(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、
図1〜
図7を用いて、本発明の実施形態を説明する。以下の説明では、画像処理装置として、複合機100を例に挙げて説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0015】
(複合機100の構成)
まず、
図1を用いて、実施形態に係る複合機100(画像形成装置)の概要を説明する。
図1は実施形態に係る複合機100の一例を示す図である。
【0016】
複合機100は、制御部1と記憶部2を含む。制御部1は複合機100の各部を制御する。制御部1は、CPU11、画像処理部12を含む。CPU11は制御に関する演算、処理を行う。画像処理部12は、画像データに関する処理を行う。記憶部2は不揮発性の記憶装置を含む。不揮発性の記憶装置は、例えば、ROM21、ストレージ22である。ストレージ22は、例えば、HDD、SSDである。また、記憶部2は、揮発性の記憶装置も含む。揮発性の記憶装置は、RAM23(メモリーに相当)である。記憶部2は、ソフトウェア、制御用プログラム、各種データを記憶する。制御部1は、記憶部2に記憶されたソフトウェア、プログラム、データに基づき処理を行う。
【0017】
複合機100は、原稿搬送部3aと画像読取部3bを含む。原稿搬送部3aは、セットされた原稿を1枚ずつ、自動的に搬送する。制御部1は、読み取り位置(搬送読取用コンタクトガラス)に向けて原稿を原稿搬送部3aに搬送させる。送り出された原稿は、画像読取部3bの上面に設けられた搬送読取用コンタクトガラスの上面を通過する。
【0018】
画像読取部3bは載置読取用コンタクトガラスを含む。画像読取部3bは載置読取用コンタクトガラスにセットされた原稿を読み取ることもできる。制御部1は、搬送原稿、又は、載置読取用コンタクトガラスにセットされた原稿を画像読取部3bに読み取らせる(スキャンさせる)。画像読取部3bは、読み取った原稿の画像データを生成する。生成された画像データは、記憶部2(ストレージ22)に不揮発的に記憶される。
【0019】
また、複合機100は操作パネル4(操作部に相当)を含む。操作パネル4は、表示パネル41、タッチパネル42、ハードキー43を含む。制御部1は、画面を表示パネル41に表示させる。また、制御部1は操作用画像を表示パネル41に表示させる。操作用画像は、例えば、ボタン、ソフトキー、タブ、スイッチである。表示パネル41に対し、タッチパネル42が設けられる。タッチパネル42は、使用者がタッチした位置(座標)を検知する。タッチパネル42の出力に基づき、制御部1は、操作された操作用画像を認識する。表示パネル41(タッチパネル42)を操作することにより、各種設定を行うことができる。また、ハードキー43を複数設けることができる。例えば、数字入力用のテンキーや、スタートキーやキャンセルキーをハードキー43として設けることができる。
【0020】
複合機100は印刷部5を含む。印刷部5は、給紙部5a、用紙搬送部5b、画像形成部5c、定着部5dを含む。印刷部5は、用紙を給紙、搬送し、トナー像を用紙に印刷する。印刷ジョブのとき、制御部1は印刷部5を制御する。印刷ジョブのとき、制御部1は、給紙部5aに用紙を供給させる。制御部1は、用紙を用紙搬送部5bに搬送させる。制御部1は画像データに基づく画像(トナー像)を画像形成部5cに形成させる。制御部1は、搬送される用紙へのトナー像の転写を画像形成部5cに行わせる。制御部1は、トナー像の用紙の定着を定着部5dに行わせる。
【0021】
複合機100は通信部6を含む。通信部6は、制御部1と通信可能に接続される。通信部6は、ネットワークや通信網を介して、コンピューター200と通信する。コンピューター200は、例えば、PCやサーバーである。通信部6は、コンピューター200から印刷用データを受信する。
【0022】
(RAM23の使用形態)
次に、
図2を用いて、実施形態に係るRAM23の使用形態の一例を説明する。
図2は、実施形態に係るRAM23の使用形態の一例を示す図である。
【0023】
RAM23は、ジョブに使用する画像データ及びジョブの実行に必要なソフトウェアを記憶する。RAM23の記憶領域内には、第1領域71と第2領域72が設けられる。具体的に、複合機100の電源が投入されたとき、制御部1は、ROM21、ストレージ22に記憶された起動プログラムを実行する。起動プログラムに基づき、制御部1は起動処理を実行する。起動処理のとき、制御部1は、RAM23の記憶領域を区分けする(パーティションを行う)。
【0024】
第1領域71は、ソフトウェアとソフトウェアの実行に必要なデータが記憶される領域である。また、第1領域71はソフトウェアが実行される領域である。ソフトウェアは、プログラム、関数、命令を含む。
【0025】
RAM23の第1領域71は、例えば、カーネル81(OS)、標準ソフトウェア82、プログラムキャッシュメモリー83、拡張ソフトウェア84、ヒープメモリー85、スタックメモリー86、共有メモリー87を記憶する。カーネル81、標準ソフトウェア82、拡張ソフトウェア84、はROM21又はストレージ22に記憶される。起動処理のとき、ROM21又はストレージ22からカーネル81、標準ソフトウェア82、拡張ソフトウェア84が読み出される。標準ソフトウェア82は、プログラムキャッシュメモリー83に含まれる。
