(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つのカルボン酸が、クエン酸、マロン酸、シュウ酸、リンゴ酸、グルタル酸、グリコール酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、セバシン酸、それらの塩、グリオキ
シル酸一水和物、及びそれらの組み合わせから選択されるか、又は少なくとも1つのカルボン酸が、マレイン酸、シトラコン酸、フマル酸、安息香酸、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の毛髪組成物。
毛髪処置組成物及び/又は毛髪コンディショニング組成物に存在する少なくとも1つのカルボン酸が、独立して、クエン酸、マロン酸、シュウ酸、リンゴ酸、グルタル酸、グリコール酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、セバシン酸、グリオキシル酸一水和物、及びそれらの組み合わせから選択されるか、又は毛髪処置組成物及び/又は毛髪コンディショニング組成物に存在する少なくとも1つのカルボン酸が、独立して、マレイン酸、シトラコン酸、フマル酸、安息香酸、それらの塩、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項9に記載の毛髪処置系。
毛髪処置組成物及び/又は毛髪コンディショニング組成物に存在する少なくとも1つのカルボン酸が、独立して、マレイン酸、マロン酸、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項14に記載の方法。
毛髪処置組成物及び/又は毛髪コンディショニング組成物に存在する少なくとも1つのカルボン酸が、独立して、マレイン酸、マロン酸、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項18に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施例又は別途指示がある場合を除き、原料の量及び/又は反応条件を表現する全ての数は、あらゆる事例において、±10%、±8%、±6%、±5%、±4%、±3%、±2%、±1%、又は±0.5%を包含し得る「約」という用語によって修飾されていると理解すべきである。
【0026】
pH値を表現する全ての数は、あらゆる事例において、最大±3%を包含する「約」という用語によって修飾されていると理解すべきである。
【0027】
本明細書において使用される「少なくとも1」は、1又は複数を意味し、したがって、個別の成分並びに混合物/組み合わせを含む。
【0028】
本明細書に記載されている「化学的処置」組成物は、毛髪を化学的に処置する任意の組成物、例えば、非限定的な例として、毛髪のパーマネントウェーブ、リラクシング、ストレート化、酸化染料、着色、及びライトニング(例えば、ブリーチ、ハイライト)組成物を含み得る。「化学的処置組成物」、「色味変更組成物」及び「形状変更組成物」という用語並びにそれらの変形は、限定されることなく、本明細書において互換的に使用され得る。
【0029】
本明細書で使用されている「系(システム)」は、本開示による処置組成物、及び本開示によるコンディショニング組成物を含むよう作られている。
【0030】
本明細書において使用される「色味を変更する」又は「色味変更」という用語は、毛髪の色味のリフト又はライトニングを指し得る。この用語は、毛髪の染色若しくは着色、又は毛髪に色味を堆積させることも指し得る。特定の事例では、この用語は、1回の処置で、毛髪の色味のリフト又はライトニング、及び毛髪に色味を堆積させることを指す。
【0031】
本明細書において使用される「強度」という用語は、繊維に引張、牽引、延伸、コーミング、又はブラッシング動作を施した場合の、毛髪繊維の破壊され易さ若しくは破壊されにくさ、又は繊維を破壊するために必要とされる労力若しくは力の量に対する、毛髪繊維の強度を指し得る。
【0032】
本明細書において使用される「保護」という用語は、毛髪に対するダメージ又は更なるダメージの予防、最小化、又は抑制を指し得る。
【0033】
本明細書において使用される「炭化水素」は、アルカン、アルケン、及びアルキンを含み、アルカンは少なくとも1個の炭素を含み、アルケン及びアルキンはそれぞれ少なくとも2個の炭素を含み、更に、炭化水素は、直鎖状炭化水素、分枝状炭化水素、及び環状炭化水素から選択することができ、更に、炭化水素は、任意選択で置換されていてよく、更に、炭化水素は、任意選択で、炭化水素鎖中に挿入された少なくとも1個のヘテロ原子を更に含んでよい。
【0034】
本明細書において使用される「置換されている」は、少なくとも1個の置換基を含むことを意味する。置換基の非限定的な例は、原子、例えば酸素原子及び窒素原子、並びに官能基、例えばヒドロキシル基、エーテル基、アルコキシ基、アシルオキシアルキル基、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基、カルボン酸基、アミン基、アシルアミノ基、アミド基、ハロゲン含有基、エステル基、チオール基、スルホネート基、チオサルフェート基、シロキサン基、及びポリシロキサン基を含む。置換基は、更に置換されていてよい。
【0035】
本明細書において定義される「ポリマー」は、ホモポリマー、及び少なくとも2つの異なる種類のモノマーから形成されるコポリマーを含む。
【0036】
本明細書において使用される「(メタ)アクリル系」は、本特許出願の意味において、「アクリル系又はメタクリル系」を意味すると理解される。
【0037】
本明細書で使用されている「中和されている」という用語は、3-ブトキシプロピルアミンが、カルボン酸に由来するH
+(プロトン)でプロトン化されていることを意味するよう意図されている。
【0038】
本明細書で定義される「(ある成分)を実質的に含まない」という用語は、系又は組成物が、感知できるほどではない量、例えば、組成物の質量に対してわずか約1質量%、わずか約0.5質量%、又はわずか約0.3質量%、例えばわずか約0.1質量%の成分しか含有しないことを意味する。
【0039】
本明細書において定義される「含まない」又は「(ある成分)を完全に含まない」という用語は、組成物が、標準的手段で測定可能ないかなる程度にも、その成分を含有しないことを意味する。
【0040】
本明細書で使用されているカルボン酸は、カルボン酸が酸形態で存在するか、或いは酸が解離しているか、又は、例えば溶液若しく他の配合物と混合した際に、それらの塩を形成するか否かに関係なく、組成物に存在すると説明される。したがって、組成物(例えば処置組成物、コンディショニング組成物、又は毛髪の色味若しくは形状を変更するための組成物)が、本明細書において、酸を含む、又は一定量の酸を含むが、酸は解離している、若しくは組成物中で塩を形成すると説明される場合、この説明は、酸、又は解離若しくは塩形成前に存在する酸の量を指すよう意図されている。単なる例として、3-ブトキシプロピルアミン及びマレイン酸を含む処置組成物が、液体の毛髪ブリーチ組成物と混合される場合、また、毛髪ブリーチ組成物中でマレイン酸がマレイン酸の塩を形成して、その結果、マレイン酸が混合物に存在しない、又は実質的にしない場合、マレイン酸又は特定の量のマレイン酸を含む毛髪ブリーチ組成物についての言及は、いずれも、マレイン酸、又は、毛髪ブリーチ組成物と混合される前に処置組成物に存在するマレイン酸の量を指すよう意図されている。
【0041】
処置組成物
本明細書に記載されているように、本開示は、3-ブトキシプロピルアミン(3-BPA)及び少なくとも1つのカルボン酸を含む処置組成物に関する。処置組成物は、追加の成分、例えば溶媒を更に含み得る。いくつかの実施形態では、処置組成物は、本質的に、3-BPA、1つ又は複数のカルボン酸、及び1つ又は複数の溶媒からなる。様々な実施形態では、処置組成物は、本質的に、3-BPA、1つ又は複数のカルボン酸、及び1つ又は複数の溶媒からなる。更なる実施形態では、処置組成物は、3-BPA、1つ又は複数のカルボン酸、及び1つ又は複数の溶媒からなる。様々な実施形態では、処置組成物は、本質的に、3-BPA、1つ又は複数のカルボン酸、1つ又は複数の溶媒、及び1つ又は複数の着色剤からなる。
【0042】
3-ブトキシプロピルアミン
3-ブトキシプロピルアミン(3-BPA)は、処置組成物中に、処置組成物の質量に対して、約20質量%まで、例えば約19質量%まで、約18質量%まで、約17質量%まで、約16質量%まで、約15質量%まで、約14質量%まで、約13質量%まで、約12質量%まで、約11質量%まで、約10質量%まで、約9質量%まで、約8質量%まで、約7質量%まで、約6質量%まで、約5質量%まで、約4質量%まで、約3質量%まで、約2質量%まで、約1質量%まで、約0.5質量%まで、又は約0.1質量%までの量で存在し得る。単なる非限定的な例として、3-BPAは、処置組成物の合計質量に対して、約0.0001%から約20%、例えば約0.001%から約15%、約5質量%から約15質量%の範囲の3-BPA、例えば約6質量%から約14質量%、約7質量%から約13質量%又は約8質量%から約12質量%の範囲の3-BPAの量で存在し得る。単なる例として、3-BPAは、約10質量%から約13質量%、例えば約11質量%から約13質量%、又は約12質量%から約13質量%の範囲の量で存在し得る。
【0043】
カルボン酸
本開示による処置組成物は、少なくとも1つのカルボン酸を含み得る。本開示によれば、有用なカルボン酸は、例えば、1、2、3個又はそれ以上のカルボン酸官能基(COOH)、及び少なくとも1個の炭素原子を含む有機化合物を含む。
【0044】
ある例示的な、且つ非限定的な実施形態では、少なくとも1つのカルボン酸は、飽和又は不飽和、置換又は非置換ジカルボン酸、それらの塩及びそれらの混合物から選択され得る。非限定的な例として、少なくとも1つのカルボン酸は、以下の式のジカルボン酸から選択され得る:
XO
2C-R-CO
2X'
(式中:
- Rは、0から30個の二重及び/若しくは三重結合、並びに/又は0から10個の環を含み、任意選択で、O、N及びSから選択される1から30個のヘテロ原子が間に入り、任意選択で、水素原子、ヒドロキシル(-OH)部分、アミノ(-NH
2)部分、(C
1〜C
30)アルキルアミノ部分、ポリ(C
1〜C
30)アルキルアミノ部分、ヒドロキシ(C
1〜C
30)アルキルアミノ部分、ポリヒドロキシ(C
1〜C
30)アルキルアミノ部分、C
6〜C
30アリール部分から選択される1から30個の置換基で置換されている環状又は非環状、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐C
1〜C
100炭化水素部分であり、いくつかの実施形態では、-Rは、省略されることがあり;
- X及びX'は、独立して、水素原子、アンモニウムイオン、アルカリ金属、例えばLi、Na、K、若しくはアルカリ土類金属、例えばBe、Mg、Caのイオン、又は有機アミン、例えばアルキルアミンに由来するイオンを表す)。
【0045】
本出願の目的のための、環状炭化水素部分という表現は、1つ若しくは複数の環からなる、又は、ペンダントである、若しくは主鎖中にある1つ若しくは複数の環を含む、炭化水素部分を意味するよう理解され、この部分は、飽和又は不飽和、及び1つ又は複数のC
1〜C
30アルキル又はアルケニル又はヒドロキシル又はアミノ部分で置換される環となれることが理解される。
【0046】
単なる非限定的な例として、有用なカルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、グルタル酸、シトラコン酸、クエン酸、マレイン酸、グリコール酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、フマル酸、セバシン酸、安息香酸、及びグリオキシル酸一水和物、並びにそれらの組み合わせを含み得る。少なくとも1つの実施形態では、処置組成物は、マロン酸及びマレイン酸から選択される少なくとも1つのカルボン酸、並びに任意選択で、少なくとも1つの追加のカルボン酸を含む。
【0047】
少なくとも1つのカルボン酸は、処置組成物の質量に対して、約50質量%まで、例えば約45質量%まで、約40質量%まで、約35質量%まで、約30質量%まで、約29質量%まで、約28質量%まで、約27質量%まで、約26質量%まで、約25質量%まで、約24質量%まで、約23質量%まで、約22質量%まで、約21質量%まで、約20質量%まで、約19質量%まで、約18質量%まで、約17質量%まで、約16質量%まで、約15質量%まで、約14質量%まで、約13質量%まで、約12質量%まで、約11質量%まで、約10質量%まで、約9質量%まで、約8質量%まで、約7質量%まで、約6質量%まで、約5質量%まで、約4質量%まで、約3質量%まで、約2質量%まで、約1質量%まで、約0.5質量%まで、又は約0.1質量%までの量で、処置組成物に存在し得る。単なる非限定的な例として、少なくとも1つのカルボン酸は、処置組成物の質量に対して、約0.01質量%から約30質量%、例えば約0.1質量%から約25質量%、約1質量%から約20質量%、約5質量%から約15質量%、約8質量%から約14質量%、又は約8質量%から約12質量%の範囲の量で存在し得る。例示的な一実施形態では、少なくとも1つのカルボン酸は、処置組成物の質量に対して、約5質量%から約25質量%、例えば約2質量%から約10質量%、又は約8質量%から約23質量%の範囲の量で存在し得る。例えば、少なくとも1つのカルボン酸は、処置組成物の質量に対して、約5質量%から約15質量%、約8質量%から約14質量%、例えば約10質量%から約11質量%、約12質量%から約14質量%、又は約13質量%から約14質量%、例えば約5質量%、約6質量%、約7質量%、約8質量%、約9質量%、約10質量%、約11質量%、約12質量%、約13質量%、約14質量%、約15質量%、約16質量%、約17質量%、約18質量%、約19質量%、約20質量%、約21質量%、約22質量%、約23質量%、約24質量%、又は約25質量%の範囲の量で存在し得る。1つ超のカルボン酸が存在する場合、カルボン酸の合計量は、これらの量で存在し得ることは理解すべきである。
