(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記構造体は、上記延伸部から突出した凸形状、上記延伸部から凹む凹形状、または、上記延伸部に設けられた開口部のうち、少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項4に記載のイオン発生装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1について、
図1〜
図7を参照して説明する。
【0018】
(イオン発生装置1の全体構成)
はじめに、
図1および
図2を参照し、イオン発生装置1の概略構成について述べる。
図1は、イオン発生装置1の概略構成を示す斜視図であり、
図2は、イオン発生装置1の概略構成を示す正面図、平面図、および側面図である。
【0019】
図1および
図2に示すように、イオン発生装置1は、方形のケース10(筐体)と、トランス駆動回路用基板12と、高圧トランス13(高圧回路)と、イオン発生素子用基板14と、蓋体15と、放電電極21・22と、保護板51・52(突出部材)と、を備えている。
【0020】
ケース10は、前面および上面が開口した箱形であり、絶縁性の樹脂で形成されている。ケース10の前部には、外部接続用基板11が取り付けられている。また、ケース10内には、前方から順に、トランス駆動回路用基板12と、高圧トランス13と、イオン発生素子用基板14と、が収納されている。また、ケース10の上面には、外部接続用基板11と、トランス駆動回路用基板12と、高圧トランス13とを覆うように、蓋体15が設けられている。
【0021】
外部接続用基板11の表面には、複数(例えば6つ)の接続端子16が設けられている。複数の接続端子16の各々は外部接続用基板11の表面に形成された導電性膜により形成されており、たとえば印刷パターン、メッキ、スパッタ、CVD(Chemical Vapor Deposition)などで形成されている。この導電性膜は、たとえば銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、それらの合金などの材質よりなっており、また数十μmのオーダの膜厚(例えば35μmの膜厚)を有している。接続端子16の各々は、外部接続用基板11がケース10に支持された状態においてケース10の外側に露出するように配置されている。
【0022】
トランス駆動回路用基板12には高圧トランス駆動回路が配置されている。この高圧トランス駆動回路は、外部からの入力電圧により高圧トランス13を駆動するためのものである。
【0023】
高圧トランス13は、上記高圧トランス駆動回路により駆動されて入力電圧を昇圧するためのものである。イオン発生素子用基板14にはイオン発生素子が配置されている。該イオン発生素子は、高圧トランス13により昇圧された電圧を印加されることで正イオンおよび負イオンの少なくとも何れかを生じさせるものである。
【0024】
上記イオン発生素子は、放電電極21・22と、環状の誘導電極23・24と、を備えている。放電電極21は、イオン発生素子用基板14の一方の側部に取り付けられ、誘導電極23は、放電電極21の取付け位置の周囲に形成される。放電電極22は、イオン発生素子用基板14の他方の側部に取り付けられ、誘導電極24は、放電電極22の取付け位置の周囲に形成される。
【0025】
誘導電極23は、放電電極21との間に電界を形成するための電極である一方、誘導電極24は、放電電極22との間に電界を形成するための電極である。放電電極21は、誘導電極23との間で、負イオンを発生するための電極である一方、放電電極22は、誘導電極24との間で、正イオンを発生するための電極である。なお、誘導電極23・24は、接地電位となっている。
【0026】
イオン発生素子用基板14の表面は、
図2に示すように、絶縁性封止材41(樹脂)で覆われている。絶縁性封止材41は、例えば加熱硬化型エポキシ樹脂等の絶縁材料であってよい。絶縁性封止材41は、樹脂材料を加熱させ硬化させることにより形成されてよい。
【0027】
この絶縁性封止材41は、放電電極21・22における取付部33a・34aの基端部を封止している。なお、後述するように、取付部33a・34aは、放電電極21・22における複数の線状の導電体25・26を自装置であるイオン発生装置1(より具体的には、イオン発生素子用基板14)に取り付けるための部材である。絶縁性封止材41が設けられることにより、取付部33a・34aを高電圧に対して絶縁保護することができる。
【0028】
絶縁性封止材41は、蓋体15の表面と例えば略面一になるように、蓋体15の表面に相当する位置まで
イオン発生素子用基板14上を覆っている。放電電極21・22は、イオン発生素子用基板14の表面から垂直に設けられ、絶縁性封止材41の表面から突出している。
【0029】
放電電極21は、複数の線状の導電体25を備え、ブラシ状に形成された先端部31と、複数の導電体25が取り付けられる基端部33と、を備えたブラシ状放電電極である。また、放電電極22は、複数の線状の導電体26を備え、ブラシ状に形成された先端部32と、複数の導電体26が取り付けられる基端部34と、を備えたブラシ状放電電極である。
【0030】
なお、先端部31・32は、基端部33・34から先の部分、具体的には、ブラシ状に束ねられた導電体25・26の先端面(頭頂面)36・37から、導電体25・26における、基端部33・34との接続端(接触端)までの部分を示す。また、線状には、糸状、繊維状、針金状が含まれる。
【0031】
放電電極21・22の先端部31・32は、例えば、金属、カーボン繊維、導電性繊維、導電性樹脂等の導電性の材料で形成されている。先端部31・32における複数の導電体25・26の1本当たりの外径は、5μm以上、30μm以下である。導電体25・26の外径を5μm以上にすることにより、導電体25・26の機械的強度を確保するとともに、導電体25・26の電気磨耗を抑制することができる。また、導電体25・26の外径を30μm以下にすることにより、髪の毛のように撓る導電体25・26が形成され、導電体25・26の広がりおよび揺れ動きが起こり易くなる。
【0032】
導電体25・26は、それぞれ外径7μmのカーボン繊維であってもよく、または、外径12μmもしくは25μmのSUS(ステンレス)製の導電性繊維であってもよい。
【0033】
放電電極21の基端部33は、放電電極21をイオン発生素子用基板14に取り付けるための板金状の取付部33aと、先端部31における複数の導電体25を上記接続端にて結束するための結束部33bと、を備えている。同様に、放電電極22の基端部34は、放電電極22をイオン発生素子用基板14に取り付けるための板金状の取付部34aと、先端部32における複数の導電体26を上記接続端にて結束するための結束部34bと、を備えている。
【0034】
次に、保護板51・52について説明する。イオン発生装置1は、製造されてから各種の電気機器に取り付けられるまでの間に、
図1および
図2に示すような状態で、或る載置台(図示せず)に載置されるとは限らない。例えば、当該状態を引っ繰り返した状態で上記載置台に載置される可能性がある。
【0035】
このように、製造工程等においてイオン発生装置1が転倒した場合、放電電極21・22が上記載置台等の床体(床)に接触してブラシ部分が潰れてしまう等の破損(変形)が生じる虞がある。
【0036】
そこで、本実施形態では、放電電極21・22をそれぞれ保護するための保護板51・52が、放電電極21・22にそれぞれ隣り合うように、突設されている。なお、本実施形態において、放電電極21・22が突設されたイオン発生素子用基板14は、方形のケース10の上面における後部の一端に設けられている。