【0026】
カーネル81は、RAM23の動作を管理する。カーネル81(カーネル空間)は、例えば、デバイスドライバー、ファイルシステム、ネットワークプロトコルを含む。標準ソフトウェア82は、複合機100に標準搭載される機能を実現するためのソフトウェアである。標準ソフトウェア82は、印刷用ソフトウェア82p、スキャン用ソフトウェア82s、通信用ソフトウェア82cを含む。印刷用ソフトウェア82pは印刷部5の制御に関するソフトウェアである。印刷用ソフトウェア82pにより、印刷機能が実現される。スキャン用ソフトウェア82sは、原稿搬送部3a、画像読取部3bの制御に関するソフトウェアである。スキャン用ソフトウェア82sにより、原稿読み取り機能が実現される。通信用ソフトウェア82cは、通信部6の制御に関するソフトウェアである。通信用ソフトウェア82cにより、送信機能が実現される。
【0027】
コピージョブのとき、スキャン用ソフトウェア82sと印刷用ソフトウェア82pに基づき、制御部1は処理を行う。制御部1は原稿を画像読取部3bに読み取らせる。制御部1は画像データを画像読取部3bに生成させる。制御部1は、生成した画像データをストレージ22に記憶させる。制御部1は、ストレージ22に記憶された画像データをRAM23に読み出させる。制御部1は、読み出された画像データの画像処理を画像処理部12に行わせる。制御部1は画像処理後の画像データに基づく印刷を印刷部5に行わせる。
【0028】
プリントジョブのとき、通信用ソフトウェア82cと印刷用ソフトウェア82pに基づき、制御部1は処理を行う。制御部1は、コンピューター200から送信された印刷用データを通信部6に受信させる。制御部1は、受信した印刷用データに基づき、画像データを画像読取部3bに生成させる。印刷用データは、例えば、ページ記述言語(PDL)で記述されたデータである。制御部1は、印刷用データを解析し、ラスターイメージ(ビットマップ画像)を画像データとして生成させる。制御部1は、生成した画像データをストレージ22に記憶させる。制御部1は、ストレージ22に記憶された画像データをRAM23に読み出させる。制御部1は、読み出された画像データの画像処理を画像処理部12に行わせる。制御部1は、画像処理後の画像データに基づく印刷を印刷部5に行わせる。
【0029】
送信ジョブのとき、スキャン用ソフトウェア82sと通信用ソフトウェア82cに基づき、制御部1は処理を行う。原稿を画像読取部3bに読み取らせる。制御部1は、画像データを画像読取部3bに生成させる。制御部1は、生成した画像データをストレージ22に記憶させる。制御部1は、ストレージ22に記憶された画像データをRAM23に読み出させる。制御部1は、読み出された画像データの画像処理を画像処理部12に行わせる。例えば、制御部1は、操作パネル4で設定された形式の画像データを生成する。制御部1は、操作パネル4で設定された宛先(コンピューター200)に向けて、生成した画像データを通信部6に送信させる。
【0030】
なお、標準ソフトウェア82は、ブラウザソフトウェア82bを含む。ブラウザソフトウェア82bは、第1領域71に読み出される。ブラウザソフトウェア82bに基づき、制御部1は、表示パネル41に画面を表示させる。ブラウザソフトウェア82bに基づき、制御部1は、例えば、複合機100の使用方法を示す画面を表示させる。また、ブラウザソフトウェア82bに基づき、制御部1は、拡張ソフトウェア84の使用方法を示す画面を表示させる。また、ブラウザソフトウェア82bに基づき、制御部1は、指定されたURLのページを表示パネル41に表示させる。このように、制御部1は、ブラウザソフトウェア82bに基づき、閲覧用の画面を表示パネル41に表示させる。
【0031】
拡張ソフトウェア84は、標準搭載されないソフトウェアである。複合機100の設置後、拡張ソフトウェア84は、使用者により追加されたソフトウェアである。標準ソフトウェア82は、製造者が記憶部2に不揮発的に記憶させるソフトウェアである。拡張ソフトウェア84は使用者により記憶部2に新たにインストールされたソフトウェアである。
【0032】
拡張ソフトウェア84は、複合機100の機能を拡張するためのソフトウェアである。拡張ソフトウェア84は、実現したい機能に応じて作成される。複合機100の製造者以外の者が拡張ソフトウェア84を開発、設計、作成できる。拡張ソフトウェア84は、複合機100をより便利に使用するためのアプリケーションである。例えば、拡張ソフトウェア84には、予め用意されたサーバーと連携して送信を行うものがある。また、拡張ソフトウェア84には、特定サイズの原稿を読み取り、特定の形式の画像データを、特定の記憶場所に記憶させるものがある。
【0033】