【0048】
溶媒
処置組成物は、少なくとも1つの溶媒を更に含み得る。様々な例示的な、且つ非限定的な実施形態では、溶媒は、水、少なくとも1つの美容上許容できる有機溶媒、及びそれらの混合物から選択される美容上許容できる溶媒から選択され得る。
【0049】
有機溶媒は、揮発性化合物であってもよく、又は不揮発性化合物であってもよい。有機溶媒の例として、非限定的な例は、モノアルコール及びポリオール、例えばエタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ベンジルアルコール、及びフェニルエタノール、又はグリコール若しくはグリコールエーテル、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール又はそれらのエーテルのモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、例えば、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコールのモノメチルエーテル、並びにジエチレングリコールのアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールのモノエチルエーテル又はモノブチルエーテルを含む。
【0050】
有機溶媒の他の好適な例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、へキシレングリコール、プロパンジオール、及びグリセリンである。
【0051】
美容上許容できる溶媒は、処置組成物の質量に対して、約95質量%まで、例えば約90質量%まで、約85質量%まで、約80質量%まで、約75質量%まで、約70質量%まで、約65質量%まで、約60質量%まで、約55質量%まで、又は約50質量%までの範囲の量を含み得る。例えば、美容上許容できる溶媒は、処置組成物の質量に対して、約65質量%から約95質量%、約70質量%から約90質量%、又は約80質量%から約85質量%の範囲、又は約5質量%から約20質量%の範囲になり得る。
【0052】
追加の成分は、任意選択で、処置組成物に存在し得る。単なる例として、処置組成物は、着色剤(パーマネント、デミパーマネント、又はセミパーマネント毛髪着色剤を含むが、それらに限定されない)、pH調整剤、乳化剤(emulsifier)、増粘剤及びレオロジー改変剤、カチオン性ポリマー、湿潤剤及び保湿剤、キレート剤、例えばグリシン、乳化剤(emulsifying agent)、フィラー、構造化剤、噴射剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、光沢剤、コンディショニング剤、並びに強化剤を含み得る。
【0053】
処置組成物のpHは、約7まで、例えば約1から約6、約1から約4、例えば約2から約4、約2.5から約3.5、又は約2から約3の範囲になり得る。
【0054】
処置組成物は、様々な実施形態において、毛髪の色味又は形状を変更するための組成物の前に、又は後で、約24時間まで、例えば24時間未満又は12時間未満毛髪に適用され得る。少なくとも、ある例示的な実施形態では、処置組成物は、色味又は形状変更組成物の前に、又は後で、数時間又は数分まで毛髪に適用され得る。例えば、処置組成物は、色味若しくは形状変更組成物の前に、若しくは後で、約1から約6時間以内適用され得る、又は、色味若しくは形状変更組成物の前に、若しくは後で、約60分まで、例えば約30分まで、約20分まで、約10分まで、約5分まで、約2分まで、若しくは約1分まで適用され得る。
【0055】
なお更なる実施形態では、処置組成物は、色味又は形状変更組成物と同時に、又は実質的に同時に、毛髪に適用され得る。例えば、処置組成物は、色味若しくは形状変更組成物と混合され得る、又は、色味若しくは形状変更組成物と同時に適用され得る。処置組成物が、色味又は形状変更組成物と混合される様々な例示的な実施形態では、生じた混合物のpHは、例えば、約7から約12、例えば約8から約11、約9から約11、又は約10から約11の範囲になり得る。
【0056】
なお更なる実施形態では、処置組成物は、毛髪を着色する、又は形状を変更するための組成物ではない組成物の前に、又は後で、約24時間まで、例えば24時間未満、又は12時間未満毛髪に適用され得る。少なくともある例示的な実施形態では、処置組成物は、毛髪の色味又は形状を変更するための組成物ではない組成物の前に、又は後で、数時間又は数分まで毛髪に適用され得る。例えば、処置組成物は、毛髪の色味若しくは形状を変更するための組成物ではない組成物の前に、若しくは後で、約1から約6時間まで適用され得る、又は、毛髪の色味若しくは形状を変更するための組成物ではない組成物の前に、若しくは後で、約60分まで、例えば約30分まで、約20分まで、約10分まで、約5分まで、約2分まで、又は約1分まで適用され得る。
【0057】
なお更なる実施形態では、処置組成物は、色味又は形状変更組成物ではない、毛髪を処置するための組成物と同時に、又は実質的に同時に、毛髪に適用され得る。例えば、処置組成物は、毛髪の色味又は形状を変更するための組成物ではない組成物と混合され得る、又は、毛髪を処置するための組成物と同時に適用され得る。
【0058】
なお更なる実施形態では、処置組成物は、水と混合され、毛髪に適用され得る。
【0059】
処置組成物は、1時間、例えば約3分から約45分、約5分から約30分、又は約10分から約20分までの範囲の時間にわたって毛髪に留まらせてよい。更なる実施形態では、処置組成物は、約30分まで、例えば、約1から約30分、約1から約10分、又は約1から約5分の期間にわたって毛髪に留まらせてよい。
【0060】
成分の例示的な組み合わせ及び量
様々な実施形態によれば、処置組成物は、3-BPA及びカルボン酸の組み合わせを含み得る。非限定的な例として、処置組成物は、3-BPA及び2つのカルボン酸、例えばマロン酸及びクエン酸、マロン酸及びシュウ酸、マロン酸及びマレイン酸、マロン酸及びリンゴ酸、クエン酸及びシュウ酸、クエン酸及びマレイン酸、クエン酸及びリンゴ酸、シュウ酸及びマレイン酸、シュウ酸及びリンゴ酸、マレイン酸及びリンゴ酸の組み合わせを含み得る。他の実施形態では、処置組成物は、3-BPA及び3つ以上のカルボン酸の組み合わせを含み得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、処置組成物は、3-BPA及び1つ又は複数の飽和カルボン酸を含んでよく、不飽和カルボン酸を含まなくても、又は実質的に含まなくてもよい。他の実施形態では、処置組成物は、3-BPA及び1つ又は複数の不飽和カルボン酸を含んでよく、飽和カルボン酸を含まなくても、又は実質的に含まなくてもよい。更に他の実施形態では、処置組成物は、3-BPA、並びに飽和(例えばシュウ酸、マロン酸、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、セバシン酸、グリオキシル酸一水和物)及び不飽和(マレイン酸、フマル酸、安息香酸、シトラコン酸)カルボン酸の両方を含み得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、処置組成物は、処置組成物の合計質量に対して、3-BPAを約5質量%から約15質量%、例えば3-BPAを約8質量%から約14質量%、約9質量%から約13質量%、又は約10質量%から約12質量%含み得る。一実施形態では、処置組成物は、3-BPAを約11質量%から約12質量%を含み得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、処置組成物は、マロン酸を約8質量%から約18質量%含み得る。例えば、処置組成物は、マロン酸を約9質量%から約17質量%、約10質量%から約16質量%、約11質量%から約15質量%、約12質量%から約15質量%、又は約13質量%含み得る。
【0064】
様々な実施形態では、処置組成物は、マレイン酸を約5質量%から約15質量%含み得る。例えば、処置組成物は、マレイン酸を約6質量%から約14質量%、約7質量%から約13質量%、約8質量%から約12質量%、約9質量%から約11質量%、又は約10質量%から約11質量%含み得る。
【0065】
様々な実施形態では、処置組成物は、3-BPAを約10.5質量%から約12.5質量%含み得、マロン酸を約10質量%から約15質量%、例えば約11質量%から約14質量%、約12質量%から約13質量%、又は約13質量%含み得る。他の実施形態では、処置組成物は、3-BPAを約10.5質量%から約12.5質量%を含み得、マレイン酸を約9.7質量%から約11.7質量%、例えば約10質量%から約11質量%を含み得る。
【0066】
ある実施形態によれば、処置組成物に存在する3-BPA及びカルボン酸を合わせた合計量は、処置組成物の質量に対して、約50質量%まで、例えば約0.1質量%から約40質量%、約1質量%から約35質量%、約1質量%から約30質量%、約2質量%から約25質量%、約5質量%から約25質量%、又は約8質量%から約23質量%の範囲になり得る。他の実施形態では、処置組成物に存在する3-BPA及びカルボン酸を合わせた合計量は、約10質量%から約40質量%、例えば約15質量%から約30質量%、又は約20質量%から約25質量%の範囲になり得る。
【0067】
本開示を限定することを意図していないが、様々な実施形態で、一定量の3-BPA、少なくとも1つカルボン酸、溶媒、及び/若しくは任意選択で、処置組成物中の任意の追加成分、又は互いに関連する成分の比を選択することは、それらの組み合わせから、相乗的な結果を生じさせる、又は向上させるために有利になり得る。
【0068】
色味変更組成物
処置組成物の前に、後で又は同時に、色味変更組成物が毛髪に適用され得る。様々な例示的な実施形態では、色味変更組成物は、毛髪をブリーチするための作用剤を含み得る。例えば、色味変更組成物は、美容上許容できる担体中で、パーサルフェート、パーボレート、パーカーボネート、過酸、ブロメート、それらの塩及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの酸化剤を含むブリーチ組成物、並びに過酸化水素を含む顕色剤組成物を組み合わせることにより形成され得る。他の実施形態では、酸化剤及び顕色剤は、個別であってよい。なお更なる実施形態では、色味変更組成物は、酸化性染料前駆体、直接染料、顔料、及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤化合物を含み得る。
【0069】
ブリーチ剤
様々な実施形態によれば、色味変更組成物は、美容上許容できる担体中に、過酸化物、パーサルフェート、パーボレート、パーカーボネート、過酸、ブロメート、それらの塩及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの酸化剤を含み得る。少なくとも1つの酸化剤は、任意選択で水溶性であってよい。
【0070】
本明細書における有用な任意の過酸化物は、例えば、過酸化水素、過酸化マグネシウム、PVP-過酸化物、過酸化カルシウム、及び過酸化ナトリウムを含む。
【0071】
例示的で非限定的なパーサルフェートは、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、及び過硫酸アンモニウムを含む。様々な実施形態では、例示的な酸化剤は、過ホウ酸ナトリウム及び過炭酸ナトリウムから選択され得る。更なる実施形態では、例示的な過酸は、一般式(I):
R-C(O)OOH (I)
(式(I)中、Rは、1から22個の炭素原子を有する飽和又は不飽和、置換又は非置換、直鎖又は分岐鎖アルキル、アリール又はアルカリル基から選択される)を有する有機過酸から選択され得る。少なくともいくつかの例示的な実施形態では、パーサルフェート、パーボレート、パーカーボネート、過酸、ブロメート及びそれらの塩から選択される2つ以上の酸化剤の混合物が、選択され得る。
【0072】
様々な実施形態では、少なくとも1つのブリーチ剤が、パーボレート、パーカーボネート、ブロメート、及びパーサルフェートのアルカリ金属塩、例えば、アンモニウム、ナトリウム、及びカリウム塩から選択される。
【0073】
ブリーチ組成物
色味変更組成物が、ブリーチ及び顕色剤組成物を個別に含む場合、ブリーチ組成物は、パーサルフェート、パーボレート、パーカーボネート、過酸、ブロメート、それらの塩、及びそれらの混合物、例えば上記のものから選択される少なくとも1つの酸化剤を含み得る。様々な実施形態では、少なくとも1つの酸化剤は、パーボレート、パーカーボネート、ブロメート、及びパーサルフェートのアルカリ金属塩、例えば、アンモニウム、ナトリウム、及びカリウム塩から選択される。ブリーチ組成物は、任意選択で、美容上許容できる担体も含み得る。
【0074】
