(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6758346
(24)【登録日】2020年9月3日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】電力増幅システム、無線周波数モジュールと無線デバイス
(51)【国際特許分類】
H03F 1/02 20060101AFI20200910BHJP
H03F 3/24 20060101ALI20200910BHJP
【FI】
H03F1/02
H03F3/24
【請求項の数】21
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-113588(P2018-113588)
(22)【出願日】2018年6月14日
(62)【分割の表示】特願2015-192582(P2015-192582)の分割
【原出願日】2015年9月30日
(65)【公開番号】特開2018-160925(P2018-160925A)
(43)【公開日】2018年10月11日
【審査請求日】2018年6月18日
(31)【優先権主張番号】62/116,459
(32)【優先日】2015年2月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503031330
【氏名又は名称】スカイワークス ソリューションズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SKYWORKS SOLUTIONS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ペールケ、 デイヴィッド リチャード
(72)【発明者】
【氏名】リプリー、 デイヴィッド スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】レートラ、 フィリップ ジョン
【審査官】
渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−196955(JP,A)
【文献】
特開2003−008365(JP,A)
【文献】
特開2002−314345(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/099543(WO,A1)
【文献】
特表2005−539448(JP,A)
【文献】
特表2005−502251(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0002235(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 1/02
H03F 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力増幅システムであって、
電力増幅器と、
前記電力増幅器に第1供給電圧又は第2供給電圧を与えるべく構成されたブースト変換器と、
前記電力増幅器に関連付けられたパラメータに基づいて前記第1供給電圧又は前記第2供給電圧を選択するブースト変換器制御信号を前記ブースト変換器に与えるべく構成された制御システムと
を含み、
前記パラメータは、前記電力増幅器のセンスされた条件を含み、
前記電力増幅器のセンスされた条件は、前記電力増幅器の一以上のトランジスタが飽和していることを示し、
前記第2供給電圧は、前記一以上のトランジスタが飽和していることに応答して前記第1供給電圧よりも高い供給電圧を達成するべく構成される電力増幅システム。
【請求項2】
前記制御システムは、前記電力増幅器のセンスされた条件を検出するべく構成される請求項1の電力増幅システム。
【請求項3】
前記制御システムは、前記電力増幅器のセンスされた条件を示す信号を受信するべく構成される請求項1の電力増幅システム。
【請求項4】
前記ブースト変換器制御信号は、前記第1供給電圧を選択するための第1基準電圧、又は前記第2供給電圧を選択するための第2基準電圧の一方を含む請求項1の電力増幅システム。
【請求項5】
前記ブースト変換器制御信号は、前記第2供給電圧を選択するためのデジタルデルタ信号を含む請求項1の電力増幅システム。
【請求項6】
前記第2供給電圧により、前記電力増幅器のための付加的なヘッドルームが得られる請求項1の電力増幅システム。
【請求項7】
前記制御システムはさらに、前記電力増幅器に電力増幅器制御信号を与えるべく構成される請求項1の電力増幅システム。
【請求項8】
前記電力増幅器制御信号は、バイアス電圧又はイネーブル信号の少なくとも一つを含む請求項7の電力増幅システム。
【請求項9】
前記パラメータは前記電力増幅器の動作モードを含み、
前記ブースト変換器制御信号は、前記動作モードをサポートする前記ブースト変換器に与えられる請求項1の電力増幅システム。
【請求項10】
前記動作モードは線形性増加モードを含む請求項9の電力増幅システム。
【請求項11】
前記線形性増加モードは、高電圧モード又は高出力電力モードの少なくとも一つを含む請求項10の電力増幅システム。
【請求項12】
前記ブースト変換器は電池電圧により電力を受け、
前記第2供給電圧は前記電池電圧よりも大きい請求項1の電力増幅システム。
【請求項13】
前記ブースト変換器は、前記第1基準電圧の低下に応答して前記第1供給電圧を低下させるべく構成される請求項4の電力増幅システム。
【請求項14】
前記第1供給電圧は、前記ブースト変換器が前記電力増幅器に与える公称最適値を有する請求項1の電力増幅システム。
【請求項15】
前記第2供給電圧は、前記公称最適値から一定電圧値だけ増加させた値を有する請求項14の電力増幅システム。
【請求項16】
無線周波数モジュールであって、
複数のコンポーネントを受容するべく構成されたパッケージング基板と、
