特許第6758307号(P6758307)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6758307
(24)【登録日】2020年9月3日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】沸騰水型原子炉用の燃料アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G21C 3/326 20060101AFI20200910BHJP
   G21C 3/328 20060101ALI20200910BHJP
   G21C 3/30 20060101ALI20200910BHJP
【FI】
   G21C3/326 100
   G21C3/328 200
   G21C3/326 200
   G21C3/30 100
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-543756(P2017-543756)
(86)(22)【出願日】2016年2月10日
(65)【公表番号】特表2018-511042(P2018-511042A)
(43)【公表日】2018年4月19日
(86)【国際出願番号】EP2016052825
(87)【国際公開番号】WO2016131692
(87)【国際公開日】20160825
【審査請求日】2019年1月22日
(31)【優先権主張番号】15155985.3
(32)【優先日】2015年2月20日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504446548
【氏名又は名称】ウェスティングハウス エレクトリック スウェーデン アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】アウレン ヨナス
(72)【発明者】
【氏名】ベルグマン ウッフェ
【審査官】 村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−301591(JP,A)
【文献】 特開平04−148894(JP,A)
【文献】 特開平10−311889(JP,A)
【文献】 特開平07−151883(JP,A)
【文献】 特開2005−274555(JP,A)
【文献】 特開2005−134179(JP,A)
【文献】 米国特許第06229868(US,B1)
【文献】 特表2017−532542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 3/326
G21C 3/30
G21C 3/328
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
沸騰水型原子炉のための燃料アセンブリ(4)であり、
中において延びて、燃料アセンブリ(4)の長さ方向(L)を定めて、前記長さ方向に延びる中心燃料チャネル軸(8)を定める、燃料チャネル(6)、
前記燃料チャネル(6)によって囲まれるように配置される65〜160本の燃料棒(10)であって、各燃料棒は、前記長さ方向に実質的に延びる中心燃料棒軸(12)を有する、燃料棒(10)、
前記燃料チャネルによって囲まれるように配置される水路(14)であって、前記水路(14)は、稼動の間、非沸騰水が前記水路を通って流れることができるように構成されて、配置され、各水路は、前記長さ方向に実質的に延びる中心水路軸(16)を有する、水路(14)、
を備え、
前記燃料棒は、燃料棒の第1のグループおよび燃料棒の第2のグループを備え、
前記第1のグループの各燃料棒は、前記燃料アセンブリの下部から前記燃料アセンブリの上部まで延びるいわゆる完全長燃料棒であり、
前記第2のグループの各燃料棒は、前記燃料アセンブリの前記下部から上方へ延びるが、前記完全長燃料棒ほどの高さまで到達しなくて、
前記燃料アセンブリ(4)は、3つの水路(14)を備え、前記水路の各々は、前記燃料棒(10)の各1つの断面積の少なくとも2倍大きい断面積を有し、または、前記燃料アセンブリが異なる断面積の燃料棒を有する場合には、前記燃料棒の平均断面積の少なくとも2倍大きい断面積を有し、
前記3つの水路(14)は、前記3つの水路の各々の前記中心水路軸(16)に比べて前記中心燃料チャネル軸(8)により近い前記中心水路軸(16)のさらなる水路がないように配置される、燃料アセンブリ(4)であって、
前記燃料アセンブリ(4)は、前記第2のグループに属する3または4本の、しかし4本を越えない燃棒であって、これら3または4本の燃料棒の各々の前記中心燃料棒軸(12)が、前記燃料アセンブリの前記3つの水路(14)の前記水路軸(16)のいずれに比べても前記中心燃料チャネル軸(8)により近いように配置されることを特徴とする、
燃料アセンブリ(4)。
【請求項2】
その前記中心燃料棒軸(12)が、前記3または4本の燃料棒のいずれの前記中心燃料棒軸(12)に比べても前記中心燃料チャネル軸(8)により近く配置される完全長燃料棒はない、請求項1に記載の燃料アセンブリ(4)。
【請求項3】
