剤、殺線虫剤、殺細菌剤、除草剤、植物抽出物、植物成長調整剤又は肥料のうちの1つ又は組み合わせを更に含む、付記26に記載の方法。
【0191】
(付記39)
前記殺虫剤は、ビフェントリンを含む、付記38に記載の方法。
【0192】
(付記40)
前記組成物は、液体肥料と相溶性を有する製剤中にある、付記39に記載の方法。
【0193】
(付記41)
前記組成物は、水和ケイ酸アルミニウム−マグネシウム及び少なくとも1つの分散剤を更に含む、付記39に記載の方法。
【0194】
(付記42)
前記ビフェントリン殺虫剤は、0.1g/mlから0.2g/mlの範囲の濃度で存在する、付記39に記載の方法。
【0195】
(付記43)
前記ビフェントリン殺虫剤は、約0.1715g/mlの濃度で存在する、付記39に記載の方法。
【0196】
(付記44)
植物の成長及び/又は植物の健康に利益をもたらすための方法であって、
当該方法は、
ATCC番号PTA−121165として寄託されたバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物を含む第1の組成物、及び、
ATCC番号PTA−121167として寄託されたバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物を含む第2の組成物、
の組み合わせを、植物の種子、植物の根又は植物の周囲の土壌に送達することを含み、
前記組み合わせの送達は、植物の成長及び/又は植物の健康に利益をもたらす、
方法。
【0197】
(付記45)
植物の成長及び/又は植物の健康への前記利益は、収量の増加、苗木の活力の改善、根の発達の改善、植物の成長の改善、植物の健康の改善、外観の改善、植物病原体に対する抵抗性の改善、病原体感染の減少又はそれらの組み合わせを含む、付記44に記載の方法。
【0198】
(付記46)
前記植物病原体は、昆虫、線虫、植物病原性真菌又は植物病原性細菌のうちの1つ又は組み合わせを含む、付記45に記載の方法。
【0199】
(付記47)
前記植物病原体は、植物真菌病原体、植物細菌病原体、さび病菌、ボトリチス属種(Botrytis spp.)、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)、ボトリチス・スクアモサ(Botrytis squamosa)、エルウィニア属種(Erwinia spp.)、エルウィニア・カロトボラ(Erwinia carotovora)、エルウィニア・アミロボラ(Erwinia amylovora)、ディケヤ属種(Dickeya spp.)、ディケヤ・ダダンチイ(Dickeya dadantii)、ディケヤ・ソラニ(Dickeya solani)、アグロバクテリウム属種(Agrobacterium spp.)、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、キサントモナス属種(Xanthomonas spp.)、キサントモナス・アクソノポディス(Xanthomonas axonopodis)、キサントモナス・カンペストリス・パソバー・カロテ(Xanthomonas campestris pv. carotae)、キサントモナス・プルニ(Xanthomonas pruni)、キサントモナス・アルボリコラ(Xanthomonas arboricola)、キサントモナス・オリゼ・パソバー・オリゼ(Xanthomonas oryzae pv. oryzae)、キシレラ属種(Xylella spp.)、キシレラ・ファスチディオーサ(Xylella fastidiosa)、カンジダタス属種(Candidatus spp.)、カンジダタス・リベリバクター(Candidatus liberibacter)、フザリウム属種(Fusarium spp.)、フザリウム・コルモラム(Fusarium colmorum)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・オキシスポラムf属種キューベンセ(Fusarium oxysporum f. sp. Cubense)、フザリウム・オキシスポラムf属種リコペルシシ(Fusarium oxysporum f. sp. Lycopersici)、フザリウム・ビルグリフォルメ(Fusarium virguliforme)、スクレロチニア属種(Sclerotinia spp.)、スクレロチニア・スクレロチオラム(Sclerotinia sclerotiorum)、スクレロチニア・マイナー(Sclerotinia minor)、スクレロチニア・ホメオカルパ(Sclerotinia homeocarpa)、セルコスポラ/セルコスポリディウム属種(Cercospora/Cercosporidium spp.)、ウンシヌラ属種(Uncinula spp.)、ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator)(うどんこ病菌)、ポドスフェラ属種(Podosphaera spp.)