前記パッケージング基板に実装された電力増幅システムと
を含み、
前記電力増幅システムは、
電力増幅器と、
前記電力増幅器に第1供給電圧又は第2供給電圧を与えるべく構成されたブースト変換器と
を含み、
前記電力増幅システムはさらに、前記電力増幅器に関連付けられたパラメータに基づいて前記第1供給電圧又は前記第2供給電圧を選択するブースト変換器制御信号を前記ブースト変換器に与えるべく構成された制御システムを含み、
前記パラメータは、前記電力増幅器のセンスされた条件を含み、
前記電力増幅器のセンスされた条件は、前記電力増幅器の一以上のトランジスタが飽和していることを示し、
前記第2供給電圧は、前記一以上のトランジスタが飽和していることに応答して前記第1供給電圧よりも高い供給電圧を達成するべく構成される無線周波数モジュール。
【請求項17】
前記無線周波数モジュールはフロントエンドモジュールである請求項16の無線周波数モジュール。
【請求項18】
無線デバイスであって、
無線周波数信号を発生させるべく構成された送受信器と、
前記送受信器と通信するフロントエンドモジュールと、
前記フロントエンドモジュールと通信するアンテナと
を含み、
前記フロントエンドモジュールは、複数のコンポーネントを受容するべく構成されたパッケージング基板を含み、
前記フロントエンドモジュールはさらに、前記パッケージング基板に実装された電力増幅システムを含み、
前記電力増幅システムは、前記無線周波数信号を増幅するべく構成された電力増幅器を含み、
前記電力増幅システムはさらに、前記電力増幅器に第1供給電圧又は第2供給電圧を与えるべく構成されたブースト変換器を含み、
前記電力増幅システムはさらに、
前記電力増幅器に関連付けられたパラメータに基づいて前記第1供給電圧又は前記第2供給電圧を選択するブースト変換器制御信号を前記ブースト変換器に与えるべく構成された制御システムを含み、
前記パラメータは、前記電力増幅器のセンスされた条件を含み、
前記電力増幅器のセンスされた条件は、前記電力増幅器の一以上のトランジスタが飽和していることを示し、
前記第2供給電圧は、前記一以上のトランジスタが飽和していることに応答して前記第1供給電圧よりも高い供給電圧を達成するべく構成され、
前記アンテナは、増幅された無線周波数信号を送信するべく構成される無線デバイス。
【請求項19】
前記制御システムは、前記電力増幅器のセンスされた条件を検出し、前記センスされた条件に基づいて前記ブースト変換器制御信号を発生させるべく構成される請求項18の無線デバイス。
【請求項20】
前記送受信器は、前記電力増幅器のセンスされた条件を示す信号を受信し、前記センスされた条件に基づく送受信器制御信号を前記制御システムへと送信するべく構成され、
前記制御システムは、前記送受信器制御信号に基づいて前記ブースト変換器制御信号を発生させるべく構成される請求項18の無線デバイス。
【請求項21】
前記第2供給電圧により、前記電力増幅器のための付加的なヘッドルームが得られる請求項19の無線デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、電力増幅システムに関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、2015年2月15日出願の「ブーストされた供給を使用するプログラム可能電力増幅器性能」との名称の米国仮出願第62/116,459号の優先権を主張する。その開示は全体が、ここに明示的に参照として組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
電力増幅システムは、供給電圧を与える電圧供給システムによって電力を受けることができる。供給電圧は、電圧供給システムに供給される電池電圧から引き出すことができるが当該電池電圧とは異なり得る。理想的には、電力増幅器供給電圧は、例えば、大まかには10ボルト(V)から1Vまでの20dB窓にわたる平均出力電力に追従するべきである。ほぼ3.8Vの公称電池電圧(Vbatt)であれば、Vbattよりも大きな供給電圧を発生させるべくブースト機能を利用することができ、Vbatt未満の供給電圧を発生させるべくバック(buck)機能を利用することができる。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実装によれば、本開示は電力増幅システムに関する。電力増幅システムは、電力増幅器と、当該電力増幅器に供給電圧を与えるべく構成されたブースト変換器とを含む。電力増幅システムは、電力増幅器に関連付けられたパラメータに基づいて供給電圧を調整するブースト変換器制御信号をブースト変換器に与えるべく構成された制御システムを含む。
【0005】
いくつかの実施形態において、パラメータは、電力増幅器のセンスされた条件を含み得る。いくつかの実施形態において、制御システムは、電力増幅器のセンスされた条件を検出するべく構成することができる。いくつかの実施形態において、制御システムは、電力増幅器のセンスされた条件を示す信号を受信するべく構成することができる。いくつかの実施形態において、制御システムは、電力増幅器のセンスされた条件に基づく信号を受信するべく構成することができる。
【0006】
いくつかの実施形態において、ブースト変換器制御信号は、基準電圧、デルタ信号又はイネーブル信号の少なくとも一つを含み得る。いくつかの実施形態において、ブースト変換器は、基準電圧の増加に応答して供給電圧を、当該供給電圧の増加により調整するべく構成することができる。いくつかの実施形態において、供給電圧の増加により、電力増幅器のための付加的なヘッドルームが得られる。いくつかの実施形態において、ブースト変換器は、デルタ信号に応答して供給電圧を、当該供給電圧をプリセット量だけ増加させることにより調整するべく構成することができる。
【0007】
