(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
a)50〜300nmの平均粒子サイズを有するポリマー粒子、及びb)2〜30μmの平均粒子サイズを有するポリマービーズの水性分散液を含む組成物であって、前記ポリマー粒子及び前記ポリマービーズが、0.1〜5重量パーセントのリン酸モノマーの構造単位を含む、前記組成物。
前記ポリマービーズは、硬質相及び軟質相を含み、前記硬質相に対する前記軟質相の重量比は、1:1〜10:1であり、ポリマー粒子に対するポリマービーズの重量比は、30:70〜70:30である、請求項2に記載の組成物。
1重量パーセント未満の顔料を含み、前記ポリマービーズ及びポリマー粒子は、それぞれ、0.2〜3重量パーセントのホスホエチルメタクリレートの構造単位で官能化されている、請求項6に記載の組成物。
アクリルまたはスチレン−アクリルポリマーフィルム及び2〜30μmの平均粒子サイズを有するポリマービーズを含むクリアマット仕上げでコーティングされた皮革基体を含む物品であって、前記アクリルもしくはスチレン−アクリルポリマーフィルム及び前記ポリマービーズが、0.1〜5重量パーセントのリン酸モノマーの構造単位を含む、前記物品。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明は、一態様において、a)50〜300nmの平均粒子サイズを有するポリマー粒子、及びb)2〜30μmの平均粒子サイズを有するポリマービーズの水性分散液を含む組成物であって、ポリマー粒子またはポリマービーズあるいはその両方が、0.1〜5重量パーセントのリン酸モノマーの構造単位を含む組成物を提供することにより、当該技術における必要性に対応する。
【0006】
「構造単位」という用語は、本明細書において、重合後の列挙されたモノマーの残りを説明するために使用される。例えば、メチルメタクリレートの構造単位は、以下に示される通りである。
【0008】
式中、点線は、ポリマー骨格への構造単位の結合点を表す。
【0009】
同様に、ホスホエチルメタクリレートの構造単位は、以下に示される通りである。
【0014】
本発明の組成物は、別個に合成されたポリマービーズ及びポリマー粒子の水性分散液を組み合わせることにより、有利に調製される。ビーズの水性分散液は、米国特許出願公開第2013/0052454号、米国特許第4,403,003号、米国特許第7,768,602号、及び米国特許第7,829,626号において開示されているもの等の様々な方法により調製され得る。ビーズの水性分散液は、好ましくは、漸次的添加プロセスを使用した多段階熱重合により調製される。
【0015】
好ましいプロセスの第1のステップにおいて、界面活性剤、懸濁安定剤、及び水が、a)油溶性開始剤、b)室温でフィルム形成ホモポリマーを形成する1種以上の第1のモノエチレン性不飽和アクリレートモノマー(すなわち、低T
gモノマー)を含む第1のモノマー、及びc)任意選択で多エチレン性不飽和モノマーと組み合わされる。界面活性剤は、好ましくは、C
10〜C
14アルキルベンゼンスルホネートのナトリウム塩等のアニオン性界面活性剤である。好適な懸濁安定剤の例は、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、及びゼラチンを含み、好適な油溶性開始剤の例は、過酸化ラウロイル(LPO)及び過酸化ベンゾイル(BPO)を含み、好適な第1のモノエチレン性不飽和アクリレート低T
gモノマー(複数種可)の例は、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、及び2−エチルヘキシルアクリレート、ならびにそれらの組み合わせを含む。好ましくは、アリルメタクリレート、トリメチオールプロパントリアクリレート、トリメチオールプロパントリメタクリレート、またはジビニルベンゼン等の多エチレン性不飽和モノマーもまた、この第1のステップにおいて共重合される。
【0016】
より好ましくは、界面活性剤、全モノマーの重量を基準として好ましくは0.2重量パーセントから、より好ましくは0.5重量パーセントから、好ましくは5重量パーセントまで、より好ましくは3重量パーセントまでのHEC、及び水が、第1のステップにおいて、a)過酸化ラウロイルまたは過酸化ベンゾイル、b)ブチルアクリレートまたは2−エチルヘキシルアクリレートあるいはそれらの組み合わせ、及びc)アリルメタクリレートと組み合わされ、アリルメタクリレートに対するブチルアクリレートまたは2−エチルヘキシルアクリレートあるいはそれらの組み合わせの重量比は、99:1から、より好ましくは98:2から、好ましくは92:8まで、より好ましくは94:6までの範囲内である。
