【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、接続部材は、その円筒形軸からそのヘッドの底面まで、直径を連続的に増加させるように設計されている。ヘッドの底面は、軸の端部から最大の距離のところのレベルと定義されている。
【0008】
本発明によれば、上昇レベル(ascent level)からヘッドの底面のレベルまでの距離Aは、ヘッドの外径と軸の直径の差の半分より小さく、ヘッドの外径と軸の直径の差の4分の1より大きい。即ち、(D
A-D
S)/4<A<(D
A-D
S)/2である。
【0009】
結果的に、接続部材の進入中に軟化した任意の最上層材料は、直径の増加した拡大部分となる。それでも、溶接ビードとして立ち上がる接続部材の材料とヘッドのレベルの間には十分な距離が残っているので、十分な引き抜き抵抗が確保される。
【0010】
より具体的には、軸の直径は上昇レベルでの接続部材の直径となる。
【0011】
接続を得るために不必要な追加の軟化した材料は、ヘッドから横方向に(径方向外側に)押出される。このように、低構造高さを得ることができる。
【0012】
本発明の有利な実施例では、傾斜は上昇レベルから開始して、接続部材の軸に対する垂線から80度以下、特に70度以下の角度を形成する。
【0013】
これにより、最上層から移動した任意の軟化した材料は、径方向外側に向かう。
【0014】
本発明の別の実施例では、接続部材は円筒状の第一軸部を有することができる。
【0015】
この設計は、特に効率的な方法で得ることができる。
【0016】
本発明のまた別の好ましい実施例では、ドライブの切り抜き部高さを、ドライブの切り抜き部の径方向伸張の30%未満にする。
【0017】
結果的に、ヘッド自体は小さな軸方向伸張を有するように設計することができるので、構造的な高さをさらに低減できる。
【0018】
摩擦溶接工程によって生じる温度上昇がドライブ構造をさらに軟化させ、駆動トルクの伝達に悪影響を与えるので、ドライブ構造と接続場所での溶融領域は、互いに十分に間隔を開ける必要がある。
【0019】
別の有利な実施例では、接続部材のヘッドは、ヘッドの周辺領域が85度と95度の間の角度で、特に90度の角度でスクリュー軸に対してテーパーがつく(tapers off)ように設計されている。
【0020】
特にヘッドの底面のレベルも周辺領域にあるようなこの実施例は、最大保持力を提供する。なぜなら、第一に溶接ビードとヘッドの底面との間が最大距離であり、第二にヘッド表面の略直交位置のために特別良好な形状フィットが得られるからである。
【0021】
また別の有利な実施例では、直径の増加は、ヘッドの方向に、スクリュー軸に対する第一傾斜とそれに続く第二傾斜を有する関数に従い、第二傾斜は第一傾斜より小さい。
【0022】
この実施例によれば、少なくとも凹状輪郭に近似した道筋(course)が得られる。結果的に、特に有利なアンダーカットが、起立した材料(rising material)によって形成された溶接ビードとヘッドの間で得られ、このアンダーカットは摩擦溶接工程の完了後に最上層からの軟化した材料で満たされる。
【0023】
この凹状輪郭の近似は、第二領域に続く第三傾斜を備えた第三領域を設けることで、さらに向上させることができ、第三傾斜は第二傾斜の領域より小さい。
【0024】
理想的には、この道筋は楕円形又は円形輪郭の形状をした凹部である。
【0025】
この曲率半径は、好ましくはヘッドの底面から上昇レベルまでの距離より大きい。
【0026】
これにより、特に軟化が確実になり、最上層からの任意の軟化した材料が理想的にヘッドと最上層の間の領域の外に向かうようになる。
【0027】
また別の実施例では、軸の前面端では、円筒軸部から円錐軸部に推移する。これにより、接続部材の心だし特性(centering characteristics)が向上する。より具体的には、完全テーパー角度(full taper angle)は60度と80度の間である。
【0028】
本発明のまた別の実施例では、もう1つの円筒部が円錐部に追従して、円筒部を特に最上層に導入することができるため、心だし特性が向上する。
