(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記挿入部は、前記側壁部の下辺部から下方に延びる弾性片と、前記弾性片の側方において前記弾性片に沿って延びる保護部とを備え、前記係止部が前記弾性片に設けられる構成において、
前記係止部は爪形状をなし、前記係止部のうち前記被係止部と係止される係止面の反対面側には、前記係止面に対して傾斜して延びる傾斜部が設けられ、前記傾斜部において、前記第1当接部、及び、前記第2当接部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器。
前記底壁構成部は、容器が設置面に設置された場合に当該設置面に接地する略矩形板状の底壁部と、前記底壁部の各側辺部から上方に延びる縦壁部と、前記縦壁部の上辺部から外方に突出する受フランジ部とを備え、
前記受フランジ部において前記被挿入部の前記挿入口が設けられ、前記側壁部の下辺部が前記受フランジ部の上面に支持される構成において、
前記底壁部を外方に延長させるようにして、前記縦壁部よりも外方に突出する底フランジ部を備え、
前記被挿入部のうち、前記第2挿入部が挿入される前記被挿入部を構成する挿入壁部は、前記受フランジ部と、前記底フランジ部との間を連結するようにして設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、底壁構成部と、側壁部とを組立てて使用する容器の組立作業に関し、より一層の作業性の向上が求められている。
【0005】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、組立作業性の向上を図ることのできる容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0007】
手段1.平面視略矩形状の底壁構成部と、
前記底壁構成部の各側辺部の上方に立設される側壁部とを備え、
前記側壁部は、下辺部から下方に突出する複数の挿入部を備え、
前記底壁構成部は、上方に開口し、前記各挿入部を挿入可能な複数の被挿入部を備え、
前記挿入部は、係止部を備え、
前記被挿入部は、前記係止部と係止状態とされる被係止部を備え、
前記側壁部のうち少なくとも一つの側壁部に関し、当該側壁部に設けられる前記複数の挿入部として、第1挿入部と、前記第1挿入部よりも前記側壁部からの突出長の長い第2挿入部とを備え、
前記底壁構成部は、
前記第1挿入部が前記被挿入部に挿入される際に、前記第1挿入部の前記係止部である第1係止部の第1当接部と当接し、前記第1係止部を変位させる第1被当接部と、
前記第2挿入部が前記被挿入部に挿入される際に、前記第2挿入部の前記係止部である第2係止部の第2当接部と当接し、前記第2係止部を変位させる第2被当接部とを備え、
前記第1挿入部、及び、前記第2挿入部を備える前記側壁部と、前記底壁構成部の対応する側辺部とを上下に平行に配置した場合に、
前記第1挿入部の下端部と、対応する前記被挿入部の挿入口との間の距離と、前記第2挿入部の下端部と、対応する前記被挿入部の挿入口との間の距離とが異なり、かつ、
前記第1当接部と、前記第1被当接部との間の距離と、前記第2当接部と、前記第2被当接部との間の距離とが同じとなるように構成されていることを特徴とする容器。
【0008】
手段1によれば、側壁部は、その下辺部において、下方への突出長の異なる第1挿入部、及び、第2挿入部を備えており、側壁部を底壁構成部に取付ける場合に、先ず、第2挿入部の先端(下端)が対応する被挿入部に挿入され、その後、第1挿入部の先端が対応する被挿入部に挿入されることとなる。このため、側壁部の複数の挿入部を、底壁構成部の複数の被挿入部に挿入させる作業に際して、複数の挿入部のうち被挿入部に対して最初に挿入させる挿入部が第2挿入部に限定され、被挿入部に対して最初に、(ほぼ)同時に挿入させる挿入部の数を低減させることができる。従って、側壁部に設けられた挿入部の数が多く、当該側壁部を底壁構成部に取付ける際に、その全ての挿入部を、対応する被挿入部と位置合わせし、(ほぼ)同時に挿入させるといった構成に比べ、作業性の向上を図ることができる。特に、第2挿入部は第1挿入部よりも下方に突出していることから、側壁部の底壁構成部への取付作業に際し、第2挿入部を対応する被挿入部に位置合わせすればよいことを認識し易くするとともに、位置合わせして挿入する作業を比較的容易に行うことができる。さらに、第2挿入部の先端が被挿入部に挿入された後は、第2挿入部をそのまま被挿入部の奥へと挿入させることで、第1挿入部と、対応する被挿入部との位置関係を余り意識しなくても、スムースに第1挿入部を対応する被挿入部に挿入させることができる。結果として、容器の組立作業性の向上等を図ることができる。
【0009】
また、側壁部を底壁構成部に取付ける際に、第1挿入部、及び、第2挿入部の第1係止部、及び、第2係止部が、第1当接部、及び、第2当接部において、底壁構成部の第1被当接部、及び、第2被当接部と当接することとなる(第1係止部、及び、第2係止部が、第1被当接部、及び、第2被当接部を乗り越えて、被係止部に係止される格好となる)。本手段によれば、側壁部を、底壁構成部の対応する側辺部の上方において平行に配置した場合、第1当接部と第1被当接部との間の距離と、第2当接部と第2被当接部との間の距離とが同じとなるように構成されている。このため、側壁部を、底壁構成部の対応する側辺部の上方において平行に配置し、そのまま下降させて挿入部を被挿入部に挿入させることで、第1当接部と、第1被当接部とが当接するタイミングと、第2当接部と、第2被当接部とが当接するタイミングとを一致させることができる。従って、側壁部を底壁構成部に取付ける際に、側壁部と底壁構成部との間のファーストコンタクトとして各係止部が底壁構成部から受ける応力を、当該側壁部に設けられた全ての係止部に分散させることができる。結果として、側壁部を底壁構成部に取付ける作業に際しての係止部等の損傷リスクを低減させることができる。
【0010】
尚、「前記複数の被挿入部の前記挿入口の高さ位置はいずれも同じであること」としてもよい。この場合、底壁構成部のうち挿入口が形成される面、すなわち、側壁部の下辺部との当接面を平坦面とすることができる。従って、例えば、底壁構成部のうち挿入口の形成面が凸凹する場合に比べ、底壁構成部と、側壁部との間に隙間が形成されるといった事態を飛躍的に低減させることができる。
【0011】
手段2.前記第1当接部の高さ位置と、前記第2当接部の高さ位置とが同じであり、
