特許第6758846号(P6758846)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6758846
(24)【登録日】2020年9月4日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】外科手術装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20200910BHJP
【FI】
   A61B17/072
【請求項の数】10
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2016-25888(P2016-25888)
(22)【出願日】2016年2月15日
(65)【公開番号】特開2016-159153(P2016-159153A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2019年2月15日
(31)【優先権主張番号】62/121,049
(32)【優先日】2015年2月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/812,143
(32)【優先日】2015年7月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ケネス カッポラ
(72)【発明者】
【氏名】リー アン オルソン
(72)【発明者】
【氏名】フランク マッフェイ
【審査官】 吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−231525(JP,A)
【文献】 米国特許第05615820(US,A)
【文献】 特開2015−037551(JP,A)
【文献】 特開2014−083438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068−17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術ステープル留め装置であって、
接続アセンブリを含む本体部分であって、該接続アセンブリは、該本体部分の近位端において支持されている、本体部分と、
チップアセンブリを備える識別アセンブリと、ステープルカートリッジ本体と、支持プレートと、顎部材とを有するツールアセンブリと、
電気コンダクターと
を含み、該チップアセンブリは、該顎部材のコネクターアセンブリとの整列および接続を容易にする第1の突起を有し、該チップアセンブリは、該ステープルカートリッジ本体における凹部の中に受け取られる第2の突起を有し、該コネクターアセンブリおよび該チップアセンブリは、それらの間に電気的接続を有し、
該電気コンダクターは、該接続アセンブリから該識別アセンブリに延び、該電気コンダクターは、該ツールアセンブリの関節運動に適応するためのひずみリリーフ部分を含み、該ひずみリリーフ部分は、複数のコイルを含む、外科手術ステープル留め装置。
【請求項2】
前記ステープルカートリッジ本体、前記支持プレート、および前記チップアセンブリは、取り外し可能で交換可能なユニットを形成している、請求項1に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項3】
前記装置は、ーディングユニットであ、請求項1に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項4】
前記接続アセンブリは、アダプターアセンブリとの電気的接続を形成している、請求項3に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項5】
前記顎部材は、側方に延びているレールを含む、請求項1に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項6】
前記チップアセンブリは、第3の突起を有し、該第3の突起は、該チップアセンブリまたは前記ステープルカートリッジ本体のうちの少なくとも1つの垂直移動を防止するために、前記レールとインターフェイス接続している、請求項5に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項7】
前記ステープルカートリッジ本体の一部分は、近位方向に延びており、前記レールの下に配置されるように構成されている、請求項5に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項8】
前記第2の突起は、前記支持プレート上のタブを受け取るための切欠きを規定する、請求項1に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項9】
前記ステープルカートリッジ本体は、該ステープルカートリッジ本体の側面から延びている少なくとも1つのタブを有する、請求項1に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのタブは、長さを有し、該少なくとも1つのタブの該長さは、前記ステープルカートリッジ本体によって規定されるステープル線の長さを示すものである、請求項9に記載の外科手術ステープル留め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2015年2月26日に出願された米国仮特許出願第62/121,049号の利益、および上記米国仮特許出願に対する優先権を主張し、その内容は、本明細書中でその全体が参考として援用される。
【0002】
背景
技術分野
本開示は、関節運動ツールアセンブリを有する外科手術装置に関する。より詳しくは、本開示は、改善されたカートリッジアセンブリとツールアセンブリとを含む外科手術装置に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の背景
組織において動作するための外科手術装置は、当該分野において周知であり、代表的に、動力式ハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリから遠位方向に延びている本体部分と、本体部分の遠位端において支持され、本体部分に対して関節運動可能であるツールアセンブリとを含む。ツールアセンブリは、第1の顎と第2の顎とを含み、第1の顎および第2の顎は、接近されていない位置と接近された位置との間で互いに対して移動可能である。外科手術ステープル留め装置において、第1の顎は、アンビルアセンブリを支持し、第2の顎は、カートリッジアセンブリを支持している。カートリッジアセンブリは、外科手術手順中、ツールアセンブリの再使用を可能にするために交換可能であり得る。交換可能なカートリッジアセンブリは、異なる特性(すなわち、厚さ、密度)を有する組織における使用のために、多様な構成で提供され得る。例えば、異なるカートリッジアセンブリは、異なるサイズのステープルを有し得、および/またはステープルは、異なる構成で配置され得る。
【0004】
多くのカートリッジアセンブリは、識別チップを含み、この識別チップは、ハンドルアセンブリが、取り付けられたカートリッジアセンブリと動作するようにプログラムされていることを確実にするために、外科手術ステープル留め装置の本体部分を通って延びているコンダクターによってハンドルアセンブリに電気的に結合される。外科手術ステープル留め装置へのカートリッジアセンブリの取り付け中、カートリッジアセンブリの誤った装填は、カートリッジアセンブリと外科手術ステープル留め装置との間の電気的接続への損傷をもたらし得る。カートリッジアセンブリの装填中、および外科手術ステープル留め装置の使用中の電気的接続への損傷を防止するために、改善された電気的接続を有するカートリッジアセンブリを提供することは有益である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
従って、ひずみリリーフを有する電気コンダクターを含む外科手術装置が提供される。外科手術装置は、近位端と遠位端とを有する本体部分を含み、近位端において支持されている接続アセンブリを含む。外科手術装置は、本体部分の遠位端において支持されているツールアセンブリをさらに含み、このツールアセンブリは、本体部分に対して関節運動可能であり、ツールアセンブリは、識別アセンブリを含む。さらに、外科手術装置は、接続アセンブリから識別アセンブリに延びている電気コンダクターを含む。電気コンダクターは、本体部分に対するツールアセンブリの関節運動に適応するためのひずみリリーフ部分を含む。
【0006】
複数の実施形態において、ひずみリリーフ部分は、複数のコイルを含む。複数のコイルの高さは、複数のコイルの近位部分から複数のコイルの遠位部分に減少し得る。あるいは、複数のコイルの高さは、複数のコイルの近位部分から遠位部分まで均一である。複数のコイルは、互いに対して等しく間隔を置かれ得る。
【0007】
いくつかの実施形態において、本体部分は、電気コンダクターを受け取るためのチャネルを規定する。チャネルは、電気コンダクターのひずみリリーフ部分を受け取るための中央部分を含み得る。外科手術装置は、動力式ハンドルアセンブリを含み得、電気コンダクターは、識別アセンブリをハンドルアセンブリに電気的に結合する。ツールアセンブリは、ステープル留めアセンブリを含み得る。ステープル留めアセンブリは、取り外し可能なカートリッジアセンブリを含み得る。電気コンダクターは、可撓性ケーブルを含み得る。可撓性ケーブルは、近位部分と遠位部分とを含み得る。可撓性ケーブルの近位部分は、例えば、接着剤を用いて、本体部分に軸方向に付着され得る。
【0008】
複数の実施形態において、ひずみリリーフ部分は、電気コンダクターを長くすることを可能にするように構成されている。代替的に、または追加的に、ひずみリリーフ部分は、電気コンダクターを短くすることを可能にするように構成されている。本体部分、ツールアセンブリ、および電気コンダクターは、動力式ハンドルアセンブリに解放可能に結合されるように構成されているローディングユニットを形成し得る。
【0009】
