特許第6760958号(P6760958)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6760958構成された穿孔構造でライニングされた冶金容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6760958
(24)【登録日】2020年9月7日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】構成された穿孔構造でライニングされた冶金容器
(51)【国際特許分類】
   B22D 11/10 20060101AFI20200910BHJP
   F27D 1/00 20060101ALI20200910BHJP
   B22D 41/02 20060101ALN20200910BHJP
【FI】
   B22D11/10 310J
   F27D1/00 D
   !B22D41/02 B
【請求項の数】17
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-549458(P2017-549458)
(86)(22)【出願日】2016年2月24日
(65)【公表番号】特表2018-517562(P2018-517562A)
(43)【公表日】2018年7月5日
(86)【国際出願番号】US2016019280
(87)【国際公開番号】WO2016153693
(87)【国際公開日】20160929
【審査請求日】2018年11月22日
(31)【優先権主張番号】62/137,498
(32)【優先日】2015年3月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518143819
【氏名又は名称】ベスビウス ユーエスエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100187702
【弁理士】
【氏名又は名称】福地 律生
(74)【代理人】
【識別番号】100162204
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク ジャンセン
(72)【発明者】
【氏名】ロジャー マダレナ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセ シモエ
(72)【発明者】
【氏名】バブ パテル
(72)【発明者】
【氏名】スニルクマール シー.ピライ
【審査官】 藤長 千香子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−050194(JP,A)
【文献】 特開昭54−004244(JP,A)
【文献】 特開昭52−123328(JP,A)
【文献】 実開昭59−099058(JP,U)
【文献】 特開平04−367518(JP,A)
【文献】 特開2009−228919(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0126467(US,A1)
【文献】 中国実用新案第201960121(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 11/00−11/22
B22D 33/00−47/02
F27D 1/00−1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1層の第1主面と、第1層の第1主面に対向して配置された第1層の第2主面とを有する第1層;及び
(b)第2層の第1主面と、第2層の第1主面に対向して配置された第2層の第2主面とを有する第2層、を備える耐火容器のためのライニング構造であって;
前記第1層の第2主面は前記第2層の第1主面と接触し、前記第2層の第2主面は耐火材料でライニングされた壁又は床と接触し、;
前記第1層は、第1層の第1主面から第1層の第2主面へと通過する複数の穿孔を備え、
前記第2層は、少なくとも1つのゲッタリングボリュームを備え、少なくとも1つのゲッタリングボリュームは、少なくとも1つの第1層の穿孔と流体連通しており、前記少なくとも1つのゲッタリングボリュームは、前記第2層の第2主面と流体連通しており;そして、
前記第1層のすべての穿孔の合計断面積は、前記第2層のすべてのゲッタリングボリュームの合計最大断面積より小さく、
前記ライニング構造は、ジルコニア、アルミナ、マグネシア、ムライト及びこれらの材料の組み合わせから形成され、
前記第1層及び前記第2層によって酸化緩衝層が形成され、冶金容器内の内生介在物の形成を減少させるとともに、前記内生介在物の金属溶融物中への拡散を制御する、ライニング構造。
【請求項2】
前記第1層及び前記第2層が、単一の一体構造を備える、請求項1に記載のライニング構造。
【請求項3】
前記ライニング構造が、マグネシア、アルミナ、ジルコニア、ムライト、及びこれらの材料の組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載のライニング構造。
