(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記主鎖ポリマーを作製するために使用されるモノマーが、前記主鎖ポリマーを作製するために用いられるモノマーの総重量に基づいて、90〜100重量%のメタクリル酸及び/又はその塩を含む、請求項1に記載の櫛状ポリマー組成物。
前記式(I)で表される六員環状メタクリルイミド構造、及び重合型のメタクリル酸無水物基の総重量が、前記式(I)で表される六員環状メタクリルイミド構造、前記重合型のメタクリル酸基、その四級アンモニウムカルボキシレート、その金属カルボキシレート、及び前記重合型のメタクリル酸無水物基の総重量に基づいて、7.5〜95重量%である、請求項1に記載の櫛状ポリマー組成物。
前記式(I)で表される六員環状メタクリルイミド構造、及び重合型のメタクリル酸無水物基の総重量が、前記式(I)で表される六員環状メタクリルイミド構造、前記重合型のメタクリル酸基、その四級アンモニウムカルボキシレート、その金属カルボキシレート、及び前記重合型のメタクリル酸無水物基の総重量に基づいて、60〜70重量%である、請求項4に記載の櫛状ポリマー組成物。
前記六員環状メタクリルイミドのリン酸基含有主鎖ポリマーが、1つ以上のメタクリル酸無水物基または六員環状メタクリル酸無水物基を更に含有する、請求項1に記載の櫛状ポリマー組成物。
前記六員環状メタクリルイミドのリン酸基含有主鎖ポリマーが、1つ以上の次亜リン酸塩基を有し、かつ前記主鎖ポリマーを作製するために使用される反応物質が、前記主鎖ポリマーを作製するために使用される反応物質の総重量に基づいて、1〜20重量%の前記次亜リン酸塩化合物またはその塩を含む、請求項1に記載の櫛状ポリマー組成物。
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタクリルイミドのリン酸基含有櫛状ポリマーに関する。より具体的には、本発明は、例えばポリエーテル含有エーテル基側鎖を有する六員環状メタクリルイミドのリン酸塩、亜リン酸塩、及び次亜リン酸塩基含有櫛状ポリマー、ならびにそれらの作製方法、及び例えば増粘剤としてのそれらの使用方法に関する。
【0002】
水性組成物における粘度を増大させるために現在使用されている材料は、グアーガム及びキサンタンガムなどの様々な天然ガム、ならびにセルロースエーテル及びこれらのブレンドを含む。例えばセルロースエーテルは、コンクリート及びモルタル製造用の粘度調整剤添加剤または増粘剤として周知であり、セルロースエーテルは、非常に高価な多段階プロセスによって、植物源、例えば、パルプから形成され、今のところ、セルロースエーテルを作製するために使用される単一の製造ラインのコストは、優に数百万ドルに及ぶ。セルロースエーテルによって提供される肥厚は、剛直ポリマー鎖などのその性質に依存し、セルロースエーテルを作製するためのプロセスよりも少ない資本集約性である簡単なプロセスによって、剛直鎖を有するポリマーを作製するための必要性が未だにある。
【0003】
加えて、セルロースエーテル及びガム材料は、特に石油及びガスの地層において見られる温度において、微生物の攻撃を受け易い。その結果、増粘剤を保護するために様々な殺生物剤が必要とされ、これによって、処理される石油及びガスの地層の浸透性を低下させ得る、微生物による望ましくない多糖類副産物の形成を防止するが、それによって、炭化水素生産速度を低下させる。微生物の攻撃を受けにくい、水または水性混合物のための増粘剤を作製する必要性が未だにある。
【0004】
Kopchikへの米国特許第4,742,123号は、200〜300℃での押出による、アクリル酸、メタクリル酸または多数のコモノマーとのそれらのコポリマーの水性ポリマーからの一般的なポリアクリル酸無水物及びそれらの対応するイミドの調製を開示している。このようなポリマーは、Kopchikが言及するように、150,000の重量平均分子量(Mw)において、幾分熱安定性であるが、Kopchikは、高分子量ポリマーのみを形成し、なぜなら、これらのポリマーのより低いMwバージョン、例えば、20,000以下では、このようなポリマーがKopchikに開示された押出条件の下では形成せず、これらがKopchikの押出条件下で加水分解または分解するためである。
【0005】
本発明者は、水性組成物中で使用するための熱安定性のポリマー増粘剤材料、及びそれらを作製するための簡略化された低VOCまたはVOCを含まない方法を提供することでの問題を解決しようとしてきた。
【0006】
本発明の記載
1.本発明によれば、六員環状メタクリルイミドのリン酸基含有、好ましくは次亜リン酸基含有主鎖ポリマーを含む櫛状ポリマー組成物は、主鎖ポリマーが、エーテル基、ポリエーテル基、エーテルアミン基、ポリエーテルアミン基、主鎖ポリマー鎖に架橋結合するエーテル基、及び主鎖ポリマー鎖に架橋結合するポリエーテル基から選択される、1つ以上の、または好ましくは2つ以上の、またはより好ましくは5個以上の六員環状メタクリルイミド上の側鎖エーテル基含有N置換基と、少なくとも1つの重合型のメタクリル酸、その四級アンモニウムカルボキシレート基、好ましくは、ジメチルジ(ドデシル)アンモニウム([(CH
3)
2(C
12H
25)
2N]
+)、その金属カルボキシレート基、あるいは疎水性側鎖、例えば、ポリオレフィンエステルもしくはアミドまたはC
1〜C
500、好ましくはC
6〜C
250、またはより好ましくはC
6〜C
150アルキルまたは脂肪族アルキルエステルもしくはアミド、ポリエーテルエステル側鎖、ポリエーテルアミド側鎖、及びこれらの組み合わせから選択されるエステル側鎖基もしくはアミド側鎖基を有し、主鎖ポリマーが、主鎖ポリマーを作製するために使用されるモノマーの総重量に基づいて、60〜100重量%、または好ましくは75〜100重量%、またはより好ましくは90〜100重量%、または最も好ましくは95〜100重量%のメタクリル酸重合単位をそれらの形態に無関係に含む。
【0007】
2.上記項目1に記載の櫛状ポリマー組成物において、主鎖ポリマーは、更に、六員環状メタクリルイミド基を形成する前に、メタクリル酸無水物基を含有する前記主鎖ポリマー中のメタクリル酸無水物基の総数を決定するためにそれを滴定することによって決定されるとき、7.5〜95重量%、または70重量%未満、または好ましくは50〜68重量%、またはより好ましくは60〜66.7重量%のメタクリル酸無水物基の形態のメタクリル酸重合単位またはメタクリル酸無水物基から形成される六員環状メタクリルイミド基を含む。
【0008】
3.上記項目1または2に記載の櫛状ポリマー組成物において、主鎖ポリマー中の任意の側鎖基または塩基を除く、本発明の六員環状メタクリルイミドのリン酸基含有主鎖ポリマーは、1,000〜25,000、または好ましくは2,000以上の、または好ましくは15,000以下、またはより好ましくは10,000以下の重量平均分子量(Mw)を有する。
【0009】
4.上記項目1、2、または3に記載の櫛状ポリマー組成物において、六員環状メタクリルイミドのリン酸基含有主鎖ポリマーは、1つ以上のメタクリル酸無水物基または六員環状メタクリル酸無水物基を更に含有する。
【0010】
5.上記項目1、2、3、または4のいずれか一項に記載の櫛状ポリマー組成物において、本発明の六員環状メタクリルイミドのリン酸基含有主鎖ポリマーは、1つ以上の次亜リン酸塩基を有し、主鎖ポリマーを作製するために用いられる反応物質(すなわち、モノマー、次亜リン酸塩化合物、及び連鎖移動剤)の総重量に基づいて1〜20重量%、または2重量%以上、または好ましくは4重量%以上、または好ましくは15重量%以下の、例えば重合型の次亜リン酸ナトリウムなどの次亜リン酸塩化合物またはその塩を含む。
【0011】
6.上記項目1、2、3、4、または5のいずれか一項に記載の櫛状ポリマー組成物において、リン酸基含有主鎖ポリマーは、主鎖ポリマーを作製するために用いられる反応物質の総重量に基づいて、2重量%未満の、リン酸化合物及びメタクリル酸、またはその塩以外の反応物質の反応生成物を含む。
【0012】
7.上記項目1、2、3、4、5、または6のいずれか一項に記載の櫛状ポリマー組成物において、主鎖ポリマーは、メタクリル酸重合単位の総重量に基づいて、3重量%以下の、バックバイティングまたは鎖内ポリマー架橋によって形成される総メタクリル酸無水物基を有する実質的に線状ポリマーである。
【0013】
8.上記項目1、2、3、4、5、6、または7のいずれか一項に記載の櫛状ポリマー組成物において、エーテル基含有N置換基は、エトキシ基、プロポキシ基、ジエチルレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレンオキシド繰り返し単位のポリエーテル、好ましくは少なくとも90重量%のエチレンオキシド繰り返し単位のポリエーテル、プロピレンオキシド繰り返し単位のポリエーテル、エチレンオキシド及びプロピレンオキシド単位を有するポリエーテル、ならびにこれらの混合物及び組み合わせから選択される。
【0014】
9.上記項目8に記載の櫛状ポリマー組成物において、エーテル基含有N置換基は、エーテル基含有N置換基の総重量に基づいて、少なくとも60重量%、または好ましくは少なくとも80重量%、またはより好ましくは少なくとも90重量%のエチレンオキシド繰り返し単位を有する。
