特許第6759543号(P6759543)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6759543駆動装置、電子時計、および駆動装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6759543
(24)【登録日】2020年9月7日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】駆動装置、電子時計、および駆動装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G04C 3/14 20060101AFI20200910BHJP
【FI】
   G04C3/14 T
【請求項の数】16
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-179218(P2015-179218)
(22)【出願日】2015年9月11日
(65)【公開番号】特開2017-53784(P2017-53784A)
(43)【公開日】2017年3月16日
【審査請求日】2018年8月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】水口 元尊
(72)【発明者】
【氏名】橘田 典幸
【審査官】 吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−200918(JP,A)
【文献】 特開2000−235088(JP,A)
【文献】 特開2004−325316(JP,A)
【文献】 特開2010−261905(JP,A)
【文献】 特開2010−203831(JP,A)
【文献】 特開2012−189340(JP,A)
【文献】 特開2002−48880(JP,A)
【文献】 特開平9−90062(JP,A)
【文献】 特開2015−108627(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04C 1/00−99/00
G04G 3/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周期的に所定角度ごとに回転することで移動する第1の指針と、
前記第1の指針の移動開始後停止前の期間に移動を開始する第2の指針と、
前記第2の指針の移動動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1の指針の前記所定角度を移動する周期が長くなることに応じて前記第2の指針を移動させることを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2の指針を移動させた後に、前記第1の指針の前記所定角度を移動する周期が長くなることに応じて前記第2の指針の移動速度を変更することを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の指針の前記所定角度を移動する周期が長くなることに応じて前記第2の指針の移動を開始させることを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の指針の前記所定角度を移動する周期が長くなることに応じて前記第2の指針を移動させた後に、前記第1の指針の停止タイミングに応じて前記第2の指針の移動を停止させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記第2の指針が移動した後に移動を開始する第3の指針と、
を備え、
前記制御部は、さらに前記第3の指針の移動動作を制御し、
前記制御部は、前記第1の指針の前記所定角度を移動する周期が長くなることに応じて前記第2の指針を移動させた後に、前記第1の指針の前記所定角度を移動する周期がさらに長くなった時に、当該周期の変化に応じて前記第3の指針を移動させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記制御部が前記第2の指針を移動させる前記第1の指針の前記所定角度を移動する周期は、前記制御部が前記第3の指針を移動させる前記第1の指針の前記所定角度を移動する周期の2倍の長さであることを特徴とする請求項5に記載の駆動装置。
【請求項7】
ユーザからの操作を受け付ける操作部と、
を備え、
前記制御部は、さらに前記第1の指針の移動動作を制御し、
前記制御部は、前記操作部がユーザからの操作を受け付けた際に前記第1の指針を移動させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項8】
複数のモータと、
前記モータに駆動信号を印加することで、前記モータを回転動作させるモータ制御処理部と、
を備え、
前記モータ制御処理部は、
前記複数のモータを回転動作させる際に、前記駆動信号の周期を長くすることで前記複数のモータのうちの1つのモータの回転動作速度を減速制御し、前記複数のモータのうちの他のモータの回転動作を開始制御することを特徴とする駆動装置。
【請求項9】
前記モータ制御処理部は、前記減速制御するモータへの前記駆動信号のロー期間に、前記開始制御するモータへの前記駆動信号がハイ期間になるように前記開始制御するモータへの前記駆動信号を制御することを特徴とする請求項8に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記モータ制御処理部は、
