【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図7に示すように、I/Oモジュール10は、安全PLC100と非常停止スイッチ110との間の通信を行う。安全PLC100は、コントローラ120を介してロボット130に動作指令を出力する。
【0005】
I/Oモジュール10は、MCU11(マイクロコンピュータ)、通信回路12、定電圧電源13、遮断用スイッチ14、及び切替スイッチ15を備えている。MCU11は、非常停止スイッチ110の出力信号を取得し、取得した信号に対応する信号を通信回路12に出力する。
【0006】
MCU11は、遮断用スイッチ14を閉(オン)操作し、また、定電圧電源13と通信回路12とが接続されるように切替スイッチ15を操作する。これにより、通信回路12には定電圧電源13から給電され、通信回路12によって非常停止スイッチ110及び安全PLC100の間の通信が可能となる。
【0007】
一方、MCU11は、遮断用スイッチ14を開(オフ)操作に切り替える。これにより、遮断用スイッチ14が開状態に切り替えられ、定電圧電源13から通信回路12への給電が遮断される。その結果、通信回路12は、非常停止スイッチ110及びPLC100の間の通信を遮断する。通信が遮断されると、安全PLC100からコントローラ120にロボット130の動作停止指令が出力される。
【0008】
ここで、I/Oモジュール10に対する機能安全として、I/Oモジュール10に自身の異常を定期的に診断させる自己診断機能を持たせ、異常が生じていると診断された場合、安全な状態に移行させることが要求されている。
図7に示す構成では、定電圧電源13から通信回路12への給電が遮断された場合に通信回路12が通信を遮断し、通信の遮断によって安全PLC100から動作停止指令が出力される。このため、安全な状態への移行とは、定電圧電源13から通信回路12への給電を停止することである。給電を停止するには、遮断用スイッチ14を閉状態から開状態に切り替えることができなければならない。そこでMCU11は、自己診断機能として、遮断用スイッチ14を開状態にできない異常の有無を診断する機能を有している。
【0009】
I/Oモジュール10は、定電圧電源13から通信回路12までの給電経路のうち、遮断用スイッチ14と切替スイッチ15との間の電圧を診断用電圧として検出するための抵抗体16を備えている。遮断用スイッチ14を開状態に切り替えることができる場合、遮断用スイッチ14の開操作への切り替えにより診断用電圧が低下する。これに対し、遮断用スイッチ14を開状態にできない異常が生じている場合、遮断用スイッチ14を開操作に切り替えた場合であっても、診断用電圧は低下しない。このため、MCU11は、遮断用スイッチ14を開操作に切り替えた場合において、診断用電圧が低下したときに遮断用スイッチ14を開状態にできない異常が生じていない旨判定し、診断用電圧が低下しないときに上記異常が生じている旨判定する。
【0010】
ただし、この構成では、診断を実施するたびに遮断用スイッチ14が開操作に切り替えられる。この場合、遮断用スイッチ14に異常が生じていないならば、診断を実施するたびに、通信回路12への給電が遮断され、非常停止スイッチ110及び安全PLC100の間の通信が実施できなくなる。また、通信の遮断によって安全PLC100から動作停止指令が出力されるため、診断を実施するたびにロボット130は動作停止してしまう。
【0011】
この問題に対処すべく、I/Oモジュール10は、さらにサブ電源17を備えている。
図7には、サブ電源17として、トランジスタ、ダイオード、コイル及びコンデンサを備えるものを示した。MCU11は、診断に先立ち、サブ電源17から通信回路12へと給電されるように切替スイッチ15を切替制御する。この状態で、MCU11は、遮断用スイッチ14を開操作に切り替えて診断を実施する。
【0012】
しかしながら、サブ電源17を備える構成によれば、診断のたびに通信は遮断されないものの、I/Oモジュール10の構成部品数が増加してしまう。
【0013】
また、サブ電源17を備える構成によれば、機能安全の要求を満たすための診断対象に、切替スイッチ15及びサブ電源17を含める必要がある。この場合、診断対象が増加し、診断処理が複雑化する懸念がある。