【請求項4】
前記第2層における全てのゲッタリングボリュームの合計最大断面積は、前記第1層における全ての穿孔の合計断面積よりも少なくとも10倍大きい、請求項1記載のライニング構造。
【請求項5】
前記第2層が、第1層の第2主面から突出する複数のスタンドオフ構造を含む、請求項1に記載のライニング構造。
【請求項6】
前記少なくとも1つのゲッタリングボリュームが、少なくとも1つのアルコーブを備える、請求項1に記載のライニング構造。
【請求項7】
前記少なくとも1つのゲッタリングボリュームが、少なくとも1つの溝を備える、請求項1に記載のライニング構造。
【請求項8】
前記第1層は、5mm以上100mm以下の範囲の厚さを有する、請求項1に記載のライニング構造。
【請求項9】
前記第2層は、1mm以上50mm以下の範囲の厚さを有する、請求項1に記載のライニング構造。
【請求項10】
前記第2層の第2主面と連通している第3層の第1主面を有する非穿孔の第3層をさらに含む、請求項1に記載のライニング構造。
【請求項11】
前記第2層が、前記第3層の第1主面から突出する複数のスタンドオフ構造を備える、請求項10に記載のライニング構造。
【請求項12】
前記穿孔が、前記第1層の第1主面との交点にフレア状の形状を有する、請求項1に記載のライニング構造。
【請求項13】
前記穿孔が、円形、楕円形、楕円形、正方形、長方形、多角形、平行四辺形及びレンズ形状からなる群から選択される断面形状を有する、請求項1に記載のライニング構造。
【請求項14】
前記穿孔が、2mm以上50mm以下の最小断面径を有する、請求項1に記載のライニング構造。
【請求項15】
前記第1層は、隣接する一連のパネルを備え、前記穿孔は、隣接するパネルによって描写される複数のスリットを備える、請求項1に記載のライニング構造。
【請求項16】
内部及び外部を有する冶金容器であって、前記冶金容器の内部は請求項10に記載のライニング構造を備える、冶金容器。
【請求項17】
a)請求項1に記載のライニング構造を有する容器に溶融金属を移送すること、及び、
b)前記溶融金属を前記容器から移送すること、
を含む、溶融金属の酸化を抑えるための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、連続金属鋳造ライン等の金属成形ラインに関する。特に、本発明は、溶融金属中の酸化物系介在物の形成を実質的に減少させることができる、タンディッシュ等の冶金容器のためのライニングに関する。
【背景技術】
【0002】
金属成形プロセスにおいて、金属溶融物は、ある冶金容器から別の冶金容器へ、鋳型又は工具へ移される。例えば、大容量のタンディッシュには、溶融金属を炉からタンディッシュに移す取鍋により、金属溶融物が定期的に供給される。これにより、タンディッシュから工具又は鋳型への金属の連続鋳造が可能になる。金属溶融物は、ノズルシステムを通る金属溶融物の流れを制御(開放又は閉鎖)するためのゲートシステムを通常備えた、容器の底部に位置するノズルシステムを通り、重力により流れる。金属溶融物の高温に耐えるために、容器の壁は耐火材料でライニングされる。
【0003】
金属溶融物、特に鋼は、酸化に対して反応性が高く、したがって、酸化種の任意の供給源から保護されなければならない。酸化種が溶融物と接触する場合、鉄を不動態化するために、少量のアルミニウムが添加されることが多い。実際には、溶融物から生成される最終部品に欠陥を生じさせる溶融物中の酸化物系介在物の形成を防止するには、これでは十分でないことが多いようである。10kgの鋼鋳物には、最大で10億の非金属介在物が含まれ、その大半は酸化物であることが報告されている。介在物は、粉砕又は切断することにより、最終部品から除去されなければならず、これらの手順により製造コストが増大し、多量のスクラップが生成される。
【0004】
介在物は、金属溶融物との反応の結果であり得、これらの介在物は内生介在物として知られている。外生介在物は、砂、スラグ、及びノズルの破片のような金属溶融物に起因しない材料であり、外生介在物は概して内生介在物よりも厚い。
【0005】
内生介在物は、主に鉄(FeO)、アルミニウム(Al23)の酸化物、及びMnO、Cr23、SiO2、TiO2等の、溶融物中に存在するか、又は溶融物と接触する他の化合物の酸化物を含む。他の介在物は、硫化物並びに、少量の窒化物及びリン化物を含み得る。金属溶融物は非常に高温(低炭素鋼では1600℃程度)であるので、鉄原子と酸化物との反応性が非常に高く、反応を防止することができないことは明らかである。
【0006】