6〜12本の、好ましくは6〜10本の燃料棒(10)のセットを備え、前記セットは、前記3または4本の燃料棒を含み、前記セットの各燃料棒(10)は、前記完全長燃料棒の長さの0.80倍未満の長さを有し、前記セットの燃料棒は、前記セットにおける各燃料棒が前記セットに属する少なくとも1本の他の燃料棒のとなりに配置されるように集めてグループ化される、請求項1〜2のいずれか1項に記載の燃料アセンブリ(4)。
【請求項4】
前記3または4本の燃料棒の各々は、前記完全長燃料棒の長さの0.50倍よりも少ない長さを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料アセンブリ(4)。
【請求項5】
前記完全長燃料棒の長さの0.50倍を超えて、かつ、前記3または4本の燃料棒のいずれの前記中心燃料棒軸(12)に比べても前記中心燃料チャネル軸(8)により近く配置される中心燃料棒軸(12)を有するような燃料棒はない、請求項4に記載の燃料アセンブリ(4)。
【請求項6】
記3つの水路(14)の各1つは、前記燃料棒(10)の各1つの断面積の3.0〜10.0倍の、好ましくは4.0〜8.0倍の断面積を有し、または、前記燃料アセンブリ(4)が異なる断面積の燃料棒を有する場合には、前記燃料棒(10)の平均断面積の3.0〜10.0倍の、好ましくは4.0〜8.0倍の断面積を有し、かつ、前記燃料棒の位置は実質的に規則的なパターンを備え、前記3つの水路(14)の各1つは、この実質的に規則的なパターンにおいて4本の燃料棒(10)を置き換えるように配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料アセンブリ(4)。
【請求項7】
記3つの水路(14)の各々は円形断面を有し、前記水路(14)の少なくとも一部は、前記3または4本の燃料棒(10)のレベルに位置する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料アセンブリ(4)。
【請求項8】
前記燃料アセンブリは、燃料棒位置の実質的に規則的なパターンを備え、前記3つの水路(14)の各1つは、この実質的に規則的なパターンにおいて4本の燃料棒(10)を置き換えるように配置される、請求項1〜5、7のいずれか1項に記載の燃料アセンブリ(4)。
【請求項9】
前記燃料アセンブリは、100〜120本、より好ましくは105〜113本、最も好ましくは109本の燃料棒(10)を備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載の燃料アセンブリ(4)。
【請求項10】
前記燃料アセンブリは、2〜10本、好ましくは6〜8本の燃料棒(10)を備え、前記燃料棒の各々は、前記完全長燃料棒の長さの0.59〜0.79倍の長さを有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の燃料アセンブリ(4)。
【請求項11】
前記燃料アセンブリは、少なくとも70本、好ましくは少なくとも80本、または少なくとも90本の完全長燃料棒(10)を備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の燃料アセンブリ(4)。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の燃料アセンブリ(4)であって、
前記燃料棒(10)より下に配置される下部タイプレート(20)であって、前記3つの水路(14)の各々の下端が前記タイプレート(20)に取り付けられる、下部タイプレート(20)、
前記燃料棒(10)より上に配置される上部リフティング装置(22)であって、燃料棒(10)の束を把持して、持ち上げるためのハンドル(24)を含む、上部リフティング装置(22)、
前記燃料棒(10)を保持するための複数のスペーサグリッド(26)であって、少なくとも大部分の前記スペーサグリッドは、前記3つの水路(14)に取り付けられる、複数のスペーサグリッド(26)、
下端部が前記3つの水路(14)の上部に取り付けられ、上端部が前記上部リフティング装置(22)に取り付けられる、取付けロッド(28)、
を備える、燃料アセンブリ(4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、沸騰水型原子炉(nuclear power boiling water reactor)用の燃料アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
沸騰水型原子炉(nuclear boiling water reactor)用の燃料アセンブリには、多くの燃料棒がある。そしてそれは核燃料物質から成る。燃料アセンブリが原子炉において稼動中であるときに、冷却媒体(通常、水)は、燃料アセンブリを通って流れる。この水は、いくつかの機能を満たす。それは、燃料棒が過熱されないように、燃料棒を冷やすための冷却媒体として機能する。水はまた、中性子減速材として役立つ。すなわち、水は中性子をより低速に減速させる。これにより、原子炉の反応度は増加する。
【0003】
