(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記収容カラムは、複数の前記たばこ商品を縦方向に間隔を空けて並べて収容するものであって、個々の又は複数個の前記たばこ商品を支持する複数段の支持部を有する請求項1に記載の払出装置。
前記移動機構は、前記払出機構によって前記第2収容部から払い出された前記たばこ商品と同種の前記たばこ商品を前記第1収容部から前記第2収容部へ移動させる請求項9又は10に記載の払出装置。
前記払出機構は、前記収容部に対して相対的に移動可能であるとともに前記収容部から前記たばこ商品を取り出して搬送する搬送ユニットを含んで構成されている請求項1から13のいずれか一項に記載の払出装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0011】
〔第1の実施形態〕
図1及び
図2は第1の実施形態に係る払出装置100の構造を示す模式図であり、このうち
図1は正面断面図、
図2は平断面図である。
図1は
図2のI−I線に沿った矢視断面図であり、
図2は
図1のII−II線に沿った矢視断面図である。
本実施形態では、
図1及び
図2における左右方向をX方向と称し、上下方向(高さ方向)をZ方向と称する。また、X方向及びZ方向に対して直交する方向、すなわち払出装置100の奥行き方向をY方向と称する。
更に、各構成要素の位置関係の説明を簡単にするために、便宜的に、前後左右の方向を規定して説明する場合がある。すなわち、特に断りが無い場合は、
図1における右側を右、左側を左、手前側を前、奥側を後と称する。ただし、各図に示される位置関係について説明する場合もある。
図3(a)、
図3(b)、
図3(c)、
図3(d)、
図4(a)、
図4(b)、
図4(c)及び
図4(d)は、収容カラム11(例えば収容カラム11d又は収容カラム11i)からのたばこ商品40の取出動作を示す模式的な平面図である。
図5(a)、
図5(b)、
図5(c)、
図6(a)、
図6(b)及び
図6(c)は、収容カラム11(例えば収容カラム11d又は収容カラム11i)からのたばこ商品40の取出動作を示す模式図であり、払出装置100を左側から視た側断面図である。
図7(a)及び
図7(b)は、搬送ユニット50を移動させる移動機構を説明するための模式図である。このうち
図7(a)は正面図、
図7(b)は
図7(a)のB−B線に沿った矢視断面図である。
図8(a)及び
図8(b)は、搬送ユニット50から搬出スロープ36へのたばこ商品40の受け渡し(払い出し)動作を示す模式的な正面断面図である。
図9は第1の実施形態に係る払出装置100のブロック図である。
図10は第1の実施形態に係る払出装置100の動作例を説明するための模式的な正面断面図である。
図11は第1の実施形態に係る払出装置100の動作例を説明するための模式的な正面断面図である。
なお、本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、一つの構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
【0012】
本実施形態に係る払出装置100は、複数種類のたばこ商品40を混在させて収容する収容部10と、個々のたばこ商品40から識別情報を読み取る読取部57a、57bと、個々のたばこ商品40ごとに異なる収容位置情報と対応付けて個々のたばこ商品40の識別情報を記憶する記憶部(例えば、
図9に示すRAM80c)と、記憶部の記憶内容を参照して払出命令と対応する種類のたばこ商品40を収容部10から払い出す払出機構(搬送ユニット50)と、を備える。
【0013】
ここで、たばこ商品40は、喫煙に供される個々の紙巻たばこではなく、複数本の紙巻たばこを収容している直方体状のパッケージや、紙巻たばこ以外の他のたばこ製品を収容する直方体状のパッケージを意味している。他のたばこ製品としては、嗅ぎたばこ、パイプたばこのほか、それら他のたばこ製品に用いられる吸引具等の関連物品を挙げることができる。
たばこ商品40は、長方形状の第1主面42と、第1主面42に対して平行に対向している長方形状の第2主面43と、それぞれ長方形状の第1側面44、第2側面45、第1端面46及び第2端面47と、を有している。
第1側面44は、第1主面42の一方の長辺と第2主面43の一方の長辺とに沿って配置されているとともに、第1主面42及び第2主面43に対して直交している。
第2側面45は、第1主面42の他方の長辺と第2主面43の他方の長辺とに沿って配置されているとともに、第1主面42及び第2主面43に対して直交しており、第1側面44に対して平行に対向している。
第1端面46は、第1主面42の一方の短辺と第2主面43の一方の短辺とに沿って配置されているとともに、第1主面42、第2主面43、第1側面44及び第2側面45に対して直交している。
第2端面47は、第1主面42の他方の短辺と第2主面43の他方の短辺とに沿って配置されているとともに、第1主面42、第2主面43、第1側面44及び第2側面45に対して直交しており、第1端面46に対して平行に対向している。
【0014】
ここで、識別情報とは、たばこ商品40の種類(つまり銘柄)ごとに固有の情報であり、識別情報に基づいてたばこ商品40の種類(銘柄)を特定することができる。本実施形態の場合、識別情報は、たばこ商品40のパッケージの外面に付されているバーコード41である。バーコード41は、例えば、第1側面44に付されている。
なお、識別情報を記憶するとは、バーコード41を読取部57a、57bで読み取ることによって得られた情報を記憶することであり、必ずしもバーコード41そのものを記憶することには限らない。
【0015】
また、収容位置情報は、収容部10に収容される個々のたばこ商品40と1対1で対応している。
本実施形態の場合、収容部10は、複数のたばこ商品40を縦積みで収容する収容カラム11を備えている。ここで、複数のたばこ商品40を縦積みで収容するとは、縦方向に隣接するたばこ商品40どうしが接する状態で複数のたばこ商品40を積み重ねて収容することを意味する。
なお、払出装置100は、一の収容カラム11内においても、複数種類のたばこ商品40を混在させて収容するようになっている。このため、収容位置情報は、個々のたばこ商品40の高さ位置情報を含む。
【0016】
本実施形態の場合、収容部10は、水平方向において互いに異なる位置に配置された複数の収容カラム11を備えて構成されている。
このため、収容位置情報は、高さ位置情報の他に、水平方向におけるたばこ商品40の位置を示す水平位置情報を含んでいる。
【0017】
本実施形態の場合、収容部10は、
図2に示すように、2列の収容カラム11を有している。
すなわち、収容部10は、例えば、X方向に一列に並んで配置された5つの収容カラム11をそれぞれ有する第1カラム列10a及び第2カラム列10bを含んでおり、第1カラム列10aと第2カラム列10bとが互いに並列に配置されている。
【0018】
ここで、
図1及び
図2に示すように、払出装置100は、筐体30を有しており、筐体30内に収容部10が配置されている。
筐体30は、水平に配置された底板部31と、底板部31の周縁部から起立している側壁部32と、天板部33の上端に水平に設けられた天板部33と、を備えて構成されている。
筐体30の形状は特に限定されないが、例えば、直方体形状に形成されている。すなわち、例えば、底板部31及び天板部33は、それぞれ平面視矩形状に形成されており、互いに対向している。また、側壁部32は、平面視矩形状に形成されており、底板部31と天板部33との対向間隔の領域の四方を囲んでいる。
【0019】
ここで、払出装置100は、コンビニエンスストア或いはその他の店舗に設置されて用いられる。通常時は、筐体30の内部の収容部10に収容されているたばこ商品40には、店員及び来店客がアクセスできないようになっている。
本実施形態の場合、収容部10へのたばこ商品40の補充は、オペレータ(典型的には店員)が手動で行うようになっている。筐体30のいずれかの部位は、開閉可能な開閉部(開閉蓋又は開閉扉)となっており、開閉部を開くことによって、筐体30の内部空間が外部に開放し、収容部10にたばこ商品40を補充可能な状態となるようになっている。
本実施形態の場合、天板部33が開閉蓋となっている。
図1に示すように、天板部33の一端部(例えば右端部)がヒンジ部34を介して側壁部32の上端部に対して連結されており、天板部33はヒンジ部34を支点として回動可能となっている。
図1の状態から、ヒンジ部34を支点として天板部33を時計回りに開くことによって、筐体30の上端が開放し、筐体30の上方から収容部10にたばこ商品40を補充できるようになる。
なお、開閉部には図示しない錠が設けられていて、施錠状態では開閉部が開放不能に維持されるようになっていることも好ましい。
【0020】
例えば、X方向における筐体30の一側部(例えば左側部)の下部には、たばこ商品40を筐体30の内部から外部に取り出すための取出開口38が形成されている。
筐体30における取出開口38の内側の部分には、例えば、払い出されるたばこ商品40を取出開口38を介して筐体30の外部に向けて流下させる搬出スロープ36が設けられている。
例えば、搬出スロープ36の幅方向両側には、搬出スロープ36から上方に起立したスロープ側壁37が形成されている。
例えば、取出開口38の外側には、搬出スロープ36を流下したたばこ商品40を受け容れる取出皿35が設けられている。
店員は、取出皿35に払い出されたたばこ商品40を取出皿35から取り出して販売することができる。
【0021】
図1及び
図2に示すように、第1カラム列10aは、例えば、底板部31上に水平に配置された平板状の支持基台21と、支持基台21から立設されている複数の仕切壁23と、を備えている。
本実施形態の場合、互いに等間隔で且つ互いに平行に配置された5つの仕切壁23が支持基台21から立設されており、これら仕切壁23どうしの間に4つの収容カラム11a、11b、11c、11dが形成されている。
これら収容カラム11a、11b、11c、11dには、それぞれ複数個のたばこ商品40を縦積みで収容可能となっている。すなわち、各収容カラム11a、11b、11c、11dにおいて、支持基台21上に複数個のたばこ商品40を積載できるようになっている。
各収容カラム11a、11b、11c、11dに収容可能なたばこ商品40の数は、たばこ商品40の厚み寸法(第1主面42と第2主面43との距離)に応じて変化するが、例えば、標準的な寸法のたばこ商品40の場合には20個のたばこ商品40を各収容カラム11a、11b、11c、11dに収容可能となっている。
【0022】
なお、支持基台21から立設されている5つの仕切壁23のうち、最も左側の仕切壁23(仕切壁23a)は、例えば、搬出スロープ36の右側に位置している。
更に、第1カラム列10aは、仕切壁23aに設けられた平板状の支持基台22と、支持基台22から立設された仕切壁23(仕切壁23b)と、を備えている。
支持基台22は、仕切壁23aにおけるスロープ側壁37よりも上側の部位から左側に向けて水平に延出しており、スロープ側壁37の上方に位置している。
仕切壁23bは、支持基台22の左端から立設されており、仕切壁23aと対向している。仕切壁23bの高さ寸法は、他の仕切壁23の高さ寸法よりも小さく、仕切壁23bの上端位置は他の仕切壁23の上端位置と揃っている。
仕切壁23aと仕切壁23bとの間にも1つの収容カラム11(収容カラム11e)が形成されている。
なお、収容カラム11eに収容可能なたばこ商品40の個数は、たばこ商品40が標準的な寸法の場合には、例えば15個となっている。
よって、本実施形態の場合、第1カラム列10aには、合計で95個のたばこ商品40を収容可能となっている。
【0023】
X方向における各収容カラム11の内部空間の寸法、すなわち隣り合う仕切壁23どうしの対向間隔は、標準的なたばこ商品40の長手寸法(第1主面42及び第2主面43の長辺の長さ、すなわち第1端面46と第2端面47との距離)よりも大きい寸法に設定されている。
また、Y方向における各仕切壁23の寸法(奥行き寸法)は、例えば、標準的なたばこ商品40の幅寸法(第1主面42及び第2主面43の短辺の長さ、すなわち第1側面44と第2側面45との距離)よりも大きい寸法に設定されている。
【0024】
図2に示すように、第1カラム列10aは、各仕切壁23に対して直交する状態で支持基台21から立設された側壁24を更に備えている。側壁24は、第1カラム列10aのX方向及びZ方向における全域に亘る寸法を有しており、第1カラム列10aに含まれる各収容カラム11の後端を閉塞している。
第1カラム列10aの各収容カラム11は、前面側が開放しており、前面側からたばこ商品40を抜き取ることが可能となっている。
【0025】
更に、第1カラム列10aは、各収容カラム11毎に側壁24に設けられたスペーサ部25を備えている。スペーサ部25は、側壁24における収容カラム11側の面に設けられている。スペーサ部25の上下寸法は、収容カラム11の上下寸法と同等に設定されており、スペーサ部25は、収容カラム11の下端から上端に亘って設けられている。
X方向におけるスペーサ部25の寸法は、標準的なたばこ商品40の長手寸法よりも小さい寸法に設定されている。スペーサ部25は、隣り合う仕切壁23どうしの中間位置に配置されており、各仕切壁23から離間している。
【0026】
第1カラム列10aは、以上のように構成されており、例えば5つの収容カラム11a、11b、11c、11d、11eを備えている。
【0027】
また、第2カラム列10bは、第1カラム列10aと同様の構造のものであり、5つの収容カラム11f、11g、11h、11i、11jを備えている。
【0028】
第2カラム列10bは、第1カラム列10aと前後対称に配置されている。すなわち、
図2に示すように、第1カラム列10aは奥側に配置され、第2カラム列10bは手前側に配置され、第1カラム列10aと第2カラム列10bとは互いに向かい合って配置されている。
