特許第6758669号(P6758669)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6758669アスコクロリン誘導体およびAMPK活性化剤としてのその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6758669
(24)【登録日】2020年9月4日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】アスコクロリン誘導体およびAMPK活性化剤としてのその使用
(51)【国際特許分類】
   C07C 47/575 20060101AFI20200910BHJP
   C07C 49/757 20060101ALI20200910BHJP
   C07C 251/44 20060101ALI20200910BHJP
   C07C 251/48 20060101ALI20200910BHJP
   C07C 251/56 20060101ALI20200910BHJP
   C07C 251/58 20060101ALI20200910BHJP
   C07C 251/66 20060101ALI20200910BHJP
   C07C 223/04 20060101ALI20200910BHJP
   C07D 305/08 20060101ALI20200910BHJP
   C07C 45/63 20060101ALI20200910BHJP
   C07C 45/52 20060101ALI20200910BHJP
   C07C 249/06 20060101ALI20200910BHJP
   C07C 249/08 20060101ALI20200910BHJP
   C07C 249/12 20060101ALI20200910BHJP
   C07C 221/00 20060101ALI20200910BHJP
   A61K 31/11 20060101ALI20200910BHJP
   A61K 31/135 20060101ALI20200910BHJP
   A61K 31/15 20060101ALI20200910BHJP
   A61K 31/19 20060101ALI20200910BHJP
   A61K 31/215 20060101ALI20200910BHJP
   A61K 31/337 20060101ALI20200910BHJP
   A61K 31/495 20060101ALI20200910BHJP
   A61K 31/5375 20060101ALI20200910BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20200910BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20200910BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20200910BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20200910BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20200910BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20200910BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20200910BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20200910BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20200910BHJP
【FI】
   C07C47/575CSP
   C07C49/757
   C07C251/44
   C07C251/48
   C07C251/56
   C07C251/58
   C07C251/66
   C07C223/04
   C07D305/08
   C07C45/63
   C07C45/52
   C07C249/06
   C07C249/08
   C07C249/12
   C07C221/00
   A61K31/11
   A61K31/135
   A61K31/15
   A61K31/19
   A61K31/215
   A61K31/337
   A61K31/495
   A61K31/5375
   A61P35/00
   A61P3/10
   A61P3/06
   A61P3/04
   A61P1/16
   A61P9/00
   A61P9/10 101
   A61P25/28
   A61P43/00 111
【請求項の数】13
【全頁数】61
(21)【出願番号】特願2018-553638(P2018-553638)
(86)(22)【出願日】2017年1月4日
(65)【公表番号】特表2019-511534(P2019-511534A)
(43)【公表日】2019年4月25日
(86)【国際出願番号】JP2017000902
(87)【国際公開番号】WO2017119515
(87)【国際公開日】20170713
【審査請求日】2019年8月16日
(31)【優先権主張番号】特願2016-583(P2016-583)
(32)【優先日】2016年1月5日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】519291135
【氏名又は名称】星野 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【弁理士】
【氏名又は名称】寺地 拓己
(72)【発明者】
【氏名】新間 信夫
(72)【発明者】
【氏名】星野 達雄
【審査官】 二星 陽帥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−225851(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/074236(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0243378(US,A1)
【文献】 JEONG, J. H. et al.,4-O-methylascochlorin, methylated derivative of ascochlorin, stabilizes HIF-1a via AMPK activation,Biochemical and Biophysical Research Communications,2011年,Vol. 406,pp. 353-358
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 45/52−251/66
A61K 31/11− 31/5375
A61P 1/16− 43/00
C07D 305/08
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iにより表される化合物:
【化1】
[式中、
は、ホルミルまたは−CH=N−O−Yであり、ここで、Yは、水素原子またはC1〜6アルキルであり、
は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1〜6アルキルであり、
は、水素原子またはC1〜6アルキルであり、
は、ヒドロキシ、C1〜6アルキルアミノ、C3〜7シクロアルキルアミノ、または
環原子として−O−、−S−、−NR−、−SO−もしくは−SO−を含有する3〜7員のヘテロシクロアルキルアミノであり、または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、>C=N−O−Zを形成し、
Zは、水素原子、C1〜6アルキル、−CO(CH−Rまたは−(CH−Rであり、
nは、1〜4から選択される整数であり、
は、−CO、−CONH、−CONR、−OCONR、−SONR、−SO、ヒドロキシ、−NHSOまたは−NRであり、
、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、C1〜6アルキルおよびC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され、またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環原子として−O−、−S−、−NR−、−SO−もしくは−SO−をさらに含有してもよい窒素含有の3〜7員の複素環式環を形成し、ここで、複素環式環は、ヒドロキシおよびC1〜6アルキルから選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよく、
は、C1〜6アルキルまたはC3〜7シクロアルキルである]、
その薬学的に許容される塩または溶媒和物。
【請求項2】
が、ヒドロキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、シクロプロピルアミノおよびオキセタン−3−イルアミノからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩または溶媒和物。
【請求項3】
およびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、>C=N−O−Zを形成し、ここで、Zが、水素原子、C1〜6アルキル、−CHCO、モルホリノエチル、ピペラジニルエチル、N−メチル−ピペラジニルエチルおよびN,N−ジメチルアミノ−エチルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩または溶媒和物。
【請求項4】
が、ホルミルである、請求項2または3に記載の化合物、その薬学的に許容される塩または溶媒和物。
【請求項5】
が、−CH=N−OHである、請求項2または3に記載の化合物、その薬学的に許容される塩または溶媒和物。
【請求項6】
が、−CH=N−OMeである、請求項2または3に記載の化合物、その薬学的に許容される塩または溶媒和物。
【請求項7】
3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド、
3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド、
(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドオキシム、
3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−2−メチルベンズアルデヒドオキシム、
3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−2−メチルベンズアルデヒド、
[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−(3−クロロ−5−ホルミル−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−4−メチルフェニル)−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ2−(ジメチルアミノ)アセテート、
(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,3S,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドオキシム、
(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(メトキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
(E)−3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(メトキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
(E)−3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−2−メチル−5−((2E,4E)−3−メチル−5−((1R,2R,6R,E)−1,2,6−トリメチル−3−(2−モルホリノエトキシイミノ)シクロヘキシル)ペンタ−2,4−ジエン−1−イル)ベンズアルデヒド、
3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−2−メチルベンズアルデヒド、
(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,3S,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
(E)−3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(2−(ジメチルアミノ)エトキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチル−5−((2E,4E)−3−メチル−5−((1R,2R,6R,E)−1,2,6−トリメチル−3−(2−モルホリノエトキシイミノ)シクロヘキシル)ペンタ−2,4−ジエン−1−イル)ベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチル−5−((2E,4E)−3−メチル−5−((1R,2R,6R,E)−1,2,6−トリメチル−3−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシイミノ)−シクロヘキシル)ペンタ−2,4−ジエン−1−イル)ベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
エチル2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)アセテート、
2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)酢酸、
3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−(エチルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド、
(E)−3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−(エチルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド、
(E)−3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,6R)−3−アミノ−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−4−クロロ−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール、
(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチル−5−((2E,4E)−3−メチル−5−((1R,2R,6R)−1,2,6−トリメチル−3−(オキセタン−3−イルアミノ)シクロヘキシル)ペンタ−2,4−ジエン−1−イル)ベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−フルオロメトキシ−5−ホルミル−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]−アミノ]オキシ)酢酸、
2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−[(1E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)酢酸、
2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−2−メトキシ−6−ヒドロキシ−5−[(1E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)酢酸、
およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩または溶媒和物。
【請求項8】
式IVにより表される化合物:
【化2】
[式中、Rは、水素原子であり、または1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1〜6アルキルであり、Yは、水素原子またはC1〜6アルキルである]。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩または溶媒和物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項10】
がん、糖尿病、脂質異常症、高コレステロール血症、肥満症および脂肪肝状態、心血管疾患、アテローム動脈硬化症またはアルツハイマー病の処置に使用するための、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
がん、糖尿病、脂質異常症、高コレステロール血症、肥満症および脂肪肝状態、心血管疾患、アテローム動脈硬化症またはアルツハイマー病の処置のための治療剤をさらに含む、請求項9または10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
AMPK調節不全を伴う疾患を処置するための方法において使用するための医薬組成物であって、前記方法が、AMPK調節不全を伴う疾患の処置を必要とする対象に、前記医薬組成物の治療有効量を投与するステップを含む、請求項9に記載の医薬組成物
【請求項13】
疾患が、がん、2型糖尿病、および脂質異常症から選択される、請求項12に記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、アデノシン一リン酸活性化タンパク質キナーゼ(AMPK)を活性化し、がん、2型糖尿病、代謝症候群関連疾患およびアルツハイマー病など、AMPK調節不全を伴う疾患または状態の処置または予防に有用である、新規なアスコクロリン誘導体を対象とする。本発明はまた、AMPK調節不全を伴う疾患または状態の処置または予防のための化合物を含む医薬組成物も対象とする。
【背景技術】
【0002】
[0002]アデノシン一リン酸活性化タンパク質キナーゼ(AMPK)は、細胞エネルギーバランスのための重要な調節タンパク質であり、種々の器官における、特に骨格筋、肝臓および脂肪組織におけるグルコースおよび脂質代謝のマスタースイッチであると考えられる。
【0003】
[0003]AMPKはまた、m−TORの阻害を介した細胞増殖およびオートファジーの調節、ならびにミトコンドリア生合成において重大な役割を有することも知られている。[Physiological Rev.2009、89巻、1025頁、Nature Reviews/Molecular Cell Biology、2012、13巻251頁、Nature Cell Biology、2011、13(9)巻、1016、Molecular and Cellular Endocrinology、2013、366巻、152頁、J.Physiol.、2006、574.1巻33頁。]。
【0004】
[0004]細胞内ATPレベルが低下する場合、AMPまたはADPは、AMPKのγ調節サブユニットに直接結合して、LKB1(腫瘍サプレッサーとして公知である)またはCAMKK2(Ca++依存性キナーゼ)によるThr172でのAMPKリン酸化を促進する立体配座変化をもたらすことができる。さらに、立体配座変化はまた、タンパク質ホスファターゼ2AおよびCによる脱リン酸化からAMPKを保護し、その結果、AMPKは活性化されたままとなる。
【0005】
[0005]AMPKの調節不全は、がん、2型糖尿病、代謝症候群関連疾患(脂質異常症、脂肪過多症、アテローム動脈硬化性心血管疾患、高血圧症および非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD))、炎症ならびにアルツハイマー病などの疾患の病原性因子であると考えられ、したがって、AMPKは、これらの疾患の予防および治療の標的であると考えられる[metabolic syndrome:Science in Medicine、2013、123(7)巻2764頁、Molecular and Cellular Endocrinology、2013、366巻135頁;cancer and inflammation:Oncotarget、2015、6(10)巻、7365頁;cardiovascular disease:Circ Res.、2009 104(3)巻、282頁;inflammation、Diabetologia、2010 53巻、2406頁、Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.、2010、42巻、676頁;Alzheimer disease:J Alzheimers Dis.2009、16(4)巻731頁]。
【0006】
[0006]メトホルミンは、呼吸鎖複合体1の阻害を介してAMPKを間接的に活性化する抗高血糖剤として公知である[Clinical Science、2012、122巻、253頁]。しかし、メトホルミンは、インビトロ細胞実験では、驚くほど高濃度のmMレベルでしかHepG2細胞においてAMPKを活性化しないことが報告されている。
【0007】
[0007]5−アミノイミダゾール−4−カルボキサミドリボヌクレオチド(AICAR)は、AMP模倣物として公知である。AICARは、調節γ−サブユニットに結合することによってAMPKを直接活性化して、AMPKのリン酸化を促進し、脱リン酸化からAMPKを保護する。A−769662は、異なる結合様式を有する直接的AMPK活性化剤であると報告されている[Cell Metabolism、2006、3巻、403頁]。文献において他のAMPK活性化剤が報告されているが、それらはいずれも、現在までのところ臨床的に使用されておらず、その理由の一部には、不十分なインビボ効力および/または安全性プロファイルがある。
【0008】