いくつかの実施形態において、制御システムはさらに、電力増幅器に電力増幅器制御信号を与えるべく構成することができる。いくつかの実施形態において、電力増幅器制御信号は、バイアス電圧又はイネーブル信号の少なくとも一つを含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態において、パラメータは電力増幅器の動作モードを含み、ブースト変換器制御信号は、当該動作モードをサポートするブースト変換器に与えられ得る。いくつかの実施形態において、動作モードは、線形性増加モードを含み得る。いくつかの実施形態において、線形性増加モードは、高電圧モード又は高出力電力モードの少なくとも一方とすることができる。
【0009】
いくつかの実施形態において、ブースト変換器は電池電圧により電力を受けることができ、供給電圧は当該電池電圧よりも大きくなり得る。
【0010】
いくつかの実装において、本開示は、複数のコンポーネントを受容するべく構成されたパッケージング基板を含む無線周波数(RF)モジュールに関する。RFモジュールは、パッケージング基板に実装された電力増幅システムを含む。電力増幅システムは、電力増幅器と、当該電力増幅器に供給電圧を与えるべく構成されたブースト変換器とを含む。電力増幅システムはさらに、電力増幅器に関連付けられたパラメータに基づいて供給電圧を調整するブースト変換器制御信号をブースト変換器に与えるべく構成された制御システムを含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、RFモジュールは、フロントエンドモジュール(FEM)とすることができる。
【0012】
いくつかの実装において、本開示は、無線周波数(RF)信号を発生させるべく構成された送受信器を含む無線デバイスに関する。無線デバイスは、送受信器と通信するフロントエンドモジュール(FEM)を含む。FEMは、複数のコンポーネントを受容するべく構成されたパッケージング基板を含む。FEMは、パッケージング基板に実装された電力増幅システムを含む。電力増幅システムは、RF信号を増幅するべく構成された電力増幅器を含む。電力増幅システムはさらに、電力増幅器に供給電圧を与えるべく構成されたブースト変換器を含む。電力増幅システムはさらに、電力増幅器に関連付けられたパラメータに基づいて供給電圧を調整するブースト変換器制御信号をブースト変換器に与えるべく構成された制御システムを含む。無線デバイスは、FEMと通信するアンテナを含む。アンテナは、増幅されたRF信号を送信するべく構成される。
【0013】
いくつかの実施形態において、制御システムは、電力増幅器のセンスされた条件を検出し、当該センスされた条件に基づいてブースト変換器制御信号を発生させるべく構成することができる。
【0014】
いくつかの実施形態において、送受信器は、電力増幅器のセンスされた条件を示す信号を受信し、当該センスされた条件に基づく送受信器制御信号を制御システムへと送信するべく構成することができる。制御システムは、送受信器制御信号に基づいてブースト変換器制御信号を発生させるべく構成することができる。
【0015】
本開示を要約する目的で本発明の一定の側面、利点及び新規な特徴がここに記載された。理解すべきことだが、かかる利点のすべてが必ずしも、本発明の任意の特定実施形態によって達成できるわけではない。すなわち、本発明は、ここに教示される一の利点又は一群の利点を、ここに教示又は示唆される他の利点を必ずしも達成することなく、達成又は最適化する態様で具体化又は実施をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】代表的な無線システム又はアーキテクチャを示す。
【
図2】いくつかの実装において、増幅器システムが一以上の電力増幅器を有する無線周波数(RF)増幅器アセンブリを含み得ることを示す。
【
図3】
図3A〜3Eは、電力増幅器の非制限的な例を示す。
【
図4】ブースト変換器を含む電力増幅システムのブロック図を例示する。
【
図5】SMPSブースト変換器からのブーストされた出力電圧が基準電圧に比例し得る態様の一例を示す。
【
図6】ブースト変換器からの可変供給電圧によってコレクタ供給電圧の制約が除去され又は実質的に緩和され得る態様の一例を示す。
【
図7】対応電力増幅器に対する所望の結果を達成するようにブースト変換器を動作させるべく実装可能なプロセスを示す。
【
図8】センスされた電力増幅器条件に応答して実行されるように実装可能なプロセスを示す。
【
図9】
図7のプロセスの具体例として実装可能なプロセスを示す。
【
図10】線形性制御の代表的な文脈において
図9のプロセスの具体例として実装可能なプロセスを示す。
【
図11】ここに記載される一以上の特徴を有するモジュールを描く。
【
図12】ここに記載される一以上の特徴を有する無線デバイスを描く。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここに与えられる見出しは、たとえあったとしても、便宜のみのためであって、必ずしも請求項に係る発明の範囲又は意味に影響するわけではない。
【0018】
図1を参照すると、本開示の一以上の特徴は一般に、増幅システム52を有する無線システム又はアーキテクチャ50に関する。いくつかの実施形態において、増幅システム52は、一以上のデバイスとして実装可能である。かかるデバイスは、無線システム/アーキテクチャ50において利用可能である。いくつかの実施形態において、無線システム/アーキテクチャ50は例えば、携帯型無線デバイスに実装可能である。かかる無線デバイスの例がここに記載される。
【0019】
図2は、
図1の増幅システム52が典型的に、一以上電力増幅器(PA)を有する無線周波数(RF)増幅器アセンブリ54を含むことを示す。