(うどんこ病菌)、ポドスフェラ・ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha)、ポドスフェラ・クランデスチン(Podosphaera clandestine)、ホモプシス属種(Phomopsis spp.)、ホモプシス・ビチコラ(Phomopsis viticola)、アルテルナリア属種(Alternaria spp.)、アルテルナリア・テヌイッシマ(Alternaria tenuissima)、アルテルナリア・ポーリ(Alternaria porri)、アルテルナリア・アルテルナート(Alternaria alternate)、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)、アルテルナリア・テヌイス(Alternaria tenuis)、シュードモナス属種(Pseudomonas spp.)、シュードモナス・シリンゲ・パソバー・トマト(Pseudomonas syringae pv. Tomato)、フィトフトラ属種(Phytophthora spp.)、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)、フィトフトラ・パラシチカ(Phytophthora parasitica)、フィトフトラ・ソジェ(Phytophthora sojae)、フィトフトラ・カプシシ(Phytophthora capsici)、フィトフトラ・シナモン(Phytophthora cinnamon)、フィトフトラ・フラガリエ(Phytophthora fragariae)、フィトフトラ属種(Phytophthora spp.)、フィトフトラ・ラモラム(Phytophthora ramorum)、フィトフトラ・パルミバラ(Phytophthora palmivara)、フィトフトラ・ニコチアネ(Phytophthora nicotianae)、ファコプソラ属種(Phakopsora spp.)、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)、ファコプソラ・メイボミエ(Phakopsora meibomiae)、アスペルギルス属種(Aspergillus spp.)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、ウロマイセス属種(Uromyces spp.)、ウロマイセス・アペンディキュラタス(Uromyces appendiculatus)、クラドスポリウム属種(Cladosporium spp.)、クラドスポリウム・ヘルバラム(Cladosporium herbarum)、リゾプス属種(Rhizopus spp.)、リゾプス・アリザス(Rhizopus arrhizus)、ペニシリウム属種(Penicillium spp.)、リゾクトニア属種(Rhizoctonia spp.)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、リゾクトニア・ゼエ(Rhizoctonia zeae)、リゾクトニア・オリゼ(Rhizoctonia oryzae)、リゾクトニア・カリテ(Rhizoctonia caritae)、リゾクトニア・セレアリス(Rhizoctonia cerealis)、リゾクトニア・クロコラム(Rhizoctonia crocorum)、リゾクトニア・フラガリエ(Rhizoctonia fragariae)、リゾクトニア・ラミコラ(Rhizoctonia ramicola)、リゾクトニア・ルビ(Rhizoctonia rubi)、リゾクトニア・レグミニコラ(Rhizoctonia leguminicola)、マクロフォミナ・ファソリナ(Macrophomina phaseolina)、マグナオルテ・オリゼ(Magnaorthe oryzae)、マイコスフェレラ属種(Mycosphaerella spp.)、マイコスフェレラ・グラミノコラ(Mycosphaerella graminocola)、マイコスフェレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis)(ブラックシガトガ病)、マイコスフェレラ・ポミ(Mycosphaerella pomi)、マイコスフェレラ・シトリ(Mycosphaerella citri)、マグナポルテ属種(Magnaporthe spp.)、マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)、モニリニア属種(Monilinia spp.)、モニリニア・フルチコラ(Monilinia fruticola)、モニリニア・バクシニイコリムボシ(Monilinia vacciniicorymbosi)、モニリニア・ラクサ(Monilinia laxa)、コレトトリカム属種(Colletotrichum spp.)、コレトトリカム・ゴレオスポリオデス(Colletotrichum gloeosporiodes)、コレトトリカム・アクタタム(Colletotrichum acutatum)、コレトトリカム・カンジダム(Colletotrichum Candidum)、ディアポルテ属種(Diaporthe spp.)