(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6759079
(24)【登録日】2020年9月4日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】農園芸用植物栽培具
(51)【国際特許分類】
A01G 9/12 20060101AFI20200910BHJP
【FI】
A01G9/12 A
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-230048(P2016-230048)
(22)【出願日】2016年11月28日
(65)【公開番号】特開2018-85940(P2018-85940A)
(43)【公開日】2018年6月7日
【審査請求日】2019年9月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】斧田 浩一
【審査官】
竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭56−045141(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3207740(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3120027(JP,U)
【文献】
実開昭60−057955(JP,U)
【文献】
実開平05−002658(JP,U)
【文献】
実開昭53−000947(JP,U)
【文献】
実開昭61−204459(JP,U)
【文献】
実開昭60−049748(JP,U)
【文献】
実開平05−037046(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3本の支柱が枢支体により連結支持され、この枢支体は支持体と連結体とを備え、前記支柱が挿入される透孔が前記支持体と連結体とに少なくとも3個ずつそれぞれ設けられ、前記支持体と連結体は互いに摺動すると共に回動自在に連結され、前記支持体と連結体を回動させることにより前記支柱の下部が開脚・閉止自在となされていると共に、前記枢支体は前記支柱に対して上下方向に移動可能となされ、かつ前記支柱の所望の位置に保持できるようになされていることを特徴とする農園芸用植物栽培具。
【請求項2】
前記支持体と連結体とは円筒形状となされ、それぞれの内周に仕切り板部が設けられて、前記透孔はこの仕切り板部に形成され、前記透孔の周辺には上下方向に縦壁が設けられ、この縦壁が前記支柱の側面に当接されるようになされていることを特徴とする請求項1に記載の農園芸用植物栽培具。
【請求項3】
前記縦壁は筒状に形成され、前記透孔の周辺から少なくとも上方または下方のいずれか一方に突設されていると共に、筒状の前記縦壁が複数に分割されて形成されていることを特徴とする請求項2に記載の農園芸用植物栽培具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナスなどの植物を栽培する際に用いる農園芸用植物栽培具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
農園芸用植物栽培具については、従来より種々の提案がなされており、例えば特許文献1には、少なくとも2本の線状エレメントと、線状エレメントを受け入れるための孔を有する少なくとも2箇の平面エレメントからなり、平面エレメントのたがいの相対的位置が、ユニットを使用する際に各々の線状エレメントが、各々の平面エレメントの孔を通過する一方、平面エレメントに対して傾斜して延び、かつ線状エレメントが前記少なくとも2箇の平面エレメントの中間の領域において交差するような関係にある草木用の杭又は格子、網などの支柱のような実質的に垂直な支持を構成するためのユニットである農園芸用植物栽培具が開示されている(特許文献1の請求項1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭56−45141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の特許文献1に記載の農園芸用植物栽培具においては、それを自立させようとすると、少なくとも2箇の前記平面エレメントをそれぞれ違う方向に回転させて前記線状エレメントが互いに交差し当接した状態までもっていく必要がある。すなわち、前記農園芸用植物栽培具は少なくとも2箇の前記線状エレメントどうしが離間した状態では自立させることはできず、また、少なくとも2箇の前記平面エレメントの開き具合も、前記線状エレメントが互いに交差し当接した状態で一定の開き具合しかできず、自立させる場合には使い勝手が良いとは言えないものであった。
