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特許6759488エッジデバイス機械学習モデル切替システム、エッジデバイス機械学習モデル切替方法、プログラム、及びエッジデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6759488
(24)【登録日】2020年9月4日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】エッジデバイス機械学習モデル切替システム、エッジデバイス機械学習モデル切替方法、プログラム、及びエッジデバイス
(51)【国際特許分類】
   G06N 20/00 20190101AFI20200910BHJP
   G16Y 10/00 20200101ALI20200910BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20200910BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20200910BHJP
【FI】
   G06N20/00
   G16Y10/00
   G16Y20/10
   G16Y40/30
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-522886(P2020-522886)
(86)(22)【出願日】2018年11月22日
(86)【国際出願番号】JP2018043132
【審査請求日】2020年4月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506042645
【氏名又は名称】株式会社ウフル
(72)【発明者】
【氏名】谷口 将仁
(72)【発明者】
【氏名】古城 篤
(72)【発明者】
【氏名】竹之下 航洋
(72)【発明者】
【氏名】白川 智之
【審査官】 今城 朋彬
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2018/173121(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/067483(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 20/00
G16Y 10/00
G16Y 20/10
G16Y 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッジデバイスに、置かれた環境を判断させて、既に適用されている他の機械学習モデルから、当該置かれた環境に適した機械学習モデルに切り替えさせるエッジデバイス機械学習モデル切替システムであって、
前記エッジデバイスに、置かれた環境を示すセンサデータを取得させる第1取得手段と、
前記エッジデバイスに、前記取得させたセンサデータを解析させて、置かれた環境を判断させる判断手段と、
前記エッジデバイスに、前記判断させた環境に適した機械学習モデルを決定させる決定手段と、
前記エッジデバイスに、前記決定させた環境に適した機械学習モデルを、クラウドから取得させる第2取得手段と、
前記エッジデバイスに、既に適用されている他の機械学習モデルから、前記取得させた機械学習モデルに切り替えさせる切替手段と、
前記切り替えた結果を学習する学習手段と、
を備え、
前記学習の結果を利用して、前記決定手段の決定の精度を上げるエッジデバイス機械学習モデル切替システム。
【請求項2】
前記センサデータに画像データ、温度データ、湿度データ、水量データ、音データ、照度データ、位置データ、時刻データ、の何れかを含む請求項1に記載のエッジデバイス機械学習モデル切替システム。
【請求項3】
前記第2取得手段は、前記クラウドからの機械学習モデルの取得が不可能な場合、外部のプラットフォームから機械学習モデルの取得を行う請求項1または請求項2に記載のエッジデバイス機械学習モデル切替システム。
【請求項4】
エッジデバイスに、置かれた環境を判断させて、既に適用されている他の機械学習モデルから、当該置かれた環境に適した機械学習モデルに切り替えさせるエッジデバイス機械学習モデル切替方法において、
前記エッジデバイスに、置かれた環境を示すセンサデータを取得させるステップと、
前記エッジデバイスに、前記取得させたセンサデータを解析させて、置かれた環境を判断させるステップと、
前記エッジデバイスに、前記判断させた環境に適した機械学習モデルを決定させるステップと、
前記エッジデバイスに、前記決定させた環境に適した機械学習モデルを、クラウドから取得させるステップと、
前記エッジデバイスに、既に適用されている他の機械学習モデルから、前記取得させた機械学習モデルに切り替えさせるステップと、
前記切り替えた結果を学習するステップと、
を備え、
前記学習の結果を利用して、前記機械学習モデルの決定の精度を上げるエッジデバイス機械学習モデル切替方法。
【請求項5】
エッジデバイスに、置かれた環境を判断させて、既に適用されている他の機械学習モデルから、当該置かれた環境に適した機械学習モデルに切り替えさせるエッジデバイス機械学習モデル切替システムに、
前記エッジデバイスに、置かれた環境を示すセンサデータを取得させるステップ、
