(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記排出口は、前記ロボットの前縁と後縁との間に延びる横方向中心線から水平にオフセットされた前記ハウジングの底部の位置に配置されると共に、前記コイルに隣接して配置される、
請求項3に記載のロボット。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の例示的な実施形態を示す添付図面を参照しながら本発明をさらに完全に説明する。図面では、明確にするために領域又は特徴の相対的サイズを誇張していることがある。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に示す実施形態に限定されると解釈すべきではなく、むしろこれらの実施形態は、本開示を徹底的かつ完全なものとし、当業者に本発明の範囲を完全に伝えるように示すものである。
【0028】
ある要素が別の要素に「結合(coupled)」されている、又は「接続(connected)」されていると言う場合、この要素は別の要素に直接接続又は結合することも、或いは介在要素が存在することもあると理解されたい。一方で、ある要素が別の要素に「直接結合(directly coupled)」されている、又は「直接接続(directly connected)」されていると言う場合、介在要素は存在しない。全体を通じて同じ要素は同じ番号で示す。
【0029】
また、本明細書では、説明を簡単にするために、「下方の(under)」、「下位の(below)」、「下側の(lower)」、「上方の(over)」、「上側の(upper)」などの空間的相対語を用いて、図に示す1つの要素又は特徴と別の(単複の)要素又は特徴との関係を説明することがある。これらの空間的相対語は、図に示す方向に加え、使用中又は動作中の装置の異なる方向も含むものであると理解されたい。例えば、図の装置をひっくり返した場合、他の要素又は特徴の「下」又は「下方に」あるものとして説明した要素は、他の要素又は特徴の「上方に」配向されるようになる。従って、「下方の」という例示的な用語は、上方の配向と下方の配向とをいずれも含むことができる。装置を別様に配向する(90度又はその他の配向に回転させる)こともでき、本明細書で使用する空間的相対語は、それに応じて解釈することができる。
【0030】
本明細書で使用する専門用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、本発明を限定するためのものではない。本明細書で使用する単数形の「1つの(英文不定冠詞)」及び「その(英文定冠詞)」は、その文脈で別途明確に示していない限り、複数形も含むように意図される。さらに、「備える、含む(comprises及び/又はcomprising)」という用語は、本明細書で使用する場合、上述した特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又はコンポーネントの存在を示すが、1又は2以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はこれらの群の存在又は追加を除外するものではないと理解されたい。本明細書で使用する「及び/又は(and/or)」という表現は、関連する列挙した項目のうちの1つ又は2つ以上のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0031】
特に定めがない限り、本明細書で使用する(技術用語及び科学用語を含む)全ての用語は、本発明が属する技術の当業者が一般に理解している意味と同じ意味を有する。さらに、一般に使用される辞書に定義されているような用語については、関連技術の文脈におけるこれらの意味に従う意味を有すると解釈すべきであり、本明細書で明確に定義しない限り、理想的な又は過度に形式的な意味で解釈されるものではないと理解されるであろう。
【0032】
「モノリシック(monolithic)」という用語は、接合部又は継ぎ目のない材料で形成又は構成された1つの単一片である物体を意味する。
【0033】
図1〜
図14に、いくつかの実施形態による自律型カバレッジロボットシステム10を示す。システム10は、掃除用ロボット100と、ベースステーション又はドック200とを含む。システム10は、ドック200に加えて又はその代わりに、排出ドック300(
図13)を含むこともできる。ロボット100は、ドック200及び排出ドック300に結合するように適合される。
【0034】
システム10は、それぞれがロボット100及びドック200の協働するコンポーネントを含む、充電又はエネルギー管理システム205及び自動ドッキング制御システム201も含む。いくつかの実施形態では、エネルギー管理システム205が、ドック200によるロボット100の無線充電を可能にする(ドック200の一次コイル又は送信コイル244とロボット100の二次コイル又は受信コイル164とを含む)エアギャップ変成器又は誘導充電回路を含む。
【0035】
以下の自律型ロボット100の説明では、「前方の(forward/fore)」という用語を用いて一般にロボット100の主要移動方向を示し、「前後軸(fore−aft axis)」(
図4の記号「FA」を参照)という用語が、ロボット100の前後直径と一致する順移動方向F(
図4)を定める。
【0036】
ロボット100は、互いに及び軸FAに垂直な横軸又は左右軸LAと垂直軸VAとをさらに定める。軸FAと軸LAは、(後述する)車輪132及びキャスタ134の接点又はロボット100が載る支持面(例えば、床)によって定められる平面に対して実質的に平行な平面を定める。
【0037】
説明では、
図8に示すドック200に基づくX軸、Y軸及びZ軸を含む基準系も使用する。X軸、Y軸及びZ軸は互いに垂直であり、ドック200の中心で交差する。Y軸に沿った移動、距離及び寸法は、横方向、左方向又は右方向と呼ぶことができる。本明細書では、X軸に沿った移動、距離及び寸法を、深度方向、前後方向、順方向又は逆方向と呼ぶことができる。本明細書では、Z軸に沿った移動、距離及び寸法を、垂直方向と呼ぶことができる。X軸とY軸は、ドック200が載る支持面(例えば、床)に平行な面を定める。
【0038】
図示の実施形態では、ロボット100が、ロボットコントローラ102と、本体、ハウジング基盤又はハウジング(以下、「ハウジング」)111と、電気エネルギー貯蔵バッテリ126と、動力システム130と、掃除システム140と、検出器システム150と、エネルギー管理又は充電サブシステム160とを含む。検出器システム150は、自動ドッキング制御システム201の一部を成す。
【0039】
ハウジング111は、車台115(
図3)を有し、内部メインチャンバ118(
図2)を定める。車台115は、ハウジング111及びロボット100の下面又は底面を成す。ハウジング111は、シャーシ110と、上部カバー112と、底部カバー又は車台カバー114と、変位可能バンパ116とを含む。ロボット100は、順方向F及び逆駆動方向Rに移動することができ、従ってシャーシ110は、対応する前端部110A及び後端部110Bをそれぞれ有する。
【0040】
シャーシ110は、プラスチックなどの材料から、とりわけロボット100を動作させる様々なサブシステムの要素を取り付け又は統合するための複数の予備成形されたウェル、凹み及び構造部材を含む一体要素又はモノリシック要素として成型することができる。カバー112、114は、ポリマ材料(プラスチック)などの材料から、シャーシ110を構成的に補完してシャーシ110に取り付けられた要素及びコンポーネントに対する保護及びアクセスを提供するそれぞれの一体要素又はモノリシック要素として成型することができる。シャーシ110及びカバー112、114は、いずれかの好適な手段(例えば、ねじ)によって共に取り外し可能に統合される。いくつかの実施形態では、図示のように、ハウジング111が、四角形の輪郭を定める前端を有する。いくつかの実施形態では、シャーシ110及びカバー112、114が、前後軸FAに沿って概ね対称な概ねD字形の形状を有する最小高さの構造的エンベロープを形成する。
【0041】
車台カバー114とシャーシ110の底壁110Cとには、排出口120が定められる。排出口120は、閉鎖装置又はフラップ120A(
図5)を備えることができる。
【0042】
車台カバー114とシャーシ110の底壁110Cとの間には、コイル室124が定められる(
図3及び
図6)。車台カバー114は、コイル室124の底壁を形成し、底壁110Cは、コイル室124の上壁を形成する。
【0043】
変位可能バンパ116は、シャーシ110の前端の形状に概ね一致する形状を有し、シャーシ110の前部に移動可能な組み合わせで取り付けられてそこから外向きに延びる(「通常動作位置」)。変位可能バンパ116の取り付け構成は、バンパ116が所定の質量の静止物又は障害物に衝突する度に(通常動作位置から)シャーシ110に向かって変位し(「変位位置」)、(このようなバンパ116のあらゆる変位に応答してロボット100が静止物又は障害物を避けてその作業ルーチンを継続するようにする「バウンス」モードを実装する制御シーケンスの動作によって)静止物又は障害物との接触が終了すると通常動作位置に戻るようになっている。
【0044】
シャーシ110の両側面沿いには、ロボット100を動かして床面との間に2つの接点をもたらす独立駆動輪132が取り付けられる。駆動輪132は、バネ付勢することができる。シャーシ110の後端部110Bは、床面との間の第3の接点としてロボット100の付加的な支持を行う多方向従動キャスタホイール134を含む。ハウジング111内には、車輪132を独立して駆動する1又は2以上の電気駆動モータ136が配置される。これらの動力部品は、ロボット100のコスト又は対象用途に基づいて、モータ、車輪、駆動シャフト又は必要に応じてキャタピラ(track)のいずれかの組み合わせを含むことができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、掃除システム140が、車台115に定められた吸引スロット又は開口部142Aを含む。開口部142Aの側面には、1又は2以上のモータ駆動式回転抽出器(例えば、ブラシ又はローラ)144が位置する。抽出器144間の間隙を通じて電気真空ファン146が空気を引き寄せて、抽出器が床面からゴミを抽出するのを支援する吸引力を提供する。間隙を通過する空気及びゴミは、チャンバ118内に配置又は収容された掃除容器又はゴミ容器145の開口部に通じるプレナム142Bを経由する。この開口部は、ゴミ容器145のゴミ収集キャビティ145Aに通じる。キャビティの上方に配置されたフィルタ147が、真空ファン146の吸気口に通じる空気通路からのゴミを選別除去する。真空ファン146から排出された濾過空気は、排気口122を通じて導かれる。