より詳細には、収容カラム11aと収容カラム11fとが相互に対向しており、収容カラム11bと収容カラム11gとが相互に対向しており、収容カラム11cと収容カラム11hとが相互に対向しており、収容カラム11dと収容カラム11iとが相互に対向しており、収容カラム11eと収容カラム11jとが相互に対向している。
【0029】
このように、収容部10は、合計で10個の収容カラム11を備えており、合計では例えば190個のたばこ商品40を収容可能となっている。
【0030】
本実施形態の場合、払出命令と対応する種類のたばこ商品40を収容部10から払い出す払出機構は、収容部10に対して相対的に移動可能であるとともに収容部10からたばこ商品40を取り出して搬送する搬送ユニット50を含んで構成されている。
【0031】
第2カラム列10bと第1カラム列10aとの対向間隔の領域は、搬送ユニット50が移動する移動領域10cとなっている。
搬送ユニット50は、後述する移動機構によって、移動領域10cにおいてX方向及びZ方向に移動するようになっている。
【0032】
ここで、第1カラム列10aの各収容カラム11には、オペレータにより、たばこ商品40の第1主面42が上向き、第2主面43が下向き、第1側面44が手前向き、第2側面45が奥向き、第1端面46が右向き、第2端面47が左向きとなって収容されるものとする。
一方、第2カラム列10bの各収容カラム11には、オペレータにより、たばこ商品40の第1主面42が上向き、第2主面43が下向き、第1側面44が奥向き、第2側面45が手前向き、第1端面46が左向き、第2端面47が右向きとなって収容されるものとする。
すなわち、各収容カラム11には、各たばこ商品40の第1側面44が移動領域10c側を向くようにしてたばこ商品40が収容される。
【0033】
搬送ユニット50は、収容部10に収容されているたばこ商品40を選択的に抜き取ることが可能となっている。本実施形態の場合、搬送ユニット50は、たばこ商品40を一対のアーム(一対の第1アーム部54、又は、一対の第2アーム部55)で挟持して抜き取るように構成されている。
【0034】
搬送ユニット50は、例えば、抜き取ったたばこ商品40を支持可能な台状部51と、台状部51の上方に位置する天井部52と、左右一対の側壁部53と、Z方向移動部56と、を備えている。
【0035】
天井部52は、例えば平板状に形成されており、後述するように移動機構によって支持されることにより、水平に配置されている。
右側の側壁部53は、天井部52の右端部に対して固定されており、天井部52の右端部から垂下している。
右側の側壁部53における右側の側面には、Z方向移動部56が固定されている。Z方向移動部56は、後述する移動機構によって支持されている。
台状部51は、例えば平板状に形成されており、通常時においては水平に配置されている。
図8(a)に示すように、通常時においては、天井部52と台状部51とは互いに平行に対向しており、天井部52と台状部51との対向間隔は、たばこ商品40の厚み寸法よりも広く設定されている。また、左右の側壁部53の対向間隔は、たばこ商品40の長手寸法よりも広く設定されている。また、例えば、天井部52及び台状部51の前後寸法は、たばこ商品40の幅寸法よりも広く設定されている(
図3(d)、
図4(d)、
図5(c)、
図6(c)参照)。
図8(a)及び
図8(b)に示すように、台状部51の右端部は、右側の側壁部53の下端部に対してヒンジ部58により軸支されており、下方に(
図8(a)において反時計回りに)回転可能となっている。
左側の側壁部53は、天井部52の左端部によって支持されており、天井部52の左端部から垂下している。
【0036】
ここで、台状部51又は側壁部53には、台状部51を側壁部53に対して回転させる回転機構が設けられている。この回転機構は、台回転モータ85(
図9)と、台回転モータ85のモータ軸の回転を台状部51に伝達して台状部51を側壁部53に対して回転させる伝達機構と、を含んで構成されている。
台回転モータ85のモータ軸が一方向に回転することによって、台状部51が
図8(a)において反時計回りに回転し、
図8(b)の状態となるようになっている。
また、台回転モータ85のモータ軸が逆方向に回転することによって、台状部51が
図8(b)において時計回りに回転し、
図8(a)の状態に復帰するようになっている。
【0037】
図1及び
図2に示すように、天井部52の後部には第1カラム列10aのたばこ商品40のバーコード41を読み取る読取部57aが設けられている。すなわち、搬送ユニット50に読取部57a、57bが設けられている。
【0038】
読取部57aは、光学的にバーコード41を読み取るものであり、天井部52の後面に露出している。
天井部52の前部には第2カラム列10bのたばこ商品40のバーコード41を読み取る読取部57aが設けられている。読取部57aは、光学的にバーコード41を読み取るものであり、天井部52の後面に露出している。
【0039】
更に、搬送ユニット50は、例えば、第1カラム列10aから1つのたばこ商品40を選択的に取り出す左右一対の第1アーム部54と、第2カラム列10bから1つのたばこ商品40を選択的に取り出す左右一対の第2アーム部55と、を備えている。
【0040】
一対の第1アーム部54は、例えば、それぞれ前後に長尺な板状に形成されている。一対の第1アーム部54のうち、一方の第1アーム部54は、右側の側壁部53によって保持されており、他方の第1アーム部54は、左側の側壁部53によって保持されている。一対の第1アーム部54は、互いに同じ高さに配置されている。
【0041】
同様に、一対の第2アーム部55は、例えば、それぞれ前後に長尺な板状に形成されている。一対の第2アーム部55のうち、一方の第2アーム部55は、右側の側壁部53によって保持されており、他方の第2アーム部55は、左側の側壁部53によって保持されている。一対の第2アーム部55は、互いに同じ高さに配置されている。
【0042】
図1に示すように、第1アーム部54と第2アーム部55とが干渉しないように、第1アーム部54と第2アーム部55とは互いに段違いに配置されている。例えば、各第1アーム部54は各側壁部53の上部に設けられ、各第2アーム部55は側壁部53の下部に設けられている。
【0043】
図3(a)及び
図5(a)に示すように、通常は、一対の第1アーム部54、並びに、一対の第2アーム部55は、左右の側壁部53に収納されている。なお、
図3(a)及び
図5(a)に示す収納状態において、第1アーム部54並びに第2アーム部55の前端部及び後端部が側壁部53から突出していても良いし、突出していなくても良い。
【0044】
左右の側壁部53の各々には、第1アーム部54を後方(
図3(a)、
図5(a)において左方)に突出させる動作(
図3(b)、
図5(b))と、突出させた第1アーム部54を再び側壁部53に収納させる動作(
図3(d)、
図5(c))と、を行う第1アーム駆動機構が設けられている。
すなわち、各第1アーム駆動機構によって、それぞれ対応する第1アーム部54の進退動作が行われる。
【0045】
第1アーム駆動機構は、例えば、モータと、モータの駆動力を第1アーム部54に伝達する歯車等により構成された駆動伝達機構と、を含んで構成されている。
より詳細には、例えば、
図9に示すアーム駆動モータ86aと図示しない駆動伝達機構が左側の側壁部53に設けられており、該アーム駆動モータ86aのモータ軸が一方向に回転することによって、左側の第1アーム部54が後方に突出し(
図3(b)、
図5(b))、該アーム駆動モータ86aのモータ軸が逆方向に回転することによって、左側の第1アーム部54が再び左側の側壁部53に収納されるようになっている(
図3(d)、
図5(c))。
同様に、例えば、
図9に示すアーム駆動モータ86bと図示しない駆動伝達機構が右側の側壁部53に設けられており、該アーム駆動モータ86bのモータ軸が一方向に回転することによって、右側の第1アーム部54が後方に突出し(
図3(b)、
図5(b))、該アーム駆動モータ86bのモータ軸が逆方向に回転することによって、右側の第1アーム部54が再び右側の側壁部53に収納されるようになっている(
図3(d)、
図5(c))。
一対の第1アーム部54をそれぞれ駆動させるアーム駆動モータ86a、86bの動作は、互いに同期して行われるようになっており、一対の第1アーム部54は互いに同期して進退するようになっている。
【0046】
更に、左右の側壁部53の各々には、突出させた第1アーム部54の先端部(後端部)どうしが近づく方向に各第1アーム部54を水平面内で揺動させる動作(
図3(c))と、揺動させた第1アーム部54を再び元の位置に復帰させる動作(
図3(c)から
図3(a)の動作)と、を行う第1アーム揺動機構が設けられている。
すなわち、これら第1アーム揺動機構によって、一対の第1アーム部54の開閉動作が行われる。
【0047】
第1アーム揺動機構は、例えば、第1アーム部54を揺動方向における一方向に付勢しているバネと、バネの付勢に抗して第1アーム部54を揺動方向における逆方向に吸引するソレノイドと、を含んで構成されている。
より詳細には、例えば、
図9に示すアーム駆動ソレノイド87aと図示しないバネが左側の側壁部53に設けられており、該アーム駆動ソレノイド87aが作動することによって、左側の第1アーム部54がバネの付勢に抗して揺動し、当該左側の第1アーム部54の先端部が右側の第1アーム部54の先端部に近づくようになっている(
図3(c))。また、アーム駆動ソレノイド87aが作動停止することによって、左側の第1アーム部54がバネの付勢に従って揺動し、当該左側の第1アーム部54の先端部が右側の第1アーム部54の先端部から遠ざかるようになっている(
図3(a))。
同様に、例えば、
図9に示すアーム駆動ソレノイド87bと図示しないバネが右側の側壁部53に設けられており、該アーム駆動ソレノイド87bが作動することによって、右側の第1アーム部54がバネの付勢に抗して揺動し、当該右側の第1アーム部54の先端部が左側の第1アーム部54の先端部に近づくようになっている(
図3(c))。また、アーム駆動ソレノイド87bが作動停止することによって、右側の第1アーム部54がバネの付勢に従って揺動し、当該右側の第1アーム部54の先端部が左側の第1アーム部54の先端部から遠ざかるようになっている(
図3(a))。
一対の第1アーム部54をそれぞれ揺動させるアーム駆動ソレノイド87a、87bの動作は、互いに同期して行われるようになっており、一対の第1アーム部54は互いに同期して開閉するようになっている。
【0048】
また、左右の側壁部53の各々には、第2アーム部55を前方(
図4(a)、
図6(a)において右方)に突出させる動作(
図4(b)、
図6(b))と、突出させた第2アーム部55を再び側壁部53に収納させる動作(
図4(d)、
図6(c))と、を行う第2アーム駆動機構が設けられている。
すなわち、各第2アーム駆動機構によって、それぞれ対応する第2アーム部55の進退動作が行われる。
【0049】
第2アーム駆動機構は、例えば、第1アーム駆動機構と同様のものであり、モータと、モータの駆動力を第2アーム部55に伝達する歯車等により構成された駆動伝達機構と、を含んで構成されている。
より詳細には、例えば、
図9に示すアーム駆動モータ86cと図示しない駆動伝達機構が左側の側壁部53に設けられており、該アーム駆動モータ86cのモータ軸が一方向に回転することによって、左側の第2アーム部55が前方に突出し(
図4(b)、
図6(b))、該アーム駆動モータ86cのモータ軸が逆方向に回転することによって、左側の第2アーム部55が再び左側の側壁部53に収納されるようになっている(
図4(d)、
図6(c))。
同様に、例えば、
図9に示すアーム駆動モータ86dと図示しない駆動伝達機構が右側の側壁部53に設けられており、該アーム駆動モータ86dのモータ軸が一方向に回転することによって、右側の第2アーム部55が前方に突出し(
図4(b)、
図6(b))、該アーム駆動モータ86dのモータ軸が逆方向に回転することによって、右側の第2アーム部55が再び右側の側壁部53に収納されるようになっている(
図4(d)、
図6(c))。
一対の第2アーム部55をそれぞれ駆動させるアーム駆動モータ86c、86dの動作は、互いに同期して行われるようになっており、一対の第2アーム部55は互いに同期して進退するようになっている。
【0050】
更に、左右の側壁部53の各々には、突出させた第2アーム部55の先端部(前端部)どうしが近づく方向に各第2アーム部55を水平面内で揺動させる動作(
図4(c))と、揺動させた第2アーム部55を再び元の位置に復帰させる動作(
図4(c)から
図4(a)の動作)と、を行う第2アーム揺動機構が設けられている。
すなわち、これら第2アーム揺動機構によって、一対の第2アーム部55の開閉動作が行われる。
【0051】
第2アーム揺動機構は、例えば、第1アーム揺動機構と同様のものであり、第2アーム部55を揺動方向における一方向に付勢しているバネと、バネの付勢に抗して第2アーム部55を揺動方向における逆方向に吸引するソレノイドと、を含んで構成されている。
より詳細には、例えば、
図9に示すアーム駆動ソレノイド87cと図示しないバネが左側の側壁部53に設けられており、該アーム駆動ソレノイド87cが作動することによって、左側の第2アーム部55がバネの付勢に抗して揺動し、当該左側の第2アーム部55の先端部が右側の第2アーム部55の先端部に近づくようになっている(
図4(c))。また、アーム駆動ソレノイド87cが作動停止することによって、左側の第2アーム部55がバネの付勢に従って揺動し、当該左側の第2アーム部55の先端部が右側の第2アーム部55の先端部から遠ざかるようになっている(
図4(a))。
同様に、例えば、
図9に示すアーム駆動ソレノイド87dと図示しないバネが右側の側壁部53に設けられており、該アーム駆動ソレノイド87dが作動することによって、右側の第2アーム部55がバネの付勢に抗して揺動し、当該右側の第2アーム部55の先端部が左側の第2アーム部55の先端部に近づくようになっている(