前記減速制御するモータの前記駆動信号と前記開始制御するモータの前記駆動信号とを同時に出力可能か否かを判定する並列駆動判定部と
前記減速制御するモータへの前記駆動信号を生成し、前記並列駆動判定部の判定結果に応じ
て前記開始制御するモータへの前記駆動信号をさらに生成する駆動信号生成部と、
を備えることを特徴とする請求項9に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記並列駆動判定部は、前記駆動信号の周期と前記モータの駆動特性とにより並列駆動の可否を判定する
ことを特徴とする請求項10に記載の駆動装置。
【請求項12】
周期的に所定角度ごとに回転することで移動する第1の指針と、
前記第1の指針の停止前に移動を開始する第2の指針と、
前記第2の指針の移動動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1の指針の前記所定角度を移動する周期が長くなることに応じて前記第2の指針の移動速度を変更することを特徴とする駆動装置。
【請求項13】
周期的に所定角度ごとに回転することで移動する第1の指針と、
前記第1の指針の移動開始時から停止前の期間に移動を開始する第2の指針と、
前記第2の指針の移動動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1の指針の前記所定角度を移動する周期が長くなるタイミングに応じて前記第2の指針の移動速度を変更することを特徴とする駆動装置。
【請求項14】
前記制御部は、第1の移動速度、前記第1の移動速度より低速である第2の移動速度、前記第2の移動速度の半分の速度である第3の移動速度、の順に前記第1の指針の前記移動動作を制御することを特徴とする請求項1又は1に記載の駆動装置。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の駆動装置を備える電子時計。
【請求項16】
複数のモータと前記モータに駆動信号を印加することで前記モータを回転動作させるモータ制御処理部とを備える駆動装置の制御方法
であって、
前記モータ制御処理部が、前記駆動信号の周期を長くすることで前記複数のモータのうちの1つのモータの回転動作速度を減速制御する工程、
前記モータを制御するモータ制御処理部が、前記減速制御の後に、前記複数のモータのうちの他のモータの回転動作を開始制御する工程、
前記モータを制御するモータ制御処理部が、前記開始制御の後に、前記減速制御するモータへの駆動信号のロー期間に、前記開始制御するモータへの駆動信号がハイ期間になるように前記開始制御するモータへの駆動信号を制御する工程、
を含むことを特徴とする駆動装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステッピングモータで運針をおこなう駆動装置、駆動装置を備えた電子時計、および駆動装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アナログ電子時計では、複数のスッテピングモーターのそれぞれが、時針、分針、秒針等の指針を駆動して時刻を表示している。この指針の運針は、ステッピングモータに駆動パルス電圧を印加してステッピングモータのロータを回転させ、歯車の配列である輪列機構によりロータの回転を所定のギア比で指針に伝達し、指針を回転させていた(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
アナログ電子時計では、現在時刻への修正やユーザによるりゅーず等の操作に応じた表示モードや動作状態の切り替えなどで、ステッピングモータの駆動パルス電圧の出力周期を制御して、指針を早送り移動している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−147727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1に記載の技術は、複数のステッピングモータを制御する構成として、前制御モータが停止した後に、後制御モータを動作制御することが記載されている。
特許文献1の技術では、運針開始タイミングや運針速度の制御の自由度が少なく、よりスムーズでダイナミックな運針表現を行うことが困難であった。
【0006】
本発明の目的は、運針の自由度が高く、表現力を向上した電子時計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の電子時計の駆動装置は、周期的に所定角度ごとに回転することで移動する第1の指針と、前記第1の指針の移動開始後停止前の期間に移動を開始する第2の指針と、前記第2の指針の移動動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1の指針の前記所定角度を移動する周期が長くなることに応じて前記第2の指針を移動させるようにした。
【0008】
