(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内容物が収容される収容空間が形成された容器本体および前記容器本体を開閉する蓋体を有する容器体と、前記容器体内に配置された塗布具と、を備える塗布具付き容器であって、
前記塗布具は、
第1軸線を中心とする環状の柄部と、
前記柄部に装着され、かつ前記内容物を被塗布部に塗布する塗布部と、
を有し、
前記柄部は、
前記第1軸線を中心とする環状で、かつ前記第1軸線周りに沿う周方向に分断された柄部本体と、
前記柄部本体における前記周方向の両端部にそれぞれ設けられた一対の支持突部と、
を有し、
前記一対の支持突部のそれぞれは、前記両端部のうちの他方に向けて突出し、
前記一対の支持突部の先端部同士の間には、周方向の隙間が設けられており、
前記塗布部は、前記一対の支持突部に跨って外嵌された筒状に形成され、かつ、スポンジ製であり、
前記支持突部は、前記第1軸線と平行に延びる第2軸線周りに回転可能に支持されていることを特徴とする塗布具付き容器。
内容物が収容される収容空間が形成された容器本体および前記容器本体を開閉する蓋体を有する容器体と、前記容器体内に配置された塗布具と、を備える塗布具付き容器であって、
前記塗布具は、
第1軸線を中心とする環状の柄部と、
前記柄部に装着され、かつ前記内容物を被塗布部に塗布する塗布部と、
を有し、
前記柄部は、
前記第1軸線を中心とする環状で、かつ前記第1軸線周りに沿う周方向に分断された柄部本体と、
前記柄部本体における前記周方向の両端部のうちの少なくとも一方に設けられた支持突部と、
を有し、
前記支持突部は、前記両端部のうちの他方に向けて突出し、かつ前記塗布部が装着され、
前記支持突部の先端部と前記柄部の前記周方向の他方側の端部との間には、周方向の隙間が設けられ、
前記支持突部は、前記第1軸線と平行に延びる第2軸線周りに回転可能に支持されていることを特徴とする塗布具付き容器。
前記柄部のうち、前記塗布部に対して前記第1軸線周りに沿う周方向に隣接する部分は、前記第1軸線の軸方向から視て、直線状、もしくは前記第1軸線を中心とする径方向の内側に向けて凸となる曲線状を呈することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の塗布具付き容器。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る塗布具付き容器について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数等を、実際の構造における縮尺および数等と異ならせる場合がある。
【0017】
<第1実施形態>
本実施形態の塗布具付き容器10は、
図1および
図2に示すように、容器体10aと、容器体10a内に配置された塗布具30と、を備える。容器体10aは、容器本体20と、ボール体13と、蓋体70と、を有する。容器本体20には内容物C1が収容される収容空間14が形成されている。ボール体13は、回転可能に容器本体20に保持されている。ボール体13の一部は、内容物C1に接触し、ボール体13の他の一部は、容器本体20の外部に露出している。蓋体70は、容器本体20を開閉する。蓋体70は、閉じた状態においてボール体13を覆っている。以下、各部について詳細に説明する。
なお、以下の説明における蓋体70と他の部材との位置関係および蓋体70の各部同士の位置関係は、特に断りのない限り、蓋体70が閉じた状態における位置関係とする。
【0018】
容器本体20は、
図2に示すように、底部材40と、カバー部材50と、支持部材60と、を有する。底部材40は、有底の円筒状である。以下では、底部材40の中心軸線(容器本体20の中心軸線)を容器軸O1と呼び、容器軸O1に沿う方向を上下方向と呼ぶ。上下方向に沿って蓋体70側を上側と呼び、容器本体20側を下側と呼ぶ。また、上下方向から視た平面視において、容器軸O1を通り容器軸O1に直交する方向を径方向と呼ぶ。
【0019】
底部材40は、底板部41と、筒部42と、を有する。
底板部41は、容器軸O1と同軸に配置された円板状の円板部41aと、円板部41aの外周縁から径方向外側に向かうに従って上側に延びる円環板状の円環板部41bと、を有する。
筒部42は、容器軸O1と同軸に配置された円筒状である。筒部42は、底板部41を囲んでいる。筒部42の内周面における上下方向の中央には、円環板部41bの外周縁が接続されている。筒部42は、円環板部41bの外周縁から上側に延びる上側筒部42aと、円環板部41bの外周縁から下側に延びる下側筒部42bと、を有する。下側筒部42bは、上側筒部42aよりも径方向外側に位置する。
【0020】
カバー部材50は、底部材40の上端開口を閉塞している。カバー部材50は、天板部52と、嵌合筒部51と、外側保持筒部53と、内側保持筒部54と、外側シール部55と、を有する。
天板部52は、容器軸O1と同軸に配置された円環板状である。天板部52は、底部材40の上端開口を覆っている。天板部52の上面は、蓋体70と対向する対向面52aである。対向面52aは、径方向外側に向かうに従って上側に延び、下側に凹となる凹曲面状である。天板部52の下面52bは、径方向外側に向かうに従って上側に延び、下側に凸となる凸曲面状である。
【0021】
嵌合筒部51は、容器軸O1と同軸に配置され、天板部52の外周縁から下側に延びる円筒状である。嵌合筒部51は、嵌合筒部51の上部である上側嵌合筒部51aと、嵌合筒部51の下部である下側嵌合筒部51bと、を有する。
上側嵌合筒部51aの外周面には、雄ネジ部が形成されている。
下側嵌合筒部51bは、上側嵌合筒部51aよりも径方向外側に位置する。下側嵌合筒部51bの内径は、上側嵌合筒部51aの内径よりも大きい。下側嵌合筒部51bは、底部材40における筒部42の上側筒部42aに外嵌されている。下側嵌合筒部51bの下端は、筒部42の下側筒部42bの上端と接触している。
【0022】
