特許第6761176号(P6761176)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6761176
(24)【登録日】2020年9月8日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】衣類
(51)【国際特許分類】
   A41B 9/06 20060101AFI20200910BHJP
   A41B 9/02 20060101ALI20200910BHJP
   A41B 9/04 20060101ALI20200910BHJP
   D04B 1/00 20060101ALI20200910BHJP
   D04B 21/14 20060101ALI20200910BHJP
【FI】
   A41B9/06 D
   A41B9/02 L
   A41B9/04 Z
   D04B1/00 B
   D04B21/14 Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-194304(P2016-194304)
(22)【出願日】2016年9月30日
(65)【公開番号】特開2018-53413(P2018-53413A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】306033379
【氏名又は名称】株式会社ワコール
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 勝
(72)【発明者】
【氏名】北川 由香
(72)【発明者】
【氏名】立入 めぐみ
(72)【発明者】
【氏名】岡本 智子
【審査官】 塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−104613(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3124395(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3058840(JP,U)
【文献】 特開2010−133036(JP,A)
【文献】 特開2005−256209(JP,A)
【文献】 特開2002−105815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41B 9/00−9/16
A41C 3/00−3/14
D04B 1/00−1/28
D04B 21/00−21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面、裏面、及び前記表面と裏面とを接結する接結部によって構成された本体部を備え、
前記本体部は、曲線部分を含む境界線によって区分された複数の構成部分を含み、
前記接結部の密集度が異なることにより、前記複数の構成部分の回復力が互いに異なっている衣類。
【請求項2】
前記本体部は、前記接結部の密集度が0となることによって前記表面と前記裏面とが分離した構成部分を含む請求項1記載の衣類。
【請求項3】
前記本体部は、着用者のバストを覆うバスト部を有し、
回復力が他の構成部分よりも相対的に低い構成部分が前記バスト部に対応して設けられている請求項1又は2に記載の衣類。
【請求項4】
前記本体部は、着用者のヒップを覆うヒップ部を有し、
回復力が他の構成部分よりも相対的に低い構成部分が前記ヒップ部に対応して設けられている請求項1又は2に記載の衣類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衣類を構成する編み組織として、例えば特許文献1に記載の接結二重編物がある。この従来の編み組織では、一方の編地の各コースのケーブルに他方の編地の各コースのループをクロスさせて形成した接結部によって、表裏二面の編地の全体或いは一部を一体化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60−065154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、締付感が小さくて動き易く、かつ動作時の安定感にも優れ、日常の様々なシーンに対応できる衣類の開発が進められている。締付感の緩和と動作安定感とを両立させるためには、衣類の任意の位置での回復力を自在に調整できる技術が必要となっている。
【0005】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、締付感が小さくて動き易く、かつ動作時の安定感にも優れた衣類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る衣類は、表面、裏面、及び表面と裏面とを接結する接結部によって構成された本体部を備え、本体部は、曲線部分を含む境界線によって区分された複数の構成部分を含み、接結部の密集度が異なることにより、複数の構成部分の回復力が互いに異なっている。
【0007】
この衣類では、表面と裏面とを接結する接結部の密集度の違いによって、本体部の構成部分の回復力が自在に調整されている。回復力が相対的に高い構成部分と、回復力が相対的に低い構成部分とを本体部の所望の位置に配置し、これらの構成部分の境界線に曲線部分を含めることで、締付感が小さくて動き易く、かつ動作時の安定感にも優れた衣類を構成することができる。
