特許第6760037号(P6760037)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6760037
(24)【登録日】2020年9月7日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】ダンパ
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/134 20060101AFI20200910BHJP
   F16D 43/04 20060101ALI20200910BHJP
【FI】
   F16F15/134 Z
   F16F15/134 A
   F16D43/04
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-244321(P2016-244321)
(22)【出願日】2016年12月16日
(65)【公開番号】特開2018-96515(P2018-96515A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2019年11月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山 徹
【審査官】 杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−196724(JP,A)
【文献】 実開昭59−113547(JP,U)
【文献】 実開平06−065647(JP,U)
【文献】 実開昭61−157738(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/134
F16D 43/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転中心回りに回転可能な第一回転要素と、
前記回転中心回りに回転可能な第二回転要素と、
前記第一回転要素と前記第二回転要素との間に介在し、前記第一回転要素と前記第二回転要素との前記回転中心回りの相対的な回動に応じて前記回転中心の周方向に伸縮する第一弾性部材と、
前記第一回転要素に、内側位置と外側位置との間で前記回転中心の径方向に移動可能に支持された可動ウエイトと、
前記可動ウエイトを前記径方向の内方に付勢する第一付勢部材と、
前記第二回転要素に前記径方向に移動可能に支持された第一可動部材と、
前記第一可動部材の移動に応じて弾性的に伸縮し、前記第一可動部材に前記第二回転要素に対する前記第一回転要素の相対的な回動角度が大きいほど大きな抗力を与える第二弾性部材と、
を備え、
前記可動ウエイトが前記内側位置に位置された状態では、前記第一可動部材が前記可動ウエイトを介して前記第二回転要素に対する前記第一回転要素の相対的な回動に連動して前記径方向に移動するよう構成され、前記可動ウエイトに作用した遠心力が前記第一付勢部材による付勢力に抗して前記可動ウエイトが前記外側位置に位置された状態では、前記第一可動部材と前記可動ウエイトとが離間して前記第一可動部材が前記第一回転要素の前記第二回転要素に対する相対的な回動と連動しないよう構成された、ダンパ。
【請求項2】
前記第一可動部材は、前記第二回転要素に前記径方向に沿った軸心回りに回動可能に支持されるとともに、ピニオン部と、前記第二回転要素に設けられた雌ねじ孔に挿入された雄ねじ部と、前記第二弾性部材を前記径方向に押圧する押圧部と、を有し、
前記可動ウエイトは、前記周方向に沿って延びて前記ピニオン部と噛み合う第一ラック部を有し、
前記可動ウエイトが前記内側位置にある状態では、前記第一回転要素と前記第二回転要素との前記回転中心回りの相対的な回動に応じて前記ピニオン部が前記第一ラック部と噛み合いながら前記軸心回りに転動し、当該転動により前記雌ねじ孔と噛み合う前記雄ねじ部が前記径方向に移動し、当該雄ねじ部の前記径方向への移動に伴って前記押圧部が前記第二弾性部材を押圧する、請求項1に記載のダンパ。
【請求項3】
前記第一可動部材は、前記押圧部として、前記径方向の外方の外側押圧部と、前記径方向の内方の内側押圧部と、を有し、
前記第二回転要素は、前記第二弾性部材として、前記外側押圧部によって押圧される外側弾性部材と、前記内側押圧部によって押圧される内側弾性部材と、を有した、請求項2に記載のダンパ。
【請求項4】
前記第二回転要素は、前記第一可動部材の所定量を超えた移動を制限するストッパを有した、請求項2または3に記載のダンパ。
【請求項5】
前記第二回転要素に前記周方向に移動可能に支持された第二可動部材と、
前記第二可動部材に設けられ前記周方向に延びて前記ピニオン部と噛み合う第二ラック部と、
前記第二ラック部を初期位置に向けて前記周方向に付勢する第二付勢部材と、
を備えた、請求項2〜4のうちいずれか一つに記載のダンパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンパに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遠心ウエイトと板ばねとを有したダンパが知られている(例えば、特許文献1)。このダンパは、板ばねが摩擦材を押圧することにより摩擦抵抗トルクが生じるよう構成されるとともに、板ばねによる摩擦材に対する押圧力が、遠心ウエイトに作用する遠心力によって減殺されるよう、構成されている。
