(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、蓄電装置は密閉構造であるので、蓄電装置内部の制御部に対して容易にハードウェアリセットを行うことができない。そこで現状では、蓄電装置の防水対策が施された蓋を開け、蓄電装置に設けられている電池に接続されている電力供給用コネクタと、制御部が設けられている回路に電力供給をするための電力供給用コネクタとを脱抜するなどの作業を行い、制御部に対してハードウェアリセット(パワーオンリセット)を行っている。そのためハードウェアリセットを行う際の作業性の低下や、蓄電装置の防水性の低下が懸念される。
【0005】
本発明の一側面に係る目的は、蓄電装置に設けられる制御部のハードウェアリセットを容易に行うことができる蓄電装置及び中間コネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る一つの形態である蓄電装置は、電力配線、検知配線、機器用電源、制御用電源、制御部、接続部、リセット部を有する。
電力配線は、蓄電装置と蓄電装置に接続される機器に電力供給をするための配線である。検知配線は、蓄電装置と機器とが接続されたことを検知するための配線である。機器用電源は、電力配線に電力供給をする。制御用電源は、検知配線に電力供給をする。
【0007】
制御部は、検知配線と接続される検知端子とリセット信号を入力するリセット端子とを有し、蓄電装置を制御する。
接続部は、電力配線と検知配線とを接続する。
【0008】
リセット部は、接続部により電力配線と検知配線とが接続され、制御用電源の出力電圧より高い機器用電源の出力電圧が検知配線に印加され、検知配線の電圧が制御用電源の出力電圧より高くなると、制御部をリセットさせるためのリセット信号をリセット端子に出力する。
【0009】
なお、リセット部の比較部の一方の入力端子は検知配線に接続され、比較部の他方の入力端子に入力される基準電圧は、制御用電源の出力電圧以上で、かつ機器用電源の出力電圧より低い。
【0010】
また、本発明に係る他の形態である蓄電装置の通信用コネクタと蓄電装置に接続される機器の通信用コネクタとに接続可能な中間コネクタは、電力配線、検知配線、スイッチ部を有する。
【0011】
電力配線は、蓄電装置に設けられる機器用電源から機器へ電力供給をするための配線である。検知配線は、蓄電装置に設けられる制御用電源から電力供給がされ、蓄電装置に設けられる制御部の検知端子に接続され、蓄電装置と機器とが接続されたことを検知するための配線である。
【0012】
スイッチ部は、電力配線と検知配線とを接続する。そして、スイッチ部により電力配線と検知配線とが接続されると、制御用電源の出力電圧より高い機器用電源の出力電圧が検知配線に印加され、検知配線の電圧が制御用電源の出力電圧より高くなり、制御部がリセットされる。
【0013】
なお、検知配線の電圧が制御用電源の出力電圧より高いか否かを判定するための基準電圧は、制御用電源の出力電圧以上で、かつ機器用電源の出力電圧より低い。
また、本発明に係る他の形態である蓄電装置は、電力配線、検知配線、機器用電源、制御用電源、制御部、接続部、リセット部を有する。
【0014】
電力配線は、蓄電装置と蓄電装置に接続される負荷に電池から電力供給をするための配線である。検知配線は、蓄電装置と蓄電装置に接続される機器とが接続されたことを検知するための配線である。機器用電源は、電池の出力電圧より低い出力電圧を機器に供給をする。制御用電源は、機器用電源の出力電圧より低い出力電圧を検知配線に供給をする。
【0015】
制御部は、検知配線と接続される検知端子とリセット信号を入力するリセット端子とを有し、蓄電装置を制御する。
接続部は、電力配線と検知配線とを接続する。
【0016】
リセット部は、電力配線と検知配線とが接続され、電池の出力電圧が検知配線に印加され、検知配線の電圧が制御用電源の出力電圧より高くなると、制御部をリセットさせるためのリセット信号をリセット端子に出力する。
【0017】
リセット部の比較部の一方の入力端子は検知配線に接続され、比較部の他方の入力端子に入力される基準電圧は、制御用電源の出力電圧以上で、かつ電池の出力電圧より低い。
また、リセット部の比較部の一方の入力端子は検知配線に接続され、比較部の他方の入力端子に入力される基準電圧は、機器用電源の出力電圧以上で、かつ電池の出力電圧より低い。
【発明の効果】
【0018】
