(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回路基板は、前記1以上の蓄電素子のうちの少なくとも1つの蓄電素子と前記溶着部との間であって、当該少なくとも1つの蓄電素子よりも前記溶着部に近い位置に配置されている
請求項7に記載の蓄電装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、蓄電素子を外装体に収容する構成として、開口が形成された外装体本体に蓄電素子を挿入し、当該外装体本体の開口を蓋体で閉塞することで、外装体に蓄電素子を収容する構成が考えられる。そして、外装体本体の開口を蓋体で閉塞する際には、外装体本体と蓋体とを溶着によって接合する場合が考えられる。
【0005】
しかしながら、外装体本体と蓋体とを溶着によって接合する場合には、溶着における熱が、蓄電装置内に配置された回路基板などの熱に弱いもの(弱熱体)に影響を及ぼし、当該弱熱体の機能を低下させてしまう虞があるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、外装体の接合に溶着を用いる場合であっても、当該溶着における熱が及ぼす影響を低減することができる蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電装置は、1以上の蓄電素子と、前記1以上の蓄電素子の外方に配置される第一外装体及び第二外装体とを備える蓄電装置であって、前記第一外装体と前記第二外装体とが溶着により接合されることで形成された前記第一外装体と前記第二外装体との接合部分である溶着部と、弱熱体と、前記溶着部と前記弱熱体との間に配置される遮熱部とを備える。
【0008】
これによれば、蓄電装置は、第一外装体と第二外装体との溶着による接合部分である溶着部と、熱により機能低下を生じる弱熱体との間に遮熱部を備えている。このため、外装体の接合に溶着を用いる場合であっても、遮熱部によって、溶着における熱を遮ることができるため、当該熱が弱熱体に及ぼす影響を低減することができる。
【0009】
また、前記第一外装体は、前記遮熱部として、前記第二外装体に向けて突出した第一突出部を有することにしてもよい。
【0010】
これによれば、蓄電装置は、遮熱部として、第一外装体に、第二外装体に向けて突出した第一突出部を設けることにより、容易に、遮熱部を形成することができる。
【0011】
また、前記第一外装体または前記第二外装体は、前記第一突出部とで前記溶着部を挟むように配置される第二突出部を有することにしてもよい。
【0012】
これによれば、第一外装体または第二外装体が第二突出部を有しているため、第一突出部と第二突出部とで、第一外装体と第二外装体との位置合わせを容易に行うことができる。また、第二突出部によって、溶着部が蓄電装置の外方に露出しないように隠すことができ、外観を良くすることができる。
【0013】
また、前記第二突出部は、前記第一外装体に設けられており、前記第一突出部は、前記第二突出部よりも高さが高いことにしてもよい。
【0014】
これによれば、溶着部を挟む第一突出部及び第二突出部のうちの第一突出部の方が高さが高くなるように形成されている。つまり、第一突出部が遮熱部としての機能を果たせばよく、第二突出部を高く形成する必要はないため、第二突出部よりも第一突出部の方が高さが高くなるように形成する。これにより、溶着における熱が弱熱体に及ぼす影響を低減することができる。
【0015】
また、前記第一突出部は、前記第一外装体の前記第二外装体側の端部に形成された環状の突出部であることにしてもよい。
【0016】
これによれば、第一突出部は、第一外装体の端部に環状に形成されており、当該環状に形成された第一突出部の内部に熱が伝わるのを抑制することができるため、溶着における熱が弱熱体に及ぼす影響を低減することができる。
【0017】
また、前記遮熱部は、前記弱熱体と離隔して配置されていることにしてもよい。
【0018】
これによれば、遮熱部は、弱熱体と離隔して配置されているため、溶着における熱が遮熱部を介して弱熱体に伝わるのを抑制し、当該熱が弱熱体に及ぼす影響を低減することができる。
【0019】
また、前記遮熱部は、断熱材で形成された断熱部を有することにしてもよい。
【0020】
これによれば、遮熱部は、断熱材で形成された断熱部を有しているため、当該断熱部によって、溶着における熱が弱熱体に伝わるのをさらに抑制し、当該熱が弱熱体に及ぼす影響を低減することができる。
【0021】
また、前記断熱部は、前記弱熱体を覆うカバーであることにしてもよい。
【0022】
これによれば、弱熱体を覆うカバーが断熱材で形成されているため、当該カバーによって、溶着における熱が弱熱体に伝わるのをさらに抑制し、当該熱が弱熱体に及ぼす影響を低減することができる。
【0023】
また、前記弱熱体は、前記蓄電素子と電気的に接続された回路基板を含むことにしてもよい。
【0024】
これによれば、弱熱体は、回路基板を含むため、溶着における熱が回路基板に及ぼす影響を低減することができる。
【0025】
また、前記回路基板は、前記蓄電素子と前記溶着部との間であって、前記蓄電素子よりも前記溶着部に近い位置に配置されていることにしてもよい。
【0026】
これによれば、回路基板は、蓄電素子よりも溶着部に近い位置(溶着部の近傍)に配置されているが、回路基板と溶着部との間に遮熱部が配置されているため、溶着における熱が当該回路基板に及ぼす影響を低減することができる。
【0027】
また、前記弱熱体は、前記蓄電素子である非水電解質二次電池を含むことにしてもよい。
【0028】
これによれば、弱熱体は、非水電解質二次電池を含むため、溶着における熱が、熱に弱い当該非水電解質二次電池に及ぼす影響を低減することができる。
【0029】
また、前記弱熱体は、前記溶着部に近接して配置された蓋部を有する前記蓄電素子を含むことにしてもよい。
【0030】
これによれば、弱熱体は、溶着部に近接して配置された蓋部を有する蓄電素子を含む。つまり、蓄電素子の容器の蓋部には、通常樹脂製のパッキンが配置されるが、当該パッキンは熱に弱いため、溶着における熱が当該パッキンに及ぼす影響を低減することができる。
【0031】
また、前記弱熱体は、樹脂製の枠体を含むことにしてもよい。
【0032】
これによれば、弱熱体は、樹脂製の枠体を含むため、溶着における熱が、熱に弱い当該枠体に及ぼす影響を低減することができる。
【0033】
また、本発明の一態様に係る蓄電装置は、1以上の蓄電素子と、前記1以上の蓄電素子の外方に配置される第一外装体及び第二外装体とを備える蓄電装置であって、前記第一外装体と前記第二外装体とが溶着により接合されることで形成された前記第一外装体と前記第二外装体との接合部分である溶着部と、前記第一外装体に設けられ、前記第二外装体に向けて突出した第一突出部と、前記第一外装体または前記第二外装体に設けられ、前記第一突出部とで前記溶着部を挟むように配置される第二突出部とを備えることにしてもよい。
【0034】
これによれば、蓄電装置は、第一外装体と第二外装体との溶着による接合部分である溶着部を挟むように、第一突出部と第二突出部とを備えている。これにより、第一突出部及び第二突出部のうちの内側の突出部によって、溶着における熱を遮ることができるため、当該熱が蓄電装置の内部の機器に及ぼす影響を低減することができる。また、第一突出部及び第二突出部のうちの外側の突出部によって、溶着部が蓄電装置の外方に露出しないように隠すことができ、外観を良くすることができる。また、第一突出部と第二突出部とで、第一外装体と第二外装体との位置合わせを容易に行うこともできる。
【0035】
また、前記第一外装体は、前記溶着部を挟んで内側に前記第一突出部を有し、前記溶着部を挟んで外側に前記第二突出部を有し、前記第一突出部は、前記第二突出部よりも高さが高いことにしてもよい。
【0036】
