(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6759235
(24)【登録日】2020年9月4日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】フラッシュメモリシステムにおける選択していないビット線のプログラミングを禁止する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G11C 16/24 20060101AFI20200910BHJP
G11C 16/04 20060101ALI20200910BHJP
G11C 16/34 20060101ALI20200910BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20200910BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20200910BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20200910BHJP
【FI】
G11C16/24 120
G11C16/04 130
G11C16/34 116
H01L29/78 371
【請求項の数】15
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-550880(P2017-550880)
(86)(22)【出願日】2016年2月23日
(65)【公表番号】特表2018-517223(P2018-517223A)
(43)【公表日】2018年6月28日
(86)【国際出願番号】US2016019112
(87)【国際公開番号】WO2016160177
(87)【国際公開日】20161006
【審査請求日】2017年9月28日
(31)【優先権主張番号】62/141,082
(32)【優先日】2015年3月31日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/048,707
(32)【優先日】2016年2月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】トラン ヒュー ヴァン
(72)【発明者】
【氏名】リー アン
(72)【発明者】
【氏名】ヴー トゥアン
(72)【発明者】
【氏名】グエン フン クオック
【審査官】
堀田 和義
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−091996(JP,A)
【文献】
特開2003−091997(JP,A)
【文献】
特開2003−091998(JP,A)
【文献】
特開2003−091999(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0219914(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/24
G11C 16/04
H01L 21/336
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラッシュメモリデバイスであって、
行及び列に組織されているフラッシュメモリセルのアレイであって、前記フラッシュメモリセルの各々は、ビット線端子を有し、フラッシュメモリセルの各列が、前記列内の前記フラッシュメモリセルの前記ビット線端子を介してビット線に連結される、アレイと、
選択したビット線からプログラミング電流を引き抜くために前記アレイに連結される、プログラミング回路と、
前記アレイ内の選択していないビット線に、前記プログラミング電流と異なるバイアス禁止電流を印加するためのプログラミング禁止回路と、を含み、
プログラミング操作中に、前記選択したビット線に連結される選択したセルはプログラムされるが、前記選択していないビット線に連結されたすべてのセルはプログラムされず、
前記プログラミング禁止回路は、プログラミング禁止制御信号を受信し、前記プログラミング禁止制御信号に応じて、選択していないビット線に前記バイアス禁止電流を供給するためのデコーダを備え、前記デコーダは、
PMOSトランジスタの第1セットであって、前記選択していないビット線に前記バイアス禁止電流を供給するために、各ビット線が、前記PMOSトランジスタの第1セット内の各PMOSトランジスタに連結される、PMOSトランジスタの第1セットと、
PMOSトランジスタの第2セットであって、前記バイアス禁止電流を受けるために、前記PMOSトランジスタの第2セット内の各PMOSトランジスタが、前記PMOSトランジスタの第1セット内の複数のPMOSトランジスタに連結される、PMOSトランジスタの第2セットと、を備える、フラッシュメモリデバイス。
【請求項2】
各メモリセルがソース側注入フラッシュメモリセルである、請求項1に記載のフラッシュメモリデバイス。
【請求項3】
各メモリセルが、先端消去部を備えるソース側注入フラッシュメモリセルである、請求項1に記載のフラッシュメモリデバイス。
【請求項4】
前記メモリセルが、消去ゲートを共有する2つの浮遊ゲートを有して対で配置される、請求項1に記載のフラッシュメモリデバイス。
【請求項5】
前記メモリセルが、ワード線を共有する2つの浮遊ゲートを有して対で配置される、請求項1に記載のフラッシュメモリデバイス。
【請求項6】
前記プログラミング回路は、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタを含むカレントミラーを含み、前記第1のトランジスタがプログラミング電流源に連結され、前記第2のトランジスタが前記選択したビット線に連結される、請求項1に記載のフラッシュメモリデバイス。
【請求項7】
各メモリセルがソース側注入フラッシュメモリセルである、請求項6に記載のフラッシュメモリデバイス。
【請求項8】
各メモリセルが、先端消去部を備えるソース側注入フラッシュメモリセルである、請求項6に記載のフラッシュメモリデバイス。
【請求項9】
前記メモリセルが、消去ゲートを共有する2つの浮遊ゲートを有して対で配置される、請求項6に記載のフラッシュメモリデバイス。
【請求項10】
前記メモリセルが、ワード線を共有する2つの浮遊ゲートを有して対で配置される、請求項6に記載のフラッシュメモリデバイス。
【請求項11】
フラッシュメモリデバイスであって、
行及び列に組織されているフラッシュメモリセルのアレイであって、フラッシュメモリセルの各列がビット線に連結される、アレイと、