水が燃料アセンブリを通って上方へ流れるので、燃料アセンブリの上部において、水はより大きい程度まで加熱された。これは、下部に比べて燃料アセンブリの上部において蒸気の部分がより大きいことを結果として有する。蒸気が比較的低い密度を有するので、燃料アセンブリの上部の蒸気は、燃料アセンブリの下部の水よりも劣った減速材である。さらに、冷水は、温水に比べてより良好な減速材である。これは、原子炉が稼動外にあるときに、すなわち冷たいときに、最大の減速が得られることを意味する。原子炉の反応度は、核燃料物質の量に、および減速材の量に依存する。冷たい原子炉の反応度は、暖かい原子炉の反応度よりもこれにより高い。安全なシャットダウンを可能にするために、原子炉が稼動外にあるときに最も高い許容された反応度上の要件がある。目的は、このように、原子炉が稼動外にあるときに反応度があまり高くなくてよいと同時に、原子炉が稼動中であるときにできるだけ高い反応度を有するということである。
【0004】
水は、減速材機能を有するだけでないと述べられなければならない。水は、中性子吸収材としても事実機能する。この文脈において、過剰減速の表現がしばしば使われる。これにより、水の吸収材機能がその減速材機能を支配することが意味される。この種の過剰減速は、低下する反応度にこのようにつながる。水の量が過剰減速に至る場合、これは、原子炉が稼動外にあるときに最も高い許容された反応度上の要件がより容易に満たされることを意味する。
【0005】
別の要件は、燃料棒の冷却がいわゆるドライアウトを発生しないように充分であるということである。ドライアウトは、燃料棒の表面に存在する水フィルムが消えるかまたは限定領域において壊れることを意味する。これは、燃料棒と燃料アセンブリを通って流れる水との間に局所的に悪化する熱伝達に至る。これは、延いては燃料棒の増加した壁温度に至る。増加した壁温度は、燃料棒への重篤なダメージに至る場合がある。
【0006】
いわゆるラジアル・ピーキング係数が低減されるように、より均一な燃料アセンブリの横断面上の分裂力の分配を達成することが望ましい。これは、ドライアウトマージンおよび他の安全に関連したパラメータに関していかなる個々の燃料棒もその限界に達する前に、アセンブリがより高い全出力まで稼動されることができることを意味する。
【0007】
異なる安全要件を満たすために、燃料棒の充分な冷却を得るために、そして同時に、稼動の間の高い反応性を得るために、多数の異なる技術的な解決策が提案された。
【0008】
沸騰水型原子炉用の燃料アセンブリの異なる設計の例は、特許文献1、特許文献2および特許文献3に見られることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第1551034 A2号
【特許文献2】米国特許第5,068,082号
【特許文献3】米国特許第4,968,479号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、改良された冷温停止マージン(すなわち、原子炉が停止している(冷温状態)ときに、反応度が十分に低くなければならない)を有する核沸騰水型原子炉用の燃料アセンブリを提供することである。さらなる目的は、原子炉が稼動中である(高温条件)ときに、高い反応性を有するこの種の燃料アセンブリを提供することである。さらなる目的は、燃料アセンブリの横断面を通じて均一に分配される分裂力を有するこの種の燃料アセンブリを提供することである。さらなる目的は、熱水力安定性を改善するために、上部2相流領域における減少した圧力降下を有するこの種の燃料アセンブリを提供することである。別の目的は、燃料アセンブリの(より短い燃料棒を越える)より高いレベルに位置するスペーサグリッドに損傷を引き起こす危険が低いこの種の燃料アセンブリを提供することである。さらに別の目的は、有利な原子炉性能を有するこの種の燃料アセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は、請求項1に記載の燃料アセンブリによって達成される。
【0012】
燃料アセンブリは、燃料アセンブリの中心位置において比較的多い数のより短い燃料棒を、その中心短尺燃料棒の「外側」に配置された少なくとも3つの比較的多い水路と共に備えるので、原子炉が冷温状態にあるときに、大量の水は、燃料アセンブリの中心上方領域においてつくられる。次いで、この領域は、過剰減速されて、冷温反応度は低減される。したがって、改良された稼動停止マージンが得られる。さらに、少なくとも3つの比較的多い水路が用いられるので、そして、これらの水路が燃料アセンブリにおいて「広げられる」ので(それらが定義済みの3または4本の中心短尺燃料棒よりも中心燃料チャネル軸からはるかに外側に配置されるので)、これらの水路は、燃料アセンブリにおいて配置される多数の燃料棒の近くに位置する。したがって、高温条件において良好な減速が得られる。そしてそれは、原子炉の反応度が高いことを意味する。さらに、反応度がより多くの燃料棒により均一に広げられるので、燃料アセンブリの横断面にわたる分裂力の分配はより均一である。また、比較的多い数の中心短尺燃料棒のために、いかなる燃料棒もないより大きいボリュームが燃料アセンブリの上部においてつくられる。