前記エッジデバイスに、前記取得させたセンサデータを解析させて、置かれた環境を判断させるステップ、
前記エッジデバイスに、前記判断させた環境に適した機械学習モデルを決定させるステップと、
前記エッジデバイスに、前記決定させた環境に適した機械学習モデルを、クラウドから取得させるステップ、
前記エッジデバイスに、既に適用されている他の機械学習モデルから、前記取得させた機械学習モデルに切り替えさせるステップ、
前記切り替えた結果を学習するステップ
を実行させ、
前記学習の結果を利用して、前記機械学習モデルの決定の精度を上げプログラム。
【請求項6】
置かれた環境を示すセンサデータを取得する第1取得手段と、
前記取得させたセンサデータを解析して、置かれた環境を判断する判断手段と、
前記判断させた環境に適した機械学習モデルを決定させる決定手段と、
前記決定させた環境に適した機械学習モデルを、クラウドから取得する第2取得手段と、
既に適用されている他の機械学習モデルから、前記取得させた機械学習モデルに切り替える切替手段と、
を備え、
前記切り替えた結果を学習した結果を利用して前記決定手段の決定の精度が上げられるエッジデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IoT(Internet of Things)に関連し、技術分野はIPC分類においてG06Q等に該当する。より詳細には、エッジデバイスに置かれた環境を判断させて、既に適用されている機械学習モデルから、置かれた環境に適した機械学習モデルに切り替えさせるエッジデバイス機械学習モデル切替システム、エッジデバイス機械学習モデル切替方法、プログラム、及びエッジデバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、エッジコンピューティングを実現するため、サーバ上でAI(Artificial Intelligence)を動かすのではなく、エッジデバイス上でAIを動かす技術が注目されている。
【0003】
例えば、サーバがエッジデバイスからデータを取得して、新学習済モデルを作成してエッジデバイスに返し、エッジデバイスが旧学習済モデルを新学習済モデルに更新する技術が提供されている(特許文献1)。
【0004】
また、エッジデバイスで動いている機械学習モデルの精度が不十分な場合には、サーバが新機械学習モデルを作成してエッジデバイスに渡し、エッジデバイスが旧学習済モデルを新学習済モデルに更新する技術が提供されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】US2018/0032915
【特許文献2】WO2016/118815
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
理想のエッジコンピューティングを達成するためには、エッジデバイスをただ置くだけで、エッジデバイス自身が、置かれた環境を自動で判断して、既に適用されている他の機械学習モデルから、その置かれた環境に適した機械学習モデルに切り替えることが必要となる。
【0007】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の技術では、エッジデバイス自身に、置かれた環境を判断させて、既に適用されている他の機械学習モデルから、置かれた環境に適した機械学習モデルに切り替えさせることはできない。特許文献1の技術では、サーバがエッジデバイスからデータを取得することが必要である。特許文献2には、エッジデバイスに機械学習モデルを5つ程度格納しておき、その中で機械学習モデルを切り替えることが記載されている。しかしながら、たった5つ程度の機械学習モデルでは、置かれた全ての環境に適した機械学習モデルに切り替えることは不可能である。また、エッジデバイス内に格納可能な機械学習モデルの数を増やした場合でも、置かれた全ての環境に対応可能なだけの機械学習モデルを、予め記憶容量の少ないエッジデバイス内に全て格納しておくということは、現実的ではない。
【0008】
この課題に対し、本発明の発明者は、クラウドを機械学習モデルの置き場にして、エッジデバイス自身が置かれた環境を示すセンサデータを基に環境を判断して、その環境に適した機械学習モデルをクラウドから取得することで、対応が可能な点に注目した。
【0009】
本発明は、エッジデバイスに、置かれた環境を示すセンサデータを取得させて、置かれた環境を判断させて、その環境に適した機械学習モデルをクラウドから取得させて、既に適用されている他の機械学習モデルから、取得させた機械学習モデルに切替させるエッジデバイス機械学習モデル切替システム、エッジデバイス機械学習モデル切替方法、プログラム、及びエッジデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
本発明は、エッジデバイスに、置かれた環境を判断させて、既に適用されている他の機械学習モデルから、当該置かれた環境に適した機械学習モデルに切り替えさせるエッジデバイス機械学習モデル切替システムであって、エッジデバイスに、置かれた環境を示すセンサデータを取得させる第1取得手段と、エッジデバイスに、取得させたセンサデータを解析させて、置かれた環境を判断させる判断手段と、エッジデバイスに、判断させた環境に適した機械学習モデルを決定させる決定手段と、エッジデバイスに、決定させた環境に適した機械学習モデルを、クラウドから取得させる第2取得手段と、エッジデバイスに、既に適用されている他の機械学習モデルから、取得させた機械学習モデルに切り替えさせる切替手段と、切り替えた結果を学習する学習手段と、を備え、学習の結果を利用して、決定手段の決定の精度を上げるエッジデバイス機械学習モデル切替システムを提供する。