【0037】
イオン発生素子用基板14は、矩形状であり、放電電極21・22は、イオン発生素子用基板14の長手方向に沿って配列されている。イオン発生素子用基板14は、放電電極21・22の配列方向に平行な辺である長辺14aが、ケース10の後部の辺10aに平行となるように、辺10aに面して設けられている。
【0038】
そこで、本実施形態では、ケース10の上面における後部の両側端部に、放電電極21・22にそれぞれ隣り合うように保護板51・52を突設している。
【0039】
保護板51・52は、放電電極21・22の配列方向である、イオン発生素子用基板14の長手方向(すなわち、イオン発生素子用基板14の長辺14aに平行な方向)に、放電電極21・22を挟んで並設されている。
【0040】
保護板51・52の高さの最大値は、放電電極21・22の高さよりも大きく、保護板51・52は、イオン発生素子用基板14の表面に対し放電電極21・22の先端部31・32よりも突出するように、絶縁性封止材41上に、または蓋体15の上部に若しくは蓋体15と一体成形により、垂直に突設されている。
【0041】
これにより、イオン発生装置1が例えば転倒した場合でも、放電電極21・22が上記載置台等、イオン発生装置1の外部の物体に直接接触することを防止でき、該接触による破損等を防止できる。
【0042】
ここで、保護板51・52の高さとは、上下方向の長さ、すなわち、絶縁性封止材41の表面から保護板51の上面までの高さ、並びに、絶縁性封止材41の表面から保護板52の上面までの高さを示す。
【0043】
保護板51・52の高さは、イオン発生素子用基板14の表面に対し放電電極21・22の先端部31・32よりも突出するように形成されていれば、特に限定されるものではない。
【0044】
但し、保護板51・52の高さが高くなると、その分、イオン発生装置1が大型化する。このため、保護板51・52の高さは、例えば、イオン発生装置1が転倒した場合に、放電電極21・22が、上記載置台等、イオン発生装置1の外部の物体に直接接触しない程度の高さに形成されていることが望ましい。
【0045】
例えば、絶縁性封止材41の表面から保護板51・52の上面までの高さが、放電電極21・22における、絶縁性封止材41の表面から先端部31・32の先端までの高さ(すなわち、絶縁性封止材41の表面から導電体25・26の先端36・37までの高さの最大値)よりも少し大きい程度の高さに形成されていることが望ましい。
【0046】
また、保護板51・52は、それぞれ、放電電極21・22と保護板51・52との間の距離が、放電電極21・22の先端部31・32の長さよりも長くなるように、放電電極21・22から離間して配置されている。
【0047】
このため、導電体25同士あるいは導電体26同士が反発して先端部31・32が広がることで、導電体25・26がどのような角度に倒れたとしても、導電体25・26が保護板51・52に直接接触することがなく、リークの発生を防止することができる。
【0048】
保護板51・52は、それぞれ、保護板51・52を介して放電電極21・22を見たとき(つまり、ケース10の辺10aに平行な方向からイオン発生装置1を見たとき)、保護板51・52における、放電電極21・22の先端部31・32に対向する部分が切り欠かれた板状に形成されている。このため、保護板51には、放電電極21に対向して、先端部31を露出させる開口部51aが形成されている。一方、保護板52には、放電電極22に対向して、先端部32を露出させる開口部52aが形成されている。
【0049】
このように保護板51・52に開口部51a・52aが形成されていることで、保護板51・52によって放電電極21・22によるイオンの放出が阻害されず、良好なイオンの放出を行うことができる。
【0050】
図1および
図2に示すように、イオン発生装置1における前後方向に、放電電極21・22から放出されたイオンを搬送する空気などの気体が送風される。なお、本明細書では、当該イオンを搬送する気体を送風する方向を送風方向Aと称することにする。送風方向Aは、
図1等に示す矢印の方向であるものとする。
【0051】
(放電電極)
続いて、
図3〜
図7を参照し、本実施形態の放電電極及びその周辺の構成についてさらに詳細に説明する。
図3は、放電電極およびその周辺の構成を示す斜視図である。
図4は放電電極の構成を表す図であり、(a)は正面図であり、(b)は上面図である。
図5は結束部33b・34bの構成を表す斜視図である。
【0052】
上述のように、放電電極21・22は、並ぶ方向が、送風方向Aに対して垂直となるように配置されている。
【0053】
結束部33b・34bは、複数の線状の導電体25・26を備えるブラシ(ブラシ部と称されてもよい)の基端部を結束して(かしめて)保持している。そして、取付部33a・34aの基端部は、絶縁性封止材41によって封止されている。
【0054】
図4および
図5に示すように結束部33b・34bは、導電体25・26が挿入される開口部が楕円形状となっている。このため、結束部33b・34bによって結束された導電体25・26、すなわち、先端部31・32の先端面36・37も楕円形状となっている。これにより、先端面が円形状の場合と比べて、導電体25・26の外周部の本数が増え、先端面36・37のうち、特に、中心部分よりもイオンを放出しやすい縁部分の面積が大きくなる。このため、放電電極21・22を備えるイオン発生装置1によると、より効率的にイオンを放出することができる。先端面36・37の長手方向の長さをL1とし、当該長手方向と直交する短手方向の長さをL2とした時に、L1/L2≧1.5であることが好ましく、さらに、L1/L2≧2であると外周部の導電体25・26の本数がさらに増えるためより好ましい。
【0055】
先端部31・32の先端面36・37は、平坦であり、放電電極21・22が配されているイオン発生素子用基板14の基板表面に対して略平行である。
【0056】
ここで、先端部31・32は、複数の導電体25・26が結束部33b・34bにより結束された後、切断工程にて、最適な長さとなるように先端面36・37で切断することで、作製される。このため、先端部31・32の先端面36・37を、平坦に、かつ、放電電極21・22が配されているイオン発生素子用基板14の基板表面に対して略平行となるように切断することで、効率よく、切断工程にて先端部31・32を作製することができる。
【0057】
先端面36・37の楕円形状における長手方向の向きは、イオン発生装置1に対する送風方向Aと平行な向きであってもよいが、非平行であることが好ましい。これにより、先端面36・37の楕円形状における長手方向が送風方向Aと平行である場合と比べて、長手方向に並ぶ複数の導電体25・26の先端面36・37が効率よく風を受けるため、放電電極21・22は、より効率よくイオンを先端面36・37から放出し、拡散することができる。
【0058】
さらに、先端面36・37の楕円形状における長手方向と、イオン発生装置1に対する送風方向Aとは垂直であることがより好ましい。これにより、さらに、先端面36・37が効率よく風を受けるため、放電電極21・22は、さらに、効率よくイオンを先端面36・37から放出し、拡散させることができる。
【0059】
また、放電電極21・22が並ぶ方向と、送風方向Aとは垂直であることが好ましい。放電電極21・22間に、より多くの送風方向Aの風が送風され、先端面36・37が効率よく風を受けるため、放電電極21・22は、さらに、効率よくイオンを先端面36・37から放出し、拡散させることができる。なお、放電電極21・22が並ぶ方向と、送風方向Aとが垂直ではない構成であってもよい。
【0060】