ヒープメモリー85は、第1領域71に記憶されたソフトウェア(標準ソフトウェア82、拡張ソフトウェア84)が、処理実行時に確保するメモリー領域である。スタックメモリー86は、次の関数、命令に関する情報を記憶させるメモリー領域である。プログラムキャッシュメモリー83は、RAM23に展開するソフトウェア(プログラム、関数、命令)を記憶させるメモリー領域である。共有メモリー87は、複数のソフトウェア間で共用されるメモリー領域である。プログラムキャッシュメモリー83、ヒープメモリー85、スタックメモリー86、共有メモリー87は、各ソフトウェアが用いるメモリー領域である。
【0034】
第1管理情報91は、ジョブを管理するための情報である。制御部1は、実行しようとするジョブごとに第1管理情報91を生成する。制御部1は、第1管理情報91を共有メモリー87に格納する。第1管理情報91は共有メモリー87の一種である。第1管理情報91は、1つのジョブの実行に必要な制御メモリー領域である。第1管理情報91には、ジョブに関する情報が記憶させる。例えば、第1管理情報91は、ジョブの種類を示す情報、ジョブに含まれるページ数を示す情報、ジョブの設定情報、ジョブの進行状況を示す情報が含まれる。制御部1は、1つのジョブにつき、1つの第1管理情報91を生成する。そのため、処理中、又は、処理待ちのジョブが複数ある場合、制御部1は、複数の第1管理情報91を第1領域71に記憶させる。
【0035】
第2管理情報92は、ジョブに含まれる各ページを管理するための情報である。制御部1は、ジョブ実行のために処理が必要な画像データのページごとに第2管理情報92を生成する。制御部1は、第2管理情報92を共有メモリー87に格納する。第2管理情報91も共有メモリー87の一種である。第2管理情報92は、1ページ分のジョブを実行するのに必要な制御メモリー領域である。第2管理情報92には、ページに関する情報が記憶させる。例えば、第2管理情報92は、ジョブの種類を示す情報、ページの順番を示す情報、ページで行うべき画像処理を示す情報、ページの処理状況を示す情報が含まれる。1ページにつき、1つの第2管理情報92が生成される。そのため、処理すべきページが複数ある場合、制御部1は、複数の第2管理情報92を第1領域71に記憶させる。
【0036】
第2領域72は、ジョブに使用する画像データが記憶される領域である。第2領域72には、第3領域73(複数部処理用領域)、第4領域74(ビデオ領域)、第5領域75(RIP領域)が設けられる。起動処理のとき、制御部1は、第3領域73、第4領域74、及び、第5領域75を第2領域72内に設定する。制御部1は、第2領域72を第3領域73、第4領域74及び第5領域75に区分けする(パーティションを行う)。
【0037】
第3領域73は、複数部ジョブ用の領域である。画像読取部3bの読み取りで得られた画像データに基づき複数部を印刷するコピージョブが複数部ジョブである。また、受信した印刷用データに基づき複数部を連続して印刷するプリントジョブが複数部ジョブである。複数部ジョブを実行するとき、制御部1は、ジョブの間、1部に含まれる各ページの画像データを第3領域73に保持させる。複数部の印刷のとき、制御部1は、第3領域73に記憶された画像データを繰り返し使用する。言い換えると、複数部の印刷のとき、制御部1は、第3領域73に記憶された画像データを使い回す。
【0038】
第4領域74は、画像処理がなされた画像データを記憶する領域である。制御部1は、複合機100でジョブに使用する画像データをいったんストレージ22に記憶させる。制御部1は、これから画像処理を行うページの画像データをストレージ22から第3領域73に読み出す。画像処理部12は、読み出された画像データの画像処理を行う。制御部1は、画像処理の途中、又は、画像処理後の画像データを第4領域74に記憶させる。
【0039】
第5領域75は、ページ記述言語で記述されたページを画像データに変換するために使用される領域である。制御部1(画像処理部12)は、印刷用データを解析する。画像処理部12は、ラスターイメージ(ビットマップ画像)を画像データとして生成させる。第5領域75は、ラスターイメージ生成時のワークメモリーとして使用される。
【0040】
(RAM23の領域のサイズ設定)
次に、
図3〜
図6を用いて、実施形態に係るRAM23の領域の設定の一例を説明する。
図3は、実施形態に係るRAM23の領域の設定の流れの一例を示す図である。
図4は、実施形態に係る第1設定画面S1の一例を示す図である。
図5は、実施形態に係る第2設定画面S2の一例を示す図である。
図6は、実施形態に係る第3設定画面S3の一例を示す図である。
【0041】
第1領域71が満杯になったとき、ソフトウェアに基づく制御部1の処理は停止する。そのため、第1領域71が不足しないようにしなければならない。ここで、使用者は、拡張ソフトウェア84を複数個、同時に動作させることがある。そのため、使用する拡張ソフトウェア84の数が多いほど、第1領域71のサイズは大きくすべきである。
【0042】
また、複数台のコンピューター200から複数の印刷用データが次々と入力されたとき、同時に管理すべきジョブ数が多くなる。同時に管理すべきジョブ数が多いとき、各第1管理情報91の合計サイズは大きくなる。そのため、同時に管理可能なジョブ数を多くするほど、第1領域71のサイズは大きくすべきである。
【0043】