【0046】
順駆動方向Fにおける抽出器144の前方の、前端部110Aに近接するシャーシ110の側壁沿いには、サイドブラシ148が取り付けられる。サイドブラシ148は、床面に垂直な軸を中心に回転することができる。ロボット100は、サイドブラシ148によって、床面に沿った掃除対象範囲をさらに拡大することができる。具体的に言えば、サイドブラシ148は、ロボット100の占有面積の外側から中心部の掃除ヘッドアセンブリの経路内にゴミを弾き飛ばすことができる。
【0047】
掃除用システムの他の好適な構成は、Cohen他に付与された米国特許第9215957号、Morin他に付与された米国出願公開第2016/0166126号、及びGilbert,Jr.他に付与された米国特許第8881339号に開示されており、これらの文献の開示は引用により本明細書に組み入れられる。
【0048】
(概略的に示す)ロボットコントローラ回路102は、シャーシ110に担持される。ロボットコントローラ102は、ロボット100の他の様々なコンポーネント(例えば、抽出器144、サイドブラシ148及び/又は駆動輪132)を制御するように構成される(例えば、適切に設計されプログラムされる)。一例として、ロボットコントローラ102は、ロボット100を前方又は後方に動かすように駆動輪132を協調して動作させる命令を与えることができる。別の例として、ロボットコントローラ102は、時計回りの旋回を行うように一方の駆動輪132を順方向に動かして他方の駆動輪132を逆方向に動かす命令を発することもできる。同様に、ロボットコントローラ102は、回転抽出器144又はサイドブラシ148の動作を開始又は停止させる命令を与えることもできる。いくつかの実施形態では、ロボットコントローラ102が、ロボット100が自律的に動いて床面を掃除するように仕向ける命令を発するのに適した行動規範型ロボットスキーム(behavior−based−robotics scheme)を実装するように設計される。ロボットコントローラ102は、ロボット100の他のコンポーネントと同様に、シャーシ110上に配置されたバッテリ126によって給電を受けることができる。
【0049】
検出器システム150(
図4)は、頂部又は通信/誘導信号受信機又は検出器152と、近接センサ又は壁追従センサ153と、段差センサ(cliff sensor)154と、順方向受信機又は検出器156と、光学式マウスセンサ157と、磁場センサ155と、撮像素子158と、カメラ159とを含む。いくつかの実施形態では、これらのセンサ又は検出器の各々が、ロボットコントローラ102に通信可能に結合される。ロボットコントローラ102は、ロボット100の周囲に分散してロボットコントローラ102に通信可能に結合された複数のセンサから受け取られたフィードバックに基づく行動規範型ロボットスキームを実装する。
【0050】
(概略的に示す)近接センサ153は、ロボット100の周辺部に沿ってロボット100の前方隅部に近接して取り付けられる。近接センサ153は、ロボット100が順駆動方向Fに移動する際にロボット100の前方又は側方に出現する潜在的な障害物の存在に応答する。
【0051】
段差センサ154は、シャーシ110の前端部110Aに沿って取り付けられる。段差センサ154は、ロボット100が順駆動方向Fに移動する際にロボット100の前方の潜在的な段差又は床の落差を検出するように設計される。具体的に言えば、段差センサ154は、床面の縁部又は段差(例えば、階段の縁部)を示す床の特徴の急変に応答する。
【0052】
通信/誘導信号検出器152は、ロボット100のハウジング111の前方上部に取り付けられる。検出器152は、エミッタ(例えば、ドック200の回避信号エミッタ232及び/又は帰還及び整列エミッタ234R、234L)、並びに(任意に)ナビゲーションビーコン又は仮想壁ビーコンのエミッタから放出された信号を受け取ることができる。いくつかの実施形態では、通信検出器152がドック200から放出された帰巣信号(home signal)を受け取ったことに応答して、ロボットコントローラ102がロボット100をドック200にナビゲートしてドッキングさせることができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、図示のように、検出器152が、ロボット100上の最高点に、軸FA上の矢印によって示す主要移動方向によって定められるロボット100の前方を向いて取り付けられる。別の実施形態では、頂部信号検出器152の代わりに複数の検出器を使用することもできる。このような実施形態は、複数の側部取り付け式センサ又は検出器の使用を含むことができる。各センサは、全てのセンサの集合的視野が単一の頂部取り付け式センサの視野に対応するように配向することができる。単一の全方向性検出器は、最適な性能のためにロボットの最高点に取り付けられるので、複数の側部取り付け式検出器を組み込むことによってロボットの輪郭を低くすることができる。
【0054】
順方向検出器156は、ロボット100の前端に取り付けられ、バンパ116上又はその背後に取り付けることができる。順方向検出器156は、ドック200のエミッタ234R,234Lから放出された信号を受け取る。他の実施形態では、1対の検出器がエミッタ234R,234Lからの信号を受け取り、或いは3つ以上の検出器を使用することもできる。
【0055】
いくつかの実施形態では、検出器154、156が、フォトダイオードと関連する増幅及び検出回路とを全方向性レンズと併せて含む赤外線(「IR」)センサ又は検出器モジュールであり、ここで言う全方向性とは、実質的に単一面を意味する。ベースドック200上のエミッタ232、234R、234Lがロボット100上の検出器152、156に整合するように適合されている限り、変調又はピーク検出波長に関わらずあらゆる検出器を使用することができる。別の実施形態では、電子増幅素子の有無に関わらずにIRフォトトランジスタを用いて、マイクロプロセッサのアナログ入力部に直接接続することができる。この場合、信号処理を用いてロボット100におけるIR光の強度を測定することによって、ロボット100とIR光の光源との間の距離の推定値を提供することができる。
【0056】
後述するように、いくつかの実施形態では、通信信号検出器152及び/又は方向検出器156の代わりに又はこれらに加えて、磁場検知検出器155が使用される。
【0057】
カメラ159は、ロボット100の順駆動方向に向けられた視野光軸(field of view optical axis)を有するカメラなどの視覚センサである。図示の実施形態では、カメラ159がロボットの後端部110Aに配置され、その見通し線が検出器152よりも前方上向きに角度を付けられる。いくつかの実施形態では、カメラ159がビデオカメラである。いくつかの実施形態では、カメラ159を使用して動作環境内の特徴及び目標物(landmarks)を検出し、Video Simultaneous Localization and Mapping(VSLAM)技術を用いて地図を作成する。
【0058】
光学式マウスセンサ157は、ロボット100の車台115上に配置される。
図4の上面図に示す円は、光学式マウスセンサ157の相対的な配置を示すものであるが、この図ではセンサ157は見えない。マウスセンサ157は、ロボット100を真っ直ぐに動かし続けるように床を追跡してドリフト補償を支援する。
【0059】
撮像素子158(
図7)は、ロボット100の前端部110Aに取り付けられる。いくつかの実施形態では、撮像素子158がバンパ116内又はその背後に取り付けられ、透明窓116Aによって保護される。いくつかの実施形態では、撮像素子158がストラクチャードライト(structured light)センサである。
【0060】
撮像素子158は、プロセッサ158Aと、第1の光源158Lと、第2の光源158Uと、イメージセンサ158Dとを含み、これらは全て単一モジュール158Eに統合することができる。イメージセンサ158Dは、CCDイメージセンサ、アクティブピクセルセンサ、CMOSイメージセンサ、又は他の好適なイメージセンサ又はカメラとすることができる。光源158L、158Uの各々は、LED、レーザダイオード、又は他の好適な光源とすることができる。
【0061】
光源158U、158Lは、使用時にそれぞれの標的面又は作業面WSL、WSU(
図11)上に光を投影し、この光が作業面からイメージセンサ158D上に反射される。イメージセンサ158Dは、複数の又は一連の画像フレームを取得する。これらの画像フレームをプロセッサ158Aが処理して、各作業面WSL、WSUからの又はこれらの作業面に対する撮像素子158の深度、距離及び/又は変位を特定又は計算する。
【0062】
いくつかの実施形態では、図示のように、光源158Lが、そのストラクチャードライトビームBL(
図11)を下側作業面WSLに交わるように(水平に対して)斜め下向きの角度で投影するように構成され、光源158Uが、そのストラクチャードライトビームBUを上側作業面WSUに交わるように(水平に対して)斜め上向きの角度で投影するように構成される。動作中、通常、下側の面WSLは、ロボット100が横切る床又はその他の支持面であり、上側の面WSUは、床又はその他の支持面の上方に位置するロボット100の環境内の物体とすることができる。いくつかの実施形態では、撮像素子158が、作業面から反射されたビームBU又はBLがイメージセンサ158Dの検出窓内でイメージセンサ158Dと交差するイメージセンサ158D上の垂直位置に基づいて、各作業面までの距離を特定する。
【0063】
撮像素子158としての使用に適したストラクチャードライト撮像素子としては、台湾のPixArt Imaging社から市販されているGlobal Shutter Image Sensorを挙げることができる。
【0064】
図示の例には示していないが、ロボット100には、本開示の範囲から逸脱することなく他の様々なタイプのセンサを組み込むこともできる。例えば、ロボット100には、バンパ116の衝突に応答する触覚センサ、及び/又はブラシモータのモータ電流に応答するブラシモータセンサを組み込むことができる。
【0065】