今日まで、鋼鋳物中の介在物の存在を減少させるための対策のほとんどが、介在物が形成された冶金容器内にそれらを保持するというものである。本発明は、単純で信頼できる経済的な手段を用いて冶金容器内の内生介在物の形成を実質的に減少させることにより、根本的に異なる解決法を提案する。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、添付の独立請求項によって定義される。従属請求項は、様々な実施形態を規定する。特に、本発明は、金属溶融物を鋳造するための冶金容器のためのライニングに関する。そのような冶金容器の例は、床の全周にわたって壁によって囲まれた前記床と、前記床上に位置する一つの流出口又は複数の流出口を含み、床及び/又は壁の少なくとも一部分が、金属溶融物と冶金容器の壁と床との間の界面から延びる金属溶融物の中間相に鋳造使用時に酸化緩衝層を形成するための手段を含み、鋳造使用時に前記酸化緩衝層中の金属流速は実質的にゼロであり、前記酸化緩衝層中の内生介在物、特に酸化物の濃度は大半の金属溶融物中よりも実質的に高い、ことを特徴とする。
【0008】
特定の実施形態では、鋳造使用時に酸化緩衝層を生成するための構造は、前記床をライニングする多孔性の固定化層と、容器の壁の少なくともいくつかとを含み、前記固定化層は開口孔を有し、金属溶融物を貫通させるような直径及び表面エネルギーの細孔又は穿孔を有し、前記高多孔性の固定化層は、前記金属溶融物に対して実質的に非酸化性の材料で形成されている。金属は、固定化層において溶融状態のままか、又は固定化層において部分的若しくは完全に固体状態に変えられ得る。穿孔は層を通るチャネル又は通路であり、流体が層の一方の側から他方の側に通過することを可能にする。この固定層の孔又は穿孔に入り込む金属溶融物は、ケージのように機能する多孔性又は穿孔構造に捕えられ、流速は実質的にゼロになる。金属溶融物は冶金容器の壁及び床をライニングする耐火材料と密接に接触し、前記耐火材料は、内生介在物の形成のための反応物質の主な供給源として確認されているため、周囲空気の拡散により、又はその構成要素のいくつかの反応により、固定化層中に捕捉された金属層は、大半の金属溶融物よりもはるかに高い濃度の内生介在物を含む。
【0009】
穿孔された若しくは高多孔性の固定化層又はハニカム構造体は、マグネシア、アルミナ、ジルコニア、ムライト、及びこれらの材料の組み合わせなどの材料で形成されていてもよい。
【0010】
本発明の別の特定の実施形態では、多孔性又は穿孔構造は、貫通孔の方向に直交し、細孔又は穿孔領域の数値が異なる複数の平面領域を有するように構成される。本発明のこの実施形態の一例では、多孔性又は穿孔構造は、細孔又は穿孔構造の一方の面に隣接する、より大きい細孔又は穿孔断面積、及び細孔又は穿孔構造の他方の面に隣接する細孔又は穿孔断面積を有する個々の細孔又は穿孔を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の様々な実施形態を、添付の図面に示す。
図1】典型的な連続金属鋳造ラインの様々な構成要素を概略的に示す。
図2】本発明による冶金容器の幾何学的形状を記述する際に使用される用語の定義を概略的に示す。
図3】本発明によるライニング構造を含む冶金容器の斜視図である。
図4】本発明による冶金容器の壁又は床からの距離の関数としての、金属流量、Q及び酸化鉄濃度の概略図を示す。
図5】本発明による冶金容器の幾何学的形状を記述する際に使用される用語の定義を概略的に示す。
図6】本発明のライニングの穿孔構造の鋳造に使用するための犠牲構造の一部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1の鋳造装置(10)の描写から分かるように、タンディッシュには、容器の一方又は両方の端、且つ、金属溶融物(12)が取鍋(14)から供給される箇所から離れて概して位置する一つ又は複数の流出口が概して設けられている。金属溶融物は、取鍋弁(16)及び取鍋ノズルシステム(18)を通って前記取鍋(14)を出てタンディッシュ(20)に入り、タンディッシュバルブ(24)及びタンディッシュノズルシステム(26)を通ってタンディッシュ(20)を出て鋳型(28)に入る。タンディッシュは、開いた蛇口と開いた流出口を備えた浴槽とよく似た振る舞いをし、タンディッシュ内に金属溶融物の流れを作り出す。これらの流れは、金属溶融物の均質化に寄与し、また、あらゆる介在物の大部分における分布にも寄与する。内生介在物に関しては、反応速度(主に酸化)が反応性分子の拡散により強く制御されると想定された。この想定は、酸素を含まない空調室内に置かれたるつぼ内に低炭素鋼溶融物を保持する実験によって確認された。前記金属溶融物にパイプを導入し、低速度で酸素を注入した。一定時間後、金属溶融物を固化させ、こうして得られたインゴットの組成を分析した。予想通り、酸化された領域は酸素パイプの流出口付近の小さな領域に限定され、酸化反応が強く拡散制御されるという推測を確認した。したがって、金属の流れを止めることができれば、酸化も止まるであろう。当然、これは、その名称が示すように、 金属溶融物の連続的な流れによって特徴付けられる連続鋳造操作では不可能である。
【0013】
本発明に至った第二の想定は、酸化反応物質が冶金容器の壁及び床に由来するということであった。特に、酸化反応物質は2つの主な供給源から来ると考えられている:
(a)屈折性ライニングの反応性酸化物、特に、オリビン((Mg、Fe)2SiO4)等のケイ酸塩;並びに、