図2の例において、3つのPA60a〜60cが、RF増幅器アセンブリ54を形成するように描かれる。理解されることだが、他の数のPA(複数可)も実装可能である。またも理解されることだが、本開示の一以上の特徴は、他のタイプのRF増幅器を有するRF増幅器アセンブリにも実装可能である。
【0020】
いくつかの実施形態において、RF増幅器アセンブリ54は一以上の半導体ダイに実装可能である。かかるダイは、電力増幅器モジュール(PAM)又はフロントエンドモジュール(FEM)のようなパッケージモジュールに含めることができる。かかるパッケージモジュールは典型的に、例えば携帯型無線デバイスに関連付けられた回路基板に搭載される。
【0021】
増幅システム52におけるPA(例えば60a〜60c)は典型的に、バイアスシステム56によってバイアスがかけられる。さらに、PAのための供給電圧は典型的に、供給システム58によって与えることができる。いくつかの実施形態において、バイアスシステム56及び供給システム58のいずれか又は双方は、RF増幅器アセンブリ54を有する上記パッケージモジュールに含めることができる。
【0022】
いくつかの実施形態において、増幅システム52は整合ネットワーク62を含み得る。かかる整合ネットワークは、RF増幅器アセンブリ54のための入力整合及び/又は出力整合機能を与えるべく構成することができる。
【0023】
説明目的のため理解されることだが、
図2の各PA(60)は、一定数の態様で実装可能である。
図3A〜3Eは、かかるPAが構成され得る態様についての非制限的な例を示す。
図3Aは、増幅トランジスタ64を有する代表的なPAを示す。ここで、入力RF信号(RF_in)がトランジスタ64のベースへと与えられ、増幅されたRF信号(RF_out)がトランジスタ64のコレクタを介して出力される。
【0024】
図3Bは、複数段に配列された複数の増幅トランジスタ(例えば64a、64b)を有する代表的なPAを示す。入力RF信号(RF_in)は、第1トランジスタ64aのベースへと与えられ、第1トランジスタ64aからの増幅されたRF信号は、そのコレクタを介して出力される。第1トランジスタ64aからの増幅されたRF信号は、第2トランジスタ64bのベースへと与えられ、第2トランジスタ64bからの増幅されたRF信号は、そのコレクタを介して出力され、ひいてはPAの出力RF信号(RF_out)がもたらされる。
【0025】
いくつかの実施形態において、
図3Bの上記代表的なPA構成は、
図3Cに示されるように2以上の段として描くことができる。第1段64aは例えばドライバ段として構成し、第2段64bは例えば出力段として構成することができる。
【0026】
図3Dは、いくつかの実施形態において、PAがドハティPAとして構成できることを示す。かかるドハティPAは、増幅された出力RF信号(RF_out)をもたらすように、入力RF信号(RF_in)のキャリア増幅及びピーキング増幅を与えるべく構成された増幅トランジスタ64a、64bを含み得る。入力RF信号は、分割器によりキャリア部分及びピーキング部分に分割することができる。増幅されたキャリア信号及びピーキング信号は、結合器により出力RF信号を与えるべく結合することができる。
【0027】
図3Eは、いくつかの実施形態において、PAがカスコード構成で実装できることを示す。入力RF信号(RF_in)は、エミッタ共通デバイスとして動作する第1増幅トランジスタ64aのベースに与えることができる。第1増幅トランジスタ64aの出力は、そのコレクタを介して与え、かつ、ベース共通デバイスとして動作する第2増幅トランジスタ64bのエミッタへと与えることができる。第2増幅トランジスタ64bの出力は、PAの増幅された出力RF信号(RF_out)をもたらすべく、そのコレクタを介して与えることができる。
【0028】
図3A〜3Eの様々な例において、増幅トランジスタは、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)のようなバイポーラ接合トランジスタ(BJT)として記載される。理解されることだが、本開示の一以上の特徴はまた、電界効果トランジスタ(FET)のような他のタイプのトランジスタにおいて又は当該トランジスタを使用して実装可能である。
【0029】
図4は、ブースト変換器122を含む電力増幅システム100のブロック図を例示する。いくつかの実施形態において、かかる電力増幅システムは、高電圧(HV)増幅能力を含み得る。電力増幅システムは、電力増幅器130と、電力増幅器130に供給電圧を与えるべく構成された供給システム120とを含む。電力増幅器130は、入力無線周波数信号を受信して当該入力無線周波数信号の増幅されたバージョンを、出力無線周波数信号として出力するべく構成される。供給システム120は、電池電圧(Vbatt)を受けて電力増幅器130に供給電圧(Vcc)を出力するべく構成される。供給システム120は、例えば、スイッチングモード電源(SMPS)を含み得る。供給システム120は、電池電圧よりも大きい(又は電池電圧と等しい)供給電圧を発生させるべく使用可能なブースト変換器122を含む。いくつかの実装において、供給システム120はさらに、例えば、電池電圧未満の供給電圧を発生させるべく使用可能な他のコンポーネントを含む。
【0030】
供給システム120及び電力増幅器130は、供給システム制御コンポーネント112及び電力増幅器制御コンポーネント114を含む制御システム110によって制御される。制御システム110(例えば供給システム制御コンポーネント112)は、電力増幅器130に関連付けられたパラメータに基づいて供給電圧を調整する供給システム制御信号を当該供給システムに与えるべく構成される。具体的に、制御システム110は、電力増幅器130に関連付けられたパラメータに基づいて供給電圧を調整するブースト変換器制御信号をブースト変換器122に与えるべく構成される。
【0031】