底部材40の底板部41および上側筒部42aと、カバー部材50の天板部52および上側嵌合筒部51aと、によって収容空間14が形成されている。収容空間14には、流動性を有する内容物C1が収容されている。内容物C1は、流動性を有していれば、液体であってもよいし、ゲル状であってもよいし、ゼリー状であってもよい。内容物C1は、例えば、揮発性の成分を含んでいる。内容物C1は、例えば、化粧品である。
【0023】
内側保持筒部54は、天板部52の内周縁から下側に突出し、容器軸O1と同軸に配置された円筒状である。
外側保持筒部53は、天板部52の下面52bから下側に突出し、容器軸O1と同軸に配置された円筒状である。外側保持筒部53は、内側保持筒部54よりも径方向外側に位置する。外側保持筒部53の下端は、内側保持筒部54の下端よりも下側に位置する。
【0024】
外側シール部55は、内側保持筒部54の下端から径方向内側に向かって斜め上方に延びている。外側シール部55は、容器軸O1と同軸に配置された円環状である。本実施形態において外側シール部55は、弾性変形可能に構成されている。外側シール部55の内周面55aは、容器軸O1と同軸に配置された円環状であり、ボール体13の表面に沿った曲面状である。
カバー部材50の中央には、カバー部材50を上下方向に貫通する外孔56が形成されている。外孔56は、容器本体20の外部に向けて開口している。
図1に示すように、外孔56の平面視形状は、容器軸O1と同軸に配置された円形状である。
図2に示すように、本実施形態において外孔56の内周縁は、外側シール部55の上端の内周縁である。
【0025】
支持部材60は、天板部52の下側に取り付けられている。支持部材60は、取付部61と、円筒部62と、内側シール部63と、を有する。取付部61は、容器軸O1と同軸に配置された円環状に形成され、外側保持筒部53と内側保持筒部54との径方向の間に嵌合されている。
円筒部62は、取付部61の下端における内周縁から下側に延びる円筒状である。円筒部62の内径および外径は、下側に向かうに従って小さくなる。円筒部62の内周面および外周面は、曲面である。円筒部62の上端は、内側保持筒部54の下端と接触している。
【0026】
内側シール部63は、円筒部62の下端部における内周面から突出している。内側シール部63は、容器軸O1と同軸に配置された円環状である。内側シール部63は、ボール体13のうち後述する連通空間15内に配置された部分を支持している。本実施形態では、内側シール部63は、ボール体13の下部を支持している。
支持部材60の下端中央には、支持部材60を上下方向に貫通する内孔64が形成されている。内孔64は、収容空間14に向けて開口している。内孔64の平面視形状は、例えば、容器軸O1と同軸に配置された円形状である。本実施形態において内孔64の内周縁は、円筒部62の下端の内周縁である。
【0027】
外側シール部55の内周面55aと円筒部62の内周面とによって、連通空間15が形成されている。連通空間15は、外孔56と内孔64とを連通している。連通空間15は、上下方向の中央から上下方向両側に向かうに従って内径が小さくなる略樽状の空間である。連通空間15内には、内孔64を介して、収容空間14内に収容された内容物C1が流入する。これにより、連通空間15の下部には、内容物C1が収容されている。
【0028】
ボール体13は、連通空間15内に回転可能に収容されている。ボール体13は、球状である。ボール体13の上端部(外端部)は、外孔56から容器本体20の外部に突出している。ボール体13の上端部は、天板部52の外側シール部55よりも上側に突出している。ボール体13の下端部(内端部)は、内孔64から収容空間14内に突出している。ボール体13の下部における表面は、収容空間14内および連通空間15内に収容された内容物C1と接触している。
【0029】
蓋体70は、外孔56を開閉する。蓋体70は、蓋体本体70aと、蓋板部70bと、を有する。
蓋体本体70aは、板部71と、装着筒部72と、押圧部70cと、を有する。
板部71は、容器軸O1と同軸に配置された円環板状である。
装着筒部72は、板部71の外周縁から下側に延びる円筒状である。装着筒部72の内周面には、嵌合筒部51の上部の外周面に形成された雄ネジ部と螺合された雌ネジ部が形成されている。装着筒部72の下端は、下側嵌合筒部51bの上端と接触している。
【0030】
押圧部70cは、円環板状の板部71の内周縁から下側に突出して設けられている。押圧部70cは、筒部73と、接触部74と、を有する。
筒部73は、容器軸O1と同軸に配置され、板部71の内周縁から下側に延びる円筒状である。筒部73は、外孔56よりも径方向外側に位置する。筒部73は、平面視において、外側シール部55と重なっている。
【0031】
接触部74は、筒部73の下端に接続されている。接触部74は、容器本体20およびボール体13と接触する部分である。接触部74は、上側に凸となる椀状である。接触部74の下面は、上側に窪みボール体13と対向する球面状であり、ボール体13の表面に沿っている。接触部74は、第1押圧部75と、第2押圧部74aと、を有する。
【0032】
第1押圧部75は、接触部74の下面から下側に突出する。第1押圧部75は、容器軸O1と同軸に配置された円環状である。第1押圧部75は、外孔56の外周縁よりも径方向内側に位置する。第1押圧部75の下端は、蓋体70が閉じた状態においてボール体13に上側から接触する。第1押圧部75は、蓋体70が閉じた状態においてボール体13の上端部(外端部)を下側に押圧する。
【0033】
第2押圧部74aは、接触部74の外周縁部である。第2押圧部74aは、蓋体70が閉じた状態において外側シール部55に上側から接触する。第2押圧部74aは、蓋体70が閉じた状態において外側シール部55を押圧する。これにより、第2押圧部74aと外側シール部55の外周面とは、密着する。また、本実施形態では、外側シール部55は弾性変形可能に構成されているため、第2押圧部74aによって押圧されることで、外側シール部55は、弾性変形する。これにより、第2押圧部74aは、蓋体70が閉じた状態において、外側シール部55を弾性変形させてボール体13に押し付ける。
蓋板部70bは、容器軸O1と同軸に配置された円板状である。蓋板部70bは、蓋体本体70aの上面に取り付けられている。より詳細には、蓋板部70bは、板部71の上面に固定されている。蓋板部70bは、押圧部70cを覆っている。