(b)周囲から冶金容器の耐火ライニングを通って拡散し、前記容器の床及び壁面(例えば、タンディッシュ)に現れる空気及び水分。
【0014】
この第二の想定は、実験室での試験によって確認された。
【0015】
したがって、解決策は、次の二つの開始想定から進んだ:
(a)金属酸化反応速度は拡散制御されること、及び
(b)金属酸化反応物質は、冶金容器の壁及び床から溶融物に供給されること。
【0016】
本発明者らは、大半の金属溶融物中に内生介在物が形成されるのを防止するための以下の解決策を提案した。金属溶融物を形成する原子を酸化種の供給源、すなわち冶金容器の壁及び床の近くに固定することが可能であるならば、酸化されるに任されるであろう「不動態化層」又は「緩衝層」が形成されるであろうが、拡散は非常に遅く、いかなる顕著な流れもないので、酸化反応は大半の金属溶融物には広がらない。この原理が、図4に概略的に示されており、金属溶融物の流量Qは、耐火材料でライニングされた壁又は床から距離δにわたって実質的にゼロである。厚さδのこの中間相は、本明細書では「酸化緩衝層」と呼ばれる。前記層において、酸化物の濃度は、大半の金属溶融物中よりも実質的に高い。その理由は、酸化種の供給源が冶金容器の壁及び床であるからである。酸化緩衝層中の流速はほぼゼロであるので、酸化反応は拡散制御され、したがって急速に広がらない。しかしながら、前記酸化緩衝層の上では、金属溶融物の流速が増加し、酸化反応がより急速に広がるが、酸化反応物質がなければ、緩衝層の上では非常に限られた酸化反応しか起こらない。
【0017】
上記の説明では酸化反応について述べたが、Feなどの原子との反応速度も拡散制御される硫化物、窒化物、リン化物などの他の反応についても同様のことが言える。
【0018】
酸化緩衝層を形成するための様々な装置又は手段を提案することができる。第1の実施形態では、装置は、穿孔ライニング構造の形態を取る。この穿孔ライニング構造は、一体構造であってもよく、複数の構成要素から構成されてもよい。この穿孔ライニング構造は、耐火容器の床の一部又は全部をライニングするために使用することができ、耐火容器の壁の一部又は全部をライニングするために使用してよい。ライニング構造の細孔又は穿孔は、その中に金属溶融物が浸透するような直径及び表面エネルギーを有する。このライニング構造は、金属溶融物に対して実質的に非酸化性の材料でできている。
【0019】
このライニング構造は、金属溶融物、特に低炭素鋼と反応しない材料で形成されるべきである。本発明のある実施形態は、ケイ酸塩が存在しないことを特徴とする。タンディッシュフォームフィルターを形成するために使用される材料は、本発明のライニング構造を形成するのに適している。特に、ジルコニア、アルミナ、マグネシア、ムライト及びこれらの材料の組み合わせは、本発明のライニング構造を形成するのに適しており、市販されている。
【0020】
ライニング構造の細孔又は穿孔は、鋳造される金属液体に適合する壁表面エネルギーを有し、ライニング構造内並びに冶金容器の内壁及び床を形成する耐火ライニング内で金属溶融物がゲッタリングボリューム(gettering volume)に達するまで、ライニング構造の厚さを金属溶融物が通過することを可能とする。ゲッタリングボリュームは、耐火ライニングと接触している金属溶融物の面積を最大にするように構成されている。耐火ライニングと接触している金属原子は、拡散している酸素又は耐火ライニングの成分等の酸化反応物質と接触し、低炭素鋼溶融物中の生成している酸化物、特にFeOを迅速に反応させる。しかしながら、金属溶融物は、細孔又は穿孔及びゲッタリングボリューム内に閉じ込められ、流動することができない。酸化反応の拡散制御された拡散は、動かない金属溶融物においては非常に遅いので、反応はライニング構造の厚さδにわたって極めてゆっくりと伝搬する。したがって、鋳造操作よりも長い時間がかかり得る酸化反応が層の厚さδにわたって進むまで、ライニング構造を越えて流れる金属溶融物は酸化反応物質に接触されない。
【0021】
上記の説明から明らかなように、鋳造操作時にフィルタとして従来使用されていた発泡材料は、酸化緩衝層を形成するために使用され得るが、そこを金属が流入及び流出するフィルタとしては使用されず、金属の流れを制限するために使用される。本発明の一実施形態では、第1の孔すなわち第1の合計断面穿孔面積を有する第1の材料は、金属溶融物の本体と接触する第1層として使用され、第2の孔すなわち第2の開口ボリュームの合計最大断面積を有する第2の材料は、第1層とライニング構造の第3のバッキング層との間に配置される第2層として使用される。この実施形態における第2の材料の第2の孔すなわち第2の開口ボリュームの合計最大断面積は、第1の材料の第1の孔すなわち第1の合計断面穿孔面積より大きい。
【0022】