図4(c))。また、アーム駆動ソレノイド87dが作動停止することによって、右側の第2アーム部55がバネの付勢に従って揺動し、当該右側の第2アーム部55の先端部が左側の第2アーム部55の先端部から遠ざかるようになっている(
図4(a))。
一対の第2アーム部55をそれぞれ揺動させるアーム駆動ソレノイド87c、87dの動作は、互いに同期して行われるようになっており、一対の第2アーム部55は互いに同期して開閉するようになっている。
【0052】
また、搬送ユニット50をX方向及びZ方向に移動させる移動機構は、例えば、以下に説明するように構成されている。
図7(a)又は
図7(b)に示すように、移動機構は、第1ボールネジ71と、第1回転部72と、一対の第1移動ブロック73と、一対の第1ガイドレール74と、第2ボールネジ75と、第2回転部76と、一対の第2移動ブロック77と、一対の第2ガイドレール78と、を備えている。
【0053】
一対の第1ガイドレール74のうち、一方の第1ガイドレール74は、例えば、側壁部32における左側の壁部の内面に固定されており、Z方向(上下方向)に延在している。また、他方の第1ガイドレール74は、例えば、側壁部32における右側の壁部の内面に固定されており、Z方向に延在している。一対の第1ガイドレール74は、奥行き方向(Y方向)においては、互いに同じ位置に配置されている。
一方の第1ガイドレール74には、一方の第1移動ブロック73が設けられており、該第1移動ブロック73は該第1ガイドレール74の長手方向に沿ってスライド可能となっている。
同様に、他方の第1ガイドレール74には、他方の第1移動ブロック73が設けられており、該第1移動ブロック73は該第1ガイドレール74の長手方向に沿ってスライド可能となっている。
第1ボールネジ71は、X方向に延在(水平に延在)しており、搬送ユニット50の天井部52及びZ方向移動部56をX方向に貫通している。第1ボールネジ71の左端は、一方の第1移動ブロック73に固定されており、第1ボールネジ71の右端は、他方の第1移動ブロック73に固定されている。これにより、第1ボールネジ71は一対の第1移動ブロック73間に架設されている。
また、第1回転部72は第1ボールネジ71と螺合している。第1回転部72は、天井部52によって保持されており、X方向に延在する回転軸周りに天井部52に対して回転可能となっている。
【0054】
一対の第2ガイドレール78のうち、一方の第2ガイドレール78は、例えば、底板部31の上面に固定されており、X方向(左右方向)に延在している。また、他方の第2ガイドレール78は、例えば、天板部33の近傍において、側壁部32における左側の壁部の内面と側壁部32における右側の壁部の内面とに亘って架設されており、X方向(左右方向)に延在している。一対の第2ガイドレール78は、奥行き方向(Y方向)においては、互いに同じ位置に配置されている。
一方の第2ガイドレール78には、一方の第2移動ブロック77が設けられており、該第2移動ブロック77は該第2ガイドレール78の長手方向に沿ってスライド可能となっている。
同様に、他方の第2ガイドレール78には、他方の第2移動ブロック77が設けられており、該第2移動ブロック77は該第2ガイドレール78の長手方向に沿ってスライド可能となっている。
第2ボールネジ75は、Z方向に延在(鉛直に延在)しており、Z方向移動部56をZ方向に貫通している。第2ボールネジ75の下端は、一方の第2移動ブロック77に固定されており、第2ボールネジ75の上端は、他方の第2移動ブロック77に固定されている。これにより、第2ボールネジ75は一対の第2移動ブロック77間に架設されている。
また、第2回転部76は第2ボールネジ75と螺合している。第2回転部76は、Z方向移動部56によって保持されており、Z方向に延在する回転軸周りにZ方向移動部56に対して回転可能となっている。
【0055】
なお、一対の第1ガイドレール74と、一対の第2ガイドレール78とは、奥行き方向において互いに異なる位置に配置されており、例えば、第1ガイドレール74が第2ガイドレール78よりも奥に配置されている。
より詳細には、第2回転部76と第1ボールネジ71とが干渉しないように、第1ボールネジ71が第2回転部76よりも奥に配置されている(
図7(b))。
【0056】
更に、移動機構は、第1回転部72を一方向及び逆方向に回転させることが可能なX駆動モータ82(
図9)と、X駆動モータ82の回転を第1回転部72に伝達する伝達機構と、第2回転部76を一方向及び逆方向に回転させることが可能なZ駆動モータ83(
図9)と、Z駆動モータ83の回転を第2回転部76に伝達する伝達機構と、を備えている。
【0057】
X駆動モータ82のモータ軸が一方向に回転することによって、第1回転部72が天井部52に対して相対的に一方向に回転する。これにより、第1回転部72が第1ボールネジ71に対して一方向(例えば左方向)に螺進することで、搬送ユニット50が左方向に移動する。
また、X駆動モータ82のモータ軸が逆方向に回転することによって、第1回転部72が天井部52に対して相対的に逆方向に回転する。これにより、第1回転部72が第1ボールネジ71に対して逆方向(例えば右方向)に螺進することで、搬送ユニット50が右方向に移動する。
【0058】
Z駆動モータ83のモータ軸が一方向に回転することによって、第2回転部76がZ方向移動部56に対して相対的に一方向に回転する。これにより、第2回転部76が第2ボールネジ75に対して一方向(例えば上方向)に螺進することで、搬送ユニット50が上昇するようになっている。
また、Z駆動モータ83のモータ軸が逆方向に回転することによって、第2回転部76がZ方向移動部56に対して相対的に逆方向に回転する。これにより、第2回転部76が第2ボールネジ75に対して逆方向(例えば下方向)に螺進することで、搬送ユニット50が下降するようになっている。
【0059】
なお、搬送ユニット50の移動方向が斜め方向の場合(移動前の位置と移動後の位置とを結ぶ直線が傾斜している場合)、X駆動モータ82の回転とZ駆動モータ83の回転とは順次に行うようにしてもよいが、並行して行うことにより、搬送ユニット50を最短パスで移動させることが可能となり、搬送ユニット50の移動時間を短縮することができる。
【0060】
図9に示すように、払出装置100は、当該払出装置100の各部の動作を統括的に制御する制御部80を備えている。
すなわち、制御部80は、X駆動モータ82、Z駆動モータ83、読取部57a、57b、台回転モータ85、アーム駆動モータ86a、86b、86c、86d、アーム駆動ソレノイド87a、87b、87c、87dの動作を制御する。
制御部80は、制御用プログラムを記憶保持しているROM80bと、この制御用プログラムに従って制御動作を実行するCPU80aと、CPU80aの作業領域などとして機能するRAM80cと、を備えて構成されている。
【0061】
制御部80には、読取部57a、57bにより読み取られた識別情報が入力されるようになっている。CPU80aは、個々のたばこ商品40ごとに異なる収容位置情報と対応付けて個々のたばこ商品40の識別情報をRAM80cに記憶させる。
【0062】
ここで、上記のように、収容位置情報は、例えば、高さ位置情報と水平位置情報とを含んで構成されている。
【0063】
高さ位置情報は、高さ方向における座標(つまりZ方向における座標であるZ座標)を示すZ座標情報であってもよいし、収容カラム11における何段目の位置であるかを示す段数情報であってもよい。
Z座標情報としては、例えば、読取部57a又は57bによるバーコード41の読み取り時における搬送ユニット50のZ座標、又は、当該Z座標と所定の相関がある座標を示す情報を用いることができる。
【0064】
また、読取部57a、57bは、収容カラム11に縦積みされているたばこ商品40どうしの境界位置を光学的に認識可能となっていてもよい。なお、搬送ユニット50がカメラを備えていて、このカメラによる撮像結果に基づいて、収容カラム11に縦積みされているたばこ商品40どうしの境界位置を認識可能となっていても良い。
この場合、縦積みされているたばこ商品40どうしの境界位置に基づいて、各たばこ商品40の上端と下端との中間位置を、各たばこ商品40の高さ位置情報として求めることができる。
【0065】
また、水平位置情報は、たばこ商品40がいずれの収容カラム11に収容されているのかを示すカラム情報であってもよいが、水平方向におけるたばこ商品40の座標を示す情報であってもよい。すなわち、水平位置情報は、X方向におけるたばこ商品40の座標であるX座標を示すX座標情報を含んで構成されていてもよい。
水平位置情報としては、例えば、読取部57a又は57bによるバーコード41の読み取り時における搬送ユニット50のX座標、又は、当該X座標と所定の相関がある座標を示す情報を用いることができる。ただし、単にこれだけの情報では、互いに向かい合わせとなっている収容カラム11のうちのいずれの収容カラム11に収容されているたばこ商品40の座標であるのかを特定できない。このため、水平位置情報は、いずれの読取部57a、57bによりバーコード41を読み取ったときのX座標であるのかを示す情報を含んでいる。
【0066】
更に、払出装置100は、払出命令取得部81を備えている。
払出命令取得部81は、例えば、筐体30の外面に設けられた操作部、又は、筐体30とは離間する位置に設けられる操作タブレットなどである。
払出命令取得部81に対して、店員またはたばこ商品40の購買者が所定の操作を行うことにより、購買者が購買するたばこ商品40の銘柄の指定が可能となっている。
なお、払出命令取得部81に対する操作により、各種のたばこ商品40の銘柄を、例えば、50音検索、ブランド名検索、タール値検索、ニコチン値検索等の各種の検索方法により検索し、指定できるようになっている。或いは、購買者の個人認証情報(声紋認証、静脈認証又は記録媒体の読み取り等により認証される情報)によって購買者を特定し、前回購買した銘柄を検索するようにしてもよい。
ここで、払出命令取得部81に対する操作により、購買者が購買するたばこ商品40の銘柄が指定されることを、払出命令取得部81が払出命令を取得する、と称する。払出命令取得部81が取得した払出命令は、払出命令取得部81から制御部80に通知される。
【0067】
更に、払出装置100は、天板部33が閉じているか否かを検出する蓋スイッチ84を備えている。すなわち、蓋スイッチ84は、天板部33が閉じている場合にその旨を検出するか、又は、天板部33が開いている場合にその旨を検出するようになっている。
制御部80には、蓋スイッチ84による検出結果が随時入力されるようになっており、制御部80は、天板部33が閉じているか否かを常時監視している。
【0068】
次に、本実施形態に係る払出装置100におけるたばこ商品40の払い出し動作を説明する。
【0069】
払出命令取得部81から制御部80に払出命令が入力されると、制御部80は、RAM80cの記憶内容を参照することによって、払出命令と対応する種類(銘柄)のたばこ商品40が収容部10に収容されているか否かを判定する。
収容されていない場合は、払出命令と対応するたばこ商品40を払い出すことができない。この場合、制御部80は、図示しない報知手段を用いて、たばこ商品40の払い出しができない旨の報知を行ってもよい。
【0070】
収容されている場合、制御部80は、払出命令と対応する種類のたばこ商品40の収容位置情報を読み出す。なお、払出命令と対応する種類のたばこ商品40が収容部10に複数個収容されている場合は、制御部80は、その中で最も先に(最も早いタイミングで)収容部10に収容されたたばこ商品40の収容位置情報を読み出す。
更に、制御部80は、読み出した収容位置情報と対応する位置に向けて搬送ユニット50を移動させるべく、X駆動モータ82及びZ駆動モータ83の動作制御を行う。
なお、以下では、払出命令と対応する種類のたばこ商品40のことを、払出対象のたばこ商品40と称する場合がある。
【0071】
以下では、払出対象のたばこ商品40が第1カラム列10aの収容カラム11(例えば、収容カラム11d)に収容されている場合と、払出対象のたばこ商品40が第2カラム列10bの収容カラム11(例えば、収容カラム11i)に収容されている場合とに場合分けして、動作を説明する。
【0072】
払出対象のたばこ商品40が収容カラム11dに収容されている場合、
図3(a)及び
図5(a)に示すように、搬送ユニット50は、収容カラム11dの前方の位置であって、払出命令と対応する種類のたばこ商品40と対応する位置に移動する。
【0073】
そして、制御部80の制御下で、読取部57aが払出対象のたばこ商品40のバーコード41を読み取る。すなわち、制御部80が読み出した収容位置情報で特定される位置に存在するたばこ商品40のバーコード41を読取部57aが読み取る。
更に、制御部80は、読取部57aが読み取ったバーコード41が、払出命令に合致するものであるか否かを判定する。
合致するものであった場合、以下に説明するようにして、制御部80の制御下で、払出対象のたばこ商品40が搬送ユニット50によって収容カラム11dから抜き取られる。
【0074】
先ず、
図3(b)及び
図5(b)に示すように、一対の第1アーム部54が側壁部53から後方に突出し、収容カラム11dに差し込まれる。
ここで、
図3(b)に示すように、第1アーム部54の先端部は、スペーサ部25と仕切壁23との間隙に差し込まれるようになっている。
【0075】
次に、
図3(c)に示すように、一対の第1アーム部54が、互いの先端部が近づく方向に揺動し、一対の第1アーム部54によって払出対象のたばこ商品40が挟持される。
【0076】
次に、
図3(d)に示すように、一対の第1アーム部54が再び側壁部53に収納される。この際に、一対の第1アーム部54により挟持されているたばこ商品40は、収容カラム11dから抜き取られ、更に、台状部51と天井部52との対向間隔の領域に引き込まれる。
【0077】
なお、上記のように一対の第1アーム部54の先端部がスペーサ部25と仕切壁23との間隙に差し込まれた後で、一対の第1アーム部54によるたばこ商品40の引き抜きが行われる。これにより、たばこ商品40を一対の第1アーム部54によって安定的に挟持した状態で引き抜くことができ、且つ、たばこ商品40を、台状部51と天井部52との対向間隔の領域まで、より確実に引き込むことができる。