【0014】
なお、安全PLC100と非常停止スイッチ110との間の通信を行うI/Oモジュールに限らず、複数の外部機器の間の通信を行うI/Oモジュールであれば、上述した問題は同様に生じ得る。
【0015】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、構成部品数の増加及び診断処理の複雑化を防止できるI/Oモジュールを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
第1の発明は、電源からの供給電圧が動作可能電圧範囲の下限値以上とされることにより第1の外部機器及び第2の外部機器の間の通信を可能とし、前記電源からの供給電圧が前記動作可能電圧範囲の下限値未満とされることにより前記第1の外部機器及び前記第2の外部機器の間の通信を遮断する通信制御部と、前記通信制御部及び前記電源を接続する給電経路上に設けられ、閉状態とされることにより前記電源から前記通信制御部へと給電し、開状態とされることにより前記電源から前記通信制御部への給電を遮断する遮断用スイッチと、前記給電経路のうち前記遮断用スイッチよりも前記通信制御部側の電圧を診断用電圧として検出する電圧検出部と、前記給電経路のうち前記遮断用スイッチよりも前記通信制御部側に接続され、前記遮断用スイッチが閉状態とされることにより前記電源から供給される電力を蓄え、前記遮断用スイッチが開状態とされることにより自身に蓄えられた電力を前記通信制御部に供給するコンデンサと、を備える。第1の発明では、前記電源の取り得る出力電圧範囲の下限値が、前記動作可能電圧範囲の下限値よりも高く設定されており、前記通信制御部は、前記遮断用スイッチを開操作に切り替えた後、前記遮断用スイッチが開状態になったと仮定した場合に、前記電圧検出部が検出した前記診断用電圧が前記出力電圧範囲の下限値と前記動作可能電圧範囲の下限値との間の電圧になる期間中に前記遮断用スイッチを閉操作に切り替えるように、前記遮断用スイッチを開閉操作する操作部と、前記操作部が前記遮断用スイッチを開操作している期間において、前記診断用電圧が前記出力電圧範囲の下限値未満になった場合、前記遮断用スイッチに異常が生じていない旨判定し、前記操作部が前記遮断用スイッチを開操作している期間において、前記診断用電圧が前記出力電圧範囲の下限値未満にならない場合、前記遮断用スイッチを開状態にできない異常が生じている旨判定する診断処理を行う診断部と、を有する。
【0017】
第1の発明では、通信制御部及び電源を接続する給電経路上に設けられた遮断用スイッチが閉状態とされることにより、電源から通信制御部へと給電される。これにより、電源から通信制御部への供給電圧が通信制御部の動作可能電圧範囲の下限値以上とされる。その結果、通信制御部によって第1の外部機器及び第2の外部機器の間の通信が可能とされる。一方、遮断用スイッチが開状態とされることにより、電源から通信制御部への給電が停止される。これにより、電源から通信制御部への供給電圧が通信制御部の動作可能電圧範囲の下限値未満となる。その結果、通信制御部によって第1の外部機器及び第2の外部機器の間の通信が遮断される。
【0018】
第1の発明は、給電経路のうち遮断用スイッチよりも通信制御部側の電圧を検出する電圧検出部と、給電経路のうち遮断用スイッチよりも通信制御部側に接続されたコンデンサとを備えている。コンデンサは、遮断用スイッチが閉状態とされることにより電源から供給される電力を蓄え、遮断用スイッチが開状態とされることにより自身に蓄えられた電力を通信制御部に供給する。
【0019】
第1の発明はコンデンサを備えているため、診断のために遮断用スイッチが一時的に開状態に切り替えられたとしても、遮断用スイッチが開状態とされている期間においてコンデンサから通信制御部へと給電される。このため、通信制御部に供給される電圧がその動作可能電圧範囲の下限値をすぐには下回らない。これにより、診断のために遮断用スイッチを一時的に開操作する時間を確保できる。
【0020】
