(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記絶縁層は、前記パッド部の一端から前記パッド部の他端に沿って延長され、前記複数のホールのうち少なくとも二つのホールを連結する少なくとも一つの第2の溝ラインをさらに含む、請求項1に記載の電極接続構造体。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンパネルでは、タッチを検知するために多数の駆動電極及び受信電極が用いられるが、これらの電極をフレキシブルプリント回路(Flexible Printed Circuit board:FPCB)と電気的に連結するために、電極の末端にパッド部を備える。
【0003】
また、従来、陰極線管(CRT:Cathode Ray Tube)モニタが主流をなしていた画像表示装置は、最近、その技術が飛躍的に発展して、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)、電界放出表示装置(FED:Field Emission Display)、プラズマ表示装置(PDP:Plasma Display Panel)、有機電界発光装置(OLED:Organic Light Emitting Diode)などの平板表示装置(FPD:Flat Panel Display)などが開発されている。
【0004】
平板表示パネルは、表示部と非表示部とに区分できる。表示部は、ゲートラインとデータラインが交差して定義する画素を備え、非表示部は、ゲートライン及びデータラインの端部にそれぞれ形成されているデータパッド及びゲートパッドを備えることで、駆動素子と電気的信号を送受信することができる。駆動素子は、平板表示パネルを駆動するためのチップまたは基板、例えば、駆動集積回路(driving integrated circuit:D−IC)及びフレキシブルプリント回路(Flexible Printed Circuit board:FPCB)などを含む。
【0005】
このとき、駆動集積回路を平板表示パネルに実装する方法は、チップオングラス(Chip On Glass:COG)方式、テープキャリアパッケージ(Tape Carrier Package:TCP)方式、チップオンフィルム(Chip On Film:COF)方式などに分けられる。
【0006】
平板表示パネルでは、チップオングラスまたはチップオンフィルムなどの方法で部品を実装するために、駆動集積回路またはフレキシブルプリント回路基板と接触して電気的に通電するためのパッド部が必要である。
【0007】
ところで、前記のタッチスクリーンパネルや画像表示装置の電極に連結されたパッド部を、駆動集積回路またはフレキシブルプリント回路基板と電気的に連結するために異方性導電フィルム(ACF、Anisotropic Conductive Film)で接触させる工程において、前記パッド部の下部基材が柔らかい材質で形成される場合には、パッド部にクラックが発生する問題がある。
【0008】
韓国公開特許第10−2012−0067795号公報は、上部基板上に形成される信号ラインを集約し、前記上部基板の一側端から突出して形成される第1のパッドと、前記上部基板と対面する下部基板の上に形成される信号ラインを集約し、前記下部基板の一側端から突出して形成される第2のパッドとを含む平板表示パネルを開示しているが、前述した問題点の解決策を示していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、構成間の密着力および構造的信頼性が向上した電極接続構造体を提供することである。
【0010】
本発明の目的は、前記電極接続構造体を含む電子素子を提供することである。
【0011】
本発明の目的は、前記電子素子を含む画像表示装置またはタッチスクリーンパネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
1.基材層と、前記基材層上に配置される複数のパッド部と、前記基材層及び前記パッド部の少なくとも一部を覆い、前記パッド部の上面上に配置された複数のホール及び隣接する前記パッド部の間を横切って延長された少なくとも一つの第1の溝ラインを含む絶縁層とを含む、電極接続構造体。
【0013】
2.前記項目1において、前記パッド部及び前記絶縁層の少なくとも一部を覆う導電層をさらに含む、電極接続構造体。
【0014】
3.前記項目1において、前記複数のホールは、前記パッド部の一端から他端に沿って配置される、電極接続構造体。