本発明はエッジデバイスに、置かれた環境を判断させて、既に適用されている他の機械学習モデルから、当該置かれた環境に適した機械学習モデルに切り替えさせるエッジデバイス機械学習モデル切替方法において、エッジデバイスに、置かれた環境を示すセンサデータを取得させるステップと、エッジデバイスに、取得させたセンサデータを解析させて、置かれた環境を判断させるステップと、エッジデバイスに、判断させた環境に適した機械学習モデルを決定させるステップと、エッジデバイスに、決定させた環境に適した機械学習モデルを、クラウドから取得させるステップと、エッジデバイスに、既に適用されている他の機械学習モデルから、取得させた機械学習モデルに切り替えさせるステップと、切り替えた結果を学習するステップと、を備え、学習の結果を利用して、機械学習モデルの決定の精度を上げるエッジデバイス機械学習モデル切替方法を提供する。
本発明は、エッジデバイスに、置かれた環境を判断させて、既に適用されている他の機械学習モデルから、当該置かれた環境に適した機械学習モデルに切り替えさせるエッジデバイス機械学習モデル切替システムに、エッジデバイスに、置かれた環境を示すセンサデータを取得させるステップ、エッジデバイスに、取得させたセンサデータを解析させて、置かれた環境を判断させるステップ、エッジデバイスに、判断させた環境に適した機械学習モデルを決定させるステップと、エッジデバイスに、決定させた環境に適した機械学習モデルを、クラウドから取得させるステップ、エッジデバイスに、既に適用されている他の機械学習モデルから、取得させた機械学習モデルに切り替えさせるステップ、切り替えた結果を学習するステップを実行させ、学習の結果を利用して、機械学習モデルの決定の精度を上げプログラムを提供する。
本発明は、置かれた環境を示すセンサデータを取得する第1取得手段と、取得させたセンサデータを解析して、置かれた環境を判断する判断手段と、判断させた環境に適した機械学習モデルを決定させる決定手段と、決定させた環境に適した機械学習モデルを、クラウドから取得する第2取得手段と、既に適用されている他の機械学習モデルから、取得させた機械学習モデルに切り替える切替手段と、を備え、切り替えた結果を学習した結果を利用して決定手段の決定の精度が上げられるエッジデバイスを提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明は、
エッジデバイスに、置かれた環境を判断させて、既に適用されている他の機械学習モデルから、当該置かれた環境に適した機械学習モデルに切り替えさせるエッジデバイス機械学習モデル切替システムであって、
前記エッジデバイスに、置かれた環境を示すセンサデータを取得させる第1取得手段と、
前記エッジデバイスに、前記取得させたセンサデータを解析させて、置かれた環境を判断させる判断手段と、
前記エッジデバイスに、前記判断させた環境に適した機械学習モデルを決定させる決定手段と、
前記エッジデバイスに、前記決定させた環境に適した機械学習モデルを、クラウドから取得させる第2取得手段と、
前記エッジデバイスに、既に適用されている他の機械学習モデルから、前記取得させた機械学習モデルに切り替えさせる切替手段と、
を備えるエッジデバイス機械学習モデル切替システムを提供する。
【0012】
第1の特徴に係る発明によれば、エッジデバイスに、置かれた環境を判断させて、既に適用されている他の機械学習モデルから、当該置かれた環境に適した機械学習モデルに切り替えさせるエッジデバイス機械学習モデル切替システムにおいて、前記エッジデバイスに、置かれた環境を示すセンサデータを取得させる第1取得手段と、前記エッジデバイスに、前記取得させたセンサデータを解析させて、置かれた環境を判断させる判断手段と、前記エッジデバイスに、前記判断させた環境に適した機械学習モデルを決定させる決定手段と、前記エッジデバイスに、前記決定させた環境に適した機械学習モデルを、クラウドから取得させる第2取得手段と、前記エッジデバイスに、既に適用されている他の機械学習モデルから、前記取得させた機械学習モデルに切り替えさせる切替手段と、を備える。
【0013】
第1の特徴に係る発明は、エッジデバイス機械学習モデル切替システムのカテゴリであるが、エッジデバイス機械学習モデル切替方法、及びプログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【0014】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であるエッジデバイス機械学習モデル切替システムであって、
前記切り替えた結果を学習する学習手段を備え、
前記学習の結果を利用して、前記決定手段の決定の精度を上げるエッジデバイス機械学習モデル切替システムを提供する。
【0015】