【0078】
ここで、
図5(b)等に示すように、台状部51及び天井部52は、側壁部53よりも後方に突出している。そして、台状部51の高さ位置は、払出対象のたばこ商品40の下側に隣接するたばこ商品40に対して位置合わせされる一方で、天井部52の高さ位置は、払出対象のたばこ商品40の上方に隣接するたばこ商品40に対して位置合わせされるようになっている。
このため、収容カラム11dから払出対象のたばこ商品40を引き抜く際に、該たばこ商品40の上下に隣接するたばこ商品40の移動を天井部52及び台状部51によって規制できるので、上下に隣接するたばこ商品40が引き抜かれてしまうことを抑制可能である。
【0079】
払出対象のたばこ商品40が台状部51と天井部52との対向間隔の領域に引き込まれた後、一対の第1アーム部54の先端部が開くことにより、
図5(c)に示すように、該たばこ商品40が台状部51上に落下し、台状部51によって支持された状態となる。
【0080】
続いて、搬送ユニット50は、
図8(a)に示される払出位置に移動する。
続いて、
図8(b)に示すように台状部51が下方に回動することにより、払出対象のたばこ商品40が、台状部51から搬出スロープ36に受け渡され、該搬出スロープ36を流下して取出皿35に払い出される。
よって、店員は、払出対象のたばこ商品40を取出皿35から取り出して販売することができる。
【0081】
なお、
図3(a)及び
図5(a)のように搬送ユニット50が払出命令と対応する種類のたばこ商品40と対応する位置に移動した際に読み取ったバーコード41が、払出命令に合致しなかった場合、制御部80は、図示しない報知手段を用いて、たばこ商品40の払い出しができない旨の報知を行ってもよいし、又は、収容部10に収容され且つ払出命令と対応する種類のたばこ商品40のうち、2番目に早いタイミングで収容部10に収容された(2番目に古い)たばこ商品40の払い出しを搬送ユニット50に行わせてもよい。
【0082】
一方、払出対象のたばこ商品40が収容カラム11iに収容されている場合、
図4(a)及び
図6(a)に示すように、搬送ユニット50は、収容カラム11iの後方の位置であって、払出命令と対応する種類のたばこ商品40と対応する位置に移動する。
【0083】
そして、制御部80の制御下で、読取部57bが払出対象のたばこ商品40のバーコード41を読み取る。すなわち、制御部80が読み出した収容位置情報で特定される位置に存在するたばこ商品40のバーコード41を読取部57bが読み取る。
更に、制御部80は、読取部57bが読み取ったバーコード41が、払出命令に合致するものであるか否かを判定する。
合致するものであった場合、以下に説明するようにして、制御部80の制御下で、払出対象のたばこ商品40が搬送ユニット50によって収容カラム11iから抜き取られる。
【0084】
先ず、
図4(b)及び
図6(b)に示すように、一対の第2アーム部55が側壁部53から前方に突出し、収容カラム11iに差し込まれる。
ここで、
図4(b)に示すように、第2アーム部55の先端部は、スペーサ部25と仕切壁23との間隙に差し込まれるようになっている。
【0085】
次に、
図4(c)に示すように、一対の第2アーム部55が、互いの先端部が近づく方向に揺動し、一対の第2アーム部55によって払出対象のたばこ商品40が挟持される。
【0086】
次に、
図4(d)に示すように、一対の第2アーム部55が再び側壁部53に収納される。この際に、一対の第2アーム部55により挟持されているたばこ商品40は、収容カラム11iから抜き取られ、更に、台状部51と天井部52との対向間隔の領域に引き込まれる。
上記のように一対の第2アーム部55の先端部がスペーサ部25と仕切壁23との間隙に差し込まれた後で、一対の第2アーム部55によるたばこ商品40の引き抜きが行われるため、たばこ商品40を一対の第2アーム部55によって安定的に挟持した状態で引き抜くことができ、且つ、たばこ商品40を、台状部51と天井部52との対向間隔の領域まで、より確実に引き込むことができる。
【0087】
ここで、
図6(b)等に示すように、台状部51及び天井部52は、側壁部53よりも前方に突出している。そして、台状部51の高さ位置は、払出対象のたばこ商品40の下側に隣接するたばこ商品40に対して位置合わせされる一方で、天井部52の高さ位置は、払出対象のたばこ商品40の上方に隣接するたばこ商品40に対して位置合わせされるようになっている。
このため、収容カラム11iから払出対象のたばこ商品40を引き抜く際に、該たばこ商品40の上下に隣接するたばこ商品40の移動を天井部52及び台状部51によって規制できるので、上下に隣接するたばこ商品40が引き抜かれてしまうことを抑制可能である。
【0088】
払出対象のたばこ商品40が台状部51と天井部52との対向間隔の領域に引き込まれた後、一対の第2アーム部55の先端部が開くことにより、
図6(c)に示すように、該たばこ商品40が台状部51上に落下し、台状部51によって支持された状態となる。
【0089】
続いて、搬送ユニット50は、
図8(a)に示される払出位置に移動し、
図8(b)に示すように台状部51が下方に回動することにより、払出対象のたばこ商品40が、台状部51から搬出スロープ36に受け渡され、該搬出スロープ36を流下して取出皿35に払い出される。よって、店員は、払出対象のたばこ商品40を取出皿35から取り出して販売することができる。
【0090】
なお、
図4(a)及び
図6(a)のように搬送ユニット50が払出命令と対応する種類のたばこ商品40と対応する位置に移動した際に読み取ったバーコード41が、払出命令に合致しなかった場合、制御部80は、図示しない報知手段を用いて、たばこ商品40の払い出しができない旨の報知を行ってもよいし、又は、収容部10に収容され且つ払出命令と対応する種類のたばこ商品40のうち、2番目に早いタイミングで収容部10に収容された(2番目に古い)たばこ商品40の払い出しを搬送ユニット50に行わせてもよい。
【0091】
また、上述のように払出対象のたばこ商品40が収容カラム11から抜き取られると、それまで当該たばこ商品40の上に積み重なっていたたばこ商品40が、1段下方にずれる。このため、制御部80は、RAM80cに記憶している収容位置情報の更新処理を行う。
この更新処理は、個々のたばこ商品40の既知の厚み分だけ、演算によって高さ位置情報を変化させる処理であってもよいし、払出対象のたばこ商品40の上に位置していたすべてのたばこ商品40の高さ位置情報を取得し直す処理であってもよい。
【0092】
また、搬送ユニット50は、たばこ商品40の払い出しを行わないアイドリングタイムには、以下に説明するように収容部10内のたばこ商品40を移動させて、収容部10にたばこ商品40をまとめて補充しやすい状況を作り出すようになっていることが好ましい。
【0093】
例えば、
図1に示すように、複数の収容カラム11にそれぞれ空きスペース61が存在している場合を考える。ここでは、収容カラム11bには2個分のたばこ商品40に相当する空きスペース61が存在しており、収容カラム11cには1個分のたばこ商品40に相当する空きスペース61が存在しており、収容カラム11dには7個分のたばこ商品40に相当する空きスペース61が存在している。したがって、収容部10における空きスペース61の総数は10個である。
この場合に、搬送ユニット50は、例えば、収容カラム11dに収容されているたばこ商品40のうち、上から数えて3つまでのたばこ商品40aを順次に収容カラム11dから抜き取って収容カラム11b又は収容カラム11cに移動させる処理を行う。
その結果、
図10に示すように、収容カラム11dには、縦方向に連続する10個の空きスペース61が形成される。
【0094】
このように、収容部10は、第1収容部(例えば収容カラム11d)と、第2収容部(例えば収容カラム11b又は収容カラム11c)と、を備え、払出装置100は、たばこ商品40を第1収容部から第2収容部へ移動させる移動機構(搬送ユニット50)を備えている。なお、本実施形態の場合、払出機構は移動機構を兼ねている。
【0095】
そして、収容カラム11は、たばこ商品40を縦積みで収容するものであり、払出装置100は、収容部10に空き状態の複数の収容位置(空きスペース61;
図1)が存在する場合に、一の収容カラム11(例えば収容カラム11d)における空き状態の収容位置(空きスペース61)が縦方向に連続する状態となるようにたばこ商品40を別の収容位置に移動させる移動機構(搬送ユニット50)を備える。なお、本実施形態では、払出機構が移動機構を兼ねている。
より詳細には、移動機構は、一の収容カラム11における空き状態の収容位置が縦方向に所定数(例えば10個)以上連続する状態となるように、たばこ商品40を別の収容位置に移動させる。
【0096】
そして、
図10のように連続する10個分の空きスペース61が一の収容カラム11(例えば収容カラム11d)に形成されることにより、収容カラム11に対して1カートン分のたばこ商品40をまとめて補充することが可能となる。
【0097】
図11は
図10に示される空きスペース61にそれぞれたばこ商品40(たばこ商品40b)が補充された状態を示す。
ここで、収容部10にたばこ商品40bが補充された段階では、これらたばこ商品40bの収容位置情報は未だRAM80cに記憶されていない。したがって、これらたばこ商品40bは未だ払い出しに供することができない。
すなわち、払出装置100は、収容位置情報を記憶済みのたばこ商品40のみを選択的に払い出しに供するようになっている。
【0098】
収容部10にたばこ商品40bが補充された後、天板部33が閉じられると、蓋スイッチ84がその旨を検出するため、制御部80はその旨を認識する。すると、制御部80は、搬送ユニット50を移動させ、読取部57a又は57bによるたばこ商品40bのバーコード41の読み取り(スキャン)を行わせる。
すなわち、制御部80は、例えば、収容部10におけるすべての未スキャン領域に亘って搬送ユニット50を走査させて、たばこ商品40bのバーコード41の読み取りを行わせる。
制御部80は、各たばこ商品40bのバーコード41が読み取って識別情報をRAM80cに記憶する毎に、各たばこ商品40bをスキャン済みのたばこ商品40として認識する。
各たばこ商品40bは、スキャン済みのたばこ商品40となることによって、払い出しに供することが可能となる。
【0099】
なお、搬送ユニット50によるバーコード41のスキャン中に払出命令が発生した場合には、スキャン動作を一旦中断し、当該払出命令に対応するたばこ商品40の払い出し処理が割り込みで行われる。
そして、払い出し処理が完了すると、再びスキャン動作の続きが行われる。
【0100】
また、スキャン動作は、例えば、未スキャン領域の最下段から順次に行うことができる。すなわち、例えば、
図11に示される10個のたばこ商品40bのうち、最下段のたばこ商品40bから順に、バーコード41の読み取りと、読み取った識別情報の記憶とが行われる。
【0101】
なお、本実施形態のように、天板部33が閉じられる度に、収容部10におけるすべての未スキャン領域に亘ってスキャンを行う場合、オペレータは、天板部33を開けたときに空きスペース61となっている場所に、ランダムにたばこ商品40bを詰めることができる。
【0102】
以上のような第1の実施形態によれば、払出装置100は、複数種類のたばこ商品40を混在させて収容する収容部10と、個々のたばこ商品40から識別情報を読み取る読取部57a、57bと、個々のたばこ商品40ごとに異なる収容位置情報と対応付けて個々のたばこ商品40の識別情報を記憶する記憶部(RAM80c)と、記憶部の記憶内容を参照して、払出命令と対応する種類のたばこ商品40を収容部10から払い出す払出機構(搬送ユニット50)と、を備えている。
よって、複数種類のたばこ商品40が混在していても、所望のたばこ商品40を選択的に払い出すことができる。そして、収容部10に複数種類のたばこ商品を混在させることができるため、より高い収容効率で複数種類のたばこ商品40を収容することが可能となる。
【0103】
なお、上記の第1の実施形態では、払出対象のたばこ商品40を収容カラム11から抜き取る直前に、バーコード41を確認する例を説明したが、この段階でのバーコード41の確認は省略してもよい。
【0104】
〔第2の実施形態〕
図12(a)及び
図12(b)は第2の実施形態に係る払出装置の収容カラム11を示す模式的な側断面図である。
本実施形態に係る払出装置は、以下に説明する点で、第1の実施形態に係る払出装置100と相違している。本実施形態に係る払出装置において、第1の実施形態に係る払出装置100と共通する構成については、説明を省略する。
【0105】
図12(a)及び
図12(b)に示すように、本実施形態の場合、収容カラム11は、縦積みされる複数のたばこ商品40のうち最下段のたばこ商品40を傾斜する状態で支持する支持部(支持基台21の上面21a)と、その傾斜の下り方向へのたばこ商品40の脱落を規制する側壁24と、を有している。
そして、
図12(b)に示すように、払出命令と対応するたばこ商品40を、払出機構(搬送ユニット50)によって上記傾斜の上り方向側から(
図12(a)における右側から)収容カラム11より抜き取る。
【0106】
より詳細には、
図12(b)に示すように、払出機構(搬送ユニット50)は、払出命令と対応するたばこ商品40を収容カラム11から上記傾斜の上り方向に抜き取るように構成されている。
【0107】
例えば、支持基台21の上面21aは、
図12(a)及び
図12(b)の左側に向けて下り傾斜している傾斜面となっている。なお、支持部は、たばこ商品40を面支持するものに限らず、複数点で支持するものなどであってもよい。
【0108】
第1アーム部54は、
図12(a)及び
図12(b)において右上がりに傾斜して配置されており、第1アーム駆動機構によって、当該第1アーム部54の長手方向に移動(進退)可能となっている。
これにより、払出機構(搬送ユニット50)は、たばこ商品40を収容カラム11から上記傾斜の上り方向に抜き取ることができる。
