特許第6761424号(P6761424)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6761424
(24)【登録日】2020年9月8日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】排熱回収器
(51)【国際特許分類】
   F01N 5/02 20060101AFI20200910BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20200910BHJP
【FI】
   F01N5/02 B
   F01N3/24 L
   F01N3/24 N
【請求項の数】13
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2017-545824(P2017-545824)
(86)(22)【出願日】2016年10月21日
(86)【国際出願番号】JP2016081330
(87)【国際公開番号】WO2017069265
(87)【国際公開日】20170427
【審査請求日】2019年7月19日
(31)【優先権主張番号】特願2015-209356(P2015-209356)
(32)【優先日】2015年10月23日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(72)【発明者】
【氏名】川口 竜生
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 健
(72)【発明者】
【氏名】吉原 誠
(72)【発明者】
【氏名】水野 洋
(72)【発明者】
【氏名】木村 大輔
【審査官】 稲村 正義
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−069750(JP,A)
【文献】 特開2008−025557(JP,A)
【文献】 特開2007−315370(JP,A)
【文献】 特開平11−153025(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/114949(WO,A1)
【文献】 特開2009−144606(JP,A)
【文献】 特開2009−024565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 1/00−13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換部と、排気分岐部と、排気分配部と、を備え、
前記熱交換部は、第一端面及び第二端面を有し、中央部分が空洞の柱状のハニカム体と、前記ハニカム体を収容するケーシングと、を有し、
前記ハニカム体は、セラミックを主成分とする隔壁を有し、前記隔壁によって、前記第一端面から前記第二端面まで延びる、排気ガスの流路となる複数のセルが区画形成されたものであり、
前記ケーシングは、前記ハニカム体の前記中央部分の環状の内壁に備えられた筒状の配管と、前記ハニカム体の外周面に嵌合するように配置された筒状部材と、前記筒状部材の外側に配設され、前記排気ガスとの熱交換による排熱を回収するための熱交換媒体の経路を形成し、且つ、前記熱交換媒体が導入される熱交換媒体導入口、及び前記熱交換媒体が排出される熱交換媒体排出口を有するケーシング本体と、を備え、
前記排気分岐部は、前記ハニカム体に流入する前記排気ガスの経路を、前記ハニカム体の軸方向に直交する断面における前記中央部分と外周部分とに分岐する、分岐路を有し、
前記排気分配部は、前記ハニカム体の前記中央部分における前記排気ガスの経路の通気抵抗を変更し、前記ハニカム体の前記外周部分における前記排気ガスの経路に流通する排気量を可変して、熱回収量を調整する、排気分配機構を有し、
前記配管の外面と前記ハニカム体の前記内壁との間の隙間は、その内部を充填するように構成されたシール部材、前記ハニカム体の前記第一端面に当接されるリング状部材、前記ハニカム体の前記第一端面に当接される前記配管の凸状部分、前記ハニカム体の前記第一端面に当接される前記配管のテーパー部分、又は、前記ハニカム体の前記第一端面あるいは前記ハニカム体の前記第二端面の少なくとも1つに当接される前記排気分岐部、の少なくとも1つにより塞がれた、排熱回収器。
【請求項2】
前記ハニカム体は、前記中央部分が空洞のドーナツ形状である、請求項1に記載の排熱回収器。
【請求項3】
前記ドーナツ形状の前記ハニカム体は、前記空洞の内側に、円筒状に連続した内壁構造が備わっている、請求項2に記載の排熱回収器。
【請求項4】
前記排気分岐部及び前記排気分配部の少なくとも一方が、筒状の排気ガイド部材を有し、前記排気ガイド部材の端部が、前記ハニカム体の端面に当接した状態、又は前記ハニカム体の端面から離間した状態で配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の排熱回収器。
【請求項5】
前記排気ガイド部材と、前記ハニカム体の端面との間隔が、0.05〜10mmである、請求項4に記載の排熱回収器。
【請求項6】
前記排気分岐部及び前記排気分配部の少なくとも一方が、筒状の排気ガイド部材を有し、前記排気ガイド部材が、前記ドーナツ形状の前記ハニカム体の前記空洞を貫通するように配設されている、請求項2又は3に記載の排熱回収器。
【請求項7】
前記ハニカム体の直径D1と、前記排気ガイド部材の直径D2の比であるD1/D2の値が、1.1以上、7以下である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の排熱回収器。
【請求項8】
前記熱交換部、前記排気分岐部、及び前記排気分配部が、それぞれ分離可能に構成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の排熱回収器。
【請求項9】
前記排気分配機構によって流通する経路が決められた前記排気ガスのうち、前記ハニカム体の前記外周部分を通過した前記排気ガスと、前記ハニカム体の前記中央部分を通過した前記排気ガスが、前記ハニカム体の下流側において、それぞれ異なる経路の排出口から排出される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の排熱回収器。
【請求項10】
前記排気分配機構によって流通する経路が決められた前記排気ガスのうち、前記ハニカム体の前記外周部分を通過した前記排気ガスと、前記ハニカム体の前記中央部分を通過した前記排気ガスが、前記ハニカム体の下流側において合流し、同一の流通経路の排出口から排出される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の排熱回収器。
【請求項11】
前記ハニカム体の前記外周部分における前記排気ガスの経路が、前記ハニカム体の軸方向に2つ以上に部分的に仕切られており、当該外周部分に導入された前記排気ガスが、前記ハニカム体の軸方向に対して折り返し流通するように構成されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の排熱回収器。
【請求項12】
前記ケーシングの周囲に設けられ、発熱を伴う機器を含む外部部材を更に備え、
前記外部部材における発熱及び前記外部部材への前記排気ガスからの伝熱を、前記熱交換媒体によって更に回収するように構成されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の排熱回収器。
【請求項13】
熱交換部と、排気分岐部と、排気分配部と、を備え、
前記熱交換部は、第一端面及び第二端面を有する柱状のハニカム体と、前記ハニカム体を収容するケーシングと、を有し、
前記ハニカム体は、セラミックを主成分とする隔壁を有し、前記隔壁によって、前記第一端面から前記第二端面まで延びる、排気ガスの流路となる複数のセルが区画形成されたものであり、
前記ケーシングは、前記ハニカム体の外周面に嵌合するように配置された筒状部材と、前記筒状部材の外側に配設され、前記排気ガスとの熱交換による排熱を回収するための熱交換媒体の経路を形成し、且つ、前記熱交換媒体が導入される熱交換媒体導入口、及び前記熱交換媒体が排出される熱交換媒体排出口を有するケーシング本体と、を備え、
前記排気分岐部は、前記ハニカム体に流入する前記排気ガスの経路を、前記ハニカム体の軸方向に直交する断面における中央部分と外周部分とに分岐する、分岐路を有し、
前記排気分配部は、前記ハニカム体の前記中央部分における前記排気ガスの経路の通気抵抗を変更し、前記ハニカム体の前記外周部分における前記排気ガスの経路に流通する排気量を可変して、熱回収量を調整する、排気分配機構を有し、
前記排気分岐部が、筒状の排気ガイド部材を有し、前記排気ガイド部材の端部が、前記ハニカム体の端面に当接した状態、又は前記ハニカム体の端面から離間した状態で配置されている、排熱回収器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排熱回収器に関する。更に詳しくは、装置の小型化を実現することができるとともに、圧力損失が小さく、且つ、排熱の回収効率に優れた排熱回収器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関を有する自動車などの排気系に設けられ、排気熱を回収する排熱回収器が種々提案されている(例えば、特許文献1〜6参照)。このような排熱回収器としては、例えば、内燃機関の運転状態と媒体(冷却水)の温度に応じて、排気系の弁体を開閉させることにより、排気ガスの流路を、排気系上の熱交換器とそれを迂回するバイパス経路とで切り替えるように構成されたものがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、媒体の温度が所定の値以上になると弁体を開動作する温度作動アクチュエータを設けて、排気ガスの流量及び媒体の温度の少なくとも一方が所定の値以上になった際に弁体が開動作するように構成された排気熱回収装置が開示されている。このように構成された排気熱回収装置は、排気ガスの流量が増大し所定の値以上になった際に、上記弁体が開いてバイパス経路が開放され、排気ガスが排気系上で熱交換器を迂回してバイパス経路を流通するようになる。このため、特許文献1に開示された排気熱回収装置においては、排気ガスの排気系での流通抵抗を小さくすることができるとされている。
【0004】
また、特許文献2には、排気管を通った排気が、排気管外周と積層体との間の隙間を通り、ジャケット素子の間の隙間を通って筒状シェル内周と積層体との間の隙間から下流に流出するように構成された排気熱回収装置が開示されている。特許文献3には、排気管と、熱交換部と、排出口と、排気管の出口を開閉する開閉手段と、出口及び排出口から排出された排気を下流側に導くシェル部材と、を備えた排気熱回収装置が開示されている。特許文献4には、内燃機関などの排気系で、排気ガスと媒体との熱交換を行う熱交換器と、排気ガスが熱交換器を迂回するバイパス経路と、を備えた排気熱回収装置が開示されている。特許文献5には、排気熱回収器本体と、サーモアクチュエータと、サーモアクチュエータの出力部の動作に連動して回収側又は非回収側へ開閉される回収効率切替バルブと、を備えた排気熱回収器が開示されている。
【0005】
特許文献6には、加熱体が流通する第一流体流通部として、ハニカム構造体を用いた熱交換器が開示されている。このハニカム構造体は、セラミックスの隔壁により仕切られて一方の端面から他方の端面まで軸方向に貫通し、第一の流体である加熱体が流通する複数のセルを有するものである。
【0006】
また、従来、上述した排気熱を回収する排熱回収器において、EGR(Exhaust Gas Recirculation:排気ガス再循環)クーラを備えたものも提案されている(例えば、特許文献7及び8参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2006/090725号
【特許文献2】特開2013−130159号公報
【特許文献3】国際公開第2014/025036号
【特許文献4】特開2015−031250号公報
