特許第6758646号(P6758646)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6758646
(24)【登録日】2020年9月4日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】連結装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/40 20060101AFI20200910BHJP
   F16B 7/20 20060101ALI20200910BHJP
【FI】
   B29C45/40
   F16B7/20 A
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-227378(P2016-227378)
(22)【出願日】2016年11月23日
(65)【公開番号】特開2018-83337(P2018-83337A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2019年9月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】391003989
【氏名又は名称】株式会社コスメック
(72)【発明者】
【氏名】児嶋 良太
【審査官】 正 知晃
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/037091(WO,A1)
【文献】 特開2008−221390(JP,A)
【文献】 特開2003−251450(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/122039(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00−45/84
F16B 7/00− 7/22
F15B 15/00−15/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ロッド(3)に第2ロッド(4)を着脱可能に連結させる連結装置において、
前記第2ロッド(4)の先端部に形成される突出部(4b)が挿入可能となるように前記第1ロッド(3)に形成される装着孔(5)と、
前記第2ロッド(4)の基端部に設けられる駆動手段(11)によって軸方向へ移動されるように前記第2ロッド(4)内に挿入される出力部材(15)と、
前記第2ロッド(4)の前記突出部(4b)に周方向に所定の間隔をあけて半径方向に形成される貫通孔(25)に半径方向へ移動可能に挿入される係合部材(26)と、
前記係合部材(26)を前記第2ロッド(4)内の退入位置へ移動させることを許容する収容部(27)であって、前記出力部材(15)の先端部の外周に形成される収容部(27)と、
前記係合部材(26)を前記退入位置から前記第2ロッド(4)の外周面よりも外方の進出位置に移動させるように前記収容部(27)から軸方向に連続されるカム部(28)と、
前記係合部材(26)の前記進出位置から前記退入位置への移動を制限するように前記カム部(28)から軸方向に連続される支持部(29)と、
前記係合部材(26)が挿入可能となるように前記装着孔(5)の内周壁に形成される凹部(34)と、
前記出力部材(15)が所定位置に移動されたことを検出する検出手段(38)であって、前記第2ロッド(4)の基端部に設けられる検出手段(38)と、を備える、
ことを特徴とする連結装置。
【請求項2】
請求項1の連結装置において、
前記第2ロッド(4)に軸方向に形成された筒孔(14)に前記出力部材(15)が軸方向へ移動可能に挿入され、
前記第2ロッド(4)の先端壁(31)の前記筒孔(14)側に係止部(32)が形成され、
前記係止部(32)に当接可能な係合部(33)が前記出力部材(15)の先端部に形成され、
前記係止部(32)を含む前記第2ロッド(4)の前記突出部(4b)が欠損された状態で、前記出力部材(15)が先端側にロック駆動されるときに、前記係合部(33)が前記係止部(32)に当接される位置よりも先端側の所定位置に前記出力部材(15)が移動されることが、オーバーストローク位置検出用の前記検出手段(38)によって検出される、