さらに第1の発明では、通信制御部の電力供給源となる電源の取り得る出力電圧範囲の下限値が、通信制御部の動作可能電圧範囲の下限値よりも高く設定されている。この設定を前提として、操作部は、遮断用スイッチを開操作に切り替えた後、遮断用スイッチが開状態になったと仮定した場合に、電圧検出部が検出した診断用電圧が、電源の取り得る出力電圧範囲の下限値と通信制御部の動作可能電圧範囲の下限値との間の電圧になる期間中に遮断用スイッチを閉操作に切り替えるように、遮断用スイッチを開閉操作する。これにより、遮断用スイッチに異常が生じていない場合、操作部によって遮断用スイッチが開操作されている期間において、診断用電圧が、電源の取り得る出力電圧範囲の下限値未満になる。一方、遮断用スイッチに上記異常が生じている場合、操作部によって遮断用スイッチを開操作したとしても、遮断用スイッチが開状態に切り替わらない。このため、遮断用スイッチが開操作されている期間において、診断用電圧が電源の取り得る出力電圧範囲の下限値未満にならない。
【0021】
さらに第1の発明では、診断用電圧が、電源の取り得る出力電圧範囲の下限値と通信制御部の動作可能電圧範囲の下限値との間の電圧になる期間中に、遮断用スイッチが閉操作に切り替えられる。このため、遮断用スイッチが開操作されている期間において、診断用電圧が動作可能電圧範囲の下限値未満にならない。これにより、上述したサブ電源及び切替スイッチを備えることなく、診断のたびに、電源から通信制御部への給電が停止され、第1の外部機器及び第2の外部機器の間の通信が遮断されるのを防止できる。したがって第1の発明によれば、構成部品数の増加及び診断処理の複雑化を防止できる。
【0022】
ここで第1の発明は、例えば第2の発明のように具体化することができる。詳しくは、第2の発明では、前記出力電圧範囲の下限値未満であって、かつ、前記動作可能電圧範囲の下限値以上の電圧が規定電圧として設定されており、前記遮断用スイッチが開操作に切り替えられてから、前記遮断用スイッチが開状態になったと仮定した場合に前記診断用電圧が低下して前記規定電圧になると想定されるタイミングまでの時間が規定時間として設定されており、前記操作部は、前記遮断用スイッチを前記規定時間に渡って開操作し続けた後、前記遮断用スイッチを閉操作に切り替える。
【0023】
第2の発明では、規定電圧及び規定時間が上記のように設定されている。そして、遮断用スイッチが規定時間に渡って開操作し続けられる。このため、遮断用スイッチに異常が生じていない場合、遮断用スイッチが開操作に切り替えられてから規定時間経過するまでに、診断用電圧が、電源の取り得る出力電圧範囲の下限値未満となる。
【0024】
一方、遮断用スイッチを開状態にできない異常が生じている場合、遮断用スイッチが開操作に切り替えられてから規定時間経過したとしても、診断用電圧が、電源の取り得る出力電圧範囲の下限値未満とならない。
【0025】
第3の発明では、前記操作部は、前記遮断用スイッチを開操作に切り替えた後、前記診断用電圧が、前記出力電圧範囲の下限値未満であって、かつ、前記動作可能電圧範囲の下限値以上に設定された規定電圧になった場合に、前記遮断用スイッチを閉操作に切り替える。
【0026】
第3の発明では、遮断用スイッチの開操作から閉操作への切り替えを、電圧検出部により検出された診断用電圧が上記規定電圧になった場合に実施する。このように、給電経路のうち遮断用スイッチよりも通信制御部側の電圧を直接検出して遮断用スイッチを閉操作に切り替える構成によれば、通信制御部への供給電圧が動作可能電圧範囲の下限値未満になることを的確に防止できる。
【0027】
第4の発明では、前記通信制御部は、前記第1の外部機器から出力される信号を取得し、取得した信号に対応する信号を前記第2の外部機器に出力する通信処理を行い、前記通信制御部は、前記操作部及び前記診断部を有しており、前記操作部は、前記診断用電圧が前記動作可能電圧範囲の下限値未満とならないように、前記遮断用スイッチの閉操作から開操作への切り替えを複数回行い、前記診断部は、前記操作部が前記遮断用スイッチを開操作している期間において、前記診断処理を行い、前記通信制御部は、前記操作部が前記遮断用スイッチを閉操作している期間において、前記通信処理を行う。
【0028】