これは、圧力降下が要望通り燃料アセンブリの上部において比較的低いことを意味する。請求項1の定義を満たす4本以下の短い中心燃料棒が存在するという事実は、これらの燃料棒より上の中央開口部における蒸気および水の流速があまり高くないことを意味する。この領域における高すぎる流速は、燃料アセンブリのより高いレベルに置かれるスペーサ材料の腐食および浸食を増加させうる。浸食によるスペーサ材料の損失は、スペーサの完全性を害しうる。この高い浸食リスクは、短い中心燃料棒より上の空のスペーサ・セルを取り除くことによって取り扱うことができる。しかしながら、例えば、輸送の間または地震の発生において外部負荷にさらされるときに、これは、中央領域におけるスペーサグリッドの機械的強度を弱める。本発明は、空のスペーサ・セルを保つことを可能にする。そしてそれは、浸食の低いリスクを維持する一方で、スペーサグリッドの構造強度を増加させる。
【0013】
さらに、請求項1において定義される種類の4本以下の中心短尺燃料棒を有することによって、核特性はより最適化される。例えば、いわゆるボイド反応度係数は、圧力過渡現象のような特定の予想されたイベントの重大度を最小化するためにこれにより改良され、そして、特に燃料アセンブリの下部に関する停止マージンはよく最適化される。
【0014】
稼働中の沸騰水型原子炉では、蒸気の形成およびそれゆえ減少する密度に起因して、減速は、原子炉によって上へ変化する。これは、その結果冷温状態でのより高い反応度とともに、上部におけるより高い転換(すなわちウラン238からプルトニウム239のより多くの生産)を与える。従来技術におけるこの課題は、より短い燃料棒の使用によって解決された。より短い燃料棒は負の副作用があるので、それらの数、長さおよび位置は重要である。
【0015】
3または4本の中心短尺燃料棒より上の比較的大きい開放領域も、平均蒸気ボリュームを減らして、それゆえ高温条件での減速を増加させる自然な蒸気分離を強化する。蒸気がより高速でアセンブリを通って上方へ進行する蒸気および水の分離は、平均蒸気ボリュームを減らす。このプロセスは、単一の短尺燃料棒より上の空の位置に比べてより大きな開放領域を必要とする。
【0016】
以下は、請求項において用いる表現に関して強調されてよい。
【0017】
燃料チャネルは、例えば、箱壁または流路壁と呼ばれることもできる。
【0018】
燃料チャネルは、その幅(例えば約1.5dm)と比較して、通常、全く長い(例えば約4m)。したがって、それは、長さ方向を有する。
【0019】
原子炉、燃料アセンブリ、および燃料チャネルにおいて使用中に、好ましくは、鉛直方向において主に延びる。長さ方向は、使用中に、このように鉛直方向である。したがって、燃料アセンブリの下部および上部は、意図された使用位置に見られるように燃料アセンブリに関連する。
【0020】
燃料棒は、わずかに傾けられることができる。それゆえ、燃料棒軸が長さ方向において実質的に延びることは、特定される。しかしながら、好ましくは、燃料棒は傾けられず、したがって、燃料棒軸は長さ方向においてだけ延びる。
【0021】
好ましくは、燃料棒は、まっすぐである。しかしながら、燃料棒は、いくらか曲がっていてもよい。定義済みの中心燃料棒軸は、その場合、燃料棒の曲がった形状に続く。すなわち、その場合、中心燃料棒軸も曲げられる。
【0022】
水路にとっても同じようである。水路は、わずかに傾けられることができる。それゆえ、水路軸が長さ方向において実質的に延びることは、特定される。しかしながら、好ましくは、水路は傾けられず、したがって、水路軸は長さ方向においてだけ延びる。また、好ましくは、水路は、まっすぐである。しかしながら、水路は、曲げられることもできる。定義済みの中心水路軸は、その場合、水路の曲がった形状に続く。すなわち、その場合、中心水路軸も曲げられる。
【0023】
この用途の水路は、燃料アセンブリに置かれて、非沸騰水がそれを通って流れることができるために配置される筐体(例えば管形状の)をこのように意味する。
【0024】
さらに、好ましくは、水路は、その長さの少なくとも80%以上の、好ましくはその全長にわたる一定の断面積(断面積は、水路の端部の近くでいくぶん変化することができる)を有する。しかしながら、別の実施形態によれば、水路の断面積は、その長さに沿って変化してもよい。例えば、断面積は、前述の3または4本の短尺中心燃料棒より上のレベルでより大きくなってよい。
【0025】
水路および燃料棒の断面積が互いに比較されるときに、この比較は、燃料アセンブリ(水路または、おそらく、燃料棒がさまざまな断面積を有する場合に)の同じレベルに関する。特に、比較は、短尺燃料棒が配置される燃料アセンブリの下部にあてはまる。
【0026】
断面積は、水路または燃料棒の外面によって定義される領域に関する。
【0027】
原子炉は、好ましくは軽水炉である。
【0028】
本発明による燃料アセンブリの一実施形態によれば、その中心燃料棒軸が前記3または4本の燃料棒のいずれかの中心燃料棒軸に比べて中心燃料チャネル軸により近く配置された完全長燃料棒はない。この事実は、比較的大きい領域が言及された中央に位置する短尺燃料棒より上にあることを確実にする。したがって、比較的多い水量のためのこれらの短尺ロッドより上に空間が設けられる。そしてそれは、稼動停止マージンを改善する。