【特許文献5】特開2010−019216号公報
【特許文献6】国際公開第2011/071161号
【特許文献7】特開2008−163773号公報
【特許文献8】特開2008−232031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載された排気熱回収装置は、螺旋状の溝が形成された熱交換パイプ等により熱回収を行っているため、十分な熱回収効率を得るためには、装置の流路方向の長さを長くする必要がある。このため、特許文献1に記載された排気熱回収装置は、装置が大型化してしまうという問題があった。特許文献4に記載された排気熱回収装置も、特許文献1に記載された排気熱回収装置と同様に、装置が大型化してしまうという問題があった。なお、特許文献1及び4に記載されたような構成の排気熱回収装置においては、装置の流路方向の長さを短くすると、熱回収効率が低下してしまう。
【0009】
一方で、特許文献2に記載された排気熱回収装置や、特許文献5に記載された排気熱回収器は、装置の小型化を実現することができるものの、排気系の圧力損失が大きいという問題があった。
【0010】
このように、従来、装置の小型化、圧力損失の上昇抑制、及び排熱の回収効率の向上といった各種の問題点に対して、それらを十分に満足できるような排熱回収器は提案されていなかった。このため、装置の小型化を実現することができるとともに、圧力損失が小さく、且つ、排熱の回収効率に優れた排熱回収器の開発が要望されていた。
【0011】
本発明は、このような問題を鑑みてなされたものである。本発明によれば、装置の小型化を実現することができるとともに、圧力損失が小さく、且つ、排熱の回収効率に優れた排熱回収器が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するため、本発明は、以下の排熱回収器を提供する。
【0013】
[1] 熱交換部と、排気分岐部と、排気分配部と、を備え、
前記熱交換部は、第一端面及び第二端面を有し、中央部分が空洞の柱状のハニカム体と、前記ハニカム体を収容するケーシングと、を有し、
前記ハニカム体は、セラミックを主成分とする隔壁を有し、前記隔壁によって、前記第一端面から前記第二端面まで延びる、排気ガスの流路となる複数のセルが区画形成されたものであり、
前記ケーシングは、前記ハニカム体の前記中央部分の環状の内壁に備えられた筒状の配管と、前記ハニカム体の外周面に嵌合するように配置された筒状部材と、前記筒状部材の外側に配設され、前記排気ガスとの熱交換による排熱を回収するための熱交換媒体の経路を形成し、且つ、前記熱交換媒体が導入される熱交換媒体導入口、及び前記熱交換媒体が排出される熱交換媒体排出口を有するケーシング本体と、を備え、
前記排気分岐部は、前記ハニカム体に流入する前記排気ガスの経路を、前記ハニカム体の軸方向に直交する断面における前記中央部分と外周部分とに分岐する、分岐路を有し、
前記排気分配部は、前記ハニカム体の前記中央部分における前記排気ガスの経路の通気抵抗を変更し、前記ハニカム体の前記外周部分における前記排気ガスの経路に流通する排気量を可変して、熱回収量を調整する、排気分配機構を有し、
前記配管の外面と前記ハニカム体の前記内壁との間の隙間は、その内部を充填するように構成されたシール部材、前記ハニカム体の前記第一端面に当接されるリング状部材、前記ハニカム体の前記第一端面に当接される前記配管の凸状部分、前記ハニカム体の前記第一端面に当接される前記配管のテーパー部分、又は、前記ハニカム体の前記第一端面あるいは前記ハニカム体の前記第二端面の少なくとも1つに当接される前記排気分岐部、の少なくとも1つにより塞がれた、排熱回収器。
【0014】
[2] 前記ハニカム体は、前記中央部分が空洞のドーナツ形状である、前記[1]に記載の排熱回収器。
【0015】
[3] 前記ドーナツ形状の前記ハニカム体は、前記空洞の内側に、円筒状に連続した内壁構造が備わっている、前記[2]に記載の排熱回収器。
【0016】
[4] 前記排気分岐部及び前記排気分配部の少なくとも一方が、筒状の排気ガイド部材を有し、前記排気ガイド部材の端部が、前記ハニカム体の端面に当接した状態、又は前記ハニカム体の端面から離間した状態で配置されている、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の排熱回収器。
【0017】
[5] 前記排気ガイド部材と、前記ハニカム体の端面との間隔が、0.05〜10mmである、前記[4]に記載の排熱回収器。
【0018】
[6] 前記排気分岐部及び前記排気分配部の少なくとも一方が、筒状の排気ガイド部材を有し、前記排気ガイド部材が、前記ドーナツ形状の前記ハニカム体の前記空洞を貫通するように配設されている、前記[2]又は[3]に記載の排熱回収器。
【0019】
[7] 前記ハニカム体の直径D1と、前記排気ガイド部材の直径D2の比であるD1/D2の値が、1.1以上、7以下である、前記[4]〜[6]のいずれかに記載の排熱回収器。
【0020】
[8] 前記熱交換部、前記排気分岐部、及び前記排気分配部が、それぞれ分離可能に構成されている、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の排熱回収器。
【0021】
[9] 前記排気分配機構によって流通する経路が決められた前記排気ガスのうち、前記ハニカム体の前記外周部分を通過した前記排気ガスと、前記ハニカム体の前記中央部分を通過した前記排気ガスが、前記ハニカム体の下流側において、それぞれ異なる経路の排出口から排出される、前記[1]〜[8]のいずれかに記載の排熱回収器。
【0022】
[10] 前記排気分配機構によって流通する経路が決められた前記排気ガスのうち、前記ハニカム体の前記外周部分を通過した前記排気ガスと、前記ハニカム体の前記中央部分を通過した前記排気ガスが、前記ハニカム体の下流側において合流し、同一の流通経路の排出口から排出される、前記[1]〜[9]のいずれかに記載の排熱回収器。
【0023】
[11] 前記ハニカム体の前記外周部分における前記排気ガスの経路が、前記ハニカム体の軸方向に2つ以上に部分的に仕切られており、当該外周部分に導入された前記排気ガスが、前記ハニカム体の軸方向に対して折り返し流通するように構成されている、前記[1]〜[10]のいずれかに記載の排熱回収器。
【0024】
[12] 前記ケーシングの周囲に設けられ、発熱を伴う機器を含む外部部材を更に備え、
前記外部部材における発熱及び前記外部部材への前記排気ガスからの伝熱を、前記熱交換媒体によって更に回収するように構成されている、前記[1]〜[11]のいずれかに記載の排熱回収器。
[13] 熱交換部と、排気分岐部と、排気分配部と、を備え、
前記熱交換部は、第一端面及び第二端面を有する柱状のハニカム体と、前記ハニカム体を収容するケーシングと、を有し、
前記ハニカム体は、セラミックを主成分とする隔壁を有し、前記隔壁によって、前記第一端面から前記第二端面まで延びる、排気ガスの流路となる複数のセルが区画形成されたものであり、
前記ケーシングは、前記ハニカム体の外周面に嵌合するように配置された筒状部材と、前記筒状部材の外側に配設され、前記排気ガスとの熱交換による排熱を回収するための熱交換媒体の経路を形成し、且つ、前記熱交換媒体が導入される熱交換媒体導入口、及び前記熱交換媒体が排出される熱交換媒体排出口を有するケーシング本体と、を備え、
前記排気分岐部は、前記ハニカム体に流入する前記排気ガスの経路を、前記ハニカム体の軸方向に直交する断面における中央部分と外周部分とに分岐する、分岐路を有し、
前記排気分配部は、前記ハニカム体の前記中央部分における前記排気ガスの経路の通気抵抗を変更し、前記ハニカム体の前記外周部分における前記排気ガスの経路に流通する排気量を可変して、熱回収量を調整する、排気分配機構を有し、
前記排気分岐部が、筒状の排気ガイド部材を有し、前記排気ガイド部材の端部が、前記ハニカム体の端面に当接した状態、又は前記ハニカム体の端面から離間した状態で配置されている、排熱回収器。
【発明の効果】
【0025】
本発明の排熱回収器は、装置の小型化を実現することができるとともに、圧力損失が小さく、且つ、排熱の回収効率にも優れる。即ち、本発明の排熱回収器は、熱交換部が、ハニカム体を有し、且つ、熱交換部に接続された排気分岐部が、ハニカム体に流入する排気ガスの経路を、中央部分と外周部分とに分岐する分岐路を有している。このため、排熱回収器の小型化を実現しつつ、優れた排熱の回収効率を実現することができる。また、本発明の排熱回収器は、排気分配部が、ハニカム体の中央部分の通気抵抗を変更し、ハニカム体の外周部分に流通する排気量を可変して、熱回収量を調整する排気分配機構を有している。このため、熱交換部に用いられるハニカム体の作用効果と相俟って、排熱回収器の小型化を実現しつつ、圧力損失の増加抑制を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の排熱回収器の第一実施形態を模式的に示す斜視図である。
図2】本発明の排熱回収器の第一実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
図3】本発明の排熱回収器の第一実施形態を模式的に示す平面図であり、図2に示す排熱回収器を矢印Aの方向に見た平面図である。
図4】本発明の排熱回収器の第一実施形態に用いられるハニカム体を模式的に示す斜視図である。
図5】本発明の排熱回収器の第二実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
図6】本発明の排熱回収器の第二実施形態を模式的に示す平面図であり、図5に示す排熱回収器を矢印Bの方向に見た平面図である。
図7】本発明の排熱回収器の第三実施形態を模式的に示す斜視図である。
図8】本発明の排熱回収器の第三実施形態を模式的に示す一部切り欠き側面図である。
図9】本発明の排熱回収器の第三実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
図10】本発明の排熱回収器の第三実施形態を模式的に示す平面図であり、図9に示す排熱回収器を矢印Cの方向に見た平面図である。
図11図9に示す排熱回収器の熱交換部、排気分岐部、及び排気分配部を分離した状態を示す断面図である。
図12】本発明の排熱回収器の第三実施形態に用いられるハニカム体を模式的に示す斜視図である。
図13】本発明の排熱回収器の第四実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
図14】本発明の排熱回収器の第五実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
図15】本発明の排熱回収器の第六実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
図16】本発明の排熱回収器の第七実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
図17】本発明の排熱回収器の第七実施形態を模式的に示す平面図であり、図16に示す排熱回収器を矢印Dの方向に見た平面図である。
図18】本発明の排熱回収器の第八実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
図19】本発明の排熱回収器の第八実施形態を模式的に示す平面図であり、図18に示す排熱回収器を矢印Eの方向に見た平面図である。
図20】本発明の排熱回収器の更に他の実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
図21】本発明の排熱回収器の更に他の実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
図22】本発明の排熱回収器の更に他の実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
図23】本発明の排熱回収器の更に他の実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
