特許第6759353号(P6759353)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6759353シート形態要素を処理するための排出器部材及び機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6759353
(24)【登録日】2020年9月4日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】シート形態要素を処理するための排出器部材及び機械
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/18 20060101AFI20200910BHJP
   B31B 50/20 20170101ALI20200910BHJP
   B26D 7/22 20060101ALI20200910BHJP
【FI】
   B26D7/18 G
   B31B50/20
   B26D7/22 B
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-547300(P2018-547300)
(86)(22)【出願日】2017年3月9日
(65)【公表番号】特表2019-510649(P2019-510649A)
(43)【公表日】2019年4月18日
(86)【国際出願番号】EP2017025045
(87)【国際公開番号】WO2017153056
(87)【国際公開日】20170914
【審査請求日】2018年11月7日
(31)【優先権主張番号】16020072.1
(32)【優先日】2016年3月9日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512159605
【氏名又は名称】ボブスト メックス ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Bobst Mex SA
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【弁理士】
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】ルシェ クリストフ
【審査官】 山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/0023369(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0296142(US,A1)
【文献】 特開平04−223144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/00 − 11/00
B26F 1/00 − 3/16
B31B 50/00 − 70/99
B31C 1/00 − 99/00
B31D 1/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の歯(10)を含むくし(4)を含み、ループ状経路に沿って移動する把持器バーに把持されているシート形態要素を処理するために機械(1)においてオン・ザ・フライでシートから廃棄物を除去するための排出器部材(2)であって、
前記くし(4)は、第1の姿勢及び少なくとも1つの第2の姿勢を選ぶことが可能であるように構成され、単位時間あたりに処理されるシート形態要素の数が閾値よりも小さい場合は前記第1の姿勢にあり、単位時間あたりに処理されるシート形態要素の数が前記閾値よりも大きい場合は前記第2の姿勢にあり、該くし(4)の中心が、該第2の姿勢では該くし(4)の外側端に対して前記ループ状経路の外方に後退しており、該くし(4)の該中心は、前記第2の姿勢では前記第1の姿勢におけるよりも前記ループ状経路の外方にに後退している、
ことを特徴とする排出器部材(2)。
【請求項2】
前記第1の姿勢では、前記くし(4)の全体形状が直線であることを特徴とする請求項1に記載の排出器部材(2)。
【請求項3】
前記第2の姿勢では、凹面である前記くし(4)の全体形状が、直線部分の端部によって接続された少なくとも2つの直線部分(9a、9b)によって形成され、2つの隣接する直線部分(9a、9b)の間の角度が、180°よりも小さいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の排出器部材(2)。
【請求項4】
前記第2の姿勢では、前記くし(4)の全体形状が、三角形の内側に内接することができることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の排出器部材(2)。