【0017】
第1のモノマー(複数種可)は、乳化及びポリッシュされ、次いで以下のように漸次的添加により熱重合される。水、界面活性剤、レオロジー調整剤、及びポリッシュエマルションの混合物は、反応器に供給され、75℃〜90℃で、第1のモノマー(複数種可)を重合させるのに十分な時間加熱及び維持され、その後、1種以上の第2のモノエチレン性不飽和アクリレートまたはスチレンモノマーを含む1種以上の第2のモノマーが、未処理またはエマルションの形態で添加される。第2のモノエチレン性不飽和モノマー(複数種可)は、好ましくは、重合された場合に室温でフィルム形成性ではないモノマー(すなわち、高T
gモノマー)を含む。好適な好ましい第2のモノエチレン性不飽和モノマーの例は、スチレン及びメチルメタクリレートを含む。好ましくは、第2のモノマーは、a)スチレンまたはメチルメタクリレートあるいはそれらの組み合わせ、及びb)リン酸モノマー、好ましくはホスホエチルメタクリレートを含む。最も好ましくは、第2のモノマーは、メチルメタクリレート及びホスホエチルメタクリレートを、99.5:0.5、より好ましくは99:1から、92:8まで、より好ましくは94:6まで、最も好ましくは96:4からの重量比で含む。
【0018】
第2のモノマー(複数種可)に対する第1のモノマー(複数種可)の比は、好ましくは、1:1から、より好ましくは2:1から、10:1まで、より好ましくは8:1まで、最も好ましくは6:1までの範囲内である。ポリマービーズは、好ましくは、Foxの式により計算されるような40℃超のT
gにより特徴付けられる硬質ドメイン、及び、Foxの式により計算されるような25℃未満のT
gにより特徴付けられる軟質ドメインを有する。好ましくは、硬質ドメインに対する軟質ドメインの重量比は、1:1から、より好ましくは2:1から、10:1まで、より好ましくは8:1までである。より好ましくは、硬質ドメインは、リン酸基で官能化されている。
【0019】
得られるポリマービーズは、2000uPモジュールを装備したMalvern Mastersizer 2000 Analyzerにより測定されるような、2μmから、より好ましくは5μmから、30μmまで、より好ましくは20μmまで、最も好ましくは15μmまでの平均粒子サイズを有する。
【0020】
本発明の組成物において使用されるポリマー粒子(ラテックス)の安定な水性分散液は、好ましくは、エマルション重合により便利に調製され得るアクリルまたはスチレン−アクリルラテックスである。ラテックスは、単一段階または複数段階で調製されてもよく、好ましくは2段階プロセスで調製される。好ましい2段階プロセスの例において、リン酸モノマー、好ましくはホスホエチルメタクリレートは、第1段階において、低T
gモノマー、好ましくはエチルアクリレート、ブチルアクリレート、または2−エチルヘキシルアクリレート、及び任意選択で、アクリル酸またはメタクリル酸等のカルボン酸モノマーと、第1段階ポリマー粒子の水性分散液を形成するのに十分な条件下でエマルション重合される。
【0021】
好ましくは、この第1段階におけるリン酸モノマーの濃度は、第1段階モノマーの重量を基準として、好ましくは0.1重量パーセントから、より好ましくは0.2重量パーセントから、好ましくは5重量パーセントまで、より好ましくは3重量パーセントまでである。カルボン酸モノマーは、好ましくは、第1段階モノマーの重量を基準として、0.1重量パーセントから、より好ましくは0.2重量パーセントから、好ましくは8重量パーセントまで、より好ましくは5重量パーセントまでの濃度で使用される。低T
gモノマー、好ましくはブチルアクリレートまたは2−エチルヘキシルアクリレートは、好ましくは、全第1段階モノマーの重量を基準として、30重量パーセントから、より好ましくは40重量パーセントから、好ましくは99.9重量パーセントまで、より好ましくは99重量パーセントまで、最も好ましくは97重量パーセントまでの濃度で存在する。
【0022】
好ましい第2段階の例において、高T