【0015】
4.前記項目1において、前記第1の溝ラインは、互いに異なる幅を有する部分を含む、電極接続構造体。
【0016】
5.前記項目4において、前記第1の溝ラインは、前記第1の溝ラインの一端から前記第1の溝ラインの他端の方向に周期的に幅が変化する、電極接続構造体。
【0017】
6.前記項目4において、前記第1の溝ラインの前記基材層の端部に形成される末端の幅は、前記第1の溝ラインが有する幅の範囲における最大幅ではない、電極接続構造体。
【0018】
7.前記項目1において、前記絶縁層は、前記パッド部の一端から前記パッド部の他端に沿って延長され、前記複数のホールのうち少なくとも二つのホールを連結する少なくとも一つの第2の溝ラインをさらに含む、電極接続構造体。
【0019】
8.前記項目7において、前記絶縁層は、互いに隣接する前記第1の溝ライン及び前記第2の溝ラインを連結して延長される少なくとも一つの第3の溝ラインをさらに含む、電極接続構造体。
【0020】
9.前記項目1において、前記パッド部は、金属コア部及び導電性非金属コート層を含む、電極接続構造体。
【0021】
10.前記項目9において、前記パッド部は、複層構造を含む、電極接続構造体。
【0022】
11.前記項目9において、前記導電性非金属コート層は、複層構造を含む、電極接続構造体。
【0023】
12.前記基材層上に配列される電極をさらに含み、
前記パッド部は、前記電極の末端と電気的に連結される、電極接続構造体。
【0024】
13.前記項目1〜12のいずれかに記載の電極接続構造体を含む、電子素子。
【0025】
14.前記項目13に記載の電子素子を含む、画像表示装置。
【0026】
15.前記項目13に記載の電子素子を含む、タッチスクリーンパネル。
【発明の効果】
【0027】
本発明の電極接続構造体は、所定のホールが形成された絶縁層を含むことにより、電極接続構造体の各素材間の接着面積の拡大および密着力の向上の効果を有することができる。
【0028】
また、本発明の電極接続構造体は、パッド部の間に形成された溝ラインを含むことにより、各素材間の密着力を向上させ、例えば、導電層の形成時に発生し得る気泡を顕著なレベルで排出または除去することができ、製品の信頼性が向上する。
【0029】
また、本発明の電極接続構造体は、前述した絶縁層及び溝ラインを含むことにより、電極接続構造体に加わる圧力を分散して優れた柔軟性を実現するとともに、クラックの発生または拡散を防止することができ、また工程上の不良が低減する。
【0030】
従って、前述した電極接続構造体を含む画像表示装置またはタッチスクリーンパネルは、クラックの発生または拡散が防止されて耐久性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、電極接続構造体に関し、より詳細には、基材層と、前記基材層上に複数配置されるパッド部と、前記基材層及び前記パッド部の少なくとも一部を覆い、前記パッド部上に配置された複数のホール及び隣接する前記パッド部の間を横切って延長された少なくとも一つの第1の溝ラインを含む絶縁層とを含み、前記パッド部の一端は、電極末端に電気的に連結することにより、所定のホール及び溝ラインを含んで素材間の密着力を向上させ、導電部材の形成時に発生し得る気泡を顕著に抑制し、電極接続構造体に加わる圧力を分散して柔軟性を実現し、クラックの発生を防止する電極接続構造体に関する。
【0033】
以下、添付の図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。また、本発明の好適な実施例を提示するが、これらの実施例は本発明を例示するものに過ぎず、添付の特許請求の範囲を制限するものではない。これらの実施例に対し、本発明の範疇および技術思想の範囲内で種々の変更および修正を加えることが可能であることは当業者にとって明らかであり、これらの変形および修正が添付の特許請求の範囲に属することも当然のことである。
【0034】
一方、各図面の構成要素に参照符号を付するに当たって、実質的に同一の構成要素に対しては、たとえ異なる図面の上に表示されているとしても、同一または類似の符号を付しているのに留意すべきである。なお、本発明を説明するに当たって、関連する公知の構成又は機能についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にする虞があると認められる場合にはその詳細な説明を省略する。
【0035】
電極接続構造体