なお、先端部31・32の先端面36・37の形状は、楕円形状に限らず、長手方向と、当該長手方向に直交する短手方向とを有する形状であればよく、種々の形状を取り得る。この先端部31・32の先端面36・37の形状は、結束部33b・34bにおける導電体25・26が挿入される開口部の形状に対応した形状となる。このため、結束部33b・34bにおける導電体25・26が挿入される開口部の形状を、長手方向と、当該長手方向に直交する短手方向とを有する形状とすることで、上述したように、導電体25・26の先端面36・37の形状を、長手方向と、当該長手方向に直交する短手方向とを有する形状とすることができる。
【0061】
図6は結束部33b・34bにおける導電体25・26を挿入する開口部の形状を表す図である。
図6の(a)〜(d)は、結束部33b・34bを上方から見た図である。
図6の(a)〜(d)に示すように、結束部33b・34bにおける導電体25・26を挿入する開口部の形状は(a)楕円形状(b)長方形状(c)円形状を2個連続させた形状(d)円形状を3個連続させた形状など、長手方向と、当該長手方向に直交する短手方向とを有する形状であれば、種々の形状を取り得る。なお、上述のように、結束部33b・34bにおける導電体25・26を挿入する開口部の形状を、
図6の(a)〜(d)に示す形状とすることで、先端部31・32の先端面36・37の形状も
図6の(a)〜(d)に示す形状となる。
【0062】
図7は結束部33b・34bにおけるカシメ形状の例を示す図である。
図7は結束部33b・34bを正面から見た図である。
図7の(a)〜(m)に示すように、結束部33b・34bにおけるカシメ形状も特に限定されるものではなく、種々の形状を取り得る。(イオン発生装置1の製造方法)
次に、イオン発生装置1の製造方法について説明する。
【0063】
まず、基端部33・34における結束部33b・34bに、複数の導電体を挿入し結束する(結束工程)。そして、結束部33b・34bにより結束されたそれぞれの複数の導電体を最適な長さとなるように切断する(切断工程)。これにより、先端部31・32が形成される。そして、先端部31・32が形成された放電電極21・22の基端部33・34をイオン発生素子用基板14にそれぞれ取り付ける(放電電極取り付け工程)。
【0064】
そして、ケース10の内側に、トランス駆動回路用基板12、高圧トランス13、イオン発生素子用基板14を配置する(配置工程)。次に、蓋体15、および、保護板51・52を、トランス駆動回路用基板12と、高圧トランス13とを覆うようにケース10に組み付ける。このとき、蓋体15の開口部から放電電極21・22が突出する。すなわち、放電電極21・22は、基端部33・34の一部が、蓋体15の開口部(収容部)に収容されている。
【0065】
次に、蓋体15の開口部に、絶縁性の樹脂材料を充填し(充填工程)、当該充填した樹脂材料を、熱を加えるなどにより硬化させることで絶縁性封止材41を形成する。このようにイオン発生素子用基板14の表面に絶縁性封止材41を形成することで、放電電極21・22における基端部33・34とイオン発生素子用基板14との接触部近傍を封止する(封止工程)。なお、充填する樹脂材料としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の絶縁材料が用いられる。
【0066】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、
図8〜
図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0067】
図8は、本発明の実施形態2に係るイオン発生装置の放電電極およびその周辺の構成を示す斜視図である。
図9は放電電極の構成を表す図であり、(a)は正面図であり、(b)は上面図である。
【0068】
イオン発生装置1は、放電電極21・22(
図3、
図4参照)に換えて、放電電極21A・22Aを備えていてもよい。実施形態2に係るイオン発生装置1において、放電電極21A・22A以外の構成は、実施形態1において説明したイオン発生装置1の構成と同様である。
【0069】
放電電極21Aは、放電電極21が備えていた先端部31に換えて、先端部31Aを備えている。先端部31Aは、結束部33bが、導電体25(
図3、
図4参照)に換えて、導電体25Aを結束することで構成されている。
【0070】
放電電極22Aは、放電電極22が備えていた先端部32に換えて、先端部32Aを備えている。先端部32Aは、結束部34bが、導電体26(
図3、
図4参照)に換えて、導電体26Aを結束することで構成されている。
【0071】
先端部31Aの先端面36Aは、放電電極21Aと対向する放電電極22Aに向かって下方(イオン発生素子用基板14に近づく方向)へ傾斜している。先端部32Aの先端面37Aは、放電電極22Aと対向する放電電極21Aに向かって下方へ傾斜している。
【0072】
ここで、放電電極21A・22Aが放出したイオンを、イオン発生装置1外に放出するためにイオン発生装置1に吹き付けられる送風方向Aの風は、特に、放電電極21A・22A間に重点的に吹き付けられる。そこで、上述のように、先端部31Aの先端面36Aを、対向配置された放電電極22Aに向かって下方へ傾斜させ、さらに、先端部32Aの先端面37Aを、対向配置された放電電極21Aに向かって下方へ傾斜させることで、先端面36A・37Aは、効率的に送風方向Aの風を受けることができる。このため、放電電極21A・22Aは、より効率的に、イオンを放出することができる。
【0073】
さらに、先端面36A・37Aの長手方向は、放電電極21A・22Aが並ぶ方向と平行である。これにより、放電電極21A・22Aは、さらに効率的に、イオンを放出することができる。
【0074】
また、先端面36A・37Aは平坦であるため、効率よく、切断工程にて先端部31A・32Aを作製することができる。
【0075】
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、
図10〜
図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1、2にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0076】
図10は、本発明の実施形態3に係るイオン発生装置の放電電極21Bの構成を表す斜視図である。
図11は、
図10に示す放電電極の先端部における先端面近傍を表す正面図である。
【0077】
イオン発生装置1は、放電電極21・22(
図3、
図4参照)に換えて、放電電極21B・21Bを備えていてもよい。実施形態3に係るイオン発生装置1において、放電電極21B・21B以外の構成は、実施形態1において説明したイオン発生装置1の構成と同様である。
【0078】
放電電極21Bは、放電電極21A・22Aが備えていた先端部31A・32Aに換えて、先端部31Bを備えている。先端部31Bは、結束部33bが、導電体25(
図3、
図4参照)に換えて、導電体25Bを結束することで構成されている。
【0079】
先端部31Bの先端面36Bは、平坦ではなく、山形形状が連続する凹凸形状を有している。先端面36Bは、縁部分が凹凸形状を有し、中央部分は平坦な形状である。または、先端面36B全体的に凹凸形状が設けられていてもよい。
【0080】
図11に示すように、凹凸形状は、隣接する導電体25Bの先端面同士が連続する斜面を形成するように形成されている。これにより、切断工程にて先端面36Bを切断する際、凹凸形状を容易に作製することができる。
【0081】
このように、放電電極21Bの先端部31Bにおける先端面36Bは、凹凸形状を有するため、平坦である場合と比べて、送風方向Aの風を受ける面積が大きくなる。このため、効率的に、イオンを放出することができる。