蓄電装置に設けられる制御部のハードウェアリセットを容易に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下図面に基づいて実施形態について詳細を説明する。
<実施形態1>
図1は、蓄電装置1のハードウェアリセット回路の一実施例を示す図である。
図1には、蓄電装置1、蓄電装置1に接続される機器2、蓄電装置1に接続される負荷3が示されている。蓄電装置1は、例えば、密閉構造の電池パックなどであるが、密閉構造に限定されない。また、蓄電装置1は、電池4、スイッチSW1、機器用電源5、制御用電源6、通信部7、制御部8、電力配線9、検知配線10、通信配線11(11a、11b)、抵抗R1、抵抗R2、リセット部(比較部12、抵抗R3、抵抗R4)、通信用コネクタ13(端子13a、13b、13c、13d、13e)、電力用コネクタ14(端子14a、14b)、リセットスイッチ配線19(接続部:スイッチSW2、抵抗R5、配線19a、19b、19c)、電力配線31(31a、31b)などを有する。
【0021】
機器2は、例えば、蓄電装置1を搭載する車両(例えば、フォークリフトや電気自動車など)や、蓄電装置1をデバッグする際に用いる冶具や、蓄電装置1を検査する検査機器などである。また、機器2は、通信用コネクタ15(端子15a、15b、15c、15d、15e)、通信部16、短絡配線17などを有する。
【0022】
負荷3は、例えば、車両に設けられる駆動機器やモータなどである。また、負荷3は、電力用コネクタ18(端子18a、18b)を有する。
電池4は、例えば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池又は蓄電素子などである。
【0023】
スイッチSW1は、電池4に直列に接続され、接続と未接続とを制御部8により制御され、電池4から機器用電源5、制御用電源6、負荷3に電力供給をするとき接続状態にされ、電力供給をしないとき未接続状態にされる。なお、機器用電源5、制御用電源6は、スイッチSW1の接続/未接続に関係なく、常に電池4から電力供給されていてもよい。また、スイッチSW1は、例えば、リレー又は半導体素子などを用いることが考えられる。
【0024】
機器用電源5は、電池4から供給される出力電圧を機器2へ供給する電圧に変換する。また、通信用コネクタ13と通信用コネクタ15とが接続されると、電力配線9を介して機器用電源5に接続されている端子13aと機器2の通信用コネクタ15の端子15aとが接続され、機器2に端子15aを介して電力供給をすることができる。また、機器用電源5は、電圧変換器や三端子レギュレータなどが考えられる。なお、機器用電源5には過電流保護回路を設けてもよい。
【0025】
制御用電源6は、電池4から供給される出力電圧を制御部8やその周辺回路などへ供給する電圧に変換する。また、制御用電源6は抵抗R2を介して検知配線10に電力供給をする。通信用コネクタ13と通信用コネクタ15とが接続されると、抵抗R2、検知配線10を介して制御用電源6と接続される端子13dと機器2の通信用コネクタ15の端子15dとが接続される。また、制御用電源6は、電圧変換器や三端子レギュレータなどが考えられる。
【0026】
ここで、電池4の出力電圧V0と機器用電源5の出力電圧V1と制御用電源6の出力電圧V2との関係は、電池4の出力電圧V0は機器用電源5の出力電圧V1より高く、機器用電源5の出力電圧V1は制御用電源6の出力電圧V2より高く設定されている(V0>V1>V2)。
【0027】
通信部7は、機器2に設けられた通信部16と通信を行うための回路である。また、通信用コネクタ13と通信用コネクタ15とが接続されると、通信配線11aを介して通信部7の一方の通信端子に接続される端子13bと、通信部16の一方の通信端子に接続される端子15bとが接続されるとともに、通信配線11bを介して通信部7の他方の通信端子に接続される端子13cと、通信部16の他方の通信端子に接続される端子15cとが接続され、通信部7と通信部16と通信ができるようになる。通信方法として、例えば、CAN(Controller Area Network)、フレックスレイ(Flex Ray)などの車載ネットワークを用いた通信が考えられる。
【0028】
制御部8は、蓄電装置1の各部を制御する。また、制御部8には抵抗R1を介して検知配線10と接続される検知端子CNSWと、制御部8をリセットさせるためのリセット端子RESETとを有する。例えば、CPU(Central Processing Unit)、マルチコアCPU、プログラマブルなデバイス(FPGA(Field Programmable Gate Array)やPLD(Programmable Logic Device)など)などである。