選択したビット線からプログラミング電流を引き抜くために前記アレイに連結される、プログラミング回路と、を備え、前記プログラミング回路は、
第1のトランジスタ及び第2のトランジスタを含むカレントミラーであって、前記第1のトランジスタがプログラミング電流源に連結され、前記第2のトランジスタが前記選択したビット線に連結される、カレントミラーと、
漏れ電流をサンプリングし、前記選択したビット線に前記漏れ電流を注入するための回路と、を含み、
前記フラッシュメモリデバイスは、さらに、選択していないビット線に、前記プログラミング電流と異なるバイアス禁止電流を印加するために前記アレイに連結されたプログラミング禁止回路を含み、前記プログラミング禁止回路は、プログラミング禁止制御信号を受信し、前記プログラミング禁止制御信号に応じて、選択していないビット線に前記バイアス禁止電流を供給するためのデコーダを備え、
プログラミング操作中に、前記選択したビット線に連結される選択したセルはプログラムされるが、前記選択していないビット線に連結されたすべてのセルはプログラムされず、
漏れ電流をサンプリングするための前記回路は、第3のトランジスタ及び第4のトランジスタを含むカレントミラーを備え、前記第3のトランジスタは、漏れ電流をサンプリングするためにダミーのビット線に連結され、前記第4のトランジスタは、前記選択したビット線に連結されている、フラッシュメモリデバイス。
【請求項12】
各メモリセルがソース側注入フラッシュメモリセルである、請求項11に記載のフラッシュメモリデバイス。
【請求項13】
各メモリセルが、先端消去部を備えるソース側注入フラッシュメモリセルである、請求項11に記載のフラッシュメモリデバイス。
【請求項14】
前記メモリセルが、消去ゲートを共有する2つの浮遊ゲートを有して対で配置される、請求項11に記載のフラッシュメモリデバイス。
【請求項15】
前記メモリセルが、ワード線を共有する2つの浮遊ゲートを有して対で配置される、請求項11に記載のフラッシュメモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性メモリアレイに関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2015年3月31日出願の「METHOD AND APPARATUS FOR INHIBITING THE PROGRAMMING OF UNSELECTED BITLINES IN A FLASH MEMORY SYSTEM」と題する米国特許仮出願第62/141,082号の利益を主張するものであり、この特許は参照により本明細書に明示的に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0003】
分割ゲート型不揮発性フラッシュメモリセルは周知である。例示的な不揮発性分割ゲートメモリセルを
図33に示す。メモリセルは、P型などの第1の導電型の半導体基板10を備える。この基板は、その上にN型などの第2の導電型の第1の領域17(ソース線SLとしても知られる)が形成される表面を有する。やはりN型の第2の領域18(ドレイン線としても知られる)が、基板の表面に形成される。第1の領域と第2の領域との間には、チャネル領域22が設けられている。ビット線BL 20は、第2の領域18に接続される。ワード線WL 26は、チャネル領域22の第1の部分の上方に位置付けられ、そこから絶縁される。ワード線26は、第2の領域18とほとんど又は全く重ならない。浮遊ゲートFG 12は、チャネル領域22の他の部分の上方にある。浮遊ゲート12は、そこから絶縁され、ワード線26に隣接する。浮遊ゲート12はまた、第1の領域17にも隣接する。浮遊ゲート12は、第1の領域17に重なり、領域から浮遊ゲート12への結合を提供することができる。結合ゲートCG 14(制御ゲートとしても知られる)は、浮遊ゲート12の上方にあり、そこから絶縁される。消去ゲートEG 16は、第1の領域17の上方にあり、浮遊ゲート12及び結合ゲート14に隣接し、そこから絶縁される。浮遊ゲート12の上隅部は、消去効率を高めるために、T字形状の消去ゲート16の内側隅部の方に向けることができる。消去ゲート16はまた、第1の領域17からも絶縁される。セルは、その開示内容が全体的に本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第7,868,375号に更に具体的に記述されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
不揮発性メモリセルの消去及びプログラムのための1つの例示的な操作は次のとおりである。セルは、消去ゲート16に高電圧を印加し、他の端子が0ボルトに等しくなることによって、ファウラーノルドハイムトンネリング機構を通して消去される。電子が浮遊ゲート12から消去ゲート16の中へトンネリングすることで、浮遊ゲート12を正に帯電させ、読み出し状態においてセルをオンにする。その結果生じるセルの消去状態は、「1」状態として知られる。セルは、結合ゲート14に高電圧を印加し、ソース線17に高電圧を印加し、消去ゲート16に中電圧を印加し、ビット線20にプログラミング電流を印加することによって、ソース側ホットエレクトロンプログラミング機構を通してプログラムされる。ワード線26と浮遊ゲート12との間の間隙を横断して流れる電子の一部は、十分なエネルギーを得て、浮遊ゲート12に注入され、浮遊ゲート12を負に帯電させ、読み出し状態においてセルをオフにする。その結果生じるセルのプログラミングされた状態は、「0」状態として知られる。
【0005】
図33のメモリセルの例示的な作動パラメーターセットを
図34に示す。
【0006】
図33のメモリセルの別の例示的な作動パラメーターセットを
図35に示す。
【0007】
図33のメモリセルの別の例示的な作動パラメーターセットを
図36に示す。
【0008】
図33に示されているタイプのメモリセルを備えるフラッシュメモリシステムの例示的なレイアウトを
図37に示す。
【0009】