本開示の様々な実施形態によるブリーチ組成物の少なくとも1つの酸化剤は、毛髪をライトニングする、又は「ブリーチ」するのに十分な量で用いられる。単なる非限定的な例として、ブリーチ組成物の少なくとも1つの酸化剤は、ブリーチ組成物の合計質量に対して、約10質量%から約100質量%、例えば約20質量%から約90質量%、約30質量%から約80質量%、又は約40質量%から約75質量%の範囲の量で存在し得る。更なる実施形態では、ブリーチ組成物の少なくとも1つの酸化剤は、約5%から約50%、例えば約10%から約45%、又は約15%から約40%の範囲の量で存在し得る。例示的な一実施形態では、ブリーチ組成物の少なくとも1つの酸化剤は、ブリーチ組成物の合計質量に対して、少なくとも40質量%の量で存在し得る。
【0075】
ブリーチ組成物は、任意の形態、例えば粉末、ゲル、液体、フォーム、ローション、クリーム、ムース、及びエマルションの形態であってよい。
【0076】
様々な例示的な実施形態では、ブリーチ組成物は、無水であってよい。任意選択で、水は、ブリーチ組成物と混合することにより、活性化物質として添加できる。
【0077】
本発明のブリーチ組成物は、ケラチン繊維、例えば毛髪の美容処置法に関して当業界で周知の、酸性及びアルカリ性pH調整剤も含有し得る。そのようなpH調整剤は、メタケイ酸ナトリウム、シリケート化合物、クエン酸、アスコルビン酸、及びカーボネート化合物を含むが、それらに限定されない。
【0078】
pH調整剤は、様々な実施形態において、ブリーチ組成物を顕色剤組成物と組み合わせる場合、約1から約7の範囲のpHを有する色味変更組成物を得るのに有効な量で、ブリーチ組成物中に存在し得る。例として、pH調整剤の量は、様々な実施形態において、少なくとも約0.01%、例えば少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、又は少なくとも約0.5%の量で存在し得る。
【0079】
例示的な一実施形態によれば、ブリーチ組成物は、約7、8、9、又は10から、約8、9、10又は11の範囲のpHを有するアルカリ性である。更なる例示的な実施形態によれば、ブリーチ組成物は、約7より高いpHを有する。
【0080】
ブリーチ組成物が粉末形態である場合、pHは、水中の1%溶液で測定してよい。
【0081】
着色剤は、任意選択で、本明細書に記載されているブリーチ組成物にも存在し得る。本開示の様々な実施形態による有用な着色剤は、ブリーチ組成物中で安定であり、毛髪に更なる色調及び色味を付与できる着色剤である。例示的な毛髪着色剤は、顔料、脂溶性染料、直接染料、真珠箔、パール化剤、ロイコ染料、光学的ライトニング着色剤(optical lightening colorant)、天然着色剤、及び光学的可変性顔料(optically-variable pigments)を含むが、それらに限定されない。
【0082】
顕色剤組成物
色味変更組成物が、ブリーチ及び顕色剤組成物を個別に含む場合、顕色剤組成物は、過酸化水素を含む。顕色剤組成物は、任意選択で、美容上許容できる担体も含み得る。
【0083】
様々な例示的な実施形態では、過酸化水素は、顕色剤組成物の合計質量に対して、少なくとも約1質量%の量で存在する。更なる実施形態では、過酸化水素は、顕色剤組成物の合計質量に対して、約0.1質量%から約80質量%、例えば約1.0質量%から約75質量%、又は約2質量%から約10質量%の範囲の量で存在する。更なる例示的な実施形態では、過酸化水素は、約2%から約25%、例えば約4%から約20%、約6%から約15%、又は約7%から約10%の範囲の量で、顕色剤組成物中に存在し得る。
【0084】
顕色剤組成物の美容上許容できる担体は、顕色剤組成物の合計質量に対して、例えば、約0.5質量%から約99質量%、例えば約5質量%から約95質量%の範囲の量で存在し得る。
【0085】
顕色剤組成物のpHは、約1から約5、例えば約2から約4の範囲になり得、pHは、例えば、本明細書に記載されているものを含む、ケラチン繊維の美容処置法に関して当業界で周知のpH調整剤を使用して望ましい値に調整してよい。
【0086】
顕色剤組成物は、粉末、ゲル、液体、フォーム、ローション、クリーム、ムース、及びエマルションの形態であってもよい。
【0087】
様々な例示的な実施形態によれば、顕色剤組成物は無水であってよい。任意選択で、水は、顕色剤組成物と混合することにより、活性化物質として添加できる。
【0088】
顕色剤組成物は、様々な実施形態において、追加の成分、例えば、レオロジー改変剤、キレート剤、脂肪性物質、セラミド、アルコキシアミノシリコーン及びシランから選択される、少なくとも1つの助剤原料、並びに、顕色剤組成物に有用な当業界で公知の任意の他の成分を含み得る。
【0089】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ブリーチ組成物は、色味変更組成物を毛髪に適用する直前(例えば数分前まで)に、顕色剤組成物と混合されて、色味変更組成物を形成できる。
【0090】
例示的な一実施形態では、ブリーチ組成物及び顕色剤組成物を組み合わせて、約1:1から約1:5、例えば約1:1から約1:2、又は約1:2から約1:4の範囲のブリーチ組成物対顕色剤組成物の比で、ライトニング組成物を形成できる。
【0091】
着色化合物
本明細書に記載されているように、様々な例示的な、且つ非限定的な実施形態では、色味変更組成物は、任意選択で、酸化染料、直接染料、顔料、及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤化合物を含み得る。
【0092】
酸化染料は、一般的に、1つ又は複数のカップラーと任意選択で組み合わされた1つ又は複数の酸化ベースから選択される。
【0093】
例として、酸化塩基は、パラ-フェニレンジアミン、ビス(フェニル)アルキレンジアミン、パラ-アミノフェノール、オルト-アミノフェノール、及びヘテロ環式塩基、並びにそれらの付加塩から選択することができる。
【0094】
挙げることができるパラ-フェニレンジアミンには、例えば、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トルエンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロアニリン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-メトキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、2-フルオロ-パラ-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-パラ-フェニレンジアミン、N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)-パラ-フェニレンジアミン、N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノフェニルピロリジン、2-チエニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-アミノトルエン及び3-ヒドロキシ-1-(4'-アミノフェニル)ピロリジン、並びに酸とのそれらの付加塩がある。
【0095】
上で挙げたパラ-フェニレンジアミンの中でも、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トルエンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン及び2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、並びに酸とのそれらの付加塩が特に好ましい。
【0096】
挙げることができるビス(フェニル)アルキレンジアミンには、例えば、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(エチル)-N,N'-ビス(4'-アミノ-3'-メチルフェニル)エチレンジアミン及び1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,6-ジオキサオクタン、並びにそれらの付加塩がある。
【0097】
挙げることができるパラ-アミノフェノールには、例えば、パラ-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-クロロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール及び4-アミノ-2-フルオロフェノール、並びに酸とのそれらの付加塩がある。
【0098】
挙げることができるオルトアミノフェノールには、例えば、2-アミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、及び5-アセトアミド-2-アミノフェノール、並びにそれらの付加塩がある。
【0099】
挙げることができるヘテロ環式塩基には、例えば、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体及びピラゾール誘導体がある。
【0100】
挙げることができるピリジン誘導体には、例えば特許GB 1 026 978及びGB 1 153 196に記載されている化合物、例えば、2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジン、及び3,4-ジアミノピリジン、並びにそれらの付加塩がある。
【0101】
他のピリジン酸化塩基は、例えば特許出願FR 2 801 308に記載されている、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン酸化塩基又はそれらの付加塩を含み得る。挙げることができる例は、ピラゾロ[1,5-a]ピリダ-3-イルアミン、2-アセチルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリダ-3-イルアミン、2-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリダ-3-イルアミン、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-カルボン酸、2-メトキシピラゾロ[1,5-a]ピリダ-3-イルアミン、(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリダ-7-イル)メタノール、2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリダ-5-イル)エタノール、2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリダ-7-イル)エタノール、(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリダ-2-イル)メタノール、3,6-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン、3,4-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,7-ジアミン、7-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリダ-3-イルアミン、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,5-ジアミン、5-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリダ-3-イルアミン、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリダ-5-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリダ-7-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-オール、2-β-ヒドロキシエトキシ-3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン;2-(4-ジメチルピペラジニウム-1-イル)-3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン、及びそれらの付加塩を含む。
【0102】
より具体的には、酸化塩基は、3-アミノピラゾロ-[1,5-a]-ピリジン、及びそれらの付加塩から選択することができ、好ましくは炭素原子2個の上において、
(a)1個の(ジ)(C
1〜C
6)(アルキル)アミノ基(式中、前記アルキル基は、少なくとも1個のヒドロキシ、アミノ、イミダゾリウム基により置換することができる);
(b)1個若しくは複数の(C
1〜C
6)アルキル、例えばジ(C
1〜C
4)アルキルピペラジニウムによって置換されている可能性がある、潜在的にカチオン性の、5から7員鎖、及び1から3個のヘテロ原子を含有する1個のヘテロシクロアルキル基;又は
(c)1個若しくは複数のヒドロキシ基、例えばα-ヒドロキシアルコキシによって置換されている可能性がある1個の(C
1〜C
6)アルコキシにより置換され得る。
【0103】
挙げることができるピリミジン誘導体は、例えば、特許DE 2359399;JP 88-169571;JP 05-63124;EP 0770375又は特許出願WO 96/15765に記載されている化合物、例えば、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノピリミジン及びそれらの付加塩、並びに互変異性平衡が存在する場合はそれらの互変異性型等である。