発泡体パネルの代替物として、本発明のある実施形態では、ハニカムパネルを使用することができる。ハニカムパネルは、バッキングライニングに加えて使用され、及びバッキングライニングの上に使用され、バッキングライニングの代替品としては使用されない。ハニカムセルの軸線(すなわち、一方の開口部から他方の開口部まで延びる)は、それが適用される壁または床に対して垂直でなければならない。各セルは、パネルがライニング内で使用される位置に応じて、セルが細孔又は穿孔として機能し、パネルの主平面に平行な平面内で測定して、より大きな孔又はゲッタリングボリュームの断面積を有する第2層への溶融物の流れを制御する、第1層、又はパネルのセルがゲッタリングボリュームとして機能し、合計で、上張りの第1層が有する、パネルの主平面に平行な平面内で測定した孔の総断面積よりも大きいパネルの主平面に平行な平面内で測定したゲッタリングボリュームの断面積を有する、第2層のいずれかとして機能し得る。ハニカム構造は、六角形のセルによって特徴付けられる。円形又は正方形の断面を有するセル等の他のセル形状も適している。ジルコニア、アルミナ、マグネシア、ムライト及びこれらの組み合わせをハニカムパネルに使用してよい。
【0023】
本発明の別の実施形態では、バッキング層を有する耐火容器は、容器の内部に延びるリブ又は突起を備えている。気孔又は穿孔を有する第1層は、第1層の主面がバッキング層のリブ又は突起と接触するように耐火容器の内部に設置される。リブ又は突起は、金属溶融物の本体から離れて面する第1層の主面と、金属溶融物の本体に面するバッキング層の面との間にゲッタリングボリュームが画定されるように構成される。金属溶融物の本体から離れて面する第1層の主面と、金属溶融物の本体に面するバッキング層の面との間の間隔は、1mm以上50mm以下、1mm以上30mm以下、1mm以上20mm以下、及び2mm以上30mm以下であってよい。
【0024】
本発明によれば、耐火容器のためのライニング構造は、(a)第1層の第1主面と、第1層の第1主面に対向して配置された第1層の第2主面とを有する第1層;及び(b)第2層の第1主面と、第2層の第1主面に対向して配置された第2層の第2主面とを有する第2層を備えていてよく、前記第1層の第2主面は前記第2層の第1主面と接触し、第1層は、第1層の主面から第1層の第2主面へと通過する複数の細孔又は穿孔を備え、前記第2層は、少なくとも1つのゲッタリングボリュームを備え、少なくとも1つのゲッタリングボリュームは、少なくとも1つの第1層の細孔又は穿孔と流体連通しており、前記少なくとも1つのゲッタリングボリュームは、前記第2層の第2主面と流体連通しており;そして、第1層のすべての細孔又は穿孔の合計断面積は、第2層のすべてのゲッタリングボリュームの合計最大断面積より小さい。
【0025】
特に、本発明の特定の実施形態では、第1層及び第2層は単一の一体構造を備えていてよい。ライニング構造は、ジルコニア、アルミナ、マグネシア若しくはムライト、又はこれらの材料の組み合わせで構成されていてよい。第2層における全てのゲッタリングボリュームの合計最大断面積は、第1層における全ての細孔又は穿孔の合計断面積よりも少なくとも10倍、少なくとも30倍、少なくとも100倍、少なくとも300倍、少なくとも1000倍、少なくとも3000倍、又は少なくとも10000倍大きくしてよい。第2層は、第1層の第2主面から突出する複数のスタンドオフ構造を含んでよい。第2層は、第2層の第2主面の方向に内部及び開口を有する複数のアルコーブを備えてよく、これらのアルコーブの内部はゲッタリングボリュームを含んでよい。第2層は、第2層の第2主面の方向に内部及び開口を有する複数の溝を備えてよく、これらの溝の内部はゲッタリングボリュームを含んでよい。第2層も、第1層及び第3層と連通する複数のスタンドオフ構造を備えてもよい。スタンドオフ構造は、球、円柱、円錐形断面、又は多角柱等のいずれかの適切な形状で形成されてよい。第1層及び第3層は、第1層が第3層に対して設置されたときに、スタンドオフ構造が固定されるように受容形状を備えてよい。
【0026】
本発明の特定の実施形態では、第1層は、5mm以上150mm以下の範囲、5mm以上100mm以下の範囲、10mm以上150mm以下の範囲、又は10mm以上100mm以下の範囲の厚さを有する。本発明の特定の実施形態では、第2の層は、1mm以上50mm以下の範囲、2mm以上50mm以下の範囲、5mm以上50mm以下の範囲、1mm以上25mm以下の範囲、2mm以上25mm以下の範囲、及び5mm以上25mm以下の範囲の厚さを有する。
【0027】
本発明のライニング構造は、第2層の第2主面と接触している又は連通している第3層の第1主面を有する非穿孔の第3又はバッキング層をさらに含んでよい。第2層は、第3層の第1主面から突出する複数のスタンドオフ構造から形成されてもよく、又は、これらの構造によって画定される厚さを有してもよい。
【0028】
第1層の細孔又は穿孔は、第1層の主面との交点にフレア状の形状を有してよい。細孔又は穿孔は、円形、楕円形、楕円形、正方形、長方形、多角形、平行四辺形及びレンズ形状からなる群から選択される断面形状を有してよい。細孔又は穿孔は、2mm以上50mm、2mm以上40mm以下、2mm以上25mm以下、及び2mm以上15mm以下の最小断面径を有する。細孔又は穿孔は、第1層を形成する隣接するパネル間の間隔によって画定されるチャネル又はスリットの形態をとってよく、チャネル又はスリットにより、第1層の第1主面と第1層の第2主面との間は流体連通する。