【0015】
10.上記項目1、2、3、4、5、6、7、または8のいずれか一項に記載の櫛状ポリマー組成物において、櫛状ポリマーは架橋されており、六員環状メタクリルイミド基に結合する少なくとも1つのビス−イミドエーテル架橋を含み、これが、エーテルビス−イミド、ジエーテルビス−イミド、またはポリエーテルビス−イミド鎖である。
【0016】
11.上記項目1〜10のいずれか一項に記載の櫛状ポリマー組成物において、櫛状ポリマーは、1200〜1,500,000、または好ましくは5000〜250,000のMwを有し、このMwが、NMRによって決定される任意のアルコールまたはアミン化合物からのN置換基収量、エステル側鎖収量、及びアミド側鎖収量によって決定される、主鎖ポリマーと反応するかまたは主鎖ポリマー中に含まれる任意のN置換基、塩、四級アンモニウム基、エステル側鎖基、またはアミド側鎖基の総量を加算した、ポリアクリル酸標準物質に対するGPCによる、完全加水分解型の主鎖ポリマーの、その上の任意の六員環状メタクリルイミド基の形成の前のものである。
【0017】
12.上記項目1〜11のいずれか一項に記載の組成物において、六員環状メタクリルイミドのリン酸基含有主鎖ポリマーは、粉末、ペレット、顆粒、油、例えば植物油、グリコール、ポリグリコール、エーテル、グリコールエーテル、グリコールエステル、及びアルコールなどの非水性担体中のそれらの懸濁液、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、及びN−メチルピロリジノン(NMP)から選択される溶媒中の溶液を含む。
【0018】
13.本発明の別の態様では、エーテル基、ポリエーテル基、エーテルアミン基、ポリエーテルアミン基、主鎖ポリマー鎖に架橋結合するエーテル基、及び主鎖ポリマー鎖に架橋結合するポリエーテル基から選択される1つ以上の側鎖エーテル基含有N置換基を有する、六員環状メタクリルイミドのリン酸基含有主鎖ポリマーである櫛状ポリマーを作製するための方法は、メタクリル酸及び/またはその塩のモノマー混合物を、1つ以上のリン酸化合物、好ましくは次亜リン酸塩及び/またはその塩と水溶液重合して、メタクリル酸重合単位を有する前駆体ポリマーを形成することと、溶融状態の前駆体ポリマーを、好ましくは撹拌せずに、175〜250℃で乾燥して、主鎖ポリマーの滴定によって決定される、7.5〜95重量%、または70重量%未満、または好ましくは50〜68重量%、またはより好ましくは60〜66.7重量%のメタクリル酸無水物型のメタクリル酸重合単位を有するメタクリル酸無水物基含有主鎖ポリマーを形成することと、次いで、溶融物または非水性分散液もしくは溶液中などの流体媒体中で、0〜220℃、例えば15〜140℃にて、メタクリル酸無水物基含有主鎖ポリマーを、1つ以上のエーテル基含有アミン化合物、例えばエーテルアミン、ジエーテルアミン、ポリエーテルアミン、ビス−アミンエーテル、トリ−アミンエーテル、トリ−アミンポリエーテル、多アミンエーテル、多アミン−ポリエーテル、ビス−アミンジエーテル、またはビス−アミンポリエーテルと、滴定によって決定されるアミンのモル量で、好ましくはメタクリル酸無水物基含有主鎖ポリマー中のメタクリル酸無水物のモルを超えない量で反応させて、少なくとも1つのエーテル基含有アミド酸基を形成し、次いで、流体媒体中で、エーテル基含有アミド酸基を、主鎖ポリマー上の隣接するメタクリル酸基と、100〜250℃、または好ましくは160〜220℃で反応させて、主鎖ポリマー上にエーテル基含有N置換基及び六員環状メタクリルイミド基を形成することとを含む。
【0019】
14.上記項目13に記載の方法において、前駆体主鎖ポリマーを乾燥することは、これを、180℃以上、または好ましくは220℃以下、またはより好ましくは200℃以上の温度に加熱し、メタクリル酸無水物基含有主鎖ポリマーを形成することを含む。
【0020】
15.上記項目13または14に記載の方法において、乾燥することは、噴霧乾燥後に、オーブン、押出機、混錬機もしくは混錬機反応器、流動床乾燥機、エバポレーター、加熱ミキサー及び前述のいずれかで、好ましくは、低せん断ゾーンを備える押出機、混錬機もしくは混錬機反応器で行われる。乾燥時間は、10秒〜480分、または好ましくは30秒〜120分の範囲である。
【0021】
16.上記項目13、14、または15のいずれか一項に記載の方法において、乾燥することと流体媒体中で反応させることは、任意のエーテル基含有アミン化合物が、前駆体ポリマーの乾燥が行われている場所から下流に添加されるように、同じ押出機、混錬機もしくは混錬機反応器内で行われる。
【0022】
17.上記項目13、14、15、または16のうちのいずれか一項に記載の方法において、流体媒体中で反応させることが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、または好ましくはN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどの非水非プロトン性溶媒中、反応槽において行われる。
【0023】
18.本発明の更に別の態様では、水性組成物は、イミド上の1つ以上のエーテル基含有N置換基と、少なくとも1つのメタクリル酸、メタクリル酸塩、C
1〜C
500、または好ましくはC
6〜C
250、またはより好ましくはC
6〜C
150アルキルまたは脂肪族エステルもしくはアミドなどのエステル基含有側鎖、もしくはアミド基含有側鎖、金属塩または四級アンモニウムカルボキシレートを有する、六員環状メタクリルイミドのリン酸基含有主鎖ポリマーである1つ以上の櫛状ポリマーと、水硬セメント、水性ビニルもしくはアクリルエマルジョンポリマー、地下層からの非水性相としての油もしくは炭化水素、及びガス状炭化水素のうちのいずれかとを含む。
【0024】
19.上記項目18に記載の組成物において、組成物は、0.1〜30重量%、または好ましくは0.2〜15重量%、またはより好ましくは最大8重量%の、1つ以上のエーテル基含有N置換基を有する環状メタクリルイミドの1つ以上のリン酸基含有ポリマーを含む。
【0025】
20.上記項目19に記載の組成物において、主鎖ポリマーは、60〜100重量%、または好ましくは75〜100重量%、またはより好ましくは90〜100重量%、または最も好ましくは95〜100重量%を構成する。
【0026】
本明細書で使用される場合、「酸重合単位」とは、アクリルまたはメタクリル酸などの付加重合性カルボン酸及びその塩の重合型を指し、これは、例えば、メタクリル酸重合単位については、重合型のメタクリル酸基の合計を、それらの無水物として、例えば、メタクリル酸無水物、それらのイミド型として、例えばメタクリルイミド、それらの酸または塩として、例えばメタクリル酸、またはその塩、もしくは本発明のポリマーを作製するのに形成されるそれらのエステルまたはアミド、例えば脂肪族疎水性または四級アンモニウム官能メタクリレートもしくはメタクリルアミドを含む。用語「酸重合単位」は、ポリマーである場合にそれらの酸または塩型ではないモノマーを除外するため、したがって、(メタ)アクリルアミドの重合型ならびにエステル及びアミドのモノマーとして重合されるアルキルメタクリレートエステルモノマーは、「メタクリル酸重合単位」として見なされない。
【0027】
本明細書で使用される場合、用語「ASTM」とは、ASTM International,West Conshohocken,PAの刊行物を指す。
【0028】
本明細書で使用される場合、用語「メタクリル酸重合単位」とは、メタクリル酸、その塩、その無水物、メタクリル酸無水物の重合型を指し、メタクリル酸無水物、すなわち、無水物型の重合メタクリル酸、そのイミド、すなわち、イミド型の重合メタクリル酸、及びそのエステルもしくはアミド、すなわち、重合後にエステル化またはアミド化されている重合メタクリル酸を指す。重合型の単一の環状メタクリル酸無水物またはイミドは、「頭−尾結合」で結合された2つのメタクリル酸重合単位を含み、これにより六員無水物またはイミド環を形成する。
【0029】
本明細書で使用される場合、用語「主鎖ポリマーを作製するために用いられるモノマー」は、四級アンモニウムカルボキシレート基、メタクリル酸塩中の金属、アミンまたはアルコール化合物などのエステルもしくはアミド側鎖、及び任意のメタクリルイミド基上のエーテル基含有置換基を作製するために用いられる任意の反応物質を除外する。
【0030】
本明細書で使用される場合、用語「モノマーの総重量に基づいて」とは、例えば、ビニルまたはアクリルモノマーなどの付加モノマーの総重量を指す。
【0031】
本明細書で使用される場合、用語「フーリエ変換赤外(FTIR)分光法」は、示すように、窒素パージ及び0.6329の光学速度下で、4cm
−1解像度、32スキャン、32バックグラウンドスキャンに設定されたデータ収集パラメータを有するThermoNicolet(商標)Avatar 390 DTGS FTIR分光光度計(Thermo Fisher Scientific Waltham,MA)を用いて、KBr担体または試料溶液中に分散され、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)使い捨て赤外線カード上に流延し、真空乾燥された材料によるKBrペレット試料を用いて測定されたスペクトルを創出することを意味する。