したがって、良好な効力および安全性プロファイルを有する新規なAMPK活性化剤は、AMPK調節不全を伴う疾患の患者に治療上の利益をもたらすであろう。
[0008]4−O−メチル−アスコクロリン(MAC)は、アスコクロリンの真菌代謝産物の誘導体であり、これは、HepG2細胞においてAMPKを活性化する能力を有することが報告されている[Biochemical and Biophysical Research Communications、2011、406巻、353頁]。MACを含む4−O−置換アスコクロリン誘導体が、JP H06−305959A(1994年公開)に抗糖尿病剤として記載されており、天然アミノ酸を用いて形成されたシッフ塩基誘導体であるMACのプロドラッグが、WO2004/074236に記載されている。しかし、いずれのアスコクロリン誘導体の開発も成功していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
[0009]
【特許文献1】JP H06−305959A
【特許文献2】WO2004/074236
【非特許文献】
【0010】
[0010]
【非特許文献1】Physiological Rev.2009、89巻、1025頁
【非特許文献2】Nature Reviews/Molecular Cell Biology、2012、13巻251頁
【非特許文献3】Nature Cell Biology、2011、13(9)巻、1016
【非特許文献4】Molecular and Cellular Endocrinology、2013、366巻、152頁
【非特許文献5】J.Physiol.、2006、574.1巻33頁
【非特許文献6】Science in Medicine、2013、123(7)、2764
【非特許文献7】Mol.Cell.Endocrinol.、2013、366;135
【非特許文献8】Oncotarget、2015、6(10)、7365
【非特許文献9】Circ Res.、2009、104(3)、282頁
【非特許文献10】Diabetologia、2010、53、2406
【非特許文献11】Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.、2010、42、676
【非特許文献12】J Alzheimers Dis.2009、16(4)、731
【非特許文献13】Clinical Science、2012、122、253
【非特許文献14】Cell Metabolism、2006、3、403
【非特許文献15】Biochemical and Biophysical Research Communications、2011、406巻、353頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
[0011]本発明者らは、MACが物理化学的および薬物動態学的プロファイルにおいて治療剤として重大な欠点を有することを見出した。すなわち、MACは、非常に低い水溶性(pH7.4のリン酸緩衝液中0.07μM)および極めて低い代謝安定性を有しており、これは、インビトロのNADPHの存在下でのヒトおよびマウスの肝臓ミクロソームを使用するアッセイにおいて確認された(1時間のインキュベーション後、6%のMACしか残っていなかった)。
【0012】
[0012]WO2004/074236に記載されているMACのシッフ塩基誘導体に関して、本発明者らは、これらの化合物が酸性pH溶液中で極めて不安定であることを見出した。MACとグリシンアミドとのシッフ塩基である代表的な化合物(WO2004/074236における化合物#13)は、室温のpH4.0のリン酸緩衝溶液(食事後のヒトの胃におけるpHと同様のpH)においてほぼ瞬時にMACに加水分解されることが確認された。したがって、MACのシッフ塩基誘導体は、代謝安定性において、親化合物であるMACと同じ問題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
[0013]本発明者らは、上記した問題の観点から鋭意、研究を行い、その結果、AMPK活性化プロファイルと、MACと比較して著しく改善された代謝安定性とを有することが確認されたいくつかのアスコクロリン誘導体を発見することにより、本発明を完成させた。とりわけ、本発明の化合物はまた、特に腫瘍学および代謝疾患についてのいくつかの疾患モデルにおいて良好なインビボ効力も示す。
【0014】
[0014]本発明は、アデノシン一リン酸活性化タンパク質キナーゼ(AMPK)を活性化し、がん、2型糖尿病、代謝症候群関連疾患およびアルツハイマー病など、AMPK調節不全を伴う疾患または状態の処置または予防に有用であるアスコクロリン誘導体を対象とする。本発明はまた、化合物を含む医薬組成物、およびAMPK調節不全を伴う疾患または状態の処置または予防のための化合物の使用も対象とする。
【0015】
[0015]本発明は、AMP活性化タンパク質キナーゼの活性化剤として有用である、新たなアスコクロリン誘導体に関する。
[0016]本発明の一態様によれば、以下の発明が提供される:
[0017](1)式Iにより表される化合物:
【0016】
【化1】
【0017】
[式中、
は、ホルミルまたは−CH=N−O−Yであり、ここで、Yは、水素原子またはC1〜6アルキルであり、
は、C1〜6アルキルであり、ここで、アルキルは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
は、水素原子またはC1〜6アルキルであり、
は、ヒドロキシ、C1〜6アルキルアミノ、C3〜7シクロアルキルアミノ、または環原子として−O−、−S−、−NR−、−SO−もしくは−SO−を含有する3〜7員のヘテロシクロアルキルアミノであり、または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、>C=N−O−Zを形成し、
Zは、水素原子、C1〜6アルキル、−CO(CH−Rまたは−(CH−Rであり、
nは、1〜4から選択される整数であり、
は、−CO、−CONR、−OCONR、−SONR、−SO、ヒドロキシ、−NHSOまたは−NRであり、
、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、C1〜6アルキルおよびC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され、またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環原子として−O−、−S−、−NR−、−SO−もしくは−SO−をさらに含有してもよい窒素含有複素環式環を形成し、ここで、複素環式環は、ヒドロキシおよびC1〜6アルキルから選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよく、
は、C1〜6アルキルまたはC3〜7シクロアルキルである]、
その薬学的に許容される塩または溶媒和物。
【0018】
[0018](2)Rが、ヒドロキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、シクロプロピルアミノおよびオキセタン−3−イルアミノからなる群から選択される、(1)に記載の化合物、その薬学的に許容される塩または溶媒和物。
【0019】
[0019](3)RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、>C=N−O−Zを形成し、ここで、Zが、水素原子、C1〜6アルキル、−CHCOH、−CHCO、モルホリノエチル、ピペラジニルエチル、N−メチル−ピペラジニルエチルおよびN,N−ジメチルアミノ−エチルからなる群から選択される、(1)に記載の化合物、その薬学的に許容される塩または溶媒和物。
【0020】
[0020](4)Rが、ホルミルである、(2)または(3)に記載の化合物、その薬学的に許容される塩または溶媒和物。
[0021](5)Rが、−CH=N−OHである、(2)または(3)に記載の化合物、その薬学的に許容される塩または溶媒和物。
【0021】
[0022](6)Rが、−CH=N−OMeである、(2)または(3)に記載の化合物、その薬学的に許容される塩または溶媒和物。
[0023](7)
3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド、
3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド、
(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドオキシム、
3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−2−メチルベンズアルデヒドオキシム、
3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−2−メチルベンズアルデヒド、
[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−(3−クロロ−5−ホルミル−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−4−メチルフェニル)−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ2−(ジメチルアミノ)アセテート、
(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,3S,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドオキシム、
(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(メトキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
(E)−3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(メトキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
(E)−3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−2−メチル−5−((2E,4E)−3−メチル−5−((1R,2R,6R,E)−1,2,6−トリメチル−3−(2−モルホリノエトキシイミノ)シクロヘキシル)ペンタ−2,4−ジエン−1−イル)ベンズアルデヒド、
3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−2−メチルベンズアルデヒド、
(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,3S,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
(E)−3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(2−(ジメチルアミノ)エトキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチル−5−((2E,4E)−3−メチル−5−((1R,2R,6R,E)−1,2,6−トリメチル−3−(2−モルホリノエトキシイミノ)シクロヘキシル)ペンタ−2,4−ジエン−1−イル)ベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチル−5−((2E,4E)−3−メチル−5−((1R,2R,6R,E)−1,2,6−トリメチル−3−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシイミノ)−シクロヘキシル)ペンタ−2,4−ジエン−1−イル)ベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
エチル2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)アセテート、
2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)酢酸、
3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−(エチルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド、
(E)−3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−(エチルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド、
(E)−3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,6R)−3−アミノ−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−4−クロロ−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール、
(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチル−5−((2E,4E)−3−メチル−5−((1R,2R,6R)−1,2,6−トリメチル−3−(オキセタン−3−イルアミノ)シクロヘキシル)ペンタ−2,4−ジエン−1−イル)ベンズアルデヒドO−メチルオキシム、
2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−フルオロメトキシ−5−ホルミル−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]−アミノ]オキシ)酢酸、
2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−[(1E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)酢酸、
2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−2−メトキシ−6−ヒドロキシ−5−[(1E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)酢酸、
およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される、(1)に記載の化合物、その薬学的に許容される塩または溶媒和物。
【0022】
[0024](8)式Iにより表される化合物
【0023】
【化2】
【0024】
、その薬学的に許容される塩または溶媒和物[式中、Rは、ホルミルであり、R、RおよびRは、(1)で定義した通りである]を調製するための方法であって、
i)式VIIIにより表される化合物:
【0025】
【化3】
【0026】
[式中、R10は、独立して、C1〜6アルキルから選択され、Rは、上で定義した通りである]
を、式XXIIにより表される化合物:
【0027】
【化4】
【0028】
[式中、R10は、独立して、C1〜6アルキルから選択され、Rは、上で定義した通りである]
に変換するステップと、
ii)式VIIIにより表される化合物を、式Iにより表される化合物に変換するステップとを含む方法。
【0029】
[0025](9)式Iにより表される化合物
【0030】
【化5】
【0031】
、その薬学的に許容される塩または溶媒和物[式中、Rは、−CH=N−O−Yであり、R、R、RおよびYは、(1)で定義した通りである]を調製するための方法であって、
i)式IVにより表される化合物:
【0032】
【化6】
【0033】
[式中、R10は、独立して、C1〜6アルキルから選択され、RおよびYは、上で定義した通りである]
を、式Iにより表される化合物に変換するステップを含む方法。
【0034】
[0026](10)式VIIIにより表される化合物:
【0035】
【化7】
【0036】
[式中、R10は、独立して、C1〜6アルキルから選択され、Rは、1〜5個のフッ素原子で置換されているC1〜6アルキルである]。
[0027](11)式IVにより表される化合物:
【0037】
【化8】
【0038】
[式中、Rは、水素原子であり、または1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1〜6アルキルであり、Yは、水素原子またはC1〜6アルキルである]。
[0028](12)(1)〜(7)のいずれか1つに記載の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【0039】
[0029](13)がん、糖尿病、脂質異常症、高コレステロール血症、肥満症および脂肪肝状態、心血管疾患、アテローム動脈硬化症またはアルツハイマー病の処置に使用するための、(12)に記載の医薬組成物。
【0040】
[0030](14)がん、糖尿病、脂質異常症、高コレステロール血症、肥満症および脂肪肝状態、心血管疾患、アテローム動脈硬化症またはアルツハイマー病の処置のための治療剤をさらに含む、(12)または(13)に記載の医薬組成物。
【0041】
[0031](15)それを必要とする対象における、AMPK調節不全を伴う疾患を処置するための方法であって、対象に、(1)〜(7)のいずれか1つに記載の化合物の治療有効量を投与するステップを含む方法。
【0042】
[0032](16)疾患が、がん、2型糖尿病および脂質異常症から選択される、(15)に記載の方法。
【発明の効果】
【0043】
[0033]本発明の化合物は、AMPKが調節不全である疾患、例えば、代謝症候群、2型糖尿病、脂質異常症、脂肪過多症、アテローム動脈硬化性心血管疾患、高血圧症および非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、炎症ならびにアルツハイマー病のための、予防または治療剤として有用である。さらに、本発明の化合物は、がん、例えば、肝細胞癌、神経膠腫、乳癌、前立腺癌および非小細胞肺癌ならびにがん関連炎症のための、予防または治療剤として有用である。がんの例としては、PI3K/AKT/mTOR経路の活性化および/または腫瘍サプレッサーLKB1の損失を伴うがん、例えば、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん)、肝細胞癌(特にソラフェニブ耐性HCC)、結腸がん、前立腺がん、神経膠腫および非小細胞肺癌が挙げられる。[Oncotarget、6(10)巻、7365頁、2015]。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】[0034]HepG2細胞におけるAMPK活性化および下流シグナル、ACCを示しているウエスタンブロット分析の結果を示す図である。
図2】SDラットにおける化合物19の薬物動態学的プロファイルを示す図である。
図3】HFD−STZモデルマウスの血液中のトリグリセリドのレベルに対する化合物5の効果を示しているアッセイの結果を示す図である。
図4】マウスの血液中の総コレステロールのレベルに対する本発明の化合物の効果を示しているアッセイの結果を示す図である。
図5】絶食状態のマウス(HFD−STZモデル)の血液グルコースレベルに対する化合物5の効果を示しているアッセイの結果を示す図である。
図6】化合物5の抗がん活性を評価するためのヒト神経膠腫、U87MG異種移植モデルを使用したインビボアッセイの結果を示す図である。
図7】ソラフェニブと組み合わせた化合物5の抗がん活性を評価するためのヒト肝細胞癌、Hep3B異種移植モデルを使用したインビボアッセイの結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
[0035]本明細書において、「C1〜6アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状の飽和炭化水素基を指す。その例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ペンタン−3−イルなどが挙げられる。
【0046】
[0036]「C1〜6アルキルアミノ」という用語は、C1〜6アルキルが上で定義した通りである基:−NH−(C1〜6アルキル)を意味する。
[0037]「C3〜7シクロアルキル」という用語は、3〜7個の炭素原子を有する飽和炭素環式基を指す。その例としては、シクロプロピル(cPr)、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。
【0047】
[0038]「C3〜7シクロアルキルアミノ」という用語は、「C3〜7シクロアルキル」が上で定義した通りである基:−NH−(C3〜7シクロアルキル)を意味する。その例としては、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロヘプチルアミノなどが挙げられる。
【0048】
[0039]「3〜7員のヘテロシクロアルキルアミノ」という用語は、−O−、−S−、−NR−、−SO−および−SO−から選択される1個または複数のヘテロ原子を含む3〜7個の環原子を有する飽和複素環式基で置換されているアミノ基を指す。その例としては、ピロリジニルアミノ、ピペリジニルアミノ、ピペラジニルアミノ、N−メチルピペラジニルアミノ、モルホリニルアミノ、チオモルホリニルアミノ、イミダゾリジニルアミノ、ホモピペリジニルアミノ、ホモピペラジニルアミノなどが挙げられる。
【0049】
[0040]「窒素含有の3〜7員の複素環式環」という用語は、少なくとも1個の窒素原子と、−O−、−S−、−NR−、−SO−および−SO−から選択される1個または複数のヘテロ原子とを含む、3〜7個の環原子を有する複素環式環を指す。その例としては、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ホモピペリジン、ホモピペラジンなどが挙げられる。
【0050】
[0041]本発明の一実施形態において、Rは、アルデヒド、−CH=N−OH、−CH=N−OMeおよび−CH=N−OEtから選択される。
[0042]本発明の別の実施形態において、Rは、1〜3個のフッ素原子で置換されていてもよいC1〜6アルキル、例えば、CH、CHCH、CHF、CHF、CFおよびCHCF、好ましくはCHまたはCHFである。
【0051】
[0043]本発明の別の実施形態において、Rは、水素、メチルおよびエチルから選択される。