ロボット100は、(例えば、全体が引用により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2012/0291809号に記載されているような)掃除容器122内に存在するゴミの量を検知するための容器検出システムをさらに含むことができる。
【0066】
ロボット充電サブシステム160は、二次コイル又は受信コイル164を含む充電回路162を含む。ロボット充電サブシステム160は、エネルギー管理システム205の一部を成す。
【0067】
いくつかの実施形態では、受信コイル164が、半径方向に重なり合うセグメント又は巻線164Bと、入力端及び出力端164Cとを形成するように同心的に螺旋状に巻かれたワイヤ164Aとを含む。いくつかの実施形態では、コイル164が実質的に平面的又は平坦である。
【0068】
いくつかの実施形態によれば、コイル164が、1.25mm未満の厚みT1(
図6)を有し、いくつかの実施形態では約0.2mm〜1.5mmの厚みを有する。
【0069】
受信コイル164は、ロボット100の容器145の下方の車台115に取り付けられる。
図6に示すように、受信コイル164は、コイル室124に収容され又は閉じ込められる。いくつかの実施形態では、コイル164が、コイル室124内でハウジング111に固定される。いくつかの実施形態では、コイルの巻線がカバー114の内面(上面)に機械的に固定される。コイル164は、例えば接着剤又は締結具によってカバー114及び/又はシャーシ110の底壁110Cに固定することができる。いくつかの実施形態では、コイル164が、カバー114及び/又は底壁110C内に成形される。いくつかの実施形態では、コイル164が、その頂面と底面がいずれもプラスチック(例えば、カバー114)によって包み込まれる(すなわち、完全に包み込まれる)ようにプラスチックで成形される。
【0070】
いくつかの実施形態では、コイル室124が、ロボット100の外部環境及びメインチャンバ118から閉鎖又は封鎖される。いくつかの実施形態では、コイル室124が、ロボット100の外部環境及びメインチャンバ118から実質的に気密封鎖される。このように、コイル164は、環境及びロボット100の残り部分から隔離される。これにより、コイル164は、ロボット周囲の又はロボット100内に存在する塵埃又はゴミによる汚染から保護される。
【0071】
受信コイル164は、車台115内の、ドック200の送信コイル244の位置に対応する位置に配置される。一般に、ロボット100の受信コイル164は、ドック200の送信コイル244に酷似する。いくつかの実施形態によれば、
図5に示すように、コイル164の中心軸RCAが、排出口120のための空間をもたらすようにロボット100の横方向中心線FAから水平方向にオフセットされる。いくつかの実施形態では、軸RCAとFA(すなわち、ロボット100の前後方向中心線)との間のオフセット距離E1(
図5)が、約2〜8cmである。
【0072】
いくつかの実施形態では、受信コイル164の上方にゴミ容器の少なくとも一部が配置される。横方向中心線FAから水平にオフセットされた位置にコイル164を配置することにより、ロボット100の車台上に、受信コイル164の外径の横方向外側に排出口120を配置するための空間がもたらされる。この結果、ゴミ容器145から排出口120までの導管又は流路が受信コイル164の外側に位置して、受信コイル164の開口部又はコイル室124を通らなくなる。
【0073】
いくつかの実施形態では、コイル164が、ロボット100のFA−LA面に対して実質的に平行に配向される。
【0074】
いくつかの実施形態によれば、受信コイル164が、底部カバー114の下側外面から約3mm未満の垂直距離E2(
図6)に配置され、いくつかの実施形態では約1mm〜5mmの垂直距離に配置される。
【0075】
いくつかの実施形態によれば、底部カバー114のコイル室124を定める部分の公称厚さT2(
図6)が少なくとも2mmである。いくつかの実施形態によれば、シャーシ底壁110Cのコイル室124を定める部分(すなわち、コイル室124を定める上壁)の公称厚さT3(
図6)が少なくとも2mmである。
【0076】
受信コイル164及びロボット充電サブシステム160の実施形態のさらなる詳細については後述する。
【0077】
ロボット100は、あらゆる好適な(単複の)作業を実行するように修正することができる。例えば、ロボット100は、床のワックス掛け及び艶出し、床洗浄、(通常はZamboni(登録商標)という商標名で製造された設備によって行われる)整氷、掃き掃除及び掃除機がけ、不完全な床の研磨及び染料/塗料の塗布、融氷及び除雪、草刈りなどに使用することもできる。いくつかの実施形態では、ロボットが、カメラを取り付けた格納式マストを運ぶ移動ベース(mobility base)として構成される。このような作業には多くのコンポーネントが必要になることがあり、必要に応じてこれらのコンポーネントの各々をロボット100に組み込むことができる。本出願では、単純化のために、例証的な所定の作業として掃除機がけについて説明する。本明細書に開示するエネルギー管理及び自動ドッキング機能には、様々なロボットシステムにわたる幅広い用途がある。
【0078】
図8は、本発明の1つの実施形態によるドック200の概略的斜視図である。ドック200は、実質的に水平なベースプレート又はプラットフォーム210と、実質的に垂直なタワー又はバックストップ220とを含むハウジング211を含む。プラットフォーム210上のバックストップ220前方には、ドッキングベイDBが定められる。ドック200は、あらゆる様々な形状又はサイズとすることができ、後述する望ましいコンポーネント及びシステムにとって十分な空間を提供する。
【0079】
プラットフォーム210は、内部に定められたコイル室216(
図9)を含む。コイル室216は、隆起したパッド壁212によって覆われる。コイル室216及びパッド壁212の両側には、トラック214が定められる。
【0080】
プラットフォーム210は、ドック200が存在する地面と概ね平行であり、或いは配線用の空間を提供するようにわずかに傾斜させることもできる。プラットフォーム210の高さ又は厚みは、送信機誘導コイル244を収容するようなサイズにすることができる。
【0081】
ドック200は、ドック充電サブシステム240と、通信/誘導システム230と、ドックコントローラ222と、(図示していない電源に接続される)電源入力コネクタ224とを含む。ドック充電システム240は、エネルギー管理システム205の一部を成す。
【0082】
(概略的に示す)ドックコントローラ回路222は、ハウジング211に担持される。ドックコントローラ222は、他の様々なドック200のコンポーネントを制御するように構成される(例えば、適切に設計されプログラムされる)。
【0083】
通信/誘導システム230(
図8)は、頂部信号エミッタ232と、第1の又は前方右側の帰還/整列エミッタ234Rと、第2の又は前方左側の帰還/整列エミッタ234Lと、1対の水平に離間した微調整エミッタ(fine alignment emitters)238とを含む。
【0084】
頂部信号エミッタ232は、バックストップ220の頂部に取り付けられる。エミッタ232は、ドック200の近傍の拡散領域において、ロボットが掃除などの作業実行中に意図せずドック200と直接接触するのを防ぐ回避信号BA(
図8)などの第1の信号を生成する。頂部信号エミッタ232は、放物面反射鏡を利用して回避信号を送信することができる。このような実施形態では、焦点を中心に放物線を回転させることによって決定される幾何学的形状を有するレンズに向けられた単一のLEDによって回避信号が放出される。従って、この放物面反射鏡は、複数のエミッタを必要とすることなく回避信号BAを360°パターンで放出する。ロボット上の検出器156にも、単一のLEDの代わりに単一の受信機を用いて同様の構成を採用することができる。
【0085】
帰還/整列エミッタ234R、234Lは、バックストップ220の前壁220Aに配置される。いくつかの実施形態では、エミッタ234R、234Lがバッフル236によって分離される。帰還/整列エミッタ234R及び234Lは、後述するようなそれぞれの帰還信号BR及びBQ(
図10)を放出又は発射する。いくつかの実施形態では、エミッタ234R、234LがLEDである。エミッタ234R、234Lは、ナビゲーションブイ又は基準としての役割を果たす。いくつかの実施形態では、図示のように、ロボット100がドッキング位置にある時に方向検出器156Bがエミッタ234R、234L間の実質的に中心に位置するように、エミッタ234R、234Lがドック200の中心線X−Xから横方向にオフセットされ、方向検出器156Bがロボット100の中心線FAからオフセットされる。
【0086】
微調整エミッタ238は、前壁220Aに配置される。微調整エミッタ238は、所定の距離E3(
図8)だけ離間する。いくつかの実施形態では、距離E3が約1cm〜3cmである。微調整エミッタ238は、後述するようなそれぞれの近整列信号BNを放出又は発射する。いくつかの実施形態では、微調整エミッタ238がLEDである。エミッタ238は、ナビゲーションビーコン又は基準としての役割を果たす。
【0087】
ドック充電サブシステム240は、一次コイル又は送信コイル244を含む充電回路242を含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、送信コイル244が、半径方向に重なり合うセグメント又は巻線244Bと、入力端及び出力端244Cとを形成するように同心的に螺旋状に巻かれたワイヤ244Aを含む。いくつかの実施形態では、コイル244が実質的に平面的又は平坦である。
【0089】
いくつかの実施形態によれば、コイル244が、1.25mm未満の厚みT4(
図9)を有し、いくつかの実施形態では約0.2mm〜1.5mmの厚みを有する。
【0090】
送信コイル244は、ドック200のプラットフォーム210に取り付けられる。いくつかの実施形態では、
図9に示すように、送信コイル244がコイル室216に収容される。いくつかの実施形態では、コイル244が、コイル室216内でプラットフォーム210に固定される。コイル244は、例えば接着剤又は締結具によってパッド壁212及び/又はプラットフォーム210の底壁210Aに固定することができる。いくつかの実施形態では、コイル244が、パッド壁212及び/又は底壁217内に成形される。
【0091】
いくつかの実施形態では、コイル室216が、ドック200の外部環境から閉鎖又は封鎖される。いくつかの実施形態では、コイル室216が、ドック200の外部環境から実質的に気密封鎖される。このように、コイル244は、環境から隔離されてロボット100による汚染から保護される。