【0032】
本明細書で使用される場合、別途記載のない限り、用語「分子量」または「Mw」は、イソクラティックポンプ、真空脱気装置、可変注入サイズオートサンプラー、及びカラムヒーターを装備したAgilent 1100 HPLCシステム(Agilent Technologies,Santa Clara,CA)を用いて水性ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって決定される任意のメタクリル酸重合単位含有ポリマーの重量平均分子量を指す。検出器は、Refractive Index Agilent 1100 HPLC G1362Aであった。重量平均分子量を図形表現するために使用されたソフトウェアは、Agilent ChemStation、バージョンB.04.02と共にAgilent GPC−アドオンバージョンB.01.01であった。カラムセットは、TOSOH Bioscience TSKgel G2500PWxl 7.8mm ID×30cm、7μmカラム(P/N08020)(TOSOH Bioscience USA、South San Francisco,CA)、及びTOSOH Bioscience TSKgel GMPWxl 7.8mm ID×30cm、13μm(P/N08025)カラムであった。MilliQ HPLC水中の20mMのリン酸塩緩衝液、〜pH7.0を移動相として用いた。流速は、1.0ml/分であった。典型的注入容積は、20μLであった。このシステムは、American Polymer Standards(Mentor,OH)からのポリ(アクリル酸)、Na塩Mp216〜Mp1,100,000と共にMp900〜Mp1,100,000標準を用いて較正した。このようなMwは、主鎖ポリマーのMwを評価するために用いられる。
【0033】
本明細書で使用される場合、完全に加水分解された主鎖ポリマーの用語「Mw」は、このポリマー上のメタクリル酸無水物基からの任意の六員環状メタクリルイミド基の形成の前のメタクリル酸無水物基含有主鎖ポリマーの加水分解から生じるポリメタクリル酸ポリマーについての上記のようにGPCによって決定される値を意味する。任意の主鎖ポリマー上の全ての六員環状メタクリルイミド基は、メタクリル酸無水物基から形成されると想定される。
【0034】
本明細書で使用される場合、用語「NMR」は、流体または固体状態のいずれかの核磁気共鳴を指す。NMRは、反応収率を決定するために用いられ、アルコール及びエステル(反応済み、例えば、4.2ppmのエステルピークで)中の炭素またはアミン化合物中の炭素に対応するNMR信号、ならびに試験されるポリマー中のアミドまたはイミド(反応済み)のいずれかに対応するNMR信号の比較が、所与のポリマーを作製するために使用される各アルコールまたはアミン化合物の反応済み部分を計算するために使用され、定量分析におけるより高精度を保証した。別途記載のない限り、水抑制を備える
1H NMR (Bruker 500MHz NMR 分光光度計、Bruker Corp.,Billerica, MA)を、それぞれの指示されたコポリマーに対して使用した。
【0035】
本明細書で使用される場合、用語「ポリエーテル」とは、3つ以上の繰り返しエーテル基を有する任意の化合物を意味する。
【0036】
本明細書で使用される場合、用語「滴定」は、以下の実施例で記載されるように、所定の櫛状ポリマーまたは主鎖ポリマー中のメタクリル酸無水物の比率及びカルボン酸または塩の比率を決定するためのものである。メタクリル酸無水物中の任意の主鎖ポリマーにおいて、メタクリル酸重合単位の総量に基づく、メタクリル酸無水物に変換されないCOOH基の計算された比率は、100%から無水物基に変換されたCOOH基の計算された比率を引いたものに等しい。六員環状メタクリルイミド基を有する本発明の任意の主鎖ポリマーについては、任意の六員環状メタクリルイミド基が、メタクリル酸無水物基から形成されており、したがって、任意の櫛状ポリマーについての無水物またはイミド基に変換されないCOOHの計算された比率は、任意のメタクリルイミド基の代わりにメタクリル酸無水物基を有する、対応する主鎖ポリマー中の無水物に変換されていないCOOH基の計算された比率と同じであることが推定される。
【0037】
本明細書で使用される場合、用語「重合型のリン酸基」は、リン酸基含有化合物の存在下でのモノマーの溶液重合のリン酸基含有生成物を意味する。
【0038】
本明細書で使用される場合、用語「水溶性」は、所定のポリマー組成物が、アンモニアを用いて7.5のpHに中和されるとき、室温での撹拌によって容易に分散すること、または20〜240℃の範囲のいずれの使用条件においても、固体としての少なくとも1gの所定のポリマー組成物が、60分未満の時間、または好ましくは1秒〜5分の時間にわたる撹拌の際に室温にて100gの水に溶解することを意味する。
【0039】
本明細書で使用される場合、用語「wt%」は、重量パーセントを表す。
【0040】
列記される全ての範囲は、両端を含みかつ組み合わせ可能である。例えば、175〜250℃の、好ましくは180℃以上、または好ましくは220℃以下、またはより好ましくは200℃以上の開示された温度は、175〜180℃、175〜220℃、175〜200℃、180〜250℃、好ましくは180〜220℃、好ましくは180〜200℃、好ましくは200〜250℃、より好ましくは200〜220℃及び175〜250℃の温度を含むであろう。
【0041】
別途記載のない限り、全ての温度及び圧力は、室温及び標準圧力である。
【0042】
括弧を含む全ての成句は、挿入されたものが含まれること及びその不在のいずれかまたは両方を指す。例えば、成句「(ポリ)エーテル」は、選択的に、エーテル及びポリエーテルを含む。
【0043】
本発明は、水性媒体における様々な用途のために有効な粘稠剤を提供することができる櫛状ポリマー組成物、及びこのポリマーを作製するための十分に簡単で、費用効果の高い方法を提供する。本発明のリン酸基含有六員環状メタクリルイミド基含有の櫛状ポリマーは、エーテル基含有N置換基(メタクリルイミド上の)側鎖及び/または、可能であれば、環状メタクリルイミドの窒素に結合した架橋を有し、このような低分子量ポリマーに対して高度に熱安定性である。このような櫛状ポリマーは、リン酸化合物の不在下で調製されるポリ(メタクリル酸)(pMAA)ポリマーよりもおよそ30℃低い、著しく低い温度でメタクリル酸無水物を形成するリン酸基含有メタクリル酸ポリマーから作製される。加えて、本発明の櫛状ポリマーは、広い温度範囲にわたって熱安定性でありかつ次亜リン酸塩のようなリン酸またはその塩の不在下で調製される対応するメタクリル酸の主鎖ポリマーがそうであるように容易に炭化または分解することはないメタクリル酸無水物含有主鎖ポリマーから形成される。それらのポリ(アクリル酸)(pAA)またはpAA無水物類似体とは異なり、メタクリル酸無水物のリン酸基含有主鎖ポリマーは、いかなる分解もなく熱的に形成され得る。ポリマー主鎖中のイミド構造の存在が、櫛状ポリマーの剛直性を増加させて、水の粘度を増大させるためのその能力を高める。この六員環状イミド構造は、ホストポリマー(ポリエチレンなど)の加工温度においても熱安定性である。
【0044】
好ましくは、本発明の櫛状ポリマーまたはそれらのメタクリル酸塩は、水溶性であり、環状メタクリルイミド型中のメタクリル酸重合単位の総数に基づいて、ポリマー鎖中の六員環状メタクリルイミド基の少なくとも10重量%、または好ましくは15〜100重量%、またはより好ましくは少なくとも25重量%の上に側鎖エーテル基含有N置換基を含む。
【0045】
本発明の六員環状メタクリルイミド主鎖ポリマー及び櫛状ポリマーの構造は、2つ以上の異なる官能基を生じるためのポリマーの簡単な修飾を可能にする。これは、主鎖ポリマー中に7.5〜95重量%、または70重量%未満のメタクリル酸重合単位を含む主鎖ポリマー上の環状メタクリルイミド基及び任意の環状メタクリル酸無水物基の構造を反映する。したがって、本発明のポリマーは、好ましくは、主鎖ポリマー鎖に架橋するかまたはバックバイティングする無水物の相当量(このような基の全体の≧3重量%)は含有しない。したがって、本発明の櫛状ポリマーは、1つ以上の交互になる環状メタクリル酸無水物もしくは六員環状メタクリルイミド基と、メタクリル酸もしくは塩基を含むことが可能であり、このようなポリマーは、例えば、構造、[酸−(環状イミドまたは無水物−酸)]
xを有することができ、式中、xは1〜120である。各酸または残留無水物の相対的反応性に応じて、得られるポリマーは、イミド基を妨害することなく、アミドまたはエステル結合を介して酸または無水物基上で容易に修飾され得る。
【0046】
メタクリル酸のカルボン酸無水物及びそれらの対応するイミドは、単一ポリマー鎖に沿って隣接するメタクリル酸重合単位の酸性官能基から(環状)、単一ポリマー鎖に沿う遠位酸性重合単位の酸性官能基から(バックバイティング)、または別のポリマー鎖の酸性官能基から(架橋)形成することができる。バックバイティング及び架橋は、一般的には望ましくなく、修飾及び流れを妨害する場合がある。
