(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6758603
(24)【登録日】2020年9月4日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】情報処理装置、画像形成装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20200910BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20200910BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20200910BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20200910BHJP
【FI】
H04N1/00 C
B41J29/00 Z
B41J29/38
G03G21/00 376
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-163272(P2016-163272)
(22)【出願日】2016年8月24日
(65)【公開番号】特開2018-32960(P2018-32960A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2019年6月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】大原 幸多
(72)【発明者】
【氏名】大森 俊秀
(72)【発明者】
【氏名】蛯谷 賢治
【審査官】
中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−182038(JP,A)
【文献】
特開2009−111578(JP,A)
【文献】
特開2015−174299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/00
B41J 29/38
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者を認証する認証手段と、
1または複数の設定項目の設定値の中に、初期値から変更された設定値があるか否かを検出する検出手段と、
初期値から変更された設定値があると前記検出手段により検出された場合に、1または複数の設定項目の設定値を、前記認証手段により認証された操作者に対して登録されている設定値に変更するかしないかを選択する選択手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
初期値から変更された設定値があると前記検出手段により検出され、前記選択手段により1または複数の設定項目の設定値を、前記認証手段により認証された操作者に対して登録されている設定値に変更しないが選択された場合に、前記認証手段により認証された操作者に対して、認証が行われた状態でないと設定値を変更できない設定項目の設定値を変更する権限を与えるように制御する制御手段をさらに有する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
初期値から変更された設定値があると前記検出手段により検出され、前記選択手段により1または複数の設定項目の設定値を、前記認証手段により認証された操作者に対して登録されている設定値に変更しないが選択された場合に、初期値から変更されていない設定値を、前記認証手段により認証された操作者に対して登録されている設定値に変更し、初期値から変更された設定値を、前記認証手段により認証された操作者に対して登録されている設定値に変更しないように制御する制御手段をさらに有する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
操作者を認証する認証手段と、
1または複数の設定項目の設定値の中に、初期値から変更された設定値があるか否かを検出する検出手段と、
初期値から変更された設定値があると前記検出手段により検出された場合に、1または複数の設定項目の設定値を、前記認証手段により認証された操作者に対して登録されている設定値に変更する第1のモードと、前記認証手段により認証された操作者に対して、認証が行われた状態でないと設定値を変更できない設定項目の設定値を変更する権限を与える第2のモードと、初期値から変更されていない設定値を、前記認証手段により認証された操作者に対して登録されている設定値に変更し、初期値から変更された設定値を、前記認証手段により認証された操作者に対して登録されている設定値に変更しない第3のモードと、からいずれか1つを選択するモード選択手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項5】
操作者を認証する認証手段と、
1または複数の設定項目の設定値の中に、初期値から変更された設定値があるか否かを検出する検出手段と、