従来技術のシステムでは、メモリセルは通常はあるコンポーネントを共有する対で形成される。例えば、米国特許第6,747,310号は、間にチャネル領域を画定するソース領域及びドレイン領域と、チャネル領域の一部の上方にある選択ゲートと、チャネル領域の他の一部の上方にある浮遊ゲートと、ソース領域の上方にある消去ゲートと、を有する、かかるメモリセルを開示する。これらのメモリセルは、共通ソース領域及び共通消去ゲートを共有する対で形成され、各メモリセルは、ソース領域とドレイン領域との間に延在する基板内に独自のチャネル領域を有する(すなわち、各メモリセル対には、2つの別個のチャネル領域が存在する)。所定列内のメモリセル用のすべての制御ゲートを接続する線は、垂直方向に走る。消去ゲートと選択ゲートとを接続する線、及びソース線も同様である。メモリセルの各行のドレイン領域を接続するビット線は、水平方向に走る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
図1は第1のかかるメモリセル設計(セル番号1)を図示するものであり、各メモリセルは、基板10の上方に絶縁状態で配設される浮遊ゲート12(FG)と、浮遊ゲート12の上方に絶縁状態で配設される制御ゲート14(CG)と、浮遊ゲート12及び制御ゲート14の上方に絶縁状態で配設され、かつ基板10の上方に絶縁状態で配設される消去ゲート16(EG)であって、制御ゲートCGの上隅部がT字形の消去ゲートの内側隅部に面して消去効率を向上させるように、T字形で形成される消去ゲートと、(ビット線コンタクト20(BL)がドレイン拡散領域18(DR)に接続されている)浮遊ゲート12に隣接した基板内のドレイン領域18(DR)と、を含む。メモリセルは、メモリセル対(左側のA及び右側のB)として形成され、共通消去ゲート16を共有する。このセル設計は、少なくとも、消去ゲートEGの下のソース領域を欠き、選択ゲート(ワード線とも呼ばれる)を欠き、各メモリセルのチャネル領域を欠く点で、上記の’310特許とは異なる。代わりに、単一の連続チャネル領域22が両メモリセルの下に延在する(すなわち、一方のメモリセルのドレイン領域18から他方のメモリセルのドレイン領域18まで延在する)。一方のメモリセルの読み出し又はプログラムを行うためには、他方のメモリセルの制御ゲート14を十分な電圧まで上昇させて、それらの間にある浮遊ゲート12への電圧結合によって、下にあるチャネル領域部分を起動させる(例えば、セルAの読み出し又はプログラムを行うには、CGBからの電圧結合によってFGB上の電圧を上昇させて、FGB下のチャネル領域を起動させる)。
【0011】
図2は、ドレイン領域18(DR)と電気的に接触しているビット線コンタクト20が存在せず、代わりに、メモリセル行内のすべての消去ゲート16(EG)を接続する消去ゲート線24(EGL)が存在することを除いてセル番号1と同一である、第2のかかるメモリセル設計(セル番号2)を図示する。
【0012】
図3は、各メモリセルが、基板の上方に絶縁状態で配設される浮遊ゲート12(FG)と、浮遊ゲート12の上方に絶縁状態で配設される制御ゲート14(CG)と、を含む、第3のかかるメモリセル設計(セル番号3)を図示する。浮遊ゲート12及び制御ゲート14の片側は、ワード線(選択)ゲート26(WL)であり、浮遊ゲート12及び制御ゲート14のもう一方の側は、消去ゲート16(EG)である。ドレイン領域18(DR)は、消去ゲート16(EG)の下の基板10内に配設される。メモリセルは、共通ワード線ゲート26を共有するメモリセル対として形成され、単一の連続チャネル領域22が両メモリセルの下に延在する(すなわち、一方のメモリセルのドレイン領域18から他方のメモリセル18のドレイン領域18まで延在する)。セル番号1及び番号2と同様に、一方のメモリセルの読み出し又はプログラムを行うためには、他方のメモリセルの制御ゲート14を十分な電圧まで上昇させて、それらの間にある浮遊ゲート12への電圧結合によって、下にあるチャネル領域部分を起動させる。
【0013】
セル番号1、2、及び3のコンポーネントの近接性に起因した、1つの欠点はプログラミングエラーが頻繁に発生することである。例えば、第1のビット線に連結された選択したメモリセルをプログラムするためにプログラミング電流が第1のビット線に印加されると、第2のビット線に連結されたセルが不注意で同様にプログラムされる恐れがある。必要なのは、選択したセルに連結されたビット線を除くすべてのビット線に連結されたセルのプログラミングを禁止する機構である。
【0014】
上記の問題及び需要は、選択していないビット線に連結されたセルのプログラミングを禁止するための、各種の回路実施形態によって処理される。本発明の他の目的及び特徴は、明細書、請求項、添付図面を検討することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1のメモリセル設計(セル番号1)の側断面図である。
【
図2】第2のメモリセル設計(セル番号2)の側断面図である。
【
図3】第3のメモリセル設計(セル番号3)の側断面図である。
【
図4】セル番号2に適用できる、第1のメモリセルアレイアーキテクチャ(アーキテクチャ番号1)の概略図である。
【
図5】アーキテクチャ番号1のメモリセルアレイレイアウトの平面図である。
【
図6】アーキテクチャ番号1の、第1の別のメモリセルアレイレイアウトの平面図である。
【
図7】アーキテクチャ番号1の、第2の別のメモリセルアレイレイアウトの平面図である。
【
図8】アーキテクチャ番号1の動作電圧の表である。
【
図9】アーキテクチャ番号1の動作電圧の表である。
【
図10】セル番号1及び番号2に適用できる、第2のメモリセルアレイアーキテクチャ(アーキテクチャ番号2)の概略図である。
【
図11】アーキテクチャ番号2のメモリセルアレイレイアウトの平面図である。
【
図12】アーキテクチャ番号2の動作電圧の表である。
【
図13】アーキテクチャ番号2の動作電圧の表である。
【
図14】セル番号1及び番号2に適用できる、第3のメモリセルアレイアーキテクチャ(アーキテクチャ番号3)の概略図である。
【
図15】アーキテクチャ番号3のメモリセルアレイレイアウトの平面図である。
【
図16】アーキテクチャ番号3の、第1の別のメモリセルアレイレイアウトの平面図である。
【
図17】アーキテクチャ番号3の動作電圧の表である。
【
図18】アーキテクチャ番号3の動作電圧の表である。
【
図19】セル番号1及び番号2に適用できる、第4のメモリセルアレイアーキテクチャ(アーキテクチャ番号4)の概略図である。
【
図20】アーキテクチャ番号4のメモリセルアレイレイアウトの平面図である。
【
図21】アーキテクチャ番号4の動作電圧の表である。
【
図22】アーキテクチャ番号4の動作電圧の表である。
【
図23】セル番号1に適用できる、第5のメモリセルアレイアーキテクチャ(アーキテクチャ番号5)、の概略図である。
【
図24】アーキテクチャ番号5のメモリセルアレイレイアウトの平面図である。
【
図25】アーキテクチャ番号5の、第1の別のメモリセルアレイレイアウトの平面図である。