本発明は、基材層と、前記基材層上に複数配置されるパッド部と、前記基材層及び前記パッド部の少なくとも一部を覆い、前記パッド部上に配置された複数のホール及び隣接する前記パッド部の間を横切って延長された少なくとも一つの第1の溝ラインを含む絶縁層とを含み、前記パッド部の一端は、電極末端に電気的に連結される電極接続構造体を提供する。
【0036】
本発明に係る電極は、電子素子に用いられる電極であれば特に制限されず、具体的には、画像表示装置またはタッチスクリーンパネルに備えられる各種の電極であってもよい。
【0037】
図1は、タッチスクリーンパネルの電極構造の一例を概略的に示す図であり、以下ではタッチスクリーンパネルを基準として説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0038】
図1に示すように、タッチスクリーンパネル10は、表示領域(A)および非表示領域(B)を含む。表示領域(A)および非表示領域(B)は、透明基板20上に形成することができる。表示領域(A)は、タッチスクリーンパネル10の内側に形成され、非表示領域(B)は、タッチスクリーンパネル10の外側(すなわち、枠の部分)に形成される。表示領域(A)には、ユーザのタッチによる電気的または物理的な変化を検知するための検知電極パターン30が形成される。ここで、検知電極パターン30は、第1の検知電極パターン30−1及び第2の検知電極パターン30−2を含む。第1の検知電極パターン30−1及び第2の検知電極パターン30−2が透明基板20上に菱形状に相互密集して規則的に形成されることになる。第1の検知電極パターン30−1は、透明基板20上に複数の行を成して形成し、第2の検知電極パターン30−2は、透明基板20上に複数の列を成して形成することができる。
【0039】
非表示領域(B)には、位置検出ライン40および電極接続構造体50が形成される。位置検出ライン40の一端は、複数の行をなす第1の検知電極パターン30−1、および複数の列をなす第2の検知電極パターン30−2のそれぞれに連結される。位置検出ライン40の他端は、電極接続構造体50に連結される。また、電極接続構造体50は、外部の駆動回路と連結することができる。例えば、後述するように、位置検出ライン40および外部の駆動回路は、後述するように、電極接続構造体50に含まれているパッド部70を媒介にして電気的に連結することができる。
【0040】
「電気的に連結する」というのは、電極接続部を電極と配線で連結することを意味し、前記電極接続構造体は、電気的連結の信頼性を高めるために配線よりも広い面積で形成することができる。
【0041】
電極接続構造体は、電気的連結のために他の導電部材(例えば、フレキシブル回路基板)などが接合されるが、接合工程前の電極接続構造体を所定の大きさに切断する工程で切断ラインと隣接する部分で微細クラックが発生することになる。前記発生した微細クラックにより、接合工程時の電極接続構造体に加えられる圧力によってクラックが発生し、各層の密着力が低下する問題があった。
【0042】
そこで、本発明は、パッド部を覆い、パッド部上に配置された複数のホール及び隣接する前記パッド部の間を横切って延長された少なくとも一つの第1の溝ラインを含む絶縁層を備えることにより、絶縁層の緩衝作用によって切断工程時の微細クラックの発生を抑制するとともに、前記ホール及び/又は溝ラインにより、接合工程で加えられる圧力を分散してクラックの発生を大幅に低減した。また、絶縁層に含まれている複数のホールおよび溝ラインにより、下部電極配線層に接する表面積を増加させて密着力を大幅に向上させた。
【0043】
また、導電部材または導電層を電極接続構造体に形成するために、導電物質などを蒸着または塗布して硬化するとき、部材間に気泡が発生して密着力が低下することがあるが、前記絶縁層に含まれている溝ラインにより気泡を排出できるので、部材間の密着力、剥離力および信頼性をさらに向上させることができる。
【0044】
図2は、本発明の一実施形態に係る電極接続構造体50の平面図であり、
図3は、
図2のI−I’に沿う断面図である。
【0045】
図2及び
図3に示すように、電極接続構造体50は、基材層60と、パッド部70と、絶縁層80と、ホール82と、第1の溝ライン84とを含む。
【0046】
基材層60は、電極接続構造体50に含まれる素材または構造が積層または配置されるベース基材で提供することができる。基材層60としては、特に制限されず、例えば、ガラス基板またはフレキシブル特性を有する高分子フィルムなどを制限なく使用できる。
【0047】