なお、本発明は、この例に限らず、払出機構(搬送ユニット50)が上記第1の実施形態と同様にたばこ商品40を収容カラム11から水平に抜き取ることによって、たばこ商品40を上記傾斜の上り方向側から(
図12(a)における右側から)収容カラム11より抜き取ってもよい。
【0109】
本実施形態によれば、収容カラム11からたばこ商品40を抜き取る際に収容カラム11内のたばこ商品40が搬送ユニット50側に崩れてしまうことを抑制できる。
【0110】
また、本実施形態において、収容カラム11からのたばこ商品40の抜き取り方向に対する反対方向に側壁24が傾斜していてもよい。すなわち、
図12(a)及び
図12(b)において、側壁24が左方に傾斜していてもよい。このようにすることによって、収容カラム11からたばこ商品40を抜き取る際に収容カラム11内のたばこ商品40が搬送ユニット50側に崩れてしまうことをより確実に抑制することができる。
【0111】
なお、
図12(b)に示すように収容カラム11からたばこ商品40を抜き取った後は、第1の実施形態と同様に、一対の第1アーム部54によるたばこ商品40の挟持を解除して、たばこ商品40を台状部51によって支持してもよい。
【0112】
図12(a)及び
図12(b)には、搬送ユニット50の片側に位置するたばこ商品40を抜き取る第1アーム部54のみを示しているが、搬送ユニット50の反対側に位置するたばこ商品40を抜き取る第2アーム部55を備えていてもよい。
【0113】
なお、第2の実施形態では、払出命令と対応するたばこ商品40を、収容カラム11から取り出す例を説明したが、
図12(a)のように傾斜した上面21aを有する支持基台21上に複数のたばこ商品40が縦積みで支持されている場合に、収容部10内でたばこ商品40を移動させる際に、たばこ商品40を、移動機構(搬送ユニット50)によって上記傾斜の上り方向側から(
図12(a)における右側から)収容カラム11より抜き取ってもよい。
すなわち、収容部10は、第1収容部(
図12(a)、
図12(b)に示す収容カラム11)と、第2収容部(例えば他の収容カラム11)と、を備え、払出装置100は、たばこ商品40を第1収容部から第2収容部へ移動させる移動機構(搬送ユニット50)を備え、第1収容部は、複数のたばこ商品40を縦積みで収容する収容カラム11であり、収容カラム11は、縦積みされる複数のたばこ商品40のうち最下段のたばこ商品を傾斜する状態で支持する支持部(支持基台21の上面21a)と、その傾斜の下り方向へのたばこ商品40の脱落を規制する側壁24と、を有し、たばこ商品40を、移動機構(搬送ユニット50)によってその傾斜の上り方向側から収容カラム11より抜き取ってもよい。
更に、この場合も、移動機構(搬送ユニット50)は、たばこ商品40を収容カラム11から上記傾斜の上り方向に抜き取るように構成されていてもよい。
【0114】
〔第3の実施形態〕
図13は第3の実施形態に係る払出装置の収容カラム11を示す模式的な正面図である。
本実施形態に係る払出装置は、以下に説明する点で、第1の実施形態に係る払出装置100と相違している。本実施形態に係る払出装置において、第1の実施形態に係る払出装置100と共通する構成については、説明を省略する。
【0115】
本実施形態の場合、収容部は、複数のたばこ商品40を縦方向に間隔を空けて並べて収容する収容カラム11を備えている。したがって、収容位置情報は、個々のたばこ商品40の高さ位置情報を含む。
【0116】
より詳細には、収容カラム11は、個々の又は複数個のたばこ商品40を支持する複数段の支持部12を有している。
支持部12は、左右一対で一組となっており、例えば、一対の支持部12が収容カラム11の両側の仕切壁23にそれぞれ設けられて、収容カラム11内に突出している。支持部12は、先端側(収容カラム11の内方側)に向けて厚みが薄くなる形状となっており、例えば正面視三角形状に形成されている。
【0117】
本実施形態の場合、上下に隣接する支持部12どうしの間隔は、1個分のたばこ商品40の厚み寸法に対応しており、支持部12によって1個ずつの(個々の)たばこ商品40が支持されるようになっている。すなわち、最下段のたばこ商品40は支持基台21の上面によって支持されるが、下から2段目以上のたばこ商品40については、各段の支持部12によって支持される。
【0118】
ただし、本発明は、この例に限らず、上下に隣接する支持部12どうしの間隔が、複数個分のたばこ商品40の厚み寸法に対応していて、支持部12によって積層状態の複数個ずつのたばこ商品40が支持されるようになっていてもよい。
更にこの場合において、
図26に示す変形例の収容カラム11のように、支持部12は、収容カラム11の両側の仕切壁23間に架け渡された平板状の間仕切りであってもよい。
図26の例では、支持部12の下方に10個のたばこ商品40が収容され、支持部12上にも10個のたばこ商品40が収容されている例を示している。
【0119】
本実施形態によれば、各たばこ商品40の上に積載されているたばこ商品40が存在しないか、又は、各たばこ商品40の上に積載されているたばこ商品40の個数を低減できるため、収容カラム11からのたばこ商品40を抜き取る際の摩擦抵抗を抑制できるとともに、積載されているたばこ商品40の重みによるたばこ商品40の変形(潰れ)を抑制できる。
【0120】
また、特に、支持部12によって個々のたばこ商品40が支持される場合には、払出機構によってたばこ商品40が払い出された際に残りのたばこ商品40の位置の変化が生じないため、たばこ商品40の払い出し後における位置情報の更新が不要となる。
また、支持部12によって複数個のたばこ商品40が支持される場合にも、支持部12が存在しない場合と比べて、払出機構によってたばこ商品40が払い出された際に残りのたばこ商品40の位置の変化が生じない可能性が高くなるため、たばこ商品40の払い出し後における位置情報の更新頻度を低減できる。
【0121】
〔第4の実施形態〕
図14は第4の実施形態に係る払出装置100を説明するための模式的な正面断面図である。
本実施形態に係る払出装置100の構造は、例えば、第1の実施形態に係る払出装置100と同様である。
ただし、第1の実施形態における収容カラム11eは、本実施形態では、オペレータにより補充されたたばこ商品40を一時的に収容する専用スペースである投入部15となっている。搬送ユニット50によるたばこ商品40の払い出しは、投入部15からは行われないようになっている。
【0122】
本実施形態の場合、収容部10に空きスペース61が生じると、搬送ユニット50が投入部15のたばこ商品40をスキャンして、バーコード41を読み取り、読み取った識別情報をRAM80cに記憶するとともに、当該たばこ商品40を収容部10に移動させるようになっている。
【0123】
このように、本実施形態に係る払出装置100は、たばこ商品40が投入される投入部15と、投入部15からたばこ商品40を搬送して収容部10に収容させる収容機構(搬送ユニット50)と、を備えている。
本実施形態の場合、アイドリングタイムにおけるスキャンは、投入部15に対してのみ行えばよい。
【0124】
また、換言すれば、収容部10は、第1収容部(投入部15)と、第2収容部(例えば、収容カラム11b、11c)と、を備え、払出装置100は、たばこ商品40を第1収容部から第2収容部へ移動させる移動機構(搬送ユニット50)を備えている。なお、本実施形態の場合、払出機構は移動機構を兼ねている。
【0125】
なお、
図14においては、各収容カラム11及び投入部15のうち、投入部15が搬出スロープ36、取出開口38及び取出皿35に対して最も近い位置に配置されているが、投入部15が搬出スロープ36、取出開口38及び取出皿35から最も遠い位置に配置されていることも好ましい。
収容しているたばこ商品40が払い出しに供されることとなる収容カラム11が、投入部15よりも搬出スロープ36、取出開口38及び取出皿35の近くに配置されていることにより、たばこ商品40の払い出しに要する時間を短縮することができる。
【0126】
〔第5の実施形態〕
図15は第5の実施形態に係る払出装置を説明するための模式的な正面断面図である。
本実施形態に係る払出装置100の構造は、例えば、第4の実施形態に係る払出装置100と同様である。
ただし、第4の実施形態における収容カラム11dは、本実施形態では、たばこ商品40の貯留専用の第1収容部16となっており、搬送ユニット50によるたばこ商品40の払い出しは、第1収容部16からは行われないようになっている。
一方、収容部10における他の収容カラム11は、搬送ユニット50により払い出されるたばこ商品40を収容する第2収容部となっている。
そして、搬送ユニット50によって第2収容部からたばこ商品40が払い出された場合、搬送ユニット50は、第2収容部から払い出されたたばこ商品40と同種(同一銘柄)のたばこ商品40を第1収容部16から第2収容部へ移動させる処理をアイドリングタイムに行うようになっている。
【0127】
このように、収容部10は、第1収容部16と、第2収容部と、を備え、払出装置100は、たばこ商品40を第1収容部16から第2収容部へ移動させる移動機構(搬送ユニット50)を備えている。
なお、本実施形態の場合、払出機構は移動機構を兼ねている。
【0128】
また、第1収容部16は、たばこ商品40の貯留専用であり、第2収容部は、払出機構により払い出されるたばこ商品40を収容する。
【0129】
また、移動機構(搬送ユニット50)は、払出機構によって第2収容部から払い出されたたばこ商品40と同種のたばこ商品40を第1収容部16から第2収容部へ移動させる。
【0130】
すなわち、収容部10は、たばこ商品40の貯留専用の第1収容部16と、払出機構(搬送ユニット50)により払い出されるたばこ商品40を収容する第2収容部と、を備え、払出装置100は、払出機構によって第2収容部から払い出されたたばこ商品40と同種のたばこ商品40を第1収容部16から第2収容部へ移動させる移動機構(搬送ユニット50)を備えている。
【0131】
ただし、本発明は、この例に限らず、第1収容部16は、たばこ商品40の貯留専用でなくてもよい。すなわち、搬送ユニット50によるたばこ商品40の払い出しが、第1収容部16から行われてもよい。
また、第1収容部16から第2収容部に移動されるたばこ商品40は、必ずしも、払出機構によって第2収容部から払い出されたたばこ商品40と同種のたばこ商品40でなくてもよい。
【0132】
また、本実施形態の場合、投入部15からのたばこ商品40の移動先は、第1収容部16に限定されている。すなわち、第1収容部16に空きスペース61が生じると、搬送ユニット50が投入部15のたばこ商品40をスキャンして、バーコード41を読み取り、読み取った識別情報をRAM80cに記憶するとともに、当該たばこ商品40を第1収容部16に移動させるようになっている。
【0133】
〔第6の実施形態〕
図16(a)、
図16(b)、
図16(c)及び
図16(d)は、第6の実施形態に係る払出装置を説明するための模式図である。
本実施形態に係る払出装置は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係る払出装置100と相違している。本実施形態に係る払出装置において、上記の第1の実施形態に係る払出装置100と共通する構成については、説明を省略する。
【0134】
本実施形態の場合、搬送ユニット50は、たばこ商品40をアームにより挟持して収容カラム11から抜き取るのではなく、空気を吸引する吸着ノズル92によりたばこ商品40を吸着して収容カラム11から抜き取るように構成されている。
【0135】
図16(a)に示すように、搬送ユニット50は、図示しない吸引源(真空ポンプ等)に接続されている管状の吸着ノズル92と、吸着ノズル92を前後に進退させる移動部91と、を備えている。
移動部91は、図示しない移動機構によって、側壁部53に対して相対的に、
図16(a)における左右に移動可能となっている。
吸着ノズル92は、
図16(a)における左右方向(つまりY方向)に延在しており、その先端側が、移動部91よりも
図16(a)における左側に突出している。
【0136】
たばこ商品40の払出の際には、先ず、
図16(a)に示すように、吸着ノズル92の先端が、払出命令と対応する種類のたばこ商品40と対向する位置まで、搬送ユニット50が移動する。
【0137】
次に、
図16(b)に示すように、移動部91が収容カラム11側に移動することによって、吸着ノズル92の先端をたばこ商品40に近接させるとともに、吸着ノズル92によるたばこ商品40の吸引を開始し、吸着ノズル92によるたばこ商品40を吸着する。
【0138】
次に、
図16(c)に示すように、吸着ノズル92がたばこ商品40を吸着したままで移動部91が収容カラム11から遠ざかる側に移動することによって、収容カラム11からたばこ商品40を抜き取る。
【0139】
次に、
図16(d)に示すように、吸着ノズル92によるたばこ商品40の吸引を終了することによって、たばこ商品40が台状部51上に落下し、該台状部51によってたばこ商品40が支持される。
【0140】
その後は、第1の実施形態で説明したように、搬送ユニット50が払出位置に移動し、台状部51が下に回転する。これにより、台状部51上のたばこ商品40が搬出スロープ36を介して取出皿35に払い出される。
【0141】
なお、本実施形態の場合も、収容カラム11からのたばこ商品40の抜き取りの際に、台状部51及び天井部52によって、払出対象のたばこ商品40の上下に隣接するたばこ商品40の移動が規制されるようになっていることが好ましい。
【0142】
〔第7の実施形態〕
図17(a)、
図17(b)、
図17(c)及び
図17(d)は、第7の実施形態に係る払出装置を説明するための模式図である。
本実施形態に係る払出装置は、以下に説明する点で、第6の実施形態に係る払出装置と相違している。本実施形態に係る払出装置において、第6の実施形態に係る払出装置と共通する構成については、説明を省略する。
【0143】