【
図26】アーキテクチャ番号5の動作電圧の表である。
【
図27】アーキテクチャ番号5の動作電圧の表である。
【
図28】セル番号3に適用できる、第6のメモリセルアレイアーキテクチャ(アーキテクチャ番号6)の概略図である。
【
図29】アーキテクチャ番号6のメモリセルアレイレイアウトの平面図である。
【
図30】アーキテクチャ番号6の動作電圧の表である。
【
図31】アーキテクチャ番号6の動作電圧の表である。
【
図32】すべてのアーキテクチャのメモリセルデバイスの構成要素の平面図である。
【
図33】従来技術のスプリットゲートフラッシュメモリセルを示す。
【
図34】
図33のメモリセルの例示的な従来技術の作動パラメーターを示す。
【
図35】
図33のメモリセルの例示的な従来技術の作動パラメーターを示す。
【
図36】
図33のメモリセルの例示的な従来技術の作動パラメーターを示す。
【
図37】
図33に示されているタイプのメモリセルを備えるフラッシュメモリデバイスの例示的な従来技術のレイアウトを示す。
【
図38】プログラミング禁止回路の第1の実施形態を示す。
【
図39】選択したセルにプログラミングされた値に基づく漏れ電流のグラフを示す。
【
図40】選択したセルのプログラミング中に発生する漏れ電流を相殺する方法を示す。
【
図42】プログラミング回路の別の実施形態を示す。
【
図43】プログラミング禁止回路の第2の実施形態を示す。
【
図44】プログラミング禁止回路の第3の実施形態を示す。
【
図45】プログラミング禁止回路の第4の実施形態を示す。
【
図46】プログラミング禁止回路の第5の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
メモリセルレイアウトの改善されたアーキテクチャを最初に記述する。
アーキテクチャ番号1
【0017】
図4は、第1のアーキテクチャ(番号1)を示し、
図5は、セル番号2に適用できる、対応メモリセルアレイレイアウトを示す。メモリセル対、及びこれらが形成される活性領域36は水平方向に延在し、水平方向に延在する分離領域34(例えば、基板内に形成されたSTI絶縁材料)の間にインターレースされている。ビット線BL0、BL1などは、メモリセルの列に沿って走る基板10内の導電性拡散の線である(すなわち、各列について、ドレイン領域18及び列方向でそれらの間に延在する拡散部は、ドレイン領域の列を互いに電気的に接続する、導電性ビット線を形成する)。消去ゲート線EG0、EG1などは、好ましくは、メモリセルの該当行の消去ゲート16(EG)をそれぞれ形成し、ポリシリコンストライプの上方を(水平方向に)走る金属線28にそれぞれ固定される(すなわち、繰り返し接続される)、導電性ポリシリコン24のストライプである。制御ゲート線CG0、CG1などは、好ましくは、メモリセルの該当列の制御ゲート14(CG)をそれぞれ形成し、ポリシリコンストライプの上方を(垂直方向に)走る金属線にそれぞれ固定され得る(すなわち、各制御ゲート線は、制御ゲート14及びこれらを接続するポリシリコン、並びに/又は制御ゲートポリシリコンに固定される金属線であり得る)、導電性ポリシリコンのストライプである。
【0018】
この実施形態では、メモリセル対は、各メモリセル対について、チャネル領域が第1のドレイン領域DRAから第2のドレイン領域DRBまで同一方向に(
図5では、水平右方向に)延在するように、アレイに構成される。加えて、各活性領域では、メモリセル対は、一方のメモリセル対の第1の領域が、同一活性領域内の隣接したメモリセル対の第2の領域と隣接して形成され(電気的に接続され)、一方のメモリセル対の第2の領域が、同一活性領域内の他方の隣接したメモリセル対の第1の領域と隣接して形成される(電気的に接続される)ように、端と端とを接続して構成される。
【0019】
図6は、セル番号1及び番号2に適用できる、第1のアーキテクチャ(番号1)の第1の別のレイアウトを示す。このレイアウトは、消去ゲート16(EG)が個別ポリブロックとして形成され、垂直コンタクト30によって(水平方向に延在する)金属ストラップ線28に接続されることを除いて、
図5と同一である。加えて、垂直方向に延在する金属ビット線32は、各メモリセルのコンタクト20を介してドレイン拡散部に接続する。
【0020】
図7は、セル番号1及び番号2に適用できる、第1のアーキテクチャ(番号1)の第2の別のレイアウトを示す。このレイアウトは、消去ゲートブロック16が活性領域36からSTI分離領域34まで延在し、金属EG線28及びそこから消去ゲートブロック16までのコンタクト30は、分離領域34に配設される(これにより、消去ゲート16の下の酸化物をより保護する)ことを除いて、
図6と同一である。
【0021】
図8は、アーキテクチャ番号1の選択したメモリセル(この場合は、EG0、BL0、及びCG0_Aに対応するメモリセルM0)のプログラム及び読み出し用の動作電圧(実電圧の非限定例を含む)の表を含む。この図で示す消去電圧(選択したEG線上のVEGE)は、選択したメモリセルM0を含む行対内のすべてのメモリセルを消去する。
図9は、より低い消去電圧VEGEが使用され、消去中に負電圧VCGEが制御ゲートに印加されることを除いて、
図8と同一の動作電圧の第2の表を含む。読み出し動作では、(選択したメモリセル対内の選択したメモリセルのBL、EG、及びCGに接続している)選択したメモリセル対の選択したBL線、EG線、及びCG線は、選択した読み出しバイアス電圧でバイアスされ、(選択したメモリセル対の選択していないメモリセル他のCGに接続されている)選択したメモリ対の他のCG線は、読み出しパスバイアス電圧でバイアスされる。一方、他の選択していないCG線は0ボルトでバイアスされ、他のBL線は0ボルトでバイアスされる。プログラム動作では、選択したメモリセル対の選択したBL、EG、及びCGは、選択したプログラムバイアス電圧でバイアスされ、選択したメモリセル対の他のBLは、プログラム電流でバイアスされ、選択したメモリセル対の他のCG線は、プログラムパスバイアス電圧でバイアスされ、選択したメモリセル対に接する、次の隣接したメモリセル対の隣接したCG線はプログラム禁止バイアスでバイアスされ、他の選択していないCG線は0ボルトでバイアスされる。
アーキテクチャ番号2
【0022】
図10は第2のアーキテクチャ(番号2)を示し、