【0029】
本発明による燃料アセンブリの別の実施形態によれば、燃料アセンブリは、前記第2のグループに属する4本の燃料棒を備え、これらの4本の燃料棒の各々の中心燃料棒軸が水路の水路軸のいずれに比べても中心燃料チャネル軸により近いように、4本の燃料棒は配置される。この種の4本の燃料棒については、より大きい中心空間がつくられる。そしてそれは、さらに改良された稼動停止マージンを意味する。
【0030】
本発明による燃料アセンブリの別の実施形態によれば、燃料アセンブリは、6〜12本の、好ましくは6〜10本の燃料棒のセットから成る。前記セットは、前記3または4本の燃料棒を含む。前記セットの各燃料棒は、前記完全長燃料棒の長さの0.80倍未満の長さを有する。前記セットの燃料棒は、前記セットにおける各燃料棒が前記セットに属する少なくとも1本の他の燃料棒のとなりに配置されるように集めてグループ化される。この実施形態によれば、比較的多数の中央に位置するより短い燃料棒がこのようにある。これは、これらの燃料棒より上に水のためのかなり大きい空間を確実にする。この空間は、水路内部の空間と共に、良好な停止マージンを確実にする。
【0031】
本発明による燃料アセンブリの別の実施形態によれば、前記3または4本の燃料棒の各々は、前記完全長燃料棒の長さの0.50倍より少ない長さを有する。燃料棒がその短尺であるので、燃料棒より上に水のための広いスペースがあることが確実にされる。
【0032】
好適な実施形態によれば、前記3または4本の燃料棒の各々は、前記完全長燃料棒の長さの0.25〜0.45倍の間にある長さを有する。この種の短尺燃料棒については、水のためのさらにより大きいボリュームがつくられる。
【0033】
別の実施形態によれば、前記完全長燃料棒の長さの0.50倍を超えて、かつ、前記3または4本の燃料棒のいずれの中心燃料棒軸に比べても中心燃料チャネル軸により近く配置される中心燃料棒軸を有するような燃料棒はない。上記説明と同様に、言及された中心短尺燃料棒の中にもはや燃料棒がないことを確実にすることによって、大きくて、邪魔されない、水のためのスペースが作られる。
【0034】
別の実施形態によれば、燃料アセンブリは、前記少なくとも3つの水路のうちの3つだけを備える。まだ充分な空間が比較的多い数の燃料棒のための燃料アセンブリにあると同時に、この種の比較的大きい3つの水路の使用は、高温条件において良好な減速を達成するために最適であることが分かっている。
【0035】
好適な実施形態によれば、燃料アセンブリは、他のいかなる水路も備えない(すなわち、前記燃料棒の各1つの断面積の2倍未満大きい断面積を有する、または、燃料アセンブリが異なる断面積の燃料棒を有する場合には、燃料棒の平均断面積の2倍未満大きい断面積を有する水路もない)。
【0036】
別の実施形態によれば、前記少なくとも3つの水路の各1つは、前記燃料棒の各1つの断面積の3.0〜10.0倍の、好ましくは4.0〜8.0倍の断面積を有し、または、燃料アセンブリが異なる断面積の燃料棒を有する場合には、燃料棒の平均断面積の3.0〜10.0倍の、好ましくは4.0〜8.0倍の断面積を有する。この種の比較的大きい水路については、十分に高い量の非沸騰水は、燃料アセンブリを通って流れる。これは、良好な減速(すなわち高反応性)を確実にする。
【0037】
別の実施形態によれば、前記少なくとも3つの水路の各々は円形断面を有し、水路の少なくとも一部は、前記3または4本の燃料棒のレベルに位置する。流れ力の観点から、丸い水路を使用することは有利である。さらに、この種の丸い水路を製造して、燃料アセンブリ内に置くことは、容易である。
【0038】
別の実施形態によれば、燃料アセンブリは、各々、中心燃料棒軸と中心燃料チャネル軸との間の距離が、前記少なくとも3つの水路のうちの少なくとも1つの中心水路軸と中心燃料チャネル軸との間の距離よりも少ないという基準を満たす、12本の燃料棒だけ、好ましくは8本の燃料棒だけ、より好ましくは6本の燃料棒だけを備える。水路が燃料アセンブリの周辺の方へあまり遠くに配置されないことがこれにより確実にされる。これは、多くの燃料棒のための良好な減速、および高い反応性が、したがって均一に分散される分裂力もまた、達成されることを意味する。
【0039】
好ましい実施形態によれば、燃料アセンブリは、前述の基準を満たす6本の燃料棒を備える。これは、水路の最適位置決めを確実にするように見えた。
【0040】
これは、水路が中心短尺燃料棒の近くに配置されることを意味する。好ましくは、水路の各々は、前記3または4本の燃料棒の少なくとも2つの次に配置される。そうすると、それぞれの水路と前記3または4本の中心短尺燃料棒との間に位置するさらなる燃料棒はない。
【0041】
別の実施形態によれば、燃料アセンブリは、燃料棒位置の実質的に規則的なパターンを備え、前記少なくとも3つの水路の各1つは、この実質的に規則的なパターンにおいて4本の燃料棒を置き換えるように配置される。この種の設計は、燃料アセンブリにおいて実施するのが全く容易である。