【0047】
好ましくは、本発明の主鎖ポリマー上の総メタクリルイミド及び無水物基の少なくとも50重量%、またはより好ましくは90重量%、更により好ましくは97重量%以上が、環状であり、単一のポリマー鎖に沿って隣接するメタクリル酸重合単位から形成する。
【0048】
分子量構築などの目的で、本発明の櫛状ポリマー上のイミド官能基を、ビス−アミノポリエーテルまたは多アミン基末端樹枝状ポリエーテル分子などの多官能基性アミンによるイミド化を通して架橋することは、本発明の範囲内であると見なされる。
【0049】
好ましくは、本発明の櫛状ポリマーは、線状であり、それらのイミド窒素を脱落するエーテル、ジエーテル、またはポリエーテル側鎖を有し、したがって、主鎖ポリマーに沿って架橋またはバックバイティングするイミドまたは無水物は存在しない。
【0050】
本発明の櫛状ポリマーは、残存する酸基において更に官能基化され、四級アンモニウム基、他のポリエーテル、及び、例えばポリオレフィン、または脂肪族エステルもしくはアミドなどの疎水性エステルもしくはアミドを含むエステルまたはアミド側鎖を形成してもよい。
【0051】
本発明の大きな利点は、この櫛状ポリマーが、1つ以上の四級アンモニウム基殺生物剤を、櫛状ポリマーの主鎖上の酸官能基上に塩として含有できることである。殺生物添加剤が、水に溶解し、地下水または周辺環境をより容易に汚染する既知の技術とは対照的である。櫛状ポリマーは、細菌に攻撃されず、したがって、細菌増殖を促進または維持することがないために、殺生物作用への必要性は、既知の技術を超えて大幅に低減される。主鎖ポリマー上に四級アンモニウムカルボキシレートを含む本発明の組成物は、その多くが強化石油回収法の水圧破壊法及びいくつかの形式を含み、そこで使用される水の粘度を増加させる必要がある、石油及びガス生産活動で特に使用される。
【0052】
疎水性エステルまたはアミドは、任意のC
1〜C
500アルキルアリール、芳香族もしくは脂環式炭化水素及びオリゴマーオレフィンまたはポリオレフィンを含むことができる。任意のポリオレフィン側鎖については、Mwは、対象とするホストポリオレフィンの少なくとも絡み合い分子量であってもよく、好ましくは、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの対象とするホストポリマーの少なくとも2倍の絡み合い分子量である。したがって、ポリエチレン組成物中で使用するために、1つ以上の線状エステルまたはアミド側鎖の分子量は、好ましくは2400〜50,000、または5,000以上のダルトンであり、ポリプロピレンで使用するためには、好ましくは5600〜100,000、または10,000以上のダルトンである。
【0053】
本発明のリン酸基含有主鎖ポリマーは、主鎖ポリマー中に末端基またはペンダント基として炭素原子に結合している平均で少なくとも1つのリン原子を有する。末端基は、ビニルポリマー主鎖置換基を有する、モノホスフィネートなどのホスフィネートまたはホスホネートであってもよい。主鎖ポリマー中の少なくとも1つのリン原子は、2つのビニルポリマー主鎖置換基を有するジホスフィネート、例えばジアルキルホスフィネートなどの、炭素鎖に沿っての亜リン酸塩として、2つの炭素に結合することができる。このようなポリマーの様々な構造が、Fiarmanらへの米国特許第5,294,686号に記載されている。
【0054】
本発明の方法によれば、リン酸基含有前駆体ポリマーが、水溶液重合によって形成され、メタクリル酸無水物及びメタクリル酸基含有主鎖ポリマーを形成するのに十分に高い温度で乾燥され、これは次いで、溶融または非水性媒体などの流体媒体中で、エーテルアミン、ジエーテルアミン、ポリエーテルアミン、ビス−アミンエーテル基含有化合物またはトリス−もしくは多アミンエーテル基含有化合物と反応され、エーテル基含有アミド酸側鎖及び/または架橋を形成し、加熱して、アミド酸及び主鎖ポリマー上の隣接する環状メタクリル酸から環状メタクリルイミド基を形成し、また六員環状メタクリルイミド基含有櫛状ポリマーを形成する。アミド酸側鎖はまた、3−ピコリンなどの化学薬剤または化学薬剤の組み合わせによって脱水され、加熱して、アミド酸及びポリマー上の隣接するメタクリル酸から六員環状メタクリルイミド基を形成することができる。
【0055】
本発明によれば、リン酸基含有前駆体ポリマーは、主鎖ポリマーを作製するために用いられる次亜リン酸塩を含むモノマー及び反応物質の総重量に基づいて、60重量%以上かつ最大98重量%のメタクリル酸(MAA)及び/またはその塩、好ましくは71重量%以上、またはより好ましくは86重量%以上と、1つ以上のリン酸化合物の残りの部分、また必要に応じて、ビニルまたはアクリルコモノマーから、リン酸化合物の存在下で従来の水溶液重合法によって形成される。
【0056】
本発明の前駆体ポリマーの作製で使用するために好適なコモノマーは、50,000の重量平均分子量を有するモノマーのホモポリマーが、熱重量分析(TGA)による250℃におけるポリマー分解の15分後に相当するその重量の15重量%未満を減量するように熱安定性である任意のビニルまたはアクリルモノマーであることができる。
【0057】
好適なコモノマーとしては、例えば、メタクリルアミド、C
1〜C
6アルキル(メタ)アクリルアミド、C
1〜C
6ジアルキル(メタ)アクリルアミド、スチレン及びα−メチルスチレン、アクリル酸、ならびにC
1〜C
6アルキルメタクリレートが挙げられ、好ましくは、メチルメタクリレート、またはエチルアクリレートである。
【0058】
本発明の前駆体ポリマーの作製において使用するために出発物質として使用するのに好適なコモノマーの比率に関しては、スチレンなどの水溶性ではない任意のコモノマーをあまりに多量を添加することが、溶液重合するのが難しい可能性があるか、または不活発な反応動態を呈するモノマー混合物をもたらすであろう。あまりに多量の任意のコモノマーを使用するならば、本発明の主鎖ポリマー上の十分に高い比率のメタクリル酸無水物を達成することができないか、またはこのような無水物基によって付与される対応する熱安定性もしくは有利な反応性を達成しない可能性がある。
【0059】
メタクリル酸無水物のリン酸基含有前駆体ポリマーの作製において使用するのに好適なリン酸基含有化合物としては、例えば、リン+1化合物、例えば、次亜リン酸塩化合物またはその塩(ジ亜リン酸ナトリウムなど)、リン+2化合物(ホスホネート化合物など、例えば、ホスホン酸もしくそれらの無機塩またはアンモニウム、例えばアルカリ(土類)金属塩)、リン+3化合物(例えばC
1〜C
4ジアルキルもしくはトリアルキルまたはフェニルホスファイトあるいはジフェニルホスファイト)、ならびにオルトリン酸またはその塩が挙げられる。
【0060】
好ましくは、前駆体ポリマーは、メタクリル酸の次亜リン酸塩または亜リン酸塩含有ホモポリマー、すなわち、メタクリル酸と亜リン酸塩または次亜リン酸塩化合物反応物質とからだけで作製されたもの、及びメタクリル酸無水物の亜リン酸塩含有ホモポリマー、前駆体ポリマーを作製するために用いられるモノマーの総重量に基づいて、25重量%未満、またはより好ましくは10重量%未満のビニルまたはメタクリル酸もしくはその塩以外のアクリルモノマーと作製されたメタクリル酸の次亜リン酸塩基含有コポリマーから選択される前駆体ポリマーから作製される。
【0061】
好ましくは、前駆体ポリマーは、メタクリル酸無水物の次亜リン酸塩、亜リン酸塩含有ホモポリマー、すなわち、メタクリル酸及び亜リン酸塩もしくは次亜リン酸塩化合物反応物質のみから作製されたものから選択される。
【0062】
前駆体ポリマーから本発明の主鎖ポリマーを形成することは、前駆体ポリマーを、175℃以上、かつ最高250℃、好ましくは180℃以上、及び好ましくは220℃以下の温度で、好ましくは剪断力下の乾燥で、乾燥することを含む。
【0063】
乾燥時間は、より高い温度では短く、一般的に、10秒から8時間、好ましくは30秒〜2時間、または好ましくは1時間以下、より好ましくは2〜45分間の範囲である。噴霧乾燥及び更なる加熱などのように、初期乾燥後に加熱が続く場合には、更なる加熱は、上記列記温度で30秒以上、または最長90分、好ましくは45分以下、より好ましくは1分〜30分の時間で行われる。
【0064】
前駆体ポリマーを乾燥してメタクリル酸無水物含有主鎖ポリマーを形成することは、このようなポリマーを脱水して、メタクリル酸無水物基を形成すると思われるいくつかの既知の方法のいずれかを含む。好適な方法としては、例えば、単軸または二軸押出機の場合などの押出法、単軸または二軸混錬機反応器、バンバリーミキサー、またはブス−ニーダー反応器もしくは単軸往復押出機/ミキサーの場合などの混錬法、拭き取り膜式蒸発器または流下液式蒸発器の場合などの蒸発法、連続撹拌槽反応器(CSTR)またはシングル及びツイン−ローターミキサー、例えば、PLOUGHSHARE(商標)ミキサー(Littleford Day Inc.,Florence,KY)、二重アームミキサー、シグマブレードミキサー、または縦型高強度ミキサー/混合機の場合などの加熱混合、ならびにドラム乾燥機もしくはベルト乾燥機などの追加のより高温乾燥に連結した噴霧乾燥または流動床乾燥を挙げることができる。乾燥して無水物を形成することは、前駆体ポリマーを、必要に応じて真空下で平板ヒーター上、またはフードもしくは他の揮発性物質除去装置を装備した加熱コンベヤーなどの非撹拌様式で熱に曝すことによって達成されてもよい。