図11は、セル番号1及び番号2に適用できる、対応レイアウトを示す。この構成では、メモリセル対は、アーキテクチャ番号1に対して直交するように方向付けられる(すなわち、アーキテクチャ番号2では、共通消去ゲート16(EG)を共有する各メモリセル対は、活性領域36及び分離領域34のように垂直方向に延在する。つまり、消去ゲートを共有するメモリセル対の一方のメモリセルは、列内の他方のメモリセルの上方にある)。これはまた、制御ゲート線14(CG0、CG1など)が垂直方向ではなく、水平方向に走ることを意味する。ビット線32(BL)は、引き続き(列の長さに沿って)概ね垂直方向に走る。ただし、完全に垂直なビット線32(BL)は、仮想接地型メモリセル構成に適合しない。これは、各メモリセル対について2つのドレイン領域18を独立して動作させる(すなわち、異なる電圧において)必要があるためである。したがって、ビット線32(BL0、BL1、BL2など)(すなわち、コンタクト20によって個別ドレイン領域に接続される金属など導線)はジグザグ形状であり、メモリセルの2つの隣接した列に交互に接続する。具体的には、共通消去ゲート16を共有する、任意の所定のメモリセル対では、2つの異なるビット線32が、2つのドレイン領域18にそれぞれ接続する。
図10及び11に示すように、各ビット線32はメモリセル対の一方のドレイン18に接続し、次いで横方向に移動し、他のドレイン領域18(ただし、異なる列にある)に接続し、次いで次のメモリセル対に対してその逆を行うなどである。したがって、(共通消去ゲート16を共有する)各メモリセル対の2つのドレイン領域18は、2つの異なるビット線32に接続される。好ましくは、各メモリセル行の消去ゲート16は、水平方向の金属線28に固定された連続ポリシリコンストライプである。同様に、各メモリセル行の制御ゲート14は、これもまた水平方向の金属線に固定され得る、水平方向の連続ポリである。
【0023】
この実施形態では、メモリセル対は、各メモリセル対について、チャネル領域が第1のドレイン領域DRAから第2のドレイン領域DRBまで同一方向に(
図11では、垂直下方向に)延在するように、アレイに構成される。加えて、各活性領域では、メモリセル対は、一方のメモリセル対の第1の領域が、同一活性領域内の隣接したメモリセル対の第2の領域と隣接して形成され(電気的に接続され)、一方のメモリセル対の第2の領域が、同一活性領域内の他方の隣接したメモリセル対の第1の領域と隣接して形成される(電気的に接続される)ように、端と端を接続して構成される。
【0024】
図12は、アーキテクチャ番号2の選択したメモリセル(この場合は、EG0、BL1、及びCG0_Aに対応するメモリセルM2)のプログラム及び読み出し用の動作電圧(実電圧の非限定例を含む)の表を含む。この図で示す消去電圧(選択したEG線上のVEGE)は、選択したメモリセルM2を含む行対内のすべてのメモリセルを消去する。
図13は、より低い消去電圧VEGEが使用され、消去中に負電圧VCGEが制御ゲートに印加されることを除いて、
図12と同一の動作電圧の第2の表を含む。読み出し動作では、選択したメモリセル対の選択したBL線、EG線、及びCG線は、選択した読み出しバイアス電圧でバイアスされ、選択したメモリセル対の他のCGは、読み出しパスバイアス電圧でバイアスされる。一方、他の選択していないCGは0ボルトでバイアスされ、他のBL線は0ボルトでバイアスされる。プログラム動作では、選択したメモリセル対の選択したBL線、EG線、及びCG線は、選択したプログラムバイアス電圧でバイアスされ、選択したメモリセル対の他のBL線は、プログラム電流でバイアスされる。一方、選択したBL線及びCG線を共有する選択していないメモリセル対の他の隣接したBL線は、禁止電圧VBLINHでバイアスされ、他の選択していないBL線は、禁止電圧VBLINH(又はフロート、又は0ボルト)でバイアスされ、一方、選択したメモリセル対の他のCG線は、プログラムパスバイアス電圧でバイアスされ、他の選択していないCGは、0ボルトでバイアスされる。
アーキテクチャ番号3
【0025】
図14は第3のアーキテクチャ(番号3)を示し、
図15は、セル番号1及び番号2に適用できる、対応レイアウトを示す。この構成は第2のアーキテクチャ(番号2)の構成に類似するが、ビット線32(BL)は、ジグザグ形状ではなく、(活性領域の方向に対して)斜線形状に配置され、したがって、連続する各ドレイン接続は隣接した列内にある。具体的には、各ビット線32(BL)は、ある列内のあるドレイン領域18(DR)に接続し、次いで、次のドレイン領域18(DR)(ただし、次の列内にある)に接続するなどである。例えば、ビット線BL3は、列3内のメモリ対0の左側ドメインに接続し、次いで、メモリ対0の右側ドレイン(ただし、列2内にある)に接続し、次いで、列1内のメモリ対1の左側ドレインに接続するなどである。したがって、(共通消去ゲート16を共有する)各メモリセル対の2つのドレイン領域18は、2つの異なるビット線32に接続される。好ましくは、消去ゲート16は、水平方向の金属線28に固定された連続ポリシリコンストライプである。同様に、制御ゲートは、メモリセルの各行の水平方向の連続ポリであり、水平方向の金属線に固定され得る。
【0026】
下記の
図16は、アーキテクチャ番号3の別のレイアウトを示す。このレイアウトは、直線的な傾斜部を有するビット線32(BL)ではなく、コンタクトの上方に(列方向に延在する)垂直部32vを有し、(列方向に対してゼロ以外の角度で延在する)傾斜部32sは、次の隣接した列と接続することを除いて、
図16のレイアウトと同一である。
【0027】
図17は、アーキテクチャ番号3の選択したメモリセル(この場合は、EG0、BL1、及びCG0_Aに対応するメモリセルM2)のプログラム及び読み出し用の動作電圧(実電圧の非限定例を含む)の表を含む。この図で示す消去電圧(選択したEG線上のVEGE)は、選択したメモリセルM2を含む行対内のすべてのメモリセルを消去する。
図18は、より低い消去電圧VEGEが使用され、消去中に負電圧VCGEが制御ゲートに印加されることを除いて、
図17と同一の動作電圧の第2の表を含む。読み出し動作では、選択したメモリセル対の選択したBL線、EG線、及びCG線は、選択した読み出しバイアス電圧でバイアスされ、選択したメモリセル対の他のCG線は、読み出しパスバイアス電圧でバイアスされ、他の選択していないCGは0ボルトでバイアスされ、他のBL線は0ボルトでバイアスされる。プログラム動作では、選択したメモリセル対の選択したBL線、EG線、及びCG線は、選択したプログラムバイアス電圧でバイアスされ、選択したメモリセル対の他のBL線は、プログラム電流でバイアスされ、選択したBL線及びCG線を共有する選択していないメモリセル対の他の隣接したBL線は、禁止電圧VBLINHでバイアスされ、他の選択していないBLは、禁止電圧VBLINH(又はフロート、又は0ボルト)でバイアスされ、選択したメモリセル対の他のCGは、プログラムパスバイアス電圧でバイアスされ、他の選択していないCGは、0ボルトでバイアスされる。