【0008】
また、本体部は、接結部の密集度が0となることによって表面と裏面とが分離した構成部分を含んでいてもよい。この場合、表面と裏面との間にパッドなどの機能性部材を配置することで、衣類の機能を高めることが可能となる。
【0009】
また、本体部は、着用者のバストを覆うバスト部を有し、回復力が他の構成部分よりも相対的に低い構成部分がバスト部に対応して設けられていてもよい。この場合、回復力が相対的に高い構成部分によって着用者のバスト周りが保持され、バスト下部を安定させることができる。また、回復力が相対的に低い構成部分によってバスト部が着用者のバストに面として沿うため、フィット感を高めることができる。
【0010】
また、本体部は、着用者のヒップを覆うヒップ部を有し、回復力が他の構成部分よりも相対的に低い構成部分がヒップ部に対応して設けられていてもよい。回復力が相対的に高い構成部分によって着用者のヒップ周りが保持される。また、回復力が相対的に低い構成部分によってヒップ部が着用者のヒップに面として沿うため、フィット感を高めることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、締付感が小さくて動き易く、かつ動作時の安定感にも優れた衣類を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一側面に係る衣類の概略構成を示す図である。
図2】第1実施形態に係る衣類を正面側から見た図である。
図3】(a)(b)は、比較例に係る衣類の着用状態を示す概略図である。
図4】実施例に係る衣類の着用状態を示す概略図である。
図5】第2実施形態に係る衣類を背面側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の一側面に係る衣類の好適な実施形態について詳細に説明する。
[衣類の概略構成]
【0014】
図1は、本発明の一側面に係る衣類の概略構成を示す図である。同図に示すように、衣類1は、表面2、裏面3、及び表面2と裏面3とを接結する接結部4によって構成された本体部5を有している。表面2は、着用状態において外側を向く面であり、裏面3は、着用状態において肌側を向く面である。接結部4によって接結された状態においては、表面2及び裏面3は、一体の身生地を構成する。
【0015】
表面2及び裏面3を構成する編組織としては、例えばフライス、スムース、トリコット、ラッセル等が挙げられる。表面2を構成する編組織と裏面3を構成する編組織は、同一であってもよく、異なるものであってもよい。
【0016】
接結部4は、例えばジャガード編み機を用い、裏面3を構成する糸に表面2を構成する糸を引っ掛けることによって構成されている。接結部4の密集度は、裏面3を構成する糸のコースに対し、表面2を構成する糸による接結のピッチを変えることで任意に調整可能となっている。なお、接結部4は、表面2を構成する糸に裏面3を構成する糸を引っ掛けることによって構成してもよく、表面2を構成する糸と裏面を構成する糸とを互いに異なる糸によって構成してもよい。
【0017】
図1に示す例では、接結部4の密集度が互いに異なる3つの構成部分6A,6B,6Cが本体部5に形成されている。構成部分6A,6Bの境界線R1及び構成部分6B,6Cの境界線R2は、衣類1の平面視において曲線部分を含んで構成されている(図2,5参照)。構成部分6Aでは、接結部4の密集度が最も高くなっており、構成部分6Bでは、接結部4の密集度が構成部分6Aの半分程度となっている。また、構成部分6Cでは、接結部4が設けられておらず、接結部4の密集度が0となっている。構成部分6Cでは、接結部4が設けられていないため、表面2及び裏面3が分離した状態となっている。構成部分6Cが接結部4のある構成部分6B等と連続することで、構成部分6Cでは、表面2及び裏面3との間に空間Sが形成されている。
【0018】
構成部分6A,6B,6Cの回復力は、接結部4の密集度に依存する。すなわち、本体部5では、構成部分6Aの回復力が最も高く、次いで構成部分6Bの回復力が高く、構成部分6Cの回復力が最も低くなる。回復力は、例えば定速伸長形引張試験機を用いた伸長・回復性試験により測定することができる。この場合、定速伸長形引張試験機に生地(試験片)を取り付け、設定された伸度に達するまで一定の速度で試験片の伸長・回復を行い、試験片の回復力を測定する。なお、回復力は、緊迫力と称してもよい。
【0019】
このような衣類1では、表面2と裏面3とを接結する接結部4の密集度の違いによって、本体部5の構成部分6A,6B,6Cの回復力が自在に調整されている。回復力が相対的に高い構成部分と、回復力が相対的に低い構成部分とを本体部5の所望の位置に配置し、これらの構成部分の境界線に曲線部分を含めることで、締付感が小さくて動き易く、かつ動作時の安定感にも優れた衣類1を構成することができる。
[第1実施形態]
【0020】
図2は、第1実施形態に係る衣類を正面側から見た図である。同図に示す衣類は、図1のコンセプトを適用した女性用の上半身衣類11である。以下の説明では、便宜上、上半身衣類の着用状態を想定して「上」「下」等の用語を使用する。
【0021】