、ディアポルテ・シトリ(Diaporthe citri)、コリネスポラ属種(Corynespora spp.)、コリネスポラ・カッシイコラ(Corynespora Cassiicola)、ギムノスポランギウム属種(Gymnosporangium spp.)、ギムノスポランギウム・ジュニペリ−バージニアネ(Gymnosporangium juniperi-virginianae)、シゾチリウム属種(Schizothyrium spp.)、シゾチリウム・ポミ(Schizothyrium pomi)、ゴレオデス属種(Gloeodes spp.)、ゴレオデス・ポミゲナ(Gloeodes pomigena)、ボトリオスフェリア属種(Botryosphaeria spp.)、ボトリオスフェリア・ドチデア(Botryosphaeria dothidea)、ネオファブラエア属種(Neofabraea spp.)、ウィルソノマイセス属種(Wilsonomyces spp.)、ウィルソノマイセス・カルポフィラス(Wilsonomyces carpophilus)、スフェロテカ属種(Sphaerotheca spp.)、スフェロテカ・マキュラリス(Sphaerotheca macularis)、スフェロテカ・パンノサ(Sphaerotheca pannosa)、エリシフェ属種(Erysiphe spp.)、スタゴノスポラ属種(Stagonospora spp.)、スタゴノスポラ・ノドラム(Stagonospora nodorum)、ピチウム属種(Pythium spp.)、ピチウム・ウルチマム(Pythium ultimum)、ピチウム・アファニデルマタム(Pythium aphanidermatum)、ピチウム・イレギュラウム(Pythium irregularum)、ピチウム・ウロサム(Pythium ulosum)、ピチウム・ルトリアリウム(Pythium lutriarium)、ピチウム・シルバチウム(Pythium sylvatium)、ベンチュリア属種(Venturia spp.)、ベンチュリア・イネキュアリス(Venturia inaequalis)、バーチシリウム属種(Verticillium spp.)、ウスチラゴ属種(Ustilago spp.)、ウスチラゴ・ヌーダ(Ustilago nuda)、ウスチラゴ・マイディス(Ustilago maydis)、ウスチラゴ・サイタミネア(Ustilago scitaminea)、クラビセプス属種(Claviceps spp.)、クラビセプス・ププレア(Claviceps puprrea)、ティレチア属種(Tilletia spp.)、ティレチア・トリチシ(Tilletia tritici)、ティレチア・ラエビス(Tilletia laevis)、ティレチア・ホリド(Tilletia horrid)、ティレチア・コントロベルサ(Tilletia controversa)、フォーマ属種(Phoma spp.)、フォーマ・グリシニコラ(Phoma glycinicola)、フォーマ・エキシグア(Phoma exigua)、フォーマ・リンガム(Phoma lingam)、コクリオボラス・サチバス(Cocliobolus sativus)、ガエウマノマイセス・ガミニス(Gaeumanomyces gaminis)、コレトトリカム属種(Colleototricum spp.)、リコスポリウム属種(Rhychosporium spp.)、リコスポリウム・セカリス(Rhychosporium secalis)、ビオポラリス属種(Biopolaris spp.)、ヘルミントスポリウム属種(Helminthosporium spp.)、ヘルミントスポリウム・セカリス(Helminthosporium secalis)、ヘルミントスポリウム・マイディス(Helminthosporium maydis)、ヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solai)又はヘルミントスポリウム・トリチシ−レペンチス(Helminthosporium tritici-repentis)のうちの1以上を含む、付記45に記載の方法。
【0200】
(付記48)
前記第1の組成物及び前記第2の組成物は、液体、油分散体、粉剤、乾燥水和性粉末剤、展延性粒剤又は乾燥水和性粒剤の形態である、付記44に記載の方法。
【0201】
(付記49)
前記第1の組成物及び前記第2の組成物は、液体の形態であり、
前記バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477及び前記バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301の各々は、約1.0×10
8CFU/mlから約1.0×10
12CFU/mlの濃度で存在する、
付記44に記載の方法。
【0202】
(付記50)
前記第1の組成物及び前記第2の組成物は、粉剤、乾燥水和性粉末剤、展延性粒剤又は乾燥水和性粒剤の形態であり、
前記バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477及び前記バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301の各々は、約1.0×10