アーキテクチャ番号4
【0028】
図19は第4のアーキテクチャ(番号4)を示し、
図20は、セル番号1及び番号2に適用できる、対応レイアウトを示す。この構成は、第2のアーキテクチャ(番号2)及び第3のアーキテクチャ(番号3)の構成に類似するが、ジグザグ形状、直線的な斜線、又は傾斜部を有する垂直に配置されたビット線32(BL)ではなく(同一ビット線に接続されている、共通消去ゲートを共有する各メモリセル対の両ドレイン領域を回避するため)、各メモリセル列に対して2つの垂直ビット線32a及び32bが存在し、ビット線32a及び32bからドレイン領域18に至るまでのコンタクト20はジグザグ形状である。具体的には、列3では、第1のビット線32a(BL3_A)は、コンタクト20を介して各メモリ対の右側ドレイン18のみに接続され、第2のビット線32b(BL3_B)は、コンタクト20を介して各メモリ対の左側ドレイン18のみに接続される。ドレイン領域20は、水平方向に十分広い。したがって、ビット線32a及び32bは、各ドレイン領域18の上方を通過する。したがって、(共通消去ゲート16を共有する)各メモリセル対の2つのドレイン領域18は、2つの異なるビット線32a/32bに接続される。
【0029】
図21は、アーキテクチャ番号4の選択したメモリセル(この場合は、EG0、BL0_A、及びCG0_Aに対応するメモリセルM0)のプログラミング及び読み出し用の動作電圧(実電圧の非限定例を含む)の表を含む。この図で示す消去電圧(選択したEG線上のVEGE)は、選択したメモリセルM0を含む行対内のすべてのメモリセルを消去する。
図22は、より低い消去電圧VEGEが使用され、消去中に負電圧VCGEが制御ゲートに印加されることを除いて、
図21と同一の動作電圧の第2の表を含む。読み出し動作では、選択したセル対の選択したBL線、EG線、及びCG線は、選択した読み出しバイアス電圧でバイアスされ、選択したメモリセル対の他のCG線は、読み出しパスバイアスパス電圧でバイアスされ、他の選択していないCG線は0ボルトでバイアスされ、他のBL線は0ボルトでバイアスされる。プログラム動作では、選択したメモリセル対の選択したBL線、EG線、及びCG線は、選択したプログラムバイアス電圧でバイアスされ、選択したメモリセル対の他のBL線は、プログラム電流でバイアスされ、他の選択していないBLは、禁止電圧VBLINHでバイアスされ、選択したメモリセル対の他のCGは、プログラムパスバイアス電圧でバイアスされ、他の選択していないCGは、0ボルトでバイアスされる。
アーキテクチャ番号5
【0030】
図23は第5のアーキテクチャ(番号5)を示し、
図24〜25は、セル番号1に適用できる、対応レイアウトを示す。この構成では、ジグザグ形状、直線的な斜線、又は傾斜部を有する垂直、又はメモリセルの列ごとに複数のビット線を有して配置されたビット線32(BL)ではなく(同一ビット線に接続されている、共通消去ゲートを共有する各メモリセル対の両ドレイン領域を回避するため)、各メモリセル列に対して単一の垂直ビット線32が存在し、各ビット線32は、列内の1つおきのドレイン領域18にのみ接続されている。例えば、ビット線BL0は、行1、4〜5、8〜9などのドレイン18に接続される(ドレイン領域18が隣接したメモリセル対間で共有されている場合)。ビット線BL1は、行2〜3、6〜7、10〜11などのドレイン18に接続される。ビット線32に対するコンタクトを有するすべてのドレイン18はまた、隣接した列内のうちの1つにあるドレイン18に電気的に接続される。これらの電気的接続はまた、交互である。例えば、行1では、列1〜2、3〜4、5〜6などのドレイン18が接続される。行2〜3では、列0〜1、2〜3、4〜5などのドレイン18が接続される。これらの接続は、
図24に示すように、分離領域を通って延在する拡散接続であり得る。あるいは、
図25に示すように、金属コネクタ38は、電気的接続を形成することができる。したがって、(共通消去ゲート16を共有する)各メモリセル対の2つのドレイン領域18は、2つの異なるビット線32に接続される。
【0031】
図26は、アーキテクチャ番号5の選択したメモリセル(この場合は、EG0、BL2、及びCG0_Aに対応するメモリセルM2)のプログラム及び読み出し用の動作電圧(実電圧の非限定例を含む)の表を含む。この図で示す消去電圧(選択したEG線上のVEGE)は、選択したメモリセルM2を含む行対内のすべてのメモリセルを消去する。
図27は、より低い消去電圧VEGEが使用され、消去中に負電圧VCGEが制御ゲートに印加されることを除いて、
図26と同一の動作電圧の第2の表を含む。読み出し動作では、選択したセル対の選択したBL線、EG線、及びCG線は、選択した読み出しバイアス電圧でバイアスされ、選択したメモリセル対の他のCG線は、読み出しパスバイアスパス電圧でバイアスされ、他の選択していないCG線は0ボルトでバイアスされ、他のBL線は0ボルトでバイアスされる。プログラム動作では、選択したメモリセル対の選択したBL線、EG線、及びCG線は、選択したプログラムバイアス電圧でバイアスされ、選択したメモリセル対の他のBL線は、プログラム電流でバイアスされ、他の選択していないBLは、禁止電圧VBLINH(又はフロート、又は0ボルト)でバイアスされ、選択したメモリセル対の他のCGは、プログラムパスバイアス電圧でバイアスされ、他の選択していないCGは、0ボルトでバイアスされる。
アーキテクチャ番号6
【0032】
図28は第6のアーキテクチャ(番号6)を示し、
図29は、セル番号3に適用できる、対応レイアウトを示す。この構成では、活性領域36内に形成されたメモリセル対は、垂直方向に延在する。ポリシリコンワード線26(WL)及び制御ゲートポリ線14(CG)は、水平方向に延在する。消去ゲート16(EG)の対は、2つの隣接した活性領域36間にある分離領域34を水平方向に交差して延在するポリ線として形成される(すなわち、同一行内であるが、別の列内にあるEGゲート16の対は、単一のポリストライプによって形成される)。EGコンタクト30は、上方に延在する金属EG線28に、各EGポリを接続させ、同一行内のすべてのEGポリに接続する。前述したアーキテクチャと同様に、各メモリセル列には単一の垂直ビット線32が存在し、各ビット線32は、コンタクト20によって、列内の1つおきのドレイン領域18にのみ接続される。同様に、分離領域34を通って延在する隣接した列の交互のドレイン領域18の間には、拡散接続部18が存在する。各拡散接続部に対するドレイン18のコンタクトは、該当する列対の金属ビット線32に接続するビット線コンタクト20aが形成される制御ゲート線の1つの上方まで下方に延在する、そこに接続された金属ブリッジ42に沿って分離領域34内に形成される。各金属ビット線32は、接続する2つのメモリセル列間の分離領域34の上方を垂直方向に延在する。したがって、(共通消去ゲートを共有する)各メモリセル対の2つのドレイン領域18は、2つの異なるビット線32に接続される。