【0082】
図12は、特許文献1に示す中心電極の先端面近傍の様子を表す斜視図である。
図12に示すように、中心電極221の先端部231は、複数の炭素繊維225が結束されることで構成されている。先端部231の先端面236は中央部が窪んだすり鉢状となっている。また、先端部231の先端面236は、円形状となっている。
【0083】
ここで、先端面236が円形状である場合であって、平坦、または、すり鉢状である場合、縁部分にて放電しやすいため、先端部231を長期間通電した場合、放電によって形成される付着物が、先端面236の縁部分に付着しやすい。この付着物が、先端面236の縁部分に沿って全周に渡って形成された場合、先端部231を構成する複数の炭素繊維225は束となり、1本の太い炭素繊維と擬似的に同じものとなる。このように、複数の炭素繊維225が1本の太い炭素繊維と擬似的に同じとなると、先端面236から放出される電子の効率が悪くなる。
【0084】
一方、本実施形態に係る放電電極21Bにおける先端部31Bの先端面36Bは凹凸形状を有するため、先端面36Bの縁部分における、特に凸部分にて放電が集中する。このため、先端面36Bに、放電によって形成される付着物が形成されたとしても、主に、付着物は凸部の頭頂部に形成され、隣接する凸部の頭頂部間には形成され難い。このため、放電電極21Bによると、先端部31Bを長期間通電しても、導電体25B同士がばらけた状態を維持することができる。これにより、放電電極21Bは、イオンを放出する効率が低下することを抑制することができる。換言すると、放電電極21Bは、長期間に渡ってイオンの放出する際の、イオンの放出効率を上げることができる。
【0085】
さらに、先端部31Bの先端面36Bは、楕円形状など、長手方向と、当該長手方向に直交する短手方向とを有する形状であれば、より効率的にイオンの放出効率を上げることができる。なお、先端部31Bの先端面36Bは、長手方向と短手方向とを有さない、円形状などであってもよい。
【0086】
図13は、変形例に係る放電電極21Cにおける先端部31Cの先端面36Cの構成を表す正面図である。
図13に示す放電電極21Cが備える先端部31Cは複数の導電体25Cが結束されて構成されている。先端部31Cの先端面36Cは、隣接する導電体25Cの先端面同士が段差を構成することで、先端面36Cに凹凸形状が構成されている。
図13に示すように、凹凸形状は、隣接する導電体25C同士が1本ずつ段差を形成してもよいし、隣接する複数本の導電体25C同士がまとまって段差を形成してもよい。
図13の凹凸形状によると、
図11に示した凹凸形状と比べて、先端面36Cにおいて不連続点が多くなる。このため、放電電極21Cによると、放電によって形成される付着物を、さらに付着し難くすることができる。
【0087】
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4について、
図14〜
図20に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1〜3にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0088】
図14は、本発明の実施形態4に係るイオン発生装置の放電電極およびその周辺の構成を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【0089】
イオン発生装置1は、放電電極21・22(
図3、
図4参照)に換えて、放電電極21D・21Dを備えていてもよい。実施形態4に係るイオン発生装置1において、放電電極21D・21D以外の構成は、実施形態1において説明したイオン発生装置1の構成と同様である。
【0090】
放電電極21Dは、基端部33(
図3、
図4参照)に換えて基端部33Dを備えている。基端部33Dは、取付部33a(
図3、
図4参照)に換えて、取付部33Daを備えている点で基端部33と相違する。放電電極21Dの他の構成は、放電電極21と同様である。
【0091】
なお、先端部31における基端面(先端面36とは逆側の面)を基端面38と称することにする。基端面38は、先端部31のうち、結束部33bに近い側であり下方側の面である。
【0092】
取付部33Daは、延伸部33Da1と構造体33Da2とを備えている。延伸部33Da1と構造体33Da2とは、同じ金属材料から構成することができる。
【0093】
延伸部33Da1は、イオン発生素子用基板14と接触している基端部33Da1aから、結束部33bとの接続端33Da1bにかけて延伸している部分である。すなわち、延伸部33Da1は、結束部33b及び先端部31を支持する部分である。
【0094】
構造体33Da2は、延伸部33Da1における基端部33Da1aから接続端33Da1bへ至る途中に設けられている。構造体33Da2は、放電電極21Dをイオン発生素子用基板14に取り付ける際に、硬化前の液状である樹脂材料(絶縁性封止材41となる材料)が、延伸部33Da1を這い上がってくることを防止するものである。
【0095】
構造体33Da2は、延伸部33Da1とは異なる形状を有する構造体である。一例として、構造体33Da2は、延伸部33Da1における両板面から突出する凸形状である。
【0096】
ここで、絶縁性封止材41の製造時、液状である樹脂材料(絶縁性封止材41となる材料)に、例えば熱を加えるなどにより硬化させる際、液状である樹脂材料が、延伸部33Da1の基端部33Da1a側から延伸部33Da1を這い上がってくる場合がある。
【0097】
この樹脂材料が先端部31の基端面38に接着してしまうと、当該樹脂材料は複数の細い導電体25による毛細管力によって、先端部31の先端面36へ浸透してしまう。
【0098】
そして、先端部31の先端面36へ浸透した樹脂材料が硬化してしまうと、線状の導電体25の広がりが抑制されることとなる。それゆえ、放電電極21Dにおけるイオン発生能力が低下してしまう。すなわち、イオン発生装置1の性能が低下するという不利益が生じてしまう。
【0099】
そこで、放電電極21Dのように、取付部33Daの延伸部33Da1における基端部33Da1aから接続端33Da1bへ至る途中に、構造体33Da2を設けることにより、上記樹脂材料が延伸部33Da1を這い上がってきたとしても、構造体33Da2が抵抗となり、上記樹脂材料が構造体33Da2より上方へ這い上がることを防止することができる。これにより、上記樹脂材料が、先端部31に付着してしまうことを防止することができる。それゆえ、放電電極21Dにおけるイオン発生能力が低下してしまうことを防止することができる。すなわち、イオン発生装置1の性能が低下することを防止することができる。
【0100】
この構造体33Da2は、延伸部33Da1のうち、上記樹脂材料の表面(すなわち、絶縁性封止材41の表面)よりも上方に設けられていることが好ましい。これにより、確実に、上記樹脂材料の這い上がりを、構造体33Da2によって停止させることができる。
【0101】
また、先端部31の基端面38は、結束部33bの下端面よりも下方に突出している場合がある。この場合、構造体33Da2は、延伸部33Da1のうち、先端部31の基端面38より下方に設けられていることが好ましい。これによると、構造体33Da2によって、延伸部33Da1を這い上がってきた上記樹脂材料が、先端部31の基端面38に付着してしまうことを、確実に防止することができる。
【0102】
構造体は、上記樹脂材料の這い上がりに対する抵抗となればよく、延伸部から突出した凸形状、延伸部から凹む凹形状、または、延伸部に設けられた開口部など、種々の形状を取り得る。以下、構造体33Da2の変形例を幾つか挙げる。
【0103】