第4の発明では、通信制御部が、第1の外部機器から出力される信号を取得し、取得した信号に対応する信号を第2の外部機器に出力する通信処理を行う。ここで、操作部による遮断用スイッチの操作を伴った診断処理、及び通信処理の双方を同時に行うことに対して通信制御部の処理能力が不足し得る。この場合、通信制御部は、通信処理及び診断処理のうちいずれか一方の処理を行う期間において、他方の処理を行うことができない。このため、診断処理が行われる期間が長くなる場合、通信処理が実施できない期間が長くなってしまう。
【0029】
そこで第4の発明では、診断用電圧が通信制御部の動作可能電圧範囲の下限値未満とならないように、遮断用スイッチの閉操作から開操作への切り替えが操作部により複数回行われる。そして、診断部は、遮断用スイッチが開操作されている期間において診断処理を行い、通信制御部は、遮断用スイッチが閉操作されている期間において通信処理を行う。このため、通信処理と診断処理とを交互に実施できる。これにより、診断処理を行うために通信処理が停止される時間を短縮することができる。
【0030】
第5の発明では、前記第2の外部機器は、制御対象機器の動作指令を出力するプログラマブルロジックコントローラであり、前記第1の外部機器は、前記制御対象機器を非常停止させる非常停止信号を出力する安全機器であり、前記プログラマブルロジックコントローラは、前記非常停止信号が入力されたと判定した場合、前記制御対象機器の動作停止指令を出力する。
【0031】
第5の発明では、通信制御部が、安全機器から出力される産業用ロボット等の制御対象機器の非常停止信号を取得する。この場合、通信制御部は、非常停止信号をプログラマブルロジックコントローラに出力する通信処理を行う。ここで、通信制御部の処理能力が不足する場合、通信制御部は、診断処理を行う期間において、非常停止信号を取得及び出力する通信処理を行うことができない。このため、診断処理が行われる期間が長くなる場合、通信処理が実施できない期間が長くなる。このことは、制御対象機器周辺で作業する作業者の安全を確保する観点から好ましくない。
【0032】
この点、第4の発明を前提とする第5の発明では、遮断用スイッチの閉操作から開操作への切り替えが操作部により複数回行われる。そして、診断部は、遮断用スイッチが開操作されている期間において診断処理を行い、通信制御部は、遮断用スイッチが閉操作されている期間において非常停止信号の取得及び出力を行う通信処理を行う。これにより、診断処理を行うために通信処理が停止される時間を短縮できる。したがって第5の発明によれば、遮断用スイッチを開状態にできない異常の有無を診断しつつ、作業者の安全を確保することができる。
【0033】
第6の発明は、電源からの供給電圧が動作可能電圧範囲の下限値以上とされることにより第1の外部機器及び第2の外部機器の間の通信を可能とし、前記電源からの供給電圧が前記動作可能電圧範囲の下限値未満とされることにより前記第1の外部機器及び前記第2の外部機器の間の通信を遮断する通信制御部と、前記通信制御部及び前記電源を接続する給電経路上に設けられ、閉状態とされることにより前記電源から前記通信制御部へと給電し、開状態とされることにより前記電源から前記通信制御部への給電を遮断する遮断用スイッチと、前記給電経路のうち前記遮断用スイッチよりも前記通信制御部側の電圧を診断用電圧として検出する電圧検出部と、前記給電経路のうち前記遮断用スイッチよりも前記通信制御部側に接続され、前記遮断用スイッチが閉状態とされることにより前記電源から供給される電力を蓄え、前記遮断用スイッチが開状態とされることにより自身に蓄えられた電力を前記通信制御部に供給するコンデンサと、を備えている。第6の発明では、前記通信制御部は、前記遮断用スイッチを開操作に切り替えた後、前記遮断用スイッチが開状態になったと仮定した場合に、前記電圧検出部が検出した前記診断用電圧が前記動作可能電圧範囲の下限値未満となる前に前記遮断用スイッチを閉操作に切り替えるように、前記遮断用スイッチを開閉操作する操作部と、前記操作部が前記遮断用スイッチを開操作に切り替えてから所定時間における前記診断用電圧の低下量が所定量よりも大きい場合に前記遮断用スイッチに異常が生じていない旨判定し、前記低下量が前記所定量よりも大きくない場合に前記遮断用スイッチを開状態にできない異常が生じている旨判定する診断処理を行う診断部と、を有しており、前記所定時間は、前記遮断用スイッチが開操作に切り替えられて開状態になったと仮定した場合に、前記診断用電圧が前記動作可能電圧範囲の下限値未満とならない時間に設定されている。
