(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
水没対策の電源装置は、
図Aに示すように、上部に空気溜まりができる密閉ケースの上部に電池を収納している。この図の密閉ケースは、下部を開口して引出線を配線して上部を密閉するので、水没状態で内部の空気が上部に溜まり、この部分に電池を配置して、電池を水没から防止できる。
【0007】
この構造の電源装置は、水没状態で電池を保護できる。しかしながら、空気溜まりに電池を配置するので、密閉ケースの内容容積を大きく、特に高くする必要があるので、車両の搭載位置に制約を受ける欠点がある。電動車両は、車両のスペースをいかに少なくして、大出力の電源装置を搭載することが大切なことから、大きな収納スペースを必要とする電源装置は搭載できる車両が制限される。
【0008】
さらにこの構造の電源装置は、出力ラインを密閉ケースから外部に引き出してモータや発電機に接続するので、電池の水没は免れるが、出力ラインが水没して大きなショート電流が流れる欠点がある。とくに、水没されない電池は大電流を流すことができる正常な状態にあるので、出力ラインが水没すると極めて大きなショート電流が流れて安全性を確保できない欠点もある。
【0009】
本発明は、さらに以上の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的の一は、水没時に出力側に流れるショート電流を減少して、水没時の安全性を確保する電源装置と、この電源装置を備える車両とを提供することにある。
【0010】
電源装置は、外装ケース内に複数の二次電池を水平方向に並べて配置して。外装ケースは対向面に配置している第1及び第2の対向プレートに貫通穴を設けており、第1の対向プレートと第2の対向プレートの貫通穴は、下縁を上下に位置ずれして配置している。
【0011】
以上の電源装置は、水没時に出力側に流れるショート流を減少して、水没時に高い安全性を実現できる特徴がある。それは、以上の電源装置が、二次電池を収納している外装ケースが、対向面に配置している対向プレートに開口している貫通穴の下縁を上下に位置ずれして配置しているからである。車両に浸水して電源装置が水没すると、二次電池を収納している外装ケースには貫通穴から水が浸入するが、以上の外装ケースは、対向面に設けている貫通穴の下縁を上下に位置ずれして配置するので、水没する状態において、水は対向面に設けている両方の貫通穴から浸入することがなく、片方の貫通穴から浸入する。水没状態で両方の貫通穴から水が浸入すると、外装ケース内の全ての二次電池が一緒に水に浸かって大きなショート電流が流れる。以上の電源装置は、貫通穴の下縁を上下に位置ずれして配置するので、水は同時に両方の貫通穴から浸入しない。片側から浸入する水は、全ての二次電池を同時に水没させることがなく、一部の二次電池から順番に水没させる。全ての二次電池が同時に水没すると、高電圧の出力端子が水を介してショートされて大きなショート電流が流れるが、以上の電源装置は、全ての二次電池を同時に水没させないので、水没する一部の二次電池が水を介してショート電流を流して放電する。一部の二次電池の出力電圧は、全体の二次電池の出力電圧よりも低いので、水によるショート電流は小さくなる。さらに、以上の電源装置は、水没する電池から順番に、ショート電流を流して放電させるので、全ての電池が水没する状態では先に水没した電池は既に放電されて残容量が減少している。したがって、全ての電池が水没してショート電流が流れる状態では、既に放電された電池があってショート電流は小さくなる。
【0012】
以上の電源装置は、電池を水没させない構造でショート電流を減少するのではない。全ての電池を一緒に水没させることなく、一部の電池を水没して、ショート電流を小さくして電池を放電させながら次々と電池を水没させてショート電流を増加させるので、水没する電池が多くなって、ショート電流が増加しても、先に水没して既に放電された電池でもってショート電流を小さくできる。
【0013】
電源装置が水没して、一時に過大なショート電流が流れると、大きなショート電流が水が電気分解して可燃ガスの水素を多量に発生し、空気中の水素濃度が一定の濃度になると過大なショート電流の発生熱で発火するので安全性を確保できない。この弊害は水没時のショート電流を減少し、電気分解による発生する水素量を少なくして解消できる。それは、水素の発生量を少なくして、水素濃度を爆発限界以下にできるからである。
【0014】
以上の電源装置は、一部の電池のみを水没させて水没電池をショート電流で放電するが、この状態でのショート電流は、全体を水没させる状態に比較して相当に減少できる。それは、ショート電流が、直列に接続された電池の水没個数に比例して高くなるトータル電圧に比例して増加するからである。水没した電池の個数が少ないと、水没した電池のトータル電圧が低くなって、ショート電流は小さく制限される。水没された電池は、制限されたショート電流で放電されて放電能力が低下する。したがって、全ての電池が水没される状態では、先に水没され、放電されて放電できる能力の低下した電池が含まれる。このため、全ての電池が同時に水没する状態に比較して、ショート電流を相当に小さくでき、大きなショート電流による安全性の低下を防止できる特徴がある。