本実施形態の場合、真空ポンプ等の吸引源が、移動部91に搭載されている。そして、搬送ユニット50は、この吸引源からの排気を吹き出す上下一対の押圧ノズル93、94を備えている。これら押圧ノズル93及び押圧ノズル94も、移動部91に搭載されている。
押圧ノズル93、94は、吸着ノズル92と同様の管状のものである。押圧ノズル93は吸着ノズル92の上方に、押圧ノズル94は吸着ノズル92の下方に、それぞれ配置されており、押圧ノズル93及び押圧ノズル94は吸着ノズル92に対して平行に延在している。
吸着ノズル92の先端は、押圧ノズル93及び押圧ノズル94の先端よりも
図17(a)における左側に突出している。
【0144】
たばこ商品40の払出の際には、先ず、
図17(a)に示すように、吸着ノズル92の先端が、払出命令と対応する種類のたばこ商品40と対向する位置まで、搬送ユニット50が移動する。
【0145】
次に、
図17(b)に示すように、移動部91が収容カラム11側に移動することによって、吸着ノズル92の先端を払出命令と対応するたばこ商品40に近接させるとともに、押圧ノズル93の先端を払出命令と対応するたばこ商品40の上側に隣接するたばこ商品40に近接させ、且つ、押圧ノズル93の先端を払出命令と対応するたばこ商品40の下側に隣接するたばこ商品40に近接させる。
そして、吸着ノズル92によるたばこ商品40の吸引を開始し、吸着ノズル92によるたばこ商品40を吸着する。この際、押圧ノズル93及び押圧ノズル94の先端からは吸引源からの排気が吹き出され、払出命令と対応するたばこ商品40の上下に隣接するたばこ商品40がそれぞれ
図17(b)における左側に押圧される。
【0146】
次に、
図17(c)に示すように、吸着ノズル92がたばこ商品40を吸着したまま、且つ、押圧ノズル93、94からそれぞれ排気を吹き出しながら、移動部91が収容カラム11から遠ざかる側に移動する。これにより、払出命令と対応するたばこ商品40の上下に隣接するたばこ商品40の各々を
図17(c)における左側に押圧しながら、払出命令と対応するたばこ商品40を収容カラム11から抜き取る。これにより、払出命令と対応するたばこ商品40に付随してその上下に隣接するたばこ商品40が抜き出されてしまうことが抑制される。
【0147】
次に、
図16(d)に示すように、吸着ノズル92によるたばこ商品40の吸引を終了することによって、たばこ商品40が台状部51上に落下し、該台状部51によってたばこ商品40が支持される。
【0148】
その後は、第1の実施形態で説明したように、搬送ユニット50が払出位置に移動し、台状部51が下に回転する。これにより、台状部51上のたばこ商品40が搬出スロープ36を介して取出皿35に払い出される。
【0149】
〔第8の実施形態〕
図18及び
図19は第8の実施形態に係る払出装置100の模式的な正面断面図である。このうち
図18はたばこ商品40の払い出し前の状態を示し、
図19はたばこ商品40の払い出し後の状態を示す。
図20(a)、
図20(b)、
図20(c)、
図20(d)及び
図20(e)は、第8の実施形態における収容カラム11からのたばこ商品40の取出動作を示す模式図である。
本実施形態に係る払出装置は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係る払出装置100と相違している。本実施形態に係る払出装置において、上記の第1の実施形態に係る払出装置100と共通する構成については、説明を省略する。
【0150】
本実施形態の場合、収容部10は、4つの収容カラム11a、11b、11c及び11dを一列に備えている。なお、各収容カラム11には、例えば、それぞれ縦積みで最大9個のたばこ商品40を収容可能となっている。
【0151】
また、払出装置100は、収容カラム11dに隣接する位置に投入部15を備えている。投入部15にも、例えば、縦積みで最大9個のたばこ商品40を収容可能となっている。
【0152】
更に、払出装置100は、複数の搬送ユニット50を備えている。すなわち、払出装置100は、例えば、上下3段の搬送ユニット50(搬送ユニット50a、50b、50c)を備えている。
【0153】
搬送ユニット50aは、各収容カラム11において、上から1段目、2段目及び3段目のたばこ商品40を払い出す機能を担う。
搬送ユニット50bは、各収容カラム11において、上から4段目、5段目及び6段目のたばこ商品40を払い出す機能を担う。
搬送ユニット50cは、各収容カラム11において、下から1段目、2段目及び3段目のたばこ商品40を払い出す機能を担う。
【0154】
なお、収容部10において、搬送ユニット50aによってたばこ商品40が払い出されるたばこ商品40三段分の領域を第1収容領域17aと称し、搬送ユニット50bによってたばこ商品40が払い出されるたばこ商品40三段分の領域を第2収容領域17bと称し、搬送ユニット50cによってたばこ商品40が払い出されるたばこ商品40三段分の領域を第3収容領域17cと称する。
【0155】
本実施形態の場合、各搬送ユニット50は、例えば、水平方向にのみ移動可能となっている。
【0156】
更に、払出装置100は、搬送ユニット50によって収容カラム11から抜き取られたたばこ商品40を支持して上昇させるエレベータ95を備えている。エレベータ95は、図示しない昇降機構によって昇降するようになっている。
【0157】
筐体30の天板部33には取出開口38が形成されており、エレベータ95が上昇することによって、エレベータ95によって支持されたたばこ商品40が筐体30の上方位置に排出されるようになっている(
図19)。
【0158】
図20(a)に示すように、本実施形態の場合、搬送ユニット50は、移動部91と、移動部91によって一括して進退する第1吸着ノズル96、第2吸着ノズル97及び第3吸着ノズル98と、を備えている。本実施形態の場合、搬送ユニット50は、アームによりたばこ商品40を挟持する構造ではなく、それぞれ空気を吸引する第1吸着ノズル96、第2吸着ノズル97又は第3吸着ノズル98によりたばこ商品40を吸着して保持する構造となっている。移動部91は、図示しない移動機構によって、側壁部53に対して相対的に、
図20(a)における左右に移動可能となっている。
【0159】
各第1吸着ノズル96、第2吸着ノズル97及び第3吸着ノズル98は、それぞれ管状に形成されており、図示しない接続配管を介して、図示しない吸引源(真空ポンプ等)に接続されている。
【0160】
更に、搬送ユニット50は、第1吸着ノズル96、第2吸着ノズル97及び第3吸着ノズル98のうち、第1吸着ノズル96を選択的に吸引源と連通させて該第1吸着ノズル96によって選択的にたばこ商品40を吸着する第1状態と、第2吸着ノズル97を選択的に吸引源と連通させて該第2吸着ノズル97によって選択的にたばこ商品40を吸着する第2状態と、第3吸着ノズル98を選択的に吸引源と連通させて該第3吸着ノズル98によって選択的にたばこ商品40を吸着する第3状態と、に切り替えるための図示しない切替弁を備えている。
【0161】
第2吸着ノズル97は、標準的なたばこ商品40の厚み寸法分、第1吸着ノズル96の上方に配置されている。
第3吸着ノズル98は、標準的なたばこ商品40の厚み寸法分、第1吸着ノズル96の下方に配置されている。
【0162】
搬送ユニット50によるたばこ商品40の払い出しは以下のようにして行われる。
【0163】
すなわち、先ず、
図20(a)に示すように、搬送ユニット50が払出対象のたばこ商品40と対応する位置に移動する。
【0164】
次に、移動部91が収容カラム11側に移動することによって、第1吸着ノズル96、第2吸着ノズル97及び第3吸着ノズル98が一括して収容カラム11側に移動する。
そして、第1吸着ノズル96、第2吸着ノズル97、第3吸着ノズル98のうち、払出対象のたばこ商品40と対応する高さ位置の吸着ノズルによって選択的にたばこ商品40を吸引し、該たばこ商品40を吸着する。
【0165】
次に、移動部91が収容カラム11から遠ざかる側に移動することによって、第1吸着ノズル96、第2吸着ノズル97及び第3吸着ノズル98が一括して収容カラム11から遠ざかる側に移動する。
第1吸着ノズル96によってたばこ商品40を吸着した場合には、
図20(c)に示すように、第1吸着ノズル96によって吸着されたたばこ商品40が収容カラム11から抜き取られる。
第2吸着ノズル97によってたばこ商品40を吸着した場合には、
図20(d)に示すように、第2吸着ノズル97によって吸着されたたばこ商品40が収容カラム11から抜き取られる。
第3吸着ノズル98によってたばこ商品40を吸着した場合には、
図20(e)に示すように、第3吸着ノズル98によって吸着されたたばこ商品40が収容カラム11から抜き取られる。
なお、いずれかの吸着ノズルによって吸着されたたばこ商品40が天井部52と台状部51との対向間隔の領域に引き込まれた後、吸着ノズルによるたばこ商品40の吸着を解除することにより、当該たばこ商品40は台状部51上に落下し、台状部51によって支持される。
【0166】
次に、本実施形態におけるたばこ商品40の払い出し動作の例を説明する。
【0167】
図18に示すように、払い出し前の状態では、収容カラム11b内であって第1収容領域17a内の位置と、収容カラム11c内であって第2収容領域17b内の位置と、収容カラム11d内であって第3収容領域17c内の位置に、互いに同一の銘柄のたばこ商品40cが配置されているものとする。
そして、一度に3個のたばこ商品40cの払い出しを要求する払出命令が発生したものとする。
【0168】
すると、3つの搬送ユニット50が並列的に動作し始め、それぞれ担当する収容領域内のたばこ商品40cを取り出して、エレベータ95上に搬送する。
すなわち、搬送ユニット50aは、収容カラム11b内であって第1収容領域17a内の位置に配置されているたばこ商品40cを収容カラム11bから抜き取って、該たばこ商品40cをエレベータ95上に搬送し、更に、該たばこ商品40cをエレベータ95に受け渡す。
また、搬送ユニット50bは、収容カラム11c内であって第2収容領域17b内の位置に配置されているたばこ商品40cを収容カラム11cから抜き取って、該たばこ商品40cをエレベータ95上に搬送し、更に、該たばこ商品40cをエレベータ95に受け渡す。
また、搬送ユニット50cは、収容カラム11d内であって第3収容領域17c内の位置に配置されているたばこ商品40cを収容カラム11dから抜き取って、該たばこ商品40cをエレベータ95上に搬送し、更に、該たばこ商品40cをエレベータ95に受け渡す。
すなわち、これらの動作が並列的に行われる。
【0169】
各搬送ユニット50からエレベータ95上にたばこ商品40cが受け渡されるため、エレベータ95は、3つのたばこ商品40cが搭載された状態となる。
更に、エレベータ95がこれらたばこ商品40cを搭載した状態で上昇することにより、
図19に示すように、エレベータ95によって支持された3つのたばこ商品40cが筐体30の上方位置に排出される。
【0170】
このように、本実施形態の場合、収容部10は、互いに独立して配置され、それぞれ複数のたばこ商品40を収容可能な複数の収容領域(第1収容領域17a、第2収容領域17b、第3収容領域17c)を含んでいる。払出装置100は、複数の収容領域の各々と対応して設けられた複数の払出機構(搬送ユニット50a、50b、50c)を備えている。
【0171】
ここで、
図18に示す状態は、いずれかの搬送ユニット50が、投入部15に投入されたたばこ商品40のうち、同一銘柄のたばこ商品40cを、第1収容領域17a、第2収容領域17b及び第3収容領域17cに分散して収容させることによって実現される。
【0172】
すなわち、収容機構(搬送ユニット50)は、特定種類のたばこ商品40cを複数の収容領域のうち2つ以上の収容領域に分散して収容させる。
【0173】
本実施形態によれば、複数の搬送ユニット50によってたばこ商品40cの払い出し処理を並列的に行うことができるので、複数個のたばこ商品40cを一度に払い出す際において、たばこ商品40cの払い出しに要する時間を短縮することができる。
【0174】
なお、
図18及び
図19においては、各収容カラム11及び投入部15のうち、投入部15がエレベータ95及び取出開口38に対して最も近い位置に配置されているが、投入部15がエレベータ95及び取出開口38から最も遠い位置に配置されていることも好ましい。
収容しているたばこ商品40が払い出しに供されることとなる収容カラム11が、投入部15よりもエレベータ95及び取出開口38の近くに配置されていることにより、たばこ商品40の払い出しに要する時間を短縮することができる。
【0175】
〔第9の実施形態〕
図21は第9の実施形態に係る払出装置100の模式的な平断面図であり、
図22は
図21のXXII−XXII線に沿った矢視図である。
本実施形態に係る払出装置は、以下に説明する点で、第1の実施形態に係る払出装置100と相違している。本実施形態に係る払出装置において、第1の実施形態に係る払出装置100と共通する構成については、説明を省略する。
【0176】
本実施形態の場合、払出装置100は、収容部10に対して相対的に移動して収容部10からのたばこ商品40の抜き取り及び搬送を行う搬送ユニット50と、搬出スロープ36(及びスロープ側壁37)と、を備えていない。
その代わりに、払出装置100は、以下に説明するように、払出命令と対応するたばこ商品40を選択的に空気圧により収容部10から落下させる機構と、収容部10から落下したたばこ商品40を筐体30の外部に搬出する機構と、を備えている。
【0177】
本実施形態の場合、収容部10の第1カラム列10a及び第2カラム列10bは、側壁24及びスペーサ部25を有していない。このため、各収容カラム11(収容カラム11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g、11h、11i、11j)は、前後に(Y方向における双方向に)筒抜けの構造となっている。
【0178】
また、本実施形態の場合、各収容カラム11は、第3の実施形態(