前記高分子フィルムは、例えば、ポリエチレン(polyethylene:PE)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate:PET)、ポリエチレンナフタレート(Polyethylene Naphthalate:PEN)、ポリイミド(polyimide:PI)、アクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー(Cycloolefin polymer:COP)、トリアセチルセルロース(Triacetyl cellulose:TAC)、これらの2以上の組み合わせなどを含むことができる。
【0048】
パッド部70は、基材層60上に複数配置することができる。例えば、
図2に示すように、複数のパッド部70を基材層60上に並列して配置することができるが、これに限定されるものではない。
【0049】
パッド部70の一端は、電極末端と電気的に連結することができ、例えば、
図1に示すタッチスクリーンパネルの位置検出ライン40の末端と電気的に連結することができる。この場合、パッド部70の他端は、外部の駆動回路と電気的に連結され、位置検出ライン40と前記外部の駆動回路を電気的に媒介することができる。
【0050】
パッド部70は、電気伝導性に優れた素材であれば、特に制限することなく使用でき、例えば、金属、導電性金属酸化物および導電性炭素の少なくとも1つを含んで形成することができる。
【0051】
金属は、具体的には、銀(Ag)、金、アルミニウム、モリブデン、銅、クロム、ネオジム、およびこれらの合金であってもよいが、これらに制限されるものではない。導電性金属酸化物は、具体的には、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(Al−doped ZnO)およびTCO(Transparent conductive oxide)などであってもよいが、これらに制限されるものではない。導電性炭素は、具体的には、炭素ナノワイヤー、炭素ナノチューブ(CNT)、グラフェン(Graphene)などであってもよいが、これらに限定されるものではない。これらは、それぞれ単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0052】
本発明の一実施形態によると、パッド部70は、金属コア部および導電性非金属コート層を含むことができる。
【0053】
金属コア部は、単一層で形成してもよく、複数の層で形成してもよい。導電性非金属コート層は、単一層で形成してもよく、複数の層で形成してもよい。
【0054】
パッド部70の素材として金属を使用する場合には、腐食が発生する恐れがあるので、導電性非金属コート層を備えることが好ましい。導電性非金属コート層は、前述した導電性金属酸化物または導電性炭素の少なくとも1つを含んで形成することができる。
【0055】
導電性金属酸化物としては、前述のITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(Al−doped ZnO)およびTCO(Transparent conductive oxide)などであってもよいが、これらに限定されるものではない。これらは、それぞれ単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0056】
導電性炭素としては、前述した炭素ナノワイヤー、炭素ナノチューブ(CNT)、グラフェン(Graphene)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、それぞれ単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0057】
絶縁層80は、電極またはパッド部70間の絶縁のために形成される層であり、
図2及び
図3に示すように、基材層60及びパッド部70の少なくとも一部を覆う。
【0058】
絶縁層80は、パッド部70上に配置された複数のホール82、及び隣接するパッド部70同士の間を横切って延長される少なくとも一つの第1の溝ライン84を含む。
【0059】
例えば
図2及び
図3に示すように、ホール82は、複数備えられ、後述する導電層90(例えば、フレキシブル回路基板との導電性接合部、ACF)と接続される部分に所定の形状に形成され、電極接続構造体50が他の導電部材と電気的連結を維持できるようにする。
【0060】