第2の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明であるエッジデバイス機械学習モデル切替システムにおいて、前記切り替えた結果を学習する学習手段を備え、前記学習の結果を利用して、前記決定手段の決定の精度を上げる。
【0016】
第3の特徴に係る発明は、第1又は第2の特徴に係る発明であるエッジデバイス機械学習モデル切替システムであって、
前記センサデータに画像データ、温度データ、湿度データ、水量データ、音データ、照度データ、位置データ、時刻データ、の何れかを含むエッジデバイス機械学習モデル切替システムを提供する。
【0017】
第3の特徴に係る発明によれば、第1又は第2の特徴に係る発明であるエッジデバイス機械学習モデル切替システムにおいて、前記センサデータに画像データ、温度データ、湿度データ、水量データ、音データ、照度データ、位置データ、時刻データ、の何れかを含む。
【0018】
第4の特徴に係る発明は、第1から第3のいずれかの特徴に係る発明であるエッジデバイス機械学習モデル切替システムであって、
前記第2取得手段は、前記クラウドからの機械学習モデルの取得が不可能な場合、外部のプラットフォームから機械学習モデルの取得を行うエッジデバイス機械学習モデル切替システムを提供する。
【0019】
第4の特徴に係る発明によれば、第1から第3のいずれかの特徴に係る発明であるエッジデバイス機械学習モデル切替システムにおいて、前記第2取得手段は、前記クラウドからの機械学習モデルの取得が不可能な場合、外部のプラットフォームから機械学習モデルの取得を行う。
【0020】
第5の特徴に係る発明は、
エッジデバイスに、置かれた環境を判断させて、既に適用されている他の機械学習モデルから、当該置かれた環境に適した機械学習モデルに切り替えさせるエッジデバイス機械学習モデル切替方法において、
前記エッジデバイスに、置かれた環境を示すセンサデータを取得させるステップと、
前記エッジデバイスに、前記取得させたセンサデータを解析させて、置かれた環境を判断させるステップと、
前記エッジデバイスに、前記判断させた環境に適した機械学習モデルを決定させるステップと、
前記エッジデバイスに、前記決定させた環境に適した機械学習モデルを、クラウドから取得させるステップと、
前記エッジデバイスに、既に適用されている他の機械学習モデルから、前記取得させた機械学習モデルに切り替えさせるステップと、
を備えるエッジデバイス機械学習モデル切替方法を提供する。
【0021】
第6の特徴に係る発明は、
エッジデバイスに、置かれた環境を判断させて、既に適用されている他の機械学習モデルから、当該置かれた環境に適した機械学習モデルに切り替えさせるエッジデバイス機械学習モデル切替システムに、
前記エッジデバイスに、置かれた環境を示すセンサデータを取得させるステップ、
前記エッジデバイスに、前記取得させたセンサデータを解析させて、置かれた環境を判断させるステップ、
前記エッジデバイスに、前記判断させた環境に適した機械学習モデルを決定させるステップ、
前記エッジデバイスに、前記決定させた環境に適した機械学習モデルを、クラウドから取得させるステップ、
前記エッジデバイスに、既に適用されている他の機械学習モデルから、前記取得させた機械学習モデルに切り替えさせるステップ、
を実行させるためのプログラムを提供する。
【0022】
第7の特徴に係る発明は、
置かれた環境を示すセンサデータを取得する第1取得手段と、
前記取得させたセンサデータを解析して、置かれた環境を判断する判断手段と、
前記判断させた環境に適した機械学習モデルを決定させる決定手段と、
前記決定させた環境に適した機械学習モデルを、クラウドから取得する第2取得手段と、
既に適用されている他の機械学習モデルから、前記取得させた機械学習モデルに切り替える切替手段と、
を備えるエッジデバイスを提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、エッジデバイスに、置かれた環境を示すセンサデータを取得させて、置かれた環境を判断させて、その環境に適した機械学習モデルをクラウドから取得させて、既に適用されている他の機械学習モデルから、取得させた機械学習モデルに切替させるエッジデバイス機械学習モデル切替システム、エッジデバイス機械学習モデル切替方法、プログラム、及びエッジデバイスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の好適な実施の形態の概要図である。
図2】エッジデバイス機械学習モデル切替システムの概要と、エッジデバイス10、クラウド20、通信網40のブロック図である。
図3】エッジデバイス機械学習モデル切替処理のフローチャート図である。
図4】学習を行う場合の、エッジデバイス機械学習モデル切替システムの概要と、エッジデバイス10、クラウド20、通信網40のブロック図である。
図5】学習を行う場合の、エッジデバイス機械学習モデル切替処理のフローチャート図である。
図6】クラウド20又は外部プラットフォーム30から機械学習モデルを取得する場合の、エッジデバイス機械学習モデル切替システムの概要と、エッジデバイス10、クラウド20、外部プラットフォーム30、通信網40のブロック図である。
図7】機械学習モデル取得処理のフローチャート図である。
図8】工場にエッジデバイス10を置いた場合のイメージ図である。