ことを特徴とする連結装置。
【請求項3】
請求項1の連結装置において、
前記出力部材(15)が前記第2ロッド4の前記突出部4bの先端面より先端側へ突出可能となっており、
前記装着孔(5)の底壁(35)に形成される係止部(32)に、前記出力部材(15)の先端部に形成される係合部(33)が当接可能となっており、
前記係合部(33)が前記係止部(32)に当接されたときに、前記出力部材(15)が先端側の所定位置に移動されたことが、ロック位置検出用の前記検出手段(38)によって検出される、
ことを特徴とする連結装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数のエジェクタロッドを着脱可能に連結する連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の連結装置には、従来では、特許文献1(日本国・特開昭62−33055号公報)に記載されたものがある。その従来技術は、次のように構成されている。
上記の連結装置では、円柱状の第1ロッド(エジェクタロッド)が、第2ロッド(別のエジェクタロッド)に形成された装着孔に外嵌めされる。第2ロッドの右端部に設けられた流体圧シリンダの出力ロッドが第2ロッド内に左方へ突設される。その出力ロッドの左端部に楔部材が装着される。その楔部材の楔面に左方から係合される係合部材が、装着孔の内周壁に半径方向に移動可能に挿入される。その係合部材の内側壁が第1ロッドの外周壁に係合される。そして、流体圧シリンダを左方にロック駆動させると、楔部材が係合部材を介して第1ロッドの外周部を半径方向の内方へ押圧して、第1ロッドに第2ロッドが連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−33055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来技術は次の問題がある。
上記の従来技術は、連結装置の作動状態を検知できないという問題があった。
本発明の目的は、連結装置の作動状態を検知できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明は、例えば、図1Aから図2,または図3Aから図5Bに示すように、連結装置を次のように構成した。
上記の連結装置は、第1ロッド3に第2ロッド4を着脱可能に連結させるように構成される。前記第1ロッド3に形成される装着孔5に、前記第2ロッド4の先端部に形成される突出部4bが挿入可能となっている。前記第2ロッド4の基端部に駆動手段11が設けられる。前記第2ロッド4内に挿入される出力部材15が、駆動手段11によって軸方向へ移動される。前記第2ロッド4の前記突出部4bに貫通孔25が周方向に所定の間隔をあけて半径方向に形成される。前記貫通孔25に係合部材26が半径方向へ移動可能に挿入される。前記出力部材15の先端部の外周に収容部27が形成される。前記係合部材26を前記第2ロッド4内の退入位置へ移動させることを収容部27が許容する。前記収容部27から軸方向に連続されるカム部28が、前記係合部材26を前記退入位置から前記第ロッド4の外周面よりも外方の進出位置に移動させる。前記カム部28から軸方向に連続される支持部29が、前記係合部材26の前記進出位置から前記退入位置への移動を制限する。前記装着孔5の内周壁に形成される凹部34に、前記係合部材26が挿入可能となっている。前記第2ロッド4の基端部に検出手段38が設けられる。前記出力部材15が所定位置に移動されたことが、検出手段38によって検出される。
【0006】
上記の本発明は次の作用効果を奏する。
本発明の連結装置の出力部材が所定位置に移動されたことが、検出手段によって確実に検出される。これにより、連結装置の作動状態が検知される。
【0007】
本発明は、下記(1)および(2)の構成を加えることが好ましい。
(1)前記第2ロッド4に筒孔14が軸方向に形成され、その筒孔14に前記出力部材15が軸方向に移動可能に挿入される。前記第2ロッド4の先端壁31の前記筒孔14側に係止部32が形成される。前記係止部32に当接可能な係合部33が前記出力部材15の先端部に形成される。前記係止部32を含む前記第2ロッド4の前記突出部4bが欠損された状態で、前記出力部材15が先端側にロック駆動される。すると、前記係合部33が前記係止部32に当接される位置よりも先端側の所定位置に前記出力部材15が移動される。このとき、出力部材が所定位置に移動されたことが、オーバーストローク位置検出用の前記検出手段38によって検出される。