【0029】
本発明はまた、耐火容器内で前述したようなライニング構造の使用、及び内部及び外部を有する冶金容器にも関し、冶金容器の内部は前述のライニング構造を備える。
【0030】
本発明はまた、(a)前述のようなライニング構造を有する容器に溶融金属を移送すること、及び(b)溶融金属を容器から移送すること、を備える、移送中の溶融金属の酸化を最小限に抑えるための方法に関する。
【0031】
図2は、本発明によるライニング構造30を示す。第1層34は、第1層の第1主面36と、第1層の第1主面36に対向して配置された第1層の第2主面38とを有する。第2層42は、第2層第1主面44と、第2層第1主面44に対向して配置された第2層第2主面46とを有する。第1層の第2主面38は、第2層の第1主面44と接触している。第3層50は、第3層第1主面52と、第3層第1主面52に対向して配置された第3層第2主面54とを有する。第1層34は、第1層主面36から第1層の第2主面38へと通過する複数の穿孔60を備える。要素62は、図面の平面における穿孔の断面図である。第2層42は、少なくとも1つの第1層の穿孔60と流体連通する少なくとも1つのゲッタリングボリューム64を含むものとして示されている。少なくとも1つのゲッタリングボリューム64は、第2層の第2主面54と流体連通している。要素66は、図の平面におけるゲッタリングボリューム64の断面図である。
【0032】
図3は、本発明によるライニング構造を含み、内部ボリューム82を有する冶金容器80を示す。要素84は、その内部にライニング構造が含まれる、シェル、絶縁層及び耐火安全層である。要素84は、第3層又はバッキング層50と連通している。第3層又はバッキング層50は、第2層42と連通している。第2層42は、第1層34と連通している。第2層42は、複数のゲッタリングボリューム64を含む。露出した第1層の第1主面36は、内部ボリューム82とマニホールドボリューム64との間を流体連通する穿孔60を含む。使用の際、溶融金属は内部ボリューム82に導入される。溶融金属の一部は、穿孔60を通ってマニホールドボリューム64に入る。マニホールドボリューム64内の溶融金属の動きは束縛される。マニホールドボリューム64内の金属は、完全に若しくは部分的に溶融状態のままであるか、又は部分的若しくは全体的に固体状態へ相変化してもよい。溶融金属はバッキング層50により放出された種と反応してそれらが内部ボリューム82に入ることを防止し、固体金属はバッキング層50により放出される種に対する物理的障壁となるため、いずれの相の金属も本発明の動作に寄与すると考えられている。
【0033】
図4は、本発明によるライニングを含む冶金容器内の特性のグラフを示す。特性は、本発明のライニングの第3層50からの距離に関して示されており、金属溶融物の流量Qは、ライニングの第3層50からの距離δにわたって実質的にゼロであり、これは耐火材料でライニングされた壁又は床であってもよい。この厚さδの中間相は、「酸化緩衝層」と呼ばれる。この実施形態では、第2層42によって支持される第1層34の厚さに対応する。第1層34は、冶金容器の内部ボリューム82と連通している。プロットライン90は、第3層50からの距離に対する金属流速を示し、左から右へ値が増加する。プロットライン92は、第3層50からの距離に対する酸化物の濃度を示し、左から右へ値が増加する。
【0034】
図5は、本発明のライニングの断面100を示す。第1層34は、第3層50の第3層第1主面52上に支持されている第2層42によって支持されている。第1層34は、容器の内部ボリューム82とマニホールドボリューム64との間を流体連通させる穿孔60を含む。第1層内部主平面102は、第1層34内に含まれ、第3層50の第3層第1主面52に平行な平面である。第2層内部主平面104は、第2層42内に含まれ、第3層50の第3層第1主面52に平行な平面である。
【0035】
本発明の構成された穿孔構造は、バッキングライニングと接触するように犠牲構造を置いた耐火容器のバッキングライニング上に設置してよい。犠牲構造は、燃焼、熱、化学的又は物理的作用によって除去されるときに、本発明に従って機能することができる構造を有する第1層及び第2層が形成されるように構成される。犠牲構造は、セルロース系、プラスチック系、又は他の有機材料、グラファイト材料、ガラス、透過性鉱物、気体材料又は金属、及びそれらの組み合わせで構成されていてよい。犠牲構造に使用される材料は、シート、粉末、噴霧されたスラリー又はゲルの形態を取ることができる。次いで、犠牲構造を除去した後に、本発明による第1層及び第2層を提供するために、1つ又は複数の耐火材料を犠牲構造に塗布する。耐火材料は、吹き付け、スプレー、こて、鋳造、乾式振動の適用、ショットクリート、グラウト、注入、注入、又は予め形成された部品を置くことによって塗布してよい。次いで、必要に応じて、耐火材料を乾燥し、硬化させ、又は安定化させ、それらを固化させる。次いで、得られた層状構造は、物理的又は化学的作用に曝されて、犠牲構造を除去又は変形させて、冶金容器の内部と流体連通し得るマニホールドボリュームを第2層に生成する。