[0044]本発明の別の実施形態において、Rは、ヒドロキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、シクロプロピルアミノ、オキセタン−3−イルアミノ、(3−モルホリノプロピル)アミノ、ピロリジン−3−イルアミノまたは(3−(2−メチルピペリジン−1−イル)プロピル)アミノからなる群から選択される。好ましくは、Rは、ヒドロキシル、エチルアミノ、シクロプロピルアミノおよびオキセタン−3−イルアミノから選択される。
【0052】
[0045]本発明の別の実施形態において、RおよびRは、基 =N−O−Zを形成し、ここで、Zは、水素原子、C1〜6アルキルまたは−(CH−Rであり、Rは、上で定義した通りである。基 =N−O−Zの例としては、ヒドロキシイミノ、メトキシイミノ、(2−(N,N−ジメチルアミノ)エトキシ)イミノ、(2−モルホリノエトキシ)イミノ、(2−(4−メチルピペラジニル)エトキシ)イミノ、(エトキシカルボニルメトキシ)イミノ、(カルボキシメトキシ)イミノ、((N,N−ジメチルアミノ)アセトキシ)イミノが挙げられる。
【0053】
[0046]具体的には、本発明の例としては、表1に示した化合物(化合物1〜28)が挙げられる。
[表1]
【0054】
【化9】
【0055】
【表1-1】
【0056】
【表1-2】
【0057】
[0047]より具体的には、本発明の例としては、以下の化合物:
1)3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド;
2)3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド;
3)(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドオキシム;
4)(E)−3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−2−メチルベンズアルデヒドオキシム;
5)3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−2−メチルベンズアルデヒド;
6)[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−(3−クロロ−5−ホルミル−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−4−メチルフェニル)−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ2−(ジメチルアミノ)アセテート;
7)(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドオキシム;
8)(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(メトキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム;
9)(E)−3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(メトキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム;
10)(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム;
11)(E)−3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム;
12)3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−2−メチル−5−((2E,4E)−3−メチル−5−((1R,2R,6R,E)−1,2,6−トリメチル−3−(2−モルホリノエトキシイミノ)シクロヘキシル)ペンタ−2,4−ジエン−1−イル)ベンズアルデヒド;
13)3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−2−メチルベンズアルデヒド;
14)(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム;
15)(E)−3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R,E)−3−(2−(ジメチルアミノ)エトキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム;
16)(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチル−5−((2E,4E)−3−メチル−5−((1R,2R,6R,E)−1,2,6−トリメチル−3−(2−モルホリノエトキシイミノ)シクロヘキシル)ペンタ−2,4−ジエン−1−イル)ベンズアルデヒドO−メチルオキシム;
17)(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチル−5−((2E,4E)−3−メチル−5−((1R,2R,6R,E)−1,2,6−トリメチル−3−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシイミノ)シクロヘキシル)ペンタ−2,4−ジエン−1−イル)ベンズアルデヒドO−メチルオキシム;
18)エチル2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)アセテート;
19)2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)酢酸;
20)3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−(エチルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド;
21)(E)−3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−(エチルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム;
22)3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド;
23)(E)−3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム;
24)2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,6R)−3−アミノ−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−4−クロロ−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール;
25)(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチル−5−((2E,4E)−3−メチル−5−((1R,2R,6R)−1,2,6−トリメチル−3−(オキセタン−3−イルアミノ)シクロヘキシル)ペンタ−2,4−ジエン−1−イル)ベンズアルデヒドO−メチルオキシム;
26)2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−フルオロメトキシ−5−ホルミル−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)酢酸;
27)2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−フルオロメトキシ−5−[(1E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)酢酸;
28)2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−2−メトキシ−6−ヒドロキシ−5−[(1E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)酢酸;
およびそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0058】
[0048]本発明の例としてはまた、以下の化合物:
7−1)(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,3S,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドオキシム;
7−2)(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,3R,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドオキシム;
13−1)3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,3S,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−2−メチルベンズアルデヒド;
13−2)3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,3R,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−2−メチルベンズアルデヒド;
14−1)(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,3S,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム;
14−2)(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,3R,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム;
20−1)3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,3S,6R)−3−(エチルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド;
20−2)3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,3R,6R)−3−(エチルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド;
21−1)(E)−3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,3S,6R)−3−(エチルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム;
21−2)(E)−3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,3R,6R)−3−(エチルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム;
22−1)3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,3S,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド;
22−2)3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,3R,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド;
23−1)(E)−3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,3S,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム;
23−2)(E)−3−クロロ−5−((2E,4E)−5−((1R,2R,3R,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル)−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒドO−メチルオキシム;
24−1)2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3S,6R)−3−アミノ−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−4−クロロ−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール;
24−2)2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3R,6R)−3−アミノ−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−4−クロロ−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール;
25−1)(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチル−5−((2E,4E)−3−メチル−5−((1R,2R,3S,6R)−1,2,6−トリメチル−3−(オキセタン−3−イルアミノ)シクロヘキシル)ペンタ−2,4−ジエン−1−イル)ベンズアルデヒドO−メチルオキシム;
25−2)(E)−3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチル−5−((2E,4E)−3−メチル−5−((1R,2R,3R,6R)−1,2,6−トリメチル−3−(オキセタン−3−イルアミノ)シクロヘキシル)ペンタ−2,4−ジエン−1−イル)ベンズアルデヒドO−メチルオキシム;
も挙げられる。
【0059】
[0049]本発明の一態様によれば、上に示した番号(5)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(14)、(15)、(16)、(19)、(21)、(24)、(25)、(26)、(27)、(28)の化合物から選択される化合物、特に好ましくは、上に示した番号(5)、(10)、(12)、(15)、(16)、(19)、(21)および(25)の化合物から選択される化合物が提供される。
【0060】
[0050]本発明の化合物は、AMPKおよびその下流エフェクター、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)のリン酸化を増加させる活性を有する[試験実施例1]。さらに、本化合物は、4−O−メチル−アスコクロリン(MAC)およびそのプロドラッグ、MACとグリシンアミドとのシッフ塩基(WO2004/074236における化合物#13)と比較して、肝臓ミクロソーム(ヒトおよびマウス)による分解に対する著しく改善された代謝安定性[試験実施例3]、1日1回の経口処置を可能とする改善されたPKプロファイル[試験実施例4]、および改善された溶解性[試験実施例2]を有する。
【0061】
[0051]本発明の化合物は、血液グルコース低下活性、ならびに抗高脂血症活性(血液トリグリセリドおよび総コレステロールを低下させる)を示した[試験実施例6]。
[0052]式(I)により表される本発明の化合物は、低いμM濃度で種々のヒトがん細胞株に対して抗増殖活性を示し[試験実施例5]、経口投与によりヒトがん異種移植モデルにおいて強力な抗腫瘍活性も示した[試験実施例7]。
【0062】
[0053]本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態で投与され得る。「薬学的に許容される塩」という用語は、非毒性であり、かつ薬学的に許容される塩基または酸を用いて調製される塩を指す。本発明の化合物が塩基性である場合、その薬学的に許容される塩は、一般に、化合物に適切な有機または無機酸を添加することにより調製される。酸付加塩の例としては、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩およびトシル酸塩が挙げられる。
【0063】
[0054]さらに、本発明の化合物が酸性である場合、その薬学的に許容される塩は、一般に、化合物に適切な有機または無機塩基を添加することにより調製される。塩基付加塩の例としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、カリウム、ナトリウムなどを含む無機塩基から誘導される塩が挙げられる。特に好ましいものは、アンモニウム塩、カルシウム塩、カリウム塩およびナトリウム塩である。塩基付加塩の例としてはまた、第1級、第2級および第3級アミン、例えば、アルギニン、ベタイン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンなどから誘導される塩も挙げられる。
【0064】
[0055]本発明の化合物は、プロドラッグとして投与され得る。プロドラッグは、当業者が一般に入手可能な技術的知識に沿って調製することができる。例えば、カルボキシ基(−COOH)またはヒドロキシ基が本発明の化合物中に存在する場合、プロドラッグは、カルボキシ基をメチル、エチルもしくはピバロイルオキシメチルエステルなどの薬学的に許容されるエステル基に変換することにより、またはヒドロキシ基を酢酸エステルもしくはマレイン酸エステルなどの薬学的に許容されるエステル基に変換することにより調製することができる。プロドラッグの使用は、徐放製剤またはプロドラッグ製剤として使用するために溶解性または加水分解特性を修飾するのに有益であり得る。
【0065】
[0056]一実施形態において、本発明の化合物は、非晶質形態または結晶形態で使用され得る。結晶形態は、溶媒を含んで、水和物などの溶媒和物を形成し得る。本発明の化合物を含有する、そのような溶媒和物、または任意の混合物、例えば、溶液、懸濁液もしくは固体混合物の任意の使用を、本発明が包含することを理解すべきである。
【0066】
[0057]本発明の一態様によれば、AMPK調節不全を伴う疾患を処置または予防するための方法であって、それを必要とする患者に、式(I)により表される化合物またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を投与するステップを含む方法が提供される。AMPK調節不全を伴う疾患は、上記の通り例示される。投与の適切な経路は、当業者により決定され得る。その例としては、経口、直腸内、非経口(静脈内、筋肉内または皮下)、槽内、膣内、腹腔内、膀胱内、局所(点滴注入、散剤、軟膏、ゲル剤またはクリーム剤)投与、および吸入(口腔内または鼻腔スプレー)が挙げられる。投与用の剤形には、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、経口使用のための水性および非水性の液剤または懸濁液剤、ならびに容器に充填した非経口用液剤が含まれる。
【0067】
[0058]本発明の一態様によれば、式(I)により表される化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤または添加剤とを含む医薬組成物が提供される。組成物は、適切な経路、例えば、経口、直腸内、非経口(静脈内、筋肉内または皮下)、槽内、膣内、腹腔内、膀胱内、局所(点滴注入、散剤、軟膏、ゲル剤またはクリーム剤)投与、および吸入(口腔内または鼻腔スプレー)で投与され得る。投与用の剤形には、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、経口使用のための水性および非水性の液剤または懸濁液剤、ならびに容器に充填した非経口用液剤が含まれる。
【0068】
[0059]化合物または医薬組成物は、医薬製剤として投与され得る。医薬製剤は、賦形剤、コーティング剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、溶剤および界面活性剤または乳化剤などの添加剤を使用して、周知の方法により調製することができる。
【0069】
[0060]賦形剤の例としては、ジャガイモデンプンおよびトウモロコシデンプンなどのデンプン類、ラクトース、結晶セルロースならびにリン酸水素カルシウムが挙げられる。
[0061]コーティング剤の例としては、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セラック、タルク、カルナウバロウおよびパラフィンが挙げられる。
【0070】
[0062]滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸が挙げられる。
[0063]結合剤の例としては、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、および賦形剤として例示した物質と同じ物質が挙げられる。
【0071】
[0064]崩壊剤の例としては、賦形剤として例示した物質と同じ物質、およびクロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、ならびに化学修飾されたデンプンまたはセルロース類が挙げられる。
【0072】
[0065]安定剤の例としては、メチルパラベンおよびプロピルパラベンなどのパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコールおよびフェニルエチルアルコールなどのアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノールおよびクレゾールなどのフェノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;ならびにアスコルビン酸が挙げられる。
【0073】
[0066]矯味矯臭剤の例としては、従来から使用されている甘味料が挙げられる。
[0067]希釈剤の例としては、賦形剤として例示した物質が挙げられる。
[0068]溶剤の例としては、エタノール、フェノール、クロロクレゾール、精製水および蒸留水が挙げられる。
【0074】
[0069]界面活性剤または乳化剤の例としては、ポリソルベート80、ステアリン酸ポリオキシル40、ラウロマクロゴール、ダイズ油、Maisin35−1(Gattefosse、フランス)およびCremophor(BASF、ドイツ)が挙げられる。
【0075】
