特許第6760744号(P6760744)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6760744
(24)【登録日】2020年9月7日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】レーザ加工方法及びレーザ加工装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/08 20140101AFI20200910BHJP
   B23K 26/382 20140101ALI20200910BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20200910BHJP
【FI】
   B23K26/08 F
   B23K26/382
   H05K3/00 N
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-59667(P2016-59667)
(22)【出願日】2016年3月24日
(65)【公開番号】特開2017-124439(P2017-124439A)
(43)【公開日】2017年7月20日
【審査請求日】2018年8月22日
(31)【優先権主張番号】特願2016-2806(P2016-2806)
(32)【優先日】2016年1月8日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000233332
【氏名又は名称】ビアメカニクス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】新井 利博
(72)【発明者】
【氏名】西村 利弥
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 一雄
【審査官】 奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−049398(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/108991(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00−26/70
H05K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物における必ずしも規則正しく配置されていない複数の加工位置の各々に対しレーザ照射を行う経路を加工前に決定するようにしたレーザ加工方法において、
レーザ照射の範囲となるスキャンエリアの中で、一つの加工位置を起点として第一の方向で距離が所定長以上離れた加工位置のうちの最も近い単一の加工位置から順次加工位置を探索する第一の行程と、
前記第一の行程において見つからなくなったら前記第一の方向とは直角に近い角度の第二の方向で距離が前記所定長以上離れた加工位置のうちの最も近い単一の加工位置から加工位置を探索する第二の行程と、
前記第二の行程において見つかった後に前記第一の方向とは反対の方向で距離が前記所定長以上離れた加工位置のうちの最も近い単一の加工位置から順次加工位置を探索する第三の行程と、
前記第三の行程において見つからなくなったら前記第二の方向で距離が前記所定長以上離れた加工位置のうちの最も近い単一の加工位置から加工位置を探索する第四の行程と、
前記第四の行程で見つかった後に前記第一の行程に戻り、前記第二の工程及び前記四の行程において見つからなかったら前記起点に近い単一の加工位置を新たな起点にして前記第の一行程に戻る第五の行程と、
を備えることを特徴とするレーザ加工方法。
【請求項2】
請求項1に記載のレーザ加工方法において、
前記第二の方向は前記第一の方向と直角であることを特徴とするレーザ加工方法。。
【請求項3】
請求項1に記載のレーザ加工方法において、
前記第二の行程と前記第四の行程では、前記第二の方向での向きを互いに反対にして加工位置を探索することを特徴とするレーザ加工方法。
【請求項4】
請求項1に記載のレーザ加工方法において、
前記第五の行程では、前記起点に近い加工位置が見つからない場合は、方向の条件を外して探索することを特徴とするレーザ加工方法。
【請求項5】
被加工物における必ずしも規則正しく配置されていない複数の加工位置の各々に対しレーザ照射を行う経路を加工前に決定する加工計画部を備えるレーザ加工装置において、前記加工計画部は、
レーザ照射の範囲となるスキャンエリアの中で、一つの加工位置を起点として第一の方向で距離が所定長以上離れた加工位置のうちの最も近い単一の加工位置から順次加工位置を探索する第一の行程と、
前記第一の行程において見つからなくなったら前記第一の方向とは直角に近い角度の第二の方向で距離が前記所定長以上離れた加工位置のうちの最も近い単一の加工位置から加工位置を探索する第二の行程と、
前記第二の行程において見つかった後に前記第一の方向とは反対の方向で距離が前記所定長以上離れた加工位置のうちの最も近い単一の加工位置から順次加工位置を探索する第三の行程と、
前記第三の行程において見つからなくなったら前記第二の方向で距離が前記所定長以上離れた加工位置のうちの最も近い単一の加工位置から加工位置を探索する第四の行程と、