なお、各変形例における各構造体を設ける位置は、延伸部33Da1において構造体33Da2を設ける位置と同様である。
【0104】
(変形例1)
図15は、実施形態4に係る放電電極21Dの変形例1に係る放電電極21Eおよびその周辺の構成を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【0105】
放電電極21Eは、基端部33D(
図14参照)に換えて基端部33Eを備えている。基端部33Eは、取付部33Da(
図14参照)に換えて、取付部33Eaを備えている点で基端部33Dと相違する。放電電極21Eの他の構成は、放電電極21Dと同様である。
【0106】
取付部33Eaは、延伸部33Ea1と構造体33Ea2とを備えている。延伸部33Ea1と構造体33Ea2とは、同じ金属材料から構成することができる。構造体33Ea2は、取付部33Eaの延伸部33Ea1における基端部33Ea1aから接続端33Ea1bへ至る途中に設けられている。
【0107】
構造体33Ea2は、延伸部33Ea1の両板面のうち、一方の板面から山形に突出した凸形状であり、他方の板面は山形に凹んだ形状である。構造体33Ea2の形状によっても、上記樹脂材料の這い上がりに対する抵抗となり、当該樹脂材料が、構造体33Ea2よりも上方の延伸部33Ea1へ這い上がることを防止することができる。
【0108】
(変形例2)
図16は、実施形態4に係る放電電極21Dの変形例2に係る放電電極21Fおよびその周辺の構成を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【0109】
放電電極21Fは、基端部33D(
図14参照)に換えて基端部33Fを備えている。基端部33Fは、取付部33Da(
図14参照)に換えて、取付部33Faを備えている点で基端部33Dと相違する。放電電極21Fの他の構成は、放電電極21Dと同様である。
【0110】
取付部33Faは、延伸部33Fa1と構造体33Fa2とを備えている。延伸部33Fa1と構造体33Fa2とは、同じ金属材料から構成することができる。構造体33Fa2は、取付部33Faの延伸部33Fa1における基端部33Fa1aから接続端33Fa1bへ至る途中に設けられている。
【0111】
構造体33Fa2は、延伸部33Ea1の両板面のうち、一方の板面から湾曲して突出した凸形状であり、他方の板面は湾曲して凹んだ形状である。構造体33Fa2の形状によっても、上記樹脂材料の這い上がりに対する抵抗となり、当該樹脂材料が、構造体33Fa2よりも上方の延伸部33Fa1へ這い上がることを防止することができる。
【0112】
(変形例3)
図17は、実施形態4に係る放電電極21Dの変形例3に係る放電電極21Gおよびその周辺の構成を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【0113】
放電電極21Gは、基端部33D(
図14参照)に換えて基端部33Gを備えている。基端部33Gは、取付部33Da(
図14参照)に換えて、取付部33Gaを備えている点で基端部33Dと相違する。放電電極21Gの他の構成は、放電電極21Dと同様である。
【0114】
取付部33Gaは、延伸部33Ga1と構造体33Ga2a・Ga2bとを備えている。構造体33Ga2a・33Ga2bは、取付部33Gaの延伸部33Ga1における基端部33Ga1aから接続端33Ga1bへ至る途中に設けられている。
【0115】
構造体33Ga2aは、延伸部33Ga1に設けられた開口部である。構造体33Ga2bは、延伸部33Ga1の両板面を接続する両側面に設けられた湾曲した凹部である。構造体33Ga2bは、延伸部33Ga1の両側面間の中心までは至らない程度に両側面から凹んでいる。2個の構造体33Ga2bは、対象となるように延伸部33Ga1の両側面に設けられている。
【0116】
構造体33Ga2a・33Ga2bの形状によっても、上記樹脂材料の這い上がりに対する抵抗となり、当該樹脂材料が、構造体33Ga2a・33Ga2bよりも上方の延伸部33Ga1へ這い上がることを防止することができる。
【0117】
(変形例4)
図18は、実施形態4に係る放電電極21Dの変形例4に係る放電電極21Hおよびその周辺の構成を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【0118】
放電電極21Hは、基端部33D(
図14参照)に換えて基端部33Hを備えている。基端部33Hは、取付部33Da(
図14参照)に換えて、取付部33Haを備えている点で基端部33Dと相違する。放電電極21Hの他の構成は、放電電極21Dと同様である。
【0119】
取付部33Haは、延伸部33Ha1と構造体33Ha2とを備えている。延伸部33Ha1と構造体33Ha2とは、同じ金属材料から構成することができる。構造体33Ha2は、取付部33Haの延伸部33Ha1における基端部33Ha1aから接続端33Ha1bへ至る途中に設けられている。
【0120】
構造体33Ha2は、連続して設けられた第1湾曲部と第2湾曲部とを有する。構造体33Ha2の第1湾曲部は、延伸部
33Ha1の両板面のうち、一方の板面から湾曲して突出した凸形状であり、他方の板面は湾曲して凹んだ形状である。構造体33Ha2の第2湾曲部は、延伸部
33Ha1の両板面のうち、一方の板面から湾曲して凹んだ形状であり、他方の板面は湾曲して突出した形状である。
【0121】
構造体33Ha2の形状によっても、上記樹脂材料の這い上がりに対する抵抗となり、当該樹脂材料が、構造体33Ha2よりも上方の延伸部33Ha1へ這い上がることを防止することができる。
【0122】
(変形例5)
図19は、実施形態4に係る放電電極21Dの変形例5に係る放電電極21Iおよびその周辺の構成を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【0123】
放電電極21Iは、基端部33D(
図14参照)に換えて基端部33Iを備えている。基端部33Iは、取付部33Da(
図14参照)に換えて、取付部33Iaを備えている点で基端部33Dと相違する。放電電極21Iの他の構成は、放電電極21Dと同様である。
【0124】
取付部33Iaは、延伸部33Ia1と構造体33Ia2とを備えている。構造体33Ia2は、取付部33Iaの延伸部33Ia1における基端部33Ia1aから接続端33Ia1bへ至る途中に設けられている。
【0125】
構造体33Ia2は、延伸部33Ia1の両側面に設けられた湾曲した凹部である。構造体33Ia2は、延伸部33Ia1の両側面間の中心を超える程度に深く両側面から凹んでいる。2個の構造体33Ia2は、非対象となるように延伸部33Ia1の延伸方向に交互に延伸部33Ia1の両側面に設けられている。
【0126】
構造体33Ia2の形状によっても、上記樹脂材料の這い上がりに対する抵抗となり、当該樹脂材料が、構造体33Ia2よりも上方の延伸部33Ia1へ這い上がることを防止することができる。
【0127】
(変形例6)
図20は、実施形態4に係る放電電極21Dの変形例6に係る放電電極21Jおよびその周辺の構成を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【0128】
放電電極21Jは、基端部33D(
図14参照)に換えて基端部33Jを備えている。基端部33Jは、取付部33Da(
図14参照)に換えて、取付部33Jaを備えている点で基端部33Dと相違する。放電電極21Jの他の構成は、放電電極21Dと同様である。
【0129】
取付部33Jaは、延伸部33Ja1と構造体33Ja2とを備えている。構造体33Ja2は、取付部33Jaの延伸部33Ja1における基端部33Ja1aから接続端33Ja1bへ至る途中に設けられている。