【0015】
本発明の電源装置の外装ケースは、複数の二次電池を接続して電池ユニットとし、この電池ユニットの状態で外装ケース内に配置して、外装ケース内には、第1の対向プレート側と第2の対向プレート側とに電池ユニットを配置して、第1の対向プレートの貫通穴の下縁を、第2の対向プレートの貫通穴の下縁よりも下方に配置し、さらに、第1の対向プレート側に配置している電池ユニットを、第2の対向プレート側に配置している電池ユニットよりも下方に配置することができる。
【0016】
以上の電源装置は、第1の対向プレート側の貫通穴の下縁を第2の対向プレート側の貫通穴の下縁よりも下方に配置して、第1の対向プレート側に配置してなる電池ユニットを、第2の対向プレート側に配置している電池ユニットよりも下方に配置するので、第1の対向プレート側に配置している電池ユニットを先に水没させて電池ユニットをショート電流で放電するので、この状態におけるショート電流を、全体の電池の水没状態の半分に制限でき、またこの状態で下段に配置している電池ユニットを放電させて放電能力を低下させた後、第2の対向プレート側に配置している電池ユニットを水没して、全体の電池ユニットを水没させるので、全ての電池が水没する状態においては、既に放電された電池によってショート電流を少なく、また完全に放電するまでの時間を短縮して過大なショート電流による弊害を防止して安全性を高くできる。
【0017】
本発明の電源装置は、外装ケースの底プレートを、第1の対向プレート側に配置してなる下段プレート部と、第2の対向プレート側に配置してなる上段プレート部とを設け、下段プレート部を上段プレート部よりも下方に配置して、下段プレート部と上段プレート部に電池ユニットを配置して、電池ユニットを上下に位置ずれして配置することができる。
【0018】
以上の電源装置は、下段プレート部に配置している電池ユニットを先に水没して全ての電池の水没状態の1/2のショート電流で放電した後、両方の電池ユニットを水没して放電するので、下段プレート部の電池ユニットが水没する状態でのショート電流を少なくでき、さらに、両方の電池ユニットが水没する状態では、既に放電した下段プレート部の電池ユニットに上段プレート部の電池ユニットを接続して放電するので、この状態におけるショート電流も少なく、またショート電流が流れる時間も短縮して安全性を向上できる。
【0019】
本発明の電源装置は、対向プレートに設けている貫通穴を、外装ケース内に配置している電池ユニットの二次電池に送風して冷却する送風開口とすることができる。
【0020】
本発明の電源装置は、底プレートに、下段プレート部と上段プレート部との間に区画壁を設けている。
以上の電源装置は、下段プレート部に配置する電池ユニットと、上段プレート部に配置する電池ユニットとを区画壁で区画するので、下段プレート部の電池ユニットが浸水される状態で、上段プレート部の電池ユニットの浸水を防止して、最初のショート電流を確実に安定して少なく制限できる特徴がある。
【0021】
本発明の電源装置は、二次電池を防水構造の電池ケースに収納して、電池ケースを介して外装ケース内に配置し、電池ケースには二次電池に送風するインナー開口を設け、このインナー開口を、外装ケースの貫通穴との対向位置に配置して、貫通穴とインナー開口を通過する冷却空気を電池ケース内に送風して二次電池を冷却することもできる。
【0022】
以上の電源装置は、二次電池を防水構造の電池ケースに収納するので、防水構造の電池ケースでもって、電池の浸水を制限して安全性をさらに向上できる特徴がある。それは、外装ケースが浸水する水が、防水構造の電池ケース内に浸水して、二次電池が水没されるからである。
【0023】
さらに、本発明の電源装置は、車両のシャーシーとシートとの間に配設することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1〜
図10に電源装置は、車載用の電源装置の例を示している。具体的には、この電源装置100は、主としてハイブリッド車や電気自動車等の電動車両に搭載されて、車両の走行モータに電力を供給して、車両を走行させる電源に使用される。ただ、本発明の電源装置は、ハイブリッド車や電気自動車以外の電動車両に使用でき、また電動車両以外の大出力が要求される用途、たとえば蓄電装置や無停電装置等にも使用できる。電動車両に搭載される電源装置は、車両に浸水して水没され、蓄電装置や無停電装置に使用される電源装置は、集中豪雨などで建物内に浸水して水没されることがある。電源装置が水没する最大の原因は集中豪雨による。集中豪雨による水没は、水面レベルが地面から次第に上昇して電源装置が浸水する状態で発生する。
(電源装置100)
【0026】
電源装置100は、
図7〜