前記第四の行程で見つかった後に前記第一の行程に戻り、前記第二の工程及び前記四の行程において見つからなかったら前記起点に近い単一の加工位置を新たな起点にして前記第一の行程に戻る第五の行程とを行うことを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項6】
請求項5に記載のレーザ加工装置において、
前記第二の方向は前記第一の方向と直角であることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項7】
請求項5に記載のレーザ加工装置において、
前記第二の行程と前記第四の行程では、前記第二の方向での向きを互いに反対にして加工位置を探索することを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項8】
請求項5に記載のレーザ加工装置において、
前記第五の行程では、前記起点に近い加工位置が見つからない場合は、方向の条件を外して探索することを特徴とするレーザ加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプリント基板にレーザを使用して穴あけを行うためのレーザ加工において、複数の穴あけを順次行う場合の加工経路の決定方法を改善したレーザ加工方法及びレーザ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の加工経路の決定にあたっては、通常、全体の加工時間を短縮するために最適化する方法がとられるが、実際は最短経路で加工することを重視している。このため、連続する穴あけ位置が互いに近くなって次の加工位置の熱が前の加工位置に影響し、加工品質を低下させる問題がある。
例えば特許文献1の図2図4に開示されるように、隣り合う穴あけ位置が適度に離れていてかつ規則正しく配置されている場合は、その配列に沿って所定のアルゴリズムで経路を作成すれば、上記問題は発生しない。しかしながら、穴あけ位置がランダムに配置されていて上記の如き保証がない各種のプリント基板を扱う場合は、連続する穴あけ位置が互いに近くなって加工品質を低下させる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-35977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明は、穴あけ位置がランダムに配置されていても、できるだけ熱影響を抑えた加工経路にすることにより加工品質の低下を防ぐことを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願において開示される発明のうち、代表的なレーザ加工方法は以下の通りである。
すなわち、被加工物における必ずしも規則正しく配置されていない複数の加工位置の各々に対しレーザ照射を行う経路を加工前に決定するようにしたレーザ加工方法において、レーザ照射の範囲となるスキャンエリアの中で、一つの加工位置を起点として第一の方向で距離が所定長以上離れた加工位置のうちの最も近い単一の加工位置から順次加工位置を探索する第一の行程と、前記第一の行程において見つからなくなったら前記第一の方向とは直角に近い角度の第二の方向で距離が前記所定長以上離れた加工位置のうちの最も近い単一の加工位置から加工位置を探索する第二の行程と、前記第二の行程において見つかった後に前記第一の方向とは反対の方向で距離が前記所定長以上離れた加工位置のうちの最も近い単一の加工位置から順次加工位置を探索する第三の行程と、前記第三の行程において見つからなくなったら前記第二の方向で距離が前記所定長以上離れた加工位置のうちの最も近い単一の加工位置から加工位置を探索する第四の行程と、前記第四の行程で見つかった後に前記第一の行程に戻り、前記第二の工程及び前記四の行程において見つからなかったら前記起点に近い単一の加工位置を新たな起点にして前記第の一行程に戻る第五の行程とを備えることを特徴とするレーザ加工方法。
【0006】
また、本願において開示される発明のうち、代表的なレーザ加工装置は以下の通りである。
すなわち、被加工物における必ずしも規則正しく配置されていない複数の加工位置の各々に対しレーザ照射を行う経路を加工前に決定する加工計画部を備えるレーザ加工装置において、前記加工計画部は、レーザ照射の範囲となるスキャンエリアの中で、一つの加工位置を起点として第一の方向で距離が所定長以上離れた加工位置のうちの最も近い単一の加工位置から順次加工位置を探索する第一の行程と、前記第一の行程において見つからなくなったら前記第一の方向とは直角に近い角度の第二の方向で距離が前記所定長以上離れた加工位置のうちの最も近い単一の加工位置から加工位置を探索する第二の行程と、前記第二の行程において見つかった後に前記第一の方向とは反対の方向で距離が前記所定長以上離れた加工位置のうちの最も近い単一の加工位置から順次加工位置を探索する第三の行程と、前記第三の行程において見つからなくなったら前記第二の方向で距離が前記所定長以上離れた加工位置のうちの最も近い単一の加工位置から加工位置を探索する第四の行程と、前記第四の行程で見つかった後に前記第一の行程に戻り、前記第二の工程及び前記四の行程において見つからなかったら前記起点に近い単一の加工位置を新たな起点にして前記第一の行程に戻る第五の行程とを行うことを特徴とするレーザ加工装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、穴あけ位置がランダムに配置されていても、できるだけ隣合う加工位置どうしの間隔を確保するとともに加工済の加工位置付近にすぐに戻らないような加工経路にすることにより、熱影響による加工品質の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施例における加工経路を説明するための図である。