図9】キャベツ畑にエッジデバイス10を置いた場合のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、好適な実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、下記の実施の形態は本発明を具現化した例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】
[エッジデバイス機械学習モデル切替システムの概要]
図1は、本発明の好適な実施形態の概要図である。この図1に基づいて、本発明の概要を説明する。エッジデバイス機械学習モデル切替システムは、図2に示すように、エッジデバイス10、クラウド20、通信網40から構成される。エッジデバイス10は、IoTの分野で利用される。本発明において、エッジデバイス10は、通信網40に接続可能であり、かつ、画像データ、温度データ、湿度データ、水量データ、音データ、照度データ、位置データ、時刻データ等を各種センサから取得可能なデバイスである。位置データ、時刻データについては、センサからではなく、通信網40経由で取得してもよい。また、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、機械学習モデルを利用するAIをエッジデバイス10上で動かすことが可能であるものとする。エッジデバイス10は、第1取得モジュール11、判断モジュール12、決定モジュール13、第2取得モジュール14、切替モジュール15、を備える。これらのモジュールは、エッジデバイス10上で動作可能なソフトウェアにより実現するものとしてよい。また、図1及び図2ではエッジデバイス10を一つのみ図示しているが、複数であって良く、それぞれのエッジデバイス10が連携して動作してよい。クラウド20は、エッジデバイス10のAIが利用する機械学習モデル置き場となるクラウドである。機械学習のモデルは、エッジデバイス10がどのような環境に置かれても、対応可能な多種多様なモデルを備えるものとする。通信網40は、エッジデバイス10、クラウド20間の通信を可能とする通信網である。
【0027】
ここでは、環境Aに置いてあったエッジデバイス10を、環境Bに移動した後に、図1の処理を開始したものとする。図1のエッジデバイス機械学習モデル切替システムにおいて、まず、エッジデバイス10の第1取得モジュール11に、置かれた環境を示すセンサデータを取得させる(ステップS101)。本発明においてセンサデータとは、エッジデバイス10のセンサから取得可能な画像データ、温度データ、湿度データ、水量データ、音データ、照度データ、位置データ、時刻データ等の、データである。位置データ、時刻データについては、センサからではなく、通信網40経由で取得してもよい。
【0028】
次に、エッジデバイス10の判断モジュール12に、ステップS101で取得させたセンサデータを解析させて、置かれた環境を判断させる(ステップS102)。判断モジュール12は、例えば、異物検査をしている工場の生産ラインに置かれた、キャベツを育てている畑に置かれた、等、ステップS101で取得させたセンサデータを基にして、置かれた環境を判断する。
【0029】
次に、エッジデバイス10の決定モジュール13に、ステップS102で判断させた環境に適した機械学習モデルを決定させる(ステップS103)。例えば、キャベツを育てている畑に置かれた場合でも、その場所が北であるのか南にあるのか、季節がいつであるのかによって、最適な機械学習モデルが異なるため、ステップS102で判断させた環境とステップS101で取得させたセンサデータを基に決定する。本決定を行うために、クラウド20にはどのような種類の機械学習モデルがあるかのリストを、エッジデバイス10に保持してよいものとする。また、クラウド20に保持する機械学習モデルの種類や内容が更新された場合には、エッジデバイス10上の機械学習モデルリストも、通信網40を介して更新可能であるものとする。
【0030】
次に、エッジデバイス10の第2取得モジュール14に、ステップS103で決定させた機械学習モデルをクラウド20から取得させる(ステップS104)。ここでは、環境Bに最も適した機械学習モデルBを、クラウド20から取得させる。
【0031】
最後に、エッジデバイス10の切替モジュール15に、これまでの環境Aに適していた機械学習モデルAから、ステップS104で取得した機械学習モデルBに、適用する機械学習モデルを切り替えさせる(ステップS105)。クラウド20上に機械学習モデルを置く利点として、置かれた全ての環境に対応可能なだけの大量の機械学習モデルを保持し、それらの更新やメンテナンス作業の即時対応が可能であるという点が挙げられる。前述のステップS101からステップS105の処理の全てを、エッジデバイス10に行わせることで、ユーザである人間がエッジデバイス10をただ置くだけで、エッジデバイス10が置かれた環境を判断して、それまで適用されていた他の機械学習モデルから、置かれた環境に最適な機械学習モデルに切り替えるため、エッジデバイス10を使用する際の手間が大幅に削減できる。また、一つのエッジデバイス10を様々な環境で使いまわすことが可能であるため、コスト的にも優れている。
【0032】