これによれば、溶着部を挟む第一突出部及び第二突出部のうちの内側の第一突出部の方が高さが高くなるように形成されている。つまり、第一突出部が溶着における熱を遮る機能を果たせばよく、第二突出部を高く形成する必要はないため、第二突出部よりも第一突出部の方が高さが高くなるように形成する。これにより、溶着における熱が蓄電装置の内部の機器に及ぼす影響を低減することができる。
【0037】
また、本発明の一態様に係る蓄電装置の製造方法は、1以上の蓄電素子と、前記1以上の蓄電素子の外方に配置される第一外装体及び第二外装体とを備える蓄電装置の製造方法であって、前記蓄電装置は、弱熱体と遮熱部とを備え、前記蓄電装置の製造方法は、前記第一外装体と前記第二外装体との接合部分であって、前記弱熱体とで前記遮熱部を挟むように配置された接合部分を加熱する加熱工程と、前記第一外装体と前記第二外装体とを前記接合部分で溶着により接合する接合工程とを含む。
【0038】
これによれば、蓄電装置の製造方法において、弱熱体とで遮熱部を挟むように配置された第一外装体と第二外装体との接合部分を加熱し、第一外装体と第二外装体とを当該接合部分で溶着により接合する。このため、外装体の接合に溶着を用いる場合であっても、遮熱部によって、溶着における熱が弱熱体に伝わるのを抑制することができるため、当該熱が弱熱体に及ぼす影響を低減することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明における蓄電装置によれば、外装体の接合に溶着を用いる場合であっても、当該溶着における熱が及ぼす影響を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
【0042】
(実施の形態)
まず、蓄電装置1の構成について、説明する。
【0043】
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。また、
図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0044】
なお、これらの図では、Z軸方向を上下方向として示しており、以下ではZ軸方向を上下方向として説明するが、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるため、Z軸方向は上下方向となることには限定されない。また、Z軸方向が上下方向となる場合には、通常の使用態様においては、Z軸方向マイナス側が鉛直上向き方向となる場合が多いが、説明の便宜のため、Z軸方向プラス側が鉛直上向き方向であるとして図示している。以下の図(
図3、7〜13)においても、同様である。
【0045】
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。例えば、蓄電装置1は、電力貯蔵用途や電源用途などに使用される電池モジュールである。
【0046】
これらの図に示すように、蓄電装置1は、第一外装体100及び第二外装体200からなる外装体10と、外装体10内方に収容される蓄電ユニット30及び電気機器40とを備えている。
【0047】
外装体10は、蓄電ユニット30及び電気機器40の外方に配置される、蓄電装置1の外装体を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体10は、蓄電ユニット30及び電気機器40を所定の位置に配置し、蓄電ユニット30及び電気機器40を衝撃などから保護する。また、外装体10は、絶縁性の樹脂などにより構成されており、蓄電ユニット30及び電気機器40が外部の金属部材などに接触することを回避する。
【0048】
ここで、外装体10は、外装体10の蓋体を構成する第一外装体100と、外装体10の本体を構成する第二外装体200とを有している。第一外装体100は、第二外装体200の開口を閉塞する扁平な矩形状のカバー部材であり、正極外部端子21と負極外部端子22とが設けられている。蓄電装置1は、この正極外部端子21と負極外部端子22とを介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。また、第二外装体200は、開口が形成された有底矩形筒状のハウジングであり、蓄電ユニット30及び電気機器40を収容する。なお、第一外装体100及び第二外装体200の詳細な構成の説明については、後述する。
【0049】
蓄電ユニット30は、1以上の蓄電素子を有しており、第一外装体100に設けられた正極外部端子21と負極外部端子22とに接続される。本実施の形態では、
図2に示すように、蓄電ユニット30は、複数の蓄電素子が横置きになった状態でZ軸方向に積み重ねられて、第一外装体100上に配置される。そして、蓄電ユニット30は、上方から第二外装体200が被せられて、第二外装体200の内方に配置される。なお、蓄電ユニット30の詳細な構成の説明については、後述する。
【0050】
電気機器40は、内方に回路基板などが配置された矩形状の機器であり、蓄電ユニット30の側方(X軸方向マイナス側)に配置されている。本実施の形態では、
図2に示すように、電気機器40は、回路基板が縦置きになった状態でZ軸方向に立てられて、第一外装体100上に配置される。そして、電気機器40は、上方から第二外装体200が被せられて、第二外装体200の内方に配置される。なお、電気機器40の詳細な構成の説明については、後述する。
【0051】
次に、外装体10が備える第一外装体100及び第二外装体200の構成について、詳細に説明する。まず、第一外装体100の構成について、詳細に説明する。
【0052】
図3は、本発明の実施の形態に係る第一外装体100の構成を示す斜視図である。
【0053】
第一外装体100は、1以上の蓄電素子を有する蓄電ユニット30の外方に配置される扁平な矩形状の部材であり、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂により形成されている。同図に示すように、第一外装体100は、第一平面部110と、第一側面部120と、第一接続部130とを有している。
【0054】
第一平面部110は、第一外装体100の底面部(Z軸方向マイナス側が鉛直方向上向きの場合には、第一外装体100の上面部)であり、矩形状かつ平板状の部位である。
【0055】
第一側面部120は、第一平面部110の四方を覆う4つの矩形状かつ平板状の側面部からなる四角筒形状の部位であり、第一平面部110の外周縁からZ軸方向プラス側に立ち上がる(Z軸方向マイナス側に垂れ下がる)ように形成されている。
【0056】
第一接続部130は、第一側面部120のZ軸方向プラス側に配置された、第二外装体200と接続される部位である。具体的には、第一接続部130は、第一側面部120の上方に環状に形成された部位であり、第二外装体200と溶着(本実施形態では、熱溶着)により接合される。なお、第一外装体100と第二外装体200とを熱溶着により接合する場合とは、例えば、第一外装体100及び第二外装体200がPPにより形成される場合などである。つまり、PPは耐電解液性があり、かつ安価であるため、第一外装体100及び第二外装体200を形成する部材としては好ましいが、PPは接着しにくく、比較的強度の弱い部材であるため、気密を担保するために、第一外装体100と第二外装体200とを熱溶着することが必要となる。
【0057】
ここで、第一接続部130は、第一突出部131と、第二突出部132と、第一接合部133とを有している。
【0058】
第一接合部133は、第一外装体100と第二外装体200とが熱溶着により接合されて後述の溶着部11が形成される際に、第二外装体200と接合される環状の部位である。つまり、第一接合部133は、第一外装体100と第二外装体200との熱溶着部分のうちの、熱溶着前の第一外装体100側の部分である。
【0059】