図2】本発明の第1の実施例における加工経路の決定方法を説明するための図である。
図3】本発明の第1の実施例となるレーザ穴あけ装置のブロック図である。
図4図3における加工計画部が図1の加工経路を作成する場合のフローチャートの一例の全体を2分割したものの一方を示す図である。
図5図3における加工計画部が図1の加工経路を作成する場合のフローチャートの一例の全体を2分割したものの他方を示す図である。
図6】本発明の第2の実施例における加工経路を説明するための図である。
図7】加工経路の決定方法の他の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0009】
本発明の第1の実施例について説明する。
図3は本発明の第1の実施例となるレーザ穴あけ装置のブロック図である。図3において、1は穴あけ加工を行うプリント基板、2はプリント基板1が載置されるテーブル、3はレーザパルスの照射位置を移動させるためのレーザ走査系で、ここには、X軸系とY軸系のための一対のガルバノスキャナ4や集光(fθ)レンズ5等が設けられる。6はレーザパルスをレーザ走査系3に供給するレーザパルス供給系で、ここにはレーザパルスを発振させるレーザ発振器7や分岐制御によってレーザ走査系3へのレーザパルスの出力制御を行う音響光学変調器(AOM)8等が含まれる。
【0010】
9はテーブル2のX軸方向とY軸方向の位置制御を行うテーブル制御部で、固定位置のレーザ走査系3に対しテーブル2を相対移動させることによりレーザ走査系3によるスキャンエリアの位置を変化させるためのものである。10はレーザ走査系3内のガルバノスキャナ4の動作を制御するガルバノ制御部、11はレーザパルス供給系4でのレーザ走査系3へのレーザパルスの出力を制御するレーザ制御部である。テーブル制御部9とガルバノ制御部10には、それぞれX軸系のものとY軸系のものの一対が備えられているが、図3では省略して示してある。
ガルバノスキャナ4によるレーザ照射の範囲となるスキャンエリアはX軸方向とY軸方向に特定の長さを持つ矩形をしており、固定位置のレーザ走査系3に対しテーブル2を相対移動させることによりスキャンエリアを移動させ、プリント基板1の加工領域全体を加工するようになっている。
【0011】
図3において、20は装置全体の動作を制御する全体制御部で、例えばプログラム制御の処理装置によって実現され、いくつかの要素が含まれる。そのうちの一つである加工計画部21は、加工動作を始める前に、加工データファイル22に格納されたプリント基板1の加工データに基づき、以下で説明するような加工経路の決定も含んだ加工動作を制御するための加工プログラムを作成し、それを加工プログラムファイル23に格納する。加工制御部24は加工を行う段階で加工プログラムファイル23に格納された加工プログラムを読出し、それに基づいてテーブル制御部9、ガルバノ制御部10及びレーザ制御部11を制御し、加工動作を実行する。
なお、図3において、テーブル制御部9、ガルバノ制御部10及びレーザ制御部11は、全体制御部20とは別個に構築してあるが、これらの全部あるいは一部は、全体制御部20の中の要素として構築されていてもよい。
【0012】
図2は本発明の一実施例における加工経路の決定方法を説明するための図、図5図6図3における加工計画部のフローチャートの一例で、それぞれフローチャートを2分割したものの一方と他方を示すものである。それぞれにおいて記号A〜Dが記入してあり、互いの連結部分を示している。
図2(a)において、P1はスキャンエリアの中で最初に穴あけを行う起点となる位置であり、この位置P1はすでに他の方法により決められているものとする。P2〜P6は位置P1の周辺にある他に穴のあけるべき位置である。位置P1を最初の始点として次の穴あけの位置を決める場合、位置P1からX軸方向の右向きで距離がL以上離れたもののうちの最も近いものから探す(図4のフローチャートのステップ101、以下ステップ番号・・・とだけ記載する)。Lは次の加工位置の熱が前の加工位置に影響しないで加工ができるだけの距離である。図2(a)の場合、位置P3〜P6は前記条件で外れてしまうので、位置P2が次の穴あけの位置となる。
【0013】
位置P2の次の穴あけの位置を決める場合も同様にしてX軸方向の右向きで探すことを継続する(ステップ102)が、もはやX軸方向の右向きで距離がL以上離れたもののうちの最も近いものがなくなった場合、次は図2(b)に示すように、それまでの最後の位置R1からY軸方向の下向きで距離L以上離れたもののうちの最も近いものから探す(ステップ103)。図2(b)の場合、位置R3〜R6は前記条件で外れてしまうので、位置R2が次の穴あけの位置となる。
位置R2の次の穴あけの位置を決める場合は、Y軸方向の下向きで探し続けることはせず、前記図2(a)の方法と類似するが、X軸方向の左向きで探すことを継続する(ステップ104)。そしてもはやX軸方向の左向きで距離がL以上離れたもののうちの最も近いものがなくなった場合、次は再びY軸方向の下向きで探す(図5のフローチャートのステップ105、以下ステップ番号・・・とだけ記載する)。