このように本発明によれば、エッジデバイス10に、置かれた環境を示すセンサデータを取得させて、置かれた環境を判断させて、その環境に適した機械学習モデルをクラウド20から取得させて、既に適用されている他の機械学習モデルから、取得させた機械学習モデルに切替させるエッジデバイス機械学習モデル切替システム、エッジデバイス機械学習モデル切替方法、プログラム、及びエッジデバイスを提供することが可能となる。
【0033】
[各機能の説明]
図2は、エッジデバイス機械学習モデル切替システムの概要と、エッジデバイス10、クラウド20、通信網40のブロック図である。エッジデバイス機械学習モデル切替システムは、エッジデバイス10、クラウド20、通信網40から構成される。
【0034】
エッジデバイス10は、IoTの分野で利用される。本発明において、エッジデバイス10は、通信網40に接続可能であり、かつ、画像データ、温度データ、湿度データ、水量データ、音データ、照度データ、位置データ、時刻データ等を各種センサから取得可能なデバイスである。位置データ、時刻データについては、センサからではなく、通信網40経由で取得してもよい。また、CPU、GPU、RAM、ROM等を備え、機械学習モデルを利用するAIをエッジデバイス10上で動かすことが可能であるものとする。エッジデバイス10は、第1取得モジュール11、判断モジュール12、決定モジュール13、第2取得モジュール14、切替モジュール15、を備える。これらのモジュールは、エッジデバイス10上で動作可能なソフトウェアにより実現するものとしてよい。また、図2ではエッジデバイス10を一つのみ図示しているが、複数であって良く、それぞれのエッジデバイス10が連携して動作してよい。
【0035】
クラウド20は、エッジデバイス10のAIが利用する機械学習モデル置き場となるクラウドである。機械学習のモデルは、エッジデバイス10がどのような環境に置かれても、対応可能な多種多様なモデルを備えるものとする。
【0036】
通信網40は、エッジデバイス10、クラウド20間の通信を可能とする通信網である。
【0037】
[エッジデバイス機械学習モデル切替処理]
図3は、エッジデバイス機械学習モデル切替処理のフローチャート図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本フローチャートで説明する。
【0038】
図8は、工場にエッジデバイス10を置いた場合のイメージ図である。工場に置かれたエッジデバイス10は、最適な機械学習モデルを適用されたAIにより、例えば、画像データと音データを用いて、製品の不良となる要因を解析する。図9は、キャベツ畑にエッジデバイス10を置いた場合のイメージ図である。キャベツ畑に置かれたエッジデバイス10は、最適な機械学習モデルを適用されたAIにより、例えば、画像データ、温度データ、湿度データ、水量データ、照度データを基にキャベツの生育具合を判断し、水や肥料をまくといった必要な農作業を提案する。ここでは、図8の工場から、図9のキャベツ畑に、エッジデバイス10が移動されたものとする。
【0039】
図3のエッジデバイス機械学習モデル切替システムにおいて、まず、エッジデバイス10の第1取得モジュール11に、置かれた環境を示すセンサデータを取得させる(ステップS301)。本発明においてセンサデータとは、エッジデバイス10のセンサから取得可能な画像データ、温度データ、湿度データ、水量データ、音データ、照度データ、位置データ、時刻データ等の、データである。位置データ、時刻データについては、センサからではなく、通信網40経由で取得してもよい。
【0040】
次に、エッジデバイス10の判断モジュール12に、ステップS301で取得させたセンサデータを解析させて、置かれた環境を判断させる(ステップS302)。
【0041】
次に、エッジデバイス10の判断モジュール12に、置かれた環境に変化があったかを判断させる(ステップS303)。例えば、図8の工場から図9のキャベツ畑にエッジデバイス10が移動された場合には、環境の変化があったとして、次のステップS304に進む。特に環境の変化が無かった場合には、ステップS301に戻り処理を継続する。
【0042】
環境の変化があった場合、エッジデバイス10の決定モジュール13に、ステップS302で判断させた環境に適した機械学習モデルを決定させる(ステップS304)。例えば、図9のキャベツ畑に置かれた場合でも、その場所が北であるのか南にあるのか、季節がいつであるのかによって、最適な機械学習モデルが異なるため、ステップS302で判断させた環境とステップS301で取得させたセンサデータを基に決定する。本決定を行うために、クラウド20にはどのような種類の機械学習モデルがあるかのリストを、エッジデバイス10に保持してよいものとする。また、クラウド20に保持する機械学習モデルの種類や内容が更新された場合には、エッジデバイス10上の機械学習モデルリストも、通信網40を介して更新可能であるものとする。
【0043】
次に、エッジデバイス10の第2取得モジュール14に、ステップS304で決定させた機械学習モデルをクラウド20から取得させる(ステップS305)。ここでは、図9のキャベツ畑に最も適した機械学習モデルを、クラウド20から取得させる。
【0044】
次に、エッジデバイス10の切替モジュール15に、これまでの図8の工場に適していた機械学習モデルから、ステップS305で取得した図9のキャベツ畑に適した機械学習モデルに、適用する機械学習モデルを切り替えさせる(ステップS306)。