【0130】
構造体33Ja2は、延伸部33Ja1の両側面に設けられた山形状の凹部である。構造体33Ja2は、延伸部33Ja1の両側面間の中心を超える程度に深く両側面から凹んでいる。2個の構造体33Ja2は、非対象となるように延伸部33Ja1の延伸方向に交互に延伸部
33Ja1の両側面に設けられている。
【0131】
構造体33Ja2の形状によっても、上記樹脂材料の這い上がりに対する抵抗となり、当該樹脂材料が、構造体33Ja2よりも上方の延伸部33Ja1へ這い上がることを防止することができる。
【0132】
〔実施形態5〕
本発明の実施形態5について、
図21を参照して説明する。本実施形態では、イオン発生装置を備えた電気機器について説明する。
図21は、本実施形態における電気機器100の内部構成の一例を示す平面図である。
図21を参照し、電気機器100の構成について述べる。
【0133】
図
21に示すように、電気機器100では、イオン発生装置1により発生したイオンを外部に導く通路である送風路102を形成するファン用ケーシング101の一部に、イオン発生装置1が取り付けられている。
【0134】
このため、送風路102内には、イオン発生装置1と、イオン発生装置1で発生させたイオンを搬送する気体を送風する送風装置103と、が設けられている。イオン発生装置1は、送風装置103の送風方向Aの下流側に設けられている。すなわち、送風装置103は、イオン発生装置1の放電電極21・22に対して送風方向Aの気体を送風する。なお、送風装置103は、シロッコファン、クロスフローファンまたはその他のファンであってよい。
【0135】
また、イオン発生装置1は、電気機器100に一体に組み込まれた構成であってもよく、電気機器100に対して取り外し自在に設けられてもよい。イオン発生装置1が電気機器100に対して取り外し自在に設けられていることで、イオン発生装置1の交換や清掃が可能であり、電気機器100のメンテナンスが容易になる。
【0136】
電気機器100の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、イオン発生機、空気調和機、除湿機、加湿器、空気清浄機、ファンヒータまたはその他の機器であってよい。電気機器100は、家屋用であってもよく、車載用であってもよい。電気機器100は、例えば、家屋の室内、ビルの一室、病院の病室、自動車の車室内、飛行機の機内または船の船舶内等の空気を調節するために、好適に用いられる。
【0137】
上述のように、取付部33aは板状として形成されてよい。取付部33aが板状である場合には、電気機器100における送風方向Aを考慮して、板状の取付部33aの板面の向きを設定することがより好ましい。
【0138】
ところで、電気機器100において、上述のように、放電電極の清掃を行う場合、イオン発生装置1を取り外して、当該イオン発生装置1内部の放電電極を清掃している。以下の実施形態6では、電気機器100からイオン発生装置1を取り外すことなく、放電電極の清掃を可能にする例について説明する。
【0139】
〔実施形態6〕
本発明の実施形態6について、
図22〜
図26に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1〜5にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0140】
(イオン発生装置2の全体構成)
図22は、イオン発生装置2の概略構成を示す斜視図であり、(a)はイオン発生前(通風前)の状態を示し、(b)はイオン発生時(通風時)の状態を示す。
【0141】
図22の(a)(b)に示すように、イオン発生装置2は、前記実施形態1のイオン発生装置1と基本的な構成は同じであり、異なるのは、保護板53・54(突出部材)の形成位置及びその形状と、放電電極21・22の先端部31・32(放電部)を清掃するための清掃板55(清掃部材)を備えている点である。
【0142】
イオン発生装置2においても、前記イオン発生装置1と同様に、
図22に示すように、当該イオン発生装置2における前後方向に、放電電極21・22から放出されたイオンを搬送する空気などの気体が送風される。前記の実施形態1〜5と同様に、イオンを搬送する気体を送風する方向を送風方向Aと称することにする。送風方向Aは、
図22以外の
図23等においても同様である。
【0143】
図23の(a)はイオン発生装置2の平面図、(b)は(a)のXX線矢視断面を示し、(c)(d)は放電電極21・22の清掃時の清掃板55の動作を説明する図である。
【0144】
放電電極21・22が突設されたイオン発生素子用基板14は、方形のケース10の上面における前部(風の導入側)の一端に設けられている。そして、保護板53・54も、ケース10の上面における前部(風の導入側)に、放電電極21・22に近接して突設している。これにより、保護板53・54は、前記実施形態1のイオン発生装置1の保護板51・52と同様に、放電電極21・22をそれぞれ保護する。
【0145】
保護板53・54は、放電電極21・22の配列方向である、イオン発生素子用基板14の長手方向(すなわち、イオン発生素子用基板14の長辺14aに平行な方向)に直交する方向に、放電電極21・22を挟んで並設されている。保護板53・54は、風の導入方向(矢印A方向)の風上側から保護板54、保護板53の順で配置されている。
【0146】
保護板53・54の高さの最大値は、放電電極21・22の高さよりも大きく、保護板53・54は、イオン発生素子用基板14の表面に対し放電電極21・22の先端部31・32よりも突出するように、蓋体15の上部に若しくは蓋体15と一体成形により、垂直に突設されている。
【0147】
これにより、イオン発生装置2が例えば転倒した場合でも、放電電極21・22が上記載置台等、イオン発生装置2の外部の物体に直接接触することを防止でき、該接触による破損等を防止できる。
【0148】
ここで、保護板53・54の高さとは、上下方向の長さ、すなわち、蓋体15の表面から保護板53の上面までの高さ、並びに、蓋体15の表面から保護板54の上面までの高さを示す。
【0149】
なお、保護板53・54の高さは、イオン発生素子用基板14の表面に対し放電電極21・22の先端部31・32よりも突出するように形成されていれば、特に限定されるものではない。但し、保護板53・54の高さが高くなると、その分、イオン発生装置2が大型化する。このため、保護板53・54の高さは、例えば、イオン発生装置2が転倒した場合に、放電電極21・22が、上記載置台等、イオン発生装置2の外部の物体に直接接触しない程度の高さに形成されていることが望ましい。
【0150】
また、保護板53・54は、それぞれ、放電電極21・22と保護板53・54との間の距離が、放電電極21・22の先端部31・32の長さよりも長くなるように、放電電極21・22から離間して配置されている。
【0151】
このため、先端部31を構成する導電体25(
図3)同士あるいは先端部32を構成する導電体26(
図3)同士が反発して先端部31・32が広がることで、導電体25・26がどのような角度に倒れたとしても、導電体25・26が保護板53・54に直接接触することがなく、リークの発生を防止することができる。
【0152】
保護板53・54は、何れも放電電極21・22に対向する部分に開口部53a,54aが形成されている。これにより、保護板53・54は、放電電極21・22を保護しつつ、当該放電電極21・22に対して送風方向Aからの風が開口部53a,54aを通じて当てることができる構造となっている。
【0153】
保護板53に対して風上側に配置された保護板54には、各開口部54aを覆い、且つ当該各開口部54aの上端部で回動軸56によって回動自在に支持された清掃板55がそれぞれ形成されている。つまり、