[0070]化合物またはその薬学的に許容される塩の用量は、症状、年齢、体重、相対的健康状態、他の投薬の存在、投与方法などに応じて異なる。例えば、患者(温血動物、特にヒト)に対する活性成分として、経口剤についての一般に有効な用量は、1日当たりの用量で、好ましくは体重1kg当たり0.1〜1000mg、より好ましくは体重1kg当たり1〜30mgである。正常体重の成人患者に対する1日当たりの用量は、好ましくは10〜1000mgの範囲内である。非経口剤について、1日当たりの用量は、好ましくは体重1kg当たり0.1〜1000mg、より好ましくは体重1kg当たり10〜800mgである。好ましくは、そのような用量が、症状に応じて、1日1回もしくは数回に分けて、または断続的なスケジュールで投与される。
【0076】
[0071]本発明の化合物は、1つまたは複数の他の薬物の投与と組み合わせた、前述の疾患、障害および状態の予防または処置のための方法においてさらに有用である。すなわち、本発明の化合物は、がん、2型糖尿病、代謝症候群関連疾患およびアルツハイマー病などの疾患または状態の処置、予防、抑制または改善において、1つまたは複数の他の薬物と組み合わせて投与され得る。他の薬物は、式(I)の化合物と同時にまたは順次に、他の薬物について一般に知られている経路および量で投与され得る。化合物が1つまたは複数の他の薬物と同時に投与される場合、これらの成分は、単一単位投与形態または2つ以上の別個の投与形態に含有され得る。しかし、併用療法では、本発明の化合物および1つまたは複数の他の薬物は、異なる重複スケジュールで投与される。併用療法では、本発明の化合物および他の活性成分が、それぞれが単独で投与される場合よりも低い用量で投与され得ることも企図される。したがって、本発明の医薬組成物は、式(I)により表される化合物またはその薬学的に許容される塩に加えて、1つまたは複数の他の活性成分をさらに含み得る。
【0077】
[0072]併用療法において投与され得る他の活性成分の例としては、
1)糖尿病用薬物:a)ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP IV)阻害剤、b)ピオグリタゾンなどのPPARγアゴニスト、c)メトホルミンなどのビグアニド類、d)インスリンまたはインスリン模倣物、スルホニル尿素類、d)アカルボースなどのα−グリコシダーゼ阻害剤、e)GLP−1、GLP−1類似体または模倣物、およびエキセナチドなどのGLP−1受容体アゴニスト、ならびにf)ナトリウム−グルコース共輸送体−2阻害剤(SGLT−2阻害剤:例えばダパグリフロジン)。
2)高脂血症用薬物:a)i)HMGA CoA還元酵素阻害剤(例えばアトルバスタチンカルシウム、シンバスタチン)などのコレステロール低下剤、b)PPARα/γデュアルアゴニスト、c)コレステロール吸収の阻害剤、
3)がん用薬物:a)細胞毒性剤(例えば、タキサン類、アントラサイクリン類、CPT−11、5−FU、カペシタビン、白金製剤)、ii)キナーゼ阻害剤などの分子標的剤(例えば、ソラフェニブ、ラパチニブ、ラパマイシン、エルロチニブ、スニチニブ、ベムラフェニブ)、iii)抗体(トラスツズマブ、リツキシマブ、セツキシマブ、ベバシズマブ、抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体)
4)アルツハイマー病用薬物:ガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル、メマンチンなどの薬剤
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0078】
[0073]式(I)により表される化合物を調製するための合成プロセスを、以下のスキームおよび実施例において例示する。
[0074]出発物質、アスコクロリンは、1970年に公開されたJP S45−009832Bに記載されている通りのAscochyts viciae Libertの発酵により得ることができる。以下のスキームにおいて、R、R、R、R、R、YおよびZは、上で定義した通りである。
【0079】
【化10】
【0080】
[0075]スキーム1は、化合物(IV)、(VIa)または(VIb)を生成するための方法を示す。Rがメチル(4−O−メチル−アスコクロリン)である化合物(II)は、JP H6−305959Aに記載されている方法により調製することができる。Rがフッ素化アルキル基である化合物(II)は、適切な溶媒中、塩基の存在下での、フルオロアルキル化剤によるO−アルキル化により得ることができる。塩基の例としては、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどが挙げられる。フルオロアルキル化剤の例としては、ブロモフルオロメタン、ビス(トリフルオロメチル)−ビス(トリフルオロメチルオキシ)−スルファン、5−tert−ブチル−2’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニリル−2−ジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,2,2−トリス(フルオラニル)エチルメタンスルホネート、2−ジアゾ−1,1,1−トリス(フルオラニル)エタン、トリス(フルオラニル)メタン、1−クロラニル−4−[クロラニル−ビス(フルオラニル)メチル]スルホニル−ベンゼンなどが挙げられる。
【0081】
[0076]化合物(IV)は、ピリジン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの塩基の存在下で、化合物(II)をNHOY(III)と反応させることにより調製することができる。化合物(VIb)は、ピリジン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの塩基の存在下で、化合物(IV)をNHOZ(V)と反応させることにより調製することができる。化合物(VIa)は、上記と同じ反応条件において2当量以上のヒドロキシアミン(III)を反応させることにより、化合物(II)から直接調製することができる。
【0082】
[0077]Zが−(CHCOHである化合物(VIb)は、Zが−(CHCOである対応するエステル誘導体(VIb)の塩基性加水分解により調製することができる。
【0083】
【化11】
【0084】
[0078]スキーム2は、化合物(X)を生成するための方法を示す。Rがメチルまたはフッ素化アルキルである化合物(VIII)は、JP2005−225851Aに記載されている方法により、Rがメチルまたはフッ素化アルキルであるO−アセチル誘導体(VII)を介してアスコクロリンから調製することができる。中間体(IX)は、ピリジン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの塩基の存在下で、中間体(VIII)をNHO−Z(V)と反応させることにより調製することができる。化合物(X)は、当業者に公知の方法による、適切な溶媒中の化合物(IX)のアセタール基の酸性加水分解により調製することができる。
【0085】
【化12】
【0086】
[0079]スキーム3は、化合物(X)を生成するための別の方法を示す。化合物(X)は、100℃にてTHF/HO中の塩酸で処理することにより、対応するオキシム誘導体(VI)から調製することができる。
【0087】
【化13】
【0088】
[0080]スキーム4は、化合物(XII)および(XIII)を生成するための方法を示す。中間体(XI)は、適切な溶媒中で、中間体(VIII)をアルキルリチウム、アルキルグリニャール剤またはアルキル銅リチウム試薬などのアルキル化剤と反応させることにより調製することができる。化合物(XII)は、適切な溶媒中の中間体(XI)のアセタール基の酸性加水分解により調製することができる。
【0089】
[0081]化合物(XIII)は、適切な溶媒中で、中間体(IV)を上述のアルキル化剤と反応させることにより調製することができる。化合物(XIII)はまた、ピリジン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの塩基の存在下で、化合物(XII)をNH−OY(III)と反応させることによっても調製することができる。化合物(XII)は、スキーム3に記載した反応条件と同様の反応条件下で、化合物(XIII)から調製することもできる。
【0090】
【化14】
【0091】
[0082]スキーム5aは、R11がC1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、または環原子として−O−、−S−、−NR−もしくは−SO−を含有する3〜7員のヘテロシクロアルキルである化合物(XV)および(XVI)を生成するための方法を示す。中間体(XIV)は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を使用する、1つのステップの、または中間体イミン(XVII)を介した段階的な、第1級アミン、R11−NHによる中間体(VIII)の還元的アミノ化により調製することができる。
【0092】
[0083]化合物(XV)は、当業者に公知の方法による、適切な溶媒中の化合物(XIV)のアセタール基の酸性加水分解により調製することができる。化合物(XVI)は、直接的、または中間体(XVIII)を介した段階的のいずれかでの、上記と同じ方法による、第1級アミン、R11−NHによる中間体(IV)の還元的アミノ化により調製することができる。
【0093】
[0084]化合物(XV)はまた、スキーム3に記載した反応条件と同様の反応条件下で、式(XVI)により表されるオキシムエーテル誘導体から調製することもできる。
【0094】
【化15】
【0095】
[0085]R11が、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、または環原子として−O−、−S−、−NR−、−SO−もしくは−SO−を含有する3〜7員のヘテロシクロアルキルアミノ、例えばオキセタンである、化合物(XVI)は、2つのステップで:(i)エタノール中の酢酸アンモニウム/シアノ水素化ホウ素ナトリウムによる還元的アミノ化、(ii)続いて、ジクロロメタン中の、オキセタン−3−オンおよびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどのR11に対応するケトンによる、得られた中間体(XIX)の第2の還元的アミノ化により、中間体(IV)から調製することができる。
【0096】
【化16】
【0097】
[0086]スキーム6は、R11が、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、または環原子として−O−、−S−、−NR−もしくは−SO−を含有する3〜7員のヘテロシクロアルキルである、化合物(XXI)を生成するための方法を示す。中間体(XX)は、スキーム2または3により調製することができる。化合物(XXI)は、活性エステル法による、または当業者に公知の縮合剤を用いる、式R12COHのカルボン酸によるXXのエステル化により調製することができる。
【0098】
[0087]式(I)により表される本発明の化合物を遊離形態で得る場合、これは従来の方法で塩に変換することができる。
【実施例】
【0099】
[0088]以下、本発明を、実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものと解釈されるべきではない。
[0089]NMR分析は、Brucker、AVANCE 400MHzまたは300MHzを使用して実施し、NMRデータはppm(百万分率)での化学シフト(δ)として表し、試料溶媒からの重水素ロック信号を基準とした。質量スペクトルデータは、フォトダイオードアレイ、SPD−M20A、ESI−SQD2020または2010を備えたLC−MS、Shimazu LCMS−2020または−2010(島津製作所)を使用して取得した。
【0100】
[0090]市販の試薬をさらに精製することなく使用した。「室温」は、約20℃〜25℃の範囲の温度を意味する。すべての非水性反応を、窒素雰囲気下で行った。減圧下での溶媒の濃縮または蒸留は、ロータリーエバポレーターを使用したことを意味する。
【0101】
[0091]化合物の調製においては、官能基を、標的化合物を得るために必要に応じて保護基で保護し、続いて保護基の除去を行った。保護基の選択、ならびに保護基の導入または除去のための手順は、例えば、GreeneおよびWuts、「Protective groups in Organic Synthesis」(第2版、John Wiley&Sons、1991)に記載されている方法に従って行った。
【0102】
実施例1
[0092]3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−2−メチル−5−[(2E,4E)−3−メチル−5−[(1R,2R,6R)−1,2,6−トリメチル−3−オキソシクロヘキシル]ペンタ−2,4−ジエン−1−イル]ベンズアルデヒドの合成
【0103】
【化17】
【0104】
[0093]アセトニトリル(120mL)中の3−クロロ−4,6−ジヒドロキシ−2−メチル−5−[(2E,4E)−3−メチル−5−[(1R,2R,6R)−1,2,6−トリメチル−3−オキソシクロヘキシル]ペンタ−2,4−ジエン−1−イル]ベンズアルデヒド、(アスコクロリン、6g、14.82mmol)の溶液、ブロモフルオロメタン(過剰)、炭酸セシウム(2.4g、7.38mmol)を、250mLの密封管に入れた。得られた混合物を25℃で16時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。得られた残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(5:1)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。生成物を比1:5のジクロロメタン/ヘキサンから再結晶して、表題化合物(4.5g、70%)をオフホワイトの固体として得た。
【0105】
LC-MS (ES, m/z): 435 [M-H]-
H-NMR (400MHz, DMSO, ppm): δ 12.60 (s, 1H), 10.30 (s, 1H), 5.86 (m, 2H), 5.72 (s, 1H), 5.42 (m, 2H), 3.50 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 2.64 (s, 3H), 2.54-2.49 (m, 2H), 2.17 (m, 1H), 2.05 (m, 1H), 1.84 (s, 4H), 1.52 (m, 1H), 0.73-0.67 (m, 6H), 0.59 (s, 3H)
F-NMR (400MHz, DMSO, ppm): δ -148.31。
【0106】
実施例2
[0094](2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−5−(ジエトキシメチル)−2−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキサン−1−オンの合成
【0107】
【化18】
【0108】
[0095]ステップ1
ピリジン(12mL)中の3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−2−メチル−5−[(2E,4E)−3−メチル−5−[(1R,2R,6R)−1,2,6−トリメチル−3−オキソシクロヘキシル]ペンタ−2,4−ジエン−1−イル]ベンズアルデヒド[実施例1](600mg、1.37mmol)の溶液を、窒素雰囲気でパージおよび維持した50mLの丸底フラスコに入れ、無水酢酸(196mg、1.92mmol)を25℃で添加した。得られた溶液を25℃で1.5時間撹拌した。次いで、混合物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、塩酸水溶液(0.3mol/L、20mL×5)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、4−クロロ−3−(フルオロメトキシ)−6−ホルミル−5−メチル−2−[(2E,4E)−3−メチル−5−[(1R,2R,6R)−1,2,6−トリメチル−3−オキソシクロヘキシル]ペンタ−2,4−ジエン−1−イル]フェニルアセテート(500mg、76%)を白色固体として得た。
【0109】
[0096]ステップ2
エタノール(22.5mL)中の4−クロロ−3−(フルオロメトキシ)−6−ホルミル−5−メチル−2−[(2E,4E)−3−メチル−5−[(1R,2R,6R)−1,2,6−トリメチル−3−オキソシクロヘキシル]ペンタ−2,4−ジエン−1−イル]フェニルアセテート(500mg、1.04mmol)の溶液を、窒素雰囲気でパージおよび維持した250mLの丸底フラスコに入れ、トリエチルアミン(0.02mL)を25℃で添加した。溶液を25℃で5時間撹拌し、次いで真空下で濃縮して、(2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−5−(ジエトキシメチル)−2−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキサン−1−オン(410mg、77%)を黄色油状物として得た。
【0110】
実施例3
[0097]3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3S,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド(化合物1−1)の合成
【0111】
【化19】
【0112】
[0098]Rがメチルである中間体(VIII):(4R,5R,6S)−5−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−5−(ジエトキシメチル)−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−4,5,6−トリメチルオキサン−3−オンを、JP2005−225851Aに記載されている手順によりアスコクロリンから調製した。
【0113】
[0099]ステップ1
テトラヒドロフラン(30mL)中の(2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−5−(ジエトキシメチル)−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキサン−1−オン(1g、2.03mmol)の溶液を、窒素雰囲気でパージおよび維持した50mLの三口丸底フラスコに入れ、続いて−78℃で撹拌しながらメチルマグネシウムブロミド(2mL、3.00当量、3M)を滴下添加した。得られた溶液を0℃で3時間撹拌した。次いで、反応物を、飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)の添加によりクエンチした。得られた混合物をジエチルエーテル(30mL×3)で抽出し、有機層を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残留物を以下の条件でフラッシュ分取HPLCにより精製して、4−クロロ−2−(ジエトキシメチル)−6−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3S,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−5−メトキシ−3−メチルフェノール(0.6g、60%)を薄黄色固体(mp.39〜40℃)として得た。
【0114】
フラッシュ分取HPLC条件(IntelFlash−1):カラム、C18シリカゲル;移動相、アセトニトリル/水=70/30から10分以内にCHCN/水=90/10、次いで10分以内にCHCNまで増加;検出器、UV210nm。 LC-MS (ESI, m/z): 507 [M-H]-
H-NMR (CD3CN, 400 MHz, ppm): δ5.91 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 5.83 (s, 1H), 5.38-5.43 (m, 1H), 5.30 (d, J = 16 Hz, 1H), 3.72-3.79 (m, 5H), 3.62-3.68 (m, 2H), 3.46 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 2.33 (s, 3H), 1.87 (s, 3H), 1.45-1.70 (m, 3H), 1.29-1.35 (m, 2H), 1.20-1.25 (m, 7H), 1.12 (s, 3H), 0.90 (s, 3H), 0.80 (d, J = 5.6 Hz, 3H), 0.70 (d, J = 5.4 Hz, 3H) 。
【0115】
[0100]ステップ2
テトラヒドロフラン/水(10mL/20mL)中の4−クロロ−2−(ジエトキシメチル)−6−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3S,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−5−メトキシ−3−メチルフェノール(355mg、0.699mmol)の溶液を、窒素雰囲気でパージおよび維持した50mLの丸底フラスコに入れ、続いて酢酸(5mL)を添加した。得られた溶液を25℃で5時間撹拌した。得られた溶液を真空下で濃縮した。得られた残留物を以下の条件でフラッシュ分取HPLCにより精製して、3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3S,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド(0.26g、76%、化合物1)をオフホワイトの固体(mp.42〜43℃)として得た。
【0116】
フラッシュ分取HPLC条件(IntelFlash−1):カラム、C18シリカゲル;移動相、CHCN/水=70/30から10分以内にCHCN/水=90/10まで増加;検出器、UV210nm。
【0117】
LC-MS (ESI, m/z): 433 [M-H]-