前記第1被当接部の高さ位置と、前記第2被当接部の高さ位置とが同じであることを特徴とする手段1に記載の容器。
【0012】
手段2によれば、第1被当接部、及び、第2被当接部の高さ位置を揃えることができ、底壁構成部の形状の複雑化を抑制することができる。さらに、第1当接部、及び、第2当接部の高さ位置を揃えることができ、底壁部の下辺部が略水平方向に延びる場合、第1挿入部、及び、第2挿入部の付根部から第1当接部、及び、第2当接部までの間の長さを揃えることができる。従って、例えば、第1挿入部、及び、第2挿入部の付根部から第1当接部、及び、第2当接部までの間の長さが異なることに起因して、当該部位の変形し易さ等に差異が生じ、側壁部を底壁構成部に取付ける際に、当該側壁部に設けられた係止部が底壁構成部から受ける応力を当該側壁部に設けられた全ての係止部に(ほぼ均等に)分散させるといった作用効果が薄れてしまうといった事態を回避することができる。
【0013】
手段3.前記挿入部は、前記側壁部の下辺部から下方に延びる弾性片と、前記弾性片の側方において前記弾性片に沿って延びる保護部とを備え、前記係止部が前記弾性片に設けられる構成において、
前記係止部は爪形状をなし、前記係止部のうち前記被係止部と係止される係止面の反対面側には、前記係止面に対して傾斜して延びる傾斜部が設けられ、前記傾斜部において、前記第1当接部、及び、前記第2当接部が設けられていることを特徴とする手段1又は2に記載の容器。
【0014】
手段3によれば、係止部が設けられた弾性片から独立して設けられた保護部により、弾性片の保護を図るとともに、挿入部を被挿入部に挿入する作業に際しての底壁構成部に対する側壁部の位置決めをより確実、かつ、スムースに行うことができる。また、第1当接部、及び、第2当接部が傾斜部において設けられているため、第1当接部、及び、第2当接部が第1被当接部、及び、第2被当接部と当接した後、弾性片を比較的スムースに弾性変形させることができ、係止部が第1被当接部、及び、第2被当接部を相対的に乗り越えられるように、係止部を比較的スムースに変位させることができる。
【0015】
手段4.前記底壁構成部は、容器が設置面に設置された場合に当該設置面に接地する略矩形板状の底壁部と、前記底壁部の各側辺部から上方に延びる縦壁部と、前記縦壁部の上辺部から外方に突出する受フランジ部とを備え、
前記受フランジ部において前記被挿入部の前記挿入口が設けられ、前記側壁部の下辺部が前記受フランジ部の上面に支持される構成において、
前記底壁部を外方に延長させるようにして、前記縦壁部よりも外方に突出する底フランジ部を備え、
前記被挿入部のうち、前記第2挿入部が挿入される前記被挿入部を構成する挿入壁部は、前記受フランジ部と、前記底フランジ部との間を連結するようにして設けられていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の容器。
【0016】
手段4によれば、第2挿入部が挿入される被挿入部を構成する挿入壁部により、受フランジ部と、底フランジ部との間が連結されていることから、受フランジ部、底フランジ部、及び、第2挿入部が挿入される被挿入部(挿入壁部)の剛性を相乗的に高めることができる。従って、受フランジ部、底フランジ部、及び、第2挿入部が挿入される被挿入部(挿入壁部)の変形、及び、損傷を抑止することができる。特に、底フランジ部は、底壁部を外方へ延長させるようにして設けられ、例えば、容器が床面等の設置面に設置された場合に、底壁部とともに設置面に接地することとなる。このため、受フランジ部が、第2挿入部を備える側壁部から加重を受けた場合に、設置面に支持される底フランジ部と、挿入壁部とが協働して、受フランジ部をより確実に支持する(受フランジ部の変形等を防止する)ことができる。その一方で、底フランジ部が設置面からの加重を受けた場合には、挿入壁部、及び、受フランジ部が協働し、底フランジ部の変形等を防止することができる。
【0017】
また、例えば、挿入壁部を、受フランジ部と、底フランジ部との間を連結するようにして設ける構成を省略する代わりに、同等の強度アップを図ることのできる補強用のリブを別途設ける場合に比べ、底壁構成部の外周面側の構成の簡素化を図ることができる。さらに、底壁構成部の外周面(縦壁部の外面)に対し、所定の情報を有する情報部(印刷面、カードホルダ設置部等)を設けるスペースを確保し易くすることができる。
【0018】
尚、底フランジ部が設けられることにより、容器の接地面積を増やすことができ、設置状態の安定化を図ることができる。特に、第2挿入部を備える側壁部に下向きの力が作用した場合に、容器が傾いてしまうといった事態をより確実に防止することができる。
【0019】
手段5.前記側壁部に設けられた複数の前記挿入部のうち、前記側壁部の両側部、又は、その近傍位置に設けられる前記挿入部である端部挿入部は前記第1挿入部として構成され、
前記底壁構成部の下面には、前記端部挿入部が挿入される前記被挿入部の下方位置において段積み凹部が設けられ、
前記側壁部の上面には、前記端部挿入部の上方位置において設けられ、容器同士を上下に重ねた場合に、上側の容器の前記段積み凹部に挿入される段積み凸部が設けられていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の容器。
【0020】
手段5によれば、底壁構成部の下面側に段積み凹部が設けられ、容器同士を上下に重ねる(段積みする)場合に、上側の容器の段積み凹部に対し、下側の容器の段積み凸部が挿入されるようになっている。これにより、上側の容器の底壁構成部のうち段積み凹部が形成された範囲の部位を、下側の容器の側壁部の内側に挿入させることができる。従って、容器を安定して段積みすることができ、運搬・保管効率の向上を図ることができる。
【0021】
また、側壁部の両端部、又は、その近傍位置に設けられる挿入部は第1挿入部であるため、底壁構成部の高さが低い場合であっても、側壁部の両端部、又は、その近傍位置に対し、第1挿入部を挿入する被挿入部の下方位置に、段積み凹部を形成することができる。さらに、例えば、第1挿入部及び第2挿入部が設けられた側壁部の横幅方向中央部に対応して段積み凸部が設けられる場合に比べ、段積みに関する構成を好適に設けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1、
図3、