【0104】
挙げることができるピラゾール誘導体には、特許DE 3843892、DE 4133957及び特許出願WO 94/08969、WO 94/08970、FR-A-2 733 749及びDE 195 43 988に記載されている化合物、例えば4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4'-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4'-メトキシフェニル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(2'-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチルアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-1-メチルピラゾール、及びその付加塩が含まれる。4,5-ジアミノ-1-(β-メトキシ-エチル)-ピラゾールも使用され得る。
【0105】
4,5-ジアミノピラゾールを使用することが好ましく、更により優先的には、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール及び/又はその塩が使用される。
【0106】
また、挙げることができるピラゾール誘導体は、ジアミノ-N,N-ジヒドロ-ピラゾロピラゾロン、とりわけ特許出願FR-A-2 886 136に記載されるもの、例えば以下の化合物及びその付加塩: 2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-エチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-イソプロピルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-(ピロリジン-1-イル)-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジメチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジ-(2-ヒドロキシエチル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、2-アミノ-3-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-ジメチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2,3-ジアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1H,6H-ピリダジノ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、4-アミノ-1,2-ジエチル-5-(ピロリジン-1-イル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、4-アミノ-5-(3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、2,3-ジアミノ-6-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オンを含む。
【0107】
2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン及び/又はその塩が使用されることが好ましい。
【0108】
4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、及び/又は2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン及び/又はその塩が、ヘテロ環塩基として優先的に使用される。
【0109】
組成物は、任意選択で、有利にはケラチン基質の染色又は着色において従来使用されてきたものから選択される、1つ又は複数のカップラーを更に含んでよい。
【0110】
これらのカップラーのうち、メタ-フェニレンジアミン、メタ-アミノフェノール、メタ-ジフェノール、ナフタレンベースカップラー及びヘテロ環式カップラー、また、その付加塩をとりわけ挙げることができる。
【0111】
例えば、2-メチル-5-アミノフェノール、5-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルフェノール、3-アミノフェノール、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール(3-アミノ-2-クロロ-6-メチルフェノール)、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチルベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシベンゼン、2,4-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-アミノ-4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、3-ウレイドアニリン、3-ウレイド-1-ジメチルアミノベンゼン、セサモール、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、α-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン、1-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、2,6-ビス(β-ヒドロキシ-エチルアミノ)トルエン、6-ヒドロキシインドリン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルピリジン、1-H-3-メチル-ピラゾール-5-オン、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、2,6-ジメチルピラゾロ[1,5-b]-1,2,4-トリアゾール、2,6-ジメチル[3,2-c]-1,2,4-トリアゾール及び6-メチルピラゾロ[1,5-a]ベンゾイミダゾール、酸とのそれらの付加塩、並びにそれらの混合物を挙げることができる。
【0112】
一般的に、使用され得る酸化塩基及びカップラーの付加塩は、酸との付加塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩及び酢酸塩から選択される。
【0113】
酸化塩基は、それが中に存在する系を含む組成物の合計質量に対して、約0.001質量%から10質量%、例えば約0.005質量%から5質量%の範囲の量で存在し得る。
【0114】
カップラーは、存在する場合、それが中に存在する系又は系を含む組成物の合計質量に対して、約0.001質量%から10質量%、例えば約0.005質量%から5質量%の範囲の量で存在し得る。
【0115】
本開示の実施形態による組成物は、任意選択で、唯一の染料として、又は酸化染料に加えて、例えばアニオン性種及び非イオン性種、好ましくはカチオン性種又は非イオン性種から選択される、1つ又は複数の合成又は天然の直接染料を含んでよい。
【0116】
挙げることができる好適な直接染料の例は、単体の、又は混合物としての、アゾ直接染料;(ポリ)メチン染料、例えばシアニン、ヘミシアニン及びスチリル;カルボニル染料;アジン染料;ニトロ(ヘテロ)アリール染料;トリ(ヘテロ)アリールメタン染料;ポルフィリン染料;フタロシアニン染料、及び天然の直接染料を含む。
【0117】
好ましくは、直接染料は、カチオン性直接染料である。以下の式(Va)及び(V'a)のヒドラゾノカチオン性染料、アゾカチオン性染料(VIa)及び(VI'a)及びジアゾカチオン性染料(VIIa)が挙げられ:
【0119】
式(Va)、(V'a)、(VIa)、(VI'a)、及び(VIIa)中、
・Het
+は、任意選択で、優先的には1個又は複数の(C
1〜C
8)アルキル基、例えばメチルによって置換されている、好ましくは環内カチオン電荷を保有するカチオン性ヘテロアリール部分、例えばイミダゾリウム、インドリウム、又はピリジニウムを表し;
・Ar
+は、環外カチオン電荷、優先的にはアンモニウム、特にトリ(C
1〜C
8)アルキルアンモニウム、例えばトリメチルアンモニウムを保有する、アリール部分、例えばフェニル又はナフチルを表し、
・Arは、優先的には1つ若しくは複数の電子供与基、例えば、i)任意選択で置換されている(C
1〜C
8)アルキル、ii)任意選択で置換されている(C
1〜C
8)アルコキシ、iii)アルキル基上でヒドロキシル基により任意選択で置換されている(ジ)(C
1〜C
8)(アルキル)アミノ、iv)アリール(C1〜C8)アルキルアミノ、v)任意選択で置換されているN-(C
1〜C
8)アルキル-N-アリール(C
1〜C
8)アルキルアミノで、任意選択で置換されているアリール基、とりわけフェニルを表し、或いはArは、ジュロリジン基を表し、
・Ar'は、任意選択で置換されている二価(ヘテロ)アリーレン基、例えば優先的には1個又は複数の(C
1〜C
8)アルキル基、ヒドロキシル基、又は(C
1〜C
8)アルコキシ基によって任意選択で置換されているフェニレン、特にパラ-フェニレン、又はナフタレンであり;
・Ar''は、任意選択で置換されている(ヘテロ)アリール基、例えば、優先的には1個又は複数の(C
1〜C
8)アルキル基、ヒドロキシル基、(ジ)(C
1〜C
8)(アルキル)アミノ基、(C
1〜C
8)アルコキシ基、又はフェニル基により任意選択で置換されているフェニル又はピラゾリルであり、
・R
a及びR
bは、同じであっても異なっていてもよく、水素原子又は優先的には、任意選択で、ヒドロキシル基により置換されている(C
1〜C
8)アルキル基を表し、
或いは、置換基R
aとHet
+の置換基、及び/又はR
bとArの置換基、及び/又はR
aとR
bとは、それらを保有する原子と一緒になって(ヘテロ)シクロアルキルを形成し;
特に、R
a及びR
bは、水素原子、又はヒドロキシル基により任意選択で置換されている(C
1〜C
4)アルキル基を表し、
・An
-は、アニオン性対イオン、例えばメシレート又はハライドを表す。
具体的には、先に定義した式(Va)、(V'a)、及び(VIa)の、環内カチオン電荷を保有するアゾ及びヒドラゾノカチオン性染料が挙げられる。より具体的には、特許出願WO 95/15144、WO 95/01772、及びEP-714954に記載されている染料に由来する、式(Va)、(V'a)、及び(VIa)のものが挙げられる。
【0120】
様々な実施形態では、カチオン性部分は、以下の誘導体に由来し;
【0122】
式(Va-1)及び(VIa-1)中:
- R
1は、(C
1〜C
4)アルキル基、例えばメチルを表し;
- R
2及びR
3は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、又は(C
1〜C
4)アルキル基、例えばメチルを表し;
- R
4は、水素原子、又は電子供与基、例えば任意選択で置換されている(C
1〜C
8)アルキル、任意選択で置換されている(C
1〜C
8)アルコキシ、若しくはアルキル基上でヒドロキシル基により任意選択で置換されている(ジ)(C
1〜C
8)(アルキル)アミノを表し、特に、R
4は水素原子であり、
- Zは、CH基又は窒素原子、優先的にはCHを表し、
- An
-は、メシレート、又はアニオン性対イオン、例えばハライドを表す。
【0123】
式(Va-1)及び(VIa-1)の染料は、Basic Red 51、Basic Yellow 87、及びBasic Orange 31、又はそれらの誘導体から選択することができる:
【0126】
天然直接染料の中でも、ローソン、ジュグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシン、アピゲニジン及びオルセインを挙げることができる。これらの天然染料を含有する抽出物又は浸出液、特にヘナベースのパップ剤又は抽出物を使用することもできる。1つ又は複数の直接染料は、それらが存在する場合、より具体的には、直接染料が中に存在する系又は系を含む組成物の合計質量の、約0.001質量%から10質量%、例えば約0.005質量%から5質量%を表す。
【0127】
顕色剤組成物は、美容上許容できる担体も含み得る。美容上許容できる担体は、色味変更組成物中に、例えば、色味変更組成物の約1質量%から約40質量%、例えば約5%から約35質量%、又は約10%から約30質量%の範囲の量で存在し得る。
【0128】
助剤原料を色味変更組成物に添加してもよい。本開示の様々な実施形態による色味変更組成物に有用な例示的な助剤原料は、レオロジー改変剤、ブリーチ活性化剤及び共ブリーチ活性化剤(co-bleach activators)、直接染料、キレート剤、脂肪性物質、セラミド、アルコキシアミノシリコーン及びシラン、並びにリフト向上剤、例えば窒素含有化合物と金属触媒化合物を含むが、それらに限定されない。
【0129】
色味変更組成物は、ケラチン繊維、例えば毛髪の美容処置法に関して当業界で周知の、酸性及びアルカリ性pH調整剤も含有し得る。そのようなpH調整剤は、メタケイ酸ナトリウム、シリケート化合物、クエン酸、アスコルビン酸、及びカーボネート化合物を含むが、それらに限定されない。
【0130】