また、多数のページを含む印刷用データが次々と入力されることがある。この場合、同時に管理すべきページ数も多くなる。同時に管理すべきページ数が多いとき、各第2管理情報92の合計サイズは大きくなる。そのため、同時に管理できるページ数を多くするほど、第1領域71のサイズは大きくすべきである。
【0044】
複合機100の使用状況は、使用者により異なる。複合機100に拡張ソフトウェア84を全くインストールしない使用者がいる。一方、使用者に、10個を超える拡張ソフトウェア84を同時に動作させる者もいる。また、ジョブの実行頻度が少ない使用者がいる。一方、ジョブの実行頻度が高い使用者もいる。例えば、実行待ちのジョブが数十個を超えない使用者がいる。一方で、実行待ちのジョブが1000個近くに及ぶ使用者もいる。また、処理待ちの画像データのページ数が、数万に及ぶ使用者もいる。
【0045】
装置での処理が停止しないように、ソフトウェア、プログラム、制御データを記憶させる領域のサイズは、余裕をもったサイズとされる。拡張ソフトウェア84が多数インストールされ、ジョブの実行頻度が高くても処理が停止しないようにするためである。従来、ソフトウェア等を記憶させる領域のサイズは、ヘビーユーザーを考慮して設定されている。さらに、従来、ソフトウェア等を記憶させる領域と画像データを記憶させる領域のサイズは固定されている。従来、各領域の境界を変更することはできない。使用頻度が少ない使用者にとって、各領域のサイズの割り当ては、必ずしも最適ではない。
【0046】
そこで、複合機100では、第1領域71と第2領域72のサイズを変更できるようにする。第1領域71と第2領域72のサイズを、使用状況に沿った最適なサイズとする。以下、
図3〜
図6を用いて、各領域のサイズ設定の流れの一例を説明する。
【0047】
図3のスタートは、操作パネル4に第1設定画面S1を表示するための操作(サイズ設定開始操作)が行われた時点である。操作パネル4は、サイズ設定開始操作を受け付ける。サイズ設定開始操作がなされたとき、制御部1は、第1設定画面S1を表示パネル41に表示させる(ステップ♯1)。
【0048】
図4は、第1設定画面S1の一例を示す。第1設定画面S1は、ソフトウェア数入力欄L1、ソフトウェアサイズ入力欄L2、管理可能ジョブ数入力欄L3、ネクストボタンB1を含む。ソフトウェア数入力欄L1、ソフトウェアサイズ入力欄L2、管理可能ジョブ数入力欄L3には、それぞれプラスキーとマイナスキーが付される。プラスキーが操作されたとき、制御部1は対応する欄の数値を大きくする。マイナスキーが操作されたとき、制御部1は対応する欄の数値を小さくする。また、各欄のタッチ後、テンキーを操作して数値を入力することもできる。つまり、操作パネル4は、数値の設定入力を受け付ける。
【0049】
ソフトウェア数入力欄L1は、複合機100で同時に動作させる拡張ソフトウェア84の個数(拡張ソフトウェア数)を入力する欄である。なお、拡張ソフトウェア数のデフォルト値は、例えば、15個である。拡張ソフトウェア数が15のとき、制御部1は、15個まで拡張ソフトウェア84の同時動作(インストール)を許可する。
【0050】
ソフトウェアサイズ入力欄L2は、複合機100にインストールしている、又は、インストールしようとしている拡張ソフトウェア84の平均サイズを入力する欄である。なお、平均サイズのデフォルト値は、例えば、5Mバイトである。
【0051】
管理可能ジョブ数入力欄L3は、複合機100で管理可能なジョブの個数(管理可能ジョブ数)を入力する欄である。なお、管理可能ジョブ数のデフォルト値は、例えば、1000個である。管理可能ジョブ数が1000のとき、制御部1は、ジョブを同時に1000個まで管理する。
【0052】
このように、操作パネル4は、拡張ソフトウェア84の個数、拡張ソフトウェア84の平均サイズ、管理可能ジョブ数の設定入力を受け付ける(ステップ♯2)。各数値の設定後、使用者は、ネクストボタンB1を操作する。ネクストボタンB1が操作されたとき、制御部1は、第2設定画面S2を表示パネル41に表示させる(ステップ♯3)。
【0053】
図5は、第2設定画面S2の一例を示す。第2設定画面S2は、管理可能ページ数入力欄L4、ブラウザワークメモリーサイズ入力欄L5、ネクストボタンB2を含む。管理可能ページ数入力欄L4、ブラウザワークメモリーサイズ入力欄L5にも、それぞれプラスキーとマイナスキーが付される。プラスキーが操作されたとき、制御部1は、対応する欄の数値を大きくする。マイナスキーが操作されたとき、制御部1は、対応する欄の数値を小さくする。また、各欄をタッチした後、テンキーを操作して数値を入力することもできる。
【0054】
管理可能ページ数入力欄L4は、複合機100で同時に管理可能できるページ数(管理可能ページ数)を入力する欄である。なお、管理可能ページ数のデフォルト値は、例えば、20000枚である。管理可能ページ数が20000のとき、制御部1は、画像データのページを同時に20000枚まで管理する。
【0055】