【請求項5】
前記第2の姿勢では、前記くし(4)の前記中心は、前記第1の姿勢での該くし(4)の該中心の位置に対して1と5ミリメートルの間の距離(d)だけ後退していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の排出器部材(2)。
【請求項6】
前記くし(4)は、少なくとも1つの変形可能ゾーン(12a、12b)を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の排出器部材(2)。
【請求項7】
前記変形可能ゾーン(12a、12b)は、薄化及び/又は少なくとも1つのオリフィス(15)によって形成されることを特徴とする請求項6に記載の排出器部材(2)。
【請求項8】
前記くし(4)は、少なくとも1つの連結部を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の排出器部材(2)。
【請求項9】
前記くし(4)は、互いに接合されて互いに対して移動することができる少なくとも2つの直線部分(9a、9b)を含むことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の排出器部材(2)。
【請求項10】
前記くし(4)の中間で互いに接合された2つの直線部分(9a、9b)を含むことを特徴とする請求項9に記載の排出器部材(2)。
【請求項11】
前記少なくとも2つの直線部分(9a、9b)は、互いに接合され、かつ前記くし(4)の少なくとも3つの変形可能ゾーン(12a、12b)によって排出器部材(2)のベース(3)に接合されることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の排出器部材。
【請求項12】
前記くし(4)に力が作用していないとき、前記くし(4)は、前記第2の姿勢にあることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の排出器部材(2)。
【請求項13】
前記くし(4)に前記第1の姿勢又は前記第2の姿勢を選ばせるように構成された起動機構(13)を含むことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の排出器部材(2)。
【請求項14】
記機械(1)のそれぞれのチェーンセット案内デバイス(90)に固定するように構成された2つの支持体(5)を含み、
前記支持体(5)は、前記くし(4)に接続された排出器部材(2)のベース(3)によって担持されたそれぞれの側板と該支持体(5)に関連して修正することができる傾斜を有して該ベース(3)を該支持体(5)に固定するために協働する、
ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の排出器部材(2)。
【請求項15】
シート形態要素を処理するための機械(1)であって、
械(1)のコピー受け入れステーション(500)の下流で機械(1)の搬送デバイス(70)のチェーン案内デバイス(90)上に配置された請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の排出器部材(2)、
を含むことを特徴とする機械(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート形態要素を処理するための機械においてオン・ザ・フライでシートから廃棄物を除去するための排出器部材に関する。本発明はまた、そのような排出器部材を含むシート形態要素を処理するための機械に関する。
【背景技術】
【0002】
コピーの分離は、廃棄物を成形して排出した後に、シート上のコピーを取り付けるポイントを切り離し、受け入れゾーンにコピーを受け入れる段階を伴う。廃棄物とも呼ばれるシートの残余部分は、それを廃棄物除去ステーションにもたらすことができるようにシート移送デバイスの把持器バーの把持器に把持されたままである。
【0003】
把持器バーは、通常は、打ち抜きプレスの両側面の一方にそれぞれ位置決めされた2つのループ状チェーンによって駆動され、把持器バーの2つの端部がそれに固定される。把持器バーによって搬送される廃棄物の進行方向に対して横断方向に延びるくしの形態の静的排出器が、廃棄物除去ステーションに配置される。
【0004】
把持器バーの経路は、チェーンセットループの曲げ部を上がる時にバーの把持器が、それらが排出器を遮断する時に開くように、廃棄物除去ステーションでのその開口と同期している。把持器バーによって担持されたシートは、それが放出ベルトの上にピボット回転するように、把持器バーの把持器の間を通る歯を有するくしにそれが衝突する前に解除される。