また、本発明の複数のモータと前記モータに駆動信号を印加することで前記モータを制御するモータ制御処理部とを備える駆動装置の制御方法は、前記モータ制御処理部が、前記駆動信号の周期を長くすることで前記複数のモータのうちの1つのモータの回転動作速度を減速制御する工程、前記モータを制御するモータ制御処理部が、前記減速制御の後に、前記複数のモータのうちの他のモータの回転動作を開始制御する工程、前記モータを制御するモータ制御処理部が、前記開始制御の後に、前記減速制御するモータへの前記駆動信号のロー期間に、前記開始制御するモータへの前記駆動信号がハイ期間になるように前記開始制御するモータへの前記駆動信号を制御する工程、を含むようにした。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電子時計の運針の表現力を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】電子時計の構成をしめすブロック図である。
図2A】従来の電子時計のモータ駆動タイミングを示す図である。
図2B】実施形態の電子時計のモータ駆動タイミングを示す図である。
図2C】実施形態の電子時計の他のモータ駆動タイミングを示す図である。
図3】実施形態のモータの概略仕様を示す図である。
図4】実施形態のモータの制御フローを示す図である。
図5】実施形態の電子時計の文字板を示す図である。
図6】電子時計の他の構成をしめすブロック図である。
図7】ストップウォッチ機能のリセット動作を説明するタイミング図である。
図8】リセット動作時のモータの動作条件を示す図である。
図9】リセット動作時のモータの制御フローを示す図である。
図10】ストップウォッチのフライバック機能の動作を説明するタイミング図である。
図11】ストップウォッチのフライバック機能の制御フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、実施形態の腕時計型の電子時計の駆動装置の構成を示すブロック図である。本実施形態は、腕時計型の電子時計について説明するが、これに限られるものではない。
実施形態の電子時計100の駆動装置には、時計の日付機構等を構成するディスク針10と、文字盤の上を所定の角度ステップで回転する時針13、秒分連動針16、機能針19の指針が設けられている。ディスク針10は、輪列機構11を介して、デュアルコアモータ12により駆動されている。時針13は、輪列機構14を介して、シングルコアモータ1(15)により駆動されている。秒分連動針16は、輪列機構17を介して、シングルコアモータ2(18)により駆動されている。機能針19は、輪列機構20を介して、シングルコアモータ3(21)により駆動されている。
【0012】
デュアルコアモータ12とシングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)とシングルコアモータ3(21)(これらを総称してモータと記すことがある)は、ステッピングモータであり、駆動回路22により、独立に駆動パルスが印加され回転駆動される。このとき、デュアルコアモータ12は、最大周期192pps(Pulse Per Second)のパルス周期で電圧印加されて、ディスク針10を早送り運針することができる。また、シングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)とシングルコアモータ3(21)は、それぞれ、最大周期64ppsのパルス周期で電圧印加されて、時針13、秒分連動針16、機能針19を独立に早送り運針することができる。
【0013】
駆動回路22は、マイクロコンピュータ23により制御され、MOS−FET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)によるHブリッジ回路で構成されている。これにより、モータの正逆回転を行えるようにしている。
【0014】
マイクロコンピュータ23は、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)230を内蔵し、内蔵プログラムにより、駆動モータ選択部2301と駆動パルス生成部2302と並列駆動判定部2303から成るモータ制御処理部230aを構成している。詳細には、駆動モータ選択部2301は、動作モードに応じて運針する指針に対応するモータを選択する。並列駆動判定部2303は、詳細を後述するが、駆動モータ選択部2301により選択されたモータの駆動周期に応じて、複数モータの並列駆動の可否を判定し、並列駆動可能であれば、駆動パルス生成部2302に駆動パルスの生成を指示する。駆動パルス生成部2302は、上記のそれぞれのモータごとに、モータに印加する所定時間のパルス電圧を生成する。
上記のとおり、マイクロコンピュータ23は、指針の動作を制御する制御部として機能している。
【0015】
振動子25は、計時の基準周期やマイクロコンピュータ23の動作クロックの基準となる周期信号を得るための水晶振動子である。マイクロコンピュータ23に内蔵される発振回路231により駆動され、分周回路232により適宜分周されて、計時回路233により、秒分時日を計数する。
操作部24は、りゅーずや押ボタン等の操作部であり、マイクロコンピュータ23の周辺回路234に接続して、マイクロコンピュータ23に操作情報を指示する。
電源部26は、マイクロコンピュータ23やデュアルコアモータ12等のモータに電力を供給する。電源部26は、例えば、2次電池とソーラーパネルの組み合わせで構成される。
【0016】
次に、本実施形態の電子時計100の早送り運針時のモータ駆動制御を説明する。