【0092】
送信コイル244は、プラットフォーム210の、ロボット100の受信コイル164の位置に対応する位置に配置される。
【0093】
いくつかの実施形態では、コイル244が、実質的に床と平行に配向される。
【0094】
いくつかの実施形態によれば、送信コイル244が、パッド壁212の上側外面から約7mm未満の垂直距離E5(
図9)に配置され、いくつかの実施形態では約3mm〜20mmの垂直距離に配置される。
【0095】
いくつかの実施形態によれば、パッド壁212のコイル室216を定める部分の公称厚さT5(
図9)が少なくとも2mmである。
【0096】
送信コイル244及びドック充電サブシステム240の実施形態のさらなる詳細については後述する。
【0097】
ロボット100は、様々な行動モードを使用して作業領域の効果的な掃除を行う。行動モードは、並行して動作できる制御システムの階層である。ロボットコントローラ102(例えば、マイクロプロセッサ)は、センサシステムからの入力に基づいていずれかの所与のシナリオのための1又は2以上の主要行動モードを識別して実施する優先的調停スキームを実行する。ロボットコントローラ102は、回避、帰還及びドック200とのドッキング操作の調整も行う。
【0098】
一般に、説明するロボット100の行動モードは、(1)カバレッジ行動モード、(2)逃避行動モード、及び(3)安全行動モードとして特徴付けることができる。カバレッジ行動モードは、主にロボット100がその作業を効率的かつ効果的に実行できるように設計され、逃避行動モード及び安全行動モードは、ロボット100の通常動作が損なわれた(例えば、障害物に出くわした)、又は損なわれる可能性がある(例えば、落下を検出した)ことがセンサシステムからの信号によって示された時に実施される優先的行動モードである。
【0099】
ロボット100の代表的かつ例示的な(掃除のための)カバレッジ行動モードは、(1)スポットカバレッジパターン、(2)障害物追従(又は縁部掃除)カバレッジパターン、及び(3)室内カバレッジパターンを含む。スポットカバレッジパターンは、規定の作業領域内の、例えば人通りの多い領域などの限られた領域をロボット100に掃除させる。いくつかの実施形態では、スポットカバレッジパターンが螺旋アルゴリズムによって実施される(ただし、多角形などの他のタイプの自己境界的領域アルゴリズムを使用することもできる)。ロボット100の外向き又は内向きの螺旋状の動きを引き起こす螺旋アルゴリズムは、マイクロプロセッサから動力システムへの、移動時間又は移動距離の関数として回転半径を変化させる(これによってロボット100の螺旋状の移動パターンを増加/減少させる)制御信号によって実施される。
【0100】
上述したロボット100の典型的な行動モードについての説明は、ロボット100が実行できる動作モードのタイプを示すためのものである。当業者であれば、上述した行動モードを他の組み合わせで実施することも、特定の用途において他のモードを定めて所望の結果を達成することもできると理解するであろう。
【0101】
ロボット100が自律的に行うランダムな動きを含む動作アルゴリズムに(ロボット100の動きを制御する制御信号の形の)決定論的要素を加えることにより、ナビゲーション制御システムをロボット100と有利に組み合わせて使用してロボット100の掃除効率を高めることができる。ナビゲーション制御システムは、ナビゲーション制御アルゴリズムの指示で動作する。ナビゲーション制御アルゴリズムは、所定のトリガイベントの定義を含む。
【0102】
大まかに説明すると、ナビゲーション制御システムは、ナビゲーション制御アルゴリズムの指示でロボット100の動きをモニタする。1つの実施形態では、以下でさらに詳細に説明するように、モニタした動きをロボット100の「位置履歴」に関して定義する。別の実施形態では、モニタした動きをロボット100の「瞬間的位置」に関して定義する。
【0103】
所定のトリガイベントは、特定のロボット100の動きの発生又は状態である。所定のトリガイベントが実現すると、ナビゲーション制御システムは、制御信号を生成してロボット100に通信するように動作する。ロボット100は、この制御信号に応答して、制御信号によって定められる行為、すなわち規定の行為を実施又は実行するように動作する。この規定の行為が、ロボット100の動きの決定論的要素を表す。
【0104】
ロボット100の様々な動作中には、撮像素子158を用いてロボットの誘導及び動作のための情報を取得することができる。いくつかの実施形態では、ロボット100に関する障害物及び危険物を回避し又はこれらに別様に対処できるように、撮像素子158を用いてこれらの障害物及び危険物を検出する。下向きのビームBLは、撮像素子158の動作範囲内における床面高さ又はその付近の障害物、並びに床の段差又は窪みの検出に使用することができる。上向きのビームBUは、ロボットを動作不能にしてしまう可能性のある障害物を検出して回避するために、ロボット100の上部又は上方の障害物の検出に使用することができる。
【0105】
いくつかの実施形態では、撮像素子158が、少なくともロボット100の最大10インチ前方の、いくつかの実施形態では少なくとも最大12インチ前方の物体及び空隙を効果的に検出する。
【0106】
カメラ159は、ロボットのナビゲート及び他の動作に使用する画像の取得に使用することができる。いくつかの実施形態では、カメラ159が、動作環境内の特徴及び目標物を検出して地図を作成するために使用されるVSLAMカメラである。
【0107】
ロボット100は、掃除を行っている間、定期的に固定ドック100に接近する。ドック200に接触すると、ドック100が損傷を受け、或いはドッキング不可能な領域に動いてしまう恐れがある。従って、回避機能が望ましい。不慮の接触を避けるために、ドック200は、
図10に示すような回避信号BAを生成することができる。図示の回避信号BAは、バックストップ220の頂部のエミッタ232から送信されている。ドック200からの回避信号BAの半径方向範囲は、所定の出荷時設定、ユーザ設定又はその他の留意事項に応じて異なることができる。回避信号BAは、最低限ロボット100との不測の接触からドック200を保護するのに十分な距離だけ放出されればよい。回避信号BAの範囲は、用途に応じてドック200の周辺部を越えてドック200から数フィート先まで広がることができる。
【0108】
回避信号BAは、全方向性(すなわち、単一面)の赤外線ビームとすることができるが、複数の単一固定ビーム又は信号などの他の信号も検討される。しかしながら、固定ビームを使用する場合には、十分な数でなければ、ロボット100がこれらのビームに遭遇する可能性を高めるだけの十分なカバレッジをドック200の周囲に提供することができない。ロボット100の検出器152がエミッタ232からの回避信号BAを受け取ると、ロボット100は、必要に応じてその進路を変更してドック200を回避することができる。或いは、ロボット100は、(再充電又はその他のドッキング目的で)能動的又は受動的にドック200を探している場合には、後述する帰還信号に遭遇する可能性を高めるように、ドック200の周囲を回ることなどによってドック200に向かう進路を変更することができる。
【0109】
一般に、回避信号BAは、帰還信号BR、BQと同様に変調され符号化される。ビット符号化方式及び2進符号は、たとえロボット100が複数の符号を同時に受け取った場合でもロボット100が各信号の存在を検出できるように選択される。
【0110】
回避信号BAからの測定可能レベルのIR放射が検出器152にぶつかる度に、ロボットのIR回避行動がトリガされる。1つの実施形態では、この行動が、IR信号が検出可能レベルを下回るまでロボット100を適所で左向きに回転させる。その後、ロボット100は以前の動きを再開する。1つの実施形態では、検出器152が勾配検出器として機能する。ロボット100は、IR強度の高い領域に遭遇すると適所で回転する。検出器152はロボット100の正面に取り付けられ、ロボット100は後向きには移動しないので、検出器152は、常にロボット100の他の部分よりも先にIR強度の増加が「見える」。従って、適所での回転は、検出器152を強度の低い領域に移動させる。ロボット100は、次に前方に移動する際に、必然的にIR強度の低い領域に移動して回避信号BAから離れる。
【0111】
他の実施形態では、ドック200が、異なる出力レベルで符号化された複数のエミッタ、又は時分割多重化システムを用いて自機の出力レベルを変化させるエミッタを含む。これらのエミッタは、ロボット100が室内の遠くからドック200に向かって移動できるようにする同心状の符号化信号リングを生成する。従って、ロボット100は、常にドック200の存在を認識して、ドック200の位置特定、ドッキング、部屋を掃除した割合の判定などを容易にすることができる。或いは、ロボット100は、IR場を通過する自機の動きを用いてIRエネルギーの勾配を測定する。勾配の符号が負である(すなわち、検出したエネルギーが動きと共に減少している)場合、ロボット100は(IR源から離れて)真っ直ぐに進む。勾配の符号が正である(エネルギーが増加している)場合、ロボット100は旋回する。最終的な効果は、「勾配降下アルゴリズム」を実装してロボット100が回避信号BAの発信源から逃げるようにすることである。この勾配法は、放出された信号の発信源を探すために使用することもできる。様々な出力レベルの同心状リングは、たとえ未加工信号の強度を求める手段が存在しなくてもこの可能性を高める。
【0112】
いくつかの実施形態では、システム10が、ドッキングのために、a)探索又は発見ステップ、b)帰還又は遠接近(far approach)ステップ、及びc)近接近(near approach)ステップという連続ステップを含むドッキング手順を実行する。いくつかの実施形態では、システム10が、微接近(fine approach)ステップを実行することもできる。ロボット100は、これらのステップ(すなわち、探索モード、遠接近モード、近接近モード及び微接近モード)の各々を実行する対応するモードを採用することができる。ドッキング手順は、ロボット100がドッキングベイDB内の最終的な規定のドッキング位置DP(
図1)に来ると終了する。ドッキング位置DPは、正確な目標ドッキング位置からの許容公差又は許容偏差を含むことができる。
【0113】
探索ステップでは、探索モードにあるロボット100が、ドック200の存在及びロボット100に対する大まかな位置を探索して発見する。