ブースト変換器制御信号は、基準電圧、デルタ信号、イネーブル信号、又は任意の他のデジタル若しくはアナログ信号とすることができる。例えば、ブースト変換器制御信号は基準電圧とすることができる。ブースト変換器122は、基準電圧の増加に応答して供給電圧を、当該供給電圧を増加させることにより調整するべく構成することができる。供給電圧の増加により、電力増幅器130のための付加的なヘッドルームが得られる。同様に、ブースト変換器122は、基準電圧の低下に応答して供給電圧を、当該供給電圧を低下させることにより調整するべく構成される。供給電圧の低下により、電力増幅器130の電力付加効率(PAE)を改善することができる。
【0032】
他例として、ブースト変換器制御信号はデルタ信号とすることができる。ブースト変換器122は、デルタ信号に応答して供給電圧を、当該供給電圧をプリセット量まで増加することにより調整するべく構成することができる。
【0033】
いくつかの実装において、電力増幅器130に関連付けられたパラメータは、電力増幅器130のセンスされた条件を含む。いくつかの実装において、電力増幅器制御コンポーネント114(ひいては制御システム110)は、電力増幅器のセンスされた条件を検出するべく構成される。いくつかの実装において、制御システム110は、電力増幅器130のセンスされた条件を示す信号を受信するべく構成される。例えば、供給システム制御コンポーネント112は、電力増幅器のセンスされた条件を示す信号を電力増幅器制御コンポーネント114から受信することができる。他例として、制御システム110は、電力増幅器のセンスされた条件を示す信号を送受信器から受信することができる。いくつかの実装において、制御システム110は、センスされた電力増幅器130の条件に基づく信号を受信するべく構成することができる。
【0034】
電力増幅器のセンスされた条件は、例えば、電力増幅器130の飽和条件とすることができる。電力増幅器130(又は電力増幅器130の一以上のトランジスタ)は、飽和して当該電力増幅器の線形性を低下させ得る。
【0035】
いくつかの実装において、電力増幅器130に関連付けられたパラメータは電力増幅器130の動作モードを含み、ブースト変換器制御信号は、当該動作モードをサポートするブースト変換器122に与えられる。例えば、動作モードは、線形性増加モードとすることができる。線形性増加モードは、高電圧モード又は高出力電力モードとすることができる。
【0036】
制御システム110(例えば電力増幅器制御コンポーネント114)は、電力増幅器制御信号を電力増幅器130に与えるべく構成される。電力増幅器制御信号は、電力増幅器130(又は電力増幅器130の一以上のトランジスタ)にバイアスをかけるバイアス信号(例えばバイアス電圧又はバイアス電流)、イネーブル信号、又は任意の他のデジタル若しくはアナログ信号とすることができる。
【0037】
入力電圧(例えば電池により供給される電池電圧)をブーストする能力を有する(
図4の電力増幅システム100のような)電力増幅システムは、かかるブーストされた供給が利用可能な態様に柔軟性を与えることができる。いくつかの実施形態において、かかるブーストされた供給電圧は、基準電圧(Vref)のような制御入力に応じて可変とすることができる。したがって、ブーストされた供給電圧の当該可変的性質を、プログラム可能な供給電圧の実装を含む一定数の態様で利用することができる。
【0038】
図5は、SMPSブースト変換器からのブーストされた出力電圧Voutが基準電圧Vrefに比例し得る態様の一例を示す。利用可能な広い範囲のVout(例えば電池電圧Vbattから図示の例の少なくとも11Vまで)が存在することがわかる。例えば、電力増幅器(例えば電力増幅器のトランジスタのコレクタ)に与えられる広い範囲の供給電圧Vccが存在し得る。
【0039】
可変Voutの発生に関連する付加的な例は、2015年2月15日出願の「多重モード電力管理に関するデバイスと方法」との名称の米国仮出願第62/116,458号に記載されている。その開示は全体が、ここに明示的に参照として組み入れられる。
【0040】
上記出願において、ブーストモード動作を含む代表的なVoutの曲線は、電力増幅システム外部の(例えば送受信器からの)制御を必ずしも含むわけではない制御システムによって得られる。しかしながら、説明目的のため理解されることだが、可変のブーストされた出力Voutは、外部制御機能を含んでも又は含まなくてもよい。
【0041】
ブースト変換器からの広い範囲の供給電圧を与えることができる上記能力により、有益な電力増幅器性能改善を得るべくかかる能力を利用することができる。線形性が、かかる電力増幅器性能の一例である。様々な例が、線形性の文脈においてここに記載されるにもかかわらず、理解されることだが、供給電圧の当該可変的性質を利用することにより、他の電力増幅器関連性能も調整することができる。
【0042】
注目されるのは、コレクタ/ドレイン電圧供給の利用可能レベルによって決定される振幅変調圧縮が、電力増幅器の非線形性を制約する場合が多いということである。かかる振幅変調圧縮は、無線の適合に要求される帯域内エラーベクトル振幅(EVM)及びスペクトル再生の隣接チャネル漏洩電力比(ACLR)の線形性性能のような他のパラメータにも影響を与え、デュプレクスギャップが十分に小さな場合には受信器感度にさえも影響を与え得る。
【0043】
図6は、ブースト変換器102からの可変供給電圧によって上記コレクタ供給電圧の制約が除去され又は実質的に緩和され得る態様の一例を示す。かかるブースト変換器は、供給電圧Vccを発生させて電力増幅器に与えることにより、当該電力増幅器が改善された線形性で動作可能となるように示される。
【0044】
例えば、ブースト変換器102を使用して、所与レベルの線形性を達成するべく公称最適値Vcc