図9の分解斜視図に示すように、細長い略箱形の外装ケース30と、この外装ケース30内に電池ケース20を介して配置している複数の二次電池1とを備える。この電源装置100は、複数の二次電池1を接続して電池ユニット10とし、複数の電池ユニット10を電池ケース20内に配置している。これ等の図の電源装置100は、4組の電池ユニット10を電池ケース20を介して外装ケース30内に配置している。4組の電池ユニット10は、角形電池を積層して積層方向に細長い形状で、平行な姿勢で2列に並べている。長手方向に直線状に配置される2組の電池ユニット10の間にはスペースを設けて、2組の電池ユニット10を外装ケース30の両端部に配置している。
(外装ケース30)
【0027】
外装ケース30は、電池ケース20を介して、複数の電池ユニット10を水平方向に並べて周壁20Aの内側に配置している。外装ケース30は細長い箱形で、長手方向を車両の幅方向として水平姿勢で車両に搭載される。
図11の電動車両は、シートSTとシャーシー92との間の隙間に外装ケース30を固定して、ここに電源装置100を配置している。図の電動車両はフロントシートSTの下に電源装置100を配置している。
【0028】
外装ケース30は、底プレート35の周囲に周壁37を設けて、この周壁37の内側に電池ケース20を介して、複数の二次電池1からなる電池ユニット10を収納している。外装ケース30は、底プレート35の両側の対向面に側面プレート38を、両端の対向面には第1及び第2の対向プレート39を連結して、側面プレート38と対向プレート39とで周壁37を構成している。さらに図の外装ケース30は、上方開口部の一部を蓋プレート34で閉塞している。
【0029】
外装ケース30の蓋プレート34と底プレート35は、金属板をプレス加工で折曲して製作される。また剛性を高めるため、部分的に折曲した凹凸やリブを形成することもできる。この金属板は、剛性及び熱伝導に優れた高抗張力鋼、一般鋼、ステンレス、アルミ合金、マグネシウム合金等あるいはその組み合わせが利用できる。図の外装ケース30は、底プレート35の両端部を直角に折曲して第1及び第2の対向プレート39を両端部に連結し、両側を直角に折曲して側面プレート38を設けている。側面プレート38と蓋プレート34は、側面の固定片36を介してねじ等により連結している。底プレート35は、金属板をプレス加工して、対向プレート39と側面プレート38とを一体構造とするが、複数の金属板を溶接して製作することもできる。
【0030】
図の外装ケース30の周壁37は、長手方向の両端の対向面に設けている第1及び第2の対向プレート39と、両側に設けている側面プレート38とからなる。第1及び第2の対向プレート39は、水の流入をコントロールする位置に貫通穴40を設けている。図の電源装置100は、第1及び第2の対向プレート39に設けた貫通穴40を、外装ケース30の内部に配置する電池ユニット10に強制送風して冷却する送風開口としている。ただし、本発明の電源装置は、対向プレート39に設けた貫通穴40を送風開口に特定するものではなく、軽量化のために設けられる徐肉開口部とすることもできる。
【0031】
図の外装ケース30は、第1及び第2の対向プレート39に設けた貫通穴40から内部に冷却空気を供給して電池ユニット10を構成する二次電池1を冷却し、二次電池1を冷却した冷却空気を電池ケースに設けた排気口52から外部に排気している。以上の電源装置100は、第1及び第2の対向プレート39に設けた貫通穴40を、冷却空気の流入口とするが、この貫通穴40を冷却空気の排出口とすることもでき、また、各対向プレート39に設けた複数の貫通穴40の一方を冷却空気の流入口として、他方の貫通穴40を排気口とすることもできる。
【0032】
外装ケース30の対向プレート39に設けた貫通穴40は、車両が水没するときに内部に水を流入させる流路となる。図の電源装置100は、水没状態で貫通穴40からの水の流入をコントロールするために、
図6の断面図に示すように、第1の対向プレート39Aの貫通穴40Aと、第2の対向プレート39Bに設けた貫通穴40Bの位置、正確には貫通穴40A、40Bの下縁の位置を上下に位置ずれするように配置して、下縁にレベル差Dを設けている。電源装置100が水没して全ての貫通穴40から同時に水が流入しないようにするためである。レベル差Dは、たとえば20mmとして、一方の電池ユニットを流入する水でショートして充分に放電させた後、他方の電池ユニットを流入する水でショートさせる。貫通穴下縁のレベル差Dを大きくして、片方の電池ユニットを流入する水でショートして充分に放電した後、他方の電池ユニットを流入する水でショートしてより安全性を向上できる。ただし、対向プレートの高さに制限があるので、レベル差Dは、例えば10mm以上、好ましくは15mm以上、さらに好ましくは20mm以上とし、対向プレートの高さの例えば50%以下、好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下とする。
【0033】