【0005】
本発明は、設置場所において地中に埋設しなくても自立させることができ、また支柱の開き具合を自在に調節することができる農園芸用植物栽培具を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。
すなわち本発明に係る農園芸用植物栽培具は、少なくとも3本の支柱が枢支体により連結支持され、この枢支体は支持体と連結体とを備え、前記支柱が挿入される透孔が前記支持体と連結体とに少なくとも3個ずつそれぞれ設けられ、前記支持体と連結体は互いに摺動すると共に回動自在に連結され、前記支持体と連結体を回動させることにより前記支柱の下部が開脚・閉止自在となされていると共に、前記枢支体は前記支柱に対して上下方向に移動可能となされ、かつ前記支柱の所望の位置に保持できるようになされていることを特徴とするものである。
【0007】
また本発明に係る農園芸用植物栽培具は前記支持体と連結体とは円筒形状となされ、それぞれの内周に仕切り板部が設けられて、前記透孔はこの仕切り板部に形成され、前記透孔の周辺には上下方向に縦壁が設けられ、この縦壁が前記支柱の側面に当接されるようになされていることを特徴とするものである。
【0008】
また本発明に係る農園芸用植物栽培具は、前記縦壁は筒状に形成され、前記透孔の周辺から少なくとも上方または下方のいずれか一方に突設されていると共に、筒状の前記縦壁が複数に分割されて形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る農園芸用植物栽培具によれば、少なくとも3本の支柱が枢支体により連結支持され、この枢支体は支持体と連結体とを備え、前記支柱が挿入される透孔が前記支持体と連結体とに少なくとも3個ずつそれぞれ設けられ、前記支持体と連結体は互いに摺動すると共に回動自在に連結され、前記支持体と連結体を回動させることにより前記支柱の下部が開脚・閉止自在となされていると共に、前記枢支体は前記支柱に対して上下方向に移動可能となされ、かつ前記支柱の所望の位置に保持できるようになされているため、当該農園芸用植物栽培具を設置する設置場所において、農園芸用植物栽培具を地中に埋設しなくても自立させることができ、また前記枢支体を前記支柱に対して上下させ、例えば前記支柱の上部付近に前記枢支体を保持させると、前記支柱を大きく開脚することができ、また前記支柱の下部付近に前記枢支体を保持させると、前記支柱の開脚の程度を小さくすることができると言う具合に、前記枢支体を前記支柱の所望の位置に配置することで前記支柱の開き具合を自在に調節することができるので、栽培する植物の大きさによって、前記支柱の開き具合を簡単に調節することができ好ましい。更には、前記支持体と連結体を回動させるだけで、少なくとも3本以上の前記支柱を同時にほぼ同じ傾斜具合で開脚されるので、支柱を1本ずつ動かす必要がなく、効率よく農園芸用植物栽培具を自立させ設置することができる。
【0010】
また本発明に係る農園芸用植物栽培具によれば、前記支持体と連結体とは円筒形状となされ、それぞれの内周に仕切り板部が設けられて、前記透孔はこの仕切り板部に形成され、前記透孔の周辺には上下方向に縦壁が設けられ、この縦壁が前記支柱の側面に当接されるようになされているため、前記支柱の側面が前記透孔の周辺に設けられた縦壁に当接することにより前記支柱が前記枢支体で抱きかかえるように支持され、前記枢支体を前記支柱の所望の位置で保持させることができ、前記枢支体がその位置からずり落ちることがない。
【0011】
また本発明に係る農園芸用植物栽培具によれば、前記縦壁は筒状に形成され、前記透孔の周辺から少なくとも上方または下方のいずれか一方に突設されていると共に、筒状の前記縦壁が複数に分割されて形成されているため、分割された前記縦壁が前記支柱の側面により当接されやすくなり、さらに確実に前記支柱が前記枢支体で抱きかかえるように支持され、前記枢支体を前記支柱の所望の位置で保持させることができ、前記枢支体がその位置からずり落ちることがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る農園芸用植物栽培具の一つの実施形態であって、その支柱を開脚した使用状態を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す農園芸用植物栽培具を構成する支柱を閉止した状態を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示す農園芸用植物栽培具を構成する枢支体を示す斜視図である。
【
図4】
図3に示す枢支体を構成する支持体の、(a)は斜視図、(b)は(a)と異なる方向から見た斜視図である。