【0033】
図30は、アーキテクチャ番号6の選択したメモリセル(この場合は、EG0、BL2、及びWL0及びCG0_Aに対応するメモリセルM2)のプログラム及び読み出し用の動作電圧(実電圧の非限定例を含む)の表を含む。この図で示す消去電圧(選択したEG線上のVEGE)は、選択したメモリセルM2を含む行対内のすべてのメモリセルを消去する。
図31は、より低い消去電圧VEGEが使用され、消去中に負電圧VCGEが制御ゲートに印加されることを除いて、
図30と同一の動作電圧の第2の表を含む。読み出し動作では、選択したセル対の選択したBL線、WL線、EG線、及びCG線は、選択した読み出しバイアス電圧でバイアスされ、選択したメモリセル対の他のCG線は、読み出しパスバイアスパス電圧でバイアスされ、他の選択していないCG線は0ボルトでバイアスされ、他のBL線は0ボルトでバイアスされ、他の選択していないWL線は0ボルトでバイアスされる。プログラム動作では、選択したメモリセル対の選択したBL線、WL線、EG線、及びCG線は、選択したプログラムバイアス電圧でバイアスされ、選択したメモリセル対の他のBL線は、プログラム電流でバイアスされ、他の選択していないBLは、禁止電圧VBLINH(又はフロート、又は0ボルト)でバイアスされ、選択したメモリセル対の他のCGは、プログラムパスバイアス電圧でバイアスされ、他の選択していないCGは、禁止電圧VCGINH又は0ボルトでバイアスされ、他の選択していないWL線は、0ボルトでバイアスされる。
【0034】
図32に、上記の6つのアーキテクチャのいずれかによるメモリデバイス50の構成要素を図示する。メモリデバイス50は、単一チップ上に形成された、上記の実施形態のいずれかによる不揮発性メモリセルの2つの別個のアレイ52及び54を含む。不揮発性メモリセルのアレイ52及び54に隣接しているのは、選択したメモリセルの読み出し、プログラム、及び消去動作中にアドレスをデコードし、上記の線に各種の電圧を供給するために使用されるアドレスデコーダ56、58、及び60である。チャージポンプ62は、動作中に電圧を供給する。検知増幅器64は、読み出し動作中に読み出しメモリセルチャネル電流を読み出して、選択したメモリセルの状態を決定するために使用される。制御回路66は、読み出し、プログラム、及び消去動作中に、メモリデバイス50の構成要素を制御して、上記の各種の線で各種の電圧及び電流を供給するように構成されている。
【0035】
図38は、選択したセルのプログラミング中に選択していないビット線のプログラミングを禁止するための第1の実施形態を示す。回路3800は、電流INHIBITの印加によりプログラミング操作中に選択していないビット線を引き上げることでそれらのビット線に連結されたセルのプログラミングを禁止する役割を果たす複数の電流源3802を備える。各ビット線は電流源3802の1つに連結される。電流源3802も選択したビット線に連結される。これにより、プログラミングすることを意図する選択したメモリセルを含むカラム上にあるセルのプログラムに必要な電流のプログラミングが削減される。電流源3804は、プログラミング中にプログラミングバイアス電流IPROGを選択したセルに印加する。選択したメモリセルのプログラムに使用される実際のプログラミング電流はIDP−cal=IPRG−INHIBIT+ILEAKである(IDPは較正プログラミング電流であり、ILEAKは漏れ電流である)。
【0036】
図39は、プログラミング操作中に選択したビット線での漏れ電流ILEAKの例示的なデータを示すグラフを含む。漏れ電流は、該当ビット線に連結されたメモリセルにプログラムされるデータによって異なる。例えば、すべてのビット線に連結されたメモリセルが「0」でプログラムされる場合(Array=「00」、別名ILEAK0として示される)、漏れ電流はすべてのビット線に連結されたメモリセルが「1」でプログラムされる場合(Array=「FF」、別名ILEAK1として示される)よりも著しく小さい。メモリセルが「0」と「1」の両方でプログラムされると、漏れ電流は2つの漏れ値であるILEAK0とILEAK1との間である。ILEAK1とILEAK0との差異は左端のデータセットとして示される。
【0037】
図40は、プログラミング操作中に発生する漏れ電流ILEAKを相殺する方法4000を示す。方法4000は、漏れ電流がプログラムされているデータに応じて掲示的に変化する場合があることを認識する。第1に、ビット線の漏れ電流がサンプリングされ、サンプル及び保持回路によって保持される(工程4002)。第2に、ビット線の漏れ電流と等しい電流をビット線から減算することでビット線の漏れが相殺される(工程4004)。第3に、プログラミング電流IPROGがビット線に提供される(工程4006)。第4に、選択したセルがプログラムされる(工程4008)。
【0038】
図41は、選択したセルをプログラムするために電流IPROGを提供する精密電源4100を示す。精密電源4100を使用して
図40の方法を実行することができる。スイッチ4102(S1)は、選択したビット線の漏れILEAKをサンプリングするために閉じていて、漏れ情報はデバイス4104(M2)のゲート上のバイアス電圧の形式で格納され、キャパシター4106に格納された電圧としてここでモデル化される。別の実施形態では、キャパシター4106は存在しない。この場合、デバイス4104(M2)のゲート容量はサンプリングバイヤス電圧を保持する役割を果たす。漏れのサンプリング後、スイッチ4102(S1)が開く。ここで、トランジスタ4104(M2)は、トランジスタ4104(M2)のゲートに格納された漏れ電圧によって制御される電流をビット線に注入する。事実上、トランジスタ4104(M2)が、選択したビット線からのビット線漏れの減算を制御する。トランジスタ4108(M3)及び4110(M4)は、選択したメモリセルをプログラムするために、電流IPROGを選択したビット線に提供する。