図24】本発明の排熱回収器の更に他の実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
図25】本発明の排熱回収器の更に他の実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
図26】本発明の排熱回収器の更に他の実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
図27】本発明の排熱回収器の更に他の実施形態に用いられるハニカム体を模式的に示す斜視図である。
図28】比較例1の排熱回収器を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
図29】実施例3の排熱回収器の構成を示す模式図である。
図30】比較例2の排熱回収器の構成を示す模式図である。
図31】本発明の排熱回収器の他の実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
図32】本発明の排熱回収器の更に他の実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
【0028】
(1)排熱回収器:
本発明の排熱回収器は、熱交換部と、排気分岐部と、排気分配部と、を備えたものである。熱交換部は、第一端面及び第二端面を有する柱状のハニカム体と、ハニカム体を収容するケーシングと、を有する。本発明の排熱回収器は、内燃機関の排気通路(以下、「排気系」ともいう)に設置し、排気通路を通過する排気ガスの排気熱を回収するために用いられる。排熱回収器においては、排気ガスとの熱交換による排熱を回収するための熱交換媒体が用いられる。例えば、排熱回収器が、自動車に搭載されて用いられる場合には、熱交換媒体として、水や不凍液(JIS K 2234で規定されるLLC)などを用いることができる。
【0029】
ハニカム体は、セラミックを主成分とする隔壁を有し、この隔壁によって、第一端面から第二端面まで延びる、排気ガスの流路となる複数のセルが区画形成されたものである。ケーシング(casing)は、ハニカム体の外周面に嵌合するように配置された筒状部材と、筒状部材の外側に配設されたケーシング本体と、を備える。ケーシング本体は、筒状部材との間に、熱交換媒体の経路を形成している。ケーシング本体は、熱交換媒体が導入される熱交換媒体導入口、及び熱交換媒体が排出される熱交換媒体排出口を有する。
【0030】
排気分岐部は、例えば、熱交換部の、ハニカム体の第一端面側に接続されている。排気分岐部は、分岐路を有する。分岐路は、ハニカム体に流入する排気ガスの経路を、ハニカム体の軸方向に直交する断面における中央部分と外周部分とに分岐するものである。即ち、本発明の排熱回収器においては、ハニカム体に流入する排気ガスの経路が、上記分岐路によって、ハニカム体の中央部分に排気ガスが導かれる「第一の経路」と、ハニカム体の外周部分に排気ガスが導かれる「第二の経路」とに、分岐している。
【0031】
排気分配部は、例えば、熱交換部の、ハニカム体の第二端面側に接続されている。排気分配部は、排気分配機構を有する。排気分配機構は、ハニカム体の中央部分における排気ガスの経路の通気抵抗を変更し、ハニカム体の外周部分における排気ガスの経路に流通する排気量を可変して、熱回収量を調整するものである。即ち、排気分配機構によって、ハニカム体の中央部分の通気抵抗を高くした場合には、上述した「第二の経路」に、より優先的に排気ガスが流れるようになる。一方で、ハニカム体の中央部分の通気抵抗を低くした場合には、上述した「第一の経路」にも、排気ガスが流れるようになる。この際、「第一の経路」の通気抵抗が、「第二の経路」の通気抵抗よりも低くなる場合には、「第一の経路」に、より優先的に排気ガスが流れるようになる。以下、「ハニカム体の中央部分における排気ガスの経路の通気抵抗」を、単に、「ハニカム体の中央部分の通気抵抗」ということがある。
【0032】
本発明の排熱回収器は、装置の小型化を実現することができるとともに、圧力損失が小さく、且つ、排熱の回収効率にも優れる。即ち、本発明の排熱回収器は、熱交換部が、ハニカム体を有し、且つ、熱交換部に接続された排気分岐部が、ハニカム体に流入する排気ガスの経路を、中央部分と外周部分とに分岐する分岐路を有している。このため、排熱回収器の小型化を実現しつつ、優れた排熱の回収効率を実現することができる。即ち、隔壁によって複数のセルが区画形成されたハニカム体を用いることにより、排気ガスとハニカム体との接触面積が増加し、単位容積あたりの伝熱量を、従来の排熱回収器に比して大幅に大きくすることができる。そして、ハニカム体が受け取った熱は、ハニカム体の外周面に嵌合するように配置された筒状部材を介して、熱交換媒体に伝熱され、優れた排熱の回収効率を実現することができる。上述したように、単位容積あたりの伝熱量を大きくすることができるため、ハニカム体の長さ(排気ガスの流れ方向の長さ)を小さくすることが可能となり、排熱回収器の小型化も実現することができる。また、本発明の排熱回収器は、排気分配部が、ハニカム体の中央部分の通気抵抗を変更し、ハニカム体の外周部分に流通する排気量を可変して、熱回収量を調整する排気分配機構を有している。このため、熱交換部に用いられるハニカム体の作用効果と相俟って、排熱回収器の小型化を実現しつつ、圧力損失の増加抑制を実現することができる。
【0033】
また、本発明の排熱回収器は、従来のSUS製の排熱回収器と異なり、排気ガスと水等の熱交換媒体とを空間的に分離できるため、シンプルな構造を実現することができる。
【0034】
(1−1)排熱回収器の第一実施形態:
排熱回収器の第一実施形態は、図1図3に示す排熱回収器100である。図1は、本発明の排熱回収器の第一実施形態を模式的に示す斜視図である。図2は、本発明の排熱回収器の第一実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。図3は、本発明の排熱回収器の第一実施形態を模式的に示す平面図であり、図2に示す排熱回収器を矢印Aの方向に見た平面図である。図4は、本発明の排熱回収器の第一実施形態に用いられるハニカム体を模式的に示す斜視図である。
【0035】
排熱回収器100は、熱交換部10と、排気分岐部30と、排気分配部40と、を備えている。熱交換部10は、第一端面18及び第二端面19を有する柱状のハニカム体11と、このハニカム体11を収容するケーシング21と、を有する。ハニカム体11は、セラミックを主成分とする隔壁13を有し、隔壁13によって、第一端面18から第二端面19まで延びる、排気ガス50の流路となる複数のセル12が区画形成されたものである。このように構成されていることにより、ハニカム体11のセル12を流通する排気ガス50の熱を効率よく集熱し、外部(具体的には、熱交換媒体51)に伝達することができる。
【0036】
ハニカム体11の外形は、特に制限はない。ハニカム体11のセル12の延びる方向に直交する断面における断面形状は、円形、楕円形、四角形、またはその他の多角形であってもよい。図4に示すハニカム体11は、セル12の延びる方向に直交する断面における断面形状が円形のものである。
【0037】
上述したように、ハニカム体11の隔壁13は、セラミックを主成分とするものである。「セラミックを主成分とする」とは、「隔壁13の全質量に占めるセラミックの質量比率が50質量%以上であること」をいう。
【0038】
図4に示すように、ハニカム体11は、中央部分14が空洞のドーナツ形状であってもよい。また、ドーナツ形状のハニカム体11は、上述した空洞の内側は円筒状に連続した、内壁構造17が備わっているものであってもよい。図1図3に示す排熱回収器100において、図4に示すようなドーナツ形状のハニカム体11を用いることにより、ハニカム体11の中央部分14の通気抵抗をより小さくすることができる。特に、ハニカム体11の中央部分14は、排気ガスとの熱交換には殆ど寄与せず、排気熱の回収を抑制したい場合の、排気ガスの経路のバイパスとして機能する。このため、中央部分14が空洞のドーナツ形状のハニカム体11を用いることにより、図1図3に示す排熱回収器100の圧力損失を小さくすることができる。ハニカム体11の外周部分15は、複数のセル12が隔壁13によって区画形成されたハニカム構造を有する。
【0039】
中央部分14の空洞に設けられた内壁構造17は、例えば、中央部分14の空洞に収まるような、例えば、金属製の配管を配設したものであってもよい。なお、中央部分14の空洞に設けられた内壁構造17は、隔壁13と同一又は異なる成分のセラミックからなるものであってもよい。
【0040】
上述したように、ハニカム体の空洞部分に金属製の配管を配設する場合には、熱回収(即ち、バイパスが閉)時に、排気ガスが、金属製の配管とハニカム体の内壁との隙間を通過しないように構成されていることが好ましい。例えば、排気ガスが、上述した隙間を通過しないように構成する方法としては、例えば、以下のような方法を挙げることができる。1つ目の方法としては、上述した隙間内にシール部材を充填し、当該隙間を排気ガスが通過するのを防止する方法を挙げることができる。2つ目の方法として、ハニカム体の第一端面側(例えば、入口側)又は第二端面側(例えば、出口側)の端部に、当該隙間部分を閉塞するための隙間閉塞構造を設け、当該隙間を排気ガスが通過するのを防止する方法を挙げることができる。なお、ケーシングの分割を容易にする観点からは、2つ目の方法において、ハニカム体の内壁の端部に、隙間閉塞構造を設けることがより好ましい。例えば、図2においては、ハニカム体11の第一端面18側(入口側)の端面に当接するように、リング状の部材(リング状部材71)が配設された例を示している。このようなリング状部材71を、ハニカム体11の第一端面18側に配設することにより、金属製の配管とハニカム体11の内壁との隙間を閉塞することができる。
【0041】
ここで、本発明の排熱回収器の他の実施形態について、図31を参照しつつ説明する。図31は、本発明の排熱回収器の他の実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。本実施形態の排熱回収器においては、ハニカム体11の第一端面18側において、内壁構造17を構成する金属製の配管を凸形状にしている。そして、この配管の凸形状の段差部分を、ハニカム体11の第一端面18に密着又は近接させることにより、ハニカム体11と配管(具体的には、内壁構造17を構成する配管)との空洞部分を塞ぐように構成している。図31においては、内壁構造17を構成する金属製の配管を、凸形状に形成しているが、例えば、金属製の配管をテーパー形状にして、そのテーパー部分を、ハニカム体の第一端面に密着又は近接させることにより、ハニカム体と配管との空洞部分を塞ぐように構成してもよい。また、配管の凸形状の段差部分やテーパー形状のテーパー部分を、ハニカム体の第二端面(出口側)に密着又は近接させることにより、ハニカム体と配管との空洞部分を塞ぐように構成してもよい。
【0042】
また、本発明の排熱回収器の更に他の実施形態について、図32を参照しつつ説明する。図32は、本発明の排熱回収器の更に他の実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。本実施形態の排熱回収器においては、ハニカム体11の第一端面18側において、排気分岐部を構成する金属製の配管32を拡管形状にしている。そして、この配管32の拡管形状とした部分を、ハニカム体11の第一端面18に密着又は近接させることにより、ハニカム体11と配管(具体的には、内壁構造17を構成する配管)との空洞部分を塞ぐように構成している。本実施形態の排熱回収器においては、ハニカム体11の第二端面19側においても、排気分配部を構成する配管42を拡管形状にしている。そして、この配管42の拡管形状とした部分についても、ハニカム体11の第二端面19に密着又は近接させることにより、ハニカム体11と配管との空洞部分を塞ぐように構成している。なお、排気分岐部を構成する配管32及び排気分部を構成する配管42については、少なくとも一方の配管の形状を拡管形状とし、上述した空洞部分を塞ぐように構成してもよい。
【0043】