図22の(b)に示すように、送風方向Aからの風に押されて清掃板55は保護板53側に回動した状態のときに、各開口部54aを通して放電電極21・22に風が当たるようになっている。
【0154】
清掃板55は、例えばプラスティック等の樹脂を成型した板状の部材からなり、イオン発生装置2において生じる送風方向Aからの風が吹き付けることで回動できる程度の重量で形成されている。前記樹脂材料はケース材料と同一であっても異なっていてもよく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PTFE、ポリ塩化ビニル、ABS、アクリル、ナイロン、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の樹脂でよいが、耐摩耗性の観点からポリアセタールやナイロンが好適である。なお、清掃板55の材料はこれに限定されるものではなく、風により回動できる軽量さと、回動し放電電極21・22の先端部31・32を清掃できる強度をもち合わせていればよい。例えば清掃板55は、
図25の(a)(b)に示すように、回動中心となる上端部55aと、送風方向Aからの風を受ける風受面55b及び反対面55cを有する板状の部材からなる。
【0155】
2枚の清掃板55は、保護板53側に回動する際に、放電電極21・22のそれぞれの先端部31・32に当接する長さにそれぞれ設定されている。これにより、2枚の清掃板55は、保護板53側に回動することにより、放電電極21・22のそれぞれの先端部31・32に当接し、当該先端部31・32に付着した埃やごみを払い除けることで、当該放電電極21・22の清掃を行う。
【0156】
なお、清掃板55は、
図25に示す形状に限定されるものではなく、保護板53側に回動したときに放電電極21・22のそれぞれの先端部31・32に当接するような形状であればどのような形状であってもよい。他の形状の清掃板については後述する。
【0157】
(清掃板55による清掃動作)
図23の(b)〜(d)を参照しながら清掃板55による放電電極21・22の清掃動作について説明する。
【0158】
イオン発生装置2によるイオン発生前、
図23の(b)に示すように、清掃板55は保護板54に重なる位置に待機し、イオン発生が開始されると送風方向Aから風が吹き、
図23の(c)に示すように、清掃板55は保護板53側に回動し、当該清掃板55が送風方向Aとほぼ平行になる位置まで回動した状態で風が吹き続ける間維持される。この状態のとき、放電電極21・22にて発生したイオンが送風方向Aからの風によって保護板53側に吹出し、イオン発生装置2の外にイオンを放出する。そして、送風方向Aからの風を止めると、
図23の(d)に示すように、清掃板55は自重により保護板54側に回動し元の位置に戻る。
【0159】
ここで、イオン発生装置2によるイオン発生開始時(送風開始時)には、
図23の(b)(c)に示すように、清掃板55が回動する際に、当該清掃板55の先端部が放電電極21・22の先端部31・32に当接する。また、イオン発生装置2によるイオン発生停止時(送風停止時)には、
図23の(c)(d)に示すように、清掃板55が回動する際に、当該清掃板55の先端部が放電電極21・22の先端部31・32に当接する。
【0160】
このように、イオン発生装置2では、イオン発生開始時(送風開始時)とイオン発生停止時(送風停止時)との2回放電電極21・22に清掃板55が当接することで、当該放電電極21・22の清掃を行うことになる。
【0161】
清掃板55の長さは、上述したように、回動動作により放電電極21・22の先端部31・32に当接する長さが必要であるが、清掃板55の幅は、開口部54aを完全に覆う幅でなくてもよく、送風方向Aからの風を受け止めて当該清掃板55が回動できる程度の幅であれば、当該開口部54aの幅よりも狭くてもよい。
【0162】
(清掃板55の戻り動作)
図23では、清掃板55が自重により保護板54の元の位置までに戻る例を示したが、清掃板55が付勢力によって保護板54の元の位置まで戻るようにしてもよい。
図24は、清掃板55を付勢力によって保護板54の元の位置まで戻るようにする例を示す図であり、(a)は清掃板55が保護板54に重なる位置に待機した状態を示し、(b)は清掃板55が送風方向Aからの風により、当該送風方向Aと逆方向に作用する付勢力に抗して回動している状態を示している。
【0163】
図24の(a)(b)に示すように、清掃板55の回動方向に突出した保護板54の上端部54bと当該清掃板55の上端部側との間に、付勢力を付与する部材としてバネ60が設けられている。このバネ60は、清掃板55に対して、当該清掃板55が風により回動する方向とは逆方向に付勢力を与えるものである。なお、バネ60の付勢力は、送風方向Aからの風により清掃板55が保護板53側に回動し、
図23の(c)に示すように、放電電極21・22に風を当てることが可能な程度であって、且つ当該清掃板55の回動状態を維持し得る程度の力であることが好ましい。
【0164】
なお、バネ60としては、コイルバネ、板バネ等を用いることができ、上述した付勢力を付与するバネであればどのようなバネであってもよい。また、付勢力を付与する手段として、バネ60に限定されるものではなく、清掃板55が送風による外力を受けないときに、元の位置(保護板54の待機位置)に戻るような外力を付与する機械的機構であればよい。
【0165】
上記のように、バネ60を設けることで、イオン発生停止
時(通風停止時)に、清掃板55を保護板54の所定の位置(待機位置)で動かないようにすることが可能となる。つまり、送風方向Aからの風がなければ、清掃板55は待機位置で動かないため、清掃板55が必要とされる場合(イオン発生時)以外に、清掃板55が回動することはない。このため、清掃板55が不要な回動を行うことにより、清掃板55が必要以上に放電電極21・22に接触するのを防ぐことで、当該放電電極21・22の損傷や劣化を低減できるという効果を奏する。
【0166】
(清掃板の構造)
図25は、
図22〜
図24に示した清掃板55の概略構成図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
図26は、他の例を示す概略構成図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【0167】
清掃板55は、
図25に示すように、風受面55bが平面であるため、ある程度の風を受けることができるものの、さらに風を受けるためには、
図26に示す形状の清掃板61を用いるのが好ましい。
【0168】
すなわち、清掃板61は、
図26に示すように、回動中心となる上端部61aと、送風方向Aからの風を受ける風受面61b及び反対面61cからなる部材とからなる。風受面61bは送風方向Aに向かって窪み、これに伴って反対面61cが送風方向Aに向かって突出している。このように、清掃板61は、風受面61bが窪んでいるため、
図25の清掃板55よりも風を受けやすいので、少ない外力で回動することができる。このため、清掃板61の軽量化を図ることができる。
【0169】
なお、清掃板55、清掃板61は、何れも帯電防止処理を施すことが好ましい。このように、帯電防止処理を施した清掃板55、清掃板61を用いれば、当該清掃板55、清掃板61自身に埃やごみが付着するのを防止することができる。例えば、清掃板55、清掃板61に帯電防止処理が施されなければ、当該清掃板55、清掃板61は、放電電極21・22から払い落とした埃やごみが付着する虞があるが、上記のように帯電防止処理を施した清掃板55、清掃板61であれば、放電電極21・22から払い落とした埃やごみが付着する虞はない。