【0114】
次に、遠接近ステップでは、遠接近モードにあるロボット100が、ドック200のドッキングベイDBと粗い又は大まかな整列を行い、ドッキング位置DPに向かって徐々に移動する。ロボット100は、ドック200に向かって中間距離を進むことができ、その後を近接近ステップ及び近接近モードが引き継ぐ。
【0115】
次に、近接近ステップでは、近接近モードにあるロボット100が、ドッキングベイDBとより密接に整列し、さらにドッキング位置DPに向かって徐々に移動する。このステップでは、ロボット100が、ロボット100の前端部110Aとバックストップ220の前壁220Aとの間の距離を縮める。ロボット100は、プラットフォーム210に対する自機の側方整列又は回転配向を調整することもできる。いくつかの実施形態では、ロボット100が、旋回して後向きにドッキングベイDB内に移動する(すなわち、後向きにドッキングする)ことができる。
【0116】
次に、微接近ステップでは、微接近モードにあるロボット100が、さらに目標ドッキング位置に向かって徐々に移動し、ドッキング位置DPに到達すると接近を終えることができる。このステップでは、ロボット100が、ロボット100の前端部110Aとバックストップ220の前壁220Aとの間の距離を微調整する。ロボット100は、プラットフォーム210に対する自機の側方整列又は回転配向を微調整することができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、ロボット100が、大型の機械的誘導機構を必要とせずに、ドック200とのドッキングを正確かつ再現可能に実行する。
【0118】
ロボット100は、バッテリを再充電する必要性を検出した時、又は部屋の掃除を終えた時に、探索モードに入ってドック200を探索することができる。上述したように、ロボット100は、このモードでは発見信号としての役割を果たす回避信号BA(従ってドック200)の存在を検出又は発見すると遠接近モードに入り、必要に応じて移動して帰還信号BR、BLを検出することができる。
【0119】
遠接近ステップでは、ロボット100が、帰還信号BR、BQ(
図10)及びその方向検出器156を用いてロボット100を誘導する。上記の回避信号BAの場合と同様に、帰還信号BR、BQの放出範囲及び放出方向は、必要に応じて変更することができる。しかしながら、信号が長ければ長いほど、ロボット100がドック200を効率的に発見する可能性を高めることができる。長い信号は、ドック200の位置を無作為に特定するのに異常なほどの時間が掛かる特に広い部屋にロボット100が配置されている場合にも有用となり得る。帰還信号BR、BQの範囲は、用途に応じてプラットフォーム210の正面約6インチ先から、プラットフォーム210の数フィート先まで広がると想定される。帰還信号BR、BQの角度幅は、用途に応じて異なり得るが、5°〜60°以上までの角度幅が想定される。各帰還信号BR、BQの角度幅は、帰還信号BR、BQのビーム又は掃引によってカバーされる範囲とすることができ、いくつかの実施形態では概ね又は実質的に円錐台形である。上述した勾配行動を用いて、ロボットがドック200を探し出すのを支援することもできる。
【0120】
ロボット100は、2つの帰還信号BR、BQを、例えば第1の又は右側帰還信号BR及び第2の又は左側帰還信号BQとして区別することができる。一般に、これらの信号の生成にはIRビームが使用され、従って目には見えない。IRビームは変調することができる。ロボット100がどちらの信号を特定の側に置くべきかを認識している限り、あらゆる信号ビットパターンを使用することができる。或いは、異なる波長又は(例えば、380kHzと38kHzなどの)異なる搬送周波数を使用することによって信号BR、BQを区別することもできる。
【0121】
従って、ロボット100は、ドッキングを望んでいる又は必要としている時に、検出器156がドック200から送信された右側信号BRを受け取った場合には、右側信号BRをロボットの右側に保持するように動き、ドック200から送信された左側信号BQを検出した場合には、左側信号BQをロボットの左側に保持するように動く。2つの信号が重なり合っている場合(重複ゾーンBO)、ロボット100は、ドック200がすぐ近くに存在することを分かった上でドッキングすることができる。このようなシステムは、ロボット100の正しい配向及び接近、並びにドッキングの成功を確実にするために、重複ゾーンBOを実質的に可能な限り薄くするように最適化することができる。或いは、右側信号BR及び左側信号BQを、ロボット100がドッキングするまで追従する単一の信号に置き換えることもできる。
【0122】
図10には、帰還信号を利用したドッキング手順中にロボット100が辿ることができる例示的な経路RPを示す。検出器156が左側信号156の場内に存在する場合、ロボット100は、左側信号BQをロボット100の左側に保持しようとしてMRの方向に右向きに移動する。従って、検出器156が右側信号156の場内に存在する場合、ロボット100は、右側信号BRをロボット100の右側に保持しようとしてMLの方向に左向きに移動する。最後に、検出器156が重複ゾーンBOに遭遇すると、ロボット100は直接ドック100に向かってMDの方向に移動する。
【0123】
ロボット100は、ドック200に接近している間、円滑なドッキングを確実にするために接近速度を落とし、及び/又は掃除を中断し、或いはその他の機能を実行することができる。これらの動作は、ロボット100が回避信号BAを検出し、従ってドック200に近いことを認識した時に、或いはエミッタ234R、234Lからの信号が変化した時などの他の何らかの所定の時点に行うことができる。
【0124】
図11を参照すると、近接近モードでは、ロボット100が撮像素子158を用いて近接近ステップでロボット100を誘導する。撮像素子158からのデータを使用して、バックストップ200に対するロボット100の側方整列、及びバックストップ200に対するロボット100の深度整列(すなわち、近接性)の両方を誘導することができる(すなわち、撮像素子158は深度又は距離検出器として動作する)。撮像素子158は、ストラクチャードライトビームBL、BUを用いて、ドック200の存在、及びロボット100の前端部110Aに対するドック200の相対的位置を検出する。いくつかの実施形態では、ロボット100がドッキングベイDBに入ると、撮像素子158がバックストップの前壁220Aの位置を検出する。
【0125】
従って、撮像素子158は、ロボット100の前端部110Aとバックストップ220との間の距離を測定し、これによってX軸上におけるドック200に対するロボット100の位置を測定することができる。この結果、ロボットコントローラ102が、この情報を用いてロボット100の動きを制御することができる。
【0126】
いくつかの実施形態では、車輪132がトラック214に係合する前に近接近モードに入る。いくつかの実施形態では、ロボット100がバックストップ220から約8〜16インチの範囲に来ると近接近モードに入る。
【0127】
いくつかの実施形態では、ロボットコントローラ102が、撮像素子158のみを用いてロボット100の最終位置を決定する。しかしながら、望ましいドッキング位置DPは、前壁220Aとイメージセンサ158Dとの間の間隔E7(
図2)が撮像素子158の特定の又は有効最小範囲E8(
図11)よりも狭くなる(すなわち、撮像素子158が前壁220Aに近すぎて正確に距離を特定できない)ような位置とすることができる。例えば、撮像素子158の最小範囲E8は3cmとすることができ、間隔E7は5mm未満とすることができる。このため、ロボット100は、さらに微接近ステップを実行することができる。微接近ステップは、後述するような異なる技術/装置を用いて遂行することができる。
【0128】
いくつかの実施形態では、微接近ステップにおいて、ロボット100が、撮像素子158及び微調整エミッタ238を用いてロボット100をその最終ドッキング位置に誘導する。エミッタ238は、既知の距離E3だけ互いに離間する。エミッタ238から放出された変調信号ビームBN(
図11)は、イメージセンサ158Bにおいて直接受け取られる。ロボット100がバックストップ壁220Aに接近するにつれて、エミッタ238との間の知覚距離が縮まり、この知覚距離がロボット100とバックストップ壁220Aとの間の望ましい間隔E7の予想値に等しくなると、ロボット100は停止する。このことから、撮像素子158は、(ストラクチャードライトセンシングを用いて)撮像素子158の有効最小範囲未満の範囲内の十分な精度でバックストップ壁220Aまでの距離を決定することができる。
【0129】
この方法によってもたらされる有効最小範囲がロボット100を最終位置に誘導するのに不十分である場合、ロボットコントローラ102は、オドメトリ又は推測航法を用いてドッキング位置DPまでの残りの距離をロボット100に案内することができる。すなわち、ロボット100は、イメージセンサ158D及びエミッタ238を用いて有効最小範囲内の距離までロボット100を誘導し、検出位置からドッキング位置DPまでの間隙距離を計算して、ロボット100を間隙距離だけ推進する。
【0130】
別の実施形態では、微接近ステップにおいて、ロボット100が、エミッタ238を使用せずに上述したようなオドメトリ又は推測航法を使用する。すなわち、ロボット100は、撮像素子158を用いて撮像素子158の有効最小範囲内の距離までロボット100を誘導し、検出位置からドッキング位置DPまでの間隙距離を計算して、ロボット100を間隙距離だけ推進する。
【0131】
別の実施形態では、ロボット100が、磁気コイル164、244を用いてドッキングを行う。ロボット100は、ドック200に近づく際にドック側のコイル244の磁場を検知することによって、ドック側の送信コイル244とロボット側の受信コイル164との整列を判定することができる。
【0132】
他の実施形態では、微接近ステップにおいて、ロボット100が、内蔵衝突センサ(例えば、接触センサ又は変位センサ)を用いて、ロボット100の前端部110Aが前壁220Aに接触した時点を検出する。ロボット100は、接触を検出した時点で停止し又は所定の距離だけ逆行して、ロボット100をドッキング位置DPに位置付けることができる。
【0133】