図4等に示すように、容器1は、平面視略矩形状の底壁構成部2と、底壁構成部2の相対する一対の長側辺部の上方に立設される長辺側側壁部3と、底壁構成部2の相対する一対の短側辺部の上方に立設される短辺側側壁部4とを備えている。底壁構成部2、長辺側側壁部3、及び、短辺側側壁部4は、それぞれ別体として構成され、底壁構成部2に対し、長辺側側壁部3、及び、短辺側側壁部4が着脱自在に構成されている。本実施形態では、底壁構成部2、長辺側側壁部3、及び、短辺側側壁部4は、ポリプロピレンにより構成されている。
【0024】
図5、
図11、
図13等に示すように、各長辺側側壁部3は、正面視略矩形状の長辺側ベース部11と、長辺側ベース部11の下辺部から下方に突出する長辺側挿入部12と、長辺側ベース部11の側辺部から側方に突出する係合突部13と、長辺側ベース部11の上辺部の両端部から上方に突出する長辺側凸部14とを備えている。本実施形態では、各長辺側側壁部3において、長辺側挿入部12が、長辺側ベース部11の両側部と、その中間位置とにおいて、4つ設けられている。また、長辺側側壁部3、及び、短辺側側壁部4の下辺部の下面は略水平方向に延びている。
【0025】
図12等に示すように、各長辺側挿入部12は、長辺側ベース部11の下辺部から下方に延び、長辺側側壁部3の厚み方向において弾性変形可能な弾性片16と、弾性片16の先端部、又は、その近傍位置から外方に突出するメイン係止部17と、弾性片16の先端部から両側方に突出する左右一対のサブ係止部18とを具備する弾性係止片15と、弾性係止片15の両側方において、弾性片16に沿って延びる左右一対の柱部20と、一対の柱部20の先端部間を連結する横架部21とを具備し、前記弾性係止片15を囲うようにして設けられる略コ字状の保護部19とを備えている。
【0026】
メイン係止部17は爪形状をなし、メイン係止部17のうち詳しくは後述するメイン被係止部47と係止されるメイン係止面17aは、弾性片16の外面に対して略直交して延びている(
図7等参照)。また、
図5等に示すように、メイン係止部17の横幅は、弾性片16の横幅と同じとなっている。さらに、
図7、
図12等に示すように、メイン係止部17のうち、メイン係止面17aの反対面側には、メイン係止面17aに対して傾斜して延びる傾斜部17bが設けられている。
【0027】
これに対し、
図12等に示すように、サブ係止部18の先端面(下面)は、弾性片16の外面に対して略直交して延びている。また、
図5に示すように、メイン係止面17aは、サブ係止部18のうち詳しくは後述するサブ被係止部48と係止されるサブ係止面18aよりも若干上方に位置している。尚、サブ係止面18aは、長辺側側壁部3の内面側の部位が、若干下方傾斜している(
図20参照)。
【0028】
図12、
図15等に示すように、柱部20の長辺側ベース部11からの延出長は、弾性片16の長辺側ベース部11からの延出長よりも長く、横架部21は、弾性係止片15よりも下方に位置している。さらに、
図7、
図9等に示すように、長辺側側壁部3の厚み方向において、柱部20の外面と、弾性片16の外面とが同じ位置となるように構成されている。このため、弾性係止片15のうちメイン係止部17のみが、柱部20よりも外方に突出するような格好となっている。加えて、長辺側側壁部3の厚み方向において、柱部20の幅は、弾性片16の幅よりも大きく構成され、詳しくは後述するように、長辺側挿入部12を底壁構成部2の被挿入部45に挿入する際に弾性片16が弾性変形した状態であっても、弾性片16が、柱部20の厚みの範囲内に収まるように構成されている。
【0029】
また、長辺側側壁部3の厚み方向において、保護部19の外面は、長辺側ベース部11の外面よりも内方(長辺側側壁部3の内面側)に位置し、保護部19の内面は、長辺側ベース部11の内面よりも外方(長辺側側壁部3の外面側)に位置している。さらに、長辺側側壁部3の厚み方向において、横架部21の外面は、弾性変形していない状態の弾性片16の内面と同じ位置、又は、若干内方に位置している。
【0030】
保護部19の左右一対の柱部20は、その付根部(長辺側ベース部11との連結部位)において、一対の柱部20が互いに離間する方向に傾斜して延びている。さらに、柱部20のうち弾性係止片15側の内側側面と、長辺側ベース部11の下辺部との間を斜めに連結する補助支持部20aと、補助支持部20aと柱部20の付根部との間を連結する耐力壁部20bとが設けられている。尚、弾性係止片15と、保護部19とは、弾性係止片15が弾性変形していない状態、及び、弾性変形した状態のいずれにあっても、接触しないように構成されている。
【0031】
図4、
図14、
図15等に示すように、各短辺側側壁部4は、正面視略矩形状の短辺側ベース部31と、短辺側ベース部31の両側辺部から内方に突出する左右一対の連結壁部32とを備え、平面視略コ字状をなしている。また、各短辺側側壁部4は、短辺側ベース部31の下辺部から下方に突出する短辺側挿入部33を備えている。本実施形態では、各短辺側側壁部4において、短辺側挿入部33が、各連結壁部32よりも短辺側ベース部31の横幅方向中央部側において2つ設けられている。尚、短辺側挿入部33についても、長辺側挿入部12と同様の構成を具備している。
【0032】
さらに、容器1の組立状態において長辺側側壁部3の側面と当接状態とされる各連結壁部32の先端面側には、長辺側側壁部3の係合突部13と係合される係合凹部34が設けられている。また、
図2、
図5に示すように、容器1の組立状態において、短辺側側壁部4の短辺側ベース部31の上辺部の上面は、長辺側側壁部3の長辺側凸部14の上面よりも若干(例えば、0.5mm程度)上方に位置しており、連結壁部32の上面は、短辺側ベース部31の上面と、長辺側凸部14の上面との間を連続させるようにして傾斜している。特に、本実施形態では、連結壁部32の上面の傾斜が2段階となっており、短辺側ベース部31側の部位は、長辺側凸部14側の部位よりも、短辺側ベース部31の上面に対する傾きが小さくなっている。
【0033】
また、
図2、
図15に示すように、短辺側側壁部4には、連結壁部32の内面を構成する壁部を、連結壁部32の先端面から長辺側側壁部3側に突出させるようにして縦長突条部35が設けられている。これに対し、
図2、
図13に示すように、長辺側側壁部3の側面には、容器1が組立てられ、短辺側側壁部4の連結壁部32の先端面と当接状態とされた場合に、縦長突条部35が挿入される縦長切欠き部22が設けられている。このように、長辺側側壁部3と、短辺側側壁部4との合わせ面において、縦長突条部35及び縦長切欠き部22が設けられることにより、長辺側側壁部3と、短辺側側壁部4との間の隙間が塞がれることとなる。尚、