図2Aは、従来の電子時計のモータ駆動タイミングを示す図である。図1に示したデュアルコアモータ12とシングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)とシングルコアモータ3(21)に印加される電圧波形の概要を示している。図の横方向が時間経過を表す。従来のモータ駆動制御では、例えば、デュアルコアモータ12を停止した後に、シングルコアモータ1(15)に駆動パルスを印加して、駆動を開始していた。つまり、特定のモータを停止した後に他のモータ駆動を開始するようにしており、運針に時間が掛かるとともに、運針の表現力が乏しかった。
【0017】
そこで、本実施形態の電子時計100では、図2Bに示すモータ駆動タイミングで早送り運針を行うようにした。
図2Bは、図1に示したデュアルコアモータ12とシングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)とシングルコアモータ3(21)に印加される電圧波形の概要を示している。図の横方向が時間経過を表す。
図2Bに示すモータ駆動タイミングは、特定のモータを最大周期で駆動した後に、順次、減速駆動を行い、特定のモータの減速駆動に応じて他のモータを駆動開始するようにしたものである。これにより、運針時間の短縮を図るとともに、運針をダイナミックに行い、運針の表現力を向上する。
【0018】
図2Bのタイミングを詳細に説明する前に、図3により、デュアルコアモータ12とシングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)とシングルコアモータ3(21)の早送り駆動時の動作仕様を説明する。
図3は、それぞれのモータに印加する駆動パルスの最大駆動周期と駆動パルス長を示したものである。図3から明らかなように、192ppsでデュアルコアモータ12を駆動する場合には、5.2msの周期の中で3msの駆動パルスを印加して駆動するため、他のモータとの並列駆動を行うことはできない。図3に示すように他のモータの駆動には、いずれも3.5msの駆動パルス長の駆動パルスを印加する必要がある。192ppsで並列駆動を行うと、2つのモータに同時にモータ駆動電流が生じる。これにより、駆動電流が増加して、電源部26に過大な負荷が生じる。このため、本実施形態の電子時計100では、モータに印加する駆動パルスが重畳しない場合に、モータの並列駆動を行う。
【0019】
具体的には、デュアルコアモータ12とシングルコアモータ1(15)とを並列駆動する場合には、デュアルコアモータ12に駆動パルスを印加する駆動制御信号とシングルコアモータ1(15)に駆動パルスを印加する駆動制御信号をつぎのように制御する。マイクロコンピュータ23の駆動パルス生成部2302は、デュアルコアモータ12の駆動制御信号をディスエーブル(例えばローレベル信号)にした後にシングルコアモータ1(15)の駆動制御信号をイネーブル(例えばハイレベル信号)にするか、または、シングルコアモータ1(15)の駆動制御信号をディスエーブルにした後にデュアルコアモータ12の駆動制御信号をイネーブルにする。
【0020】
図2Bの駆動タイミングでは、まず、デュアルコアモータ12には、所定期間、最大駆動周期である192ppsの駆動パルスが印加されて、ディスク針10が運針される。デュアルコアモータ12の残りの駆動ステップ数が60ステップになると、デュアルコアモータ12の駆動パルスを128ppsに減速する。このときの、駆動パルス周期時間は、7.8msとなり、駆動パルス長が3.5msのシングルコアモータ1(15)を並列駆動することができる。そこで、デュアルコアモータ12の駆動パルスを128ppsに減速した時に、シングルコアモータ1(15)を64ppsで並列駆動し、早送りを開始する。
【0021】
次に、デュアルコアモータ12の残りの駆動ステップ数が30ステップになると、デュアルコアモータ12の駆動パルスを64ppsに減速する。このときの、駆動パルス周期時間は、15.6msとなり、駆動パルス長が3.5msのシングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)を並列駆動することができる。そこで、デュアルコアモータ12の駆動パルスを64ppsに減速した時に、シングルコアモータ1(15)に加えて、シングルコアモータ2(18)を64ppsで並列駆動し、早送りを開始する。
【0022】
デュアルコアモータ12の駆動を終了した際には、シングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)とは64ppsで駆動しており、このときの駆動パルス周期時間は、15.6msとなっている。シングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)の駆動パルス長は3.5msなので、さらに、シングルコアモータ3(21)を並列駆動することができる。そこで、デュアルコアモータ12の駆動終了した時に、シングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)に加えて、シングルコアモータ3(21)を64ppsで並列駆動し、シングルコアモータ2(18)の早送りを開始する。
以上により、デュアルコアモータ12を最大周期で駆動した後に、順次、減速駆動を行い、デュアルコアモータ12のモータの減速駆動に応じてシングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)とシングルコアモータ3(21)を順次駆動開始するようにした。
【0023】