この場合、出力部材が所定位置(オーバーストローク位置)に移動されることが、検出手段によって確実に検出される。これにより、第2ロッドの先端部が破損された異常状態であることが検知される。
【0008】
(2)前記出力部材15が前記第2ロッド4の前記突出部4bの先端面より先端側へ突出可能となっている。前記装着孔5の底壁35に形成される係止部32に、前記出力部材15の先端部に形成される係合部33が当接可能となっている。前記係合部33が前記係止部32に当接されたときに、前記出力部材15が先端側の所定位置に移動されたことが、ロック位置検出用の前記検出手段38によって検出される。
この場合、第2ロッドの係合部が第1ロッドの係止部に当接されたときに、出力部材が所定のロック位置に移動されたことが、ロック位置検出用の検出手段によって確実に検出される。これにより、第1ロッドと第2ロッドとの連結された状態であることが検知される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1Aおよび図1Bは、本発明の第1実施形態を示し、連結装置を示す断面図である。図1Aは、連結装置の第1ロッドと第2ロッドとが離脱された状態を示す図である。図1Bは、連結装置の第1ロッドと第2ロッドとが連結された状態を示す図である。
図2図2は、本発明の連結装置を示し、図1Aに類似する図である。
図3図3Aおよび図3Bは、本発明の第2実施形態を示し、連結装置を示す断面図である。図3Aは、図1Aに類似する図である。図3Bは、図1Bに類似する図である。
図4図4は、上記の連結装置を示し、図2に類似する図である。
図5図5Aおよび図5Bは、上記の連結装置を示す断面視の部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1Aから図2は、本発明の第1実施形態を示している。この実施形態では、連結装置を射出成形機のエジェクタ装置に適用した場合を例示してある。 まず、その連結装置の構造を図1Aによって説明する。
上記の射出成形機の可動盤に固定される金型内に、押出し板1が水平方向に移動可能に挿入される。また、その可動盤に設けられるエジェクタ装置が、油圧シリンダによって水平方向へ移動される可動部材2を有する。本実施形態の連結装置は、押出し板1と可動部材2とを着脱可能に連結させる。
【0011】
上記の押出し板1の右側面から第1ロッド3が右方に突設され、可動部材2の左側面に第2ロッド4が左方に突設される。第2ロッド4は、右側から順に形成されるロッド本体4aとそのロッド本体4aよりも小径の突出部4bとを有する。また、第1ロッド3の右端面に装着孔5が右方に向けて開口される。その装着孔5に第2ロッド4の突出部4bが挿入可能となっている。
【0012】
上記の第2ロッド4のロッド本体4aの右端部に、駆動手段としてのエアシリンダ11が装着される。エアシリンダ11のハウジング12内にピストン(図示しない)が水平方向に移動可能に挿入される。そのピストンからピストンロッド13が左方に突設され、そのピストンロッド13がハウジング12の左端壁に保密状に挿入される。そのピストンロッド13が、第2ロッド4のロッド本体4aに水平方向に形成される筒孔14に挿入される。そのピストンロッド13の左側で筒孔14内に連結部材16が水平方向へ移動可能に挿入される。ピストンロッド13の左端部に形成されるT脚17が、連結部材16の右端部に形成されるT溝18に外嵌めされる。これにより、ピストンロッド13と連結部材16とが連結される。筒孔14内の左寄り部に操作部材20が挿入される。操作部材20の右端部に形成されるT脚22が、連結部材16の右端部に形成されるT溝21に挿入される。これにより、連結部材16と操作部材20とが連結される。
なお、本実施形態では、エアシリンダ11のピストンとピストンロッド13と連結部材16と操作部材20とによって出力部材15が構成される。
【0013】