【0005】
排出は、廃棄物除去ステーション内の把持器バーの急変経路が切断シートを放出ベルトの上にピボット回転させるために直接に使用されるので「オン・ザ・フライ」であると言われる。オン・ザ・フライでの排出は、把持器バーを節約することを可能にする。具体的に、オン・ザ・フライ排出なしでは、把持器バーから切断シートを除去するために、機械は、把持器バーが廃棄物のシートを降ろすために停止すると考えられる追加の廃棄物除去ステーションを含むことが必要であろう。チェーンセットは、次に、追加の把持器バーだけ長くする必要があると考えられ、これは、何らかの高価で空間を占めるものである。
【0006】
オン・ザ・フライで廃棄物を除去するこの方法は、把持器バーが開いた状態で、くしと把持器の間の遮断が、くしが廃棄物のシートと接触状態になることを可能にし、かつ把持器がくしの歯の間をそれと接触することなく通ることを可能にするという前提で機能する。
【0007】
しかし、把持器バーがその急変を行うので、それは遠心力を受け、その強度は、機械スループットの増加と共に増加する。10 000シート/時間での及びそれを超えるような高スループットでは、把持器バーは、遠心力の影響下で変形する。把持器バーと静的排出器の間の遮断の条件は、次に、もはや保証されない可能性があり、廃棄物除去機能は、従って、もはや正しく保証されない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、低及び高スループットの両方での廃棄物のオン・ザ・フライ排出を保証することを可能にする改良型排出器部材を提案することが本発明の目的の1つである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、本発明の1つの主題は、複数の歯を含むくしを含み、ループ状経路に沿って移動する把持器バーに把持されているシート形態要素を処理するために機械においてオン・ザ・フライでシートから廃棄物を除去するための排出器部材であって、くしは、第1の姿勢及び少なくとも1つの第2の姿勢を選ぶことが可能であるように構成され、単位時間あたりに処理されるシート形態要素の数が閾値よりも小さい場合は第1の姿勢にあり、単位時間あたりに処理されるシート形態要素の数が閾値よりも大きい場合は第2の姿勢にあり、くしの中心が、第2の姿勢ではくしの外側端に対してループ状経路の外方に後退しており、くしの中心は、第2の姿勢では第1の姿勢におけるよりもループ状経路の外方に更に後退していることを特徴とする上記排出器部材である。
【0010】
把持器バーが変形している時の第2の姿勢での又は把持器バーが真っ直ぐである時の第1の姿勢でのくしの姿勢は、把持器バー及びくしが互いに遮断する時に、くしの形状が、移動する把持器バーの曲率を最もよく模倣するように、くしの曲率を機械スループットに適するように適応させることを可能にする。把持器は、次に、衝突の危険なしに、把持器バーの中心でその端部でのようにシート廃棄物に衝突するくしの歯の間を通ることができる。
【0011】
単独又は組合せで考えられる排出器部材の1又は2以上の特徴により、
第1の姿勢では、くしの全体形状は直線であり、
第2の姿勢では、凹面であるくしの全体形状は、直線部分の端部によって接続された少なくとも2つの直線部分によって形成され、2つの隣接する直線部分の間の角度は、180°よりも小さく、
第2の姿勢では、くしの全体形状は、三角形の内側に内接することができ、
第2の姿勢では、くしの中心は、第1の姿勢でのくしの中心の位置に対して1と5ミリメートルの間の距離だけ後退し、
−くしは、少なくとも1つの変形可能ゾーンを含み、
−変形可能ゾーンは、薄化及び/又は少なくとも1つのオリフィスによって形成され、
−くしは、少なくとも1つの連結部を含み、
−くしは、互いに接合されて互いに対して移動することができる少なくとも2つの直線部分を含み、
−排出器部材は、くしの中間で互いに接合された2つの直線部分を含み、
−少なくとも2つの直線部分は、互いに接合され、かつくしの少なくとも3つの変形可能ゾーンによって排出器部材のベースに接合され、
−静止状態では、くしは、第2の姿勢にあり、
−排出器部材は、第1の姿勢又は第2の姿勢をくしに選ばせるように構成された起動機構を含み、
−排出器部材は、処理機械のそれぞれのチェーンセット案内デバイスに固定されるように構成された2つの支持体を含み、支持体は、支持体との関連で修正することができる傾斜を有してベースを支持体に固定するためにくしに接続された排出器部材のベースによって担持されたそれぞれの側板と協働する。