【0065】
好ましくは、主鎖ポリマーを、環状メタクリル酸無水物を用いて、かつバックバイティングまたは鎖内架橋によることなく作製するために、乾燥は、オーブン内で、または低剪断押出機を備えた任意の押出機、混錬機もしくは混錬機反応器内で、撹拌もしくは剪断力なしに、または撹拌もしくは剪断力をできるだけ少なくして行われる。低剪断押出機は、押出機のスクリュー(複数可)の回転軸を横切る方向で、また低剪断ゾーンにおけるいかなる脱揮装置からも離れる方向に拡張する少なくとも1つのゾーンを有する、溶融物をバレルの端部に向かって偏向させるためのフライトを備えたバレルを有する、任意の単軸押出機、共回転二軸押出機及び反回転二軸押出機、ならびにこれらの特徴のうちの2つ以上を有する押出機、例えば、押出機のスクリュー(複数可)の回転軸を横切る方向で、また低剪断ゾーンにおけるいかなる脱揮装置からも離れる方向に拡張する少なくとも1つのゾーンを有する単軸押出機または溶融物をバレルの端部に向かって偏向させるためのフライトを備えたバレルを有する単軸押出機を含むことができる。
【0066】
好ましくは、1つ以上の脱揮ゾーンを含む脱揮押出機は、本発明の前駆体ポリマーを乾燥するために使用され、脱揮ゾーンにおける充填レベルは100%の充填を下回り、ゲージ圧未満またはゼロゲージ圧であるような方法で操作される。これは、固体材料がスクリューチャネルにそのまま残るリスクを最小限に抑え、いかなる残留水も押出機から蒸発する圧力で作動させて、ポリマー主鎖に沿って追加の無水物官能基を形成するために平衡反応を進めることをもたらす。
【0067】
次いで乾燥された主鎖ポリマーを、0〜250℃、または好ましくは15〜140℃で、エーテル基含有アミン化合物と反応させて、アミド酸基を形成する。これは、主鎖ポリマー上のメタクリル酸無水物環を開環させるであろう。乾燥で使用される熱が非常に大きいために、例えば、前駆体ポリマーを乾燥して主鎖ポリマーを形成するために使用されたものと同じ容器または装置、例えば任意の溶融混合装置でアミド酸を形成することによって、エーテル基含有アミド酸を形成するために加熱からの残留熱に依存してもよい。アミド酸形成の熱は、160℃超である場合、閉環を更に引き起こして、イミドを形成する可能性がある。
【0068】
開環及び任意の主鎖ポリマー上のアミド酸形成後に、主鎖ポリマーは、100〜250℃、好ましくは160〜220℃で加熱されて閉環させ、六員環状イミド官能基を形成させねばならない。このような加熱は、1分間〜24時間、または好ましくは5分間〜6時間の時間で行うことができる。アミド酸はまた、化学薬剤によって脱水され、無水酢酸と組み合わせることができる3−ピコリンのような塩基触媒などの化学的脱水剤を用いて、アミド酸及びポリマー上の隣接するメタクリル酸から六員環状メタクリルイミド基を形成することもできる。熱及び化学的脱水は、組み合わせることができ、化学的脱水は、0〜200℃、好ましくは15〜100℃で、1分間〜8時間、または好ましくは5分間〜2時間の時間にわたって行われてもよい。
【0069】
メタクリル酸無水物主鎖ポリマーを調製する(乾燥する)ために、及びそれから環状メタクリルイミドポリマーを調製する(アミド酸を形成し閉環する)ために、同じ押出機を使用することが可能であり、または別個の押出機を使用することも可能である。好適な押出機は、例えば、Welding Engineers,American Liestritz、またはWerner−Pfliedererにより製作されたものである。好ましくは、押出機は、低剪断押出機であり、より好ましくは、これは、脱揮ゾーンにおける充填レベルが100%未満の充填レベルである脱揮押出機である。
【0070】
段階式反応押出しが用いられてもよく、これは、前駆体ポリマーを押出機内に配置することと、必要に応じて加熱し、所望の比率のメタクリル酸無水物基を形成すること(これは急速に起こる(1〜5分で))と、続いてアミンを注入し、迅速にアミド酸及びイミドを形成させることとを含む。なお更に、後期段階において、アルコールまたはアミン化合物を所望の温度で添加することが、エステルまたはアミドを主鎖ポリマー上の残存する酸官能基上に形成させることになるであろう。
【0071】
任意の主鎖ポリマー中の無水物の7.5〜100重量%の任意の量が、六員環状イミドに変換される。好ましくは、主鎖ポリマー中のメタクリル酸重合単位の各モルに対して、任意の主鎖ポリマー中のメタクリル酸重合単位の50〜70重量%が、六員環状イミドに変換される。より好ましくは、主鎖ポリマー中のメタクリル酸重合単位の60〜68重量%が、六員環状イミドに変換される。
【0072】
好ましくは、より多くの線状主鎖ポリマーを確保しかつメタクリル酸無水物及び六員環状メタクリルイミドを有する櫛状ポリマーを提供するために、本発明の主鎖ポリマーは、主鎖ポリマー中のメタクリル酸重合単位の総量に基づいて、最大で70重量%未満、例えば50〜68重量%のメタクリル酸無水物に六員環状メタクリルイミドを加えた合計(好ましくは、その少なくとも50重量%が六員環状メタクリルイミドである)を含むにすぎない。このようなポリマーは、2重量%未満の、バックバイティングまたは架橋を介して形成された無水物を含んでもよい。
【0073】
六員環状メタクリルイミド基含有主鎖ポリマーを形成するために、メタクリル酸無水物基含有主鎖ポリマーは、主鎖ポリマーが乾燥によって形成されるものと同じまたは異なる押出機で、または別の押出機で、一級アミン含有化合物などのアミン化合物と、または、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド及びトルエンの混合物、1−メチル−2−ピロリドン及びトルエン、または1−メチル−2−ピロリドン及びキシレンの混合物中などの非水性流体媒体と反応させることができる。
【0074】
それぞれ六員環状イミドまたは無水物を形成するための櫛状または主鎖ポリマー中のメタクリル酸または無水物の任意のアミンもしくはアルコール化合物との反応は、溶液相でまたは溶融相で行われてもよく、溶液相で行われる場合、反応は、好ましくは、室温周辺でアミンと反応させてアミド酸を形成するか、またはアルコールと反応させてエステルを形成し、続いて閉環させて、アミンの場合には、100〜200℃に加熱することによって、六員環状イミドを形成し、アルコールの場合には、160〜250℃に加熱することによって、無水物を形成することにより、段階的に行われる。ピコリンを含むこのような無水酢酸の閉環剤が用いられてもよく、閉環温度はそれに応じて下げられる。
【0075】
本発明の櫛状ポリマーは、亜リン酸塩及び次亜リン酸塩基含有ポリメタクリル酸を部分的にアミド化することによって作製されてもよく、例えばポリメタクリル酸を噴霧乾燥して、アミド側鎖基またはアミド酸基を形成し、次いでアミド化生成物を、アミド酸基を閉環させるのに十分な温度(100〜200℃)まで加熱し、主鎖ポリマー上の六員環状イミド官能基を得る。
【0076】
好ましくは、メタクリル酸無水物基含有主鎖ポリマーのイミド化またはイミド化及びアミド形成の全ては、脱揮ゾーンを有する押出機内で起こり、任意のエーテル基含有アミン化合物は、無水物型で使用されるが、10重量%未満、または好ましくは5重量%未満の少量の水を含有することができる。
【0077】
エーテル基含有N置換基側鎖または架橋は、六員環状メタクリルイミドの一部として形成され得るか、またはこれらはメタクリル酸もしくはその塩上のアミドとして形成され得るかのいずれかである。エーテル基は、形態がどうあれ、エーテル基含有アミン化合物、好ましくは一級アミン、例えば、エーテルアミン、ジエーテルアミン、ポリエーテルアミン、またはビス−アミンエーテル化合物(例えば、ビス−アミンエーテル、ビス−アミンジエーテルまたはビス−アミンポリエーテルのいずれか)、または3つ以上のアミン基を有し、かつエーテル、ジエーテル、またはポリエーテルのいずれかを含む多アミンエーテル化合物から生成される。ビス−アミノ及び多アミンエーテル化合物は、主鎖ポリマーに架橋することができ、これらは、それらの架橋がアミン基含有エーテル化合物のみから形成されている「線状」と更に定義される。
【0078】
エーテル基含有アミン化合物の好適な例は、ポリエーテルアミン、任意のモノアミンもしくはビス−アミン末端ポリエーテル、またはCH
2−CH
2−O単位の鎖を含む、例えば、1〜500個のこのような単位、または好ましくは1〜100個の単位、または水硬セメントにおいては好ましくは5〜100個の単位を含むデンドリマー(多アミン末端エーテル基含有化合物)である。エーテル基含有アミン化合物の例は、モノ−アミン末端ポリエーテル(M−Jeffamine(商標)ポリマー、Huntsman,International,LLC,Salt Lake City,UT)、ビス−もしくはトリス−アミン基末端の2つ及び3つの末端のポリエーテル鎖(それぞれ、D及びTシリーズJeffamine(商標)製品、Huntsman)である。
【0079】