ブラウザワークメモリーサイズ入力欄L5は、ブラウザソフトウェア82bに付与するワークメモリーサイズを入力する欄である。ブラウザソフトウェア82bで画像、動画を表示する場合、ワークメモリーサイズを大きくする必要がある。ワークメモリーサイズのサイズが小さい場合、画面の反応が遅くなることがある。また、ワークメモリーサイズのサイズが小さい場合、画像や動画を表示できないこともある。ブラウザソフトウェア82bで閲覧する内容に応じて、使用者は、ワークメモリーサイズを設定する。
【0056】
このように、操作パネル4は、管理可能ページ数、ブラウザワークメモリーサイズの設定入力を受け付ける(ステップ♯4)。各数値の設定後、使用者は、ネクストボタンB2を操作する。ネクストボタンB2が操作されたとき、制御部1は、第3設定画面S3を表示パネル41に表示させる(ステップ♯5)。
【0057】
第3設定画面S3は、第2領域72に設けられる各領域の割り当てを設定するための画面である。言い換えると、第3設定画面S3は、第3領域73、第4領域74、第5領域75の割り当てを設定するための画面である。第3設定画面S3には、第1ラジオボタンR1、第2ラジオボタンR2、第3ラジオボタンR3、完了ボタンB3を含む。
【0058】
第1ラジオボタンR1は、第3領域73、第4領域74、第5領域75の各領域のサイズを基準比率に基づき設定するためのボタンである。基準比率は、予め定められる。基準比率は、ROM21又はストレージ22に不揮発的に記憶される。基準比率は、第2領域72のサイズに対する第3領域73と第4領域74及び第5領域75の各領域のサイズの比率を定めたものである。例えば、第2領域72のサイズを1とすると、第3領域73:第4領域74:第5領域75=X:Y:Z(X+Y+Z=1)と定義される。
【0059】
第2ラジオボタンR2は、複数部ジョブを優先するとき操作される。複数部を印刷する頻度が高いとき、第2ラジオボタンR2を操作すればよい。第3ラジオボタンR3は、プリントジョブ(プリンターとしてのジョブ)を優先するとき操作される。主に複合機100をプリンターとして用いるとき、第3ラジオボタンR3を操作すればよい。
【0060】
このように、操作パネル4は、各ラジオボタンのうち一つを選択する設定入力を受け付ける(ステップ♯6)。ラジオボタンの選択後、使用者は、完了ボタンB3を操作する。完了ボタンB3の操作により、使用者による設定操作が完了する。続いて、制御部1は、1つの設定用数値につき、1つの算出値を求める(ステップ♯7)。そして、制御部1は、それぞれの算出値を合計した合計値を求める(ステップ♯8)。制御部1は、合計値に基づき、第1領域71のサイズを設定する(ステップ♯9)。合計値が大きいほど、制御部1は、第1領域71を大きいサイズに設定する。合計値が小さいほど、制御部1は、第1領域71のサイズを小さいサイズに設定する。
【0061】
ここで、設定用数値は、拡張ソフトウェア数、管理可能ジョブ数、管理可能ページ数、ブラウザワークメモリーサイズである。設定用数値は複数である。制御部1は、設定入力された設定用数値が大きいほど、対応する算出値を大きくする。設定入力された設定用数値が小さいほど、制御部1は、対応する算出値を小さくする。
【0062】
設定された拡張ソフトウェア数に対応する算出値(第1算出値)の求め方について説明する。拡張ソフトウェア数が多いほど、第1領域71のサイズを大きくすることが好ましい。そこで、拡張ソフトウェア84の個数が大きいほど、制御部1は、第1算出値を大きくする。具体的に、以下の(式1)に基づき、制御部1は、第1算出値を求める。
(式1) 第1算出値=拡張ソフトウェア数×平均サイズ
例えば、拡張ソフトウェア数が15個、平均サイズが5Mバイトのとき、第1算出値は、75Mバイトとなる。また、拡張ソフトウェア数が3個、平均サイズが5Mバイトのとき、第1算出値は、15Mバイトとなる。
【0063】
次に、管理可能ジョブ数に対応する算出値(第2算出値)の求め方について説明する。管理するジョブ数が多いほど、第1管理情報91の合計サイズは大きくなる。そのため、管理可能ジョブ数が大きいほど、第1領域71のサイズを大きくすることが好ましい。そこで、設定された管理可能ジョブ数が大きいほど、制御部1は、第2算出値を大きくする。具体的に、以下の(式2)に基づき、制御部1は、第2算出値を求める。
(式2) 第2算出値=管理可能ジョブ数×第1管理情報91の基準サイズ
第1管理情報91の基準サイズは予め定められる。第1管理情報91の基準サイズは、記憶部2に不揮発的に記憶される。例えば、管理可能ジョブ数が1000個、第1管理情報91の基準サイズが50Kバイトのとき、第2算出値は、50Mバイトとなる。また、管理可能ジョブ数が200個、第1管理情報91の基準サイズが50Kバイトのとき、第2算出値は、10Mバイトとなる。
【0064】
次に、管理可能ページ数に対応する算出値(第3算出値)の求め方について説明する。管理可能ページ数が多いほど、第2管理情報92の合計サイズは大きくなる。そのため、管理可能ページ数が大きいほど、第1領域71のサイズを大きくすることが好ましい。そこで、設定された管理可能ページ数が大きいほど、制御部1は、第3算出値を大きくする。具体的に、以下の(式3)に基づき、制御部1は、第3算出値を求める。
(式3) 第3算出値=管理可能ページ数×第2管理情報92の基準サイズ