【
図5】
図4に示す支持体の、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は側面図、(e)はA−A視断面図、(f)はB−B視断面図である。
【
図6】
図3に示す枢支体を構成する連結体の、(a)は斜視図、(b)は(a)と異なる方向から見た斜視図である。
【
図7】
図6に示す支持体の、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は側面図、(e)はA−A視断面図、(f)はB−B視断面図である。
【
図8】本発明に係る農園芸用植物栽培具の別の実施形態であって、その支柱を開脚した使用状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明につき実施形態を取り上げて説明を行う。なお、本実施形態はあくまでも本発明を理解するための一例を示したに過ぎず、各部の形状、構造、材質等に関し、本実施形態以外のバリエーションが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で許容されていることは言うまでもない。
【0014】
Pは本発明に係る農園芸用植物栽培具であり、1は農園芸用植物栽培具Pを構成する支柱であり、パイプ材の外周に合成樹脂が被覆されて、その上端と下端とには蓋材が取付けられてパイプ材の開口が閉じられて形成されている。前記パイプ材は、その長さが500〜4000mm、外径が7〜40mm、肉厚が0.3〜1.2mmであることが好ましい。このうち、長さが700〜2700mm、外径が13〜32mm、肉厚が約0.7mmのものが特に好適に使用される。
【0015】
また前記パイプは、鉄、ステンレス、アルミニウム合金等の金属、あるいは、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ABS、AAS、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、FRP等の合成樹脂からなる管状体が用いられ、その断面形状は円形、楕円形、多角形等特に限定はされないが、本実施形態に示すように、断面が真円形状のものが好適に使用される。
【0016】
前記パイプ材の外周に形成されている合成樹脂製の被覆層は、その厚みが0.5mm程度のものであり、前記合成樹脂の種類はポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、ABS樹脂、繊維素系樹脂、ポリアミド、ポリスチレン等が使用される。
【0017】
図1から
図5に示す農園芸用植物栽培具Pの実施形態においては細長い円柱状の支柱1が3本用いられており、農園芸用植物栽培具Pは3本の前記支柱1が枢支体2により連結支持されて形成されている。そして、前記枢支体2は支持体3と連結体4とを備えている。また、前記支持体3と連結体4とには、前記支柱1が挿入される透孔31、41が3個ずつそれぞれ設けられている。そして、前記支持体3と連結体4は互いに摺動すると共に回動自在に連結され、前記支持体3と連結体4を回動させることにより前記支柱1の下部及び上部が開脚・閉止自在となされている。
【0018】
さらに、前記枢支体2は前記支柱1に対して上下方向に移動可能となされ、かつ前記支柱1の所望の位置に保持できるようになされている。より具体的には、後述する前記支持体3と連結体4とに設けられている縦壁33、43が前記支柱1の側面11に当接されることにより、前記枢支体2が前記支柱1の所望の位置に保持できるようになされている。
【0019】
前記支持体3は扁平な円筒形状となされ、その内周に仕切り板部32が設けられている。そして、円形の前記透孔31はこの仕切り板部32に形成され、前記支持体3の中央に設けられた軸受部35を中心にして同心円上に120度ずつずれた位置に3個形成されている。また、前記透孔31の周辺である周縁から下方に向けて円筒状の縦壁33が4個に分割されて設けられ、前記透孔31に前記支柱1が挿入された状態で、前記縦壁33が前記支柱1の側面11に当接されるようになっている。この様に、前記支柱1の側面11が前記透孔31の周縁に設けられた前記縦壁33に当接することにより前記支柱1が前記枢支体2を構成する支持体3で抱きかかえるように支持されるので、前記支柱1の所望の位置で前記支持体3、つまりは前記枢支体2を保持させることができる。
【0020】