【0003】
このような構成によれば、回転速度が高い状態では、遠心ウエイトに作用する遠心力が大きくなるため、板ばねによる摩擦材の押圧力が当該遠心力によって大きく減殺され、摩擦抵抗トルクが小さくなる。
【0004】
他方、回転速度が低い状態では、遠心ウエイトに作用する遠心力が小さくなるため、板ばねによる摩擦材の押圧力は当該遠心力によっては大きくは減殺されず、摩擦抵抗トルクが大きくなる。
【0005】
すなわち、特許文献1のダンパでは、回転速度が高い状態と、回転速度が低い状態とで、第一回転要素と第二回転要素との間に作用する摩擦抵抗トルクを切り替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公平6−29548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この種のダンパでは、回転速度が低い状態と回転速度が高い状態とで、第一回転要素と第二回転要素との間に弾性部材が介在する状態と介在しない状態とを切り替えることができれば、有利な特性が得られる場合がある。
【0008】
しかしながら、上記従来技術では、回転速度が低い状態と高い状態とで、摩擦抵抗トルクの大きさを切り替えることはできるものの、弾性部材が介在する状態と介在しない状態とを切り替えることはできない。
【0009】
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、回転速度に応じて、第一回転要素と第二回転要素との間に弾性部材が介在する状態と介在しない状態とを切り替えることが可能な、新規な構成のダンパを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のダンパは、例えば、回転中心回りに回転可能な第一回転要素と、上記回転中心回りに回転可能な第二回転要素と、上記第一回転要素と上記第二回転要素との間に介在し、上記第一回転要素と上記第二回転要素との上記回転中心回りの相対的な回動に応じて上記回転中心の周方向に伸縮する第一弾性部材と、上記第一回転要素に、内側位置と外側位置との間で上記回転中心の径方向に移動可能に支持された可動ウエイトと、上記可動ウエイトを上記径方向の内方に付勢する第一付勢部材と、上記第二回転要素に上記径方向に移動可能に支持された第一可動部材と、上記第一可動部材の移動に応じて弾性的に伸縮し、上記第一可動部材に上記第二回転要素に対する上記第一回転要素の相対的な回動角度が大きいほど大きな抗力を与える第二弾性部材と、を備え、上記可動ウエイトが上記内側位置に位置された状態では、上記第一可動部材が上記可動ウエイトを介して上記第二回転要素に対する上記第一回転要素の相対的な回動に連動して上記径方向に移動するよう構成され、上記可動ウエイトに作用した遠心力が上記第一付勢部材による付勢力に抗して上記可動ウエイトが上記外側位置に位置された状態では、上記第一可動部材と上記可動ウエイトとが離間して上記第一可動部材が上記第一回転要素の上記第二回転要素に対する相対的な回動と連動しないよう構成される。
【0011】
上記ダンパでは、第二の回転要素における第一可動部材の径方向での移動と、第一回転要素と第二回転要素との相対的な回動とが、可動ウエイトを介して連動しているため、第二弾性部材の第一可動部材と第二回転要素との間での弾性的な伸縮に伴い、第一回転要素と第二回転要素との間に相対的な回動が生じる。また、可動ウエイトは、回転速度が低く内側位置に位置した状態では動きを伝達し、回転速度が高く遠心力によって外側位置に位置した状態では動きを伝達しない。よって、このような構成により、回転速度が低い状態では、第一回転要素と第二回転要素との相対的な回動に応じて第二弾性部材が弾性的に伸縮し、回転速度が高い状態では、第一回転要素と第二回転要素との相対的な回動によっては第二弾性部材が弾性的に伸縮しないダンパが、得られる。
【0012】
また、上記ダンパでは、例えば、上記第一可動部材は、上記第二回転要素に上記径方向に沿った軸心回りに回動可能に支持されるとともに、ピニオン部と、上記第二回転要素に設けられた雌ねじ孔に挿入された雄ねじ部と、上記第二弾性部材を上記径方向に押圧する押圧部と、を有し、上記可動ウエイトは、上記周方向に沿って延びて上記ピニオン部と噛み合う第一ラック部を有し、上記可動ウエイトが上記内側位置にある状態では、上記第一回転要素と上記第二回転要素との上記回転中心回りの相対的な回動に応じて上記ピニオン部が上記第一ラック部と噛み合いながら上記軸心回りに転動し、当該転動により上記雌ねじ孔と噛み合う上記雄ねじ部が上記径方向に移動し、当該雄ねじ部の上記径方向への移動に伴って上記押圧部が上記第二弾性部材を押圧する。よって、このような構成によれば、回転速度に応じた、第一回転要素と第二回転要素との間に第二弾性部材が介在する状態と介在しない状態との切り替えを、ラックアンドピニオン機構によって、具現化することができる。
【0013】
