特許第6760923号(P6760923)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6760923アポモルヒネおよび2価の金属カチオンを含む組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6760923
(24)【登録日】2020年9月7日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】アポモルヒネおよび2価の金属カチオンを含む組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/485 20060101AFI20200910BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20200910BHJP
【FI】
   A61K31/485
   A61P25/16
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-505521(P2017-505521)
(86)(22)【出願日】2015年7月31日
(65)【公表番号】特表2017-522358(P2017-522358A)
(43)【公表日】2017年8月10日
(86)【国際出願番号】EP2015001577
(87)【国際公開番号】WO2016015875
(87)【国際公開日】20160204
【審査請求日】2018年4月20日
(31)【優先権主張番号】14002689.9
(32)【優先日】2014年8月1日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】510259437
【氏名又は名称】ブリタニア・ファーマシューティカルズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Britannia Pharmaceuticals Limited
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リーダー,イアン フィリップ
【審査官】 藤代 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−518285(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/183055(WO,A1)
【文献】 特表2012−530066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
・IPC
A61K 31/485
A61P 25/16
・DB
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アポモルヒネと2価の金属カチオンとを含み、前記2価の金属カチオンに対する前記アポモルヒネのモル比が2以下であり、薬学的溶液または懸濁液である組成物。
【請求項2】
前記2価の金属カチオンに対する前記アポモルヒネのモル比が2〜0.2であり、好ましくは1.25〜0.5であり、より好ましくは1.25〜0.83である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アポモルヒネと前記2価の金属カチオンとを±10%の化学量論量で含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記アポモルヒネをリガンドとして、前記2価の金属カチオンを中心原子として有するキレートを含み、
前記アポモルヒネと前記2価の金属カチオンとの間に1つ以上の別個の配位結合が形成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
水が、前記アポモルヒネおよび前記2価の金属カチオンの溶媒として存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記2価の金属カチオンが、Ca2+、Mg2+およびZn2+からなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、アポモルヒネとCa2+とMg2+とを含み、その比が1.37:1〜1.72:1、好ましくは1.545:1である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
抗酸化剤が存在する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、非経口投与のための薬学的溶液である、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
0.1mg/ml〜40mg/ml、好ましくは1mg/ml〜15mg/ml、より好ましくは3mg/ml〜10mg/mlの濃度のアポモルヒネを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物の製造方法であって、
前記アポモルヒネと、前記2価の金属カチオンと、任意的な抗酸化剤および/または少なくとも1種の添加剤と、を共に混合する、製造方法。
【請求項12】
医薬品として使用する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