pH調整剤は、様々な実施形態において、色味変更組成物中に、7以下のpH、例えば約1から約7、約2から約6、又は約3から約5の範囲のpHを有する色味変更組成物を得るのに有効な量で存在し得る。例として、pH調整剤の量は、様々な実施形態において、少なくとも約0.01%、例えば少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、又は少なくとも約0.5%の量で存在し得る。
【0131】
色味変更組成物は、少なくともある実施形態において、即時使用可能な形態であってよい。
【0132】
色味変更組成物は、様々な実施形態において、処置組成物の適用後、約24時間、例えば24時間未満又は12時間未満以内に毛髪に適用され得る。少なくとも、ある例示的な実施形態では、色味変更組成物は、処置組成物の後で、数時間又は数分以内に毛髪に適用され得る。例えば、色味変更組成物は、処置組成物の後で、約1から約6時間以内に適用され得る、又は、処置組成物の後で、約60分まで、例えば約30分まで、約20分まで、約10分まで、約5分まで、約2分まで、若しくは約1分まで適用され得る。
【0133】
着色変更組成物は、毛髪の色調における望ましい変更を達成するのに十分な期間にわたって毛髪に留まらせてよい。例えば、色味変更組成物は、1時間、例えば約3分から約45分、約5分から約30分、又は約10分から約20分まで毛髪に留まらせてよい。更なる実施形態では、色味変更組成物は、約30分まで、例えば、約1から約30分、約1から約10分、又は約1から約5分の期間にわたって毛髪に留まらせてよい。当業者は、様々な要因、例えば毛髪の元の色調及び望ましい色調を考慮することにより、毛髪の色調において望ましい変更を達成するために、毛髪における色味変更組成物を除去するのに適切な時間を決定できるであろう。非限定的な例として、本開示による様々な実施形態は、毛髪の色調の高さを1から4に上昇させることができる。
【0134】
必要に応じて、色味変更組成物は、任意選択で、シャンプーしてよく、且つ/又は毛髪からすすぎ落としてよい。
【0135】
形状変更組成物
さらなる実施形態では、毛髪の形状を整形する又は変更するための組成物が、処置組成物の前、後、又は同時に毛髪に適用され得る。毛髪の形状を変更するための組成物は、毛髪整形剤を含み、毛髪の形状を変更するための任意の組成物、例えば、毛髪をストレート化する、リラクシングする、及び/又は整形するための1つ又は複数の作用剤を含む組成物であってよい。
【0136】
例として、毛髪整形剤は、任意選択で、無機水酸化物又は有機水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、又は水酸化グアニジンから選択してもよく、又は有機アミン及び他の非水酸化物化合物から選択してもよい。様々な実施形態において、毛髪リラクシング剤は、チオール化合物、例えばシステイン、システアミン、N-置換システアミン、アルキル置換メルカプトアセトアミド、ジメルカプトアジピン酸、チオグリセロール、チオ乳酸、チオグリコール酸、又はその塩(例えばチオグリコール酸塩)、モノチオグリコール酸エステル、例えばチオグリコール酸のジオールエステル、モノチオグリコール酸グリセリル、チオコリン又はその塩、アミノチオール、低分子量ポリマーに結合したチオール、亜硫酸塩、例えば次亜硫酸ナトリウム、及び亜硫酸水素塩、例えば亜硫酸水素アンモニウム又はナトリウムから選択され得る。
【0137】
毛髪の形状を変更するための組成物は、任意選択で、少なくとも1つの界面活性剤、例えば両性/両性イオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びカチオン性界面活性剤を含み得る。非限定的な例として、少なくとも1つの界面活性剤は、形状変更組成物の合計質量に対して、約0.1質量%から約5質量%、例えば約0.5質量%から約3質量%の範囲の量で存在し得る。
【0138】
例示的な両性界面活性剤は、例えば、ラウリルベタイン、ラウロアンホグリシネート、ラウロアンホプロピルスルホネート、ラウロアンホプロピオネート、ラウロアンホ-カルボキシグリシネート、ラウリルスルタン、ミリスタミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、ミリストアンホグリシネート、ミリスチルプロピオネート、ステアロアンホグリシネート、ステアロアンホプロピオネート、ステアロアンホプロピルスルホネート、ステアリルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタン、コカミドプロピルジメチルアミンプロピオネート、ココアンホグリシネート、ココアンホカルボキシプロピオネート、ココアンホカルボキシグリシネート、ココ-ベタイン、ココアンホプロピオネート、及びココアンホプロピルスルホネート、並びにそれらの組み合わせを含む。
【0139】
例示的な非イオン性界面活性剤は、一般的に約20から約85のエトキシ化の程度を有する、多価アルコール、例えばグリセロール及びソルビトールの脂肪酸エステル及びアルコキシル化、特にエトキシ化脂肪酸エステル、例えば、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンモノステアレートルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレエート;モノ-及びジ-アルカノールアミド、例えばモノ-及びジ-エタノールアミンのN-アシル誘導体、及びポリエトキシ化モノアルカノールアミド、例えばPEG-15コカミド;アミンオキシド、例えばコカミドプロピルジメチルアミンオキシド、ココビス-2-ヒドロキシエチルアミンオキシド及びラウリルジメチルアミンオキシド;エトキシ化アルカノールアミド;エトキシ化油及び脂肪、例えばエトキシ化ラノリン;及びエトキシ化アルキルフェノール、例えばノノキシノール、並びにそれらの組み合わせを含む。
【0140】
例示的なアニオン性界面活性剤は、それぞれ約C
12からC
18アルキル又はアルケニル基を有する、アルキルエーテルカルボン酸、例えばラウレス-11カルボン酸、アルカリ金属、アンモニウム、又はアルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、直鎖状アルファオレフィンスルホネート、スルホコハク酸ジアルキル、アルキルアミドスルホコハク酸、及びアルキルタウレートのアミン塩、並びにそれらの組み合わせを含む。具体的な例は、ラウリルサルフェート及びラウリルエーテルサルフェートを含み、後者は、1〜3のエトキシ化の平均レベルを有する。
【0141】
例示的なカチオン性界面活性剤は、クオタニウム-16、クオタニウム-26、クオタニウム-27、クオタニウム-30、クオタニウム-33、クオタニウム-43、クオタニウム-52、クオタニウム-53、クオタニウム-56、クオタニウム-60、クオタニウム-61、クオタニウム-62、クオタニウム-70、クオタニウム-71、クオタニウム-72、クオタニウム-75、クオタニウム-76加水分解コラーゲン、クオタニウム-77、クオタニウム-78、クオタニウム-79加水分解コラーゲン、クオタニウム-79加水分解ケラチン、クオタニウム-79加水分解乳タンパク質、クオタニウム-79加水分解シルク、クオタニウム-79加水分解ダイズタンパク質、及びクオタニウム-79加水分解コムギタンパク質、クオタニウム-80、クオタニウム-81、クオタニウム-82、クオタニウム-83、クオタニウム-84、並びにそれらの組み合わせを含む。
【0142】
毛髪整形組成物は、そのような組成物に典型的に見出される少なくとも1つの追加原料を、更に含有し得る。そのような原料の例は、酸性及びアルカリ性pH調整剤、キレート剤、膨張剤、溶媒、構造化剤、例えばワックス及びポリマー、疎水性(脂溶性)及び親水性増粘剤又はゲル化剤、皮膚コンディショニング剤、日焼け止め剤(例えば、オクトクリレン、オクティノクセイト、アボベンゾン)、防腐剤(例えば、クエン酸ナトリウム、フェノキシエタノール、パラベン及びそれらの混合物)、化粧品活性剤及び皮膚科学的活性剤、例えば、加水分解ペプチド、ファルネソール、ビサボロール、フィタントリオール、審美剤(aesthetic agents)、例えばエッセンシャルオイル、香料、皮膚感触改善剤(skin sensates)、乳白剤、芳香族化合物(例えば、チョウジ油、メントール、カンファー、ユーカリ油、及びオイゲノール)、増泡剤(foam enhancer)、並びに植物抽出物を含むが、それらに限定されない。
【0143】
毛髪整形組成物は、美容上許容できる担体も含み得る。美容上許容できる担体は、形状変更組成物中に、例えば、約1質量%から約40質量%、例えば約5質量%から約35質量%、又は約10質量%から約30質量%の形状変更組成物の範囲の量で存在し得る。
【0144】
様々な実施形態において、毛髪整形組成物は、少なくとも1つの中和剤、例えば酸化剤を含む、又はそれと共に使用される。例示的で有用な酸化剤は、過酸化物、ブロメート、及びパーボレート、例えば、過酸化水素、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム及び過ホウ酸ナトリウムを含む。
【0145】
毛髪整形組成物は、様々な実施形態において、処置組成物の後で、約24時間以内、例えば24時間未満、12時間未満毛髪に適用され得る。少なくともある例示的な実施形態では、形状変更組成物は、処置組成物の後で、数時間又は数分まで毛髪に適用され得る。例えば、形状変更組成物は、処置組成物の後で、約1から約6時間まで適用され得る、又は処置組成物の後で、約60分まで、例えば約30分まで、約20分まで、約10分まで、約5分まで、約2分まで、若しくは約1分まで適用され得る。
【0146】
着色変更組成物は、毛髪の色調における望ましい変更を達成するのに十分な期間にわたって毛髪に留まらせてよい。例えば、形状変更組成物は、1時間、例えば約3分から約45分、約5分から約30分、又は約10分から約20分まで毛髪に留まらせてよい。更なる実施形態では、形状変更組成物は、約30分まで、例えば、約1から約30分、約1から約10分、又は約1から約5分の期間にわたって毛髪に留まらせてよい。当業者は、様々な要因、例えば元の毛髪形状、及び望ましい毛髪形状を考慮することにより、毛髪形状における望ましい変更を達成するために、形状変更組成物を毛髪に留めるのに適切な時間を決定できるであろう。
【0147】
必要に応じて、形状変更組成物は、任意選択で、シャンプーしてよく、且つ/又は毛髪からすすぎ落としてよい。
【0148】
コンディショニング組成物
処置組成物及び/又は色味変更組成物及び/又は形状変更組成物が毛髪に適用された後で、並びに、任意選択でシャンプーし、且つ/又はすすいだ後で、毛髪は、3-ブトキシプロピルアミン及び少なくとも1つのカルボン酸を含むコンディショニング組成物で更に処置してよい。様々な、例示的で非限定的な実施形態では、3-ブトキシプロピルアミンは、少なくとも1つのカルボン酸により中和され得る。本明細書で使用されているように、少なくとも1つのカルボン酸により中和される3-ブトキシプロピルアミンは、3-ブトキシプロピルアミンが、完全に中和されている、実質的に完全に中和されている、又は部分的に中和されていることを意味する。「中和されている」という用語は、3-ブトキシプロピルアミンが、酸性源、例えばカルボン酸に由来するが、それらに限定されないH
+(プロトン)によりプロトン化されていることを意味する。
【0149】
様々な実施形態では、3-ブトキシプロピルアミンは、コンディショニング組成物の質量に対して、約10質量%まで、例えば約9質量%まで、約8質量%まで、約7質量%まで、約6質量%まで、約5質量%まで、約4質量%まで、約3質量%まで、約2質量%まで、約1質量%まで、約0.90質量%まで、約0.80質量%まで、約0.70質量%まで、約0.60質量%まで、又は約0.50質量%までの量で、コンディショニング組成物中に存在し得る。単なる非限定的な例として、3-ブトキシプロピルアミンは、コンディショニング組成物の質量に対して、約0.1質量%から約5質量%、例えば約0.75質量%から約4質量%、又は約1質量%から約3質量%の範囲の量で存在し得る。一実施形態では、3-ブトキシプロピルアミンは、コンディショニング組成物の質量に対して、約2質量%から約3質量%の範囲の量で存在し得る。
【0150】
コンディショニング組成物に有用な少なくとも1つのカルボン酸は、少なくとも1個の酸官能基及び少なくとも1個の炭素原子、例えば、処置組成物に関する上記のカルボン酸を含有する任意の有機化合物であってよい。使用できる例示的な、且つ非限定的なカルボン酸は、例えば、1、2、3個又はそれ超のカルボン酸官能基(COOH)、及び少なくとも1個の炭素原子を含む有機化合物を含む。
【0151】
ある例示的な、且つ非限定的な実施形態では、少なくとも1つのカルボン酸は、飽和又は不飽和、置換又は非置換ジカルボン酸、それらの塩及びそれらの混合物から選択され得る。非限定的な例として、少なくとも1つのカルボン酸は、以下の式のジカルボン酸から選択され得る:
XO
2C-R-CO
2X'
(式中;
- Rは、0から30個の二重及び/若しくは三重結合、並びに/又は0から10個の環を含み、任意選択で、O、N及びSから選択される1から30個のヘテロ原子が間に入り、任意選択で、水素原子、ヒドロキシル(-OH)部分、アミノ(-NH
2)部分、(C
1〜C
30)アルキルアミノ部分、ポリ(C
1〜C
30)アルキルアミノ部分、ヒドロキシ(C
1〜C
30)アルキルアミノ部分、ポリヒドロキシ(C
1〜C
30)アルキルアミノ部分、C
6〜C