【0170】
送風方向Aからの風による外力は、清掃板55、清掃板61を回動できる以上の力であればよく、放電電極21・22の先端部31・32を構成している複数の線状の導電体25・26(
図3)を横方向(
送風方向Aに直交する方向)に押し広げる力以上であることが好ましい。これにより、放電電極21・22にて発生したイオンを効率よく発生させることが可能となる。
【0171】
また、清掃板55、清掃板61が元の位置(保護板54の待機位置)に戻る際の力は、放電電極21・22の先端部31・32を構成している複数の線状の導電体25・26(
図3)を横方向(
送風方向Aに直交する方向)に押し広げる力以上であることが好ましい。これにより、放電電極21・22に付着した埃やごみを効率よく除去することが可能となる。
【0172】
なお、前記実施形態6では、清掃板55を保護板54に設けた例について説明したが、これに限定されるものではなく、清掃板55は、放電電極21・22よりも送風方向Aの風上に設けられ、当該送風方向Aからの風により駆動して、当該放電電極21・22の放電部に接触できる位置であればどこに設けてもよい。
【0173】
また、放電電極21・22の放電部を清掃する清掃部材として、上記の清掃板55、清掃板61のような板状のものについて説明したが、これに限定されるものではなく他の形状であってもよい。
【0174】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るイオン発生装置1は、放電によりイオンを発生させる放電電極21・22を備え、上記放電電極21・22は、複数の線状の導電体25・26を有する先端部31・32と、当該複数の導電体25・26の基端部を結束する結束部33b・34bと、当該結束部33b・34bを自装置(イオン発生装置1)に支持することで取り付けるための取付部33a・34aとを有し、上記複数の線状の導電体25・26の先端面36・37は長手方向及び短手方向を有する形状であり、上記イオンを搬送するために上記放電電極21・22に送風される気体の送風方向Aと、上記先端面36・37の上記長手方向とは非平行であることを特徴とする。
【0175】
これにより、上記先端面における長手方向が上記送風方向と平行である場合と比べて、上記先端面が効率よく風を受けるため、上記放電電極は、効率よくイオンを上記先端面から放出し、拡散することができる。このため、効率的にイオンを放出することができるイオン発生装置を得ることができる。
【0176】
本発明の態様2に係るイオン発生装置1は、上記態様1において、上記先端面36・37の上記長手方向と、上記送風方向Aとは垂直であってもよい。上記構成によると、上記先端面は、さらに、効率よく風を受けるため、より効率よくイオンを上記先端面から放出し、拡散させることができる。
【0177】
本発明の態様3に係るイオン発生装置1は、上記態様1又は2において、上記放電電極21・22を2本備え、上記2本の放電電極21・22が並ぶ方向と、上記送風方向Aとは垂直であってもよい。上記構成によると、上記2本の放電電極間に多くの風が送風される。このため、上記先端面は効率よく風を受けるため、より効率よくイオンを上記先端面から放出し、拡散させることができる。
【0178】
本発明の態様4に係るイオン発生装置1は、上記態様1〜3において、上記先端面36Bの縁部分は凹凸形状を有することが好ましい。上記構成によると、放電は、上記凹凸形状のうち、特に凸部分の頭頂部に集中する。このため、放電によって形成される付着物も上記凸部分の頭頂部に形成され、凸部分の頭頂部間には形成され難い。このため、先端部を長期間通電しても、複数の導電体同士がばらけた状態を維持することができる。これにより、上記放電電極は、イオンを放出する効率が低下することを抑制することができる。換言すると、上記放電電極は、長期間に渡ってイオンの放出する際の、イオンの放出効率を上げることができる。
【0179】
本発明の態様5に係るイオン発生装置1は、上記態様1〜4において、上記取付部33Daの基端部33Da1を封止する樹脂(絶縁性封止材41)をさらに備え、上記取付部33Daは、上記取付部33Daの基端部33Da1aから、上記結束部33bとの接続端33Da1bにかけて延伸する延伸部33Da1と、当該延伸部33Da1に設けられ当該延伸部33Da1とは異なる形状の構造体33Da2とを有してもよい。
【0180】
上記構成によると、硬化する前の上記樹脂が上記延伸部に沿って這い上がってきても、上記延伸部とは異なる形状の上記構造体が抵抗となり、上記硬化する前の上記樹脂が、上記構造体より上方へ這い上がることを防止することができる。これにより、上記硬化する前の上記樹脂が、上記複数の線状の導電体に付着することを防止することができる。このため、上記放電電極におけるイオン発生能力が低下してしまうことを防止することができる。
【0181】
本発明の態様6に係るイオン発生装置1は、上記態様5において、上記構造体33Da2〜33Ja2は、上記延伸部から突出した凸形状、上記延伸部から凹む凹形状、または、上記延伸部に設けられた開口部のうち、少なくとも一つを含んでもよい。これにより、上記構造体は、上記硬化する前の上記樹脂の這い上がりに対する抵抗となる。このため、当該硬化する前の上記樹脂が、上記構造体より上方へ這い上がることを防止し、上記複数の線状の導電体に付着することを防止することができる。
【0182】
本発明の態様7に係るイオン発生装置の製造方法は、上記態様6に記載のイオン発生装置の製造方法であって、液状の樹脂材料を硬化させて、上記樹脂(絶縁性封止材41)を形成する工程を含むことが好ましい。これにより、上
記液状の樹脂材料が、上記構造体より上方へ這い上がることを防止し、上記複数の線状の導電体に付着することを防止して、上記樹脂(絶縁性封止材41)を形成することができる。このため、上記放電電極におけるイオン発生能力が低下してしまうことを防止したイオン発生装置を得ることができる。
【0183】
本発明の他の態様に係るイオン発生装置1は、上記態様において、上記2本の放電電極21A・22Aにおけるそれぞれの上記先端面36A・37Aは、互いに対向する放電電極21A・22A側に向かって下方へ傾斜していてもよい。
【0184】
これにより、2本の放電電極間に吹き付けられた風を、上記先端面は効率よく受けることができる。このため、より効率よくイオンを上記先端面から放出し、拡散させることができる。
【0185】
本発明の態様8に係るイオン発生装置2は、上記態様1〜5において、放電電極21・22よりも送風方向Aの風上に設けられ、当該送風方向Aからの風により駆動して、当該放電電極21・22の放電部(先端部31・32)に接触することで当該放電部(先端部31・32)を清掃する清掃部材(清掃板55、清掃板61)をさらに含んでいることが好ましい。
【0186】
上記構成によると、風による外力で駆動する清掃部材によって放電電極の放電部が清掃される。つまり、放電電極の放電部の清掃は受動的に行われる。これにより、ユーザは、放電電極の放電部の清掃を能動的に行う必要はなく、放電部の清掃は受動的(自動的)に行われる。従って、放電電極の放電部の清掃は、放電電極への送風開始により行われるため、ユーザが清掃を忘れるということはなく、ユーザが清掃を忘れることに起因する放電電極の放電部の汚れを低減できるため、イオンの発生量の低減を抑制できる。
【0187】
本発明の他の態様に係る電気機器100は、上記イオン発生装置1と、上記放電電極21・22に対し、上記送風方向Aの気体を送風する送風装置103とを備えていることが好ましい。上記構成により、効率的にイオンを放出することができる電子機器を得ることができる。
【0188】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。