隔壁13の気孔率は、10%以下であることが好ましく、5%以下であることが更に好ましく、3%以下であることが特に好ましい。隔壁13の気孔率を10%以下とすることにより、熱伝導率を向上させることができる。なお、隔壁13の気孔率は、アルキメデス法により測定した値である。
【0044】
隔壁13は、熱伝導性が高いSiC(炭化珪素)を主成分として含むことが好ましい。なお、主成分とは、ハニカム体11の50質量%以上がSiCであることを意味する。
【0045】
さらに具体的には、ハニカム体11の材料としては、Si含浸SiC、(Si+Al)含浸SiC、金属複合SiC、再結晶SiC、Si、及びSiC等を採用することができる。
【0046】
ハニカム体11のセル12の延びる方向に直交する断面におけるセル形状としては、特に制限はない。円形、楕円形、三角形、四角形、六角形その他の多角形等の中から所望の形状を適宜選択すればよい。
【0047】
ハニカム体11のセル密度(即ち、単位面積当たりのセルの数)については特に制限はない。セル密度は、適宜設計すればよいが、4〜320セル/cmの範囲であることが好ましい。セル密度を4セル/cm以上とすることにより、隔壁の強度、ひいてはハニカム体自体の強度及び有効GSA(幾何学的表面積)を十分なものとすることができる。また、セル密度を320セル/cm以下とすることにより、排気ガス50が流れる際の圧力損失が大きくなることを防止することができる。なお、ハニカム体11がドーナツ形状である場合には、セル密度は、中央部分14を除いた、外周部分15におけるセル密度のことである。
【0048】
ハニカム体11のアイソスタティック強度は、1MPa以上が好ましく、5MPa以上が更に好ましい。ハニカム体11のアイソスタティック強度が、1MPa以上であると、ハニカム体11の耐久性を十分なものとすることができる。なお、ハニカム体11のアイソスタティック強度の上限値は、100MPa程度である。ハニカム体11のアイソスタティック強度は、社団法人自動車技術会発行の自動車規格であるJASO規格M505−87に規定されているアイソスタティック破壊強度の測定方法に準じて測定することができる。
【0049】
ハニカム体11のセル12の延びる方向に直交する断面における直径は、20〜200mmであることが好ましく、30〜100mmであることが好ましい。以下、ハニカム体11のセル12の延びる方向に直交する断面における直径を、単に、「ハニカム体11の直径」ということがある。このような直径とすることにより、熱回収効率を向上させることができる。ハニカム体11の断面の形状が円形でない場合には、当該ハニカム体11の断面の形状に内接する最大内接円の直径を、ハニカム体11の直径とする。
【0050】
ハニカム体11の隔壁13の厚さについても、目的に応じて適宜設計すればよく、特に制限はない。隔壁13の厚さは、0.1〜1mmとすることが好ましく、0.2〜0.6mmとすることが更に好ましい。隔壁の厚さを0.1mm以上とすることにより、機械的強度を十分なものとし、衝撃や熱応力によって破損することを防止することができる。また、隔壁の厚さを1mm以下とすることにより、排気ガス50の圧力損失が大きくなったり、熱回収効率が低下したりするといった不具合を防止することができる。
【0051】
ハニカム体11の熱伝導率は、50W/(m・K)以上であることが好ましく、100〜300W/(m・K)であることが更に好ましく、120〜300W/(m・K)であることが特に好ましい。ハニカム体11の熱伝導率を、このような範囲とすることにより、熱伝導性が良好となり、効率よくハニカム体内の熱を、ハニカム体に嵌合するように配置された筒状部材22を介して、熱交換媒体51に伝達することができる。なお、熱伝導率の値は、レーザーフラッシュ法により測定した値である。
【0052】
ハニカム体11の隔壁13に触媒を担持させてもよい。隔壁13に触媒を担持させると、排気ガス中のCOやNOやHCなどを触媒反応によって無害な物質にすることが可能になり、これに加えて、触媒反応の際に生じる反応熱を熱交換に用いることが可能になる。触媒としては、貴金属(白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、インジウム、銀、及び金)、アルミニウム、ニッケル、ジルコニウム、チタン、セリウム、コバルト、マンガン、亜鉛、銅、スズ、鉄、ニオブ、マグネシウム、ランタン、サマリウム、ビスマス、及びバリウムからなる群より選択された少なくとも一種の元素を含有する触媒を好適例として挙げることができる。上記元素は、金属単体、金属酸化物、およびそれ以外の金属化合物として含有されていてもよい。
【0053】
触媒(触媒金属+担持体)の担持量としては、10〜400g/Lであることが好ましく、また、貴金属を含む触媒の担持量としては、0.1〜5g/Lであることが好ましい。触媒(触媒金属+担持体)の担持量を10g/L以上とすると、触媒作用が発現しやすい。一方、400g/L以下とすると、圧力損失を抑え、製造コストの上昇を抑えることができる。担持体とは、触媒金属が担持される担体のことである。担持体としては、アルミナ、セリア、及びジルコニアからなる群より選択される少なくとも一種を含有するものであることが好ましい。
【0054】
ケーシング21は、ハニカム体11の外周面16に嵌合するように配置された筒状部材22と、筒状部材22の外側に配設されたケーシング本体23と、を備える。筒状部材22としては、例えば、環状の板状部材を用いることができる。ケーシング21を構成する筒状部材22の材質については、金属が好ましく、例えば、ステンレス、チタン合金、銅合金、アルミ合金、真鍮等を挙げることができる。本明細書において、「嵌合する」とは、ハニカム体11と、筒状部材22とが、相互に嵌り合った状態で固定されていることをいう。このため、ハニカム体11と筒状部材22との嵌合においては、すきま嵌め、締まり嵌め、焼き嵌め等の嵌め合いによる固定方法に限定されることはなく、例えば、ろう付けや拡散接合等により、ハニカム体11と筒状部材22とが相互に固定されていてもよい。
【0055】
ケーシング本体23の材質としては、例えば、金属、セラミック等が挙げられる。金属としては、例えば、ステンレス、チタン合金、銅合金、アルミ合金、真鍮等を用いることができる。ケーシング本体23は、排気ガス50との熱交換による排熱を回収するための熱交換媒体51の経路25を形成する。そして、ケーシング本体23は、熱交換媒体51が導入される熱交換媒体導入口26、及び熱交換媒体51が排出される熱交換媒体排出口27を有する。熱交換媒体導入口26、及び熱交換媒体排出口27は、ケーシング本体23に少なくとも一対形成されていることが好ましい。
【0056】
排気分岐部30は、熱交換部10の、ハニカム体11の第一端面18側に接続されている。排気分岐部30は、ハニカム体11に流入する排気ガス50の経路を、ハニカム体11の軸方向に直交する断面における中央部分14と外周部分15とに分岐する、分岐路31を有する。なお、ハニカム体11の「中央部分14」とは、柱状のハニカム体11における、当該ハニカム体11の中心軸を含む、中央側の領域のことを意味する。ハニカム体11の「外周部分15」とは、柱状のハニカム体11における、当該ハニカム体11の中央部分14より外周側の領域のことを意味する。図2に示す排熱回収器100においては、排気分岐部30を構成する配管32に、貫通孔33が形成されており、この貫通孔33が、分岐路31となっている。排気ガス50の経路(配管32)を流れてきた排気ガス50が、貫通孔33を通過せずにハニカム体11に流入すると、その排気ガス50は、ハニカム体11の中央部分14に流入する。一方、排気ガス50の経路(配管32)を流れてきた排気ガス50が、貫通孔33を通過すると、配管32の外側に形成された第二の流路に排気ガス50が流入し、その後、その排気ガス50は、ハニカム体11の外周部分15に流入する。なお、排気分岐部30において、排気ガス50をハニカム体の中央部分14に流入させるための配管32を、「排気ガイド部材38」ということがある。
【0057】
ハニカム体の直径D1と、排気分岐部30の排気ガイド部材38の直径D2の比であるD1/D2の値が、1.1以上、7以下であることが好ましく、1.15以上、2.3以下であることが更に好ましく、1.15以上、1.75以下であることが特に好ましい。D1/D2の値が、1.1未満であると、熱回収時(例えば、開閉弁43が閉の状態)において、ハニカム体11の外周部分15の開口面積が相対的に小さくなり、当該外周部分15を流通する際の排気ガス50の圧力損失が増大することがある。D1/D2の値が、7を超えると、非熱回収時(例えば、開閉弁43が開の状態)において、排気ガス50が中央部分14を流通する際の圧力損失が増大することがある。特に、中央部分14の開口面積が相対的に小さくなると、高負荷時の圧力損失が大きくなり、エンジン出力の低下につながることがある。なお、「ハニカム体の直径D1」は、ハニカム体のセルの延びる方向に直交する断面における直径のことを意味する。「排気ガイド部材38の直径D2」は、排気ガイド部材38に該当する配管32の内径のことを意味する。
【0058】
排気分岐部30の分岐路31は、図2に示すような貫通孔33に限定されることはない。例えば、排気分岐部30の分岐路31としては、排気ガス50のガス流れを少なくとも2系統に分岐して、ハニカム体11の中央部分14と外周部分15とに、それぞれ個々に排気ガス50を流入させることが可能なものであればよい。また、分岐路31を通過して2系統に分岐された排気ガス50は、相互に気密状態が維持されるものであってもよいが、それぞれのガス流れの大部分が維持されるものであれば、2系統に分岐した排気ガス50の相互間で、ガスの移動ができるものであってもよい。
【0059】
排気分配部40は、熱交換部10の、ハニカム体11の第二端面19側に接続されている。排気分配部40は、ハニカム体11の中央部分14の通気抵抗を変更し、ハニカム体11の外周部分15に流通する排気量を可変して、排気熱の回収量(熱回収量)を調整する排気分配機構41を有する。図2に示す排熱回収器100においては、排気分配部40を構成する配管42の、ハニカム体11の中央部分14に相当する箇所に、開閉弁43が設けられおり、この開閉弁43が排気分配機構41となっている。開閉弁43が閉となると、ハニカム体11の中央部分14の通気抵抗が上昇し、ハニカム体11の外周部分15に流通する排気量が増加する。一方、開閉弁43が開となると、ハニカム体11の中央部分14の通気抵抗が低下し、ハニカム体11の外周部分15に流通する排気量が減少する。したがって、図2に示す排熱回収器100においては、排気熱の回収を促進したい場合には、開閉弁43を閉とし、排気熱の回収を抑制したい場合には、開閉弁43を開とすることで、必要に応じて熱回収量を調整することができる。図2に示す開閉弁43は、弁棒44を軸に、弁体45がガス流れに対して、直交方向から平行方向に90°移動することで、弁の開閉を行うものである。なお、開閉弁43の開閉機構は、図2に示す開閉弁43に限定されることはない。なお、排気分配部40において、ハニカム体の中央部分14から流出した排気ガス50を流通させるための配管42を、「排気ガイド部材48」ということがある。
【0060】
ハニカム体の直径D1と、排気分配部40の排気ガイド部材48の直径D2’の比であるD1/D2’の値が、1.1以上、7以下であることが好ましく、1.15以上、2.3以下であることが更に好ましく、1.15以上、1.75以下であることが特に好ましい。D1/D2’の値が、1.1未満であると、熱回収時(例えば、開閉弁43が閉の状態)において、ハニカム体11の外周部分15の開口面積が相対的に小さくなり、当該外周部分15を流通する際の排気ガス50の圧力損失が増大することがある。D1/D2’の値が、7を超えると、非熱回収時(例えば、開閉弁43が開の状態)において、排気ガス50が中央部分14を流通する際の圧力損失が増大することがある。特に、中央部分14の開口面積が相対的に小さくなると、高負荷時の圧力損失が大きくなり、エンジン出力の低下につながることがある。「排気ガイド部材48の直径D2」は、排気ガイド部材48に該当する配管42の内径のことを意味する。