具体的には、第一接合部133は、第一接合部133a、第一接合部133b、第一接合部133c及び第一接合部133dからなる環状の部位である。第一接合部133aは、第一接合部133のX軸方向マイナス側に配置された、Y軸方向に延びる長尺状かつ平板状の部位である。また、第一接合部133bは、第一接合部133のY軸方向プラス側に配置された、X軸方向に延びる長尺状かつ平板状の部位である。また、第一接合部133cは、第一接合部133のX軸方向プラス側に配置された、Y軸方向に延びる長尺状かつ平板状の部位である。また、第一接合部133dは、第一接合部133のY軸方向マイナス側に配置された、X軸方向に延びる長尺状かつ平板状の部位である。
【0060】
第一突出部131は、第二外装体200に向けて突出した突出部であり、具体的には、第一外装体100の第二外装体200側の端部に形成された環状の突出部(リブ)である。より具体的には、第一突出部131は、第一接合部133を有する面から立ち上がった突出部(リブ)である。つまり、第一突出部131は、第二突出部132とで第一接合部133(または、後述の溶着部11)を挟むように配置され、第一接合部133の内側からZ軸方向プラス側に向けて、立ち上がるように突出した環状の部位である。
【0061】
具体的には、第一突出部131は、第一接合部133a、第一接合部133b、第一接合部133c及び第一接合部133dに対応して配置された、第一突出部131a、第一突出部131b、第一突出部131c及び第一突出部131dからなる環状の部位である。
【0062】
第一突出部131aは、第一接合部133aのX軸方向プラス側からZ軸方向プラス側に向けて突出した、Y軸方向に延びる長尺状かつ平板状の部位である。また、第一突出部131bは、第一接合部133bのY軸方向マイナス側からZ軸方向プラス側に向けて突出した、X軸方向に延びる長尺状かつ平板状の部位である。また、第一突出部131cは、第一接合部133cのX軸方向マイナス側からZ軸方向プラス側に向けて突出した、Y軸方向に延びる長尺状かつ平板状の部位である。また、第一突出部131dは、第一接合部133dのY軸方向プラス側からZ軸方向プラス側に向けて突出した、X軸方向に延びる長尺状かつ平板状の部位である。
【0063】
ここで、第一突出部131は、第一外装体100と第二外装体200とが熱溶着により接合されて後述の溶着部11が形成される際に、発生する熱を遮るための遮熱部として機能する。つまり、第一突出部131は、溶着部11と弱熱体との間に配置され、当該弱熱体への熱を遮るための遮熱部である。
【0064】
なお、弱熱体とは、熱により機能低下を生じるものをいい、例えば、電気機器40(または、電気機器40内の回路基板など)や蓄電ユニット30(または、蓄電ユニット30内の蓄電素子やスペーサなど)を含む。ここで、「熱によって機能低下を生じる」とは、熱で動作が狂う(誤作動する)、熱で変形する、熱で損傷する、熱で所定の強度よりも強度が低下する、などを含む概念である。つまり、弱熱体は、所定温度よりも融点(またはガラス転移温度)が低い材料からなる部材なども含む概念である。
【0065】
例えば、弱熱体が電気機器40(または、電気機器40内の回路基板など)である場合には、溶着部11と電気機器40との間に配置される第一突出部131aが遮熱部である。また、弱熱体が蓄電ユニット30(または、蓄電ユニット30内の蓄電素子やスペーサなど)である場合には、溶着部11と蓄電ユニット30との間に配置される第一突出部131b〜131dが遮熱部である。
【0066】
第二突出部132は、第一突出部131とで第一接合部133(または、後述の溶着部11)を挟むように配置され、第一接合部133の外側からZ軸方向プラス側に向けて、立ち上がるように突出した環状の部位である。つまり、第二突出部132は、第一突出部131と同様に、第二外装体200に向けて突出した突出部であり、具体的には、第一外装体100の第二外装体200側の端部に形成された環状の突出部(リブ)である。このように、第一外装体100は、第一接合部133(溶着部11)を挟んで内側に第一突出部131を有し、第一接合部133(溶着部11)を挟んで外側に第二突出部132を有している。
【0067】
具体的には、第二突出部132は、第一接合部133a、第一接合部133b、第一接合部133c及び第一接合部133dに対応して配置された、第二突出部132a、第二突出部132b、第二突出部132c及び第二突出部132dからなる環状の部位である。
【0068】
第二突出部132aは、第一接合部133aのX軸方向マイナス側からZ軸方向プラス側に向けて突出した、Y軸方向に延びる長尺状かつ平板状の部位である。また、第二突出部132bは、第一接合部133bのY軸方向プラス側からZ軸方向プラス側に向けて突出した、X軸方向に延びる長尺状かつ平板状の部位である。また、第二突出部132cは、第一接合部133cのX軸方向プラス側からZ軸方向プラス側に向けて突出した、Y軸方向に延びる長尺状かつ平板状の部位である。また、第二突出部132dは、第一接合部133dのY軸方向マイナス側からZ軸方向プラス側に向けて突出した、X軸方向に延びる長尺状かつ平板状の部位である。
【0069】
ここで、第一突出部131は、第二突出部132よりも高さが高い。つまり、第一外装体100の第二外装体200と接続される第一接続部130において、内側のリブの方が外側のリブよりも高さが高くなるように形成されている。
【0070】
具体的には、第一突出部131aは、第二突出部132aよりもZ軸方向に突出する高さが高くなるように形成されている。また、第一突出部131bは、第二突出部132bよりもZ軸方向に突出する高さが高くなるように形成されている。また、第一突出部131cは、第二突出部132cよりもZ軸方向に突出する高さが高くなるように形成されている。また、第一突出部131dは、第二突出部132dよりもZ軸方向に突出する高さが高くなるように形成されている。
【0071】
なお、第一突出部131は、環状に形成されていることには限定されない。例えば、第一突出部131は、第一突出部131aのみからなる構成であってもよいし、第一突出部131aの一部のみからなる構成であってもよい。また、同様に、第二突出部132も、環状に形成されていることには限定されず、例えば、第二突出部132aのみ、または第二突出部132aの一部のみからなる構成であってもよい。
【0072】
また、第一突出部131は、全ての部分が第二突出部132よりも高さが高くなるように形成されていることには限定されず、第一突出部131の一部が第二突出部132よりも高さが低くなるように形成されていてもよい。例えば、第一突出部131のうちの第一突出部131aのみが第二突出部132aよりも高さが高くなるように形成されていてもよいし、第一突出部131aの一部のみが第二突出部132aよりも高さが高くなるように形成されていてもよい。
【0073】
次に、第二外装体200の構成について、詳細に説明する。
【0074】
図4は、本発明の実施の形態に係る第二外装体200の構成を示す斜視図である。
【0075】
第二外装体200は、1以上の蓄電素子を有する蓄電ユニット30の外方に配置される有底矩形筒状の部材であり、第一外装体100と同様に、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂により形成されている。なお、第一外装体100と第二外装体200とは熱溶着により接合されるため、第一外装体100と第二外装体200とは、熱溶着可能な同じ種類の材質、または融点が近い異なる種類の材質で形成されるのが好ましい。
【0076】
同図に示すように、第二外装体200は、第二平面部210と、第二側面部220と、第二接続部230とを有している。
【0077】
第二平面部210は、第二外装体200の上面部(Z軸方向マイナス側が鉛直方向上向きの場合には、第二外装体200の底面部)であり、矩形状かつ平板状の部位である。
【0078】
第二側面部220は、第二平面部210の四方を覆う4つの矩形状かつ平板状の側面部からなる略四角筒形状の部位であり、第二平面部210の外周縁からZ軸方向プラス側に垂れ下がる(Z軸方向マイナス側に立ち上がる)ように形成されている。