初期値から変更された設定値があると前記検出手段により検出された場合に、1または複数の設定項目の設定値を、前記認証手段により認証された操作者に対して登録されている設定値に変更するかしないかを選択する選択手段と、
1または複数の設定項目の設定値を用いて記録媒体上に画像を出力する画像出力手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項6】
操作者を認証するステップと、
1または複数の設定項目の設定値の中に、初期値から変更された設定値があるか否かを検出するステップと、
初期値から変更された設定値があると検出された場合に、1または複数の設定項目の設定値を、認証された操作者に対して登録されている設定値に変更するかしないかを選択するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを介して、複数のドキュメント処理選択肢を含む、前記ドキュメント処理装置で利用可能な操作の第1のレベルを表わすデータを示して、前記複数のドキュメント処理選択肢に含まれる前記第1のレベルの選択の入力をユーザに促す手段と、前記ユーザ・インターフェイスを介して、前記ユーザによって選択された第1のレベルの選択データを受け取る手段と、前記インターフェイスを介して、前記ドキュメント処理装置で利用可能な、前記ユーザによって選択された利用可能な操作のレベルに対応する下位レベルのドキュメント選択肢を示して、前記ユーザに入力を促す手段と、前記インターフェイスを介して、前記ドキュメント処理装置のドキュメント処理機能を表わし、対応する選択肢の前のレベルのうちの1つの選択肢に対応している機能データを受け取る手段と、前記機能データを保存する記憶手段と、前記ユーザからログイン・データを受け取る手段と、前記機能データおよび前記ログイン・データに対応する、カスタム化されたドキュメント処理操作制御の表示を生成する手段と、を備えた構成が開示されている。
【0003】
特許文献2には、装置と接続された複合機であって、ユーザインタフェース仕様データを受信する受信手段と、前記ユーザインタフェース仕様データを格納する格納手段と、前記受信したユーザインタフェース仕様データに基づいてユーザインタフェースを表示する表示手段とを有し、前記ユーザインタフェース仕様データにはユーザインタフェースの表示要素と複合機により実行される動作とが規定され、前記表示手段は前記受信したユーザインタフェース仕様データの表示要素に基づいてユーザインタフェースを表示する構成が開示されている。
【0004】
特許文献3には、ユーザ識別情報の入力を受け付けると、対応する個人情報を取得し、取得した前記個人情報を用いて、利用環境をカスタマイズする画像形成装置であって、個人情報を管理しているサーバ装置から、前記ユーザ識別情報に対応する第1の個人情報を取得可能か否か判断する判断手段と、第1の個人情報が取得可能である場合には、前記第1の個人情報を取得するサーバ情報取得手段と、個人情報を記録している可搬型の記録媒体から、前記ユーザ識別情報に対応する第2の個人情報を読み取る媒体情報読取手段と、前記第1の個人情報を取得しない場合には、前記第2の個人情報を用いて利用環境をカスタマイズし、前記第1の個人情報及び前記第2の個人情報の両方を取得した場合には、何れか一方の新しい個人情報を用いて利用環境をカスタマイズする制御手段と、を備えた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−47106号公報
【特許文献2】特開2009−177828号公報
【特許文献3】特開2009−303141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば複合機のコピー画面上において、カラーモード、用紙選択、両面片面選択等の各種機能を設定する際に、ユーザ毎に設定値をカスタマイズして保存し、ユーザの認証が完了した時点でその設定値を呼び出すことで、操作時間の削減が行われている。
【0007】
しかし、認証が行われていない一般ユーザの状態で各種機能の設定値を変更している最中に、認証をしていないことに気付いて認証する場合がある。この場合、各種機能の設定値を変更していたにもかかわらず認証したユーザが保存している設定値に変更されてしまい、ユーザが意図したものとならない場合がある。また、各種機能の設定値の変更について制限されている場合があり、設定値を変更している途中に認証が必要となった場合に認証すると、認証前に変更していた各種機能の設定内容に関係なく、認証したユーザが保存している設定値に変更されてしまい、ユーザが意図したものとならない場合がある。これらの場合、一般ユーザで設定値を変更したものを再度変更することが必要となり、作業が重複したものとなってしまう。
【0008】
本発明の目的は、ユーザが設定値を初期値から変更した後に認証が行われた場合でも、ユーザが認証前に変更した設定値を保持することが可能な情報処理装置、画像形成装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[情報処理装置]