【0034】
蓋体70が閉じた状態において、容器本体20と蓋体70との間には、内部空間16が形成されている。内部空間16は、押圧部70cの外周面を囲む円環状の空間である。内部空間16は、蓋体本体70aとカバー部材50とによって囲まれて構成されている。
塗布具付き容器10は、内部空間16と内孔64との連通空間15を通した連通を開放可能に遮断するシール部を備えている。本実施形態においてシール部は、上述した外側シール部55および内側シール部63を含む。
【0035】
蓋体70が閉じた状態においては、蓋体本体70aの第1押圧部75がボール体13を下側に押圧することで、ボール体13の下端部が内側シール部63に押し付けられる。これにより、内側シール部63によって、連通空間15の内側面とボール体13の表面との間がシールされ、外孔56と内孔64との連通空間15を通した連通が遮断される。また、蓋体70が閉じた状態において、第1押圧部75によって内側シール部63に押し付けられることで、ボール体13の回転は抑制される。
【0036】
また、蓋体本体70aの第2押圧部74aが外側シール部55を押圧することで、第2押圧部74aと外側シール部55とが密着する。これにより、内部空間16と外孔56との間がシールされる。また、本実施形態では、蓋体70が閉じた状態において、外側シール部55は弾性変形して、ボール体13に向けて押し付けられる。これにより、ボール体13の回転がより抑制される。また、外側シール部55によっても、連通空間15の内側面とボール体13の表面との間の少なくとも一部をシールすることができる。なお、外側シール部55は、外側シール部55が弾性変形してボール体13に押し付けられた際に、外側シール部55とボール体13の表面との間のシールをより確実にできる構成としてもよい。この場合、外側シール部55は、外孔56と内孔64との連通空間15を通した連通を開放可能に遮断する内側シール部としても機能する。
以上のように、蓋体70が閉じた状態においては、外側シール部55と内側シール部63とによって、内部空間16と内孔64との連通空間15を通した連通が遮断される。
【0037】
一方、蓋体70が開いた状態においては、第1押圧部75および第2押圧部74aによるボール体13および外側シール部55の押圧状態が解除される。そのため、外側シール部55は弾性変形した状態から復元し、外側シール部55とボール体13の表面との間にはわずかに隙間が生じる。また、第2押圧部74aと外側シール部55とが離れるため、内部空間16と外孔56との間のシール状態も解除される。なお、蓋体70が開いた状態においては、内部空間16は、塗布具付き容器10の外部空間に解放されている。また、ボール体13の回転抑制が解除され、ボール体13は回転可能な状態となる。
【0038】
容器軸O1の延びる方向が上下方向となるように塗布具付き容器10が配置される場合、蓋体70が開いた状態においても、ボール体13の下端部は、ボール体13の自重によって内側シール部63と接触している。しかし、ボール体13が回転可能な状態であるため、例えば、ボール体13が回転する際、ボール体13がわずかに浮き上がる等によって、内側シール部63とボール体13の表面との間にはわずかに隙間が生じる。
以上のように、蓋体70が開いた状態においては、内側シール部63および外側シール部55によるシール状態が解除され、外孔56と内孔64との連通空間15を通した連通が開放される。
【0039】
塗布具30は、
図1に示すように、第1軸線J1を中心とする環状の柄部30aと、柄部30aに装着された塗布部34と、を有する。本実施形態において第1軸線J1は、塗布具30が容器体10a内に配置された状態において、容器軸O1と一致している。
柄部30aは、柄部本体31と、支持突部32,33と、を有する。
柄部本体31は、第1軸線J1を中心とする環状で、かつ第1軸線J1周りに沿う周方向に分断されている。すなわち、柄部本体31には、第1軸線J1周りに沿う周方向に柄部本体31を分断する開口部31aが形成されている。開口部31aは、
図1における右側の端部に形成されている。柄部本体31の形状は、平面視においてC字状である。以下の説明においては、第1軸線J1周りに沿う周方向を単に周方向と呼ぶ。
【0040】
ここで、本明細書において「環状である」とは、全周に亘って連続して延びることに加えて、全周のうちの一部が分断されて不連続となっていることも含む。本明細書において「環状である」とは、例えば、環状である対象物の第1軸線J1を中心とする中心角が180°よりも大きいことを含む。具体的に、
図1の例では、柄部30aの中心角θ1および柄部本体31の中心角θ2は、180°よりも大きい。中心角θ1は、中心角θ2よりも大きい。柄部30aの中心角θ1とは、第1軸線J1と支持突部32,33の先端のそれぞれとを通る2本の仮想線同士が成す角度のうち柄部30a側の角度である。柄部本体31の中心角θ2とは、第1軸線J1と柄部本体31の周方向両端のそれぞれとを通る2本の仮想線同士が成す角度のうち柄部本体31側の角度である。
【0041】
柄部本体31の周方向端面31b,31cは、開口部31aを介して対向する。本実施形態において周方向端面31b,31cは、互いに平行である。周方向端面31b,31cは、第1軸線J1(上下方向)と平行で、かつ平面視において第1軸線J1と開口部31aの周方向の中心とを通る仮想線Lと平行な面である。仮想線Lが延びる方向は、径方向のうちの一方向である。
図2に示すように、柄部本体31は、表裏面が第1軸線J1(上下方向)と直交する板状である。
【0042】
本実施形態において支持突部32,33は、
図1に示すように、柄部本体31における周方向の両端部に設けられている。支持突部32,33は、柄部本体31の周方向の両端部のうちの他方に向けて突出している。具体的に、支持突部32は、柄部本体31の周方向の一端部の周方向端面31bから柄部本体31の周方向の他端部に向けて突出している。支持突部33は、柄部本体31の周方向の他端部の周方向端面31cから柄部本体31の周方向の一端部に向けて突出している。