【0014】
以上の動作を繰り返すなかで、X軸方向とY軸方向のいずれでも次の穴あけ位置が探せなくなり、加工経路に選ばれなかったものが残っている場合、起点となる位置P1に近いものから探し(ステップ106)、その位置を新たな起点として再び上記と同じ方法で経路の決定を行い、この動作を何度か繰り返して全ての穴あけ位置を結んだ加工経路を完成する。
なお、上記において、X軸方向とY軸方向のいずれでも次の穴あけ位置が探せなくなり、起点となる位置P1に近いものから探しても、見つからない場合は、方向の条件は無視して距離がL以上離れたもののうちの最も近いものから探す(ステップ107)。それでも見つからない場合は、距離の条件も無視して次の穴あけ位置とする(ステップ108)。
【0015】
図1図4図5のフローチャートに従って作成した加工経路を説明するための図である。図1において、Sはガルバノスキャナによるスキャンエリア、○は穴あけを行うべき穴あけ位置、○の中の数字は小さいものが先に加工される順位を示す。ここでは、起点となる順位1から、順位2、3、4・・・M1の順に進み、順位M1においてX軸方向とY軸方向のいずれでも次の穴あけ位置が探せなくなって起点となる順位1に近い順位11に飛び、そこから順位12、13、14・・・M2の順に進み、再び順位M2においてX軸方向とY軸方向のいずれでも次の穴あけ位置が探せなくなって起点となる順位1に近い順位21に飛び、そこから新たな探索を始める例を示す。
【実施例2】
【0016】
本発明の第2の実施例について説明する。図6は本発明の第2の実施例における加工経路を説明するための図である。図1と同様の表示形式であり、起点となる穴あけ位置から内向きの渦巻状に加工経路を作成するものである。
図6の加工経路は、図4図5のフローチャートにおいて、ステップ103と105はY軸方向にはともに下向きに一つしか進まないものであったが、一方のステップ105でのY軸方向を上向きとすることでステップ103と105とで探索方向を互いに反対にし、かつ穴あけ位置を探し続けるように変更すれば作成できる。
ここでは、起点となる順位1から、順位2、3、4・・・N1の順に進み、順位N1においてX軸方向とY軸方向のいずれでも次の穴あけ位置が探せなくなって起点となる順位1の周辺の順位11に飛び、そこから順位12、13、14・・・N2の順に進み、再び順位N2においてX軸方向とY軸方向のいずれでも次の穴あけ位置が探せなくなって起点となる順位1の周辺の順位21に飛ぶ例を示す。
なお、上記において、X軸方向とY軸方向のいずれでも次の穴あけ位置が探せなくなり、起点となる位置P1に近いものから探そうとしても、見つからない場合は、実施例1の場合と同様にして、方向の条件は無視して距離がL以上離れたもののうちの最も近いものから探す。それでも見つからない場合は、距離の条件も無視して次の穴あけ位置とする。
【0017】
以上の実施例1、2によれば、次の加工位置の熱が前の加工位置に影響しないだけの距離を確保し、かつ探索方向も、前の加工位置から離れる方向に進み、その後、前の方向とは直角方向に方向転回し、その後、再び前の方向とは直角方向に方向転回するように経路を規定している。従って、穴あけ位置がランダムに配置されていても、連続する穴あけ位置が互いに近くなったり、加工済の加工位置付近にすぐ戻ってしまって過去の加工位置の熱が新たな加工位置に影響するのをできるだけ抑えることができ、加工品質が低下するのを防止できる。
【0018】
以上、本発明を実施例を主体に説明したが、実施例は本発明を理解しやすくするための例であり、実施例における構成要素を種々置換したり、別の要素や機能を付加することにより、各種の変形が可能である。従って、本発明は実施例に限定されるものではない。
例えば、以上の実施例においては、X軸方向あるいはY軸方向のみを見て経路決定を行う例を説明したが、必ずしもそのようにする必要はなく、X軸方向やY軸方向に余裕を持たせるようにしてもよい。例えば、図7に示すように、位置T1の次の穴あけの位置をX軸方向から探す場合、X軸方向を中心にして所定の角度2αを設定し、この範囲内から探す方法にすれば、次の位置を探しやすくなる。Y軸方向についても同様であるが、X軸方向とは別な角度でもよいし、いずれか一方の軸方向だけに設定してもよい。このようにすると、探索方向を方向転回する場合、完全な直角方向に転回するとは限らず、直角方向にある程度の幅を持たせた直角に近い方向に転回することになる。
【0019】
また、以上の実施例においては、プリント基板に穴あけを行う場合の実施例を説明したが、これに限らず、被加工物の複数個所に順次加工を施すレーザ加工に提供できる。
【符号の説明】
【0020】
1:プリント基板、2:テーブル、3:レーザ走査系、4:ガルバノスキャナ、
5:集光(fθ)レンズ、6:レーザパルス供給系、7:レーザ発振器、
8:音響光学変調器(AOM)、9:テーブル制御部、10:ガルバノ制御部、
11:レーザ制御部、20:全体制御部、21:加工計画部、
22:加工データファイル、23:加工プログラムファイル、24:加工制御部、
S:スキャンエリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7