図2Cは、本実施形態の電子時計100の他のモータ駆動タイミングで早送り運針を行う例を示す図である。図2Cは、デュアルコアモータ12のモータの減速駆動に応じてシングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)とシングルコアモータ3(21)とが、並列駆動を開始するようにしている。
【0024】
デュアルコアモータ12が、最大駆動周期の192ppsでモータ駆動され、早送り運針を開始する。所定期間の駆動を行い、残りの駆動ステップ数が60ステップになると、デュアルコアモータ12の駆動周期を128ppsに減速する。このとき、シングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)とシングルコアモータ3(21)を加えて並列駆動を行うことができるか判定する。この判定は、デュアルコアモータ12の駆動周期時間が、並列駆動する各モータの駆動パルス長の和より大きいか否かにより行う。詳しくは、デュアルコアモータ12の駆動周期時間は7.8msであり、並列駆動する各モータの駆動パルス長の和は13.5msとなるため、並列駆動できない。このため、デュアルコアモータ12のみを128ppsで所定期間駆動する。
【0025】
デュアルコアモータ12の残りの駆動ステップ数が30ステップになると、デュアルコアモータ12の駆動パルスを64ppsに減速する。このときは、デュアルコアモータ12の駆動周期時間は15.6msとなり、並列駆動する各モータの駆動パルス長の和より大きくなるため、並列駆動が可能となる。そこで、シングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)とシングルコアモータ3(21)とを、32ppsの周期で駆動し、並列駆動による早送りを開始する。
デュアルコアモータ12の駆動を終了した際には、シングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)とシングルコアモータ3(21)の駆動パルスを64ppsに加速する。このときの、駆動周期時間は15.6msとなり、シングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)とシングルコアモータ3(21)の駆動パルス長の和10.5msより大きくなるため、並列駆動することができる。
上記の制御により、ディスク針10が減速運針するのに連動して、時針13と秒分連動針16と機能針19が加速運針するフェードアウト/フェードイン風の運針を行うことができるので、表現力が向上する。
【0026】
上記のとおり、本実施例の電子時計100のモータ駆動制御では、デュアルコアモータ12の駆動周期を減速したときに、デュアルコアモータ12の駆動周期時間が、デュアルコアモータ12の駆動パルス長と順次または同時に並列駆動するモータの駆動パルス長の和より大きい場合に並列駆動するようにした。
なお、上記の説明では、デュアルコアモータ12の減速駆動時に、他のモータを並列駆動する場合を説明したが、他のモータとの組み合わせであってもよい。
【0027】
つぎに、図2Bの駆動タイミングの制御フローを図4により説明する。
まず、ステップS401で、デュアルコアモータ12を192ppsで駆動開始する。所定期間駆動した後にデュアルコアモータ12を128ppsに減速駆動する(S402)。そして、ステップS403で、シングルコアモータ1(15)(以下、図4ではモータ1と記す)とデュアルコアモータ12の並列駆動の可否を判定する。判定は、上記のとおり、デュアルコアモータ12の駆動周期時間が、デュアルコアモータ12の駆動パルス長とシングルコアモータ1(15)の駆動パルス長の和より大きいか否かにより行う。
【0028】
ステップS403で、デュアルコアモータ12の駆動周期時間が、モータの駆動パルス長の和より大きくなかった場合には、並列駆動は不可となり、ステップS404に進む(S403のNo)。
ステップS403で、デュアルコアモータ12の駆動周期時間が、モータの駆動パルス長の和より大きい場合には、シングルコアモータ1(15)の並列駆動が可能であり、ステップS405に進む(S403のYes)。
【0029】
ステップS405で、シングルコアモータ1(15)を64pps駆動して、早送りを開始する。そして、所定期間駆動した後にデュアルコアモータ12を64ppsに減速駆動する(S406)。
このとき、ステップS412で、シングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)(以下、図4ではモータ2と記す)とデュアルコアモータ12の並列駆動の可否を判定する。判定は、デュアルコアモータ12の駆動周期時間が並列駆動するモータの駆動パルス長の和より大きいか否かにより行う。
【0030】
ステップS412で、デュアルコアモータ12の駆動周期時間が、モータの駆動パルス長の和より大きくなかった場合には、並列駆動は不可となり、ステップS413に進む(S412のNo)。
ステップS412で、デュアルコアモータ12の駆動周期時間が、モータの駆動パルス長の和より大きい場合には、シングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)を加えた並列駆動が可能であり、ステップS415に進む(S412のYes)。
【0031】
ステップS415で、シングルコアモータ2(18)を64pps駆動して、早送りを開始する。そして、所定期間駆動した後にデュアルコアモータ12を駆動停止する(S416)。
