【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、化粧製品を皮膚、とりわけ瞼に塗布するためのアプリケータであって、アプリケータ部材を備え、アプリケータ部材がその外部表面上に、凹みと、凹みとアプリケータ部材の遠位端部との間に位置する実質的に平坦な主ファセットとを有し、主ファセットの幅が、凹みからの距離の増加に伴って、少なくとも主ファセットの長さの大部分に沿って増加する、アプリケータを提案することによって、これらの必要性のすべてまたは一部を満たすことを目的とする。
【0022】
好ましくは、アプリケータ部材は、その遠位端部に向かってその厚さが狭まる。例えば、アプリケータ部材はその遠位端部のところで、0.1mmから1.5mmの間の、とりわけ0.5mmから1.5mmの間の厚さを有する。
【0023】
アプリケータ部材の形状は、化粧製品の効果的かつ正確な塗布を可能にする。アプリケータ部材の形状は、必要に応じて、例えば主ファセット、またはアプリケータ部材の側部を使用することによって、得られる効果を変えるために異なる太さのラインを引くことも可能にする。
【0024】
主ファセットが凹みと相まって、皮膚と接触するその広がりの幅が使用者によって加えられる圧力とは比較的無関係である塗布表面を有することが可能になる。
【0025】
凹みによって形成される分離により、主ファセットによって形成される塗布表面とアプリケータの残りの部分との間に明確な境界を作り出すことによって、塗布ゾーンを明確に画定することが可能になる。
【0026】
凹みは、塗布される製品を供給するための、アプリケータ部材の開口部とは異なる。
【0027】
好ましくは、アプリケータ部材は、凹み内にいかなる不連続性も呈さない。例えば、アプリケータの2つの別々に形成された部分の接合は、凹みの長さ内に位置しない。好ましくは、アプリケータ部材は、一体に成形され、すなわち、凹みは主ファセットと一体化して成形される。
【0028】
好ましくは、主ファセットは遠位端部まで延在する。これにより、正確な塗布が可能になる。
【0029】
主ファセットの幅は、その長さ全体に沿って単調に増加してよい。一変形形態では、主ファセットの幅は、凹みからの距離の増加に伴って増加し、次いで、遠位端部に向かって減少する。この場合、主ファセットの幅は、最大値を通過することができる。
【0030】
好ましくは、アプリケータ部材は、その長手方向軸上の、主ファセットの近位端部に対応する横座標から出発して、アプリケータ部材の長さの少なくとも一部に沿って増加するかまたは実質的に一定のままである、幅を有する。
【0031】
好ましくは、主ファセットの幅は、その長さ全体に沿ってアプリケータ部材の幅以下である。主ファセットの幅は、例えば、アプリケータ部材の遠位端部に向かって、アプリケータ部材の幅に実質的に等しくなる。
【0032】
主ファセットは、凹みから延在してよい。例えば、凹みは、一方の側で主ファセットによって境界付けられ、この側から出発してアプリケータの後退表面によって形成される。
【0033】
この場合、凹みは主ファセットに、とりわけ稜線または点によって接続され得る。これにより、塗布表面を明確に境界画定することが可能になり、これが、塗布の正確さに寄与する。
【0034】
一変形形態では、主ファセットが、凹みから非ゼロ距離のところから延在する。アプリケータ部材の長手方向軸に平行な方向に測定されたこの距離は、例えば、凹みの長さの半分未満であり、好ましくは、凹みの長さの3分の1未満であり、例えば、凹みの長さの6分の1未満である。
【0035】
好ましくは、凹みは、アプリケータ部材の近位端部まで延在しない。
【0036】
主ファセットは、正面から見て、液滴形状または多角形の、とりわけ五角形または三角形の、全体形状を有してよい。
【0037】
例えば、主ファセットは、正面から見て、アプリケータ部材の遠位端部のところで広がるとともに、互いの間に、好ましくは、2°から45°の間の、さらに良好には、10°から40°の間の、さらに一層良好には、10°から30°の間の角度βをなす、直線状の2つの縁部を有する。
【0038】
2つの縁部は、主ファセットの近位端部のところに、曲線的な形状を有してよい。
【0039】
一変形形態では、主ファセットは、正面から見て、その近位端部から延在するその長さの少なくとも一部に沿って実質的に放物線形状を有する、2つの縁部を有する。
【0040】
アプリケータ部材は、主ファセットから離れたその面上に、アプリケータ先端部の背部をなす表面を有してよい。この背部表面は、1つまたは複数の円錐部分または円柱部分を有してよい。
【0041】
この背部表面は、例えば凹みによって画定される凹部を有してよい。
【0042】
背部表面は、平坦な二次ファセットを有してよい。
【0043】
好ましくは、この二次ファセットは、アプリケータ部材の長手方向軸に平行に測定された、主ファセットの長さ以下である長さに沿って延在する。
【0044】
好ましくは、二次ファセットは、アプリケータ部材の遠位端部まで延在する。
【0045】
二次ファセットの幅は、アプリケータ部材の遠位端部に向かって増加してよい。
【0046】
二次ファセットは、アプリケータ部材の長手方向軸を含む平面に関して、主ファセットと対称をなしてよい。