nomを電力増幅器に与えることができる。しかしながら、(例えば大きな包絡線(110)振幅を有する)付加的な線形性が所望される場合、高い供給電圧レベルを設定することにより、大きなヘッドルーム、ひいては良好な線形性が得られる。かかるヘッドルームの増加は、DC消費及び効率性能の劣化をもたらし得るが、かかる代償を被るのは、高レベルの放射及び線形性性能を含む動作状況のみである。
【0045】
図6の例では、上記増加したヘッドルームは、Vccを公称値Vcc
nomから量ΔVだけ増加させ、増加供給電圧Vcc
nom+ΔVを与えることによって達成することができる。増加量ΔVは、代表的な包絡線110によって描かれる高放射レベルに適応させるべく選択することができる。いくつかの実施形態において、ブースト変換器によるVcc発生に関連する動作は、Vcc
nom及びΔVのいずれか又は双方に関連付けられた値に対してプログラムすることができる。
【0046】
ブースト変換器のプログラム動作によってVccを増加させ得る上記例は、ブースト変換器の出力が一定の電力増幅器関連パラメータに基づいて調整可能となる一般的概念の一例である。
【0047】
図7は、対応電力増幅器に対する所望の結果を達成するように、かかるブースト変換器を動作させるべく実装可能なプロセス200を示す。ブロック202において、電力増幅器パラメータを代表する入力を受信することができる。ブロック204において、ブースト変換器の出力を変更する指令を、当該入力に基づいて発生させることができる。ブロック206において、当該指令を代表する信号を、ブースト変換器へとその出力を調整するべく送信することができる。
【0048】
いくつかの実施形態において、上記プロセスは、ブースト変換器が一定のセンスされた電力増幅器条件に応答可能となるように実装可能である。
図8は、かかる応答を実行するべく実装可能なプロセス210を示す。ブロック212において、電力増幅器条件を検出することができる。ブロック214において、当該検出された条件に応答してブースト変換器の出力を変更する指令を発生させることができる。ブロック216において、当該指令を代表する信号をブースト変換器へと、その出力を調整するべく送信することができる。
【0049】
とりわけ、一定のセンスされた電力増幅器条件へのブースト変換器の上記応答に関する例は、2014年12月30日出願の「電力増幅器電圧調整による圧縮制御」との名称の米国仮出願第62/097,941号に記載されている。その開示は全体が、ここに明示的に参照として組み入れられる。
【0050】
図9は、
図7のプロセス200の具体例として実装可能なプロセス220を示す。
図9のプロセス220では、ブースト変換器の動作は、必ずしも一定の入力に対して自動的に応答するわけではない。むしろ、ブースト変換器の出力の変更が、例えばプログラムされた変更として実装される。決定ブロック222において、プロセス220は、モード変更が所望されるか否かを決定することができる。Yesであれば、ブロック224のプロセス220は、当該モード変更をサポートするべくブースト変換器の出力を変更する指令を発生させることができる。ブロック226において、当該指令を代表する信号を、ブースト変換器へとその出力を調整するべく送信することができる。
【0051】
図10は、線形性制御の代表的な文脈において
図9のプロセス220の具体例として実装可能なプロセス230を示す。決定ブロック232において、プロセス230は、線形性性能の変更が所望されるか否かを決定することができる。Yesの場合、ブロック234のプロセス230は、供給電圧Vccの割増ヘッドルームΔVの量を変更するべく、ブースト変換器の出力を変更する指令を発生させることができる。ブロック236において、当該指令に基づいて、ブースト変換器のための基準電圧を発生させることができる。ブロック238において、基準電圧は、ブースト変換器へとその出力を調整するべく与えることができる。
【0052】
いくつかの実施形態において、
図7〜10を参照して記載された代表的なプロセスのいくつか又はすべては、制御システム(例えば
図4の110)によって実行及び/又は促進することができる。
【0053】
図11は、いくつかの実施形態において、ここに記載されたブースト変換器関連機能のいくつか又はすべてが一モジュールに実装できることを示す。かかるモジュールは、例えばフロントエンドモジュール(FEM)とすることができる。
図11の例において、モジュール300はパッケージング基板302を含み得る。かかるパッケージング基板には一定数のコンポーネントが搭載され得る。例えば、FE−PMICコンポーネント304、電力増幅器アセンブリ306、整合コンポーネント308及びデュプレクサアセンブリ310を、パッケージング基板302上に及び/又はパッケージング基板302内に搭載及び/又は実装可能である。一定数のSMTデバイス314及びアンテナスイッチモジュール(ASM)312のような他のコンポーネントもまた、パッケージング基板302に搭載することができる。ここに記載される一以上の特徴を有する制御システム104は、FE−PMICコンポーネント304及び電力増幅器アセンブリ306のいずれか又は双方の一部として実装可能である。様々なコンポーネントのすべてがパッケージング基板302上にレイアウトされるように描かれるにもかかわらず、何らかのコンポーネント(複数可)が、他のコンポーネント(複数可)の上に実装できることが理解される。
【0054】
いくつかの実装において、ここに記載される一以上の特徴を有するデバイス及び/又は回路は、無線デバイスのようなRFデバイスに含めることができる。かかるデバイス及び/又は回路は、ここに記載されるモジュラー形態で、又はその何らかの組み合わせで無線デバイスに直接実装可能である。いくつかの実施形態において、かかる無線デバイスは、例えば、セルラー電話、スマートフォン、電話機能あり又はなしのハンドヘルド無線デバイス、無線タブレット等を含み得る。
【0055】