図2に示すように、縦長突条部35の上端部に関しては、縦長切欠き部22を構成するリブ等との接触を回避して損傷等を抑止するべく、斜めに切欠かれた形状とされている。加えて、
図1等に示すように、短辺側ベース部31の上部には持ち手孔36が設けられており、短辺側ベース部31のうち持ち手孔36の上方部位を手で握って容器1を持ち運ぶことができるように構成されている。
【0034】
図16、
図18等に示すように、底壁構成部2は、容器1が設置面に設置された場合に当該設置面に接地する略矩形板状の底壁部41と、底壁部41の各側辺部から上方に延びる縦壁部42と、縦壁部42の上辺部から外方に突出する受フランジ部43と、縦壁部42の下辺部に沿って縦壁部42の外方に突出する下フランジ部44とを備えている。
【0035】
また、受フランジ部43と、下フランジ部44との間には、側壁部3、4の挿入部12、33が挿入される被挿入部45が設けられている。本実施形態では、受フランジ部43において被挿入部45の挿入口46が設けられ、
図7、
図9等に示すように、挿入口46を介して挿入部12、33が被挿入部45に挿入されるとともに、側壁部3、4(長辺側ベース部11、及び、短辺側ベース部31)の下辺部が、受フランジ部43の上面に支持されるように構成されている。
【0036】
また、
図16に示すように、被挿入部45は、各側壁部3、4に設けられた複数の挿入部12、33に個別に対応して設けられており、底壁構成部2の各長側辺部に対応して被挿入部45が4つずつ設けられ、底壁構成部2の各短側辺部に対応して被挿入部45が2つずつ設けられている。本実施形態では、受フランジ部43の上面は平坦面であり、全ての被挿入部45の挿入口46が同じ高さ位置となるように構成されている。
【0037】
被挿入部45は、側壁部3、4のメイン係止部17と係止状態とされるメイン被係止部47と、側壁部3、4のサブ係止部18と係止状態とされるサブ被係止部48とを備えている。より具体的に説明すると、
図3等に示すように、各被挿入部45は、挿入口46の左右両側方位置において、受フランジ部43の下面と、下フランジ部44の上面と、縦壁部42の外面との間を連結する左右一対の横壁部49と、左右一対の横壁部49のうち底壁構成部2の外周側の端部と、受フランジ部43の下面と、下フランジ部44の上面との間を連結する外壁部50とを備えている。尚、
図5、
図8等に示すように、外壁部50は、板状部51と、板状部51の外面側において受フランジ部43等よりも外方に突出しないように設けられた格子状の補強リブ52とを備えている。本実施形態では、横壁部49、及び、外壁部50により挿入壁部が構成されている。
【0038】
さらに、
図5、
図8等に示すように、外壁部50には、係止孔53が設けられており、係止孔53の上縁部(板状部51の開口縁及び補強リブ52)により、メイン被係止部47が構成されている。
図5、
図6に示すように、係止孔53の横幅は、メイン係止部17の横幅よりも広く構成されており、係止孔53の横幅方向略中央部において、メイン係止部17がメイン被係止部47と係止されるようになっている(係止孔53の上縁部のうち横幅方向中央部を含む部位がメイン被係止部47として構成されている)。また、容器1の組立状態では、係止孔53を介してサブ係止部18を視認可能に構成されている。
【0039】
加えて、
図5、
図17等に示すように、係止孔53の上縁部のうちメイン係止部17が係止される部位(メイン被係止部47)の両側方位置には、外壁部50の板状部51の内面から突出する左右一対のサブ被係止部48が設けられている。つまり、係止孔53を介して視認されるサブ係止部18の上面(サブ係止面18a)が、サブ被係止部48の下面に係止状態とされる。また、
図8、
図20等に示すように、サブ被係止部48の下面(被係止面)は、底壁構成部2の内周側に向けて若干下方傾斜している。上記のように、サブ係止部18の上面(サブ係止面18a)のうち側壁部3、4の内面側の部位においても、側壁部3、4の内面側に向けて下方傾斜していることから、サブ係止面18aと、サブ被係止部48とが圧接した場合に、サブ係止部18がサブ被係止部48から外れ難くなっている。また、サブ被係止部48のうち、被係止面とは反対側の面(上面)は、底壁構成部2の内周側に向けて、前記被係止面よりも大きく下方傾斜している。
【0040】
加えて、
図7、
図8、
図17等に示すように、被挿入部45には、縦壁部42から突出して上下に延び、被挿入部45に挿入された挿入部12、33の保護部19と当接可能な位置決め調整部54が設けられている。尚、縦壁部42のうち被挿入部45を構成する面は、下方に向けて外方に若干傾斜して延びており、位置決め調整部54(特に、保護部19との当接面)についても、下方に向けて外方に若干傾斜して延びている。このため、被挿入部45に挿入される挿入部12、33は、位置決め調整部54によって外方(外壁部50側)に案内されるようになっている。
【0041】
また、
図5、
図16に示すように、底壁構成部2には、底壁構成部2の全周にわたり、縦壁部42を受フランジ部43よりも上方に突出させるようにして周状突条部55が設けられている。これに対し、
図7、
図8等に示すように、長辺側側壁部3、及び、短辺側側壁部4の下面には、容器1が組立てられ、受フランジ部43の上面と当接状態とされた場合に、周状突条部55が挿入される下部切欠き部23、37が設けられている。このように、長辺側側壁部3、及び、短辺側側壁部4と、底壁構成部2との合わせ面において、周状突条部55及び下部切欠き部23、37が設けられることにより、長辺側側壁部3、及び、短辺側側壁部4と、底壁構成部2との間の隙間が塞がれることとなる。
【0042】
容器1の組立作業は、先ず、長辺側側壁部3の長辺側ベース部11の下辺部と、底壁構成部2の受フランジ部43とが当接するまで、長辺側側壁部3の長辺側挿入部12を底壁構成部2の対応する被挿入部45に挿入させる。これにより、長辺側挿入部12のメイン係止部17、及び、サブ係止部18が、被挿入部45のメイン被係止部47、及び、サブ被係止部48に係止されるようになっている。また、この状態において、各長辺側挿入部12の保護部19は、各被挿入部45の外壁部50(板状部51)と、縦壁部42(位置決め調整部54)との間に挟まれるような格好で支持される。これにより、長辺側側壁部3は自立可能となっている。
【0043】