ローディングユニットは、顎部材と、顎部材内に選択可能に受け取り可能であるカートリッジアセンブリとを含み得る。識別アセンブリは、顎部材内に配置されているコネクターアセンブリと、カートリッジアセンブリ内に配置されているチップアセンブリとを含み得る。顎部材内へのカートリッジアセンブリの装填は、コネクターアセンブリとのチップアセンブリの係合をもたらし得る。電気コンダクターは、その近位端に一体的に形成されているコネクター部材を含み得る。電気コンダクターは、電気コンダクターに取り付けられている補強された部分を含み得る。
【0010】
さらなる局面において、外科手術ステープル留め装置は、チップアセンブリと、ステープルカートリッジ本体と、支持プレートと、顎部材とを有するツールアセンブリを含み、チップアセンブリは、顎部材のコネクターアセンブリとの整列および接続を容易にする第1の突起を有し、チップアセンブリは、ステープルカートリッジ本体における凹部の中に受け取られる第2の突起を有し、コネクターアセンブリおよびチップアセンブリは、それらの間に電気的接続を有する。
【0011】
ステープルカートリッジ本体、支持プレート、およびチップアセンブリは、取り外し可能で交換可能なユニットを形成し得る。装置は、接続アセンブリを含む本体部分を有するローディングユニットであり得、この接続アセンブリは、本体部分の近位端において支持されている。接続アセンブリは、アダプターアセンブリとの電気的接続を形成し得る。
【0012】
顎は、側方に延びているレールを含み得る。チップアセンブリは、第3の突起を有し得、この第3の突起は、チップアセンブリ、ステープルカートリッジ本体、または両方の垂直移動を防止するために、レールとインターフェイス接続している。ステープルカートリッジ本体の一部分は、近位方向に延び得、レールの下に配置されるように構成され得る。
【0013】
第2の突起は、支持プレート上のタブを受け取るための切欠きを規定し得る。ステープルカートリッジ本体は、ステープルカートリッジ本体の側面から延びている少なくとも1つのタブを有する。ステープルカートリッジ本体の少なくとも1つのタブは、長さを有し、少なくとも1つのタブの長さは、ステープルカートリッジ本体によって規定されるステープル線の長さを示すものであり得る。
【0014】
さらなる局面において、取り外し可能で交換可能なステープルカートリッジアセンブリは、ステープルカートリッジアセンブリの組織接触表面に重なっているシッピングウェッジを有し、シッピングウェッジは、カートリッジ解放突出部を含む。ステープルカートリッジ本体は、シッピングウェッジがステープルカートリッジアセンブリに取り付けられている場合、ステープラー顎の遠位端に隣接して配置されている凹部を規定し得る。凹部の中への突起の挿入は、ステープルカートリッジ本体をステープラー顎から解放するために使用され得る。
【0015】
シッピングウェッジは、ステープルカートリッジアセンブリがステープラーの中に挿入された後、ステープルカートリッジアセンブリとのステープラーアンビルの接近を防止するために、その近位端において高くなった部分を有し得る。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
外科手術ステープル留め装置であって、
チップアセンブリと、ステープルカートリッジ本体と、支持プレートと、顎部材とを有するツールアセンブリ
を含み、該チップアセンブリは、該顎のコネクターアセンブリとの整列および接続を容易にする第1の突起を有し、該チップアセンブリは、該ステープルカートリッジ本体における凹部の中に受け取られる第2の突起を有し、該コネクターアセンブリおよび該チップアセンブリは、それらの間に電気的接続を有する、外科手術ステープル留め装置。
(項目2)
上記ステープルカートリッジ本体、上記支持プレート、および上記チップアセンブリは、取り外し可能で交換可能なユニットを形成している、上記項目に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目3)
上記装置は、接続アセンブリを含む本体部分を有するローディングユニットであり、該接続アセンブリは、該本体部分の近位端において支持されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目4)
上記接続アセンブリは、アダプターアセンブリとの電気的接続を形成している、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目5)
上記顎は、側方に延びているレールを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目6)
上記チップアセンブリは、第3の突起を有し、該第3の突起は、該チップアセンブリまたは上記ステープルカートリッジ本体のうちの少なくとも1つの垂直移動を防止するために、上記レールとインターフェイス接続している、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目7)
上記ステープルカートリッジ本体の一部分は、近位方向に延びており、上記レールの下に配置されるように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目8)
上記第2の突起は、上記支持プレート上のタブを受け取るための切欠きを規定する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目9)
上記ステープルカートリッジ本体は、該ステープルカートリッジ本体の側面から延びている少なくとも1つのタブを有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目10)
上記少なくとも1つのタブは、長さを有し、該少なくとも1つのタブの該長さは、上記ステープルカートリッジ本体によって規定されるステープル線の長さを示すものである、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(摘要)
ツールアセンブリを含む外科手術装置が提供される。ツールアセンブリは、チップアセンブリと、ステープルカートリッジ本体と、支持プレートと、顎部材とを含む。チップアセンブリは、顎のコネクターアセンブリとの整列および接続を容易にする第1の突起を含む。チップアセンブリは、ステープルカートリッジ本体における凹部の中に受け取られる第2の突起をさらに含む。コネクターアセンブリおよびチップアセンブリは、それらの間に電気的接続を含む。
【0016】
本開示の様々な実施形態は、図面を参照して本明細書中に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、接近された位置におけるツールアセンブリを含む本開示の外科手術ステープル留め装置の実施形態の側面斜視図である。
図2図2は、図1に示される外科手術ステープル留め装置の使い捨てローディングユニットの側面斜視図である。
図3図3は、部品が分離されている、図2に示されるローディングユニットの側面斜視図である。
図4図4は、部品が分離されている、図2に示されるローディングユニットの取り付けアセンブリおよび発射ロックアウトアセンブリの拡大された側面斜視底面図である。
図5図5は、図2に示される、示された詳細領域の側面斜視図である。
図6図6は、図2に示されるローディングユニットの近位端の拡大された斜視図である。
図7図7は、上方ハウジング半体が取り外されている、図2に示されるローディングユニットの近位端の側面斜視図である。図7は、駆動部材の作業端に隣接して取り付けアセンブリにおいて支持されているロックアウト機構のラッチ部材の側面斜視図である。
図8図8は、部品が分離されている、図2に示されるローディングユニットの識別アセンブリの側面斜視図である。
図9図9は、図8に示される識別アセンブリの側面斜視図である。
図10図10は、部品が分離されている、図8に示される識別アセンブリのコネクターアセンブリ、および図2に示されるローディングユニットの顎部材の近位端の斜視図である。
図11図11は、図10に示されるコネクターアセンブリおよび顎部材の代替の斜視図である。
図12図12は、図3に示される、示された詳細領域の拡大された図である。
図13図13は、図2に示されるローディングユニットのカートリッジ本体に固定されている図8に示される識別アセンブリのチップアセンブリの側面斜視図である。
図14図14は、図2に示されるローディングユニットのカートリッジアセンブリの斜視端面図であり、図13に示されるチップアセンブリを含む。
図15図15は、図2に示されるローディングユニットの中に装填されている図14に示されるカートリッジアセンブリの側面斜視図である。
図16図16は、アンビルアセンブリが取り外されている、図2に示されるローディングユニットの上面斜視図である。
図17図17は、図16に示される、示された詳細領域の拡大された図である。
図18図18は、部品が分離されている、図4に示される取り付けアセンブリおよび発射ロックアウトアセンブリの斜視図である。
図19図19は、図18に示される発射ロックアウトアセンブリのラッチ部材の拡大された斜視図である。
図20図20は、図18に示される発射ロックアウトアセンブリおよび取り付けアセンブリ、ならびに図2に示されるローディングユニットの駆動アセンブリの遠位端の底面斜視図である。
図21図21は、第1の構成または係止されていない構成にある、図20に示される駆動アセンブリの遠位端および図19に示されるラッチ部材の側面断面図である。
図22図22は、第2の構成または係止された構成にある、図21に示される駆動アセンブリの遠位端およびラッチ部材の断面側面図である。
図23図23は、図2に示される線23−23に沿って得られる断面側面図である。
図24図24は、図23に示される、示された詳細領域の拡大された図である。
図25図25は、図18に示される発射ロックアウトアセンブリの側面斜視図である。
図26図26は、図25に示される線26−26に沿って得られる断面側面図である。
図27図27は、アンビルプレートが取り外されている、図2に示されるローディングユニットのツールアセンブリの上面図である。
図28図28は、第1の関節運動された位置における図27に示されるツールアセンブリの近位端の拡大された図である。
図29図29は、図2に示されるローディングユニットのカートリッジアセンブリ、および本開示に従うシッピングウェッジの側面斜視図である。