電源装置が水没して外装ケース内に水が流入する状態は、集中豪雨で地面に水が溢れて水面レベルが徐々に上昇して車両が水に浸かる状態と、車両が水中に飛び込んで電源装置が瞬間的に水没する状態とがある。集中豪雨で電源装置が水没するのは、車両に搭載される電源装置に限らない。建物内に設置される蓄電装置や無停電電源装置等も、集中豪雨で床下浸水して水没することがある。電源装置が水没する状態は、集中豪雨等で徐々に水が流入する状態と、瞬間的に全体が水中に沈む状態とがある。瞬間的に全体が水没する状態は、電池ユニット全体が一時に水中に沈むので、水が電池ユニットを保護するシールド作用をして安全性は確保される。これに対して、集中豪雨のように、水面レベルが徐々に上昇して、外装ケースに水が浸入する状態は、外装ケースに水が流入しても、電池ユニット全体が水中に沈んだ状態とならないので、水による安全性を保障できないことがある。それは、外装ケース30内に浸入する水が電池をショートして大きなショート電流を流し、ショート電流が水が電気分解して可燃ガスの水素が発生し、さらに、大きなショート電流がジュール熱で発熱して発火することがあるからである。とくに、浸入する水が全ての電池をショートすると、ショート電流が大きくなって、安全性を阻害する弊害がある。
【0034】
以上の弊害を解消するために、外装ケース30は全ての貫通穴40から同時に水を流入させず、第1の対向プレート39Aの貫通穴40Aは、第2の端部プレート39Bの貫通穴40Bの下縁よりも下方に配置している。この電源装置100は、水没されるとき、最初には第2の端部プレート39Bの貫通穴40Bからは水を浸入させず、下縁を下方に配置している第1の対向プレート39Aの貫通穴40Aのみから水を流入させる。第1の対向プレート39Aの貫通穴40Aのみから流入する水は、第1の対向プレート39A側に配置している二次電池をショートさせ、第2の端部プレート39B側に配置している二次電池を水でショートさせない。つまり、第1の対向プレート39Aの貫通穴40Aのみから流入する水により、第1の対向プレート39A側に配置している二次電池が放電される。
【0035】
第1の対向プレート39A側の二次電池1のみをショートするのをより確実にするために、図の電源装置100は、第1の対向プレート39A側に配置している電池ユニット10を、第2の対向プレート39B側に配置している電池ユニット10よりも下方に配置している。さらに、図の電池ユニット10は、底プレート35に段差を設けて、第1の対向プレート39A側の電池ユニット10と、第2の対向プレート39B側の電池ユニット10とを上下に配置している。この底プレート35は、第1の対向プレート39A側に配置している下段プレート部35Aと、第2の対向プレート39B側に配置してなる上段プレート部35Bとを設けて、下段プレート部35Aを上段プレート部35Bよりも下方に配置している。下段プレート部35Aと上段プレート部35Bに電池ユニット10を配置して、電池ユニット10を上下に位置ずれして配置している。第1の対向プレート39A側に下段プレート部35Aを設けてここに電池ユニット10を配置するので、第1の対向プレート39A側の電池ユニット10は、第2の対向プレート39B側に配置している電池ユニット10よりも下方に配置される。
【0036】
さらに、底プレート35は、下段プレート部35Aと上段プレート部35Bとの間に区画壁35Cを設けて、区画壁35Cの両側に電池ユニット10を配置している。この外装ケース30は、区画壁35Cでもって、下段プレート部35Aと上段プレート部35Bとを区画して、下段プレート部35Aに配置する電池ユニット10と、上段プレート部35Bに配置する電池ユニット10とを区画する。この構造は、第1の対向プレート39Aの貫通穴40Aから下段プレート部35Aに浸水して、ここに下段に配置している電池ユニット10が浸水する状態で、上段プレート部35Bの電池ユニット10への浸水をより確実に防止できる。このため、下段プレート部35Aの電池ユニット10が浸水する状態で、上段プレート部35Bの電池ユニット10を水でショートすることなく、この状態におけるショート電流を確実に少なくできる。区画壁35Cの高さは、たとえば、第2の対向プレート39Bに設けている貫通穴40Bの下縁のレベルにほぼ等しくする。この外装ケース30は、第2の対向プレート39Bの貫通穴40Bから水が流入するタイミングと、下段プレート部35Aから区画壁35Cを越えて上段プレート部35Bに流入するタイミングとをほぼ等しくして、両方から下段プレート部35Aに水を流入させて、ここに配置している電池ユニット10を速やかに水中に沈ませて、安全な状態にできる特徴がある。ただし、区画壁35Cは、第1の対向プレート39Aの対向プレートの貫通穴40の下縁よりも高く、あるいは低くして、第2の対向プレート39Bの貫通穴40Bから上段プレート部35Bに水が流入するタイミングと、下段プレート部35Aの水が上段プレート部35Bに流入するタイミングとをずらせることもできる。
【0037】