その後、長辺側側壁部3の係合突部13を係合凹部34に挿入させるようにして、短辺側側壁部4を長辺側側壁部3と係合させつつ、短辺側挿入部33を被挿入部45に挿入する。そして、短辺側ベース部31の下辺部と、底壁構成部2の受フランジ部43とが当接するまで、短辺側挿入部33を被挿入部45に挿入させることで、短辺側挿入部33のメイン係止部17、及び、サブ係止部18が、被挿入部45のメイン被係止部47、及び、サブ被係止部48に係止される。以上のようにして、容器1が組立てられるようになっている。
【0044】
さて、
図5、
図11等に示すように、本実施形態の長辺側側壁部3は、長辺側挿入部12として、第1挿入部61と、第1挿入部61よりも長辺側ベース部11からの突出長の長い第2挿入部64とを備えている。本実施形態では、4つの長辺側挿入部12のうち、長辺側側壁部3の両側部に設けられた一対の長辺側挿入部12(端部挿入部)が第1挿入部61として構成され、その間に設けられた2つの長辺側挿入部12が第2挿入部64として構成されている。
【0045】
また、本実施形態では、第1挿入部61、及び、第2挿入部64は、基本的に同様の構成を具備しているが、第2挿入部64の保護部19の柱部20が、第1挿入部61の保護部19の柱部20よりも長く構成されている。このため、長辺側側壁部3を底壁構成部2に取付ける際に、第2挿入部64(保護部19)の先端部が対応する被挿入部45(挿入口46)に挿入された後に、第1挿入部61(保護部19)の先端部が対応する被挿入部45(挿入口46)に挿入されるようになっている。
【0046】
その他、第1挿入部61と、第2挿入部64との間で、保護部19の横架部21の上下幅と、弾性片16の長さと、サブ係止部18の上下幅とが若干異なるものの、基本的に同様の形状を成している。特に、本実施形態では、第1挿入部61のメイン係止部17と、第2挿入部64のメイン係止部17とは、同じ形状であり、かつ、同じ高さ位置に設けられている。
【0047】
より具体的に、本実施形態では、
図8、
図10に示すように、第1挿入部61、及び、第2挿入部64を被挿入部45に挿入する際に、メイン係止部17の傾斜部17bにおいて、挿入口46の一部を画定する外壁部50の上辺部(内面と上面との境界部)と当接するように構成されている。そして、第1挿入部61のメイン係止部17(以下、「第1係止部62」とも称する)の傾斜部17bのうち外壁部50の上辺部と当接する部位(以下、「第1当接部63」とも称する)の高さ位置と、第2挿入部64のメイン係止部17(以下、「第2係止部65」とも称する)の傾斜部17bのうち外壁部50の上辺部と当接する部位(以下、「第2当接部66」とも称する)の高さ位置とが同じとなるように構成されている。尚、第1挿入部61が挿入される被挿入部45の外壁部50の上辺部(内面と上面との境界部)を「第1被当接部67」と称し、第2挿入部64が挿入される被挿入部45の外壁部50の上辺部(内面と上面との境界部)を「第2被当接部68」と称する。
【0048】
以上のような構成により、長辺側側壁部3を底壁構成部2に取付ける際に、
図5に示すように、長辺側側壁部3と、底壁構成部2の対応する長側辺部とを上下に(離間した状態で)平行に配置した場合には、第1挿入部61(保護部19)の下端部と、対応する被挿入部45の挿入口46との間の距離が、第2挿入部64(保護部19)の下端部と、対応する被挿入部45の挿入口46との間の距離よりも長くなる(
図5では、挿入口46が図示されないが、挿入口46は、受フランジ部43と同じ高さ位置に存在する)。その一方で、
図5、
図8、
図10に示すように、第1挿入部61の第1当接部63(第1係止部62の傾斜部17b)と、第1被当接部67(対応する被挿入部45の挿入口46)との間の距離と、第2当接部66(第2係止部65の傾斜部17b)と、第2被当接部68(対応する被挿入部45の挿入口46)との間の距離とが同じとなる。尚、本実施形態では、被挿入部45の挿入口46の高さ位置と、第1被当接部67の高さ位置と、第2被当接部68の高さ位置とが同じとなっている。
【0049】
また、第1挿入部61のメイン係止部17(第1係止部62)のメイン係止面17aと、第2挿入部64のメイン係止部17(第2係止部65)のメイン係止面17aとが同じ高さ位置となっている。加えて、サブ係止部18のサブ係止面18aの高さ位置についても、第1挿入部61と、第2挿入部64とで同じである。尚、
図11等に示すように、長辺側側壁部3の長辺側ベース部11のうち長辺側挿入部12と連結される下辺部は、長辺側側壁部3の長手方向に延びるリブ状に構成され、当該下辺部のうち第2挿入部64が設けられた部位の反対面側には、当該下辺部と、長辺側ベース部11の外面との間を連結する略三角形状の補助リブ24が設けられている。また、
図14等に示すように、短辺側側壁部4に設けられた2つの短辺側挿入部33については、どちらも第1挿入部61と同じ形状をなしている。
【0050】
図5、
図18等に示すように、底壁構成部2の下フランジ部44は、少なくとも第2挿入部64が挿入される被挿入部45が設けられた範囲において、底壁部41を外方に延長させるようにして設けられた底フランジ部69と、底壁構成部2の長側辺部の両端部、及び、短側辺部に対応して、底フランジ部69よりも上方位置において水平に延びる退避フランジ部70と、底フランジ部69と、退避フランジ部70との端部間を斜めに連結する連結部71とを備えている。当該構成により、退避フランジ部70及び連結部71の下面と、縦壁部42の外面との間に凹部(以下、「段積み凹部72」と称する)が設けられている。加えて、長辺側側壁部3の第1挿入部61が挿入される被挿入部45が設けられた範囲の下フランジ部44は、退避フランジ部70となっている。
【0051】
また、段積み凹部72(退避フランジ部70、及び、連結部71)の形成範囲は、短辺側側壁部4(短辺側ベース部31、及び、連結壁部32)の上面、及び、長辺側側壁部3の長辺側凸部14が延在する範囲と対応しており、
図19に示すように、組立状態にある容器1同士を上下に積み重ねる(段積みする)場合に、下側の容器1の短辺側側壁部4の上部、及び、長辺側凸部14が、上側の容器1の段積み凹部72に挿入されるようになっている。これにより、上側の容器1の下フランジ部44が、下側の容器1の側壁部3、4の上面に当接して支持される(
図21参照)とともに、
図20、
図21に示すように、上側の容器1の底壁構成部2のうち段積み凹部72が形成された範囲の部位が、下側の容器1の側壁部3、4の内側に挿入されることとなる。本実施形態では、短辺側側壁部4(短辺側ベース部31、及び、連結壁部32)の上部、及び、長辺側側壁部3の長辺側凸部14により、段積み凸部が構成されている。