上記の第2ロッド4の突出部4bの筒壁に4つの貫通孔25が周方向に所定の間隔をあけて半径方向に形成される。その貫通孔25に係合ボール(係合部材)26が半径方向へ移動可能に挿入される。操作部材20の左端部の外周で係合ボール26に対応する位置に退避溝が水平方向に形成され、その退避溝の底面に収容部27が形成される。その収容部27が、係合ボール26を第2ロッド4の外周面から半径方向の内方の退入位置へ移動させることを許容する。その収容部27の右側に連続するようにカム部28が操作部材20の左端部の外周に右方に向うにつれて軸心から遠ざかるように形成される。これにより、出力部材15が左方へ移動されたときに、カム部28が係合ボール26を前記の退入位置から第2ロッド4の外周面よりも半径方向の外方の進出位置に移動させる。また、カム部28の右側に連続するように支持部29が操作部材20の左端部の外周に形成される。その支持部29が、係合ボール26を上記の進出位置から上記の退入位置へ移動させるのを制限する。
【0014】
上記の第2ロッド4の左端壁(頂壁)31に係止部32が形成される。その係止部32に所定の間隔をあけて当接可能に対面される係合部33が、操作部材20の左端部に形成される。
【0015】
上記のエアシリンダ11のハウジング12の外周部に3つの非接触式の近接スイッチ(検出手段)38(第1スイッチ38a,第2スイッチ38b,第3スイッチ38c)が装着される。その近接スイッチ38が、エアシリンダ11のピストンの作動を検出する。第1スイッチ38aは、ピストンがハウジング12内の右側限界位置(リリース位置)に移動されたことを検出する。第2スイッチ38bは、出力部材15の係合部33が第2ロッドの先端壁の係止部32に当接される所定位置(ロック位置)にピストンが移動されたことを検出する。第3スイッチ38cは、前記のロック位置よりも左方の所定位置(オーバーストローク位置)にピストンが移動されたことを検出する。
【0016】
上記の連結装置は図1Aおよび図1Bに示すように、次のように作動する。
まず、図1Aの第1ロッド3と第2ロッド4とが離脱された状態では、第2ロッド4のシリンダ11によって出力部材15が右側限界位置(リリース位置)へ移動されている。このため、係合ボール26が収容部27に当接可能となっており、係合ボール26が半径方向の内方の退入位置へ移動することが許容されている。このとき、エアシリンダ11のピストンがリリース位置に移動されたことが、第1スイッチ38aによって検出される。これにより、連結装置の第1ロッド3と第2ロッド4とが離脱された状態であることが検知される。
【0017】
図1Aの離脱状態から図1Bの連結状態へ切換えるときには、エジェクタ装置の油圧シリンダによって可動部材2が押出し板1に向けて移動されていき、第1ロッド3の装着孔5に第2ロッド4の突出部4bが挿入される。次いで、エアシリンダ11によって出力部材15が左方へロック駆動されていくと、係合ボール26がカム面28によって突出部4bの外周面よりも半径方向の外方へ押し出される。すると、係合ボール26が第1ロッド3の凹部34に挿入されていく。引き続いて、出力ロッド15が左方にロック駆動されていくと、図1Bに示すように、出力部材15の支持部29が係合ボール26に当接可能となる。これにより、係合ボール26が進出位置から前記の退入位置へ移動することが支持部29によって制限される。さらに、出力部材15の左端部が第2ロッド4の左端壁31に受け止められる。これにより、可動部材2が連結装置の第1ロッド3と第2ロッド4とを介して押出し板1に連結される。このとき、エアシリンダ11のピストンがロック位置に移動されたことが、第1スイッチ38bによって検出される。これにより、連結装置の第1ロッド3と第2ロッド4とが連結された状態であることが検知される。
【0018】
図1Bの連結状態から図1Aの離脱状態へ切り換えるときには、エアシリンダ11によって出力部材11を右方へリリース駆動させる。これにより、連結装置は、上述した連結操作とはほぼ逆の手順で離脱状態へ切り換えられる。
【0019】
ところで、図2に示すように、係止部32を含む第2ロッド4の突出部4bの左側部分(欠損部分)39が、何らかの原因によって、破損(欠損)されることがある。この場合に、エアシリンダ11によって出力部材15が左方へロック駆動されるときに、その出力部材15が上記のロック位置を越えた左側位置(オーバーストローク位置)へ移動される。このとき、ピストンが上記オーバーストローク位置に移動されたことが第3スイッチ38cによって検出される。