また、上記ダンパでは、例えば、上記第一可動部材は、上記押圧部として、上記径方向の外方の外側押圧部と、上記径方向の内方の内側押圧部と、を有し、上記第二回転要素は、上記第二弾性部材として、上記外側押圧部によって押圧される外側弾性部材と、上記内側押圧部によって押圧される内側弾性部材と、を有する。よって、このような構成によれば、例えば、第一可動部材を、第一回転要素が第二回転要素に対して一方に捻れた場合と他方に捻れた場合とで共用できる。
【0014】
また、上記ダンパでは、例えば、上記第二回転要素は、上記第一可動部材の所定量を超えた移動を制限するストッパを有する。よって、このような構成によれば、例えば、第一回転要素と第二回転要素との過度な捻れを抑制できる。
【0015】
また、上記ダンパでは、例えば、上記第一回転要素に上記周方向に移動可能に支持された第二可動部材と、上記第二可動部材に設けられ上記周方向に延びて上記ピニオン部と噛み合う第二ラック部と、上記第二ラック部を初期位置に向けて上記周方向に付勢する第二付勢部材と、を備える。よって、このような構成によれば、例えば、第一可動部材が移動した後、元の位置に戻りやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施形態のダンパの回転中心と直交する模式的かつ例示的な断面図である。
図2図2は、図1のII−II断面図であって、低回転状態を示す図である。
図3図3は、図1のII−II断面図であって、低回転状態を示す図である。
図4図4は、図1のII−II断面図であって、低回転状態を示す図である。
図5図5は、実施形態のダンパに含まれる弾性伸縮機構の模式的かつ例示的な正面図であって、低回転状態を示す図である。
図6図6は、図5と同様の低回転状態を示す正面図であって、図5とは捻れ角度が異なる状態(捻れた状態)を示す図である。
図7図7は、実施形態のダンパに含まれる弾性伸縮機構の模式的かつ例示的な正面図であって、低回転状態を示す図である。
図8図8は、図5と同様の低回転状態を示す正面図であって、図6とは捻れ方向が異なる状態(捻れた状態)を示す図である。
図9図9は、実施形態のダンパに含まれる弾性伸縮機構の模式的かつ例示的な正面図であって、低回転状態を示す図である。
図10図10は、図1のII−II断面図であって、高回転状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0018】
各図では、便宜上、方向が示されている。矢印Xは、回転中心Axの軸方向(後方)を示す。また、以下では、回転中心Axの軸方向を単に軸方向と称し、回転中心Axの径方向を単に径方向と称し、回転中心Axの周方向を単に周方向と称する。また、軸方向に関しては、便宜上、図2の左方を前方、図2の右方を後方と称する。
【0019】
(実施形態)
(ダンパの構成および機能の概要)
図1は、ダンパ100の回転中心Axと直交する断面図であり、図2〜4は、図1のII−II断面図であって、図2は、捻れのない中立位置における非摺動状態を示す図、図3は、外側摺動状態を示す図、図4は、内側摺動状態を示す図である。なお、図1は、図2のI−I線における断面図である。
【0020】
ダンパ100は、例えば、フライホイールダンパであり、駆動源としてのエンジンとクラッチとの間に設けられ、回転変動(トルク変動)を低減する。フライホイールとして機能するダンパ100は、その質量とモーメントアームとに基づく慣性モーメントによって、回転変動を減らすことができる。
【0021】
ダンパ100は、ドライブプレート10と、ドリブンプレート20と、コイルスプリング30と、を備えている。駆動源の回転(トルク)は、ドライブプレート10、コイルスプリング30、およびドリブンプレート20を経由して、ホイール等の駆動対象に伝達される。
【0022】
コイルスプリング30は、ドライブプレート10のトルク変動(回転変動)の大小に応じて、ドライブプレート10とドリブンプレート20との間で弾性的に伸縮されることにより、ドライブプレート10からドリブンプレート20へのトルク変動(回転変動)の伝達を抑制する。ドライブプレート10は、第二回転要素の一例であり、ドリブンプレート20は、第一回転要素の一例であり、コイルスプリング30は、第一弾性部材の一例であり、付勢部材とも称されうる。
【0023】
(ダンパの詳細な構成)
図1,2に示されるドライブプレート10およびドリブンプレート20は、軸方向に並び、それぞれ回転中心Ax回りに回転可能に設けられている。
【0024】
図2に示されるように、ドライブプレート10は、フロントプレート11とバックプレート12とを有している。
【0025】
フロントプレート11は、前壁11a、周壁11b、および後壁11cを有している。前壁11aは、回転中心Axと交差して広がった円板状である。周壁11bは、前壁11aの周縁(外縁)から後方に突出した円筒状である。後壁11cは、周壁11bの後端から径方向外方に突出したフランジ状である。
【0026】
バックプレート12は、回転中心Axと交差して広がった円環状かつ板状である。フロントプレート11の周壁11bの後端部と、バックプレート12の周縁と、が溶接やねじ留め等によって接合され、これにより、フロントプレート11とバックプレート12とが固定されかつ一体化されている。
【0027】