その後、ステップS417で、シングルコアモータ3(21)(以下、図4ではモータ3と記す)を64ppsで駆動して、並列駆動による早送り運針を行う。
そして、所定期間駆動した後に、シングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)とシングルコアモータ3(21)の駆動を停止する(S410)。
【0032】
ステップS404では、デュアルコアモータ12を所定期間128pps駆動した後に、デュアルコアモータ12を64ppsに減速駆動する。
そして、ステップS407で、シングルコアモータ1(15)とデュアルコアモータ12の並列駆動の可否を判定する。判定は、上記のとおり、デュアルコアモータ12の駆動周期時間が、デュアルコアモータ12の駆動パルス長とシングルコアモータ1(15)の駆動パルス長の和より大きいか否かにより行う。
【0033】
ステップS407で、デュアルコアモータ12の駆動周期時間が、モータの駆動パルス長の和より大きくなかった場合には、並列駆動は不可であり、ステップS408に進む(S407のNo)。
ステップS407で、デュアルコアモータ12の駆動周期時間が、モータの駆動パルス長の和より大きい場合には、シングルコアモータ1(15)との並列駆動が可能であり、ステップS411に進む(S407のYes)。
【0034】
ステップS408では、所定期間、デュアルコアモータ12を64pps駆動した後に、デュアルコアモータ12を駆動停止する。そして、シングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)とシングルコアモータ3(21)の並列駆動を開始し(S409)、所定期間駆動後に、駆動停止する(S410)。
ステップS411では、シングルコアモータ1(15)の並列駆動を開始し、ステップS413に進む。
【0035】
ステップS413では、所定期間駆動した後に、シングルコアモータ1(15)を駆動したまま、デュアルコアモータ12を駆動停止する(S413)。
その後、ステップS414で、シングルコアモータ2(18)とシングルコアモータ3(21)の駆動を開始し、並列駆動による早送り運針を行う。
そして、所定期間駆動した後に、シングルコアモータ1(15)とシングルコアモータ2(18)とシングルコアモータ3(21)の駆動を停止する(S410)。
以上で、図2Bの駆動タイミングの制御フローを終了する。
【0036】
つぎに、本実施例の電子時計110のより具体的な運針制御の例を説明する。
図5は、電子時計110の文字板を示す図である。電子時計110は、主時計秒針61と主時計時分針64と24時間針の副時計時針67と副時計分針70と機能針73とディスク針10の指針を備え、りゅーず76と複数のボタン77が設けられている。
【0037】
図6は、図5に示した電子時計110の構成を示すブロック図である。
ディスク針10は、輪列機構11を介して、デュアルコアモータ12により駆動されている。主時計秒針61は、輪列機構62を介して、シングルコアモータ1(63)により駆動されている。主時計時分針64は、輪列機構65を介して、シングルコアモータ2(66)により駆動されている。副時計時針67は、輪列機構68を介して、シングルコアモータ3(69)により駆動されている。副時計分針70は、輪列機構71を介して、シングルコアモータ4(72)により駆動されている。機能針73は、輪列機構74を介して、シングルコアモータ5(75)により駆動されている。
【0038】
デュアルコアモータ12とシングルコアモータ1(63)とシングルコアモータ2(66)とシングルコアモータ3(69)とシングルコアモータ4(72)とシングルコアモータ5(75)は、ステッピングモータであり、駆動回路22により、独立に駆動パルスが印加され回転駆動される。
駆動回路22は、マイクロコンピュータ23により制御され、図1の駆動回路22よりも駆動チャネル数が多い構成となっている。マイクロコンピュータ23も、図1と同じ構成となっているが、詳細を後述するモータ駆動パターンテーブル78をもつ点が異なる。
【0039】
つぎに、電子時計110のストップウォッチ機能のリセット動作時の運針制御について説明する。
電子時計110のストップウォッチ機能では、副時計時針67により経過時間の分を示し、副時計分針70により経過時間の秒を示している。そして、主時計時分針64により1/20秒単位の経過時間計測を行っている。ストップウォッチ機能の動作開始時や、計時時にリセットボタン77を押下された時には、主時計時分針64と副時計時針67と副時計分針70を計時のゼロ位置に早送り運針する。
【0040】
本実施形態の電子時計110は、運針の高表現力を実現するために、つぎの条件で運針制御を行う。
・主時計時分針64と副時計時針67と副時計分針70の3針が並行運針されてほぼ同時にゼロ位置に運針される。
・短運針時間。
・主時計時分針64と副時計時針67と副時計分針70の運針は、正逆回転可能。
・主時計時分針64と副時計時針67と副時計分針70の最大駆動周期は64pps、駆動パルス長は6.0ms。
【0041】
電子時計110は、図7から図9により詳細に説明するが、ゼロ位置までの運針ステップ量が多い順に指針を求めて、運針量が多い指針から早送り駆動を開始し、他指針の駆動を開始する際に並列駆動の可否を判定して、並列駆動が否の場合には、運針の駆動周期を減速して指針の並列駆動を行い、3針をほぼ同時にゼロ位置に早送り運針する。