第1の対向プレート39Aの貫通穴40Aの下縁は、第2の対向プレート39Bの貫通穴40Bの下縁よりも下方に配置しているので、第1の対向プレート39A側に配置している電池ユニット10の二次電池1は流入する水で先にショートされ、ショート電流で放電される。この状態で、第1の対向プレート39A側の電池ユニット10の二次電池1のみが流入する水でショートされるので、全体の二次電池1をショートするショート電流に比べて、ショート電流を半分に制限できる。この状態で下段に配置している電池ユニット10の二次電池1は放電されて残容量が低下し、放電能力は低下する。その後、第2の対向プレート39B側の貫通穴40Bから水が流入して、ここに配置している電池ユニット10の二次電池1も水でショートされる。この状態で全体の電池ユニット10の二次電池1はショートされるが、先に放電された下段側の電池ユニット10によってショート電流は少なくなる。また、先に下段側の電池ユニット10をショート電流で放電しているので、完全に放電するまでの時間は短縮される。
【0038】
図の電源装置100は、外装ケース30の側面プレート38に、軽量化のための貫通穴として徐肉開口部40Cを設けている。徐肉開口部40Cは水没状態で水を流入させる流路となる。電源装置100が水没する状態で、対向プレート39に設けた貫通穴40よりも先に徐肉開口部40Cから水が流入されると、対向プレートの貫通穴40からの水の流入をコントロールして、特定の二次電池1から順番にシートさせて放電できず、水の流入を正常にコントロールできなくなる。この弊害を防止するために、側面プレート38に設けた全ての徐肉開口部40Cの下縁は、対向プレート39に設けた貫通穴40の最も下方に配置する下縁よりも高く配置して、下縁を最も下方に配置する貫通穴40から外装ケース30内に水を流入して、特定の二次電池1をショート電流で放電する構造とする。対向プレート39に設けられて、下縁を最下部に配置する貫通穴40から水を流入して、一部の二次電池1をショート電流で放電した後は、対向プレート39の貫通穴40Bと側面プレート38に設けた徐肉開口部40Cから水を流入させて残りの二次電池1をショート電流で放電する。図の電源装置100は、第1の対向プレート39Aの貫通穴40Aの下縁を第2の対向プレート39Bの貫通穴40Bの下縁よりも下方に配置するので、側面プレート38の徐肉開口部40Cの下縁は、第2の対向プレート39Bに貫通穴40と同じ位置に、あるいはこれよりも上方に配置されて、第2の対向プレート39Bの貫通穴40Bと同じタイミングで、あるいは第1の対向プレート39Aの貫通穴40Aよりも遅れて水を流入させる。
【0039】
図の外装ケース30は、必ずしも全体を閉鎖構造とする必要はない。図の外装ケース30は、上方開口部の全体を蓋プレート34で閉塞しない。蓋プレート34は、上方開口部の両端部を閉塞して中間部を開放して、電池ケース20を露出させている。この構造の外装ケース30は、上方開口部を閉塞する蓋プレート34を小さくして、閉塞しない部分に相当する金属板の重量を軽量化できる。
【0040】
図7、
図8の例では、蓋プレート34を第1プレート31と第2プレート32に分割し、これら第1プレート31と第2プレート32との間に開口部を設けている。これにより、第1プレート31と第2プレート32の間で、電池ケース20の一部を表出させた表出領域23が形成される。表出領域23においては、軽量化と薄型化とが図られる。特に、
図11の斜視図に示すように隣接する2つのシートSTの下面に跨がって電源装置100を配置するような構成においては、強度が求められるシートSTの下面に相当する部分に第1プレート31、第2プレート32をそれぞれ配置する一方、これらの間の部分は外装ケース30を省略して、必要な部材の配置空間を確保し車内スペースを効率よく利用することができる。
(固定片36)
【0041】
また外装ケース30は、外側に突出する固定片36を有し、この固定片36に開口したねじ穴でもって蓋プレート34と底プレート35をボルトとナットで固定している。
図1の例では、平面視において上下左右の4箇所に固定片36が設けられている。さらに固定片36は、車両のクロスメンバー91に固定されて、電源装置100を車両に固定している。車両は幅方向に伸びるクロスメンバー91をシャーシー92に固定して剛生を高くしている。2列のクロスメンバー91の間に電源装置100を配置し、両側の固定片をクロスメンバー91に固定して、電源装置100はシートの下にできるスペースに固定される。
(電池ケース20)
【0042】
電池ケース20は、
図8、
図9、
図10の分解斜視図に示すように、その内部に電池ユニット10を収納している。電池ユニット10は、二次電池1を積層した電池積層体11や回路基板42等で構成される。
【0043】
電池ケース20は樹脂製として、様々な形状に成形できるので、防水構造を実現しやすい。電池ケース20を外装ケース30に収納して、電源装置100は機械的な強度を確保している。また、金属製の外装ケース30で周囲を囲むことにより、放熱性を高めると共に、金属板のシールド効果によって電池ケース20内の電子回路のノイズ耐性も向上させることができる。
【0044】
電池ケース20は、
図8〜