図2に示されるように、コイルスプリング30は、フロントプレート11とバックプレート12との間に、収容されている。コイルスプリング30は、その巻回中心が周方向に略沿った姿勢で配置されている。フロントプレート11とバックプレート12との間の隙間は、周方向に沿って延びており、複数のコイルスプリング30が、この隙間に直列に配置されている。周方向に隣接した二つのコイルスプリング30の間には、シート部材31が設けられている。シート部材31は、ドライブプレート10またはドリブンプレート20に、周方向に移動可能に支持されている。また、シート部材31には、凹部31aや突起(不図示)が設けられている。コイルスプリング30は、凹部31aや突起によって保持されるとともに、ガイドされる。シート部材31は、例えば、合成樹脂材料によって構成されうる。シート部材31は、リテーナとも称されうる。
【0028】
図1に示されるように、バックプレート12には、突起12aが設けられている。突起12aは、フロントプレート11に近付くように前方に突出している。また、フロントプレート11の前壁11aには、突起12aと対向する突起(不図示)が設けられている。この突起は、バックプレート12に近付くように後方に突出している。互いに軸方向に対向したフロントプレート11の突起およびバックプレート12の突起12aは、コイルスプリング30に力を与えるとともにコイルスプリング30から力を受ける押圧部32として機能する。押圧部32は、周方向に一定間隔で複数箇所に、例えば、本実施形態では、180°間隔で2箇所に、配置されている。押圧部32と別の押圧部32との間に、コイルスプリング30とシート部材31とが周方向に沿って交互に並べられた列が配置されている。シート部材31は、コイルスプリング30と押圧部32との間にも配置されている。
【0029】
図2に示されるように、ドリブンプレート20は、センタープレート21とカバー部材22とを有している。
【0030】
図1に示されるように、センタープレート21は、中央壁21aと、突起21bとを有している。中央壁21aは、回転中心Axと交差して広がった円板状である。突起21bは、中央壁21aの周縁(外縁)から径方向外方に突出している。突起21bは、コイルスプリング30に力を与えるとともにコイルスプリング30から力を受ける押圧部33として機能する。
【0031】
押圧部33は、周方向に一定間隔で複数箇所に配置され、例えば、本実施形態では、180°間隔で2箇所に配置されている。押圧部33と別の押圧部33との間に、コイルスプリング30とシート部材31とが周方向に沿って交互に並べられた列が配置されている。シート部材31は、コイルスプリング30と押圧部33との間にも配置されている。
【0032】
ドライブプレート10の押圧部32と、ドリブンプレート20の押圧部33とは、ドライブプレート10とドリブンプレート20との相対的な角度差が無い(=0)状態で、軸方向に重なるように配置されている。また、押圧部32と押圧部33とは、互いに接触しないよう、構成されている。例えば、本実施形態では、フロントプレート11の突起およびバックプレート12の突起12aの先端のそれぞれと、突起21bとの間には、それぞれ軸方向に隙間が設けられている。
【0033】
図2に示されるように、カバー部材22は、内周壁22aと、後壁22bとを有している。内周壁22aは、センタープレート21の内縁から後方に延びた円筒状である。後壁22bは、内周壁22aの後縁から径方向外方に延びており、円環状かつ板状である。
【0034】
図2に示されるように、センタープレート21の後面と、カバー部材22の前面とが、コイルスプリング30およびシート部材31から径方向内方に離れた位置で、溶接やねじ留め等によって接合され、これにより、センタープレート21とカバー部材22とが固定されかつ一体化されている。
【0035】
(弾性伸縮機構)
図2に示される弾性伸縮機構40は、シャフト41や、外側コイルスプリング42o、内側コイルスプリング42i、第一ラック部51a等を有している。
【0036】
ドライブプレート10は、径方向に延びたシャフト41を支持している。ドライブプレート10は、シャフト41を、当該シャフト41の軸心Cs回りに回転可能に支持するとともに、径方向に移動可能に支持している。具体的には、シャフト41には雄ねじ部41cが設けられている。ドライブプレート10のバックプレート12には、互いに径方向に間隔をあけて配置され後方に突出した外側突起12bと内側突起12cとが設けられている。外側突起12bには、雌ねじ孔12dが設けられており、この雌ねじ孔12dにシャフト41の雄ねじ部41cが挿入されている。また、内側突起12cには、貫通孔12eが設けられており、この貫通孔12eに、シャフト41の雄ねじ部41cとは外れた部位が、回転可能に挿入されている。シャフト41は、第一可動部材の一例である。内側突起12cの貫通孔12eの内周面は、軸受部の一例である。
【0037】
シャフト41には、ピニオン部41dが設けられている。ピニオン部41dは、シャフト41とともにシャフト41の軸心Cs回りに回転する。また、ドリブンプレート20には、ピニオン部41dと噛み合う第一ラック部51aが設けられている。第一ラック部51aは、径方向に延びた複数の歯を有し、複数の歯は、周方向に延びた扇形の領域に等間隔で並んでいる。