【0052】
尚、底壁構成部2に立設された側壁部3、4は、略鉛直方向に延びており、底壁構成部2の縦壁部42を上方に延長させるようにして設けられた周状突条部55の内面の上縁部と、側壁部3、4の内面とは、略面一とされている。このため、容器1の段積み時に、上側の容器1の段積み凹部72における縦壁部42と、下側の容器1の側壁部3、4とが干渉しないように、
図2、
図20、
図21に示すように、側壁部3、4の内面のうち上部(内側に上側の容器1の底壁構成部2が挿入される部位)は、縦壁部42の厚み程度、容器1の外周側に変位させられた位置に設けられている。
【0053】
また、
図5等に示すように、底壁構成部2の底壁部41のうち長手方向両端部(短側辺部)は、底壁構成部2の外周側に向けて若干上方傾斜して延びている(テーパ状とされ、接地しない)。このため、例えば、容器1をローラコンベアに載せて搬送する場合に、容器1の長手方向を搬送方向と合わせることで、底壁構成部2と、ローラコンベアのローラとの干渉が抑制され、容器1のスムースな搬送が可能となる。
【0054】
以上詳述したように、本実施形態によれば、長辺側側壁部3は、その下辺部において、下方への突出長の異なる第1挿入部61、及び、第2挿入部64を備えており、長辺側側壁部3を底壁構成部2に取付ける場合に、先ず、第2挿入部64の先端(下端)が対応する被挿入部45に挿入され、その後、第1挿入部61の先端が対応する被挿入部45に挿入されることとなる。このため、長辺側側壁部3の複数の長辺側挿入部12(本例では4つ)を、底壁構成部2の複数の被挿入部45に挿入させる作業に際して、複数の長辺側挿入部12のうち被挿入部45に対して最初に挿入させる長辺側挿入部12が第2挿入部64に限定され、被挿入部45に対して最初に、(ほぼ)同時に挿入させる長辺側挿入部12の数を低減させることができる。従って、長辺側側壁部3に設けられた長辺側挿入部12の数が多く、当該長辺側側壁部3を底壁構成部2に取付ける際に、その全ての長辺側挿入部12を、対応する被挿入部45と位置合わせし、(ほぼ)同時に挿入させるといった構成に比べ、作業性の向上を図ることができる。特に、第2挿入部64は第1挿入部61よりも下方に突出していることから、長辺側側壁部3の底壁構成部2への取付作業に際し、第2挿入部64を対応する被挿入部45に位置合わせすればよいことを認識し易くするとともに、位置合わせして挿入する作業を比較的容易に行うことができる。さらに、第2挿入部64の先端が被挿入部45に挿入された後は、第2挿入部64をそのまま被挿入部45の奥へと挿入させることで、第1挿入部61と、対応する被挿入部45との位置関係を余り意識しなくても、スムースに第1挿入部61を対応する被挿入部45に挿入させることができる。結果として、容器1の組立作業性の向上等を図ることができる。
【0055】
また、長辺側側壁部3を底壁構成部2に取付ける際に、第1挿入部61、及び、第2挿入部64の第1係止部62、及び、第2係止部65が、第1当接部63、及び、第2当接部66において、底壁構成部2の第1被当接部67、及び、第2被当接部68と当接することとなる(第1係止部62、及び、第2係止部65が、第1被当接部67、及び、第2被当接部68を乗り越えて、メイン被係止部47に係止される格好となる)。本実施形態では、長辺側側壁部3を、底壁構成部2の対応する長側辺部の上方において平行に配置した場合、第1当接部63と第1被当接部67との間の距離と、第2当接部66と第2被当接部68との間の距離とが同じとなるように構成されている。このため、長辺側側壁部3を、底壁構成部2の対応する長側辺部の上方において平行に配置し、そのまま下降させて長辺側挿入部12を被挿入部45に挿入させることで、第1当接部63と、第1被当接部67とが当接するタイミングと、第2当接部66と、第2被当接部68とが当接するタイミングとを一致させることができる。従って、長辺側側壁部3を底壁構成部2に取付ける際に、長辺側側壁部3と底壁構成部2との間のファーストコンタクトとしてメイン係止部17が底壁構成部2から受ける応力を、長辺側側壁部3に設けられた全ての第1係止部62、及び、第2係止部65に分散させることができる。結果として、長辺側側壁部3を底壁構成部2に取付ける作業に際してのメイン係止部17(第1係止部62、及び、第2係止部65)等の損傷リスクを低減させることができる。
【0056】
加えて、複数の被挿入部45の挿入口46の高さ位置はいずれも同じとなるよう構成されている。このため、底壁構成部2のうち挿入口46が形成される面、すなわち、側壁部3、4の下辺部との当接面を平坦面とすることができる。従って、例えば、底壁構成部2のうち挿入口46の形成面が凸凹する場合に比べ、底壁構成部2と、側壁部3、4との間に隙間が形成されるといった事態を飛躍的に低減させることができる。
【0057】
また、第1挿入部61の第1係止部62の第1当接部63(傾斜部17b)の高さ位置と、第2挿入部64の第2係止部65の第2当接部66(傾斜部17b)の高さ位置とが同じであり、第1被当接部67(挿入口46の開口縁であって、外壁部50の上面と内面との境界部)の高さ位置と、第2被当接部68(挿入口46の開口縁であって、外壁部50の上面と内面との境界部)の高さ位置とが同じとなるように構成されている。このように、第1被当接部67、及び、第2被当接部68の高さ位置を揃えることで、底壁構成部2の形状の複雑化を抑制することができる。さらに、第1当接部63、及び、第2当接部66の高さ位置、ひいては、第1挿入部61の弾性片16の付根部、及び、第2挿入部64の弾性片16の付根部から、第1当接部63、及び、第2当接部66までの間の長さを揃えることができる。従って、例えば、第1挿入部61、及び、第2挿入部64の弾性片16の第1当接部63、及び、第2当接部66までの長さが異なることに起因して、各弾性片16の変形し易さ等に差異が生じ、長辺側側壁部3を底壁構成部2に取付ける際に、各第1係止部62、及び、第2係止部65が底壁構成部2から受ける応力を、長辺側側壁部3に設けられた全ての第1係止部62、及び、第2係止部65に(ほぼ均等に)分散させるといった作用効果が薄れてしまうといった事態を回避することができる。
【0058】