【0012】
本発明の別の主題は、シート形態要素を処理するための機械であり、それが、処理機械のコピー受け入れステーションの下流で処理機械の搬送デバイスのチェーン案内デバイス上に配置された上述の排出器部材を含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
更に別の利点及び特徴は、本発明の説明を読むことから及び本発明の1つの非限定的な例示的実施形態を描く添付図面を調査することから明らかになるであろう。
【0014】
図1】シート形態要素を処理するための機械の一例を非常に概略的に示す図である。
図2】排出器部材の3つの異なる角度向きに関して搬送デバイス上に装着された排出器部材の要素の側面図である。
図3】高スループットの第2の姿勢での図2の排出器部材を示す図である。
図4】低スループットの第1の姿勢での図2の排出器部材を示す図である。
図5】くしの変形可能末端ゾーンの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
これらの図では、同一の要素は、同じ参照番号を有する。以下の実施形態は例である。説明は、1又は2以上の実施形態を参照するが、これは、各参照が同じ実施形態に関連すること又は特徴が1つの単一実施形態だけに適用されることを必ずしも意味しない。様々な実施形態からの単純な特徴はまた、他の実施形態を形成するために組み合わせる又は交換することができる。
【0016】
長手、垂直、及び横断方向は、三面座標系(L、V、T)によって図1及び3に示すように指定される。横断方向Tは、シートDの進行の長手方向に対して垂直な方向である。水平平面は、(L、T)平面に対応する。
【0017】
用語上流及び下流は、図1に矢印Dによって示すようにボード要素の進行の方向に関して定められる。これらの要素は、定期的停止によって調整された移動で機械の長手主軸線にほぼ沿って上流から下流に移動する。
【0018】
用語「平坦要素」及び「シート」は、均等物であるように以下では考えられ、パッケージング産業で一般的に使用される平坦ボード、紙、又はあらゆる他の材料に関して波形ボードで作られた要素に等しく関連することになる。このテキストを通して用語「シート」又は「シート要素」又は「シート形態要素」は、非常に一般的には、例えば、ボード、紙、プラスチックなどのシートのようなシート形態にあるあらゆる印刷媒体に関連することを理解しなければならない。
【0019】
図1は、シートを変換するための処理機械1の一例を描いている。この処理機械1は、並置されているが互いに相互依存してユニットアセンブリを形成するいくつかのワークステーションの従来の方法で構成される。すなわち、給送ステーション100、プラテンプレス301を含むステーションのようなシートを切断するための変換ステーション300、廃棄物放出ステーション400、変換シートがパイルに再編成されるコピー分離ステーション500、及び切断シート廃棄物(一般的に、グリッドの形態にある)がオン・ザ・フライで除去される廃棄物除去ステーション600がある。
【0020】
各シートを変換する作動は、変換ステーション300内で、例えば、与えられた形状の複数の箱を取得するために取得されることになる展開形状に対応するテンプレートにシートを切断するための移動する機能を有して装着されたプレス301の固定プラテンと下側プラテン間で行われる。可動プラテンは、機械サイクル当たり1回連続的に上げられて下げられる。
【0021】
搬送デバイス70が、給送ステーション100の出口からプレス関連の変換ステーション300を通じて廃棄物除去ステーション600まで遠くに個々に各シートを移動するために同じく設けられる。
【0022】
搬送デバイス70は、一般的に把持器バー75と呼ばれる把持器を備えた複数の横断バーを含み、把持器の各々は、その前縁に沿ってシートを機械1の様々なワークステーション300、400、500、600にそれを連続的に引き込む前に順番に捕捉する。
【0023】
把持器バー75の端部の各々は、一般的にチェーンセット80と呼ばれるループ形成横チェーンにそれぞれ接続される。2つのチェーンセット80は、従って、把持器バー75の各側で横方向に配置される。
【0024】
搬送デバイス70はまた、それぞれのチェーンセット80を案内するように構成された少なくとも1つのチェーン案内デバイス90を含む。
【0025】