【0043】
支持突部32と支持突部33とは、第1軸線J1(上下方向)および仮想線Lの両方と直交する方向に延びている。支持突部32と支持突部33とは、互いに同軸に配置された円柱状である。支持突部32の先端部と支持突部33の先端部との間には、周方向の隙間35が設けられている。本実施形態において支持突部32,33の先端部は、それぞれ柄部30aの周方向の端部である。すなわち、支持突部32,33の先端部のそれぞれと柄部30aの周方向の他方側の端部(他方側の支持突部の先端部)との間には、隙間35が設けられている。支持突部32,33の外径は、柄部本体31の径方向の寸法よりも小さく、柄部本体31の上下方向の寸法とほぼ同じである。
【0044】
塗布部34は、内容物C1を被塗布部に塗布する部分である。塗布部34は、例えば、スポンジ製である。被塗布部とは、例えば、使用者の肌等を含む。塗布部34は、支持突部32,33に装着されている。本実施形態において塗布部34は、筒状に形成されるとともに、支持突部32,33に回転可能に外嵌されている。塗布部34は、支持突部32,33と同軸に配置された円筒状である。
【0045】
塗布部34は、支持突部32と支持突部33とに跨って装着されている。塗布部34内には、塗布部34の一端から支持突部32が挿入され、塗布部34の他端から支持突部33が挿入されている。隙間35は、塗布部34内に設けられている。塗布部34を介して支持突部32と支持突部33とが連結されることで、塗布具30の全体形状は、全周に亘って連続した環状となる。塗布部34の両端は、柄部本体31の周方向端面31b,31cと離れて配置されている。
【0046】
塗布具30の径方向内側には、進入空間部80が設けられている。進入空間部80は、柄部本体31と塗布部34とによって囲まれた空間である。進入空間部80には、第1軸線J1が通る。進入空間部80の平面視形状は、略円形状である。本実施形態において塗布具30は、
図2に示すように、柄部30aの内側、すなわち進入空間部80にボール体13の上端部(外端部)を進入させた状態で、容器体10a内に配置されている。塗布具30は、内部空間16内において、カバー部材50の天板部52上に配置されている。
図1に示すように、平面視において塗布具30は、外孔56を囲んでいる。
【0047】
次に、塗布具付き容器10における内容物C1の取り出し方法について説明する。
まず、使用者は、蓋体70を開き、柄部30aを介して塗布具30を把持する。このとき使用者は、塗布具30の柄部本体31のうち、塗布部34と第1軸線J1を挟んで対向する部分を把持する。
次に、使用者は、塗布具30を操作して、塗布部34をボール体13に上側から押し付けて水平方向に動かすことで、ボール体13を回転させることができる。このとき、使用者は、塗布具30を塗布部34の軸線方向と直交する方向に動かすことで、塗布部34を支持突部32,33に対して回転させながら、ボール体13を回転させることができる。
【0048】
ボール体13の下端部は内容物C1と接触しているため、ボール体13の下端部における表面には、内容物C1が付着している。ボール体13における内容物C1が付着した表面が、ボール体13の回転によって、ボール体13のうち外孔56を介して容器本体20の外部に露出する上端部(外端部)に移動すると、ボール体13の表面に付着した内容物C1が塗布部34に付着する。このようにして、収容空間14内の内容物C1を、内孔64、連通空間15、および外孔56を介して、容器本体20の外部に取り出すことができる。使用者は、柄部30aを把持したまま塗布具30を操作して、内容物C1の付着した塗布部34被塗布部に接触させて、内容物C1を塗布する。
【0049】
本実施形態によれば、柄部30aが環状であるため、柄部30aを比較的大きくしやすく、塗布具30全体を比較的大きくしやすい。そのため、使用者は、柄部30aを把持しやすく、塗布具30を持ちやすい。これにより、使用者は、塗布具30を操作しやすい。したがって、本実施形態によれば、操作しやすい塗布具30を備える塗布具付き容器10が得られる。
また、本実施形態によれば、塗布部34が装着される支持突部32,33同士の周方向の間には、隙間35が設けられている。そのため、隙間35を介して塗布部34を支持突部32,33に装着することができ、また隙間35を介して塗布部34を支持突部32,33から外すことができる。これにより、塗布部34の脱着を容易にすることができ、塗布部34を交換する際の手間を低減できる。
【0050】
また、本実施形態によれば、塗布部34は、筒状に形成されるとともに、支持突部32,33に回転可能に外嵌されている。そのため、塗布部34を介してボール体13を回転させる際に、塗布部34を回転させることができる。これにより、塗布部34を回転させて塗布部34の表面全体に内容物C1を付着させやすく、内容物C1を取り出しやすい。また、塗布部34を介して内容物C1を被塗布部に塗布する際に、塗布部34を回転させることができ、内容物C1を被塗布部の広範囲に均等に塗布できる。
【0051】
また、本実施形態によれば、上述したようにボール体13を回転させることによって、内容物C1を外部に取り出すことができる。そのため、塗布具30の塗布部34をボール体13に接触させて、ボール体13が回転するように塗布具30を操作することで、容易に内容物C1を取り出すことができる。したがって、本実施形態によれば、内容物C1を取り出す際の塗布具30の操作を容易にできる。
また、収容空間14内の内容物C1の残量が少なくなっても、内容物C1にボール体13が接触していれば、ボール体13を回転させることで内容物C1を外部に取り出すことができる。したがって、本実施形態によれば、残量が少なくなっても内容物C1を容易に取り出すことができる。
また、容器本体20の外部に突出するボール体13の上端部(外端部)を柄部30aの内側(進入空間部80)に進入させた状態で塗布具30を配置することで、塗布具付き容器10の上下方向の寸法を小さくできる。
【0052】