図12は、ここに記載される一以上の有利な特徴を有する代表的な無線デバイス400を描く。ここに記載される一以上の特徴を有するモジュールの文脈において、かかるモジュールは一般に、破線枠300によって描くことができ、例えばフロントエンドモジュール(FEM)として実装可能である。かかるモジュールは、ここに記載される一以上の特徴を有する制御システム104を含み得る。
【0056】
図12を参照すると、電力増幅器(PA)420は、増幅及び送信対象のRF信号を発生させるべくかつ受信した信号を処理するべく周知の態様で構成かつ動作し得る送受信器410から対応RF信号を受信することができる。送受信器410は、ユーザに適したデータ及び/又は音声信号と送受信器410に適したRF信号との間の変換を与えるべく構成されたベース帯域サブシステム408と相互作用をするように示される。送受信器410はまた、無線デバイス400の動作を目的として電力を管理するべく構成された電力管理コンポーネント406と通信することができる。かかる電力管理はまた、ベース帯域サブシステム408及びモジュール300の動作を制御することもできる。
【0057】
ベース帯域サブシステム408は、ユーザに与えられ及びユーザから受けた音声及び/又はデータの様々な入出力を容易にするべく、ユーザインタフェイス402に接続されるように示される。ベース帯域サブシステム408はまた、無線デバイスの動作を容易にし及び/又はユーザのための情報記憶を与えるデータ及び/又は命令を記憶するべく構成されたメモリ404に接続することもできる。
【0058】
代表的な無線デバイス400において、PA420の出力は、(対応整合回路422を介して)対応デュプレクサ420に整合され及び引き回されるように示される。かかる増幅されかつフィルタリングされた信号は、送信を目的としてアンテナスイッチ414を介してアンテナ416へと引き回すことができる。いくつかの実施形態において、デュプレクサ420により、共通アンテナ(例えば416)を使用して送受信動作を同時に行うことができる。
図12において、受信された信号は、例えば低雑音増幅器(LNA)を含み得る「Rx」経路(図示せず)へと引き回されるように示される。
【0059】
一定数の他の無線デバイス構成も、ここに記載される一以上の特徴を利用することができる。例えば、無線デバイスは、多重帯域デバイスである必要はない。他例において、無線デバイスは、ダイバーシティアンテナのような付加アンテナ、並びに、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)及びGPSのような付加的な接続機能を含み得る。
【0060】
本開示は、様々な特徴を記載するが、その単一の特徴のみがここに記載される利益に対する責任を負うわけではない。理解されることだが、ここに記載される様々な特徴は、当業者にとって明らかなように結合し、修正し、又は省略することができる。ここに具体的に記載されるもの以外のコンビネーション及びサブコンビネーションも、当業者にとって明らかであって、本開示の一部を形成することが意図される。様々な方法が、様々なフローチャートステップ及び/又はフェーズに関連してここに記載される。理解されることだが、多くの場合、一定のステップ及び/又はフェーズは、フローチャートに示される多重のステップ及び/又はフェーズが単一のステップ及び/又はフェーズとして行うことができるように、一緒に組み合わせることができる。さらに、一定のステップ及び/又はフェーズは、別個に行うべく付加的なサブコンポーネントに分解することもできる。いくつかの例において、ステップ及び/又はフェーズの順序は再配列することができ、一定のステップ及び/又はフェーズを完全に省略することもできる。さらに、ここに記載される方法は、ここに図示され及び記載されるものに対する付加的なステップ及び/又はフェーズも行うことができるような、オープンエンドとして理解される。
【0061】
ここに記載されるシステム及び方法のいくつかの側面は有利なことに、例えば、コンピュータソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はコンピュータソフトウェア、ハードウェア及びファームウェアの任意の組み合わせを使用して実装可能である。コンピュータソフトウェアは、実行時にここに記載の機能を行う、コンピュータ可読媒体(例えば非一時的コンピュータ可読媒体)に記憶されたコンピュータ実行可能コードを含み得る。いくつかの実施形態において、コンピュータ実行可能コードは、一以上の汎用コンピュータプロセッサによって実行される。当業者であれば、本開示に照らし、汎用コンピュータにおいて実行されるソフトウェアを使用して実装可能な任意の特徴又は機能が、ハードウェア、ソフトウェア又はファームウェアの異なる組み合わせを使用しても実装可能であることがわかる。例えば、かかるモジュールは、集積回路の組み合わせを使用して完全にハードウェア実装可能である。代替的に又は付加的に、かかる特徴又は機能は、汎用コンピュータによらず、ここに記載される特定の機能を実行するべく設計された専用コンピュータを使用して完全に又は部分的に実装可能である。
【0062】
多重分散されたコンピューティングデバイスを、ここに記載される任意の一つのコンピューティングデバイスの代わりに用いることができる。かかる分散された実施形態においては、分散されたコンピューティングデバイスのそれぞれにおいていくつかの機能が行われるように、一つのコンピューティングデバイスの機能が(例えばネットワークを介して)分散される。
【0063】