第2管理情報92の基準サイズは予め定められる。第2管理情報92の基準サイズは、記憶部2に不揮発的に記憶される。例えば、管理可能ページ数が20000枚、第2管理情報92の基準サイズが2Kバイトのとき、第3算出値は、40Mバイトとなる。また、管理可能ページ数が5000枚、第2管理情報92の基準サイズが2Kバイトのとき、第3算出値は、10Mバイトとなる。
【0065】
次に、ブラウザワークメモリーサイズに対応する算出値(第4算出値)の求め方について説明する。ブラウザワークメモリーサイズが大きいほど、第1領域71のサイズを大きくすることが好ましい。そこで、設定されたブラウザワークメモリーサイズが大きいほど、制御部1は、第4算出値を大きくする。具体的に、以下の(式4)に基づき、制御部1は、第4算出値を求める。
(式4) 第4算出値=ブラウザワークメモリーサイズ
例えば、ブラウザワークメモリーサイズが50Mバイトのとき、第4算出値は、50Mバイトとなる。また、ブラウザワークメモリーサイズが10Mバイトのとき、第4算出値は、10Mバイトとなる。
【0066】
そして、制御部1は、合計値に基づき、第1領域71のサイズを設定する。具体的に、制御部1は、予め定められた最低確保量に、合計値を加算した値を第1領域71のサイズに設定する。最低確保量は、カーネル81(OS)のサイズ、標準ソフトウェア82のサイズ、複数の標準ソフトウェア82を並行動作させたときに必要なヒープメモリー85、スタックメモリー86、プログラムキャッシュメモリー83、共有メモリー87の各サイズの合計量を基準に定められる。例えば、最低確保量は、合計量に所定のマージンを加えた量とできる。最低確保量は、合計量よりも多い量とできる。
【0067】
例えば、拡張ソフトウェア数が15個、平均サイズが5Mバイト、管理可能ジョブ数が200個、管理可能ページ数が20000枚、ブラウザワークメモリーサイズが50Mバイトのとき、合計値は、75Mバイト+50Mバイト+40Mバイト+50Mバイト=215Mバイトとなる。最低確保量が400Mバイトのとき、制御部1は、第1領域71を615Mバイトに設定する。
【0068】
例えば、拡張ソフトウェア数が3個、平均サイズが5Mバイト、管理可能ジョブ数が1000個、管理可能ページ数が5000枚、ブラウザワークメモリーサイズが10Mバイトのとき、合計値は、15Mバイト+10Mバイト+10Mバイト+10Mバイト=45Mバイトとなる。最低確保量が400Mバイトのとき、制御部1は、第1領域71を445Mバイトに設定する。
【0069】
更に、制御部1は、RAM23の記憶領域のサイズから第1領域71のサイズを減じたサイズを第2領域72のサイズに設定する(ステップ♯10)。上記の例では、ある場合には、第1領域71は、615Mバイトと設定される。設定用数値の値によっては、第1領域71は、445Mバイトと設定される場合もある。この場合、615−445=170Mバイトだけ、RAM23の記憶領域は、第2領域72に多く割り当てられる。RAM23のサイズが2Gの場合、RAM23の総容量の10%〜20%程度、第2領域72のサイズがデフォルトよりも大きくなる。
【0070】
次に、制御部1は、操作されたラジオボタンに応じて、第2領域72の割り当てを設定する(ステップ♯11)。具体的に、操作パネル4が第1ラジオボタンR1の操作を受け付けたとき、制御部1は、基準比率に基づき、第3領域73、第4領域74、第5領域75のサイズを設定する。制御部1は、第3領域73、第4領域74、第5領域75のサイズの比率を基準比率と一致させる。
【0071】
操作パネル4が第2ラジオボタンR2の操作を受け付けたとき、制御部1は、基準比率よりも、第3領域73の比率を大きくする。言い換えると、複数部のジョブの優先を指示する複数部優先操作を受け付けたとき、制御部1は、基準比率を適用したときよりも大きくなるように、第3領域73のサイズを設定する。例えば、制御部1は、基準比率を適用して求めた第3領域73のサイズを所定値だけ増やしたサイズを第3領域73のサイズとする。制御部1は、基準比率を適用して求めた第4領域74のサイズから所定値の1/2だけ減らしたサイズを第4領域74のサイズとする。また、制御部1は、基準比率を適用して求めた第5領域75のサイズから所定値の1/2だけ減らしたサイズを第5領域75のサイズとする。
【0072】
操作パネル4が第3ラジオボタンR3の操作を受け付けたとき、制御部1は、基準比率よりも、第5領域75の比率を大きくする。言い換えると、操作パネル4がプリンターの優先を指示するプリンター優先操作を受け付けたとき、制御部1は、基準比率を適用したときよりも大きくなるように、第5領域75のサイズを設定する。例えば、制御部1は、基準比率を適用して求めた第5領域75のサイズを所定値だけ増やしたサイズを第5領域75のサイズとする。制御部1は、基準比率を適用して求めた第3領域73のサイズから所定値の1/2だけ減らしたサイズを第3領域73のサイズとする。また、制御部1は、基準比率を適用して求めた第4領域74のサイズから所定値の1/2だけ減らしたサイズを第3領域73のサイズとする。
【0073】