H-NMR (CD3CN, 400 MHz, ppm): δ10.25 (s, 1H), 5.89 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 5.40 (t, J = 1.2 Hz, 1H), 5.29 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.48 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 2.63 (s, 3H), 1.87 (s, 3H), 1.57-1.78 (m, 3H), 1.33-1.47 (m, 3H), 1.09 (s, 3H), 0.79 (d, J = 3.2 Hz, 3H), 0.68 (d, J = 6.8 Hz, 3H) 。
【0118】
実施例4
[0101]3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド(化合物2)の合成
【0119】
【化20】
【0120】
[0102]ステップ1
ピリジン(30mL)中の(2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−5−(ジエトキシメチル)−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキサン−1−オン(1g、2.03mmol)の溶液を、窒素の不活性雰囲気でパージおよび維持した50mLの三口丸底フラスコに入れ、続いてヒドロキシアミン塩酸塩(200mg、2.88mmol)を添加した。混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮した。残留物を以下の条件でフラッシュ分取HPLCにより精製して、4−クロロ−2−(ジエトキシメチル)−6−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−5−メトキシ−3−メチルフェノール(0.40g、39%)をオフホワイトの固体(mp.68〜70℃)として得た。
【0121】
フラッシュ分取HPLC条件(IntelFlash−1):カラム、C18シリカゲル;移動相、CHCN/水=70/30から15分以内にCHCN/水=90/10、次いで10分以内にアセトニトリルまで増加;検出器、UV210nm。
【0122】
LC-MS: (ESI, m/z): 506 [M-H]-
H-NMR: (CD3CN, 400 MHz, ppm): δ 5.95 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 5.81 (s, 1H), 5.42 (q, J = 12.8 Hz, 4.8 Hz, 2H), 3.69-3.77 (m, 5H), 3.59-3.66 (m, 2H), 3.45 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 3.27-3.32 (m, 1H), 2.47 (s, 3H), 2.27 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 1.88 (s, 3H), 1.60-1.72 (m, 3H), 1.19-1.29 (m, 7H), 0.82 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.72 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.67 (s, 3H) 。
【0123】
[0103]ステップ2
テトラヒドロフラン/水(10mL/20mL)中の4−クロロ−2−(ジエトキシメチル)−6−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−5−メトキシ−3−メチルフェノール(370mg、0.726mmol)の溶液を、窒素雰囲気でパージおよび維持した100mLの二口丸底フラスコに入れ、続いて酢酸(10mL)を添加した。混合物を25℃で5時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮した。残留物を以下の条件でフラッシュ分取HPLCにより精製して、3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド(220mg、70%、化合物2)を薄黄色固体(mp.158〜160℃)として得た。
【0124】
フラッシュ分取HPLC条件(IntelFlash−1):カラム、C18シリカゲル;移動相、CHCN/水=70/30から10分以内にCHCN/水=90/10まで増加;検出器、UV210nm。
【0125】
LC-MS (ESI, m/z): 432 [M-H]-
H-NMR (CD3CN, 400 MHz, ppm): δ10.25 (s, 1H), 5.94 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 5.44 (q, J = 15.6 Hz, 6.8 Hz, 2H), 3.85 (s, 3H), 3.50 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 3.29 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 2.63 (s, 3H), 2.21 (q, J = 13.6 Hz, 6.8 Hz, 1H), 1.90 (s, 3H), 1.60-1.69 (m, 3H), 1.20-1.33 (m, 1H), 0.81 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.71 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.66 (s, 3H) 。
【0126】
実施例5
[0104]4−クロロ−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−6−[(1E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−3−メトキシ−5−メチルフェノール(化合物3)の合成
【0127】
【化21】
【0128】
[0105]ピリジン(14ml)中の3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチル−5−[(2E,4E)−3−メチル−5−[(1R,2R,6R)−1,2,6−トリメチル−3−オキソシクロヘキシル]ペンタ−2,4−ジエン−1−イル]ベンズアルデヒド(700mg、1.67mmol、アスコクロリン)の溶液を、25mLの丸底フラスコに入れ、続いてヒドロキシアミン塩酸塩(290mg、4.17mmol)を25℃で添加した。混合物を25℃で16時間撹拌し、次いで真空下で濃縮した。ジクロロメタン(100ml)で希釈した後、得られた溶液を塩酸水溶液(1N、50mL×2)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残留物を以下の条件でフラッシュ分取HPLCにより精製して、表題化合物(221.8mg、29.6%)を白色固体として得た。
【0129】
フラッシュ分取HPLC条件(IntelFlash−1):カラム、シリカゲル;移動相、CHCN/水(0.08%重炭酸アンモニウム)=50/50から25分以内にCHCN/水(0.08%重炭酸アンモニウム)=80/20まで増加;検出器、UV254nm。
【0130】
LC-MS (ES, m/z): 449 [M+H]+
H-NMR (CD3OD, 400MHz, ppm): 8.56 (s, 1H), 5.92 (d, J=16 Hz, 1H), 5.46 (m,
2H), 3.78 (s, 3H), 3.52 (d, J=7.2 Hz, 2H), 3.41(m, 1H), 3.31 (m, 1H), 2.43 (s, 3H), 2.20 (m, 1H), 1.91(s, 3H), 1.67 (m, 3H), 1.33 (m, 1H), 0.91-0.69 (m, 9H) 。
【0131】
実施例6
[0106]3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−2−メチルベンズアルデヒド(化合物5)の合成
【0132】
【化22】
【0133】
[0107]ステップ1
ピリジン(12.3mL)中の(2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−5−(ジエトキシメチル)−2−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキサン−1−オン[実施例2](410mg、0.80mmol)の溶液を、25mLの丸底フラスコに入れ、続いてヒドロキシアミン塩酸塩(83.7mg、1.20mmol、1.50当量)を25℃で添加した。混合物を25℃で終夜撹拌し、次いでジクロロメタン(300mL)で希釈した。有機層を塩化水素水溶液(0.3mol/L、200mL×5)で洗浄した。有機層を合わせ、真空下で濃縮して、4−クロロ−2−(ジエトキシメチル)−5−(フルオロメトキシ)−6−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−3−メチルフェノール(330mg、78%)を黄色固体として得た。
【0134】
[0108]ステップ2
テトラヒドロフラン(6.6mL)中の4−クロロ−2−(ジエトキシメチル)−5−(フルオロメトキシ)−6−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−3−メチルフェノール(330mg、0.63mmol)の溶液を、250mLの丸底フラスコに入れ、次いで水(13.2mL)中の氷酢酸(6.6mL、5.56当量)の溶液を25℃で添加した。混合物を25℃で4時間撹拌し、次いでジクロロメタン(100mL×5)で抽出した。有機層を合わせ、溶液のpH値を重炭酸ナトリウム水溶液で7〜8に調整した。得られた有機層を分離し、乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残留物を以下の条件でフラッシュ分取HPLCにより精製して、3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−2−メチルベンズアルデヒド(200mg、71%、化合物5)を黄色固体として得た。
【0135】
フラッシュ分取HPLC条件(IntelFlash−1):カラム、C18シリカゲル;移動相、CHCN/HO=50/50から28分以内にCHCN/HO=80/20まで増加;検出器、UV254nm。
【0136】
LC-MS (ES, m/z): 452 [M+H] +
H-NMR (DMSO, 300MHz, ppm): 12.59(s, 1H) , 10.34 (s, 1H), 10.30 (s, 1H), 5.85-5.90 (t, 2H), 5.70 (s, 1H), 5.43 (s, 1H), 5.38 (d, J=4.5Hz, 2H) , 3.48-3.51 (d, J=7.5Hz,2H), 3.31-3.20 (m, 1H), 2.72-2.64 (d, J=24.9Hz, 1H), 2.26-2.18 (m, 1H), 1.84 (s, 3H), 1.63-1.54 (m, 3H), 1.24-1.19(d, J=13.2Hz, 1H) 。
【0137】
実施例7
[0109][(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−(3−クロロ−5−ホルミル−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−4−メチルフェニル)−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ2−(ジメチルアミノ)−アセテート(化合物6)の合成
【0138】
【化23】
【0139】
[0110]ステップ1
ジクロロメタン(0.4mL)中の2−(ジメチルアミノ)酢酸(15mg、0.15mmol)の溶液を25mLの丸底フラスコに入れ、続いて1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドメチオジド(45mg、0.15mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(21mg、0.16mmol)およびN−メチルモルホリン(15mg、0.15mmol)を25℃で添加した。混合物を25℃で30分間撹拌した。次いで、3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド、[化合物2、実施例3](60mg、0.14mmol)を添加した。得られた混合物を25℃で2時間撹拌し、次いで水(10mL)およびブライン(10ml)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残留物を以下の条件で分取HPLCにより精製して、表題化合物(30mg、42%)を黄色固体として得た。
【0140】
分取HPLC条件:カラム、X Bridge C18、19×150mm 5μm;移動相、CHCN/水(0.05%重炭酸アンモニウム)=50/50から30分以内にCHCN/水(0.05%重炭酸アンモニウム)=100/0まで増加。検出器、UV254nm。
【0141】
LC-MS: (ES, m/z): 519 [M+H]+
H-NMR: (CD3OD, 400MHz, ppm): 10.30 (s, 1H), 5.96 (d, J=16Hz, 1H), 5.46 (m, 2H), 3.83 (s, 3H), 3.52 (d, J=7.2Hz, 2H), 3.34(s, 2H), 3.31 (m, 1H), 2.64 (s, 3H), 2.47-2.32 (m, 7H), 1.95 (m, 4H), 1.76 (m, 2H), 1.39 (m, 1H), 0.97 (d, J=6.8Hz, 3H), 0.75-0.88 (m, 6H) 。
【0142】
[0111]ステップ2
テトラヒドロフラン中塩化水素の溶液(0.0225M、13mL)を、50mLの丸底フラスコ内の[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−(3−クロロ−5−ホルミル−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−4−メチルフェニル)−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ2−(ジメチルアミノ)アセテート(150mg、0.29mmol)に添加した。混合物を25℃で5分間撹拌し、次いで真空下で濃縮して、[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−(3−クロロ−5−ホルミル−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−4−メチルフェニル)−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ2−(ジメチルアミノ)アセテート塩酸塩(101.6mg、63%)を薄黄色固体として得た。
【0143】
LC-MS: (ES, m/z):519 [M+H]+
H-NMR: (CD3OD, 300MHz, ppm): 10.30 (s, 1H), 5.96 (d, J=17.7Hz, 1H),4.34 (m, 2H), 3.83 (s, 3H), 3.52 (m, 2H), 2.81-3.15 (m, 6H), 3.31 (m, 1H), 2.64 (s, 3H), 2.45 (m, 1H), 1.60-2.11 (m, 7H), 1.39 (m, 1H), 0.97 (m, 3H), 0.78 (m, 6H) 。
【0144】
実施例8
[0112]4−クロロ−3−(フルオロメトキシ)−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−6−[(1E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール(化合物4)の合成
【0145】
【化24】
【0146】
[0113]ピリジン(7.5mL)中の3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−2−メチル−5−[(2E,4E)−3−メチル−5−[(1R,2R,6R)−1,2,6−トリメチル−3−オキソシクロヘキシル]ペンタ−2,4−ジエン−1−イル]ベンズアルデヒド[実施例1](250mg、0.57mmol)の溶液を、25mLの丸底フラスコに入れ、続いてヒドロキシアミン塩酸塩(80mg、1.15mmol)を25℃で添加した。混合物を25℃で16時間撹拌し、真空下で濃縮した。得られた残留物を以下の条件でフラッシュ分取HPLCにより精製して、表題化合物(201.7mg、75%、化合物4)を白色固体として得た。
【0147】
以下を得るためのフラッシュ分取HPLC条件(IntelFlash−1):カラム、シリカゲル;移動相、CHCN/水(0.08%重炭酸アンモニウム)=70/30から15分以内にCHCN/水(0.08%重炭酸アンモニウム)=90/10まで増加;検出器、UV220nm。
【0148】
LC-MS: (ES, m/z): 467 [M+H]+
H-NMR: (CD3OD, 400MHz,ppm): 8.55 (s, 1H), 5.90 (d, J=16Hz, 1H), 5.72 (s, 1H), 5.58 (s, 1H), 5.39-5.47 (m, 1H), 3.58 (d, J=7.2Hz, 2H), 3.36-3.42 (m, 1H), 2.43 (s, 3H), 2.18 (t, 1H), 1.89 (s, 3H), 1.61-1.70 (m, 3H), 1.29-1.35 (m, 1H) 。
【0149】
実施例9
[0114]4−クロロ−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3S,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−6−[(1E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−3−メトキシ−5−メチルフェノール(化合物7−1)の合成
【0150】
【化25】
【0151】
[0115]ピリジン(9.6mL)中の3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3S,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド[化合物1、実施例2](160mg、0.37mmol)の溶液を、25mLの丸底フラスコに入れ、続いてヒドロキシアミン塩酸塩(25.6mg、0.37mmol、1.00当量)を25℃で添加した。混合物を25℃で16時間撹拌し、次いで真空下で濃縮した。得られた残留物を以下の条件でフラッシュ分取HPLCにより精製して、表題化合物(114.0mg、69%、化合物7−1)を白色固体として得た。
【0152】
フラッシュ分取HPLC条件(IntelFlash−1):カラム、シリカゲル;移動相、CHCN/水(0.08%NHHCO)=70/30から15分以内にCHCN/水(0.08%NHHCO)=90/10まで増加;検出器、UV254nm。
【0153】
LC-MS: (ES, m/z): 450 [M+H]+
H-NMR: (CD3OD, 400MHz, ppm): 8.55 (s, 1H), 5.87 (d, J=16Hz, 1H), 5.42 (t, 1H), 5.24 (d, J=16Hz, 1H), 3.78 (s, 3H), 3.47-3.53 (m, 2H), 2.44 (s, 3H), 1.88 (s, 3H), 1.46-1.72 (m, 3H), 1.30-1.37 (m, 2H), 1.21 (m, 3H), 1.15 (s, 1H), 0.92 (s, 3H), 0.84 (d, J=7.2Hz, 3H), 0.72 (d, J=6.8Hz, 3H) 。
【0154】
実施例10
[0116]4−クロロ−3−メトキシ−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(メトキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール(化合物8)の合成
【0155】
【化26】
【0156】
[0117]表題化合物は、ヒドロキシアミン塩酸塩の代わりにO−メチルヒドロキシアミン塩酸塩を使用したこと以外は、実施例4に記載した方法と同様の方法により、4−O−メチル−アスコクロリンから調製した。
【0157】
LC-MS: (ES, m/z): 477 [M+H]+
H-NMR: (DMSO, 400MHz, ppm): δ 10.80 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 5.89(d, J = 16.1 Hz, 1H), 5.46-5.37(m, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.75 (s, 3H), 3.71 (s, 3H), 3.45 (d, J=7.2Hz, 2H), 3.15-3.11 (m, 1H), 2.41 (s, 3H), 2.223 (q, J=6.8Hz, 1H), 1.84 (s, 3H), 1.66 (m, 3H), 1.20 (td, J = 14.4, 13.1, 6.3 Hz, 1H), 0.80 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.65 (m, 6H) 。
【0158】
実施例11
[0118]4−クロロ−3−(フルオロメトキシ)−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(メトキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール(化合物9)の合成
【0159】
【化27】
【0160】
[0119]表題化合物は、ヒドロキシアミン塩酸塩の代わりにO−メチルヒドロキシアミン塩酸塩を使用したこと以外は、実施例8に記載した方法と同様の方法により、4−O−フルオロメチル−アスコクロリンから調製した。
【0161】
LC-MS (ES, m/z): [M+H]+: 495.