【0047】
好ましくは、アプリケータ部材は、アプリケータ部材の遠位端部に面して長手方向軸に沿って見ると、主ファセットを背部表面に少なくとも部分的に接続する端部ファセットを備える。
【0048】
端部ファセットは、例えば、細帯の形をとる。端部ファセットは、背部表面と主ファセットとの間に、一定であるかまたはアプリケータ部材の遠位端部からの距離の増加に伴って減少する、幅を有してよい。
【0049】
端部ファセットは、平坦でもよく、湾曲していてもよい。
【0050】
アプリケータ部材が長手方向軸に沿って延在した状態で、主ファセットは、アプリケータ部材の長手方向軸に対して、好ましくは、0°から60°の間の、さらに良好には、0°から45°の間の、さらに一層良好には、2°から25°の間の角度αに傾斜した軸に沿って、延在してよい。この傾斜が、メイクアップされる皮膚の表面から、特に顔から、ある距離を隔てたところに手があることを可能にするので、製品の皮膚への塗布を容易にすることができる。
【0051】
主ファセットは、アプリケータ部材の長手方向軸がその中を通ってもよく、通らなくてもよい。
【0052】
好ましくは、側面から見て、主ファセットの長手方向軸と凹みが、互いの間に、60°から180°の間の、さらに良好には、90°から180°の間の角度ηをなす。
【0053】
凹みは、アプリケータ先端部の長手方向軸の周りの90°から180°の間の角度セクタにわたって延在してよい。
【0054】
一変形形態では、凹みが、アプリケータ先端部の長手方向軸の周囲全体に延在し、前記軸の周りに一定または非一定の断面を有する。
【0055】
凹みは、側面から見て、曲線的な形状を有してよい。凹みのところでのアプリケータ部材の厚さは、好ましくは、0.5mmから10mmの間であり、さらに良好には、1mmから5mmの間である。
【0056】
アプリケータ部材は、その近位側に装着用エンドピースを備えてよく、装着用エンドピースがアプリケータ部材の長手方向軸に沿って延在することが可能である。
【0057】
装着用エンドピースは、回転円柱の形をとってよく、ハンドルまたはリザーバ内に受領されてよい。
【0058】
アプリケータ部材は、多孔質材料、とりわけフェルトから作製されてよい。
【0059】
アプリケータ部材は、ポリアミドとポリウレタン樹脂との混合物から、またはポリオレフィンから、とりわけポリエチレンから作製されてよい。
【0060】
アプリケータ部材は、機械加工によって、特に研削またはレーザ加工によって形作られてよい。
【0061】
アプリケータ部材は、エラストマから、特にSEBSから、またはポリエステル、例えばHytrel(登録商標)から作製されてよい。
【0062】
アプリケータ部材、特に主ファセットは、少なくとも部分的にフロック加工されてよい。
【0063】
アプリケータは、その端部にアプリケータ部材が設けられたハンドルを備えてよい。
【0064】
ハンドルは、中空とすることができ、塗布される製品を収容するリザーバをなしてよい。上で示したように、アプリケータ部材は、その近位側に装着用エンドピースを備えてよく、装着用エンドピースは、好ましくは、少なくとも部分的に、さらに良好には全体が、ハンドルの開口部に挿入され、少なくとも部分的にリザーバ内に延在する。
【0065】
アプリケータ部材は、ハンドル上にオーバーモールドされてもよく、ハンドルと一緒に成形されてもよい。
【0066】
ハンドルの端部は、アプリケータ部材の主ファセットの側から離れた側に取り付けられてよい。
【0067】
アプリケータは、ハンドルに取外し可能に取り付けられ、アプリケータ部材を覆う、閉塞キャップを備えてよい。
【0068】
ハンドルは、直線状とすることができる。一変形形態では、ハンドルは、その長手方向軸がとりわけ平面内で曲がった状態で、湾曲している。
【0069】
主ファセットの、アプリケータ部材の長手方向軸に平行な方向に測定された長さは、好ましくは、3mmから20mmの間であり、さらに良好には、5mmから15mmの間である。
【0070】
主ファセットの最大幅l
maxは、好ましくは、10mm以下であり、さらに良好には、2mmから5mmの間である。
【0071】
本発明の別の主題は、上で定められた、本発明によるアプリケータと、塗布される製品、好ましくはアイライナを収容するコンテナとを備える、組立体である。コンテナは、アプリケータから分離していてよい。
【0072】
本発明は、本発明によるアプリケータを用いて化粧製品、好ましくはアイライナを皮膚に塗布するステップを含む、メイクアップ方法にも関する。この方法は、化粧製品を瞼に塗布するステップを含み得る。
【0073】
製品は、皮膚、とりわけ瞼を、アプリケータで軽く叩くことによって塗布され得る。一変形形態では、皮膚上、とりわけ瞼上に、アプリケータを用いてラインが引かれ得る。
【0074】
ラインは、アプリケータを用いて、好ましくは、主ファセットの長手方向軸が瞼の縁に実質的に平行に配置された状態で引かれ得、遠位端部が顔の外側のほうに向けられるか、またはラインを顔の外側に向かって跳ね上げて延ばすように、アプリケータがラインの終わりで上向きにわずかに傾けられる。
【0075】
本発明は、その非限定的な実装例についての以下の詳細な説明を読み、添付の図面を参照することから、より良好に理解され得る。