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態に対して、容器体の構成が異なる。なお、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
本実施形態の塗布具付き容器110における容器体110aは、
図3および
図4に示すように、平面視矩形状の扁平容器である。容器体110aは、容器本体120と、容器本体120に対して
図3に示す回転軸O2周りに回動可能に取り付けられた蓋部材170と、を有する。回転軸O2は、上下方向と直交する水平方向の一方向(
図3では左右方向)に延びている。
蓋部材170は、後述する底部材140の上側の開口を開閉可能である。
図3においては、蓋部材170が開いた状態を示しており、
図4においては、蓋部材170が閉じた状態を示している。
図4に示すように蓋部材170の下面には、鏡Mが固定されている。
【0053】
容器本体120は、
図4に示すように、上側に開口する箱状の底部材140と、底部材140内に配置された中皿容器180と、を有する。
底部材140の平面視形状は、
図3に示すように、回転軸O2と平行な方向に長い長方形状である。底部材140の内部空間は、回転軸O2と平行な方向に沿って2つの空間140a,140bに仕切られている。空間140aには、中皿容器180が配置されている。空間140bには、塗布具30が収納されている。
図4に示すように、底部材140の底板部における空間140bを形成する部分には、底部材140の底板部を上下方向に貫通する複数の貫通孔140cが形成されている。貫通孔140cの平面視形状は、
図3に示すように、例えば、正方形状である。貫通孔140cが形成されることで、容器体110a内の通気性を向上できる。塗布具30は、複数の貫通孔140cが形成された底部材140の底板部上に配置されている。
【0054】
中皿容器180は、
図4に示すように、上側に開口する扁平容器である。中皿容器180内には、内容物C2が収納されている。内容物C2は、例えば、アイライナーやほほ紅等の粉物、あるいは、口紅等の練り物である。中皿容器180は、例えば、底部材140に対して着脱可能に取り付けられている。使用者は、中皿容器180内の内容物C2が無くなった場合、内容物C2が無くなった中皿容器180を底部材140から取り外し、内容物C2が充填された新しい中皿容器180を底部材140に設置できる。
【0055】
<第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態に対して、容器体の構成が異なる。なお、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
本実施形態の塗布具付き容器210における容器体210aは、
図5に示すように、内容物C3を収容する容器本体220と、容器本体220に対して回転軸O2周りに回動可能に取り付けられた蓋部材270と、を有する。容器本体220は、容器軸O1を中心とし、上側に開口する扁平円筒状である。内容物C3は、例えば、内容物C2と同様である。
【0056】
蓋部材270は、上蓋271と、下蓋272と、を有する。上蓋271と下蓋272とは、蓋部材270が閉じられた状態において容器軸O1と同軸に配置されている。上蓋271は下蓋272の上方に配置されている。上蓋271と下蓋272との上下方向の間には、空間270aが設けられている。空間270a内には、塗布具30が配置されている。下蓋272の下面には、鏡Mが固定されている。蓋部材270は、開閉操作部290が押されることで上側に突き上げられ、開いた状態となる。
【0057】
なお、上記の第1実施形態から第3実施形態で説明した各塗布具付き容器において、各容器体内に配置される塗布具の構成は、上述した塗布具30の構成に限られない。塗布具は、例えば、
図6から
図18にそれぞれ示す塗布具のような構成であってもよい。なお、以下の説明において、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。
【0058】
図6に示す塗布具330の柄部330aにおいて、支持突部332は、上述した塗布具30と異なり、1つのみ設けられている。すなわち、支持突部332は、柄部本体31における周方向の両端部のうちの一方のみに設けられている。支持突部332は、柄部本体31の周方向端面31cから他方側の周方向端面31bに向かって突出している。支持突部332の先端部と柄部330aの周方向の他方側の端部、すなわち本実施形態では柄部本体31の周方向の他方側の端部との間には、隙間335が設けられている。隙間335の一部は、塗布部34の内部に配置され、隙間335の他の一部は、塗布部34の外部に配置されている。
塗布具330のその他の構成は、上述した塗布具30の構成と同様である。
【0059】
図7に示す塗布具430の柄部430aにおいて、支持突部432は、第1軸線J1と平行に延びる第2軸線J2周りに回転可能に支持されている。第2軸線J2は、柄部本体31の周方向一方側の端部を通る。支持突部432は、
図6の塗布具330と同様に、1つのみ設けられている。支持突部432は、連結部432aと、装着部432bと、を有する。
【0060】
連結部432aは、柄部本体31と連結される部分である。連結部432aは、塗布具430を使用する際の状態(
図7の実線および破線で示す状態)において、周方向に沿って延び、柄部本体31と上下方向に重なっている。
装着部432bは、塗布部34が装着される部分である。装着部432bは、連結部432aの先端から直線状に延びている。装着部432bは、塗布具430を使用する際の状態において、柄部本体31の周方向の他方側の端部に向かって突出している。
塗布具430のその他の構成は、
図6に示した塗布具330の構成と同様である。
この構成によれば、
図7において二点鎖線で示すように支持突部432を回転させることで、支持突部432に対して塗布部34を脱着することを容易にできる。
【0061】
図8に示す塗布具530の柄部530aにおいて、柄部本体531は、曲線部531aを有する。曲線部531aは、柄部530a(柄部本体531)のうち、塗布部34に対して第1軸線J1周りに沿う周方向に隣接する部分である。