【0042】
概念「実質的に規則的なパターン」が使われる。というのも、いくらかの燃料棒は、絶対に規則的なパターンからわずかに変位されてよいからである。好ましくは、規則的なパターンは、(燃料アセンブリの横断面が見られるときに)行および列の形である。
【0043】
別の実施形態によれば、燃料アセンブリは、65〜160本、好ましくは100〜120本、より好ましくは105〜113本、最も好ましくは109本の燃料棒(10)を備える。この種の比較的多数の燃料棒は、燃料アセンブリが冷却媒体に効率的な熱伝達を達成することができることを確実にする。そして、燃料棒および水路の配列のため、良好な減速が得られる。
【0044】
別の実施形態によれば、燃料アセンブリは、2〜10本、好ましくは6〜8本の燃料棒を備え、燃料棒の各々は、前記完全長燃料棒の長さの0.59〜0.79倍の長さを有する。この種の燃料棒の配置は、稼動停止マージンに、そして燃料アセンブリの上部の圧力降下の減少に貢献する。
【0045】
一実施形態によれば、燃料アセンブリは、8〜16本、好ましくは10〜12本の燃料棒を備え、燃料棒の各々は、前記完全長燃料棒の長さの0.25〜0.45倍の長さを有する。この種の短尺燃料棒のこの数については、稼動停止マージンが改善される。
【0046】
別の実施形態によれば、燃料アセンブリは、少なくとも70本、好ましくは少なくとも80本、または少なくとも90本の完全長燃料棒を備える。効率的な熱伝達は、多くの完全長燃料棒を用いることによって得られる。
【0047】
一実施形態によれば、燃料アセンブリは、5〜20本、好ましくは10〜15本の燃料棒を備え、燃料棒の各々は、前記完全長燃料棒の長さの0.80〜0.95倍の長さを有する。この種の燃料棒の配置は、水/蒸気の出口の近くでの、燃料アセンブリの上部における圧力降下を減らす。
【0048】
別の実施形態によれば、燃料アセンブリは、燃料棒より下に配置される下部タイプレートであって、前記少なくとも3つの水路の各々の下端が前記タイプレートに取り付けられる、下部タイプレート、燃料棒より上に配置される上部リフティング装置であって、燃料棒の束を把持して、持ち上げるためのハンドルを含む、上部リフティング装置、燃料棒を保持するための複数のスペーサグリッドであって、少なくとも大部分のスペーサグリッドは、前記少なくとも3つの水路に取り付けられる、複数のスペーサグリッド、下端部が前記少なくとも3つの水路の上部に取り付けられ、上端部が前記上部リフティング装置に取り付けられる、取付けロッド、を備える。
【0049】
この種の設計は、燃料棒の束を扱うことをより容易にする。上方ハンドルおよびリフティング装置は取付けロッドに取り付けられ、そしてそれは水路に取り付けられ、そしてそれは下部タイプレートに取り付けられるので、そしてスペーサグリッドは燃料棒を保持するので、そして少なくとも大部分のスペーサグリッドは水路に取り付けられるので、ハンドルを把持して持ち上げることによって、燃料棒の全部の束を持ち上げることができる。
【0050】
1つの設計原則によれば、燃料チャネルは、破片フィルタを含む底部遷移ピースに永久に固定され、そして、(上方ハンドルおよびリフティング装置、取付けロッド、水路、下部タイプレート、およびスペーサグリッドを含む)上記の通りの全部の燃料束は、燃料チャネルへと降ろされて、遷移ピースの上で自由に静止している。
【0051】
他の設計原則によれば、(上方ハンドルおよびリフティング装置、取付けロッド、水路、下部タイプレート、およびスペーサグリッドを含む)上記の通りの全部の燃料束は、破片フィルタを含む底部遷移ピースに永久に固定される。そして、燃料チャネルは、燃料束にわたって配置されて、上部リフティング装置またはハンドル上に静止する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1図1は、本発明の一実施形態による燃料アセンブリの側面図を概略的に示す。
図2図2は、本発明による燃料アセンブリの一実施形態の断面図を概略的に示す。
図3図3は、本発明による燃料アセンブリの別の実施形態の図2と同様の断面図を概略的に示す。
図4図4は、本発明による燃料アセンブリのさらなる実施形態の図2と同様の断面図を概略的に示す。
図5図5は、本発明による燃料アセンブリのなおさらなる実施形態の図2と同様の断面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明の第1実施形態は、ここで図1および図2に関して記載されている。
【0054】
図1は、本発明の一実施形態による燃料アセンブリ4の側面図を概略的に示す。燃料アセンブリ4は、多くの燃料棒10および水路(water channel)14を備える。燃料棒10よりも下には、下部タイプレート20が配置される。水路14の下端は、タイプレート20に取り付けられる。燃料棒10よりも上には、上部リフティング装置22が配置される。上部リフティング装置22は、燃料棒10の束を把持して持ち上げるためのハンドル24を有する。
【0055】