上半身衣類11は、図1に示したように、表面2、裏面3、及び表面2と裏面3とを接結する接結部4によって構成された本体部5を有している。本体部5は、例えばバスト部12と、胴部13と、左右のストラップ部14とを含み、着用者の上半身を覆うように構成されている。
【0022】
バスト部12は、着用者のバストを覆うように設けられている。バスト部12では、接結部4の密集度が0となっており、バスト部12と胴部13との境界線Rにおいて、表面2と裏面3とが二股に分離した状態となっている(図4参照)。したがって、バスト部12における裏面3の回復力は、本体部5の他の部分の回復力に比べて低くなっている。バスト部12における裏面3の回復力は、例えば5cN〜15cN程度となっている。
【0023】
バスト部12において、表面2と裏面3との間の空間Sには、例えばウレタンなどの弾性材料を用いて左右一体に形成されたパッド15が配置されている。パッド15の形状に特に制限はなく、左右が別体のパッドが空間Sに配置されていてもよい。
【0024】
バスト部12と胴部13との境界線Rは、曲線部分を含んで構成されている。バスト部12の上縁側の境界線Raは、本体部5の首刳りに沿って下方に湾曲すると共に、左右のストラップ部14の前側の端部を横切るように直線状に延びている。境界線Rのうち、左右のストラップ部14を横切る部分Rbでは、空間Sが開放されている。この開放部分は、パッド15の挿抜口として用いられる。バスト部12の脇縁側の境界線Rcは、本体部5の袖刳りに沿って前中心側に緩やかに湾曲している。また、バスト部12の下縁側の境界線Rdは、パッド15の下縁形状に対応するように下方に湾曲した状態となっている。なお、境界線Ra,Rcは、実際に衣類の端部と一致するが、図2では便宜上、衣類の端部の内側に図示している。
【0025】
胴部13は、着用者の腹部、背部を覆うように設けられている。胴部13では、表面2と裏面3とが所定の密集度の接結部4によって接結されており、バスト部12に比べて高い回復力を呈するようになっている。伸長・回復性試験による胴部13の80%伸度における回復力は、例えば10cN〜30cN程度となっている。また、バスト部12における裏面3の回復力と、胴部13の回復力との比は、1:2〜1:6程度となっていることが好ましい。
【0026】
ストラップ部14は、バスト部12の上脇部分と、胴部13の背中側の上脇部分とを繋ぐように帯状に設けられている。ストラップ部14は、例えば本体部5の表面2のみがバスト部12の上側部分から胴部13の背中側の上脇部分に延びることによって構成されている。ストラップ部14は、着用者の両肩にそれぞれ正面から背面にかけて掛け渡され、上半身衣類11の装着がサポートされる。
【0027】
以上のような上半身衣類11では、回復力が相対的に高い胴部13によって着用者のバスト周りが保持され、バスト下部を安定させることができる。また、胴部13内において、接結部4の密集度を変化させることで、部位によって回復力に変化を持たせることも可能となる。さらに、上半身衣類11では、回復力が相対的に低いバスト部12が着用者のバストに面として沿うため、着用時のフィット感を高めることができる。バスト部12の下縁側の境界線Rdがパッド15の下縁形状に対応しているので、パッド15の位置ずれも防止できる。
【0028】
なお、上半身衣類11は、接結部4の密集度を0とした筒状の編地を編成してバスト部12より上方の部分及び背部上方の部分を形成した後、裁断によって首刳り部及び袖刳り部を形成し、上縁側の境界線Ra及びバスト部12の脇縁側の境界線Rcを含む首刳り部及び袖刳り部をパイピング処理することによって構成してもよい。
【0029】
また、上半身衣類11は、成形編みによって首刳り部及び袖刳り部を予め形成した状態で編成し、バスト部12のみ接結部4の密集度を0とすると共に、他の部分を接結部4によって表面2と裏面3とを接結することによって構成してもよい。この場合、例えば裁断によってバスト部12の裏面3にパッド挿入用のスリットを設けてもよい。
【0030】
図3は、比較例に係る衣類の着用状態を示す概略図である。図3(a)は、従来の典型的なカップ付きキャミソール101の着用状態を例示したものである。このカップ付きキャミソール101では、身生地102がバストの上部で折り返され、当該折返部分にカップ103が縫着されている。また、カップ103の下縁部には、テープ104が設けられている。このカップ付きキャミソール101では、カップ103及びテープ104によって着用者のバストの造形性及び動作安定感が確保されるが、テープ104がアンダーバストに当たることによる締付感や違和感が生じるおそれがある。
【0031】
また、図3(b)は、従来の典型的なカップ付き肌着の着用状態を例示したものである。このカップ付き肌着111では、身生地112に合わせた肌側生地113が身生地112の裏側に縫着され、身生地112と肌側生地113との間にカップ114が配置されている。また、カップ付き肌着111では、上記のカップ付きキャミソール101とは異なり、カップ114に対してテープは設けられていない。このようなカップ付き肌着111では、テープによる締め付けがないため、全体的にゆとりのある着用感となる。しかしながら、アンダーバストがカップ114から浮き、バストの造形性及び動作安定感が得られ難いという問題がある。