【0038】
ピニオン部41dの歯と第一ラック部51aの歯とが噛み合った状態で、ドライブプレート10とドリブンプレート20とが捻れると、シャフト41のピニオン部41dが第一ラック部51aと噛み合った状態で周方向に転動し、これにより、シャフト41は、その軸心Cs回りに回転する。軸心Cs回りに回転するシャフト41は、雄ねじ部41cと雌ねじ孔12dとの噛み合いによって、軸心Csに沿った方向(長手方向)、すなわち、径方向に、移動する。雄ねじ部41cと雌ねじ孔12dとは、シャフト41の軸心Cs回りの回転をシャフト41の直動に変換する運動変換機構を構成している。
【0039】
外側コイルスプリング42oは、シャフト41の径方向外方への移動により圧縮され、シャフト41に径方向内方への弾性力(反発力、圧縮反力)を与える。外側コイルスプリング42oは、バックプレート12の外側突起12bと、シャフト41に設けられたフランジ部41aとの間で、シャフト41の回りを取り囲むように設けられている。フランジ部41aは、外側押圧部(押圧部)の一例である。外側コイルスプリング42oは、外側弾性部材(第二弾性部材)の一例である。
【0040】
外側コイルスプリング42oは、径方向に並んだ二つのカラー43を介してシャフト41に取り付けられている。カラー43は、筒部43aと、当該筒部43aの端部に設けられたフランジ部43bと、を有している。二つのカラー43は、フランジ部43bが互いに離間し、筒部43aの先端部が互いに面した姿勢で、配置されている。径方向外方に位置されたカラー43のフランジ部43bは、外側突起12bに接し、径方向内方に位置されたカラー43のフランジ部43bは、シャフト41のフランジ部41aに接している。シャフト41が図2に示される中間位置Pmにある状態では、二つのカラー43は、径方向に隙間をあけて並んでいる。外側コイルスプリング42oは、二つのカラー43のフランジ部43b間に径方向に挟まれるとともに、二つのカラー43の筒部43aの回りを取り囲むように設けられている。カラー43は、ガイド、シート、あるいはリテーナと称されうる。
【0041】
内側コイルスプリング42iは、シャフト41の径方向内方への移動により圧縮され、シャフト41に径方向外方への弾性力(反発力、圧縮反力)を与える。内側コイルスプリング42iは、バックプレート12の内側突起12cと、シャフト41に設けられたピニオン部41dとの間で、シャフト41の回りを取り囲むように設けられている。ピニオン部41dは、内側押圧部(押圧部)の一例である。内側コイルスプリング42iは、内側弾性部材(第二弾性部材)の一例である。
【0042】
内側コイルスプリング42iも、外側コイルスプリング42oと同様に、径方向に並んだ二つのカラー43を介してシャフト41に取り付けられている。シャフト41が図2に示される中間位置Pmにある状態では、二つのカラー43は、径方向に隙間をあけて並んでいる。
【0043】
図5〜7は、弾性伸縮機構40の正面図である。図5は捻れ角度が無い状態(中立位置)であり、図6は、図5よりも捻れ角度が大きく、図7は、図6よりも捻れ角度が大きい状態を示している。
【0044】
図5〜7に示されるように、シャフト41は、軸心Cs回りの一方向に回転した場合、すなわち、ドライブプレート10に対してドリブンプレート20が回転中心Ax回りの一方(図5〜7の時計回り方向)に回転した場合には、中間位置Pmから径方向外方に移動する。
【0045】
図3,7の状態となる前の状態において、ドライブプレート10に対するドリブンプレート20の回転中心Ax回りの一方(図5〜7の時計回り方向)への回動に伴って、外側コイルスプリング42oが弾性的に圧縮され、当該外側コイルスプリング42oに、エネルギが蓄えられる。このようにして外側コイルスプリング42oに蓄えられたエネルギは、ドライブプレート10に対するドリブンプレート20の回転中心Ax回りの他方(図5〜7の反時計回り方向)への回動に伴って、放出される。
【0046】
最終的には、図3,7に示されるように、シャフト41は、二つのカラー43の筒部43aの先端部同士が突き当たる位置Poに、移動する。シャフト41の径方向外方への移動、ひいては、ドライブプレート10に対するドリブンプレート20の図5〜7の時計回り方向への回動は、二つのカラー43の当接によって制限される。また、二つのカラー43の当接によって、外側コイルスプリング42oが密着状態となるのが抑制されている。カラー43は、ストッパの一例である。
【0047】
図5,8,9は、弾性伸縮機構40の正面図であって、図5〜7とは捻れ方向が逆である。図8は、図5よりも捻れ角度が大きく、図9は、図8よりも捻れ角度が大きい状態を示している。
【0048】
図5,8,9に示されるように、シャフト41は、軸心Cs回りの他方向に回転した場合、すなわち、ドライブプレート10に対してドリブンプレート20が回転中心Ax回りの他方(図5,8,9の反時計回り方向)に回転した場合には、中間位置Pmから径方向内方に移動する。
【0049】