【0029】
電力配線9は、機器用電源5から通信部7及び機器2へ電力供給するための配線である。また、リセットスイッチ配線19のスイッチSW2が接続されると、電力配線9と検知配線10とが接続され、機器用電源5の出力電圧V1がリセット部に供給される。
【0030】
検知配線10は、通信用コネクタ13と通信用コネクタ15とが接続されたことを検知するための配線である。また、通信用コネクタ13と通信用コネクタ15とが接続されたことを検知する方法は、検知配線10に接続される端子13dと機器2に設けられている端子15dとが接続され、グランドGNDに接続される端子13eと機器2に設けられている端子15eとが接続されると、機器2の端子15dと端子15eとに接続されている短絡配線17により、制御部8の検知端子CNSWの電圧レベルがハイレベル(≒制御用電源6の出力電圧V2)からローレベル(≒0[V]:グランドGND)になることで、制御部8により通信用コネクタ13と通信用コネクタ15とが接続されたことが検知される。
【0031】
通信配線11(11a、11b)は、通信部7と通信部16とが通信をするために用いる配線である。通信配線11aは通信部7の一方の通信端子と端子13bとが接続され、通信配線11bは通信部7の他方の通信端子と端子13cとが接続され、通信用コネクタ13と通信用コネクタ15とが接続されると、端子13bと端子15bとが接続され、端子13cと端子15cとが接続され、通信部7と通信部16と通信ができるようになる。
【0032】
抵抗R1は、検知端子CNSWに過電圧、過電流などが入力されないようにするための抵抗である。抵抗R2は、検知端子CNSWのプルアップ抵抗である。
リセット部は、比較部12、抵抗R3、抵抗R4を有する回路である。リセット部は、リセットスイッチ配線19により電力配線9と検知配線10とが接続され、制御用電源6の出力電圧V2より高い機器用電源5の出力電圧V1が検知配線10に印加され、検知配線10の電圧が制御用電源6の出力電圧V2より高くなると、制御部8をリセットさせるためのリセット信号をリセット端子RESETに出力する。
【0033】
比較部12は、検知配線10の電圧V3と、機器用電源5の出力電圧V1を抵抗R3、R4を用いて分圧した基準電圧V4とを比較し、電圧V3が基準電圧V4より高い場合(V3>V4)には、リセット端子RESETに制御部8をリセットさせる電圧レベルのリセット信号を出力し、電圧V3が基準電圧V4以下の場合(V3≦V4)には、リセット端子RESETに制御部8がリセットされない電圧レベルのリセット信号を出力する。つまり、比較部12に入力される基準電圧V4は、制御用電源6の出力電圧V2以上で、かつ機器用電源5の出力電圧V1より低くなるよう設定されている(V2≦V4<V1)。なお、比較部12は、例えば、オペアンプやコンパレータなどを用いた回路である。
【0034】
通信用コネクタ13は、電力配線9を介して機器用電源5の出力端子に接続される機器2に電力供給をするための端子13aと、通信配線11aを介して通信部7の一方の通信端子と接続される通信部16と通信をするための端子13bと、通信配線11bを介して通信部7の他方の通信端子と接続される通信部16と通信をするための端子13cと、通信用コネクタ13と通信用コネクタ15とが接続されたことを検知するための検知配線10に接続される端子13dと、通信用コネクタ13と通信用コネクタ15とが接続されたことを検知するためのグランドGNDに接続される端子13eとを有する。また、端子13aは端子15aと接続され、端子13bは端子15bと接続され、端子13cは端子15cと接続され、端子13dは端子15dと接続され、端子13eは端子15eと接続される。
【0035】
電力用コネクタ14は、電池4から負荷3へ電力供給をするための端子14a、14bを有する。電力用コネクタ14と電力用コネクタ18とが接続されると、電池4の正極端子に接続される端子14aと負荷3の一方の端子と接続される端子18aとが接続され、電池4の負極端子にスイッチSW1を介して接続される端子14bと負荷3の他方の端子と接続される端子18bとが接続され、電池4から負荷3へ電力供給がされる。
【0036】