【0020】
上記の第1実施形態は次の長所を奏する。
上記の第1実施形態では、連結装置の第2ロッド4の突起部4bが欠損(破損)されたことにより、ロック位置よりも左側のオーバーストローク位置に出力部材15が移動されたことが、第3近接スイッチ38cによって確実に検出される。これにより、連結装置の第2ロッド4の突出部4bが破損された異常状態であることが検知される。
【0021】
図3Aから図5Bは、本発明の第2実施形態を示している。この第2実施形態においては、上記の第1実施形態の構成部材と同じ部材(または類似する部材)には原則として同一の参照数字を付けて説明する。
【0022】
この第2実施形態が上記の第1実施形態と異なる点は次の通りである。
図3Aに示すように、第2ロッド4の頂壁31が省略され、第2ロッド4の先端面に筒孔14が左方に向けて開口されている。その筒孔14に出力部材15が水平方向に移動可能に挿入される。その出力部材15が第2ロッド4の突出部4bの左端面から左方へ突出可能となっている。また、第1ロッド3の装着孔5の底壁35に第1係止部32が形成され、その第1係止部(係止部)32に当接可能な第1係合部(係合部)33が操作部材20の左端部に形成される。
また、第1ロッド3の右端面に第2係止部40が形成され、その係止部40に当接可能な係合部41が、ロッド本体4aと突出部4bとの間の段差部に形成される。
【0023】
上記の連結装置は図3Aおよび図3Bに示すように、次のように作動する。
まず、図3Aの第1ロッド3と第2ロッド4とが離脱された状態では、第2ロッド4のシリンダ11によって出力部材15が右側限界位置(リリース位置)へ移動されている。このため、係合ボール26が収容部27に当接可能となっており、係合ボール26が半径方向の内方の退入位置へ移動されることが許容されている。このとき、エアシリンダ11のピストンがリリース位置に移動されたことが、第1スイッチ38aによって検出される。これにより、連結装置の第1ロッド3と第2ロッド4とが離脱された状態であることが検知される。
【0024】
図3Aの離脱状態から図3Bの連結状態へ切換えるときには、エジェクタ装置の油圧シリンダによって可動部材2が押出し板1に向けて移動されていき、第1ロッド3の装着孔5に第2ロッド4の突出部4bが挿入される。次いで、エアシリンダ11によって出力部材15が左方へロック駆動されていくと、係合ボール26がカム面28によって上記の退入位置から突出部4bの外周面よりも半径方向の外方の進出位置へ押し出される。すると、係合ボール26が第1ロッド3の凹部34に挿入されていく。引き続いて、出力ロッド15が左方にロック駆動されていくと、図1Bに示すように、出力部材15の支持部29が係合ボール26に当接可能となる。これにより、係合ボール26が上記の進出位置から上記の退入位置へ移動することが支持部29によって制限される。さらに、出力部材15の係合部33が第1ロッド3の係止部32に受け止められる。これにより、可動部材2が連結装置の第1ロッド3と第2ロッド4とを介して押出し板1に連結される。このとき、エアシリンダ11のピストンが所定のロック位置に移動されたことが、第1スイッチ38bによって検出される。これにより、連結装置の第1ロッド3と第2ロッド4とが連結された状態であることが検知される。
【0025】
図1Bの連結状態から図1Aの離脱状態へ切り換えるときには、エアシリンダ11によって出力部材11を右方へリリース駆動させる。これにより、連結装置は、上述した連結操作とはほぼ逆の手順で離脱状態へ切り換えられる。
【0026】
ところで、図4に示すように、第2ロッド4が第1ロッド3から離脱された状態で、エアシリンダ11の誤操作によって操作部材20が左方へ移動されたときに、操作部材20の左端部が第2ロッド4の左端面より左方へ突出される。このとき、エアシリンダ11のピストン(図示しない)が左側限界位置(オーバーストローク位置)に移動されたことが第3スイッチ38cによって検出される。その結果、連結装置の第1ロッド3と第2ロッド4とが離脱された状態であることが検知される。
【0027】