請求項1に係る本発明は、操作者を認証する認証手段と、1または複数の設定項目の設定値の中に、初期値から変更された設定値があるか否かを検出する検出手段と、初期値から変更された設定値があると前記検出手段により検出された場合に、1または複数の設定項目の設定値を、前記認証手段により認証された操作者に対して登録されている設定値に変更
するかしないかを選択する選択手段と、を有する情報処理装置である。
【0010】
請求項2に係る本発明は、
初期値から変更された設定値があると前記検出手段により検出され
、前記選択手段により1または複数の設定項目の設定値を、前記認証手段により認証された操作者に対して登録されている設定値に変更しないが選択された場合に、前記認証手段により認証された操作者に対して、認証が行われた状態でないと設定値を変更できない設定項目の設定値を変更する権限を与えるように制御する
制御手段をさらに有する請求項1記載の情報処理装置である。
【0011】
請求項3に係る本発明によれば、
初期値から変更された設定値があると前記検出手段により検出され
、前記選択手段により1または複数の設定項目の設定値を、前記認証手段により認証された操作者に対して登録されている設定値に変更しないが選択された場合に、初期値から変更されていない設定値を、前記認証手段により認証された操作者に対して登録されている設定値に変更し、初期値から変更された設定値を、前記認証手段により認証された操作者に対して登録されている設定値に変更しないように制御する
制御手段をさらに有する請求項1記載の情報処理装置である。
【0012】
請求項4に係る本発明は、操作者を認証する認証手段と、1または複数の設定項目の設定値の中に、初期値から変更された設定値があるか否かを検出する検出手段と、初期値から変更された設定値があると前記検出手段により検出された場合に、1または複数の設定項目の設定値を、前記認証手段により認証された操作者に対して登録されている設定値に変更する第1のモードと、前記認証手段により認証された操作者に対して、認証が行われた状態でないと設定値を変更できない設定項目の設定値を変更する権限を与える第2のモードと、初期値から変更されていない設定値を、前記認証手段により認証された操作者に対して登録されている設定値に変更し、初期値から変更された設定値を、前記認証手段により認証された操作者に対して登録されている設定値に変更しない第3のモードと、からいずれか1つを選択するモード選択手段と、を有する情報処理装置である。
【0013】
[画像形成装置]
請求項5に係る本発明は、操作者を認証する認証手段と、1または複数の設定項目の設定値の中に、初期値から変更された設定値があるか否かを検出する検出手段と、初期値から変更された設定値があると前記検出手段により検出された場合に、1または複数の設定項目の設定値を、前記認証手段により認証された操作者に対して登録されている設定値に変更
するかしないかを選択する選択手段と、1または複数の設定項目の設定値を用いて記録媒体上に画像を出力する画像出力手段と、を有する画像形成装置である。
【0014】
[プログラム]
請求項6に係る本発明によれば操作者を認証するステップと、1または複数の設定項目の設定値の中に、初期値から変更された設定値があるか否かを検出するステップと、初期値から変更された設定値があると検出された場合に、1または複数の設定項目の設定値を、認証された操作者に対して登録されている設定値に変更
するかしないかを選択するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することができる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る本発明によれば、ユーザが設定値を初期値から変更した後に認証が行われた場合でも、ユーザが認証前に変更した設定値を保持することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0016】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明により得られる効果に加えて、設定値の再度の変更をせずに、重複作業を抑制することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0017】
請求項3に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明により得られる効果に加えて、設定値の再度の変更をせずに、カスタマイズ情報を用いることが可能な情報処理を提供することができる。
【0018】
請求項4に係る本発明によれば、各種設定項目の設定値をカスタマイズして操作時間の削減を行いつつ、設定値を変更後に認証した場合であっても、認証したユーザの意図した設定値を保持することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0019】
請求項5に係る本発明によれば、ユーザが設定値を初期値から変更した後に認証が行われた場合でも、ユーザが認証前に変更した設定値を保持することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0020】