図30図30は、図29に示されるシッピングウェッジの底面斜視図である。
図31図31は、可撓性ケーブルを含む、本開示の別の実施形態に従うローディングユニットの側面斜視図である。
図32図32は、図31に示されるローディングユニットの可撓性ケーブルの概略図である。
図33図33は、本開示の別の実施形態に従う使い捨てローディングユニットの側面斜視図である。
図34図34は、部品が分離されている、図33に示されるローディングユニットの側面斜視図である。
図35図35は、図34に示される、示された詳細領域の側面斜視図であり、取り付けアセンブリおよび発射ロックアウトアセンブリを示している。
図36図36は、部品が分離されている、図35に示される取り付けアセンブリおよび発射ロックアウトアセンブリの斜視底面図である。
図37図37は、図35に示される発射ロックアウトアセンブリの側面斜視図である。
図38図38は、図37に示される線38−38に沿って得られる側面断面図である。
図39図39は、図34に示される、示された詳細領域の側面斜視図である。
図40図40は、図33に示されるローディングユニットの近位端の拡大された斜視図である。
図41図41は、上方ハウジング半体が取り外されている、図40に示されるローディングユニットの近位端の側面斜視図である。
図42図42は、部品が分離されている、図33に示されるローディングユニットの識別アセンブリの側面斜視図である。
図43図43は、図42に示される識別アセンブリの側面斜視図である。
図44図44は、部品が分離されている、図42に示される識別アセンブリのコネクターアセンブリ、および図33に示されるローディングユニットの顎部材の近位端の斜視図である。
図45図45は、図44に示されるコネクターアセンブリおよび顎部材の代替の斜視図である。
図46図46は、図34に示される、示された詳細領域の拡大された図である。
図47図47は、図33に示されるローディングユニットのカートリッジ本体に固定され、ローディングユニットの支持プレート内に受け取られている図42に示される識別アセンブリのチップアセンブリの側面斜視図である。
図48図48は、図47に示される線48−48に沿って得られる断面端面図である。
図49図49は、図47に示される線49−49に沿って得られる断面端面図である。
図50図50は、図47に示されるチップアセンブリを含む、図33に示されるローディングユニットのカートリッジアセンブリの斜視端面図である。
図51図51は、図50に示される、示された詳細領域の拡大された図である。
図52図52は、図33に示されるローディングユニットの可撓性ケーブルの斜視図である。
図53図53は、本開示の代替の実施形態に従う可撓性ケーブルの近位端の斜視図である。
図54図54は、図53に示される可撓性ケーブルの遠位端の斜視図である。
図55図55は、図35に示される取り付けアセンブリの斜視側面図である。
図56図56は、アンビルアセンブリが取り外されている、図33に示されるローディングユニットのツールアセンブリの近位端の斜視側面図である。
図57図57は、カートリッジアセンブリの装填中の図33に示されるローディングユニットのツールアセンブリの近位端の斜視側面図である。
図58図58は、第1の長さを有するカートリッジアセンブリのカートリッジ本体、および第2の長さの顎部材の斜視図である。
図59図59は、第2の長さを有するカートリッジアセンブリのカートリッジ本体、および第1の長さの顎部材の斜視図である。
図60図60は、図33に示されるローディングユニットのカートリッジアセンブリ、および本開示の別の実施形態に従うシッピングウェッジの側面斜視図である。
図61図61は、図29に示されるシッピングウェッジの底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面の詳細な説明
次に、本開示の外科手術装置の実施形態が、図面を参照して詳細に記載され、図面において、類似の参照数字は、数枚の図の各々における、同一の要素または対応する要素を表す。本明細書において、用語「近位」は、概して、臨床家により近い、装置の部分を指すために使用され、他方、用語「遠位」は、概して、臨床家からより遠い、装置の部分を指すために使用される。
【0019】
外科手術装置のツールアセンブリが関節運動される場合、本体部分からツールアセンブリに延びている任意のケーブルは、ひずみ(すなわち、圧縮または引張)を経験する。ツールアセンブリの関節運動中、ケーブル(単数または複数)によって経験されるひずみは、ケーブルを損傷し得るか、またはケーブルが外れることをもたらし得る。本開示の実施形態は、ツールアセンブリの関節運動中、ケーブル(単数または複数)によって経験されるひずみを軽減するためのひずみリリーフを提供することに取り組んでいる。本開示の実施形態は、ツールアセンブリおよび外科手術装置内での電気的接続への損傷を防止することにさらに取り組んでいる。
【0020】
図1は、本開示の外科手術装置の実施形態を例示しており、概して、外科手術ステープラー10として示されている。外科手術ステープラーとして例示されているが、装置は、鉗子、レトラクター、クリップアプライヤーなどを含む他のタイプのエンドエフェクターを含み得る。外科手術ステープラー10は、動力式ハンドルアセンブリ12と、本体部分14と、ローディングユニット100とを含む。ハンドルアセンブリ12および本体部分14は、ローディングユニット100の動作を達成するように構成されている。ハンドルアセンブリ12および本体部分14の構造および機能の詳細な説明について、共有に係る米国特許出願公開第2012/0253329号(「‘329公開」)(その内容は、本明細書中でその全体が参考として援用される)を参照されたい。ローディングユニット100は、外科手術ステープラー10の本体部分14に選択的に固定されるものとして示され、記載されているが、ローディングユニット100が本体部分14の遠位端において直接支持され得ることが想定される。
【0021】
図1および図2を参照すると、ローディングユニット100は、近位本体部分102とツールアセンブリ104とを含む。取り付けアセンブリ170は、ツールアセンブリ104に固定されており、ローディングユニット100の近位本体部分102に旋回可能に結合されて、ツールアセンブリ104を近位本体部分102に旋回可能に固定する。ローディングユニット100は、発射ロックアウト機構が変更されていること、ならびに動力式ハンドルアセンブリと協働するための構成要素(すなわち、識別アセンブリおよび可撓性ケーブル)、およびシッピングウェッジが追加されていることを除いて、実質的に米国特許出願公開第2013/0098965号(「‘965公開」)に記載される通りである。‘965公開は、本明細書によりその全体が本明細書中で参考として援用される。従って、‘965公開に開示されるものに共通しているローディングユニット100の構成要素は、本明細書中で簡潔に記載されるのみである。対照的に、本明細書中に新たに示されている構成要素(接続アセンブリ190(図5図7)、識別アセンブリ200(図8図17)、発射ロックアウトアセンブリ220(図19図28)、シッピングウェッジ300(図29および図30)、可撓性ケーブル「R2」(図31および図32)を含む)、およびそれらの動作方法は、本明細書中で詳細に記載される。
【0022】
図3を参照すると、ローディングユニット100の近位本体部分102は、上方ハウジング半体110aと下方ハウジング半体110bとを含み、上方ハウジング半体110aおよび下方ハウジング半体110bは、外側スリーブ112内に含まれる。上方ハウジング半体110aは、第1の結合部材114aの第1の端を受け取るための凹部111aを規定し、下方ハウジング半体110bは、第2の結合部材114bの第1の端を受け取るための凹部111bを規定する。外側スリーブ112が上方ハウジング半体110aおよび下方ハウジング半体110bの周りに位置決めされる場合、第1の結合部材114aおよび第2の結合部材114bは、外側スリーブ112によって、それぞれの凹部111a、111b内に保持される。
【0023】
上方ハウジング半体110aの近位端は、差込み型カップリング配置でステープル留め装置10(図1)の本体部分14(図1)の遠位端を解放可能に係合するための係合ナブ116を含む。上方ハウジング半体110aおよび下方ハウジング半体110bは、さらに詳細に下に記載されるように、各々が、駆動アセンブリ180の駆動部材182をスライド可能に受け取るためのチャネル113a、113bをそれぞれ規定する。関節運動リンク118は、上方ハウジング半体110aと下方ハウジング半体110bとの間にスライド可能に位置決めされ、近位本体部分102に対するツールアセンブリ104の関節運動を容易にするために、外科手術ステープラー10(図1)の関節運動機構(示されない)を係合するように適合されている。1対のブローアウトプレートアセンブリ120a、120bは、上方ハウジング半体110aおよび下方ハウジング半体110bの遠位端に隣接して位置決めされて、ツールアセンブリ104の関節運動中および発射中、駆動部材182の外方への座屈および/または張り出しを防止する。
【0024】
チャネル117は、コンダクター(例えば、電気リボンまたはケーブル「R1」またはワイヤー)を受け取るために、上方ハウジング半体110aの長さを延びている。さらに詳細に下に記載されるように、電気リボン「R1」は、ローディングユニット100の近位本体部分102の近位端に配置されている接続アセンブリ190を、ローディングユニット100のツールアセンブリ104内に配置されている識別アセンブリ200(図8)と電気的に結合する。近位本体部分102の構成要素のより詳細な説明は、共有に係る米国特許第7,143,924号(「‘924特許」)に提供され、その内容は、本明細書により、本明細書中でその全体が参考として援用される。
【0025】