【0061】
なお、図1図3に示す排熱回収器100においては、熱交換部10、排気分岐部30、及び排気分配部40が、それぞれ分離可能に構成されていてもよい。このように構成することによって、例えば、排熱回収器100の一部の構成要素が破損した場合に、排熱回収器100全体を交換せずに、熱交換部10、排気分岐部30、及び排気分配部40のいずれかを、部分的に交換することができる。また、排熱回収器100自体も、排気系に対して取り外し可能に構成されていてもよい。このように構成することによって、排熱回収器100のメンテナンス等が容易となる。
【0062】
排気分配機構41によって流通する経路が決められた排気ガスのうち、ハニカム体11の外周部分15を通過した排気ガスと、ハニカム体11の中央部分14を通過した排気ガスが、ハニカム体11の第二端面19よりも下流側において合流していてもよい。ハニカム体11の第二端面19よりも下流側において合流した排気ガスは、同一の流通経路の排出口から排出される。
【0063】
(排熱回収器の製造方法)
次に、排熱回収器の製造方法を説明する。本発明の排熱回収器は、例えば、以下のようにして製造することができる。まず、セラミック粉末を含む坏土を所望の形状に押し出し、ハニカム成形体を作製する。ハニカム成形体の材料としては、ハニカム体の隔壁の好適材料として挙げたセラミックを用いることができる。例えば、Si含浸SiC複合材料を主成分とするハニカム体を製造する場合、まず、所定量のSiC粉末、バインダー、水又は有機溶媒を混練し坏土とし、得られた坏土を成形して、所望形状のハニカム成形体を作製する。そして、作製したハニカム成形体を乾燥し、減圧の不活性ガス又は真空中で、ハニカム成形体中に金属Siを含浸焼成することによって、隔壁によって複数のセルが区画形成されたハニカム体を得ることができる。なお、ハニカム体は、その中央部分をくり抜き、ドーナツ形状のものとしてもよい。ハニカム体の中央部分をくり抜く場合には、ハニカム成形体の状態で行ってもよいし、焼成後の焼成体(ハニカム体)の状態で行ってもよい。
【0064】
次に、ハニカム体をステンレスからなる筒状部材に挿入して、焼き嵌めにより、ハニカム体に嵌合するように筒状部材を配置する。なお、ハニカム体と筒状部材との嵌合は、焼き嵌め以外に、圧入やろう付け、拡散接合等を用いてもよい。
【0065】
次に、ステンレスからなり、ケーシングの一部となるケーシング本体を作製する。次に、作製したケーシング本体の内部に、ハニカム体と、ハニカム体に嵌合するように配置された筒状部材とを配置する。ケーシング本体と筒状部材とを接合して、ケーシングを作製する。このようにして、ハニカム体と、ハニカム体を収容するケーシングと、を有する熱交換部を作製する。
【0066】
また、排気分岐部、及び排気分配部を作製する。排気分岐部は、例えば、まず、熱交換部の一方の端部(ハニカム体の第一端面側の端部)に接続可能な外側配管と、ハニカム体の中央部分の大きさに相当する内側配管とを用意する。内側配管には、分岐路となる貫通孔を形成する。外側配管の内側に、内側配管を配置して二重管構造としたものを、排気分岐部とすることができる。排気分配部は、例えば、まず、熱交換部の他方の端部(ハニカム体の第二端面側の端部)に接続可能な外側配管と、ハニカム体の中央部分の大きさに相当する内側配管とを用意する。そして、内側配管に開閉弁を配設する。外側配管の内側に、内側配管を配置して二重管構造としたものを、排気分配部とすることができる。
【0067】
作製した、排気分岐部、熱交換部、及び排気分配部を、排気ガスの流れ方向に直列に接続し、排熱回収器を作製する。排気分岐部、熱交換部、及び排気分配部の接続は、分離可能な方法で行ってもよいし、分離不可の方法で行ってもよい。なお、排熱回収器を作製する方法は、これまでに説明した方法に限定されることはなく、各実施形態の排熱回収器の構成に応じて、適宜変更、改良等を行うことができる。
【0068】
(1−2)排熱回収器の第二実施形態:
排熱回収器の第二実施形態は、図5及び図6に示す排熱回収器200である。図5は、本発明の排熱回収器の第二実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。図6は、本発明の排熱回収器の第二実施形態を模式的に示す平面図であり、図5に示す排熱回収器を矢印Bの方向に見た平面図である。なお、図5及び図6に示す排熱回収器200において、図1図3に示す排熱回収器100と同様に構成されたものについては、同一の符号を付し説明を省略することがある。
【0069】
排熱回収器200は、熱交換部10と、排気分岐部30aと、排気分配部40aと、を備えている。熱交換部10は、図1図3に示す排熱回収器100の熱交換部10と同様に構成されたものである。排気分岐部30aも、図1図3に示す排熱回収器100の排気分岐部30と略同様に構成されたものである。ただし、図2に示す「排気分岐部30」は、配管32の直径が、排気ガスの流れ方向に向かって漸減するものであるのに対して、図5に示す「排気分岐部30a」は、配管32aの直径が一定となっている。図5に示す「排気分岐部30a」は、図2に示す「排気分岐部30」のように構成されたものであってもよい。
【0070】
図5及び図6に示す排熱回収器200においては、排気分配部40aの排気分配機構41aが、配管42aの横切るように配設された弁棒44aを軸に、弁体45aが回転するように構成された開閉弁43aを有する。開閉弁43aが開となる際には、弁体45aの一部が、熱交換部10にはみ出すこととなるが、ハニカム体11の中央部分14は空洞となっているため、弁体45aとハニカム体11とが接触することはない。このように構成された排熱回収器200によれば、図1図3に示す排熱回収器100と同様の作用効果を奏するとともに、排熱回収器200の更なる小型化が可能となる。
【0071】
(1−3)排熱回収器の第三実施形態:
排熱回収器の第三実施形態は、図7図11に示す排熱回収器300である。図7は、本発明の排熱回収器の第三実施形態を模式的に示す斜視図である。図8は、本発明の排熱回収器の第三実施形態を模式的に示す一部切り欠き側面図である。図9は、本発明の排熱回収器の第三実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。図10は、本発明の排熱回収器の第三実施形態を模式的に示す平面図であり、図9に示す排熱回収器を矢印Cの方向に見た平面図である。図11は、図9に示す排熱回収器の熱交換部、排気分岐部、及び排気分配部を分離した状態を示す断面図である。図12は、本発明の排熱回収器の第三実施形態に用いられるハニカム体を模式的に示す斜視図である。
【0072】
排熱回収器300は、熱交換部10bと、排気分岐部30bと、排気分配部40bと、を備えている。熱交換部10bは、第一端面18b及び第二端面19bを有する柱状のハニカム体11bと、このハニカム体11bを収容するケーシング21bと、を有する。ハニカム体11bは、セラミックを主成分とする隔壁13bを有し、隔壁13bによって、第一端面18bから第二端面19bまで延びる、排気ガス50の流路となる複数のセル12bが区画形成されたものである。このように構成されていることにより、ハニカム体11bのセル12bを流通する排気ガス50の熱を効率よく集熱し、外部(具体的には、熱交換媒体51)に伝達することができる。
【0073】
ハニカム体11bの外形は、特に制限はない。ハニカム体11bのセル12bの延びる方向に直交する断面における断面形状は、円形、楕円形、四角形、またはその他の多角形であってもよい。図12に示すハニカム体11bは、セル12bの延びる方向に直交する断面における断面形状が円形のものである。図12に示すハニカム体11bは、中央部分14b及び外周部分15bの両方が、隔壁13bによって複数のセル12bが区画形成されたハニカム構造を有するものである。ハニカム体11bの形状が、空洞のドーナツ形状でないこと以外は、図4に示すハニカム体11と同様に構成されていることが好ましい。
【0074】
ケーシング21bは、ハニカム体11bの外周面16bに嵌合するように配置された筒状部材22bと、筒状部材22bの外側に配設されたケーシング本体23bと、を備える。筒状部材22bとしては、例えば、環状の板状部材を用いることができる。ケーシング21bを構成する筒状部材22bの材質については、金属が好ましく、例えば、ステンレス、チタン合金、銅合金、アルミ合金、真鍮等を挙げることができる。
【0075】
ケーシング本体23bの材質としては、例えば、金属、セラミック等が挙げられる。金属としては、例えば、ステンレス、チタン合金、銅合金、アルミ合金、真鍮等を用いることができる。ケーシング本体23bは、熱交換媒体51の経路25bを形成する。そして、ケーシング本体23bは、熱交換媒体51が導入される熱交換媒体導入口26b、及び熱交換媒体51が排出される熱交換媒体排出口27bを有する。熱交換媒体導入口26b、及び熱交換媒体排出口27bは、ケーシング本体23bに少なくとも一対形成されていることが好ましい。
【0076】
排気分岐部30bは、熱交換部10bの、ハニカム体11bの第一端面18b側に接続されている。排気分岐部30bは、ハニカム体11bに流入する排気ガス50の経路を、ハニカム体11bの軸方向に直交する断面における中央部分14bと外周部分15bとに分岐する、分岐路31bを有する。図9に示す排熱回収器300においては、排気分岐部30bを構成する配管32bに、貫通孔33bが形成されており、この貫通孔33bが、分岐路31bとなっている。排気ガス50の経路(配管32b)を流れてきた排気ガス50が、貫通孔33bを通過せずにハニカム体11bに流入すると、その排気ガス50は、ハニカム体11bの中央部分14bに流入する。一方、排気ガス50の経路(配管32b)を流れてきた排気ガス50が、貫通孔33bを通過すると、配管32bの外側に形成された第二の流路に排気ガス50が流入し、その後、その排気ガス50は、ハニカム体11bの外周部分15bに流入する。
【0077】
排気分配部40bは、熱交換部10bの、ハニカム体11bの第二端面19b側に接続されている。排気分配部40bは、ハニカム体11bの中央部分14bの通気抵抗を変更し、ハニカム体11bの外周部分15bに流通する排気量を可変して、排気熱の回収量(熱回収量)を調整する排気分配機構41bを有する。図9に示す排熱回収器300においては、排気分配部40bを構成する配管42bの、ハニカム体11bの中央部分14bに相当する箇所に、開閉弁43bが設けられおり、この開閉弁43bが排気分配機構41bとなっている。
【0078】
排熱回収器300において、排気分岐部30bの分岐路31b、及び排気分配部40bの排気分配機構41bの構成については、第一実施形態及び第二実施形態の排熱回収器と同様の構成とすることができる。
【0079】
排熱回収器300においては、図11に示すように、熱交換部10b、排気分岐部30b、及び排気分配部40bが、それぞれ分離可能に構成されている。
【0080】
排熱回収器300においては、排気分岐部30b及び排気分配部40bの少なくとも一方が、筒状の排気ガイド部材38,48(例えば、配管32b,42b)を有し、この排気ガイド部材38,48が、ハニカム体11bを貫通していないことが好ましい。即ち、排気ガイド部材38,48の端部が、ハニカム体11bの端面に当接した状態、又はハニカム体11bの端面から離間した状態で配置されていることが好ましい。このように構成することにより、図11に示すように、熱交換部10b、排気分岐部30b、及び排気分配部40bを、それぞれ簡単に分離可能な構成とすることができる。
【0081】
また、図示は省略するが、排気分岐部及び排気分配部の少なくとも一方が、筒状の排気ガイド部材を有する場合、排気ガイド部材が、図4に示すようなドーナツ形状のハニカム体11の空洞を貫通するように配設されていてもよい。このように構成することによって、ドーナツ形状のハニカム体11の空洞を貫通するように、連続する排気ガスの経路が形成されることとなる。
【0082】