図8の例では、曲線部531aは、支持突部32が設けられる側の柄部本体531の部分である。曲線部531aは、第1軸線J1の軸方向から視て、第1軸線J1を中心とする径方向の内側に向けて凸となる曲線状を呈している。
【0062】
柄部530aにおいて、支持突部32が設けられた周方向端面531bは、曲線部531aの径方向内側面の一部である。周方向端面531bは、第1軸線J1を中心とする径方向外側に向かうに従って周方向端面31cから離れる向きに延びる曲面状である。
塗布具530のその他の構成は、上述した塗布具30の構成と同様である。
この構成によれば、曲線部531aを被塗布部近傍の曲線状の部分に沿わせることで、塗布部34を介して内容物を塗布する被塗布部の位置を視覚的に捉えやすく、内容物を適切に塗布しやすい。被塗布部近傍の曲線状の部分とは、例えば、目および鼻等における曲線状の部分である。
【0063】
図9に示す塗布具630の柄部630aにおいて、柄部本体631は、直線部631aを有する。直線部631aは、柄部630a(柄部本体631)のうち、塗布部34に対して第1軸線J1周りに沿う周方向に隣接する部分である。
図9の例では、直線部631aは、支持突部32が設けられる側の柄部本体631の部分である。直線部631aは、第1軸線J1の軸方向から視て、直線状を呈している。直線部631aが延びる方向は、支持突部32,33が延びる方向および第1軸線J1の両方と直交する方向である。
【0064】
柄部630aにおいて、支持突部32が設けられる周方向端面31bは、直線部631aの径方向内側面の一部である。直線部631aの径方向内側面は、平坦面である。
塗布具630のその他の構成は、上述した塗布具30の構成と同様である。
この構成によれば、直線部631aを被塗布部近傍の直線状の部分に沿わせることで、塗布部34を介して内容物を塗布する被塗布部の位置を視覚的に捉えやすく、内容物を適切に塗布しやすい。被塗布部近傍の直線状の部分とは、例えば、顔における直線状の部分である。
【0065】
図10に示す塗布具730の柄部730aにおいて、柄部本体731は、把持直線部731bを有する。把持直線部731bは、柄部730a(柄部本体731)のうち、塗布部34と第1軸線J1を挟んで対向する部分である。把持直線部731bは、第1軸線J1の軸方向から視て、支持突部32,33が延びる方向と平行な方向に延びる直線状を呈している。
塗布具730のその他の構成は、上述した塗布具30の構成と同様である。
この構成によれば、使用者は、把持直線部731bを把持することで、塗布具730をより持ちやすい。これにより、塗布具730をより操作しやすくできる。
【0066】
図11に示す塗布具830の柄部830aにおいて、柄部本体831は、直線部831a,831cと、把持直線部831bと、を有する。直線部831aは、
図9に示す直線部631aと同様である。直線部831cは、支持突部33が設けられる側の柄部本体831の部分である点を除いて直線部831aと同様である。直線部831aと直線部831cとは、互いに平行である。
【0067】
把持直線部831bは、
図10に示す把持直線部731bと同様である。把持直線部831bの両端は、それぞれ直線部831a,831cの端部と接続されている。把持直線部831bは、直線部831a,831cと直交している。柄部本体831の第1軸線J1の軸方向から視た形状は、U字状である。塗布具830の第1軸線J1の軸方向から視た形状は、略正方形環状である。
塗布具830のその他の構成は、上述した塗布具30の構成と同様である。
【0068】
図12および
図13に示す塗布具930の柄部930aにおいて、柄部本体931は、2つ設けられている。
図12に示すように、2つの柄部本体931は、第1軸線J1を挟んで対向して配置されている。2つの柄部本体931は、それぞれ周方向に沿って延びる円弧状である。2つの柄部本体931は、凸となる向きが互いに逆向きとなるように配置されている。
柄部930aにおいて支持突部932は、2つの柄部本体931を連結する円柱状である。支持突部932としては、2つの柄部本体931の周方向の一端同士を連結する支持突部932と、2つの柄部本体931の周方向の他端同士を連結する支持突部932との2つが設けられている。
【0069】
塗布具930において塗布部は、第1塗布部(塗布部)934aと、第2塗布部(塗布部)934bと、の2つが設けられている。
第1塗布部934aは、一方の支持突部932に装着されている。第1塗布部934aは、筒状に形成されるとともに、一方の支持突部932に回転可能に外嵌されている。第1塗布部934aは、例えば、一方の支持突部932と同軸に配置された円筒状である。
【0070】
図13に示すように、第1塗布部934aには、スリット部936aが形成されている。スリット部936aは、第1塗布部934aの延びる方向の全体に亘って形成されており、第1塗布部934aを、第1塗布部934aの軸線周りに沿う周方向に分断している。スリット部936aによって第1塗布部934aに形成された互いに対向する断面は、第1塗布部934aが支持突部932に装着されている状態において互いに接触している。スリット部936aを介して第1塗布部934aの分断された部分を開くことで、第1塗布部934aを支持突部932に対して脱着することができる。
スリット部936aは、第1塗布部934aの内周面から外周面まで、第1塗布部934aの軸線を中心とした径方向に沿って直線状に延びている。
【0071】
第2塗布部934bは、
図12に示すように、他方の支持突部932に装着されている。第2塗布部934bは、筒状に形成されるとともに、他方の支持突部932に回転可能に外嵌されている。第2塗布部934bは、例えば、他方の支持突部932と同軸に配置された円筒状である。第2塗布部934bの外径は、第1塗布部934aの外径よりも大きい。
【0072】