図3を依然として参照すると、ツールアセンブリ104は、アンビルアセンブリ130と、交換可能なカートリッジアセンブリ150とを含み、アンビルアセンブリ130および交換可能なカートリッジアセンブリ150は、接近されていない位置と接近された位置との間で互いに対して移動可能である。アンビルアセンブリ130は、アンビル本体132とアンビルプレート134とを含み、このアンビルプレート134は、アンビル本体132の下側に固定されて、チャネル131(図24)を規定する。アンビル本体132の近位端は、取り付けアセンブリ170の上方取り付け部分172の円筒形旋回部材172aを受け取るための穴133を規定するブラケット132aを含む。アンビルプレート134は、長手方向スロット135を規定し、この長手方向スロット135は、さらに詳細に下で議論されるように、駆動部材182の作業端184の一部分をスライド可能に受け取るような寸法にされている。アンビルプレート134の組織接触表面134aは、複数のステープル受け取りくぼみ(示されない)を規定する。
【0026】
カートリッジアセンブリ150は、支持プレート152と、カートリッジ本体154と、複数のステープル「S」と、ステープル発射アセンブリ160とを含み、このステープル発射アセンブリ160は、作動そり162を含み、さらに詳細に下に記載される。カートリッジアセンブリ150は、顎部材156の中に受け取り可能である。カートリッジ本体154および支持プレート152は、‘965公開(これは、本明細書中で参考として援用されている)に記載されるようなスナップばめ接続によって、顎部材156に取り付けられる。他の形態の接続が企図され、それは、スナップばめ接続の代わりに、またはスナップばめ接続の他に使用され得る。
【0027】
顎部材156は、アンビル本体132に形成されている開口部139および顎部材156に形成されている開口部151を通して延びる旋回ピン138によって、アンビル本体132に旋回可能に固定される。カートリッジ本体154は、長手方向スロット153a、および複数の側方に間隔を置かれたステープル保持スロット153bを規定し、これらのステープル保持スロット153bは、アンビルプレート134の組織接触表面134aにおけるステープル受け取りくぼみ(示されない)と整列して位置決めされる。作動そり162は、カートリッジ本体154を通って並進するように構成されている。カートリッジ本体154の長手方向スロット153aは、作動そり162上に形成されている突起162aを受け取って、カートリッジ本体154を通して作動そり162を導く。カートリッジ本体154は、長手方向スロット153a内に延びている移動止め154a(図14)を含み、これは、作動そり162の突起162a上に形成されている凹部163a(図14)の中に受け取られて、カートリッジアセンブリ150の輸送中、作動そり162を適所に固定する。各保持スロット153bは、ファスナーまたはステープル「S」、およびプッシャー164を受け取る。作動そり162は、カートリッジ本体154内に位置決めされて、カートリッジ本体154を長手方向に、プッシャー164との係合へ進み、ステープル「S」をカートリッジ本体154から連続して射出する。カートリッジ本体154は、1対の組織停止部材154b(図14)をさらに含み、これらは、組織(示されない)がステープル保持スロット153bの近位に位置決めされることを防止する。支持プレート152を含むカートリッジアセンブリ150のより詳細な議論について、本明細書中で参考として援用されている‘965公開を参照のこと。
【0028】
図3および図4を参照すると、取り付けアセンブリ170は、上方取り付け部分172と、下方取り付け部分174と、保持刃176とを含む。示されるように、上方取り付け部分172および下方取り付け部分174は、上方取り付け部分172から延びているポスト178によって一緒に固定される。上方取り付け部分172および下方取り付け部分174の各々は、それぞれ旋回部材172a(図3)および174a(図4)を含む。上に記載されるように、上方取り付け部分172上の旋回部材172aは、アンビル本体132のブラケット132aの穴133(図3)内に受け取られて、上方取り付け部分172をアンビル本体132に固定する。近位本体部分102の第1の結合部材114a(図3)は、開口部115aを規定する第2の端を有し、この開口部115aも旋回部材172aを受け取る。下方取り付け部分174上の旋回部材174aは、近位本体部分102の第2の結合部材114b(図3)の開口部115bの中に受け取られる。アンビル本体132を顎部材156に固定する旋回ピン138は、アンビル本体132に形成されている開口部139、および顎部材156に形成されている開口部151を通って延び、下方取り付け部分174に形成されている開口部173の中に受け取られて、下方取り付け部分174を顎部材156(図3)に固定する。下方取り付け部分174は、保持刃176を受け取るためのスロット177を規定する。さらに詳細に下に記載されるように、保持刃176は、湾曲した遠位方向に向いている表面176a(図4)と、1対の制限部材176b(図4)とを含む。
【0029】
駆動アセンブリ180は、本体を有する駆動部材182と、作業端184とを含む。作業端184は、上方フランジ186aと、下方フランジ186bと、上方フランジ186aと下方フランジ186bとを相互接続している垂直支柱186cと、垂直支柱186c上に支持されているか、または垂直支柱186cの中に形成されているナイフ187とを含む。上方フランジ186aは、アンビルアセンブリ130のチャネル131(図24)内にスライド可能に受け取られるように位置決めされ、下方フランジ186bは、顎部材156の外側表面156a(図24)に沿ってスライド可能に位置決めされるように位置決めされている。使用において、駆動部材182の遠位移動は、最初に上方フランジ186aをアンビルプレート134上に形成されているカム表面134bへ前進させ、下方フランジ186bを顎部材156上に形成されているカム表面156bとの係合へ前進させて、接近された位置または閉鎖位置にカートリッジアセンブリ150をアンビルアセンブリ130に向かって旋回させる。駆動部材182の引き続きの前進は、作業端184がツールアセンブリ104を通って移動するに従って、駆動アセンブリ180の作業端184に隣接するアンビルアセンブリ130とカートリッジアセンブリ150との間に最小限の組織ギャップを漸次維持する。
【0030】
駆動部材182の本体の遠位端は、駆動部材182の作業端184を支持し、停止表面184aを規定する。作動そり162(図3)は、作業端184の遠位の位置において、カートリッジアセンブリ150(図3)内に配置される。作業端184がその最近位位置にあり、ツールアセンブリ104が開放位置または接近されていない位置(図24)にある場合、そり162および作業端184は、それらの初期位置にある。そり162は、複数のカム表面166aを含み、複数のカム表面166aは、カートリッジ本体154のステープル保持スロット153b内でプッシャー164を係合し、持ち上げるように位置決めされる。プッシャー164(図3)は、カートリッジアセンブリ150内に位置決めされて、そり162がツールアセンブリ104を通って前進される場合にステープル「S」をカートリッジ本体154から射出する。そり162の近位端は、さらに詳細に下に記載される開口部またはスロット163(図4)を規定する1つ以上のフィンガー166aを含む。
【0031】
特定の実施形態において、駆動部材182の本体は、材料(例えば、ステンレス鋼)の複数の積み重ねられたシート182a〜dから形成されている。係止部材188(図3)は、ローディングユニット100がステープル留め装置10(図1)に取り付けられるまで駆動部材182の軸方向移動を防止するために、ローディングユニット100の近位端の周りに支持される。ローディングユニット100の上記識別される構成要素のより詳細な議論は、‘924特許に記載され、これは、本明細書中でその全体が参考として援用されている。
【0032】
図5図7を参照すると、接続アセンブリ190が、ローディングユニット100の近位本体部分102の上方ハウジング半体110aの近位端において支持され、これは、ローディングユニット100と外科手術ステープラー10(図1)との間に電気的接続を提供する。接続アセンブリ190は、コネクターハウジング192と、接触部材194と、電子チップ196とを含む。接触部材194は、コネクター192の凹部193内に受け取られる1対の接触部分194aを含む。接触部分194aは、外科手術ステープラー10(図1)の細長い本体14(図1)内に配置されている接触部材(示されない)の対応する接触部分(示されない)を係合するように位置決めされる。接触部材194は、接触部分194aの間に延びているコネクター部分194bを含む。上に記載されるように、コンダクター(例えば、電気リボンまたはケーブル「R1」またはワイヤー)は、ローディングユニット100の近位本体部分102を通ってツールアセンブリ104の中に延びて、接続アセンブリ190を識別アセンブリ200(図8)と電気的に結合する。
【0033】
外科手術ステープラー10(図1)の細長い本体14(図1)へのローディングユニット100の取り付け中、接続アセンブリ190の接触部材194の接触部分194aは、外科手術ステープラー10(図1)の細長い本体14(図1)の遠位端内に支持されているコネクターアセンブリ(示されない)の接触部分(示されない)を係合するように位置決めされる。外科手術ステープラー10のコネクターアセンブリの接触部材との接続アセンブリ190の接触部材194aの係合は、ローディングユニット100の識別アセンブリ200(図8)を外科手術ステープラー10(図1)のハンドルアセンブリ12(図1)と接続する。上で言及されるように、ローディングユニット100は、差込みカップリングを用いて、または任意の他の適切な態様で細長い本体14に取り付けられ得る。
【0034】