また、長辺側挿入部12、及び、短辺側挿入部33は、弾性係止片15と、弾性係止片15を囲むようにして設けられた保護部19とを備えており、保護部19により、弾性係止片15の保護を図るとともに、長辺側挿入部12、及び、短辺側挿入部33を被挿入部45に挿入する作業に際しての底壁構成部2に対する側壁部3、4の位置決めをより確実、かつ、スムースに行うことができる。さらに、第1当接部63、及び、第2当接部66が傾斜部17bにおいて設けられているため、第1当接部63、及び、第2当接部66が第1被当接部67、及び、第2被当接部68と当接した後、弾性片16を比較的スムースに弾性変形させることができ、第1係止部62及び第2係止部65(メイン係止部17)が第1被当接部67、及び、第2被当接部68を相対的に乗り越えられるように、第1係止部62及び第2係止部65を比較的スムースに変位させることができる。
【0059】
また、被挿入部45を構成する横壁部49、及び、外壁部50により、受フランジ部43と、下フランジ部44と、縦壁部42との間を連結されている。このため、受フランジ部43、下フランジ部44、及び、被挿入部45の剛性を相乗的に高めることができる。従って、受フランジ部43、下フランジ部44、及び、被挿入部45の変形、及び、損傷を抑止することができる。特に、下フランジ部44のうち、底壁部41を外方に延長させるようにして設けられた底フランジ部69は、容器1が床面等の設置面に設置された場合に、底壁部41とともに設置面に接地することとなる。このため、受フランジ部43が、長辺側側壁部3から加重を受けた場合に、設置面に支持される底フランジ部69と、第2挿入部64が挿入される被挿入部45の横壁部49及び外壁部50とが協働して、受フランジ部43をより確実に支持する(受フランジ部43の変形等を防止する)ことができる。その一方で、底フランジ部69が設置面からの加重を受けた場合には、第2挿入部64が挿入される被挿入部45の横壁部49及び外壁部50、及び、受フランジ部43が協働して、底フランジ部69の変形等を防止することができる。
【0060】
また、例えば、横壁部49、及び、外壁部50を、受フランジ部43と、下フランジ部44との間を連結するようにして設ける構成を省略する代わりに、同等の強度アップを図ることのできる補強用のリブを別途設ける場合に比べ、底壁構成部2の外周面側の構成の簡素化を図ることができる。さらに、底壁構成部2の外周面(縦壁部42の外面)に対し、所定の情報を有する情報部(印刷面、カードホルダ設置部等)を設けるスペースを確保し易くすることができる。尚、底フランジ部69が設けられることにより、容器1の接地面積を増やすことができ、設置状態の安定化を図ることができる。特に、長辺側側壁部3に下向きの力が作用した場合に、容器1が傾いてしまうといった事態をより確実に防止することができる。
【0061】
加えて、底壁構成部2の下面側において、長側辺部の両端部、及び、短側辺部に対応して、段積み凹部72が設けられ、容器1を段積みした場合に、上側の容器1の段積み凹部72に対し、下側の容器1の短辺側側壁部4(短辺側ベース部31及び連結壁部32)の上部、及び、長辺側凸部14が挿入されるようになっている。これにより、上側の容器1の底壁構成部2のうち段積み凹部72が形成された範囲の部位を、下側の容器1の側壁部3、4の内側に挿入させるとともに、上側の容器1の下フランジ部44を、下側の容器1の側壁部3、4の上面で確実に支持させることができる。従って、容器1を安定して段積みすることができ、運搬・保管効率の向上を図ることができる。
【0062】
また、長辺側側壁部3の両端部に設けられる長辺側挿入部12は第1挿入部61であるため、底壁構成部2の高さが低い場合であっても、底壁構成部2の長側辺部の両端部に対応して、第1挿入部61を挿入する被挿入部45の下方位置に、段積み凹部72を形成することができる。さらに、長辺側側壁部3の横幅方向中央部に長辺側凸部14が設けられる場合に比べ、段積みに関する構成を好適に設けることができる。加えて、底壁部41の下面の長手方向両端部をテーパ状に構成することも可能となる。
【0063】
さらに、第1挿入部61が挿入される被挿入部45の横壁部49及び外壁部50が、受フランジ部43と、退避フランジ部70との間を連結するようにして設けられることから、受フランジ部43、退避フランジ部70、及び、第1挿入部61が挿入される被挿入部45の横壁部49及び外壁部50の強度を相乗的に高めることができる。従って、容器1を段積みした場合に、段積み凹部72に対応する部位において、受フランジ部43、退避フランジ部70、及び、第1挿入部61が挿入される被挿入部45の横壁部49及び外壁部50が変形等してしまうといった事態を抑止することができる。
【0064】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0065】
(a)上記実施形態では、長辺側側壁部3の長辺側挿入部12が4つ設けられ、そのうち2つが第2挿入部64として構成され、短辺側側壁部4の短辺側挿入部33が2つ設けられ、その2つとも第1挿入部61と同じ形状及び大きさとして構成されているが、各側壁部3、4に設けられる長辺側挿入部12、短辺側挿入部33の数、配置、及び、第2挿入部64の割合等については特に限定されるものではなく、側壁部3、4の横幅等に応じて適宜設計変更可能である。例えば、長辺側挿入部12の配置を不均等にして、底壁構成部3の縦壁部42の外面において、印刷面やカードホルダ設置部等のスペースを確保するように構成してもよい。但し、所定の側壁部3、4に設けられる長辺側挿入部12及び短辺側挿入部33の数が2つ以下の場合には、上記実施形態の短辺側側壁部4のように、長辺側挿入部12及び短辺側挿入部33の形状及び大きさを統一することとしてもよい。さらに、例えば、短辺側挿入部33の下方において段積み凹部72を形成しない場合には、短辺側挿入部33を第2挿入部64と同じ形状及び大きさとして構成することも可能である。
【0066】
加えて、上記実施形態では、相対する一対の長辺側側壁部3の長辺側挿入部12に関し、それぞれ2つの第1挿入部61、及び、2つの第2挿入部64が設けられるよう構成されている(相対する一対の長辺側側壁部3が同一の製品である)が、容器1を構成する側壁部3、4のうち少なくとも1つに関して、第1挿入部61だけでなく、第2挿入部64をも具備するように構成されていればよい。特に、第1挿入部61、及び、第2挿入部64を具備する側壁部は、容器1の組立てに際し、別の側壁部より先に底壁構成部2に取付けられ、底壁構成部2に対して単独で自立状態とさせることのできる側壁部であることとしてもよい。
【0067】