燃料棒10は、複数のスペーサグリッド26によって保持される。図1は、燃料アセンブリ4の上部および下部だけを概略的に示す点に留意する必要がある。実施形態によれば、燃料アセンブリ4は、10個のスペーサグリッド26を備える。燃料アセンブリ4は、取付けロッド28も備える。取付けロッド28の下端部は、水路14の上部に取り付けられ、取付けロッド28の上端部は、上部リフティング装置22に取り付けられる。すべてのスペーサグリッド26は、1つを除いて、水路14に取り付けられる。上部スペーサグリッド26は、取付けロッド28のレベルに配置される。燃料棒10の全部の束は、水路14、下部タイプレート20、取付けロッド28、上部リフティング装置22およびスペーサグリッド26の助けを借りて一緒にこのように保たれる。したがって、ハンドル24で把持して持ち上げることによって、燃料棒10の全部の束を持ち上げることができる。
【0056】
図2も参照して、燃料アセンブリ4は、ここでさらに詳細に記載される。燃料アセンブリ4は、燃料棒10の束を囲む燃料チャネル6を備える。図1では、燃料チャネル6の内側に配置される構成要素を見ることを可能にするために、燃料チャネル6は、視線方向において取り除かれた。また、2つの水路14は図1に示される。但し、側面図のそれらは、燃料棒10の背後に部分的に隠れる。燃料チャネル6は、長さ方向Lにおいて延びる。燃料アセンブリ4が原子炉において使用中であるとき、長さ方向Lは、通常、鉛直方向である。燃料チャネル6は、前記長さ方向Lにおいて中心燃料チャネル軸8を有する。
【0057】
図2において、すべての小円は、燃料棒10に関連する。各燃料棒10は、中心燃料棒軸12(1つの燃料棒10のためにだけ示される)を有する。そしてそれは、長さ方向Lにおいて実質的に延びる。
【0058】
図2においてより大きな円は、水路14を示す。燃料アセンブリ4が原子炉において使用中であるとき、水路14は、非沸騰水が水路14の中を流れることができるために構成されて配置される。各水路14は、中心水路軸16(図2では1つの水路14のためにだけ示される)を有する。そしてそれは、長さ方向Lにおいて実質的に延びる。
【0059】
燃料アセンブリは、完全長燃料棒10の第1のグループを備える。完全長燃料棒は、図2ではマークされない(すなわち、それらは空の円によって示される)。好ましくはすべてのスペーサグリッド26を通って、完全長燃料棒10は、燃料アセンブリ4の下部から燃料アセンブリ4の上部まで延びる。図1では、完全長燃料棒10だけが示される点に注意されることができる。
【0060】
燃料アセンブリ4は、燃料棒10の第2のグループも備える。燃料棒10の第2のグループは、燃料アセンブリの下部から(完全長燃料棒と同様に)延びるが、完全長燃料棒のような高さまで到達しない。
【0061】
前記第2のグループの燃料棒10は、異なる長さを有することができる。示された実施形態では、いくらかの燃料棒10は、1つの斜線でマークされる。これらの燃料棒は、完全長燃料棒の長さの約9/10の長さを有する。示された実施形態では、この種の10本の燃料棒がある。これらの9/10の燃料棒を配置するときに、水路内部の非沸騰水のとなりの、および燃料チャネルの外側の最も反応する位置は、回避される。これは、アセンブリ出口付近の圧力降下を減らすそれらの目的にかなう一方で、これらの燃料棒において1/10少ないウランを有する悪影響を最小化することである。
【0062】
2つの斜線(十字)でマークされた燃料棒10は、完全長燃料棒の長さの約2/3の長さを有する。示された実施形態では、この種の6本の燃料棒がある。これらの2/3の燃料棒は、11×11の燃料棒配列の外側行列においてコーナーの燃料棒間のほぼ途中に位置する。これは、パワー分布が上部の方へ移動したときに、燃料サイクルにおける遅い停止マージンを改良する燃料束の上部のコールド反応度を減らすことである。
【0063】
3つの斜線(星)でマークされた燃料棒10は、完全長燃料棒の長さの約1/3の長さを有する。示された実施形態では、この種の12本の燃料棒がある。
【0064】
図2に示すように、この実施形態による燃料アセンブリ4は、3つの水路14を有する。各水路14は、燃料棒10の各1つの断面積の約5.5倍(または、燃料アセンブリ4が異なる断面積の燃料棒10を有する場合には、燃料棒10の平均断面積の約5.5倍)の断面積を有する。
【0065】
示された実施形態では、3つの水路14だけがある(すなわちさらなる水路はない)。
【0066】
図2に示すように、最も短い種類の8本の中央に位置する燃料棒(すなわち8本の中心短尺燃料棒)10がある。そしてそれは、一緒にグループにされて、燃料棒セットを形成する。そうすると、このセットの各燃料棒は、このセットに属する少なくとも1つの他の燃料棒のとなりに配置される。これら8本の中心短尺燃料棒10のうちの4本は、これら4本の燃料棒10の各々にとって、燃料棒軸12と中心燃料チャネル軸8との間の距離が水路14のいかなる水路軸16と燃料チャネル軸8との間の距離よりも短いことが真実であるように、配置される。これら4本の短尺中心燃料棒は、このように(図2に関して)、燃料チャネル軸8上に配置される中心燃料棒、中心燃料棒のちょうど下に配置される燃料棒、中心燃料棒のちょうど右に配置される燃料棒、および1列左かつ1行上で中心燃料棒のとなりに配置される燃料棒、である。