図4,9の状態となる前の状態において、ドライブプレート10に対するドリブンプレート20の回転中心Ax回りの他方(図5,8,9の反時計回り方向)への回動に伴って、内側コイルスプリング42iが弾性的に圧縮され、当該内側コイルスプリング42iに、エネルギが蓄えられる。このようにして内側コイルスプリング42iに蓄えられたエネルギは、ドライブプレート10に対するドリブンプレート20の回転中心Ax回りの一方(図5,8,9の時計回り方向)への回動に伴って、放出される。
【0050】
最終的には、図4,9に示されるように、シャフト41は、二つのカラー43の筒部43aの先端部同士が突き当たる位置Piに、移動する。シャフト41の径方向内方への移動、ひいては、ドライブプレート10に対するドリブンプレート20の図5〜7の反時計回り方向への回動は、二つのカラー43の当接によって制限される。また、二つのカラー43の当接によって、内側コイルスプリング42iが密着状態となるのが抑制されている。
【0051】
なお、ドライブプレート10とドリブンプレート20との相対的な回動方向(時計回りまたは反時計回り)に対応したシャフト41の径方向の移動方向(径方向外方または径方向内方)は、雄ねじ部41cおよび雌ねじ孔12dの螺旋の向きによって定まる。
【0052】
(切替機構)
図10は、図1のII−II断面図であって、弾性伸縮機構40の作動不能状態を示す図である。
【0053】
ダンパ100は、弾性伸縮機構40の作動可能状態(伸縮可能状態)と作動不能状態(伸縮不能状態)とを切り替える切替機構50を備えている。切替機構50は、可動ウエイト51と、コイルスプリング52とを有している。
【0054】
可動ウエイト51は、ドリブンプレート20に、径方向に移動可能に支持されている。ドリブンプレート20には、可動ウエイト51を径方向に案内するガイド溝20aが設けられている。可動ウエイト51は、径方向内方の作動位置P11(内側位置、図2〜9)と、径方向外方の非作動位置P12(外側位置、図10)との間で、ガイド溝20aに沿って移動可能である。
【0055】
コイルスプリング52は、巻回中心が径方向に延びた螺旋構造を有し、可動ウエイト51を径方向内方に付勢する。コイルスプリング52は、作動位置P11に位置されている可動ウエイト51に、径方向内方に向けて予荷重を印加するとともに、径方向内方に向けて弾性力(圧縮反力)を印加する。コイルスプリング52は、第一付勢部材の一例であり、弾性部材とも称されうる。
【0056】
このような構成にあっては、ダンパ100の回転速度が、ダンパ100の回転に伴って可動ウエイト51に作用する径方向外方に向けた遠心力が予荷重と同じになる閾値回転速度以下、である場合、可動ウエイト51は作動位置P11に留まる。他方、ダンパ100の回転速度が閾値回転速度よりも高い場合にあっては、可動ウエイト51は作動位置P11から非作動位置P12へ移動する。
【0057】
図2〜10に示されるように、可動ウエイト51には第一ラック部51aが設けられている。図2〜9に示されるように、ピニオン部41dは、可動ウエイト51が作動位置P11に位置された状態で第一ラック部51aと噛み合い、図10に示されるように、可動ウエイト51が非作動位置P12に位置された状態では第一ラック部51aと噛み合わない。
【0058】
上述したように、第一ラック部51aとピニオン部41dとが噛み合う状態では、ドライブプレート10とドリブンプレート20との間には、それらの相対的な回動角度に応じて外側コイルスプリング42oまたは内側コイルスプリング42iによる弾性反発力が作用するものの(作動可能状態)、第一ラック部51aとピニオン部41dとが噛み合わない状態では、ドライブプレート10とドリブンプレート20との間には、外側コイルスプリング42oまたは内側コイルスプリング42iによる弾性反発力は作用しない(作動不能状態)。
【0059】
したがって、可動ウエイト51の質量や、コイルスプリング52のばね定数、予荷重等の適宜な設定により、切替機構50は、ダンパ100の回転速度が閾値回転速度以下である作動可能状態と、ダンパ100の回転速度が閾値回転速度よりも高い作動不能状態とを、切り替えることができる。
【0060】
(復帰補助機構)
ダンパ100は、シャフト41が中間位置Pm(図5参照)に戻るのを補助する復帰補助機構60を備えている。復帰補助機構60は、可動部材61と、二つのコイルスプリング62と、を有している。復帰補助機構60は、復帰機構と称されうる。
【0061】
可動部材61は、ドライブプレート10に、周方向に移動可能に支持されている。ドライブプレート10のバックプレート12には、可動部材61を周方向に案内するガイド溝12fが設けられている。可動部材61は、周方向一方の離間位置P21(図7)と、初期位置P20(図5)と、周方向他方の離間位置P22(図9)と、の間で、ガイド溝12fに沿って移動可能である。可動部材61は、第二可動部材の一例である。
【0062】
二つのコイルスプリング62は、それぞれ、巻回中心が周方向に延びた螺旋構造を有し、可動部材61を周方向に付勢する。可動部材61の周方向一方(例えば、図5の反時計回り方向)に隣接したコイルスプリング62は、可動部材61を周方向他方に付勢し、可動部材61が周方向一方に移動した場合にあっては、弾性的に圧縮され、可動部材61に周方向他方に向けて弾性力(圧縮反力)を印加する。また、可動部材61の周方向他方(例えば、図5の時計回り方向)に隣接したコイルスプリング62は、可動部材61を周方向一方に付勢し、可動部材61が周方向他方に移動した場合にあっては、弾性的に圧縮され、可動部材61に周方向一方に向けて弾性力(圧縮反力)を印加する。コイルスプリング62は、第二付勢部材の一例であり、弾性部材とも称されうる。