gモノマー、好ましくはメチルメタクリレート、スチレン、またはブチルメタクリレート、より好ましくはメチルメタクリレートまたはスチレンは、エマルション重合下で第1段階ポリマー粒子の安定な水性分散液と組み合わされて、ポリマー粒子の2段階水性分散液を形成する。ポリマー粒子の分散は、好ましくは、25℃以下、より好ましくは20℃以下、及び好ましくは−60℃以上、より好ましくは−30℃以上でフィルム形成性である。
【0023】
ポリマー粒子の水性分散液を調製するための好ましい2段階プロセスの別の例において、高T
gモノマーは、第1段階において、低T
gモノマー、ならびに任意選択で低レベル(〜0.1〜1重量パーセント)のカルボン酸モノマー及び多エチレン性不飽和モノマーとエマルション重合して、第1段階モノマーの水性分散液を形成する。低T
gモノマーの濃度は、好ましくは、第1段階におけるモノマーの重量を基準として、40〜50重量パーセントであり、高T
gモノマーの濃度は、50〜60重量パーセントである。
【0024】
第2段階では、第1段階において使用されたのと同様の濃度の高及び低T
gモノマーが、好ましくは、リン酸モノマー、好ましくはホスホエチルメタクリレートの存在下でエマルション重合され、ポリマー粒子の2段階水性分散液を形成する。この実施形態における、リン酸モノマーの濃度は、好ましくは、第2段階におけるモノマーの重量を基準として、0.1重量パーセントから、より好ましくは0.3重量パーセントから、5重量パーセントまで、より好ましくは3重量パーセントまでの範囲内である。
【0025】
ポリマー粒子の平均粒子サイズは、Brookhaven BI90粒子分析器を使用して測定されるように、50nmから、より好ましくは80nmから、300nmまで、より好ましくは250nmまでである。
【0026】
ポリマービーズまたはポリマー粒子が、リン酸基で官能化されていることが重要であり、ポリマービーズ及びポリマー粒子の両方がリン酸基で官能化されていることが好ましい。ポリマー粒子は、好ましくは、ポリマー粒子の重量を基準として、0.1重量パーセントから、より好ましくは0.2重量パーセントから、より好ましくは0.3重量パーセントから、好ましくは5重量パーセントまで、より好ましくは4重量パーセントまで、最も好ましくは3重量パーセントまでのリン酸モノマーの構造単位で官能化されている。同様に、ビーズは、好ましくは、ポリマービーズの重量を基準として、0.1重量パーセントから、より好ましくは0.2重量パーセントから、より好ましくは0.3重量パーセントから、最も好ましくは1重量パーセントから、好ましくは5重量パーセントまで、より好ましくは3重量パーセントまでのリン酸モノマーの構造単位で官能化されている。
【0027】
ポリマー粒子に対するポリマービーズの重量比は、好ましくは、10:90から、より好ましくは30:70から、最も好ましくは40:60から、好ましくは80:20まで、より好ましくは70:30まで、最も好ましくは60:40までである。
【0028】
ポリマービーズ及びポリマー粒子の水性分散液は、組み合わされて本発明の組成物を形成する。組成物は、レオロジー調整剤、流動剤、合体剤、感触調整剤、消泡剤、架橋剤、及び界面活性剤を含む、1種以上の補助材料をさらに含んでもよい。また、顔料が含まれてもよいが、組成物は、顔料を実質的に含有しないこと、すなわち、組成物の重量を基準として4重量パーセント未満、好ましくは1重量パーセント未満、より好ましくは0.1重量パーセント未満、最も好ましくは0重量パーセントの顔料を含有することが好ましい。
【0029】
本発明の組成物は、皮革、布地、金属、コンクリート、及び木材を含む様々な基体用のマットコーティング、好ましくはクリアマットコーティングとして有用である。驚くべきことに、本発明の組成物から調製されたコーティングされた基体、特にコーティングされた皮革基体は、リン酸基で官能化されていないポリマー粒子及びポリマービーズを含む組成物から調製されたコーティングと比較して、改善された耐汚染性を示すことが発見された。
【0030】