【0079】
第二接続部230は、第二側面部220のZ軸方向マイナス側に配置された、第一外装体100と接続される部位である。具体的には、第二接続部230は、第二側面部220のZ軸方向マイナス側の端部に環状に形成された部位であり、第一外装体100の第一接続部130と熱溶着により接合される。ここで、第二接続部230は、第一接続部130の第一接合部133と熱溶着により接合される第二接合部231を有している。
【0080】
第二接合部231は、第一外装体100と第二外装体200とが熱溶着により接合されて後述の溶着部11が形成される際に、第一外装体100の第一接合部133と接合される環状の部位である。つまり、第二接合部231は、第一外装体100と第二外装体200との熱溶着部分のうちの、熱溶着前の第二外装体200側の部分である。
【0081】
具体的には、第二接合部231は、第二接合部231a、第二接合部231b、第二接合部231c及び第二接合部231dからなる環状の部位である。第二接合部231aは、第二接合部231のX軸方向マイナス側に配置された、Y軸方向に延びる長尺状かつ平板状の部位である。また、第二接合部231bは、第二接合部231のY軸方向プラス側に配置された、X軸方向に延びる長尺状かつ平板状の部位である。また、第二接合部231cは、第二接合部231のX軸方向プラス側に配置された、Y軸方向に延びる長尺状かつ平板状の部位である。また、第二接合部231dは、第二接合部231のY軸方向マイナス側に配置された、X軸方向に延びる長尺状かつ平板状の部位である。
【0082】
そして、熱溶着によって、第二接合部231aは第一接合部133aと接合され、第二接合部231bは第一接合部133bと接合され、第二接合部231cは第一接合部133cと接合され、第二接合部231dは第一接合部133dと接合されて、後述の溶着部11が形成される。
【0083】
次に、蓄電ユニット30の構成について、詳細に説明する。
【0084】
図5は、本発明の実施の形態に係る蓄電ユニット30の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、蓄電ユニット30を分解した場合の蓄電ユニット30の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0085】
なお、同図では、説明の便宜のため、Y軸方向を上下方向として示しており、Y軸方向を上下方向として説明している箇所があるが、実際の使用態様において、Y軸方向が上下方向になるとは限らない。
図6においても、同様である。
【0086】
同図に示すように、蓄電ユニット30は、複数の蓄電素子310(本実施の形態では、8つの蓄電素子310)と、複数のスペーサ320(本実施の形態では、7つのスペーサ320)と、2つの挟持部材31と、4つの拘束部材32とを備えている。
【0087】
蓄電素子310は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)である。より具体的には、蓄電素子310は、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池であり、熱により機能低下を生じる弱熱体に含まれる。なお、蓄電素子310は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。また、蓄電ユニット30が有する蓄電素子310は、複数でなくともよく、蓄電ユニット30は1つの蓄電素子310しか有していない構成でもかまわない。
【0088】
スペーサ320は、隣り合う2つの蓄電素子310の間に配置され、当該2つの蓄電素子310間を絶縁する樹脂等で形成された絶縁性の板状部材である。具体的には、スペーサ320は、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂で形成された樹脂製の枠体であり、熱により機能低下を生じる弱熱体に含まれる。本実施の形態では、8つの蓄電素子310の間に、7枚のスペーサ320が配置されている。
【0089】
挟持部材31は、一対の平板状部材である挟持部材31a及び31bからなり、複数の蓄電素子310(及び複数のスペーサ320)を、当該複数の蓄電素子310の並び方向(Z軸方向)の両側から挟み込んで保持する。ここで、挟持部材31は、例えばステンレスやアルミニウム等の金属製の部材であるが、隣り合う蓄電素子310との間に、樹脂製の枠体が配置されることで、蓄電素子310との絶縁性を確保している。なお、挟持部材31と蓄電素子310との間に配置される当該樹脂製の枠体についても、熱により機能低下を生じる弱熱体に含まれる。
【0090】
拘束部材32は、両端が、一対の挟持部材31a及び31bに取り付けられて、複数の蓄電素子310(及び複数のスペーサ320)を拘束する。つまり、拘束部材32は、当該複数の蓄電素子310を跨ぐように配置され、当該複数の蓄電素子310に対して、当該複数の蓄電素子310の並び方向(Z軸方向)における拘束力を付与する。
【0091】
ここで、拘束部材32は、拘束部材32a〜32dからなる。そして、拘束部材32a及び32bは、複数の蓄電素子310の両側方(X軸方向の両側方)に配置され、当該複数の蓄電素子310を当該両側方から挟み込んで拘束する。また、拘束部材32c及び32dは、複数の蓄電素子310の下方(Y軸方向プラス側)に配置され、当該複数の蓄電素子310を当該下方から拘束する。
【0092】
なお、蓄電ユニット30には、蓄電素子310同士を電気的に接続するバスバーなども配置されているが、詳細な説明については、省略する。
【0093】
次に、蓄電素子310の構成について、詳細に説明する。
【0094】
図6は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子310の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、蓄電素子310の容器311を透視して蓄電素子310の内部を示す斜視図である。
【0095】
同図に示すように、蓄電素子310は、容器311、正極端子312及び負極端子313を備えている。また、容器311内方には、電極体314、正極集電体315及び負極集電体316が配置されている。なお、容器311の内部には電解液などの液体が封入されているが、当該液体の図示は省略する。
【0096】
容器311は、金属からなる矩形筒状で底を備える本体と、当該本体の開口を閉塞する金属製の蓋部(Y軸方向マイナス側の面部)とで構成されている。容器311は、電極体314等を内部に収容後、蓋部と本体とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。また、容器311の蓋部には、容器311内方の圧力が上昇した場合に当該圧力を開放するための安全弁317が配置されている。
【0097】
また、容器311の蓋部の、正極端子312及び負極端子313と正極集電体315及び負極集電体316との取付箇所には、樹脂製のパッキンが配置されている。また、蓄電ユニット30が第一外装体100上に配置された状態において、蓄電ユニット30が備える複数の蓄電素子310のうちの最下部(Z軸方向マイナス側の端部)に位置する蓄電素子310の容器311の蓋部は、後述の溶着部11に対向して配置され、当該蓋部と溶着部11との間に、第一突出部131dが配置される。
【0098】
電極体314は、正極と負極とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる発電要素である。具体的には、電極体314は、正極と負極との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものを巻回されて形成された巻回型の電極体である。なお、電極体314は、平板状極板を積層した積層型の電極体であってもかまわない。
【0099】