いくつかの実施形態は、式、アルゴリズム、及び/又はフローチャートの例示を参照して記載することができる。これらの方法は、一以上のコンピュータにおいて実行可能なコンピュータプログラム命令を使用して実装可能である。これらの方法はまた、別個に又は装置若しくはシステムの一コンポーネントとしてのいずれかでコンピュータプログラム製品として実装可能である。この点において、式、アルゴリズム、ブロック、又はフローチャートのステップ、及びこれらの組み合わせのそれぞれを、コンピュータ可読プログラムコード論理に具体化された一以上のコンピュータプログラム命令を含むハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェアによって実装することができる。わかることだが、かかるコンピュータプログラム命令はいずれも、コンピュータ(複数可)又は他のプログラム可能処理デバイス(複数可)において実行されるコンピュータプログラム命令が、式、アルゴリズム及び/又はフローチャートに特定される機能を実装するように、制約なしに汎用コンピュータ若しくは専用コンピュータ、又は機械をもたらす他のプログラム可能処理装置を含む一以上のコンピュータにロードすることができる。またも理解されることだが、式、アルゴリズム、及び/又はフローチャートのブロックの例示、並びにこれらの組み合わせのそれぞれは、特定の機能若しくはステップ、又は専用ハードウェアとコンピュータ可読プログラムコード論理手段との組み合わせを行う専用ハードウェア系コンピュータシステムによって実装することができる。
【0064】
さらに、コンピュータ可読プログラムコード論理に具体化されるコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読メモリ(例えば非一時的コンピュータ可読媒体)に記憶させることができる。当該コンピュータ可読メモリは、コンピュータ可読メモリに記憶された命令がフローチャート(複数可)のブロック(複数可)に特定された機能(複数可)を実装するように、一以上のコンピュータ又は他のプログラム可能処理デバイスを特定の態様で機能させることができる。コンピュータプログラム命令はまた、一以上のコンピュータ又は他のプログラム可能コンピューティングデバイスにロードされて当該一以上のコンピュータ又は他のプログラム可能コンピューティングデバイスにおいて一連の動作ステップを実行させることにより、当該コンピュータ又は他のプログラム可能処理装置において実行される命令が、式(複数可)、アルゴリズム(複数可)、及び/又はフローチャート(複数可)ブロック(複数可)に特定される機能を実装するためのステップを与えるようにコンピュータ実装プロセスをもたらすことができる。
【0065】
ここに記載される方法及びタスクのいくつか又はすべては、コンピュータシステムによって行われ及び完全に自動化することができる。コンピュータシステムは、いくつかの場合において、記載の機能を行うべくネットワークを介して通信し及び相互運用される多数の別個のコンピュータ又はコンピューティングデバイス(例えば物理的サーバ、ワークステーション、記憶アレイ等)を含み得る。かかるコンピューティングデバイスはそれぞれが典型的に、メモリ又は他の非一時的コンピュータ可読記憶媒体若しくはデバイスに記憶されたプログラム命令又はモジュールを実行するプロセッサ(又は多重プロセッサ)を含む。ここに開示される様々な機能は、かかるプログラム命令に具体化することができる。ただし、開示の機能のいくつか又はすべては代替的に、コンピュータシステムの特定用途向け回路(例えばASIC又はFPGA)に実装することができる。コンピュータシステムが多重コンピューティングデバイスを含む場合、これらのデバイスは同じ場所に設置することもできるが、必ずしもその必要があるわけではない。開示の方法及びタスクの結果は、半導体メモリチップ及び/又は磁気ディスクのような物理的記憶デバイスを異なる状態に変換することよって永続的に記憶することができる。
【0066】
本明細書及び特許請求の範囲全体にわたり、文脈上そうでないことが明らかでない限り、「含む」等の用語は、排他的又は網羅的な意味とは反対の包括的意味に、すなわち「〜を含むがこれらに限られない」との意味に解釈すべきである。ここで一般に使用される用語「結合」は、直接接続されるか又は一以上の中間要素を介して接続されるかいずれかとなり得る2以上の要素を言及する。加えて、用語「ここ」、「上」、「下」及び類似の趣旨の用語は、本願において使用される場合、本願全体を言及し、本願の任意の特定部分を言及するわけではない。文脈が許容する場合、単数又は複数を使用する上述の詳細な説明における用語はそれぞれ、複数又は単数をも含み得る。2以上の項目のリストを参照する用語「又は」及び「若しくは」について、当該用語は以下の解釈のすべてをカバーする。すなわち、当該リストの任意の項目、当該リストのすべての項目、及び当該リストの項目の任意の組み合わせである。用語「代表的」は、ここでは専ら「一例又は一例示として機能する」ことを意味するべく使用される。「代表的」としてここに記載される任意の実装は必ずしも、他の実装に対して好ましい又は有利として解釈されるわけではない。
【0067】
本開示は、ここに示される実装に制限されることを意図しない。本開示に記載される実装に対する様々な修正は、当業者にとって容易にわかるものであり、ここに画定される一般的な原理は、本開示の要旨又は範囲を逸脱することなく他の実装に対しても適用することができる。ここに与えられる本発明の教示は、他の方法及びシステムに対しても適用可能であり、上述の方法及びシステムに制限されるわけではなく、上述の様々な実施形態の要素及び行為は、さらなる実施形態を与えるべく組み合わせることができる。したがって、ここに記載される新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具体化することができる。さらに、ここに記載される方法及びシステムの形態において様々な省略、置換及び変更を、本開示の要旨から逸脱することなく行うことができる。添付の特許請求の範囲及びその均等物が、本開示の範囲及び要旨に収まるかかる形態又は修正をカバーすることが意図される。