【0029】
また別の態様では、本発明はコンポーネント接続に関する。コンポーネント接続は、基層と、少なくとも1つの最上層(72,92,46)と、上述のタイプの接続部材と、を備えている。接続部材は、少なくともヘッドと軸を備え、軸の前面は基層に溶接される。その結果として、接続部材の軸と基層の間に密着接続が得られ、ヘッドは最上層を確実な係止態様(positive-locking manner)で固定する。
【0030】
本発明によれば、ヘッドを介して横方向に(径方向外側に)放出された材料は、軸方向に対して横方向にヘッドを少なくとも部分的に囲む。ヘッドは、最上層の表面のレベルに位置する。
【0031】
対応するコンポーネント接続を得るために、上述のタイプの接続部材が好ましくは導入される。
【0032】
本発明はさらに上述のタイプのコンポーネント接続を得るための設定ツールに関する。この設定ツールは、押下げデバイスとドライブビットを備える。ドライブビットは、その平坦基部(flat base)に隆起駆動構造を有する。この駆動構造は、接続部材の内側ドライブと合致するように設計されている。本発明によれば、平面基部(planar base)は隆起した縁によって限定される(confined)。この縁は、内径を有する。
【0033】
このように設けられた縁は、ヘッドから横方向に移動した任意の軟化した材料を、ドライブビットとドライブビットを囲む押下げデバイスの間の空間に材料が進入しないように、摩擦溶接工程の間に外側に移動させる。この軟化した材料の最上層からの移動の結果として、移動した材料は内径内に堆積し、少なくとも部分的にヘッドを横方向に包み込む程度にそこに積み上げられる。これにより、せん断強度が向上する。
【0034】
この設計は、高い強度を維持しながら低い構造高さを得ることを可能にする。なぜなら、ヘッド下部から移動した軟化した材料が、接続強度を増加させるために用いられるからである。
【0035】
別の有利な実施例では、押下げデバイスはテーパーのついた前面を有することができる。内側エッジにテーパーを設けることは、冷めた軟化した材料が押下げデバイス上で固まることを防止する。その結果、押下げデバイスは小さな抵抗力で最上層から確実に取り外すことができる。
【0036】
また、少なくとも2つの吸引穴を基部に設けることができる。これらの吸引穴は挿入された接続部材のヘッドと基部の間に負圧を生み出し、その結果、接続部材を基部に吸着させて、駆動構造を接続部材の内側ドライブと係合させる。
【0037】
より具体的には、吸引穴は中心からずらして配置され、縁から内径の少なくとも5%、特に少なくとも10%、特に少なくとも15%、特に少なくとも17%だけ離間している。その結果、ヘッド径が縁の内径の60%〜90%の挿入された接続部材は、ヘッドの端部を介して吸着して接触することができる。吸着効果はこのように接続部材の最も冷却されうる位置に作用するので、接続部材の軟化した材料が吸引穴に進入することを防ぐ。
【0038】
縁の内径より略小さな直径のヘッドを用いることで、接合工程での中間領域から移動した最上層材料は、ヘッドの側の領域に収容される。これにより、追加の収容容積が提供され、構造高さを最小化できると同時に、接続直径をできる限り小さく維持できる。
【0039】
吸引穴は好ましくは縁の内径の少なくとも5%だけ縁から離間した範囲(radius)に接している。この範囲は縁と同心にすることができ、縁の内径の60%〜90%、特に60%〜80%の直径とすることができる。
【0040】
本発明はさらに、前述のタイプの設定ツールと前述のタイプの接続部材とを備えた接続システムに関する。本発明によれば、設定ツールと接続部材は、縁の内径が接続部材のヘッドの直径より少なくとも10%大きいように互いに構成されている。
【0041】
別の有利な実施例では、縁の高さは軸方向のヘッドの最大伸張より高い。とにかく、縁の高さは接続部材のヘッドの底面レベルを超えている。
【0042】
本発明の追加の長所、特徴、可能な応用は、図面に示された実施例と共に、以下の記載から推測できる。