【0045】
最後に、切替モジュール15に、エッジデバイス機械学習モデル切替処理を終了するか確認させる(ステップS307)。終了しない場合には、ステップS301に戻って処理を継続し、終了する場合にはエッジデバイス機械学習モデル切替処理を終了する。
【0046】
エッジデバイス機械学習モデル切替システムにおいて、クラウド20上に機械学習モデルを置く利点として、置かれた全ての環境に対応可能なだけの大量の機械学習モデルを保持し、それらの更新やメンテナンス作業の即時対応が可能であるという点が挙げられる。前述のステップS301からステップS307の処理の全てを、エッジデバイス10に行わせることで、ユーザである人間がエッジデバイス10をただ置くだけで、エッジデバイス10が置かれた環境を判断して、それまで適用されていた他の機械学習モデルから、置かれた環境に最適な機械学習モデルに切り替えるため、エッジデバイス10を使用する際の手間が大幅に削減できる。また、一つのエッジデバイス10を様々な環境で使いまわすことが可能であるため、コスト的にも優れている。
【0047】
このように本発明によれば、エッジデバイス10に、置かれた環境を示すセンサデータを取得させて、置かれた環境を判断させて、その環境に適した機械学習モデルをクラウド20から取得させて、既に適用されている他の機械学習モデルから、取得させた機械学習モデルに切替させるエッジデバイス機械学習モデル切替システム、エッジデバイス機械学習モデル切替方法、プログラム、及びエッジデバイスを提供することが可能となる。
【0048】
[学習処理]
図4は、学習を行う場合の、エッジデバイス機械学習モデル切替システムの概要と、エッジデバイス10、クラウド20、通信網40のブロック図である。図2の構成に加えて、エッジデバイス10に学習モジュール16を備える。学習モジュール16も、他のモジュールと同じく、エッジデバイス10上で動作可能なソフトウェアにより実現するものとしてよい。
【0049】
図5は、学習を行う場合の、エッジデバイス機械学習モデル切替処理のフローチャート図である。ステップS501からステップS506は、図3のステップS301からステップS306に相当するため、ステップS507以降について説明する。
【0050】
ステップS506の機械学習モデルの切り替え後、エッジデバイス10の学習モジュール16に、機械学習モデルを切り替えた結果を学習させる(ステップS507)。学習の方法として、例えば、ステップS506で切り替えた機械学習モデルに対して、ユーザからの変更が入らない場合には、決定モジュール13による決定が正解であるということを学習して、決定モジュール13による決定の精度を、より向上させることが可能となる。また、他の学習の方法としては、適用した機械学習モデルによるAIの性能のフィードバックを受けて、性能が高ければ、決定モジュール13による決定が正解であるということを学習させてもよい。
【0051】
最後に、切替モジュール15に、エッジデバイス機械学習モデル切替処理を終了するか確認させる(ステップS508)。終了しない場合には、ステップS501に戻って処理を継続し、終了する場合にはエッジデバイス機械学習モデル切替処理を終了する。
【0052】
このように本発明によれば、機械学習モデルを切り替えた結果の学習を行うことで、更に高精度に、既に適用されている他の機械学習モデルから、取得させたその環境に最適な機械学習モデルに切替させるエッジデバイス機械学習モデル切替システム、エッジデバイス機械学習モデル切替方法、プログラム、及びエッジデバイスを提供することが可能となる。
【0053】
[機械学習モデル取得処理]
図6は、クラウド20又は外部プラットフォーム30から機械学習モデルを取得する場合の、エッジデバイス機械学習モデル切替システムの概要と、エッジデバイス10、クラウド20、外部プラットフォーム30、通信網40のブロック図である。図2又は図4の構成に加えて外部プラットフォーム30を含む。外部プラットフォーム30は、エッジデバイス機械学習モデル切替システムと連携する外部のプラットフォームで、エッジデバイス10のAIが利用する機械学習モデル置き場となる。通信網40は、エッジデバイス10、クラウド20、外部プラットフォーム30間の通信を可能とする通信網である。クラウド20と同じく、外部プラットフォーム30にどのような種類の機械学習モデルがあるかのリストを、エッジデバイス10に保持してよいものとする。また、外部プラットフォーム30に保持する機械学習モデルの種類や内容が更新された場合には、エッジデバイス10上の機械学習モデルリストも、通信網40を介して更新可能であるものとする。以降では、エッジデバイス10がクラウド20を介さず直接外部プラットフォーム30にアクセスする場合の例を説明するが、図1図3図5のフローにおいて、クラウド20に取得しようとする機械学習モデルが無い場合に、クラウド20が外部プラットフォーム30にアクセスして、外部プラットフォームにある機械学習モデルを取得する構成としてもよい。その場合には、エッジデバイス10側の処理には、特に影響ない。
【0054】
図7は、機械学習モデル取得処理のフローチャート図である。外部プラットフォーム30を含む構成の時に、図1のステップS104、図3のステップS305、図5のステップS505に相当する処理となる。
【0055】