好適なエーテル基含有アミン化合物はまた、総エーテル単位の最大50重量%、または最大30重量%の、ランダムな、またはブロックでのプロピレンオキシド単位[CH
2−CH(CH
3)−O]を含んでもよい。
【0080】
好ましくは、エーテル基含有アミン化合物は、全てのエーテル基の百分率として少なくとも60重量%のエチレンオキシド基(EO)、またはより好ましくは、少なくとも80重量%のEO基、また最も好ましくは少なくとも90重量%のEO基を有するポリエーテルアミンである。
【0081】
任意のビス−アミンもしくはマルチアミン末端エーテル化合物またはポリエーテルの存在下でのメタクリル酸無水物の主鎖ポリマーの反応によって、架橋を通してより高い分子量の櫛状ポリマーを構築することができるか、または鎖の絡み合いを通して所定の水性組成物中のより高い粘度を構築することができる。
【0082】
本発明の櫛状ポリマーは、メタクリル酸または塩基ならびに六員環状メタクリルイミドを有するために、他のアミンまたはアルコール化合物を、主鎖ポリマー上に反応させて、櫛状ポリマー中に他の官能基を形成してもよい。残存するメタクリル酸または塩基の一部もしくは全てがエステル化され、アミドに変換され、例えば、NaOHまたは金属水酸化物及び酸化物、またはこれらの任意の組み合わせを用いて、塩アイオノマーに変換されることができる。この塩は、ナトリウムまたは鉄(III)などの任意のカチオンまたはカチオンの組み合わせを含んでもよい。例えば、六員環状メタクリルイミド基含有櫛状ポリマーは、残存する酸基において更に官能基化され、脂肪族エステルまたはアミドなどの疎水性基を含むエステルまたはアミド側鎖を形成してもよい。
【0083】
好ましくは、本発明の生成物櫛状ポリマー中のいくつかのメタクリル酸、塩または無水物の存在を保証するために、メタクリル酸無水物の主鎖ポリマー中の六員環状メタクリルイミド上のエーテル基含有N置換基を形成するために用いられるモル当量(モノアルコールまたはモノアミン(例えば、ヘキシルアミン)の1モルは、このようなアルコールまたはアミンの1モル当量を意味する)としてのアルコールまたはアミン化合物の量は、好ましくは、メタクリル酸無水物の所定の主鎖ポリマー中の無水物であるメタクリ酸重合単位の全てと反応するのに必要とされるもの以下であり、例えば、0.1:1〜1:1未満のモル当量のアミンまたはアルコール対メタクリル酸無水物のモル当量、好ましくは0.95:1以下、またはこのましくは0.2:1以上、または0.5:1以上である。
【0084】
アミン化合物過剰の過剰量は、アミド及びイミドの形成動態を促進するために用いられてもよく、反応後にこの過剰量は、ストリッピングによって除去することができる。
【0085】
櫛状ポリマーまたは任意のメタクリル酸無水物主鎖ポリマーのエステル化またはアミド化は、これを、脂肪族アルコールまたはアミンなどの疎水性基含有アルコールまたはアミンと反応させることから生じる。本発明のリン酸基含有主鎖ポリマーまたは櫛状ポリマー中のメタクリル酸無水物またはメタクリル酸の反応性は、主鎖ポリマー及び疎水性基含有反応物質のアルコールまたはアミンの熱溶融物または混合物中の容易な側鎖形成を可能にする。
【0086】
アミド化は、乾燥からの残留熱のために、乾燥後に加熱を必要とせず、アミドは、櫛状ポリマーがまだ40℃超、または好ましくは100℃超の温度でいる間に、乾燥に使用された装置内で、または別の装置内で、メタクリル酸無水物または酸基及び指示されたアミンから形成することができる。実際、本発明の主鎖ポリマーを作製することからの残留熱は、アミドを形成しかつ疎水性側鎖を有する六員環状メタクリルイミドの櫛状ポリマーを作製するように反応を進めるには十分過ぎるほどである。
【0087】
任意の主鎖メタクリル酸無水物基含有ポリマーのエステル化またはアミド化が、主鎖ポリマー中の無水物環を開くところで、このポリマーは、遊離隣接メタクリル酸基を含有すると思われ、またこのポリマーは、閉環させて無水物(エステルから)またはイミド(アミドから)官能基を形成するために、100〜250℃以上まで加熱され得る。
【0088】
好ましくは、六員環状メタクリルイミド基含有主鎖ポリマーが初めに形成され、次いでこのポリマーが、任意の残存するカルボン酸または塩基メタクリル重合単位を反応させてそれらをエステル化またはアミド化することによって、もしくは塩をそれらの上に形成することによって修飾され得る。
【0089】
増粘剤としての使用については、残りの酸官能基化、水溶性ポリマーの適切な選択をもたらすモノアミン、マルチアミンの任意の組み合わせは、本発明の範囲内である。他のアルコールまたはアミン化合物との反応は、それらとメタクリル酸ポリマー、メタクリル酸無水物主鎖ポリマー及びイミド含有櫛状ポリマーのいずれかとの間で行われてもよい。いかなるこのような反応も、必要に応じて、閉環がその後続き、メタクリルミドまたは無水物を形成する。
【0090】
アミド化を介した主鎖ポリマー分子間架橋を通して分子量を構築するために有用な他の好適なアミン基含有化合物は、任意のポリ(アミン)材料、例えば、ポリリシン、またはエチレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,3,5−ベンゼントリアミンを含む材料の組み合わせ、非ポリオール材料、例えば、アミン末端ポリジメチルシロキサン(PDMS)(XIAMETER(商標)OXO−04012 Dow Corning,Midland,MIなど)、アミン末端ポリオレフィン、及びアミン末端ブロックコポリマーなどであることができる。
【0091】
本発明の櫛状ポリマー上に側鎖を形成するためのエーテル基含有アミン化合物を含む反応性アミン化合物は、1つ以上の一級アミンを含み、アルコール、二級アミンまたは主鎖ポリマーに対して反応性の他の種で終端することができる。
【0092】
アミン化合物はまた、主鎖ポリマー上の無水物基及びメタクリル酸基に対して非反応性である反応性基も含んでもよく、したがって、これらは、第3の成分との更なる反応のために利用可能であるだろう。このような種は、例えば、無水物、ビニル、またはカルボン酸基含有化合物であることができる。
【0093】
反応性側鎖物質(主鎖ポリマー以外の第3の成分に反応するか、またはそれ自体で反応する)の例は、殺生物性粘稠剤を提供するために、主鎖ポリマー上に六員環状メタクリルイミド基を形成した後に残存するカルボン酸基で塩を形成するために用いることができる殺生物性四級アンモニウム化合物である。
【0094】
本発明の櫛状ポリマーのための疎水性側鎖の例は、鎖長の1つまたは分布を含んでもよく、ポリオレフィン、C
1〜C
500炭化水素、脂環式炭化水素、またはアリール炭化水素のうちの1つ以上または分布から選択されてもよい。このような疎水性側鎖を作製するための好適な材料は、C
1〜C
500、または好ましくはC
6〜C
250アルキル基を有する脂肪族アルコールもしくは脂肪族アミン、オレフィン性アルコールもしくはアミン、例えば、アミン末端ポリオレフィン、及びアミン末端ブロックコポリマーまたはアルコールもしくはアミン末端を有するオリゴマーオレフィン、アニリンもしくはシクロヘキシルアミンであることができる。更に、アルコールもしくはアミン末端C
1〜C
500アルキル、または好ましくはC
6〜C
250アルキル化合物は、炭化水素鎖に沿って、または炭化水素鎖のペンダント基、例えば、3,3−ジフェニルプロピルアミンまたはジフェニルプロパノールなどとして、脂環式またはアリール基を含有することができる。
【0095】
ポリオレフィン側鎖形成材料の例としては、アミン末端ポリオレフィンを挙げることができ、このポリオレフィンは、例えば、ポリエチレン、エチレン/アルファ−オレフィンコポリマーであり、このアルファ−オレフィンは、ブタンまたはより高級なアルキル基、または米国特許第7,608,668号、同第7,947,793号、もしくは同第8,124,709号のいずれかに記載されるブロックコポリマーもしくは疑似ブロックコポリマー、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、または米国特許第8,106,139号もしくは同第8,822,599号のいずれかに記載されるブロックコポリマーもしくは疑似ブロックコポリマーである。
【0096】
本発明の櫛状ポリマー組成物は、主鎖ポリマーのカルボン酸基のうちの少なくとも1つ上に四級アンモニウム基を含むように改質されてもよい。好ましくは、四級アンモニウム基は、ジメチルジ(ドデシル)アンモニウム([(CH
3)
2(C
12H
25)
2N]
+)から選択される。
【0097】
本発明によれば、四級アンモニウム基官能性を、メタクリル酸またはその塩などの遊離カルボン酸上に添加することは、酸を、金属水酸化物、例えばNaOHなどの固定塩基で中和し、次いで金属塩カチオンを好適な四級アンモニウム化合物でイオン交換することを含む。
【0098】
メタクリル酸の四級アンモニウム塩は、四級アンモニウム化合物を用いて直接形成することが可能である。
【0099】