ハニカム体の直径D1と、排気ガイド部材38,48の直径D2の比であるD1/D2の値が、1.1以上、7以下であることが好ましく、1.15以上、2.3以下であることが更に好ましく、1.15以上、1.75以下であることが特に好ましい。D1/D2の値が、1.1未満であると、熱回収時(例えば、開閉弁43bが閉の状態)において、ハニカム体11bの外周部分15bの開口面積が相対的に小さくなり、当該外周部分15bを流通する際の排気ガス50の圧力損失が増大することがある。D1/D2の値が、7を超えると、非熱回収時(例えば、開閉弁43bが開の状態)において、排気ガス50が中央部分14bを流通する際の圧力損失が増大することがある。特に、中央部分14bの開口面積が相対的に小さくなると、高負荷時の圧力損失が大きくなり、エンジン出力の低下につながることがある。
【0083】
排気ガイド部材38,48の端部が、ハニカム体11bの端面から離間した状態で配置されている場合には、排気ガイド部材38,48の端部と、ハニカム体11bの端面との距離(別言すれば、間隔)は、0.05〜10mmであることが好ましい。このように構成することによって、排気ガイド部材38,48及びハニカム体11bが熱膨張した際に、排気ガイド部材38,48とハニカム体11bとの接触を抑制することができ、ハニカム体11bの破損等を有効に防止することができる。排気ガイド部材38,48の端部と、ハニカム体11bの端面との距離は、0.05〜5mmであることが更に好ましく、0.05〜2mmであることが特に好ましい。
【0084】
(1−4)排熱回収器の第四実施形態:
排熱回収器の第四実施形態は、図13に示す排熱回収器400である。図13は、本発明の排熱回収器の第四実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
【0085】
排熱回収器400は、熱交換部10cと、排気分岐部30cと、排気分配部40cと、を備えている。熱交換部10cは、ハニカム体11cと、ケーシング21cとを有する。排気分岐部30cは、分岐路31cを有する。排気分配部40cは、排気分配機構41cを有する。ハニカム体11c、ケーシング21c、分岐路31c、及び排気分配機構41cの各構成要素については、第一実施形態〜第三実施形態の排熱回収器における各構成要素と同様に構成されたものを用いることができる。図13において、符号18cは、ハニカム体の「第一端面」を示し、符号32cは、排気分岐部30cの「配管」を示す。
【0086】
排熱回収器400においては、排気分配機構41cによって流通する経路が決められた排気ガス50のガス流れが、第一実施形態〜第三実施形態の排熱回収器におけるガス流れと異なっている。即ち、排熱回収器400においては、ハニカム体11cの外周部分15cを通過した排気ガス50Xと、ハニカム体11cの中央部分14cを通過した排気ガス50Yとが、それぞれ異なる経路の排出口60,61から排出される。排出口60,61は、ハニカム体11cの第二端面19cよりも下流側に設けられた、排気ガス50を排出するための排出口である。
【0087】
排熱回収器400は、EGR(排気ガス再循環)クーラとして好適に用いることができる。また、排気ガス50Xと排気ガス50Yとを、それぞれ異なる経路の排出口60,61から排出されるように構成することにより、EGRの非作動時にも、排熱回収が可能となる。更に、熱回収不要時の、過剰な熱回収を防止することができる。例えば、排気ガス50と熱交換媒体(例えば、冷却水)とを有効に分離し、過剰な熱回収を防止することができる。具体的には、熱回収不要時には、ハニカム体11cの中央部分14cに積極的に排気ガス50Yを通過させることにより、ハニカム体11cの外周部分15cを通過する排気ガス50Xの排気量を減少させる。これにより、熱交換媒体と熱交換を行う排気ガス50の絶対量を減少させ、過剰な熱回収を防止することができる。一方で、熱回収量を増加させたい時には、排気分配機構41cを用いて排気ガス50Yの排気量を適宜減少させることにより、排気ガス50Xの排気量を増加させ、必要な熱回収量を確保することができる。
【0088】
(1−5)排熱回収器の第五実施形態:
排熱回収器の第五実施形態は、図14に示す排熱回収器500である。図14は、本発明の排熱回収器の第五実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。
【0089】
排熱回収器500は、熱交換部10dと、排気分岐部30dと、排気分配部40dと、を備えている。熱交換部10dは、ハニカム体11dと、ケーシング21dとを有する。ハニカム体11dは、第一端面18d及び第二端面19dを有し、中央部分14dが空洞のドーナツ形状である。排気分岐部30dは、分岐路31dを有する。排気分配部40dは、排気分配機構41dを有する。ハニカム体11d、及びケーシング21dは、例えば、図2に示すような第一実施形態の排熱回収器におけるハニカム体11、及びケーシング21と同様に構成されたものを用いることができる。排気分岐部30dに用いられる配管32d(排気ガイド部材38)は、ハニカム体11dの中央部分14dを貫通するように設けられている。そして、当該配管32dの、ハニカム体11dの中央部分14dを貫通した下流側において、貫通孔からなる分岐路31dが設けられている。また、配管32dの、ハニカム体11dの中央部分14dを貫通した下流側には、排気分配部40dの排気分配機構41dが更に設けられている。排気分配機構41dは、第一実施形態〜第三実施形態の排熱回収器における排気分配機構と同様に、開閉弁によって構成されており、この開閉弁を操作することにより、ハニカム体11dの中央部分14dの通気抵抗を変更することができる。
【0090】
排熱回収器500においては、排気分配機構41dによって流通する経路が決められた排気ガス50のガス流れが、第一実施形態〜第三実施形態の排熱回収器におけるガス流れと異なっている。即ち、排熱回収器500においては、まず、排気ガス50の全量が、一旦、ハニカム体11dの中央部分14dを通過する。そして、中央部分14dを通過した後の排気ガス50Yの少なくとも一部が、分岐路31dによって分岐され、分岐された排気ガス50Xが、ハニカム体11dの外周部分15dに流通することとなる。分岐路31dの下流側には、排気分配機構41dが設けられており、ハニカム体11dの中央部分14dの通気抵抗を変更することで、ハニカム体11dの外周部分15dを流通する排気ガス50Xの排気量を調整することができる。
【0091】
排熱回収器500においては、ハニカム体11dの外周部分15dを通過した排気ガス50Xと、ハニカム体11dの中央部分14dを通過し、外周部分15dへと分岐されなかった排気ガス50Yとが、それぞれ異なる経路の排出口60,61から排出される。排出口60,61は、ハニカム体11dの下流側に設けられた、排気ガス50を排出するための排出口である。
【0092】
排熱回収器500は、第四実施形態の排熱回収器400(図13参照)と同様に、EGR(排気ガス再循環)クーラとして好適に用いることができる。また、排気ガス50Xと排気ガス50Yとを、それぞれ異なる経路の排出口60,61から排出されるように構成することにより、EGRの非作動時にも、排熱回収が可能となる。更に、熱回収不要時の、過剰な熱回収を防止することができる。例えば、排気ガス50と熱交換媒体(例えば、冷却水)とを有効に分離し、過剰な熱回収を防止することができる。
【0093】
(1−6)排熱回収器の第六実施形態:
排熱回収器の第六実施形態は、図15に示す排熱回収器600である。図15は、本発明の排熱回収器の第六実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。図15に示す排熱回収器600において、図1図3に示す排熱回収器100等と同様に構成されたものについては、同一の符号を付し説明を省略することがある。
【0094】
排熱回収器600は、熱交換部10と、排気分岐部30と、排気分配部40と、を備えている。排熱回収器600は、ハニカム体11の外周部分15における排気ガス50の経路が、ハニカム体11の軸方向に2つ以上に部分的に仕切られている。そして、排熱回収器600においては、ハニカム体11の外周部分15に導入された排気ガス50が、ハニカム体11の軸方向に対して折り返し流通するように構成されている。即ち、図15に示す排熱回収器600は、第五実施形態の排熱回収器500(図14)と同様に、ハニカム体11の中央部分14を貫通した下流側において、貫通孔からなる分岐路31が設けられている。本実施形態の排熱回収器600においては、ハニカム体11の外周部分15における排気ガス50の経路が、例えば、図15の紙面の上下方向の略中間部位にて、ハニカム体11の軸方向に2つに仕切られている。但し、ハニカム体11の外周部分15の上流側(即ち、紙面の左側)は、排気ガス50の経路が仕切られておらず、ハニカム体11の上半分を流通した排気ガス50は、この上流側にて、ハニカム体11の下半分に流入するように構成されている。そして、ハニカム体11の下半分に流入した排気ガス50は、ハニカム体11の下半分を流通した後に、ハニカム体11の中央部分14を通過した排気ガス50と合流するように構成されている。
【0095】
排熱回収器600は、外周部分15を流通する排気ガス50が、ハニカム体11の軸方向に対して折り返し流通するため、熱回収効率を増大させることができる。例えば、ハニカム体11の外周部分15が軸方向に2つに仕切られている場合には、ハニカム体11の軸方向の長さに対して、ハニカム体11の外周部分15における排気ガス50の経路を2倍の長さとすることができる。このため、本実施形態の排熱回収器600は、ハニカム体11の軸方向の長さが同じで、折り返しの無い排熱回収器に対して、おおよそ、1.5倍程度の熱回収効率の向上を期待することができる。また、ハニカム体11の外周部分15における排気ガス50の経路の折り返し回数を更に増加させることにより、熱回収効率の更なる向上を期待することができる。
【0096】
本実施形態の排熱回収器においては、図示は省略するが、図15における「排気分岐部30」及び「排気分配部40」が、ハニカム体11の上流側に位置してもよい。また、図15においては、ハニカム体11が、中央部分14が空洞のドーナツ形状のものであるが、図12に示すハニカム体11bのように、中央部分14b及び外周部分15bの両方がハニカム構造を有するものであってもよい。以下に説明する各実施形態において、ハニカム体の形状については、参照する図面に示される形状に限定されることはなく、中央部分が空洞のドーナツ形状のもの、及び、中央部分及び外周部分の両方がハニカム構造を有するものの双方についての適用が可能である。
【0097】
本実施形態の排熱回収器においては、図示は省略するが、ハニカム体の外周部分における排気ガスの経路が、ハニカム体の軸方向に3つ以上に仕切られていてもよい。このように構成することにより、ハニカム体の外周部分における排気ガスの経路を、ハニカム体の軸方向の長さに対して、3倍以上の長さとすることができる。例えば、図15における「排気分岐部30」を、ハニカム体11の上流側に配置し、ハニカム体11の外周部分15を2回折り返した後、外周部分15を通過した排気ガス50が排出されるように構成されていてもよい。
【0098】
(1−7)排熱回収器の第七実施形態:
排熱回収器の第七実施形態は、図16及び図17に示す排熱回収器700である。図16は、本発明の排熱回収器の第七実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。図17は、本発明の排熱回収器の第七実施形態を模式的に示す平面図であり、図16に示す排熱回収器を矢印Dの方向に見た平面図である。図16及び図17に示す排熱回収器700において、図1図3に示す排熱回収器100等と同様に構成されたものについては、同一の符号を付し説明を省略することがある。
【0099】