請求項6に係る本発明によれば、ユーザが設定値を初期値から変更した後に認証が行われた場合でも、ユーザが認証前に変更した設定値を保持することが可能なプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態における画像形成装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態における画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】カスタマイズ情報格納部26に格納されるカスタマイズ情報の一例を示す図である。
【
図4】操作パネル34上に表示されるメニュー画面例を示す図である。
【
図5】操作パネル34上に表示されるコピー画面(初期画面)の一例を示す図である。
【
図6】操作パネル34上に表示される認証画面の一例を示す図である。
【
図7】操作パネル34上に表示されるコピー画面の一例を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態における画像形成装置10の動作を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態における画像形成装置10の動作を説明する図である。
【
図10】操作パネル34上に表示されるモード選択画面の一例を示す図である。
【
図11】モード選択(第1モード)による画像形成装置10の動作を説明する図である。
【
図12】モード選択(第2モード)による画像形成装置10の動作を説明する図である。
【
図13】モード選択(第3モード)による画像形成装置10の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
本実施形態の情報処理装置の一例である画像形成装置10のハードウェア構成を
図1に示す。
【0024】
画像形成装置10は、
図1に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置13、ネットワークを介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IF)14、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UI)装置15、スキャナ16、プリントエンジン17を有する。これらの構成要素は、制御バス18を介して互いに接続されている。
【0025】
プリントエンジン17は、帯電、露光、現像、転写、定着などの工程を経て印刷用紙等の記録媒体上に画像を印刷する。
【0026】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成装置10の動作を制御する。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、当該プログラムをCD−ROM等の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0027】
図2は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
図3は、カスタマイズ情報格納部26に格納されるカスタマイズ情報の一例を示す図である。
【0028】
本実施形態の画像形成装置10は、
図2に示されるように、表示部21と、操作部22と、制御部23と、認証部24と、検出部25と、カスタマイズ情報格納部26と、通信部27と、画像出力部28と、画像読取部29とを備えている。
【0029】
画像出力部28は、印刷用紙等の記録媒体上に画像を出力する処理を実行している。また、画像読取部29は、原稿をスキャンすることにより原稿画像を読取る処理を実行している。
【0030】
制御部23は、操作部22により入力された操作情報に基づいて、画像出力部28および画像読取部29の動作を制御したり、各種情報を表示部21に表示する等の各種制御を行っている。
【0031】
なお、
図2では、表示部21と操作部22とは別構成として示されているが、本実施形態では表示部21と操作部22とはタッチパネルにより一体の部品として構成されている。
【0032】
認証部24は、画像形成装置10を使用しようとするユーザを、例えば、ID及びパスワードの入力、ICカードによる認証方法等を用いて認証する。
【0033】
カスタマイズ情報格納部26は、自装置である画像形成装置10の1または複数の機能に関する設定項目について、ユーザが予め登録しておいた設定値をカスタマイズ情報として格納している。具体的には、
図3に示すように、カスタマイズ情報格納部26は、カラーモード、用紙選択、倍率選択、濃度調整、両面片面選択等の各設定項目について、ユーザが予め登録しておいた設定値をカスタマイズ情報として格納している。
【0034】
検出部25は、1または複数の機能に関する設定項目の設定値の中に、初期値から変更された設定値があるか否かを検出する。
【0035】
表示部21は、制御部23による制御に基づいて、
図4に示すように、1または複数の機能にそれぞれ対応した絵柄図形である1または複数のアイコン32を含むメニュー画面を操作パネル34上に表示する。