そして、制御部1は、新たに設定した各領域(第1領域71、第2領域72、第3領域73、第4領域74、第5領域75)のサイズを示す領域サイズ設定用データを記憶部2(ストレージ22)に不揮発的に記憶させる(ステップ♯12)。領域サイズ設定用データには、設定された拡張ソフトウェア数、管理可能ジョブ数、管理可能ページ数、ブラウザワークメモリーサイズを示す値が含まれる。そして、本フローは終了する(エンド)。
【0074】
(各領域のサイズ設定後の動作)
次に、
図7に基づき、実施形態に係る複合機100の起動時及び起動後の動作の流れの一例を説明する。
図7は、実施形態に係る複合機100の起動時及び起動後の動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【0075】
図7のスタートは、制御部1がRAM23の起動処理を開始するときである。複合機100の主電源が投入されたとき、制御部1はRAM23の起動処理を行う。また、RAM23への電力供給が一部又は全て停止する省電力モードが解除されたとき、制御部1はRAM23の起動処理を行う。
【0076】
RAM23の起動処理のとき、制御部1は、領域サイズデータを確認する(ステップ♯21)。そして、領域サイズデータに基づき、制御部1は、RAM23のパーティションを確定する(ステップ♯22)。制御部1は、各領域のサイズを領域サイズデータに定義されたサイズとする。
【0077】
そして、制御部1は、起動処理を続行する。制御部1は、起動処理のときに読み出すと定められたソフトウェア、プログラム、データを第1領域71に読み出す。例えば、制御部1は、標準ソフトウェア82、拡張ソフトウェア84を第1領域71に読み出す。そして、制御部1は、起動処理を完了させる(ステップ♯23)。
【0078】
そして、制御部1は、設定された拡張ソフトウェア数、管理可能ジョブ数、管理可能ページ数、ブラウザワークメモリーサイズを参照し、管理を行う(ステップ♯24)。例えば、制御部1は、設定された拡張ソフトウェア数を超えて、拡張ソフトウェア84を動作させない。また、制御部1は、設定された管理可能ジョブ数を超える第1管理情報91をRAM23に記憶させない。また、制御部1は設定された管理可能ページ数を超える第1管理情報91をRAM23に記憶させない。また、制御部1は、ブラウザソフトウェア82bのワークメモリーサイズを設定されたブラウザワークメモリーサイズとする。
【0079】
このようにして、実施形態に係る画像処理装置(複合機100)は、メモリー(RAM23)、制御部1、操作部(操作パネル4)を含む。メモリーは、ジョブに使用する画像データ及びジョブの実行に必要なソフトウェアを記憶する。制御部1は、メモリーの記憶領域内に第1領域71と第2領域72を設定する。操作部は、使用状況に関する複数の設定用数値の設定入力を受け付ける。第1領域71は、ソフトウェアを記憶させ、ソフトウェアが実行される領域である。第2領域72は、画像データが記憶される領域である。設定用数値の入力があったとき、制御部1は、設定入力された設定用数値に基づき第1領域71のサイズを設定する。制御部1は、記憶領域のサイズから第1領域71のサイズを減じたサイズを第2領域72のサイズに設定する。
【0080】
これにより、ソフトウェアを記憶させる領域(第1領域71)と画像データを記憶させる領域(第2領域72)のサイズを変更することができる。使用者の入力数値に基づき、第1領域71に必要なサイズを定めることができる。例えば、第1領域71に大きなサイズが必要の無い使用者の場合、第2領域72のサイズを増やすことができる。また、第1領域71のサイズが大きくすることが好ましい使用者の場合、第2領域72を減らし、第1領域71のサイズを増やすことができる。画像処理装置の使用状況にあわせ、画像データ用の領域とソフトウェア用の領域の各サイズを適切なサイズに調整することができる。
【0081】
また、制御部1は、1つの設定用数値につき、1つの算出値を求める。制御部1は設定入力された設定用数値が大きいほど、対応する算出値を大きくする。制御部1は設定入力された設定用数値が小さいほど、対応する算出値を小さくする。制御部1はそれぞれの算出値を合計した合計値を求める。制御部1は合計値が大きいほど、第1領域71のサイズを大きいサイズに設定する。制御部1は合計値が小さいほど、第1領域71のサイズを小さいサイズに設定する。これにより、正確に第1領域71に必要なサイズを推測することができる。画像処理装置の使用状況にあわせ、各領域のサイズを適切なサイズに設定することができる。
【0082】
拡張ソフトウェア84が起動、実行されているとき、第1領域71の一部は拡張ソフトウェア84に占有される。第1領域71の容量不足しないように、実行する拡張ソフトウェア84が多いほど、第1領域71は大きくすべきである。そこで、設定用数値のうち、1つは、拡張ソフトウェア84の個数である拡張ソフトウェア数とする。制御部1は、拡張ソフトウェア数が大きいほど、拡張ソフトウェア数に対応する算出値を大きくする。制御部1は、拡張ソフトウェア数が小さいほど、拡張ソフトウェア数に対応する算出値を小さくする。拡張ソフトウェア84は、標準搭載されず、追加されるソフトウェアである。これにより、同時に起動、実行される拡張ソフトウェア84の個数に応じて、各領域のサイズを設定することができる。拡張ソフトウェア84の実行数によらず、容量不足が生じないように、第1領域71のサイズを設定することができる。