他の実施形態では、遠接近ステップにおいてロボット100を誘導するために、カメラ159(例えば、VSLAMカメラ)を用いてドック200を検出する。カメラ159は、上述したVSLAM技術を用いた地図の作成及び使用に使用することもできる。例えば、いくつかの実施形態では、カメラ159を(例えば、床から3〜8フィート上方の位置が見えるように)上方に向けて物体又は特徴(例えば、額縁、戸口の枠及び縁)を確認し、ロボット100をこれらの目標物(すなわち、特徴の集団)に対応付けて限局化する。
【0134】
帰還信号BR、BQ、回避信号BA、及び/又はイメージセンサ信号BL、BUは、ナビゲーションビーコンとして動作することに加えて、プログラミングデータ、フェイルセーフ及び診断情報、ドッキング制御データ及び情報、メンテナンス及び制御シーケンスなどを含む情報を送信するために使用することもできる。このような実施形態では、ロボット100がドック200からの特定の信号に接した時に然るべき行動を取るのとは対照的に、これらの信号が、ロボットの反応を決定付ける制御情報を提供することができる。この場合、ロボット100は、むしろドック200のスレーブとして機能して、送信信号によって指示された通りに動作する。
【0135】
遠接近ステップ、近接近ステップ及び微接近ステップの各々では、ロボット100が、本明細書で説明したナビゲーション支援を用いて、ドック200に対するロボット100の側方整列、ドック200に対するロボット100の角度配向、及び/又はドック200内へのロボット100の深度方向位置(すなわち、バックストップ220に対する近接性)を調整する。
【0136】
一般に、掃除のための制御シーケンスは、測定されたロボット100のエネルギーレベルに基づく3つのサブシーケンスを含む。これらは、一般に高エネルギーレベル、中エネルギーレベル及び低エネルギーレベルとして参照される。高エネルギーレベルサブシーケンスでは、ロボット100が所定の作業を行い、この例では(上述したような様々な行動モードを利用して)ドック200を避けながら掃除を行う。ドック200を回避する場合、ロボット100は、回避行動を実行して正常に動作し続ける。この過程は、ロボット100が自機のエネルギーレベルを継続的にモニタしている間継続する。電源のエネルギーレベルのモニタリングには、クーロメトリ(すなわち、常に電源に出入りする電流の測定)、又は電源に残っている電圧を単純に測定することなどの様々な方法を利用することができる。ロボット100の他の実施形態は、タイマとメモリに記憶されたルックアップテーブルとを単純に使用して、ロボット100が異なるエネルギーレベルサブシーケンスに入るまでにどれほど長く動作できるかを決定することができる。さらに他の実施形態では、ロボット100がどのエネルギーレベルサブシーケンスで動作しているかを特定することなく、再充電まで所定の時間にわたってロボット100を単純に動作させることができる。ロボット100が液体燃料又は気体燃料で動作する場合、このレベルは、現在当業で周知の装置を用いて測定することもできる。
【0137】
ロボット100は、残りのエネルギーが所定の高レベルを下回ると中エネルギーレベルシーケンスに入る。ロボット100は、掃除とエネルギーレベルのモニタとを継続する。しかしながら、中エネルギーレベルでは、ロボット100がドック200を「受動的に探索」する。ロボット100は、ドック200を受動的に探索している間はその移動特性を変化させず、むしろ回避信号BA又は帰還信号BR、BQを検出するまで通常の行動モードを継続し、最終的にロボット100がドック200にドッキングするまでこれらの信号の各々に追従することができる。換言すれば、ロボットは、受動的に探索を行いながら回避信号BAを検出した場合には、通常行うようにドック200を回避するのではなく、帰還信号BR又はBQを検出することによってドッキングが可能になるまで自機の移動特性を変化させる。
【0138】
或いは、ロボット100は、所定の低レベルよりも低いエネルギーレベルを示すまで、この中エネルギーレベルサブシーケンスで動作し続ける。ロボット100は、そうなった時点で、動作及び移動特性の変化を特徴とする低レベルサブシーケンスに入る。ロボット100は、エネルギーを節約するために全ての付帯システムへの、及び掃除などの作業への給電を中止して、ドック200を「積極的に探索」できるようにできるだけ多くのエネルギーを節約することができる。ロボット100は、積極的に探索を行っている間、ドック200を発見する可能性を高めるように自機の移動特性を変化させることができる。ロボット100は、壁追従などの計画性の高いモードを採用して、必ずしもドック200の位置を特定する可能性を高めるわけではない螺旋状の動きを使用するものなどの行動モードを中止することができる。この計画的探索は、回避信号BA又は帰還信号BR、BQのいずれかを検出することによってロボット100がドック200の存在を検出するまで継続する。当然ながら、残りの電力が限界レベルに達した時に警報を鳴らしたり、或いはドック200の位置を再度特定する役に立つようにドック200と最後に接触した後にロボット100が取った経路を再構成したりする追加のサブシーケンスを組み込むこともできる。
【0139】
ロボット100は、割り当てられた作業(例えば、部屋の掃除)を完了した、又は自機の容器を空にする必要がある、と判断したことによってドッキングを行うこともできる。ロボット100は、この判断を、部屋のサイズ、総稼働時間、総移動距離、汚れの検知などに関する留意事項を含む様々な要因に基づいて行うことができる。或いは、ロボットは、ドック200及び/又は壁、並びに大型の物体を基準点として用いた室内地図作成プログラムを使用することもできる。ロボット100は、自機の作業を完了したと判断すると、素早くドック200を発見するために自機の移動特性を変化させる。ドック200は、充電システムのみを含むことも(すなわち、充電ドック)、或いは充電システムと、ロボット100の容器からゴミを出して空にする排出システム又は排出ステーションとの両方を含むこともできる。
【0140】
ロボット100は、ドッキング位置に来ると自律的に自機を充電することができる。ドック200内の回路は、ロボット100の存在を検出すると送信コイル244への充電電圧をオンにする。
【0141】
ロボット100は、ドック200にドッキングしている間に他のメンテナンス又は診断チェックを行うこともできる。いくつかの実施形態では、ロボット100が、様々な要因に基づいて、自機の電源を完全に再充電することも、又は一部のみ充電することもできる。ドッキング位置に存在している間、診断機能、内部機構の清掃、ネットワークとの通信又はデータ操作機能などの他の行動を実行することもできる。
【0142】
本明細書で上述したように、エネルギー管理システム205は、電磁誘導充電を用いてロボット100を充電する。誘導充電を使用すると、直接的な電気接触充電と比べて多くの利点をもたらすことができる。
【0143】
誘導充電を使用すると、システム10の故障点としての電気接点を排除することができる。誘導充電システムは、ドッキングをさらに容易で確実なものにする。
【0144】
工業意匠にさらなる柔軟性がもたらされる。誘導充電は、完全密封されたドックを可能にする。
【0145】
本明細書で上述したように、いくつかの実施形態では、送信コイルからの磁場をロボットへのドック回避信号として使用することもでき、この場合はロボットのドック回避センサを省略することができる。
【0146】
誘導充電システムは、規制から外れないための(ロボット上の)電荷受信回路から(ドック上の)電荷送信回路への明示的な通信を必要としない。
【0147】
受信コイル164及び送信コイル244をコイル室124及び216に入れる(同様に、後述するように送信コイル344をコイル室316に入れる)ことにより、コイル164、244、344が環境及びロボット100の内部から隔離されるようになる。この結果、人々、ペット、及びロボット100の内部コンポーネントがコイルの電圧から保護され、コイルが損傷から保護されるようになる。また、送信コイル244、344が受信コイル164に接触することが防がれる。いくつかの実施形態では、各コイル164、244、344の上面及び底面の各々が、約1〜3mmの厚みのプラスチックに包まれる。
【0148】
受信コイルと送信コイルとの間の結合係数には様々なパラメータが影響を及ぼすことができ、これらのパラメータは、結合係数を高めるように調整することができる。結合係数は、狭い分離間隙、広いコイル面積及び正確な整列によって増加する。大型のコイルでは、良好な整列はそれほど重要ではない。太いコイルワイヤは効率を高める。
【0149】
いくつかの実施形態では、コイルが160〜270kHzの周波数で動作する。
【0150】
図12に、ロボット充電サブシステム160とドック充電サブシステム240とを含む電磁誘導充電システム205を概略的に示す。説明したようにロボット100がドッキングベイDBにドッキングすると、受信コイル164が、間に垂直方向又は軸方向の間隙GCを伴って送信コイル244に重なる。このようにして、コイル164、244はエアギャップ変成器を形成する。回路242が、送信コイル244を通る交流電流を付与し、これによって送信コイル244から交流磁場(磁束)が発生する。この磁束が受信コイル164によって受け取られて電流に変換される。回路162は、この電流を使用してバッテリ126を充電し、又はロボット100に別様にエネルギーを供給する。
【0151】
誘導充電の効率(エネルギー伝達率及び電力損失)は、コイル164、244間の整列及び間隔に依存する。本明細書で説明したドッキングモード、その方法、構造及びセンサは、ロボット100が一貫して正しくドッキング位置DPにドッキングし、これによってコイル164、244が正しく整列することを確実にすることができる。
【0152】
いくつかの実施形態では、ロボット100がドッキング位置DPにある時に、コイル164、244が実質的に平行な面内に存在する。いくつかの実施形態では、コイル164が受信コイル面PRC(
図2)を定め、コイル244が送信コイル面PTCを定め、面PRC及びPTCが平行であり、又は相対的に10度以下の角度を成す。
【0153】
ロボット100が所定のドッキング位置DPにある時(
図1及び
図2)には、コイル164がコイル244に対して所定の垂直整列位置に存在する。いくつかの実施形態では、コイル164の中心軸RCAが、コイル244の中心軸TCAと実質的に同軸上にある。いくつかの実施形態では、軸RCAが、受信コイル面PRCにおいて軸TCAの5mm以内に配置され、いくつかの実施形態では30mm以内に配置される。
【0154】