【0034】
第6の発明では、通信制御部及び電源を接続する給電経路上に設けられた遮断用スイッチが閉状態とされることにより、電源から通信制御部へと給電される。これにより、電源から通信制御部への供給電圧が通信制御部の動作可能電圧範囲の下限値以上とされる。その結果、通信制御部によって第1の外部機器及び第2の外部機器の間の通信が可能とされる。一方、遮断用スイッチが開状態とされることにより、電源から通信制御部への給電が停止される。これにより、電源から通信制御部への供給電圧が通信制御部の動作可能電圧範囲の下限値未満となる。その結果、通信制御部によって第1の外部機器及び第2の外部機器の間の通信が遮断される。
【0035】
第6の発明は、給電経路のうち遮断用スイッチよりも通信制御部側の電圧を検出する電圧検出部と、給電経路のうち遮断用スイッチよりも通信制御部側に接続されたコンデンサとを備えている。コンデンサは、遮断用スイッチが閉状態とされることにより電源から供給される電力を蓄え、遮断用スイッチが開状態とされることにより自身に蓄えられた電力を通信制御部に供給する。
【0036】
第6の発明によれば、コンデンサを備えているため、診断のために遮断用スイッチが一時的に開状態に切り替えられたとしても、遮断用スイッチが開状態とされている期間においてコンデンサから通信制御部へと給電される。このため、通信制御部に供給される電圧がその動作可能電圧範囲の下限値をすぐには下回らない。これにより、診断のために遮断用スイッチを一時的に開操作する時間を確保できる。
【0037】
ここで、遮断用スイッチに異常が生じていない場合、コンデンサの端子電圧は、遮断用スイッチが開状態に切り替えられた直後に急激に低下し、その低下速度は時間経過とともに徐々に低くなる。また、遮断用スイッチが開状態に切り替えられた直後における急激な電圧低下は、遮断用スイッチが閉状態とされている場合に自然に発生する可能性は小さい。この点に鑑み、第6の発明では、操作部が遮断用スイッチを開操作に切り替えてから所定時間における診断用電圧の低下量が所定量よりも大きい場合に遮断用スイッチに異常が生じていない旨判定し、上記低下量が上記所定量よりも大きくない場合に遮断用スイッチを開状態にできない異常が生じている旨判定する。
【0038】
さらに第6の発明では、上記所定時間が、遮断用スイッチが開操作に切り替えられて開状態になったと仮定した場合に、診断用電圧が動作可能電圧範囲の下限値未満とならない時間に設定されている。このため、操作部により遮断用スイッチが開操作されている期間において、診断用電圧が動作可能電圧範囲の下限値未満にならない。これにより、上述したサブ電源及び切替スイッチを備えることなく、診断のたびに、電源から通信制御部への給電が停止され、第1の外部機器及び第2の外部機器の間の通信が遮断されるのを防止できる。したがって第1の発明によれば、構成部品数の増加及び診断処理の複雑化を防止できる。
【0039】
第7の発明では、前記第2の外部機器は、制御対象機器の動作指令を出力するプログラマブルロジックコントローラであり、前記プログラマブルロジックコントローラは、該プログラマブルロジックコントローラ及び前記第1の外部機器の間の通信が前記通信制御部によって遮断されたと判定した場合、前記制御対象機器の動作停止指令を出力する。
【0040】
第7の発明では、プログラマブルロジックコントローラが上記のように構成されている。このため、診断のたびに遮断用スイッチが開操作され、通信制御部への供給電圧が通信制御部の動作可能電圧範囲の下限値未満になると、診断のたびに、プログラマブルロジックコントローラが意図しない動作を実施し、制御対象機器が停止してしまうこととなる。
【0041】
この点、第1,第6の発明を前提とする第7の発明では、遮断用スイッチを開操作に切り替えた後、診断用電圧が通信制御部の動作可能電圧範囲の下限値未満となる前に遮断用スイッチが閉操作に切り替えられる。このため、診断のたびに、プログラマブルロジックコントローラが意図しない動作をすることを抑制でき、制御対象機器の動作が停止してしまうことを防止できる。