1H NMR (300 MHz, メタノール-d4) δ 8.60 (s, 1H), 5.89 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 5.64 (d, J = 54.3 Hz, 2H), 5.42 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 5.36 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 3.97 (s, 3H), 3.73 (s, 3H), 3.58 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 3.23-3.26 (m, 1H), 2.43 (s, 3H), 2.17 (q, J = 6.9 Hz, 1H), 1.87 (s, 3H), 1.60-1.71 (m, 3H), 1.30-1.33 (m, 1H), 0.86 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.73 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.67 (s, 3H) 。
【0162】
実施例12
[0120]4−クロロ−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール(化合物10)の合成
【0163】
【化28】
【0164】
[0121]ステップ1
ピリジン(4mL)中の3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチル−5−[(2E,4E)−3−メチル−5−[(1R,2R,6R)−1,2,6−トリメチル−3−オキソシクロヘキシル]ペンタ−2,4−ジエン−1−イル]ベンズアルデヒド(4−O−メチル−アスコクロリン、350mg、0.84mmol)およびNHOMe.HCl(69.3mg、0.83mmol)の混合物を、アルゴン雰囲気でパージおよび維持した50mLの丸底フラスコに入れた。混合物を室温で終夜撹拌し、真空下で濃縮した。残留物(400mg)を以下の条件で分取HPLCにより精製して、(2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキサン−1−オン(200.9mg、54%)をオフホワイトの固体として得た。
【0165】
分取HPLC条件(2#−分析HPLC−SHIMADZU(HPLC−10)):カラム、XBridge分取C18 OBDカラム、5μm、19×150mm;移動相、10mmol NHHCOおよびCHCNを含む水(12分間、80.0%CHCNを保持);検出器、UV254nm。
【0166】
LC-MS (ES, m/z): 448 [M+H]+
H-NMR (DMSO, 300MHz, ppm): δ 10.80 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 5.88 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 5.37-5.51 (m, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.75 (s, 3H), 3.46 (d, J=6.9Hz, 2H) , 2.56 (m, 2H), 2.41 (s, 3H), 2.15 (m, 1H), 1.80-2.06 (m, 4H), 1.41-1.59 (m, 1H), 0.70 (dd, J = 15.0, 6.7 Hz, 6H), 0.60 (s, 3H) 。
【0167】
[0122]ステップ2
ピリジン(5mL)中の(2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキサン−1−オン(500mg、1.12mmol)およびNHOH.HCl(84.9mg、1.23mmol、1.10当量)の混合物を、アルゴン雰囲気でパージおよび維持した50mLの丸底フラスコに入れた。混合物を室温で終夜撹拌し、次いで真空下で濃縮した。残留物を以下の条件で分取HPLCにより精製して、4−クロロ−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール(246.5mg、48%、化合物10)を白色固体として得た。
【0168】
分取HPLC条件:カラム:X Bridge C18、19×250mm、5μm;移動相A:水/10mm NHHCO、移動相B:CHCN;流速:30mL/分;勾配:8分間で88%Bから88%B;254nm;検出器。
【0169】
LC-MS (ES, m/z): 463 [M+H]+
H-NMR (DMSO, 300MHz, ppm):δ 10.80 (s, 1H), 10.35 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 5.90 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 5.42 (m, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.75 (s, 3H), 3.46 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 3.23 (m, 1H), 2.41 (s, 3H), 2.23 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 1.86 (s, 3H), 1.62 (d, J = 11.9 Hz, 3H), 1.18 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 0.80 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.68 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.61 (s, 3H) 。
【0170】
実施例13
[0123]4−クロロ−3−(フルオロメトキシ)−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(ヒドロキシイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール(化合物11)の合成
【0171】
【化29】
【0172】
[0124]表題化合物は、実施例12に記載した方法と同様の方法により、4−O−フルオロメチル−アスコクロリンから調製した。
LC-MS (ES, m/z): [M+H]+: 481.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 10.36 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 5.88 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 5.72 (d, J = 54.3 Hz, 2H) 5.42 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 5.37 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 3.95 (s, 3H) 3.50 (m, 2H), 3.23 (m, 2H), 2.43 (s, 3H), 2.21 (q, J = 6.6 Hz, 1H), 1.84 (s, 3H), 1.59 (m, 3H), 1.25 (m, 1H), 0.80 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.68 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.61 (s, 3H) 。
【0173】
実施例14
[0125]4−クロロ−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−[[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]イミノ]−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール(化合物15)の合成
【0174】
【化30】
【0175】
[0126]表題化合物は、ヒドロキシアミン塩酸塩の代わりにO−(2−(ジメチルアミノ)エチル)ヒドロキシアミン塩酸塩を使用したこと以外は、実施例12に記載した方法と同様の方法により調製した。
【0176】
LC-MS (ES, m/z): 534 [M+H]+
H-NMR (DMSO, 400MHz, ppm): δ10.79 (s, 1H), 8.63 (s, 1H), 5.89 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 5.33 - 5.48 (m, 2H), 3.98 (m, 5H), 3.74 (s, 3H), 3.45 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 3.13 (m, 1H), 2.46 (m, 2H), 2.39 (s,3H), 2.23 (q, J = 6.8 Hz, 1H), 2.14 (s, 6H), 1.85 (d, J = 1.3 Hz, 3H), 1.57 - 1.74 (m, 3H), 1.19 (m, 1H), 0.78 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.66 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.61 (s, 3H) 。
【0177】
実施例15
[0127]4−クロロ−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチル−2−[(2E,4E)−3−メチル−5−[(1R,2R,3E,6R)−1,2,6−トリメチル−3−[[2−(モルホリン−4−イル)エトキシ]イミノ]シクロヘキシル]ペンタ−2,4−ジエン−1−イル]フェノール(化合物16)の合成
【0178】
【化31】
【0179】
[0128]表題化合物は、ヒドロキシアミン塩酸塩の代わりにO−(2−(モルホリン−4−イル)エチル)ヒドロキシアミン塩酸塩を使用したこと以外は、実施例12に記載した方法と同様の方法により調製した。
【0180】
LC-MS (ES, m/z): 576 [M+H]+
H-NMR (CD3CN, 300MHz, ppm): δ 8.55 (s, 1H), 5.93 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 5.36-5.50 (m, 2H), 4.07 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.75 (s, 3H), 3.51 (m, 6H), 3.14-3.28 (m, 1H), 2.55 (m, 2H), 2.46 (s, 7H), 2.20 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 1.89 (d, J = 1.1 Hz, 3H), 1.58-1.72 (m, 3H), 1.25 (m, 1H), 0.81 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.67 (m, 6H) 。
【0181】
実施例16
[0129]4−クロロ−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチル−2−[(2E,4E)−3−メチル−5−[(1R,2R,3E,6R)−1,2,6−トリメチル−3−[[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]イミノ]シクロヘキシル]ペンタ−2,4−ジエン−1−イル]フェノール(化合物17)の合成
【0182】
【化32】
【0183】
[0130]表題化合物は、ヒドロキシアミン塩酸塩の代わりにO−(2−(N−メチルピペラジン−4−イル)エチル)ヒドロキシアミン塩酸塩を使用したこと以外は、実施例12に記載した方法と同様の方法により調製した。
【0184】
LC-MS (ES, m/z): 589 [M+H]+
H-NMR (CDCl3, 400MHz, ppm): δ 10.80 (s, 1H), 8.50 (s, 1H), 5.92 (t, J=16.0Hz, 1H), 5.51 (m, 1H), 5.33 (m, 1H), 4.19 (m, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.83 (s, 3H), 3.56 (d, J=7.2Hz, 2H), 3.28 (m, 1H), 2.42-2.70 (m, 13H), 2.32 (s, 3H), 2.14 (m, 1H), 1.93 (s, 3H), 1.63 (m, 3H), 1.29 (m, 1H), 0.88 (d, J=6.8Hz, 3H), 0.71 (m, 6H) 。
【0185】
実施例17
[0131]エチル2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)アセテート(化合物18)の合成
【0186】
【化33】
【0187】
[0132]表題化合物は、ヒドロキシアミン塩酸塩の代わりにエチル2−(アミノオキシ)アセテートを使用したこと以外は、実施例12に記載した方法と同様の方法により調製した。
【0188】
LC-MS (ES, m/z): [M+H]+: 549
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 10.74 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 5.86 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 5.41 (t, J = 7.0 Hz, 1H), 5.35 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 4.51 (s, 2H), 4.06 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.71 (s, 3H), 3.42 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 3.28 (s, 1H), 3.18 (dd, J = 12.9, 4.1 Hz, 1H), 2.37 (s, 3H), 2.24 (q, J = 6.8 Hz, 1H), 1.81 (d, J = 1.3 Hz, 3H), 1.79 - 1.56 (m, 3H), 1.31 - 1.17 (m, 1H), 1.14 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.71 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.64 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.58 (s, 3H) 。
【0189】
実施例18
[0133]4−クロロ−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3S,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール(化合物14−1)の合成
【0190】
【化34】
【0191】
[0134]ピリジン(5mL)中の3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3S,6R)−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド[化合物1、実施例2](350mg、0.80mmol)およびメトキシルアミン塩酸塩(85mg、1.02mmol)の混合物を、50mLの丸底フラスコに入れた。混合物を10〜15℃で12時間撹拌し、真空下で濃縮した。残留物を以下の条件で分取HPLCにより精製して、表題化合物(209.3mg、55%)を薄黄色固体として得た。
【0192】
分取HPLC条件(2#−分析HPLC−SHIMADZU(HPLC−10)):カラム、XBridge BEH C18 OBD分取カラム、5μm、19mm 250mm;移動相、10mmol NHHCOおよびCHCNを含む水(9分間、90.0%CHCNを保持);検出器、uv 254および220nm。
【0193】
LC-MS (ES, m/z): [M-H] 462
H-NMR (DMSO, 400MHz ppm): δ 10.79 (s,1H), 8.64 (s,1H),5.82 (m,1H), 5.39 (m.1H), 5.22 (m,1H), 3.96 (s.3H), 3.74 (m,4H), 3.32-3.45 (m,2H), 2.50 (s,3H), 1.81 (m,3H), 1.47-1.59 (m,2H), 1.21-1.38 (m,3H), 1.13 (m,1H), 1.04 (s,3H), 0.85 (m,3H), 0.74 (m,3H), 0.64 (m,3H) 。
【0194】
実施例19
[0135]2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)酢酸(化合物19)の合成
【0195】
【化35】
【0196】
エチル2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)アセテート[化合物18、実施例17](350mg、0.64mmol)の溶液を、25mLの丸底フラスコに入れ、続いて水/THF(0.5/1mL)中の水酸化リチウム(76mg、3.17mmol)の溶液を添加した。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物のpH値を塩酸水溶液(1N)で4に調整した。反応混合物をジクロロメタン(2mL×2)で抽出した。有機層を合わせ、次いで真空下で濃縮した。残留物を以下の条件で分取HPLCにより精製して、2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)酢酸(300mg、90%、化合物19)を白色固体として得た。
【0197】
分取HPLC(2#−分析HPLC−SHIMADZU(HPLC−10)):カラム、XBridge Shield RP18 OBDカラム、5μm、19×150mm;移動相、0.05%TFAおよびCHCNを含む水(11分間、72.0%CHCNを保持);検出器、UV254nm。
【0198】
LC-MS: (ES, m/z): [M+H]+: 521.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 10.76 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 5.86 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 5.41 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 5.35 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 4.42 (s, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.42 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 3.13 - 3.25 (m, 1H), 2.37 (s, 3H), 2.23 (q, J = 6.8 Hz, 1H), 1.82 (d, J = 1.4 Hz, 3H), 1.56 - 1.76 (m, 3H), 1.22 (s, 1H), 0.71 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.64 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.59 (s, 3H) 。
【0199】
実施例20
[0136]3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−2−メチル−5−[(2E,4E)−3−メチル−5−[(1R,2R,3E,6R)−1,2,6−トリメチル−3−[[2−(モルホリン−4−イル)エトキシ]イミノ]シクロヘキシル]ペンタ−2,4−ジエン−1−イル]ベンズアルデヒド(化合物12)の合成
【0200】
【化36】
【0201】
[0137]表題化合物は、ヒドロキシアミン塩酸塩の代わりにO−2−(モルホリン−4−イル)エチルヒドロキシアミン塩酸塩を使用したこと以外は、実施例6に記載した方法と同様の方法により調製した。
【0202】
LC-MS (ES, m/z): [M+H]+: 565
1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ 12.55 (s, 1H), 10.29 (s, 1H), 5.91 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 5.70 (d, J = 54.3 Hz, 1H), 5.46 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 5.34 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 4.19 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 3.72 (m, 4H), 3.61 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 3.21 - 3.36 (m, 1H), 2.67 (d, J = 9.0 Hz, 5H), 2.55 (m, 4H), 2.15 (q, J = 6.7 Hz, 1H), 1.52 - 1.74 (m, 3H), 1.30 (m, 1H), 0.89 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.73 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.69 (s, 3H) 。
【0203】
実施例21