次に図8図17を参照すると、ローディングユニット100の識別アセンブリ200は、コネクターアセンブリ202とチップアセンブリ212とを含む。コネクターアセンブリ202は、コネクターハウジング204を含む。タブ206aおよび突出部206bは、コネクターハウジング204から外方に延びている。タブ206aは、ツールアセンブリ104の顎部材156における開口部157a(図10)内に受け取られて、コネクターハウジング204を顎部材156と整列させ、突出部206bは、顎部材156における開口部157b(図10)内に受け取られて、コネクターアセンブリ202を顎部材156に固定する。コネクターハウジング204は、接続アセンブリ190(図6)から延びているコンダクター(例えば、電気リボン「R1」(図11))の遠位端を受け取って、接続アセンブリ190の接触部材194(図7)を第1の接触部材206aおよび第2の接触部材206bと電気的に通信させる。複数の実施形態において、電気リボン「R1」は、第1の接触部材206aおよび第2の接触部材206bに半田付けされ、コネクターハウジング204は、電気リボン「R1」の遠位端、ならびに第1の接触部材206aおよび第2の接触部材206bの周りに成形されて、電気リボン「R1」を第1の接触部材206aおよび第2の接触部材206bと固定する。接触部材206a、206bは、コネクターハウジング204が顎部材156に固定されている場合、コネクターハウジング204から遠位方向に延びている。
【0035】
チップアセンブリ212は、チップハウジング214と識別チップ218とを含む。突起214aは、チップハウジング214から延び、カートリッジアセンブリ150のカートリッジ本体154(図12)の近位端に形成されている凹部155(図12)内に受け取られて、チップアセンブリ212をカートリッジ本体154に固定する。チップアセンブリ212は、第1の接触部材216aと第2の接触部材216bとをさらに含み、第1の接触部材216aおよび第2の接触部材216bは、チップハウジング214から延び、識別チップ218と通信している。
【0036】
第1の接触部材216aおよび第2の接触部材216bは、カートリッジ本体154が顎部材156内に受け取られている場合、コネクターアセンブリ202のそれぞれの第1の接触部材206aおよび第2の接触部材206bを係合している(図16)。複数の実施形態において、示されるように、コネクターアセンブリ202の第1の接触部材206aおよび第2の接触部材206b、ならびにチップアセンブリ212の第1の接触部材216aおよび第2の接触部材216bは、それぞれコネクターハウジング204において、およびチップハウジング214において、第1の接触部材206aと216aとの間、第2の接触部材206bと216bとの間の係合を可能にするために、片持ち様式で支持されている。コネクターアセンブリ202の第1の接触部材206aおよび第2の接触部材206b、ならびにチップアセンブリ212の第1の接触部材216aおよび第2の接触部材216bは、コネクターアセンブリ202とチップアセンブリ212との間の係合を容易にするために、実質的に球形の形状を含み得る。
【0037】
識別チップ218は、カートリッジアセンブリ150の仕様(例えば、カートリッジサイズ、ステープル配置、ステープル長、締め付け距離、製造日、モデルナンバー、ロットナンバー、耐用年数など)を含む情報を記憶すること、および情報のうちの少なくともいくつかをハンドルアセンブリ12(図1)に伝送することが可能な任意の市販のチップを含み得る。1つの実施形態において、識別チップ218は、消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリー(「EPROM」)チップを含む。この態様において、取り付けられたカートリッジアセンブリ150の構成は、ハンドルアセンブリ12に伝えられ得、その結果、例えば、ハンドルアセンブリ12の発射力および/または発射行程の長さが、特定のカートリッジアセンブリ150に適応するように調整され得る。データが識別チップ218に書き込まれ得るように、EPROMの代わりに識別チップ218が読み取り/書き込みメモリーチップ(例えば、読み取り/書き込みRAM)であり得ることがさらに想定される。例えば、使用情報は、空のローディングユニットもしくは部分的に発射されたローディングユニットの再使用を防止するために、または任意の他の目的のために、ローディングユニット100が完全に、または部分的に発射されたことを識別する識別チップ218に書き込まれ得る。
【0038】
図16図18を特に参照すると、カートリッジアセンブリ150がローディングユニットの顎部材156内に受け取られる場合、チップアセンブリ212の第1の接触部材216aおよび第2の接触部材216bは、コネクターアセンブリ202の第1の接触部材206aおよび第2の接触部材206bを係合する。チップアセンブリ212の第1の接触部材216aおよび第2の接触部材216bがコネクターアセンブリ202のそれぞれの第1の接触部材206aおよび第2の接触部材206bと係合されると、チップアセンブリ212の識別チップ218に記憶されている情報は、外科手術ステープラー10の本体部分14へのローディングユニット100の接続の際にハンドルアセンブリ12に伝えられ得る。上に記載されるように、識別アセンブリ200は、ローディングユニット100を通って延びているコンダクター(例えば、電気リボンまたはケーブル「R1」(図7および図11))を介して、ローディングユニット100の近位端内に配置されている接続アセンブリ190(図6)によって、外科手術ステープラー10(図1)に接続される。
【0039】
次に、発射ロックアウトアセンブリ220が、図18図28を参照して記載される。発射ロックアウトアセンブリ220は、2014年3月31日に出願された米国特許出願第14/230,516号(「‘516出願」)に記載される発射ロックアウトアセンブリと実質的に同様であり、これらの間の違いに関してのみが詳細に記載される。従って、‘516出願の内容は、その全体が本明細書中で参考として援用される。
【0040】
発射ロックアウトアセンブリ220は、下方取り付け部分174の遠位端において旋回可能に支持されているラッチ部材222を含む。ラッチ部材222は、近位基部部材224と2つの間隔を置かれた遠位方向に延びているレッグ226とを有するU字形の本体(図19)を含む。示されるように、基部部材224は、ブロッキング表面を規定するブロッキング部材224aを備え、このブロッキング部材224aは、基部部材224に溶接されるか、または固定されて、基部部材224にさらなる支持を提供する。あるいは、基部部材224およびブロッキング部材224aは、一体的または一体式に形成されている。ラッチ部材222は、第1の位置(図21)から第2の位置(図22)に旋回可能である。図21に示される第1の位置において、ラッチ部材222のブロッキング部材224aは、駆動部材182の停止表面184aと整列されて、ツールアセンブリ104内での駆動部材182の前進を防止する。図22に示される第2の位置において、ブロッキング部材224aは、駆動部材182の停止表面184aと整列しないようにされて、ツールアセンブリ104内での駆動部材182の前進を可能にする。
【0041】
図18図20を特に参照すると、ラッチ部材222のレッグ226の各々は、中央に位置している旋回部材228と、アバットメント表面230とを有する。旋回部材228は、取り付けアセンブリ170の下方取り付け部分174のフック形のアーム174b(図20)において支持されて、ラッチ部材222を下方取り付け部分174において旋回可能に支持する。付勢部材は、1対のばね232(図18)を含み、1対のばね232は、下方取り付け部分174の遠位面に形成されているそれぞれのボア175a(図18)内に支持されて、ラッチ部材222を第1の位置に向かって追い立てる。ばね232の各々は、ラッチ部材222のそれぞれのアバットメント表面230上に形成されているナブ230aを係合して、図24において見られるように、反時計回りの方向にラッチ部材222を付勢するように位置決めされている。レッグ226の各々の遠位端は、下向きに延びている突起234を含み、この下向きに延びている突起234は、そり162が後退された位置にあり、ラッチ部材222が第1の位置にあり、アンビルアセンブリ130およびカートリッジアセンブリ150が接近された位置にある場合、そり162において規定される開口部163(図20)を通って延びるように位置決めされている。
【0042】
1対のばね236は、ツールアセンブリ104を接近されていない位置(図2)へと追い立てるために、顎部材156の内側表面156b(図10)と、下方取り付け部分174の底部表面に規定されるそれぞれのボア175b(図20)との間に位置決めされる。顎部材156は、ばね236を係合するための1対のシリンダー158(図10および図11)を含む。
【0043】
図23および図24を参照すると、駆動部材182が完全に後退された位置にあり、ツールアセンブリ104が接近されていない位置または開放位置にある場合、駆動部材182の作業端184の上方フランジ186aおよび下方フランジ186bは、そり162の近位に間隔を置かれ、アンビルプレート134および顎部材156においてそれぞれ形成されているカム表面238a、238bの近位に間隔を置かれている。ツールアセンブリ104の接近されていない位置において、ラッチ部材222は、ばね232によって反時計回りの位置に向かって追い立てられる。下方取り付け部分174は、基部部材224またはブロッキング部材224aを係合するように位置決めされている表面240を含む。ブロッキング部材224aと下方取り付け部分174の表面240との間の係合は、ラッチ部材222のさらなる反時計回りの回転を防止して、ラッチ部材222を第1の位置に保持する。図25に示されるように、ブロッキング部材224aは、発射ロックアウトアセンブリ220が係止された構成にある場合、下方取り付け部分174のガセット174cを係合して、ラッチ部材222の遠位移動を防止する。
【0044】
発射ロックアウトアセンブリ220の動作は、‘516出願に詳細に記載されている。手短に言えば、ローディングユニット100の発射中、発射ロックアウトアセンブリ220のラッチ部材222は、下方取り付け部分174の旋回部材174bの周りで旋回される。上に記載されるように、保持刃176は、下方取り付け部分174におけるスロット177内に受け取られている。図26に例示されるように、保持刃176の湾曲された表面176aは、ローディングユニット100の発射中、ラッチ部材222のブロッキング部材224aの弓形の動きに適応して、ラッチ部材222の近位移動を防止する。ラッチ部材222の近位移動は、旋回部材228が下方取り付け部分174のフック形のアーム174bから分離することをもたらし得る。ローディングユニット100の発射中の下方取り付け部分174からのラッチ部材222の分離は、ローディングユニット100の不発をもたらし得、そして/または発射ロックアウトアセンブリ220が適切に機能することを妨げ得る。