また、例えば、所定の側壁部3、4に設けられる長辺側挿入部12及び短辺側挿入部33の数が5つ以上の場合、そのうち第2挿入部64の数を2つとすることが望ましい。この場合、当該所定の側壁部3、4を底壁構成部2に取付ける際に、長辺側挿入部12及び短辺側挿入部33のうち、底壁構成部2の被挿入部45に対し最初にほぼ同時に被挿入部45に挿入させる長辺側挿入部12及び短辺側挿入部33の数を極力低減させるとともに、(第2挿入部64が1つの場合に比べ)第2挿入部64の先端部を被挿入部45に挿入した状態の位置決めをより正確に行うことができる。
【0068】
さらに、上記実施形態では、長辺側側壁部3の両側部に設けられる長辺側挿入部12を第1挿入部61として構成しているが、第2挿入部64としてもよい。但し、底壁構成部2の高さが低い場合であって、段積みの構成を容器1の隅部に設ける場合には、長辺側側壁部3の両端部に設けられる長辺側挿入部12を第1挿入部61とすることで、その下方に段積み凹部72のスペースを確保する。
【0069】
(b)上記実施形態では、長辺側側壁部3の長辺側挿入部12に関し、第1挿入部61(第1係止部62)の第1当接部63の高さ位置と、第2挿入部64(第2係止部65)の第2当接部66の高さ位置とが同じであり、第1挿入部61、及び、第2挿入部64がそれぞれ挿入される被挿入部45の第1被当接部67の高さ位置と、第2被当接部68の高さ位置とが同じとなっているが、第1挿入部61、及び、第2挿入部64の第1当接部63、及び、第2当接部66と、対応する被挿入部45の第1被当接部67、及び、第2被当接部68との相対距離が等しくなっていればよい。例えば、第2当接部66が第1当接部63よりも特定距離低い位置となるように構成されるとともに、第2被当接部68が第1被当接部67よりも前記特定距離低い位置となるように構成されることとしてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、第1被当接部67、及び、第2被当接部68が、挿入口46の開口縁により構成されているが、第1被当接部67、及び、第2被当接部68が、挿入口46よりも下方に設けられていることとしてもよい。さらに、上記実施形態では、被挿入部45の挿入口46の高さ位置がいずれも同じとなっているが、第1挿入部61が挿入口46に挿入されるタイミングと、第2挿入部64が挿入口46に挿入されるタイミングとが異なるように構成されていれば、第1挿入部61が挿入される被挿入部45の挿入口46と、第2挿入部64が挿入される被挿入部45の挿入口46とで、高さを異ならせてもよい。
【0071】
尚、第1挿入部61及び第2挿入部64の長辺側ベース部11との連結部の高さ位置、ひいては、第1挿入部61及び第2挿入部64の長さについては特に限定されるものではなく、第2挿入部64は、被挿入部45への挿入方向先端部である下端部が、第1挿入部61よりも下方に位置していればよく、さらに、第1当接部63及び第2当接部66と、それぞれに対応する第1被当接部67及び第2被当接部68との間の距離が同じとなるように構成されていればよい。
【0072】
(c)上記実施形態において、弾性係止片15の形状は特に限定されるものではなく、例えば、底壁構成部2の縦壁部42の外面において印刷面やカードホルダ設置部等のスペースを確保するべく、弾性係止片15、ひいては、保護部19の横幅を狭くしたり、サブ係止部18を省略したりしてもよい。また、上記実施形態では特に言及していないが、長辺側側壁部3を底壁構成部2に取付ける際に、第1挿入部61のサブ係止部18のうち底壁構成部2(サブ被係止部48のうち被係止面の反対側の面)と最初に当接する部位の高さ位置と、第2挿入部64のサブ係止部18のうち底壁構成部2(サブ被係止部48のうち被係止面の反対側の面)と最初に当接する部位の高さ位置とが同じであり、第1挿入部61が挿入される被挿入部45のサブ被係止部48(被係止面、及び、その反対側の面)の高さ位置と、第2挿入部64が挿入される被挿入部45のサブ被係止部48(被係止面、及び、その反対側の面)の高さ位置とが同じであることとしてもよい。この場合、サブ係止部18に関しても、メイン係止部17と同様に、長辺側側壁部3を底壁構成部2に取付ける際に、サブ係止部18が底壁構成部2から受ける応力を、複数のサブ係止部18に分散させることができる。結果として、長辺側側壁部3を底壁構成部2に取付ける作業に際してのサブ係止部18の損傷リスク等を低減させることができる。
【0073】
(d)また、保護部19の形状についても特に限定されるものではなく、例えば、弾性係止片15の一側方、又は、両側方において、弾性片16の側辺部に沿って上下に延びる柱部20のみによって保護部19を構成してもよい。但し、保護部19の側壁部3、4(長辺側ベース部11及び短辺側ベース部31)の下辺部からの突出長は、弾性係止片15の側壁部3、4の下辺部からの突出長以上であることが望ましい。この場合、弾性係止片15を保護する作用効果がより確実に奏される。また、弾性係止片15のうち弾性片16は、保護部19の厚みの範囲に設けられ、メイン係止部17のうち少なくともメイン係止面17aの一部、及び、第1当接部63、並びに、第2当接部66は、保護部19の厚みの範囲外に設けられていることが望ましい。この場合、保護部19で弾性片16の必要以上の変位、及び、意図しない方向への変位を防止して、弾性片16の保護を図るとともに、容器1の振動等に起因して、弾性片16が底壁構成部2に押圧されて変形し、メイン係止部17と、メイン被係止部47との係止状態が解除されてしまうといった事態を防止することができる。
【0074】
尚、保護部19を省略することも可能である。この場合、例えば、第1挿入部61、及び、第2挿入部64の弾性片16の突出長を異ならせることで、長辺側側壁部3の取付作業に際し、第2挿入部64を第1挿入部61よりも先に被挿入部45に挿入されるよう構成してもよい。
【0075】
(e)上記実施形態では、被挿入部45を構成する横壁部49及び外壁部50が、受フランジ部43、下フランジ部44、及び、縦壁部42の間を連結するようにして設けられているが、例えば、底壁構成部2の高さが比較的高い場合等において、横壁部49及び外壁部50が、下フランジ部44から離間するように構成してもよい。但し、横壁部49については、受フランジ部43と下フランジ部44との間を連結するようにして設け、受フランジ部43、下フランジ部44、及び、被挿入部45の剛性を相乗的に高めることが望ましい。
【0076】
(f)上記実施形態では、容器1はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。