30アリール部分から選択される1から30個の置換基で置換されている環状又は非環状、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐C
1〜C
100炭化水素部分であり、いくつかの実施形態では、-Rは、省略されることがあり;
- X及びX'は、独立して、水素原子、アンモニウムイオン、アルカリ金属、例えばLi、Na、K、若しくはアルカリ土類金属、例えばBe、Mg、Caのイオン、又は有機アミン、例えばアルキルアミンに由来するイオンを表す)。
【0152】
本出願の目的に関する環状炭化水素部分という表現は、1つ若しくは複数の環からなる、又は、ペンダントである、若しくは主鎖中にある1つ若しくは複数の環を含む、炭化水素部分を意味するよう理解され、この部分は、飽和又は不飽和、及び1つ又は複数のC
1〜C
30アルキル又はアルケニル又はヒドロキシル又はアミノ部分で置換される環となれることが理解される。
【0153】
単なる非限定的な例として、コンディショニング組成物に有用なカルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、グルタル酸、シトラコン酸、クエン酸、マレイン酸、グリコール酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、フマル酸、セバシン酸、安息香酸、及びグリオキシル酸一水和物、並びにそれらの組み合わせを含み得る。少なくとも1つの実施形態では、コンディショニング組成物は、マレイン酸以外の少なくとも1つのカルボン酸を含む。
【0154】
しかし、コンディショニング組成物に選択されたカルボン酸は、処置組成物に選択された少なくとも1つのカルボン酸と同一であってもよく、又は異なっていてもよいことは注目すべきである。少なくとも1つの実施形態では、コンディショニング組成物は、マレイン酸、及び任意選択で少なくとも1つの追加のカルボン酸を含む。更なる実施形態では、コンディショニング組成物は、マレイン酸以外の少なくとも1つのカルボン酸を含む。更なる実施形態では、コンディショニング組成物は、マレイン酸を含まない、又は実質的に含まない。
【0155】
少なくとも1つのカルボン酸は、コンディショニング組成物の質量に対して、約10質量%まで、例えば約9質量%まで、約8質量%まで、約7質量%まで、約6質量%まで、約5質量%まで、約4質量%まで、約3質量%まで、約2質量%まで、約1質量%まで、又は約0.50質量%までの量で、コンディショニング組成物中に存在し得る。単なる非限定的な例として、カルボン酸は、コンディショニング組成物の質量に対して、約0.50質量%から約10質量%、例えば約1質量%から約8質量%、約2質量%から約7質量%、約3質量%から約6質量%、又は約4質量%から約5質量%の範囲の量で存在し得る。例示的な一実施形態では、カルボン酸は、コンディショニング組成物の質量に対して、約6質量%から約8質量%の量で存在し得る。1つ超のカルボン酸が存在する場合、カルボン酸の合計量は、これらの量で存在し得ることは理解すべきである。
【0156】
コンディショニング組成物は、様々な実施形態において、エマルションの形態であってよく、任意選択で、追加成分、例えば界面活性剤、溶媒、及び/又はコンディショニング剤、並びに他の添加剤を含み得る。
【0157】
非限定的な例として、溶媒は、水、少なくとも1つの美容上許容できる有機溶媒、及びそれらの混合物から選択される、美容上許容できる溶媒から選択され得る。
【0158】
有機溶媒は、揮発性化合物であってもよく、又は不揮発性化合物であってもよい。有機溶媒の例としては、非限定的には、モノアルコール及びポリオール、例えばエタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ベンジルアルコール、及びフェニルエタノール、又はグリコール若しくはグリコールエーテル、例えばエチレングリコールのモノメチル、モノエチル、及びモノブチルエーテル、プロピレングリコール若しくはそのエーテル、例えばプロピレングリコールのモノメチルエーテル、ブチレングリコール、へキシレングリコール、ジプロピレングリコール、並びにジエチレングリコールのアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールのモノエチルエーテル若しくはモノブチルエーテルを挙げることができる。有機溶媒の他の好適な例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、へキシレングリコール、プロパンジオール、及びグリセリンである。
【0159】
美容上許容できる溶媒は、コンディショニング組成物の質量に対して、約98質量%まで、例えば約95質量%まで、約90質量%まで、約85質量%まで、約80質量%まで、約75質量%まで、約70質量%まで、約65質量%まで、約60質量%まで、約55質量%まで、又は約50質量%までの範囲の量を含み得る。例えば、美容上許容できる溶媒は、コンディショニング組成物の質量に対して、約80質量%から約98質量%、例えば約85質量%から約95質量%の範囲になり得る。
【0160】
コンディショニング組成物に含まれ得るコンディショニング剤は、カチオン性、アニオン性、非イオン性、及び両性コンディショニング剤を含むが、それらに限定されない。例えば、カチオン性コンディショニング剤は、ポリクオタニウム-10(四級化ポリヒドロキシエチルセルロースとも呼ばれる)、セトリモニウムクロリド(塩化セチルトリメチルアンモニウム、CTACとも呼ばれる)、ベヘントリモニウムクロリド(ドコシルトリメチルアンモニウムクロリドとしても公知である)、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ステアルトリモニウムクロリド、ステアラルコニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、ヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ココトリモニウムメトサルフェート、オレアルコニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ババスアミドプロパルコニウムクロリド(babassuamidopropalkonium chloride)、ブラシカアミドプロピルジメチルアミン、クオタニウム-91、Salcare/PQ-37、クオタニウム-22、クオタニウム-87、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-44、ポリクオタニウム-67、アモジメチコン、ラウリルベタイン、ポリアクリレート-1クロスポリマー、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コムギタンパク質、ベヘナミドプロピルPG-ジモニウムクロリド、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ダイズタンパク、アミノプロピルジメチコン、クオタニウム-8、及びジリノレアミドプロピルジメチルアミンジメチコンPEG-7ホスフェートから選択され得る。
【0161】
両性コンディショニング剤は、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-39、ポリクオタニウム-47、ポリクオタニウム-53、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グリシン、グルタミン酸、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、チロシン、トリプトファン、バリン、ゼラチン、クオタニウム-27、オレアミドプロピルベタイン、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホジ酢酸二ナトリウム、ココアンホプロピオン酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、メドウフォームデルタラクトン、ココアミドプロピルベタイン、ココアミドプロピルヒドロキシスルタイン、ラウラミドプロピルベタイン、カルニチン、ヒドロキシプロリン、アセチルヒドロキシプロリン、イソロイシン、ラウロイルリジン、ラウロイルサルコシン、ポリリジン、プロリン、コメアミノ酸、シルクアミノ酸、及びコムギアミノ酸から選択され得る。
【0162】
コンディショニング組成物に存在し得る追加の助剤成分は、着色剤、乳化剤、増粘剤及びレオロジー改変剤、カチオン性ポリマー、湿潤剤及び保湿剤、キレート剤、例えばグリシン、上に記載されている脂肪性物質に該当するもの以外の乳化剤、フィラー、構造化剤、噴射剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、光沢剤、コンディショニング剤、光沢剤、並びに強化剤を含むが、それらに限定されない。
【0163】
少なくとも1つの助剤成分は、存在する場合、コンディショニング組成物の合計質量に対して、約25質量%まで、例えば約20質量%まで、約15質量%まで、又は約10質量%まで、例えば約0.1質量%から約10質量%、約0.5質量%から約5質量%、又は約1から約3質量%の量で存在し得る。
【0164】
コンディショニング組成物のpHは、約1から約7、例えば約2から約5、又は約3から約4の範囲になり得る。
【0165】
様々な実施形態によれば、コンディショニング組成物は、3-BPA及びカルボン酸の組み合わせを含み得る。非限定的な例として、コンディショニング組成物は、3-BPA及び2つのカルボン酸、例えばマロン酸及びクエン酸、マロン酸及びシュウ酸、マロン酸及びマレイン酸、マロン酸及びリンゴ酸、クエン酸及びシュウ酸、クエン酸及びマレイン酸、クエン酸及びリンゴ酸、シュウ酸及びマレイン酸、シュウ酸及びリンゴ酸、マレイン酸及びリンゴ酸の組み合わせを含み得る。他の実施形態では、コンディショニング組成物は、3-BPA及び3つ以上のカルボン酸の組み合わせを含み得る。
【0166】
いくつかの実施形態では、コンディショニング組成物は、3-BPA及び1つ又は複数の飽和カルボン酸を含んでよく、不飽和カルボン酸を含まなくてもよく、又は実質的に含まなくてもよい。他の実施形態では、コンディショニング組成物は、3-BPA及び1つ又は複数の不飽和カルボン酸を含んでよく、飽和カルボン酸を含まなくてもよく、又は実質的に含まなくてもよい。更に他の実施形態では、コンディショニング組成物は、3-BPA、並びに飽和(例えばシュウ酸、マロン酸、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、セバシン酸、グリオキシル酸一水和物)及び不飽和(マレイン酸、フマル酸、安息香酸、シトラコン酸)カルボン酸の両方を含み得る。
【0167】
ある例示的な実施形態では、コンディショニング組成物は、コンディショニング組成物の質量に対して、3-BPAを約0.1質量%から約5質量まで、例えば約0.5質量%から約3質量%、又は3-BPAを約0.5質量%から約2質量%、例えば約0.5質量%から約1質量%含み得る。ある例示的な実施形態では、コンディショニング組成物は、コンディショニング組成物の質量に対して、カルボン酸を約0.1質量%から約5質量%、例えば約0.5質量%から約4質量%、又はカルボン酸を約0.75質量%から約3質量%、例えば約1質量%から約2質量%含み得る。
【0168】
単なる非限定的な例として、コンディショニング組成物は、コンディショニング組成物の質量に対して、3-BPAを約0.5質量%から約2質量%、及び1つ又は複数のカルボン酸を約0.75質量%から約3質量%、例えば、3-BPAを約0.5質量%から約1質量%、及び1つ又は複数のカルボン酸を約1質量%から約2質量%含み得る。非限定的な例として、コンディショニング組成物は、コンディショニング組成物の質量に対して、3-BPAを約5質量%から約6質量%、及びマレイン酸及び/又はマロン酸を約1質量%から約2質量%含み得る。
【0169】
本開示を限定することを意図していないが、様々な実施形態において、一定量の3-BPA、少なくとも1つのカルボン酸、溶媒、及び/若しくは、任意選択で、コンディショニング組成物中の任意の追加成分、又は互いの成分の比を選択することは、それらの組み合わせから相乗的な結果を得る、又は向上させるために、有利になり得る。
【0170】
本開示による処置及び/又はコンディショニング組成物は、様々な形態、例えば液体、クリーム、液体ゲル、液体クリーム、ゲル、ローション、又はペーストの形態であってよい。
【0171】
方法
本明細書に記載されているように、処置及び/若しくはコンディショニング組成物、並びに/又は処置及びコンディショニング組成物を含む系は、例えば、毛髪の色味又は形状を化学的に変更するプロセスの前、最中及び/若しくは後で、色味又は形状変更組成物ではない組成物の適用前、適用中及び/又は適用後に、毛髪を処置するために、並びに/又はダメージを受けた毛髪用の独立型処置として、使用され得る。例えば、色味若しくは形状変更組成物は、処置組成物を含み得、又は処置組成物は、色味若しくは形状変更組成物若しくは作用剤又は組成物を含み得る。「色味変更組成物が、処置組成物を含む」、「形状変更組成物が、処置組成物を含む」、「処置組成物が、色味変更組成物を含む」、「処置組成物が、形状変更組成物を含む」等の場合は、2つの組成物又はそれらの成分は一緒に混合されるが、例えば、これに添加される組成物、又は混合する順序に限定は一切ないことは理解すべきである。
【0172】