図9の分解斜視図に示すように、上ケース21と下ケース22に二分割している。電池ケース20は樹脂製とすることで、比較的複雑な形状でも樹脂成形によって容易に構成できる利点が得られる。また軽量で安価であり、絶縁性にも優れる利点が得られる。このような樹脂材としてはPP(ポリプロピレン)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PA(ポリアミド/ナイロン(登録商標))またはそれらの樹脂とガラス繊維・ガラスビーズ等の複合材、さらには炭素繊維樹脂を用いることもできる。さらには電磁ノイズ耐性をより高めるために、樹脂成型時に、金属メッシュ、金属板等を樹脂で挟み込んで一体成型した樹脂−金属複合材料等を利用することもできる。
【0045】
上ケース21と下ケース22を接合させる接合界面においては、勘合構造を設ける。これにより、密閉性が高められる。さらに嵌合構造に弾性部材24を配置することで、一層の防水性を図ることができる。
図8の例では、上ケース21と下ケース22の接合界面には、弾性部材24としてパッキンを介在させている。このようにして電池ケース20を防水し、電池ケース20内部の二次電池1や電子回路を意図しない短絡等から保護する。
【0046】
電池ケース20内には、電池積層体11と回路基板42とDC/DCコンバータ41を収納している。電池積層体11は、複数枚の二次電池1を、絶縁性のセパレータを介して積層している。積層体の両側端面をエンドプレートで被覆し、エンドプレート同士をバインドバーで締結している。回路基板42は、電池積層体11の充放電を制御する制御回路や保護回路等の電子回路を実装している。
(DC/DCコンバータ41)
【0047】
DC/DCコンバータ41は、電池積層体11の出力を所定の電圧に変換するための部材である。ここでは、車両の電装部品への給電用に、DC/DCコンバータ41でもって電池積層体11の出力を12Vや24V等に変換している。また第2プレート32で覆われた領域には、回路基板42を配置している。これにより、回路基板42に実装された回路群の発熱を第2プレート32を介して放熱させることができる。また、回路基板42を金属製の第2プレート32で覆うことで、回路基板42に実装された電子回路に対するシールド効果も得られ、耐ノイズ性も高められる。
【0048】
なお上記の例では第1プレート31側にDC/DCコンバータ41を、第2プレート32側に回路基板42を配置した例を説明したが、本発明はこの構成に限られるものでなく、例えば第1プレート側に回路基板を、第2プレート側にDC/DCコンバータを、それぞれ配置した構成としてもよいことはいうまでもない。
(冷却構造)
【0049】
さらに電池ケース20は、内部の部材を放熱するための冷却機構を備えている。
図8の例では、外部から冷却空気を採り入れ、二次電池1の表面に強制送風して冷却する空冷式としている。具体的には、電池ケース20の一部に、冷却空気を内部に取り入れるための吸気口51と、熱交換された冷却空気を排出するための排気口5252を開口している。
【0050】
吸気口51は、外装ケース30に設けた貫通穴40との対向位置に配置される。図の電源装置100は、吸気口51との対向位置に対向プレート39の貫通穴40を設けている。この電源装置100は、外装ケース30の貫通穴40を通過する冷却気体を電池ケース20の吸気口51に通過させる。電池ケース20は、二次電池1を冷却した冷却空気を排出するための排気口52を設けている。排気口52は、側面プレート38の上方であって、蓋プレート34の開放部分に開口している。この排気口52は、電池ケース20の表面から上方に突出させて形成される。この排気口52は開口面積を増やして冷却空気の風量を大きくし、冷却能力を向上できる。
図2、
図5等の例では、電池ケース20の背面側に排気口52を開口させつつ、電池ケース20の上面から上方に高さdだけ突出させて排気口52を形成している。このような排気口52は、電池ケース20の上ケース21と一体的に成形される。また、
図1等に示すように、電池ケース20の上面において、排気口52に向かって徐々に大きくなるよう、突出部分に勾配を設けている。
【0051】
電源装置100は、
図12の模式水平断面図に示すように送風して、電池ユニット10の二次電池1を冷却する。この例では、二次電池1を積層している電池積層体11を電池ケース20内の上下左右に4つ配置しており、図において左右の側面の上下からそれぞれ吸気された冷却空気を、上下方向に折曲させて電池積層体11を通過させて熱交換すると共に、この冷却空気をさらに長手方向の中央に案内する。そして左右から中央に集められた冷却空気は、上方(背面側)に開口された排気口52から、電池ケース20の外部に排出される。冷却空気を案内するため、電池ケース20の内部には送風ダクト等が適宜設けられる。また排気口52の近傍には、送風ファン56が設けられている。送風ファン56は、電池ケース20内部に採り入れた冷却空気を強制的に、排気口52から外部に排出する。この構成では、特に吸気口51を複数設けて冷却空気を多くの部位に供給する一方、排気口52を共通化することにより、送風ファン56の数を低減できる。特に一の送風ファン56でもって複数の電池積層体11の冷却空気を電池ケース20内に吸気、排気できる。