駆動スプロケット72でチェーンセット80に伝達される移動により、把持器バー75の集合は、停止位置を離れることになり、加速することになり、最高速度に達することになり、減速することになり、次に停止することになり、すなわち、1つのワークステーションから次のワークステーションまでのシートの移動に対応するサイクルを説明する。チェーンセット80は、各移動中に全ての把持器バー75が1つのステーションから下流の隣接ワークステーションまで移動しているように定期的に移動して停止する。各ステーションは、一般的に機械サイクルと呼ばれるこのサイクルと同期してその仕事を実行する。
【0026】
処理機械1内の処理ステーションの数及び性質は、シート上で実行される作動の性質及び複雑性に従って変わる可能性がある。本発明の関連内では、処理機械の考えは、従って、これらのアセンブリのモジュール的性質のために非常に広範な実施形態を網羅する。使用するワークステーションの数、性質、及びレイアウトに依存して、多数の異なる処理機械を取得することが実際に可能である。エンボス又は折り目付けステーションのような、又は1又は2以上のスタンピングテープに由来するフィルムを各シートに付加することによってパターンがプレスのプラテン間に生成されるスタンピング又はホットホイルスタンピング機械のためのスタンピングテープを装填するためのステーションのような言及したもの以外のタイプのワークステーションがあることを強調することも必要である。最後に、1つの同じ処理機械には、1つの同じタイプのいくつかステーションを非常に良好に備えることができることを認めなければならない。
【0027】
搬送デバイス70の要素が、図1に概略的に示されている。この図は、この例では8である複数の把持器バー75を示し、これらは、機械1の様々なワークステーション300、400、500、600、チェーンセット80、及びコピー分離ステーション500の下流の廃棄物放出ステーション600に配置されたチェーン案内デバイス90までシートが移動されることを可能にする。チェーンセット80を駆動する駆動スプロケット72は、給送ステーション100の近くの反対側に配置される。
【0028】
図2に最もよく見ることができるように、各チェーン案内デバイス90は、ループ内の曲げ部を通して滑車91に向けてチェーンセット80を案内するようにチェーンセット80をそれが滑車91及び湾曲形状の下側チェーンガイド93を離れる時に案内するために、例えば、滑車91又はスプロケットホイール又は円筒形の単純ガイド、並びに例えば機械1内に実質的に水平に配置された上側チェーンガイド92を含む。チェーン案内デバイス90は、機械1の横断シャフトによって互いに接続することができ、又は各側で可動部品に別々に接続することができる。
【0029】
廃棄物放出ステーション600は、切断シート廃棄物をオン・ザ・フライで放出するための排出器部材2を含み、その前縁は、把持器バー75に係合している。
【0030】
排出器部材2は、ベース3と、ベース3に接続されたくし4と、それぞれのチェーンセット案内デバイス90に、例えば、下側チェーンガイド93(図示せず)のためのチェーンガードに固定されるように構成された2つの横支持体5とを含む。
【0031】
ベース3は、例えば、例えばシートメタルで作られた中空平行六面体の全体形状を有する。ベース3は、例えば、垂直に延びて支持体5と協働する側板を担持する。
【0032】
くし4は、この例(図3及び4)では10の複数の歯10を含む。歯10は、実質的に同一の寸法を有し、かつ歯10の間に挿入された空間内の把持器バー75の把持器の通過を可能にするように均等に離間している。歯10の数及び位置は、使用する把持器バーのタイプに従って変わる場合がある。
【0033】
くし4は、図5に見ることができるように、例えば、例えば層状に重ねられた2つの別々の材料で形成される。歯10は、例えば、下側部分に衝撃のノイズを制限することを可能にするプラスチック材料4aと、上側部分に良好な機械的強度を与える金属材料4bとを含む。
【0034】
支持体5は、支持体5に関して修正可能な傾斜を有してベース3を固定するためにベース3によって担持されたそれぞれの側板と協働するように構成される(図2)。くし4の傾斜は、従って、廃棄物シートの厚みに従って方向付けることができ、これは、把持器バー75の把持器が、それらがくし4の歯10を遮断する時に十分に開いていることを保証することを可能にする何らかのものである。
【0035】
一実施形態により、排出器部材2は、予め定められた数の異なる向きによって傾斜することができるように構成され、異なる厚みのボードが通ることを可能にする。図2は、すなわち、排出器部材2がシート廃棄物の厚みに従って選ぶことができる3つの角度位置に対する例を示している。
【0036】