【0045】
ローディングユニット100の発射前、ツールアセンブリ104は、近位本体部分102に対して関節運動され得る。ツールアセンブリ104の関節運動中、保持刃176の制限部材176bは、ローディングユニット100の近位本体部分102から延びている第2の結合部材114bを係合して、近位本体部分102に対するツールアセンブリ104の関節運動を制限する。
【0046】
図29および図30を参照すると、カートリッジアセンブリ150のシッピングウェッジ300は、取り外し前、ステープル「S」(図3)をカートリッジ本体154のステープル保持スロット153b内に維持し、ローディングユニット100のツールアセンブリ104の作動を防止するように構成されている。シッピングウェッジ300は、細長い本体302を含み、この細長い本体302は、細長い本体の底部表面に沿って細長い凹部303(図30)を規定する。フランジ304は、細長い凹部303内から延びており、フランジ304をカートリッジ本体154(図29)の細長いスロット153a(図14)内に固定するための複数の突出部304を含む。細長い本体302の近位端は、高くなった部分306(図29)を含み、この高くなった部分306(図29)は、カートリッジアセンブリ150がツールアセンブリ104の顎部材156(図2)内に装填された時点で、およびシッピングウェッジ300の取り外し前、アンビルアセンブリ130(図2)に向かってカートリッジアセンブリ150(図2)が接近することを防止するように構成されている。細長い本体302の遠位端は、カートリッジアセンブリ150からのシッピングウェッジ300の分離を容易にするために、臨床家によって把持されるように位置決めされ、構成されている突起308を含む。複数のタブ310は、カートリッジアセンブリ150のカートリッジ本体154を係合してシッピングウェッジ300をカートリッジアセンブリ150のカートリッジ本体154に解放可能に固定するために、細長い本体302から延びている。
【0047】
いくつかの実施形態において、シッピングウェッジ300の突起308は、使用後、カートリッジアセンブリ150を顎部材156から取り外すために使用され得る。カートリッジ本体154は、カートリッジアセンブリ150が顎部材156の中に配置されている場合、顎部材156に隣接している凹部(示されない)を規定し得る。シッピングウェッジ300は、ユーザーによって把持され、突起308は、凹部の中に挿入される。次に、シッピングウェッジ300は、(ねじること、旋回することなどによって)操作されてカートリッジアセンブリ150を飛び出させ得、その結果、カートリッジアセンブリ150は、取り外され得、場合により交換される。
【0048】
次に図31および図32を参照すると、本開示の別の実施形態に従うローディングユニットが、概して、ローディングユニット400として示されている。ローディングユニット400は、上に記載されるローディングユニット100と実質的に同様であり、これらの間の違いに関してのみが記載される。
【0049】
ローディングユニット400は、ローディングユニット400の近位本体部分402の近位端に配置されている接続アセンブリ190をローディングユニット400のツールアセンブリ404内に配置されている識別アセンブリ200(図8)と電気的に結合するための電気コンダクター(すなわち、可撓性ケーブルまたは電気リボン「R2」)を含む。可撓性ケーブル「R2」は、ひずみリリーフ部分を含む。ひずみリリーフ部分は、ケーブルの波状の部分であり、ローディングユニットが関節運動すること、および依然としてケーブルを保持することを可能にする。ひずみリリーフ部分は、少なくとも1つの湾曲部を有し、複数のコイル「c」を含み得る。示されるように、可撓性ケーブル「R2」は、高さが可撓性ケーブル「R2」の近位部分から可撓性ケーブル「R2」の遠位部分に減少している7つのコイル「c」を含む。可撓性ケーブル「R2」が7つより多くのコイル「c」、もしくは7つより少ないコイル「c」を含み得ること、および/またはコイルの高さが、近位部分から遠位部分に増大し得ることが想定される。あるいは、コイル「c」の高さは、均一であり得るか、または無作為な態様または均一な態様で変動し得る。コイル「c」の間に均一な空間を有するように示されているが、コイル「c」の間の空間は異なり得ることが想定される。
【0050】
ひずみリリーフ部分は、初期構成に付勢され得る。例えば、ケーブルの材料および形状が、ケーブルを図31および図32に示されるコイル状の構成に付勢する。関節運動中、下に記載されるように、ひずみリリーフ部分の波状の形状は開放する。ツールアセンブリをよりまっすぐな構成、より関節運動されていない位置、または関節運動されていない位置に戻す際、波状の形状またはコイル状の形状は閉鎖し、結局は、関節運動されていない位置における初期構成に戻る。
【0051】
ローディングユニット400の近位本体部分402に対するローディングユニット400のツールアセンブリ404の関節運動中、可撓性ケーブル「R2」は、ひずみを経験する。可撓性ケーブル「R2」によって経験されるひずみは、ツールアセンブリ404が近位本体部分402に対して関節運動するに従って変化する、接続アセンブリ190、近位本体部分402、およびツールアセンブリ404内に配置されている識別アセンブリ200の間の距離の結果である。特に、接続アセンブリ190と識別アセンブリ200との間の距離は、ツールアセンブリ404が図31における矢印「D」によって示されるような第1の方向に関節運動するに従って増大し、接続アセンブリ190と識別アセンブリ200との間の距離は、ツールアセンブリ404が図31における矢印「E」によって示されるような第2の方向に関節運動するに従って減少する。
【0052】
可撓性ケーブル「R2」のコイル「c」は、可撓性ケーブル「R2」が、可撓性ケーブル「R2」におけるひずみに応答して変形することによって可変の長さを有することを可能にする。特に、図32における矢印「A」によって示されるように、引張が可撓性ケーブル「R2」の遠位端に適用される場合、図32における矢印「a」によって示されるような各コイル「c」の屈曲、および/または図32における矢印「a」に示されるような互いに対するコイル「c」の外方屈曲は、可撓性ケーブル「R2」が長くなることを可能にし、それにより可撓性ケーブル「R2」におけるひずみを軽減する。図32における矢印「B」に示されるように、圧縮が可撓性ケーブル「R2」に適用される場合、矢印「b」によって示されるような各コイル「c」の内方屈曲、および/または図32における矢印「b」によって示されるような互いに対するコイル「R2」の内方屈曲は、可撓性ケーブル「R2」が短くなることを可能にし、それにより、可撓性ケーブル「R2」におけるひずみを軽減する。
【0053】
ローディングユニット400の近位本体部分402は、上方ハウジング半体410aと下方ハウジング半体410bとを含む。チャネル417が、上方ハウジング半体410aの長さを延びており、可撓性ケーブル「R2」を受け取っている。チャネル417は、可撓性ケーブル「R2」の近位部分および遠位部分を受け取るための近位部分317aおよび遠位部分417bと、可撓性ケーブル「R2」のコイル「c」を受け取り、可撓性ケーブル「R2」がひずみを経験している場合にコイル「c」の屈曲を収容するための中央部分417cを含む。
【0054】
可撓性ケーブル「R2」は、ローディングユニット400の近位本体部分402の長さを延び、ローディングユニット400のツールアセンブリ404の中に延びている。可撓性ケーブル「R2」は、ローディングユニット400の近位本体部分302に対して配置されている接続アセンブリ190をローディングユニット400のツールアセンブリ404内に配置されている識別アセンブリ200(図8)と電気的に結合する。可撓性ケーブル「R2」は、チャネル417内にゆるく受け取られて、可撓性ケーブル「R2」の長手方向移動を可能にし得る。1つの実施形態において、可撓性ケーブル「R2」の近位端は、例えば、接着剤、オーバーモールドを用いて、チャネル417の近位部分417a内に軸方向に固定されている。
【0055】
上に記載されるように、可撓性ケーブル「R2」は、ローディングユニット400の本体部分402の近位端とローディングユニット400のツールアセンブリ404との間に延びている。ローディングユニット400の近位本体部分402に対するローディングユニット400のツールアセンブリ404の関節運動中、ひずみ(すなわち、引張または圧縮)が、可撓性ケーブル「R2」によって経験される。特に、図31における矢印「D」によって示されるような第1の方向にツールアセンブリ404を近位本体部分402に対して関節運動させることは、図32における矢印「A」によって示されるように、可撓性ケーブル「R2」の遠位端において、引っ張り力を作り出し、図31における矢印「E」によって示されるような第2の方向にツールアセンブリ404を近位本体部分402に対して関節運動させることは、図32における矢印「B」によって示されるように、可撓性ケーブル「R2」の遠位端において、押し込み力を作り出す。ツールアセンブリ404の関節運動中、可撓性ケーブル「R2」によって経験されるひずみに対応し、それにより、可撓性ケーブル「R2」の破壊および/または座屈を防止するために、上に記載されるように、可撓性ケーブル「R2」のコイル「c」は、個々に、および互いに対して屈曲するように構成されている。コイル「c」が外方に屈曲する場合、可撓性ケーブル「R2」は伸長し、コイル「c」が内方に屈曲する場合、可撓性ケーブル「R2」は圧縮する。関節運動されていない位置へのツールアセンブリ404の戻りは、可撓性ケーブル「R2」のコイル「c」がひずんでいない構成に戻ることをもたらす。
【0056】
可撓性ケーブル「R2」は、ローディングユニット400の中に組み込まれているものとして示され、記載されているが、可撓性ケーブル「R2」は、任意のデバイスであって、関節運動ツールアセンブリを有し、かつハンドルアセンブリに対する関節運動ツールアセンブリの電気的結合を必要とする、任意のデバイスの中に組み込まれ得ることが想定される。
【0057】