図4で示された「コピー」、「ファックス」、「スキャナー」、・・・、「ボックス操作」、「ヘルプ」等のアイコン32を指やペン等の操作体によるタッチすることにより操作すると、それぞれの機能の設定変更を行うための画面に遷移するようになっている。
【0036】
また、表示部21は、メニュー画面上(メニュー画面)において「コピー」のアイコン32が選択された場合に、
図5に示すようなコピーに関する1または複数の機能に関する情報を提供するための1または複数のアイコン36を含むコピー画面を表示する。
【0037】
ここで、アイコンとは、表示画面上に表示され、特定のアプリケーションプログラムを起動させたり、特定の画面に遷移したりするための操作位置を示すための絵柄図形である。そして、この絵柄図形には、単にデザインされた図形だけでなく、アルファベット、ひらがな、カタカタ、漢字等の各種文字が含まれる場合もある。
【0038】
そして、
図5に示されたコピー画面上では、例えば「部数」、「倍率選択」等の二重四角枠38に数字を入力したり、1または複数のアイコン36上の右枠欄を操作体でタッチして、それぞれの機能に関する設定項目に対する操作を選択する。そして、コピー画面上に表示された認証ボタン40をタッチすることにより、例えば
図6に示すような認証画面が表示される。
【0039】
認証画面では、ユーザにIDとパスワードの入力を促す表示がなされる。IDとパスワードの入力がなされ、認証部24により認証が行われると、検出部25により、設定項目の設定値の中に、初期値から変更された設定値があるか否かが検出される。そして、詳細には後述するが、検出部25により、初期値から変更された設定値があると検出された場合には、
図10のモード選択画面が表示される。また、検出部25により、初期値から変更された設定値がないと検出された場合には、ユーザによって認証されたコピー画面では、設定項目の設定値が、初期値から、カスタマイズ情報格納部26に格納され、認証されたユーザにより予め登録された設定値に変更されて表示される。具体的には、
図7に示すように、各設定項目の設定値が認証されたユーザAにより予め登録された設定値に変更され、初期値から「カラーモード」がフルカラーに、「用紙選択」がA4サイズに、「倍率選択」が自動に、「両面片面選択」が片面→両面に変更されて表示される。
【0040】
このように、制御部23は、ユーザが認証を行わずに未認証状態である場合には、初期値として保存された設定値を表示部21に表示するよう制御する。そして制御部23は、ユーザが認証を行って認証状態となった場合には、認証されたユーザにより予め登録された設定値を表示部21に表示するよう制御する。
【0041】
次に、本発明の一実施形態における画像形成装置10の動作について、
図8から
図13に基づいて説明する。
図8は、画像形成装置10の動作を示すフローチャートである。
図9は、初期値の状態から認証が行われた場合の画像形成装置10の動作を説明する図である。
図10は、モード選択画面を示す図である。
図11は、モード選択画面において第1モードが選択された場合の画像形成装置10の動作を説明する図である。
図12は、モード選択画面において第2モードが選択された場合の画像形成装置10の動作を説明する図である。
図13は、モード選択画面において第3モードが選択された場合の画像形成装置10の動作を説明する図である。
【0042】
ここで、設定項目1〜6は、「カラーモード」、「用紙選択」、「倍率選択」、「濃度調整」、「両面片面選択」等の画像形成装置10の機能に関する設定項目であって、設定値としてA,B,Cを設定できるものとして説明する。また、未認証時の初期画面における各設定項目の初期値を全て「B」とし、ユーザAのカスタマイズ情報としてカスタマイズ情報格納部26に格納されている各設定項目の設定値を全て「C」として説明する。設定項目のうち、グレーアウトしている項目は、認証が行われた状態でないと設定値の変更ができない設定項目であって、本実施形態では、設定項目3が認証が行われた状態でないと設定値の変更ができない項目となっている。
【0043】
まず、ステップS10において、コピー画面において認証ボタン40をタッチすることにより、
図6に示すユーザ認証画面が表示される。そして、IDとパスワードの入力等により、認証部24により認証が行われる。
【0044】
次に、ステップS11において、検出部25により、設定項目の設定値の中に、初期値から変更された設定値があるか否かが検出される。初期値から変更された設定値がないと検出部25により検出された場合、つまり全ての設定値が初期値のままであると検出された場合にはステップS12へ進み、初期値から変更された設定値があると検出部25により検出された場合、つまり少なくとも1つの設定値が初期値から変更されている場合にはステップS13へ進む。
【0045】
次に、ステップS12において、初期値であった設定値が、認証されたユーザに対応する設定値(カスタマイズ情報)に変更されて表示される。具体的には、