パーキンソン病の診断、予防、および治療に使用する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アポモルヒネ(apomorphine)および2価の金属カチオンを含む組成物、当該組成物の製造方法、当該製造方法によって得られる組成物、ならびに当該組成物の医薬品としての使用、特にパーキンソン病の診断、予防および治療のための医薬品としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アポモルヒネ(IUPAC命名:(6aR)−6−メチル−5,6,6a,7−テトラヒドロ−4H−ジベンゾ[de,g]キノリン−10,11−ジオール)は、嘔吐剤として、解毒剤として、ならびにパーキンソン病の診断および治療のために、使用される。パーキンソン病を治療する場合、アポモルヒネは、注入または皮下(s.c.)注射によって投与される。パーキンソン病の治療に使用される市販の製品APO−go(登録商標)は、pH3〜4で提供される。
【発明の概要】
【0003】
しかし、それを必要とする患者にアポモルヒネを投与すると、凝固壊死(coagulative necrosis)の副作用を引き起こす可能性がある。
【0004】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、上記の欠点、すなわち凝固壊死を回避する目的である。
【0005】
これは、アポモルヒネおよび2価の金属カチオンを2以下のモル比で含む、本発明の組成物によって達成できる。
【0006】
本発明の組成物の更なる利点は、アポモルヒネに対して比較的に高い安定性を示すことである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の一好適実施形態において、アポモルヒネと当該2価の金属カチオンとのモル比が2〜0.2であり、好ましくは1.25〜0.5であり、より好ましくは1.25〜0.83である。
【0008】
本発明の他の好適実施形態において、本発明の組成物は、アポモルヒネと当該2価の金属カチオンとを±10%の化学量論量で含む。
【0009】
用語「±10%の化学量論量で」とは、本発明の組成物において、当該2価の金属カチオン、または2以上の種類の金属カチオンが存在する場合にはその金属カチオンの合計は、アポモルヒネに対して、化学量論(等モル)の量で、または10%以下の過剰量もしくは10以下の不足量で、存在することを意味する。具体的に、当該化学量論量からの誤差は、5%以下であり、より具体的には1%以下であり、さらにより具体的には0.5%以下である。すなわち、アポモルヒネ対2価の金属カチオンのモル比は1:1であり、上述した誤差は±10%である。
【0010】
2価の金属カチオンとして、薬学的に許容されるか、または人体に何らの害を及ぼさない、2つの正電荷を有する任意の金属カチオンを使用することができる。
【0011】
好ましくは、本発明の組成物は、アポモルヒネをリガンドとして、当該2価の金属カチオンを中心原子として有するキレートを含み、前記アポモルヒネと前記2価の金属カチオンとの間には、1つ以上の、具体的には2つの、別個の配位結合が形成される。
【0012】
キレート化は、イオンおよび分子が金属イオンと結合する特定の方法を描写する。国際純正応用化学連合(IUPAC)によると、キレート化は、多座(多重結合)配位子と単一の中心原子との間の2つ以上の別個の配位結合の形成または存在を含む。通常、これらのリガンドは、有機化合物であり、キレート剤(chelants)、キレート剤(chelators)、キレート剤(chelating agents)、または金属イオン封鎖剤(sequestering agents)と呼ばれる。
【0013】
アポモルヒネ分子は、2つのヒドロキシル基を有する。上記の配位結合を形成するために、好適に、少なくとも1つの、具体的には2つのアポモルヒネのヒドロキシル基は、脱プロトン化された形態で存在する。これは、本発明の組成物のpH値を適切に調整することによって達成することができる。pH値は、アポモルヒネと当該2価の金属カチオンとを混合させる前または後に調整することができる。
【0014】
本明細書で使用される「キレート」という用語は、好ましくは、配位子と中心原子との間の配位結合の形成を含む典型的な構造を指すことに留意されたい。
【0015】
【化1】
【0016】
この構造により、本発明の好ましい実施形態による組成物は、アポモルヒネおよび2価の金属カチオンを含有するが、キレートが形成されず、アポモルヒネおよび2価の金属カチオンがそれぞれ単独で存在する溶液から区別される。
【0017】
好適に、本発明の組成物に含まれるアポモルヒネの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%が、当該2価の金属カチオンとキレートの形態で存在する。
【0018】
好適に、水は、特に前記アポモルヒネおよび前記2価の金属カチオンの溶媒として、本発明の組成物に存在する。すなわち、本発明の組成物は水溶液である。これにより、本発明の組成物は、医薬品として使用するのに適しており、例えば、注射用または輸液用に適している。かような用途に合わせて、本発明の組成物は、無菌溶液であるべきである。また、本発明の組成物は、薬学的に許容されない成分を含まないべきである。このような溶液は、注射溶液に適用させることができ、または注射のための濃縮物に適用させることができ、または注射溶液としてそれ自体で使用するように適合させることができる。または、かような溶液は、口腔内投与(buccal administration)のために投与され、前記組成物は頬側に吸収される液体である。
【0019】
好適に、当該2価の金属カチオンは、Ca2+、Mg2+およびZn2+からなる群より選択される1つ以上のカチオンであり、これらのカチオンは特に上述した凝固壊死を回避するために有用である。