8CFU/gから約1.0×10
12CFU/gの量で存在する、
付記44に記載の方法。
【0203】
(付記51)
前記第1の組成物及び前記第2の組成物は、油分散体の形態であり、
前記バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477及び前記バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301は、約1.0×10
8CFU/mlから約1.0×10
12CFU/mlの濃度で存在する、
付記44に記載の方法。
【0204】
(付記52)
前記バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477及び前記バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301の各々は、胞子又は栄養細胞の形態で存在する、付記44に記載の方法。
【0205】
(付記53)
前記第1の組成物及び前記第2の組成物は、担体、分散剤又は酵母抽出物のうちの1つ又は組み合わせを更に含む、付記44に記載の方法。
【0206】
(付記54)
前記植物は、単子葉植物、双子葉植物、穀物、コーン、スイートコーン、ポップコーン、シードコーン、サイレージコーン、フィールドコーン、米、小麦、大麦、ソルガム、アスパラガス、ベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、ローガンベリー、ハックルベリー、クランベリー、グーズベリー、エルダーベリー、カラント、カンベリー(Caneberry)、ブッシュベリー、アブラナ科野菜、ブロッコリー、キャベツ、カリフラワー、芽キャベツ、コラード、ケール、マスタードグリーン、コールラビ、ウリ科野菜、キュウリ、カンタロープ、メロン、マスクメロン、スカッシュ、スイカ、カボチャ、ナス、球根野菜、玉ネギ、ニンニク、エシャロット、柑橘類、オレンジ、グレープフルーツ、レモン、タンジェリン、タンジェロ、ブンタン、フルーツ野菜、ペッパー、トマト、グラウンドチェリー、トマティロ、オクラ、ブドウ、ハーブ/スパイス、葉野菜、レタス、セロリ、ホウレン草、パセリ、ラディッキオ、マメ科植物/野菜(多肉の乾燥した豆(bean)及び鞘に入った豆(pea))、インゲン豆(又はソラ豆)、サヤインゲン、スナップ豆、シェルビーンズ、大豆、ドライビーンズ、ガルバンゾー豆、リマ豆、エンドウ豆、ヒヨコ豆、スプリットピー、レンズ豆、油糧種子作物、キャノーラ、キャスター、ココナッツ、綿、亜麻、オイルパーム、オリーブ、ピーナッツ、菜種、ベニバナ、ゴマ、ヒマワリ、大豆、ナシ状果類、リンゴ、クラブアップル、ナシ、マルメロ、サンザシ(Mayhaw)、根/塊茎及び球茎野菜、ニンジン、ジャガイモ、サツマイモ、キャッサバ(Cassave)、ビーツ、ショウガ、西洋ワサビ、ダイコン、朝鮮人参、カブ、核果類、アプリコット、チェリー、ネクタリン、桃、プラム、プルーン、イチゴ、ツリーナッツ、アーモンド、ピスタチオ、ピーカン、クルミ、ハシバミ、クリ(Chestnut)、カシュー、ブナ(Beechnut)、バタグルミ(Butternut)、マカダミア、キウイ、バナナ、(ブルー)アガペ、草(Grass)、芝草(Turf grass)、観葉植物、ポインセチア、広葉樹の伐採片(Hardwood cuttings)、クリ、オーク、カエデ、サトウキビ又はテンサイを含む、付記44に記載の方法。
【0207】
(付記55)
前記植物は、大豆又はコーンを含み、
前記植物の成長の利益は、収量の増加により示される、
付記44に記載の方法。
【0208】
(付記56)
前記第1の組成物及び前記第2の組成物の1つ又は両方は、植物の成長に利益をもたらす及び/又は植物における病原体感染に対する保護を与えるのに適切な量で存在する、微生物学的、生物学的又は化学的な、殺虫剤、殺真菌剤、殺線虫剤、殺細菌剤、除草剤、植物抽出物、植物成長調整剤又は肥料のうちの1つ又は組み合わせを更に含む、付記44に記載の方法。
【0209】
(付記57)
前記殺虫剤は、ビフェントリンを含む、付記56に記載の方法。
【0210】
(付記58)
前記組成物は、液体肥料と相溶性を有する製剤中にある、付記57に記載の方法。
【0211】
(付記59)
前記組成物は、水和ケイ酸アルミニウム−マグネシウム及び少なくとも1つの分散剤を更に含む、付記57に記載の方法。
【0212】
(付記60)
前記ビフェントリン殺虫剤は、0.1g/mlから0.2g/mlの範囲の濃度で存在する、付記57に記載の方法。
【0213】
(付記61)
前記ビフェントリン殺虫剤は、約0.1715g/mlの濃度で存在する、付記57に記載の方法。
【0214】
(付記62)
植物の成長及び/又は植物の健康に利益をもたらすための方法であって、当該方法は、
適切な成長培地中に植物の種子を植え付けることを含み、
前記種子は、
ATCC番号PTA−121165として寄託されたバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物の胞子、及び、