くし4はまた、低スループットの第1の姿勢図4)及び少なくとも1つの高スループットの第2の姿勢図3)を選ぶことができるように構成される。
【0037】
低スループットの第1の姿勢では、くし4は、例えば、シート形態要素Dの進行の長手方向に対して垂直な横断方向Tに一線に延びる。低スループットの第1の姿勢でのくし4は、すなわち、例えば、10 000シート/時間(s/h)の程度のような予め決められたスループット閾値よりも低い機械スループットのための低スループットで作動する機械1に対する把持器バー75のものを補完する直線又は実質的に直線の全体形状を有する。
【0038】
高スループットの第2の姿勢では、くし4の形状は、凹面形状に引き戻され、くし4の中心は、シート形態要素Dの進行の長手方向にその外側端に対して後退している。この高スループットの第2の姿勢では、くし4の中心は、低スループットの第1の姿勢におけるよりも更に深く後退している。
【0039】
くし4の中心は、例えば低スループットの第1の姿勢に対して3mmの程度のような1と5ミリメートルの間の距離dだけ後退する。引き戻し位置のくし4の曲率は、高スループットで作動する機械1に対する、つまり予め決められたスループット閾値を超える機械スループットに対する移動において把持器バー75の曲率を近似する形状を有する。
【0040】
把持器バー75が変形する時の高スループットの第2の姿勢、又は把持器バー75が真っ直ぐである時の低スループットの第1の姿勢でのくし4の姿勢は、把持器バー75及びくし4が互いに遮断する時にくし4の形状が移動する把持器バー75の曲率に最もよく適合するように、機械スループットに適するようにくし4の曲率を適応させることを可能にする。把持器は、従って、衝突の危険なしに、把持器バー75の中心でその端部にある時と同様にシート廃棄物に衝突するくし4の歯10の間を通ることができる。
【0041】
くし4は、低スループットの第1の姿勢及び単一の高スループットの第2の姿勢を選ぶように構成することができる。形状それ自体が機械スループットに依存する把持器バー75の形状に最もよく適合するように、くし4が機械スループットに従ってより大きい又は小さい程度まで強められた凹面を有するいくつかの高スループットの第2の姿勢を選ぶことができることも考えられている。
【0042】
高スループットの第2の姿勢では、凹面であるくし4の全体形状は、直線部分の端部によって接続された少なくとも2つの直線部分9a、9bによって形成することができ、2つの隣接する直線部分9a、9bの間の角度は、180°よりも小さい。
【0043】
くし4の凹面全体形状は、従って、端部対端部で配置された2つの直線部分9a、9bによって形成することができ、くし4の全体形状は、図3で見ることができるように、三角形の内側に内接することが可能である。くし4の全体形状がその内側に内接することができる三角形は、従って、横断直線によってくし4の外側端で互いに接合された2つの直線部分9a、9bによって形成される。この形状は、達成することが特に簡単である。
【0044】
くし4は、例えば、互いに対して移動することもできる少なくとも2つの剛性直線部分9a、9bを含む。直線部分9a、9bは、例えばくし4の連結部又は変形可能ゾーンを使用して生成された少なくとも3つの接続部により、又は少なくとも1つの連結部及び少なくとも1つの変形可能ゾーンを使用することにより、互いにかつベース3に接合される。
【0045】
くし4は、例えば、直線部分9a、9bを互いに及び/又はベース3に接合するための少なくとも1つの変形可能ゾーン12a、12bを含む。変形可能ゾーン12a、12bは、薄化及び/又は少なくとも1つのオリフィス15によって形成された脆弱性のゾーンを通して生成することができる。変形可能ゾーンに対する他の実施形態、例えば、可撓性材料の挿入が考えられる。
【0046】
くし4は、リンクロッド、ピボットリンク、ヒンジ、摺動レール、又は他のタイプ(図示せず)の連結部のような直線部分9a、9bを互いに及び/又はベース3に接続するための少なくとも1つの連結部を含むことができる。
【0047】
一例示的実施形態により、くし4は、少なくとも3つの変形可能ゾーン12a、12bによって互いにかつベース3に接合された少なくとも2つの直線部分9a、9bを含む。2つの直線部分9a、9bは、例えば、くし4の中間で互いに接合される。各直線部分9a、9bは、すなわち、同じ数の歯10を有する。
【0048】
ベース3をくし4の外側端に接続する変形可能ゾーン12bは、穿孔されたそれぞれの壁によって形成することができる(図5)。これらの変形可能ゾーン12bはまた、廃棄物シートの衝撃によって発生される負荷に反応する。
【0049】