通信用コネクタ15は、蓄電装置1の機器用電源5から機器2への電力供給を受けるための端子15aと、通信部16の一方の通信端子に接続される通信部7と通信部16とが通信をするための端子15bと、通信部16の他方の通信端子に接続される通信部7と通信部16とが通信をするための端子15cと、短絡配線17を介して通信用コネクタ13と通信用コネクタ15とが接続されたことを検知するための端子15d、15eとを有する。また、端子15aは端子13aと接続され、端子15bは端子13bと接続され、端子15cは端子13cと接続され、端子15dは端子13dと接続され、端子15eは端子13eと接続される。
【0037】
通信部16は、蓄電装置1に設けられた通信部7と通信を行うための回路である。通信方法として、例えば、CAN、フレックスレイなどの車載ネットワークを用いた通信が考えられる。
【0038】
短絡配線17は、端子13dと端子15dとが接続され、端子13eと端子15eとが接続されると、端子13dと端子13eとを短絡させる配線である。
電力用コネクタ18は、電池4から負荷3へ電力供給を受けるための端子18a、18bとを有する。端子18aは端子14aと接続され、端子18bは端子14bと接続される。
【0039】
リセットスイッチ配線19は、制御部8をハードウェアリセットをするときに用いる配線である。スイッチSW2は、利用者により操作され、電力配線9と検知配線10との接続と未接続を切り替えるスイッチである。また、スイッチSW2は、例えば、トグルスイッチ、押しボタンスイッチ、スライドスイッチなどを用いることが考えられる。また、抵抗R5は短絡防止用の抵抗である。
【0040】
電力配線31aは、電力用コネクタ14の端子14aに接続される配線で、電力配線31bは、スイッチSW1を介して電力用コネクタ14の端子14bに接続される配線で、電力用コネクタ14と電力用コネクタ18とが接続されると、電力配線31a、31bを介して電池4から負荷3に電力供給される。
【0041】
実施形態1の回路構成について説明をする。
電池4の正極端子は、電力配線31aを介して機器用電源5の入力端子、制御用電源6の入力端子、電力用コネクタ14の端子14aに接続される。電池4の負極端子は、グランドGND、スイッチSW1の一方の端子に接続される。スイッチSW1の他方の端子は電力配線31bを介して電力用コネクタ14の端子14bに接続される。また、電力用コネクタ14と電力用コネクタ18とが接続されると、端子14aは端子18aと接続され、端子14bは端子18bと接続される。
【0042】
機器用電源5の出力端子は、電力配線9を介して通信部7の電力入力端子、通信用コネクタの端子13aと接続される。端子13aは、通信用コネクタ13と通信用コネクタ15とが接続されると、端子15aと接続される。
【0043】
通信部7の一方の通信端子は、通信配線11aを介して通信用コネクタ13の端子13bと接続される。通信部7の他方の通信端子は、通信配線11bを介して通信用コネクタ13の端子13cと接続される。端子13bは、通信用コネクタ13と通信用コネクタ15とが接続されると、端子15bと接続される。端子13cは、通信用コネクタ13と通信用コネクタ15とが接続されると、端子15cと接続される。また、通信用コネクタ13と通信用コネクタ15とが接続されると、端子15bは、通信部16の一方の通信端子と接続され、端子15cは、通信部16の他方の通信端子と接続される。
【0044】
制御用電源6の出力端子は、制御部8の電力入力端子、抵抗R2の一方の端子に接続される。
制御部8の検知端子CNSWは、抵抗R1の一方の端子と接続される。制御部8のリセット端子RESETは、比較部12の出力端子と接続される。
【0045】
比較部12の一方の入力端子は、検知配線10を介して抵抗R1の他方の端子、抵抗R2の他方の端子、通信用コネクタ13の端子13dと接続される。比較部12の他方の入力端子は、抵抗R3の一方の端子、抵抗R4の一方の端子と接続される。抵抗R3の他方の端子は機器用電源5の出力端子に接続され、抵抗R4の他方の端子はグランドGNDに接続される。通信用コネクタ13の端子13eはグランドGNDと接続される。また、通信用コネクタ13と通信用コネクタ15とが接続されると、端子13dは端子15dと接続され、端子13eは端子15eと接続される。
【0046】
リセットスイッチ配線19を通信用コネクタ13に接続すると、通信用コネクタ13の端子13aは、配線19aを介してスイッチSW2の一方の端子に接続される。スイッチSW2の他方の端子は、配線19bを介して通信用コネクタ13の端子13d、抵抗R5の一方の端子に接続される。抵抗R5の他方の端子は、配線19cを介してグランドGNDに接続される通信用コネクタ13の端子13eに接続される。