好適な四級アンモニウム化合物は、水酸化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化ノニルトリメチルアンモニウム、臭化デシルトリメチルアンモニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、臭化テトラデシルトリメチルアンモニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、臭化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、臭化ジデシルジメチルアンモニウム、臭化ジドデシルジメチルアンモニウム、臭化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、臭化ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウム、塩化テトラデシル、オクタデシルベンジルジメチルアンモニウム、塩化ドデシルテトラデシルオクタデシルベンジルジメチルアンモニウム、カチオン性ビスグアニド、及びこれらの混合物などの、任意の既知の化合物であることができる。この段落で述べられた全ての化合物は、Aldrich Chemicals,St,Louis,MOから入手可能である。主鎖ポリマー上のメタリル酸がエステル化される場合、エステルをアルキルアルコールで形成することができ、このアルキル鎖は、少なくとも15個の炭素、または好ましくは少なくとも30個の炭素、また最も好ましくは少なくとも50個の炭素の直鎖長を有する。
【0100】
このアルキルアルコールは、Baker Hughes(Houston,TX)によって供給されるUNILIN(商標)アルコールで存在するものなどの鎖長の分布を含有してもよく、好ましくは、アルコール中に平均で50個の炭素を有する、およそC
50のアルコール(Unilin(商標)700アルコール)が用いられてもよい。
【0101】
本発明の櫛状ポリマーは、特定の属性のためにそれらの疎水性及び親水性を調整するために容易に操作され得る。
【0102】
好ましくは、本発明の櫛状ポリマーは、メタクリル酸エステル化もしくは四級アンモニウム化合物からの1つ以上のエーテル、ジエーテルもしくはポリエーテルイミド側鎖、及びアルキルエステル側鎖を含む。
【0103】
本発明の組成物は、水含有または水性組成物の粘稠化(増粘剤)、殺生物活性と組み合わせた粘稠化、ポリマー中で配合されるか、ポリマー表面に塗布されるかのいずれかでのポリマーへの分散剤及び添加剤が挙げられるが、これらに限定されないいくつかの用途に使用することができる。
【0104】
主鎖ポリマー上にカルボン酸基の四級アンモニウム塩を含む組成物は、特に石油及びガス生産活動で使用され、強化石油回収法の水圧破壊法及びいくつかの型を含むそれらの多くは、最近、カビ及び他の生物の制御を必要とする。
【0105】
実施例:以下の実施例は、本発明を例証するものである。別途記載のない限り、全ての部及び百分率は重量により、全ての温度は℃である。
【0106】
試験方法以下の実施例において、下記の試験方法を用いた。
【0107】
滴定主鎖ポリマー上に存在するメタクリル酸無水物の数及び所定の前駆体ポリマーまたは主鎖ポリマー上に存在するカルボン酸基の数は、ポリマー中の総メタクリル酸重合単位の百分率として、滴定により決定された。初めに、総遊離カルボン酸含有量を、無水物の加水分解によって測定した。各材料の0.1〜0.2gを測定し、20mlのガラスバイアル内に置いた。これに、10mlの脱イオン(DI)水を添加し、閉じたバイアルを60℃オーブンで12時間加熱した。12時間後に、バイアルを0.5N KOH(水溶液)に対して滴定し、このように加水分解されたポリメタクリル酸無水物ポリマーの酸価(ポリマー中の全遊離カルボン酸基)を決定した。次に、同じpMAAn材料をその非加水分解状態でメトキシプロピルアミン(MOPA)と反応させることによって、無水物含有量を決定した。MOPAは、無水物を開環し、片側と反応し、もう一方の側が、カルボン酸に変換される。試験される各ポリマーについて、0.1〜0.2gの各pMAAn材料、これと共に10mlのテトラヒドロフラン(THF)及び0.2〜0.3gのMOPAを、磁気撹拌棒を備えた20mLのガラスバイアルに添加した。バイアルを閉じ、混合物を室温で終夜(約18〜20時間)撹拌した。これに続いて、10mlのDI水を添加し、混合物を0.5N HCl(水溶液)に対して滴定し、無水物含有量を決定した。カルボン酸基の無水物への変換を示すポリマー中のカルボン酸の全体的な消失を決定するために用いた。無水物に変換されたCOOH(酸基)の算出された百分率=(試料ポリマー1g中の無水物のモル)/(加水分解された試料ポリマー1g中の−COOHの総モル)*100。機器:Titralab TIM865 Titration Manager(Radiometer Analytical SAS,France)、試薬:0.5N KOH、0.5N HCl、テトラヒドロフラン(Sigma Aldrich.St Louis,MO)。
【0108】
FTIRによって確認されるメタクリルイミドの含有量:各ポリメタクリルイミド基含有ポリマーについて、対応するメタクリル酸無水物主鎖ポリマー中のメタクリル酸無水物基のメタクリルイミド基への変換を、メタクリルイミド基含有ポリマーそれ自体のFTIRによって定量的に確認した。
【0109】
FTIR上述された方法A)またはB)
【0110】
合成実施例1:66.7重量%のメタクリル酸無水物基を含むメタクリル酸無水物基含有主鎖ポリマー
〜5KのMwを有する噴霧乾燥した次亜リン酸基含有ポリメタクリル酸を、200℃にて真空下(17mmHgの圧力)で4時間加熱した。噴霧乾燥材料は、約185℃で溶融したままであり、この溶融物は、脱水プロセス中に撹拌しない。真空下で冷却後、ここで固体塊を粉砕し、無水条件下で保管する。得られた主鎖ポリマー材料は、滴定によって決定されるとき、66.7%の無水物に変換された重合メタクリル酸含有量を有する。この材料は、無水物官能基及びカルボキシル官能基の等モルを含有する。
【0111】
合成実施例2:92.3重量%のメタクリル酸無水物基を含むメタクリル酸無水物基含有主鎖ポリマー
この材料が第2の加熱段階に供されること以外は、このポリマーを米国特許第8,859,686号に記載される通りに製造した。温度及びローター速度の制御を備えるHaake PolyLab System(商標)(モデルP300)ミキサー(Thermo Scientific,Waltham,MA)を使用し、これは、順番に3:2の比で噛み合った共回転(Rheomix(商標)300E)ローラーローター(Thermo−Fisher)、ローター間の確立されたトルクを測定するために使用されるHaake Rheocord(商標)、及びシステムの一部として提供され、ローター速度、温度を制御し、トルク、機器及び溶融温度を記録するために用いられるPolylab(商標)モニターV4.18制御ソフトウェアを装備した、R600ボウル(ローターを除く120mLのチャンバ容積、約65mLの容積のローターが設置)を備え付けたHaake Rheomix(商標)600Pミキサーから構成される。混合ボウルは、301ステンレス鋼−DIN 1.4301(SS−301、Deutsches Institut fur Normung e.V.,Berlin,DE,2014)から作られており、ローターは、316ステンレス鋼−DIN 1.4408(SS−316,2014)から作られた。
【0112】
〜5KのMwを有する、粉状の噴霧乾燥した次亜リン酸塩基含有ポリメタクリル酸(pMAA)の試料35gを、取り外し可能な漏斗を介して185℃で安定化された混合ボウルに導入した。スクリュー速度を50RPMに設定した。ボウル温度設定点(すなわち、3点全て)を190℃に設定した。ポリマーが溶融したことがトルクのスパイクによって示された後に、pMAAの第2の15gのバッチを添加し、これは第2のトルクスパイクを伴った。pMAAの第2のバッチが溶融した後に、軽量の粉末がチャンバから噴出されることを防止するために窒素パージを行い、次いで混合を190℃で10分間継続した。その後、温度を225℃に上昇させて、30分間運転した。ローター速度を3RPMまで低下させ、その直後にHaakeボウルを熱いまま取り外し、内部のポリマーを取り出し、冷却し、その後包装した。このステップは、周囲条件で行い、したがって熱材料は、大気中の水分にさらされた。材料を、それがまだ軟化状態にあるうちにボウルから取り出した。冷却後、Haakeボウルから取り出した材料は、いずれの場合も、繊維状の組織を有して非常に脆かった。第2のバッチを、上記のように作製し、これらのバッチを組み合わせた。組み合されたメタクリル酸無水物主鎖ポリマー(pMAAn)バッチを、以下の通りに清浄なHaakeボウル内で再混合した。
【0113】
Haakeボウルを185℃で安定化させ、35gの粉末状pMAAn(組み合わされたバッチを、乳鉢と乳棒を用いて一緒に粉砕した)を、取り外し可能な漏斗を介して、ボウルに導入した。スクリュー速度を50RPMに設定した。ボウル温度設定点(すなわち、3点全て)を190℃に設定した。pMAAnポリマーが溶融したことがトルクのスパイクによって示された後に、pMAAnの第2の15gのバッチを添加し、これは第2のトルクスパイクを伴った。窒素パージを行い、また混合を190℃で10分間継続した。次いで、温度を225℃まで上昇させて、30分間運転し、ローター速度を3RPMまで低下させ、その直後にHaakeボウルを熱いまま取り外し、内部のポリマーを取り出し、冷却し、その後包装した。