図13に示すように、第2塗布部934bには、スリット部936bが形成されている。スリット部936bは、第2塗布部934bの延びる方向の全体に亘って形成されており、第2塗布部934bを、第2塗布部934bの軸線周りに沿う周方向に分断している。スリット部936bによって第2塗布部934bに形成された互いに対向する断面は、第2塗布部934bが支持突部932に装着されている状態において互いに接触している。スリット部936bを介して第2塗布部934bの分断された部分を開くことで、第2塗布部934bを支持突部932に対して脱着することができる。
【0073】
スリット部936bは、第1直線部936cと、第2直線部936dと、第3直線部936eと、を有する。
第1直線部936cは、第2塗布部934bの内周面から、第2塗布部934bの軸線を中心とした径方向に沿って直線状に延びた部分である。第1直線部936cは、第2塗布部934bの軸線を中心とした径方向において、第2塗布部934bの断面の中央まで延びている。
第2直線部936dは、第1直線部936cにおける第2塗布部934bの内周面と逆側の端部に接続され、第1直線部936cおよび第2塗布部934bの軸線の両方と直交する方向に直線状に延びた部分である。
【0074】
第3直線部936eは、第2直線部936dにおける第1直線部936cが接続された側と逆側の端部に接続され、第1直線部936cと平行な方向に延びた部分である。第3直線部936eは、第2塗布部934bの外周面まで延びている。
第1直線部936c〜第3直線部936eが設けられることで、スリット部936bの形状は、第2塗布部934bの軸線方向から視て、段差を有する形状となっている。これにより、スリット部936bによって第2塗布部934bに形成された互いに対向する断面には、第2塗布部934bの軸線を中心とした径方向に沿って段差が形成される。各断面は、第2塗布部934bが支持突部932に装着された状態において、それぞれに形成された段差が噛み合って互いに接触している。これにより、第2塗布部934bがスリット部936bを介して容易に開くことを抑制でき、第2塗布部934bが支持突部932から外れることを抑制できる。
塗布具930のその他の構成は、上述した塗布具30の構成と同様である。
【0075】
塗布具930の構成によれば、それぞれ塗布部を装着できる支持突部932が2つ設けられているため、
図12および
図13に示したように、1つの塗布具930に異なる2種類の塗布部を装着することができる。これにより、塗布具930の用途の幅を広げることができる。
【0076】
図14に示す塗布具1030の柄部1030aにおいて、柄部本体1031は、2つ設けられている。柄部本体1031の一方の周方向端部には、後述する第3塗布部1034の支持部1034aが嵌合される凹部1031aが形成されている。2つの柄部本体1031に形成された凹部1031aは、互いに対向する位置に配置されている。柄部本体1031のその他の構成は、
図12および
図13に示す柄部本体931の構成と同様である。
【0077】
柄部1030aにおいて支持突部1032は、2つの柄部本体1031における凹部1031aが形成された側と逆側の周方向端部同士を連結する円柱状である。支持突部1032の外径は、上述した各支持突部の外径よりも大きい。支持突部1032には、第1塗布部934aが装着されている。支持突部1032は、第1突部1032aと、第2突部1032bと、を有する。
【0078】
第1突部1032aは、一方の柄部本体1031から他方の柄部本体1031に向かって延びている。第1突部1032aの先端には、第1突部1032aが接続された一方の柄部本体1031側に向かって窪む凹部が形成されている。
第2突部1032bは、他方の柄部本体1031から一方の柄部本体1031に向かって延びている。第2突部1032bの先端には、第2突部1032bが接続された他方の柄部本体1031側と逆側に向かって突出する突部が形成されている。
【0079】
第1突部1032aと第2突部1032bとは、互いに同軸に配置され対向している。第1突部1032aの凹部と第2突部1032bの突部とは、互いに噛み合って連結されている。第1突部1032aと第2突部1032bとは、例えば、互いに分離可能である。なお、この場合、支持突部1032に装着される第1塗布部934aには、スリット部936aが形成されていなくてもよい。第1突部1032aと第2突部1032bとを分離させることで、第1塗布部934aを支持突部1032に対して脱着可能なためである。
【0080】
塗布具1030において塗布部は、第1塗布部934aと、第3塗布部(塗布部)1034と、の2つが設けられている。
第3塗布部1034は、2つの柄部本体1031における支持突部1032によって連結された側と逆側の周方向端部同士を連結している。第3塗布部1034は、支持部1034aと、ブラシ部1034bと、を有する。
【0081】
支持部1034aは、2つの柄部本体1031を連結する円柱状である。支持部1034aの両端は、2つの柄部本体1031にそれぞれ形成された凹部1031aに嵌合されている。支持部1034aは、例えば、凹部1031aから取り外し可能となっている。これにより、第3塗布部1034を柄部本体1031から脱着することが可能である。
ブラシ部1034bは、支持部1034aの外周面に固定された複数の線毛によって構成されている。ブラシ部1034bは、支持部1034aの両端部を除く部分の外周面に一周に亘って設けられている。ブラシ部1034bは、インサート成形によって製造されてもよいし、複数の線毛を支持部1034aに植毛して製造してもよい。
塗布具1030のその他の構成は、上述した塗布具930の構成と同様である。
【0082】
なお、
図14に示す第3塗布部1034は、支持部1034aとブラシ部1034bとが一体となった構造であるため、まとめて塗布部として説明したが、支持部1034aを支持突部、ブラシ部1034bを塗布部としてそれぞれ捉えることもできる。
また、第3塗布部1034は、タワシのような構造によってブラシ部1034bを構成し、その両端に支持部を設ける構成であってもよい。
【0083】
図15から
図17に示す塗布具1130の柄部1130aにおいて、柄部本体1131は、第1柄部本体1137と、第2柄部本体1138と、を有する。
第1柄部本体1137は、周方向に沿って略半円弧状に延びている。