また、ホール82は、パッド部70または後述する導電層90との接着面積の拡大および密着力の向上の効果を絶縁層60に付与することができる。つまり、複数のホール82により、絶縁層60は、他の導電部材またはパッド部70に接着するための広い表面積を有することができるので、密着力の向上を期待できる。
【0061】
また、本発明の絶縁層80は、電極接続構造体50の各層間の密着力を向上させ、製造時の切断工程などが行われる場合、パッド部70などが押されたり浮き上がったりする現象を低減して製品の不良を減らすことができ、また絶縁層の緩衝作用により電極接続構造体50に加わる圧力を効果的に分散して電極接続部におけるクラックの発生を低減することができる。
【0062】
一部の実施形態では、
図2に示すように、複数のホール82は、パッド部70の一端から他端を連結する複数の直線(例えば、A−A’線)上に配置することができる。
【0063】
一部の実施形態では、複数のホール82の配置方法は特に制限されないが、複数のホール82は、パッド部70の一端から他端に沿って配置できる。例えば
図2に示すように、複数のホール82は、パッド部70の一端から他端を連結する任意の直線(例えば、A−A’線)が、少なくとも一つのホール82と出会うように、複数のホール82を規則的または不規則的にパッド部70上に配置することができる。例えば、
図2に示すように、複数のホール82は、パッド部70上にメッシュ状に配置することができる。
【0064】
ホール82は、その形状や大きさを特に限定せず、例えば、後述する導電層90と接続される部分の形状によって適宜選択することができ、多角形または円形であってもよいが、これらに限定されるものではない。多角形としては、例えば三角形、四角形、六角形、八角形、十角形などが挙げられる。四角形には長方形、菱形などが含まれる。
【0065】
本発明では、前記絶縁層80の素材は、当分野で絶縁層として使用できる素材であれば、特に制限されず、例えば、酸化ケイ素、シリコンナイトライドのような無機系の絶縁材料または光硬化性樹脂組成物のような有機系の絶縁材料などを用いることができる。
【0066】
本発明で前記絶縁層80にホール82を形成する方法は特に限定されないが、例えば、酸化ケイ素、シリコンナイトライドを、マスクを用いて所定のパターンで蒸着するか、全面蒸着した後にドライエッチング(Dry Etching)工法を用いてパターニングを行うか、光硬化性樹脂組成物を基材層60及び/又はパッド部70に塗布した後、マスクパターンを用いて露光及び現像する工程により、他の導電部材が接続される部分にホールを形成する方法により行うことができる。
【0067】
第1の溝ライン84は、隣接するパッド部70の間を横切って延長され、絶縁層80に一つ以上備えることができる。
【0068】
第1の溝ライン84は、複数のホール82と同様に、絶縁層80の接触面積または表面積を増加できるので、貼り付けられる部材、例えば基材層60、パッド部70、及び/又は後述する導電層90との密着力をさらに向上できる。
【0069】
また、第1の溝ライン84は、電極接続構造体50に加わる圧力を分散できるので、電極接続構造体50の柔軟性を向上させるとともに、クラックの発生または拡散を防止できる。これにより、工程上の不良を大幅に削減し、信頼性を向上させることができる。
【0070】
また、従来の電極接続構造体は、絶縁層80上に、後述する導電層90の形成のために導電物質を蒸着または塗布および硬化するときに気泡などが発生し、部材間の密着力を減少させ、工程上の不良を発生させる恐れがあった。これに対し、実施形態に係る電極接続構造体50は、絶縁層80に第1の溝ライン84を備えることで、導電物質の蒸着または塗布、硬化時に発生する気泡を優れたレベルに除去及び排出できるので、部材間の密着力をさらに向上させることができる。
【0071】
第1の溝ライン84は、例えば、隣接するパッド部70の間の絶縁層を所定の幅及び深さで除去することにより形成できる。例えば、前述したホール82の形成方法により第1の溝ライン84を形成することができる。
【0072】
第1の溝ライン84の幅及び深さは特に制限されず、例えば、第1の溝ライン84は、第1の溝ライン84の下に少なくとも所定の高さの絶縁層80が存在するように形成してもよく、絶縁層80の接触面積をさらに高め、導電物質形成時の気泡の除去効果を向上できるように、
図2及び
図3に示すように基材層60の表面が露出するように形成してもよい。
【0073】
図4は、本発明の一実施形態に係る電極接続構造体を概略的に説明するための断面図である。
【0074】
図4に示すように、電極接続構造体50は、パッド部70及び絶縁層80の少なくとも一部を覆う導電層90をさらに含むことができる。