【0039】
図42は、選択したセルをプログラムするために電流IPROGを提供する他の精密電源4102を示す。精密電源4102を使用して
図40の方法を実行することができる。ダミーのビット線からビット線の漏れILEAKをサンプリングするために、トランジスタ4202(M1)が使用される。カレントミラー構成においてトランジスタ4202(M1)及び4204(M2)が連結されるため、同じビット線の漏れを選択したビット線から減算するためにトランジスタ4204(M2)が使用される。トランジスタ4206(M3)及び4208(M4)は、選択したメモリセルをプログラムするために、電流IPROGを選択したビット線に提供する。
【0040】
図43は、選択したセルのプログラミング中に選択していないビット線のプログラミングを禁止するための第2の実施形態を示す。回路4300は、プログラミング操作中にバイアス禁止源(inhibit bias source)(電流又は電圧であり得る)を選択していないビット線に連結し、これらのビット線に連結されているセルのプログラミングを禁止するために、マルチプレクサ(ビット線禁止デコーダ)4302を備える。この実施形態では、マルチプレクサ4302は、各ビット線に連結されるPMOSトランジスタ(例示的なPMOSトランジスタ4304など)を備える。PMOSトランジスタは、ビット線の選択及び非選択を簡略化するために、各グループが階層復号化法で別のPMOSトランジスタ(例示的なPMOSトランジスタ4306など)に連結されるようにグループ化できる。別個のビット線読み出しデコーダ(図示せず)は、ビット線からメモリセルを感知するために使用される。
【0041】
図44は、選択したセルのプログラミング中に選択していないビット線のプログラミングを禁止するための第3の実施形態を示す。回路4400は、プログラミング操作中にバイアス禁止源(電流又は電圧であり得る)を選択していないビット線に連結することでこれらのビット線に連結されているセルのプログラミングを禁止するために、各ビット線をデコーダ回路(例示的なデコーダ回路4404など)の一部であるビット線禁止デコーダPMOS回路(例示的なPMOS回路4406など)に連結するマルチプレクサ(ビット線禁止及び読み出し統合デコーダ)4402を備える。各ビット線はまた、読み出し操作中に使用されるデコーダ回路の一部であるビット線読み出しデコーダCMOS回路(例示的なCMOS回路4408など)に連結される。
【0042】
図45は、選択したセルのプログラミング中に選択していないビット線のプログラミングを禁止するための第4の実施形態を示す。回路4500は、プログラミング操作中にバイアス禁止源(電流又は電圧であり得る)を選択していないビット線に連結することでこれらのビット線に連結されているセルのプログラミングを禁止するために、各ビット線をデコーダ回路(例示的なデコーダ回路4504など)の一部であるビット線禁止デコーダPMOS回路(例示的なPMOS回路4506など)に連結するマルチプレクサ(ビット線禁止及び読み出し統合デコーダ)4502を備える。各ビット線はまた、読み出し操作中に使用されるデコーダ回路の一部であるビット線読み出しデコーダNMOS回路(例示的なNMOS回路4508など)に連結される。
【0043】
図46は、選択したセルのプログラミング中に選択していないビット線のプログラミングを禁止するための第5の回路の実施形態を示す。回路4600は、プログラミング操作中にバイアス禁止源(電流又は電圧であり得る)を選択していないビット線に連結することでこれらのビット線に連結されているセルのプログラミングを禁止するために、各ビット線をデコーダ回路(例示的なデコーダ回路4604など)の一部であるNMOS回路(非選択の禁止及び読み出しの両機能の役割を果たす、例示的なNMOS回路4606など)に連結するマルチプレクサ(ビット線禁止及び読み出しNMOS統合デコーダ)4602を備える。NMOS回路4605はまた、読み出し時に選択していないビット線を接地など低レベルへと除外する役目を果たす。各ビット線はまた、読み出し操作中に使用されるデコーダ回路の一部であるNMOS回路(例示的なNMOS回路4508など)に連結される。
【0044】
本発明は、図示した上記実施例(複数可)に限定されるものではなく、添付の請求の範囲にあるあらゆるすべての変形例も包含することが理解されよう。例えば、本明細書における本発明への言及は、いかなる特許請求の範囲又は特許請求の範囲の用語も限定することを意図するものではなく、代わりに特許請求の範囲の1つ以上によって網羅され得る1つ以上の特徴に言及するにすぎない。上述の材料、プロセス、及び数値例は、単なる例示であり、請求項を限定するものと見なされるべきではない。更に、特許請求及び明細書を見てわかるように、すべての方法の工程を例示又は請求した正確な順序で実施する必要はなく、むしろ任意の順序で本発明のメモリセルの適切な形成が可能である。最後に、単一層の材料をそのような又は同様の材料の複数層として形成することができ、逆もまた同様である。
【0045】
本明細書で使用される、用語「〜の上方に(over)」及び「〜の上に(on)」はともに、「直接的に〜の上に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)及び「間接的に〜の上に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、「隣接した」という用語は、「直接隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「間接的に隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「取り付けられた」は、「直接取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「間接的に取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「電気的に結合された」は、「直接電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結していない)、及び「間接的に電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結している)を含む。例えば、「基板の上方に」要素を形成することは、中間材料/要素が介在せずに直接的に基板の上にその要素を形成することも、1つ以上の中間材料/要素が介在して間接的に基板の上にその要素を形成することも含む可能性がある。