第2柄部本体1138は、第1柄部本体1137と別体として形成され、第1軸線J1を挟んで第1柄部本体1137と対向して配置されている。第2柄部本体1138の平面視形状は、頂点が径方向内側に向けて配置された略三角形状である。
第1柄部本体1137の周方向両端部と第2柄部本体1138の周方向両端部とは、それぞれ支持突部932によって連結されている。
塗布具1130において2つの支持突部932は、互いに交差する方向に延びている。
【0084】
塗布具1130において塗布部は、第4塗布部(塗布部)1134aと、第5塗布部(塗布部)1134bと、の2つが設けられている。
第4塗布部1134aは、一方の支持突部932に装着されている。第4塗布部1134aは、筒状に形成されるとともに、一方の支持突部932に回転可能に外嵌されている。第4塗布部1134aは、例えば、一方の支持突部932と同軸に配置された円筒状である。
【0085】
図16に示すように、第4塗布部1134aには、スリット部1136aが形成されている。スリット部1136aは、第4塗布部1134aの延びる方向の全体に亘って形成されており、第4塗布部1134aを、第4塗布部1134aの軸線周りに沿う周方向に分断している。スリット部1136aによって第4塗布部1134aに形成された互いに対向する断面は、第4塗布部1134aが支持突部932に装着されている状態において互いに接触している。スリット部1136aを介して第4塗布部1134aの分断された部分を開くことで、第4塗布部1134aを支持突部932に対して脱着することができる。
【0086】
スリット部1136aは、第1直線部1136cと、第2直線部1136dと、を有する。
第1直線部1136cは、第4塗布部1134aの内周面から、第4塗布部1134aの軸線を中心とした径方向に対して、第4塗布部1134aの軸線に沿った周方向の一方側に傾いた方向に直線状に延びた部分である。第1直線部1136cは、第4塗布部1134aの軸線を中心とした径方向において、第4塗布部1134aの断面の中央まで延びている。
【0087】
第2直線部1136dは、第1直線部1136cにおける第4塗布部1134aの内周面と逆側の端部に接続された部分である。第2直線部1136dは、第4塗布部1134aの軸線を中心とした径方向に対して、第4塗布部1134aの軸線に沿った周方向の他方側(第1直線部1136cが傾く側のと逆側)に傾いた方向に直線状に延びている。第2直線部1136dは、第4塗布部1134aの外周面まで延びている。
【0088】
第1直線部1136cおよび第2直線部1136dが設けられることで、スリット部1136aによって第4塗布部1134aに形成された互いに対向する断面の一方には、周方向に突出する凸部が形成され、他方には周方向に窪む凹部が形成されている。これらの凸部と凹部とは、第4塗布部1134aが支持突部932に装着された状態において互いに嵌合している。これにより、第4塗布部1134aがスリット部1136aを介して容易に開くことを抑制でき、第4塗布部1134aが支持突部932から外れることを抑制できる。
【0089】
第5塗布部1134bは、
図15に示すように、他方の支持突部932に装着されている。第5塗布部1134bは、筒状に形成されるとともに、他方の支持突部932に回転可能に外嵌されている。第5塗布部1134bは、例えば、他方の支持突部932と同軸に配置された円筒状である。第5塗布部1134bの外形上は、第5塗布部1134bの外径が、第5塗布部1134bが延びる方向の中央部から両端側に向かうに従って小さくなる樽状である。
【0090】
図17に示すように、第5塗布部1134bには、スリット部1136bが形成されている。スリット部1136bは、第5塗布部1134bの延びる方向の全体に亘って形成されており、第5塗布部1134bを、第5塗布部1134bの軸線周りに沿う周方向に分断している。スリット部1136bによって第5塗布部1134bに形成された互いに対向する断面は、第5塗布部1134bが支持突部932に装着されている状態において互いに接触している。スリット部1136bを介して第5塗布部1134bの分断された部分を開くことで、第5塗布部1134bを支持突部932に対して脱着することができる。第5塗布部1134bの形状は、
図13に示すスリット部936aと同様である。
塗布具1130のその他の構成は、上述した塗布具30の構成と同様である。
【0091】
塗布具1130によれば、それぞれ塗布部が装着できる支持突部932が2つ設けられることで、2種類の塗布部を装着できるとともに、支持突部932が互いに交差する方向に延びていることで、柄部本体1131の第1柄部本体1137を大きくしやすい。これにより、使用者は、第1柄部本体1137を把持することで、塗布具1130を持ちやすい。したがって、塗布具1130の構成によれば、塗布具1130の用途の幅を広げつつ、より塗布具1130を操作しやすくできる。
【0092】
図18に示す塗布具1230の柄部1230aにおいて、柄部本体1231は、湾曲部1231bを有する。
湾曲部1231bは、支持突部32,33に装着された第6塗布部(塗布部)1234と第1軸線J1を挟んで対向する位置に配置されている。第6塗布部1234は、スリット部が設けられていない点を除いて、
図15および
図17に示した第5塗布部1134bと同様である。湾曲部1231bの平面視形状は、径方向内側に窪む曲線状である。湾曲部1231bが設けられることによって、塗布具1230をより持ちやすくできる。
【0093】
また、塗布具が配置される容器体は、上記の第1実施形態から第3実施形態で説明した各容器体に限られず、塗布具を内部に配置できるならば、特に限定されない。また、塗布具付き容器の用途は、特に限定されない。
また、上記説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。特に、上述した各例における各塗布部、各支持突部、および各柄部本体の組み合わせは、上記の組み合わせ例に限られるものではなく、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。