【0075】
前述したように、絶縁層80に含まれている複数のホール82及び第1の溝ライン84により、絶縁層80の表面積を増加できるので、導電層90との貼り付け面積を増加させ、導電層90との密着力を向上させることができる。
【0076】
また、導電層90の形成のために、基材層60、パッド部70及び/又は絶縁層80上に導電物質を塗布、硬化するときに発生し得る気泡を、絶縁層80に含まれている第1の溝ライン84により除去できる。これにより、工程上の不良が防止され、導電層90と絶縁層80との間の密着力をさらに向上させることができる。
【0077】
導電層90は、例えば、当分野で公知の異方性導電層または異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film、ACF)を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0078】
図5は、一実施形態に係る電極接続構造体を概略的に説明するための平面図であり、
図6は、
図5のII−II’に沿う断面図である。
【0079】
図5及び
図6に示すように、第1の溝ライン84は、互いに異なる幅を有する部分を有することができる。
【0080】
一部の実施形態では、
図5及び
図6に示すように、第1の溝ライン84は、第1の溝ラインの一端84aから第1の溝ラインの他端84bに周期的に幅が変化し得る。これにより、第1の溝ライン84の気泡排出の流れがさらにスムーズになり、気泡の除去効果及び部材間の密着力の増加効果をさらに向上できる。
【0081】
一部の実施形態では、
図5及び
図6に示すように、第1の溝ライン84の基材層60の端部に形成される末端の幅は、第1の溝ライン84が有する幅の範囲における最大幅ではなくてもよい。例えば、基材層60の端部に形成される第1の溝ラインの一端84aの幅は、第1の溝ライン84の他の部分の幅、例えば第1の溝ラインの他端84bの幅よりも小さくてもよい。この場合、第1の溝ライン84の幅の変化により部材間の圧力を増加することができ、気泡排出口である第1の溝ラインの一端84aの幅または断面積の減少により、他の導電部材または導電層90の形成時に発生し得る気泡をより効率よく排出でき、部材間の密着力の増加の効果をさらに向上できる。
【0082】
図7は、一実施形態に係る電極接続構造体を概略的に示す平面図である。
【0083】
図7に示すように、絶縁層80は、パッド部70の一端からパッド部70の他端に沿って延長され、複数のホール82のうちの2以上を連結する少なくとも一つの第2の溝ライン86をさらに含むことができる。
【0084】
第2の溝ライン86は、2以上のホール82を連結または連通する役割を果たすことができる。これにより、絶縁層80の表面積の増加による部材間の密着力の向上、および圧力の分散によるクラック防止の効果をさらに顕著に向上できる。
【0085】
また、前述した他の導電部材または導電層90の形成時に発生し得る気泡を第2の溝ライン86によっても除去または排出できるので、気泡の除去による部材間の密着力の向上効果をさらに向上させることができる。
【0086】
図8は、一実施形態に係る電極接続構造体を概略的に示す平面図であり、
図9は、
図8のIII−III’に沿う概略断面図である。
【0087】
図8に示すように、絶縁層80は、第1の溝ライン84及び第2の溝ライン86のうち、互いに隣接する溝ラインを連結して延長される少なくとも一つの第3の溝ライン88をさらに含むことができる。
【0088】
第3の溝ライン88により、第1の溝ライン84及び第2の溝ライン86は、互いに連結または連通することができる。例えば、第1の溝ライン84及び第2の溝ライン86が第3の溝ライン88によって連結されることにより、
図8及び
図9に示すようにパッド部70及び/又は基材層60が外部に露出し得る。
【0089】
第3の溝ライン88は、第1の溝ライン84及び第2の溝ライン86のうち、互いに隣接する溝ラインを連結して延長することにより、他の導電部材の形成時の気泡排出の流れがよりスムーズになり、気泡の除去効果を向上させることができる。また、絶縁層80の表面積の増加による密着力の向上及びクラック防止の効果をさらに向上できる。
【0090】
電子素子、画像表示装置、タッチスクリーンパネル
本発明は、前述した電極接続構造体50を含む電子素子を提供する。
【0091】
本明細書において、電子素子とは、電気的な連結が必要な電極を含む各種の電子製品又は前記電子製品に含まれる部品などをいう。
【0092】