ATCC番号PTA−121167として寄託されたバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物の胞子、
を含む組成物で被覆されており、
前記バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301及び前記バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477は、植物の成長及び/又は植物の健康に利益をもたらすのに適切な量で存在する、
方法。
【0215】
(付記63)
植物の成長及び/又は植物の健康への前記利益は、収量の増加、苗木の活力の改善、根の発達の改善、植物の成長の改善、植物の健康の改善、外観の改善、植物病原体に対する抵抗性の改善、病原体感染の減少又はそれらの組み合わせを含む、付記62に記載の方法。
【0216】
(付記64)
前記植物病原体は、昆虫、線虫、植物病原性真菌又は植物病原性細菌のうちの1つ又は組み合わせを含む、付記63に記載の方法。
【0217】
(付記65)
前記植物病原体は、植物真菌病原体、植物細菌病原体、さび病菌、ボトリチス属種(Botrytis spp.)、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)、ボトリチス・スクアモサ(Botrytis squamosa)、エルウィニア属種(Erwinia spp.)、エルウィニア・カロトボラ(Erwinia carotovora)、エルウィニア・アミロボラ(Erwinia amylovora)、フザリウム属種(Fusarium spp.)、フザリウム・コルモラム(Fusarium colmorum)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・オキシスポラムf属種キューベンセ(Fusarium oxysporum f. sp. Cubense)、フザリウム・オキシスポラムf属種リコペルシシ(Fusarium oxysporum f. sp. Lycopersici)、フザリウム・ビルグリフォルメ(Fusarium virguliforme)、キサントモナス属種(Xanthomonas spp.)、キサントモナス・アクソノポディス(Xanthomonas axonopodis)、キサントモナス・カンペストリス・パソバー・カロテ(Xanthomonas campestris pv. carotae)、キサントモナス・プルニ(Xanthomonas pruni)、キサントモナス・アルボリコラ(Xanthomonas arboricola)、キサントモナス・オリゼ・パソバー・オリゼ(Xanthomonas oryzae pv. oryzae)、シュードモナス属種(Pseudomonas spp.)、シュードモナス・シリンゲ・パソバー・トマト(Pseudomonas syringae pv. Tomato)、フィトフトラ属種(Phytophthora spp.)、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)、フィトフトラ・パラシチカ(Phytophthora parasitica)、フィトフトラ・ソジェ(Phytophthora sojae)、フィトフトラ・カプシシ(Phytophthora capsici)、フィトフトラ・シナモン(Phytophthora cinnamon)、フィトフトラ・フラガリエ(Phytophthora fragariae)、フィトフトラ属種(Phytophthora spp.)、フィトフトラ・ラモラム(Phytophthora ramorum)、フィトフトラ・パルミバラ(Phytophthora palmivara)、フィトフトラ・ニコチアネ(Phytophthora nicotianae)、リゾクトニア属種(Rhizoctonia spp.)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、リゾクトニア・ゼエ(Rhizoctonia zeae)、リゾクトニア・オリゼ(Rhizoctonia oryzae)、リゾクトニア・カリテ(Rhizoctonia caritae)、リゾクトニア・セレアリス(Rhizoctonia cerealis)、リゾクトニア・クロコラム(Rhizoctonia crocorum)、リゾクトニア・フラガリエ(Rhizoctonia fragariae)、リゾクトニア・ラミコラ(Rhizoctonia ramicola)、リゾクトニア・ルビ(Rhizoctonia rubi)、リゾクトニア・レグミニコラ(Rhizoctonia leguminicola)、マクロフォミナ・ファソリナ(Macrophomina phaseolina)、マグナオルテ・オリゼ(Magnaorthe oryzae)、ピチウム属種(Pythium spp.)、ピチウム・ウルチマム(Pythium ultimum)、ピチウム・アファニデルマタム(Pythium aphanidermatum)、ピチウム・イレギュラウム(Pythium irregularum)、ピチウム・ウロサム(Pythium ulosum)、ピチウム・ルトリアリウム(Pythium lutriarium)、ピチウム・シルバチウム(Pythium sylvatium)、ウスチラゴ属種(Ustilago spp.)