【0042】
図7は、ストップウォッチ機能のリセット動作を説明するタイミング図である。図7では、主時計時分針64(シングルコアモータ1)、副時計時針67(シングルコアモータ3)、副時計分針70(シングルコアモータ4)の順にゼロ位置までの運針ステップ量が多い場合を示している。
まず、シングルコアモータ1を64ppsで駆動して早送りを開始する(pt0)。
【0043】
シングルコアモータ3の駆動開始タイミング(pt1)で、シングルコアモータ1とシングルコアモータ3の並列駆動の可否を判定する。判定は、シングルコアモータ1の駆動周期時間が、シングルコアモータ1の駆動パルス長とシングルコアモータ3の駆動パルス長の和より大きいか否かにより行う。この場合には、駆動周期時間15.6msで、駆動パルス長の和12.0msであるので、シングルコアモータ1とシングルコアモータ3の並列駆動は可能と判定する。これにより、シングルコアモータ3を64ppsで駆動して早送りを開始する(pt1)。
【0044】
シングルコアモータ4の駆動開始タイミング(pt2)では、シングルコアモータ1とシングルコアモータ3とシングルコアモータ4の並列駆動の可否を判定する。この場合には、64ppsでは3針の並列駆動はできないため、モータの駆動周期を32ppsに減速して、再度、並列駆動の可否を判定する。この場合には、駆動周期時間31.2msで、駆動パルス長の和18.0msであるので、シングルコアモータ1とシングルコアモータ3とシングルコアモータ4の並列駆動は可能と判定する。これにより、シングルコアモータ1とシングルコアモータ3を32ppsに減速し、シングルコアモータ4を32ppsで駆動して早送りを開始する(pt2)。
【0045】
この指針の駆動タイミング制御では、予めゼロ位置までの運針ステップ量を求めて、それぞれの指針の早送り運針を開始しているので、pt3のタイミングのシングルコアモータ1とシングルコアモータ3とシングルコアモータ4の駆動を停止すれば、主時計時分針64と副時計時針67と副時計分針70はほぼ同時にゼロ位置に運針される。
【0046】
図8は、リセット動作時のモータの動作条件を示す図であり、図7で説明したシングルコアモータ1とシングルコアモータ3とシングルコアモータ4のそれぞれの運針区間における駆動周期を示したものである。
指針のリセット動作では、早送り運針の開始位置とゼロ位置が、指針を運針する前に判明している。このため、図8の動作条件をモータの駆動前に求めておき、この動作条件に従ってモータを駆動し、指針のゼロ位置への早送り運針を行うこともできる。
【0047】
図9は、図8に示した動作条件を求めて、モータの駆動制御をおこなう制御フローを示す図である。
まず、ステップS901で、各指針のゼロ位置への移動ステップ数を求める。
そして、ステップS902で、移動ステップ数の多い指針から順に、ステップS908までの処理を繰り返して、モータの駆動条件を求める。
【0048】
ステップS903で、指針の駆動開始ステップ位置を求める。
次に、ステップS904で、指針の複数駆動(多針駆動)するステップ位置か判定する。多針駆動でないならば(S904のNo)、指針の駆動周期を最速値に設定し(S910)、ステップS907に進む。多針駆動であれば(S904のYes)、並列駆動可能であるか判定する(S905)。
【0049】
ステップS905で並列駆動が可能であれば(S905のYes)、指針の駆動周期を最速値に設定し(S910)、ステップS907に進む。
ステップS905で並列駆動ができなければ(S905のNo)、指針の駆動周期を並列駆動可能な減速値に設定し(S906)、ステップS907に進む。
【0050】
ステップS907で、運針区間と駆動周期を駆動テーブル(図6のモータ駆動パターンテーブル78)に設定する。
ステップS908で、全指針について、ステップS903〜ステップS907の処理を繰り返す。
ステップS909で、駆動テーブルに従ってモータを駆動し、指針の運針を行う。
以上のフローで、図7で説明した電子時計110のストップウォッチ機能のリセット動作の運針を行うことができる。
【0051】
図7図9により説明した電子時計110のストップウォッチ機能のリセット動作時の運針制御は、ストップウォッチ機能のフライバック動作にも適用することができる。
図10は、ストップウォッチのフライバック機能の動作を説明するタイミング図であり、図11は、ストップウォッチのフライバック機能の制御フローを示す図である。
【0052】
図10に示すように、電子時計110のボタン77が押下(Push)されると、シングルコアモータ1とシングルコアモータ3とシングルコアモータ4の駆動が停止し、ストップウォッチが計時停止する。その後、図7で説明した主時計時分針64と副時計時針67と副時計分針70のゼロ位置への運針が行われる(リセット動作)。そして、指針のリセットが終了した後に、ボタン77が離されると(off)、ストップウォッチの計時を再開する。
【0053】
次に図11のフライバック機能の制御フローを説明する。
まず、ステップS1101で、電子時計110のボタン77が押下されるまで待機する。
ステップS1101でボタン77が押下されると(S1101のYes)、ストップウォッチを計時停止する(S1102)。
そして、図9で説明した指針のリセット動作の処理を行う(S1103)。
指針のリセット動作が終了すると、ボタン77が離されるまで待機する(S1104)。