ここで、正極は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などからなる長尺帯状の導電性の正極集電箔の表面に正極活物質層が形成された電極板であり、負極は、銅または銅合金などからなる長尺帯状の導電性の負極集電箔の表面に負極活物質層が形成された電極板であり、セパレータは、微多孔性のシートである。なお、蓄電素子310に用いられる正極、負極及びセパレータは、特に従来用いられてきたものと異なるところはなく、蓄電素子310の性能を損なうものでなければ適宜公知の材料を使用できる。また、容器311に封入される電解液(非水電解質)としても、蓄電素子310の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく様々なものを選択することができる。
【0100】
正極端子312は、正極集電体315を介して、電極体314の正極に電気的に接続された電極端子であり、負極端子313は、負極集電体316を介して、電極体314の負極に電気的に接続された電極端子である。つまり、正極端子312及び負極端子313は、電極体314に蓄えられている電気を蓄電素子310の外部空間に導出し、また、電極体314に電気を蓄えるために蓄電素子310の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。
【0101】
この正極端子312及び負極端子313を介して、蓄電ユニット30内の複数の蓄電素子310が直列または並列に接続される。また、いずれかの蓄電素子310の正極端子312が、第一外装体100に設けられた正極外部端子21と接続され、いずれかの蓄電素子310の負極端子313が、第一外装体100に設けられた負極外部端子22と接続される。
【0102】
正極集電体315は、電極体314の正極と容器311の側壁との間に配置され、正極端子312と正極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、正極集電体315は、正極の正極集電箔と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成されている。また、負極集電体316は、電極体314の負極と容器311の側壁との間に配置され、負極端子313と電極体314の負極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、負極集電体316は、負極の負極集電箔と同様、銅または銅合金などで形成されている。
【0103】
次に、電気機器40の構成について、詳細に説明する。
【0104】
図7は、本発明の実施の形態に係る電気機器40の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、電気機器40のカバー44を取り外して、電気機器40の内方を図示している。
【0105】
電気機器40は、熱により機能低下を生じる弱熱体に含まれる。具体的には、同図に示すように、電気機器40は、支持台41と、支持台41上に配置された回路基板42及びリレー43と、回路基板42及びリレー43を覆うカバー44とを備えている。
【0106】
支持台41は、回路基板42及びリレー43を据え付けるための平板状の部材である。つまり、支持台41上に回路基板42及びリレー43を据え付けた後に、支持台41にカバー44を取り付けることにより、支持台41及びカバー44の内方に回路基板42及びリレー43を収容する。
【0107】
また、支持台41及びカバー44は、樹脂などの絶縁性の部材で形成されている。このため、支持台41及びカバー44の内方に回路基板42及びリレー43を収容することで、回路基板42及びリレー43が外部の金属部材などに接触することを回避する。
【0108】
回路基板42は、蓄電ユニット30が備える蓄電素子310のうちの少なくとも1つの蓄電素子310に電気的に接続される電気機器であり、熱により機能低下を生じる弱熱体に含まれる。リレー43についても、熱により機能低下を生じる弱熱体に含まれる。
【0109】
具体的には、回路基板42は、複数の蓄電素子310の充電状態や放電状態(電圧、温度などの電池状態)などを取得し、監視し、制御することのできる制御基板であり、配線(リード線)によって複数の蓄電素子310の正極端子312または負極端子313に接続されている。回路基板42には、例えば、当該監視を行ったり、リレー43のオン、オフを制御したり、他の機器と通信を行ったりするための制御回路(図示せず)が設けられている。
【0110】
また、回路基板42は、蓄電ユニット30内の蓄電素子310と後述の溶着部11との間であって、蓄電素子310よりも溶着部11に近い位置に配置される。具体的には、電気機器40が第一外装体100上に配置された状態において、回路基板42は、溶着部11の近傍(さらに具体的には、真横)に配置され、回路基板42と溶着部11との間に、第一突出部131aが配置される。
【0111】
なお、電気機器40は、インバータ回路など、上記のような回路基板42及びリレー43とは異なる弱熱体を備えていてもよい。または、電気機器40は、弱熱体として、所定温度よりも融点(またはガラス転移温度)が低い材料からなる部材等を備えていてもよい。
【0112】
次に、第一外装体100と第二外装体200とを熱溶着により接合することで、蓄電装置1を製造する方法について、
図8〜
図10を用いて詳細に説明する。
【0113】
図8は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1の製造方法を示すフローチャートである。具体的には、同図は、第一外装体100と第二外装体200とを熱溶着により接合することで、蓄電装置1を製造する方法を示している。
【0114】
同図に示すように、第一外装体100上に、蓄電ユニット30及び電気機器40を配置する(S102)。
【0115】
具体的には、
図9に示すように、第一外装体100の第一平面部110上に、蓄電ユニット30及び電気機器40をX軸方向に並べて配置する。
図9は、本発明の実施の形態に係る第一外装体100上に蓄電ユニット30及び電気機器40を配置した場合の構成を示す斜視図である。
【0116】
ここで、電気機器40を蓄電ユニット30の上下に配置すると、蓄電装置1の振動によって電気機器40が損傷してしまう虞があるため、電気機器40は、蓄電ユニット30の側方(X軸方向またはY軸方向)に配置するのが好ましい。また、蓄電ユニット30が有する蓄電素子310の安全弁317からの排気による熱の影響を避けるために、電気機器40は、蓄電ユニット30の側方のうちの安全弁317が配置されていない側に配置するのが好ましい。このため、本実施の形態では、電気機器40は、蓄電ユニット30のX軸方向の側方に配置されている。なお、電気機器40は、蓄電ユニット30のY軸方向の側方のうちの安全弁317が配置されていない側に配置することにしてもよい。
【0117】
そして、
図8に戻り、第一外装体100の第一接続部130の第一接合部133上に、熱板を配置する(S104)。
【0118】
具体的には、
図10の(a)に示すように、第一外装体100の第一接合部133(同図では、第一接合部133a及び133c)上に、300℃程度に加熱した金属部材である熱板500を配置する。
図10は、本発明の実施の形態に係る外装体10に熱板を配置して熱溶着を行う構成を示す断面図である。
【0119】
なお、第一突出部131のZ軸方向の長さ(高さ)は、熱板500の先端部分(第一接合部133と第二接合部231とに接する部分)のZ軸方向の長さよりも長くなるように形成されている。つまり、熱板500の先端部分の下面が第一接合部133に当接している状態で、第一突出部131の高さが当該先端部分の高さよりも高くなるように形成されている。この構成により、熱板500の熱が弱熱体に及ぼす影響を、第一突出部131によって低減することができている。
【0120】