さらなる実施形態では、毛髪に適用され得る処置組成物は、最初に、また、任意選択でシャンプーしてよく、且つ/又はすすいでよく、その後、色味若しくは形状変更組成物、又は色味又は形状変更組成物ではない組成物が、毛髪に適用される。様々な実施形態では、処置組成物及び/又は色味又は形状変更組成物の後で、毛髪に適用され得るコンディショニング組成物は、毛髪に適用され、任意選択でシャンプーし、且つ/又はすすぐ。
【0173】
本明細書で使用されている、処置組成物は、毛髪の化学的処置「の前に」、例えば、合間にシャンプーする、又はすすぐか否かを問わず、毛髪を整形する、着色する、又はライトニングする前に、例えば1分未満前に、約5分前まで、約10分前まで、約20分前まで、約30分前まで、約1時間前まで、約2時間前まで、約6時間前まで、約12時間前まで、約24時間前まで、約48時間前まで、約72時間前まで、又は例えば約1週間前まで、毛髪に適用され得る。
【0174】
本明細書で使用されている、処置組成物は、毛髪の化学的処置「の後で」、例えば、合間にシャンプーした、又はすすぐか否かを問わず、毛髪を整形した、着色した、又はライトニングした後で、例えば1分未満後で、約5分後まで、約10分後まで、約20分後まで、約30分後まで、約1時間後まで、約2時間後まで、約6時間後まで、約12時間後まで、約24時間後まで、約48時間後まで、約72時間後まで、又は例えば約1週間後まで、毛髪に適用され得る。
【0175】
本明細書で使用されている、処置組成物は、毛髪の化学的処置「の最中に」、例えば化学的処置、例として、コーミングすること、若しくは処置組成物を化学的処置組成物と混合してから、この混合物を毛髪に適用することにより、毛髪を整形する、着色する、又はライトニングするのと同時に、又はほぼ同時に、毛髪に適用され得る。例として、処置組成物は、色味変更組成物の質量に対して、約30質量%まで、例えば、色味変更組成物の質量に対して、約25質量%まで、約20質量%まで、又は、約15質量%までの範囲の量で、色味又は形状変更組成物と混合され得る。例えば、処置組成物は、色味変更組成物の質量に対して、約1質量%から約20質量%、約2質量%から約15質量%、約3質量%から約13質量%、又は約4質量%から約10質量%の範囲の量で、色味又は形状変更組成物と混合され得る。なお更なる例示的な実施形態では、処置組成物及び色味又は形状変更組成物は、実質的に同時に毛髪に適用され得るが、合間にシャンプーする、若しくはすすぐか否かを問わず、毛髪への適用前に混合せずに個別のアプリケータから適用してもよい。
【0176】
非限定的な例として、毛髪の形状又は色味を処置又は変更するための方法は、処置組成物を、プレリラクシング、プレパーマネントウェーブ、プレストレート化、プレ着色、プレグレージング、又はプレライトニング組成物として、毛髪に適用する工程を含み得、これらの組成物は、色味又は形状変更組成物の適用前に、任意選択で、毛髪に留まらせても、又は洗い落としてもよい。更なる例示的な実施形態では、方法は、任意選択で、混合物を毛髪に使用及び適用する直前に、処置組成物を、色味又は形状変更組成物中に添加する工程を含み得る。なお更なる例示的な実施形態では、方法は、任意選択で、処置組成物を毛髪に使用及び適用する直前に、形状又は色味変更剤、例えば酸化剤又は染料を、処置組成物中に添加する工程を含み得る。なお更なる例示的実施形態では、方法は、使用の直前に、整形剤又は着色剤又はブリーチ組成物と顕色剤を混合する工程を含んでよく、処置組成物は、整形若しくは着色若しくはブリーチ組成物、又は顕色剤組成物に予め配合されていてよい。なお更なる例示的実施形態では、方法は、コンディショニング組成物を、毛髪が処置された後、及び任意選択で、毛髪をすすいだ、又は洗った後のポスト処置組成物として毛髪に適用する工程を含んでもよい。
【0177】
本明細書において使用される「混合する」という用語、及びこの用語の全ての変形は、処置組成物を、形状又は色味変更組成物と接触させること、又は組み合わせること、又は再構成すること、又は溶解させること、又は分散させること、又はブレンドすること、又は振盪することを指す。処置組成物を、形状又は色味変更組成物に導入することも意味し得る。処置組成物を、色味変更組成物と同じ容器又は入れ物に入れることも意味し得る。
【0178】
更なる例として、本開示による処置組成物は、毛髪処置プロセス、例えば、リラクサー、ストレートナー、又はパーマネントウェーブを短縮させるステップの後で、毛髪に適用され得る。任意のリーブイン(処理)時間、例えば約5〜20分、例えば約10〜15分後、毛髪を、任意選択で拭いてよく、又はすすいでよく、次いでコンディショニング組成物を毛髪に適用し、任意選択でシャンプーし、及び/又はすすぐ。理論に束縛されることを望むものではないが、プロセスを短縮させるステップは、毛髪のキューティクルを膨張させ、これが処置組成物からの活性成分を受け入れられるようにし、次いでコンディショニング組成物により、毛髪のキューティクルが脱膨張され、活性成分が閉じ込められると考えられる。
【0179】
なお更なる例示的な実施形態では、処置組成物、コンディショニング組成物、又は処置組成物及びコンディショニング組成物を含む系は、色味変更又は形状変更組成物又はプロセスを伴わずに、毛髪に適用され得る。そのような処置組成物、コンディショニング組成物、並びに/又は処置組成物及びコンディショニング組成物を含む系は、化学的プロセス、例えば毛髪の着色、ブリーチ、整形、リラクシング等によって引き起こされる毛髪に対するダメージを回避すること又は最小限に留めることと切り離し、また、別として、美容上の利点、例えば光沢、コンディショニング、繊維強度、及び/又は健康的な外観を毛髪に与えることができる。
【0180】
単なる非限定的な例として、毛髪の色味又は形状を変更するための作用剤を含有しない組成物と混合され得る本開示による処置組成物は、例えば、毛髪の色味又は形状を変更するための作用剤を含有しない組成物と同時に毛髪に直接適用され得、又は水と混合され、毛髪に適用され得、任意選択で、毛髪は、シャンプーしてよく、且つ/又はすすいでよく、その後、本開示によるコンディショニング組成物が毛髪に適用し、任意選択でシャンプーしてよく、且つ/又はすすいでよい。
【0181】
更なる例示的な実施形態では、方法は、毛髪を処置するためのプロセスに関し、毛髪の一部のみに、化学的プロセス、例えば色味又は形状変更プロセスが施される。例として、毛髪がハイライトされている場合、消費者の頭部において毛髪のある部分のみが、ブリーチ又はハイライト剤で処理される。しかし、毛髪の別の部分は、後続の色味又は形状変更プロセス中に処理(例えばハイライト)されるので、毛髪のある部分に、長期間にわたって更なるダメージを引き起こすことがある。したがって、そのような実施形態においては、頭部全体の毛髪を、本開示による処置組成物で処置することが望ましくなり得る。様々な実施形態において、本開示による処置組成物そのものは、ブリーチ又はハイライト又は染毛又は毛髪整形プロセスと合わせて(例えばブリーチ又はハイライト又は染毛又は毛髪整形組成物と混合される)、毛髪のある部分に適用され得るが、本開示による処置組成物は、例えば毛髪を着色する又は整形する作用剤を含有しない組成物として、化学的プロセスが施されない毛髪の他の部分に適用され得る。毛髪の処置した部分の重複がいくつか発生することがあるが、様々な実施形態では、処置した毛髪は、本質的には毛髪の様々な部分からなると考えられる。
【0182】
したがって、毛髪の色味又は形状を変更する方法は、本開示の範囲内にあり、第1の処置組成物は、3-ブトキシプロピルアミンと;シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、グルタル酸、シトラコン酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、セバシン酸、安息香酸、及びグリオキシル酸一水和物、並びにそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのカルボン酸と;少なくとも1つの溶媒と;毛髪のある部分に適用される毛髪の色味又は形状を変更するための少なくとも1つの作用剤とを含み;第2の処置組成物は、3-ブトキシプロピルアミンと;シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、グルタル酸、シトラコン酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、セバシン酸、安息香酸、及びグリオキシル酸一水和物、並びにそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのカルボン酸と;少なくとも1つの溶媒とを含み;第2の処置組成物は、形状又は毛髪の色味を変更するための作用剤を含有せず、毛髪の異なる部分に適用される。第2の処置組成物は、例えば、毛髪に直接適用され得る、又は水若しくは組成物、例えばクリアグレーズと混合され得る。任意選択で、本開示によるコンディショニング組成物は、毛髪、例えば毛髪の一部、又は処置した毛髪の全体にも適用され得る。様々な実施形態において、第1及び第2の処置組成物並びに/又はコンディショニング組成物における少なくとも1つのカルボン酸は、同一であることも、又は異なっていることもでき、それぞれに対して、少なくとも1つのカルボン酸は、独立して選択されると理解すべきである。
【0183】
様々な例示的な方法又はプロセスでは、処置組成物、又は処置組成物を含む混合物は、毛髪に適用され得、毛髪繊維における、例えば、約1から約60分、例えば約5から約50分、又は例えば約5から約30分、又は例えば約10から約20分の範囲、又は例えば約20分の任意選択のリーブイン(処理)時間の後で、毛髪繊維をすすぎ、任意選択で、シャンプーで洗浄し、再度すすいでよく、コンディショニング組成物を毛髪繊維に適用し、また、第2の任意選択の休止時間の後で、任意選択で、毛髪コンディショニング組成物で洗浄し、再度すすぎ、次いで乾燥させた。コンディショニング組成物は、約60分まで、例えば約1から約30分、又は約5から約15分の範囲の休止又はリーブイン期間にわたって毛髪に留まらせてよい。シャンプー及び毛髪コンディショニング組成物は、任意の従来の毛髪用シャンプー及び/又はコンディショナー製品であってよい。
【0184】
毛髪を処置する方法の間の温度は、例えば、室温から80℃の間、例えば室温から60℃の間、又は室温から40℃の間であり得る。
【0185】
処置組成物、コンディショニング組成物、又は処置組成物及びコンディショニング組成物を含む系の適用は、繊維において、毛髪の色味及び/又は形状を変更するためのプロセスと合わせた処置組成物及びコンディショニング組成物により、繊維の色味に満足すべきリフト若しくはライトニングが生じる、又は毛髪繊維の形状の変更が生じる一方で、毛髪繊維を強化及び/又は保護され、その結果、少なくともいくつかの実施形態において毛髪繊維へのダメージは最小限に留められることを発見した。更に、組成物の実施形態が、酸化性染料前駆体、直接染料、顔料、又はこれらの混合物から選択される着色剤化合物を含む場合も、繊維は、色味の堆積の度合い及び望ましい色相を形成する着色について満足のいくように着色されている一方で、毛髪繊維に対する強化及び/又は保護も得られ、少なくともいくつかの実施形態において、毛髪繊維に対するダメージが回避される、又は最小限に留められる。
【0186】
限定を伴わずに、任意の程度の保護及び/又は強化及び/又はダメージの最小化が毛髪繊維に対して付与され得ることを理解されたい。更に、毛髪繊維に対して繊維強度及び/又は保護及び/又はダメージの最小化を付与しない実施形態も、本開示の範囲内にあることが意図される。
【0187】
キット
本開示の更なる実施形態は、毛髪を処置し、且つ/又は色味及び/若しくは形状を変更するためのキットに関する。毛髪を処置し、且つ/又は毛髪の色味を変更するためのキットの例示的な一実施形態は、
A.
i.3-ブトキシプロピルアミンと;
ii.少なくとも1つのカルボン酸と;
iii.任意選択の少なくとも1つの溶媒と
を含む処置組成物を含有する第1の区画;並びに
B.3-ブトキシプロピルアミン及び少なくとも1つのカルボン酸を含むコンディショニング組成物を含有する第2の区画;並びに
C.任意選択で、少なくとも1つの毛髪着色剤又は組成物を含む、1つ又は複数の追加区画
を含む。
【0188】
毛髪を処置し、且つ/又は毛髪の色味を変更するためのキットの更なる例示的な実施形態は、
A.
i.3-ブトキシプロピルアミンと;
ii.少なくとも1つのカルボン酸と;
iii.任意選択の少なくとも1つの溶媒と
を含む処置組成物を含有する第1の区画;並びに
B.3-ブトキシプロピルアミン及び少なくとも1つのカルボン酸を含むコンディショニング組成物を含有する第2の区画;並びに
C.任意選択で、少なくとも1つの毛髪着色剤又は組成物を含む、1つ又は複数の追加区画
を含み、
第1及び/又は第2の区画は、マレイン酸、クエン酸、マロン酸又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの酸を含む。
【0189】
毛髪を処置し、且つ/又は毛髪の形状を変更するためのキットの更なる例示的な実施形態は、
A.
i.3-ブトキシプロピルアミンと;
ii.少なくとも1つのカルボン酸と;
iii.任意選択で少なくとも1つの溶媒と
を含む処置組成物を含有する第1の区画;並びに
B.3-ブトキシプロピルアミン及び少なくとも1つのカルボン酸を含むコンディショニング組成物を含有する第2の区画;並びに
C.任意選択で、毛髪を整形するための少なくとも1つの作用剤又は組成物を含む1つ又は複数の追加区画
を含む。
【0190】
毛髪を処置し、且つ/又は毛髪の形状を変更するためのキットの更なる例示的な実施形態は、
A.