排熱回収器700は、熱交換部10と、排気分岐部30と、排気分配部40と、を備えている。排熱回収器700は、発熱を伴う機器を含む外部部材72を更に備えている。外部部材72は、ケーシング21の周囲に設けられた、所謂、外付け部材であり、特に、排熱回収器700において、過剰な温度上昇を抑えたい部材である。外部部材72に含まれる発熱を伴う機器とは、例えば、排気分配機構41を構成する開閉弁43の動力源となるモーター(Motor)72a等を挙げることができる。また、これに付随する電子機器や、それ以外の各種の電子機器等についても、発熱を伴う機器となる。例えば、モーター72aは、ケーシング21の周囲に設けられているため、ケーシング21や開閉弁43を経由して、排気ガス50からの熱伝達により温度が上昇することがある。排熱回収器700においては、上記したようなモーター72a等に伝えられた熱を、熱交換媒体によって更に回収するように構成されている。更に、モーター72a等は、その駆動時に発熱を伴うため、このような発熱についても、熱交換媒体によって更に回収することができる。このように構成することによって、温度上昇を抑えたい外部部材72の温度上昇を抑え、外部部材72の破損を有効に防止することができる。また、外部部材72からの熱回収を行うことで、熱交換媒体の熱回収効率を向上させることができる。
【0100】
排熱回収器700においては、外部部材72のモーター72aが、モーターステー(Motor stay)73aによって支持され、ケーシング21に周囲に固定されている。このため、外部部材72からの熱回収は、モーターステー73aを介して行われることとなる。モーターステー73aは、熱交換媒体の経路25に近接するように配置されていることが好ましい。外部部材72における熱回収の対象については、上述したモーター72aに限定されることはない。また、外部部材72における熱回収の方法については、上述したモーターステー73aに限定されることはない。更に、図示は省略するが、発熱を伴う機器を含まない他の外部部材を更に備え、この他の外部部材への排気ガスからの伝熱を、熱交換媒体によって更に回収するように構成されていてもよい。他の外部部材については特に制限はなく、温度上昇を抑えたい外付け部材であることが好ましい。
【0101】
(1−8)排熱回収器の第八実施形態:
排熱回収器の第八実施形態は、図18及び図19に示す排熱回収器800である。図18は、本発明の排熱回収器の第八実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。図19は、本発明の排熱回収器の第八実施形態を模式的に示す平面図であり、図18に示す排熱回収器を矢印Eの方向に見た平面図である。図18及び図19に示す排熱回収器800において、図1図3に示す排熱回収器100等と同様に構成されたものについては、同一の符号を付し説明を省略することがある。
【0102】
排熱回収器800は、熱交換部10と、排気分岐部30と、排気分配部40と、を備えている。排熱回収器800においては、熱交換媒体の経路25内に、熱交換補助部材74が配設されている。熱交換補助部材74は、ハニカム体11の外周面に嵌合するように配置された筒状部材と接続しており、この筒状部材からの伝熱により加熱される。このような熱交換補助部材74を有することにより、熱交換媒体の熱回収効率を向上させることができる。
【0103】
熱交換補助部材74は、例えば、熱交換媒体の経路25内において、伝熱部位の表面積を増大させるような形状であることが好ましい。例えば、熱交換補助部材74として、蛇腹式のひだになっている形状のものを挙げることができる。このような形状の部材として、コルゲートパイプ(corrugated pipe)などを挙げることができる。また、筒状部材の表面から法線方向等に突出するように設けられた、複数のフィン(fin)を熱交換補助部材74としてもよい。
【0104】
熱交換補助部材74の材料については特に制限はないが、熱伝導性の高い材料によって構成されたものであることが好ましい。熱交換補助部材74の材料として、例えば、銅などを挙げることができる。
【0105】
(1−9)排熱回収器の更に他の実施形態:
以下、排熱回収器の更に他の実施形態について、図20図27を参照しつつ説明する。図20図26は、本発明の排熱回収器の更に他の実施形態を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。図27は、本発明の排熱回収器の更に他の実施形態に用いられるハニカム体を模式的に示す斜視図である。図20図27に示す各排熱回収器において、図1図3に示す排熱回収器100等と同様に構成されたものについては、同一の符号を付し説明を省略することがある。
【0106】
図20に示す排熱回収器900は、熱交換部10と、排気分岐部30と、排気分配部40と、を備えている。排熱回収器900においては、熱交換媒体の経路25の外側に、断熱層75が設けられている。排熱回収器900は、自動車などの排気系に設けられ、排気熱を回収するために用いられる。通常、自動車の排気系は、自動車の腹下側にて外気に曝される状態となっていることが多い。このため、自動車などの排気系に排熱回収器900を設けた場合、熱交換媒体によって一旦回収した排気熱が、外気に放散してしまうことがある。排熱回収器900は、熱交換媒体の経路25の外側に、断熱層75が設けられているため、熱交換媒体からの熱の放散を有効に抑制することができる。
【0107】
断熱層75としては、例えば、熱交換媒体の経路25の外側に、更にケーシングを設けて、その内部に空気の層を形成したものを挙げることができる。このような空気の層を設けることにより、熱交換媒体からの熱の放散を極めて簡便に抑制することができる。
【0108】
また、断熱層75としては、上述した空気の層以外のものであってもよい。例えば、熱交換媒体の経路25の外側に、低熱伝導性の材料を配置し、この低熱伝導性の材料を、断熱層75としてもよい。また、断熱層75としては、蓄熱材などであってもよく、熱交換媒体からの熱の放散が抑制可能なものであれば、特に制限はない。
【0109】
図21に示す排熱回収器1000は、熱交換部10と、排気分岐部30と、排気分配部40と、を備えている。排熱回収器1000においては、2つのハニカム体11X,11Yが、排気ガス50の流れ方向に直列に配置されている。2つのハニカム体11X,11Yは、排気ガス50の流れ方向において、隙間を設けた状態で直列に配置されている。このため、ハニカム体11X,11Yの隙間を形成する端面間おいて、上流側に配置されたハニカム体11Xから排出された排気ガス50が、下流側に配置されたハニカム体11Yに導入される前に撹拌される。これにより、排熱の回収効率を増大させることができる。また、ハニカム体11Xから排出された排気ガス50が、ハニカム体11Yの流入側の端面に衝突することで、更に、排気ガス50の撹拌が促進される。
【0110】
排熱回収器1000においては、2つのハニカム体11X,11Yが、排気ガス50の流れ方向に直列に配置されているが、ハニカム体が3つ以上であってもよい。排気ガス50の流れ方向に、複数個のハニカム体を直列に配置し、複数個のハニカム体によって排気ガスから熱回収を行う技術については、例えば、国際公開第2012/169622号に記載された技術を採用することができる。
【0111】
図22に示す排熱回収器1100は、熱交換部10と、排気分岐部30と、排気分配部40と、を備えている。排熱回収器1100においては、排気分岐部30を構成する配管32の貫通孔33が形成されている部位に、整流部76が設けられている。整流部76は、配管32の貫通孔33が形成されている部位の内側に、内径の小さい短管を配設することによって形成されている。配管32と短管との間は、上流側が閉塞し、且つ下流側が開放されるように構成されている。このため、排気ガス50が、配管32の貫通孔33を通過するためには、一旦、整流部76の短管内を通過した後に、その流れ転じて貫通孔33に到達する必要がある。このように構成することによって、配管32の全周方向において、貫通孔33を通過する排気ガス50の流速が均一化し、ハニカム体11の外周部分15に流入する排気ガス50の不均衡を抑制することができる。
【0112】
図23に示す排熱回収器1200は、熱交換部10と、排気分岐部30と、排気分配部40と、を備えている。排熱回収器1200においては、排気分岐部30を構成する配管32の貫通孔33から、ハニカム体11までの距離を遠くすることで、ハニカム体11の外周部分15に流入する排気ガス50の整流を図っている。即ち、排熱回収器1200においては、排気分岐部30を構成する配管32の貫通孔33と、ハニカム体11の外周部分15の第一端面18との間に、整流部77が設けられている。整流部77は、配管32の下流側を延長させることによって形成することができる。このように構成することによって、複数の貫通孔33から流入した排気ガス50の流れが、整流部77を通過することによって均一化し、ハニカム体11の外周部分15に流入する排気ガス50の不均衡を抑制することができる。整流部77の長さ等については特に制限はなく、ハニカム体11の外周部分15に流入する排気ガス50の不均衡を解消するために十分な長さであることが好ましい。
【0113】
図24及び図25に示す排熱回収器1300は、熱交換部10と、排気分岐部30と、排気分配部40と、を備えている。排熱回収器1300においては、排気分配機構41の開閉弁43の形状に特徴を有している。図24に示すように、開閉弁43が閉となると、ハニカム体11の中央部分14の通気抵抗が上昇し、ハニカム体11の外周部分15に流通する排気量が増加するように構成されている。この際、ハニカム体11の外周部分15を通過した排気ガス50は、開閉弁43の制約を受けずに、下流側へ排出される。排熱回収器1300においては、図25に示すように、開閉弁43が開(即ち、中央部分14の開閉弁43が開)となると、ハニカム体11の中央部分14の通気抵抗が低下し、この中央部分14に優先的に排気ガス50が流れる。これまでに説明した第一実施形態等の排熱回収器においては、中央部分14の開閉弁43が開となる場合、ハニカム体11の外周部分15に流通する排気量が減少するものの、ハニカム体11の外周部分15の排気ガス50の流れが完全に停止することはなかった。排熱回収器1300においては、中央部分14の開閉弁43が開となる場合、開閉弁43の弁体45が、外周部分15における排気ガス50の経路を閉鎖する。このため、排熱回収器1300においては、開閉弁43の開閉により、中央部分14又は外周部分15のいずれか一方のみに排気ガス50を流すことができる。
【0114】
排熱回収器1300における排気分配機構41の開閉弁43は、その開閉時に、中央部分14又は外周部分15のいずれか一方の排気ガス50の経路を閉鎖するものであることが好ましい。即ち、開閉弁43の弁体45は、1つであることが好ましい。このように構成することによって、開閉弁43の故障などが発生した場合に、中央部分14及び外周部分15の両方の経路が閉鎖されてしまうことを防止することができる。例えば、開閉弁43の故障時などに、中央部分14及び外周部分15の両方の経路が閉鎖されてしまうような開閉弁43を用いた場合、開閉弁43の故障時に、排気系の流れが完全に停止してしまい、内燃機関に対して悪影響を及ぼすことがある。
【0115】
図26に示す排熱回収器1400は、熱交換部10と、排気分岐部30と、排気分配部40と、を備えている。排熱回収器1400においては、排気分配機構41の開閉弁43の形状に特徴を有している。図26に示すように、開閉弁43は、開閉弁43の弁体45の表面が、排気ガス50の流れ方向に直交する面に対して湾曲している。このため、ハニカム体11の中央部分14を流れる排気ガス50が、弁体45の表面に衝突した際に、弁棒44を軸に、開閉弁43の弁体45が回転し易くなっている。更に、開閉弁43の弁体45には、弁棒44を挟んで、片側の弁体45のみに重り46が設けられており、開閉弁43の故障などが発生し、弁体45に対して駆動力が付与されない場合であっても、上述した重り46により、中央部分14の経路が閉鎖され難くなる。即ち、中央部分14の開閉弁43が開き易くなる。このため、仮に開閉弁43の故障するような状況においても、内燃機関、排気系、及び排熱回収器1400に負荷が生じ難く、より安全に排熱回収器1400を使用することができる。
【0116】