【0036】
本発明の構成された穿孔構造は、第1層として機能する予備成形された構造を提供し、第3層の近傍に予備成形された構造を置くことによって、耐火容器のバッキングライニング上に設置してよい。第1層及び第3層は、第1層から突出したスタンドオフ、第3層から突出したスタンドオフ、又は第1層と第3層の間に配置されたスペーサを介して互いに連通してよい。第2層は、第1層と第3層との間に形成され、マニホールドボリュームは、スタンドオフ、スペーサ又は他の支持構造によって占められていない第2層のボリューム内に形成される。スタンドオフ、スペーサ又は他の支持構造は、0.25mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm及び10mm以上、5mm、6mm、7、mm、8mm、9mm、10mm、15mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、80mm、90mm及び100mm以下の厚さを有する第2層となるように配置されてもよい。
【0037】
第1層の穿孔は、金属溶融体の本体から第1層を通って第2層のマニホールドボリュームへ流れることを可能にするいずれの構造も有してよい。第1層の穿孔は、本発明に従ってそれらを機能させることができるいずれの形態も、又は形態の組み合わせも取ることができる。穿孔は、円柱形、角柱形又は円錐台形を有する。穿孔は、第1層の第1面との交差部において斜め、円錐、直角又は丸みのある輪郭を有してよい。第1層の穿孔は、第1層が隣接する一連のパネルを含む構成において、隣接するパネル間に形成されたチャネル又はスリット又はギャップの形態を取ることができる。チャネル又はスリット又はギャップが連続的なネットワークを形成してもよい。1対の隣接するパネルを分離する個々のチャネル又はスリット又はギャップは、連続的であっても不連続的であってもよい。これらのパネルには、第3の層に向けられていてよいスタンドオフが設けられていてもよい。穿孔は、機械的方法、例えば犠牲材料の除去、打ち抜き、又は穿孔によって形成してよい。
【0038】
第1層における穿孔は、第3層と連通する犠牲構造と併せて又はそれなしで、第3層に適用される一体の材料に犠牲材料を提供することによって形成されてもよい。次いで、犠牲材料及び犠牲構造は、前述の方法によって除去又は変形されてもよい。
【0039】
第2層のマニホールドは、第1層と第3層との間の間隔が円柱形、円錐中実形、直角プリズム形、多角形プリズム形、球形又はリブによって維持されるボリュームの形を取ることができる。
【0040】
図6は、本発明による構成された穿孔構造を形成するために使用され得る犠牲構造110を示す。犠牲構造は、第1層穿孔パターン114と連通する犠牲マニホールドパターン112を含む。犠牲マニホールドパターン112は、第1層と耐火容器に設置された第3層との間を連通させる第2層スタンドオフ穿孔116を含んでよい。使用時には、犠牲構造110は、犠牲マニホールドパターン112が第3層と連通するように、第3層と連通するように置かれる。次いで、耐火材料を第1層の穿孔パターン上に鋳造して、第1層の穿孔パターン114の構成要素間に第1層パネルを形成し、鋳造材料が第2層のスタンドオフ穿孔116を満たすようにする。あるいは、犠牲構造110は、第3層からの突出部が第2層スタンドオフ穿孔116の少なくとも一部を占めるように、第3層と嵌合するように構成されてもよい。第2層スタンドオフ穿孔116を充填する鋳造材料は、構成された穿孔構造の第1層と耐火容器ライニングの第3層との間にスタンドオフ構造を形成する。次いで、犠牲材料は、前述の方法によって除去されてもよい。第1の層の穿孔パターン114の空のボリュームを充填する鋳造材料から生じる、構成された穿孔構造の第1層は、隣接するパネル構造の間にチャネル又はスリット又はギャップの形態を取ってよい穿孔を含む。チャネル又はスリット又はギャップは、パネル構造の端部に沿って連続していてもよく、不連続であってもよい。チャネル又はスリット又はギャップは、パネル間の間隔を0.1mm以上10mm以下、0.5mm以上10mm以下、1mm以上10mm以下、2mm以上10mm以下、5mm以上10mm以下、0.1mm以上20mm以下、0.5mm以上20mm以下、1mm以上20mm以下、2mm以上20mm以下、5mm以上20mm以下、0.1mm以上30mm以下、0.5mm以上30mm以下、1mm以上30mm以下、2mm以上30mm以下、及び5mm以上30mm以下に画定してよい。スリットは、細長い開口部である。スリットは、スリットの幅よりも大きいオーダーの長さを有してよい。
【0041】
本発明に従って構成された容器は、冶金プロセスに使用することができる。