【0047】
実施形態1のハードウェアリセット動作について説明をする。
蓄電装置1をリセットさせる場合、リセットスイッチ配線19を通信用コネクタ13に接続する。そうすると端子13aと配線19aとが接続され、端子13dと配線19bとが接続され、端子13eと配線19cとが接続される。
【0048】
続いて、リセットスイッチ配線19のスイッチSW2を接続状態にすると、電力配線9と検知配線10とが接続され、制御用電源6の出力電圧V2より高い機器用電源5の出力電圧V1が通信用コネクタ13の端子13dを介して検知配線10に印加される。そうすると検知配線10の電圧V3が制御用電源6の出力電圧V2より高くなる。
【0049】
続いて、リセット部の比較部12の一方の入力端子の電圧V3は、比較部12の他方の入力端子の基準電圧V4より高くなるので、比較部12は出力端子から制御部8のリセット端子RESETに制御部8をリセットさせるためのリセット信号を出力する。
【0050】
実施形態1によれば、ハードウェアリセットをする際、蓄電装置1の通信用コネクタ13に接続されたリセットスイッチ配線19のスイッチSW2を接続状態にするだけで、端子13aと端子13dとが接続されて電力配線9と検知配線10とが接続され、制御用電源6の出力電圧V2より高い機器用電源5の出力電圧V1が検知配線10に印加され、検知配線10の電圧V3を基準電圧V4より高くできるので、リセット部は制御部8のリセット端子RESETに制御部8をリセットさせる電圧レベルのリセット信号が出力できる。
【0051】
すなわち、
図1に示すように通信用コネクタ13の端子13a、13d、13eにリセットスイッチ配線19の配線19a、19b、19cを接続すれば、蓄電装置1内部の制御部8に対して容易にハードウェアリセットを行うことができる。
【0052】
更に、蓄電装置1の防水対策が施された蓋を開けず、スイッチSW2を操作するだけで、制御部8に対してパワーオンリセットではないハードウェアリセットを行えるので、ハードウェアリセット作業を容易にできるとともに防水性も向上させることができる。
<実施形態2>
実施形態1と実施形態2との違いは、
図2に示すような中間コネクタ20を用いて制御部8に対してハードウェアリセットを行うことである。また、実施形態2では、蓄電装置1の通信用コネクタ13と機器2の通信用コネクタ15とを接続した状態で制御部8に対してハードウェアリセットを行うことができる。なお、実施形態1で説明した内容については実施形態2の説明では省略する。
【0053】
中間コネクタ20は、蓄電装置1の通信用コネクタ13と機器2の通信用コネクタ15とに接続可能なコネクタである。また、中間コネクタ20は、電力配線20a、通信配線20b、通信配線20c、検知配線20d、検知配線20e、検知配線20f、スイッチSW2、抵抗R5を有する構造である。
【0054】
電力配線20aは、端子13aと端子15aとに接続され、機器用電源5から機器2へ電力供給をさせるための配線である。
通信配線20bは、端子13bと端子15bとに接続され、通信部7と通信部16とに通信をさせるための配線である。
【0055】
通信配線20cは、端子13cと端子15cとに接続され、通信部7と通信部16とに通信をさせるための配線である。
検知配線20d、20e、20fは、蓄電装置1と機器2とが接続されたことを検知するための配線である。
【0056】
スイッチSW2(スイッチ部)は、利用者により操作され、電力配線20aと検知配線20dとの接続と未接続を切り替えるスイッチである。なお、スイッチSW2は、例えば、トグルスイッチ、押しボタンスイッチ、スライドスイッチなどを用いることが考えられる。
【0057】
抵抗R5は、短絡防止用の抵抗である。
実施形態2の中間コネクタ20の回路構成について説明をする。
電力配線20aは、第一の端子が機器用電源5の出力端子と電力配線9を介して接続される通信用コネクタ13の端子13aと接続され、第二の端子が通信用コネクタ15の端子15aと接続され、第三の端子がスイッチSW2の一方の端子と接続される。
【0058】
通信配線20bは、一方の端子が通信部7の一方の端子に接続される通信配線11aを介して接続される端子13bと接続され、他方の端子が通信部16の一方の端子に接続される端子15bと接続される。通信配線20cは、一方の端子が通信部7の他方の端子に接続される通信配線11bを介して接続される端子13cと接続され、他方の端子が通信部16の他方の端子に接続される端子15cと接続される。
【0059】