また、4個に分割されている前記縦壁33は、前記支持体3と連結体4とが回動する回動方向と正対する箇所うちの一方が120度分欠落して、欠落部36が設けられている。そして、前記透孔31に挿入した前記支柱1を開脚するために、前記支持体3と前記連結体4とを回動させ前記支柱1を上下方向に垂直の状態から傾倒していくにつれて、前記欠落部36に前記支柱1が入り込むようになっている。この様な構造にすることによって、前記支柱1を開脚させ傾斜しても、前記支柱1の側壁11に前記縦壁33が当たって前記支柱1が傾倒するのを阻害することがないので、所望の角度で前記支柱1を開脚することができ、植物の大きさが異なっても、同じ前記農園芸用植物栽培具Pを用いて植物を栽培することができる。
【0021】
本実施形態において、前記縦壁33は前記透孔31の周辺である周縁から下方に向けて4個に分割され設けられているが、特にこれに限定されるものではなく、前記縦壁33が前記透孔31の周辺から上方に向けて複数個に分割され設けられていてもよく、さらには、前記縦壁33が前記透孔31の周辺から上方及び下方の両方に向けて複数個に分割され設けられていてもよく、要は、前記縦壁33が前記透孔31の周辺から少なくとも上方または下方のいずれか一方に複数個に分割されて設けられていればよい。
【0022】
また扁平な円筒状の前記支持体3の外周壁34は、後述する扁平な円筒状の前記連結体4の内周壁44と摺動しながら回動自在に当接しつつ、前記支持体3と連結体4とが嵌合されている。そして前記支持体3の中央には、前記連結体4の中央に設けられた回動軸部45が挿入される円筒状の前記軸受部35が形成されている。
【0023】
前記連結体4は扁平な円筒形状となされ、その内周に仕切り板部42が設けられている。そして、円形の前記透孔41はこの仕切り板部42に形成され、前記連結体4の中央に設けられた回動軸部45を中心にして同心円上に120度ずつずれた位置に3個形成されている。また、前記透孔31の周辺である周縁から下方に向けて円筒状の縦壁43が4個に分割されて設けられ、前記透孔41に前記支柱1が挿入された状態で、前記縦壁43が前記支柱1の側面11に当接されるようになっている。この様に、前記支柱1の側面11が前記透孔41の周縁に設けられた前記縦壁43に当接することにより前記支柱1が前記枢支体2を構成する連結体4で抱きかかえるように支持されるので、前記支柱1の所望の位置で前記連結体4、つまりは前記枢支体2を保持させることができる。
【0024】
また、4個に分割されている前記縦壁43は、前記支持体3と連結体4とが回動する回動方向と正対する箇所うちの一方が120度分欠落して、欠落部46が設けられている。そして、前記透孔41に挿入された前記支柱1を開脚するために前記連結体4と前記支持体3とを回動させ前記支柱1が上下に垂直の状態から傾倒していくにつれて、前記欠落部46に前記支柱1が入り込むようになっている。この様な構造にすることによって、前記支柱1が開脚し傾斜しても、前記支柱1の側壁11に前記縦壁43が当たって前記支柱1が傾倒するのを阻害することがないので、所望の角度で前記支柱1を開脚することができ、植物の大きさが異なっても、同じ前記農園芸用植物栽培具Pを用いて植物を栽培することができる。
【0025】
本実施形態において、前記縦壁43は前記透孔41の周辺である周縁から下方に向けて4個に分割され設けられているが、特にこれに限定されるものではなく、前記縦壁43が前記透孔41の周辺から上方に向けて複数個に分割され設けられていてもよく、さらには、前記縦壁43が前記透孔41の周辺から上方及び下方の両方に向けて複数個に分割され設けられていてもよく、要は、前記縦壁33が前記透孔31の周辺から少なくとも上方または下方のいずれか一方に複数個に分割されて設けられていればよい。
【0026】
また上述の様に、扁平な円筒状の前記連結体4の内周壁44は、扁平な円筒状の前記支持体3の外周壁34と摺動しながら回動自在に当接しつつ、前記支持体3と連結体4とが嵌合されている。そして前記連結体4の中央には、前記支持体3の中央に設けられた前記軸受部35に挿入される前記回動軸部45が形成されている。この回動軸部45は割りピン状に形成され、その先端には引っ掛り部47が設けられている。そして、この引っ掛り部47の最大径は前記軸受部35の内径より大きく形成されており、前記軸受部35に回動軸部45が挿入された際、前記軸受部35の下方に飛び出し割りピン状の回動軸部45が広がって、前記引っ掛り部47が前記軸受部35の下端縁に引っ掛り、前記支持体3と連結体4とを回動させても、前記支持体3と連結体4とが外れないようになっている。
【0027】
また前記連結体4の外周壁48には、上下方向に複数の凹部49が設けられているので、前記支柱1を開脚するために前記連結体4と前記支持体3とを回動させる際、前記凹部49が滑り止めとなり回動させやすくなされている。
【0028】