また、蓄電ユニット30のZ軸方向の長さ(高さ)は、第一外装体100及び第二外装体200のいずれよりも長い(高い)。このため、熱板500は、蓄電ユニット30と干渉しないように、一体の枠型形状(四角形の環状形状)に形成されており、蓄電ユニット30に被せるように、熱板500を所定の位置へ移動させていく。
【0121】
なお、熱板500は、一体に形成されていなくともよく、2分割や4分割されて形成されていても、全体形状として枠型形状になっていればよい。例えば、四角形の環状形状を2分割した形状(U字形状)を2つ組み合わせてもよいし、四角形の環状形状の一辺が欠けた形状(U字形状)にI字形状のものを組み合わせてもよいし、L字形状のものを2つ組み合わせてもよいし、I字形状のものを4つ組み合わせてもよい。
【0122】
そして、
図8に戻り、第一外装体100と第二外装体200との接合部分を加熱する(S106)。つまり、加熱工程として、第一外装体100と第二外装体200との接合部分であって、弱熱体とで遮熱部を挟むように配置された接合部分を加熱する。
【0123】
具体的には、蓄電ユニット30とで第一突出部131を挟むように配置された第一外装体100の第一接合部133と、第二外装体200の第二接合部231とに、
図10の(a)に示した熱板500を押し付ける。これにより、第一接合部133及び第二接合部231(同図では、第一接合部133a、133c及び第二接合部231a、231c)を加熱する。なお、第一接合部133及び第二接合部231を加熱することができる構成であれば、熱板500を押し付ける構成には限定されず、レーザー、超音波溶着、摩擦熱等によって第一接合部133及び第二接合部231を加熱する構成など、どのような構成でもかまわない。
【0124】
そして、
図8に戻り、熱板500を取り外す(S108)。つまり、第一外装体100と第二外装体200とに熱板500を押し付けた状態から、一旦、第一外装体100と第二外装体200とをZ軸方向で離間するように移動させて、熱板500を取り外す。
【0125】
そして、第一外装体100と第二外装体200とを接合部分で熱溶着により接合する(S110)。つまり、接合工程として、第一外装体100の第一接続部130と第二外装体200の第二接続部230とを接合部分で熱溶着により接合する。
【0126】
具体的には、
図10の(b)に示すように、再度第一外装体100と第二外装体200とを近付けて、第一外装体100と第二外装体200とを当接させることで、第一外装体100の第一接合部133と第二外装体200の第二接合部231とを熱溶着により接合する。これにより、溶着部11が形成される。つまり、同図に示すように、第一接合部133a及び133cと第二接合部231a及び231cとが接合されて、溶着部11a及び11cが形成される。また、同様に、第一接合部133b及び133dと第二接合部231b及び231dとが接合されて、溶着部11b及び11dが形成される。
【0127】
このように、溶着部11は、第一突出部131の先端または第二突出部132の先端に形成されるのではなく(つまり、第一外装体100の先端が溶着されるのではなく)、第一突出部131の基端と第二突出部132の基端との間の第一接合部133に形成される溶着部分である。
【0128】
なお、加熱工程(
図8のS106)において、第一接合部133及び第二接合部231のいずれか一方に熱板500を押し付けることで、第一接合部133及び第二接合部231のいずれか一方を加熱することにしてもよい。これによっても、接合工程(
図8のS110)において、第一接合部133と第二接合部231とを熱溶着により接合し、溶着部11を形成することができる。
【0129】
また、第一接合部133に、上方(Z軸方向プラス側)に突出した突起が設けられており、当該突起が熱板500の熱によってとけることで溶着が行われる構成でもかまわない。また、第二接合部231についても同様に、下方(Z軸方向マイナス側)に突出した突起が設けられており、当該突起によって溶着が行われる構成でもかまわない。
【0130】
また、第二外装体200の内方に蓄電ユニット30及び電気機器40を配置した後に、第一外装体100と第二外装体200との接合部分を加熱して熱溶着により接合することにしてもかまわない。
【0131】
以上のようにして、第一外装体100と第二外装体200とが接合されて、蓄電装置1が製造される。ここで、第一外装体100と第二外装体200とが接合された状態における第一外装体100及び第二外装体200と蓄電ユニット30と電気機器40との位置関係について、説明する。
【0132】
図11は、本発明の実施の形態に係る第一外装体100及び第二外装体200と蓄電ユニット30と電気機器40との位置関係を示す断面図である。
【0133】
同図に示すように、第一外装体100と第二外装体200とが接合されることで、第一接合部133と第二接合部231とが接合されて、溶着部11(同図では、溶着部11a及び11c)が形成されている。つまり、溶着部11は、第一外装体100と第二外装体200とが熱溶着により接合されることで形成された第一外装体100と第二外装体200との接合部分である。
【0134】
また、第一外装体100の第一突出部131aは、溶着部11aと、電気機器40内の回路基板42などの弱熱体との間に配置されている。具体的には、回路基板42は、溶着部11aのX軸方向プラス側の近傍(真横)に、溶着部11aと対向して配置されている。また、回路基板42と溶着部11aとの間には、第一突出部131aが配置されている。
【0135】
また、第一突出部131cは、溶着部11cと、蓄電ユニット30内の蓄電素子310などの弱熱体との間に配置されている。第一突出部131b及び131dについても、同様である。具体的には、蓄電ユニット30の最下部(Z軸方向マイナス側の端部)の蓄電素子310は、溶着部11b〜11d(溶着部11bはY軸方向プラス側の溶着部、溶着部11dはY軸方向マイナス側の溶着部)と対向して配置されている。また、当該最下部の蓄電素子310は、容器311の蓋部が溶着部11dに対向して配置されており、当該蓋部と溶着部11dとの間に、第一突出部131dが配置されている。
【0136】
このように、第一突出部131は、第一外装体100と第二外装体200との熱溶着により生じる熱を遮るための遮熱部であり、溶着部11と弱熱体との間に配置されている。
【0137】
また、第一突出部131aは、電気機器40と離隔して配置されている。つまり、電気機器40が第一外装体100上に配置される際に、第一突出部131aとは離隔して配置される。例えば、第一外装体100に電気機器40へ向けたリブを設け、当該リブを電気機器40のカバー44に当接させることで、第一突出部131aと電気機器40(回路基板42)とを離隔して配置することができる。または、電気機器40にさらにカバーを設けたり、単に第一突出部131aと電気機器40とを離して配置したりすることでも、第一突出部131aと電気機器40(回路基板42)とを離隔して配置することができる。
【0138】
また、第一突出部131cは、蓄電ユニット30と離隔して配置されている。例えば、上記と同様に、第一外装体100に蓄電ユニット30へ向けたリブを設け、当該リブを蓄電ユニット30に当接させることで、第一突出部131cと蓄電ユニット30(蓄電素子310)とを離隔して配置することができる。または、蓄電ユニット30にカバーを設けたり、単に第一突出部131cと蓄電ユニット30とを離して配置したりすることでも、第一突出部131cと蓄電ユニット30(蓄電素子310)とを離隔して配置することができる。
【0139】
このように、遮熱部は、弱熱体と離隔して配置されている。第一突出部131b及び131dについても、同様である。
【0140】
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1によれば、第一外装体100と第二外装体200との熱溶着による接合部分である溶着部11と、熱により機能低下を生じる弱熱体との間に、熱を遮るための遮熱部を備えている。このため、外装体10の接合に熱溶着を用いる場合であっても、遮熱部によって、熱溶着における熱を遮ることができるため、当該熱が弱熱体に及ぼす影響を低減することができる。