図7の機械学習モデル取得処理のフローチャートにおいて、まず、エッジデバイス10の第2取得モジュール14は、クラウド20に接続可能であるかどうかを確認する(ステップS701)。
【0056】
ステップS701で接続可能であると判断した場合、エッジデバイス10の第2取得モジュール14は、クラウド20に接続する(ステップS702)。ここで、必要に応じて、クラウド20に対するエッジデバイス10の認証処理を行ってもよい。
【0057】
クラウド20への接続後、第2取得モジュール14に、クラウド20から決定された機械学習モデルを取得させる(ステップS703)。
【0058】
第2取得モジュール14に、決定された機械学習モデルの取得が成功したかどうか確認させ(ステップS704)、取得が成功した場合には機械学習モデル取得処理を終了し、成功しなかった場合には、ステップS705に進む。
【0059】
ステップS701でクラウド20に接続不可能であると判断した場合、又は、ステップS704での取得が失敗した場合、エッジデバイス10の第2取得モジュール14は、外部プラットフォーム30に接続可能であるかどうかを確認する(ステップS705)。
【0060】
ステップS705で接続可能であると判断した場合、エッジデバイス10の第2取得モジュール14は、外部プラットフォーム30に接続する(ステップS706)。ここで、必要に応じて、外部プラットフォーム30に対するエッジデバイス10の認証処理を行ってもよい。
【0061】
外部プラットフォーム30への接続後、第2取得モジュール14に、外部プラットフォーム30から決定された機械学習モデルを取得させる(ステップS707)。
【0062】
第2取得モジュール14に、決定された機械学習モデルの取得が成功したかどうか確認させ(ステップS708)、取得が成功した場合には機械学習モデル取得処理を終了し、成功しなかった場合には、ステップS709に進む。
【0063】
ステップS705で外部プラットフォーム30に接続不可能であると判断した場合、又は、ステップS708での取得が失敗した場合、エッジデバイス10の第2取得モジュール14は、エッジデバイス10に対して、エラーを返す(ステップS709)。
【0064】
この機械学習モデル取得処理を受けて、図1図3図5においてエッジデバイス10は、決定した機械学習モデルの取得が成功した場合には次の切り替え処理に進む。決定した機械学習モデルの取得が失敗してエラーが返ってきた場合には、切り替え処理に進まず、機械学習モデル取得処理のリトライを行ってもよい。
【0065】
図6及び図7では、外部プラットフォーム30が一つである場合について記載したが、外部プラットフォーム30は複数であってもよく、その場合には、優先順位を決めて、外部プラットフォーム30にアクセスすることとしてよい。図7のステップS705である外部プラットフォーム30に接続不可能であった場合やステップS708である外部プラットフォーム30からの機械学習モデルの取得に失敗した場合には、別の外部プラットフォーム30に接続可能であるかを確認する、という処理になる。
【0066】
このように、外部プラットフォーム30とも連携をおこなうことで、最適な機械学習モデルの取得の確実性を上げることが可能となる。また、外部プラットフォーム30上にのみより最適な機械学習モデルが存在する場合に、それを利用することも可能となる。外部プラットフォーム30にのみ、所望の機械学習モデルが存在する場合には、図7のフローチャートにおいて、ステップS701からステップS704はスキップ可能とする。
【0067】
このように本発明によれば、外部プラットフォーム30とも連携を行うことで、エッジデバイス10に、置かれた環境を示すセンサデータを取得させて、置かれた環境を判断させて、その環境に適した機械学習モデルをより確実に、クラウド20又は外部プラットフォーム30から取得させて、既に適用されている他の機械学習モデルから、取得させた機械学習モデルに切替させるエッジデバイス機械学習モデル切替システム、エッジデバイス機械学習モデル切替方法、プログラム、及びエッジデバイスを提供することが可能となる。
【0068】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0069】
10 エッジデバイス、20 クラウド、30 外部プラットフォーム、40 通信網
【要約】
本発明は、IoT(Internet of Things)に関連し、技術分野はIPC分類においてG06Q等に該当する。
【課題】 エッジデバイスをただ置くだけで、エッジデバイス自身が、置かれた環境を自動で判断して、既に適用されている他の機械学習モデルから、その置かれた環境に適した機械学習モデルに切り替える。
【解決手段】 エッジデバイス10に、置かれた環境を示すセンサデータを取得させる第1取得モジュール11と、取得させたセンサデータを解析させて、置かれた環境を判断させる判断モジュール12と、判断させた環境に適した機械学習モデルを決定させる決定モジュール13と、決定させた環境に適した機械学習モデルを、クラウドから取得させる第2取得モジュール14と、既に適用されている他の機械学習モデルから、取得させた機械学習モデルに切り替えさせる切替モジュール15と、を備える。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9