図13)で説明したように、個々のたばこ商品40を上下に間隔を空けて支持する複数段の支持部12を備えている。すなわち、上下に隣接する支持部12どうしの間隔は、1個分のたばこ商品40の厚み寸法に対応している(
図22参照)。
なお、
図22の例では、第1カラム列10a、第2カラム列10bともに、X方向に並ぶ5つの収容カラム11を備えており、各収容カラム11には、9つの収容位置が形成されている。ただし、払出装置100が備える収容カラム11の数や、各収容カラム11における収容位置の数は、この例に限定されない。
【0179】
更に、本実施形態に係る払出装置100は、第1カラム列10aと第2カラム列10bとの間において立設されているエア吐出壁110を備えている。エア吐出壁110は、平板状に形成されており、板面が前後を向いている。
エア吐出壁110には、後方に向けて開口している複数のエア吐出孔111と、前方に向けて開口している複数のエア吐出孔112と、が形成されている。
本実施形態に係る払出装置100においては、エア吐出壁110からエア吐出孔111を介して後方に向けて高圧空気を吐出可能となっているとともに、エア吐出壁110からエア吐出孔112を介して後方に向けて高圧空気を吐出可能となっている。
【0180】
エア吐出孔111は、第1カラム列10aにおけるすべての収容位置の各々と1対1で対応している。すなわち、
図22の例では、エア吐出壁110には5列、9段の合計45個のエア吐出孔111が、X方向及びZ方向におけるマトリクス状に配置されている。各エア吐出孔111の中心は、第1カラム列10aにおける各収容位置にたばこ商品40が保持されたときのたばこ商品40の中心と対向するようになっている。
よって、いずれかのエア吐出孔111から高圧空気が吐出された場合に、第1カラム列10aに収容されているたばこ商品40のうち、当該エア吐出孔111と対応する収容位置のたばこ商品40が、後方に吹き飛ばされて、第1カラム列10aの収容カラム11から落下するようになっている。
【0181】
同様に、エア吐出孔112は、第2カラム列10bにおけるすべての収容位置の各々と1対1で対応している。すなわち、
図22の例では、エア吐出壁110には5列、9段の合計45個のエア吐出孔112が、X方向及びZ方向におけるマトリクス状に配置されている。各エア吐出孔112の中心は、第2カラム列10bにおける各収容位置にたばこ商品40が保持されたときのたばこ商品40の中心と対向するようになっている。
よって、いずれかのエア吐出孔112から高圧空気が吐出された場合に、第2カラム列10bに収容されているたばこ商品40のうち、当該エア吐出孔112と対応する収容位置のたばこ商品40が、前方に吹き飛ばされて、第2カラム列10bの収容カラム11から落下するようになっている。
【0182】
更に、本実施形態に係る払出装置100は、複数のエア吐出孔111及び複数のエア吐出孔112に高圧空気を供給する図示しないエアコンプレッサ等の空気供給源と、空気供給源から各エア吐出孔111及び各エア吐出孔112に対して個別に高圧空気を供給する図示しない複数の空気供給管と、空気供給源から空気供給管を介して高圧空気が供給されるエア吐出口(複数のエア吐出孔111及び複数のエア吐出孔112のうちの1つ以上のエア吐出孔)を切り替える図示しない切替弁と、を備えている。
空気供給管は、各エア吐出孔111及び112と1対1で対応している。また、切替弁は、各空気供給管と1対1で対応している。なお、空気供給管において、切替弁よりも上流側(空気供給源側)の部分は、1本の配管により構成することができる。すなわち、空気供給管の構成としては、空気供給源に接続されている1本の主配管と、主配管から複数に分枝した分枝管と、を含んでおり、各分枝管に切替弁が設けられている構成が挙げられる。
また、複数の空気供給管の各々(分枝管の各々)は、一部分ずつがエア吐出壁110に埋設されている。
【0183】
更に、
図21に示すように、本実施形態に係る払出装置100は、例えば、第1カラム列10aの収容カラム11から落下したたばこ商品40を筐体30の外部に搬出するコンベア121と、第2カラム列10bの収容カラム11から落下したたばこ商品40を筐体30の外部に搬出するコンベア122と、を備えている。
各コンベア121、122は、筐体30の底板部31の上面に沿って水平に配置されている。各コンベア121、122は、それぞれX方向に延在しており、
図21における右側から左側に向けてたばこ商品40を搬送し、該たばこ商品40を筐体30の外部の取出皿35に搬出することができるようになっている。なお、
図21には示されていないが、筐体30の側壁部32には、筐体30の内外を連通させる取出開口(
図1の取出開口38を参照)が形成されており、コンベア121又は122によって搬送されたたばこ商品40は、この取出開口を介して、筐体30の内部から取出皿35に搬出される。
なお、コンベア121、122は、図示するように筐体30内に収まって配置されていてもよいし、取出開口をくぐり抜けて取出皿35側に延出していてもよい。
【0184】
本実施形態の場合、コンベア121及びコンベア122の上方位置には、収容部10に対して相対的に移動して、収容部10の各たばこ商品40のバーコード41を読み取ることが可能な読取ユニット(不図示)が設けられている。
読取ユニットの移動機構は、第1の実施形態で説明した搬送ユニット50の移動機構と同様のものとすることができる。
【0185】
次に、本実施形態におけるたばこ商品40の払出動作を説明する。
本実施形態の場合、払出装置100は、払出命令と対応するたばこ商品40の収容位置と対応するエア吐出孔111又はエア吐出孔112から高圧空気を吐出する。これにより、払出命令と対応するたばこ商品40をコンベア121上又はコンベア122上に落下させ、更に、該たばこ商品40をコンベア121又はコンベア122によって取出皿35に搬出させることができる。
なお、収容位置から落下するたばこ商品40が読取ユニットに衝突することを抑制するため、読取ユニットは、払出命令と対応するたばこ商品40から離間した位置に退避するようになっていてもよい。
【0186】
本実施形態の場合、一度に複数箇所のエア吐出孔111又はエア吐出孔112から並行して(例えば同時に)高圧空気を吐出することができるため、複数箇所の収容位置のたばこ商品40の払い出しを並行して行うことが可能である。
【0187】
コンベア121、122は、例えば、払出装置100が払出命令を受け付けた際に作動するようになっており、所要数のたばこ商品40が取出皿35に搬出されたことが図示しないセンサ等により検出されることによって作動停止するようになっている。
【0188】
なお、上記の第9の実施形態では、収容カラム11から落下したたばこ商品40がコンベア121、122に着地する例を説明したが、払出装置100は、収容カラム11から落下したたばこ商品40を捕捉(キャッチ)してコンベア121、122上に受け渡す搬送ユニットをコンベア121の上方位置及びコンベア122の上方位置の各々に備えていてもよい。すなわち、搬送ユニットは、払出命令と対応するたばこ商品40の近傍に移動して当該たばこ商品40を捕捉した後、コンベア121又は122の近傍に下降し、たばこ商品40をコンベア121又は122へ受け渡すようになっている。
この搬送ユニットの移動機構は、第1の実施形態で説明した搬送ユニット50の移動機構と同様のものとすることができる。
また、搬送ユニットからコンベア121又は122への受け渡しの機構としては、例えば、
図8(a)及び
図8(b)を用いて説明した機構を採用することができる。
また、第9の実施形態においても、搬送ユニットに読取部が設けられていることにより、上述した読取ユニットを備えること無く、たばこ商品40からのバーコード41の読み取りが可能となる。
【0189】
〔第10の実施形態〕
図23は第10の実施形態に係る払出装置100の模式的な平断面図である。
本実施形態に係る払出装置は、以下に説明する点で、第9の実施形態に係る払出装置100と相違している。本実施形態に係る払出装置において、第9の実施形態に係る払出装置100と共通する構成については、説明を省略する。
本実施形態に係る払出装置100は、上記の第9の実施形態と同様に、高圧空気によってたばこ商品40を収容部10から落下させ、コンベアによってたばこ商品40を筐体30の外部に搬出させるように構成されている。
ただし、本実施形態の場合、払出装置100におけるエア吐出壁及びコンベアのレイアウトが、第9の実施形態とは異なっている。
【0190】
本実施形態の場合、第1カラム列10aと第2カラム列10bとの間に1つのコンベア120が配置されている。コンベア120は、第9の実施形態におけるコンベア121、122と同様のものであり、筐体30の底板部31に沿ってX方向に延在している。
【0191】
また、本実施形態の場合、第1カラム列10aと第2カラム列10bとの間にはエア吐出壁110が配置されておらず、代わりに、第1カラム列10aの奥にはエア吐出壁110aが、第2カラム列10bの手前にはエア吐出壁110bが、それぞれ立設されている。
【0192】
エア吐出壁110aは、平板状に形成されており、板面が前後を向いている。エア吐出壁110aには、前方に向けて開口している複数のエア吐出孔111が形成されている。よって、エア吐出壁110aからエア吐出孔111を介して前方に向けて高圧空気を吐出可能となっている。そして、いずれかのエア吐出孔111から高圧空気が吐出された場合に、第1カラム列10aに収容されているたばこ商品40のうち、当該エア吐出孔111と対応する収容位置のたばこ商品40が、前方に吹き飛ばされて、第1カラム列10aの収容カラム11から落下するようになっている。
【0193】
また、エア吐出壁110bは、平板状に形成されており、板面が前後を向いている。エア吐出壁110bには、後方に向けて開口している複数のエア吐出孔112が形成されている。よって、エア吐出壁110bからエア吐出孔112を介して後方に向けて高圧空気を吐出可能となっている。そして、いずれかのエア吐出孔112から高圧空気が吐出された場合に、第2カラム列10bに収容されているたばこ商品40のうち、当該エア吐出孔112と対応する収容位置のたばこ商品40が、前方に吹き飛ばされて、第2カラム列10bの収容カラム11から落下するようになっている。
【0194】
本実施形態の場合、エア吐出孔111に高圧空気を供給する複数の空気供給管の各々は、一部分ずつがエア吐出壁110aに埋設されており、エア吐出孔112に高圧空気を供給する複数の空気供給管の各々は、一部分ずつがエア吐出壁110bに埋設されている。
【0195】
本実施形態の場合も、コンベア120の上方位置には、収容部10に対して相対的に移動して、収容部10の各たばこ商品40のバーコード41を読み取ることが可能な読取ユニット(不図示)、又は、収容カラム11から落下したたばこ商品40を捕捉してコンベア120上に受け渡す搬送ユニットが設けられている。
【0196】
本実施形態によれば、第9の実施形態と同様の効果が得られる他、コンベアの数を低減できることにより、Y方向における払出装置100の寸法の小型化が期待できる。
【0197】
〔第11の実施形態〕
図24(a)及び
図24(b)は第11の実施形態に係る払出装置の模式的な側面図である。
本実施形態に係る払出装置は、以下に説明する点で、第9の実施形態に係る払出装置100と相違している。本実施形態に係る払出装置において、第9の実施形態に係る払出装置100と共通する構成については、説明を省略する。
【0198】
本実施形態の場合、第9の実施形態とは異なり、払出装置100はエア吐出壁110を備えていない。その代わりに、本実施形態に係る払出装置100は、払出ユニット130を備えている。この払出ユニット130は、第1の実施形態における搬送ユニット50と同様に移動可能となっている。
【0199】
払出ユニット130は、高圧空気を吐出する管状の吐出ノズル131を備えている。吐出ノズル131から、収容カラム11に収容されているたばこ商品40に対して選択的に高圧空気を吐出することによって、該たばこ商品40を収容カラム11から落下させることができるようになっている。
【0200】
吐出ノズル131は、図示しないフレキシブルチューブを介して、エアコンプレッサ等の空気供給源に接続されている。空気供給源から、フレキシブルチューブを介して、吐出ノズル131に高圧空気が供給されるようになっている。
更に、払出装置100は、空気供給源から吐出ノズル131に対して高圧空気が供給される状態とされない状態との切り替えを行う切替弁を備えている。
【0201】
たばこ商品40の払出の際には、先ず、
図24(a)に示すように、吐出ノズル131の先端が、払出命令と対応する種類のたばこ商品40と対向する位置まで、払出ユニット130が移動する。
【0202】
次に、
図24(b)に示すように、吐出ノズル131から高圧空気が吐出されることによって、払出命令と対応するたばこ商品40が収容カラム11から落下するので、第9の実施形態と同様に、該たばこ商品40を筐体30外に払い出すことができる。
【0203】
〔第12の実施形態〕
図25は第12の実施形態に係る払出装置100の模式的な正面断面図である。
本実施形態に係る払出装置は、以下に説明する点で、第1の実施形態に係る払出装置100と相違している。本実施形態に係る払出装置において、第1の実施形態に係る払出装置100と共通する構成については、説明を省略する。
【0204】
上述のように、収容部10へのたばこ商品40の補充は、オペレータが手作業で行う。このため、必ずしもすべてのたばこ商品40について、バーコード41が付されている第1側面44が搬送ユニット50側(つまり読取部57a、57b側)を向く状態で収容部10に収容されるとは限らず、第2側面45が搬送ユニット50側を向く状態で収容部10に収容される場合も想定される。
このような場合、読取部57a、57bによってバーコード41を読み取ることができない。
【0205】
そこで、本実施形態に係る払出装置100は、バーコード41が読み取られなかったたばこ商品40dの置き場(例えば皿143)を筐体30内に備えている。皿143は、例えば、底板部31上に載置されている。
【0206】