検知配線20dは、第一の端子がスイッチSW2の他方の端子と接続され、第二の端子13dと接続され、第三の端子が端子15dと接続される。検知配線20eは、一方の端子が抵抗R5の一方の端子と接続され、他方の端子がグランドGNDに接続されている端子13eと接続される。検知配線20fは、一方の端子が抵抗R5の他方の端子と接続され、他方の端子が端子15dと短絡配線17により接続されている端子15eと接続される。なお、電力配線20a、通信配線20b、20c、検知配線20d、20、20fの端子の構造は、通信用コネクタ13、15の端子に接続可能な構造を備えている。
【0060】
実施形態2のハードウェアリセット動作について説明をする。
中間コネクタ20は、スイッチSW2により電力配線20a(電力配線9に接続される配線)と検知配線20d(検知配線10に接続される配線)とが接続されると、制御用電源6の出力電圧V2より高い機器用電源5の出力電圧V1が検知配線20dに印加され、検知配線20d及び検知配線10の電圧が制御用電源6の出力電圧V2より高くなり、制御部8がリセットされる。
【0061】
実施形態2によれば、ハードウェアリセットをする際、通信用コネクタ13と通信用コネクタ15との間に接続される中間コネクタ20のスイッチSW2を接続状態にするだけで、端子13aと端子13dとが接続されて電力配線9と検知配線10とが接続され、制御用電源6の出力電圧V2より高い機器用電源5の出力電圧V1が検知配線10に印加され、検知配線10の電圧V3を基準電圧V4より高くできるので、リセット部は制御部8のリセット端子RESETに制御部8をリセットさせる電圧レベルのリセット信号が出力できる。
【0062】
すなわち、
図2に示すように中間コネクタ20を用いて通信用コネクタ13と通信用コネクタ15とを接続することで、蓄電装置1内部の制御部8に対して容易にハードウェアリセットを行うことができる。
【0063】
更に、蓄電装置1の防水対策が施された蓋を開けず、スイッチSW2を操作するだけで、制御部8に対してパワーオンリセットではないハードウェアリセットを行えるので、ハードウェアリセット作業を容易にできるとともに防水性も向上させることができる。
【0064】
また、通信用コネクタ13と通信用コネクタ15とを接続した状態でも制御部8に対してハードウェアリセットを行うことができる。
<実施形態3>
実施形態1、2と実施形態3との違いは、
図3に示すような電池4の電圧を用いて制御部8に対してハードウェアリセットを行うことである。すなわち、電池4の出力電圧V0は機器用電源5の出力電圧V1より高く、機器用電源5の出力電圧V1は制御用電源6の出力電圧V2より高い(V0>V1>V2)ことを利用して、機器用電源5の出力電圧V1より高い電池4の出力電圧V0を検知配線10に印加することで、制御部8が誤ってハードウェアリセットされることを低減できる。なお、実施形態1、2で説明した内容については実施形態3の説明では省略する。
【0065】
実施形態3のリセット部は、比較部12、抵抗R3′、抵抗R4′、抵抗R6、抵抗R7、ダイオードD1を有する回路である。リセット部は、リセット配線30(接続部)を用いて電力配線31aと検知配線10とが接続され、機器用電源5の出力電圧V1より高い電池4の出力電圧V0が検知配線10に印加され、検知配線10の電圧が制御用電源6の出力電圧V2より高くなると、制御部8をリセットさせるためのリセット信号をリセット端子RESETに出力する。
【0066】
実施形態3の比較部12は、検知配線10に印加された電池4の出力電圧V0を抵抗R6、抵抗R7を用いて分圧した電圧V3′と、電池4の出力電圧V0を抵抗R3′、R4′を用いて分圧した基準電圧V4′とを比較し、電圧V3′が基準電圧V4′より高い場合(V3′>V4′)には、リセット端子RESETに制御部8をリセットさせる電圧レベルのリセット信号を出力し、電圧V3′が基準電圧V4′以下の場合(V3′≦V4′)には、リセット端子RESETに制御部8がリセットされない電圧レベルのリセット信号を出力する。つまり、比較部12に入力される基準電圧V4′は、制御用電源6の出力電圧V2以上で、かつ電池4の出力電圧V0より低くなるよう設定されている(V2≦V4′<V0)。そうすることで、端子13dから電池4の出力電圧V0のような高い電圧が検知配線10に印加されないかぎり、制御部8がハードウェアリセットされないようにできるので、ハードウェアリセットの誤動作に対する耐性を高めることができる。
【0067】