【0032】
以上のような比較例に係る衣類は、バスト部(特にアンダーバスト)の締め付けを相対的に強くし、バスト部より下側の部分の締め付けを相対的に弱くする、というパワーバランスを有している。これに対し、本実施形態に係る上半身衣類11は、比較例に対してパワーバランスが逆転している。すなわち、上半身衣類11では、図4に示すように、回復力が相対的に高い胴部13によってバスト下部が安定すると共に、回復力が相対的に低いバスト部12がバストの全体に面でフィットする。
【0033】
したがって、上半身衣類11では、バストの動きにバスト部12が追従し、弱いパワーでもアンダーバストの浮きを抑制できるため、バストの動作時の安定感を確保することが可能となる。また、上半身衣類11では、比較例に係る衣類とは異なり、テープによる線状の締め付けや違和感が生じることもない。さらに、裏面3が胴部13からバスト部12にかけて平坦に連続するため、胴部13とバスト部12との境界線Rの近傍の肌当たりにも優れたものとなる。
【0034】
なお、本実施形態では、帯状のストラップ部14を有する、いわゆるタンクトップ形状の上半身衣類を例示したが、これに限られるものではない。例えば帯状のストラップ部14に代えて、別部材のテープを本体部に縫着したストラップ部、或いは本体部からパイピングを延在させることによって形成したストラップ部を用い、カップ付きキャミソールとすることもできる。
[第2実施形態]
【0035】
図5は、第2実施形態に係る衣類を背面側から見た図である。同図に示す衣類は、図1のコンセプトを適用した下半身衣類21である。同図の例では、下半身衣類21は、例えば女性用のボトム衣類として構成されている。
【0036】
下半身衣類21は、図1に示したように、表面2、裏面3、及び表面2と裏面3とを接結する接結部4によって構成された本体部5を有している。本体部5は、例えばヒップ部22と、腰部23と、脚部24とを含み、着用者の股部を覆うように構成されている。
【0037】
ヒップ部22は、着用者のヒップを覆う部分である。ヒップ部22は、少なくとも着用者のヒップトップ位置を覆うように構成されている。ヒップ部22では、接結部4の密集度が0となっており、ヒップ部22とヒップ部22を除く本体部5の他の部分26との境界線Rにおいて、表面2と裏面3とが二股に分離した状態となっている。したがって、ヒップ部22における裏面3の回復力は、本体部5の他の部分26の回復力に比べて低くなっている。伸長・回復性試験によるヒップ部22の裏面3の80%伸度における回復力は、例えば5cN〜15cN程度となっている。
【0038】
ヒップ部22と本体部5の他の部分26との境界線Rは、曲線部分を含んで構成されている。ヒップ部22の脇側の境界線Reは、着用者のヒップの脇側を通るように、腰部23から脚部24に向かって延びている。ヒップ部22の下縁側の境界線Rfは、着用者の臀溝のライン周辺を通るように、境界線Rの下端から脚部24の内側上部に向かって緩やかに湾曲している。
【0039】
腰部23は、着用者の腰周りを覆う部分である。また、脚部24は、着用者の太腿を覆う部分である。脚部24の長さ(丈の長さ)は、特に制限はなく、脚部24の裾が着用者の膝上に位置してもよく、膝下に位置していてもよい。腰部23及び脚部24を含め、ヒップ部22を除く本体部5の他の部分26では、表面2と裏面3とが所定の密集度の接結部4によって接結されており、ヒップ部22に比べて高い回復力を呈するようになっている。伸長・回復性試験による他の部分26の80%伸度における回復力は、例えば15cN〜30cN程度となっている。ヒップ部22における裏面3の回復力と、本体部5の他の部分26の回復力との比は、1:2〜1:6程度となっていることが好ましい。
【0040】
以上のような下半身衣類21では、回復力が相対的に高い本体部5の他の部分26によって着用者のヒップ周りが保持される。また、下半身衣類21では、回復力が相対的に低いヒップ部22が着用者のヒップに面として沿うため、フィット感を高めることができる。
【0041】
なお、図5に示した形態のように、ヒップ部22において表面2と裏面3との間の空間Sに、例えばウレタンなどの弾性材料を用いて左右一体に形成されたパッド25を配置してもよい。パッド25の形状に特に制限はなく、左右が別体のパッドが空間Sに配置されていてもよい。また、例えばヒップ部22において、本体部5の他の部分26の接結部4の密集度よりも小さい密集度で形成した接結部4によって表面2と裏面3とを接結してもよい。この場合であっても、ヒップ部22の回復力が本体部5の他の部分26の回復力よりも低くなるため、締付感が小さくて動き易く、かつ動作時の安定感にも優れた下半身衣類21を構成できる。
【0042】
また、図5に示した形態では、接ぎ線(縫着線)を図示していないが、左右の身頃を後中心で縫着することによって下半身衣類21を構成してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1…衣類、2…表面、3…裏面、4…接結部、5…本体部、6A〜6C…構成部分、11…上半身衣類(衣類)、12…バスト部(構成部分)、13…胴部(構成部分)、21…下半身衣類(衣類)、22…ヒップ部(構成部分)、26…他の部分(構成部分)、R…境界線。
図1
図2
図3
図4
図5