i.3-ブトキシプロピルアミンと;
ii.少なくとも1つのカルボン酸と;
iii.任意選択の少なくとも1つの溶媒と
を含む処置組成物を含有する第1の区画;並びに
B.3-BPA及び少なくとも1つのカルボン酸を含むコンディショニング組成物を含有する第1の区画;並びに
C.任意選択で、少なくとも1つの毛髪を整形するための作用剤又は組成物を含む、1つ又は複数の追加区画
を含み、
第1及び/又は第2の区画及び/又は1つ若しくは複数の追加区画は、マレイン酸、クエン酸、マロン酸又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの酸を含む。
【0191】
様々な実施形態によれば、前述のキットのいずれかの毛髪処置組成物及び/又は毛髪コンディショニング組成物に存在する少なくとも1つのカルボン酸は、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、グルタル酸、シトラコン酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、フマル酸、セバシン酸、安息香酸、及びグリオキシル酸一水和物、並びにそれらの組み合わせから独立して選択され得る。いくつかの実施形態では、キットの第1及び第2の区画における、処置組成物及びコンディショニング組成物中の少なくとも1つのカルボン酸は、同一である。他の実施形態では、キットの第1及び第2の区画における、処置組成物及びコンディショニング組成物中の少なくとも1つのカルボン酸は、異なる。
【0192】
いくつかの実施形態では、キットの第1及び第2の区画における毛髪処置組成物及び/又は毛髪コンディショニング組成物に存在する少なくとも1つのカルボン酸は、独立して、マロン酸、マレイン酸、クエン酸、及びそれらの組み合わせから選択される。さらなる実施形態では、毛髪処置組成物及び/又は毛髪コンディショニング組成物に存在する少なくとも1つのカルボン酸は、独立して、クエン酸、マロン酸、シュウ酸、リンゴ酸、グルタル酸、グリコール酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、セバシン酸、グリオキシル酸一水和物、及びそれらの組み合わせから選択される。なお更なる実施形態では、少なくとも1つのカルボン酸は、マレイン酸、シトラコン酸、フマル酸、安息香酸、及びそれらの組み合わせから選択される。なお更なる実施形態では、キットの第1及び第2の区画における処置組成物に存在するカルボン酸、コンディショニング組成物に存在するカルボン酸、又はその両方は、独立して、マロン酸及びクエン酸;マロン酸及びシュウ酸;マロン酸及びマレイン酸;マロン酸及びリンゴ酸;クエン酸及びシュウ酸;クエン酸及びマレイン酸;クエン酸及びリンゴ酸;シュウ酸及びマレイン酸;シュウ酸及びリンゴ酸;並びにマレイン酸及びリンゴ酸から選択される2つのカルボン酸の組み合わせから選択され得る。なお更なる実施形態では、キットの第1及び第2の区画における処置組成物に存在するカルボン酸、コンディショニング組成物に存在するカルボン酸、又はその両方は、独立して、3つ以上のカルボン酸の組み合わせから選択され得る。
【0193】
様々な例示的な、且つ非限定的な実施形態では、前述の組成物、系、方法、及びキットのいずれかにおける処置組成物に存在する少なくとも1つのカルボン酸は、マロン酸から選択される。更なる例示的な、且つ非限定的な実施形態では、前述の組成物、系、方法、及びキットのいずれかにおける処置組成物に存在する少なくとも1つのカルボン酸は、マレイン酸から選択される。
【0194】
本明細書において使用される「その(the)」、「1つの(a)」、又は「1つの(an)」という用語は、「少なくとも1つ」を意味し、矛盾がはっきり指し示されない限り、「1つのみ」に限定されるべきではないことを理解されたい。したがって、例えば、「一部分(a portion)」に対する言及には、別段文脈が明確に指し示さない限り、そのような部分を2つ以上有する例が含まれる。
【0195】
別段明白に指定されない限り、本明細書に記載のいずれの方法も、その工程を特定の順序で実施する必要があると解釈することを決して意図しない。したがって、方法の特許請求の範囲が、その工程が従うべき順序を実際に列挙していない場合、又は工程が特定の順序に限定されることが、特許請求の範囲若しくは本明細書において別段具体的に記載されていない場合、いかなる特定の順序を暗示することも、決して意図されない。
【0196】
特定の実施形態の様々な特徴、要素又は工程は、移行句「〜を含む」を使用して開示され得、移行句「〜からなる」又は「〜から本質的になる」を使用して説明することができるものを含めた代替実施形態を含意することを理解されたい。したがって、例えば、A+B+Cを含む方法に含意される代替実施形態は、方法がA+B+Cからなる実施形態及び方法がA+B+Cから本質的になる実施形態を含む。説明したように、句「A、B及びCの少なくとも1つ」は、「少なくとも1つのA又は少なくとも1つのB又は少なくとも1つのC」を含むことが意図され、「少なくとも1つのA及び少なくとも1つのB及び少なくとも1つのC」を含むことも意図される。
【0197】
本明細書で示されている全ての範囲及び量は、開示されている任意の点を端点として使用する部分範囲及び量を含むことが意図される。したがって、「1%から10%、例えば2%から8%、例えば3%から5%」の範囲は、「1%から8%」、「1%から5%」、「2%から10%」等の範囲を包含することが意図される。全ての数、量、範囲等は、明白に記載されていようがいまいが、「約」という用語によって修飾されていることが意図される。同様に、「約1%から10%」の所定の範囲は、1%及び10%の両方の端点を修飾する「約」という用語を有することが意図される。
【0198】
本開示の広範な範囲について記載する数値域及びパラメーターは近似値であるが、別段指示のない限り、特定の実施例中に記載される数値は、可能な限り正確に報告されている。しかし、あらゆる数値は、本来、そのそれぞれの試験測定値に見出される標準偏差から必然的に生じる一定の誤差を含有する。以下の実施例は、本開示の実施形態を例証する役割を果たすが、限定する性質のものではない。
【0199】
本発明の送達系、組成物、及び方法において、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変形を行うことが可能であることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内にあることを条件として、本発明の修正及び変形を網羅することが意図される。
【実施例】
【0200】
下記の組成物/配合物中の成分量は、別段指示がない限り、組成物の合計質量に対する質量%で表現される。
【0201】
(実施例1-1から1-13)
組成物
以下は、3-ブトキシプロピルアミン、少なくとも1つのカルボン酸、及び少なくとも1つの溶媒を含む例示的な処置組成物である。Table 1(表4)における示されている量は、処置組成物の質量%であり、処置組成物のそれぞれのpHは、約3.0である。
【0202】
【表4A】
【0203】
【表4B】
【0204】
Table 1(表4)の例示的な処置組成物は、色味変更組成物の前若しくは後で毛髪に適用され得る、又は、色味変更組成物と同時に適用するために、色味変更組成物と混合され得る。
【0205】
以下のコンディショニング組成物は、Table 2b(表6)の配合物2b-1から2b-8を、Table 2a(表5)の組成物に混合することにより調製した。Table 2a(表5)〜2b(表6)における示されている量は、コンディショニング組成物の質量%である。
【0206】
【表5】
【0207】
【表6】
【0208】
Table 2a(表5)及び2b(表6)の配合物を混合することにより調製したコンディショニング組成物は、毛髪を本明細書に記載されている処置組成物及び/又は色味変更組成物及び/又は形状変更組成物で処置した後で毛髪に適用され得る。
【0209】
方法
以下は、毛髪をin vitro及びin vivoで処置するための方法又はプロセスの例である。
【0210】
(in vitroのブリーチプロセス)
従来のブリーチ(30g)及び顕色剤(30〜60g)を、処置組成物(8g)と混合し、毛髪に適用し、毛髪に50分以上留まらせて、50分処理したブリーチ標準に等しいリフトを達成することができる。処理は室温にて行うことができる。毛髪をすすいでもよく、この後、コンディショニング組成物(0.4g/gの毛髪)を毛髪に適用し、室温にて10分にわたり留まらせ、次いですすいでもよい。毛髪をシャンプーし、すすぎ、コンディショナーを適用し、すすいでもよい。
【0211】
(実施例- in vivoのブリーチプロセス)
従来のブリーチ(30g)及び顕色剤(30〜60g)を、処置組成物(8g)と混合し、毛髪に適用し、毛髪に50分まで、又は望ましいリフトが達成されるまで留まらせてもよい。処理は室温にて行ってもよい。毛髪をすすいでもよく、この後、コンディショニング組成物(15g〜30g)を毛髪に適用し、休止のため室温にて10分留まらせ、すすいでもよい。毛髪をシャンプーし、すすぎ、コンディショナーを適用し、すすいでもよい。
【0212】
(実施例- in vivoのグレージングプロセス)
従来のグレーズ(Shades EQ、60g)及び処理液剤(60g)を、処置組成物(4g)と混合し、毛髪に適用し、室温にて毛髪に約20分留まらせてもよい。毛髪をすすいでもよく、この後、コンディショニング組成物(15g〜30g)を毛髪に適用し、休止のため室温にて10分留まらせ、すすいでもよい。毛髪をシャンプーし、すすぎ、コンディショナーを適用し、すすいでもよい。
【0213】
(実施例- in vivoのブリーチ及びグレージングプロセス)
従来のブリーチ(30g)及び顕色剤(30〜60g)を、処置組成物(8g)と混合し、毛髪に適用し、毛髪に約50分、又は望ましいリフトが室温にて達成されるまで留まらせてもよい。毛髪をすすぎ、シャンプーしてもよい。従来のグレーズ(Shades EQ、60g)及び処理液剤(60g)を、処置組成物(4g)と混合し、毛髪に適用し、室温にて毛髪に約20分留まらせてもよい。毛髪をすすいでもよく、この後、コンディショニング組成物(15g〜30g)を毛髪に適用し、休止のため室温にて10分留まらせ、次いで、すすいでもよい。毛髪をシャンプーし、すすぎ、コンディショナーを適用し、すすいでもよい。
【0214】
(in vitro処置組成物の実施例)
Table 3(表7)に記載されている以下の例示的な処置組成物を調製し、別段指示されている場合を除いて、pH3に調整した。Table 3(表7)において示されている量は、処置組成物の質量%であり、各組成物の均衡を取るのは水である。
【0215】
選択された毛髪処置は、ブリーチ組成物(30g)及び各処置組成物(8g)と混合した顕色剤(30〜60g)を含む従来の標準ブリーチであった。混合物は、毛髪試料を複製するために、列挙された条件下で適用した。次いで、毛髪試料を洗浄し、評価した。全ての実施例を実施して、同一レベルのリフト(ライトニングのレベル)を達成した。時間を適切に調整した。これにより、毛髪に引き起こされたダメージのレベルを直接比較することが可能になる。
【0216】
例示的な組成物で処置した毛髪試料の評価を、標準ブリーチ組成物、酸若しくはアミン単体、又は約pH3にpH調整した酸若しくはアミンで、処置した毛髪試料の評価と比較した。
【0217】
結果
システイン酸のデータ
システイン酸の量は、ダメージを受けた毛髪のレベルを指し示すので、測定された濃度が低いと、特定の組成物により毛髪繊維を保護する利益が得られたことが指し示される。したがって、システイン酸の測定された濃度は、繊維の完全性の評価に関するマーカーである。10%の改善(%の相対的変化)は、典型的には、統計的に有意と考えられ、繊維の完全性が向上する。
【0218】
毛髪の毛髪試料の一部(見本)を、切断し、約20mgに秤量し、強酸条件下で110℃にて16時間加水分解した。加水分解してから、試料を、水酸化リチウムの溶液でpH約1.7に調整し、Hitachi社アミノ酸分析機Model 8900で分析した。Sigma Aldrich社から得たアミノ酸標準(Ref AAS18)を用いて、機器を較正し、処置条件のそれぞれに対するアミノ酸の濃度を計算した。以下のTable 3(表7)で示されている比較は、Table 3(表7)の組成物のシステイン酸の測定値を示し、これは、標準ブリーチのみ(ブリーチ及び顕色剤組成物)で処置した試料、並びに、3-BPA及び少なくとも1つのカルボン酸を含有しない組成物と比較した。
【0219】
小型引張試験機のデータ
3-BPAを含有する処置組成物を含有する標準ブリーチ組成物でブリーチした毛髪試料を、MTT(小型引張試験機)として公知のDia-Stron社の繊維引張機器を使用して、濡れ引張強さについて評価した。各試料について、50本の繊維で行った。試験から、ヤング率(弾性、MPa)及び破壊応力(繊維の破壊に必要とされる単位面積当たりの力、MPa)を判定した。試験の結果を、以下のTable 4(表8)に示す。
【0220】
生データ
【0221】
【表7A】
【0222】
【表7B】
【0223】
【表7C】
【0224】
【表8】
【0225】
Table 4(表8)におけるMTTの結果に基づいて、ブリーチと、3-BPA及びカルボン酸の組み合わせの混合物により、弾性係数及び破壊応力に関して、ブリーチ単体、並びに、同等のリフト(ライトニングレベル)についての他の比較例と比較して、大幅な改善を示すことが明らかになる。したがって、3-BPA及びカルボン酸の組み合わせは、この組み合わせを含む混合物で処置した毛髪の破損に対する耐性の改善を示す。
【0226】
強度及び触質
例示的な処置組成物で処置した毛髪試料は、3-BPA単体、塩酸でpH約3にpH調整された3-BPA、カルボン酸単体、及び水酸化ナトリウムでpH約3にpH調整されたカルボン酸で処置した毛髪試料に対する触質について試験した。
【0227】
強度(曲げに対して上記の平均耐性を有するほぐし易く、コーミングし易い毛髪)及び触質(表面の滑らかな感触、引張の際に弾性を維持する)についての評価を、湿った毛髪試料で視覚的に、且つ専門評定者の感覚により実行し、各性質について各試料を格付けした。結果は、Table 5(表9)及び
図1〜5に記載されており、上昇(正の変化)及び低下(負の変化)は、ベースライン(0)とみなすブリーチ標準に対する。
【0228】
【表9】
【0229】
Table 5(表9)及び
図1〜5で示されているように、3-BPA及び少なくとも1つのカルボン酸を含む処置組成物により、触質及び強度の最適な組み合わせが得られた。
【0230】
ハイライト比較
以下の比較1〜2に関しては、上の表からシステイン酸及びMTTデータを再生成したが、感覚データは再生成しなかった。感覚的結論は、以前の感覚の生データセクションからの表で示されているデータに基づくことに注意されたい。
【0231】
比較1:マロン酸+3-BPA
【0232】
【表10】
【0233】
Table 6(表10)で示されているように、3-BPA及びマロン酸の組み合わせは、ブリーチ単体及び比較例全てと比較して、システイン酸のレベルを低下させた。Table 6(表10)のMTTの結果に基づき、原料のこの組み合わせも、ブリーチ単体及び比較例全てと比較して、弾性係数の大幅な改善、並びに、ブリーチ単体を上回って、破壊応力の大幅な増加を示した。上に記載されている知覚のデータは、本発明により、ブリーチ単体、並びに他の実施例全てを上回って、強度及び触質が改善したことを示した。
【0234】
比較2:マレイン酸+3-BPA
【0235】
【表11】
【0236】
Table 7(表11)で示されているように、3-BPA及びマレイン酸の組み合わせは、ブリーチ単体及び比較例全てと比較した場合、システイン酸のレベルを低下させた。MTTの結果に基づき、原料のこの組み合わせも、ブリーチ単体及び比較例全てと比較して、弾性係数及び破壊応力における大幅な改善も示した。上記の知覚データは、本発明が、ブリーチ単体、並びに他の実施例全てを上回って、強度及び触質を改善したことを示した。