[0138]4−クロロ−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,6R)−3−(エチルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール(化合物21)の合成
【0204】
【化37】
【0205】
[0139]ステップ1
THF(30mL)中に(2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキサン−1−オン[実施例12、ステップ1](3g、6.70mmol)、Ti(i−PrO)(15.2g、53.52mmol)、エチルアミン塩酸塩(2.2g、26.83mmol)およびMS 4A(1g)の混合物を、250mLの丸底フラスコに入れた。混合物を油浴中、68℃で終夜撹拌した。得られた混合物を200mLの酢酸エチルで希釈し、続いて10mLの飽和塩化アンモニウムを添加した。混合物を濾過し、濾液を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、4−クロロ−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(エチルイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール(1.2g、粗製)を褐色固体として得た。
【0206】
[0140]ステップ2
ジクロロメタン(20mL)中の4−クロロ−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(エチルイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール(1.2g、2.53mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.07g、5.05mmol、2.00当量)の溶液を、100mLの丸底フラスコに入れた。混合物を室温で5時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残留物を以下の条件でフラッシュ分取HPLCにより精製して、粗生成物(350mg)を得、これを以下の条件でキラル分取HPLCにより精製して、4−クロロ−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,6R)−3−(エチルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール(211.4mg、18%、化合物21)を橙色固体として得た。
【0207】
フラッシュ分取HPLC条件(CombiFlash−1):カラム、C18シリカゲル;移動相、水/アセトニトリル=1:0から40分以内に水/アセトニトリル=0:1まで増加;検出器、UV254nm。
【0208】
キラル分取HPLC条件:カラム:XBridge Shield RP18 OBDカラム、5μm,19×150mm;移動相A:10mmol NHHCOを含む水、移動相B:ACN;流速:20mL/分;勾配:10分間で75%Bから95%B;検出器254nm。
【0209】
LC-MS (ES, m/z): 477 [M+H]+
H-NMR (DMSO, 300MHz, ppm): δ 10.71-10.87 (br, 1H), 8.644 (s, 1H), 5.82 (t, J=16.2Hz, 1H), 5.39 (m, 1H), 5.25 (m, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.75 (s, 3H), 3.44 (d, J=6.9Hz, 2H), 2.57-2.66 (m, 2H), 2.51 (s, 3H), 2.28-2.36 (m, 1H), 1.74-1.82 (m, 4H), 1.12-1.50 (m, 6H), 0.98 (m, 3H), 0.86 (m, 3H), 0.77 (m, 3H), 0.63 (m, 3H) 。
【0210】
実施例22
[0141]4−クロロ−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール(化合物23)の合成
【0211】
【化38】
【0212】
[0142]表題化合物は、エチルアミンの代わりにシクロプロピルアミンを使用したこと以外は、実施例21に記載した方法と同様の方法により調製した。
LC-MS (ES, m/z): 489 [M+H]+
H-NMR (DMSO, 300MHz, ppm): δ 10.79 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 5.80 (t, J=16.2Hz,1H), 5.37 (m, 1H), 5.24 (m, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.74 (s, 3H), 3.44 (d, J=6.3Hz, 2H), 2.74 (m, 1H), 2.41 (s, 3H), 1.96 (m, 2H), 1.82 (s, 3H), 1.41-1.57 (m, 3H), 1.15-1.40 (m, 3H), 0.80 (s, 3H), 0.73 (m, 3H), 0.64 (m, 3H), 0.39 (m, 1H), 0.25 (m, 2H), 0.15 (m, 1H) 。
【0213】
実施例23
[0143]2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,6R)−3−アミノ−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−4−クロロ−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール(化合物24)の合成
【0214】
【化39】
【0215】
[0144]エタノール(100mL)中の(2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキサン−1−オン(3g、6.70mmol)[実施例12、ステップ1]、NaBHCN(2.75g、43.76mmol)およびNHOAc(20g、40.00当量)の混合物を、アルゴン雰囲気でパージおよび維持した250mLの丸底フラスコに入れた。得られた混合物を油浴中、70℃で終夜撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をHO(80mL)で希釈した。混合物を酢酸エチル(200mL×3)で抽出し、有機層を合わせ、次いで真空下で濃縮した。残留物を以下の条件でフラッシュ分取HPLCにより精製して、表題化合物(1.5g、50%、化合物24)を黄色固体として得た。
【0216】
フラッシュ分取HPLC条件(IntelFlash−1):カラム、C18シリカゲル;移動相、CHCN:HO=0:95から55分以内にCHCN:HO=95:5まで増加;検出器、UV254nm。
【0217】
LC-MS: (ES, m/z): [M+H]+ 449
H-NMR: (CDCl3,400MHz ppm): δ 10.77 (s, 1H), 8.50 (s, 1H), 5.93 (d, J=16.4Hz ,1H), 5.52 (m,1H), 5.19 (m,1H), 3.99 (s, 3H), 3.82 (s, 3H), 3.54 (m, 2H), 2.42 (s, 3H), 2.04-2.23 (m, 1H), 1.90 (m, 3H), 1.25-1.85 (m, 6H), 0.91-1.04 (m, 5H), 0.70-0.78 (m, 4H) 。
【0218】
実施例24
[0145]4−クロロ−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチル−2−[(2E,4E)−3−メチル−5−[(1R,2R,6R)−1,2,6−トリメチル−3−[(オキセタン−3−イル)アミノ]シクロヘキシル]ペンタ−2,4−ジエン−1−イル]フェノール(化合物25)の合成
【0219】
【化40】
【0220】
[0146]50mLの密封管に、DCM(12mL)中の2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,6R)−3−アミノ−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−4−クロロ−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール(化合物24;1g、2.23mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(STAB、709.8mg、3.35mmol)およびオキセタン−3−オン(353.6mg、4.91mmol)の溶液を入れた。混合物を室温で18時間撹拌し、次いで真空下で濃縮した。残留物を以下の条件で分取HPLCにより精製して、表題化合物(239.2mg、21%、化合物25)をオフホワイトの固体として得た。
【0221】
分取HPLC条件(2#−分析HPLC−SHIMADZU(HPLC−10)):カラム、XBridge Shield RP18 OBDカラム、5μm、19×150mm;移動相、10mmol NHHCOおよびCHCNを含む水(10分間、82.0%ACNを保持);検出器、UV254nm。
【0222】
LC-MS: (ES, m/z): [M+H]+ 505
H-NMR: (DMSO,400MHz ppm): δ10.80 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 5.84 (d, J=16.4Hz,1H), 5.41 (m,1H), 5.25 (d, J=15.6Hz,1H), 4.60 (m,2H), 4.27-4.36(m, 2H), 4.38 (s, 3H), 3.83 (m, 1H), 3.76 (s, 3H), 3.46 (d, J=7.2Hz, 2H), 2.42 (s, 3H), 1.84 (s, 3H), 1.45-1.58 (m, 3H), 1.35 (m, 2H), 1.21 (m, 1H), 0.89 (s, 3H), 0.81 (d, J=7.2Hz, 3H), 0.67 (m, 3H) 。
【0223】
実施例25
[0147]3−クロロ−5−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,6R)−3−(エチルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド(化合物20)の合成.
【0224】
【化41】
【0225】
[0148]THF/水(20mL/2mL)中の4−クロロ−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,6R)−3−(エチルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−3−メトキシ−6−[(1E)−(メトキシイミノ)メチル]−5−メチルフェノール[化合物21、実施例21](500mg、1.05mmol)、ホルムアルデヒド(425mg、5.25mmol、5.00当量、37%)および塩酸(500mg、5.3mmol、5.00当量、38%)の溶液を、30mLの密封管に入れた。混合物を100℃で終夜撹拌し、次いで真空下で濃縮した。残留物を以下の条件で分取HPLCにより精製して、表題化合物(55.4mg、9.4%、化合物20)をオフホワイトの固体として得た。
【0226】
分取HPLC条件(2#−分析HPLC−SHIMADZU(HPLC−10)):カラム、Gemini−NX 5u C18 110A、AXIA Packed、150×21.2mm;移動相、カラム:移動相A:10mmol CFCOOHを含む水、移動相B:CHCN;流速:30mL/分;勾配:10分間で60%Bから95%B;254nm;検出器、uv254nm。
【0227】
LC-MS (ES, m/z): 448 [M+H]+
H-NMR (DMSO, 300 MHz, ppm) 12.62 (br, 1H), 10.27 (br, 1H), 7.90 (br, 1H), 7.43 (br, 1H), 5.94 (d, J=16.2Hz, 1H), 5.43 (t, J=7.5Hz, 1H), 5.34 (d, J=15.9Hz, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.47 (d, J=7.5Hz, 2H), 3.28 (m, 1H), 2.96 (m, 2H), 2.62 (s, 3H), 1.85 (m, 5H), 1.70 (m, 1H), 1.50 (s, 3H), 1.20 (m, 3H), 0.88 (m, 3H), 0.83 (m, 3H), 0.74 (m, 3H).
実施例26
[0149]3−クロロ−5−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンズアルデヒド(化合物22)の合成
【0228】
【化42】
【0229】
[0150]表題化合物は、実施例25に記載した方法と同様の方法により、化合物23(実施例22)から調製した。
LC-MS (ES, m/z): 460 [M+H]+
H-NMR (DMSO, 300 MHz, ppm): 12.60 (br, 1H), 10.27 (s, 1H), 5.80 (d, J=16.2Hz, 1H), 5.36 (t, J=7.2Hz, 1H), 5.25 (d, J=15.9Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.42 (d, J=6.9Hz, 2H), 2.75 (m, 1H), 2.62 (s, 3H), 1.96 (m, 2H), 1.82 (s, 3H), 1.20-1.61 (m, 6H), 0.80 (m, 3H), 0.71 (m, 3H), 0.63 (m, 3H), 0.35-0.47 (m, 1H), 0.24-0.31 (m, 2H), 0.06-0.18 (m, 1H) 。
【0230】
実施例27
[0151]3−クロロ−5−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−2−メチルベンズアルデヒド(化合物13)の合成
【0231】
【化43】
【0232】
[0152]ステップ1
50mLの丸底フラスコに、エタノール(10mL)中の(2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−5−(ジエトキシメチル)−2−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキサン−1−オン[実施例2](900mg、1.76mmol)、MS 4A(200mg)およびシクロプロパンアミン(2g、35.03mmol、20.00当量)の溶液を入れた。得られた溶液を30℃で終夜撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮して、4−クロロ−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(シクロプロピルイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−6−(ジエトキシメチル)−3−(フルオロメトキシ)−5−メチルフェノール(0.9g、93%)を固体として得た。
【0233】
[0153]ステップ2
エタノール(20mL)中の4−クロロ−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,3E,6R)−3−(シクロプロピルイミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−6−(ジエトキシメチル)−3−(フルオロメトキシ)−5−メチルフェノール(1.1g、2.00mmol)および酢酸水素化ホウ素ナトリウム(464mg、2.19mmol)の溶液を、100mLの丸底フラスコに入れた。混合物を室温で3時間撹拌し、真空下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1:10)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、4−クロロ−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−6−(ジエトキシメチル)−3−(フルオロメトキシ)−5−メチルフェノール(460mg、42%)を固体として得た。
【0234】
[0154]ステップ3
THF/水/酢酸(10/20/10mL)中の4−クロロ−2−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−6−(ジエトキシメチル)−3−(フルオロメトキシ)−5−メチルフェノール(460mg、0.83mmol)の溶液を、100mLの丸底フラスコに入れた。混合物を室温で3時間撹拌し、真空下で濃縮した。残留物を水(10mL)に溶解した。混合物を酢酸エチル(20mL)で抽出し、有機層を合わせ、次いで真空下で濃縮した。残留物を以下の条件で分取HPLCにより精製して、3−クロロ−5−[(2E,4E)−5−[(1R,2R,6R)−3−(シクロプロピルアミノ)−1,2,6−トリメチルシクロヘキシル]−3−メチルペンタ−2,4−ジエン−1−イル]−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−2−メチルベンズアルデヒド(206.7mg、52%、化合物13)を薄黄色固体として得た。
【0235】
分取HPLC条件(2#−分析HPLC−SHIMADZU(HPLC−10)):カラム、Gemini−NX C18 AXAI Packed、21.2×150mm 5μm 11nm;移動相、10mmol NHHCOおよびCHCNを含む水(8分間、95.0%CHCNを保持);検出器、uv254nm。
【0236】
LC-MS (ES, m/z): [M+H]+: 478.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 10.26 (s, 1H), 5.79 (d, J = 154.3 Hz, 2H), 5.78 (d, J = 16.2 Hz, 1H) 5.34 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 5.25 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 3.48 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 2.76 (m, 1H), 2.64 (s, 3H), 1.95-2.08 (m, 2H), 1.80(s, 3H), 1.20-1.48 (m, 5H), 0.79 (s, 3H), 0.69 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 0.59 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 035 (m, 1H), 0.24 (m, 1H), 0.11 (m, 1H) 。
【0237】
実施例28
[0155]2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−2−(フルオロメトキシ)−5−ホルミル−6−ヒドロキシ−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)酢酸(化合物26)の合成
【0238】
【化44】
【0239】
[0156]ステップ1
エタノール(10mL)中の(2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−5−(ジエトキシメチル)−2−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキサン−1−オン[実施例2](1.5g、2.94mmol)、CsCO(479mg、1.47mmol)およびエチル2−(アミノオキシ)アセテートシュウ酸塩(605mg、2.89mmol)の溶液を、100mLの丸底フラスコに入れた。混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。有機層を合わせ、次いで真空下で濃縮した。残留物を以下の条件でフラッシュ分取HPLCにより精製して、エチル2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−5−(ジエトキシメチル)−2−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)アセテート(1.0g、56%)を薄黄色固体として得た。
【0240】
フラッシュ分取HPLC条件(IntelFlash−1):カラム、C18シリカゲル;移動相、CHCN/HO=60:40から40分以内にCHCN/HO=95:5まで増加;検出器、UV254nm。
【0241】
LC−MS(ES、m/z):612[M+H]
[0157]ステップ2
THF/HO(1:1、30mL)中のエチル2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−5−(ジエトキシメチル)−2−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)アセテート(1g、1.63mmol)、水酸化リチウム(117mg、3.00当量)の混合物を、100mLの丸底フラスコに入れた。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、(15mL)を溶液に添加した。得られた溶液を室温でさらに6時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮し、20mLの水で希釈した。混合物を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機層を合わせ、次いで真空下で濃縮した。残留物を以下の条件でフラッシュ分取HPLCにより精製して、2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−2−(フルオロメトキシ)−5−ホルミル−6−ヒドロキシ−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)−酢酸(533.3mg、64%、化合物26)を薄黄色固体として得た。
【0242】
フラッシュ分取HPLC条件(IntelFlash−1):カラム、C18シリカゲル;移動相、CHCN/HO=55:45から45分以内にCHCN/HO=95:5まで増加;検出器、UV254nm。
【0243】
LC-MS (ES, m/z): [M+H]+ : 510.