【0067】
図2は、燃料アセンブリの下部における燃料アセンブリ4(すべてのより短い燃料棒10も存在する)の概略的断面を示す点に留意する必要がある。
【0068】
上記の定義を満たす4本の中心短尺燃料棒10のいずれの中心燃料棒軸12よりも中心燃料チャネル軸8の近くに配置される燃料棒10はもはやない(2/3の燃料棒または9/10の燃料棒または完全長燃料棒はない)。4本の短尺中心燃料棒10より上に、燃料アセンブリ4には水のための空間がこのようにある。事実、水のための空間が、前述の8本の中央に位置する短い燃料棒10のすべてより上にある。
【0069】
8本の中央に位置する短尺1/3燃料棒に加えて、燃料アセンブリ4のコーナーに位置するこの種のさらに4本の短い燃料棒10がある。
【0070】
水路14の各々は、より短い中心燃料棒10が配置される燃料アセンブリ4の少なくとも下部において円形断面を有する。
【0071】
前述の4本の定義済み中心短尺燃料棒10に加えて、燃料アセンブリ4は、各々以下の基準を満たすさらなる2本の燃料棒を備える。中心燃料棒軸12と中心燃料チャネル軸8との間の距離は、3つの水路14のうちの少なくとも1つの中心水路軸16と中心燃料チャネル軸8との間の距離よりも少ない。示された実施形態では、前述の基準を満たす6本の燃料棒10がこのようにある。これらの燃料棒10は、図2の破線の内側にある。各水路14は、4本の定義済みの中央に位置する短い燃料棒10のうちの少なくとも2本の次に配置される。
【0072】
図2で分かるように、燃料アセンブリ4は、燃料棒位置の実質的に規則的なパターンを備える。水路14の各々1つは、それがこの規則的なパターンにおける4本の燃料棒10を置き換えるように配置される。
【0073】
示された実施形態では、燃料アセンブリ4は、81本の完全長燃料棒10、10本の9/10長さ燃料棒、6本の2/3長さ燃料棒、および12本の1/3長さ燃料棒をこのように備える。
【0074】
本発明のさらなる実施形態は、図3図4および図5に示される。これらの図では、図2と同じマークおよび同じ参照番号が使われる。したがって、これらの実施形態が図2に示す実施形態とどのように異なるかだけがここで記述される。
【0075】
図3は、完全長燃料棒の長さの約2/3の長さを有する燃料棒10が燃料アセンブリ4の周辺のとなりに配置されなくて、その代わりに燃料アセンブリ4のさらに内側に配置されるという点で、図2の実施形態と異なる実施形態を示す。図2の実施形態では、2/3の長さの燃料棒のとなりの外側の行または列に配置される完全長燃料棒は、(これらの完全長燃料棒のとなりに水のための広いスペースがあるので)上方領域において非常に緩和される。これは、これらの完全長燃料棒のより高い部分の局所効果が全く高いことを意味する。図3の実施形態については、この高い局所効果は、回避される。
【0076】
図4は、中央に位置する8本の1/3長さの短い燃料棒10のうちの2本が完全長燃料棒によって置き換えられたという点で、図2の実施形態と異なる実施形態を示す。さらに、図4の実施形態では、外側の行または列に配置される8本の(図2のような6本の代わりに)2/3長さの燃料棒がある。図4の実施形態では、中心に短い1/3長さの燃料棒が6本だけあるので、中心上方領域の流速は減少される。さらに、図4の配列については、図2の実施形態と比較して、燃料アセンブリの上部における核燃料のより均一な分布がある。
【0077】
図5は、中央に位置する8本の1/3長さの短い燃料棒10のうちの2本が2/3長さの燃料棒によって置き換えられたという点で、図2の実施形態と異なる実施形態を示す。さらに、図5の実施形態では、外側の行または列に配置される2/3長さの燃料棒が4本だけある。その代わりに、中央に位置する1/3長さの燃料棒のとなりに配置される2本の2/3長さの燃料棒(1本の2/3長さの燃料棒は上から3列目および左から5行目に配置され、1本の2/3長さの燃料棒は上から5列目および左から3行目に配置される)がある。図5の実施形態では、6本の中央に位置する1/3長さの燃料棒、および4本の2/3長さの燃料棒(すなわち合わせて10本の、完全長燃料棒の長さの0.80よりも短い燃料棒)がこのようにある。そしてそれは、セットにおける各燃料棒がそのセットに属する少なくとも1本の他の燃料棒のとなりに配置されるように、それらがセットを形成するように集められる。この実施形態は、前述の実施形態に関連して記載されている利点の良好な妥協をもたらすように見えた。
【0078】
示された実施形態は、本発明の上記した目的および利点が達成される有利な燃料アセンブリを提供する。
【0079】
例示の実施形態の多くのバリエーションは、本発明の範囲内で可能である。例えば、燃料棒の数は変化してよい。そして、異なる長さの燃料棒の数は変化してよい。例えば、9/10の長さを有する燃料棒は、より少なくてもよく、またはより多くてもよく、または全然無くてもよい。
【0080】
本発明は、このように、本明細書に記載されている実施例に限られなくて、以下の請求項の範囲内で変化することができて、修正されることができる。

図1
図2
図3
図4
図5