使用方法は、本発明によるライニングを有する容器に溶融金属を導入すること、続いて溶融金属をノズルを通して容器から除去すること、を含んでよい。
【0042】
実施例1
【0043】
一過性(又は犠牲)内側(又は第2)層でライニングされた多層タンディッシュのサンプルパネルを準備した。一過性内側層は、パネルの製造中に第1(又は外側)層及び第3(又はバッキング)層を分離するように構成される。
【0044】
犠牲層は、ポリスチレンシート、発泡ポリエチレンシート、厚紙、発泡ポリマー若しくは波形シート、又は2000度F(1100℃)未満で燃焼し、最小限の残留物を残す類似の材料から形成してよい。記載された特定の実施例では、各面に波形を有する厚紙(ヘビーデューティーBフルート)を使用した。段ボールの両側の波形の高さは約3mmであった。
【0045】
鋼製の入口穴形成器を使用して、段ボールに穴を形成した。段ボールの平面に対して垂直な穴に直径3mm及び長さ38mmの木製ダボを挿入した。
【0046】
試験のために5枚のパネルを準備した。
【0047】
ベースパネルは、スチールタンディッシュ内の安全ライニングとして使用される材料と同様の超低セメントアルミナキャスタブルから調製された。各ベースパネルの寸法は、36インチ×24インチ×5インチ(90cm×60cm×12.5cm)であった。最初に、Basiliteスプレー装置を用いてタンディッシュライニング材料(Basilite、70重量%超のマグネシアを含む軽量マグネサイトベースのスプレー材料)をベースパネル上に約1インチ(2.5cm)の厚さにスプレーした。次に、表1に従って異なる開口形状を有する犠牲層シート(20インチ×12インチ、又は50cm×30cm)を、バシライト(Basilite)ライニングにしっかりと押し付けた。次に、アルミナ系材料(アルミナ80重量%超)を約1インチ(2cm)の厚さで全面にスプレーした。
【0048】
2つの別個の横並びの犠牲層シート(パネル2、3及び4)が使用されたパネルでは、横並びの犠牲層シートは、約1インチの間隔で隔てられるように配置された(2.5cm)。
【0049】
選択されたパネルの構築において、矩形の開口が犠牲層シートに設けられた。犠牲層シートの長方形の開口部は、1インチ×6インチ(2.5cm×15cm)と測定された。これらの開口部のボリュームは、パネルの構築の間に耐火材料で充填されていたので、犠牲層シートの各面と接触するライニング間は開口部を介して直接接触した。
【0050】
【表1】
【0051】
パネル1、2、3、及び4は、アルミナスプレーを噴霧した後に無傷のままであった。パネル5では、噴霧されたアルミナが下方にスライドし始めた。パネル5のアルミナ面に目に見える亀裂が生じた。
【0052】
3時間の熱風乾燥の後、全てのパネルを垂直に持ち上げ、炉床まで移動させた。
【0053】
パネル5の場合のように、濡れていて支持されていないときに、段ボールの剥離及び平坦化が起こることが観察された。Basiliteライニングの面の平坦度は、一過性層を適切に配置する上で重要である。アルミナベースの層をスプレーした後に穴を開け、孔にダボを入れることは、Basilite層をスプレーした後に段ボールを支える場合にのみ機能し得る。
【0054】
次いで、パネルを炉床上に置き、華氏900度(摂氏480度)で乾燥させた。焼成後、パネル1及び2は顕著な分離割れを示さなかった。パネル3、4及び5は、主にベースパネルであるBasilite界面での割れの亀裂を示した。
【0055】
ギャップ連続性のチェックをパネル2で行った。パネルの第1(又は外側)層に形成された開口にインクを導入した。インクは、パネルの第1層に形成された他の開口に流れ、犠牲層を除去することによって形成された領域全体に広がるゲッタリングボリュームのネットワークが形成されることが確認された。
【0056】
バキュライトとアルミナの結合強度の低下は、一過性層の矩形スロットによって生成された接触領域で観察された。
【0057】
実施例2
【0058】
多層材料の一部を実施例1の記載に従って形成されたパネルから除去し、2000°F(1100℃)で2時間焼成するように設定した。段ボールの一過性層は、焼成後に9重量%の残渣を残すことが分かり、90.8重量%のLOI(点火損失)値を有する。残渣は、15.51重量%のAl23、23.84重量%のSiO2、51.32重量%のCaO、3.15重量%のMgO、0.70重量%のNa2O、0.330重量%のP25、1.63重量%のFe23、0.62重量%のK2O、0.019重量%のCr23、1.020重量%のTiO2、及び0.053重量%のZrO2を含有した。
【0059】
一過性内層は、パネルが燃焼された後、灰又は他の残渣に変換される。この場合、残渣の大部分は、段ボールの製造に使用される加工添加剤から生じたものである。
【0060】
本発明の多くの修正及び変形が可能である。 したがって、以下の特許請求の範囲内において、本発明は、具体的に記載された以外の方法で実施されてもよいことが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6