また、本発明は、前記電子素子を含む画像表示装置を提供する。本発明の画像表示装置は、特に、液晶表示装置(LCD)、電界放出表示装置(FED)及びプラズマ表示装置(PDP)、有機電界発光装置(OLED)をはじめとする平板表示装置に有効である。
【0093】
また、本発明は、前記電子素子を含むタッチスクリーンパネルを提供する。
【0094】
本発明の電極接続構造体50がタッチスクリーンパネルに適用される場合、下部基材としては、フィルム、ガラス、プラスチック素材などを制限なく使用することができ、上部保護層としては、有機絶縁膜、無機絶縁膜、光接着フィルム(OCA)、光接着レジン(OCR)などを制限なく使用することができる。
【0095】
また、タッチスクリーンパネルに含まれるタッチパターンは、当分野で通常使用されるものであれば、本発明の目的に逸脱しない範囲内で特に制限なく適用できる。
【0096】
前述のように、本発明の理解を助けるために好適な実施例を提示したが、これらの実施例は本発明を例示するものに過ぎず、添付の特許請求の範囲を制限するものではない。これらの実施例に対し、本発明の範疇および技術思想の範囲内で種々の変更および修正を加えることが可能であることは当業者にとって明らかであり、これらの変形および修正が添付の特許請求の範囲に属することも当然のことである。
【0097】
実施例及び比較例
実施例1
図2に示すように、大きさ71.05mmX129.25mm、厚さ47μmのシクロオレフィンポリマー(COP)基材層上にITO−IZO/APC/IZO−絶縁層−ITO−パッシベーション層が順次積層され、幅が100μm、厚さが5,100Åであるパッド部を幅100μm、間隔100μmに形成し、基材層及びパッド部を覆うように厚さ2μmのシリカ系絶縁層を形成した。
その後、絶縁層をフォトリソグラフィ方法を用いて、パッド部上に複数のホールをパッド部の総面積の32.72%になるように形成し、パッド部の間に幅80μmの第1の溝ラインを形成した。
その後、Au/Niメッキされた直径10μmのポリマーボールを含有する厚さ75μmのアクリル−ラジカル系異方性導電層で基材層、パッド部及び絶縁層を覆い、実施例1の電極接続構造体を製造した。
【0098】
実施例2
図7に示すように、複数のホールが連通するようにパッド部の一端から他端に延長された幅10μmの第2の溝ラインをさらに形成した以外は、実施例1と同様の方法により実施例2の電極接続構造体を製造した。
【0099】
実施例3
図8に示すように、第1の溝ライン及び第2の溝ラインを連結する幅30μmの第3の溝ラインをさらに形成した以外は、実施例1と同様の方法により電極接続構造体を製造した。
【0100】
実施例4
図5に示すように、第1の溝ラインが一端から他端に幅が30〜80μmで周期的に変化するようにし、基材層の端部に形成される末端の幅を30μmに形成した以外は、実施例1と同様の方法により実施例4の電極接続構造体を製造した。
【0101】
実施例5
複数のホールが連通するようにパッド部の一端から他端に延長された幅10μmの第2の溝ラインをさらに形成した以外は、実施例4と同様の方法により実施例5の電極接続構造体を製造した。
【0102】
実施例6
第1の溝ライン及び第2の溝ラインを連結する第3の溝ラインをさらに形成した以外は、実施例5と同様の方法により電極接続構造体を製造した。
【0103】
比較例1
ホール及び第1の溝ラインを形成しなかった以外は、実施例1と同様の方法により電極接続構造体を製造した。
【0104】
実験例
1.クラック発生の評価
実施例及び比較例に基づいて製造された電極接続構造体に対して、表1に示す条件でクラック発生の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0105】
2.引張力の評価
実施例及び比較例に基づいて製造された電極接続構造体にフレキシブル回路基板(FPCB)を155℃で、7kgfの圧力で接合した後、それを剥離して引張力(Peel Adhesion)を測定した。
引張力は、引張力計測器からの値を、接合されたFPCBの長さで割った値であり、本実験では1cmのFPCBを使用した。
実施例及び比較例の電極接続構造体をそれぞれ10個製造して引張力を測定し、その平均値を表1に示す。
【0107】
表1から、実施例の電極接続構造体は、それに含まれるホール及び溝ラインにより素材間の接着面積が拡大されて密着力が向上するため、クラック発生回数及びクラック数が少なく、引張力が高いのに対して、比較例の電極接続構造体は、実施例に比べて信頼性が非常に低下し、引張力の評価も良くないことが分かった。