【0141】
具体的には、弱熱体は、回路基板42を含むため、第一外装体100と第二外装体200との熱溶着における熱が、回路基板42に及ぼす影響を低減することができる。
【0142】
さらに具体的には、回路基板42は、蓄電素子310よりも溶着部11に近い位置(溶着部11の近傍)に配置されているが、回路基板42と溶着部11との間に遮熱部が配置されているため、熱溶着における熱が回路基板42に及ぼす影響を低減することができる。
【0143】
また、弱熱体は、蓄電素子310である非水電解質二次電池を含むため、熱溶着における熱が、熱に弱い当該非水電解質二次電池に及ぼす影響を低減することができる。
【0144】
また、蓄電ユニット30の最下部(Z軸方向マイナス側の端部)に配置される蓄電素子310は、容器311の蓋部が溶着部11に対向して配置されており、容器311の蓋部には、熱に弱い樹脂製のパッキンが配置されている。このため、蓄電素子310と溶着部11との間に遮熱部が配置されることで、熱溶着における熱が当該パッキンに及ぼす影響を低減することができる。
【0145】
また、弱熱体は、スペーサ320などの樹脂製の枠体を含むため、熱溶着における熱が、熱に弱い当該枠体に及ぼす影響を低減することができる。
【0146】
また、蓄電装置1は、遮熱部として、第一外装体100に、第二外装体200に向けて突出した第一突出部131を設けることにより、容易に、遮熱部を形成することができる。また、第一突出部131を設けることにより、第一外装体100に第二外装体200を配置する際に、第一突出部131に沿って第二外装体200を嵌め込めばよいため、第一外装体100に対する第二外装体200の位置決めを容易に行うことができる。
【0147】
さらに、第一突出部131に加えて第二突出部132が設けられているため、第一突出部131と第二突出部132とで、第一外装体100と第二外装体200との位置合わせを容易に行うことができる。また、第二突出部132によって、溶着部11が蓄電装置1の外方に露出しないように隠すことができ、外観を良くすることができる。
【0148】
また、溶着部11を挟む第一突出部131及び第二突出部132のうちの第一突出部131の方が高さが高くなるように形成されている。つまり、第一突出部131が遮熱部としての機能を果たせばよく、第二突出部132を高く形成する必要はないため、第二突出部132よりも第一突出部131の方が高さが高くなるように形成する。これにより、熱溶着における熱が弱熱体に及ぼす影響を低減することができる。
【0149】
また、第二突出部132の高さが高いと、第二突出部132の壁によって熱板500の熱が蓄電装置1内にこもる虞がある。このため、第二突出部132の高さを低く形成することで、熱板500の熱が不必要に蓄電装置1の内方に伝わることを抑制することができる。
【0150】
また、第一突出部131は、第一外装体100の端部に環状に形成されており、当該環状に形成された第一突出部131の内部に熱が伝わるのを抑制することができるため、熱溶着における熱が弱熱体に及ぼす影響を低減することができる。
【0151】
また、遮熱部は、弱熱体と離隔して配置されているため、熱溶着における熱が遮熱部を介して弱熱体に伝わるのを抑制し、当該熱が弱熱体に及ぼす影響を低減することができる。また、振動等により遮熱部が弱熱体に当たり、弱熱体を損傷するのを抑制することができる。
【0152】
また、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1の製造方法によれば、弱熱体とで遮熱部を挟むように配置された第一外装体100と第二外装体200との接合部分を加熱し、第一外装体100と第二外装体200とを当該接合部分で熱溶着により接合する。このため、外装体10の接合に熱溶着を用いる場合であっても、遮熱部によって、熱溶着における熱が弱熱体に伝わるのを抑制することができるため、当該熱が弱熱体に及ぼす影響を低減することができる。
【0153】
(変形例1)
次に、上記実施の形態の変形例1について、説明する。上記実施の形態では、第一外装体100は、第一突出部131及び第二突出部132の2つのリブを有していることとした。しかし、本変形例では、第一外装体は、第二突出部132を有していない。
【0154】
図12は、本発明の実施の形態の変形例1に係る第一外装体100a及び第二外装体200の構成を示す断面図である。
【0155】
同図に示すように、第一外装体100aは、第一突出部131(同図では、第一突出部131a及び131c)は有しているが、上記実施の形態における第二突出部132は有していない。
【0156】
そして、上記実施の形態と同様に、第一外装体100aの第一接合部133(同図では、第一接合部133a及び133c)と第二外装体200の第二接合部231(同図では、第二接合部231a及び231c)とが熱溶着により接合されて、溶着部11(同図では、溶着部11a及び11c)が形成されている。
【0157】
以上のように、本変形例に係る蓄電装置によっても、上記実施の形態と同様の効果が奏される。特に、第一外装体100aに第二突出部132が形成されていないため、第一外装体100aを容易に製造することができる。
【0158】
(変形例2)
次に、上記実施の形態の変形例2について、説明する。上記変形例1では、第一外装体100aは、第一突出部131を有しているが第二突出部は有しておらず、第二外装体200も突出部を有していないこととした。しかし、本変形例では、第二外装体が第二突出部を有している。
【0159】
図13は、本発明の実施の形態の変形例2に係る第一外装体100a及び第二外装体200aの構成を示す断面図である。
【0160】
同図に示すように、第一外装体100aは、第一突出部131(同図では、第一突出部131a及び131c)を有しており、第二外装体200aは、第二突出部232(同図では、第二突出部232a及び232c)を有している。ここで、第二突出部232は、上記実施の形態の第二突出部132と同様の形状を有している。
【0161】
具体的には、第二突出部232は、第二接合部231(同図では、第二接合部231a及び231c)の外側からZ軸方向マイナス側に向けて、垂れ下がるように突出した環状の部位である。つまり、第二突出部232は、第二外装体200aの第一外装体100a側の端部に形成され、第一外装体100aに向けて突出した環状の突出部(リブ)である。
【0162】
そして、上記実施の形態と同様に、第一外装体100aの第一接合部133(同図では、第一接合部133a及び133c)と、第二外装体200aの第二接合部231(同図では、第二接合部231a及び231c)とが熱溶着により接合されて、溶着部11(同図では、溶着部11a及び11c)が形成されている。つまり、第二突出部232は、第一突出部131とで、第一接合部133、第二接合部231及び溶着部11を挟むように配置される。
【0163】
以上のように、本変形例に係る蓄電装置によっても、上記実施の形態と同様の効果が奏される。特に、第二外装体200aに第二突出部232が設けられているため、第一外装体100aと第二外装体200aとの位置合わせを容易に行うことができる。また、第二突出部232によって、溶着部11が蓄電装置の外方に露出しないように隠すことができ、外観を良くすることができる。
【0164】
(変形例3)
次に、上記実施の形態の変形例3について、説明する。上記実施の形態では、第一外装体100はカバー部材であり、第二外装体200はハウジングであることとした。これに対し、本変形例は、第一外装体がハウジングであり、第二外装体がカバー部材である。つまり、本変形例は、カバー部材とハウジングとの接合箇所の構成を入れ替えた構成である。
【0165】