次に図33図61を参照すると、本開示の別の実施形態に従うローディングユニットが、概して、ローディングユニット500として示されている。ローディングユニット500は、上に記載されるローディングユニット100と実質的に同様であり、これらの間の違いに関してのみが詳細に記載される。
【0058】
図34を参照すると、ローディングユニット500の近位本体部分502は、上方ハウジング半体510aと下方ハウジング半体510bとを含み、上方ハウジング半体510aおよび下方ハウジング半体510bは、外側スリーブ512内に含まれる。チャネル517は、コンダクター(例えば、可撓性ケーブル「R3」)を受け取るために、上方ハウジング半体510aの長さを延びている。さらに詳細に下に記載されるように、可撓性ケーブル「R3」は、ローディングユニット500の近位本体部分502の近位端に配置されている接続アセンブリ590を、ローディングユニット500のツールアセンブリ504内に配置されている識別アセンブリ600(図43)およびカートリッジアセンブリ550と電気的に結合する。
【0059】
依然として図34を参照すると、ツールアセンブリ504は、アンビルアセンブリ530と、カートリッジアセンブリ550と、顎部材556とを含む。アンビルアセンブリ530は、アンビル本体532とアンビルプレート534とを含む。カートリッジアセンブリ550は、顎部材556内に受け取られ、支持プレート552と、カートリッジ本体554と、複数のステープル「S」と、ステープル発射アセンブリ560とを含み、このステープル発射アセンブリ560は、カートリッジ本体554を通って並進するように構成されている作動そり562を含む。作動そり562は、作動そり562の構造上の完全性を増大するための複数の凹部561(図36)を規定する。作動そり562における凹部561はまた、作動そり562を形成するために必要とされる材料の量を低減する。
【0060】
図35も参照すると、ローディングユニット500の取り付けアセンブリ570および発射ロックアウトアセンブリ620は、上に記載される取り付けアセンブリ170および発射ロックアウトアセンブリ220と実質的に同様である。手短に言えば、取り付けアセンブリ570は、上方取り付け部分572と、下方取り付け部分574と、近位位置において下方取り付け部分574に溶接されている保持刃576とを含む。発射ロックアウトアセンブリ620は、ラッチ部材622を含み、このラッチ部材622は、ラッチ部材622を下方取り付け部分574のフック形のアーム574a(図37)において旋回可能に支持する旋回部材628と、保持刃576の湾曲した表面576aに対して移動する近位基部部材624とを有する。
【0061】
図36図38も参照すると、ラッチ部材622が下方取り付け部分574のフック形のアーム574aから係合解除することを防止するために、下方取り付け部分574のフック形のアーム574aは、ラッチ部材622の近位基部部材624と保持刃576の湾曲した表面576aとの間の距離「B」(図38)よりも長い長さ「A」(図38)を含む。この態様において、ラッチ部材622は、下方取り付け部分574のフック形のアーム574aから分離するために十分な距離を近位方向に移動することを防止される。
【0062】
図35を特に参照すると、板ばね636は、取り付けアセンブリ570の下方取り付け部分574に固定され、板ばね636は、顎部材556を係合して、ツールアセンブリ504を接近されていない位置または開放位置(図33)へと追い立てるように構成されている。板ばね636は、下方取り付け部分574に溶接され得るか、接着され得るか、または他の方法で固定され得る。
【0063】
図39図41を参照すると、接続アセンブリ590は、ローディングユニット500の近位本体部分502の上方ハウジング半体510aの近位端において支持され、ローディングユニット500と外科手術ステープラー10(図1)との間に電気的接続を提供する。接続アセンブリ590は、コネクターハウジング592と、第1の接触部材594aと、第2の接触部材594bと、コネクター部材596とを含む。コネクター部材596は、可撓性ケーブル「R3」(図34)の近位端と一体的に形成され得るか、または他の方法で可撓性ケーブル「R3」(図34)の近位端に電気的に接続され得る。
【0064】
コネクター部材596は、第1のパッド596aおよび第2のパッド596bを、それぞれ第1の接触部材594aおよび第2の接触部材594bとの接続のために含む。1つの実施形態において、第1のパッド596aおよび第2のパッド596bは、銅から形成され、第1の接触部材594aおよび第2の接触部材594bは、それぞれ第1のパッド596aおよび第2のパッド596bに半田付けされている。コネクター596は、ローディングユニット500が外科手術ステープラー10に固定されている場合、ローディングユニット500の構成および/または状態に関する情報を外科手術ステープラー10に提供するための電子チップ597(図39)(すなわち、EPROMチップ)をさらに含み得る。
【0065】
第1の接触部材594a、および第2の接触部材594b、およびコネクター部材596は、接着剤、摩擦ばめを用いて、または任意の他の適切な態様でコネクターハウジング592に固定される。1つの実施形態において、示されるように、第1の接触部材594a、および第2の接触部材594b、およびコネクター部材596は、オーバーモールド598によってコネクターハウジング592に固定される。オーバーモールド598はまた、電子チップ597を保護し得る。オーバーモールド598は、例えば、サントプレーン(santoprene)または他の適切なプラスチックから形成され得る。第1の接触部材594aおよび第2の接触部材594bは、外科手術ステープラー10(図1)の細長い本体14(図1)内に配置されている接触部材(示されない)の対応する接触部分(示されない)を係合するように位置決めされる。
【0066】
次に図42図51を参照すると、ローディングユニット500の識別アセンブリ600は、上に記載されるローディングユニット100の識別アセンブリ200と実質的に同様であり、これらの間の違いに関してのみが詳細に記載される。識別アセンブリ600は、コネクターアセンブリ602とチップアセンブリ612とを含む。
【0067】
特に図42図45を参照すると、コネクターアセンブリ602は、コネクターハウジング604と、コネクターハウジング604の第1の側面から延びている突出部606aと、コネクターハウジング604の対向する側面から延びている整列特徴606bとを含む。突出部606aは、顎部材556におけるスロット557(図44)内に受け取られて、コネクターアセンブリ602を顎部材556に固定する。突出部606aは、スロット557内において顎部材556に熱かしめされ得るか、接着され得るか、または他の方法で固定され得る。整列特徴606bは、カートリッジアセンブリ550(図47)が顎部材556内に受け取られる場合に、例えば、そり562(図36)が遠位位置にあるときなど、カートリッジ本体554が狭まっている事象において、コネクターアセンブリ602をチップアセンブリ612との係合へ導くように働く。
【0068】
コネクターハウジング604は、そこから遠位方向に延びている第1の接触部材608aと第2の接触部材608bとをさらに含む。コネクターハウジング604は、接続アセンブリ590(図38)から延びている可撓性ケーブル「R3」(図34)の遠位端を受け取って、接続アセンブリ590(図40)の第1の接触部材594aおよび第2の接触部材594bをコネクターアセンブリ602のそれぞれの第1の接触部材608aおよび第2の接触部材608bと電気的に通信させる。複数の実施形態において、コネクターハウジング604は、可撓性ケーブル「R3」の遠位端の周りに成形されて、可撓性ケーブル「R3」を第1の接触部材608aおよび第2の接触部材608bと固定させる。コネクターハウジング604は、チップアセンブリ612とのコネクターアセンブリ602の整列を容易にするために、第1の接触部材608aと第2の接触部材608bとの間に切欠き605(図44)を規定する。
【0069】
図46および図47を特に参照すると、チップアセンブリ612は、チップハウジング614と、オーバーモールド618aによって保護されている識別チップ618(図48)とを含む。1つの実施形態において、オーバーモールド618aは、Santoprene(登録商標)から形成されている。第1の突起614aは、チップハウジング614から近位方向に延びており、コネクターアセンブリ602のコネクターハウジング604との整列を容易にする。より詳しくは、第1の突起614aは、第1の接触部材608aと第2の接触部材608bとの間でコネクターハウジング604に形成されている切欠き605(図44)内に受け取られるように構成されている。第2の突起614bは、チップハウジング614から遠位方向に延びており、カートリッジアセンブリ550のカートリッジ本体554(図46)の近位端に形成されている凹部555(図46)内に受け取られて、チップアセンブリ612をカートリッジ本体554に取り付ける。第3の突起614cは、垂直方向に延びており、チップアセンブリがカートリッジ本体554に固定され、カートリッジ本体554が支持プレート552内に固定されると、支持プレート552のレール552aを係合して、チップアセンブリ612の垂直移動を防止する。
【0070】
図49に示されるように、カートリッジ本体554における凹部555、およびチップアセンブリ612の第2の突起614bは、チップアセンブリ612に側方支持を提供する段を付けられた構成を含む。チップハウジング614の第2の突起614bは、支持プレート552のタブ552b(図46)を受け取るための切欠き615aを規定する。チップアセンブリ612の切欠き615a内への支持プレート556のタブ552aの受け取りは、支持プレート552およびカートリッジ本体554に対するチップアセンブリ612の近位移動を防止する。
【0071】
次に図50および図51を特に参照すると、チップハウジング614は、カートリッジ本体554の近位端に形成されている突出部554aを受け取るための切欠き615bを規定する。チップアセンブリ612の切欠き615b内へのカートリッジ本体554の突出部554aの受け取りは、第2の突起614bがカートリッジ本体554の凹部555内に受け取られる場合、チップアセンブリ612をカートリッジ本体554に固定する。チップアセンブリ612は、コネクターアセンブリとの電気的接続および機械的接続を形成する。