他の実施形態では、ロボット100がドッキング位置DPにある時に、送信コイル軸TCAが、受信コイル軸RCAから所定のオフセット距離だけオフセットされた位置において受信コイル面PRCと交わり、送信コイル244が受信コイル164に垂直に重なる。いくつかの実施形態では、この所定の距離が約5mm以下であり、いくつかの実施形態では約5〜30mmである。
【0155】
とりわけ、ロボット100がドッキング位置DPにある時に、受信コイル164及び送信コイル244の中心軸RCA、TCAをさらに密接に整列させるために、送信コイル244は、送信コイルの中心軸TCAがプラットフォーム212の中心又は中線からオフセットされるようにプラットフォーム212内に水平に配置される。
【0156】
受信コイル164のオフセットは、ドック300の排出口318に対応するものである。
【0157】
さらに、受信コイル164をロボット100の車台115に配置して送信コイル244をプラットフォーム212に配置すると、コイル164、244間に比較的狭い軸方向間隙GC(
図2)を設けることができる。それでもなお、コイル164、244の各々は、コイル室124、216に閉じ込められることによって環境から保護される。ギャップが狭ければ狭いほど、エネルギー伝達効率の改善が可能になる。いくつかの実施形態では、間隙GCが、7mm以下の高さE10を有する。
【0158】
いくつかの実施形態によれば、ロボット充電サブシステム160及びドック充電サブシステム240が以下のように動作する。ドック充電回路(「送信機ファームウェア」)242は、ピング、ハンドシェーク及び充電という主な状態を呈する。一般に、ドック充電回路242は、ロボット100がドック200上に存在するかどうかを判定するために定期的に(例えば、約1/3秒毎に)「ピング」を発信し、ロボット100の存在を確認してフル充電を行うかどうかを決定する。
【0159】
ピングモードでは、ドック充電回路242がコイル244の振動を開始し、振動を止めて実際のロボットが存在する時点、電力を吸収する異物が存在する時点(「スノーショベル」検出)、及びドック付近に何も存在しない時点を検出するのに掛かる時間を測定する。
【0160】
ハンドシェークモードでは、ドック充電回路242が、短時間にわたって電力を流している時に消費された電力の差分を観察することによってロボット100からの認証語をリスンする。
【0161】
充電モードでは、ドック充電回路242が、効率を高めて電子機器を有効動作領域(電流及び電圧)に保つように送信電力を制御する。具体的に言えば、充電モードでは、ドック充電回路242が、受信機(すなわち、ロボットの充電回路162)の離調を検出するまで電圧フィードバック電流制御(voltage−feedback−current−control)を用いて電力を送信し、その後に可変時間にわたって電力送信を停止する。電力を停止する時間は、受信機が離調前にどれほど長く電力を消費していたかに基づいて動的に調整される。
【0162】
ドック充電回路242のサイクル毎の制御は、送信コイルのサイクル毎に(いくつかの実施形態では、約200kHz又は5μs毎に)実行される割り込みハンドラで実行することができる。割り込みハンドラは、次のサイクルで電流制限(図では「リミット」と呼ぶ)を調整するか、又はエネルギーの追加を完全に停止する(図では「デッド」信号を有効にすると呼ぶ)ことによって、次のサイクルで送信コイル244にどれだけの電流を送信するかをサイクル毎に決定する。説明する高レベル制御コードは、ドック充電回路242の高レベル状態に依存して送信コイル244を管理するためにこれらの割り込みハンドラのうちのどの割り込みハンドラが動作すべきかを決定する。
【0163】
「充電共振タンク」状態は、ロボット100に電力を送信する際の主要モードである。このモードでは、ドック充電回路242が、ロボット充電回路162の離調を検出するまで電流制限を調整する。離調を検出すると、ドック充電回路242が「アイドル」状態に入ることにより、受信コイル164が電力を引き出していた時間を測定し、計算された時間にわたってスリープするようにバックグラウンドコードがトリガされる。
【0164】
「ハードスタート」状態及び「減衰」状態は、電力を送信している間の過渡状態である。ドック充電回路242は、最初に「ハードスタート」状態に入り、電力の送信中は、ロボット充電回路162が離調した時に「アイドル」状態に入るまで「充電共振タンク」状態と「減衰」状態との間を移行する。
【0165】
ロボット充電回路162は、起動して認証コードを送信した後に電力が来ていることをチェックする。電力が来ていれば、ロボット充電回路162は、システム電圧が何らかの閾値を超えた時に離調するメインループに入る。これを行うのに要する時間は、ロボット充電回路162から引き出されている電力(すなわち、ロボット充電回路162がバッテリを充電しているかどうか、及びどれほどの電力がバッテリに送信されているか)に依存する。ロボット充電回路162は、次に一時的に離調して、これをドック充電回路242が検出し、その後は次にドック充電回路242が電力を送信すると決定した時に電力を受け入れるように再同調する。
【0166】
いくつかの実施形態では、送信コイル244から放出される磁場、及びドック充電回路242のタンク回路が、ロボット100のナビゲーション制御においても使用される。ロボット100は、ドック充電回路242によって生成された「ピング」に伴う磁荷を検出する。ロボット100は、この検出を用いて(例えば、ロボットが掃除の任務を受けて動き回っている間は)ドック200を回避し、或いは(ドッキングを開始するために)ドック200を発見することができる。いくつかの実施形態によれば、検出半径がドック200から約6〜18インチであり、いくつかの実施形態では10〜14インチである。
【0167】
いくつかの実施形態では、ロボット100上の磁場センサ155を用いてピング信号を検出することができる。センサ155を使用すると、ロボットの受信コイル164及び充電回路162とは無関係にピング信号を検出することができる。磁場センサ155は、第1の磁気検知回路155Aと第2の磁気検知回路155Bとを含むことができる。磁気検知回路155A、155Bの各々は、高利得増幅器を備えた小型LC回路とすることができる。第1の磁気検知回路155Aのインダクタコイルは、送信コイル244までの距離に概ね比例する信号を供給するようにZ方向(垂直方向)に配向することができる。第2の磁気検知回路155Bのインダクタコイルは、送信コイル244の配向に概ね比例する信号を供給するようにX方向又はY方向に(左右、前後又は水平方向に)配向することができる。
【0168】
磁場センサ155は、ドッキング中にロボット100がドック送信コイル244の磁場内のどこに存在するかを決定するために使用することもできる。このように、正面方向検出器156によって提供されるデータの代わりに又はこれに加えて、磁場センサ155からの検出を用いて遠接近ステップを実行することもできる。
【0169】
磁場センサ155は、ロボット100が完全にドッキングした時点でコイル164、244が十分に上手く整列していることを確認するために使用することもできる。これによってコイル164、244間の整列を改善できることにより、良好な電力伝達を達成するための良好な結合効率を保証することができる。
【0170】
いくつかの実施形態では、ロボット100がドック200と整列することにより、コイル164がコイル244とX軸及びY軸に沿って±25mm以下の、いくつかの実施形態では±5mm以下の、いくつかの実施形態では約±1mmの許容差で整列する。いくつかの実施形態では、コイル164、244のZ軸に沿った整列許容差が20mm以下である(すなわち、コイル164がコイル244の上方に20mmを超える間隔を空けることはなく、コイル164、244は実現可能な限り互いに近接する)。
【0171】
図13及び
図14に、本発明の1つの実施形態による排出ドック300を示す。排出ドック300は、実質的に水平なベースプレート又はプラットフォーム310と、実質的に垂直なタワー又はバックストップ320とを含むハウジング311を含む。プラットフォーム310上のバックストップ320前方には、ドッキングベイDBが定められる。排出ドック300は、あらゆる様々な形状又はサイズとすることができ、後述する望ましいコンポーネント及びシステムにとって十分な空間を提供する。
【0172】
プラットフォーム310は、内部に定められたコイル室316を含む。コイル室316は、壁312と下壁315とによって定められる。コイル室316は、隆起したパッド壁312によって覆われる。コイル室316及びパッド壁312の両側には、平行なトラック314が定められる。パッド壁312には、排出吸込口318が定められる。排出吸込口318は、プラットフォーム310の横方向中心線及びトラック314間の中点からオフセットされる。
【0173】
プラットフォーム310は、バックストップ320に向かって一定の上向き角度で傾斜する。いくつかの実施形態では、プラットフォーム310の上昇角が6〜10度であり、いくつかの実施形態では8〜10度であり、いくつかの実施形態では約8.6度である。
【0174】
排出ドック300は、充電サブシステム340と、通信/誘導システム330と、ドックコントローラ322と、(図示していない電源に接続される)電源入力コネクタ324とを含み、これらはそれぞれ、後述する点を除き、充電サブシステム240、通信/誘導システム230、ドックコントローラ222、及び電源入力コネクタ224に対応して同様に動作する。排出ドック300は、回避エミッタ332と、指向性エミッタ334R、334Lと、1対の微調整エミッタ338とを含み、これらはそれぞれ回避エミッタ232、指向性エミッタ234R、234L、及びエミッタ238に対応する。
【0175】
充電サブシステム340は、充電回路242及び送信コイル244に対応する充電回路342及び送信コイル344を含む。コイル344は、コイル室216及びコイル244に関して上述した態様と同じ態様でコイル室316に収容される。コイル344は、バックストップ320に向かって床に対して一定の斜角A1(
図14)で傾斜し又は配向される。いくつかの実施形態では、角度A1が約6〜10度であり、いくつかの実施形態では8〜10度であり、いくつかの実施形態では約8.6度である。コイル344の中心軸RCAは、コイル164のオフセットと一致するようにプラットフォーム310の中線X−Xからオフセットされる。
【0176】
排出ドック300は、ゴミ排出システム350をさらに含む。排出システム350は、タワー320内の(取り外し可能とすることができる)ゴミ容器352と、プラットフォーム310に配置された排出口318と、排出口318を容器352に流体的に接続する1又は複数のダクトと、排出口318から容器352にゴミを引き込むように構成された吸い込みファン354とを含む。