本実施形態の場合、たばこ商品40が収容部10に充填され、これらたばこ商品40のバーコード41を搬送ユニット50の読取部57a、57bがスキャンする際に、バーコード41を読み取れないたばこ商品40dが存在する場合に、搬送ユニット50は、当該たばこ商品40dを収容部10から選択的に抜き取って、該たばこ商品40dを皿143に搬送する。
なお、搬送ユニット50から皿143へのたばこ商品40dの受け渡しの機構としては、例えば、
図8(a)及び
図8(b)を用いて説明した機構を採用することができる。
【0207】
更に、払出装置100は、バーコード41を読み取れないたばこ商品40dが存在する場合に、その旨をオペレータに対して報知する報知部を備えていることも好ましい。この報知部は、音声による聴覚的な報知を行うスピーカ等の聴覚的報知部と、発光又は表示等による視覚的な報知を行う発光部材又は表示装置等の視覚的報知部と、のうちの一方又は両方を備えて構成されている。
【0208】
バーコード41を読み取れないたばこ商品40dが存在することをオペレータが認識した場合には、そのたばこ商品40dを正しい向きで再度収容部10に投入することによって、読取部57a又は57bによってバーコード41を読み取らせることができる。
【0209】
筐体30の側壁部32において、皿143の配設領域の近傍の部分は、例えば、開閉扉141を構成している。すなわち、開閉扉141は、側壁部32における開閉扉141に隣接する部位に対してヒンジ部142を介して連結されている。
図25の例では、ヒンジ部142を支点として開閉扉141を反時計周りに開くことによって、開閉扉141が開放し、オペレータが筐体30の側方から手を差し入れて、皿143の上のたばこ商品40dを取り出すことができる。
なお、開閉扉141には図示しない錠が設けられていて、施錠状態では開閉扉141が開放不能に維持されるようになっていることも好ましい。
【0210】
以上、図面を参照して実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0211】
例えば、上記の第1の実施形態等では、収容部10におけるカラム列が第1カラム列10a及び第2カラム列10bの2列となっていて、払出装置100が備える搬送ユニット50の数が1つである例を説明したが、本発明はこの例に限らない。
例えば、収容部10に4列のカラム列が並列に設けられていて、このうち1番目と2番目のカラム列の間に1つ目の搬送ユニット50が、3番目と4番目のカラム列の間に2つ目の搬送ユニット50が、それぞれ設けられていてもよい。
この場合、各搬送ユニット50が個別に収容部10からのたばこ商品40の抜き取り及び搬送を行うことができるため、一度に複数のたばこ商品40を払い出す際における払い出しスピードが向上する。
このように、収容部10は、互いに独立して配置され、それぞれ複数のたばこ商品40を収容可能な複数の収容領域(この例では、1番目と2番目のカラム列により構成される第1収容領域と、3番目と4番目のカラム列により構成される第2収容領域)を含み、払出装置100は、複数の収容領域の各々と対応して設けられた複数の払出機構(搬送ユニット50)を備える構成とすることができる。
また、この場合に、収容機構は、特定種類のたばこ商品40(例えば上位銘柄のたばこ商品40)を複数の収容領域のうち2つ以上の収容領域に分散して収容させることが好ましい。
【0212】
また、上記においては、読取部が個々のたばこ商品40からバーコード41を読み取る例を説明したが、読取部は、たばこ商品40の画像を撮像し、その撮像結果に対する画像認証によって、たばこ商品40の種類(銘柄)を光学的に判別するように構成されていてもよい。
【0213】
また、個々のたばこ商品40が、識別情報を記憶したICタグを有していてもよく、この場合は、読取部は、ICタグリーダを含んで構成されている。
【0214】
また、上記の第1の実施形態等では、搬送ユニット50が水平方向に離間して配置された一対のアーム(一対の第1アーム部54、又は、一対の第2アーム部55)によってたばこ商品40を挟持して収容カラム11から抜き取る例を説明したが、アームの構造はこの例に限らない。例えば、上下方向に離間して配置された一対のアームによりたばこ商品40を上下から挟持するのでもよい。
【0215】
また、収容カラム11にたばこ商品40を縦積みで収容する場合、第1主面42及び第2主面43が相対的に小寸法のたばこ商品40の上に、第1主面42及び第2主面43が相対的に大寸法のたばこ商品40を積載すると、たばこ商品40が不安定となる可能性がある。
そこで、第1主面42及び第2主面43が相対的に小寸法のたばこ商品40がなるべく収容カラム11における上部の収容位置に収容されるように、収容部10に収容されているたばこ商品40の収容位置の移動を搬送ユニット50により行うようにしてもよい。
例えば、制御部80は、読取部に読み取られた識別情報に基づいて各たばこ商品40の寸法を判別し、その判別結果に基づいて収容カラム11におけるたばこ商品40の並び替えを搬送ユニット50に行わせることができる。
或いは、制御部80は、搬送ユニット50に設けられた撮像部によってたばこ商品40の画像を撮像させ、その撮像結果に基づいて各たばこ商品40の寸法を判別し、その判別結果に基づいて収容カラム11におけるたばこ商品40の並び替えを搬送ユニット50に行わせることができる。
【0216】
また、収容カラム11にたばこ商品40を縦積みで収容する場合、払出命令と対応するたばこ商品40を収容カラム11から抜き取る際に、その上下に隣接するたばこ商品40まで引き出されてしまうことを抑制するため、収容カラム11からのたばこ商品40の抜き取りの際に、該たばこ商品40に振動又は揺動を与える振動手段又は揺動手段を払出装置が備えていてもよい。
より詳細には、例えば、搬送ユニット50が振動手段又は揺動手段を備えている。更に詳細には、振動手段又は揺動手段は、搬送ユニット50が備える一対のアームを振動又は揺動させる。振動手段又は揺動手段は、たばこ商品40の主面(第1主面42、第2主面43)の法線方向を軸とする軸周りに、たばこ商品40を振動又は揺動させることが好ましい。
一対のアームによりたばこ商品40を挟持し、振動手段又は揺動手段によってたばこ商品40を振動又は揺動させながら該たばこ商品40を収容カラム11から抜き取ることによって、一対のアームにより挟持したたばこ商品40のみを選択的に収容カラム11からスムーズに抜き取ることができる。
【0217】
また、収容カラム11にたばこ商品40を縦積みで収容する場合、払出命令と対応するたばこ商品40を収容カラム11から抜き取った直後に、それまで上に積み重なっていたたばこ商品40が1段分落下し、それらたばこ商品40は、払出命令と対応するたばこ商品40の下に隣接していたたばこ商品40の上に積み重なる(
図5(b)及び
図5(c)等を参照)。
この際に、落下するたばこ商品40が、落下後も水平に維持されれば問題が無いが、落下の際に仕切壁23、スペーサ部25又は側壁24に引っ掛かるなどして、落下後に傾斜状態となる可能性も想定される。
この場合、次回の払出命令に応じてたばこ商品40の払い出しのため読取部57a、57bがバーコード41を読み取ろうとする際に、バーコード41を正確に読み取ることができない。
払出装置100は、そのような場合に、異常が発生している旨をオペレータに対して報知するように構成されていることが好ましい。
【0218】
また、上記においては、オペレータによるたばこ商品40の補充を、たばこ商品40が整然と積み重なるようにして行うことが前提である例を説明したが、本発明は、この例に限らない。
例えば、払出装置は、たばこ商品40が投入される投入部としてホッパーと、ホッパーから順次に流下するたばこ商品40を捕捉して水平に搬送するコンベアと、を備え、読取部は、コンベアによりたばこ商品40を搬送する過程でたばこ商品40から識別情報(バーコード41等)を読み取るようになっていてもよい。
更に、払出装置は、コンベア上で順次に搬送されるたばこ商品40を整列させる整列機構を備えていることも好ましい。
更に、払出装置は、コンベア上で整列したたばこ商品40を順次にピックアップして収容部10に向けて搬送し、該収容部10に収容させる収容機構を備えていることも好ましい。
【0219】
また、上記の各実施形態においてたばこ商品40の払い出しのために搬送ユニット50によって収容部10からたばこ商品40を取り出すいかなる動作についても、それと同様の動作を、収容部10内でのたばこ商品40の移動(第1収容部から第2収容部への移動)のために収容部10からたばこ商品40を取り出す動作に適用することができる。
【0220】
また、上記の各実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、適宜に組み合わせることができる。
【0221】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)複数種類のたばこ商品を混在させて収容する収容部と、
個々の前記たばこ商品から識別情報を読み取る読取部と、
個々の前記たばこ商品ごとに異なる収容位置情報と対応付けて個々の前記たばこ商品の前記識別情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部の記憶内容を参照して、払出命令と対応する種類の前記たばこ商品を前記収容部から払い出す払出機構と、
を備える払出装置。
(2)前記収容部は、複数の前記たばこ商品を縦積みで又は縦方向に間隔を空けて並べて収容する収容カラムを備え、
前記収容位置情報は、個々の前記たばこ商品の高さ位置情報を含む(1)に記載の払出装置。
(3)前記収容カラムは、前記たばこ商品を縦積みで収容するものであり、
当該払出装置は、前記収容部に空き状態の複数の収容位置が存在する場合に、一の前記収容カラムにおける空き状態の収容位置が縦方向に連続する状態となるように前記たばこ商品を別の収容位置に移動させる移動機構を備える(2)に記載の払出装置。
(4)前記収容カラムは、
縦積みされる複数の前記たばこ商品のうち最下段のたばこ商品を傾斜する状態で支持する支持部と、
前記傾斜の下り方向への前記たばこ商品の脱落を規制する側壁と、
を有し、
前記払出機構は、前記払出命令と対応する前記たばこ商品を前記収容カラムから前記傾斜の上り方向に抜き取るように構成されている(2)又は(3)に記載の払出装置。
(5)前記収容カラムは、前記たばこ商品を縦積みで収容するものであり、
当該払出装置は、前記収容カラムからの前記たばこ商品の払い出しの際に該たばこ商品に振動を与える振動手段又は揺動を与える揺動手段を備えている(2)から(4)のいずれか一項に記載の払出装置。
(6)前記収容カラムは、複数の前記たばこ商品を縦方向に間隔を空けて並べて収容するものであって、個々の又は複数個の前記たばこ商品を支持する複数段の支持部を有する(2)に記載の払出装置。
(7)前記たばこ商品が投入される投入部と、
前記投入部から前記たばこ商品を搬送して前記収容部に収容させる収容機構と、
を備える(1)から(6)のいずれか一項に記載の払出装置。
(8)前記収容部は、互いに独立して配置され、それぞれ複数の前記たばこ商品を収容可能な複数の収容領域を含み、
当該払出装置は、前記複数の収容領域の各々と対応して設けられた複数の前記払出機構を備え、
前記収容機構は、特定種類の前記たばこ商品を前記複数の収容領域のうち2つ以上の収容領域に分散して収容させる(7)に記載の払出装置。
(9)前記収容部は、
前記たばこ商品の貯留専用の第1収容部と、
前記払出機構により払い出される前記たばこ商品を収容する第2収容部と、
を備え、
当該払出装置は、前記払出機構によって前記第2収容部から払い出された前記たばこ商品と同種の前記たばこ商品を前記第1収容部から前記第2収容部へ移動させる移動機構を備えている(1)から(8)のいずれか一項に記載の払出装置。
(10)前記払出機構は、前記収容部に対して相対的に移動可能であるとともに前記収容部から前記たばこ商品を取り出して搬送する搬送ユニットを含んで構成されている(1)から(9)のいずれか一項に記載の払出装置。
(11)前記搬送ユニットに前記読取部が設けられている(10)に記載の払出装置。
(12)前記収容カラムは、
縦積みされる複数の前記たばこ商品のうち最下段のたばこ商品を傾斜する状態で支持する支持部と、
前記傾斜の下り方向への前記たばこ商品の脱落を規制する側壁と、
を有し、
前記払出命令と対応する前記たばこ商品を、前記払出機構によって前記傾斜の上り方向側から前記収容カラムより抜き取る上記いずれか一項に記載の払出装置。
(13)前記払出機構は、前記たばこ商品を前記収容カラムから前記傾斜の上り方向に抜き取るように構成されている(12)に記載の払出装置。
(14)前記収容部は、第1収容部と、第2収容部と、を備え、
当該払出装置は、前記たばこ商品を前記第1収容部から前記第2収容部へ移動させる移動機構を備えている上記いずれか一項に記載の払出装置。
(15)前記第1収容部は、前記たばこ商品の貯留専用であり、
前記第2収容部は、前記払出機構により払い出される前記たばこ商品を収容する(14)に記載の払出装置。
(16)前記移動機構は、前記払出機構によって前記第2収容部から払い出された前記たばこ商品と同種の前記たばこ商品を前記第1収容部から前記第2収容部へ移動させる(14)又は(15)に記載の払出装置。
(17)前記第1収容部は、複数の前記たばこ商品を縦積みで収容する収容カラムであり、
前記収容カラムは、
縦積みされる複数の前記たばこ商品のうち最下段のたばこ商品を傾斜する状態で支持する支持部と、
前記傾斜の下り方向への前記たばこ商品の脱落を規制する側壁と、
を有し、
前記たばこ商品を、前記移動機構によって前記傾斜の上り方向側から前記収容カラムより抜き取る請求項(14)から(16)のいずれか一項に記載の払出装置。
(18)前記移動機構は、前記たばこ商品を前記収容カラムから前記傾斜の上り方向に抜き取るように構成されている(17)に記載の払出装置。
【0222】
この出願は、2016年8月5日に出願された日本出願特願2016−154881号を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。