、ウスチラゴ・ヌーダ(Ustilago nuda)、ウスチラゴ・マイディス(Ustilago maydis)、ウスチラゴ・サイタミネア(Ustilago scitaminea)、クラビセプス属種(Claviceps spp.)、クラビセプス・ププレア(Claviceps puprrea)、ティレチア属種(Tilletia spp.)、ティレチア・トリチシ(Tilletia tritici)、ティレチア・ラエビス(Tilletia laevis)、ティレチア・ホリド(Tilletia horrid)、ティレチア・コントロベルサ(Tilletia controversa)、フォーマ属種(Phoma spp.)、フォーマ・グリシニコラ(Phoma glycinicola)、フォーマ・エキシグア(Phoma exigua)、フォーマ・リンガム(Phoma lingam)、コクリオボラス・サチバス(Cocliobolus sativus)、ガエウマノマイセス・ガミニス(Gaeumanomyces gaminis)又はコレトトリカム属種(Colleototricum spp.)のうちの1以上を含む、付記63に記載の方法。
【0218】
(付記66)
前記組成物は、植物の成長に利益をもたらす及び/又は感受性植物における病原体感染に対する保護を与えるのに適切な量で存在する、微生物学的、生物学的又は化学的な、殺虫剤、殺真菌剤、殺線虫剤、殺細菌剤、除草剤、植物抽出物、植物成長調整剤又は肥料のうちの1つ又は組み合わせを更に含む、付記62に記載の方法。
【0219】
(付記67)
前記殺虫剤は、ビフェントリンを含む、付記66に記載の方法。
【0220】
(付記68)
前記バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477及び前記バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301の各々は、約1.0×10
2CFU/種子から約1.0×10
9CFU/種子の範囲の量で存在する、付記62に記載の方法。
【0221】
(付記69)
前記植物の種子は、単子葉植物、双子葉植物、穀物、コーン、スイートコーン、ポップコーン、シードコーン、サイレージコーン、フィールドコーン、米、小麦、大麦、ソルガム、アブラナ科野菜、ブロッコリー、キャベツ、カリフラワー、芽キャベツ、コラード、ケール、マスタードグリーン、コールラビ、球根野菜、玉ネギ、ニンニク、エシャロット、フルーツ野菜、ペッパー、トマト、グラウンドチェリー、トマティロ、オクラ、ブドウ、ハーブ/スパイス、ウリ科野菜、キュウリ、カンタロープ、メロン、マスクメロン、スカッシュ、スイカ、カボチャ、ナス、葉野菜、レタス、セロリ、ホウレン草、パセリ、ラディッキオ、マメ科植物/野菜(多肉の乾燥した豆(bean)及び鞘に入った豆(pea))、インゲン豆(又はソラ豆)、サヤインゲン、スナップ豆、シェルビーンズ、大豆、ドライビーンズ、ガルバンゾー豆、リマ豆、エンドウ豆、ヒヨコ豆、スプリットピー、レンズ豆、油糧種子作物、キャノーラ、キャスター、綿、亜麻、ピーナッツ、菜種、ベニバナ、ゴマ、ヒマワリ、大豆、根/塊茎及び球茎野菜、ニンジン、ジャガイモ、サツマイモ、ビーツ、ショウガ、西洋ワサビ、ダイコン、朝鮮人参、カブ、サトウキビ、テンサイ、草(Grass)又は芝草(Turf grass)の種子を含む、付記62に記載の方法。
【0222】
(付記70)
前記植物の種子は、大豆又はコーンを含み、
前記植物の成長の利益は、収量の増加により示される、
付記62に記載の方法。
【0223】
(付記71)
植物の成長に利益をもたらすための組成物であって、
ATCC番号PTA−121165として寄託されたバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物、
ATCC番号PTA−121167として寄託されたバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物、及び、
ビフェントリン殺虫剤、を含む、
組成物。
【0224】
(付記72)
植物の成長に利益をもたらすための組成物であって、
ATCC番号PTA−121165として寄託されたバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物、
ATCC番号PTA−121167として寄託されたバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物、及び、
ビフェントリン殺虫剤、を含み、
当該組成物は、液体肥料と相溶性を有する製剤中にある、
組成物。
【0225】
(付記73)
前記組成物は、水和ケイ酸アルミニウム−マグネシウム及び少なくとも1つの分散剤を更に含む、付記72に記載の組成物。
【0226】
(付記74)
前記ビフェントリン殺虫剤は、0.1g/mlから0.2g/mlの範囲の濃度で存在する、付記72に記載の組成物。
【0227】
(付記75)
前記ビフェントリン殺虫剤は、約0.1715g/mlの濃度で存在する、付記72に記載の組成物。