【0020】
本発明の組成物において、Ca2+、Mg2+およびZn2+の全ての3つのカチオンが存在してもよく、Ca2+およびMg2+の2つのカチオンを存在してもよい。すなわち、本発明の組成物は、アポモルヒネと共にCa2+、Mg2+およびZn2+、またはCa2+およびMg2+を含みうる。
【0021】
好適に、本発明の組成物は、アポモルヒネと共にCa2+およびMg2+を含み、前記2価の金属カチオンは、1.37:1〜1.72:1、好ましくは1.545:1の比で存在する。本発明の組成物のこの好ましい実施形態により、凝固壊死の発生を非常に効率的に回避することができる。
【0022】
好適に、本発明の組成物は抗酸化剤を含む。当該抗酸化剤は、本発明の組成物に安定性を与えるために使用される。すなわち、抗酸化剤(酸化防止剤)、特に以下に詳細に記載する好ましい抗酸化剤を使用することにより、本発明による組成物は自動酸化自己保護の効果(auto−oxidation self−protecting effect)を有する。
【0023】
以下で使用される「安定性」との用語は、一般に、抗酸化剤を含有する本発明の組成物が、抗酸化剤を含有しない組成物よりも安定であることを意味する。安定性は、例えば、時間の経過とともに変色(暗色化)が不安定化の指標であることを視覚的に検査することによって判定することができる。安定性は、以下の方法によって測定することができる。例えば、組成物を、室温またはより高い温度(例えば、40℃)で、一定の時間例えば14日間を保持し、その後当該組成物の変色(暗色化)を、例えば裸眼(肉眼)によって観察して決定する。
【0024】
特に、抗酸化剤は硫黄基(sulfur group)を有する。このような抗酸化剤の例として、N−アセチル−L−システインおよびナトリウム−2−スルファニルエタンスルホネート(sodium−2−sulfanylethane sulfonate)である。分子内に硫黄基を有する抗酸化剤を用いると、本発明の組成物を特に効率的に安定化させることができる。
【0025】
抗酸化剤として、分子中に硫黄基を有する上記抗酸化剤以外の抗酸化剤、例えばアスコルビン酸およびメタ重亜硫酸ナトリウムも使用することができる。このような抗酸化剤を用いることにより、本発明の組成物を効率よく安定化させることができる。
【0026】
本発明の組成物は、共溶媒、界面活性剤、pH調整剤、等張剤(tonicifier)および不活性ガスからなる群より独立して選択される少なくとも1つの添加剤を含むことができる。
【0027】
共溶媒の例は、ポリエチレングリコール(PEG)、例えばPEG300、およびプロピレングリコールである。本発明の組成物に共溶媒を添加剤として添加することにより、透明な溶液を得ることができる。
【0028】
界面活性剤の例は、ポリソルベート、例えばポリソルベート80である。
【0029】
等張化を提供するために使用される等張剤の例は、NaClおよび/またはグルコース、マンニトールまたはグリセロールのような炭水化物である。
【0030】
本発明の組成物中の添加剤として、不活性ガスが存在することができる。不活性ガスの例は窒素である。不活性ガスは、本発明の組成物から酸素を除去するために使用することができ、抗酸化剤の量も低減することができる。
【0031】
添加剤の量は、その機能の観点から添加剤の特別な有益な効果を達成することを目的として、慣習的な実験によって当業者によって容易に決定され得る。
【0032】
上述したように、pH調整剤は添加剤として存在してもよい。pH調整剤としては、調整すべきpHに応じて本発明の組成物に添加することができる、HCl、NaOH等が挙げられる。pH範囲はpH3〜10であり、安定性の最適化を達成することができる。一般的に言えば、本発明の組成物のpHは、好ましくは、pH6.2の溶解度限界を超え、7.4の生理学的pHに近いように調整される。
【0033】
本発明の他の実施形態によれば、組成物は、薬学的溶液または懸濁液であり、好ましくは非経口投与のための薬学的溶液である。
【0034】
本発明の他の実施形態によれば、組成物中のアポモルヒネの濃度は、0.1mg/ml〜50mg/ml、好ましくは0.1mg/ml〜40mg/ml、より好ましくは0.1mg/ml〜20mg/ml、さらにより好ましくは1mg/ml〜15mg/ml、特に好ましくは3mg/ml〜10mg/mlである。
【0035】
以下の表1は、本発明による組成物の好ましい成分を例示しており、本発明の組成物において、これらの成分は以下では互いに独立して言及されていることが明確に留意されるべきであり、よって本発明の組成物において、以下の成分が互いに独立して存在し得る。
【0036】
【表1-1】
【0037】
【表1-2】
【0038】
本発明の好ましい組成物は、以下の表2に示される。
【0039】
【表2】
【0040】
本発明の特に好ましい組成物は、以下の含有量で以下の成分を含むことができる。
【0041】
1)5.00mg/ml APO HCl(16.46mmol/lのAPOに相当する)
1.32mg/ml MgCl(6.50 mmol/lに相当する;六水和物として;Ph.Eur.)
1.47mg/ml CaCl(10.0mmol/lに相当する;二水和物として、Ph.Eur.)
2)10.0mg/ml APO HCl(32.92mmol/l(APO)に相当する)
2.64mg/ml MgCl(13.0mmol/lに相当する;六水和物として;Ph.Eur.)
2.94mg/ml CaCl(20.0mmol/lに相当する;二水和物として、Ph.Eur.)