別の態様において、本発明は、a)アクリルまたはスチレン−アクリルポリマーフィルム、及びb)2〜30μmの平均粒子サイズを有するポリマービーズを含むクリアマット仕上げでコーティングされた皮革基体を含む物品であって、アクリルもしくはスチレン−アクリルポリマーフィルムまたはポリマービーズあるいはその両方は、0.1重量パーセントから、好ましくは0.2重量パーセントから、5重量パーセントまで、好ましくは3重量パーセントまでのリン酸モノマーの構造単位を含む物品である。より好ましくは、ポリマービーズ及びポリマーフィルムは、両方ともリン酸モノマーの構造単位で官能化されている。好ましくは、ポリマービーズの粒子サイズは、2000uPモジュールを装備したMalvern Mastersizer 2000 Analyzerにより測定されるように、5μmから、好ましくは20μmまで、より好ましくは15μmまでである。
【0032】
ポリマービーズにおける粒子サイズ分布を測定するための方法
ビーズの粒子サイズ分布は、2000uPモジュールを装備したMalvern Mastersizer 2000 Analyzerにより光回折を使用して決定した。約0.5gのビーズ分散試料を、脱気したDI水(希釈剤)中の0.2重量パーセントの活性Triton 405 5mLに予め希釈した。モジュールを1100rpmでポンピングしながら、予め希釈された試料を、希釈剤で充填された2000uPモジュールに滴下により添加した。赤色光の不明瞭化は、4%から8%の間に標的化された。試料は、Mie散乱モデル(粒子の実際の屈折率は1.48、吸収はゼロ:希釈剤の実際の屈折率は1.330、吸収はゼロ)を使用して分析した。屈折パターンを分析して、それらを粒子サイズ分布に変換するために、「通常の感度」を有する汎用(球状)分析モデルを使用した。
【0033】
中間体実施例1−4%PEMを含有する大型粒子サイズビーズの調製
モノマーエマルションの調製:5Lの容器内で、A−16−22(4.24g)、HEC(13.2g)及びDI水(800g)の混合物を、ALMA(21.3g)、2−EHA(511.25g)、及び過酸化ラウロイル(3.04g)の混合物と、撹拌しながら組み合わせ、PCU−11コントローラを備えるPolytron PT10−35ロータ−ステータホモジナイザを使用して乳化した。得られたエマルションを、コントローラの出力を設定2にして1分間ポリッシュし、漸次的添加条件下で熱重合させた。
【0034】
漸次的添加プロセスを使用した熱重合:DI水(350g)及びEC−3085A(0.11g)の混合物を反応器に添加し、内容物を80℃に加熱した。段階1のポリッシュされたエマルションを、1時間にわたり反応器に供給した。供給の完了後、反応器を約30分間80℃で保持し、その後、MMA(127.4g)及びPEM(5.3g、60%活性)からなる段階2のエマルションを、次いで45分間にわたり反応器内に供給した。反応温度を15分間80℃に保持し、次いで65℃に冷却し、その後硫酸第一鉄(7g、0.15%水性)及びVERSENE EDTA(1.0g、1.0%水性)の溶液を、反応器に添加した。水(20mL)に溶解したt−BHP(4g)及び水(20mL)に溶解したIAA(2g)を、30分にわたり別個に反応器内に供給し、その後、反応器を室温に冷却した。得られたエマルションを、次いで100メッシュの篩を通して濾過した。粒子サイズは8.8μmと測定され、固体パーセントは33.4%であり、ゲル数は170ppmであった。
【0035】
中間体実施例2−2%PEMを含有する大型粒子サイズビーズの調製
この中間体は、実質的に中間体実施例1において説明された通りに調製されたが、ただし、PEMに対するMMAの比が98:2であり、段階2に対する段階1の重量比が80.4/19.6であったことを除く。粒子サイズは16.4μmと測定され、固体パーセントは34.6%であり、ゲル数は182ppmであった。観察された粒子サイズの差は、均質化力の入力及び時間の差に起因すると考えられた。
【0036】
中間体実施例3及び4−いかなるリン酸官能化も有さない大型粒子サイズビーズの調製
これらの中間体は、表1に列挙されるようなモノマープロファイルの違いを除いて、中間体実施例1の調製において説明されたのと実質的に同じ手順を使用して調製された。それぞれの場合において、ビーズは、リン酸基で官能化されなかった。表1において、段階1及び段階2は、それぞれ、ビーズの第1及び第2段階の組成物を指す。それぞれの場合において、段階2ビーズに対する段階1ビーズの比は、〜80:20であった。
【0038】
中間体実施例5−PEM含有ラテックスの調製
水(200.9g)、B5N(23.3g)、A−16−22(23.3g)、BA(598.45g)、AA(21.75g)、及びPEM(3.9g)を混合することにより、モノマーエマルション1(ME1)を調製し、水(10g)及びMMA(155.03g)を混合することにより、モノマーエマルション2(ME2)を調製した。