【0228】
(付記76)
植物の成長に利益をもたらすための組成物であって、
ATCC番号PTA−121165として寄託されたバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物、
ATCC番号PTA−121167として寄託されたバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物、及び、
ルピナス・アルブス・ドーセ(Lupinus albus doce)由来の抽出物、BLADポリペプチド又はBLADポリペプチドの断片のうちの1つ又は組み合わせを含む殺真菌剤、を含む、
組成物。
【0229】
(付記77)
前記組成物は、前記BLADポリペプチド又は前記BLADポリペプチドの断片を約20%含む、付記76に記載の組成物。
【0230】
(付記78)
植物の成長及び/又は植物の健康に利益をもたらすための組成物で被覆された植物種子であって、
前記組成物は、
ATCC番号PTA−121165として寄託されたバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物の胞子、
ATCC番号PTA−121167として寄託されたバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物の胞子、及び、
ビフェントリン殺虫剤、を含む、
植物種子。
【0231】
(付記79)
ATCC番号PTA−121165として寄託されたバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物、及び、ATCC番号PTA−121167として寄託されたバチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)(Bacillus amyloliquefaciens)RTI477又はその全ての同定特徴を有するその突然変異体の生物学的に純粋な培養物を含む第1の組成物、
微生物学的、生物学的又は化学的な、殺虫剤、殺真菌剤、殺線虫剤、殺細菌剤、除草剤、植物抽出物、植物成長調整剤又は肥料のうちの1つ又は組み合わせを含む第2の組成物、並びに、
植物の枝葉、植物の樹皮、植物の果実、植物の花、植物の種子、植物の根、植物の切断片、植物の移植片、植物のカルス組織、植物の周囲の土壌若しくは成長培地、土壌若しくは成長培地中に植物の種子を播種する前の土壌若しくは成長培地、又は、土壌若しくは成長培地中に植物、植物切断片、植物移植片若しくは植物カルス組織を植え付ける前の土壌若しくは成長培地に、前記第1の組成物及び前記第2の組成物の組み合わせを、植物の成長に利益をもたらすのに適切な量で送達するための説明書、を含み、
前記第1の組成物及び前記第2の組成物は、別々に包装されている、
製品。
【0232】
(付記80)
前記殺虫剤は、ピレスロイド、ビフェントリン、テフルトリン、ゼータ−シペルメトリン、有機リン酸塩、クロルエトキシホス、クロルピリホス、テブピリンホス、シフルトリン、フィプロール、フィプロニル、ニコチノイド又はクロチアニジンのうちの1つ又は組み合わせである、付記79に記載の製品。
【0233】
(付記81)
前記殺虫剤は、ビフェントリンを含む、付記80に記載の製品。
【0234】
(付記82)
前記第2の組成物は、液体肥料と相溶性を有する製剤中にある、付記81に記載の製品。
【0235】
(付記83)
前記第1の組成物は、担体、分散剤又は酵母抽出物のうちの1つ又は組み合わせを更に含む、付記79に記載の製品。
【0236】
(付記84)
前記第1の組成物は、液体、粉剤、展延性粒剤、乾燥水和性粉末剤又は乾燥水和性粒剤の形態である、付記79に記載の製品。
【0237】
(付記85)
前記第1の組成物は、液体の形態であり、
前記バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301及び前記バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477の各々は、約1.0×10
8CFU/mlから約1.0×10
12CFU/mlの濃度で存在する、
付記79に記載の製品。
【0238】
(付記86)
前記第1の組成物は、粉剤、乾燥水和性粉末剤、展延性粒剤又は乾燥水和性粒剤の形態であり、
前記バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301及び前記バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477の各々は、約1.0×10
8CFU/gから約1.0×10
12CFU/gの量で存在する、
付記79に記載の製品。
【0239】
(付記87)
前記第1の組成物は、油分散液の形態であり、
前記バチルス・
ベレゼンシス(Bacillus
velezensis)RTI301及び前記バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RTI477の各々は、約1.0×10
8CFU/mlから約1.0×10
12CFU/mlの濃度で存在する、
付記79に記載の製品。