【0177】
車輪トラック314は、ロボットの駆動輪132を受け入れて、ロボット100を排出吸込口318と正しく整列させてプラットフォーム310上に誘導するように設計される。各車輪トラック314は、駆動輪132を適所に保持してロボット100をプラットフォーム310に対して確実に整列させて位置付けるとともに、一旦ドッキングしたらロボット100が傾斜したプラットフォーム310を意図せず滑り落ちるのを防ぐ窪んだ車輪ウェル319を含む。
【0178】
ロボット100は、ドック200に関して上述したように、プラットフォーム310に載って排出ステーション300のドッキングベイDB内に進むことによって排出ドック300にドッキングすることができる。排出ドック300がロボット100を受け取ると、吸い込みファン354が、ロボット100の掃除容器145からプラットフォーム310を通じてゴミ容器352にゴミを引き込む真空を発生させる。
【0179】
ロボット100がドッキングベイDBの規定のドッキング位置にドッキングすると、コイル164がコイル344に重なり合って好適に垂直に整列する。また、ロボット100の排出口120も、排出ドック300の排出口318と整列して排出口318に接触又は近接する。
【0180】
ロボット100は、ドック200に関して上述した方法と同じ方法で排出ドック300を回避し、発見し、遠接近し、近接近し、微接近することができる。微調整エミッタ388を省略することも検討される。ロボットは、車輪132を捕らえることによってロボットを確実に整列させて位置付け、ロボットがドッキングアプローチの最終部分で正しく整列することを確実にする車輪ウェル319に依拠することができる。撮像素子158を用いて、車輪132が車輪ウェルをオーバーラン又はアンダーランしないように保証することもできる。
【0181】
ドック200について上述したように、磁場センサ155を用いてコイル344からの磁気ピング信号を検出してロボットを誘導することもできる。
【0182】
いくつかの実施形態では、ロボット100が排出ドック300と整列することにより、コイル164がコイル244とX軸及びY軸に沿って約±1mmの許容差で整列する。排出ドック300は、ロボットの排出口120と排出ドック300の吸込口318との密接な整列を必要とし、従って位置ずれのための許容差が非常に小さく、ドック200についての許容差よりも小さい。いくつかの実施形態では、コイル164、344のZ軸に沿った整列許容差が約±20mmである。
【0183】
図15〜
図17に、本発明の実施形態による芝刈り機ロボットシステム20を示す。システム20は、芝刈り機ロボットと充電ドック500とを含む。ロボット400はロボット充電サブシステム460含み、ドック500はドック充電サブシステム560を含み、これらは共に誘導充電システム505を形成する。
【0184】
ロボット400は、ロボットコントローラ402と、シャーシ410と、切断デッキ414と、カバー412と、バッテリ426と、動力システム430と、切断システム440とをさらに含む。シャーシ410、切断デッキ414及びカバー412は、ロボット本体、ハウジング基盤又はハウジングを形成する。
【0185】
動力システム430は、1対の独立駆動輪434と、1対のキャスタホイール435と、車輪434を駆動するためのモータ434Aと、自動高さ調整器436とを含む。
【0186】
切断システム440は、ロボット100の本体の底部から懸架された少なくとも1つの切断要素を含む。図示のように、切断システム440は、切断デッキ414の底部から懸架された1対の回転切断刃444と、刃444を駆動するための電気モータ442とを含む。
【0187】
ロボット充電サブシステム460は、充電回路162及び受信コイル164に概ね対応する充電回路462及び受信コイル464を含む。
【0188】
コイル464は、切断デッキ414内に定められた受信コイル室424に収容される。切断デッキ414又はシャーシ410は、受信コイル室424の一部を定める底壁410Cを含む。いくつかの実施形態では、底壁410Cが、少なくとも2mmの公称厚さを有する。底壁410Cは、下にある表面(例えば、地面又は物体)からコイル464を分離する。いくつかの実施形態では、中心軸RCA−RCAが、ロボット400の前後中心軸FA−FAを中心とする。
【0189】
ドック500は、ハウジング511と、地盤アンカー又はスパイク512と、ドック充電サブシステム540と、帰還システム530と、ドックコントローラ522とを含む。
【0190】
ハウジング511は、ベース510とカバー514とを含む。ベース510及びカバー514は、協働して密閉チャンバ516を形成する。
【0191】
ドック充電サブシステム540は、充電回路242及び送信コイル244に概ね対応する充電回路542及び送信コイル544を含む。送信コイル544は、密閉チャンバ516に収容される。カバー514は、密閉チャンバ516の一部を定める上壁514Aを含む。上壁514Aは、ロボット400又はその他の上にある物体からコイル544を分離する。いくつかの実施形態では、底壁514Aが、少なくとも2mmの公称厚さを有する。
【0192】
ロボット400は、自律的な芝刈りのために使用することができる。ロボット400は、芝刈りセッションを完了した時、又は再充電を必要とする時にドック500を探索する。
【0193】
いくつかの実施形態では、ロボット400が、芝生に関する位置特定ビーコンを使用してドック500の近傍を詳しく三角測量する。いくつかの実施形態では、ロボット400が、磁場センサ155及びドック充電回路242に関して上述したような、ドック充電回路542が定期的にピングを送ることによって放出される磁荷を用いてドック500と整列するように構成される。いくつかの実施形態では、ロボット400が、ロボット400がドック500上の規定のドッキング位置に近づいた時に磁荷ピングを検知してロボットコントローラ402がドック500と整列できるようにするために使用されるホール効果センサを含む。
【0194】
ロボット400がドック500上の規定のドッキング位置に来ると、受信コイル464と送信コイル544とが実質的に垂直に整列して重なり合い又は近接する。いくつかの実施形態では、ロボット400が、受信コイル464の中心軸RCA−RCAが送信コイル544の中心軸TCA−TCAと整列又は近接するようにドック500上に位置付けられる。ロボット400は、高さ調整器436を用いて、シャーシ510及び車輪435、従ってコイル464に対して切断デッキ414を降下させることができる。このようにして、受信コイル464を送信コイル544に近付ける。いくつかの実施形態では、切断デッキ414が降下してドック500に接触する。
【0195】
その後、ロボット充電サブシステム460及びドック充電サブシステム540は、ロボット充電サブシステム160及びドック充電サブシステム240に関して上述した方法と同じ方法で協働してロボット400を誘導充電することができる。
【0196】
コイル164、244、344、464、544は、あらゆる好適な材料及び構成で形成することができる。いくつかの実施形態では、1又は2以上のコイルが巻き銅線で形成される。いくつかの実施形態では、1又は2以上のコイルが打ち抜き加工した銅で形成される。いくつかの実施形態では、1又は2以上のコイルが巻きアルミ線で形成される。いくつかの実施形態では、1又は2以上のコイルが巻きリッツ線(銅又はアルミニウム)で形成される。
【0197】
いくつかの実施形態では、ロボットのドッキング時のコイル164、244間及びコイル164、344間の垂直間隔距離が20mm未満である。
【0198】
いくつかの実施形態では、コイル164が、1.25mmの厚み、22の巻き数、58mmの内径及び117mmの外径を有する。
【0199】
いくつかの実施形態では、受信コイル164(「Rxコイル」)及び送信コイル244、344(「Txコイル」)が、以下の特性を有する。
Txコイル(ドック/排出ステーション)
外径:110〜120mm
巻き数:12〜15
インダクタンス:30μH
最も有力な実施形態はリッツ線コイルである。
Rxコイル(ロボット)
外径:110〜120mm、現行〜114mm
巻き数:18〜26、現行22
インダクタンス:30〜65μH、現行50μH
最も有力な実施形態は銅マグネットワイヤコイルである。
銅マグネットコイルの代表的測定データ
【表1】
リッツ線コイルも検討され、代表的測定データは以下の通りである。
【表2】
打ち抜き加工した銅コイルも検討され、代表的測定データは以下の通りである。
【表3】
打ち抜き加工したアルミコイルも検討され、代表的測定データは以下の通りである。
【表4】
いくつかの実施形態では、受信コイル164(「Rxコイル」)及び送信コイル244、344(「Txコイル」)が、以下の特性を有する打ち抜き加工したアルミコイルである。
Rxコイル
外径:114mm
内径:30mm
巻き数:30
トレース幅:1.2mm
トレース間空間:0.2mm
推定インダクタンス:58μH(マイクロヘンリー)
Txコイル
外径:114mm
内径:72mm
巻き数:15
トレース幅:1.2mm
トレース間空間:0.2mm
推定インダクタンス:32μH(マイクロヘンリー)
いくつかの実施形態では、ロボット芝刈り機システム20の受信コイル464(「Rxコイル」)及び送信コイル544(「Txコイル」)が以下の特性を有する。
Txコイル(充電ドック)
巻き数:4
インダクタンス:10〜20μH、現行15μH
300Wのバッテリを充電する必要あり
Rxコイル(ロボット)
巻き数:9
#16AWG(米国ワイヤゲージ規格)
公称径:300mm
インダクタンス:40〜60μH、現行50μH
(巻き数8の#18AWGについて測定したデータ:周波数100kHz、56μH、ESR0.499)
【0200】
上記の内容は本発明の例示であり、本発明を限定するものとして解釈すべきではない。本発明のほんのいくつかの例示的な実施形態について説明したが、当業者であれば、本発明の新規の教示及び利点から著しく逸脱することなく例示的な実施形態の多くの修正が可能であると容易に理解するであろう。従って、このような全ての修正も本発明の範囲に含まれるように意図されている。従って、上記の内容は本発明の例示であって開示した特定の実施形態に限定されるものとして解釈すべきではなく、開示した実施形態の修正及び他の実施形態も本発明の範囲に含まれるように意図されている。