【0039】
機械式パドル撹拌器、熱電対、N
2入口、及び還流冷却器を装備した四口の5L丸底フラスコに、水(757.5g)を加えた。水をN
2でパージし、35℃に加熱し、その後ME1(213.54g)を撹拌しながら添加した。1分後、硫酸鉄七水和物(水2.5g中0.01g)、APS(水15g中0.16g)、及び亜ジチオン酸ナトリウム(水15g中0.31g)の水溶液を、順番にフラスコに添加し、混合物を55℃まで発熱させ、5分間55℃に維持した。混合物を48℃に冷却し、その後EC−3085A(2.55g)、ME1の残り、APS(水15g中0.46g)の水溶液及び亜ジチオン酸ナトリウム(水15g中0.78g)の水溶液を、順番にフラスコに添加した。フラスコの内容物を74℃に発熱させ、10分間74℃に維持し、その時点で、t−BHP(水5g中0.35g)及びSSF(水15g中0.28g)の水溶液を、順番にフラスコに添加した。5分間保持した後、混合物を64℃に冷却し、その時点でME2、t−BHP(水7.5g中0.71g)の水溶液、及びFF6M(水15g中0.54g)の水溶液を、順番にフラスコに添加した。フラスコの内容物を74℃に発熱させ、15分間74℃に制御し、その後、30℃に冷却すると同時に、t−BHP(水17.5g中1.17g)の水溶液及びFF6M(水20g中1.02g)の水溶液を、それぞれ0.62g/分及び0.7g/分の速度で順番に添加した。B5N(55.42g)及びトリエチルアミン(水125g中14.35g)の水溶液を、冷却されたフラスコに4.27g/分の速度で添加し、続いて、過酸化水素(水5g中0.63g)の水溶液を添加し、次いで、1.5LX(水2.5g中2g)の水溶液を、0.45g/分の速度で添加した。供給の完了後、フラスコの内容物を濾過して、いかなるゲルも除去した。濾過された分散液は、34.7%の固体含量、無視できるゲル、及び7.2のpHを有することが判明した。
【0040】
中間体実施例6、7及び8は、表2に列挙されるようなモノマープロファイルの違いを除いて、中間体実施例3において説明されたのと実質的に同じ手順をにより調製された。
【0041】
表2において、段階1組成物及び段階2組成物は、ラテックスを調製するために第1及び第2段階において使用されたモノマーの組成物を指す。段階1:段階2は、段階2モノマーに対する段階1モノマーの比(重量比)を指す。
【0043】
組成物調製:0.25Lのプラスチック容器及び3ブレードのピッチ付金属撹拌器を使用して、表3に列挙された材料を列挙された順番で添加し、全ての材料が添加された後に少なくとも5分間混合した。Int.Ex.は、中間体実施例を指し、C1は、比較実施例1を指し、C2は、比較実施例2を指す。表3における全ての数字は、グラムでの重量を表す。
【0045】
汚れ試験(Stain Testing)手順:
7ミルDowラテックスアプリケータを使用して、トップコートを白色ビニルLenetaチャート上にキャストし、CTR(72°F(〜22℃)、50%R.H.)内で7日間乾燥させた。7日後、試験される汚れの数に等しい数の1/2インチ(1.2cm)のセクションを、試験パネルにわたりマークした。試験領域に汚れを1時間設置した。試験された汚れは、茶、グレープジュース、コーヒー及び赤ワインを含んでいた。1時間後、キムワイプを使用して過剰の汚れを除去し、試験パネルをAbrasion Tester(耐洗浄性試験機)に設置した。家庭用のスポンジに、10mLの非研磨性スクラブ媒体(Leneta)及び15mLの水を含ませた。スポンジを1lb(0.45Kg)の研磨ボートに設置し、研磨試験機を使用して200サイクルを完了した。サイクルの完了後、試験パネルを濯ぎ、乾燥させ、次いでパーセント汚れ除去に基づいて格付けした(1=10%から10=100%の汚れ除去)。
【0046】
表4は、実施例及び比較例に対する親水性汚れ耐性試験の結果を示す。
【0048】
結果は、ラテックス結合剤またはビーズ中にリン酸官能化を含まない組成物(比較例1及び2)と比較して、共にPEMで官能化されたラテックス結合剤及びビーズを含有する組成物(実施例1〜3)の汚れ耐性における劇的な改善を示しており、ラテックス結合剤中のPEMのみを含有する組成物(実施例4)においても、全般的に測定可能な改善を示している。