直線部分9a、9bの間の中心位置に位置する変形可能ゾーン12aは、例えば、数ミリメートルの程度の小さい厚みの穿孔壁によって形成される。
【0050】
0.5度の程度のくし4の変形可能ゾーン12a、12bの壁の非常に小さい角度変形に起因して、脆弱性のゾーンで作られた変形可能な構造を示すくし4は、それが、生成するのが非常に簡単であり、廉価であり、構成部品の数が少なく、ピボット点の摩耗がなく、かつ遊びがないので有利である。
【0051】
すなわち、高スループットの第2の姿勢でくし4が把持器バー75の変形された形状に最もよく適合するより湾曲した凹面形状を示すように配置されたより多くの変形可能ゾーン又は連結部をくし4が有することを想定することができる。
【0052】
高スループットの第2の姿勢でのくし4の全体形状は、従って、例えば、台形全体形状に内接することができる3つの直線部分のような直線部分の端部によって接続された2よりも多い直線部分9a、9bを含むことができる。くし4の全体形状がその内側に内接することができる台形外形は、すなわち、端部対端部で配置されて横断直線によってくし4の外側端に接続された3つの直線部分によって形成される。
【0053】
くし4は、例えば、静止状態で高スループットの第2の姿勢を選ぶように構成される。力が、次に、くし4に対してそれに低スループットの第1の姿勢を選ばせるために作用する必要がある。高スループットの第2の姿勢をデフォルトにすることは、シートからの廃棄物を停電などの事象におけるような問題の事象においてさえも高スループットで排出することができることを保証することを可能にする。
【0054】
排出器部材2は、例えば、くし4を変形することによって又はくしの少なくとも1つの直線部分9a、9bを移動することによってくし4に低スループットの第1の姿勢又は高スループットの第2の姿勢を選ばせるように構成された少なくとも1つの起動機構を含む。
【0055】
起動機構は、例えば、くし4の変形可能中心ゾーン12aに対してそれを低スループットの第1の姿勢に入れて真っ直ぐにするために長手方向に押すように構成される。これはまた、垂直負荷に反応してくし4の横方向位置決めを保証することを可能にする。
【0056】
一例示的実施形態により、起動機構は、空圧シリンダのような少なくとも1つのアクチュエータ13を含む。アクチュエータ13の移動端は、例えば2つの脆弱性ゾーンの間に配置されたスクリューによって変形可能中心ゾーン12aに固定される。シリンダの空圧作動は、変形可能ゾーン12aの壁を長手方向に押し戻し、くし4を低スループットの第1の姿勢に入れて真っ直ぐにする。
【0057】
アクチュエータ13は、デバイスに搭載されて担持され、それは、例えば、ベース3に収容されて固定される。
【0058】
くし4が2よりも多い直線部分9a、9bを示す事例では、排出器部材2は、いくつかのアクチュエータ13を含むことができる。これに代えて、アクチュエータ13は、一度にいくつかの変形可能ゾーン12a、12bを変形する又は一度にいくつかの直線部分9a、9bを移動するように構成することができる。
【0059】
描かれていなかった別の例により、起動機構は、例えば、レバー又はハンドホイールによって2つの低スループット及び高スループット位置の間で起動することができるオペレータにアクセス可能なゾーンへの起動をオフセットするために、フォーク、リンケージ、及び/又はチェーン又はベルトを伴うデバイスのようなオペレータが手動で起動することができる伝達デバイスを含む。
【0060】
作動において、把持器バー75の経路は、廃棄物放出ステーション600でのその開放と同期し、そのために把持器バー75がチェーンセット80のループの曲げ部を上る時に、把持器は、それらが排出器部材2を遮断する時に開く。廃棄物は、把持器バー75によって担持され、かつくしが放出ベルトの上にピボット回転するように把持器バー75の把持器の間を通る歯10を有するくし4の衝突の前に解除される。
【0061】
「オン・ザ・フライ」での排出は、廃棄物放出ステーション600での把持器バー75の急変経路を使用して放出ベルトの上に切断シートをピボット回転させ、従って、1つの把持器バーを節約する。オン・ザ・フライで廃棄物を放出するこの方法は、くし4の曲率をそれに低スループットの第1の姿勢又は少なくとも1つの高スループットの第2の姿勢を選ばせることによって機械スループットに適するように修正することができるので、高スループットでのように低スループットでも全く同様に機能することができる。
【符号の説明】
【0062】
2 排出器部材
3 ベース
4 くし
12a、12b 変形可能ゾーン
13 アクチュエータ
図1
図2
図3
図4
図5