図14は、本発明の実施の形態の変形例3に係る第一外装体100b及び第二外装体200bの構成を示す断面図である。
【0166】
同図に示すように、第一外装体100bは、上記実施の形態の第二外装体200と同様の蓄電装置のハウジングであるが、上記実施の形態の第一外装体100と同様に、第一突出部131及び第二突出部132と、第一接合部133とを有している。つまり、第一外装体100bは、第一接合部133を挟む2つのリブである第一突出部131及び第二突出部132を有している。
【0167】
また、第二外装体200bは、上記実施の形態の第一外装体100と同様の蓄電装置のカバー部材であるが、上記実施の形態の第二外装体200と同様に、第二接続部230に第二接合部231を有している。
【0168】
そして、上記実施の形態と同様に、第一外装体100bの第一接合部133と第二外装体200bの第二接合部231とが熱溶着により接合されて、溶着部11が形成されている。
【0169】
この場合、
図8に示した蓄電装置の製造方法においては、まず、ハウジングである第一外装体100bの内方に、蓄電ユニット30及び電気機器40を配置(S102)した後に、第一外装体100bと第二外装体200bとの接合部分を加熱して熱溶着により接合する(S104〜S110)。なお、カバー部材である第二外装体200b上に蓄電ユニット30及び電気機器40を配置した後に、第一外装体100bと第二外装体200bとを接合することにしてもかまわない。
【0170】
なお、本変形例3に、上記の変形例1または2を適用してもよい。つまり、上記の変形例1のように、第一外装体100bは、第二突出部132を有しておらず、第一突出部131のみを有している構成でもかまわない。または、上記の変形例2のように、第一外装体100bは第二突出部132を有しておらず、第二外装体200bが第二突出部を有している構成でもかまわない。
【0171】
以上のように、本変形例に係る蓄電装置によっても、上記実施の形態と同様の効果が奏される。
【0172】
(変形例4)
次に、上記実施の形態の変形例4について、説明する。
【0173】
本変形例では、遮熱部は、断熱材で形成された断熱部を有する。つまり、蓄電装置において、弱熱体が熱の影響を受けるのを抑制するように、弱熱体と熱の発生源との間に、断熱材で形成された断熱部を配置する。
【0174】
例えば、弱熱体が電気機器40(または、電気機器40内の回路基板42など)である場合には、遮熱部は、溶着部11と電気機器40との間に配置される第一突出部131a等である。また、弱熱体が蓄電ユニット30(または、蓄電ユニット30内の蓄電素子など)である場合には、遮熱部は、溶着部11と蓄電ユニット30との間に配置される第一突出部131b〜131d等の部位である。
【0175】
このため、弱熱体が熱の影響を受けるのを抑制するように、断熱部として、第一突出部131a〜131d等の遮熱部の全部または一部を断熱材で形成する。つまり、断熱部として、第一外装体100の一部を断熱材で形成する。なお、第一外装体100の全部を断熱材で形成する構成でもよいし、第二外装体200の一部または全部を断熱材で形成する構成でもかまわない。
【0176】
また、弱熱体が電気機器40内の回路基板42やリレー43である場合には、遮熱部は、回路基板42やリレー43を収容するカバー44等である。このため、弱熱体が熱の影響を受けるのを抑制するように、断熱部として、遮熱部であるカバー44の全部または一部を断熱材で形成する。つまり、断熱部は、弱熱体を覆うカバーであるとしてもよい。
【0177】
このように、本変形例では、遮熱部が、断熱材で形成された断熱部を有する構成とする。なお、断熱部は、断熱性の素材で形成されていてもよいし、断熱テープを貼り付けるなど断熱性の素材で覆われることにより形成されていてもよい。また、断熱部を形成する断熱材の一例としては、マイカ片を集積し、結合することで構成されるダンマ材が挙げられる。
【0178】
以上のように、本変形例に係る蓄電装置によっても、上記実施の形態と同様の効果が奏される。特に、遮熱部は、断熱材で形成された断熱部を有しているため、当該断熱部によって、熱溶着における熱が弱熱体に伝わるのをさらに抑制し、当該熱が弱熱体に及ぼす影響を低減することができる。
【0179】
また、弱熱体を覆うカバーを断熱材で形成した場合には、当該カバーによって、熱溶着における熱が弱熱体に伝わるのをさらに抑制し、当該熱が弱熱体に及ぼす影響を低減することができる。
【0180】
また、第一外装体100または第二外装体200の一部または全部を断熱材で形成した場合には、第一外装体100または第二外装体200の内方と外方とを断熱することができる。
【0181】
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電装置について説明したが、本発明は、上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0182】
例えば、上記実施の形態及びその変形例では、弱熱体として、電気機器40または蓄電ユニット30が配置されていることとした。しかし、電気機器40または蓄電ユニット30の配置位置に、弱熱体として、他の電気機器や、所定温度よりも融点(またはガラス転移温度)が低い材料からなる容器などが配置されていることにしてもよい。
【0183】
また、上記実施の形態及びその変形例では、第一突出部131は、第二突出部132よりも高さが高いこととしたが、第二突出部132が第一突出部131よりも高さが高い構成でもかまわない。
【0184】
また、上記実施の形態及びその変形例では、遮熱部は弱熱体と離隔して配置されていることとしたが、遮熱部は弱熱体と一部が接していてもかまわない。なお、変形例4のように、遮熱部が断熱部を有する場合には、断熱部が弱熱体に接する構成であっても、熱が弱熱体に及ぼす影響を低減することができる。
【0185】
また、上記実施の形態及びその変形例では、弱熱体は、溶着部に対向して配置されていることとした。しかし、弱熱体は、溶着部に対向して配置されていることには限定されず、溶着部に近接して(溶着部の近傍に)配置されていればよい。例えば、
図11において、蓄電素子310がX軸方向またはY軸方向に配列されており、弱熱体としての蓄電素子310の蓋部が、Z軸方向マイナス側を向いている場合には、当該蓋部は、溶着部に対向してはいないが、近接して配置されている。
【0186】
また、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電素子310は、金属製の容器311を有する電池であることとした。しかし、蓄電素子310は、ラミネートフィルムで形成されたラミネート容器を有するラミネート型電池であることにしてもかまわない。この場合、ラミネート型電池は熱に弱いため、蓄電素子310であるラミネート型電池が弱熱体に含まれるとして、ラミネート型電池と溶着部11との間に遮熱部が配置されることで、熱溶着における熱が当該ラミネート型電池に及ぼす影響を低減することができる。
【0187】
また、上記実施の形態及びその変形例では、溶着部は、第一外装体100と第二外装体200とが熱溶着により接合されることで形成された接合部分であることとした。しかし、第一外装体100と第二外装体200との接合は、熱溶着には限定されず、超音波溶着などの溶着でもかまわない。つまり、溶着部は、第一外装体100と第二外装体200とが超音波溶着などの溶着により接合されることで形成された接合部分であることにしてもかまわない。この場合でも、溶着部に熱が発生した場合に、溶着部と弱熱体との間に配置された遮熱部によって、当該溶着における熱が及ぼす影響を低減することができる。
【0188】
また、上記実施の形態及びその変形例が備える各構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上述の通り上記変形例1または2に上記変形例3を適用した構成や、上記変形例1〜3に上記変形例4を適用した構成も、本発明の範囲内に含まれる。