【0072】
チップアセンブリ612は、第1の接触部分618aと第2の接触部分618bとをさらに含み、第1の接触部分618aおよび第2の接触部分618bは、識別チップ618(図48)に電気的に接続されている。1つの実施形態において、第1の接触部分618aおよび第2の接触部分618bは、識別チップ618に半田付けされ、チップハウジング614は、第1の接触部分618aおよび第2の接触部分618bを取り囲んでいるオーバーモールドを形成している。オーバーモールドは、例えば、Vectra(登録商標)、または他の適切な材料から形成され得る。
【0073】
第1の接触部分616aおよび第2の接触部分616bは、カートリッジ本体554がローディングユニット500の顎部材556(図45)内に受け取られる場合、コネクターアセンブリ602のそれぞれの第1の接触部材608aおよび第2の接触部材608bを係合する。複数の実施形態において、示されるように、コネクターアセンブリ602の第1の接触部材608aおよび第2の接触部材608bは、第1の接触部材608aと第1の接触部分616aとの間、および第2の接触部材608bと第2の接触部分616bとの間の電気的接触を確実にするために、片持ち様式でコネクターハウジング604において支持されている。
【0074】
図52に手短に目を向けると、可撓性ケーブル「R3」は、上に記載される可撓性ケーブル「R2」と実質的に同様である。上で言及されるように、接続アセンブリ590のコネクター部材596は、可撓性ケーブル「R3」の近位端と一体的に形成され得るか、または他の方法で可撓性ケーブル「R3」の近位端に電気的に結合され得る。可撓性ケーブル「R3」の遠位端は、識別アセンブリ600のコネクターアセンブリ602のコネクターハウジング604との電気的接続のために構成されている。第1の接触部材608aおよび第2の接触部材608bは、可撓性ケーブル「R3」の遠位端と半田付けされ得るか、または他の方法で可撓性ケーブル「R3」の遠位端に電気的に接続され得、上で言及されるように、コネクターハウジング604は、可撓性ケーブル「R3」の遠位端にオーバーモールドされて、可撓性ケーブル「R3」と第1の接触部材608aおよび第2の接触部材608bとの間の接続を確実にし得る。
【0075】
可撓性ケーブル「R3」は、複数のコイル「c」と、可撓性ケーブル「R3」の近位部分に沿った接着剤バッキング「h」と、可撓性ケーブル「R3」の遠位部分に沿ったスチフナー部分「st」とを含む。接着剤バッキング「h」は、PSA接着剤、または他の適切な材料から形成され得、可撓性ケーブル「R3」をローディングユニット500の近位本体部分502の上方ハウジング半体510a(図34)に接着するように動作する。スチフナー部分「st」は、ケーブル「R3」と一体的に形成され得るか、またはケーブル「R3」に固定して付着され得る。スチフナー部分「st」は、ツールアセンブリ504の関節運動中、ケーブル「R3」のスライドを容易にする。スチフナー部分「st」はまた、ケーブル「R3」が他の方法で支持されていない場合のケーブル「R3」の座屈を防止することを助ける。スチフナー部分「st」は、例えば、ポリイミド材料から形成され得、ケーブルのまっすぐな部分に取り付けられ得る。
【0076】
図53および図54に目を向けると、本開示に従うコンダクター(例えば、可撓性ケーブルまたは電気リボン)の代替の実施形態が、概して、可撓性ケーブル「R4」として示されている。複数の実施形態において、可撓性ケーブル「R4」は、上に開示される電気リボン「R1」、ならびに可撓性ケーブル「R2」および「R3」の各々と実質的に同様であり、これらの間の違いに関してのみが詳細に記載される。
【0077】
最初に図53を参照すると、可撓性ケーブル「R4」の近位端は、接続アセンブリ(示されない)の第1のポスト(示されない)および第2のポスト(示されない)を受け取るための第1の開口部「O」および第2の開口部「O」を規定する。可撓性ケーブル「R4」の第1の開口部「O」および第2の開口部「O」内への第1のポストおよび第2のポストの受け取りは、可撓性ケーブル「R4」を接続アセンブリと電気的に結合する。
【0078】
次に図55に目を向けると、可撓性ケーブル「R4」の遠位端は、コネクターアセンブリ602’のコネクターハウジング604’の近位スロット603’内に受け取られ、コネクターハウジング604’内で熱かしめされる。第1の接触部材608a’は、コネクターハウジング604’の第1の遠位スロット603a’内にプレスばめされ、第2の接触部材608b’は、コネクターハウジング604’の第2の遠位スロット603b’内にプレスばめされて、第1の接触部材608a’および第2の接触部材608b’を可撓性ケーブル「R4」の遠位端と電気的に結合する。可撓性ケーブル「R4」の遠位部分は、コネクターハウジング604’に対して可撓性ケーブル「R4」を拘束し、支持するためのカラー「C」を含む。
【0079】
図55および図56を参照すると、上で言及されるように、ローディングユニット500の取り付けアセンブリ570の板ばね636は、例えば、接着剤、溶接、または機械的ファスナーを用いて、取り付けアセンブリ570の下方取り付け部分574に固定されている。板ばね636は、ツールアセンブリ504の顎部材556を係合して、ツールアセンブリ504を接近されていない位置(図33)へと追い立てる。
【0080】
図57を参照すると、ツールアセンブリ504の顎部材556は、その近位端に沿ってレール部材556aを含む。レール部材556aは、カートリッジアセンブリ550がツールアセンブリ504の顎部材556内に受け取られる場合、カートリッジアセンブリ550のカートリッジ本体554の近位部分を係合して、カートリッジアセンブリ550が顎部材556の中に装填され得る角度を制限する。示されるように、カートリッジ本体554は、顎部材556のレール部材556aを係合するための近位延長部554bを含む。カートリッジアセンブリ550が顎部材556の中に装填され得る角度を限定することは、カートリッジアセンブリ550における識別アセンブリ600(図56)のチップアセンブリ612(図56)と顎部材556における識別アセンブリ600のコネクターアセンブリ602との間の適切な係合を容易にする。顎部材556は、顎部材556内へのカートリッジアセンブリ550の過度の挿入を防止するための停止特徴556b(図44)をさらに含む。
【0081】
図56を引き続き参照すると、カートリッジ本体554は、組織停止部554cを含み、この組織停止部554cは、組織(示されない)がステープル保持スロット553bの近位に位置決めされることを防止する。顎部材556に形成されている切欠き557a内への組織停止部554cの受け取りは、カートリッジアセンブリ550が完全に挿入され、かつ顎部材556内に適切に設置されているというしるしを提供する。
【0082】
次に図58および図59を参照すると、本開示のローディングユニットは、異なるサイズのステープルカートリッジを備え得る。例えば、第1のカートリッジアセンブリ550’(図59)は、長さにおいて45ミリメートル(45mm)であり、第2のカートリッジアセンブリ550’’(図59)は、長さにおいて60ミリメートル(60mm)である。第2のカートリッジアセンブリ550’’を受け取るように構成されている第2の顎部材556’’(図59)の中への第1のカートリッジアセンブリ550’の受け取り、または第1のカートリッジアセンブリ550’を受け取るように構成されている第1の顎部材556’(図58)の中への第2のカートリッジアセンブリ550’’の受け取りは、ローディングユニットの機能不全(例えば、不発)をもたらし得る。
【0083】
第2の顎部材556’’の中への第1のカートリッジアセンブリ550’の装填を防止するために、第1のカートリッジアセンブリ550’のカートリッジ本体554’は、対向しているタブ554a’を含み、これらは、第2の顎部材556’’における対向している切り抜き555’’よりも大きい。第1のカートリッジアセンブリ550’が第2の顎部材556’’の中に不注意に装填される事象において、第1のカートリッジアセンブリ550’のカートリッジ本体554’の対向しているタブ554a’は、第1のカートリッジアセンブリ550’が第2の顎部材556’’の中に適切に設置されることを防止する。同様に、第2のカートリッジアセンブリ550’’のカートリッジ本体554’’は、対向しているタブ554a’’を含み、第1の顎部材556’は、対向しているタブ554’’を受け取るための対向している切り抜きがない。従って、第2のカートリッジアセンブリ550’が第1の顎部材556’の中に不注意に装填される事象において、カートリッジ本体554’’の対向しているタブ554a’’は、第2のカートリッジアセンブリ550’’が第1の顎部材556’の中に適切に設置されることを防止する。
【0084】
図60および図61を参照すると、本開示の実施形態に従うシッピングウェッジが、概してシッピングウェッジ700として示されている。シッピングウェッジ700は、上に記載されるシッピングウェッジ300と実質的に同様である。シッピングウェッジ700は、カートリッジアセンブリ550を選択的に係合するように構成されている。
【0085】
本明細書中に特に記載され、添付の図面に例示されるデバイスおよび方法が、非限定的な例示的実施形態であることを当業者は理解する。1つの例示的実施形態に関して例示されるか、または記載される要素および特徴が、本開示の範囲から外れることなく、別の例示的実施形態の要素および特徴と組み合わせられ得ることが想定される。また、上に記載される実施形態に基づいて、本開示のさらなる特徴および利点を当業者は認識する。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除いて、特に示され、記載されたことによって限定されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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