H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ12.58 (s, 2H), 10.30 (s, 1H), 5.88 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 5.79 (d, J = 53.7 Hz, 2H), 5.40 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 5.38 (m, 1H), 4.46 (s, 2H), 3.50 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 3.23 (dd, J = 12.7, 4.0 Hz, 1H), 2.64 (s, 3H), 2.27 (q, J = 6.7 Hz, 1H), 1.84 (s, 3H), 1.82-1.59 (m, 3H), 1.35-1.19 (m, 1H), 0.75 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.68 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.62 (s, 3H) 。
【0244】
実施例29
[0158]2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−2−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−[(1E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)酢酸(化合物27)の合成
【0245】
【化45】
【0246】
[0159]ステップ1
ピリジン(6mL)中の3−クロロ−4−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−2−メチル−5−[(2E,4E)−3−メチル−5−[(1R,2R,6R)−1,2,6−トリメチル−3−オキソシクロヘキシル]ペンタ−2,4−ジエン−1−イル]ベンズアルデヒド[実施例1](600mg、1.37mmol)およびヒドロキシアミン塩酸塩(93.5mg、1.35mmol、0.98当量)の溶液を、100mLの丸底フラスコに入れた。混合物を室温で2時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮して、(2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−2−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−[(1E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキサン−1−オン(500mg、粗製)を黄色油状物として得た。
【0247】
[0160]ステップ2
ピリジン(6mL)中の(2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−2−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−[(1E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキサン−1−オン(500mg、1.11mmol)およびエチル2−(アミノオキシ)アセテートシュウ酸塩(925mg、4.42mmol、4.00当量)の溶液を、100mLの丸底フラスコに入れた。混合物を室温で1時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した結果、エチル2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−2−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−[(1E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)アセテート(550mg、粗製)を黄色固体として得た。
【0248】
[0161]ステップ3
テトラヒドロフラン(6mL)および水(2mL)中のエチル2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−2−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−[(1E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)アセテート(550mg、0.99mmol)、水酸化リチウム(853mg、35.62mmol)の混合物を、100mLの丸底フラスコに入れた。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮した。得られた混合物を酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、有機層を合わせ、次いで真空下で濃縮した。残留物を以下の条件で分取HPLCにより精製して、2−([[(1E,2R,3R,4R)−3−[(1E,3E)−5−[3−クロロ−2−(フルオロメトキシ)−6−ヒドロキシ−5−[(1E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−4−メチルフェニル]−3−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル]−2,3,4−トリメチルシクロヘキシリデン]アミノ]オキシ)酢酸(242.2mg、46%、化合物27)を固体として得た。
【0249】
分取HPLC条件(分取HPLC_MC1):カラム:XBridge Shield RP18 OBDカラム、5μm、19×150mm;移動相A:水(0.1%FA)、移動相B:ACN;流速:20mL/分;勾配:8分間で56%Bから80%B;検出器:254nm。
【0250】
LC-MS (ES, m/z): [M+H]+: 525, [M+Na-H]+: 547
H-NMR (300MHz, CD3OD, ppm): δ 8.56(S, 1H), 5.89(d, J=16.2 Hz, 1H), 5.72(s, 1H), 5.54(s, 1H), 5.44-5.33(m, 2H), 4.48(s, 2H), 3.56(d, J=7.2 Hz, 2H), 3.39-3.32(m, 1H), 2.43(s, 3H), 2.19(q, J=6.6 Hz, 1H), 1.86(s, 3H), 1.77-1.59(m, 3H), 1.25-1.48(m, 1H), 0.84(d, J=6.0 Hz, 3H), 0.74-0.69(m, 6H) 。
【0251】
試験実施例1
HepG2細胞におけるAMPKおよびACCのリン酸化レベルに対する効果.
[0162]p−AMPKおよびp−ACCレベルを、p−AMPKおよびp−ACCに対する抗体を使用するウエスタンブロット分析により測定した。以下の試薬を供給業者から購入し、以下に列挙する機器を使用した。
【0252】
[0163]試薬:AMPKα(D5A2)ウサギmAb、ホスホ−アセチル−CoAカルボキシラーゼ(Ser79)(D7D11)ウサギmAb、抗ウサギIgG、HRP結合抗体およびベータ−アクチン(13E5)ウサギmAbを、Cell Signaling Technologyから購入した。ECLウエスタンブロッティング検出試薬をThermoから購入した。
【0253】
[0164]機器:ウエスタンブロットシステム(Invitrogen/Bio−Rad)、およびイメージングシステム(Cell Biosciences)
化合物処置
[0165]HepG2細胞を、37℃でかつ5%CO条件下で、10%FBSを補充したMEM培地で培養した。HepG2細胞(1×10細胞/ウェル)を6ウェル細胞培養プレートに24時間播種した。細胞を無血清MEM培地(3ml/ウェル)で24時間飢餓状態にした。
【0254】
試験化合物調製:
[0166]化合物をDMSOに溶解して、それぞれ5、25、50mMのストック溶液を作製した。化合物を希釈して、無血清MEM培地における最終濃度を5、25および50μMとした。
【0255】
メトホルミン調製:
[0167]メトホルミンをPBSに溶解して、ストック濃度を1Mとした。メトホルミンを希釈して、無血清MEM培地における最終濃度を5および50mMとした。
【0256】
無血清MEM培地を各ウェルから廃棄した。3mlの1×化合物を各ウェルに添加した。細胞を37℃、5%COのインキュベーター内で6時間インキュベートした(化合物5、化合物19およびメトホルミン)。
【0257】
ウエスタンブロット分析
[0168]各試料からの全タンパク質(10μg)を、SDS−PAGEの試料ウェルにロードした。電気泳動を、ブルーマーカーがゲルの末端に達するまで、120V定電圧で行った。Bio−Rad社製Trans blotを300mAで40分間使用して、タンパク質をPVDF膜に転写した。転写後、膜をブロッキング緩衝液で、室温で2時間ブロッキングした。膜を、対応する一次抗体溶液とともに4℃で終夜インキュベートした。膜を1×TBSTで5分間×3洗浄し、二次抗体溶液とともに室温で45分間インキュベートした。膜を1×TBSTで5分間×3洗浄し、検出を化学発光検出試薬で行った。結果を図1に示す。
【0258】
試験実施例2
pH4.0およびpH7.4のリン酸緩衝溶液中における溶解度の測定
1)ストック溶液の調製
[0169]試験化合物および陽性対照化合物のストック溶液を、DMSO中、30mMの濃度で調製した。ジクロフェナクをアッセイにおける陽性対照として使用した。
2)溶解度決定のための手順
[0170]各化合物のストック溶液(10μL)を、それらの適正な96ウェルラックに順に入れ、続いてpH4.0およびpH7.4の990μLのPBSをキャップレスの溶解度試料プレートの各バイアル中に添加した。この研究を二重に実施した。1本の撹拌棒を各バイアルに添加し、次いでバイアルを、成形されたPTDE/SIL 96ウェルプレートカバーを使用して密封した。溶解度試料プレートをThermomixer Comfortプレートシェーカーに移し、1,100rpmで振盪しながら、25℃で2時間インキュベートした。2時間のインキュベーション後、大きな磁石を用いて撹拌棒を取り出し、溶解度試料プレートからのすべての試料をフィルタープレート内に移した。すべての試料を、真空マニホールドを使用することにより濾過した。濾過した試料をメタノールで希釈した。
3)試料をLC−MS/MSにより分析:
[0171]LCシステムは、脱気装置DGU−20A3、溶媒送達ユニットLC−20AD、システムコントローラーCBM−20A、カラムオーブンCTO−10ASVPおよびCTC分析HTC PALシステムを備えたShimadzu液体クロマトグラフ分離システムから構成された。質量分光分析は、ESIインターフェースを有するAB Inc(カナダ)のAPI4000機器を使用して実施した。データ取得および制御システムは、ABI IncのAnalyst 1.6ソフトウェアを使用して作成した。測定の結果を表2に示す。
【0259】
【表2】
【0260】
試験実施例3
マウスおよびヒトミクロソームに対する安定性の決定
[0172]プールされたヒト肝臓ミクロソーム(Cat.452161;Lot.23418)をCorningから購入し、プールされた雄性マウス肝臓ミクロソーム(Cat.M1000;Lot.1210302)をXenotechから購入した。ミクロソームは、使用前に−80℃で貯蔵した。陰性対照において、NADPH溶液の代わりに、40μLの超高純度HOを使用した。陰性対照は、化学物質自体の不安定性から生じる、誤った方向に導く因子を排除するために使用した。NADPHを有する試料を二重に調製した。陰性対照は一重に調製した。
【0261】
[0173]各マスター溶液への4μLの200μM化合物溶液の添加により反応を開始させて、2μMの最終濃度を得た。ベラパミルをアッセイにおける陽性対照として使用した。50μLのアリコートを、0、15、30、45および60分の時点で反応溶液から採取した。IS(200nMイミプラミン、200nMラベタロールおよび2μMケトプロフェン)を含む4体積の冷アセトニトリルの添加により、反応を停止させた。試料を3,220gで40分間遠心分離した。上清の90μLのアリコートを90μLの超高純度HOと混合し、次いでLC−MS/MS分析に使用した。結果は、NADPHの存在下でヒトおよびマウスの肝臓ミクロソームとともに60分間のインキュベートした後の試験化合物の残留%を示すことにより、表3に示す。
【0262】
【表3】
【0263】
試験実施例4
[0174]SDラットにおいて、試験化合物の単回投与後に、血液中の化合物19のPKプロファイルをLC/MS/MSにより分析した。
【0264】
試験動物:SDラット(n=3匹/群)
ビヒクル:10v/v%DMSOおよび90v/v%PEG400
用量(単一):iv/1および5mg/kg、po/5および25mg/kg
分析機器および条件:LC/MS/MS機器[LC:Shimazu、MS:AB API4000(イオン源:ESI)]、LCカラム:XSELECT(商標)CSH(商標)C18 2.5μm(2.1×50mm)、移動相:5%アセトニトリル(0.1%ギ酸)および95%アセトニトリル(0.1%ギ酸)。
【0265】
結果を図2に示す。
試験実施例5
[0175]6種のヒトがん細胞株に対する化合物の抗増殖活性をCellTiterGloアッセイキットにより決定した。すべての細胞をATCCから取得し、供給業者により推奨される通りに培養した。細胞を指数増殖期にアッセイした。試料溶液を、DMSO中で、10用量について30mMストックから3倍系列希釈により調製した。細胞を37℃、5%COのインキュベーター内で96時間インキュベートした後、抗増殖活性を、プロトコルに従ってCellTiterGloアッセイキットにより測定した。
【0266】
[0176]インキュベーションの4日目に、i)1ウェル当たり15μlの試薬(CelltiterGloアッセイキット)を添加し、プレートをプレートシェーカー上で2分間振盪し(光を避けながら)、ii)プレートを室温に30分間保ち(光を避けながら)、iii)発光値をマルチプレートリーダーにより記録した。結果を表4に示す。
【0267】
【表4】
【0268】
試験実施例6
HFD−STZ C57BL/6Jマウスモデルにおけるインビボ効力
食餌誘導肥満モデル確立:
[0177]C57BL/6Jマウスに高脂肪食(Research Diets、D12492)を64日間与え、ストレプトゾトシン(10mg/kg)を22日目および29日目に経口的に与えた。化合物処置を36日目から63日目に行った。
【0269】
群および処置
[0178]5週目の動物の体重および経口グルコース負荷試験(OGTT)に基づいて、マウスを、コンピュータ生成無作為化手順を使用して、それぞれの群に無作為に割り当てた。
【0270】
ビヒクル群:HFD/STZ+ビヒクル
処置群:HFD/STZ+試験化合物
処置用量:化合物5(po.qd×28:0.2mg/kg、1mg/kgおよび5mg/kg)
ピオグリタゾン、陽性対照(po.qd×28:30mg/kg)
通常食群:通常食+ビヒクル
1群当たりの動物の数:8
化合物5用ビヒクル:PEG−400(Sigma)/Tween80(Sigma)緩衝液=95:5
ピオグリタゾン用ビヒクル:生理食塩水
試験化合物の投与:
[0179]化合物5およびピオグリタゾンを、上に示した用量で1日1回4週間、経口投与した。
【0271】
グルコース決定:
血液グルコースレベルを、Accu−Chek Avivaシステムを使用することにより、2週間ごとに尾静脈からの血液で測定した。
【0272】
血液化学分析:
[0180]2週間ごとの脂質プロファイル、および末端血液生化学パラメータを、表2に列挙した通りに試験した。血液試料を49および65日目での収集から取得し、試料を、4℃、4,000gでの15分間の遠心分離により直ちに処理し、次いでそれらを新たな試験管内に移した。脂質プロファイル、およびフルパネルの血液生化学パラメータを、TOSHIBA TBA−40FR自動生化学分析装置を使用することにより測定した。
【0273】
[0181]図3および4は、マウスの血液中のトリグリセリドおよび総コレステロールのレベルに対する本発明の化合物の効果を示す。図5は、絶食状態のマウスの血液グルコースレベルに対する本発明の化合物の効果を示す。
【0274】
試験実施例7
BALB/cヌードマウスでのU87MGヒト膠芽腫異種移植モデルにおける化合物5(po、qd×14)の抗腫瘍活性
腫瘍接種のための方法
[0182]各マウスに、腫瘍成長のための0.1mlのMEM−Matrigel混合物(比7:3)中のU87MG腫瘍細胞(5×10)を右側腹に皮下接種した。平均腫瘍サイズがおよそ113mmに達したときに、処置を開始した。次いで、マウスを群に無作為化した。処置を担癌マウスに行った。
【0275】
化合物処置
[0183]化合物5をビヒクル(95%v/v PEG400+5%Tween80)に溶解し、担癌マウスに3つの用量レベル(50、100および200mg/kg)で14日間経口投与した。
【0276】
[0184]腫瘍サイズの測定をカリパスで週に2回行い、腫瘍体積(mm)を、式:TV=a×b2/2(式中、「a」および「b」はそれぞれ腫瘍の長直径および短直径である)を用いて推定した。TVは、腫瘍接種後の所定の日の、式:TGI=(1−T/C)×100%(式中、「T」および「C」は、それぞれ、処置群および対照群における腫瘍の平均相対体積(%腫瘍増殖)である)を用いた腫瘍増殖阻害(TGI、抗腫瘍有効性の指標)値の算出に使用した。結果を図6に示す。
【0277】
試験実施例8
BALB/cヌードマウスでのHep3Bヒト肝臓がん異種移植モデルにおける化合物5(po、qd×14)の抗腫瘍活性:単剤、およびソラフェニブとの組合せ.
[0185]各マウスに、腫瘍成長のための0.1mlのMEM−Matrigel混合物(比1:1)中のHep3B腫瘍細胞(5×10)を右側腹に皮下接種した。平均腫瘍サイズがおよそ137mmに達したときに、処置を開始した。次いで、マウスを群に無作為化した。
【0278】
化合物処置
[0186]化合物5をビヒクル(95%v/v PEG400+5%Tween80)に溶解し、担癌マウスに最初の5日間は1日1回200mg/kgで経口投与し、続いて10日間、100mg/kgで処置した。陽性対照、ソラフェニブをビヒクル(20%2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPBCD))に溶解し、担癌マウスに1日1回80mg/kgで15日間経口投与した。腫瘍サイズの測定を上記の通り、カリパスで週に2回行った。結果を図7に示す。結果は、化合物単独でのまたはソラフェニブと組み合わせての投与により肝臓がん細胞の増殖を低減させる、本発明の化合物の著しい効果を明確に示す。
【0279】
試験実施例9
[0187]試験実施例6と同様の方法で、化合物19のインビボ効力研究を、HFD−STZ C57BL/6Jマウスモデルで行った。その結果、化合物19(28日間、1日1回、0.25〜16mg/kgでの経口処置)は、血液グルコースレベル(−68%)およびHbA1Cレベル(−31%)を著しく減少させた。OGTTアッセイにおいて、化合物19で処置した群は、著しく改善されたグルコース吸収を示し、具体的には、対照群(ビヒクルで処置した群)よりも、グルコース投与の2時間後の血液グルコースレベルは30%低く、グルコースAUCは25%低かった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7