【0052】
さらに、冷却空気の一部は、電池ケース20内の他の部材を冷却するために用いられる。特に、第一熱源であるDC/DCコンバータ41や第二熱源である回路基板42に実装された回路群を冷却するためにも利用できる。
図2、
図9等に示す例では、電池ケース20の側面の内、DC/DCコンバータ41を配置した側の側面に、第一熱源用吸気口53を開口させている。第一熱源用吸気口53はDC/DCコンバータ41に連通されており、これによって第一熱源用吸気口53から冷却空気を電池ケース20内に採り入れて、DC/DCコンバータ41と熱交換して冷却できる。また熱交換された冷却空気は、送風ファン56でもって電池ケース20の外部に排出される。冷却空気の排出経路は、上述の通り電池積層体11を冷却した冷却空気の排出経路と統合させることができる。このため電池ケース20内部においては、電池積層体11用の冷却空気経路と、DC/DCコンバータ41用の冷却空気経路とを区画するための区画壁58を設けている。
【0053】
また上記の例では、電池ケース20の側面側の開口を吸気口51とし、表出領域23の背面側に形成した開口を排気口52とする構成を説明したが、本発明はこの構成に限らず、例えば電池ケース20の側面側の開口を排気口52とし、表出領域の背面側に形成した開口を吸気口とすることもできる。この場合は、送風ファンが吸気口側となり、各部位に冷却空気を強制的に送出する。
(凹部25)
【0054】
さらに電池ケース20は、表出領域23において、表面を窪ませた凹部25を一以上形成している。このような凹部25を利用して、電源装置100の位置決めや固定に利用できる。凹部25は、電池ケース20の上面側に設けている。このように凹部25を電池ケース20の表面に設けることで、電池ケース20を両側で位置決めすることにより、固定の安定性や作業の効率化が図られる。
(電池ユニット10)
【0055】
電池ユニット10は、電池積層体11や回路基板42等で構成される。電池ユニット10の分解斜視図を
図10に示す。この例では、電池ユニット10は4つの電池積層体11を備えている。電池積層体11は、長手方向が隣接するように並べた2つの電池積層体11を、電池ケース20の長手方向に2組配置している。ただ、電池積層体の個数やレイアウトは、この例に限定されない。
【0056】
以上のように、強度を担保するための最低限の外装ケース30構造を残しつつ、外装ケース30の内側に樹脂製の電池ケース20を配置することで、強度と軽量化のバランスを図りつつ、防水構造も実現できる。すなわち、電池ケース20を樹脂製としたことで、密閉構造としやすく、防塵や防水機能を高めることが可能となる。また電源装置100の底面側や側面側の絶縁性が高められる結果、二次電池1の表面を露出させた構造を採ることが可能となる。さらに電源装置100の軽量化にも資する。
(電池積層体11)
【0057】
各電池積層体11は、複数の二次電池1と、複数の二次電池1同士を積層する主面間に介在させて、二次電池1間を絶縁するセパレータ2と、複数の二次電池1とセパレータ2を交互に積層した積層方向の端面に配置された一対のエンドプレート3と、電池積層体11の両側の側面に配置され、エンドプレート3同士を締結する金属製の複数の締結部材4を備えている。
【0058】
この二次電池1は、外装缶を表出させている。上述の通り、樹脂製の電池ケース20内に電池積層体11を収納する構成により、絶縁性が高められる。ただ、二次電池1の表面を絶縁材で被覆することもできる。例えばPET樹脂等のシュリンクチューブで二次電池1の電極部分を除く外装缶の表面を熱溶着させてもよい。
(締結部材4)
【0059】
締結部材4は、
図10に示すように、対向面にエンドプレート3が積層された電池積層体11の側面側に配置され、一対のエンドプレート3に固定されて電池積層体11を締結する。この締結部材4は、電池積層体11の側面のほぼ全面を覆う大きさに形成している。また、冷却空気を二次電池1同士の間に送風できるよう、貫通穴40分を設けている。なお締結部材は、他の形状とすることもできる。例えば、帯状に延長された金属板の対向面を断面視コ字状に折曲した形状としてもよい。また締結部材を設ける位置は、電池積層体11の側面とする他、上面とすることもできる。また締結部材をエンドプレートに固定する構造も、ねじ止めに限らず、リベットやかしめ、溶接、接着等、既知の固定構造が適宜利用できる。
(二次電池1)
【0060】
二次電池1は、
図14の分解斜視図に示すように、その外形を構成する外装缶を、幅よりも厚さを薄くした角形のリチウムイオン二次電池である。リチウムイオン二次電池等の非水系電解液二次電池は容量と重量に対する充放電容量を大きくできる。ただ、本発明は二次電池をリチウムイオン二次電池等の非水系電解液二次電池には特定しない。二次電池にはリチウムイオン二次電池1以外の全ての充電できる電池を使用できる。
(セパレータ2)
【0061】
セパレータ2は、