【0083】
ジョブごとに、ジョブを管理するための情報(第1管理情報91)を第1領域71に用意する必要がある。次々にジョブを画像処理装置に入力するヘビーユーザーがいる。この場合、処理待ちのジョブ数が多数に及ぶ。ジョブの管理数は多くなる。管理すべきジョブの数が多い画像処理装置では、第1領域71の容量不足しないように、第1領域71は大きくすべきである。そこで、設定用数値のうち、1つは、画像処理装置で同時に管理可能なジョブの個数である管理可能ジョブ数とする。制御部1は、実行しようとするジョブごとに、ジョブを管理するための第1管理情報91を第1領域71に記憶させる。管理可能ジョブ数が大きいほど、制御部1は管理可能ジョブ数に対応する算出値を大きくする。設定管理可能ジョブ数が小さいほど、制御部1は管理可能ジョブ数に対応する算出値を小さくする。これにより、ヘビーユーザーが使用する画像処理装置では、第1領域71のサイズを大きくすることができる。ライトユーザーが使用する画像処理装置では、第2領域72に多くの容量を割り当てることができる。実際の使用状況に応じて、各領域のサイズを適切なサイズに設定することができる。
【0084】
ジョブを実行するとき、画像データのページごとに、ページを管理するための情報(第2管理情報92)を第1領域71に用意する必要がある。大量のページを含むジョブを次々に画像処理装置に入力するヘビーユーザーがいる。この場合、この処理待ちのページ数が多数に及ぶ。管理するページ数が多い画像処理装置では、第1領域71の容量不足しないように、第1領域71は大きくすべきである。そこで、設定用数値のうち、1つは、画像処理装置で同時に管理可能なページ数である管理可能ページ数とする。制御部1は、ジョブ実行のために処理が必要な画像データのページごとに、ページを管理するための第2管理情報92を第1領域71に記憶させる。制御部1は、管理可能ページ数が大きいほど、管理可能ページ数に対応する算出値を大きくする。制御部1は、管理可能ページ数が小さいほど、管理可能ページ数に対応する算出値を小さくする。ヘビーユーザーが使用する画像処理装置では、第1領域71のサイズを大きくすることができる。ライトユーザーが使用する画像処理装置では、第2領域72に多くの容量を割り当てることができる。実際の使用状況に応じて、各領域のサイズを適切なサイズに設定することができる。
【0085】
情報を閲覧するためのブラウザでは、閲覧内容(表示内容)に応じて、ワークメモリーサイズが異なる。画像や動画を表示する場合、ワークメモリーサイズが大きくなる。そして、画像処理装置は画面を表示する表示パネル41を含む。制御部1は第1領域71に閲覧用のブラウザソフトウェア82bを記憶させる。ブラウザソフトウェア82bに基づき、制御部1は表示パネル41に画面を表示させる。設定用数値のうち、1つは、ブラウザソフトウェア82bのワークメモリーサイズである。制御部1は、ワークメモリーサイズが大きいほど、ワークメモリーサイズに対応する算出値を大きくする。制御部1は、ワークメモリーサイズが小さいほど、ワークメモリーサイズに対応する算出値を小さくする。これにより、ブラウザの使用状況(ブラウザでの閲覧内容)に応じて、各領域のサイズを適切なサイズに設定することができる。
【0086】
制御部1は、第3領域73、第4領域74、及び、第5領域75を第2領域72内に設定する。操作部は、第3領域73、第4領域74、及び、第5領域75のサイズを設定するための操作を受け付ける。操作部が受け付けた操作に応じ、制御部1は、第3領域73、第4領域74、及び、第5領域75のサイズを設定する。これにより、第2領域72に含まれる各領域についても、適切なサイズに設定することができる。
【0087】
また、第3領域73は、複数部のジョブを実行するとき、ジョブの間、1部に含まれる各ページの画像データを保持する複数部ジョブ用領域である。第4領域74は、画像処理がなされた画像データを記憶する領域である。第5領域75は、ページ記述言語で記述されたページを画像データに変換するために使用される領域である。第2領域72のサイズに対する第3領域73と第4領域74及び第5領域75の各領域のサイズの比率を定めた基準比率が予め定められる。操作部が複数部のジョブの優先を指示する複数部優先操作(第2ラジオボタンR2の操作)を受け付けたとき、制御部1は、基準比率よりも、第3領域73の比率を大きくする。操作部がプリンターの優先を指示するプリンター優先操作(第3ラジオボタンR3の操作)を受け付けたとき、制御部1は、基準比率よりも、第5領域75の比率を大きくする。これにより、複数部のジョブを行う機会が多い場合、第3領域73のサイズを大きくすることができる。また、ページ記述言語で記述されたページを処理する機会が多い場合、第5領域75のサイズを大きくすることができる。
【0088】
また、メモリーは、RAM23である。これにより、RAM23の記憶領域内に設けられる各領域のサイズを適切なサイズに設定することができる。
【0089】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。