【0063】
可動部材61は、ピニオン部41dと噛み合う第二ラック部61aを有している。よって、可動部材61は、ピニオン部41dの回転に伴って初期位置P20から周方向に移動する。可動部材61の移動方向は、ピニオン部41dの回転方向によって異なる。
【0064】
このような構成において、図5〜7に示されるように、ドリブンプレート20がドライブプレート10に対して図5〜7の時計回り方向に捻れた場合、上述したように、ピニオン部41dと第一ラック部51aとの噛み合いにより、第一ラック部51aのドライブプレート10に対する時計回り方向への相対的な移動に応じて、ピニオン部41dひいてはシャフト41は、軸心Cs回りの一方向に回転する。これにより、シャフト41は、図5の中間位置Pmから、図7に示されるように径方向外方の位置Poに移動する。なお、ここでは、便宜上、軸心Cs回りの一方向は、雄ねじ部41cと雌ねじ孔12dとの噛み合いによりシャフト41が径方向外方へ移動する方向と定義し、軸心Cs回りの他方向は、雄ねじ部41cと雌ねじ孔12dとの噛み合いによりシャフト41が径方向内方へ移動する方向と定義する。
【0065】
また、シャフト41の径方向外方への移動と並行して、ピニオン部41dと第二ラック部61aとの噛み合いにより、図5〜7に示されるように、ピニオン部41dの一方向への回転に応じて、第二ラック部61aひいては可動部材61は、初期位置P20から図5〜7の反時計回り方向の離間位置P21(図7)に移動する。この際、可動部材61は、可動部材61に対して図5〜7の反時計回り方向(左側)に隣接しているコイルスプリング62を、弾性的に圧縮する。
【0066】
この状態で、ドライブプレート10に対してドリブンプレート20が図5〜7の反時計回り方向に捻れた場合、ピニオン部41dと第一ラック部51aとの噛み合いにより、第一ラック部51aのドライブプレート10に対する反時計回り方向への相対的な移動に応じて、ピニオン部41dひいてはシャフト41は、軸心Cs回りの他方向に回転し、シャフト41は、図7に示される位置Poから、図5の中間位置Pmに向けて、径方向内方に移動する。
【0067】
さらに、図7のように弾性的に圧縮されたコイルスプリング62は、可動部材61および第二ラック部61aを、初期位置P20に向けて、図5〜7の時計回り方向に付勢している。よって、第一ラック部51aによるピニオン部41dの駆動と並行して、第二ラック部61aは、図5〜7の時計回り方向へ移動することにより、ピニオン部41dを、軸心Cs回りの他方向に回転させる。すなわち、復帰補助機構60は、シャフト41が図5の中間位置Pmに戻る方向に、ピニオン部41dを回転させる。
【0068】
他方、図5,8,9に示されるように、ドリブンプレート20がドライブプレート10に対して図5,8,9の反時計回り方向に捻れた場合、上述したように、第一ラック部51aとピニオン部41dとの噛み合いにより、シャフト41は、図5の中間位置Pmから、図9に示されるように径方向内方の位置Piに移動する。
【0069】
また、シャフト41の径方向内方への移動と並行して、ピニオン部41dと第二ラック部61aとの噛み合いにより、図5,8,9に示されるように、第二ラック部61aひいては可動部材61は、初期位置P20から図5,8,9の時計回り方向の離間位置P22(図9)に移動する。この際、可動部材61は、可動部材61に対して図5,8,9の時計回り方向(右側)に隣接しているコイルスプリング62を、弾性的に圧縮する。
【0070】
この状態で、ドライブプレート10に対してドリブンプレート20が図5,8,9の時計回り方向に捻れた場合、ピニオン部41dと第一ラック部51aとの噛み合いにより、第一ラック部51aのドライブプレート10に対する時計回り方向への相対的な移動に応じて、ピニオン部41dひいてはシャフト41は、軸心Cs回りの一方向に回転し、シャフト41は、図9に示される位置Piから、図5の中間位置Pmに向けて、径方向外方に移動する。
【0071】
さらに、図9のように弾性的に圧縮されたコイルスプリング62は、可動部材61および第二ラック部61aを、初期位置P20に向けて、図5,8,9の反時計回り方向に付勢している。よって、第一ラック部51aによるピニオン部41dの駆動と並行して、第二ラック部61aは、図5,8,9の反時計回り方向へ移動することにより、ピニオン部41dを、軸心Cs回りの一方向に回転させる。すなわち、この場合も、復帰補助機構60は、シャフト41が図5の中間位置Pmに戻る方向に、ピニオン部41dを回転させる。このように、復帰補助機構60がシャフト41が中間位置Pmに戻るのを補助するため、復帰補助機構60が無い場合に比べて、シャフト41が中間位置Pmに戻りやすくなる。
【0072】