図14の分解斜視図に示すように、隣接する二次電池1の、対向する主面同士の間に介在されてこれらを絶縁する。このセパレータ2は、二次電池1の主面の全面もしくは大部分を被覆できる大きさに形成される。またセパレータは、二次電池1同士の間に冷却空気を通過させる冷却隙間を設けている。各セパレータは、二次電池1との間に冷却隙間2bができる形状となるよう、垂直断面視において凹凸状に折曲させている。これにより電池積層体11は、複数の二次電池1を冷却隙間2bができる状態で積層している。冷却隙間は、空気や冷却ガス等の冷却空気を強制送風して冷却する冷却機構と連結される。さらに、このセパレータ2は、両面に二次電池1を嵌着構造で連結している。二次電池1に嵌着構造で連結されるセパレータ2を用いることで、隣接する二次電池1の位置ずれを阻止して積層できる。
【0062】
セパレータの材質は、絶縁性とする。例えばプラスチック等の樹脂製とすることで、軽量で安価に構成できる。また硬質の部材とする他、可撓性を有する部材としてもよい。特に、冷却隙間を設けない形態のセパレータは、テープ状とする等可撓性のある薄い材質とできる。テープ状として片面に接着面を塗布したセパレータを使用すれば、二次電池1の主面や側面の一部といった絶縁が必要な領域に貼付することが容易となる。加えて、テープ製とすることでセパレータの薄型化が容易となり、電池積層体11の厚さや重量が増すことも抑制できる。
【0063】
以上の構成を備える電源装置100とすることで、樹脂製の電池ケース20で密閉性を確保しつつ、部分的に外装ケース30を残すことで強度を担保し、強度維持と防水性の発揮、軽量化が図られる。
【0064】
図15は、電源装置100の回路図を示す。この電源装置100は、直列に接続している電池ユニット10の間にヒューズを接続している。この電源装置100は、2組の電池ユニット10を直列して1組の組電池とし、2組の組電池をヒューズ12を介して直列に接続している。従来の電源装置100は、装置の出力側に直列にヒューズ12を接続しているので、水没されてヒューズ12が溶断されても、電池ユニット10の出力側の電圧は4組の電池ユニット10の電圧の加算値、すなわち各電池ユニット10の電圧の4倍の電圧となる。このため、電源装置100が水没してヒューズ12が溶断されても、電池ユニット10の出力側の電圧は4倍電圧でショート電流が流れる。
図15の電源装置100は、水没してヒューズ12が溶断されると、2組の組電池が切り離されて、各組電池の出力電圧は、2組の電池ユニット10の加算値、すなわち電池ユニット10の2倍電圧となる。したがって、電源装置100が水没してヒューズ12が溶断されると、各組電池に流れるショート電流は1/2に低減して、水没時の安全性をより高くできる。
【0065】
以上の電源装置100は、車載用の電源として利用できる。電源装置100を搭載する車両としては、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、あるいはモータのみで走行する電気自動車等の電動車両が利用でき、これらの車両の電源として使用される。
(ハイブリッド車用電源装置100)
【0066】
図16に、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド車に電源装置100を搭載する例を示す。この図に示す電源装置100を搭載した車両HVは、車両HVを走行させるエンジン96及び走行用のモータ93と、モータ93に電力を供給する電源装置100と、電源装置100の電池を充電する発電機94とを備えている。電源装置100は、DC/ACインバータ95を介してモータ93と発電機94に接続している。車両HVは、電源装置100の電池を充放電しながらモータ93とエンジン96の両方で走行する。モータ93は、エンジン効率の悪い領域、例えば加速時や低速走行時に駆動されて車両を走行させる。モータ93は、電源装置100から電力が供給されて駆動する。発電機94は、エンジン96で駆動され、あるいは車両にブレーキをかけるときの回生制動で駆動されて、電源装置100の電池を充電する。
(電気自動車用電源装置100)
【0067】
また
図17に、モータのみで走行する電気自動車に電源装置100を搭載する例を示す。この図に示す電源装置100を搭載した車両EVは、車両EVを走行させる走行用のモータ93と、このモータ93に電力を供給する電源装置100と、この電源装置100の電池を充電する発電機94とを備えている。モータ93は、電源装置100から電力が供給されて駆動する。発電機94は、車両EVを回生制動する時のエネルギーで駆動されて、電源装置100の電池を充電する。
【0068】
以上、本発明の実施形態乃至実施例を図面に基づいて説明した。ただ、上記の実施形態乃至実施例は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は上記のものに特定されない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以上の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。