排気分配機構41の開閉弁43の形状については、図26に示す形状に限定されることはなく、排気ガス50のガス圧により、開閉弁43が開き易くなる構造であればよい。また、図26に示す排熱回収器1400においては、開閉弁43の上方に、開閉弁43の逆回転を防止するための、逆回転防止部材47が設けられている。逆回転防止部材47は、排気ガス50の経路内に突出した突起によって構成され、開閉弁43が逆回転した際に、開閉弁43の端部と衝突することで、開閉弁43の逆回転を防止するものである。
【0117】
図27に示すハニカム体11eは、セル12eの延びる方向に直交する断面における断面形状が、円形を略四等分した四分円の、4つのハニカム体11ea,11eb,11ec,11edによって構成されている。即ち、4つのハニカム体11ea,11eb,11ec,11edの集合体が、ハニカム体11eとなっている。ハニカム体11eは、第一端面18e及び第二端面19eを有し、隔壁13eによって複数のセル12eが区画形成されたハニカム構造を有するものである。ハニカム体11eは、中央部分14eが空洞のドーナツ形状である。そして、ハニカム体11eの外周部分15eは、上述した4つのハニカム体11ea,11eb,11ec,11edによって構成されている。このように、本発明の排熱回収器に用いられるハニカム体は、断面形状が円形、又は中央が空洞のドーナツ形状のものに限定されず、その径方向にハニカム体が2つ以上に分割されたものであってもよい。なお、図示は省略するが、ハニカム体が径方向に分割されている場合において、中央部分及び外周部分の両方が、隔壁によって複数のセルが区画形成されたハニカム構造を有するものであってもよい。即ち、図27に示すハニカム体11eのようなドーナツ形状のものに限定されることはない。
【実施例】
【0118】
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0119】
(実施例1)
実施例1の排熱回収器として、図5に示す排熱回収器200と同様に構成された排熱回収器を製造した。以下、実施例1の排熱回収器の製造方法を示す。
【0120】
(ハニカム体の作製)
SiC粉末を含む坏土を所望の形状に押し出した後、乾燥し、所定の外形寸法に加工後、Si含浸焼成することによって、円柱状のハニカム焼成体を作製した。ハニカム焼成体は、端面の直径(外径)が70mm、セルの延びる方向の長さ35mmのものであった。ハニカム焼成体のセル密度は、23セル/cm、隔壁の厚さ(壁厚)は0.3mmであった。ハニカム焼成体の熱伝導率は150W/(m・K)であった。
【0121】
次に、作製したハニカム焼成体の端面の中心を含む直径52mmの範囲を、円柱状にくり抜き、中央部分が空洞のドーナツ形状のハニカム体を作製した。作製したハニカム体の空洞の内側に、当該空洞の内径に一致する大きさの、ステンレスからなる円筒状の内壁を配置した。
【0122】
(熱交換部の作製)
次に、ステンレスからなる筒状部材を作製した。筒状部材は、内径が69.8mmで、軸方向の長さが41.5mmの円筒状であり、肉厚が1mmであった。次に、作製した内筒の筒状部材にハニカム体を挿入し、焼き嵌めにより、ハニカム体の外周面に嵌合するように筒状部材を配置した。
【0123】
次に、ステンレスからなり、ケーシング本体を作製した。ケーシング本体は、内径が76mmで、軸方向の長さが41.5mmの円筒状であり、肉厚が1.5mmであった。ケーシング本体には、熱交換媒体が導入される熱交換媒体導入口、及び当該熱交換媒体が排出される熱交換媒体排出口を形成した。
【0124】
次に、作製したケーシング本体の内部に、ハニカム体が嵌合により固定された筒状部材を配置し、ケーシング本体と筒状部材とを溶接により接合し、ハニカム体とケーシングとを備える熱交換部を作製した。ケーシング本体と筒状部材との間には、ハニカム体の径方向に、ケーシング本体と筒状部材との距離が2.0mmの熱交換媒体の経路が形成されていた。
【0125】
(排気分岐部の作製)
図5に示す排熱回収器200の排気分岐部30aと同様に構成された排気分岐部を作製した。具体的には、ステンレスからなる第一配管と、ステンレスからなる第二配管と用いて、二重管構造の排気分岐部を作製した。第一配管は、軸方向の長さが31.5mmで、外径が54mmで、肉厚が1.5mmの筒状のものであった。第一配管の下流側に、略円形の貫通孔を10個形成し、この貫通孔を、排気分岐部の分岐路とした。第二配管は、軸方向の長さが15.5mmで、上流側となる一方の端部の内径が51mmで、下流側となる他方の端部において、内径が72mmとなる広がり部を有する配管を用いた。第二配管の内部に、第一配管を配置し、第二配管と第一配管とを溶接により接合し、分岐路を有する排気分岐部を作製した。第二配管の内部に、第一配管を配置して接合する際には、第一配管の下流側の端面と、第二配管の下流側の端面との位置が一致するように配置して、両者を接合した。
【0126】
(排気分配部の作製)
図5に示す排熱回収器200の排気分配部40aと同様に構成された排気分部を作製した。具体的には、ステンレスからなる外径が51mmの配管に、排気分配部40aの排気分配機構41aが、配管42aの横切るように配設された弁棒44aを軸に、弁体45aが回転するように構成された開閉弁43aを取り付け、排気分配部を作製した。
【0127】
作製した排気分岐部に、熱交換部を接続し、更に、熱交換部の下流側に、排気分配部を接続して、実施例1の排熱回収器を作製した。
【0128】
(実施例2)
実施例2の排熱回収器として、図9に示す排熱回収器300と同様に構成された排熱回収器を製造した。実施例2の排熱回収器においては、熱交換部の作製において、ハニカム体の中央部分をくり抜かず、中央部分及び外周部分が共にハニカム構造のハニカム体を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、排熱回収器を作製した。
【0129】
(比較例1)
比較例1の排熱回収器として、図28に示す排熱回収器1500と同様に構成された排熱回収器を製造した。図28は、比較例1の排熱回収器を模式的に示す断面図であり、排気系の流れ方向に平行な断面を示す断面図である。図28に示すように、比較例1の排熱回収器1500は、ハニカム体111を、ケーシング121内に収容し、ケーシング121のハニカム体111が配置された箇所の外周側に、熱交換媒体51の経路125を設けたものである。比較例1の排熱回収器においては、実施例1の排気分岐部の第二配管を、ケーシング121の両端に接続し、排気ガスが導入される排ガス導入配管126、排気ガスが排出される排ガス排出配管127とした。また、ハニカム体111、及びケーシング121については、実施例2の熱交換部と同様に構成されたものを用いた。
【0130】
(熱回収効率の測定)
実施例1,2及び比較例1の排熱回収器に、排気ガス(第一流体)を通気し、熱交換媒体として水(第二流体)を用いた場合の、熱回収効率を測定した。なお、熱回収効率は、排熱回収器に流入した入熱量、及び排熱回収器が回収した回収熱量を測定し、下記式(1)によって求めた。
式(1):熱回収効率=回収熱量/入熱量×100
【0131】
入熱量は、「排熱回収器に流入する前の第一流体と第二流体との温度差」、「第一流体の比熱容量」、及び「第一流体の質量流量」の積として求めることができる。なお、「排熱回収器に流入する前の第一流体と第二流体との温度差」とは、排熱回収器に流入する直前の第一流体の温度から、排熱回収器に流入する直前の第二流体の温度を引いた値のことである。また、回収熱量は、「排熱回収器に流入する前と流出した後の第二流体の温度差」、「第二流体の比熱容量」、及び「第二流体の質量流量」の積として求めることができる。「熱回収器に流入する前と流出した後の第二流体の温度差」とは、排熱回収器から流出した直後の第二流体の温度から、排熱回収器に流入する直前の第二流体の温度を引いた値のことである。
【0132】
熱回収効率の測定においては、排気ガスの温度を、400℃とし、排気ガスの流量を、5g/秒、10g/秒、20g/秒、40g/秒、60g/秒、及び100g/秒の6つの条件にて測定を行った。なお、実施例1,2の排熱回収器において、5g/秒、10g/秒、20g/秒の3つの条件においては、排気分配部の排気分配機構として用いた開閉弁を「閉」として熱回収を行った。そして、実施例1,2の排熱回収器において、40g/秒、60g/秒、及び100g/秒の3つの条件においては、排気分配部の排気分配機構として用いた開閉弁を「開」として熱回収を行った。熱回収効率の測定結果を、表1に示す。
【0133】
【表1】
【0134】
(結果)
実施例1,2の排熱回収器は、比較例1の排熱回収器と比較して、排気ガスの流量に応じて、熱回収効率を調整し、適切な排熱の回収を行うことができた。
【0135】
(実施例3)
実施例3の排熱回収器として、図29に示すような排熱回収器を作製した。図29は、実施例3の排熱回収器の構成を示す模式図である。なお、実施例3の排熱回収器としては、図13に示すような、排熱回収器400と同様に構成されたものを用いた。実施例3の排熱回収器は、EGR(排気ガス再循環)クーラとして好適に用いることができた。特に、図13に示すように、排気ガス50Xと排気ガス50Yとを、それぞれ異なる経路の排出口60,61から排出されるように構成することにより、EGRの非作動時にも、排熱回収が可能となった。
【0136】
(比較例2)
比較例2の排熱回収器として、図30に示すような排熱回収器を作製した。図30は、比較例2の排熱回収器の構成を示す模式図である。なお、比較例2の排熱回収器は、エンジンに対して、EGR(排気ガス再循環)クーラと、熱交換器とが個々に接続されている。比較例2の排熱回収器は、EGR(排気ガス再循環)時に、熱交換器側の排気ガス量が減り、熱交換器によって回収される熱量が減少するものであった。一方、実施例3の排熱回収器では、排熱回収後の冷却したガスをEGR(排気ガス再循環)に回すことができるため、排熱回収量の減少がないという優れた効果を奏するものであった。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本発明の排熱回収器は、内燃機関の排気通路に設置し、排気通路を通過する排気ガスの排気熱を回収するために利用することができる。
【符号の説明】
【0138】
10,10b,10c,10d:熱交換部、11,11b,11c,11d,11e,11ea,11eb,11ec,11ed,11X,11Y:ハニカム体、12,12b,12e:セル、13,13b,13e:隔壁、14,14b,14c,14d,14e:中央部分、15,15b,15c,15d,15e:外周部分、16,16b,16e:外周面、17:内壁構造、18,18b,18c,18d,18e:第一端面、19,19b,19c,19d,19e:第二端面、21,21b,21c,21d:ケーシング、22,22b:筒状部材、23,23b:ケーシング本体、25,25b:経路(熱交換媒体の経路)、26,26b:熱交換媒体導入口、27,27b:熱交換媒体排出口、30,30a,30b,30c,30d:排気分岐部、31,31b,31c,31d:分岐路、32,32a,32b,32c,32d:配管、33,33b:貫通孔、38,48:排気ガイド部材、40,40a,40b,40c:排気分配部、41,41a,41b,41c:排気分配機構、42,42a,42b:配管、43,43a,43b:開閉弁、44,44a,44b:弁棒、45,45a,45b:弁体、46:重り、47:逆回転防止部材、50:排気ガス、50X:排気ガス(ハニカム体の外周部分を通過した排気ガス)、50Y:排気ガス(ハニカム体の中央部分を通過した排気ガス)、51:熱交換媒体、60,61:排出口、71:リング状部材、72:外部部材、72a:モーター、73a:モーターステー、74:熱交換補助部材、75:断熱層、76,77:整流部、100,200,300,400,500,600,700,800,900,1000,1100,1200,1300,1400,1500:排熱回収器、111:ハニカム体、121:ケーシング、125:経路(熱交換媒体の経路)、126:排ガス導入配管、127:排ガス排出配管。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図22
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図32