以上、説明したように、本実施形態のダンパ100によれば、ドライブプレート10(第二の回転要素)におけるシャフト41(第一可動部材)の径方向での移動と、ドリブンプレート20(第一回転要素)とドライブプレート10(第二回転要素)との相対的な回動とが、可動ウエイト51を介して連動しているため、外側コイルスプリング42oまたは内側コイルスプリング42i(第二弾性部材)のドリブンプレート20とドライブプレート10との間での弾性的な伸縮に伴い、ドリブンプレート20とドライブプレート10との間に相対的な回動が生じる。また、可動ウエイト51は、回転速度が低く作動位置P11(内側位置)に位置した状態では動きを伝達し、回転速度が高く遠心力によって非作動位置P12(外側位置)に位置した状態では動きを伝達しない。よって、このような構成により、回転速度が低い状態では、ドリブンプレート20とドライブプレート10との相対的な回動に応じて外側コイルスプリング42oまたは内側コイルスプリング42iが弾性的に伸縮し、回転速度が高い状態では、ドリブンプレート20とドライブプレート10との相対的な回動によっては外側コイルスプリング42oまたは内側コイルスプリング42iが弾性的に伸縮しないダンパ100が、得られる。
【0073】
このような構成によれば、低回転時にドリブンプレート20とドライブプレート10との間に外側コイルスプリング42oまたは内側コイルスプリング42iが追加される分、共振周波数を高めることができる。よって、本実施形態のダンパ100によれば、共振現象が生じるのを抑制できる。
【0074】
また、本実施形態では、回転速度に応じた、ドリブンプレート20とドライブプレート10との間に外側コイルスプリング42oまたは内側コイルスプリング42iが介在する状態と介在しない状態との切り替えを、第一ラック部51aとピニオン部41dとを有したラックアンドピニオン機構によって、具現化することができる。
【0075】
また、本実施形態では、シャフト41に設けられたフランジ部41a(外側押圧部)によって外側コイルスプリング42o(外側弾性部材)を径方向外方に押圧し、シャフト41に設けられたピニオン部41d(内側押圧部)によって内側コイルスプリング42i(内側弾性部材)を径方向内方に押圧する。よって、このような構成によれば、例えば、シャフト41を、外側コイルスプリング42oの押圧と内側コイルスプリング42iの押圧とで、すなわち、ドライブプレート10がドリブンプレート20に対して一方に捻れた場合と他方に捻れた場合とで、共用できる。
【0076】
また、本実施形態では、シャフト41は、内側突起12cの貫通孔12e(軸受部)に回転可能に支持されている。よって、このような構成によれば、例えば、シャフト41が傾いたり倒れたりするのを抑制できる。
【0077】
また、本実施形態では、ドライブプレート10は、シャフト41の所定量を超えた移動を制限するストッパを有する。よって、このような構成によれば、例えば、ドリブンプレート20とドライブプレート10との過度な捻れを抑制できる。
【0078】
また、本実施形態では、可動部材61とコイルスプリング62とを有した復帰補助機構60を有している。よって、このような構成によれば、シャフト41が中間位置Pmに戻りやすくなる。
【0079】
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各例の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。また、各構成や形状等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、高さ、数、配置、位置等)は、適宜に変更して実施することができる。例えば、本発明は、フライホイールダンパ以外のダンパにも適用可能である。
【0080】
また、第一弾性部材、第二弾性部材、第一付勢部材、および第二付勢部材は、コイルスプリングには限定されず、例えば、板ばねや、トーションスプリング、エラストマ等の他の弾性部材であってもよい。
【0081】
また、ドライブプレートが第一回転要素の一例であり、ドリブンプレートが第二回転要素の一例であってもよい。すなわち、第一可動部材および第二可動部材がドリブンプレートに支持され、可動ウエイトがドライブプレートに支持されてもよい。
【0082】
また、外側押圧部と内側押圧部とは、一体であってもよい。
【符号の説明】
【0083】
10…ドライブプレート(第二回転要素)、12d…雌ねじ孔、20…ドリブンプレート(第一回転要素)、30…コイルスプリング(第一弾性部材)、41…シャフト(第一可動部材)、41a…フランジ部(外側押圧部、押圧部)、41c…雄ねじ部、41d…ピニオン部(内側押圧部、押圧部)、42i…内側コイルスプリング(内側弾性部材、第二弾性部材)、42o…外側コイルスプリング(外側弾性部材、第二弾性部材)、43…カラー(ストッパ)、51…可動ウエイト、51a…第一ラック部、52…コイルスプリング(第一付勢部材)、61…可動部材(第二可動部材)、61a…第二ラック部、62…コイルスプリング(第二付勢部材)、100…ダンパ、Ax…回転中心、Cs…軸心、P11…作動位置(内側位置)、P12…非作動位置(外側位置)、P20…初期位置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10