ボタン77が離されると(S1104のNo)、ストップウォッチの計時を再開する(S1105)。
以上の処理で、ストップウォッチ機能のフライバック動作を行うことができる。
【0054】
上記の実施形態は、アナログ針をもつ電子時計について記したが、これに限らず、アナログ針により表示をおこなう計測機器にも適用することができる。
【0055】
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
第1の指針と、
前記第1の指針の移動開始後停止前の期間に移動を開始する第2の指針と、
前記第2の指針の移動動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1の指針の移動速度の減速量に応じて前記第2の指針を移動させることを特徴とする駆動装置。
<請求項2>
前記制御部は、前記第2の指針を移動させた後に、前記第1の指針の移動速度の減速量に応じて前記第2の指針の移動速度を変更することを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
<請求項3>
前記制御部は、前記第1の指針の移動速度の減速量に応じて前記第2の指針を移動させた後に、前記第1の指針の停止タイミングに応じて前記第2の指針の移動を停止させることを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動装置。
<請求項4>
前記第2の指針が移動した後に移動を開始する第3の指針と、
を備え、
前記制御部は、さらに前記第3の指針の移動動作を制御し、
前記制御部は、前記第1の指針の移動速度の減速量に応じて前記第2の指針を移動させた後に、前記第1の指針の移動速度がさらに減速された時に、その減速量に応じて前記第3の指針を移動させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の駆動装置。
<請求項5>
前記制御部が前記第2の指針を移動させる前記第1の指針の移動速度は、前記制御部が前記第3の指針を移動させる前記第1の指針の移動速度の2倍の速度であることを特徴とする請求項4に記載の駆動装置。
<請求項6>
ユーザからの操作を受け付ける操作部と、
を備え、
前記制御部は、さらに前記第1の指針の移動動作を制御し、
前記制御部は、前記操作部がユーザからの操作を受け付けた際に前記第1の指針を移動させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の駆動装置。
<請求項7>
複数のモータと、
前記モータを回転動作させるモータ制御処理部と、
を備え、
前記モータ制御処理部は、
前記複数のモータを回転動作させる際に、前記複数のモータのうちの1つのモータの回転動作速度を減速制御し、前記複数のモータのうちの他のモータの回転動作を開始制御することを特徴とする駆動装置。
<請求項8>
前記モータ制御処理部は、前記減速制御するモータへの駆動信号のロー期間に、前記開始制御するモータへの駆動信号がハイ期間になるように前記開始制御するモータへの駆動信号を制御することを特徴とする請求項7に記載の駆動装置。
<請求項9>
前記モータ制御処理部は、
前記減速制御するモータの駆動信号と前記開始制御するモータの駆動信号とを同時に出力可能か否かを判定する並列駆動判定部と
前記減速制御するモータへの駆動信号を生成し、前記並列駆動判定部の判定結果に応じて前記開始制御するモータへの駆動信号をさらに生成する駆動信号生成部と、
を備えることを特徴とする請求項7に記載の駆動装置。
<請求項10>
前記並列駆動判定部は、前記駆動信号の周期と前記モータの駆動特性とにより並列駆動の可否を判定する
ことを特徴とする請求項9に記載の駆動装置。
<請求項11>
指針と
前記指針の移動動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、第1の移動速度、前記第1の移動速度より低速である第2の移動速度、前記第2の移動速度の半分の速度である第3の移動速度、の順に前記指針の前記移動動作を制御することを特徴とする駆動装置。
<請求項12>
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の駆動装置を備える電子時計。
<請求項13>
複数のモータと前記モータを制御するモータ制御処理部とを備える駆動装置の制御方法であって、
前記モータ制御処理部が、前記複数のモータのうちの1つのモータの回転動作速度を減速制御する工程、
前記モータを制御するモータ制御処理部が、前記減速制御の後に、前記複数のモータのうちの他のモータの回転動作を開始制御する工程、
前記モータを制御するモータ制御処理部が、前記開始制御の後に、前記減速制御するモータへの駆動信号のロー期間に、前記開始制御するモータへの駆動信号がハイ期間になるように前記開始制御するモータへの駆動信号を制御する工程、
を含むことを特徴とする駆動装置の制御方法。
【符号の説明】
【0056】
10 ディスク針
11、14、17、20 輪列機構
12 デュアルコアモータ
13 時針
15 シングルコアモータ1
16 秒分連動針
18 シングルコアモータ2
19 機能針
21 シングルコアモータ3
22 駆動回路
23 マイクロコンピュータ
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11