図9に示すように、初期画面から認証ボタン40をタッチして、認証部24により認証が行われることにより、設定項目1〜6について、初期値である「B」からユーザ認証したユーザAの設定値である「C」に変更されて表示される。また、設定項目3のアイコン36がグレーアウトした状態から他の設定項目と同様に白い状態に表示され、設定値の変更が出来る状態に変更される。
【0046】
次に、ステップS13において、
図10に示すようなモード選択画面が表示される。
【0047】
モード選択画面では、1または複数の設定項目の全ての設定値を、認証されたユーザに対して登録されている設定値に変更する「第1モード」と、認証されたユーザに対して、認証が行われた状態でないと設定値を変更できない設定項目の設定値を変更する権限を与える「第2モード」と、初期値から変更されていない設定値を、認証されたユーザに対して登録されている設定値に変更し、初期値から変更された設定値を、認証されたユーザに対して登録されている設定値に変更しない「第3モード」のアイコン42が表示され、ユーザがいずれか1つのアイコン42を選択するように構成されている。ユーザが「第1モード」を選択した場合にはステップS14へ進み、「第2モード」を選択した場合にはステップS15へ進み、「第3モード」を選択した場合にはステップS16へ進む。
【0048】
ステップS14では、「第1モード」のアイコン42の選択により、初期値から変更された設定値も含めて設定項目の設定値を全て認証されたユーザに対応する設定値(カスタマイズ情報)に変更されて表示される。具体的には、
図11に示すように、初期値である「B」から設定項目2,4,6について設定値を「A」に変更した後に認証が行われても、第1モードの選択により、全ての設定項目についてユーザ認証したユーザAの設定値である「C」に変更されて表示される。また、設定項目3のアイコン36がグレーアウトした状態から他の設定項目と同様に白い状態に表示され、設定値の変更が出来る状態に変更される。
【0049】
また、ステップS15では、「第2モード」のアイコン42の選択により、初期値から変更された設定値がそのまま維持されて、認証されたユーザに対して認証が行われた状態でないと設定値を変更できない設定項目の設定値を変更する権限が与えられる。具体的には、
図12に示すように、初期値である「B」から設定項目2,4,6について設定値を「A」に変更した後に認証が行われても、第2モードの選択により、初期値から変更された設定値がそのまま維持され、認証が行われた状態でないと設定値の変更ができないようにされている設定項目についても設定値の変更ができるようにされる。具体的には、設定項目3は、設定値の変更ができない状態から設定値の変更ができる状態に変更され、設定項目3のアイコン36がグレーアウトした状態から他の設定項目と同様に白い状態に表示される。
【0050】
また、ステップS16では、「第3モード」のアイコン42の選択により、初期値から変更されていない設定値を、認証されたユーザに対して登録されている設定値に変更し、初期値から変更された設定値を、認証されたユーザに対して登録されている設定値に変更しない。具体的には、
図13に示すように、初期値である「B」から設定項目2,4,6について設定値を「A」に変更した後に認証が行われても、第3モードの選択により、初期値から変更されていない設定項目1,3,5の設定値「B」を、認証されたユーザAに対して登録されている設定値「C」に変更し、初期値から変更された設定項目2,4,6の設定値「A」をそのまま維持する。また、設定項目3のアイコン36がグレーアウトした状態から他の設定項目と同様に白い状態に表示され、設定値の変更が出来る状態に変更される。
【0051】
そして、ステップS17において、変更された設定値又は変更されていない設定値を用いて、処理が実行される。
【0052】
なお、上記実施形態では、ID及びパスワードの入力による認証方法を用いて認証する場合を用いて説明したが、これに限らず、ICカードによる認証方法等を用いて認証するようにしてもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、認証を行った後にモード選択を行う例を用いて説明したが、これに限らず、認証画面においてモード選択できるようにして認証とモード選択とを同時に行うようにしてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、初期値から変更された設定値がある場合にモード選択する例を用いて説明したが、これに限らず、予めモード選択を行って選択されたモードにより処理を実行するようにしてもよい。
【0055】
[変形例]
上記実施形態では、画像形成装置に対して本発明を適用した場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット端末装置等の他の情報処理装置に対しても同様に本発明を適用することができるものである。
【符号の説明】
【0056】
10 画像形成装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース(IF)
15 ユーザインタフェース(UI)装置
16 スキャナ
17 プリントエンジン
18 制御バス