これまで知られているアポモルヒネ製剤とは対照的に、本発明の組成物をそれを必要とする患者に投与しても、凝固壊死は生じない。換言すると、例えばパーキンソン病などの疾患の診断、予防および治療において、本発明の組成物を用いることによって、凝固壊死の重大な欠点を回避することができる。本発明の組成物は、一般的に良好な組織保護効果を有する。また、本発明の組成物は、非常に良好なバイオアベイラビリティを有する。また、特にパーキンソン病の治療のための注射/連続注射用の濃縮物のための、非常に良好な耐容性のあるアポモルヒネ溶液が提供される。さらに、貯蔵安定性が向上されている。上記の利点は、本発明の組成物によって達成できる。
【0042】
本発明はまた、上述した組成物の製造方法にも関し、前記アポモルヒネと、前記2価の金属カチオンと、任意的な抗酸化剤および/または少なくとも1種の添加剤と、を共に混合する組成物の製造方法に関する。本発明に係る組成物の材料は上述した通りであり、上述した説明を参照できる。
【0043】
前記混合は、溶液中で、好ましくは上述した水を含む溶液中で行う。互いの成分の添加順序は、具体的な場合の状況に従って当業者が選択することができる。例えば、アポモルヒネ(水中に)を提供することができ、その中に2価の金属カチオン(任意的に水中に含有されるものも)を加えることができる。または、2価の金属イオン(水中に)を提供することができ、その中にアポモルヒネ(任意的に水中のものも)を加えることができる。
【0044】
上記抗酸化剤および/または上記添加剤の添加は、上記のアポモルヒネと2価の金属カチオンとの混合の任意の段階の間で行うことができる。
【0045】
好適に、アポモルヒネは、場合により少なくとも1種の上記の添加剤および/または抗酸化剤を含む水溶液中に提供される。この混合液中に2価の金属カチオンを添加し、その後必要に応じて、続いてpHを調整する。
【0046】
本発明の組成物は、上述のような構造の詳細を示すことによって、さらに定義することはできない。このため、上述した製造方法によって生成物を定義することが適切であり、これにより、本発明の発明特定事項はまた、上述の成分を含む組成物、および上述のようにそれらを混合することによって得られる組成物である。
【0047】
上述したように、アポモルヒネは、医学、特にパーキンソン病の分野で使用されている。したがって、本発明による組成物は、特に、パーキンソン病の診断、予防および治療のための薬剤として使用することができる。よって、本発明の組成物は、当業者に一般的に知られているような医薬製剤の形態で提供することができ、例えば、溶液またはバッカル(buccal)、錠剤、放棄剤(waiver)、軟膏、経皮プラスターまたは吸入用粉末のような水溶性固体の形態で提供できる。特に、当業者によってこの分野で知られているように、本発明の組成物は、例えばs.c.注射などの注射、または連続注射用の濃縮物としての方法で投与することができる。
【0048】
以上に詳細に概説した本発明は、以下の実施例に基づき詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を限定するものと解釈されるべきではないことが明確であろう。
【実施例】
【0049】
実施例1および2、ならびに比較例1および2
以下の組成物が準備された(化合物アポモルヒネはAPOと略称する):
1)5.00mg/ml APO HCl(16.46mmol/lのAPOに相当する)
1.32mg/ml MgCl(6.50 mmol/lに相当する;六水和物として;Ph.Eur.)
1.47mg/ml CaCl(10.0mmol/lに相当する;二水和物として、Ph.Eur.)
2)10.0mg/ml APO HCl(32.92mmol/l(APO)に相当する)
2.64mg/ml MgCl(13.0mmol/lに相当する;六水和物として;Ph.Eur.)
2.94mg/ml CaCl(20.0mmol/lに相当する;二水和物として、Ph.Eur.)
比較例として、市販のAPO−go(5mg/ml APO HCl)(=比較例1)およびAPO−go(10mg/ml APO HCl)(=比較例2)を使用した。
【0050】
実施例1および2ならびに比較例1および2の組成物は、様々の被験者に投与された。その結果、比較例1および2の組成物の投与と比較して、実施例1および2の組成物を投与し被験者において、より少ない凝固壊死が引き起こされることが分かった。
【0051】
これらの結果は、アポモルヒネが2価の金属カチオンと共に存在する本発明の組成物が、凝固壊死の有害な副作用を抑制することを示唆する。
【0052】
安定性試験
実施例1(C1)に従って調製した上記組成物に、2mg/mlの抗酸化剤ナトリウムメタ重亜硫酸塩(SM)または4mg/mlの抗酸化剤N−アセチル−L−システイン(NAC)を添加した。pH値は、3〜7の範囲に調整された。組成物製造後(t=0)、室温で14日間放置後(14d/RT)、および40℃で14日間放置後(14d/40)に、裸眼で変色(暗色化、不安定を示す)を観察した。
【0053】
結果は以下の表3に示される。
【0054】
【表3】
【0055】
上記の安定性試験から分かるように、抗酸化剤の添加は、本発明の組成物の安定性をさらに改善する。