また、基準電圧V4′は、機器用電源5の出力電圧V1以上で、かつ電池4の出力電圧V0より低くなるよう設定してもよい(V1≦V4′<V0)。そうすることで、更にハードウェアリセットの誤動作に対する耐性を高めることができる。
【0068】
ダイオードD1は、回りこみ防止ダイオードで、端子13dから入力される過電圧に対して回路を保護する。
リセット配線30は、制御部8をハードウェアリセットするときに用いる配線である。リセット配線30の一方の端子と端子13dとを接続し、リセット配線30の他方の端子と端子14aとを接続し、電力配線31aと検知配線10とを接続するための配線である。なお、リセット配線30の一方の端子の構造は端子13dに接続可能な構造で、リセット配線30の他方の端子の構造は端子14aに接続可能な構造である。
【0069】
実施形態3の回路構成について説明をする。
制御用電源6の出力端子は、制御部8の電力入力端子、抵抗R2の一方の端子に接続される。
【0070】
制御部8の検知端子CNSWは、抵抗R1の一方の端子と接続される。制御部8のリセット端子RESETは、比較部12の出力端子と接続される。
抵抗R1の他方の端子は、抵抗R2の他方の端子、ダイオードD1のアノード端子に接続され、ダイオードD1のカソード端子は、検知配線10を介して抵抗R6の一方の端子、通信用コネクタ13の端子13dに接続される。
【0071】
比較部12の一方の入力端子は、抵抗R6の他方の端子、抵抗R7の一方の端子と接続され、抵抗R7の他方の端子はグランドGNDに接続される。比較部12の他方の入力端子は、抵抗R3′の一方の端子、抵抗R4′の一方の端子と接続される。抵抗R3′の他方の端子は電池4の正極端子に接続され、抵抗R4′の他方の端子はグランドGNDに接続される。通信用コネクタ13の端子13eはグランドGNDと接続される。
【0072】
リセット配線30の一方端は通信用コネクタ13の端子13dと接続され、リセット配線30の他方端は電力用コネクタ14の端子14aと接続される。
実施形態3のハードウェアリセット動作について説明をする。
【0073】
制御部8をリセットさせる場合、リセット配線30を用いて通信用コネクタ13の端子13dと電力用コネクタ14の端子14aとを接続する。
続いて、電力配線31aと検知配線10とが接続されるので、制御用電源6の出力電圧V2より高い電池4の出力電圧V0が通信用コネクタ13の端子13dを介して検知配線10に印加される。そうすると電圧V3′が制御用電源6の出力電圧V2より高くなる。
【0074】
続いて、リセット部の比較部12の一方の入力端子の電圧V3′は、比較部12の他方の入力端子の基準電圧V4′より高くなるので、比較部12は出力端子から制御部8のリセット端子RESETに制御部8をリセットさせるためのリセット信号を出力する。
【0075】
実施形態3によれば、ハードウェアリセットをする際、蓄電装置1の通信用コネクタ13の端子13dと電力用コネクタ14の端子14aとをリセット配線30に接続するだけで、端子13dと端子14aとが接続されて電力配線31aと検知配線10とが接続され、制御用電源6の出力電圧V2より高い電池4の出力電圧V0が検知配線10に印加され、検知配線10の電圧V3′が電圧V4′より高くなるので、リセット部は、制御部8のリセット端子RESETに制御部8をリセットさせる電圧レベルのリセット信号が出力できる。
【0076】
すなわち、
図3に示すようにリセット配線30を用いて蓄電装置1の通信用コネクタ13の端子13dと電力用コネクタ14の端子14aとを接続することで、蓄電装置1内部の制御部8に対して容易にハードウェアリセットを行うことができる。
【0077】
更に、蓄電装置1の防水対策が施された蓋を開けず、リセット配線30を用いるだけで、制御部8に対してパワーオンリセットではないハードウェアリセットを行えるので、ハードウェアリセット作業を容易にできるとともに防水性も向上させることができる。
【0078】
また、実施形態1、2の構成と比べてスイッチSW2、抵抗R5、配線の構造が簡略化できるので価格を抑えることができる。また、配線を簡略化し配線間の影響を低減したことで、ハードウェアリセットの誤動作を防止することができる。
【0079】
また、蓄電装置1に電圧を印加するために専用の外部電源を用意する必要がない。
また、比較的高い電池4の電圧を用いることでハードウェアリセットの誤動作に対する耐性を高めることができる。
【0080】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。