なお、4個に分割されている前記縦壁33、43は、下方に行くに従い内側に傾斜して形成されている。すなわち、前記縦壁33、43の上端の直径より下端の直径の方が小さく形成されている。この構成にすることにより、前記支柱1を閉止した状態、すなわち、前記支柱1を上下に垂直の状態にしても、前記縦壁33、43の下部が前記支柱1の側面13に確実に当接され、前記支持体3と連結体4とで形成される前記枢支体2が、その自重により下方にズレ落ちることない様になっている。
【0029】
そして、前記連結体4と前記支持体3とを嵌合させ前記枢支体2を形成した状態において、前記支持体3に形成されている縦壁33の欠落部36と前記連結体4に形成されている縦壁43の欠落部46とは、前記支持体3と連結体4とが回動する回動方向と正対する箇所うち同じ側が欠落して形成されている。すなわち、
図5の平面図(b)において、上側の縦壁33aに形成されている欠落部36aは右側に形成されており、
図7の平面図(b)において、上側の縦壁43aに形成されている欠落部46aも右側に形成されているのである。その他の縦壁33b、33cに形成されている欠落部36b、36cと、その他の縦壁43b、43cに形成されている欠落部46b、46cについても、同じ側が欠落して形成されている。この様な構造にすることによって、前記支柱1が開脚し傾斜しても、前記支柱1の側壁11に前記縦壁33、43が当たって前記支柱1が傾倒するのを阻害することがないので、所定の角度で前記支柱1を開脚することができるのである。
【0030】
また前記支持体3には、その外周壁34が切欠かれ、切欠かれた両端には前記支持体3の中心に向けて突設された縦壁状の当り受け部37が備えられている。また前記連結体4の内周壁44には、前記連結体4の中心に向けて突設された縦壁状の当り部50が設けられており、前記支持体3の当り受け部37の一方に前記連結体4の当り部50が当接された状態において、前記支柱1が閉止された状態となるようになされており、前記支持体3の当り受け部37の他方に前記連結体4の当り部50が当接された状態において、前記支柱1が開脚された状態となるようになされている。この様な構造とすることにより、複数本の前記支柱1を同時にほぼ同じ傾斜具合で開脚でき、前記支柱1がそれ以上の傾斜で開脚しないようにすることができ、また複数本の前記支柱1を同時に閉止することができる。
【0031】
図8に示す農園芸用植物栽培具Pの実施形態においては細長い円柱状の支柱1が4本用いられて形成されている点と、その支柱1を挿入する枢支体2の支持体3と連結体4とに形成されている透孔31、41が4個ずつ形成されている点において、上記
図1から
図7に示す実施形態と相違する。つまり、4本の支柱1が枢支体2により連結支持され、この枢支体2が支持体3と連結体4とを備え、前記支柱1が挿入される透孔31、41が前記支持体3と連結体4とに4個ずつそれぞれ設けられ、前記支持体3と連結体4は互いに摺動すると共に回動自在に連結され、前記支持体3と連結体4を回動させることにより前記支柱1の下部が開脚・閉止自在となされている。
【0032】
そして上記
図1から
図7に示す実施形態と同様に、前記支持体3と連結体4とは円筒形状となされ、それぞれの内周に仕切り板部32、42が設けられて、前記透孔31、41はこの仕切り板部32、42に形成され、前記透孔31、41の周辺には上下方向に縦壁33、43が設けられ、この縦壁33、43が前記支柱1の側面13に当接されるようになされ、前記縦壁33、43は筒状に形成され、前記透孔33、43の周辺である周縁から突設されていると共に、筒状の前記縦壁33、43が複数に分割されて形成されている。
【0033】
なお、前記支柱1を5本以上用いて形成する農園芸用植物栽培具Pにおいても、前記支柱1を5本用いて形成する場合には、前記透孔31、41は5個ずつとなり、前記支柱1を6本用いて形成する場合には、前記透孔31、41は6個ずつとなると言った具合に、前記支柱1の本数と前記透孔31、41の個数とが変わってくることになるのは言うまでもない。
【0034】
また、上記
図1から
図8に示す実施形態において、前記支柱1は円筒状に形成されているが、特にこの形態に限定されるものではなく、三角筒状や四角筒状、六角筒状と言った角筒状に形成されていてもよく、その場合には、前記支持体3と連結体4とに設けられている透孔31、41の形状を前記支柱1の外形に対応した形状に形成すればよい。
【符号の説明】
【0035】
1 支柱
11 側面
2 枢支体
3 支持体
31 透孔
32 仕切り板部
33 縦壁
34 外周壁
35 軸受部
36 欠落部
37 当り受け部
4 連結体
41 透孔
42 仕切り板部
43 縦壁
44 内周壁
45 回動軸部
46 欠落部
47 引っ掛り部
48 外周壁
49 凹部
50 当り部
P 農園芸用植物栽培具