上記のエジェクタ装置は、図5Aおよび図5Bに示すように、次のように作動する。なお、図5Aは、連結装置の凹部34に破損が生じていない正常な状態のエジェクタ装置を示しており、図5Aのエジェクタ装置は、連結装置の凹部34が破損している状態のエジェクタ装置を示している。
まず、図5Aの正常状態のエジェクタ装置では、油圧シリンダによって可動部材2が連結装置を介して押出し板1を左方へ押すときに、可動部材2が第2ロッド4を左方へ押す力が、ロッド本体4aと第2係合部41と第2係止部40と第1ロッド3とを介して押出し板1に伝達される。これにより、押出し板2が左方へ移動されていく。
また、エジェクタ装置の油圧シリンダによって可動部材2が連結装置を介して押出し板1を右方へ引っ張るときには、可動部材2が第2ロッド4を右方へ引っ張る力が、第2ロッド4の貫通孔25の左側壁と係合ボール26と第1ロッド3の凹部34の右壁とを介して押出し板1に伝達される。これより、押出し板2が右方へ移動されていく。なお、第1ロッド3の第2係止部40と第2ロッド4の第2係合部41との間には、ほとんど隙間は生じていない。
【0028】
ところで、図5Bに示すように、第1ロッド3の凹部34の右壁部分43(図5B中の破線で示す部分)が、何らかの原因により、例えば、可動部材2が連結装置を介して押出し板1を想定を超える力で右方へ引っ張ったことにより、破損(欠損)されることがある。この場合、可動部材2を右方へ移動させると、その可動部材2が第2ロッド4の貫通孔25の左側壁と係合ボール26と第1ロッド3の凹部34の破損された右壁とを介して押出し板1を右方へ移動させる。このため、係合ボール26が、破損された凹部34に当接されるので、第1ロッドの第2係止部40と第2ロッド4の第2係合部41との間に隙間Lが生じる。すると、出力部材15と装着孔5の底壁35との間にも隙間Lが生じるので、出力部材15がエアシリンダ11によって所定のロック位置より左方へ距離Lだけ余計に移動される。このとき、出力部材15が所定のロック位置から左方へ距離Lだけ余計に移動されたことが、第3スイッチ38cによって検出される。これにより、連結装置の第1ロッドと第2ロッドとが離間された状態であることが検知される。
【0029】
上記の第2実施形態は次の長所を奏する。
本実施形態では、この場合、第2ロッド4の係合部33が第1ロッド3の係止部32に当接されたときに、出力部材15が所定のロック位置に移動されたことが、ロック検出用の検出手段38bによって確実に検出される。これにより、第1ロッド3と第2ロッド4との連結された状態であることが検知される。
【0030】
上記の各実施形態は次のように変更可能である。
上記の駆動手段は、例示したエアシリンダ11に代えて、油圧シリンダや電動アクチュエータであってもよい。
上記の操作部材20に収容部27とカム部28と支持部29とが左側から順に形成されることに代えて、操作部材20に支持部29とカム部28と収容部27とが左側から順に形成されてもよい。この場合、エアシリンダ11によって操作部材20を右側に移動させるときに、カム面12が係合ボール26を半径方向の外方に押出す。また、操作部材20を左側に移動させるときに、係合ボール26の半径方向の内方への移動が許容される。
上記の係合部材は、球状の係合ボール26に限られず、他の形状、例えば、円柱形のコロ等であってもよい。
上記の検出手段38は、例示した非接触式の近接スイッチに代えて、他の非接触式のスイッチ、例えば、磁気検出式のスイッチ等や、接触式のリミットスイッチであってもよい。さらには、電気式のスイッチではなく、半導体素子などを用いた電子式のスイッチであってもよい。また、検出手段38がエアシリンダ11のハウジング12の外周に3つ備えられることに限られず、1又は2つでもよく、また、4つ以上であってもよい。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。
【符号の説明】
【0031】
3:第1ロッド,4:第2ロッド,4b:突出部,5:装着孔,11:駆動手段(エアシリンダ),14:筒孔,15:出力部材,25:貫通孔,26:係合部材(係合ボール),27:収容部,28:カム部,29:支持部,31:先端壁(頂壁),32:係止部(第1係止部),33:係合部(第1係合部),34:凹部,35:底壁,38:検出手段(第1スイッチ,第2スイッチ,第3スイッチ).
図1
図2
図3
図4
図5