【0114】
得られたポリメタクリル酸無水物主鎖ポリマーの滴定は、ポリマー中のメタクリル酸重合単位の総重量に基づいて、92.28重量%の無水物(すなわち、最初のカルボン酸の無水物であり、7.72%が酸として残り、残部は無水物型であった)を含有することを確認した。
【0115】
実施例1:合成実施例2のポリ(メタクリル酸−コ−メタクリル酸無水物)とポリエーテルアミン(〜19個のEO基)との反応。
ディーン−スタークトラップ及びコンデンサ、それと共に磁気撹拌棒を装備した250mlの三つ首丸底フラスコに、穏やかな窒素流下で、無水1−メチル−2−ピロリドン(100ml)及び合成実施例2のポリ(メタクリル酸−コ−メタクリル酸無水物)(1.535グラム)を充填した。装置を断熱し、磁気撹拌プレート上に置かれた可変変圧器によって調節された加熱マントル内に配置した。フラスコを穏やかに温め、ポリマーを溶解し、次いで室温に冷却した。Jeffamine(商標)M1000ポリエーテルアミン(Huntman Int’l LLC、7.40グラム)を、フラスコ内に注入し、窒素下、室温で72時間撹拌した。トルエンを、ディーンスタークトラップに20ml添加し、フラスコに25ml添加して、装置に充填した。トルエンを2.5時間還流し、次いで蒸留し、ディーン−スタークトラップから排出させた。得られた混合物をジエチルエーテルに添加し、生成物を沈殿させた。ジエチルエーテルをデカントし、生成物を新しいジエチルエーテル中で再スラリー化して、エーテル層を更に4回デカントした。生成物を70℃の真空オーブン内で乾燥した。乾燥生成物を、上で開示された方法Bにより、KBrと混合し、FTIR用のペレットを調製した。
【0116】
実施例2:合成実施例1のポリ(メタクリル酸−コ−メタクリル酸無水物)とポリエーテルアミン(〜19個のEO基)との反応
ディーン−スタークトラップ及びコンデンサ、それと共に磁気撹拌棒を装備した500mlの三つ首丸底フラスコに、穏やかな窒素流下で、1−メチル−2−ピロリドン(278.7グラム)及びトルエンを充填した。装置を断熱し、磁気撹拌プレート上に置かれた可変変圧器によって調節された加熱マントル内に配置した。トルエンを蒸留してディーン−スタークトラップに入れ、その後排出させた。フラスコを窒素下で室温に冷却し、ポリ(メタクリル酸−コ−メタクリル酸無水物)(10.69グラム)をフラスコ内容物に添加し、約180℃に温め、ポリマーを溶解した。フラスコの内容物を、室温周辺まで冷却し、温JEFFAMINE(商標)M1000(40.04グラム)ポリエーテルアミン(Huntsman)を、フラスコに注入し、室温で終夜撹拌した。トルエン(45mL)を、フラスコに添加し、フラスコを温めて5時間還流し、ディーン−スタークトラップに入れ、その後トルエンを排出させた。反応混合物を室温に冷却した。残りの溶媒を温真空オーブン内で生成物から除去し、透明の淡黄色の粘性液体の生成物を温かいまま得た。
【0117】
実施例3:合成実施例1のポリ(メタクリル酸−コ−メタクリル酸無水物)とポリエーテルアミン(〜19個のEO基)との反応(代替法)
磁気撹拌棒を備え、入口アダプタ、ストッパ、及びディーン−スタークトラップを装備し、これと共にコンデンサ及び出口アダプタを備えた100mLの三つ首丸底フラスコに、装置にゆっくりと窒素を掃引させながら、N,N−ジメチルアセトアミド(50mL)及びトルエン(15mL)を充填した。トルエンを蒸留し、ディーン−スタークトラップから排出させた。ポリ(メタクリル酸−コ−メタクリル酸無水物、2.10グラムを、フラスコに添加し、N,N−ジメチルアセトアミド中で温めて溶解し、約120℃とし、その後冷却した。周囲温度にした溶液に、Jeffamine(商標)M1000(6.90グラム)ポリエーテルアミンを添加した添加した。混合物を、周囲温度で終夜撹拌した。トルエン(10mL)をフラスコ内に置き、ならびにディーン−スタークトラップに充填した。トルエンを約9時間還流し、トルエン及び水をトラップから排出させた。100℃の真空オーブン内で、生成物溶液に溶媒を除去させた。生成物の固有粘度=0.111dL/g(30.0℃、0.50g/dL、N−メチル−2−ピロリジノン)。
【0118】
実施例4:合成実施例1のポリ(メタクリル酸−コ−メタクリル酸無水物)とポリエーテルアミン(〜19個のEO基)及びビス−アミンポリエーテル(〜4個のPO基)との反応
磁気撹拌棒を備え、入口アダプタ、ストッパ、及びディーン−スタークトラップを装備し、これと共にコンデンサ及び出口アダプタを備えた、100mLの三つ首丸底フラスコに、装置にゆっくりと窒素を掃引させながら、N,N−ジメチルアセトアミド(50mL)及びトルエン(15mL)を充填した。トルエンを蒸留し、ディーン−スタークトラップから排出させた。ポリ(メタクリル酸−コ−メタクリル酸無水物)(50/50モル/モル、2.10グラム)を、フラスコに添加し、N,N−ジメチルアセトアミド中で温めて溶解し、約120℃とし、その後冷却した。周囲温度にした溶液に、Jeffamine(商標)D230(0.196グラム)ビス−アミノポリエーテル(Huntsman)を添加し、6.5時間後に、Jeffamine(商標)M1000(6.94グラム)ポリエーテルアミンを、この溶液に添加した。混合物を、周囲温度で終夜撹拌した。トルエン(10mL)をフラスコ内に置き、ならびにディーン−スタークトラップに充填した。トルエンを約9時間還流し、トルエン及び水をトラップから排出させた。100℃の真空オーブン内で、生成物溶液に溶媒を除去させた。生成物の固有粘度=0.124dL/g(30.0℃、0.50g/dL、N−メチル−2−ピロリジノン)。
【0119】
実施例4は、プロピレンオキシドポリエーテルを含む少量のビス−アミンポリエーテル(Jeffamine(商標)D230ポリマー)の使用による分子量の増加を立証している。分子量の増加は、固有粘度を測定することによって裏付けられた。実施例3は、D230が使用されなかったこと以外は反応の方法が同じであったために直接比較された。固有粘度は0.111dL/g(実施例2)から0.124dL/g(実施例3)まで増加し、これは、10%超の増加に達する分子量の増加が生じたことを示唆している。
【0120】
全実施例についての全てのFTIRスペクトルを以下の表に示し、全ての実施例は方法Bで行われ、比較実施例1は、KBrペレット試料として行われ、実施例3及び4は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)カード試料として行われた。
【0121】
【表1】
【0122】
上記表1において、VS=非常に強い、S=強い、M=中間、及びW=弱いは、示された各官能基の量をある程度まで指し示す。表に示すように、全ての発明の櫛状ポリマーは、少なくとも1つの環状メタクリルイミド基を含む。実施例3及び4において、より強いイミド信号は、実施例1よりも好ましい高いイミド収量を示唆する。
【0123】
実施例5:合成実施例1の主鎖ポリマーとおよそ10%のポリエーテルアミン(〜19個のEO基)との反応
磁気撹拌棒を備え、入口アダプタ、ストッパ、及びディーン−スタークトラップを装備し、これと共にコンデンサ及び出口アダプタを備えた100mlの三つ首丸底フラスコに、装置にゆっくりと窒素を掃引させながら、N,N−ジメチルアセトアミド(50ml)及びトルエン(15ml)を充填した。トルエンを蒸留し、ディーン−スタークトラップから排出させた。合成実施例1のポリ(メタクリル酸−コ−メタクリル酸無水物)(50/50モル/モル、2.10グラム)をフラスコに充填し、温めて約120℃にて、N,N−ジメチルアセトアミド中で溶解した。周囲温度にした溶液に、Jeffamine(商標)M1000ポリエーテルアミン(Huntsman Int’l.LLC、0.87グラム)をこの溶液に添加した。混合物を、周囲温度で終夜撹拌した。トルエン(10mL)をフラスコ内に置き、ならびにディーン−スタークトラップに充填した。この混合物をトルエンで(およそ110℃で)約9時間還流し、水をトラップから排出させた。100℃の真空オーブン内で生成物溶液の溶媒を除去し、ガラス状固体が残り、2.75グラムの収量を得た。最終生成物の溶液を、方法BによるFTIR収集のためにPTFEカード上に流涎した。
【0124】
FTIRは、イミドバンドよりも強い、強い無水物のバンドを示し、強いカルボン酸ピークも示している。実施例5では、実施例4よりも少ない量のポリエーテルアミンまたはアミン反応物質が用いられたために、実施例5の櫛状ポリマー中のイミドは、実施例4の櫛状ポリマーの場合ほど顕著ではなかった。以下の表2を参照されたい。
【0125】
【表2】
【0126】
上記表2に示すように、約1670cm
−1、また1720cm
−1超における強いイミドピークの存在は、本発明の実施例3、4、及び5の六員環状メタクリルイミド基含有ポリマーの存在を示唆している。実施例1のポリマーのFTIR分析は、同じように強い六員環状メタクリル酸イミドの信号はもたらさなかったが、この分析はこのような基を確かに確認している。